(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置
(51)【国際特許分類】
H04N 23/661 20230101AFI20241209BHJP
H04N 5/77 20060101ALI20241209BHJP
H04N 5/92 20060101ALI20241209BHJP
H04N 23/45 20230101ALI20241209BHJP
【FI】
H04N23/661
H04N5/77
H04N5/92 010
H04N23/45
(21)【出願番号】P 2024038498
(22)【出願日】2024-03-12
【審査請求日】2024-04-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390021751
【氏名又は名称】株式会社ナックイメージテクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100102749
【氏名又は名称】澤木 紀一
(72)【発明者】
【氏名】林 光雄
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 拓
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-184540(JP,A)
【文献】特開2007-248436(JP,A)
【文献】特開2009-276140(JP,A)
【文献】特開2021-064903(JP,A)
【文献】特開2021-106328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/45
H04N 23/661
H04N 5/77
H04N 5/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定された露光タイミングで、順次、露光して、対象となる映像を撮像するイメージャー部と、録画メモリと、トリガ信号の入力により、上記イメージャー部により撮像された、所定の画像をデジタルデータの画像フレームとして、上記録画メモリに録画させる録画部と、タイマーを有すると共に、各種演算を行うシステム制御部とよりなる複数の高速度カメラと、
同期用信号を設定し、該設定された同期用信号を上記各高速度カメラに送信する同期用信号設定手段とよりなり、
上記システム制御部は、カメラ同期手段を有し、
該カメラ同期手段は、
上記タイマーを、外部からの定期的なタイミングで送られてくる現在時刻信号に基づいて、同期させ、現在時刻を生成すると共に、該現在時刻に基づき、上記露光タイミングを決定する現在時刻生成手段と、
上記同期用信号設定手段から同期用信号を受け付ける同期用信号受付手段と、
該同期用信号受付手段により受けた同期用信号
に、上記現在時刻生成手段から取得される現在時刻が到達したと判定される場合に、その際の上記画像フレームに上記同期用信号を関連付けるフレーム関連付け手段とよりなることを特徴とする複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項2】
上記同期用信号を設定し、該設定された同期用信号を上記各高速度カメラに送信する同期用信号設定手段は、
上記各高速度カメラの録画部に、トリガ信号を送る時刻を設定し、該設定されたトリガ時刻を上記各高速度カメラに送信するトリガ時刻設定手段であり、
上記カメラ同期手段は、トリガフレーム同期手段であり、
上記同期用信号設定手段から同期用信号を受け付ける同期用信号受付手段は、
上記トリガ時刻設定手段からトリガ時刻を受け付けるトリガ時刻受付手段であり、
該同期用信号受付手段により受けた同期用信号
に、上記現在時刻生成手段から取得される現在時刻が到達したと判定される場合に、その際の上記画像フレームに上記同期用信号を関連付けるフレーム関連付け手段は、
上記トリガ時刻受付手段により受けたトリガ時刻
に、上記現在時刻生成手段から取得される現在時刻が到達したと判定される場合に、その際の上記画像フレームに上記トリガ時刻を関連付ける
フレーム関連付け手段であることを特徴とする請求項1に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項3】
上記フレーム関連付け手段は、
上記画像フレームの現在時刻が、上記トリガ時刻受付手段から取得したトリガ時刻に到達したか否かを判定し、到達したと判定した場合に、その画像フレームを、トリガ時刻における画像フレームと設定し、上記録画部にトリガ信号を送信すると共に、該画像フレームに基づいた所定の画像フレームを設定し、この所定の画像フレームを各高速度カメラにおいて合わせることにより、該各高速度カメラを同期させる手段であることを特徴とする請求項2に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項4】
上記画像フレームに基づいた所定の画像フレームを各高速度カメラにおいて合わせることにより、該各高速度カメラを同期させるとは、
