(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】骨伝導イヤホンの動作状態の最適化方法
(51)【国際特許分類】
H04R 1/00 20060101AFI20241209BHJP
H04R 1/10 20060101ALI20241209BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20241209BHJP
G10K 15/00 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
H04R1/00 317
H04R1/10 104Z
H04R3/00 310
G10K15/00 L
(21)【出願番号】P 2023518841
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(86)【国際出願番号】 CN2021082493
(87)【国際公開番号】W WO2022147905
(87)【国際公開日】2022-07-14
【審査請求日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】202110033059.0
(32)【優先日】2021-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521080118
【氏名又は名称】シェンツェン・ショックス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】王 真
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 磊
【審査官】稲葉 崇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0363002(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0363033(US,A1)
【文献】特開2017-17663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00-1/46
H04R 3/00-3/14
G10K 15/00-15/12
H04R 25/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨伝導イヤホンの動作状態の最適化方法において、前記骨伝導イヤホンは、イヤホンコア及び少なくとも1つの振動センサを含み、前記方法は、
前記イヤホンコアによりオーディオ信号に応答して生成された振動に少なくとも部分的に由来する振動信号を、前記少なくとも1つの振動センサにより取得するステップであって、前記イヤホンコアの振動が、骨伝導の方式で前記骨伝導イヤホンを装着しているユーザに伝達されるように構成される、ステップと、
前記振動信号及び前記オーディオ信号に基づいて、前記イヤホンコアの振動応答特性を決定するステップと、
前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、前記骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする
ステップであって、
前記イヤホンコアが人体の皮膚と結合された後に前記振動信号が得られるステップと、
を含み、
前記イヤホンコアの振動応答特性を決定するステップは、
前記振動信号及び前記オーディオ信号に基づいて、前記イヤホンコアの振動の周波数応答曲線を決定するステップと、
前記イヤホンコアの振動の周波数応答曲線に基づいて、前記イヤホンコアの振動応答特性を決定するステップと、
を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記振動応答特性は、少なくとも前記イヤホンコアの共振周波数、特定の周波数の応答ピーク、品質係数、入力電圧のうちの1つを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記骨伝導イヤホンの動作状態は、ユーザ装着状態及びユーザ未装着状態を含み、前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、前記骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックするステップは、
前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、前記動作状態がユーザ未装着状態であるか否かを判定するステップと、
前記動作状態がユーザ未装着状態であると、命令を生成して前記骨伝導イヤホンの消費電力を調整するステップとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、前記動作状態がユーザ未装着状態であるか否かを判定するステップは、
前記イヤホンコアの振動応答特性を識別モデルに入力するステップと、
前記識別モデルの出力に基づいて、判定結果を生成するステップと、
を含む、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記骨伝導イヤホンの動作状態は、ユーザ装着良好状態及びユーザ装着不良状態を含み、前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、前記骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックするステップは、
前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、前記動作状態がユーザ装着不良状態であるか否かを判定するステップと、
前記動作状態がユーザ装着不良状態であると、前記骨伝導イヤホンが提示情報を送信するステップとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、前記動作状態がユーザ装着不良状態であるか否かを判定するステップは、
前記イヤホンコアの振動応答特性を識別モデルに入力するステップと、
前記識別モデルの出力に基づいて、判定結果を生成するステップと、
を含む、ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記骨伝導イヤホンの動作状態は、ユーザが前記骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力に関連し、前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、前記骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックするステップは、
前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、ユーザが前記骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が所定の範囲にあるか否かを判定するステップと、
前記クランプ力が前記所定の範囲にないと、命令を生成して前記骨伝導イヤホンの対応する構造を調整することにより、ユーザが前記骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力を変更するステップとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、ユーザが前記骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が所定の範囲にあるか否かを判定するステップは、
前記イヤホンコアの振動応答特性を識別モデルに入力するステップと、
前記識別モデルの出力に基づいて、ユーザが前記骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力を特徴付けるパラメータ値を取得するステップと、
前記パラメータ値が前記所定の範囲にあるか否かを判定するステップと、
を含む、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、前記骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックするステップは、
前記イヤホンコアの振動応答特性と目標振動応答特性との差異を識別するステップと、
前記差異に基づいて、前記イヤホンコアに入力されたオーディオ信号に対してEQ調整を行うステップと、
を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記骨伝導イヤホンの動作状態は、前記イヤホンコアの入力電圧を含み、前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、前記骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックするステップは、
前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、前記イヤホンコアの入力電圧を特徴付けるパラメータ値を取得するステップと、
前記パラメータ値が電圧閾値にあるか否かを判定するステップと、
前記パラメータ値が前記電圧閾値にないと、前記イヤホンコアに入力されたオーディオ信号の振幅を調整するステップとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、前記骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックするステップは、
前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、前記ユーザの生理学的パラメータに関連するパラメータ値を取得するステップと、
前記パラメータ値に基づいて、前記骨伝導イヤホンの補助モジュールをオン又はオフにするステップと、
を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
取得モジュール、決定モジュール及び制御モジュールを含む骨伝導イヤホンであって、
前記取得モジュールは、イヤホンコアによりオーディオ信号に応答して生成された振動に少なくとも部分的に由来する振動信号を、少なくとも1つの振動センサにより取得し、前記イヤホンコアの振動が、骨伝導の方式で前記骨伝導イヤホンを装着しているユーザに伝達されるように構成され、
前記決定モジュールは、前記振動信号及び前記オーディオ信号に基づいて、前記イヤホンコアの振動応答特性を決定し、
前記制御モジュールは、前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、前記骨伝導イヤホンの動作状態を
フィードバックし、
前記イヤホンコアが人体の皮膚と結合された後に前記振動信号が得られ、
前記イヤホンコアの振動応答特性の決定は、
前記振動信号及び前記オーディオ信号に基づいて、前記イヤホンコアの振動の周波数応答曲線を決定することと、
前記イヤホンコアの振動の周波数応答曲線に基づいて、前記イヤホンコアの振動応答特性を決定することと、
を特徴とする骨伝導イヤホン。
【請求項13】
前記骨伝導イヤホンの動作状態は、ユーザ装着状態及びユーザ未装着状態を含み、前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、前記骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることは、
前記決定モジュールが前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、前記動作状態がユーザ未装着状態であるか否かを判定することと、
前記動作状態がユーザ未装着状態であると、前記制御モジュールが命令を生成して前記骨伝導イヤホンの消費電力を調整することとを含む、ことを特徴とする請求項12に記載の骨伝導イヤホン。
【請求項14】
前記骨伝導イヤホンの動作状態は、ユーザ装着良好状態及びユーザ装着不良状態を含み、前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、前記骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることは、
前記決定モジュールが前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、前記動作状態がユーザ装着不良状態であるか否かを判定することと、
前記動作状態がユーザ装着不良状態であると、前記制御モジュールが前記骨伝導イヤホンを制御して提示情報を送信することと、
を含む、ことを特徴とする請求項12に記載の骨伝導イヤホン。
【請求項15】
前記骨伝導イヤホンの動作状態は、ユーザが前記骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力に関連し、前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、前記骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることは、
前記決定モジュールが前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、ユーザが前記骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が所定の範囲にあるか否かを判定することと、
前記クランプ力が前記所定の範囲にないと、前記制御モジュールが、命令を生成して前記骨伝導イヤホンの対応する構造を調整することにより、ユーザが前記骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力を変更することと、
を含む、ことを特徴とする請求項12に記載の骨伝導イヤホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、音響の分野に関し、特に骨伝導イヤホンの動作状態の最適化方法に関する。
【0002】
[参照による援用]
本願は、2021年1月11日に提出された中国出願番号202110033059.0の優先権を主張し、その全ての内容が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0003】
