(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】自動発破設計計画のシステム及びそれに関連する方法
(51)【国際特許分類】
E21C 41/00 20060101AFI20241209BHJP
E21B 44/00 20060101ALI20241209BHJP
E21D 1/00 20060101ALI20241209BHJP
E21D 9/00 20060101ALI20241209BHJP
F42D 1/00 20060101ALI20241209BHJP
G06Q 50/02 20240101ALI20241209BHJP
【FI】
E21C41/00
E21B44/00 Z
E21D1/00 B
E21D9/00 C
F42D1/00
G06Q50/02
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024001809
(22)【出願日】2024-01-10
(62)【分割の表示】P 2021544941の分割
【原出願日】2020-02-04
【審査請求日】2024-02-05
(32)【優先日】2019-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520281295
【氏名又は名称】ダイノ ノベル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】DYNO NOBEL INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(72)【発明者】
【氏名】スコット ギルトナー
(72)【発明者】
【氏名】ルファス イー フリンチャム
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー アヴェレット
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ ナウロッキ ジュニア
【審査官】坪内 優佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-229832(JP,A)
【文献】特開平05-180597(JP,A)
【文献】特開平11-132700(JP,A)
【文献】特開平04-024394(JP,A)
【文献】特開2015-229831(JP,A)
【文献】特開平11-081855(JP,A)
【文献】特開2001-021298(JP,A)
【文献】特表2014-515443(JP,A)
【文献】米国特許第06772105(US,B1)
【文献】米国特許第03735704(US,A)
【文献】米国特許第08214073(US,B2)
【文献】米国特許第08538698(US,B2)
【文献】中国特許出願公開第108731561(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107907017(CN,A)
【文献】山本祐徳,爆破基準の一試案,火薬協会誌,第3巻、第2号,日本,[online],1942年12月31日,p.93-110,[2024年5月28日検索],https://www.jes.or.jp/mag/stem/Vol.3/documents/Vol.3,No.2,p.93-110.pdf,発行日については、以下のウェブサイトを参照。https://www.jes.or.jp/mag/stem/Vol.3/index.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21B 1/00-49/00
E21C25/00-51/00
E21D 1/00-13/04
F42D 1/00- 5/06
G06Q50/02-50/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発破計画を生成するコンピュータ実装方法であって、
発破現場の地質特性を1つ又は2つ以上のソースから受信することと、
前記発破現場の前記地質特性に相関する岩級を識別することと、
前記発破現場の前記岩級に基づいて複数の発破孔に関するパターンを特定することと、
前記地質特性に基づいてエマルション爆薬密度を変更することによって、前記発破孔の各々に対する爆薬を特定することと
を含む
コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記地質特性は、地震計データ、穿孔データ、ドリル切断、コアサンプルのうち少なくとも1つから受信される、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記複数の発破孔に関するパターンを特定することは、前記複数の発破孔の最小抵抗線と間隔を特定することを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記地質特性に基づいて前記複数の発破孔に関するパターンを最適化することを更に含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
最適化することは、発破データの複数の順列を生成することを含むデータセットを生成することと、前記発破データの前記複数の順列をシミュレートすることを含む、請求項4に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
最適化することは、各発破孔の最適なエネルギープロファイルを特定するためにシミュレーション
の発破データの順列内のエマルション爆薬密度を変更することを含む、請求項4に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記発破現場のモデルを生成することと、
前記発破現場の前記モデルに前記複数の発破孔に関するパターンを重ねることと、
を更に含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
発破計画を生成するコンピュータ実装方法であって、
発破現場の地質特性を1つ又は2つ以上のソースから受信することと、
前記地質特性に基づいて前記発破現場を区分することと、
前記発破現場の岩級に基づいて複数の発破孔に関するパターンを特定することと、
前記発破現場の区分に基づいてエマルション爆薬密度を変更することによって、前記発破孔の各々に対する爆薬を特定することと
を含む
コンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記地質特性は、地震計データ、穿孔データ、ドリル切断、コアサンプルのうち少なくとも1つから受信される、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記複数の発破孔に関するパターンを特定することは、前記複数の発破孔の最小抵抗線と間隔を特定することを含む、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記地質特性に基づいて前記複数の発破孔に関するパターンを最適化することを更に含む、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
最適化することは、発破データの複数の順列を生成することを含むデータセットを生成することと、前記発破データの前記複数の順列をシミュレートすることを含む、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
最適化することは、各発破孔の最適なエネルギープロファイルを特定するためにシミュレーション
の発破データの順列内のエマルション爆薬密度を変更することを含む、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記発破現場のモデルを生成することと、
前記発破現場の前記モデルに前記複数の発破孔に関するパターンを重ねることと、
を更に含む、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
