IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋ガラス株式会社の特許一覧

特許7600404ゴブ監視装置及びラインセンサカメラの位置調整方法
<>
  • 特許-ゴブ監視装置及びラインセンサカメラの位置調整方法 図1
  • 特許-ゴブ監視装置及びラインセンサカメラの位置調整方法 図2
  • 特許-ゴブ監視装置及びラインセンサカメラの位置調整方法 図3
  • 特許-ゴブ監視装置及びラインセンサカメラの位置調整方法 図4
  • 特許-ゴブ監視装置及びラインセンサカメラの位置調整方法 図5
  • 特許-ゴブ監視装置及びラインセンサカメラの位置調整方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】ゴブ監視装置及びラインセンサカメラの位置調整方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 7/16 20060101AFI20241209BHJP
【FI】
C03B7/16
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023537306
(86)(22)【出願日】2023-03-23
(86)【国際出願番号】 JP2023011466
(87)【国際公開番号】W WO2024024163
(87)【国際公開日】2024-02-01
【審査請求日】2023-06-19
(31)【優先権主張番号】P 2022118472
(32)【優先日】2022-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000222222
【氏名又は名称】東洋ガラス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100213388
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 康司
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 岳
【審査官】山本 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-189593(JP,A)
【文献】特表2012-506364(JP,A)
【文献】国際公開第2013/014782(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクープで複数のセクションに振り分けられたゴブを粗型に導くデフレクタの出口と前記粗型との間を落下する位置に来る前記複数のセクションにおけるゴブを撮像可能な1ライン分の視野を有するラインセンサカメラと、
前記ラインセンサカメラで撮像された複数の画像からゴブを検出し、シヤーブレードでゴブが切断されてから前記ラインセンサカメラでゴブが撮像されるまでの時間に基づいてゴブが前記粗型に投入されるタイミングに遅れが生じているか否かを判定する制御装置と、
を備え、
前記複数のセクションにおいて落下する複数のゴブが互いに重ならずに前記複数の画像に撮像される位置に前記ラインセンサカメラが配置されることを特徴とする、ゴブ監視装置。
【請求項2】
スクープで複数のセクションに振り分けられたゴブを粗型に導くデフレクタの出口と前記粗型との間を落下する位置に来る前記複数のセクションにおけるゴブを撮像可能な1ライン分の視野を有するラインセンサカメラと、
前記ラインセンサカメラで撮像された複数の画像からゴブを検出し、シヤーブレードでゴブが切断されてから前記ラインセンサカメラでゴブが撮像されるまでの時間に基づいてゴブが前記粗型に投入されるタイミングに遅れが生じているか否かを判定する制御装置と、
を備え、
前記ラインセンサカメラの前記視野は、前記複数のセクションが並ぶ方向に交差し、かつ、前記複数のセクションにおける前記粗型からの高さが一定であることを特徴とする、ゴブ監視装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のゴブ監視装置において、
前記複数のセクションは、前記セクションごとに前記粗型を複数備え、
前記ラインセンサカメラは、前記セクションごとの複数の前記粗型に対応する位置に落下する複数のゴブが互いに重ならずに前記複数の画像に撮像される位置に配置されること
を特徴とする、ゴブ監視装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のゴブ監視装置において、
制御装置は、溶融ガラスをシヤーブレードにより切断してから所定時間後に前記ラインセンサカメラによる撮像の開始からゴブの先端を検出するまでの前記画像の数に基づいてゴブが前記粗型に投入される遅れを検出することを特徴とする、ゴブ監視装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載のゴブ監視装置において、
記ラインセンサカメラは、第1ラインセンサカメラであり、