骨伝導イヤホンは、従来の空気伝導イヤホンと異なり、ユーザに装着されている時、骨伝導イヤホンのイヤホンコアがユーザの頭部の皮膚にフィットして、ユーザの骨を介してユーザの中耳の耳小骨又は内耳の蝸牛に振動を直接伝達することにより、ユーザが音声を聞くことができる。しかしながら、この過程において、骨伝導イヤホンの異なる動作状態がその機能性に悪影響を与える可能性があり、例えば、骨伝導イヤホンは、ユーザが良好な動作状態で装着していない場合、すなわち、骨伝導イヤホンのイヤホンコアとユーザの頭部の皮膚とのフィットが悪いと、ユーザが骨伝導イヤホンを介して音声を聞くことができないか又は聞こえる音声の品質が悪いため、ユーザの聴覚体験及び装着体験が低下する。骨伝導イヤホンがどのような動作状態にあるかを判定し、対応するフィードバック及び最適化を行うことは、骨伝導イヤホンの機能性の保証に重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時に優れた聴覚体験及び装着体験を有するように、骨伝導イヤホンの機能性を保証するために骨伝導イヤホンの動作状態を判定し、フィードバックし最適化する方法を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の一実施例に係る骨伝導イヤホンの動作状態の最適化方法において、前記骨伝導イヤホンは、イヤホンコア及び少なくとも1つの振動センサを含み、前記方法は、前記イヤホンコアによりオーディオ信号に応答して生成された振動に少なくとも部分的に由来する振動信号を、前記少なくとも1つの振動センサにより取得するステップであって、前記イヤホンコアの振動が、骨伝導の方式で前記骨伝導イヤホンを装着しているユーザに伝達されるように構成される、ステップと、前記振動信号及び前記オーディオ信号に基づいて、前記イヤホンコアの振動応答特性を決定するステップと、前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、前記骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックするステップとを含む。
【0006】
本願の一実施例に係る骨伝導イヤホンは、取得モジュール、決定モジュール及び制御モジュールを含み、前記取得モジュールは、イヤホンコアによりオーディオ信号に応答して生成された振動に少なくとも部分的に由来する振動信号を、少なくとも1つの振動センサにより取得し、前記イヤホンコアの振動が、骨伝導の方式で前記骨伝導イヤホンを装着しているユーザに伝達されるように構成され、前記決定モジュールは、前記振動信号及び前記オーディオ信号に基づいて、前記イヤホンコアの振動応答特性を決定し、前記制御モジュールは、前記イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、前記骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする。
【0007】
本願の一実施例に係る識別モデルのトレーニング方法は、サンプル情報を取得するステップと、前記サンプル情報に基づいて、少なくとも2つのユーザの装着記録のそれぞれの、ポジティブサンプルタイプ又はネガティブサンプルタイプを含むサンプルタイプを決定するステップと、前記サンプル情報に基づいて、前記少なくとも2つのユーザの装着記録のそれぞれに対応するサンプル特性情報を決定するステップと、前記サンプル特性情報と、前記少なくとも2つのユーザの装着記録のそれぞれのサンプルタイプとに基づいて、前記識別モデルを決定するステップと、を含む。
【0008】
例示的な実施例によって本願をさらに説明し、これらの例示的な実施例を図面により詳細に説明する。これらの実施例は、限定的なものではなく、これらの実施例では、同じ符号が同じ構造を示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本願のいくつかの実施例に係る、骨伝導イヤホンの動作状態の最適化方法のフローチャートである。
【
図2】本願のいくつかの実施例に係る、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする方法のフローチャートである。
【
図3】本願のいくつかの実施例に係る、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線とユーザ未装着状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線である。
【
図4】本願のいくつかの実施例に係る、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする方法のフローチャートである。
【
図5】本願のいくつかの実施例に係る、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着良好状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線とユーザ装着不良状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線である。
【
図6】本願のいくつかの実施例に係る、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする方法のフローチャートである。
【
図7】本願のいくつかの実施例に係る、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が大きいことである場合に対応するイヤホンコア振動の周波数応答曲線とクランプ力が小さいことである場合に対応するイヤホンコア振動の周波数応答曲線である。
【
図8】本願のいくつかの実施例に係る、異なるユーザが同一の骨伝導イヤホンを装着している場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線である。
【
図9】本願のいくつかの実施例に係る、同一のユーザが骨伝導イヤホンを複数回装着する場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線である。
【
図10】本願のいくつかの実施例に係る、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする方法のフローチャートである。
【
図11】本願のいくつかの実施例に係る、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする方法のフローチャートである。
【
図12】本願のいくつかの実施例に係る、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする方法のフローチャートである。
【
図13】本願のいくつかの実施例に係る、識別モデルのトレーニング方法のフローチャートである。
【
図14】本願のいくつかの実施例に係る、骨伝導イヤホンのモジュール図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は、本願のいくつかの例又は実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて本願を他の類似するシナリオに適用することができる。言語環境から明らかではないか又は別に説明しない限り、図中の同じ番号は、同じ構造又は操作を示す。
【0011】
本明細書で使用される「システム」、「装置」、「ユニット」及び/又は「モジュール」が、段階の異なる様々なアセンブリ、素子、部品、部分又は組立体を区別する方法であることを理解されたい。しかしながら、他の用語が同じ目的を達成することができれば、上記用語の代わりに他の表現を用いることができる。
【0012】
本願及び特許請求の範囲に示すように、文脈を通して明確に別段の指示をしない限り、「1つ」、「1個」、「1種」及び/又は「該」などの用語は、特に単数形を意味するものではなく、複数形を含んでもよい。一般的には、用語「含む」及び「含有」は、明確に特定されたステップ及び要素を含むことを提示するものに過ぎず、これらのステップ及び要素は、排他的な羅列ではなく、方法又は機器は、他のステップ又は要素を含む可能性がある。
【0013】
本願では、フローチャートを使用して本願の実施例に係るシステムが実行する操作を説明する。先行又は後続の操作が必ずしも順序に従って正確に実行されるとは限らないことを理解されたい。その代わりに、各ステップを逆の順序で、又は同時に処理してもよい。また、他の操作をこれらのプロセスに追加してもよく、これらのプロセスから1つ以上の操作を除去してもよい。
【0014】
骨伝導イヤホンを使用している時、骨伝導イヤホンの異なる動作状態が骨伝導イヤホンの機能性に影響を与える可能性があるため、ユーザが悪い聴覚体験及び装着体験を有することになる。例えば、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時、骨伝導イヤホンが良好に装着されていなければ、ユーザに骨伝導イヤホンを介して聞こえる音声の品質が悪くなる。また例えば、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時に骨伝導イヤホンの初期の入力電圧が小さいか又は大きい場合、ユーザに聞こえる音声の音量が小さすぎるか又は大きすぎることを引き起こして、ユーザに悪い聴覚体験を与えるか又はユーザの聴力に損傷を与える。さらに例えば、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が小さすぎるか又は大きすぎると、骨伝導の伝達効率及びユーザの聴覚体験又は装着体験に影響を与える。さらに例えば、骨伝導イヤホンがユーザに装着されているか又は装着されていないことに伴って動作状態に自動的に入るか又は動作状態を終了しないことにより、骨伝導イヤホンの電力消費を増加させ、ユーザの装着体験に影響を与える。
【0015】
上記問題に対して、本明細書は、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックして、骨伝導イヤホンの動作状態を最適化することにより、ユーザが優れた聴覚体験及び装着体験を有することを保証する、骨伝導イヤホンの動作状態の最適化方法を説明する。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンは、イヤホンコア及び少なくとも1つの振動センサを含んでもよく、イヤホンコアは、オーディオ信号に応答して振動を生成してもよく、該振動は、骨伝導の方式で骨伝導イヤホンを装着しているユーザに伝達されてもよく、人体の異なる位置の皮膚の負荷が異なるため、イヤホンコアの振動は、ユーザの実際の装着位置に関連し、少なくとも1つの振動センサにより、イヤホンコアの人体の皮膚と結合された後の振動信号を取得することができる。さらに、オーディオ信号及び振動信号に基づいて、イヤホンコアの振動応答特性を決定することができ、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックして、骨伝導イヤホンの動作状態の最適化を実現することができる。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることは、ユーザが骨伝導イヤホンを装着していない場合、命令を生成して骨伝導イヤホンの再生を一時停止するか又は骨伝導イヤホンの消費電力を適応調整して、骨伝導イヤホンの電力消費を低減することを含んでもよい。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることは、骨伝導イヤホンが良好に装着されていない場合、提示情報を生成して、骨伝導イヤホンを改めて装着することをユーザに提示することにより、ユーザが骨伝導イヤホンを介して聞こえる音声の品質が高くて、優れた聴覚体験を得る。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることは、骨伝導イヤホンのイヤホンコアの入力電圧が小さすぎるか又は大きすぎる場合、イヤホンコアに入力されたオーディオ信号の振幅を適応調整することにより、ユーザが適切な音量の音声を聞くことができることを保証することを含んでもよい。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることは、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が小さすぎるか又は大きすぎる場合、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力を適応調整し、骨伝導の伝達効率を保証するとともに、ユーザの装着時の快適さを保証することを含んでもよい。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることは、さらに、異なるユーザが骨伝導イヤホンを装着しているか又は同一のユーザが骨伝導イヤホンを繰り返し装着している場合、イヤホンコアに入力されたオーディオ信号に対してEQ補償を行って、異なるユーザ又は異なる装着方式を用いるユーザが骨伝導イヤホンを介して聞くことができる音声の効果が同じであることを保証することを含んでもよい。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることにより、ユーザの生理学的状態をモニタリングしてユーザの健康状況を監視しフィードバックすることをさらに実現することができる。
【0016】
図1は、本願のいくつかの実施例に係る、骨伝導イヤホンの動作状態の最適化方法のフローチャートである。
【0017】
いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンは、イヤホンコア及び少なくとも1つの振動センサを含んでもよい。骨伝導イヤホンにおいて、イヤホンコアは、エネルギー変換装置であってもよく、受信したオーディオ信号を機械的振動に変換することができ、該機械的振動は、骨伝導の方式で人の耳に伝達されることにより、人が対応する音声を聞くことができる。いくつかの実施例において、イヤホンコアは、電動式(コイル式)、可動鉄式、圧電式、空気圧式及び電極式のイヤホンコアを含んでもよいが、これらに限定されず、オーディオ信号に応答して振動を生成することができる。例えば、イヤホンコアは、電動式イヤホンコアであってもよく、構造が電磁石、コイル及び振動膜を含んでもよく、コイルは、振動膜に接続され、信号電流の駆動で振動膜が振動するように振動膜を駆動することができる。
【0018】
振動センサは、イヤホンコアの振動に基づいて、イヤホンコア振動の周波数応答曲線を収集するセンサであってもよい。いくつかの実施例において、少なくとも1つの振動センサは、イヤホンコアの内部又は表面に設置されてもよく、振動センサは、イヤホンコアの振動に基づいて、振動信号を取得してから、オーディオ信号及び振動信号に基づいて、イヤホンコア振動の周波数応答曲線を取得し、該周波数応答曲線からイヤホンコア振動の振動応答特性を決定することができる。いくつかの実施例において、イヤホンコアの振動応答特性は、イヤホンコアの共振周波数、特定の周波数の応答ピーク、品質係数、入力電圧のうちの1つ以上を含んでもよい。いくつかの実施例において、振動センサの測定するパラメータに基づいて分類される場合、振動センサは、変位センサ、速度センサ、加速度センサなど又はそれらの組み合わせを含んでもよい。異なるタイプのセンサは、イヤホンコアの異なる周波数帯域の振動収集に適用することができる。例えば、振動センサは、変位センサである場合、イヤホンコアの低周波振動を収集することができる。また例えば、振動センサは、速度センサである場合、イヤホンコアの中周波振動を収集することができる。さらに例えば、振動センサは、加速度センサである場合、イヤホンコアの中高周波振動を収集することができる。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンは、全周波数帯域の振動信号を監視するように、各周波数帯域(例えば、低周波、中周波、高周波など)の振動信号を取得する少なくとも1つの振動センサをさらに含んでもよい。いくつかの実施例において、振動センサは、外部励振の有無に基づいて分類される場合、アクティブセンサ(外部電圧又は電流の励振を必要とする)、パッシブセンサを含んでもよい。いくつかの実施例において、振動センサは、測定する振動方向に基づいて分類される場合、単軸センサ、多軸センサ、回転角速度センサを含んでもよいが、これらに限定されない。異なるタイプのセンサであれば、測定する振動方向が異なり、例えば、単軸センサは、単軸の振動方向の測定を実現することができる。多軸センサ及び回転角速度センサは、多軸の振動方向の測定を実現することができる。いくつかの実施例において、振動センサのタイプは、圧電センサ、集積回路圧電(Integrated Circuits Piezoelectric、ICP)加速度センサ、微小電気機械システム(Microelectro Mechanical Systems、MEMS)センサなどを含むが、これらに限定されない。