前記複数の発破孔に関するパターンを特定することは、各発破孔のボアホールの構造を特定することを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項16】
前記複数の発破孔に関するパターンを特定することは、発破制限を満たすために必要な孔の数を特定することを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項17】
前記発破孔の各々に対する爆薬を特定することは、前記爆薬の総重量を岩石の総体積で除して算出する前記爆薬の粉末係数を特定することを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項18】
前記発破孔の各々に対する爆薬を特定することは、前記爆薬の重量を特定することを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項19】
前記複数の発破孔に関するパターンを特定することは、各発破孔のボアホール詳細を特定することと、発破制限を満たすために必要な孔の数を特定することの少なくとも1つを含む、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項20】
前記発破孔の各々に対する爆薬を特定することは、前記爆薬の総重量を岩石の総体積で除して算出する前記爆薬の粉末係数を特定することと、前記爆薬の重量を特定することの少なくとも1つを含む、請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年2月5日付けで出願された「SYSTEMS FOR AUTOMATED BLAST DESIGN PLANNING AND METHODS RELATED THERETO」という名称の米国仮特許出願第62/801,312号明細書に対する優先権を主張するものであり、この内容は、全体的に参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、概して、爆薬に関する。より詳細には、本開示は、発破計画を設計する方法、システム及び装置に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書に開示される実施形態は、添付図面と併せて解釈される以下の説明及び添付の特許請求の範囲から完全に明らかになるであろう。図面は、主に、一般化された実施形態を示し、実施形態は、図面と併せて更に具体的且つ詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】一実施形態による発破計画モデリングシステムのネットワーク図を示す。
【
図2】一実施形態によるドローンのスキャンパスを表示している個人電子デバイスを示す。
【
図3】一実施形態による発破設計システムのブロック図を示す。
【
図4】一実施形態による発破設計を生成する方法のフローチャートを示す。
【
図5】一実施形態による、複数の可能な順列について複数のシミュレーションを実行することにより、発破設計を生成する方法のフローチャートを示す。
【
図6】一実施形態による、発破データから複数の順列のデータセットを生成する方法の一例を示す。
【
図7】一実施形態によるデータセットの順列をシミュレートする方法の一例を示す。
【
図8A】一実施形態による発破レベル詳細を生成する方法の第1の部分を示す。
【
図8B】一実施形態による発破レベル詳細を生成する方法の第2の部分を示す。
【
図9】一実施形態による発破現場に適合する優先距離を見つける方法を示す。
【
図10】一実施形態による、所与の最小抵抗線及び間隔での孔レベル詳細を生成する方法を示す。
【
図11】一実施形態による、計画された発破設計の有効性をテストする方法を示す。
【
図12】一実施形態による、有効な設計の特定の特性を計算する方法を示す。
【
図13】振動に基づいてスコア付けられた例示的な発破計画結果のグラフを示す。
【
図14】一実施形態による最小抵抗線及び間隔を編集する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
爆薬は、採鉱、採石及び掘削産業で岩石及び鉱石を破砕するために一般に使用されている。一般に、「発破孔」と呼ばれる孔が地表等の表面に掘られる。次に、爆薬を発破孔内に配置し得る。通常、大量の岩石及び鉱石を破砕するために複数の発破孔が使用される。複数の発破孔を使用することは、発破の計画に複雑性を導入する。例えば、発破は、発破孔の間隔、発破孔の最小抵抗線、発破孔の深さ、発破孔のパターン、発破孔の数、地質特性、爆薬のタイプ及び爆薬の量を含む複数の要因に基づいて変化し得る。高度に熟練した発破エンジニアに対してでも、可能性の数が発破計画を難しくする。
【0006】
本明細書に記載されるものは、発破計画を生成する実施形態である。実施形態は、発破現場の地質特性、発破孔パラメータ及び利用可能な爆薬品を含む発破データを受信し得る。受信された発破データに基づいて、本明細書における実施形態は、最小抵抗線及び間隔を特定し、且つ発破計画を生成し得る。
【0007】
発破設計又は発破計画は、発破孔の配置、発破孔のジオメトリ及び使用される爆薬を含む。
【0008】
本明細書において以下に概説され、図に示される実施形態の構成要素は、多様な様々な構成で配置及び設計され得ることが容易に理解されるであろう。例えば、方法のステップは、必ずしもいかなる特定の順序で又は順次実行される必要がなく、ステップも1回のみ実行される必要はない。したがって、後述され、図に表される種々の実施形態の以下のより詳細な説明は、本開示の範囲の限定を意図せず、単に種々の実施形態の代表にすぎない。実施形態の種々の態様が図面に提示されるが、特記される場合を除き、図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。
【0009】
本明細書に記載される発破計画システム及び方法の実施形態及び実装形態は、コンピュータシステムにより実行される機械実行可能命令で具現化され得る種々のステップを含み得る。コンピュータシステムは、1つ又は複数の汎用又は専用コンピュータ(又は他の電子デバイス)を含み得る。コンピュータシステムは、ステップを実行する特定の論理を含むハードウェア構成要素を含み得るか、又はハードウェア、ソフトウェア及び/若しくはファームウェアの組合せを含み得る。
【0010】
実施形態は、本明細書に記載されるプロセスを実行するようにコンピュータシステム又は他の電子デバイスをプログラムするために使用され得る命令を記憶したコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品として提供され得る。コンピュータ可読媒体は、限定ではなく、ハードドライブ、フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、磁気若しくは光カード、固体状態メモリデバイス又は電子命令の記憶に適した他のタイプの媒体/コンピュータ可読媒体を含み得る。
【0011】
コンピュータシステム及びコンピュータシステム中のコンピュータは、ネットワークを介して接続され得る。本明細書に記載されるような構成及び/又は使用に適したネットワークは、1つ又は複数のローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、大都市圏ネットワーク及び/若しくはワールドワイドウェブ、プライベートインターネット、セキュアインターネット、付加価値ネットワーク、仮想プライベートネットワーク、エクストラネット、イントラネット若しくは更に媒体の物理的輸送により他の機械と通信するスタンドアロン機械等のインターネット又はIPネットワークを含む。特に、適したネットワークは、離散したハードウェア及びネットワーク通信技術を使用したネットワークを含め、2つ以上の他のネットワークの部分又は全体から形成され得る。
【0012】