前記複数のセクションの並ぶ方向の延長線上に並ぶ他の複数のセクションに対応する位置に落下するゴブを撮像可能な1ライン分の視野を有する第2ラインセンサカメラをさらに含み、
前記制御装置は、前記第2ラインセンサカメラで撮像された複数の画像からゴブを検出し、シヤーブレードでゴブが切断されてから前記第2ラインセンサカメラでゴブが撮像されるまでの時間に基づいてゴブが前記他の複数のセクションにおける粗型に投入されるタイミングに遅れが生じているか否かを判定することを特徴とする、ゴブ監視装置。
【請求項6】
スクープで複数のセクションに振り分けられたゴブを粗型に導くデフレクタの出口と前記粗型との間を落下する位置に来る前記複数のセクションにおけるゴブを撮像可能な1ライン分の視野を有するラインセンサカメラの位置調整方法であって、
撮像対象となるゴブの落下位置である前記デフレクタの直下に同一高さで設置された3つの光源を配置し、
中央の前記光源が前記ラインセンサカメラの前記視野の中心で撮像されるように前記ラインセンサカメラの位置を調整した後、両端の前記光源が前記視野内で撮像されるように前記ラインセンサカメラの光軸の周りに前記ラインセンサカメラを回転させて調整することを特徴とする、ラインセンサカメラの位置調整方法。
【請求項7】
請求項6に記載のラインセンサカメラの位置調整方法において、
前記ラインセンサカメラの前記視野の中心が入る視野を有するエリアセンサカメラが前記ラインセンサカメラと一体に設けられ、中央の前記光源を用いて前記ラインセンサカメラの位置を調整する前に、中央の前記光源が前記エリアセンサカメラの視野に入るように前記ラインセンサカメラ及び前記エリアセンサカメラの位置を調整することを特徴とする、ラインセンサカメラの位置調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴブ監視装置及びゴブを撮像するラインセンサカメラの位置調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ガラスびん生産工程において、スパウト下に設けられたオリフィスから押し出された溶融ガラスをシヤーブレードにより切断し、その切断によって生成したゴブを、ゴブ分配装置を介してガラスびん成形機に送り込むシステムが知られている。このようなシステムでは、高温のゴブがスクープ、トラフ、デフレクタ等により構成されるゴブ分配装置を介して滑り落ち、デフレクタの出口から出たゴブが自由落下しながらガラスびん成形機の粗型内に投入される。
【0003】
ゴブの落下速度は、ゴブを切断するシステムの誤動作や溶融ガラスの異物をシヤーブレードで切断することなどにより突発的に低下することがある。このようなゴブの落下速度の低下は、ゴブが粗型に投入されるべきタイミングを逸脱し、動作中のバッフルなど別の部品上に落下・付着するなどの事態(ゴブ投入エラー)を発生させる恐れがある。ゴブ投入エラーが発生した場合、部品の交換や成形機の調整など、復旧までに時間を要し、ガラスびんの生産が長時間停止することになる。
【0004】
特許文献1に開示された発明は、ゴブ投入エラーを回避するために、ゴブがシヤーブレードにより切断されてからスクープに入る前までの時間が遅くなった場合に警報するゴブ落下監視・警報システムである。一方で、ゴブが連続的に通過するスクープ、トラフ、デフレクタ等における摩擦係数の増加によりゴブの落下速度が徐々にそして継続的に低下することによるゴブ投入エラーには特許文献1では対応できない。
【0005】
特許文献2に開示された発明は、特許文献1の課題を解決するために、デフレクタの出口と粗型の間に配置されたレーザーセンサでゴブの粗型への到着タイミングを検出することを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平7-10550号公報
【文献】国際公開第2013/014782号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に開示されるようなレーザーセンサは粗型への離型剤スワビング実施時の油煙によりレーザー光が遮られることで誤動作を生じることがある。
【0008】
そこで、本発明は、スワビングオイルの油煙による誤動作を起こしにくいゴブ監視装置及びラインセンサカメラの位置調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様として実現することができる。
【0010】
[1]本発明に係るゴブ監視装置の一態様は、
スクープで複数のセクションに振り分けられたゴブを粗型に導くデフレクタの出口と前記粗型との間を落下する位置に来る前記複数のセクションにおけるゴブを撮像可能な1ライン分の視野を有するラインセンサカメラと、
前記ラインセンサカメラで撮像された複数の画像からゴブを検出し、シヤーブレードでゴブが切断されてから前記ラインセンサカメラでゴブが撮像されるまでの時間に基づいてゴブが前記粗型に投入されるタイミングに遅れが生じているか否かを判定する制御装置と、
を備え、
前記複数のセクションにおいて落下する複数のゴブが互いに重ならずに前記複数の画像に撮像される位置に前記ラインセンサカメラが配置されることを特徴とする。
