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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/533 20210101AFI20241209BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20241209BHJP
【FI】
H01M50/533
H01M50/55 101
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023546592
(86)(22)【出願日】2021-09-07
(86)【国際出願番号】 JP2021032837
(87)【国際公開番号】W WO2023037407
(87)【国際公開日】2023-03-16
【審査請求日】2023-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 晋聡
【審査官】山本 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-137992(JP,A)
【文献】特開2013-089592(JP,A)
【文献】国際公開第2017/131168(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁及び周壁を備え、高さ方向について前記底壁が位置する側とは反対側へ開口する内部空洞が形成される外装容器と、
前記内部空洞の開口を塞ぐ状態で前記外装容器の前記周壁に取付けられる蓋部材と、
前記高さ方向に交差する横方向の外側へ突出する集電タブを備え、前記外装容器の前記内部空洞に収納される電極群と、
前記蓋部材の外表面において外部に露出する電極端子と、
前記電極群の前記集電タブと前記電極端子との間を電気的に接続するリードと、
を具備し、
前記リードは、前記内部空洞において前記蓋部材と前記電極群との間に配置され、前記電極端子が接続される天板部と、前記底壁が位置する側へ前記天板部に対して屈曲し、前記集電タブに接合される脚板部と、を備え、
前記天板部は、前記横方向について前記天板部の内側の端を形成する天板内縁面と、前記電極群と対向する天板下面と、前記電極群が位置する側とは反対側へ前記天板下面において凹み、前記電極端子の前記天板部への接続位置を超えて前記天板内縁面から前記横方向の外側へ向かって連続して形成される凹みと、を備え、
前記凹みが形成されている領域での前記天板部の板厚は、前記凹みが形成されている領域以外の領域での前記天板部の板厚、及び、前記脚板部の板厚のそれぞれに比べて薄い、
電池。
【請求項2】
前記凹みは、前記電極群の前記蓋部材が位置する側の端部の外表面に沿った形状に、形成される、請求項1の電池。
【請求項3】
前記凹みは、前記電極群との間に隙間を有する状態で、前記高さ方向について前記蓋部材が位置する側から前記電極群に近接する、請求項1又は2の電池。
【請求項4】
前記天板部は、前記天板下面とは反対側を向く天板上面を備え、
前記天板部には、前記天板上面から前記天板下面まで前記高さ方向に沿って前記天板部を貫通し、前記電極端子が挿入される貫通孔が形成され、
前記凹みは、前記電極群が位置する側を向く平面状に形成され、前記電極端子の前記天板部への前記接続位置を通って前記横方向に沿って形成される凹み底面を備え、
前記貫通孔は、凹み底面において前記電極群が位置する側へ向かって開口する
請求項1乃至3のいずれか1項の電池。
【請求項5】
前記凹み底面は、前記高さ方向及び前記横方向の両方に対して交差する奥行方向に沿った前記凹み底面の寸法が前記凹み底面の他の部分に比べて拡大される寸法拡大部分を備え、
前記貫通孔は、前記寸法拡大部分において開口する、
請求項4の電池。
【請求項6】
前記脚板部は、前記横方向について前記電極端子の前記天板部への前記接続位置に対して外側の位置で前記天板部に接続され、
前記凹みにおいて前記天板内縁面とは反対側の端は、前記横方向について、前記電極端子の前記天板部への前記接続位置と前記脚板部の前記天板部への接続位置との間に位置する、
請求項1乃至5のいずれか1項の電池。
【請求項7】
前記凹みが形成されている領域での前記天板部の硬度は、前記凹みが形成されている領域以外の領域での前記天板部の硬度、及び、前記脚板部の硬度のそれぞれに比べて硬い、請求項1乃至のいずれか1項の電池。
【請求項8】
前記天板下面は、前記高さ方向及び前記横方向の両方に対して交差する奥行方向の一方側から前記凹みに対して隣接する第1の隣接部分と、前記奥行方向について前記第1の隣接部分とは反対側から前記凹みに対して隣接する第2の隣接部分と、を備え、
前記凹みは、前記奥行方向について前記第1の隣接部分と前記第2の隣接部分との間に挟まれた状態で、前記第1の隣接部分及び前記第2の隣接部分に対して前記電極群が位置する側とは反対側へ凹む、
請求項1乃至のいずれか1項の電池。
【請求項9】
前記電極群は、集電体、及び、前記集電体の表面に担持される活物質含有層を備え、
前記電極群の前記集電体は、前記活物質含有層が未担持の部分として前記集電タブを備え、
前記集電タブは、前記電極群において、前記活物質含有層に対して前記横方向の外側へ突出し、
前記凹みの前記天板内縁面とは反対側の端は、前記横方向について前記集電タブと前記活物質含有層との境界位置に対して外側に位置する、
請求項1乃至のいずれか1項の電池。
【請求項10】
前記集電タブは、前記電極群において前記横方向の一方側へ突出する負極集電タブ、及び、前記負極集電タブが突出する側とは反対側へ前記電極群において突出する正極集電タブを備え、
前記電極端子は、負極端子、及び、前記蓋部材の前記外表面において前記負極端子から離れて配置される正極端子を備え、
前記リードが前記負極集電タブと前記負極端子との間を電気的に接続するか、及び、前記リードが前記正極集電タブと前記正極端子との間を電気的に接続するかの少なくとも一方である、
請求項1乃至のいずれか1項の電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電池に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話及びパーソナルコンピュータ等の電子機器の進歩にともなって、これらの電子機器に使用される二次電池等の電池は、小型化及び軽量化が求められている。小型化及び軽量化が実現され、かつ、エネルギー密度の高い二次電池として、リチウムイオン二次電池が挙げられる。一方、電気自動車、ハイブリッド自動車、電動バイク及びフォークリフト等の車両に搭載される大型かつ大容量の電源として、鉛蓄電池、ニッケル水素電池等の二次電池が用いられる。また、近年では、車両に搭載される大型かつ大容量の電源として、エネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池が、採用に向けて開発されている。車両に搭載されるリチウムイオン二次電池の開発では、電池の高寿命化の実現及び安全性の向上等を実現するとともに、電池の大型化及び大容量化を実現することが求められている。
【0003】
リチウムイオン二次電池等の電池として、外装容器の内部空洞に、電極群が収納されるものがある。この電池では、外装容器は、底壁及び周壁を備え、外装容器の内部空洞は、高さ方向について底壁とは反対側へ開口する。そして、外装容器の周壁に蓋部材が取付けられ、内部空洞の開口は、蓋部材によって塞がれる。また、電池では、電極端子が、外部に露出する状態で、蓋部材の外表面に配置される。そして、内部空洞では、高さ方向に交差する横方向の外側へ電極群において集電タブが突出する。そして、リードが、電極群の集電タブと電極端子との間を電気的に接続する。
【0004】
前述のような電池では、内部空洞において電極群が占めるスペースを大きくする等して電極群の体積を大きくすることにより、電池の容量を増大させることが、求められている。また、リードの断面積を減少させることなく電極群の体積を大きくする等して、電極群と電極端子との間の電気経路における電気抵抗を上昇させることなく電池の容量を増大させることが、求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】日本国特開2014-7036号公報