【0019】
図1に示すように、骨伝導イヤホンの動作状態の最適化方法100は、以下のステップ110~ステップ130を含んでもよい。
【0020】
ステップ110では、少なくとも1つの振動センサにより振動信号を取得する。
【0021】
いくつかの実施例において、ステップ110は、骨伝導イヤホンの取得モジュール(例えば、取得モジュール1410)により実行されてもよい。いくつかの実施例において、振動信号は、イヤホンコアによりオーディオ信号に応答して生成された振動に少なくとも部分的に由来する。具体的には、イヤホンコアは、受信したオーディオ信号を機械的振動に変換することができ、該機械的振動は、骨伝導の方式で骨伝導イヤホンを装着しているユーザに伝達されることにより、ユーザが対応する音声を聞くことができ、該機械的振動は、イヤホンコアの内部又は表面に位置する振動センサに伝達することができ、振動センサは、該機械的振動に基づいて、対応する振動信号を取得し、オーディオ信号及び振動信号に基づいて、イヤホンコア振動の周波数応答曲線を取得し、該周波数応答曲線からイヤホンコアの振動応答特性を決定することができる。いくつかの実施例において、オーディオ信号は、音声情報を有する光信号、電気信号、磁気信号、機械信号などを含んでもよい。いくつかの実施例において、イヤホンコアは、有線又は無線接続の方式でオーディオ信号を受信してもよく、オーディオ信号は、骨伝導イヤホン自体の記憶ユニットに由来してもよく、骨伝導イヤホン以外の端末装置(例えば、携帯電話、コンピュータ、MP3など)に由来してもよい。いくつかの実施例において、オーディオ信号は、予め設定されたオーディオ校正信号であってもよい。例えば、該オーディオ校正信号は、周波数掃引信号、ホワイトノイズ信号又は音楽に対応する音声信号であってもよい。いくつかの実施例において、オーディオ信号は、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時の再生中の音声信号であってもよい。
【0022】
ステップ120では、振動信号及びオーディオ信号に基づいて、イヤホンコアの振動応答特性を決定する。
【0023】
いくつかの実施例において、ステップ120は、骨伝導イヤホンの決定モジュール(例えば、決定モジュール1420)により実行されてもよい。いくつかの実施例において、振動センサは、イヤホンコアの振動(機械的振動とも呼ばれる)に基づいて、振動信号を取得した後、振動信号及びオーディオ信号に基づいて、イヤホンコア振動の周波数応答曲線を取得し、イヤホンコアの周波数応答曲線に基づいて、イヤホンコアの振動応答特性を決定してもよい。いくつかの実施例において、特性抽出方法でイヤホンコア振動の周波数応答曲線からイヤホンコアの振動応答特性を抽出してもよい。いくつかの実施例において、振動応答特性を抽出する方法は、主成分分析(Principal Components Analysis、PCA)、独立成分分析(Independent Component Algorithm、ICA)、線形判別分析(Linear Discriminant Analysis、LDA)、特異値分解(Singular Value Decomposition、SVD)などを含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、イヤホンコアの振動応答特性は、少なくともイヤホンコアの共振周波数、特定の周波数の応答ピーク、品質係数、入力電圧のうちの1つを含んでもよい。さらに、イヤホンコア振動の周波数応答曲線から、イヤホンコアの共振周波数、特定の周波数の応答ピーク、品質係数又はイヤホンコアの入力電圧を特徴付けるパラメータ値など(例えば、振動幅、速度、加速度など)又はそれらの任意の組み合わせを決定することができる。
【0024】
ステップ130では、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする。
【0025】
いくつかの実施例において、ステップ130は、骨伝導イヤホンの制御モジュール(例えば、制御モジュール1430)により実行されてもよい。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの異なる動作状態は、イヤホンコアの振動に影響を与えることにより、イヤホンコアが異なる振動応答特性を有する。したがって、イヤホンコアの振動応答特性により骨伝導イヤホンがどのような動作状態であるかを判定することにより、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックして、骨伝導イヤホンの動作状態を最適化することができるため、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時の聴覚体験及び装着体験を保証することができる。いくつかの実施例において、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることは、アルゴリズムにより実現することができる。なお、いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの異なる動作状態を判定することは、一定の時間間隔(例えば、1s、2s、3sなど)に基づいて行われてもよい。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態を判定することは、骨伝導イヤホンの電源をオンにしている時の一定の時間範囲(例えば、3s、4s、5sなど)で行われてもよい。
【0026】
いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態は、ユーザ装着状態及びユーザ未装着状態を含んでもよい。イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることは、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ未装着状態であるか否かを判定することと、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ未装着状態であると、命令を生成して骨伝導イヤホンの動作(例えば、再生)を一時停止するか又は骨伝導イヤホンの消費電力を調整して、骨伝導イヤホンの電力消費を低減することとを含んでもよい。骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着状態であると、骨伝導イヤホンは、該動作状態を保持し続けるか又は骨伝導イヤホンの他の動作状態(例えば、ユーザ装着良好状態/ユーザ装着不良状態、クランプ力が大きすぎるか又は小さすぎるなど)をさらに判定する。骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着状態及びユーザ未装着状態を含み、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることのより多くの説明について、
図2及びその関連説明を参照することができる。
【0027】
いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態は、ユーザ装着良好状態及びユーザ装着不良状態を含んでもよい。イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることは、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着不良状態であるか否かを判定することと、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着不良状態であると、骨伝導イヤホンが提示情報を生成して、骨伝導イヤホンを改めて装着するか又は骨伝導イヤホンの装着姿勢及び位置を調整することをユーザに提示することにより、ユーザの聴覚体験及び装着体験を保証することとを含んでもよい。骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着良好状態であると、骨伝導イヤホンは、該装着良好状態の動作状態を保持し続ける。骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着良好状態及びユーザ装着不良状態を含み、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることのより多くの説明について、
図4及びその関連説明を参照することができる。
【0028】
いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態は、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力に関連してもよい。イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることは、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が所定の範囲にあるか否かを判定することと、クランプ力が所定の範囲にないと、命令を生成して骨伝導イヤホンの対応する構造を調整することにより、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力を変更することとを含んでもよい。クランプ力を所定の範囲にし、クランプ力が小さすぎてユーザに骨伝導イヤホンを介して聞こえる音声の音質が悪いか、又はクランプ力が大きすぎてユーザ装着が不快になることを回避して、ユーザの聴覚体験及び装着体験を保証する。骨伝導イヤホンの動作状態がユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力に関連し、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることのより多くの説明について、
図6及びその関連説明を参照することができる。
【0029】
いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態は、イヤホンコアの入力電圧を含んでもよい。イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることは、イヤホンコアの入力電圧を特徴付けるパラメータ値を取得することと、パラメータ値が電圧閾値にあるか否かを判定することと、イヤホンコアの入力電圧が電圧閾値にないと、イヤホンコアに入力されたオーディオ信号の振幅を調整することとを含んでもよい。イヤホンコアのオーディオ信号の振幅が小さすぎてユーザが骨伝導イヤホンを介して聞くことができる音声の音質が悪いか又は音量が低いことがなく、オーディオ信号の振幅が大きすぎてイヤホンコアに損傷を与えるか又はユーザに不快感を与え、ひいてはユーザの聴力を損なうことがないようにして、ユーザの聴覚体験及び装着体験を保証する。骨伝導イヤホンの動作状態が入力電圧を含み、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることのより多くの説明について、
図11及びその関連説明を参照することができる。
【0030】
いくつかの実施例において、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることは、イヤホンコアの振動応答特性と目標振動応答特性との差異を識別することと、差異に基づいて、イヤホンコアに入力されたオーディオ信号に対してEQ調整を行うこととを含んでもよい。より多くの説明について、
図10及びその関連説明を参照することができる。
【0031】
いくつかの実施例において、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることは、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、ユーザの生理学的パラメータに関連するパラメータ値を取得することと、上記パラメータ値に基づいて、骨伝導イヤホンの補助モジュールをオン又はオフにすることとを含んでもよい。より多くの説明について、
図12及びその関連説明を参照することができる。
【0032】
いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態は、ユーザ装着状態及びユーザ未装着状態を含んでもよい。ユーザ装着状態は、ユーザによって装着されている場合の骨伝導イヤホンの動作状態であり、ここでは、骨伝導イヤホンのイヤホンコアがユーザの頭部の皮膚にフィットすると理解することもできる。ユーザ未装着状態は、ユーザによって装着されていない場合の骨伝導イヤホンの状態であり、ここでは、骨伝導イヤホンがユーザの頭部の皮膚にフィットしていないと理解することができる。
【0033】
図2は、本願のいくつかの実施例に係る、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする方法のフローチャートである。骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着状態又はユーザ未装着状態であると判定する場合、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする方法200は、以下のステップ210~ステップ220を含んでもよい。
【0034】
ステップ210では、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、動作状態がユーザ未装着状態であるか否かを判定する。
【0035】