【0011】
[2]本発明に係るゴブ監視装置の一態様は、
スクープで複数のセクションに振り分けられたゴブを粗型に導くデフレクタの出口と前記粗型との間を落下する位置に来る前記複数のセクションにおけるゴブを撮像可能な1ライン分の視野を有するラインセンサカメラと、
前記ラインセンサカメラで撮像された複数の画像からゴブを検出し、シヤーブレードでゴブが切断されてから前記ラインセンサカメラでゴブが撮像されるまでの時間に基づいてゴブが前記粗型に投入されるタイミングに遅れが生じているか否かを判定する制御装置と、
を備え、
前記ラインセンサカメラの前記視野は、前記複数のセクションが並ぶ方向に交差し、かつ、前記複数のセクションにおける前記粗型からの高さが一定であることを特徴とする。
【0012】
[3]前記ゴブ監視装置のいずれかの一態様において、
前記複数のセクションは、前記セクションごとに前記粗型を複数備え、
前記ラインセンサカメラは、前記セクションごとの複数の前記粗型に対応する位置に落下する複数のゴブが互いに重ならずに前記複数の画像に撮像される位置に配置されることができる。
【0013】
[4]前記ゴブ監視装置のいずれかの一態様において、
請求項1または請求項2に記載のゴブ監視装置において、
制御装置は、溶融ガラスをシヤーブレードにより切断してから所定時間後に前記ラインセンサカメラによる撮像の開始からゴブの先端を検出するまでの前記画像の数に基づいてゴブが前記粗型に投入される遅れを検出することができる。
【0014】
[5]前記ゴブ監視装置のいずれかの一態様において、
請求項1または請求項2に記載のゴブ監視装置において、
記ラインセンサカメラは、第1ラインセンサカメラであり、
前記複数のセクションの並ぶ方向の延長線上に並ぶ他の複数のセクションに対応する位置に落下するゴブを撮像可能な1ライン分の視野を有する第2ラインセンサカメラをさらに含み、
前記制御装置は、前記第2ラインセンサカメラで撮像された複数の画像からゴブを検出し、シヤーブレードでゴブが切断されてから前記第2ラインセンサカメラでゴブが撮像されるまでの時間に基づいてゴブが前記他の複数のセクションにおける粗型に投入されるタイミングに遅れが生じているか否かを判定することができる。
【0015】
[6]本発明に係るラインセンサカメラの位置調整方法の一態様は、
スクープで複数のセクションに振り分けられたゴブを粗型に導くデフレクタの出口と前記粗型との間を落下する位置に来る前記複数のセクションにおけるゴブを撮像可能な1ライン分の視野を有するラインセンサカメラの位置調整方法であって、
撮像対象となるゴブの落下位置である前記デフレクタの直下に同一高さで設置された3つの光源を配置し、
中央の前記光源が前記ラインセンサカメラの前記視野の中心で撮像されるように前記ラインセンサカメラの位置を調整した後、両端の前記光源が前記視野内で撮像されるように前記ラインセンサカメラの光軸の周りに前記ラインセンサカメラを回転させて調整することを特徴とする。
【0016】
[7]前記ラインセンサカメラの位置調整方法の一態様において、
前記ラインセンサカメラの前記視野の中心が入る視野を有するエリアセンサカメラが前記ラインセンサカメラと一体に設けられ、中央の前記光源を用いて前記ラインセンサカメラの位置を調整する前に、中央の前記光源が前記エリアセンサカメラの視野に入るように前記ラインセンサカメラ及び前記エリアセンサカメラの位置を調整することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るゴブ監視装置の一態様によれば、ラインセンサカメラを用いてゴブの発光を検出することでスワビングオイルの油煙による影響を受けにくくすることができる。また、本発明に係るラインセンサカメラの位置調整方法の一態様によれば、スワビングオイルの油煙による影響を受けにくいラインセンサカメラを正確かつ容易に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本実施形態に係るゴブ監視装置の一部を省略して模式的に示す正面図である。
図2図2は、ラインセンサカメラの監視範囲を模式的に示す平面図である。
図3図3は、ラインセンサカメラで撮像された複数の画像を説明する図である。
図4図4は、本実施形態に係るラインセンサカメラの位置調整方法に用いるラインセンサカメラを模式的に示す図である。
図5図5は、本実施形態に係るラインセンサカメラの位置調整方法を説明する図である。
図6図6は、変形例に係るラインセンサカメラの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0020】
1.ゴブ監視装置
図1図3を用いて、本実施形態に係るゴブ監視装置1について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るゴブ監視装置1の一部を省略して模式的に示す正面図であり、図2は、ラインセンサカメラの監視範囲を模式的に示す平面図であり、図3は、ラインセンサカメラで撮像された複数の画像60を説明する図である。なお、図1では第2ラインセンサカメラ52及びその監視範囲を省略して示し、図2ではラインセンサカメラの視野A1,A2を網掛けで示し、図3の(a)は複数の画像60を示し、図3の(b)は複数の画像60の一部を拡大すると共に見やすくするために白と黒を反転して示す。