1つの適したネットワークは、サーバ及び幾つかのクライアントを含み、他の適したネットワークは、サーバ、クライアント及び/又はピアツーピアノードの他の組合せを含み得、所与のコンピュータシステムは、クライアント及びサーバの両方として機能し得る。各ネットワークは、サーバ及び/又はクライアント等の少なくとも2つのコンピュータ又はコンピュータシステムを含む。コンピュータシステムは、ワークステーション、ラップトップコンピュータ、切断可能なモバイルコンピュータ、サーバ、メインフレーム、クラスタ、いわゆる「ネットワークコンピュータ」若しくは「シンクライアント」、タブレット、スマートフォン、個人情報端末若しくは他のハンドヘルド計算デバイス、「スマート」消費者電子デバイス若しくは家電、医療デバイス又はそれらの組合せを含み得る。
【0013】
適したネットワークは、Novell(登録商標)、Microsoft(登録商標)及び他のベンダーから利用可能なソフトウェア等の通信又はネットワーキングソフトウェアを含み得、TCP/IP、SPX、IPX及び撚線対、同軸ケーブル若しくは光ファイバケーブル;電話回線;電波;衛星;マイクロ波中継;変調AC電力線;物理媒体移送;及び/又は当業者に既知の他のデータ伝送「線」を介する他のプロトコルを使用して動作し得る。ネットワークは、より小さいネットワークを包含し得、且つ/又はゲートウェイ若しくは同様の機構を通して他のネットワークに接続可能であり得る。
【0014】
各コンピュータシステムは、1つ又は複数のプロセッサ及び/又はメモリを含み、コンピュータシステムは、種々の入力デバイス及び/又は出力デバイスを含むこともできる。プロセッサは、Intel(登録商標)、AMD(登録商標)又は他の「市販の」マイクロプロセッサ等の汎用デバイスを含み得る。プロセッサは、ASIC、SoC、SiP、FPGA、PAL、PLA、FPLA、PLD又は他のカスタマイズされたデバイス若しくはプログラマブルデバイス等の専用処理デバイスを含み得る。メモリは、静的RAM、動的RAM、フラッシュメモリ、1つ又は複数のフリップフロップ、ROM、CD-ROM、ディスク、テープ、磁気、光学又は他のコンピュータ記憶媒体を含み得る。入力デバイスは、キーボード、マウス、タッチスクリーン、ライトペン、タブレット、マイクロホン、センサ又はファームウェア及び/若しくはソフトウェアが付随した他のハードウェアを含み得る。出力デバイスは、モニタ若しくは他のディスプレイ、プリンタ、発話若しくはテキスト合成器、スイッチ、信号線又はファームウェア及び/若しくはソフトウェアが付随した他のハードウェアを含み得る。
【0015】
コンピュータシステムは、フロッピードライブ、テープドライブ、光学ドライブ、磁気光学ドライブ又は記憶媒体を読み取る他の手段を使用することが可能であり得る。適した記憶媒体には、特定の物理的構成を有する磁気、光学又は他のコンピュータ可読記憶装置がある。適した記憶装置には、フロッピーディスク、ハードディスク、テープ、CD-ROM、DVD、PROM、RAM、フラッシュメモリ及び他のコンピュータシステム記憶装置がある。物理的な構成は、コンピュータシステムを、本明細書に記載される特定の予め定義された様式で動作させるデータ及び命令を表す。
【0016】
本発明の実施を支援するのに適したソフトウェアは、本明細書に提示される技法並びにJava、Pascal、C++、C、PHP、.Net、データベース言語、API、SDK、アセンブリ、ファームウェア、マイクロコード及び/又は他の言語及びツール等のプログラミング言語及びツールを使用して当業者により容易に提供される。適した信号フォーマットは、アナログ形態又はデジタル形態において、誤り検出及び/又は修正ビット、パケットヘッダ、特定のフォーマットのネットワークアドレス及び/又は他の関連する技術分野の当業者により容易に提供される他のサポートデータあり又はなしで具現化され得る。
【0017】
特定の実施形態の態様は、ソフトウェアモジュール又はコンポーネントとして実施され得る。本明細書で使用される場合、ソフトウェアモジュール又はコンポーネントは、コンピュータ可読記憶媒体内又は上に配置される任意のタイプのコンピュータ命令又はコンピュータ実行可能コードを含み得る。ソフトウェアモジュールは、例えば、1つ若しくは複数のタスクを実行するか、又は特定の抽象データ型を実施するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等として編成され得るコンピュータ命令の1つ又は複数の物理的又は論理的なブロックを含み得る。特定のソフトウェアモジュールは、一緒になって、記載されるモジュールの機能を実施する、コンピュータ可読記憶媒体の異なる場所に記憶された離散した命令を含み得る。実際に、モジュールは、1つ又は複数の命令を含み得、幾つかの異なるコードセグメントにわたり、異なるプログラム間で且つ幾つかのコンピュータ可読記憶媒体にわたり分散し得る。
【0018】
幾つかの実施形態は、タスクが、通信ネットワークを通してリンクされたリモート処理デバイスにより実行される分散計算環境で実施され得る。分散計算環境では、ソフトウェアモジュールは、ローカル及び/又はリモートコンピュータ可読記憶媒体に配置され得る。加えて、データベース記録において一緒に結び付けられるか又は一緒に提供されるデータは、同じコンピュータ可読記憶に存在し得るか、又は幾つかのコンピュータ可読記憶媒体にわたり存在し得、ネットワークにわたりデータベース中の記録のフィールドにおいて一緒にリンクされ得る。一実施形態によれば、データベース管理システム(DBMS)は、ユーザが1つ又は複数のデータベースと対話できるようにし、データベースに含まれるデータへのアクセスを提供する。
【0019】
図1は、一実施形態による発破計画モデリングシステム100のネットワーク図を示す。発破計画モデリングシステム100は、発破現場の画像を受信し、発破現場の三次元モデルを生成し、発破計画を生成する。図示の実施形態では、発破計画モデリングシステム100は、個人電子デバイス(PED)102、ドローン104及び発破設計システム106を含む。
【0020】
PED102は、限定ではなく、携帯電話、スマートフォン、ポータブル計算デバイス、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、個人情報端末(PDA)、パームトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、ポータブルナビゲーションデバイス、パーソナルナビゲーションアシスタント(例えば、ポータブル全地球測位システム(GPS)ユニット)、ドローンコントローラ等を含め、任意の数の様々なタイプのデバイスであり得る。PED102は、ドローン104と通信し、ドローン104を制御する。PED102は、飛行計画及び発破現場の周囲を提供し得、且つ/又は手動指示をドローン104に提供し得る。幾つかの実施形態では、PED102及び発破設計システム106は、同じデバイスであり得る。幾つかの実施形態では、PED102がなくてよく、発破設計システム106がドローン104を制御し得る。
【0021】
ドローン104は、スキャンパスを辿るにつれて画像を捕捉し得る。ドローン104は、ライブフィードをPED102に提供し得る。ドローン104は、画像並びに関連付けられた場所座標及び高度を発破設計システム106に提供することもできる。幾つかの実施形態では、カメラ、携帯電話又は他の電子デバイスを画像の捕捉に使用し得る。
【0022】
発破設計システム106は、画像を受信し、三次元モデルを生成し得る。発破設計システム106は、発破現場の地質特性、発破孔パラメータ及び利用可能な爆薬品等のユーザ定義のパラメータを受信することもできる。ユーザ定義のパラメータに基づいて、発破設計システム106は、発破計画の最小抵抗線及び間隔を特定し得る。発破設計システム106は、発破計画を三次元モデルに重ね、重ねられたモデルを技術者に提示することができる。技術者は、修正を行い、実施に向けて最終発破計画を現場機器108及び現場機器108のオペレータに送信し得る。
【0023】
幾つかの実施形態では、ドローン104又は他の画像捕捉デバイスは、発破後画像を捕捉する。発破設計システム106は、発破後分析を実行し、結果を次の発破計画で使用し得る。そのような人工知能フィードバックは、続く発破を更に最適化させ得る。発破後分析は、発破からのデブリのサイズ及び場所を特定し得る。
【0024】