【文献】日本国特開2006-93122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、電極群と電極端子との間の電気経路における電気抵抗を上昇させることなく容量を増大可能な電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、電池は、外装容器、蓋部材、電極群、電極端子及びリードを備える。外装容器は、底壁及び周壁を備え、外装容器には、高さ方向について底壁が位置する側とは反対側へ開口する内部空洞が形成される。蓋部材は、内部空洞の開口を塞ぐ状態で外装容器の周壁に取付けられる。電極群は、高さ方向に交差する横方向の外側へ突出する集電タブを備え、外装容器の内部空洞に収納される。電極端子は、蓋部材の外表面において外部に露出し、リードは、電極群の集電タブと電極端子との間を電気的に接続する。リードは、天板部及び脚板部を備える。天板部は、内部空洞において蓋部材と電極群との間に配置され、天板部には、電極端子が接続される。脚板部は、底壁が位置する側へ天板部に対して屈曲し、集電タブに接合される。天板部は、横方向について天板部の内側の端を形成する天板内縁面と、電極群と対向する天板下面と、電極群が位置する側とは反対側へ天板下面において凹む凹みと、を備える。凹みは、電極端子の天板部への接続位置を超えて、天板内縁面から横方向の外側へ向かって連続して形成される。凹みが形成されている領域での天板部の板厚は、凹みが形成されている領域以外の領域での天板部の板厚、及び、脚板部の板厚のそれぞれに比べて薄い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係る電池を部材ごとに分解して示す斜視図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る電池を示す斜視図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る電池のリードの構成を概略的に示す斜視図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る電池において、リードの貫通孔に対して横方向の内側に離れた位置を通り、かつ、横方向に対して直交又は略直交する断面を概略的に示す断面図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る電池において、リードの貫通孔を通り、かつ、横方向に対して直交又は略直交する断面を概略的に示す断面図である。
図6図6は、第1の変形例に係る電池のリードの構成を概略的に示す斜視図である。
図7図7は、第2の変形例に係る電池のリードの構成を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図面を参照して、説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1及び図2は、第1の実施形態に係る電池1を示す。図1及び図2に示すように、電池1は、電極群2、外装容器3及び蓋部材5を備える。外装容器3及び蓋部材5のそれぞれは、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、銅又はステンレス等の金属から形成される。ここで、電池1(外装容器3)では、奥行方向(矢印X1及び矢印X2で示す方向)、奥行方向に対して交差する(直交又は略直交する)横方向(矢印Y1及び矢印Y2で示す方向)、及び、奥行方向及び横方向の両方に対して交差する(直交又は略直交する)高さ方向(矢印Z1及び矢印Z2で示す方向)が、規定される。電池1及び外装容器3のそれぞれでは、奥行方向についての寸法が、横方向についての寸法、及び、高さ方向についての寸法のそれぞれに比べて、小さい。なお、図1は、部材ごとに分解して示す斜視図であり、図2は、斜視図である。
【0011】
外装容器3は、底壁6及び周壁7を備える。電極群2が収納される内部空洞8は、底壁6及び周壁7によって規定される。外装容器3では、内部空洞8は、高さ方向について、底壁6が位置する側とは反対側へ向かって開口する。周壁7は、二対の側壁11,12を備える。一対の側壁11は、横方向について内部空洞8を挟んで対向する。一対の側壁12は、奥行方向について内部空洞8を挟んで対向する。側壁11のそれぞれは、側壁12の間に、奥行方向に沿って連続して延設される。側壁12のそれぞれは、側壁11の間に、横方向に沿って連続して延設される。蓋部材5は、底壁6とは反対側の端部で、周壁7に取付けられる。このため、蓋部材5は、外装容器3の内部空洞8の開口を塞ぐ。蓋部材5及び底壁6は、高さ方向について内部空洞8を挟んで対向する。
【0012】
電極群2は、負極13A及び正極13Bを備える。電極群2では、負極13Aと正極13Bとの間にセパレータ(図示しない)が介在する。セパレータは、電気的絶縁性を有する材料から形成され、負極13Aを正極13Bに対して電気的に絶縁する。
【0013】
負極13Aは、負極集電箔等の負極集電体と、負極集電体の表面に担持される負極活物質含有層(図示しない)と、を備える。負極集電体は、これらに限定されるものではないが、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔又は銅箔等であり、厚さが10μm~20μm程度である。負極活物質含有層は、負極活物質を備え、結着剤及び導電剤を任意に含んでもよい。負極活物質としては、特に限定されるものではないが、リチウムイオンを吸蔵放出できる金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物及び炭素材料等が挙げられる。負極集電体は、負極活物質含有層を未担持の部分として、負極集電タブ15Aを備える。
【0014】
正極13Bは、正極集電箔等の正極集電体と、正極集電体の表面に担持される正極活物質含有層(図示しない)と、を備える。正極集電体は、これらに限定されるものではないが、例えば、アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔等であり、厚さが10μm~20μm程度である。正極活物質含有層は、正極活物質を備え、結着剤及び導電剤を任意に含んでもよい。正極活物質としては、これらに限定されるものではないが、リチウムイオンを吸蔵放出できる酸化物、硫化物及びポリマー等が挙げられる。正極集電体は、正極活物質含有層を未担持の部分として、正極集電タブ15Bを備える。
【0015】
図1等の一例の電極群2では、負極活物質含有層と正極活物質含有層との間でセパレータが挟まれた状態で、負極13A、正極13B及びセパレータが捲回軸Wを中心として捲回される。また、別のある一例では、電極群2は、複数の負極13A及び複数の正極13Bが交互に積層されるスタック構造を有し、負極13Aと正極13Bとの間にはセパレータが設けられる。電極群2では、負極集電タブ15Aは、正極13B及びセパレータに対して突出する。そして、正極集電タブ15Bは、負極13A及びセパレータに対して、負極集電タブ15Aの突出方向とは反対側へ突出する。図1等の一例では、一対の集電タブ15(負極集電タブ15A及び正極集電タブ15B)は、捲回軸Wに沿う軸方向(矢印Y3及び矢印Y4で示す方向)について、互いに対して反対側へ突出する。
【0016】
また、電極群2では、負極集電タブ15Aは、負極活物質含有層に対して突出し、正極集電タブ15Bは、正極活物質含有層に対して負極集電タブ15Aが突出する側とは反対側に突出する。このため、負極集電タブ15A(負極活物質含有層を未担持の部分)と負極活物質含有層との境界位置Baは、負極活物質含有層に対する負極集電タブ15Aの突出部分の根元位置となるとともに、負極活物質含有層の負極集電タブ15Aが位置する側の端(塗工端)となる。そして、正極集電タブ15B(正極活物質含有層を未担持の部分)と正極活物質含有層との境界位置Bbは、正極活物質含有層に対する正極集電タブ15Bの突出部分の根元位置となるとともに、正極活物質含有層の正極集電タブ15Bが位置する側の端(塗工端)となる。また、捲回軸Wに沿う軸方向(一対の集電タブ15の突出方向)について境界位置Ba,Bbの間の領域では、負極集電体の表面に負極活物質含有層が担持(塗工)され、正極集電体の表面に正極活物質含有層が担持(塗工)される。
【0017】
電極群2では、集電タブ15の突出方向(捲回軸Wの軸方向)に対して交差する(直交又は略直交する)幅方向(矢印Z3及び矢印Z4で示す方向)、及び、集電タブ15の突出方向及び幅方向の両方に対して交差する厚さ方向(矢印X3及び矢印X4で示す方向)が、規定される。そして、電極群2では、厚さ方向についての寸法が、軸方向についての寸法及び幅方向についての寸法のそれぞれに比べて、小さい。このため、電極群2は、扁平形状に形成される。また、一対の集電タブ15のそれぞれでは、複数の帯状部が束ねられる。
【0018】
本実施形態では、電極群2は、幅方向が電池1の高さ方向と一致又は略一致し、かつ、厚さ方向が電池1の奥行方向と一致又は略一致する状態で、内部空洞8に配置される。また、図1等の一例では、捲回軸Wが電池1の横方向に沿う状態に、電極群2が内部空洞8に配置される。一対の集電タブ15のそれぞれは、電極群2において、電池1の横方向の外側へ突出する。負極集電タブ15Aは、電池1の横方向の一方側へ正極13B及びセパレータ等に対して突出し、負極活物質含有層との境界位置Baから横方向の一方側へ突出する。また、正極集電タブ15Bは、電池1の横方向について、負極13A及びセパレータ等に対して、負極集電タブ15Aが突出する側とは反対側に突出し、正極活物質含有層との境界位置Bbから横方向の他方側へ突出する。
【0019】
