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特許7600436ユーザ機器と電気通信ネットワークとの間のデータ伝送のエネルギー強度を考慮するための方法、ユーザ機器、電気通信ネットワーク、プログラム、およびコンピュータ可読媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】ユーザ機器と電気通信ネットワークとの間のデータ伝送のエネルギー強度を考慮するための方法、ユーザ機器、電気通信ネットワーク、プログラム、およびコンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/18 20090101AFI20241209BHJP
   H04W 48/20 20090101ALI20241209BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20241209BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20241209BHJP
【FI】
H04W48/18
H04W48/20
H04W52/02
H04W88/06
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023568535
(86)(22)【出願日】2022-05-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 EP2022061710
(87)【国際公開番号】W WO2022233785
(87)【国際公開日】2022-11-10
【審査請求日】2023-11-07
(31)【優先権主張番号】21172640.1
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】597149146
【氏名又は名称】ドイッチェ テレコム アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】クラット,アクセル
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第02/003733(WO,A1)
【文献】特表2016-525300(JP,A)
【文献】特開2019-029926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(20)および電気通信ネットワーク(100)の間のデータ伝送のエネルギー強度を考慮するための方法であって、前記電気通信ネットワーク(100)はアクセスネットワーク(110)を備え、
前記ユーザ機器(20)が、少なくとも一時的に、前記電気通信ネットワーク(100)と通信交換中に、前記ユーザ機器(20)および前記アクセスネットワーク(110)の間のエアインターフェースの無線リソースを使用することにより、複数の無線アクセス技術および/または複数の無線信号送信方式が、前記ユーザ機器(20)から前記アクセスネットワーク(110)に向かうアップリンクデータ、および/または前記アクセスネットワーク(110)から前記ユーザ機器(20)に向かうダウンリンクデータを送信するために使用可能であり、前記複数の無線アクセス技術および/または前記複数の無線信号送信方式は、第1の低いレベルのエネルギー強度または少なくとも第2の高いレベルのエネルギー強度に関係または関連し、前記ユーザ機器(20)は、エネルギー優先度情報(150)を備え、
前記ユーザ機器(20)および前記電気通信ネットワーク(100)の間のそのようなデータ伝送のエネルギー強度を考慮するために、
前記ユーザ機器(20)が、前記電気通信ネットワーク(100)または前記電気通信ネットワーク(100)の専用ネットワークノードから、少なくとも1つのエネルギー強度表示(250)を受信する第1のステップであって、前記少なくとも1つのエネルギー強度表示(250)は、アップリンクデータを送信し、および/またはダウンリンクデータを受信するための少なくとも1つの無線アクセス技術および/または少なくとも1つの無線信号送信方式に関連する第1のステップと、
前記ユーザ機器(20)が、前記エネルギー強度表示(250)および前記エネルギー優先度情報(150)に依存して、前記少なくとも1つの無線アクセス技術および/または前記少なくとも1つの無線信号送信方式を選択する、前記第1のステップに続く第2のステップとを含み、
前記少なくとも1つのエネルギー強度表示(250)は、エネルギー強度の尺度である、
伝送されるデータ量当たりに使用されるエネルギー、
使用される帯域幅当たりに使用されるエネルギー、
実現されたレイテンシ当たりに使用されるエネルギ
うちの1つまたは複数の尺度の観点から、前記ユーザ機器(20)および前記電気通信ネットワーク(100)の間のデータ伝送のエネルギー強度を指す、方法。
【請求項2】
前記エネルギー優先度情報(150)は、前記ユーザ機器(20)に記憶された、特に前記ユーザ機器(20)の前記ユーザによって提供される、より低いレベルのエネルギー強度またはより高いレベルのエネルギー強度のいずれかの選好に関連するか、またはその選好を反映する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのエネルギー強度表示(250)は、
ブロードキャスト制御チャネルまたは共通ブロードキャスト制御チャネル、特にLTE(ロングタームエボリューション)無線アクセス技術またはNR(ニューラジオ)無線アクセス技術によるブロードキャスト制御チャネル、またはいずれかのWiFiブロードキャストチャネル、または関連する無線アクセス技術の任意の他のブロードキャストチャネル、
前記ユーザ機器(20)またはユーザ機器のグループのための専用制御チャネル、
前記ユーザ機器(20)の前記電気通信ネットワーク(100)への登録手順の一部として、または前記ユーザ機器(20)の前記電気通信ネットワーク(100)へのサービスセットアップ手順の一部として
キュア加入者要素を使用する事前構成の一部として
のうちの1つまたは複数を介して前記ユーザ機器(20)によって受信される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザ機器(20)は、モバイルユーザ機器であり、前記ユーザ機器(20)は、前記電気通信ネットワーク(100)から
モバイル通信ネットワークからのモバイルアクセス、および/または、
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)機能を使用する、固定回線電気通信ネットワークからのである固定回線アクセス
を受信可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのエネルギー強度表示(250)は、少なくとも第1のエネルギー強度表示部および第2のエネルギー強度表示部を含み、前記第1のエネルギー強度表示部は、第1の無線アクセス技術および/または第1の無線信号送信方式に関係するか、または関連し、前記第2のエネルギー強度表示部は、第2の無線アクセス技術および/または第2の無線信号送信方式に関係するか、または関連し、