図2は、一実施形態によるドローン104のスキャンパス202を表示するPED102を示す。スキャンパス202は、ドローンが発破現場の周囲204内の画像を捕捉することができるように設計される。幾つかの実施形態では、技術者は、スキャンパス202を手動で入力し得る。PED102は、手動で入力されたスキャンパス202を最適化するか、又は発破現場の周囲204に基づいてスキャンパス202を設計し得る。
【0025】
図3は、一実施形態による
図1の発破設計システム106のブロック図を示す。発破設計システム106は、システムバス318を介して電気通信する電子メモリ310、1つ又は複数のプロセッサ312、ネットワークインターフェース314及びI/Oインターフェース316を含み得る。
【0026】
電子メモリ310は、静的RAM、動的RAMフラッシュメモリ、1つ若しくは複数のフリップフロップ又は他の電子記憶媒体を含み得る。電子メモリ310は、複数のモジュール330及びデータ340を含み得る。
【0027】
モジュール330は、デバイスの他の要素の全て又は部分を含み得る。モジュール330は、1つ又は複数のプロセッサ312により又はプロセッサ312上で複数の動作を順次、同時に又は並列に実行し得る。
【0028】
幾つかの実施形態では、開示されるモジュール、構成要素及び/又は設備の部分は、ハードウェア若しくはファームウェアで具現化される実行可能命令として具現化されるか、又は非一時的機械可読記憶媒体に記憶され得る。命令は、プロセッサ及び/又は計算デバイスにより実行されると、計算システムに、本明細書に開示される特定の処理ステップ、手順及び/又は動作を実施させるコンピュータプログラムコードを含み得る。本明細書に開示されるモジュール、構成要素及び/又は設備は、ドライバ、ライブラリ、インターフェース、API、FPGA構成データ及び/又はファームウェア(例えば、EEPROMに記憶される)等として実施及び/又は具現化され得る。幾つかの実施形態では、本明細書に開示されるモジュール、構成要素及び/又は設備の部分は、限定ではなく、回路、集積回路、処理構成要素、インターフェース構成要素、ハードウェアコントローラ、ストレージコントローラ、プログラマブルハードウェア、FPGA及び/又はASIC等を含め、汎用デバイス及び/又は専用デバイス等の機械構成要素として具現化される。
【0029】
モジュール330は、パターン発破域計算機332、最小抵抗線及び間隔計算機334、ボアホール設計器336並びに発破検証器338を含み得る。パターン発破域計算機332は、1つ又は複数のプロセッサ312により動作を実行して、発破計画において孔の周りの面積を定義するパターン発破域を特定し得る。パターン発破域は、ベンチに配置された発破孔において、利用可能な爆薬品によって適切に破砕されることが可能な面積を表す。パターン発破域を特定することは、切羽高さ、利用可能な爆薬品の比エネルギー及びベンチの地質特性間の関係に基づき得る。最小抵抗線及び間隔計算機334は、パターン発破域に基づいて、発破計画における孔の最小抵抗線及び間隔を特定し得る。ボアホール設計器336は、ボアホール設計詳細を特定し得る。発破検証器338は、発破が特定の基準を満たすか否かを特定し得る。
【0030】
電子メモリ310に記憶されるデータ340は、受信データと、モジュール330又は他のモジュール等の発破設計システム106により生成されたデータとを含み得る。記憶されるデータ340は、1つ又は複数のメモリレジスタ/アドレス、ファイル及び/又はデータベースとして編成され得る。
【0031】
データ340は、ユーザ定義の発破パラメータ342、発破制限344、現場固有データ346及び発破設計348を含み得る。ユーザ定義の発破パラメータ342は、切羽高さ、パターンタイプ(例えば、矩形、互い違い、正方形)及びウェットホール指定を含み得る。発破制限344は、爆薬の重量、発破される材料の重量、発破される材料の体積及び孔数を含み得る。現場固有データ346は、利用可能なドリルの直径、地質データ、利用可能な爆薬品及び地震計情報を含み得る。ユーザ定義の発破パラメータ342、発破制限344及び現場固有データ346は、ユーザによりI/Oインターフェース316を介して入力され得るか、又はネットワークインターフェース314を通して別のデバイスから受信され得る。モジュール330は、入力に基づいて発破設計348を生成し得る。幾つかの実施形態では、データ340は、より最適化された発破設計348を出力するためにモジュール330により使用され得る発破後分析を含み得る。
【0032】
1つ又は複数のプロセッサ312は、任意の計算回路を含み得る。1つ又は複数のプロセッサ312は、汎用プロセッサ及び/又は専用プロセッサを含み得る。ネットワークインターフェース314は、インターネット並びに/又は他の計算ネットワーク及び/若しくは通信ネットワーク等の他の計算デバイス及び/若しくはネットワークとの通信を促進し得る。ネットワークインターフェース314は、従来のネットワーク接続を含み得る。ネットワークインターフェース314は、従来の無線ネットワーク接続技術を備えた無線ネットワークインターフェースであり得る。幾つかの実施形態では、ネットワークインターフェース314は、処理回路(図示せず)が配置されたエリアの消費電力を測定する電流及び電圧センサと通信するために使用され得る。I/Oインターフェース316は、1つ若しくは複数の入力デバイス及び/又は1つ若しくは複数の出力デバイスとのインターフェースを促進し得る。
【0033】
システムバス318は、電子メモリ310、1つ又は複数のプロセッサ312、ネットワークインターフェース314及びI/Oインターフェース316を含め、発破設計システムの他の構成要素間の通信及び/又は対話を促進し得る。
【0034】
理解することができるように、他の実施形態では、処理回路350は、示されるか又は説明されるよりも単純であり得る。例えば、特定の設計は、メモリ、複数のプロセッサ、複数のインターフェース等の1つ又は複数の構成要素なしで済ませ、代わりにベアメタルに近い様式で又はベアメタルで命令を実行し得る(例えば、オペレーティングシステム又は他のソフトウェア層が介在せずに、論理ハードウェアで直接命令を実行する)。
【0035】
図4は、一実施形態による発破設計出力408を生成する方法400のフローチャートを示す。方法400は、
図1及び
図3の発破設計システム106により使用されて、発破設計408を生成し得る。発破設計の計算410を実行するために、発破設計システムは、データ入力の組(例えば、発破特有データ402、発破制限データ404及びロケーションデータ406)を受信する。幾つかの実施形態では、これらの入力は、異なるカテゴリに入る:地質特性、発破エリア特性、ドリル特性、利用可能な製品及び発破制約並びに地震計特性。
【0036】
例えば、図示の実施形態では、発破設計システムは、発破特有データ402、発破制限データ404及びロケーションデータ406を受信する。発破特有データ402は、発破の切羽高さ、所望のパターンタイプ(例えば、正方形、矩形、互い違い)及び孔がウェットであるか否かを含み得る。
【0037】
発破制限データ404は、ユーザが設定する1つ又は複数の制限を含むことができる。例えば、ユーザは、爆薬の重量、材料の重量、材料の体積又は孔数に制限を有し得る。幾つかの実施形態では、発破制限データ404は、発破孔から採鉱場の切羽までの距離を含み得る。
【0038】
図示の実施形態では、ロケーションデータ406は、利用可能なドリルの直径、地質データ、利用可能な爆薬品、地震計データ及び穿孔中の測定から収集される他のパラメータ(ドリルデータ)を含む。
【0039】
地質データは、現場の地質特性、地質特徴及び地質係数を表し得る。地質特性の非限定的な例には、鉱物学(元素及び/又は鉱物)、岩石学的構造(一次、二次及び/又はテクスチャ、孔隙率、硬度、減衰、ヤング率、剪断弾性率、バルク弾性率、ポアソン比、P波速度、S波速度、岩石密度、岩石タイプ、岩石強度、岩石状態、岩石の説明、節理状態、節理角度、節理方位、節理間隔の標準偏差、粘着力、垂直節理間隔、水平節理間隔、一軸圧縮強度(UCS)、音速度、穿孔の標準偏差、衝撃速度、岩石の破壊靱性、岩石の反射率、岩石の引張強度、内部摩擦角、ユゴニオデータ(例えば、Up最小、Up最大、Us最小、Us最大)及び地盤応力(σ1、σ2、σ3、応力方位、傾斜、方向及びロール)がある。「テクスチャ」とは、岩石又は他の材料を形成する連動鉱物結晶のサイズ、形状及び配置を指す。地質データは、脆砕性及び破砕性等の更なる地質特徴の特定に使用され得る。