また、図1等の一例では、電極群2は、前述のように、電池1の横方向に沿う捲回軸Wを中心として、捲回される。このため、電極群2では、幅方向の一方側の端部の外表面に、曲面14が、形成される。電池1では、曲面14は、電極群2において蓋部材5が位置する側の端を形成し、電極群2において蓋部材5が位置する側の端面となる。すなわち、電極群2では、曲面14は、蓋部材5が位置する側の端部の外表面によって、形成される。曲面14は、電極群2において、集電タブ15(15A,15B)とは異なる部分に形成され、例えば、電池1の横方向について境界位置Ba,Bbの間に形成される。電池1の横方向(電極群2の軸方向)に対して直交又は略直交する断面では、曲面14は、円弧状になる。
【0020】
また、内部空洞8では、電極群2に、電解液(図示しない)が保持(含浸)される。電解液は、電解質を有機溶媒に溶解させた非水電解液であってもよく、水溶液等の水系電解液であってもよい。電解液の代わりに、ゲル状電解質が用いられてもよく、固体電解質が用いられてもよい。固体電解質が電解質として用いられる場合、電極群において、固体電解質が、セパレータの代わりに、負極13Aと正極13Bとの間に介在する。この場合、固体電解質により、負極13Aが正極13Bに対して電気的に絶縁される。
【0021】
電池1では、蓋部材5に、一対の電極端子16が取付けられる。電極端子16は、金属等の導電材料から形成される。電極端子16の一方が電池1の負極端子(16A)であり、一対の電極端子16の負極端子(16A)とは別の一方が電池1の正極端子(16B)である。電極端子16のそれぞれは、電池1の外部に露出する状態で、蓋部材5の外表面に配置される。一対の電極端子16は、電池1の横方向に互いに対して離れて配置される。
【0022】
また、蓋部材5には、一対の貫通孔17が設けられる。貫通孔17のそれぞれは、電池1の高さ方向に沿って、蓋部材5を貫通する。蓋部材5の外表面では、電極端子16のそれぞれと蓋部材5との間に、絶縁部材18が設けられる。また、貫通孔17のそれぞれには、絶縁ガスケット19が配置される。電極端子16のそれぞれは、絶縁部材18及び絶縁ガスケット19によって、蓋部材5及び外装容器3に対して電気的に絶縁される。
【0023】
外装容器3の内部空洞8には、一対のリード20が配置される。一対のリード20の一方が負極側リード(20A)であり、一対のリード20の負極側リード(20A)とは別の一方が正極側リード(20B)である。負極側リード20Aは、負極集電タブ15Aと負極端子16Aとの間の電気経路の少なくとも一部を形成する。このため、負極側リード20Aは、電極群2の負極集電タブ15Aと負極端子16Aとの間を電気的に接続する。また、正極側リード20Bは、正極集電タブ15Bと正極端子16Bとの間の電気経路の少なくとも一部を形成する。このため、正極側リード20Bは、電極群2の正極集電タブ15Bと正極端子16Bとの間を電気的に接続する。リード20のそれぞれは、金属等の導電材料から形成される。リード20を形成する導電材料としては、アルミニウム、ステンレス、銅及び鉄等が挙げられる。
【0024】
また、外装容器3の内部空洞8には、一対の絶縁ガード21、及び、一対の絶縁テープ22が配置される。絶縁ガード21及び絶縁テープ22のそれぞれは、電気的絶縁性を有する材料から形成される。絶縁ガード21の一方である絶縁ガード21Aは、負極側リード20A(負極集電タブ15A)と外装容器3の周壁7との間に配置される。負極側リード20A及び負極集電タブ15Aのそれぞれは、絶縁ガード21Aによって、外装容器3への接触が防止され、外装容器3に対して電気的に絶縁される。絶縁ガード21の絶縁ガード21Aとは別の一方である絶縁ガード21Bは、正極側リード20B(正極集電タブ15B)と外装容器3の周壁7との間に配置される。正極側リード20B及び正極集電タブ15Bのそれぞれは、絶縁ガード21Bによって、外装容器3への接触が防止され、外装容器3に対して電気的に絶縁される。絶縁ガード21のそれぞれは、絶縁テープ22の対応する一方によって、電極群2に固定される。
【0025】
また、電極群押さえ23は、電池1の高さ方向について電極群2と蓋部材5との間に、配置される。電極群押さえ(内部絶縁部材)23は、電気的絶縁性を有する材料から形成される。一対の集電タブ15及び一対のリード20は、電極群押さえ23によって、蓋部材5への接触が防止され、蓋部材5に対して電気的に絶縁される。また、電極群押さえ23には、一対の貫通孔25が設けられる。貫通孔25のそれぞれは、電池1の高さ方向に沿って、電極群押さえ23を貫通する。
【0026】
また、図1及び図2の一例では、蓋部材5に、ガス開放弁26及び注液口27が、形成される。そして、蓋部材5の外表面に、注液口27を塞ぐ封止板28が、溶接される。ガス開放弁26及び注液口27は、電池1の横方向について、一対の電極端子16の間に配置される。なお、ある一例では、ガス開放弁26及び注液口27等は、電池1に設けられなくてもよい。
【0027】
図3は、リード20の構成を示す。図1及び図3等の一例では、一対のリード20(20A,20B)のそれぞれは、天板部31及び一対の脚板部32,33を備える。リード20のそれぞれの天板部31では、板長方向(矢印Y5及び矢印Y6で示す方向)、板長方向に対して交差する(直交又は略直交する)板幅方向(矢印X5及び矢印X6で示す方向)、及び、板長方向及び板幅方向の両方に対して交差する(直交又は略直交する)板厚方向(矢印Z5及び矢印Z6で示す方向)が、規定される。リード20のそれぞれの天板部31は、縁面E1~E4を備える。天板部31のそれぞれでは、縁面E1によって板長方向の一方側の端が形成され、縁面E2によって板長方向について縁面E1とは反対側の端が形成される。また、天板部31のそれぞれでは、縁面E3によって板幅方向の一方側の端が形成され、縁面E4によって板幅方向について縁面E3とは反対側の端が形成される。リード20のそれぞれでは、縁面E1,E2のそれぞれは、縁面E3,E4の間に板幅方向に沿って延設され、縁面E3,E4のそれぞれは、縁面E1,E2の間に板長方向に沿って延設される。
【0028】
したがって、リード20のそれぞれでは、天板部31は、縁面E1から縁面E2まで板長方向に沿って連続して延設され、縁面E3から縁面E4まで板幅方向に沿って連続して延設される。また、天板部31のそれぞれは、天板下面35及び天板上面36を備える。天板部31のそれぞれでは、天板下面35は、板厚方向の一方側を向き、天板上面36は、板厚方向について天板下面35とは反対側を向く。リード20のそれぞれでは、天板下面35と天板上面36との間の寸法が、天板部31の板厚として規定される。また、リード20のそれぞれには、天板上面36から天板下面35まで板厚方向に沿って天板部31を貫通する貫通孔37が、形成される。
【0029】
リード20のそれぞれでは、一対の脚板部32,33のそれぞれは、天板部31の板長方向について貫通孔37に対して縁面E1とは反対側の位置、すなわち、天板部31の板長方向について貫通孔37と縁面E2との間において、天板部31に接続される。図1及び図3等の一例では、リード20のそれぞれの天板部31において、縁面E3の縁面E2が位置する側の端部に、脚板部32が接続され、縁面E4の縁面E2が位置する側の端部に、脚板部33が接続される。リード20のそれぞれでは、脚板部32,33のそれぞれは、天板部31の板厚方向の一方側へ、すなわち、天板下面35が向く側へ、天板部31に対して屈曲する。図1及び図3等の一例では、リード20のそれぞれにおいて、脚板部32,33のそれぞれの天板部31に対する折曲げ位置での折曲げ線は、天板部31の板長方向に沿う。
【0030】
リード20のそれぞれでは、脚板部32,33のそれぞれは、天板部31への接続位置(天板部31に対する折曲げ位置)から天板下面35が向く側へ向かって延設され、脚板部32,33は、天板部31の板幅方向に互いに対して離れて配置される。リード20のそれぞれでは、脚板部32,33のそれぞれについても、板長方向、板長方向に対して交差する(直交又は略直交する)板幅方向、及び、板長方向及び板幅方向の両方に対して交差する(直交又は略直交する)板厚方向が、規定される。図1及び図3等の一例では、リード20のそれぞれにおいて、脚板部32,33のそれぞれの板長方向が、天板部31の板厚方向と一致又は略一致し、脚板部32,33のそれぞれの板幅方向が、天板部31の板長方向と一致又は略一致し、脚板部32,33のそれぞれの板厚方向が、天板部31の板幅方向と一致又は略一致する。
【0031】
リード20のそれぞれは、天板部31の板厚方向が電池1の高さ方向と一致又は略一致し、かつ、天板部31の板幅方向が電池1の奥行方向と一致又は略一致する状態で、内部空洞8に配置される。また、内部空洞8では、リード20のそれぞれの天板部31は、電池1の高さ方向について、蓋部材5と電極群2との間に配置され、電池1の高さ方向について、電極群押さえ23と電極群2との間に配置される。したがって、電極群押さえ23は、リード20のそれぞれの天板部31と蓋部材5との間に配置される。また、内部空洞8に配置されるリード20のそれぞれでは、天板部30の縁面E2は、縁面E1に対して、電池1の横方向の外側に配置される。したがって、リード20のそれぞれでは、縁面E1が、電池1の横方向について天板部31の内側の端を形成する天板内縁面となり、縁面E2が、電池1の横方向について天板部31の外側の端を形成する天板外縁面となる。したがって、内部空洞8では、天板部31のそれぞれは、縁面(天板内縁面)E1から縁面(天板外縁面)E2まで、横方向の外側へ向かって延設される。