各カメラのトリガ時刻における画像フレームを所定の画像フレームとして、それぞれ一致させることを特徴とする請求項3に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項5】
上記画像フレームに基づいた所定の画像フレームを各高速度カメラにおいて合わせることにより、該各高速度カメラを同期させるとは、
上記各カメラのフレーム関連付け手段に、上記各カメラのトリガ時刻における画像フレームから、所定の関係を有する画像フレームを設定する画像フレーム設定部を設けて、該画像フレーム設定部により設定された所定の画像フレームを一致させることを特徴とする請求項3に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項6】
上記所定の画像フレームは、上記各カメラにトリガ信号が入力された時の画像フレームのイベントフレームであることを特徴とする請求項3に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項7】
上記トリガ時刻は、上記トリガ時刻設定手段がトリガ信号を受け入れた時より、先の時刻に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項8】
上記トリガ時刻は、録画を終了させる時の画像フレームの時刻に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項9】
上記トリガ時刻は、録画を終了させる時の画像フレームの時刻に設定され、
上記各高速度カメラの上記フレーム関連付け手段に設けた画像フレーム設定部は、上記トリガ時刻における画像フレームから、トリガ信号が入力された時の画像フレームであるイベントフレームを演算し、このイベントフレームを一致させることにより各高速度カメラを同期させることを特徴とする請求項2に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項10】
上記各カメラに入力されるトリガ時刻は一致していることを特徴とする請求項2に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項11】
上記各カメラのトリガ時刻は、上記各カメラ毎に設定された露光タイミング、又は/及び、録画メモリに録画を残させる画像フレーム数にそれぞれ対応して設定されることを特徴とする請求項2に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項12】
上記トリガ時刻は、上記各カメラの該トリガ時刻が設定される上記各画像フレームの開始時刻よりも遅く、かつ、終了時刻よりも早い時刻となるように設定される事を特徴とする請求項2に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項13】
上記各カメラ毎に設定された録画速度が異なり、画像フレームの開始時刻が合わされて各カメラの画像フレームが同期したカメラの場合には、更に、上記トリガ時刻が設定される、最も録画速度の遅いカメラの画像フレームの開始時刻に、0よりも大きく、最も録画速度の速いカメラの周期(1/録画速度)よりも短い時間を加算した時刻となるように、上記トリガ時刻が設定されることを特徴とする請求項12に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項14】
上記各カメラ毎に設定された録画速度が異なり、画像フレームの終了時刻が合わされて各カメラの画像フレームが同期したカメラの場合には、更に、上記トリガ時刻が設定される、最も画像速度の遅いカメラの画像フレームの終了時刻に、0よりも大きく、最も録画速度の速いカメラの周期(1/録画速度)よりも短い時間を減算した時刻となるように、上記トリガ時刻が設定されることを特徴とする請求項12に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項15】
上記現在時刻信号は、上記各高速度カメラにそれぞれ、電子デバイスを介在することなく、電気信号ケーブルで連結された、互いに無線で同期するように構成された無線時刻同期機器から取得されることを特徴とする請求項1に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項16】
上記トリガ時刻受付手段は、TCP/IPプロトコルによる通信形式による通信手段によりトリガ時刻を受け付けることを特徴とする請求項2に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項17】
上記TCP/IPプロトコルによる通信形式による通信手段は、Wi-Fi規格によるデータ通信であることを特徴とする請求項16に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項18】
上記TCP/IPプロトコルによる通信形式による通信手段は、Ethernet規格によるデータ通信であることを特徴とする請求項16に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項19】