【0040】
地質特性は、地震計データ、穿孔データ、ドリル切断、コアサンプル又はそれらの組合せ等のソースから直接又は間接的に特定され得る。例えば、ドリル切断及び/又はコアサンプルは、X線又はガンマ線蛍光、走査型電子顕微鏡法及び他の分光技法及び/又は顕微鏡技法を使用して分析され得る。
【0041】
地震計データは、特定の距離における振動要件を含み得る。幾つかの実施形態では、地質特性は、地震計データにより特定され得る。例えば、処理回路は、発生源(例えば、ドリル又は試験電荷)における地震振動と、1つ又は複数の受振器における地震振動とを比較し得る。地震振動の少なくとも遅延、周波数及び振幅に基づいて、プロセッサ回路は、地質特性(例えば、破砕性、複合密度、組成、岩石インピーダンス、硬度値、ヤング率、剪断歪み又は他のそのような特性)を特定し得る。
【0042】
ドリルデータは、連続ベース又は1フィート単位等の増分ベースの情報を含み得る。穿孔データは、ドリルビットサイズ、ドリルビット回転速度、ドリルビットトルク、掘進速度、ビット振動、プルダウン圧、ベーリング空気圧、孔の場所、孔数及び孔の長さ又は深さを含み得る。穿孔データは、発破孔の長さに沿った地質特性に相関し得る。したがって、穿孔データを使用して、発破孔の長さに沿った硬度値(すなわち硬度プロファイル)を生成することができる。
【0043】
幾つかの実施形態では、発破設計システムは、データ入力又は追加の情報の組のサブセットを受信し得る。例えば、あらゆる計算が振動チェックを使用するわけではない。したがって、減衰及び地震計データは、任意選択的な入力であり得る。
【0044】
幾つかの実施形態では、発破特有データ402は、所望の破砕を含み得る。例えば、発破特有データ402は、所望の平均破断サイズを含み得る。
【0045】
発破設計システムは、発破設計408の計算410にデータ入力の組を使用する。計算410は、パターン発破域を特定すること412、最小抵抗線及び間隔を特定すること414、ボアホールの構造を特定すること416並びに制限を満たすために必要な孔数を特定すること432を含む。計算410は、発破設計が特定の基準を満たすか否かを特定するための発破有効性チェックも含む。例えば、図示の実施形態では、有効性チェックは、エネルギーチェック420、最小抵抗線剛性チェック422及び振動チェック424を含む。
【0046】
幾つかの実施形態では、発破設計システムは、所望の破砕性、所望の岩石堆積又は他のユーザ定義パラメータ若しくは地理的パラメータに基づいて、発破孔から切羽までの距離を特定し得る。
【0047】
パターン発破域412を特定するとき、発破設計システムは、発破設計408における孔の周りの面積を定義する。パターン発破域値は、最小抵抗線と間隔との積であり、換言すれば、あらゆる孔の周りの推奨面積を表す。パターン発破域は、幾つかの要因(例えば、地質、製品及び孔直径)を考慮に入れ、結果は、プロセスにおける他の全ての計算に影響する。パターン発破域は、ベンチに配置された発破孔において、利用可能な爆薬品によって適切に破砕されることが可能な面積を表す。パターン発破域を特定することは、切羽高さ、利用可能な爆薬品の比エネルギー及びベンチの地質特性間の関係に基づき得る。
【0048】
パターン発破域は、地質特性に基づく第1の係数と、利用可能な製品の比エネルギーに基づく第2の係数との積であり得る。例えば、比エネルギーは、ANFO(例えば、94%ポーラスプリル硝酸アンモニウム及び6%燃料油)と、利用可能な爆薬品(例えば、利用可能な爆薬品の相対バルク強度(RBS))との相関であり得、第3の係数は、利用可能な爆薬品の直径に基づき得る。
【0049】
幾つかの実施形態では、発破設計システムは、第1の地質係数に、切羽高さの発破孔高さの被除数を利用可能な製品の直径(又は製品がバルク爆薬である場合には発破孔直径)で除した自然対数を乗じる結果を計算することにより、第1の係数を計算する。結果は、第2の地質係数で減じることができる。1つ又は複数のデッキが存在する場合、1つ又は複数のデッキ及び/又は発破孔の上部又は下部(端部)との間の距離を、切羽孔の部分のパターン発破域を計算するための切羽高さとして使用することができる。したがって、第1の係数は、
【数1】
であり得る。
【0050】
地質係数又は地質定数(すなわちA及びB)は、地質特性を発破孔の幾何学的特性と相関付ける経験的変数を含み得る。式1は、先の発破の特定のベンチ材料の適切な破砕をもたらした先の発破からの先の発破データに経験的に適合する地質学的定数を有する方程式に、切羽高さと利用可能な爆薬品の直径との比率を変数として使用して、使用する爆薬品のタイプ又は使用する爆薬品の量を特定する。先の発破データは、何れのタイプの爆薬品を使用すべきか又は使用すべき爆薬品の量の特定に使用することもできる。先の発破データは、先の発破で爆薬をボアホールに装薬するために使用された現場機器からの実際の爆薬装薬データを含む。現場機器は、発破孔に自動的に装薬する機器を含み得る。先の発破データは、パターン発破域、最小抵抗線、間隔、爆薬品の実際の質量及び/又は発破孔に装薬される爆薬品の体積を含み得る。この例では、式は、一次多項式を含み、例えば、表1は、地質係数例を含む。地質係数は、線形関係を有し得る。幾つかの実施形態では、地質係数は、発破孔の高さ及び深さの自然対数と地質特性との間の関係であり得る。
【0051】
【0052】
幾つかの実施形態では、発破設計システムは、補正係数を比エネルギーに加算することにより、第2の係数を計算する。第2の係数は、特定量未満にも制限され得る。例えば、第2の係数は、
【数2】
であり得る。
【0053】
RBSは、この計算例に使用される比エネルギーである。RBSは、157.7でスケーリングされて、RBS値をスケーリングすることができる。式2において、第2の係数は、1.2以下に制限することができる。
【0054】
幾つかの実施形態では、発破設計システムは、孔の直径測定値を所望の間隔単位にする測定単位係数で直径を除すことにより、第3の係数を計算する。その結果生成された被除数を二乗することができる。例えば、第3の係数は、
【数3】
であり得る。
【0055】
したがって、パターン発破域は、
【数4】
であり得る。
【0056】
先に提供された式及び表1は、帝国版であった。以下に示すように、同様の式は、メートル単位系に使用することもできる。式5及び表2は、メートル単位系を使用することができる場合に使用することができる。
【数5】
【0057】
【0058】
パターン発破域を使用して、最小抵抗線及び間隔414を特定し、エネルギーチェック420を実行することができる。最小抵抗線及び間隔は、パターン発破域の長さ及び幅を表し、選択された発破形状又はパターン及び地質に基づいて可変である。例えば、最小抵抗線は、パターン発破域の平方根に、発破現場の地質特性からの岩級及び所望の発破パターンタイプの形状から導出される定数を乗じることにより特定され得る。式6及び表3は、最小抵抗線の特定に使用され得る式及び定数の一例を提供する。
【数6】
【0059】
式6において、Cは、発破現場の地質特性からの岩級及び所望の発破パターンタイプの形状から導出される定数である。表3は、正方形及び矩形でのCの値の例を含む。
【0060】
【0061】
発破設計システムは、以下に示すように、パターン発破域を最小抵抗線で除すことにより間隔を計算することができる。
【数7】
【0062】
幾つかの実施形態では、最小抵抗線及び間隔は、最も近い0.5フィート(メートルでは0.1m)増分に丸めることができる。
【0063】
幾つかの実施形態では、発破設計システムは、間隔及び最小抵抗線を特定した後、制約チェックを実行する。例えば、帝国単位で正方形又は矩形パターンの場合、発破設計システムは、孔間の距離が、使用される孔の直径の1.5倍よりも大きいか否かを特定し得る。幾つかの実施形態では、間隔が1.5倍未満である場合、チェックは、失敗し、現在の発破設計は、有効ではなく、それから先の計算に進むべきではない。互い違いパターンの場合、チェックは、