【0021】
図1及び図2に示すように、ガラスびん成形機100は、溶融ガラス30が収容されるスパウト10と、スパウト10下に設けたオリフィスから押し出される溶融ガラス30をシヤーブレードで切断するシヤー切断装置12と、切断されたゴブ32を複数の粗型20に振り分けて導くゴブ分配装置11と、複数のセクション例えばSc1~Sc10(図1ではセクションSc1~Sc6)に配置された粗型20と、ゴブ32の落下を監視するゴブ監視装置1と、を備える。ガラスびん成形機100におけるセクションの数は、複数であれば特に制限はなく、10セクションより少なくてもよいし、10セクションより多くてもよく、例えば、12セクションや16セクションなどであってもよい。また、ゴブ監視装置1におけるラインセンサカメラの数も特に制限はなく、各セクションの粗型20に対応したゴブ32を正確に撮像できる範囲で変更可能である。粗型20に投入されたゴブ32は、パリソンに成形された後、図示しない仕上型へ移送されてガラスびんにブロー成形される。
【0022】
溶融ガラス30は、高温であり、スパウト10から落下して粗型20に投入されるゴブ32は例えば1100℃~1200℃と高温で発光している。そのため、第1ラインセンサカメラ51で撮像した画像には、例えば図3の(a)のようにゴブ32を検出体62,64のように明確に識別することができる。また、第1ラインセンサカメラ51は、ゴブ32の発光を利用して撮像するため、スワビングオイルによる油煙によって影響を受けにくい。しかも、第1ラインセンサカメラ51は複数のセクション(本実施形態では5つのセクションSc1~Sc5)の広い範囲に渡ってゴブ32が重ならないように撮像するため、ガラスびん成形機100から離れた位置に設置されることでスワビングオイルによる油煙の影響がより少ない。
【0023】
シヤー切断装置12は、一対のシヤーブレードを図示しない駆動機構により互いに進退させ、溶融ガラス30を一定の長さに切断する。シヤー切断装置12は、制御装置40と電気的に接続され、溶融ガラス30を切断するたびに切断時信号を制御装置40に送信する。
【0024】
ゴブ分配装置11は、例えば揺動可能なスクープ14と、複数のトラフ16と、複数のデフレクタ18とを備える。ゴブ分配装置11は、高温のゴブ32を滑らせながら複数のセクションSc1~Sc10の粗型20に導くことができる。図1ではセクションSc1のトラフ16及びデフレクタ18しか記載していないが、複数のトラフ16及び複数のデフレクタ18は、複数のセクションSc1~Sc10の粗型20の数に合わせて設けられる。スクープ14は、図示しない駆動機構により複数のトラフ16にゴブ32を分配するように揺動することができる。
【0025】
ゴブ監視装置1は、スクープ14で複数のセクションSc1~Sc10に振り分けられたゴブ32を粗型20に導くデフレクタ18の出口18aと粗型20との間を落下するゴブ32を撮像する第1ラインセンサカメラ51と、第1ラインセンサカメラ51で撮像された複数の画像60(図3)からゴブ32を検出し、ゴブ32が粗型20に投入される遅れを検出する制御装置40と、を備える。
【0026】
制御装置40は、シヤー切断装置12と第1ラインセンサカメラ51及び第2ラインセンサカメラ52に電気的に接続され、例えばシヤー切断装置12からの切断時信号に基づいてゴブ32の検出処理を実行し、ゴブ32の遅延が検出された場合に警告信号を出力する処理を実行する。制御装置40は、警告信号に基づいて発光する警告灯や警告信号を表示するディスプレイが接続されてもよい。制御装置40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置、キーボード、マウス、タッチパッド等の入力装置、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置、I/Oボード等のデジタル入出力ボード等で構成される。制御装置40のCPUや記憶装置等は1つだけでなく複数の例えば物理的に分離された装置であってもよく、その場合、通信ネットワークを介して接続してもよい。制御装置40は、例えば、検出部41と、計測部43と、算出部45と、判定部47と、出力部49とを含む。制御装置40の少なくとも一部の構成が第1ラインセンサカメラ51及び/または第2ラインセンサカメラ52と一体に設けられてもよい。制御装置40の各部の具体的な処理については後述する。
【0027】