特に少なくとも2つのエネルギー強度表示部は、異なる動作モードおよび/またはその無線アクセス技術に基づいて使用される異なる無線信号送信方式に応じて、1つの単一の無線アクセス技術を指す、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
特に、第1のエネルギー強度表示(250)は、このようなエネルギー強度の尺度のうち第1のものを指し、第2のエネルギー強度表示(250)は、このようなエネルギー強度の尺度のうち第2のものを指し、
前記少なくとも1つのエネルギー強度表示(250)のうちの少なくとも1つおよび/またはエネルギー強度表示部のうちの少なくとも1つは、少なくとも3つの定義された異なるレベルのエネルギー強度のうちの1つ、特に少なくとも4つの異なるレベルのエネルギー強度のうちの1つを指すか、または示す、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記エネルギー優先度情報(150)は、前記ユーザ機器(20)と、前記アクセスネットワーク(110)および/または前記電気通信ネットワーク(100)の少なくともローカルネットワーク状態との両方の少なくとも1つの状況について、かなり低いレベルのエネルギー強度またはかなり高いレベルのエネルギー強度が前記ユーザ機器(20)またはそのユーザによって好まれるかどうかを定義し、
特に前記エネルギー優先度情報(150)は、前記ユーザ機器(20)によって、前記電気通信ネットワーク(100)または前記電気通信ネットワーク(100)の専用ネットワークノードに送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記エネルギー優先度情報(150)は、前記ユーザ機器のユーザのユーザ選好、および/または、
前記エネルギー優先度情報(150)は、全体的に、特に前記ユーザ機器(20)に関連するグリーンモード加入の一部として、比較的低いエネルギー強度に設定されるというシナリオ、
前記エネルギー優先度情報(150)は、通常の状況では比較的低いエネルギー強度を好むように設定されるが、特定の時点および前記ユーザ機器のユーザからの特定の要求において、より高いエネルギー強度を好むことに対応するブーストモード設定に設定することができるというシナリオ
のうちの1つまたは複数に従って異なる時点で異なることが特に可能である所定の定義されたエネルギー強度設定を反映する加入関連設定に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ユーザ機器(20)および電気通信ネットワーク(100)の間のデータ伝送のエネルギー強度を考慮するように構成されたユーザ機器(20)であって、前記ユーザ機器(20)が、少なくとも一時的に、前記電気通信ネットワーク(100)と通信交換中に、前記ユーザ機器(20)および前記電気通信ネットワークのアクセスネットワーク(110)の間のエアインターフェースの無線リソースを使用することにより、複数の無線アクセス技術および/または複数の無線信号送信方式が、前記ユーザ機器(20)から前記アクセスネットワーク(110)に向かうアップリンクデータ、および/または、前記アクセスネットワーク(110)から前記ユーザ機器(20)に向かうダウンリンクデータを送信するために使用され得、前記複数の無線アクセス技術および/または前記複数の無線信号送信方式は、第1のより低いレベルのエネルギー強度または少なくとも第2のより高いレベルのエネルギー強度に関係するか、または関連し、前記ユーザ機器(20)は、エネルギー優先度情報(150)を含み、前記ユーザ機器(20)および前記電気通信ネットワーク(100)の間のそのようなデータ伝送のエネルギー強度を考慮するために、前記ユーザ機器(20)は、
前記ユーザ機器(20)が、前記電気通信ネットワーク(100)から、または前記電気通信ネットワーク(100)の専用ネットワークノードから、少なくとも1つのエネルギー強度表示(250)を受信し、前記少なくとも1つのエネルギー強度表示(250)は、アップリンクデータを送信するための、および/またはダウンリンクデータを受信するための少なくとも1つの無線アクセス技術および/または少なくとも1つの無線信号送信方式に関連し、
少なくとも1つの無線アクセス技術および/または少なくとも1つの無線信号送信方式が、前記エネルギー強度表示(250)および前記エネルギー優先度情報(150)に依存して前記ユーザ機器(20)によって選択される
ように構成され、
前記少なくとも1つのエネルギー強度表示(250)は、エネルギー強度の尺度である、
伝送されるデータ量当たりに使用されるエネルギー、
使用される帯域幅当たりに使用されるエネルギー、
実現されたレイテンシ当たりに使用されるエネルギ
うちの1つまたは複数の尺度の観点から、前記ユーザ機器(20)および前記電気通信ネットワーク(100)の間のデータ伝送のエネルギー強度を指す、ユーザ機器(20)。
【請求項10】
ユーザ機器(20)および電気通信ネットワーク(100)の間のデータ伝送のエネルギー強度を考慮するための電気通信ネットワーク(100)であって、前記電気通信ネットワーク(100)はコアネットワーク(120)およびアクセスネットワーク(110)を備え、前記ユーザ機器(20)が、少なくとも一時的に、前記電気通信ネットワーク(100)と通信交換中に、前記ユーザ機器(20)および前記アクセスネットワーク(110)の間のエアインターフェースの無線リソースを使用することにより、複数の無線アクセス技術および/または複数の無線信号送信方式が、前記ユーザ機器(20)から前記アクセスネットワーク(110)に向かうアップリンクデータ、および/または、前記アクセスネットワーク(110)から前記ユーザ機器(20)に向かうダウンリンクデータを送信するために使用され得、前記複数の無線アクセス技術および/または前記複数の無線信号送信方式が、第1のより低いレベルのエネルギー強度、または、少なくとも第2のより高いレベルのエネルギー強度と関係し、または関連し、
前記ユーザ機器(20)および前記電気通信ネットワーク(100)の間のそのようなデータ伝送のエネルギー強度を考慮するために、前記電気通信ネットワーク(100)が、
前記電気通信ネットワーク(100)または前記電気通信ネットワーク(100)の専用ネットワークノードが、少なくとも1つのエネルギー強度表示(250)を前記ユーザ機器(20)に送信し、前記少なくとも1つのエネルギー強度表示(250)は、アップリンクデータを受信するための、および/またはダウンリンクデータを送信するための少なくとも1つの無線アクセス技術および/または少なくとも1つの無線信号送信方式に関連し、
少なくとも1つの無線アクセス技術および/または少なくとも1つの無線信号送信方式が、前記エネルギー強度表示(250)およびエネルギー優先度情報(150)に依存して前記ユーザ機器(20)によって選択される
ように構成され、
前記少なくとも1つのエネルギー強度表示(250)は、エネルギー強度の尺度である、
伝送されるデータ量当たりに使用されるエネルギー、
使用される帯域幅当たりに使用されるエネルギー、