【0032】
また、内部空洞8に配置されるリード20のそれぞれでは、天板部31の天板下面35は、電池1の高さ方向について電極群2が位置する側を向き、電極群2と対向する。リード20のそれぞれでは、天板部31の天板下面35は、蓋部材5が位置する側から、電極群2に対向する。また、リード20のそれぞれでは、天板上面36は、電池1の高さ方向について蓋部材5が位置する側を向き、電極群押さえ23を間に挟んだ状態で、蓋部材5と対向する。また、リード20のそれぞれには、貫通孔37において、電極端子16の対応する一方が接続される。したがって、リード20のそれぞれでは、貫通孔37が、電極端子16の対応する一方の接続位置となる。一対の電極端子16のそれぞれは、貫通孔17の対応する一方、貫通孔25の対応する一方、及び、貫通孔37の対応する一方に、順に挿通される。そして、電極端子16のそれぞれは、カシメ固定等によって、リード20の対応する一方の天板部31に接続される。また、電極端子16のそれぞれでは、カシメ固定によってカシメられた部分(塑性変形された部分)が、超音波溶接等によってリード20の対応する一方の天板部31の天板下面35に接合される。
【0033】
また、内部空洞8に配置されるリード20のそれぞれでは、一対の脚板部32,33は、貫通孔37(電極端子16の接続位置)に対して、電池1の横方向の外側に位置し、脚板部32,33のそれぞれは、電池1の横方向について、電極端子16の接続位置に対して外側の位置で天板部31に接続される。そして、リード20のそれぞれでは、一対の脚板部32,33は、電池1の奥行方向について、互いに対して離れて配置される。リード20のそれぞれでは、脚板部32,33のそれぞれは、天板部31への接続位置(天板部31に対する折曲げ位置)から電池1の高さ方向に沿って延設され、天板部31に対して底壁6が位置する側へ向かって屈曲する。図1及び図3等の一例では、リード20のそれぞれにおいて、脚板部32,33のそれぞれの天板部31に対する折曲げ位置での折曲げ線は、電池1の横方向に沿う。
【0034】
また、リード20のそれぞれでは、脚板部32は、一対の脚主面41,42を備え、脚板部33は、一対の脚主面43,44を備える。リード20のそれぞれの脚板部32では、脚主面41は、電池1の奥行方向の内側を向き、脚板部32の板厚方向の一方側を向く。そして、リード20のそれぞれの脚板部32では、脚主面42は、電池1の奥行方向(脚板部32の板厚方向)について脚主面41とは反対側を向き、電池1の奥行方向の外側を向く。リード20のそれぞれでは、脚板部32の天板部31への接続位置において、脚主面41が天板下面35に接続され、脚主面42が天板上面36に接続される。また、リード20のそれぞれの脚板部33では、脚主面43は、電池1の奥行方向の内側を向き、脚板部33の板厚方向の一方側を向く。そして、リード20のそれぞれの脚板部33では、脚主面44は、電池1の奥行方向(脚板部33の板厚方向)について脚主面43とは反対側を向き、電池1の奥行方向の外側を向く。リード20のそれぞれでは、脚板部33の天板部31への接続位置において、脚主面43が天板下面35に接続され、脚主面44が天板上面36に接続される。
【0035】
したがって、リード20のそれぞれでは、脚板部32の脚主面42及び脚板部33の脚主面44のそれぞれは、周壁7(側壁12の対応する一方)が位置する側を向き、内部空洞8の外周側を向く。また、リード20のそれぞれでは、脚板部32の脚主面41及び脚板部33の脚主面43のそれぞれは、内部空洞8の内周側を向き、電極群2が位置する側を向く。そして、リード20のそれぞれでは、脚主面41,43は、一対の集電タブ15の対応する一方を間に挟んで、互いに対して対向する。リード20のそれぞれでは、脚主面41,42の間の寸法が、脚板部32の板厚として規定され、脚主面43,44の間の寸法が、脚板部33の板厚として規定される。
【0036】
また、リード20のそれぞれでは、脚板部32は、縁面(脚縁面)E5,E6を備え、脚板部33は、縁面(脚縁面)E7,E8を備える。脚板部32のそれぞれでは、縁面E5によって、脚板部32の板幅方向の一方側の端が形成され、電池1の横方向について脚板部32の内側の端が形成される。また、脚板部32のそれぞれでは、縁面E6によって、電池1の横方向(脚板部32の板幅方向)について縁面E5とは反対側の端が形成され、電池1の横方向について脚板部32の外側の端が形成される。このため、リード20のそれぞれでは、脚主面41,42のそれぞれは、縁面E5から縁面E6まで横方向の外側へ向かって延設され、脚板部32は、縁面E5から縁面E6まで横方向の外側へ向かって延設される。
【0037】
また、脚板部33のそれぞれでは、縁面E7によって、脚板部33の板幅方向の一方側の端が形成され、電池1の横方向について脚板部33の内側の端が形成される。また、脚板部33のそれぞれでは、縁面E8によって、電池1の横方向(脚板部33の板幅方向)について縁面E7とは反対側の端が形成され、電池1の横方向について脚板部33の外側の端が形成される。このため、リード20のそれぞれでは、脚主面43,44のそれぞれは、縁面E7から縁面E8まで横方向の外側へ向かって延設され、脚板部33は、縁面E7から縁面E8まで横方向の外側へ向かって延設される。
【0038】
図1等の一例では、集電タブ15のそれぞれにおいて、複数の帯状部が束ねられる結束部分が、2箇所に形成される。また、内部空洞8には、二対のバックアップリード46,47が配置される。バックアップリード46,47のそれぞれは、金属等の導電材料から形成される。集電タブ15のそれぞれでは、2つの結束部分の一方が、一対のバックアップリード46の対応する一方によって、挟まれる。そして、集電タブ15のそれぞれでは、2つの結束部分の一方が、バックアップリード46の対応する一方を間に介して、リード20の対応する一方の脚板部32の脚主面41に接合される。また、集電タブ15のそれぞれでは、2つの結束部分の他方が、一対のバックアップリード47の対応する一方によって、挟まれる。そして、集電タブ15のそれぞれでは、2つの結束部分の他方が、バックアップリード47の対応する一方を間に介して、リード20の対応する一方の脚板部33の脚主面43に接合される。
【0039】
なお、集電タブ15のそれぞれでは、2つの結束部分の一方は、例えば、超音波溶接によって、リード20の対応する一方の脚板部32に接合され、2つの結束部分の他方は、例えば、超音波溶接によって、リード20の対応する一方の脚板部33に接合される。また、バックアップリード46,47は、設けられなくてもよい。ある一例では、集電タブ15のそれぞれにおいて、2つの結束部分の一方は、バックアップリード46等を間に介することなく、リード20の対応する一方の脚板部32の脚主面41に直接的に接合される。そして、集電タブ15のそれぞれにおいて、2つの結束部分の他方は、バックアップリード47等を間に介することなく、リード20の対応する一方の脚板部33の脚主面43に直接的に接合される。
【0040】
図4及び図5は、一対のリード20の一方、電極群2及びそれらの近傍の構成を、電池1の横方向に対して直交又は略直交する断面で示す。図4では、リード20の貫通孔37(電極端子16の対応する一方の接続位置)に対して横方向の内側に離れた位置を通る断面が示され、図5では、リード20の貫通孔37(貫通孔37の中心又は略中心)を通る断面が示される。図3乃至図5等に示すように、リード20のそれぞれでは、天板部31の天板上面36は、電池1の高さ方向について蓋部材5が位置する側を向く平面状又は略平面状に形成される。ある一例では、リード20のそれぞれの天板上面36は、蓋部材5の内表面に対して平行又は略平行に形成され、電池1の奥行方向及び横方向に対して平行又は略平行に形成される。
【0041】
また、リード20のそれぞれでは、天板部31の天板下面35に天板上面36が位置する側へ凹む凹み50が、形成される。内部空洞8に配置されるリード20のそれぞれでは、天板下面35に形成される凹み50は、高さ方向について蓋部材5が位置する側へ凹み、電極群2が位置する側とは反対側へ凹む。このため、リード20のそれぞれでは、凹み50は、天板下面35の凹み50以外の部位、及び、天板下面35に接続される脚主面41,43のそれぞれに対して、電極群2が位置する側とは反対側へ凹む。
【0042】
リード20のそれぞれの天板部31の天板下面35では、凹み50は、縁面(天板内縁面)E1から板長方向に沿って、縁面E2が位置する側へ向かって形成される。したがって、内部空洞8に配置されるリード20のそれぞれでは、天板下面35において、凹み50が、縁面E1から電池1の横方向の外側へ向かって延設される。リード20のそれぞれでは、板長方向について凹み50の一方側の端が、縁面E1に位置し、電池1の横方向について凹み50の内側の端(凹み内端)が、縁面E1に位置する。