図2の実施形態では、第1ラインセンサカメラ51は、複数のセクションSc1~Sc5において落下するゴブ32が複数の画像60(図3)に撮像される位置に配置される。第1ラインセンサカメラ51及び第2ラインセンサカメラ52は、少なくとも1列のラインセンサカメラ素子例えばCCDイメージングセンサ素子を有する。ラインセンサカメラを用いることでエリアセンサカメラよりも高解像度で高速な処理が可能となる。また、ラインセンサカメラを用いることでゴブ32の遅延状況を撮像された画像60から精度良く演算することができる。1台の第1ラインセンサカメラ51で広い範囲を監視できるので経済的に優れたゴブ監視装置1となる。また、第1ラインセンサカメラ51を用いることにより、従来のようなスワビングオイルによる油煙による影響を受けにくい。第1ラインセンサカメラ51及び第2ラインセンサカメラ52は、いずれのセクションSc1~Sc10のゴブ32を検出しているかわかるように視野A1の幅方向D(図2)で隣接するセクションのゴブ32と重ならない画像を得ることが好ましい。
【0028】
第1ラインセンサカメラ51の視野A1は、複数のセクションSc1~Sc5が並ぶ方向Xに交差し、かつ、複数のセクションSc1~Sc5における粗型20からの高さH1が一定である。視野A1が並ぶ方向Xと交差する態様とは、視野A1の幅方向Dが並ぶ方向Xに平行でもなく直交もしないで交差する態様であり、例えば図2の平面図のように視野A1が並ぶ方向Xに対して斜めになるということである。本発明における視野とは、ラインセンサカメラによって撮像し得る範囲である。視野は、本実施形態のようにラインセンサカメラで直接撮像し得る範囲であってもよいし、後述する変形例のようにミラーを介して間接的に撮像し得る範囲であってもよい。視野A1が並ぶ方向Xと交差するため第1ラインセンサカメラ51を粗型20から離した位置に設置することができ、従来のように並ぶ方向Xに沿ったセンサのような油煙による油汚れを避けることができる。また、視野A1の高さH1が一定であるので、視野A1でゴブ32を検出するタイミングを一定にすることができる。
【0029】
図2に示すように、複数のセクションSc1~Sc5の並ぶ方向Xの隣に並ぶ他の複数のセクションSc6~Sc10をさらに含むことができる。他の複数のセクションSc6~Sc10に対応する位置に落下するゴブ32を撮像する第2ラインセンサカメラ52をさらに含むことができる。制御装置40は、第2ラインセンサカメラ52で撮像された複数の画像60(図3)からゴブ32を検出し、ゴブ32が他の複数のセクションSc6~Sc10における粗型20に投入される遅れを検出することができる。本実施形態では2つのラインセンサカメラを用いたがこれに限らず、監視範囲に応じて例えば1つだけでもよいし3つ以上であってもよい。
【0030】
第2ラインセンサカメラ52も第1ラインセンサカメラ51と同様に、複数のセクションSc6~Sc10において落下するゴブ32が複数の画像に撮像される位置に配置される。第2ラインセンサカメラ52の視野A2は、複数のセクションSc6~Sc10が並ぶ方向Xに交差し、かつ、複数のセクションSc6~Sc10における粗型20からの高さH1が一定である。なお、前後又は左右で隣り合うゴブ32が重ならないように撮像できれば、第1ラインセンサカメラ51及び第2ラインセンサカメラ52が撮像する範囲は、それぞれ5つのセクションに限るものではなく、例えばそれぞれ6セクション以上を撮像対象としてもよいし、それぞれ異なる数のセクションを撮像対象としてもよい。また、1台のラインセンサカメラで全てのセクションを撮像対象とできる場合には、ゴブ監視装置1が1台のラインセンサカメラだけを備える構成でもよい。
【0031】
また、図2に示すように、複数のセクションSc1~Sc10は、セクションごとに粗型20を複数備えてもよく、その場合、第1ラインセンサカメラ51及び第2ラインセンサカメラ52は、セクションごとの複数の粗型20に対応する位置に落下する複数のゴブ32が互いに重ならずに複数の画像に撮像される位置に配置される。具体的には、図2に示すように、1セクションに2つの粗型20が配置される場合に、一点鎖線で示すように別のセクションのゴブ32だけでなく同じセクションの他のゴブ32も視野A1の中で重ならない位置に第1ラインセンサカメラ51及び第2ラインセンサカメラ52が配置される。そのため、第1ラインセンサカメラ51及び第2ラインセンサカメラ52は、監視対象の粗型20から離れた位置であって、かつ、並ぶ方向Xに対して視野A1が斜めになるように配置される。このような配置によって第1ラインセンサカメラ51及び第2ラインセンサカメラ52が油煙の影響を受けにくくなる。また、第1ラインセンサカメラ51及び第2ラインセンサカメラ52と粗型20との間に比較的広いスペースを設けることができるので、図示しないスワビングロボットや協働ロボットの設置や移動を許容できる。また、2つのラインセンサカメラが互いに面対称となる位置に配置されて互いの視野A1、A2が交差するので、例えばスワビングロボットが第1ラインセンサカメラ51側に移動していても第2ラインセンサカメラ52による監視は継続することができる。なお、スワビングロボットは、ガラスびん成形機100に採用される粗型等にオイルなどの離型剤を自動でスプレーする装置であり、粗型20の手前を並ぶ方向Xに沿って往復移動するロボットである。
【0032】
図3の(a)に示す複数の画像60は、例えば第1ラインセンサカメラ51によって撮像された図3の(b)に示すような1ライン分の画像601,602…を撮像順に並べた画像である。図3の画像60では撮像順に下から並べて表示しているため、ゴブ32が画像60における下から上に向かって徐々に表示されていくが、例えば制御装置40を用いて上から下に向かって撮影順に並べ替えてから画像60を表示してもよい。