実現されたレイテンシ当たりに使用されるエネルギ
うちの1つまたは複数の尺度の観点から、前記ユーザ機器(20)および前記電気通信ネットワーク(100)の間のデータ伝送のエネルギー強度を指す、電気通信ネットワーク(100)。
【請求項11】
コンピュータまたは電気通信ネットワーク(100)のネットワークノードまたはユーザ機器(20)上で実行されるときに、または部分的に前記電気通信ネットワーク(100)の前記ネットワークノードおよび/または部分的に前記ユーザ機器(20)上で実行されるときに、前記コンピュータまたは前記電気通信ネットワーク(100)の前記ネットワークノードまたは前記ユーザ機器(20)に請求項1に記載の方法を実行させる、コンピュータ可読プログラムコードを含むプログラム。
【請求項12】
コンピュータまたは電気通信ネットワーク(100)のネットワークノードまたはユーザ機器(20)上で実行されるときに、または部分的に前記電気通信ネットワーク(100)の前記ネットワークノードおよび/または部分的に前記ユーザ機器(20)上で実行されるときに、前記コンピュータまたは前記電気通信ネットワーク(100)の前記ネットワークノードまたは前記ユーザ機器(20)に請求項1に記載の方法を実行させる命令を備える、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、とりわけ、ユーザ機器と電気通信ネットワークとの間のデータ伝送のエネルギー強度を考慮するための方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、ユーザ機器と電気通信ネットワークとの間のデータ伝送のエネルギー強度を考慮するように構成されたユーザ機器に関する。
【0003】
加えて、本発明は、ユーザ機器と電気通信ネットワークとの間のデータ伝送のエネルギー強度を考慮するための電気通信ネットワークに関する。
【0004】
さらに、本発明は、コンピュータ可読プログラムコードを含むプログラム、および本発明のユーザ機器または本発明の電気通信ネットワークを使用するためのコンピュータ可読媒体に関する。
【0005】
セルラーネットワーク、特に5Gのような新しいシステムにおけるエネルギー消費は比較的高い。Shannon-Hartleyの定理により、送信ビット当たりのある最小量のエネルギーは、無線送信チャネルを介した任意の(信頼性のある)データ送信を実現するために常に必要であり、常に必要である。したがって、CO低減目標を満たすための企業および産業の世界的責任の一部として、新しいアプローチが必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、比較的細かい粒度レベルでユーザ機器と電気通信ネットワークとの間のデータ伝送のエネルギー強度を考慮に入れるための方法を提供し、電気通信ネットワークとユーザ機器の両方によってエネルギー強度指示を使用および交換することによって、より少ないエネルギー量を必要とするユーザ機器と電気通信ネットワークとの間のデータ伝送を実現することができる。その結果、ワイヤレスデータ送信を実現することに関与するエネルギーの全体的な消費が低減される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、ユーザ機器および電気通信ネットワークの間のデータ伝送のエネルギー強度を考慮するための方法であって、電気通信ネットワークはアクセスネットワークを備え、前記ユーザ機器が、少なくとも一時的に、前記電気通信ネットワークと通信交換中に、前記ユーザ機器および前記アクセスネットワークの間のエアインターフェースの無線リソースを使用することにより、複数の無線アクセス技術および/または複数の無線信号送信方式が、前記ユーザ機器から前記アクセスネットワークに向かうアップリンクデータ、および/または前記アクセスネットワークから前記ユーザ機器に向かうダウンリンクデータを送信するために使用可能であり、前記複数の無線アクセス技術および/または前記複数の無線信号送信方式は、第1の低いレベルのエネルギー強度または少なくとも第2の高いレベルのエネルギー強度に関係、または関連し、前記ユーザ機器は、エネルギー優先度情報を備え、前記ユーザ機器および前記電気通信ネットワークの間のそのようなデータ伝送のエネルギー強度を考慮するために、前記ユーザ機器が、前記電気通信ネットワークまたは前記電気通信ネットワークの専用ネットワークノードから、少なくとも1つのエネルギー強度表示を受信する第1のステップであって、前記少なくとも1つのエネルギー強度表示は、アップリンクデータを送信し、および/またはダウンリンクデータを受信するための少なくとも1つの無線アクセス技術および/または少なくとも1つの無線信号送信方式に関連する第1のステップと、前記ユーザ機器が、前記エネルギー強度表示および前記エネルギー優先度情報に依存して、前記少なくとも1つの無線アクセス技術および/または前記少なくとも1つの無線信号送信方式を選択する、前記第1のステップに続く第2のステップとを含む方法によって達成される。
【0008】
本発明によれば、有利なことに、きめ細かく、電気通信ネットワークからユーザ機器によって受信されるエネルギー強度表示に応じて、またユーザ機器による少なくとも1つの無線アクセス技術および/または少なくとも1つの無線信号送信方式の対応する選択または指示に応じて、考慮されるユーザ機器と電気通信ネットワークの対応するネットワークノード(典型的には基地局エンティティ)との間の具体的に考慮されるワイヤレスデータ送信のエネルギー消費またはエネルギー強度を具体的に調整することができる。
【0009】
現代の移動通信システム、特にセルラー通信システムでは、公衆陸上移動ネットワーク内の異なる世代の無線アクセス技術(GSM/UMTS/LTE/NB-IoT/LTE-M/5Gのように)の非常に異なる無線技術だけでなく、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)とも呼ばれるWiFi技術の異なる変形の使用から開始して、データの送信を提供する複数の方法がある。データ転送(又は、複数の無線アクセス技術又は複数の無線信号送信方式)を可能にするために複数のアクセスを有するこの柔軟性は、好ましい無線アクセス技術の選択および/またはWiFi技術および/またはセルラー技術のいずれかの使用の間の主なバイナリ決定につながり、特に、典型的な家庭においてしばしばそうであるように、セルラーアクセスおよびWiFiアクセスの両方が利用可能である場合である。
【0010】