【数8】
であり得る。メートル単位が使用される場合、1.5は、0.018で置換され得る。
【0064】
発破設計システムは、エネルギーチェック420を実行して、生成された発破が標的範囲内のエネルギーを有するか否かを特定し得る。カラム中の爆薬の質量を特定するために、発破設計システムは、式8を使用し得る。
【数9】
【0065】
次に、爆薬の質量エネルギーを、式9に示されるように特定し得る。
【数10】
【0066】
発破設計システムは、式10に示されるように、最小エネルギー質量域値及び最大エネルギー質量域値と突き合わせて発破の質量エネルギーをチェックし得る。
エネルギー質量lower<質量エネルギー<エネルギー質量upper 式10
【0067】
幾つかの実施形態では、発破設計システムは、発破の質量エネルギーが、式11に記載されるパラメータ内であることをチェックすることもできる。
【数11】
【0068】
発破の質量エネルギーが何れの標的範囲内でもない場合、現在の発破設計は、有効ではなく、発破設計システムは、残りのプロセスに進む必要がない。
【0069】
最小抵抗線及び間隔は、最小抵抗線剛性チェック422及びボアホール詳細の計算416に使用される。ボアホール詳細416は、1つのボアホールの構造を記述する。ボアホールのサブドリル深さを見つけるために、発破設計システムは、最小抵抗線に0.3を乗じ得る。トップステミングは、最小抵抗線に0.7を乗じることにより特定され得る。係数0.7は、チェックされる孔に対して変更することができる。粉末カラムは、発破孔の深さからトップステミングを減じることにより特定され得る。
【0070】
発破設計システムは、最小抵抗線及び間隔を使用して最小抵抗線剛性チェック422を実行することもできる。最小抵抗線剛性は、以下に示されるように、孔の高さを最小抵抗線で除したものであり得る。
【数12】
【0071】
発破設計システムは、最小抵抗線剛性を最小抵抗線剛性最小域値と比較する。一実施形態では、最小抵抗線剛性最小域値は、2である。幾つかの実施形態では、最小抵抗線剛性が2未満である場合、発破設計システムは、計算の進行を止めることができる。幾つかの実施形態では、発破設計システムは、発破設計の生成を続けることができ、最小抵抗線剛性チェックにより、最小抵抗線剛性が最小抵抗線剛性最小域値未満になると結論付けられた場合、ユーザにフラグを投げることができる。
【0072】
発破設計システムは、振動チェック424を完了して、生成された発破設計が地震計制約に合格することを確認し得る。振動チェック424は、8ミリ秒時間枠で発破することができる爆薬の最大量がどのようなものであるかをチェックすることができる。爆薬の最大質量限度を使用して、発破設計システムは、最大質量限度を超えたか否かをチェックし得る。例えば、
【数13】
であり、式中、αは、アルファ係数であり、デフォルトは、1.6である。Kは、地質特性に基づく定数である。表4は、例示的なK値を示す。
【0073】
【0074】
発破設計システムは、発破制限データ404を満たすために必要な孔の数を特定し得る。幾つかの実施形態では、任意選択的な発破制限データ404からの4つの制限の1つの入力を発破設計システムにより計算し得る。ユーザが何れの制限を入力するかに応じて、計算プロセスは、異なる計算を実行する。各計算の最終結果は、同じであるべきである。最終結果は、所与の制限を満たすのに必要な孔の数である。何れの入力が提供されるかに応じて、以下の4つの式の1つが使用される。以下の式の結果は、最も近い整数に丸められて、発破制限データ404を満たす孔の数を見つけることができる。
【0075】
発破制限データ404が爆薬の総重量である場合、発破設計システムは、式13を使用することができる。
【数14】
【0076】
発破制限データ404が岩石の総体積である場合、発破設計システムは、式14を使用することができる。
ボアホールから発破する岩石の体積=最小抵抗線*間隔*切羽高さ 式14
【0077】
発破制限データ404が発破する岩石の体積である場合、発破設計システムは、式15を使用することができる。
【数15】
【0078】
発破制限データ404が発破する岩石の総重量である場合、発破設計システムは、式16を使用することができる。
【数16】
【0079】
発破制限データ404が孔の数である場合、この発破制限データが使用される。
【0080】
発破設計システムは、メトリック評価430を実行して、ユーザに提示する目的で有用な統計学的データを特定し得る。一実施形態では、発破設計システムは、メトリック評価430中、以下の係数を特定し得る。
【数17】
ドリル総長=孔の数*(切羽高さ+サブドリル) 式18
【0081】
発破設計システムは、発破設計408を出力し得る。発破計画は、最小抵抗線及び間隔、ボアホール詳細、予測振動力率、孔の数、パターン詳細、ドリル長、発破する材料の体積、爆薬の重量及び/又は発破する材料の重量を含む。
【0082】
幾つかの実施形態では、パターン発破域を特定することは、ベンチの地質特性に特有である、利用可能な爆薬品の直径に対する切羽高さの幾何学的関係を計算して、生のパターン発破域を特定することを含む。幾つかの実施形態では、発破設計システムは、利用可能な爆薬品の比エネルギーと、式の生成に使用された先の発破データの元である先の発破で使用された爆薬品の比エネルギーとの間の差に基づいて、生のパターン発破域を調節する。幾つかの実施形態では、発破設計システムは、利用可能な爆薬品の体積に基づいて生のパターン発破域を調節する。
【0083】
幾つかの実施形態では、発破設計システムは、受信された発破データの複数の順列を含むデータセットを生成することにより、発破設計の最適化を実行し得る(
図5を参照されたい)。発破設計システムは、複数の順列の各々について発破をシミュレートして、複数のシミュレーション結果を特定し、且つ発破計画を最高スコアシミュレーション結果に基づかせ得る。幾つかの実施形態では、発破設計システムは、デブリの画像の発破後分析を実行し、デブリのサイズ及び場所に基づいて将来の発破計画を調整し得る。
【0084】
幾つかの実施形態では、発破設計システムは、シミュレーションの順列内のエマルション爆薬の密度を変更して、各発破孔の最適なエネルギープロファイルを特定し得る。例えば、発破設計システムは、異なる地質特性を有する発破孔内のセグメントを特定し得る。複数の順列は、異なる爆薬密度、発破孔での製品及び/又は発破孔内のセグメントを含み得る。幾つかの実施形態では、複数の順列は、異なる地質特性を有する発破孔内のセグメント内の異なる密度のエマルション爆薬又は硝安油剤(ANFO)を含み得る。
【0085】
幾つかの実施形態では、発破設計システムは、破砕予測を出力し得る。例えば、過去の発破に基づいて、発破設計システムは、発破サイズを予測し、且つその予測をユーザに提供し得る。
【0086】
図5~
図13は、複数の可能な順列の複数のシミュレーションを実行することにより、発破設計を生成する種々の態様を示す。
図5~
図13に記載されるように、複数の順列を使用して発破設計を生成することは、
図1及び
図3の発破設計システム106により使用され得る。
【0087】
図5は、一実施形態による、複数の可能な順列の複数のシミュレーションを実行することにより、発破設計を生成する方法500のフローチャートを示す。方法は、独立して解くことができる問題として順列のシミュレーションを実行する。
【0088】
この方法500を実行する発破設計システムは、発破データをユーザから受信する502。発破データは、発破現場の寸法、発破現場の地質及び利用可能な爆薬のタイプ並びに/又は他のデータ入力(例えば、
図4の発破特有データ402、発破制限データ404及びロケーションデータ406)を含み得る。発破設計システムは、受信された発破データから複数の可能な発破設計順列のデータセットを生成する504。発破設計システムは、複数の順列の発破をシミュレートして、複数のシミュレーション結果を特定する506。シミュレーションは、複数の機械、プロセッサ、コア又はスレッドで並列実行されて、効率を改善し得る。