【0043】
また、リード20のそれぞれの凹み50は、凹み端面51を備える。リード20のそれぞれでは、板長方向について凹み50の縁面(天板内縁面)E1とは反対側の端が、凹み端面51によって形成される。したがって、リード20のそれぞれでは、電池1の横方向について凹み50の外側の端(凹み外端)が、凹み端面51によって形成される。リード20のそれぞれでは、凹み端面51は、貫通孔37(電極端子16の接続位置)に対して、縁面E2が位置する側に位置し、凹み端面51は、電池1の横方向について、貫通孔37に対して外側に位置する。また、本実施形態では、リード20のそれぞれにおいて、凹み端面51は、電池1の横方向について、脚板部32,33のそれぞれの天板部31への接続位置に対して、内側に位置し、脚板部32,33のそれぞれの接続位置に対して、縁面E1及び貫通孔37に近い側に位置する。
【0044】
前述のような構成であるため、リード20のそれぞれでは、凹み50において縁面(天板内縁面)E1とは反対側の端、すなわち、凹み50において凹み端面51が形成する端は、電池1の横方向(板長方向)について、電極端子16の天板部31への接続位置(貫通孔37)と脚板部32,33のそれぞれの天板部31への接続位置との間に位置する。したがって、内部空洞8に配置されるリード20のそれぞれの天板下面35では、凹み50は、電極端子16の天板部31への接続位置を超えて、縁面(天板内縁面)E1から横方向の外側へ向かって連続して形成される。すなわち、リード20のそれぞれでは、貫通孔37に対して横方向の外側に位置する凹み端面51まで、凹み50が、縁面E1から横方向の外側へ向かって連続する。
【0045】
また、リード20のそれぞれの天板下面35では、凹み50の凹み端面51と縁面(天板外縁面)E2との間に、中継部分52が形成される。リード20のそれぞれの天板下面35では、中継部分52は、電池1の横方向の外側から凹み50に対して隣接し、凹み端面51から縁面E2まで、横方向の外側へ向かって連続して形成される。リード20のそれぞれでは、天板下面35の中継部分52に、脚板部32の脚主面41及び脚板部33の脚主面43が接続される。リード20のそれぞれでは、天板下面35の中継部分52は、電池1の高さ方向について電極群2(底壁6)が位置する側を向く平面状又は略平面状に形成される。ある一例では、リード20のそれぞれの中継部分52は、電池1の奥行方向及び横方向に対して平行又は略平行に形成される。
【0046】
また、リード20のそれぞれの天板下面35には、隣接部分55,56が形成される。リード20のそれぞれの天板下面35では、隣接部分(第1の隣接部分)55は、電池1の奥行方向(天板部31の板幅方向)の一方側から凹み50に対して隣接し、隣接部分(第2の隣接部分)56は、電池1の奥行方向について隣接部分55とは反対側から凹み50に対して隣接する。リード20のそれぞれの天板下面35では、隣接部分55は、凹み50の開口縁A1から縁面E3まで、電池1の奥行方向(リード20の板幅方向)の外側へ向かって連続して形成され、隣接部分56は、凹み50の開口縁A2から縁面E4まで、奥行方向の外側へ向かって連続して形成される。また、リード20のそれぞれでは、天板下面35の隣接部分55,56のそれぞれは、電池1の高さ方向について電極群2が位置する側を向く平面状又は略平面状に形成される。ある一例では、リード20のそれぞれにおいて、隣接部分55,56は、電池1の奥行方向及び横方向に対して平行又は略平行に形成される。
【0047】
リード20のそれぞれの天板下面35では、凹み50は、中継部分52及び隣接部分55のそれぞれに対して、電極群2が位置する側とは反対側(蓋部材5が位置する側)へ凹む。このため、リード20のそれぞれでは、凹み50は、奥行方向について隣接部分55,56の間に挟まれ、かつ、中継部分52に対して横方向の内側に隣接する状態で、高さ方向について電極群2が位置する側とは反対側へ凹む。
【0048】
また、リード20のそれぞれでは、凹み50は、凹み50の底部を形成する凹み底面57を備える。リード20のそれぞれの凹み50では、凹み底面57は、縁面(天板内縁面)E1から凹み端面51まで、電池1の横方向の外側へ向かって連続して形成される。このため、リード20のそれぞれの凹み50では、凹み底面57は、貫通孔37(電極端子16の天板部31への接続位置)を通って、横方向に沿って形成される。リード20のそれぞれでは、凹み底面57は、電池1の高さ方向について電極群2が位置する側を向く平面状又は略平面状に形成される。ある一例では、リード20のそれぞれにおいて、凹み底面57は、天板上面36に対して平行又は略平行に形成され、電池1の奥行方向及び横方向に対して平行又は略平行に形成される。
【0049】
リード20のそれぞれでは、凹み50の開口(隣接部分55,56)から凹み底面57までの電池1の高さ方向(リード20の板厚方向)に沿った距離が、凹み50の凹み量として規定される。ある一例では、リード20のそれぞれにおいて、凹み50の凹み量は、0.5mm程度となる。前述のように凹み50が形成されるため、リード20のそれぞれの天板部31では、凹み50が形成されている領域での板厚T1は、凹みが形成されている領域以外の領域(例えば、中継部分52及び隣接部分55,56等)での板厚T2に比べて薄い。そして、リード20のそれぞれでは、凹み50が形成されている領域での天板部31の板厚T1は、脚板部32の板厚及び脚板部33の板厚のそれぞれに比べて薄い。
【0050】
また、ある一例では、リード20のそれぞれは、1つの板部材から形成される。この場合、板部材において対応する箇所で曲げ加工を行うことにより、天板部31に対して屈曲する脚板部32、及び、天板部31に対して屈曲する脚板部33が、形成される。また、板部材において対応する箇所でプレス加工を行うことにより、天板部31の天板下面35に、凹み50を形成する。前述のようにプレス加工によって凹み50が形成される場合、リード20のそれぞれの天板部31では、凹み50が形成されている領域での硬度は、凹みが形成されている領域以外の領域(例えば、中継部分52及び隣接部分55,56等)での硬度に比べて硬い。そして、リード20のそれぞれでは、凹み50が形成されている領域での天板部31の硬度は、脚板部32の硬度及び脚板部33の硬度のそれぞれに比べて硬い。なお、凹み50は、必ずしもプレス加工によって形成される必要はなく、ある一例では、切削等によって凹み50が形成されてもよい。
【0051】
リード20のそれぞれの天板下面35では、凹み端面51によって、中継部分52と凹み底面57との間の段差が、形成される。リード20のそれぞれの天板下面35では、凹み端面51が形成する段差によって、凹み底面57は、電池1の高さ方向について、中継部分52に対して電極群2が位置する側とは反対側に、凹み50の凹み量だけずれて位置する。なお、図3等の一例では、リード20のそれぞれにおいて、凹み端面51は、電池1の横方向の内側を向く平面状又は略平面状に形成され、電池1の奥行方向及び高さ向に対して平行又は略平行に形成される。
【0052】
また、リード20のそれぞれでは、貫通孔37は、天板上面36において蓋部材5が位置する側へ向かって開口するとともに、天板下面35の凹み底面57において電極群2が位置する側へ向かって開口する。このため、リード20のそれぞれの天板下面35では、凹み50の凹み底面57に、貫通孔37の開口が形成される。また、リード20のそれぞれでは、凹み50の凹み底面57は、寸法拡大部分58を備え、電池1の奥行方向(天板部31の板幅方向)に沿った凹み底面57の寸法は、寸法拡大部分58において凹み底面57の他の部分(寸法拡大部分58以外の部位)に比べて拡大される。例えば、寸法拡大部分58以外の部位での電池1の奥行方向に沿った凹み底面57の寸法は、値(幅)W1と同一又は略同一となり、寸法拡大部分58での電池1の奥行方向に沿った凹み底面57の寸法は、値W1より大きい。
【0053】
図3乃至図5等の一例では、リード20のそれぞれの凹み底面57において、寸法拡大部分58は、電池1の横方向について位置S1から位置S2に渡って、形成される。リード20のそれぞれの凹み底面57では、位置S1が、電池1の横方向についての寸法拡大部分58の内側の端となり、位置S2が、電池の横方向についての寸法拡大部分58の外側の端となる。また、リード20のそれぞれの凹み底面57では、貫通孔37の開口は、電池1の横方向(天板部31の板長方向)について位置S1,S2の間に形成され、貫通孔37は、寸法拡大部分58において電極群2が位置する側へ向かって開口する。そして、リード20のそれぞれの凹み底面57では、電極端子16の対応する一方のカシメられた部分(塑性変形された部分)が、寸法拡大部分58に接合され、貫通孔37の開口の周囲に接合される。
【0054】