いくつかの実施例において、ステップ210は、骨伝導イヤホンの決定モジュール(例えば、決定モジュール1420)により実行されてもよい。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着状態である場合、イヤホンコアは、ユーザの皮膚に接触し、皮膚の機械的インピーダンスは、イヤホンコアの振動に影響を与え、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ未装着状態である場合、イヤホンコアは、ユーザの皮膚に接触せず、イヤホンコアの振動は、皮膚の機械的インピーダンスの影響を受けない。したがって、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着状態である場合とユーザ未装着状態である場合とで振動センサにより収集されたイヤホンコアの振動信号は、異なるため、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着状態である場合とユーザ未装着状態である場合に、イヤホンコアは、異なる振動応答特性(例えば、共振周波数、特定の周波数の応答ピーク、品質係数など)を有し、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着状態であるか又はユーザ未装着状態であるかを判定することができる。ユーザ装着状態及びユーザ未装着状態の骨伝導イヤホンをさらに説明するために、以下、
図3を参照して説明する。
図3は、本願のいくつかの実施例に係る、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線とユーザ未装着状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線である。
図3中の実線は、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線であり、
図3中の破線は、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ未装着状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線である。
図3に示すように、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線とユーザ未装着状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線とは、明らかな差異を有し、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着状態である場合のイヤホンコアの振動応答特性とユーザ未装着状態である場合のイヤホンコアの振動応答特性も異なる。例えば、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線は、ユーザ未装着状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線に対してより平坦である。また例えば、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線における応答ピークに対応する周波数は、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ未装着状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線における応答ピークに対応する周波数より小さい。具体的には、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ未装着状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線は、約26Hzの周波数に対応する応答ピーク310を有し、約100Hzの周波数に応答ピーク320を有する。応答ピーク310は、約-65dBであり、応答ピーク320は、約-35dBである。骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線は、約56Hzの周波数に対応する応答ピーク330を有し、約120Hzの周波数に応答ピーク340を有する。応答ピーク330は、約-62dBであり、応答ピーク340は、約-60dBである。
【0036】
ステップ220では、動作状態がユーザ未装着状態であると、命令を生成して骨伝導イヤホンの消費電力を調整する。
【0037】
いくつかの実施例において、ステップ220は、骨伝導イヤホンの制御モジュール(例えば、制御モジュール1430)により実行されてもよい。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンは、フィードバック回路を含んでもよく、骨伝導イヤホンの制御モジュール(例えば、制御モジュール1430)は、動作状態がユーザ未装着状態であることに応答して対応する命令を生成して、該フィードバック回路を制御して骨伝導イヤホンの消費電力を調整してもよい。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの消費電力を調整することは、骨伝導イヤホンの再生を一時停止することにより実現されてもよく、例えば、制御モジュールにより生成された命令は、フィードバック回路を制御して骨伝導イヤホンのイヤホンコアによるオーディオ信号の受信を一時停止するか、又は端末装置による骨伝導イヤホンのイヤホンコアへのオーディオ信号の送信を停止するか、又は骨伝導イヤホンの電源又は一部の電力消費機能をオフにすることができる。骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ未装着状態であることをフィードバックするとともに、命令を生成して骨伝導イヤホンの消費電力を調整することにより、骨伝導イヤホンの電力消費を低減し、骨伝導イヤホンのバッテリー駆動時間を向上させることができる。
【0038】
いくつかの実施例において、識別モデルにより骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ未装着状態であるか否かを判定してもよい。具体的には、イヤホンコアの振動応答特性を識別モデルに入力してから、識別モデルの出力に基づいて、判定結果を生成してもよく、判定結果は、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着状態であることと、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ未装着状態であることとを含んでもよい。いくつかの実施例において、識別モデルは、トレーニング済みの機械学習モデルであってもよい。いくつかの実施例において、機械学習モデルは、K近傍(K-NearestNeighbor、KNN)モデル、ベイズ(Bayesian)モデル、決定木(Decision Tree)モデル、ランダムフォレスト(random forest)モデル、ロジスティック回帰(logistic regression)モデル、ニューラルネットワーク(Neural Network、NN)モデル、アンサンブル学習(Ensemble Learning)モデルなど又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0039】
いくつかの実施例において、上記識別モデルは、予め決定された、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着状態であることに対応するイヤホンコアの振動応答特性をトレーニングポジティブサンプルとし、予め決定された、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ未装着状態であることに対応するイヤホンコアの振動応答特性をトレーニングネガティブサンプルとし、機械学習モデルによりトレーニングポジティブサンプルとトレーニングネガティブサンプルをそれぞれトレーニングして、イヤホンの動作状態がユーザ未装着状態であるか否かを判定できる識別モデルを取得するというトレーニング方式で取得することができる。
【0040】
いくつかの実施例において、アルゴリズム(例えば、ステップ120において振動応答特性を抽出する方法)により、イヤホンコアの振動応答特性を抽出し、所定の振動応答特性と比較して骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ未装着状態であるか否かを判定してもよく、所定の振動応答特性は、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着状態である場合の振動応答特性(例えば、共振周波数、特定の周波数の応答ピーク、品質係数など)であってもよく、イヤホンコアの振動応答特性と所定の振動応答特性との間に差異が存在するか又は存在する差異が一定の閾値にないと、対応する動作状態がユーザ未装着状態であると判定することができる。
【0041】
いくつかの実施例において、動作状態がユーザ装着状態であると、骨伝導イヤホンは、正常に動作し、或いは、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着不良状態であるか否かをさらに判定することにより、ユーザ装着不良状態の動作状態をフィードバックし、最適化してもよい。
【0042】
いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態は、ユーザ装着良好状態及びユーザ装着不良状態をさらに含んでもよい。ユーザ装着良好状態は、ユーザによって正確に装着されている場合の骨伝導イヤホンの動作状態である。例えば、骨伝導イヤホンのイヤホンコアの振動出力端は、ユーザの皮膚に完全にフィットする。また例えば、骨伝導イヤホンのイヤホンコアは、ユーザの皮膚の特定の領域に位置する(例えば、イヤホンコアは、ユーザの耳介の前側領域に位置する)。ユーザ装着不良状態は、ユーザによって正確に装着されていない場合の骨伝導イヤホンの動作状態である。例えば、骨伝導イヤホンのイヤホンコアは、一部のみがユーザの頭部の皮膚にフィットする。また例えば、イヤホンコアは、ユーザの皮膚の特定の領域の外(例えば、ユーザの耳介の後側)に位置する。
図4は、本願のいくつかの実施例に係る、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする方法のフローチャートである。骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着良好状態又はユーザ装着不良状態であると判定する場合、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする方法400は、以下のステップ410~ステップ420を含んでもよい。
【0043】
ステップ410では、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、動作状態がユーザ装着不良状態であるか否かを判定する。いくつかの実施例において、ステップ410は、骨伝導イヤホンの決定モジュール(例えば、決定モジュール1420)により実行されてもよい。
【0044】
いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着良好状態である場合とユーザ装着不良状態である場合とで、イヤホンコアとユーザの頭部の皮膚は、それぞれ異なる接触条件を有するため、皮膚の機械的インピーダンスによるイヤホンコアの振動への影響も異なる。したがって、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着良好状態である場合とユーザ装着不良状態である場合とで振動センサにより収集されたイヤホンコアの振動信号は、異なるため、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着良好状態である場合とユーザ装着不良状態である場合に、イヤホンコアは、異なる振動応答特性(例えば、共振周波数、特定の周波数の応答ピーク、品質係数など)を有し、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着良好状態であるか又はユーザ装着不良状態であるかを判定することができる。ユーザ装着良好状態及びユーザ装着不良状態の骨伝導イヤホンをさらに説明するために、以下、
図5を参照して説明する。
図5は、本願のいくつかの実施例に係る、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着良好状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線とユーザ装着不良状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線である。
図5中の実線は、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着良好状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線であり、
図5中の破線は、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着不良状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線である。
図5に示すように、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着良好状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線とユーザ装着不良状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線とは、明らかな差異を有し、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着良好状態である場合のイヤホンコアの振動応答特性とユーザ装着不良状態である場合のイヤホンコアの振動応答特性とも異なる。例えば、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着良好状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線は、ユーザ装着不良状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線に対してより平坦である。また例えば、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着良好状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線の応答ピークに対応する周波数は、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着不良状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線の応答ピークに対応する周波数より小さい。具体的には、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着不良状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線は、約50Hzの周波数に対応する応答ピーク510を有し、約80Hzの周波数に応答ピーク520を有する。応答ピーク510は、約-84dBであり、応答ピーク520は、約-63dBである。骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着良好状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線は、約60Hzの周波数に対応する応答ピーク530を有し、約160Hzの周波数に応答ピーク540を有する。応答ピーク530は、約-65dBであり、応答ピーク540は、約-45dBである。また、ユーザに骨伝導イヤホンが良好に装着されていない場合、例えば、イヤホンコアの一部の構造のみが人体の皮膚にフィットする場合、骨伝導イヤホンの周波数曲線に波谷550が現れる。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの周波数応答曲線に1つ以上の波谷(例えば、波谷550)が現れる場合は、ユーザに骨伝導イヤホンが良好に装着されていないことを特徴付けることもできる。