【0089】
シミュレーション結果は、記憶され507、スコア付けられ、比較される508。設計システムは、最高スコアシミュレーション結果に基づいて発破計画を生成し得、結果をユーザに提示し得る510。発破計画は、穿孔される発破孔の場所並びに使用される爆薬のタイプ及び量を識別する。幾つかの実施形態では、発破計画は、コスト、デッキ数、孔数、最小抵抗線剛性比率及び振動スコアの1つ又は複数に基づいてスコア付けされ得る。
【0090】
図6は、発破データからの複数の順列のデータセットを生成する方法600の一例を示す(例えば、
図5のデータセットを生成すること504を参照されたい)。この方法600を実行する発破設計システムは、発破データの可能な順列を識別する602。例えば、発破設計システムは、利用可能な孔の直径、選択された製品及びデッキ数を使用して、可能な順列を識別し得る。発破設計システムは、各順列の記録を生成し604、各順列の記録を結合して、データセットを生成する606。
【0091】
例えば、発破データは、最大で3つのデッキがあり、2つの孔直径が利用可能であり(例えば、89mm及び102mm)、選択された製品がDynomix pouredであることの指示を含み得る。この例では、発破設計セットアップは、発破データの全順列の組に低減される。例えば、デフォルト製品がない場合、順列は、
[孔直径=89mm,製品=dynomix poured,孔構成=1]
[孔直径=89mm,製品=dynomix poured,孔構成=2]
[孔直径=89mm,製品=dynomix poured,孔構成=3]
[孔直径=102mm,製品=dynomix poured,孔構成=1]
[孔直径=102mm,製品=dynomix poured,孔構成=2]
[孔直径=102mm,製品=dynomix poured,孔構成=3]
を含む。
【0092】
順列の総数は、式18を用いて計算することができる。この特定の例では、6つの可能な順列がある。
タスク数=(選択された製品+デフォルト製品)*|孔直径|*デッキの最大数 式18
【0093】
幾つかの実施形態では、順列は、発破孔のセグメント内の異なる密度の爆薬品を含むこともできる。例えば、発破孔は、様々な硬度プロファイルを有し得、順列は、特定の密度の爆薬品を、同様の硬度値を有する発破孔のセグメントに適用し、第2の密度の爆薬品を、異なる硬度値を有する発破孔のセグメントに適用し、第3の密度の爆薬品を、更に異なる硬度値を有する発破孔のセグメントに適用し得る等である。
【0094】
図7は、データセットの順列をシミュレートする方法700の一例を示す(例えば、
図5のシミュレーションを実行すること506を参照されたい)。この方法700を実行する発破設計システムは、発破レベル詳細を生成する702。これは、パターン発破域、最小抵抗線及び間隔を含む。図示の実施形態では、発破設計システムは、最小抵抗線及び間隔の孔レベル詳細も生成する704。発破設計システムは、有効性チェックを実行して、発破設計が有効な発破の標的基準を満たすか否かを特定し得る706。次に、方法は、有効な発破の特性を計算し得る708。これらのステップの更に詳細を以下の図に提供する。
【0095】
図8A及び
図8Bは、発破レベル詳細を生成する方法800を示す(例えば、
図7の発破レベル詳細を生成すること702を参照されたい)。方法800は、所与の入力から潜在的な発破設計解決策を生成する。発破設計システムは、直径、製品、デッキ数から各順列及び地震計の遅延当たりの質量ポンドを計算し802、最も低い地震計及び最も厳しい遅延当たりの質量ポンドからの順列を識別し得る804。
【0096】
発破設計システムは、初期パターン発破域を計算する806。これは、
図4を参照して説明したように、式4及び表1又は式5及び表2を使用して行われ得る。発破設計システムは、初期パターン発破域から初期最小抵抗線及び間隔を計算する807。初期最小抵抗線は、式6及び表3を使用して計算され得、間隔は、
図4を参照して説明したように、式7を使用して特定され得る。
【0097】
発破設計システムは、初期最小抵抗線及び間隔が発破現場の長さ及び幅以下であるか否かを特定する808。初期最小抵抗線及び間隔が発破現場の長さ及び幅を超える場合、可能な解決策はなく、方法は、終了する。初期最小抵抗線及び間隔が発破現場の長さ及び幅以下である場合、方法は、継続し、最小最小抵抗線及び間隔を計算し810、ここで、
【数18】
は、最小抵抗線未満であり、最小抵抗線は、初期間隔未満である。
【0098】
発破設計システムは、初期最小抵抗線を丸め得る812。例えば、発破設計システムは、初期最小抵抗線を小数点1又はフィート単位では0.5に丸め得る。
【0099】
発破設計システムは、新しい発破設計を計算する814。新しいパターン発破域=優先距離*非優先距離。優先距離は、ユーザがよりよい適合を望むのが発破の長さであるか又は発破の幅であるかに応じて、最小抵抗線又は間隔であり得る。例えば、優先距離が最小抵抗線である場合、非優先距離は、間隔になる。
【0100】
発破設計システムは、新しいパターン発破域が標的範囲内であるか否かをチェックし816、範囲は、パターン発破域*0.9<新しいパターン発破域<PattF*1.1である。新しいパターン発破域が標的範囲内にない場合、発破設計システムは、
図9に説明されるように、適合する優先距離を見つけようとする822。新しいパターン発破域が標的範囲内にない場合、発破設計システムは、優先距離が完全に適合する(例えば、発破の長さ又は幅が優先距離に等しい)か否かをチェックする818。
【0101】
優先距離が完全には適合しない場合、発破設計システムは、
図9に説明されるように適合する優先距離を見つけようとする822。優先距離が完全に適合する場合、発破設計システムは、新しい付加及び間隔を最終結果リストに添付し820、次に適合する他の有線距離を見つけようとする822。発破設計システムは、最良適合から最悪適合まで順序付けられた近似結果をソートする824。
【0102】
図8Bでは、発破設計システムは、近似結果リストを通して反復し826、現在の結果から優先距離を選択する。発破設計システムは、潜在的な最小抵抗線及び間隔構成を近似結果リストから選ぶ。発破設計システムは、サイジングルールに従って潜在的な最小抵抗線及び近似間隔を選択し、調べる830。発破設計システムは、初期パターン発破域及び潜在的な優先距離から最大非優先距離及び最小非優先距離を計算する832。発破設計システムは、式19及び式20に基づいて最大及び最小非優先距離を計算し得る。
間隔≦最小抵抗線≦1.4*最小抵抗線 式19
最小抵抗線≦間隔≦1.4*距離 式20
【0103】
発破設計システムは、非優先距離を0.1(又はフィートが使用される場合には0.5)だけ進める834。進めた後、発破設計システムは、潜在的な非優先距離<最大非優先距離であるか否かをチェックする836。潜在的な非優先距離が標的域未満でない場合、発破設計システムは、現在の結果から次男優先距離を選択する828。潜在的な非優先距離が標的域値未満である場合、発破設計システムは、優先距離*潜在的な非優先距離に等しい新しいパターン発破域を計算する838。発破設計システムは、新しいパターン発破域が標的範囲内であるか否かをチェックして調べる840。例えば、標的範囲は、最小PattF<新しいPattF<最大PattFであり得る。新しいパターン発破域が標的範囲内である場合、新しいパターン発破域結果は、結果の最終リストに添付される842。新しいパターン発破域が標的範囲にない場合、発破設計システムは、潜在的な非優先距離にステップを追加する844。
【0104】
発破設計システムは、全ての優先距離が試行されたか否かをチェックして調べる846。全てが試行されたわけではない場合、発破設計システムは、現在の結果から次の優先距離を選択する828。全ての優先距離が試行された場合、発破設計システムは、最良適合について最終結果リストをソートし848(例えば、残りが最小のものが最初)、発破設計は、
図10に説明されるような孔レベル詳細を生成する方法を実行する。
【0105】