図3乃至図5等の一例では、リード20のそれぞれの寸法拡大部分58において、電池1の横方向(天板部31の板長方向)について貫通孔37の中心に近い位置ほど、電池1の奥行方向に沿った凹み底面57の寸法が大きい。したがって、リード20のそれぞれの寸法拡大部分58では、位置S1,S2のそれぞれから貫通孔37の中心に近づくほど、電池1の奥行方向に沿った凹み底面57の寸法(幅)が、拡大される。そして、リード20のそれぞれの寸法拡大部分58では、電池1の横方向について貫通孔37の中心又は略中心を通る位置において、電池1の奥行方向に沿った凹み底面57の寸法が値(最大値)W2となる。このため、リード20のそれぞれの寸法拡大部分58では、電池1の横方向について位置S1,S2のそれぞれから貫通孔37の中心に向かって、電池1の奥行方向に沿った凹み底面57の寸法が値W1から値W2へ拡大される。なお、図4では、リード20の凹み底面57の寸法拡大部分58に対して横方向の内側に離れた位置を通る断面が示され、図5では、リード20の凹み底面57の寸法拡大部分58を通る断面が示される。
【0055】
また、リード20のそれぞれの凹み50は、一対の傾斜面61,62及び一対の段差面65,66を備える。リード20のそれぞれの天板下面35では、傾斜面61,62のそれぞれは、縁面E1から位置S1まで電池1の横方向の外側へ向かって連続して延設され、位置S2から凹み端面51まで電池1の横方向の外側へ向かって連続して延設される。また、リード20のそれぞれの天板下面35では、電池1の横方向について位置S1,S2の間の範囲にも、傾斜面61,62が形成される。リード20のそれぞれの天板下面35では、傾斜面(第1の傾斜面)61は、電池1の奥行方向について凹み底面57と隣接部分55との間に形成され、凹み50の開口縁A1において隣接部分55に接続される。また、リード20のそれぞれの天板下面35では、傾斜面(第2の傾斜面)62は、電池1の奥行方向について凹み底面57と隣接部分56との間に形成され、凹み50の開口縁A2において隣接部分56に接続される。
【0056】
リード20のそれぞれでは、傾斜面61,62のそれぞれは、電池1の奥行方向及び高さ方向(天板部31の板幅方向及び板厚方向)の両方に対して、傾斜する。リード20のそれぞれの天板下面35の傾斜面61では、隣接部分55に近い位置ほど、すなわち、凹み底面57から離れた位置ほど、電池1の高さ方向について電極群2に近い側に位置する。また、リード20のそれぞれの天板下面35の傾斜面62では、隣接部分56に近い位置ほど、すなわち、凹み底面57から離れた位置ほど、電池1の高さ方向について電極群2に近い側に位置する。リード20のそれぞれの天板下面35では、電池1の横方向について縁面E1と位置S1との間の範囲、及び、電池1の横方向について位置S2と凹み端面51との間の範囲のそれぞれにおいて、傾斜面61の隣接部分55とは反対側の端、及び、傾斜面62の隣接部分56とは反対側の端のそれぞれは、凹み底面57に接続される。
【0057】
また、リード20のそれぞれの天板下面35では、電池1の奥行方向に沿った傾斜面61,62のそれぞれの寸法は、電池1の横方向について縁面E1と位置S1との間の範囲、及び、電池1の横方向について位置S2と凹み端面51との間の範囲のそれぞれに比べて、電池1の横方向について位置S1,S2の間の範囲において小さい。そして、リード20のそれぞれの天板下面35では、電池1の横方向について位置S1,S2の間の範囲において、電池1の奥行方向に沿った傾斜面61,62のそれぞれの寸法は、電池1の奥行方向に沿った凹み底面57の寸法が拡大した分だけ、減少する。なお、ある一例では、リード20のそれぞれの天板下面35において、電池1の横方向について貫通孔37の中心又は略中心を通る位置で、すなわち、電池1の奥行方向に沿った凹み底面57の寸法が値(最大値)W2となる位置で、電池1の奥行方向に沿った傾斜面61,62のそれぞれの寸法はゼロとなる。
【0058】
リード20のそれぞれの天板下面35では、段差面65,66は、電池1の横方向(天板部31の板長方向)について位置S1,S2の間の範囲にのみ形成され、電池1の横方向について縁面E1と位置S1との間の範囲、及び、電池1の横方向について位置S2と凹み端面51との間の範囲のそれぞれには形成されない。リード20のそれぞれの天板下面35では、電池1の横方向について位置S1,S2の間の範囲において、段差面65,66のそれぞれは、凹み底面57の寸法拡大部分58に接続される。そして、リード20のそれぞれの天板下面35では、段差面(第1の段差面)65の寸法拡大部分58(凹み底面57)とは反対側の端は、傾斜面61及び隣接部分55に接続され、段差面(第2の段差面)66の寸法拡大部分58(凹み底面57)とは反対側の端は、傾斜面62及び隣接部分56に接続される。
【0059】
ある一例では、リード20のそれぞれにおいて、段差面65,66のそれぞれは、電池1の高さ方向について電極群2が位置する側から視て、貫通孔37の中心を中心又は略中心とする円弧状に形成される。そして、リード20のそれぞれにおいて、段差面65,66のそれぞれは、電池1の高さ方向に対して平行又は略平行になる。前述のように傾斜面61,62及び段差面65,66が形成されるため、リード20のそれぞれの天板下面35では、凹み底面57は、電池1の高さ方向について、隣接部分55,56のそれぞれに対して電極群2が位置する側とは反対側に、凹み50の凹み量だけずれて位置する。また、前述のように凹み底面57及び傾斜面61,62が形成されるため、リード20のそれぞれでは、電池1の横方向について縁面E1と位置S1との間の範囲、及び、電池1の横方向について位置S2と凹み端面51との間の範囲のそれぞれにおいて、横方向に直交又は略直交する断面での凹み50の凹み形状は、台形状又は略台形状になる。
【0060】
また、リード20のそれぞれの凹み50は、電池1の高さ方向について蓋部材5が位置する側から、電極群2に近接する。このため、リード20のそれぞれの凹み50は、電極群2の蓋部材5が位置する側の端部の外表面、すなわち、電極群2の曲面14に近接し、電極群2の曲面14に蓋部材5が位置する側から対向する。ここで、リード20のそれぞれの凹み50には、前述のように、凹み底面57及び傾斜面61,62が形成される。このため、リード20のそれぞれの凹み50は、電極群2の曲面14に沿った形状に形成され、電極群2の蓋部材5が位置する側の端部の外表面に沿った形状に形成される。
【0061】
また、リード20のそれぞれでは、凹み50は、電極群2の曲面14に近接するが、凹み50を含む天板下面35は、曲面14と接触しない。すなわち、リード20のそれぞれの凹み50は、電極群2との間に隙間を有する状態で、電極群2の蓋部材5が位置する側の端部の外表面に近接する。ある一例では、リード20のそれぞれにおいて、凹み57(凹み底面57及び傾斜面61,62)と電極群2との間の隙間は、0.5mm程度となる。なお、電池1では、電極群押さえ23の一部が電極群2へ当接することにより、電極群2が電池1の高さ方向について位置決めされ、電池1の高さ方向についての電極群2の移動が規制される。電極群押さえ23の電極群2への当接部分は、リード20のそれぞれの凹み50に比べて、電極群2に近接する。したがって、電極群押さえ23の電極群2への当接部分によって、リード20のそれぞれの凹み50と電極群2との間に隙間が形成される状態が、維持される。
【0062】
また、負極側リード20Aでは、凹み50の縁面(天板内縁面)E1とは反対側の端(凹み端面51)は、電池1の横方向について負極集電タブ15Aと負極活物質含有層との境界位置Baに対して外側に位置することが、好ましい。この場合、電極群2の境界位置Baにおいても、負極側リード20Aの凹み50が、電極群2の蓋部材5が位置する側の端部の外表面(曲面14)に近接する。同様に、正極側リード20Bでは、凹み50の縁面E1とは反対側の端(凹み端面51)は、電池1の横方向について正極集電タブ15Bと正極活物質含有層との境界位置Bbに対して外側に位置することが、好ましい。この場合、電極群2の境界位置Bbにおいても、正極側リード20Bの凹み50が電極群2の蓋部材5が位置する側の端部の外表面(曲面14)に近接する。
【0063】
前述のように本実施形態では、リード20のそれぞれの天板下面35に、電極群2が位置する側とは反対側へ凹む凹み50が形成される。そして、リード20のそれぞれでは、凹み50は、電極端子16の天板部31への接続位置(貫通孔37)を超えて、縁面(天板内縁面)E1から横方向の外側へ向かって連続する。このため、内部空洞8において、リード20のそれぞれの凹み50での凹み量だけ、電極群2が占めるスペースを大きくすることが可能となる。これにより、電極群2の体積を大きくすることが可能になり、電池1の容量を増大させることが可能になる。また、リード20のそれぞれでは、天板部31に凹み50を形成しても、天板部31の断面積は、大きく確保可能である。このため、リード20のそれぞれの天板部31に凹み50を形成しても、電極群2と電極端子16のそれぞれとの間の電気経路における電気抵抗を低く確保可能である。したがって、本実施形態では、電極群2と電極端子16のそれぞれとの間の電気経路における電気抵抗を上昇させることなく、電池1の容量を増大可能となる。
【0064】