上記複数の高速度カメラのうち、少なくとも1の高速度カメラのトリガ時刻受付手段により受け付けたトリガ時刻を、他の高速度カメラのトリガ時刻受付手段に送信する機器に送信する手段を更に有することを特徴とする請求項2に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項20】
上記複数の高速度カメラのうち、少なくとも1の高速度カメラのトリガ時刻受付手段により受け付けたトリガ時刻を、他の高速度カメラのトリガ時刻受付手段に、有線、又は、無線で送信する手段を更に有することを特徴とする請求項2に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項21】
上記トリガ時刻設定手段は、上記各高速度カメラとは別体の機器に設けられ、該トリガ時刻設定手段により生成されたトリガ時刻を、各高速度カメラに、有線、又は、無線により、送信することを特徴とする請求項2に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項22】
上記トリガ時刻設定手段は、上記複数の高速度カメラのうち、少なくとも1の高速度カメラに設けられ、
該トリガ時刻設定手段により生成されたトリガ時刻を、上記少なくとも1の高速度カメラのトリガ時刻受付手段に通知すると共に、他の高速度カメラのトリガ時刻受付手段に送信することを特徴とする請求項2に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項23】
上記トリガ時刻設定手段により生成されるトリガ時刻は、上記少なくとも1の高速度カメラに入力された、トリガ信号に基づき、生成されることを特徴とする請求項22に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項24】
上記トリガ信号は、トリガ発生器により生成され、
該生成された信号は、上記トリガ発生器に設けられたTCP/IPプロトコルによる通信形式による通信手段により、上記トリガ時刻設定手段に送信されることを特徴とする請求項23に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項25】
上記トリガ信号は、トリガ発生器の電気信号入力部により生成され、
該生成された信号は、上記電気信号入力部から、電子デバイスを介在せずに、電気信号ケーブルにより上記トリガ時刻設定手段に送信されることを特徴とする請求項23に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項26】
上記システム制御部は、設定された所定の露光タイミングで、順次、録画メモリに記録された画像フレームに、順番に番号を付けていくシーケンス番号設定部を有し、
上記同期用信号を設定し、該設定された同期用信号を上記各高速度カメラに送信する同期用信号設定手段は、
上記各高速度カメラのシーケンス番号を所定の番号に設定するシーケンス番号一致時刻を設定(生成)し、必要な各高速度カメラに送信するシーケンス番号一致時刻設定手段と、
トリガ信号が送信されるべき画像フレームに対応するトリガ用シーケンス番号を生成し、送信するトリガ用シーケンス番号送信手段とによりなり、
上記カメラ同期手段は、シーケンス番号同期手段であり、
上記同期用信号設定手段から同期用信号を受け付ける同期用信号受付手段は、
上記シーケンス番号一致時刻設定手段からシーケンス番号一致時刻を受取るシーケンス番号一致時刻受取手段と、
上記トリガ用シーケンス番号送信手段からトリガ用シーケンス番号を受取るトリガ用シーケンス番号受取手段とよりなり、
該同期用信号受付手段により受けた同期用信号
に、上記現在時刻生成手段から取得される現在時刻が到達したと判定される場合に、その際の上記画像フレームに上記同期用信号を関連付けるフレーム関連付け手段は、
上記シーケンス番号一致時刻受付手段により受けたシーケンス番号一致時刻
に、上記現在時刻生成手段が生成した現在時刻が到達したと判定される場合に、各高速度カメラのシーケンス番号を、シーケンス番号一致部により、所定の値に設定して、各高速度カメラのシーケンス番号を一致させて、そして、上記各高速度カメラのシーケンス番号が、上記トリガ用シーケンス番号受付手段により受け付けたトリガ用シーケンス番号
に到達したと判定される場合に、その際の上記画像フレームに上記トリガ用シーケンス番号を関連付けるフレーム関連付け手段とよりなることを特徴とする請求項1に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項27】
上記フレーム関連付け手段は、
上記現在時刻生成手段が生成した現在時刻が、上記シーケンス番号一致時刻受付手段から取得したシーケンス番号一致時刻に到達したか否かを判定し、到達したと判定した場合に、各高速度カメラのシーケンス番号を、シーケンス番号一致部により、所定の値に設定して、各高速度カメラのシーケンス番号を一致させて、そして、上記各高速度カメラのシーケンス番号が、上記トリガ用シーケンス番号受付手段により受け付けたトリガ用シーケンス番号に到達した時に、その際の画像フレームを、トリガ用シーケンス番号における画像フレームと設定し、上記録画部にトリガ信号を送信すると共に、このトリガ用シーケンス番号における画像フレームを合わせることにより、該各カメラを同期させる手段であることを特徴とする請求項26に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【請求項28】