従来知られている電気通信ネットワークでは、エネルギー消費の重要性の高レベルのトピックがそれ自体知られているが、実装されたワイヤレス規格、特にセルラー規格は、LTEまたは5Gのように、今日圧倒的に使用されている。他の考慮事項に加えて、具体的に考慮される量のデータを送信するために使用されるエネルギーの量(または考慮されるデータ送信のエネルギー強度)、または細粒度レベルで具体的に考慮される接続もしくはデータフローを具体的に考慮する具体的な解決策または実装形態は提供しない。無線チャネルを介した任意のデータ伝送は、伝送されるビット当たり最小量のエネルギーを必要とし、この原理は、既に何年も前に、有名で依然として有効なシャノン-ハートリーの定理(Shannon-Hartleyの定理)においてClaude ShannonおよびRalph Hartleyによって概説されており、Eb/N0>ln2、すなわち、ある数のビットの伝送は、最小量のエネルギー(Eb)を必要とすると述べている。次に、非理想的なチャネルを介したデータの送信が速いほど、より多くのエネルギーが必要とされる(あるいは、転送されるデータ量が多いほど、消費電力は大きくなる)。上述の無線技術選択(すなわち、好ましい無線アクセス技術を選択すること、および/またはWiFi技術および/またはセルラー技術のいずれかを使用することの間で決定すること)に関しては、従来、通常、そのような送信に必要とされるエネルギー(またはエネルギー強度)を最小限に抑えることを考慮する必要はなく、なぜなら、従来、この選択は、加入コスト、単純な信号品質レベルのサービス要件によって主に駆動されるからである。したがって、特定のデータ量、または特定のコネクションもしくはデータフローに関して、従来、デバイス(ユーザ機器)側でもネットワーク側でも、使用されるエネルギーバジェット、またはエネルギー優先度は考慮されていない。
【0011】
本発明によれば、デバイス側(すなわち、ユーザ機器)は、特定の量のデータ、または特定の接続もしくはデータフローに適用されるエネルギー強度を定義または決定することに関与し、すなわち、ユーザ機器は、それ自体だけでなくネットワークの電力消費も最小化するための制御ポイントである。したがって、本発明によれば、ユーザ機器と(典型的には基地局エンティティであるネットワークノード)電気通信ネットワークとの間のデータ伝送のエネルギー強度が考慮される(または考慮され得る)。典型的には、ユーザ機器は、少なくとも一時的に、電気通信ネットワークとの通信交換にある。複数の無線アクセス技術および/または複数の無線信号送信方式が、アップリンクデータ(ユーザ機器からアクセスネットワークに向かう)および/またはダウンリンクデータ(アクセスネットワークからユーザ機器に向かう)を送信するために使用され得るように、ユーザ機器とアクセスネットワークとの間のエアインターフェースの無線リソースを使用する。好ましくは、電気通信ネットワークはまた、アクセスネットワークに加えて、コアネットワークを含む(または割り当てられるか、または関連する)。
【0012】
複数の無線アクセス技術および/または複数の無線信号送信方式は、第1のより低いレベルのエネルギー強度、または少なくとも第2のより高いレベルのエネルギー強度に関係し、または関連し、ユーザ機器は、エネルギー優先度情報、典型的には、より低いレベルまたはより高いレベルのエネルギー強度のいずれかに対する選好を備える。ユーザ機器と電気通信ネットワークとの間のこのようなデータ伝送のエネルギー強度を比較的細かいレベルで考慮する(または考慮することができる)ために、本発明によれば、第1のステップにおいて、ユーザ機器が、電気通信ネットワークから、またはその専用ネットワークノードから、少なくとも1つのエネルギー強度表示を受信し、少なくとも1つのエネルギー強度表示が、アップリンクデータを送信するため、および/またはダウンリンクデータを受信するための、少なくとも1つの無線アクセス技術および/または少なくとも1つの無線信号送信方式に関連することが提案される。第2のステップにおいて、第1のステップに続いて、少なくとも1つの無線アクセス技術および/または少なくとも1つの無線信号送信方式が、(ユーザ機器の)エネルギー強度指示およびエネルギー優先度情報に依存してユーザ機器によって選択される。
【0013】
したがって、本発明によれば、(アップリンクデータを送信するための、および/またはダウンリンクデータを受信するための、少なくとも1つの、典型的には2つ以上の1つまたは複数の無線アクセス技術および/または無線信号送信スキームに関連する、または関連付けられた)少なくとも1つのエネルギー強度表示がユーザ機器によって受信され、これらの無線アクセス技術または送信方式のうちの1つが、エネルギー優先度情報(およびエネルギー強度表示が何を示すか)に応じて選択される。したがって、多くの場合、非常に異なるエネルギー消費(またはエネルギー強度)を有するデータパケット(ユーザ機器と電気通信ネットワークとの間の上流または下流方向)を異なる無線技術で転送する複数の方法があるので、本発明は、そのデータパケットのルーティングのために「エネルギーバジェット」または「エネルギー優先順位」(エネルギー優先度情報およびエネルギー強度指示に含まれる)に関する情報を利用することを提案する。したがって、本発明は、特に、異なる「エネルギー消費」および/または「持続性」プロファイルを特に設定するためのユーザ機器(または使用される通信デバイス)の構成および関連するシグナリング(電気通信ネットワークとユーザ機器との間のエネルギー強度表示)に関する。本発明に従って行われるべき1つの特定の決定は、WiFiまたはセルラー無線アクセス技術(例えば、WiFi対LTE)のいずれかを使用する決定に関するが、本発明は、これらの2つのアクセス技術の間でのみ決定することに全く限定されない。実際には、2つよりはるかに多い無線アクセス技術(またはシグナリングスキーム)が、本発明の文脈において利用され得、エネルギー強度指示によって通知されるエネルギー優先度情報の関数として、電気通信ネットワークのそれぞれの基地局エンティティとのユーザ機器の特に考慮された通信において、どの無線アクセス技術および/またはどの無線信号伝送方式を使用するかを決定する際に考慮される。特に、決定または選択(どの無線アクセス技術および/またはどの無線信号伝送方式が使用されるべきか)は、初期アクセス選択の一部として、または様々な異なる無線技術を介した1つまたは複数の接続の存続期間中に行われる。
【0014】
本発明によれば、電気通信ネットワークおよびユーザ機器は、多数の無線アクセス技術および/または送信方式の選択をサポートすると想定される。この意味での可能な無線アクセス技術は、より高次の変調、電力制御、MIMO、ビームフォーミング、キャリアアグリゲーションなどの特徴を有するGPRS/EDGE、UMTS/HSPA、LTE/LTE-A、WIFIなどの技法を使用する、ライセンススペクトラムまたはアンライセンススペクトラムを使用する技術である。
【0015】
本発明の好ましい実施形態によれば、エネルギー優先度情報は、ユーザ機器に記憶された、特にユーザ機器のユーザによって提供される、より低いレベルのエネルギー強度またはより高いレベルのエネルギー強度のいずれかの好みに関係するか、またはその好みを反映する。
【0016】