また、本実施形態では、リード20のそれぞれの凹み50は、凹み底面57及び傾斜面61,62によって、電極群2の蓋部材5が位置する側の端部の外表面に沿った形状、すなわち、電極群2の曲面14に沿った形状に形成される。これにより、リード20のそれぞれの凹み50での凹み量だけ、電池1の高さ方向についての電極群2の寸法を適切に大きくすることが可能となり、電極群2の体積を適切に大きくすることが可能になる。これにより、電池1の容量が適切に増大される。
【0065】
また、電極群2では、電池1の横方向についての負極集電タブ15Aと負極活物質含有層との境界位置Ba、及び、電池1の横方向についての正極集電タブ15Bと正極活物質含有層との境界位置Bbが、規定される。そして、電池1では、リード20のそれぞれの凹み50において、縁面(天板内縁面)E1とは反対側の端(凹み端面51)は、電池1の横方向について境界位置(Ba,Bbの対応する一方)に対して外側に位置することが、好ましい。これにより、電池1の高さ方向についての電極群2の寸法をさらに適切に大きくすることが可能となり、電極群2の体積をさらに適切に大きくすることが可能になる。
【0066】
また、リード20のそれぞれの凹み50は、電極群2との間に隙間を有する状態で、高さ方向について蓋部材5が位置する側から電極群2に近接する。これにより、電極群2へのリード20のそれぞれの天板下面35(凹み50)の接触が、有効に防止される。ここで、電池1の使用時等では、内部空洞8で発生したガスによって外装容器3が膨張すると、電池1の奥行方向について電極群2が振動することがある。本実施形態では、前述のように電極群2へのリード20のそれぞれの天板下面35の接触が有効に防止されるため、外装容器3が膨張した状態等において、リード20のそれぞれの天板下面35と振動する電極群2との干渉が、有効に防止される。これにより、リード20のそれぞれの天板部31の摩耗、及び、電極群2の破損等が有効に防止される。
【0067】
また、リード20のそれぞれの凹み50では、凹み底面57は、貫通孔37(電極端子16の天板部31への接続位置)を通って、横方向に沿って形成される。そして、リード20のそれぞれの凹み50では、凹み底面57は、電池1の高さ方向について電極群2が位置する側を向く平面状又は略平面状に形成され、貫通孔37の開口が、凹み底面57に形成される。これにより、リード20のそれぞれでは、電極端子16の対応する一方のカシメられた部分(塑性変形された部分)を凹み底面57に接合することにより、電極端子16の対応する一方への接合部分の全体を、凹み底面57に形成可能となる。すなわち、リード20のそれぞれにおいて、電極端子16の対応する一方への接合部分を、同一又は略同一の平面上に形成可能になる。これにより、リード20のそれぞれを電極端子16の対応する一方へ接続する作業における作業効率が向上し、電池1の製造における作業効率が向上する。また、リード20のそれぞれが、電極端子16の対応する一方へ適切に接続される。
【0068】
また、リード20のそれぞれの凹み50では、凹み底面57は、電池1の奥行方向に沿った凹み底面57の寸法が凹み底面57の他の部分に比べて拡大される寸法拡大部分58を備え、貫通孔37は、寸法拡大部分58において開口する。寸法拡大部分58に貫通孔37の開口が形成されることにより、リード20のそれぞれにおいて、電極端子16の対応する一方を凹み底面57へ接合し易くなる。これにより、リード20のそれぞれを電極端子16の対応する一方へ接続する作業における作業効率がさらに向上し、リード20のそれぞれが電極端子16の対応する一方へさらに適切に接続される。
【0069】
また、リード20のそれぞれでは、凹み50において縁面(天板内縁面)E1とは反対側の端(凹み端面51)は、横方向について、電極端子16の天板部31への接続位置(貫通孔37)と脚板部32,33のそれぞれの天板部31への接続位置との間に位置する。このため、リード20のそれぞれの天板下面35では、電極群2が位置する側とは反対側へ凹んでいない中継部分52に、脚板部32,33のそれぞれが接続される。凹んでいない中継部分52に脚板部32,33が接続されることにより、リード20のそれぞれの形成において、曲げ加工によって脚板部32,33のそれぞれを天板部31に対して屈曲させ易くなる。したがって、リード20のそれぞれの製造における作業効率が向上する。
【0070】
なお、リード20のそれぞれの天板下面35では、一対の集電タブ15の対応する一方が、中継部分52に接触することがある。ただし、電極群2では、集電タブ15のそれぞれは、曲面14等を含む境界位置Ba,Bbの間の部分(塗工部分)とは異なり、リード20の対応する一方の天板下面35への接触等によって集電タブ15のそれぞれが変形しても、電池1の性能に大きな影響を与えない。
【0071】
(変形例)
図6に示す第1の変形例では、リード20のそれぞれにおいて、凹み50の縁面(天板内縁面)E1とは反対側の端が、縁面(天板外縁面)E2に位置する。このため、本変形定では、リード20のそれぞれの天板下面35において、凹み50は、電極端子16の天板部31への接続位置(貫通孔37)及び脚板部32,33のそれぞれの天板部31への接続位置を超えて、縁面E1から縁面E2まで横方向の外側へ向かって連続する。本変形例でも、リード20のそれぞれの天板下面35において、凹み50は、電極群2が位置する側とは反対側へ凹む。
【0072】
また、ある変形例では、リード20のそれぞれにおいて、脚板部32,33の一方のみが設けられてもよい。この場合も、リード20のそれぞれの天板下面35では、前述の実施形態等のいずれかと同様にして、凹み50が形成される。
【0073】
また、図7に示す第2の変形例では、リード20のそれぞれにおいて、脚板部32,33の代わりに、脚板部70が設けられる。リード20のそれぞれの脚板部70では板長方向、板長方向に対して交差する(直交又は略直交する)板幅方向、及び、板長方向及び板幅方向の両方に対して交差する(直交又は略直交する)板厚方向が、規定される。図7等の一例では、リード20のそれぞれにおいて、脚板部70のそれぞれの板長方向が、天板部31の板厚方向と一致又は略一致し、脚板部70の板幅方向が、天板部31の板幅方向と一致又は略一致し、脚板部70の板厚方向が、天板部31の板長方向と一致又は略一致する。
【0074】
リード20のそれぞれでは、脚板部70は、電池1の横方向について、電極端子16の接続位置に対して外側の位置で天板部31に接続され、縁面(天板外縁面)E2で天板部31に接続される。また、リード20のそれぞれでは、脚板部70は、天板部31への接続位置において天板部31に対して屈曲し、天板部31への接続位置(天板部31に対する折曲げ位置)から電池1の高さ方向に沿って延設される。リード20のそれぞれでは、脚板部70は、天板部31に対して底壁6が位置する側へ向かって屈曲し、脚板部70の天板部31に対する折曲げ位置での折曲げ線は、電池1の奥行方向(天板部31の板幅方向)に沿う。
【0075】
また、リード20のそれぞれでは、脚板部70は、一対の脚主面71,72を備える。リード20のそれぞれの脚板部70では、脚主面71は、電池1の横方向の内側を向き、脚板部70の板厚方向の一方側を向く。そして、リード20のそれぞれの脚板部70では、脚主面72は、電池1の横方向(脚板部70の板厚方向)について脚主面71とは反対側を向き、電池1の横方向の外側を向く。リード20のそれぞれでは、脚板部70の天板部31への接続位置において、脚主面71が天板下面35に接続され、脚主面72が天板上面36に接続される。リード20のそれぞれの脚板部70では、脚主面72は、周壁7(側壁11の対応する一方)が位置する側を向き、内部空洞8の外周側を向く。また、リード20のそれぞれの脚板部70では、脚主面71は、内部空洞8の内周側を向き、電極群2が位置する側を向く。リード20のそれぞれでは、脚主面71,72の間の寸法が、脚板部70の板厚として規定される。
【0076】
また、リード20のそれぞれでは、脚板部70は、縁面(脚縁面)E9,E10を備える。脚板部70のそれぞれでは、縁面E9によって、電池1の奥行方向(脚板部70の板幅方向)の一方側の端が形成され、縁面E10によって、電池1の奥行方向について縁面E9とは反対側の端が形成される。このため、リード20のそれぞれでは、脚主面71,72のそれぞれは、縁面E9から縁面E10まで奥行方向に沿って延設され、脚板部70は、縁面E9から縁面E10まで電池1の奥行方向の外側へ向かって延設される。本変形例では、集電タブ15のそれぞれにおいて、複数の帯状部の結束部分が、1箇所のみに形成される。そして、集電タブ15のそれぞれでは、帯状部の結束部分が、リード20の対応する一方に、脚板部70の縁面(E9,E10の対応する一方)で接合される。集電タブ15のそれぞれは、リード20の対応する一方に直接的に接合されてもよく、バックアップリード等を間に介してリード20の対応する一方に接合されてもよい。
【0077】
本変形例でも、リード20のそれぞれの天板下面35において、凹み50は、電極端子16の天板部31への接続位置(貫通孔37)を超えて、縁面E1から横方向の外側へ向かって連続する。また、本変形例では、リード20のそれぞれにおいて、凹み50の縁面(天板内縁面)E1とは反対側の端(凹み端面51)が、電池1の横方向について、電極端子16の天板部31への接続位置と脚板部70の天板部31への接続位置との間に位置する。