【0045】
ステップ420では、動作状態がユーザ装着不良状態であると、骨伝導イヤホンは、提示情報を送信する。
【0046】
いくつかの実施例において、ステップ420は、骨伝導イヤホンの制御モジュール(例えば、制御モジュール1430)により実行されてもよい。いくつかの実施例において、制御モジュールは、提示情報を送信してもよく、該提示情報は、ユーザにより受信されて、骨伝導イヤホンを改めて装着するか又は骨伝導イヤホンを装着する姿勢又は位置などを調整することをユーザに提示することができる。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンは、イヤホンコアの振動又はイヤホンコアによる音声提示語の再生によりユーザに提示することができる。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンは、それに有線又は無線で接続された端末装置(例えば、携帯電話、コンピュータなど)によりユーザに提示情報を送信してもよく、提示情報の形式は、振動、文字、画像、音声などを含んでもよいが、これらに限定されない。骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着不良状態であることをフィードバックすることにより、骨伝導イヤホンは、ユーザに提示情報を送信して、骨伝導イヤホンを改めて装着するか又は骨伝導イヤホンを装着する姿勢又は位置などを調整することをユーザに提示して、ユーザが骨伝導イヤホンを正確に装着していないことにより音声の音質及び品質が悪いことを回避し、ユーザの聴覚体験を保証する。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着良好状態であると、骨伝導イヤホンは、該装着良好状態の動作状態を保持し続け、動作し続ける。
【0047】
いくつかの実施例において、識別モデルにより骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着不良状態であるか否かを判定してもよい。具体的には、イヤホンコアの振動応答特性を識別モデルに入力してから、識別モデルの出力に基づいて、判定結果を生成してもよく、判定結果は、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着良好状態であることと、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着不良状態であることとを含んでもよい。いくつかの実施例において、識別モデルは、トレーニング済みの機械学習モデルであってもよい。いくつかの実施例において、機械学習モデルは、K近傍(K-NearestNeighbor、KNN)モデル、ベイズ(Bayesian)モデル、決定木(Decision Tree)モデル、ランダムフォレスト(random forest)モデル、ロジスティック回帰(logistic regression)モデル、ニューラルネットワーク(Neural Network、NN)モデル、アンサンブル学習(Ensemble Learning)モデルなど又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0048】
いくつかの実施例において、上記識別モデルは、予め決定された、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着良好状態であることに対応するイヤホンコアの振動応答特性をトレーニングポジティブサンプルとし、予め決定された、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着不良状態であることに対応するイヤホンコアの振動応答特性をトレーニングネガティブサンプルとし、機械学習モデルによりトレーニングポジティブサンプルとトレーニングネガティブサンプルをそれぞれトレーニングして、イヤホンの動作状態がユーザ装着不良状態であるか否かを判定できる識別モデルを取得するというトレーニング方式で取得することができる。
【0049】
いくつかの実施例において、アルゴリズムにより、イヤホンコアの振動応答特性と所定の振動応答特性とを比較して骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着不良状態であるか否かを判定してもよく、所定の振動応答特性は、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着良好状態である場合の振動応答特性(例えば、共振周波数、特定の周波数の応答ピーク、品質係数など)であってもよく、イヤホンコアの振動応答特性と所定の振動応答特性との間に差異が存在するか又は存在する差異が一定の閾値にないと、対応する動作状態がユーザ装着不良状態であると判定することができる。
【0050】
いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることは、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力を調整することを含んでもよい。具体的には、骨伝導イヤホンの動作状態は、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力に関連してもよく、クランプ力の大きさは、ユーザが骨伝導イヤホンを介して聞こえる音声の音質又は音量と、ユーザが骨伝導イヤホンを装着する快適さとに影響を与えることができる。ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力は、イヤホンコアのユーザの皮膚に対する圧力であってもよい。
図6は、本願のいくつかの実施例に係る、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする方法のフローチャートである。骨伝導イヤホンの動作状態がユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力に関連する場合、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする方法600は、以下のステップ610~ステップ620を含んでもよい。
【0051】
ステップ610では、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が所定の範囲にあるか否かを判定する。
【0052】
いくつかの実施例において、ステップ610は、骨伝導イヤホンの決定モジュール(例えば、決定モジュール1420)により実行されてもよい。いくつかの実施例において、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が異なると、皮膚の機械的インピーダンスが異なり、異なる皮膚の機械的インピーダンスによるイヤホンコアの振動への影響も異なる。したがって、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が異なることは、振動センサにより収集されたイヤホンコア振動の周波数応答曲線が異なることを引き起こすため、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時の異なるクランプ力は、イヤホンコアの異なる振動応答特性(例えば、共振周波数、特定の周波数の応答ピーク、品質係数など)に対応することができ、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が所定の範囲にあるか否かを判定することができる。いくつかの実施例において、所定の範囲は、0.2N~0.5Nであってもよい。いくつかの実施例において、所定の範囲は、0.25N~0.45Nであってもよい。いくつかの実施例において、所定の範囲は、0.3N~0.4Nであってもよい。なお、所定の範囲は、上記範囲に限定されず、ユーザの体験状況に応じて適応的に調整することができる。
【0053】
ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が異なる場合の骨伝導イヤホンをさらに説明するために、以下、
図7を参照して説明する。
図7は、本願のいくつかの実施例に係る、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が大きいことである場合に対応するイヤホンコア振動の周波数応答曲線とクランプ力が小さいことである場合に対応するイヤホンコア振動の周波数応答曲線である。
図7中の実線は、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が小さい場合に対応するイヤホンコア振動の周波数応答曲線であり、
図7中の破線は、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が大きい場合に対応するイヤホンコア振動の周波数応答曲線である。
図7に示すように、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が大きい場合に対応するイヤホンコア振動の周波数応答曲線とクランプ力が小さい場合に対応するイヤホンコア振動の周波数応答曲線とは、明らかな差異を有し、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が大きい場合に対応するイヤホンコアの振動応答特性とクランプ力が小さい場合に対応するイヤホンコアの振動応答特性も異なる。例えば、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が大きい場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線は、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が小さい場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線に対してより平坦である。また例えば、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が小さい場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線の応答ピークに対応する周波数は、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が大きい場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線の応答ピークに対応する周波数より小さい。具体的には、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が小さい場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線は、約45Hzの周波数に応答ピーク710を有し、約150Hzの周波数に応答ピーク720を有する。応答ピーク710は、約-53dBであり、応答ピーク720は、約-54dBである。ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が大きい場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線は、約50Hzの周波数に応答ピーク730を有し、約200Hzの周波数に応答ピーク740を有する。応答ピーク730は、約-52dBであり、応答ピーク740は、約-60dBである。いくつかの実施例において、
図5中の骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着良好状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線を組み合わせて分かるように、ユーザ装着良好状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線は、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が小さいか又は大きい場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線に対してより平坦であり、一方、ユーザ装着良好状態である場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線における応答ピークに対応する周波数は、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が小さいか又は大きい場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線における応答ピークに対応する周波数より大きい。さらに、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が小さいか又は大きい場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線は、いずれも大きい波谷(例えば、波谷750、波谷760)を有し、該波谷は、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が小さいか又は大きいことを反映することもできる。
【0054】
ステップ620では、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が所定の範囲にないと、命令を生成して骨伝導イヤホンの対応する構造を調整することにより、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力を変更する。
【0055】