それによって、有利には、行われるべき決定または選択(すなわち、特定の状況において、どの無線アクセス技術および/またはどの無線信号伝送方式が使用されるべきか)は、(ユーザ機器レベルでの)優先度、すなわちエネルギー優先度情報が、より低いレベルのエネルギー強度またはより高いレベルのエネルギー強度のいずれかの選好を反映するかどうかに基づくことが可能である。もちろん、本発明の変形形態または実施形態によれば、たとえば、「低」、「中」、「高」のような3つの異なるレベルのエネルギー優先度情報を有する形態で、および/または、エネルギー優先度情報が、ユーザ機器に記憶されるか、またはユーザ機器の顧客またはユーザによって提供される(例えば、アドホック、または以前に記憶された)サービス品質要件の観点から表現される形態で、そのような優先度のより高い粒度が可能である。エネルギー優先度情報は、ユーザ機器の顧客またはユーザによって定義される必要はなく、例えば、特定のユーザ機器に関する契約の種類に応じて、ネットワークオペレータの設定によって定義することもできる。
【0017】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのエネルギー強度指示は、ユーザ機器によって、以下のうちの1つまたは複数を介して受信される。
-ブロードキャスト制御チャネルまたは共通ブロードキャスト制御チャネル、特にLTE(ロングタームエボリューション)無線アクセス技術またはNR(ニューラジオ)無線アクセス技術、またはWiFiブロードキャストチャネル、または関連する無線アクセス技術の任意の他のブロードキャストチャネルのいずれかによるブロードキャスト制御チャネル、
-ユーザ機器またはユーザ機器のグループのための専用制御チャネル。
-電気通信ネットワークへのユーザ機器の登録手順の一部として、または電気通信ネットワークへのユーザ機器のサービスセットアップ手順の一部として、
-UICC(Universal Integrated Circuit Card)などのセキュアな加入者要素を使用する事前構成の一部として。
【0018】
それによって、有利なことに、エネルギー強度指示は、多数の異なるルートまたは様式を使用してユーザ機器に送信可能であることが可能である。
【0019】
本発明によれば、ユーザ機器はモバイルユーザ機器であり、ユーザ機器は電気通信ネットワークから受信可能であることがさらに好ましい。
-モバイル通信ネットワークおよび/またはモバイル通信ネットワークからのモバイルアクセス、
-無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)機能を使用する、固定回線電気通信ネットワークからの固定回線アクセス。
【0020】
これにより、有利なことに、本発明の概念を多数の異なる状況やシナリオに適用することが可能となる。
【0021】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのエネルギー強度表示は、少なくとも第1のエネルギー強度指表示部および第2のエネルギー強度表示部を含み、第1のエネルギー強度表示部は、第1の無線アクセス技術および/または第1の無線信号送信方式に関係し、または関連し、第2のエネルギー強度表示部は、第2の無線アクセス技術および/または第2の無線信号伝送方式に関係し、または関連し、ここで、特に少なくとも2つのエネルギー強度表示は、異なる動作モードおよび/またはその無線アクセス技術に基づいて使用される異なる無線信号送信方式に応じて、1つの単一の無線アクセス技術を指す。
【0022】
これにより、有利なことに、本発明によれば、エネルギー強度表示(または、複数のエネルギー強度表示部の内容)の内容が、どの無線アクセス技術および/または無線アクセス技術内のどの無線信号伝送方式が、むしろ、より低いエネルギー強度またはむしろより高いエネルギー強度に関係するかに関するきめ細かい表示を伝えることができる。
【0023】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのエネルギー強度表示は、以下のエネルギー強度の1つまたは複数の尺度に関して、ユーザ機器と電気通信ネットワークとの間のデータ送信のエネルギー強度を指す。
-伝送されるデータ量当たりに使用されるエネルギー、例えば伝送されるMバイト当たりに必要とされるジュールの値、
-使用される帯域幅当たりに使用されるエネルギー、例えば帯域幅当たりに必要とされるジュールの値、特にMbit/秒などが適用され、
-ミリ秒で表されるレイテンシをアーカイブするごとに必要とされるジュールの値など、実現されるレイテンシごとに使用されるエネルギー。
とりわけ、第1のエネルギー強度表示は、そのようなエネルギー強度の尺度のうちの第1の尺度を指し、第2のエネルギー強度表示は、そのようなエネルギー強度の尺度のうちの第2の尺度を指す。ここで、少なくとも1つのエネルギー強度表示の少なくとも1つおよび/またはエネルギー強度表示部の少なくとも1つは、少なくとも3つの定義された異なるレベルのエネルギー強度の1つ、特に少なくとも4つの異なるレベルのエネルギー強度の1つを指すかまたは示す。
【0024】
それによって、本発明によれば、有利には、エネルギー強度表示が、異なる尺度または多数の尺度を指すこと、および/またはエネルギー強度表示が、2つだけの異なる値(例えば、「high(er)」または「low(er)」である)を示すことが可能である。
【0025】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、エネルギー優先度情報は、ユーザ機器と、アクセスネットワークおよび/または電気通信ネットワークの少なくともローカルのネットワーク状態との両方の少なくとも1つの状況について、かなり低いレベルのエネルギー強度またはかなり高いレベルのエネルギー強度がユーザ機器またはそのユーザによって好まれるかどうかを定義する。ここで、特にエネルギー優先度情報は、ユーザ機器によって電気通信ネットワークまたはその専用ネットワークノードに送信される。
【0026】
これにより、本発明によれば、有利には、エネルギー強度を最小限に抑えることに関する柔軟な取り扱いが可能である。通常、サービス品質のレベルは、典型的には、エネルギー強度と関連付けられ、すなわち、印加されるかなり高いエネルギー強度は、かなり高い可能なサービス品質レベルに対応し、逆に、印加されるかなり低いエネルギー強度は、かなり低い可能なサービス品質レベルに対応する。ユーザ機器を使用するユーザまたは顧客は、通常、(特に、要求される電気通信サービスの一部に関して)より低いエネルギー強度をむしろ好む(および、より低いサービス品質レベルを受け入れる)ように傾けられ得るが、そのようなユーザまたは顧客に関してさえも、サービス品質がエネルギー強度よりも優先される状況があり得る。電気通信ネットワーク(あるいは、基地局エンティティが特定のユーザ機器を担当する)がユーザ機器(エネルギー優先度情報の関数として、電気通信ネットワークによって受信されたエネルギー強度指示によって通知される)の選択または選択について実際に(ユーザ機器によって)通知される方法は、本発明の異なる実施形態によって、または異なる状況またはシナリオによってさえ異なり得る:1つの可能性は、単にエネルギー優先度情報を電気通信ネットワーク(あるいは、基地局エンティティまたは別の専用ネットワークノードにつながる)に(ユーザ機器によって)送信することである;別の可能性は、(ユーザ機器に対して)エネルギー強度指示によって示されるかまたは参照される無線アクセス技術のうちの1つおよび/または無線信号送信方式のうちの1つを選択することである。この後者のアプローチは、エネルギー優先度情報の実際の値(またはコンテンツ)が電気通信ネットワークにむしろ隠され、決定の結果のみが電気通信ネットワークまたはその専用ネットワークノードと通信または共有される可能性を提供する。しかしながら、どの無線アクセス技術および/またはどの無線信号伝送方式(またはどのエネルギー優先度情報)を使用すべきかに関する情報は、電気通信ネットワーク(またはそれぞれのネットワークノード)に送信され、電気通信ネットワークは、それぞれのコンポーネントおよび機能(特にスケジューラ)を、ユーザ選好が実行されるように、または少なくとも可能な限り真に実行されるように制御または構成する。