図9は、発破現場に適合する優先距離を見つけようとする902ために発破設計システムが使用し得る方法900である。この方法では、発破設計システムは、優先距離(例えば、最小抵抗線又は間隔)への最適適合を見つけようとする。最適適合は、オーバーフロー又はアンダーフローが最小である(すなわち残りがゼロに近づくか又はゼロに等しい)ことを意味する。例えば、幅50mを有する発破現場では、最小抵抗線が5mである場合、5m離間された10個の孔=50mであるため、残りはない。別の例として、4.9mの最小抵抗線は、10個の孔の場合、アンダーフロー1mの残りを生じさせるか、又は11個の孔の場合、オーバーフロー3.0mを生じさせる。
【0106】
発破設計システムは、最小最小抵抗線及を丸め904、ステップ(例えば、メートルの場合には0.1、フィートの場合には0.5)を生成し得る906。丸められた最小抵抗線は、最小抵抗線にステップを加えることにより調整される908。発破設計システムは、丸められた最小抵抗線が標的範囲内であるか否か、特に最小最小抵抗線よりも大きく且つ最大最小抵抗線未満であるか否かをチェックする910。丸められた最小抵抗線が範囲内にない場合、発破設計システムは、
図8Aに戻り、適合する優先距離を見つけようとする。丸められた最小抵抗線が範囲内である場合、発破設計システムは、最小抵抗線を使用して現場計画の長さの残りを特定する912。例えば、発破幅が50mであり、最小抵抗線が5mである場合、10個の孔*5m=50であるため、残りはない。別の例では、最小抵抗線が4.9mであり、発破幅が50mのままである場合、10個の孔の場合、アンダーフロー1mの残りがあるか、又は11個の孔の場合、オーバーフロー3.9mがある。システムは、残り及び最小抵抗線を近似結果リストに添付する914。
【0107】
図10は、所与の最小抵抗線及び間隔での孔レベル詳細(例えば、デッキ構成、サブドリル、トップステミング、インターステミング及び粉末カラム長)を生成する方法1000を示す。粉末カラム長は、爆薬が充填される発破孔の部分の長さである。方法1000を使用する発破設計システムは、潜在的な最小抵抗線及び間隔を通して反復し1002、優先距離、非優先距離、パターン発破域及び残りを調べる。発破設計システムは、潜在的な全ての最小抵抗線及び間隔が使用されたか否かを特定する1004。発破設計システムは、潜在的な最小抵抗線及び間隔リストから次の項目を選択する1006。システムは、最小抵抗線及び間隔が発破エリアに大きすぎないことをチェックし1008、粉末カラム長、サブドリル並びにトップステミング及びインターステミングを計算する。
【0108】
発破設計システムは、デッキを構築し1010、爆薬の質量を計算し得る。発破設計システムは、以下の基準に基づいてデッキを構築し得る1010。トップデッキ及びインターデッキは、同じ粉末カラム及び爆薬質量を有する。インターデッキ及びボトムデッキは、同じ高さを有し得る(ボトムデッキの高さは、サブドリルを含まない)。ボトムデッキは、サブドリルにより異なる質量の爆薬を有し得る。トップデッキは、トップステミングにより異なる高さを有する。
【0109】
図11は、計画された発破設計の有効性をテストする方法1100を示す。方法1100を使用する発破設計システムは、一連の有効性チェックを実行し得る。例えば、発破設計システムは、エネルギー及び質量チェック、体積当たりのエネルギーチェック及び最小抵抗線-剛性チェックを実行し得る。
【0110】
エネルギー及び質量チェックでは、発破設計システムは、デッキの爆薬の質量が遅延当たりの主要地震計質量ポンド未満であり、且つデッキ当たりの質量当たりの最小エネルギーチェックがデッキエネルギー未満であり、デッキエネルギーがデッキ当たりの質量当たりの最大エネルギーチェック未満であるか否かをチェックして調べる1104。デッキエネルギー計算は、
【数19】
であり得る。
【0111】
体積当たりのエネルギーチェックを使用して、体積当たりの最小エネルギーがデッキエネルギー未満であり、デッキエネルギーが体積当たりの最大エネルギー未満であるか否かをチェックし得る1106。
【0112】
体積当たりのエネルギーが発破設計内である場合、解決策は、潜在的な解決策リストに追加される1108。発破設計システムは、全てのデッキからの最小抵抗線対剛性比を計算し1110、孔の最悪の最小抵抗線対剛性比を有する結果を返す。最小抵抗線-剛性チェックを使用して、最小抵抗線剛性比>2であるか否かを特定し得る。
【0113】
図12は、有効な設計の特定の特性を計算する方法1200を示す。方法1200は、計画された発破設計の有効性をテストする。発破設計システムは、主要振動を計算する1202。幾つかの実施形態では、
【数20】
であり、式中、「a」は、常に正であり得る(例えば、a=1.6)。発破設計システムは、孔数を計算し1204、爆薬の総重量を計算し1206、材料の総重量を計算し、材料の体積を計算し、発破された岩石の滝席を計算し1208、粉末係数を計算し1201、ドリル総長を計算し1212、ステミングの体積を計算し1214、結果を返す1216。
【0114】
図13は、振動によりフィッティングされた曲線を有する、振動に基づいてスコア付けられた発破計画結果のグラフ1300を示す。最良スコア1306、1312並びにOKスコア1308、1310及び1314がある。幾つかの実施形態では、最高スコアが選択されず、最高振動の80%1304の点におけるスコアが選択される。発破設計システムがグラフ1300と同様の多項式に従って振動結果をフィッティングすることを達成するために、結果が多項式に従ってフィッティングされると、スコアは、y軸上にある。発破計画結果をスコア付けするために、発破設計システムは、以下の方法の1つに基づいてスコア付けし得る:1)デッキの数が最小、2)孔数が最小、3)最小抵抗線剛性比、又は4)振動スコア。最初の3つの方法は、選択された基準により結果をソートする。
【0115】
図14は、最小抵抗線及び間隔を編集する方法1400を示す。幾つかの実施形態では、ユーザは、この方法を使用して、最小抵抗線及び間隔を編集することが可能であり得る。ユーザは、所望の最小抵抗線及び/又は間隔を入力し得る。
【0116】
例えば、この方法1400は、
図8A~
図9に概説された方法を使用して特定された最小抵抗線及び間隔を編集するために使用され得る。最小抵抗線及び間隔は、発破設計を生成するステップとして計算されるため、これらのパラメータを調整するには、発破設計を生成する方法の部分実行が必要であり得る(例えば、
図7では、方法は、所与の最小抵抗線及び間隔での孔レベル詳細を生成し704、有効性チェックを実行し706(例えば、エネルギーチェック、最小抵抗線剛性チェック及び振動チェック)、有効な発破の特性(例えば、爆薬の重量、材料の重量、材料の体積、孔数、破砕サイズ)を計算し得る708)。
【0117】
この方法1400を使用するシステムは、パターン発破域がロックされるか否かをチェックする1402。パターン発破域のロックは、最小抵抗線又は間隔が編集された後、パターン発破域が同じままであることを示す。パターン発破域がロックされる場合、システムは、最小抵抗線又は間隔の何れか一方を示す入力を受信する1412。間隔が入力される場合、システムは、間隔に基づいて最小抵抗線を計算する1414。最小抵抗線が入力される場合、システムは、最小抵抗線に基づいて間隔を計算する1416。パターン発破域がロックされない場合、システムは、最小抵抗線及び間隔を示す入力を受信し1404、パターン発破域を出力する1406。
【0118】
システムは、パターン発破域チェックを更に実行し得る1408。例えば、システムは、パターン発破域が元のパターン発破域以上の大きさであり、且つ元のパターン発破域の110%以下であることをチェックし得る。
【0119】
システムは、パターン比率チェックを更に実行し得る1410。例えば、システムは、間隔≧1.5×孔直径であり、且つ間隔≦1.5×最小抵抗線であることをチェックし得る。
【0120】
本明細書に開示された例及び実施形態は、単なる説明及び例示として解釈されるべきであり、決して本開示の範囲の限定として解釈されるべきではない。本明細書における開示の基本原理から逸脱せずに、上記の実施形態の詳細に対する変更形態がなされ得ることは、本開示の利益を受ける当業者に明かであろう。