上記各カメラの露光タイミングが異なる場合には、各カメラに、各同一時刻で同じシーケンス番号となるように修正するシーケンス番号修正部を設けることを特徴とする請求項26、又は、請求項27に記載の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の高速度カメラで同期撮影するための、複数のデジタル式の高速度カメラからなる同期カメラ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
(一般的なデジタル式高速度カメラの構成の説明)
【0003】
図22は、一般的なデジタル式高速度カメラの構成を示す。該デジタル式高速度カメラ1は、カメラ本体2と写真レンズ3等からなる。なお、カメラによっては、写真レンズ3はなく、他の光学系を用いたものなどもある。
【0004】
そして、上記カメラ本体2は、設定された露光タイミング(周期)で、順次、露光して、対象となる映像を撮像するイメージセンサー等からなるイメージャー部4と、例えば、リングバッファ状に録画するように形成された、DRAMなどからなる録画メモリ5と、上記イメージャー部4により撮像された画像をデジタルデータの画像フレームとして、上記録画メモリ5に順次、録画させると共に、後述するトリガ信号の入力により、所定数の画像フレームを録画した時に、上記録画メモリ5への録画を停止して、上書きを停止することにより、上記録画メモリ5に、所定の画像フレームの映像を残させる録画部6と、時刻を管理するタイマーや、CPU、および、その動作に関するRAMやソフトウェアが含まれるROM等を有する、各種演算記憶を行う、又は、行わせるシステム制御部7と、DSPやGPU等からなる画像処理部8と、外部信号を入出力するための入出力部9と、カメラ本体2に電源を供給するための電源部10とを含む。
【0005】
なお、
図22において、上記イメージャー部4、録画部6、画像処理部8、入出力部9、電源部10等と、上記システム制御部7とは、別体として記載している。しかし、上記イメージャー部4、録画部6、画像処理部8、入出力部9、電源部10等の一部、又は、全部が、上記システム制御部7の一部を構成してもよい。
【0006】
(録画部6による録画メモリ5への録画方法の説明)
【0007】
上記従来の、メモリに記録されるデジタル式高速度カメラにおいては、上記リングバッファ状の録画メモリ5は、その記憶領域の最初から、順次、画像フレームが書き込まれていき、最後まで書き込まれた場合には、即座に、該記憶領域の最初から、順次、上書きされて画像フレームが書き込まれるようになり、そして、録画が停止するまで、この上書きが繰り替えされるように形成される。
【0008】
そして、例えば、上記録画部6により、上記録画メモリ5に、リングバッファ状に、設定された所定の露光タイミング(周期)で順次、露光して、撮像されデジタルデータ化した画像を書き込んでいき、上記周期の画像フレームが順次録画されていくようになる。
【0009】
そして、上記録画部6には、トリガ信号入力により、録画を停止して、上書きを停止することにより、上記録画メモリ5に録画を残させる画像フレーム数を予め設定した録画画像フレーム数設定部が設けられている。
【0010】
そして、該録画画像フレーム数設定部により、上記録画部6は、該録画部6にトリガ信号の入力があった時から、予め設定された所定数の画像を書き込んだ後に、書き込みを停止して、上記録画メモリ5の上書きを停止する。これにより、上記トリガ入力時の前後の必要数の画像フレームの記録が残るように構成される。
【0011】
例えば、
図23に示すように、上記トリガ信号入力時の前後の、予め設定した所定数(例えば、トリガ前が100フレーム、トリガ後(この例の場合は、トリガ後に、トリガ入力時におけるトリガフレームを含む)が100フレーム)の書き込まれた画像を、連続した画像フレームとして、上記録画メモリ5に記録する一般的な高速度撮影機能(以下、通常記録)がある。
【0012】
なお、トリガ前、トリガ後の表現において、トリガフレームを、どちらに含めても良く、又は、いずれにも含まずに、該トリガフレームを基準にして、トリガ前、トリガ後とする場合もある。
【0013】
なお、上記録画画像フレーム数設定部により、上記トリガ信号入力時の前、又は、後の、予め設定した所定数が、トリガフレームを除いて0と設定される場合もある。
【0014】
(CPUトリガ信号の説明)
【0015】
そして、上記カメラ1の入出力部9のTRIG INコネクタと、入力方法(信号極性等)が適正で、電気信号の遅延を無視できる電気信号入力部によりトリガ信号を発生させるトリガ発生器の電気信号入力部とを、非同期となる電子デバイスを介在することなく、直接、電気信号ケーブルでつなぐ。そして、上記トリガ発生器で生成されたトリガ信号を、上記電気信号ケーブルを介して、上記録画部6に入力する方法がある。しかし、高速度カメラ内部のシステム制御部7が生成したトリガ(以下、「CPUトリガ」という)を、上記録画部6に入力することも可能である。