【0027】
さらに、本発明によれば、エネルギー優先度情報は、ユーザ機器のユーザのユーザ嗜好、および/または、1つまたは複数の以下のシナリオに従って異なる時点において特に異なり得る所定のエネルギー強度設定を反映する加入関連設定に対応することが好ましい。
-エネルギー優先度情報は、概して、特にユーザ機器に関連するグリーンモード加入の一部として、比較的低いエネルギー強度に設定される。
-エネルギー優先度情報は、通常の状況では比較的低いエネルギー強度を好むように設定されるが、特定の時点およびユーザ機器のユーザからの特定の要求においてより高いエネルギー強度を好むことに対応するブーストモード設定に設定することができる。
【0028】
それによって、本発明によれば、有利なことに、全体的なエネルギー強度をユーザ機器に関して下げることができ、これはユーザ機器のユーザの好みおよび決定に完全に合致することができる。すなわち、より低いサービス品質(より低いエネルギー強度の使用に関連するか、またはそれに付随する)を有するか、または経験することは、ユーザの決定に対応し、電気通信ネットワークまたはそのオペレータによって課されない。
【0029】
本発明はまた、ユーザ機器と電気通信ネットワークとの間のデータ伝送のエネルギー強度を考慮するように構成されたユーザ機器に関し、ユーザ機器は、少なくとも一時的である。複数の無線アクセス技術および/または複数の無線信号送信方式が、アップリンクデータ(ユーザ機器からアクセスネットワークに向かう)および/またはダウンリンクデータ(アクセスネットワークからユーザ機器に向かう)を送信するために使用され得るように、ユーザ機器と電気通信ネットワークのアクセスネットワークとの間のエアインターフェースの無線リソースを使用する電気通信ネットワークとの通信交換において、複数の無線アクセス技術および/または複数の無線信号送信方式は、第1のより低いレベルのエネルギー強度または少なくとも第2のより高いレベルのエネルギー強度に関係し、または関連し、ユーザ機器は、エネルギー優先度情報を備える。ここで、ユーザ機器と電気通信ネットワークとの間のそのようなデータ伝送のエネルギー強度を考慮するために、ユーザ機器は以下のように構成される。
-ユーザ機器は、電気通信ネットワークから、またはその専用ネットワークノードから、少なくとも1つのエネルギー強度指示を受信し、少なくとも1つのエネルギー強度指示は、アップリンクデータを送信するための、および/またはダウンリンクデータを受信するための少なくとも1つの無線アクセス技術および/または少なくとも1つの無線信号送信方式に関連する。
-少なくとも1つの無線アクセス技術および/または少なくとも1つの無線信号送信方式が、エネルギー強度指示およびエネルギー優先度情報に依存してユーザ機器によって選択される。
【0030】
これにより、有利には、特にユーザ機器のユーザの決定または好みに基づいて、特定のユーザ機器に対して、ユーザ機器に関してエネルギー強度を変調または修正することができる。
【0031】
本発明はまた、ユーザ機器と電気通信ネットワークとの間のデータ伝送のエネルギー強度を考慮に入れるための電気通信ネットワークに関し、電気通信ネットワークは、コアネットワークおよびアクセスネットワークを備え、ユーザ機器は、少なくとも一時的に、電気通信ネットワークと通信交換する。複数の無線アクセス技術および/または複数の無線信号送信方式が、ユーザ機器からアクセスネットワークに向かってアップリンクデータを送信するために、および/またはアクセスネットワークからユーザ機器に向かってダウンリンクデータを送信するために使用され得るように、ユーザ機器とアクセスネットワークとの間のエアインターフェースの無線リソースを使用する。複数の無線アクセス技術および/または複数の無線信号送信方式は、第1のより低いレベルのエネルギー強度または少なくとも第2のより高いレベルのエネルギー強度に関係し、または関連する。ここで、ユーザ機器と電気通信ネットワークとの間のそのようなデータ伝送のエネルギー強度を考慮するために、電気通信ネットワークは、以下のように構成される。
-電気通信ネットワークまたはその専用ネットワークノードは、少なくとも1つのエネルギー強度指示をユーザ機器に送信し、少なくとも1つのエネルギー強度指示は、アップリンクデータを受信し、および/またはダウンリンクデータを送信するための少なくとも1つの無線アクセス技術および/または少なくとも1つの無線信号送信方式に関連する。
-少なくとも1つの無線アクセス技術および/または少なくとも1つの無線信号送信方式は、エネルギー強度指示およびエネルギー優先度情報に依存してユーザ機器によって選択される。
【0032】
それによって、有利には、電気通信ネットワークに関しても、特定のユーザ機器に対して、特にユーザ機器のユーザの決定または選好に基づいて、エネルギー強度を変調または修正すること可能となる。
【0033】
さらに、本発明は、コンピュータまたは電気通信ネットワークのネットワークノードまたはユーザ機器上で実行されると、または部分的に電気通信ネットワークのネットワークノードおよび/または部分的にユーザ機器上で実行されると、コンピュータまたは電気通信ネットワークのネットワークノードまたはユーザ機器に本発明の方法を実行させるコンピュータ可読プログラムコードを含むプログラムに関する。
【0034】
本発明はまた、コンピュータ上で、または電気通信ネットワークのネットワークノード上で、またはユーザ機器上で、または部分的に電気通信ネットワークのネットワークノード上で、および/または部分的にユーザ機器上で実行されると、コンピュータまたは電気通信ネットワークのネットワークノードまたはユーザ機器に本発明の方法を実行させる命令を備えるコンピュータ可読媒体に関する。
【0035】
本発明のこれらおよび他の特徴、特徴および利点は、本発明の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
説明は、本発明の範囲を限定することなく、例示のみを目的として与えられる。
以下で引用される参照図面は、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1は、例示的に、固定回線部分と、多数の基地局エンティティによってサービスされる多数の無線セルと、電気通信ネットワークによってサービスされるユーザ機器とを備える電気通信ネットワークを概略的に示す。