【0033】
制御装置40は、溶融ガラス30をシヤーブレードにより切断してから所定時間後に第1ラインセンサカメラ51及び第2ラインセンサカメラ52による撮像の開始からゴブ32の先端62a,64aを検出するまでの画像601…の数に基づいてゴブ32が粗型20に投入される遅れを検出する。検出部41は、複数の画像60の中から落下するゴブ32に対応する検出体62,64を検出する。検出部41は、少なくとも検出体62,64の先端62a,64aを検出する。検出部41は、複数の画像60を例えば二値化して明確化した白い部分を検出体62,64として識別することができる。計測部43は、各セクションにおいて検出された先端62a,64aが撮像されるまでに第1ラインセンサカメラ51が撮像した画像601…690…693の数を計測し、同様に第2ラインセンサカメラ52が撮像した画像についても画像の数を計測する。算出部45は、計測された画像の数に基づいて、シヤーブレードによる切断から先端62a,64aが撮像されるまでの時間を算出する。この時間はゴブ32が粗型20に投入されるまでの時間に近い値となる。判定部47は、算出された時間からゴブ32が粗型20に投入される遅れの有無を判定し、判定結果を出力する。遅れが小さければそのまま継続して生産を実行することができ、遅れが大きくなれば操作者への通知、粗型20の動作の停止、粗型20への投入前にゴブ32を排除するなどの処理を実行する。出力部49は、判定結果に基づいてガラスびん成形機100の各部へ信号を出力することができる。例えば、ゴブ32の遅延があると判定された場合にディスプレイへ警告信号を出力することができる。また、算出された時間を継続して観察することで、ゴブの長さの変化を操作者が確認できる。例えばゴブの温度が設定温度域よりも高い場合、ガラスの粘性が低くなりゴブは長くなる(伸びる)。算出された時間の経過観察からゴブの長さの変化を確認した場合、操作者は溶融ガラス30の温度を下げるなどの対応ができる。更に測定したデータを周辺装置に転送することで、トラブル防止のために周辺装置に警報などの働き掛けができる。
【0034】
このように、ゴブ監視装置1の一態様によれば、第1ラインセンサカメラ51及び第2ラインセンサカメラ52を用いてゴブ32の発光を検出することで油煙による影響を受けにくくすることができる。また、従来のレーザーセンサのように粗型20に隣接せずラインセンサカメラが離間して配置しているので、油汚れによる誤動作が発生しにくく、しかもメンテナンスが容易となる。
【0035】
2.ゴブ監視方法
図1図3を用いてゴブ監視装置1を用いたゴブ監視方法について説明する。
【0036】
シヤー切断装置12が溶融ガラス30を切断すると切断時信号が制御装置40にシヤー切断装置12から出力され、その切断時信号が制御装置40に入力すると第1ラインセンサカメラ51及び第2ラインセンサカメラ52に対して制御装置40が撮像を指令する。切断時信号から予め設定したゴブ32の落下経路に相当する遅延時間が経過した後に撮像を開始してもよい。
【0037】
制御装置40からの指令により第1ラインセンサカメラ51が撮像した複数の画像60は、制御装置40へ出力される。検出部41は取得した複数の画像60からゴブ32に対応する検出体62,64を検出する。
【0038】
図3の(a)に示す複数の画像60は、撮像を開始した直後の第1回目の撮像により得られた1ライン分の画像601(図3の(b))から撮像終了まで複数のライン分の画像602,603…を撮像した順に並べることで連続する一つの画像のように表している。図3の(a)では第1セクションSc1に対応する部分で2つの検出体62,64が撮像されている。検出体62は第1セクションSc1の粗型20のAキャビティ(Acav)に落下するゴブ32を撮像したものであり、検出体64は第1セクションSc1の粗型20のBキャビティ(Bcav)に落下するゴブ32を撮像したものである。ゴブ32は高温で発光しているため周囲より明るい部分を検出体62,64として検出することができる。
【0039】
検出部41は、画像691で検出体62の先端62aを検出し、画像694で検出体64の先端64aを検出する。検出部41の検出結果に基づいて、計測部43は先端62aが検出されてから先端64aが検出されるまでの画像の数(例えば撮像したライン数は3ライン)を計測する。第1ラインセンサカメラ51は一定の時間間隔(例えば0.1ms)で撮像するので、計測部43の計測結果に基づいて、算出部45はBcavのゴブ32がAcavのゴブ32より遅れる時間(0.1ms×3ライン=0.3ms)を算出する。判定部47は、算出部45が算出した遅れ時間があらかじめ設定したしきい値を超えたか否かを判定する。出力部49は、遅れ時間がしきい値を超えた場合に警告信号を例えばディスプレイに出力するとともに警告ランプを点滅させてサイレンを鳴らす。そして、操作者はディスプレイに表示された警告を確認することで遅れが生じている粗型20に対応するトラフ16やデフレクタ18に対して例えば潤滑剤を噴霧してゴブ投入エラーを早期に防止することができる。