【0078】
なお、ある変形例では、リード20のそれぞれにおいて、第2の変形例と同様に脚板部70が設けられる。そして、リード20のそれぞれの天板下面35では、凹み50は、脚板部70の天板部31の接続位置まで、横方向に沿って連続して形成される。この場合も、リード20のそれぞれの天板下面35において、凹み50は、電極端子16の天板部31への接続位置(貫通孔37)を超えて、縁面E1から横方向の外側へ向かって連続する。
【0079】
また、前述の実施形態等では、リード20のそれぞれの凹み50は、凹み底面57及び傾斜面61,62によって、電極群2の蓋部材5が位置する側の端部の外表面に沿った形状に形成されるが、リード20のそれぞれの凹み50を電極群2の蓋部材5が位置する側の端部の外表面に沿った形状にする構成は、これに限るものではない。ある変形例では、リード20のそれぞれの凹み50に、傾斜面61,62が設けられず、リード20のそれぞれの凹み50は、電池1の横方向(天板部31の板長方向)について位置S1,S2の間の範囲を除き、電極群2の曲面14に沿った曲面形状に形成される。この場合、リード20のそれぞれの凹み50は、電池1の横方向(天板部31の板長方向)について位置S1,S2の間の範囲を除き、電池1の横方向(電極群2の軸方向)に対して直交又は略直交する断面において、円弧状になる。ただし、本変形例でも、リード20のそれぞれの凹み50は、電極群2が位置する側を向く平面状又は略平面状に形成される凹み底面57を備える。そして、リード20のそれぞれの凹み50では、凹み底面57は、電池1の横方向について位置S1,S2の間の範囲に形成され、電極端子16の天板部31への接続位置(貫通孔37)を通って横方向に沿って形成される。
【0080】
また、ある変形例では、電極群2がスタック構造等であり、電極群2の蓋部材5が位置する側の端部の外表面に、曲面14が形成されない。この場合も、リード20のそれぞれの天板下面35には、凹み50が形成される。そして、リード20のそれぞれでは、凹み50は、天板下面35の他の部位、及び、脚板部32,33(脚板部70)の天板下面35に接続される面に対して、電極群2が位置する側とは反対側に凹む。この場合も、リード20のそれぞれの天板下面35において、凹み50は、電極端子16の天板部31への接続位置(貫通孔37)を超えて、縁面E1から横方向の外側へ向かって連続する。また、リード20のそれぞれの天板下面35では、凹み50は、電極群2の蓋部材5が位置する側の端部の外表面に沿った形状に形成され、電極群2との間に隙間を有する状態で高さ方向について蓋部材5が位置する側から電極群2に近接する。
【0081】
また、電極群2に曲面14が形成されない構成では、リード20のそれぞれの天板下面35において、凹み50は、天板部31の板幅方向(電池1の奥行き方向)の全寸法(全幅)に渡って、形成されてもよい。この場合、リード20のそれぞれの天板下面35には、隣接部分55,56等が形成されず、凹み50は、縁面E3から縁面E4まで天板部31の幅方向に沿って形成される。この場合も、リード20のそれぞれでは、凹み50は、天板下面35の他の部位、及び、脚板部32,33(脚板部70)の天板下面35に接続される面に対して、電極群2が位置する側とは反対側に凹む。
【0082】
また、負極集電タブ15Aと負極端子16Aとの間の負極側リード、及び、正極集電タブ15Bと正極端子16Bとの間の負極側リードの両方を、前述した実施形態及び変形例等のいずれかのリード20と同様の構成にする必要はない。すなわち、負極側リード及び正極側リードの少なくとも一方が、前述した実施形態及び変形例等のいずれかのリード20と同様の構成であればよい。
【0083】
これらの少なくとも一つの実施形態又は実施例によれば、電池のリードの天板部の天板下面において、凹みは、電極群が位置する側とは反対側へ凹む。凹みは、電極端子の天板部への接続位置を超えて、天板部の天板内縁面から横方向の外側へ向かって連続して形成される。これにより、電極群と電極端子との間の電気経路における電気抵抗を上昇させることなく容量を増大可能な電池を提供することができる。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、付記を記載する。
[1]底壁及び周壁を備え、高さ方向について前記底壁が位置する側とは反対側へ開口する内部空洞が形成される外装容器と、
前記内部空洞の開口を塞ぐ状態で前記外装容器の前記周壁に取付けられる蓋部材と、
前記高さ方向に交差する横方向の外側へ突出する集電タブを備え、前記外装容器の前記内部空洞に収納される電極群と、
前記蓋部材の外表面において外部に露出する電極端子と、
前記電極群の前記集電タブと前記電極端子との間を電気的に接続するリードと、
を具備し、
前記リードは、前記内部空洞において前記蓋部材と前記電極群との間に配置され、前記電極端子が接続される天板部と、前記底壁が位置する側へ前記天板部に対して屈曲し、前記集電タブに接合される脚板部と、を備え、
前記天板部は、前記横方向について前記天板部の内側の端を形成する天板内縁面と、前記電極群と対向する天板下面と、前記電極群が位置する側とは反対側へ前記天板下面において凹み、前記電極端子の前記天板部への接続位置を超えて前記天板内縁面から前記横方向の外側へ向かって連続して形成される凹みと、を備える、
電池。
[2]前記凹みは、前記電極群の前記蓋部材が位置する側の端部の外表面に沿った形状に、形成される、[1]の電池。
[3]前記凹みは、前記電極群との間に隙間を有する状態で、前記高さ方向について前記蓋部材が位置する側から前記電極群に近接する、[1]又は[2]の電池。
[4]前記天板部は、前記天板下面とは反対側を向く天板上面を備え、
前記天板部には、前記天板上面から前記天板下面まで前記高さ方向に沿って前記天板部を貫通し、前記電極端子が挿入される貫通孔が形成され、
前記凹みは、前記電極群が位置する側を向く平面状に形成され、前記電極端子の前記天板部への前記接続位置を通って前記横方向に沿って形成される凹み底面を備え、
前記貫通孔は、凹み底面において前記電極群が位置する側へ向かって開口する、
[1]乃至[3]のいずれか1つの電池。
[5]前記凹み底面は、前記高さ方向及び前記横方向の両方に対して交差する奥行方向に沿った前記凹み底面の寸法が前記凹み底面の他の部分に比べて拡大される寸法拡大部分を備え、
前記貫通孔は、前記寸法拡大部分において開口する、
[4]の電池。
[6]前記脚板部は、前記横方向について前記電極端子の前記天板部への前記接続位置に対して外側の位置で前記天板部に接続され、
前記凹みにおいて前記天板内縁面とは反対側の端は、前記横方向について、前記電極端子の前記天板部への前記接続位置と前記脚板部の前記天板部への接続位置との間に位置する、
[1]乃至[5]のいずれか1つの電池。
[7]前記凹みが形成されている領域での前記天板部の板厚は、前記凹みが形成されている領域以外の領域での前記天板部の板厚、及び、前記脚板部の板厚のそれぞれに比べて薄い、[1]乃至[6]のいずれか1つの電池。
[8]前記凹みが形成されている領域での前記天板部の硬度は、前記凹みが形成されている領域以外の領域での前記天板部の硬度、及び、前記脚板部の硬度のそれぞれに比べて硬い、[1]乃至[7]のいずれか1つの電池。
[9]前記天板下面は、前記高さ方向及び前記横方向の両方に対して交差する奥行方向の一方側から前記凹みに対して隣接する第1の隣接部分と、前記奥行方向について前記第1の隣接部分とは反対側から前記凹みに対して隣接する第2の隣接部分と、を備え、
前記凹みは、前記奥行方向について前記第1の隣接部分と前記第2の隣接部分との間に挟まれた状態で、前記第1の隣接部分及び前記第2の隣接部分に対して前記電極群が位置する側とは反対側へ凹む、
[1]乃至[8]のいずれか1つの電池。
[10]前記電極群は、集電体、及び、前記集電体の表面に担持される活物質含有層を備え、
前記電極群の前記集電体は、前記活物質含有層が未担持の部分として前記集電タブを備え、
前記集電タブは、前記電極群において、前記活物質含有層に対して前記横方向の外側へ突出し、
前記凹みの前記天板内縁面とは反対側の端は、前記横方向について前記集電タブと前記活物質含有層との境界位置に対して外側に位置する、
[1]乃至[9]のいずれか1つの電池。
[11]前記集電タブは、前記電極群において前記横方向の一方側へ突出する負極集電タブ、及び、前記負極集電タブが突出する側とは反対側へ前記電極群において突出する正極集電タブを備え、
前記電極端子は、負極端子、及び、前記蓋部材の前記外表面において前記負極端子から離れて配置される正極端子を備え、
前記リードが前記負極集電タブと前記負極端子との間を電気的に接続するか、及び、前記リードが前記正極集電タブと前記正極端子との間を電気的に接続するかの少なくとも一方である、
[1]乃至[10]のいずれか1つの電池。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7