図2図2は、電気通信ネットワークに接続されたユーザ機器によって使用可能な異なる無線アクセス技術および/または無線信号伝送方式のうちの1つの異なるエネルギー効率の例示的な図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、特定の実施形態に関して、かつ特定の図面を参照して説明されるが、本発明は、それに限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。説明される図面は、単に概略的であり、非限定的である。図面において、いくつかの要素のサイズは、説明の目的のために誇張され、縮尺通りに描かれていないことがある。
【0038】
単数の名詞、例えば「a」、「an」、「the」に言及するときに不定冠詞または定冠詞が使用される場合、他に何かが具体的に述べられていない限り、これはその名詞の複数を含む。
【0039】
さらに、説明および特許請求の範囲における第1、第2、第3などの用語は、類似の要素を区別するために使用され、必ずしも連続的または時系列的な順序を説明するためではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書で説明される本発明の実施形態は、本明細書で説明または図示される以外の順序で動作可能であることを理解されたい。
【0040】
図1には、電気通信ネットワーク100が概略的に示されている。図示の例では、電気通信ネットワーク100は、固定回線部分(固定回線接続WiFiアクセスポイント111を備える)と、多数の基地局エンティティ112、113、114によってサービスされている多数の無線セルとを備えるものとして表されている。さらに、ユーザ機器20は、電気通信ネットワーク100によってサービスされていることが概略的に示されている。典型的には、必ずしもそうではないが、電気通信ネットワーク100は、アクセスネットワーク110に加えて、コアネットワーク120も備える。電気通信ネットワーク100は、典型的には複数のネットワークセル(基地局エンティティ112、113、114によってサービスされる)及び/又は固定回線電気通信ネットワーク(又は固定回線部分を含む)を含むセルラー電気通信ネットワークであることが好ましい。ユーザ機器20は、電気通信ネットワーク100と接触している、すなわち、ユーザ機器20から電気通信ネットワーク100に向かって(本発明の文脈において、アップリンクデータ21とも呼ばれ、上向きの矢印によって図1に概略的に示される)、またはその逆のいずれかで、すなわち、電気通信ネットワーク100からユーザ機器20に向かって(本発明の文脈において、ダウンリンクデータ22とも呼ばれ、下向きの矢印によって図1に概略的に示される)、(すなわち、典型的には、データパケットの形態で)データを交換するものとして例示的に示されている。
【0041】
ユーザ機器20と電気通信ネットワーク100との間のこれらのデータ伝送に関して、本発明は、アップリンクおよび/またはダウンリンク方向におけるこれらのデータ交換またはデータ伝送のエネルギー強度を考慮するための方法(対応するユーザ機器20及び対応する電気通信ネットワーク100)を提供する。ユーザ機器20は、典型的には、少なくとも一時的に、ユーザ機器20とアクセスネットワーク110との間のエアインターフェースの無線リソースを使用して電気通信ネットワーク100と通信交換する(すなわち、それぞれの基地局エンティティ112、113、114またはWiFiアクセスポイント111である)。この通信交換に関して、またはこの1つまたは複数のデータ送信を実現するために、典型的には、複数の無線アクセス技術および/または複数の無線信号送信方式(または、1つ(または各々)の無線アクセス技術の一部としての複数の無線信号送信方式)が利用可能であり、またはそのようなアップリンクデータ21またはダウンリンクデータ22を送信するために使用可能である。
【0042】
実際、そのような複数の無線アクセス技術および/または無線信号伝送方式(またはそれらの組み合わせ)は、比較的低いもしくは低いエネルギー強度(より詳細に論じられるべき異なる尺度による)を伴うか、またはそうでなければ比較的高いもしくはより高いエネルギー強度を伴うかのいずれかであるか、あるいはもちろん、それらのエネルギー強度についてランク付けされることが可能である。本発明によれば、これらの無線アクセス技術および/または無線信号送信スキームは、第1のより低いレベルのエネルギー強度または少なくとも第2のより高いレベルのエネルギー強度(または、当然ながら、2つ以上の異なるレベルのエネルギー強度を伴う、より細かい粒度に関係するか、または関連する)に関係するかまたは関連し、ユーザ機器20は、エネルギー優先度情報150を備える。
【0043】
本発明によれば、ユーザ機器20と電気通信ネットワーク100との間のこのようなデータ伝送のエネルギー強度を考慮できるようにするために、ユーザ機器20は、電気通信ネットワーク100から、またはその専用ネットワークノード(すなわち、電気通信ネットワーク100またはその専用ネットワークノードがユーザ機器20に向けて送信する)から、少なくとも1つのエネルギー強度表示250を受信し、少なくとも1つのエネルギー強度表示250は、アップリンクデータを送信するため、および/またはダウンリンクデータを受信するための、少なくとも1つの無線アクセス技術および/または少なくとも1つの無線信号送信方式に関連する。その後、少なくとも1つの無線アクセス技術および/または少なくとも1つの無線信号送信方式が、ユーザ機器20のエネルギー強度指示250およびエネルギー優先度情報150に依存して、ユーザ機器20によって選択される。好ましくは、エネルギー優先度情報150は、ユーザ機器20に記憶された、特にユーザ機器20のユーザによって提供される、より低いレベルのエネルギー強度またはより高いレベルのエネルギー強度のいずれかの好みに関係するか、またはその好みを反映する。
【0044】
図2では、このエネルギー強度表示250(無線アクセス技術および/または無線信号送信スキームに関する)の送信は、異なる無線アクセス技術の異なるエネルギー効率、および/または電気通信ネットワーク100に接続されたユーザ機器20によって使用されることが可能である無線信号送信方式の1つの図によって概略的かつ例示的に示される。たとえば、基地局エンティティ112は、ユーザ機器20と基地局エンティティ112との間の通信において(アップリンク方向および/またはダウンリンク方向のいずれかにおいて)、第1の(より高い)エネルギー強度を伴う第1の(セルラー)無線アクセス技術または無線信号伝送方式(図2の中央部において参照符号330によって指定される)、または第2の(より低い)エネルギー強度を伴う第2の(セルラー)無線アクセス技術または無線信号送信方式(図2の中央部において参照符号331によって指定される)のいずれかを使用する(または提案する)ことができる。さらに、WiFiアクセスポイント(または基地局エンティティ)111は、同様に、ユーザ機器20とWiFiアクセスポイント111との間の通信において(アップリンク方向および/またはダウンリンク方向のいずれかにおいて)、第3の(より高い)エネルギー強度を伴う第3の(非セルラー)無線アクセス技術または無線信号伝送方式(図2の中央部において参照符号310によって指定される)のいずれかを使用する(または提案する)ことができ、または、第4の(より低い)エネルギー強度を伴う第4の(非セルラー)無線アクセス技術または無線信号送信方式(図2の中央部の参照符号311によって指定される)を使用することができる。