【0040】
本実施形態では、撮像の時間間隔を用いて遅れ時間を算出したが、これに限らず、単にゴブ32の落下が遅れている分の画像の数(撮像したライン数)で判定してもよいし、成形機の動作周期に対応する角度で換算してゴブ32の落下が遅れている分の角度を算出して判定してもよい。また、図3では同じセクションSc1における2つの粗型20に落下する2つのゴブ32を対比したが、これに限らず、各セクションに適切なしきい値を設定しておき、そのしきい値を超えて各先端62a,64aが検出された場合にそのゴブ32が粗型20に投入されるタイミングに遅れを生じていると判定してもよい。
【0041】
3.ラインセンサカメラの位置調整方法
図4及び図5を用いてラインセンサカメラの位置調整方法について説明する。図4は、本実施形態に係るラインセンサカメラの位置調整方法に用いる第1ラインセンサカメラ51を模式的に示す図であり、図5は、本実施形態に係るラインセンサカメラの位置調整方法を説明する図である。図4の(a)は第1ラインセンサカメラ51を側面から見た断面図であり、(b)は第1ラインセンサカメラ51をレンズ513側から見た正面図である。図5の(a),(c)は粗型20を正面から見た図であり(b),(d)は(a),(c)の視野A1で撮像された複数の画像60である。図4及び図5では第1ラインセンサカメラ51について説明するが、第2ラインセンサカメラ52も同様の構成であるため同様の調整方法を実施することができる。
【0042】
図4に示すように、第1ラインセンサカメラ51はエリアセンサカメラ53と一体に設けられる。第1ラインセンサカメラ51は、上述した通り、スクープ14で複数のセクションSc1~Sc5に振り分けられたゴブ32を粗型20に導くデフレクタ18の出口18aと粗型20との間を落下するゴブ32を撮像するものである。第1ラインセンサカメラ51のレンズ513から入射する検出光をラインセンサカメラ素子510が受光し、かつ、ハーフミラー512で検出光を光軸Oに直交する方向に反射させてエリアセンサカメラ53のエリアセンサ素子530が受光する。エリアセンサカメラ53は、第1ラインセンサカメラ51の視野A1の中心が入る視野A3を有する。第1ラインセンサカメラ51はゴニオステージ54上に回転可能に支持され、ゴニオステージ54によって第1ラインセンサカメラ51は光軸Oの周りに回転可能である。
【0043】
図5の(a)及び(c)には視野A1と視野A3が網掛けされて示される。視野A1と視野A3の中心は同じ位置に設定される。視野A3は、視野A1より並ぶ方向Xに短く、かつ、視野A1より高さ方向に広い。
【0044】
第1ラインセンサカメラ51の位置調整方法は、撮像対象となるゴブ32の落下位置であるデフレクタ18の直下に同一高さH1で設置された3つの光源55,56,57を配置し、中央の光源55が第1ラインセンサカメラ51の視野A1の中心で撮像されるように第1ラインセンサカメラ51の位置を調整した後、両端の光源56,57が視野A1内で撮像されるように第1ラインセンサカメラ51の光軸Oの周りに第1ラインセンサカメラ51を回転させて調整する。
【0045】
中央の光源55は、複数のセクションSc1~Sc5の内、Acavの中央にあるセクションSc3に落下するゴブ32が通過するデフレクタ18の直下に設置する。光源56,57は、Acavの複数のセクションSc1~Sc5の両端にあるセクションSc1,Sc5に落下するゴブ32が通過するデフレクタ18,18の直下にそれぞれ配置される。光源55,56,57は、支持具58を介してガラスびん成形機100に固定される。光源55,56,57は、例えばLEDのスポット照明を第1ラインセンサカメラ51側に向けて支持具58にそれぞれ固定される。
【0046】
本実施形態に係る位置調整方法では、まず、中央の光源55が第1ラインセンサカメラ51の視野A1の中心で撮像されるように第1ラインセンサカメラ51の位置を調整するが、撮像する1ライン分の視野A1は狭い。そのため、中央の光源55を用いて第1ラインセンサカメラ51の位置を調整する前に、中央の光源55が図4で説明したエリアセンサカメラ53の視野A3に入るように第1ラインセンサカメラ51及びエリアセンサカメラ53の位置を調整する。第1ラインセンサカメラ51の位置調整は、ゴニオステージ54を支持する図示しない支持具により行う。第1ラインセンサカメラ51とエリアセンサカメラ53とはゴニオステージ54により一体に回転可能である。視野A3が視野A1より高さ方向に広いエリアセンサカメラ53を用いて第1ラインセンサカメラ51の位置を調整することにより、容易に第1ラインセンサカメラ51の位置を調整できる。具体的な調整としては、光源55が視野A1に入っていない場合に、まず、エリアセンサカメラ53の広い視野A3内で光源55を捉え、さらに視野A3の中心に光源55が撮像さるように第1ラインセンサカメラ51の高さ及び並ぶ方向Xの位置を調整する。視野A1の中心と視野A3の中心と光軸Oとは一致しているため、視野A1の高さ方向及び並ぶ方向Xにおける正確な位置に第1ラインセンサカメラ51を調整できる。