いくつかの実施例において、ステップ620は、骨伝導イヤホンの制御モジュール(例えば、制御モジュール1430)により実行されてもよい。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンは、フィードバック回路と、クランプ力を調整する構造とを含んでもよく、制御モジュールは、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が所定の範囲にないことに応答し、対応する命令を生成して、フィードバック回路を制御して骨伝導イヤホンのクランプ力を調整する構造を調整することにより、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力を変更してもよい。いくつかの実施例において、制御モジュールは、クランプ力と所定の範囲との差に基づいて、対応する命令を生成して、フィードバック回路を制御して骨伝導イヤホンのクランプ力を調整する構造を正確に調整することにより、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力がちょうど所定の範囲にある。いくつかの実施例において、制御モジュールにより生成された命令により、フィードバック回路を制御して骨伝導イヤホンの後掛け長さ又は開き角度を調整してユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力を調整してもよく、例えば、クランプ力が所定の範囲未満である場合、後掛け長さの増加又は後掛け開き角度の減少によりクランプ力を増加させることができ、また例えば、クランプ力が所定の範囲より大きい場合、後掛け長さの減少又は後掛け開き角度の増加によりクランプ力を減少させることができる。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンは、フィードバック回路により生成された命令に基づいて、骨伝導イヤホンの長さ及び開き角度を変更できる駆動構造を含んでもよい。例えば、駆動構造は、マイクロモータと、後掛けの長さ又は開き角度を調整する調整アセンブリ(例えば、収縮ロッド構造)とを含んでもよく、マイクロモータは、出力端が調整アセンブリに接続され、調整アセンブリを駆動して後掛けの長さ及び開き角度を増加させるか又は減少させることができる。
【0056】
いくつかの実施例において、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が所定の範囲にあるか否かを識別モデルにより判定してもよい。具体的には、イヤホンコアの振動応答特性を識別モデルに入力してから、識別モデルの出力に基づいて、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力を特徴付けるパラメータ値を取得し、該パラメータ値が所定の範囲にあるか否かを判定することができる。いくつかの実施例において、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力を特徴付けるパラメータ値は、クランプ力の大きさ又はクランプ力の大きさの範囲を反映できるパラメータであってもよい。いくつかの実施例において、識別モデルは、トレーニング済みの機械学習モデルであってもよい。いくつかの実施例において、機械学習モデルは、K近傍(K-NearestNeighbor、KNN)モデル、ベイズ(Bayesian)モデル、決定木(Decision Tree)モデル、ランダムフォレスト(random forest)モデル、ロジスティック回帰(logistic regression)モデル、ニューラルネットワーク(Neural Network、NN)モデル、アンサンブル学習(Ensemble Learning)モデルなど又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0057】
いくつかの実施例において、上記識別モデルは、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時の異なる大きさのクランプ力にそれぞれ対応するイヤホンコアの振動応答特性を予め収集し、収集された複数のイヤホンコアの振動応答特性を入力データとし、対応するクランプ力の具体的な大きさ又は大きさの範囲を出力データとし、機械学習モデルをトレーニングして、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力を特徴付けるパラメータ値をイヤホンコアの振動応答特性に基づいて取得できる識別モデルを取得するというトレーニング方式で取得することができる。
【0058】
識別モデルにより、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力を特徴付けるパラメータ値を取得した後、該パラメータ値と所定の範囲とを比較することにより、該パラメータ値が所定の範囲にあるか否かを判定することができる。いくつかの実施例において、所定の範囲は、ユーザが骨伝導イヤホンを快適に装着できることを保証する時のクランプ力の範囲であってもよい。いくつかの実施例において、クランプ力の範囲は、0.25N~0.45Nであってもよい。いくつかの実施例において、所定の範囲は、0.3N~0.4Nであってもよい。
【0059】
いくつかの実施例において、アルゴリズムにより、直接イヤホンコアの振動応答特性と所定の振動応答特性とを比較して、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が所定の範囲を超えているか否かを判定してもよい。所定の振動応答特性は、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が所定の範囲にある場合に対応するイヤホンコアの振動応答特性(例えば、共振周波数、特定の周波数の応答ピーク、品質係数など)であってもよく、イヤホンコアの振動応答特性と所定の振動応答特性との間に差異が存在するか又は存在する差異が一定の閾値にないと、該イヤホンコアの振動応答特性に対応する、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が所定の範囲にあるか否かを判定することができる。
【0060】
骨伝導イヤホンの動作状態に関連するクランプ力が所定の範囲にあるか否かを判定し、対応する動作状態をフィードバックする(例えば、クランプ力を調整する)ことにより、クランプ力が小さすぎて骨伝導の効率に影響を与えて、ユーザが骨伝導イヤホンを介して聞くことができる音声の音質が悪いか又は音量が低いことを回避することができ、クランプ力が大きすぎてユーザの皮膚に過剰な圧力を与えてユーザに不快感を与えることを回避することもでき、ユーザの聴覚体験及び装着体験が保証される。
【0061】
いくつかのシナリオにおいて、ユーザの年齢が異なり、太っているか否か、皮膚特性も異なるため、皮膚の機械的インピーダンスが一致せず、異なるユーザが同一の骨伝導イヤホンを装着している場合、皮膚の機械的インピーダンスが一致せず、イヤホンコアの振動への影響も異なる。これにより、異なるユーザが同一の骨伝導イヤホンを装着して同じオーディオ信号に基づいても、聞こえる音声も異なる。異なるユーザが同一の骨伝導イヤホンを装着している時の骨伝導イヤホンをさらに説明するために、以下、
図8を参照して説明する。
図8は、本願のいくつかの実施例に係る、異なるユーザが同一の骨伝導イヤホンを装着している場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線である。
図8中の実線は、ユーザAが骨伝導イヤホンを装着している場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線であり、
図8中の破線は、ユーザBが骨伝導イヤホンを装着している場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線である。
図8に示すように、ユーザAとユーザBが同一の骨伝導イヤホンを装着している場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線は、差異があるため、ユーザAとユーザBが同一の骨伝導イヤホンを装着している場合のイヤホンコアが異なる振動応答特性を有し、具体的には、ユーザAが骨伝導イヤホンを装着している場合のイヤホンコアの周波数応答曲線は、約40Hzの周波数に対応する応答ピーク810を有し、約180Hzの周波数に応答ピーク820を有する。応答ピーク810は、約-48dBであり、応答ピーク820は、約-50dBである。ユーザBが骨伝導イヤホンを装着している場合のイヤホンコアの周波数応答曲線は、約42Hzの周波数に対応する応答ピーク830を有し、約100Hzの周波数に応答ピーク840を有する。応答ピーク830は、約-52dBであり、応答ピーク840は、約-47dBである。
【0062】
別のいくつかのシナリオにおいて、ユーザの皮膚の位置により異なる機械的インピーダンスを有し、ユーザが骨伝導イヤホンを繰り返して装着する場合、イヤホンコアと皮膚とのフィット位置が変化し、皮膚の異なる位置の機械的インピーダンスによるイヤホンコアの振動への影響も異なるため、同一のユーザが骨伝導イヤホンを繰り返して装着する場合、同じオーディオ信号に基づいても差異があることになる。ユーザが骨伝導イヤホンを繰り返して装着する場合の骨伝導イヤホンをさらに説明するために、以下、
図9を参照して説明する。
図9は、本願のいくつかの実施例に係る、同一のユーザが骨伝導イヤホンを複数回装着する場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線である。
図9中の実線は、ユーザが1回目に骨伝導イヤホンを装着している場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線であり、
図9中の破線は、ユーザが2回目に骨伝導イヤホンを装着している場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線である。
図9から分かるように、ユーザが1回目に骨伝導イヤホンを装着している場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線とユーザが2回目に骨伝導イヤホンを装着している場合のイヤホンコア振動の周波数応答曲線とは、差異があるため、ユーザが1回目に骨伝導イヤホンを装着している場合のイヤホンコアの振動応答特性と2回目に骨伝導イヤホンを装着している場合のイヤホンコアの振動応答特性も異なる。例えば、ユーザが1回目に骨伝導イヤホンを装着している場合のイヤホンコアの60Hz~100Hzの周波数での振動幅と2回目に骨伝導イヤホンを装着している場合のイヤホンコアの60Hz~100Hzの周波数での振動幅とは、差異がある。該差異により、ユーザが1回目に骨伝導イヤホンを装着している場合と2回目に骨伝導イヤホンを装着している場合に聞こえる音声が異なる(例えば、音声効果が異なる)ことになる。
【0063】
異なるユーザが同一の骨伝導イヤホンを装着している場合又は同一のユーザが骨伝導イヤホンを繰り返して装着する場合に聞こえる音声が一致することを保証することは、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることにより実現することができる。
図10は、本願のいくつかの実施例に係る、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする方法のフローチャートである。異なるユーザが同一の骨伝導イヤホンを装着している場合又は同一のユーザが骨伝導イヤホンを繰り返して装着する場合、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする方法1000は、以下のステップ1010~ステップ1020を含んでもよい。
【0064】
ステップ1010では、イヤホンコアの振動応答特性と目標振動応答特性との差異を識別する。
【0065】
いくつかの実施例において、ステップ1010は、骨伝導イヤホンの決定モジュール(例えば、決定モジュール1420)により実行されてもよい。いくつかの実施例において、目標振動応答特性は、予め設定された骨伝導イヤホンのイヤホンコアの振動応答特性であってもよい。いくつかの実施例において、アルゴリズムによりイヤホンコアの実際の振動応答特性と目標振動応答特性との差異を算出してもよく、イヤホンコアの実際の振動応答特性と目標振動応答特性との差異は、共振周波数の差、特定の周波数の応答ピークの差、品質係数の差などを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0066】
ステップ1020では、差異に基づいて、イヤホンコアに入力されたオーディオ信号に対してEQ調整を行う。
【0067】
いくつかの実施例において、ステップ1020は、骨伝導イヤホンの制御モジュール(例えば、制御モジュール1430)により実行されてもよい。EQは、各種の周波数成分の電気信号の増幅量をそれぞれ調整できるイコライザーであり、EQ調整は、オーディオ信号を複数の周波数帯域に分割してから、これらの周波数帯域を調整(例えば、増幅又は減衰)して、高い音声の効果を達成することである。いくつかの実施例において、制御モジュールは、イヤホンコアの実際の振動応答特性と目標振動応答特性との差異に基づいて、EQで補償してもよく、補償EQは、オーディオ信号に作用して、該原オーディオ信号に対してEQ調整を行うことができ、イヤホンコアは、調整後のオーディオ信号に応答して振動を生成することにより、ユーザは骨伝導イヤホンを介して理想的な音声を聞くことができる。
【0068】
いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることは、イヤホンコアに入力されたオーディオ信号の振幅を調整することを含んでもよい。具体的には、骨伝導イヤホンの振幅は、イヤホンコアの入力電圧に関連する。例えば、イヤホンコアの入力電圧が大きいほど、イヤホンコアの振幅が大きく、イヤホンコアの入力電圧が小さいほど、イヤホンコアの入力電圧が小さい。イヤホンコアの入力電圧は、イヤホンコアの振動幅に影響を与え、イヤホンコアの振動幅が大きすぎると、ユーザの装着に不快感を与え、ひいてはユーザの聴力を損なうとともに、イヤホンコアを損傷することになり、イヤホンコアの振動幅が小さすぎると、骨伝導効率に影響を与えて、ユーザに聞こえる音声の音量が小さい。
図11は、本願のいくつかの実施例に係る、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする方法のフローチャートである。骨伝導イヤホンの動作状態がイヤホンコアの入力電圧である場合、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする方法1100は、以下のステップ1110~ステップ1130を含んでもよい。
【0069】
ステップ1110では、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、イヤホンコアの入力電圧を特徴付けるパラメータ値を取得する。いくつかの実施例において、ステップ1110は、骨伝導イヤホンの決定モジュール(例えば、決定モジュール1420)により実行されてもよい。
【0070】