そのようなシナリオでは、エネルギー強度指示250は、たとえば、第2および第4の無線アクセス技術または無線信号送信方式についてより低いエネルギー強度を示し、第1および第3の無線アクセス技術または無線信号送信方式についてより高いエネルギー強度を示す。図2の右側には、ある第1の送信(スキーム)380(無線アクセス技術または送信スキーム)またはある第2の送信(スキーム)390(無線アクセス技術または送信スキーム)の異なる帯域幅に関する関与する必要エネルギー(ジュール単位)E(J)に関する概略図が概略的に示されている。第1の送信(スキーム)380に対するより低い帯域幅の送信は、より高い帯域幅の送信(帯域幅当たり)と比較してよりエネルギー集約的である(帯域幅当たり)のに対して、第2の送信(スキーム)390に対するより低い帯域幅の送信は、より高い帯域幅の送信(帯域幅当たり)と比較してよりエネルギー集約的でない(帯域幅当たり)ことが分かる。特に、本発明によれば、エネルギー強度表示250(ユーザ機器20は、そのそれぞれの基地局エンティティ、例えば基地局エンティティ112から受信する)はまた、ユーザ機器20が別の基地局エンティティから、特にWiFiアクセスポイント111から(およびその逆に)受信することができる(または受信することができる)1つまたは複数の無線アクセス技術または無線信号送信方式に関するエネルギー強度表示250(またはエネルギー強度表示部250)を含む。
【0045】
したがって、好ましくは、少なくとも1つのエネルギー強度表示250は、少なくとも第1のエネルギー強度表示部および第2のエネルギー強度表示部を含み、第1のエネルギー強度表示部は、第1の無線アクセス技術および/または第1の無線信号送信方式(例えば、ユーザ機器20がキャンプオンしている基地局エンティティの(または基地局エンティティによって提供され得る))に関係するか、または関連する。第2のエネルギー強度表示部は、第2の無線アクセス技術および/または第2の無線信号送信方式(例えば、ユーザ機器20が現在接続されていない同じ基地局エンティティまたは別の基地局エンティティ(またはWiFiアクセスポイント)のいずれかのものである(またはそれによって提供することができる))に関係し、または関連する。特に、少なくとも2つのエネルギー強度表示部は、異なる動作モードおよび/またはその無線アクセス技術に基づいて使用される異なる無線信号送信方式に応じて、1つの単一の無線アクセス技術を指す。
【0046】
特に本発明によれば、少なくとも1つのエネルギー強度表示250は、以下のエネルギー強度の1つまたは複数の尺度に関して、ユーザ機器20と電気通信ネットワーク100との間のデータ送信のエネルギー強度を指す。-伝送されるデータ量当たりに使用されるエネルギー、例えば送信される1Mバイト当たりに必要とされるジュールの値、
-使用される帯域幅当たりに使用されるエネルギーであって、例えば帯域幅当たりに必要とされるジュールの値(特にMbit/秒など)が適用されるエネルギー、
-ミリ秒で表されるレイテンシをアーカイブするごとに必要とされるジュールの値など、実現されるレイテンシごとに使用されるエネルギー。
ここで、特に、第1のエネルギー強度表示250は、そのようなエネルギー強度の尺度のうちの第1の尺度を指し、第2のエネルギー強度表示250は、そのようなエネルギー強度の尺度のうちの第2の尺度を指す。ここで、少なくとも1つのエネルギー強度表示250および/またはエネルギー強度表示部の少なくとも1つは、例えば、(3つの異なるレベルについて)低いエネルギー強度、中程度のエネルギー強度、高いエネルギー強度、または(4つの異なるレベルについて)最も低いエネルギー強度、より低いエネルギー強度、より高いエネルギー強度、および最も高いエネルギー強度のように、エネルギー強度の少なくとも3つの定義された異なるレベル、特にエネルギー強度の少なくとも4つの異なるレベルのうちの1つを指すか、または示す。
【0047】
本発明によれば、エネルギー優先度情報150は特に、ユーザ機器20の少なくとも1つの状況と、アクセスネットワーク110および/または電気通信ネットワーク100の少なくともローカルなネットワーク状況の両方について、ユーザ機器20またはそのユーザによって、エネルギー強度のむしろ低いレベルが好ましいか、エネルギー強度のむしろ高いレベルが好ましいかを定義し、エネルギー優先度情報150は特に、ユーザ機器20によって、電気通信ネットワーク100またはその専用ネットワークノードに送信される。
【0048】
本発明の特に好ましい代替形態によれば、各技術は、例えばジュール/Mbpsまたはジュール/レイテンシまたはジュール/Mbyteにおいて、その特定のエネルギー消費(またはエネルギー強度)を「ランク付け」する。これは、異なる消費モデル(例えば、エネルギー消費は低いが、ビットレートが低く、遅延が大きい場合と、ビットレートが高く、遅延が小さく、エネルギー消費が大きい場合と、ビットレートが高く、遅延が小さく、エネルギー消費が最大で、ビットレートが高く、遅延が最小の場合)の可能性を持たせるために、複数のコンフィギュレーションに対しても行うことができる。本発明によるアナウンスの1つの方法は、特定の無線技術の共通制御チャネル(例えば、LTE/NRのBCCH)を使用することである。
【0049】
本発明のさらに特に好ましい代替形態によれば、登録手順の一部として、またはサービスセットアップ手順の一部として、電気通信ネットワーク100(無線アクセスネットワーク110またはコアネットワーク120のいずれかは、複数のアクセス、すなわち、無線アクセス技術および/または無線信号伝送方式に対処する)は、異なるアクセスタイプに対して「ランキングする」エネルギー消費(またはエネルギー強度)を有するデバイス(またはユーザ機器20)を構成することができる。例えば、ジュール/Mbpsまたはジュール/レイテンシまたはジュール/Mbyteである。これは、異なる消費モデル(例えば、エネルギー消費は低いが、ビットレートが低く、遅延が大きい場合と、ビットレートが高く、遅延が小さく、エネルギー消費が大きい場合と、ビットレートが高く、遅延が小さく、エネルギー消費が最大で、ビットレートが高く、遅延が最小の場合)の可能性を持たせるために、複数のコンフィギュレーションに対しても行うことができる。
【0050】
本発明による特定の焦点は、3GPPによって定義されている4G/5G/6Gセルラーシステムのためのプロトコル拡張によって本発明の手順および方法を実施することである;しかしながら、これは、同じまたは対応する原理および関連するシグナリングを、例えばIEEE802.11によって定義されているWiFiなどの非3GPPアクセスにも適用することを除外しない。
【0051】
将来、関与するまたは(主に)使用される異なる無線アクセス技術および/または無線方式のエネルギー強度も考慮に入れて、非常に低い待ち時間を有する超高データレートからより(環境的に)持続可能なワイヤレス通信に焦点が移る可能性がある。
図1
図2