【0047】
次に、両端の光源56,57が視野A1内で撮像されるようにゴニオステージ54を用いて第1ラインセンサカメラ51を光軸Oの周りに回転させる。調整当初は図5の(a)のように視野A1が光源56,57から外れていたため、図5の(b)のように複数の画像60には光源55に対応する検出体65しか撮像されないが、図5の(c)のように第1ラインセンサカメラ51(視野A1)を回転させていくと視野A1の両端付近に光源56,57に対応する検出体66,67が撮像される。この位置でゴニオステージ54による第1ラインセンサカメラ51の回転を止めて位置決めする。
【0048】
その後、光源55,56,57及び支持具58をガラスびん成形機100から取り除けば、位置調整作業は完了し、適切な位置でゴブ32の監視を実行できる。このように本実施形態に係るラインセンサカメラの位置調整方法によれば、油煙による影響を受けにくい第1ラインセンサカメラ51を正確かつ容易に位置決めすることができる。
【0049】
4.変形例
図6を用いて、ゴブ監視装置1の変形例に係る第1ラインセンサカメラ51aについて説明する。図6は、変形例に係る第1ラインセンサカメラ51aの正面図である。上記実施形態に係るゴブ監視装置1は、上記第1ラインセンサカメラ51に替えて、変形例に係る第1ラインセンサカメラ51aを採用できる。なお、第2ラインセンサカメラ52は第1ラインセンサカメラ51aと同じ構成を採用でき、また、他の構成はゴブ監視装置1と同じ構成であるため、ここでの説明は省略する。
【0050】
図6に示すように、第1ラインセンサカメラ51aは、少なくともカメラ本体51bと、ミラー51cとを含む。カメラ本体51bは、少なくとも1列のラインセンサカメラ素子(例えばCCD素子)を有するラインセンサカメラであって、上記実施形態における第1ラインセンサカメラ51を適用できる。カメラ本体51bはゴニオステージ54(図4)を備えてもよいし、備えなくてもよい。カメラ本体51bは、ミラー51cを介することで上記実施形態における第1ラインセンサカメラ51と同様の視野A1を有する。ミラー51cは、カメラ本体51bに対して視野A1を反射可能な反射面を備えている。
【0051】
第1ラインセンサカメラ51aは、調整装置51d、固定台51e及び固定ロッド51fをさらに含むことができる。ミラー51cは、カメラ本体51bに対して反射面の向きを変更可能に調整装置51dに取り付けられる。調整装置51dは、固定台51eの所定の位置に固定される。固定台51eにはカメラ本体51b及び調整装置51dがあらかじめ定められた位置に固定される。図示の例では、カメラ本体51bは光軸Oが鉛直方向下方に向くように固定台51eに固定され、調整装置51dはミラー51cの反射面が光軸Oに対して略45度の位置に固定されて光軸Oが水平方向に向かう。
【0052】
調整装置51dは、光軸Oに対しするミラー51cの反射面の角度Qを変更可能な例えばゴニオステージや視野A1に沿った光軸Oの周りにミラー51cを回転可能な回転ステージ等を備えることができる。固定台51eは、固定ロッド51fを軸として回転することができる。調整装置51dと固定台51eの回転調整によりミラー51cの反射面は第1ラインセンサカメラ51aが視野A1(第2ラインセンサカメラ52の場合は視野A2)(図2参照)を保つように調整できる。固定ロッド51fは、固定台51eの高さ位置が調節可能に固定台51を固定できる。変形例に係る第1ラインセンサカメラ51aによれば、天井が低くカメラを設置するスペースがなくても、ミラー51c以外を天井に埋め込むことで視野A1の位置を調節することができる。
【0053】
本発明は、本願に記載の特徴や効果を有する範囲で一部の構成を省略したり、各実施形態や変形例を組み合わせたりしてもよい。
【0054】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0055】
1…ゴブ監視装置、10…スパウト、11…ゴブ分配装置、12…シヤー切断装置、14…スクープ、16…トラフ、18…デフレクタ、18a…出口、20…粗型、30…溶融ガラス、32…ゴブ、40…制御装置、41…検出部、43…計測部、45…算出部、47…判定部、49…出力部、51,51a…第1ラインセンサカメラ、510…ラインセンサカメラ素子、512…ハーフミラー、513…レンズ、51b…カメラ本体、51c…ミラー、51d…調整装置、51e…固定台、51f…固定ロッド、52…第2ラインセンサカメラ、53…エリアセンサカメラ、530…エリアセンサ素子、54…ゴニオステージ、55,56,57…光源、58…支持具、60…複数の画像、601,602,603,604,690,691,692,693,694…画像、62,64,65,66,67…検出体、62a,64a…先端、100…ガラスびん成形機、A1,A2,A3…視野、D…幅方向、H1…高さ、O…光軸、Q…角度、Sc1~Sc10…第1セクション~第10セクション、X…並ぶ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6