いくつかの実施例において、イヤホンコアの異なる入力電圧は、イヤホンコアの振動幅に影響を与えることができるため、イヤホンコアの異なる入力電圧は、イヤホンコアの異なる振動応答特性に対応することができる。したがって、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、イヤホンコアの入力電圧を特徴付けるパラメータ値を取得し、該パラメータ値が電圧閾値にあるか否かを判定することができる。いくつかの実施例において、電圧閾値は、骨伝導イヤホンから発した音声に歪み又は音割れを発生させない最大電圧であってもよい。例えば、いくつかの実施例において、電圧閾値は、骨伝導イヤホンから発した音声の音圧レベルが特定の音圧レベルを超えないようにする最大電圧である。いくつかの実施例において、特定の音圧レベルの範囲は、60dB~100dBであってもよい。好ましくは、特定の音圧レベルの範囲は、70dB~90dBであってもよい。さらに好ましくは、特定の音圧レベルの範囲は、75dB~95dBであってもよい。いくつかの実施例において、イヤホンコアの入力電圧を特徴付けるパラメータ値は、イヤホンコアの入力電圧の具体的な大きさ又は大きさの範囲であってもよく、イヤホンコアの振動幅又はイヤホンコアの全体出力の音圧レベルであってもよい。イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、イヤホンコアの入力電圧を特徴付けるパラメータ値をどのように取得するかについて、上述した、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力を特徴付けるパラメータ値を取得する方式を参照することができ、ここでは説明を省略する。なお、電圧閾値及び特定の音圧レベルは、実際の応用状況及び/又はユーザの体験に基づいて、適応的に調整することができ、ここではさらに限定しない。
【0071】
ステップ1120では、パラメータ値が電圧閾値にあるか否かを判定する。
【0072】
いくつかの実施例において、ステップ1120は、骨伝導イヤホンの決定モジュール(例えば、決定モジュール1420)により実行されてもよい。いくつかの実施例において、決定モジュールは、パラメータ値と電圧閾値とを比較して、パラメータ値が電圧閾値にあるか否かを判定してもよい。いくつかの実施例において、電圧閾値は、ユーザが快適に装着することを保証するイヤホンコアの入力電圧の値又は範囲であってもよい。いくつかの実施例において、電圧閾値は、イヤホンコアを損傷しないことを保証するイヤホンコアの入力電圧の値又は範囲であってもよい。いくつかの実施例において、電圧閾値は、ユーザの聴覚を保護するイヤホンコアの入力電圧の値又は範囲であってもよく、例えば、パラメータ値が電圧閾値にある場合、イヤホンコアの全体出力は、ユーザの聴覚を保護するように、ある限定された音圧レベルを超えない(例えば、子供のイヤホンの場合、全体の音圧レベルができるだけ85dBを超えないように要求する)。
【0073】
ステップ1130では、パラメータ値が電圧閾値にないと、イヤホンコアに入力されたオーディオ信号の振幅を調整する。
【0074】
いくつかの実施例において、ステップ1130は、骨伝導イヤホンの制御モジュール(例えば、制御モジュール1430)により実行されてもよい。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンは、フィードバック回路を含んでもよく、制御モジュールは、パラメータ値が電圧閾値にないことに応答して、対応する命令を生成して、フィードバック回路を制御してイヤホンコアに入力されたオーディオ信号の振幅を調整してもよく、例えば、フィードバック回路は、イヤホンコアに入力されたオーディオ信号の振幅を制限して、イヤホンコアの振動幅を制限し、骨伝導イヤホンの再生音量を制御し、イヤホンコアの振動幅が大すぎてユーザに不快感を与え、ひいてはユーザの聴力を損なうとともに、イヤホンコアを損傷することを回避することができる。また例えば、フィードバック回路は、イヤホンコアに入力されたオーディオ信号の振幅を増幅して、骨伝導イヤホンの再生音量を増加させるとともに、音質を向上させることができる。
【0075】
いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックすることは、ユーザの生理学的状態、パラメータをフィードバックすることを含んでもよい。具体的には、イヤホンコアの異なる振動応答特性は、皮膚の異なる機械的インピーダンスに対応することができ、皮膚の機械的インピーダンスは、一定の程度で人体の生理学的状態を反映することができるため、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している場合のイヤホンコアの振動応答特性を決定することにより、対応する皮膚の機械的インピーダンスを決定することができ、皮膚の機械的インピーダンスに基づいて、ユーザの生理学的状態を判定することができる。例えば、ユーザが高齢者であるか否か及びユーザが太っているか否かなどを判定することができる。
図12は、本願のいくつかの実施例に係る、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする方法のフローチャートである。骨伝導イヤホンを使用してユーザの生理学的状態、パラメータをフィードバックする場合、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする方法1200は、以下のステップ1210~ステップ1220を含んでもよい。
【0076】
ステップ1210では、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、ユーザの生理学的パラメータに関連するパラメータ値を取得する。
【0077】
いくつかの実施例において、ステップ1210は、骨伝導イヤホンの決定モジュール(例えば、決定モジュール1420)により実行されてもよい。いくつかの実施例において、ユーザの生理学的パラメータは、イヤホンコアに接触する皮膚の機械的インピーダンスのパラメータである。ユーザの生理学的パラメータに関連するパラメータ値は、イヤホンコアに接触する皮膚の機械的インピーダンスの質量、弾性、減衰などを含んでもよく、該パラメータ値は、ユーザが太っているか否か、年齢などを反映することができる。イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、ユーザの生理学的パラメータに関連するパラメータ値をどのように取得するかについて、上述した、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力を特徴付けるパラメータ値を取得する方式を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0078】
ステップ1220では、パラメータ値に基づいて、骨伝導イヤホンの補助モジュールをオン又はオフにする。
【0079】
いくつかの実施例において、ステップ1220は、骨伝導イヤホンの制御モジュール(例えば、制御モジュール1430)により実行されてもよい。いくつかの実施例において、制御モジュールは、パラメータ値の短期間での明らかな変化に基づいて、ユーザの生理学的状態の変化を判定してから、ユーザの生理学的状態の変化に基づいて、対応する補助モジュールをオンにすることができ、補助モジュールは、生理学的状態の変化を注意することをユーザに提示することができ、例えば、制御モジュールは、皮膚の機械的インピーダンスの弾性、減衰の変化に基づいて、ユーザが太くなっているか又は細くなっているかを判定し、注意することをユーザに補助モジュールにより提示することができる。いくつかの実施例において、制御モジュールは、パラメータ値に基づいてユーザが高齢者又は若年者のいずれであるかを判定することができ、ユーザが高齢者であると、補助モジュールをオンにして補助モジュールにいくつかのヒューマニゼーション機能を実行させることができ、ヒューマニゼーション機能は、転倒検出、音声注意、自動利得制御などを含むが、これらに限定されない。例えば、補助モジュールの転倒検出は、高齢者の転倒を予測し、高齢者に音声注意を出すか、又は高齢者の転倒を検出した後に救助要請電話を能動的にかけるか又は緊急連絡先に通知することができる。また例えば、補助モジュールの自動利得制御は、ユーザが高齢者であることに対して、イヤホンコアの振動幅を自動的に調整し、イヤホンコアの振動幅が大きすぎて高齢者の装着不快感を引き起こすことを回避することができる。
【0080】
なお、本願に係る骨伝導イヤホンの動作状態の最適化方法は、上述した、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする単一の方法を含むことにより、単一の機能を実現してもよく、上述した、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする複数の方法を含むことにより、複数の機能を同時に実現してもよい。骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックする方法により実現される機能は、骨伝導イヤホンの消費電力を調整することと、骨伝導イヤホンを改めて装着することをユーザに提示することと、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力を調整することと、オーディオ信号に対してEQ調整を行うことと、オーディオ信号の振幅を調整することと、ユーザの生理学的状態をモニタリングすることなど又はそれらの組み合わせを含んでもよい。骨伝導イヤホンの各種の動作状態をフィードバックする順序は、実際の状況に応じて適応的に調整することができる。例えば、いくつかの実施例において、まず、骨伝導イヤホンが装着状態にあるか否かを検出しフィードバックし、次にユーザに良好に装着されているか否か、クランプ力の大きさ、電圧などのうちの1つ又は複数を検出しフィードバックしてもよい。また例えば、骨伝導イヤホンの複数の動作状態などを同時に判定してもよい。また、骨伝導イヤホンの動作状態の検出及びフィードバックは、リアルタイムに行われてもよく、一定の時間(例えば、3s、2minなど)ごとに1回行われてもよく、ユーザの入力命令に基づいて行われてもよい。
【0081】
いくつかの実施例において、本願に係る骨伝導イヤホンの動作状態の最適化方法は、さらに振動センサによりいくつかの付加的な機能を実行することを含む。付加的な機能は、エコーの除去、ユーザの音声信号のピックアップ、転倒の検出、空間オーディオの実現の補助などを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0082】
いくつかの実施例において、振動センサは、エコーを除去してもよい。具体的には、振動センサは、マイクとしてのイヤホンコアの振動をピックアップし、該振動をイヤホンコアにフィードバックして除去し、イヤホンコアから発した音声がさらにイヤホンコアに伝達され、エコー又はハウリングを引き起こすことを回避することができる。この場合に、振動センサは、イヤホンコアに近接する位置を選択し、イヤホンコアの付近の振動を直接ピックアップして除去することができる。
【0083】
いくつかの実施例において、振動センサは、ユーザの音声信号をピックアップしてもよい。具体的には、イヤホンコアが皮膚の頭蓋骨にフィットするため、ユーザが骨伝導イヤホンを装着して話す場合、音声は、同様に逆方向に頭蓋骨を介してイヤホンコアに伝達することができる。この場合に、振動センサによりイヤホンコアの振動をピックアップすると、同様にユーザの話した音声をピックアップすることができる。振動センサが振動方式でユーザの音声信号をピックアップすることにより、外部の空気伝導ノイズに抵抗することができ、従来の空気伝導マイクに比べて、振動方式で話者の音声信号をピックアップすることは、基本的に外部ノイズ干渉がない。
【0084】
いくつかの実施例において、振動センサは、転倒を検出してもよい。いくつかの実施例において、振動センサは、1軸振動センサであってもよく、3軸振動センサなどの多軸センサであってもよい。いくつかの実施例において、振動センサは、さらに回転角速度振動センサであってもよい。いくつかの実施例において、ユーザが転倒した時又は転倒しそうな時に発生する激しい加速度の変化を振動センサにより感知することにより、ユーザ、特に高齢者が転倒する可能性があることを予測することができる。さらに、骨伝導イヤホンは、振動センサの転倒検出に基づいて、対応する警告を出すか、又は緊急連絡先に通知することができる。
【0085】
いくつかの実施例において、振動センサは、空間オーディオの実現を補助してもよい。具体的には、空間オーディオの実現は、まず、ジャイロスコープによりユーザの頭部の回転方向を判定する必要があり、振動センサは、ジャイロスコープを含んでもよい。いくつかの実施例において、振動センサは、多軸並進式であってもよく、回転式であってもよい。
【0086】
なお、上記付加的な機能は、1つの振動センサにより実行されてもよく、複数の振動センサによりそれぞれ実行されてもよい。いくつかの実施例において、振動センサは、他のセンサと協働して動作することができ、例えば、振動センサは、生理学的センサと組み合わせて、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している場合に共同でユーザの生理学的状態を検出することができる。
【0087】
本明細書は、さらに識別モデルのトレーニング方法を提供する。
図13は、本願のいくつかの実施例に係る、識別モデルのトレーニング方法のフローチャートである。
図13に示すように、識別モデルのトレーニング方法1300は、以下のステップ1310~ステップ1340を含んでもよい。
【0088】
ステップ1310では、サンプル情報を取得する。
【0089】
いくつかの実施例において、サンプル情報は、少なくとも2つのユーザの装着記録を含んでもよく、ユーザの装着記録は、骨伝導イヤホンの動作状態及び対応するイヤホンコア振動の周波数応答曲線、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力及び対応するイヤホンコア振動の周波数応答曲線、イヤホンコアの入力電圧及び対応するイヤホンコア振動の周波数応答曲線などを含んでもよい。
【0090】
ステップ1320では、サンプル情報に基づいて、少なくとも2つのユーザの装着記録のそれぞれの、ポジティブサンプルタイプ又はネガティブサンプルタイプを含むサンプルタイプを決定する。
【0091】
いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着状態であることをポジティブサンプルタイプと決定し、動作状態がユーザ未装着状態であることをネガティブサンプルタイプと決定してもよい。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着良好状態であることをポジティブサンプルタイプと決定し、動作状態がユーザ装着不良状態であることをネガティブサンプルタイプと決定してもよい。
【0092】
ステップ1330では、サンプル情報に基づいて、少なくとも2つのユーザの装着記録のそれぞれに対応するサンプル特性情報を決定する。
【0093】
いくつかの実施例において、サンプル特性情報は、イヤホンコアの振動応答特性及び骨伝導イヤホンの動作状態を含んでもよい。いくつかの実施例において、イヤホンコアの振動応答特性は、イヤホンコアの共振周波数、特定の周波数の応答ピーク、品質係数、入力電圧のうちの1つ以上を含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態は、ユーザ装着状態/ユーザ未装着状態、ユーザ装着良好状態/ユーザ装着不良状態、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力、イヤホンコアの入力電圧などを含んでもよい。いくつかの実施例において、振動応答特性は、ユーザの装着記録に対応するサンプル情報から直接抽出されてもよい。いくつかの実施例において、振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態を判定してもよい。振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態を判定する詳細な内容について、本願の明細書の
図1~
図11及びそれらの関連説明を参照することができる。
【0094】
ステップ1340では、サンプル特性情報と、少なくとも2つのユーザの装着記録のそれぞれのサンプルタイプとに基づいて、識別モデルを決定する。
【0095】
いくつかの実施例において、サンプル特性情報を入力とし、少なくとも2つのユーザの装着記録のそれぞれのサンプルタイプを出力とし、初期の機械学習モデルをトレーニングして、識別モデルを決定してもよい。いくつかの実施例において、識別モデルは、ナイーブベイズモデル、線形回帰モデル、決定木モデル又はサポートベクターマシンモデルのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0096】
本明細書の実施例は、さらに骨伝導イヤホンを提供し、
図14は、本願のいくつかの実施例に係る、骨伝導イヤホンのモジュール図である。該骨伝導イヤホン1400は、取得モジュール1410、決定モジュール1420、制御モジュール1430を含んでもよい。
【0097】
いくつかの実施例において、取得モジュール1410は、オーディオ信号及び振動信号を取得してもよい。さらに、取得モジュール1410は、イヤホンコア及び少なくとも1つの振動センサを含んでもよく、骨伝導イヤホンの内部の記憶ユニット又は骨伝導イヤホンに有線又は無線で接続された端末装置(例えば、携帯電話、コンピュータ、MP3など)からオーディオ信号を取得することができ、イヤホンコアは、オーディオ信号に応答して振動を生成することができ、取得モジュール1410は、少なくとも1つの振動センサにより、イヤホンコアの振動に基づいて、振動信号を取得することができる。
【0098】
いくつかの実施例において、決定モジュール1420は、オーディオ信号及び振動信号に基づいて、イヤホンコアの振動応答特性を決定してもよい。いくつかの実施例において、イヤホンコアの振動応答特性は、イヤホンコアの共振周波数、特定の周波数の応答ピーク、品質係数、入力電圧のうちの少なくとも1つを含んでもよい。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着状態及びユーザ未装着状態を含む場合、決定モジュール1420は、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ未装着状態であるか否かを判定してもよい。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着良好状態及びユーザ装着不良状態を含む場合、決定モジュール1420は、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着不良状態であるか否かを判定してもよい。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力に関連する場合、決定モジュール1420は、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が所定の範囲にあるか否かを判定してもよい。いくつかの実施例において、決定モジュール1420は、イヤホンコアの振動応答特性と目標振動応答特性との差異を識別してもよい。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態が入力電圧を含む場合、決定モジュール1420は、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、イヤホンコアの入力電圧を特徴付けるパラメータ値を取得し、パラメータ値が電圧閾値にあるか否かを判定してもよい。いくつかの実施例において、決定モジュール1420は、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、ユーザの生理学的パラメータに関連するパラメータ値を取得してもよい。
【0099】
いくつかの実施例において、制御モジュール1430は、イヤホンコアの振動応答特性に基づいて、骨伝導イヤホンの動作状態をフィードバックしてもよい。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ未装着状態である場合、制御モジュール1430は、命令を生成して骨伝導イヤホンの消費電力を調整してもよい。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホンの動作状態がユーザ装着不良状態である場合、制御モジュール1430は、骨伝導イヤホンを制御して提示情報を送信してもよい。いくつかの実施例において、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力が所定の範囲にない場合、制御モジュール1430は、命令を生成して骨伝導イヤホンの対応する構造を調整することにより、ユーザが骨伝導イヤホンを装着している時のクランプ力を変更してもよい。いくつかの実施例において、制御モジュール1430は、イヤホンコアの振動応答特性と目標振動応答特性との差異に基づいて、イヤホンコアに入力されたオーディオ信号に対してEQ調整を行ってもよい。いくつかの実施例において、イヤホンコアの入力電圧を特徴付けるパラメータ値が電圧閾値にない場合、制御モジュール1430は、イヤホンコアに入力されたオーディオ信号の振幅を調整してもよい。いくつかの実施例において、制御モジュール1430は、骨伝導イヤホンの補助モジュールをオン又はオフにしてもよい。
【0100】
なお、以上の骨伝導イヤホンに含まれるモジュールに対する説明は、骨伝導イヤホンの動作状態の最適化に関連するモジュールを説明するためのものに過ぎない。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホン1400は、識別モデルをトレーニングするトレーニングモジュール、オーディオ信号又は振動信号を処理する信号処理モジュール、骨伝導イヤホンに給電する給電モジュールなどの他のモジュールを含んでもよい。骨伝導イヤホンの他のモジュールについて、ここでは説明を省略する。
【0101】
なお、以上の骨伝導イヤホンに含まれるモジュールに対する説明は、説明の便宜のためのものに過ぎず、挙げた実施例の範囲に本願を制限することができない。当業者であれば、骨伝導イヤホンの原理を理解した後、この原理から逸脱することなく、各モジュールを任意に組み合わせたり、サブシステムを形成して他のモジュールに接続したりすることができることを理解されたい。いくつかの実施例において、
図14に開示された取得モジュール1410、決定モジュール1420、制御モジュール1430は、骨伝導イヤホンの異なるモジュールであってもよく、1つのモジュールにより上述した2つ以上のモジュールの機能を実現してもよい。例えば、各モジュールは、1つの記憶モジュールを共用してもよく、それぞれの記憶モジュールを有してもよい。このような変形は、いずれも本願の保護範囲にある。
【0102】
以上は基本概念を説明してきたが、当業者にとっては、上記詳細な開示は、単なる例として提示されているに過ぎず、本願を限定するものではないことは明らかである。本明細書において明確に記載されていないが、当業者は、本願に対して様々な変更、改良及び修正を行うことができる。これらの変更、改良及び修正は、本願によって示唆されることが意図されているため、本願の例示的な実施例の精神及び範囲にある。
【0103】
また、本願の実施例を説明するために、本願において特定の用語が使用されている。例えば、「1つの実施例」、「一実施例」、及び/又は「いくつかの実施例」は、本願の少なくとも1つの実施例に関連した特定の特徴、構造又は特性を意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「一実施例」、「1つの実施例」又は「1つの代替的な実施例」の2つ以上の言及は、必ずしも全てが同一の実施例を指すとは限らないことを強調し、理解されたい。また、本願の1つ以上の実施例における特定の特徴、構造又は特性は、適切に組み合わせられてもよい。
【0104】
また、当業者には理解されるように、本願の各態様は、任意の新規かつ有用なプロセス、機械、製品又は物質の組み合わせ、又はそれらへの任意の新規かつ有用な改善を含む、いくつかの特許可能なクラス又はコンテキストで、例示及び説明され得る。よって、本願の各態様は、完全にハードウェアによって実行されてもよく、完全にソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)によって実行されてもよく、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせによって実行されてもよい。以上のハードウェア又はソフトウェアは、いずれも「データブロック」、「モジュール」、「エンジン」、「ユニット」、「アセンブリ」又は「システム」と呼ばれてもよい。また、本願の各態様は、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードを含む1つ以上のコンピュータ読み取り可能な媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態を取ることができる。
【0105】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータプログラムコードを搬送するための、ベースバンド上で伝播されるか又は搬送波の一部として伝播される伝播データ信号を含んでもよい。該伝播信号は、電磁気信号、光信号又は適切な組み合わせ形態などの様々な形態を含んでもよい。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体以外の任意のコンピュータ読み取り可能な媒体であってもよく、該媒体は、命令実行システム、装置又は機器に接続されることにより、使用されるプログラムの通信、伝播又は伝送を実現することができる。コンピュータ記憶媒体上のプログラムコードは、無線、ケーブル、光ファイバケーブル、RF若しくは類似の媒体、又は上記媒体の任意の組み合わせを含む任意の適切な媒体を介して伝播することができる。
【0106】
本願の各部分の操作に必要なコンピュータプログラムコードは、Java、Scala、Smalltalk、Eiffel、JADE、Emerald、C++、C#、VB.NET、Pythonなどのオブジェクト指向プログラミング言語、C言語、Visual Basic、Fortran 2003、Perl、COBOL 2002、PHP、ABAPなどの従来の手続き型プログラミング言語、Python、Ruby及びGroovyなどの動的プログラミング言語、又は他のプログラミング言語などを含む1つ以上のプログラミング言語でコーディングしてもよい。該プログラムコードは、完全にユーザコンピュータ上で実行されてもよく、独立したソフトウェアパッケージとしてユーザコンピュータ上で実行されてもよく、部分的にユーザコンピュータ上で部分的にリモートコンピュータ上で実行されてもよく、完全にリモートコンピュータ又はサーバ上で実行されてもよい。後者の場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)などの任意のネットワーク形態でユーザコンピュータに接続されてもよく、(例えば、インターネットを介して)外部コンピュータに接続されてもよく、クラウドコンピューティング環境にあってもよく、ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)などのサービスとして使用されてもよい。
【0107】
また、特許請求の範囲に明確に記載されていない限り、本願に記載の処理要素又はシーケンスの列挙した順序、英数字の使用、又は他の名称の使用は、本願の手順及び方法の順序を限定するものではない。上記開示において、発明の様々な有用な実施例であると現在考えられるものを様々な例を通して説明しているが、そのような詳細は、単に説明の目的のためであり、添付の特許請求の範囲は、開示される実施例に限定されないが、逆に、本願の実施例の趣旨及び範囲にある全ての修正及び等価な組み合わせをカバーするように意図されることを理解されたい。例えば、上述したシステムアセンブリは、ハードウェアデバイスにより実装されてもよいが、ソフトウェアのみのソリューション、例えば、既存のサーバ又はモバイルデバイスに説明されたシステムをインストールすることにより実装されてもよい。
【0108】
同様に、本願の実施例の前述の説明では、本願を簡略化して、1つ以上の発明の実施例への理解を助ける目的で、様々な特徴が1つの実施例、図面又はその説明にまとめられることがあることを理解されたい。しかしながら、このような開示方法は、特許請求される主題が各請求項で列挙されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈すべきではない。実際に、実施例の特徴は、上記開示された単一の実施例の全ての特徴より少ない。
【0109】
いくつかの実施例では、成分及び属性の数を説明する数字が使用されており、このような実施例を説明するための数字は、いくつかの例において修飾語「約」、「ほぼ」又は「概ね」によって修飾されるものであることを理解されたい。特に明記しない限り、「約」、「ほぼ」又は「概ね」は、上記数字が±20%の変動が許容されることを示す。よって、いくつかの実施例では、明細書及び特許請求の範囲において使用されている数値パラメータは、いずれも個別の実施例に必要な特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施例では、数値パラメータについて、規定された有効桁数を考慮すると共に、通常の丸め手法を適用すべきである。本願のいくつかの実施例では、その範囲を決定するための数値範囲及びパラメータは近似値であるが、具体的な実施例では、このような数値は可能な限り正確に設定される。
【0110】
本願において参照されている全ての特許、特許出願、公開特許公報、及び、論文、書籍、仕様書、刊行物、文書などのような他の資料は、本願の内容と一致しないか又は矛盾する出願経過文書、及び(現在又は後に本願に関連する)本願の特許請求項の最も広い範囲に関して限定的な影響を有し得る文書を除いて、その全体が参照により本願に組み込まれる。なお、本願の添付資料における説明、定義、及び/又は用語の使用が本願に記載の内容と一致しないか又は矛盾する場合、本願における説明、定義、及び/又は用語の使用を優先するものとする。
【0111】
最後に、本願に記載の実施例は、単に本願の実施例の原理を説明するものであることが理解されたい。他の変形例も本願の範囲にある可能性がある。したがって、限定するものではなく、例として、本願の実施例の代替構成は、本願の教示と一致するように見なされてもよい。よって、本願の実施例は、本願において明確に紹介して説明された実施例に限定されない。
【符号の説明】
【0112】
1400 骨伝導イヤホン
1410 取得モジュール
1420 決定モジュール
1430 制御モジュール