【0016】
なお、上記電気信号ケーブルとしては、例えば、BNC(Bayonet Neill Concelman)ケーブルや、同軸ケーブルがある。
【0017】
上記CPUトリガ方法によれば、例えば、無線LAN(Wi-Fi)や有線LAN(Ethernet)等によるTCP/IP(UDPも含む。以下、同じ。)プロトコルなどによる通信形式で、カメラとトリガ発生器の通信用電子デバイスとを接続する。そして、上記トリガ発生器からのトリガ信号を受信した高速度カメラが上記CPUトリガを生成して、この生成されたCPUトリガを上記録画部6に入力するもので、簡易的なトリガ信号入力方法として用いられている。
【0018】
なお、上記トリガ発生器の通信電子デバイスには、例えば、接点入力(接点スイッチ)や、絶縁入力(フォトカプラによるカレントループ)等の入力方法(信号極性等)が適正で、電気信号の遅延を無視できる電気信号入力部によりトリガ信号を発生させるトリガ発生器と、例えば、リモコン装置など、制御デバイスによりトリガ信号を発生させるトリガ発生器がある。
【0019】
(各カメラの同期撮影の説明)
【0020】
また、複数台のデジタル式高速度カメラで同期撮影する際には、まず、各カメラの時間軸を正確に合わせる必要がある。そのために、例えば、各カメラ間を、なるべく、非同期となる電子デバイスを介在しないようにする必要がある。そのために、通信手段に非同期の電子デバイスが介在しないように、BNCケーブルや同軸ケーブルなどに代表される電気信号ケーブルで接続する必要がある。
【0021】
即ち、上記カメラ間を、通信のための非同期の電子デバイスを介在しないように、上記電気信号ケーブルで接続する。例えば、各カメラ間に、TCP/IP(UDPも含む)プロトコルなどによる通信形式に変換するための非同期の電子デバイスを介在しないようにする。これにより、複数の非同期の電子デバイスを介在することによる伝達遅延を少なくして、各カメラの時間軸を合わせることができるようになる。
【0022】
そして、上記時間軸に合わせて所定の露光タイミング(周期)で各カメラが露光することにより、各カメラの画像フレームを同期させる。そして、各高速度カメラのトリガ信号が入力された画像フレーム(以下、トリガフレーム)を同じにすることで、各カメラの同期撮影が可能となる。
【0023】
なお、上記カメラの画像フレームを同期させるとは、例えば、上記各カメラの同期した時間軸に合わせて、上記所定の露光タイミングで露光し、そして、例えば、この露光の露光開始時刻、又は、露光終了時刻を基準に上記画像フレームの境界(即ち、画像フレームの開始時刻や終了時刻)が設定され、そして該各画像フレームの境界(即ち、画像フレームの開始時刻、又は、終了時刻)を一致させる場合などがある。
【0024】
上記トリガフレームを同じにする方法としては、例えば、
図24に示すように、各高速度カメラの画像フレームが同期された各画像フレームの終了時刻において、トリガ信号があったかどうかを判定するようにする。そして、トリガ信号があったと検出された時に、その画像フレームを、トリガ信号があった時のトリガフレームと判断するようにする。これにより、各カメラのトリガフレームを一致させることができ、複数のカメラの同時撮影が可能になる。
【0025】
なお、例えば、一般の高速度ビデオカメラとしては、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
(トリガ信号を録画部6に同時に入力することが難しい理由の説明)
【0028】
上記CPUトリガを使用して、複数台のデジタル式高速度カメラの同期撮影をするには、各カメラ1の録画部6に、同時にCPUトリガを入力する必要がある。しかしながら、CPUを含むシステム制御部7は、カメラの画像フレームと同期していないので、各カメラの録画部6に、CPUトリガを同じタイミングで入力することが保証できない。そのため、各カメラのトリガフレームを一致させることができなかった。
【0029】
また、複数台のカメラのトリガフレームを一致させるためには、外部からトリガ信号を同時に各カメラに入力する必要がある。しかしながら、各カメラとトリガ発生器との接続を、無線LAN(Wi-Fi)や有線LAN(Ethernet)等によるTCP/IPプロトコルによる通信形式を利用した場合には、各カメラの録画部6が同時に、信号を受信する保証がない。
【0030】
また、上記の場合、カメラとトリガ発生器との間に、通信のためのTCP/IP(UDPも含む)プロトコルなどによる通信形式に変換するための非同期となる複数の電子デバイスが介在するため、遅延が無視できなくなり、各カメラの同期が難しくなる。
【0031】
(トリガ信号を録画部6に同時に入力する方法の説明)
【0032】
そのため、各カメラが同時に信号を受信できるように、各カメラとトリガ発生器とを、通信のためのTCP/IPプロトコルによる通信形式等に変換するための電子デバイスなどをなるべく介在しないように、例えば、BNCケーブルや、同軸ケーブルなどの電気信号ケーブルを配線しなければならない。
【0033】
また、上述したように、複数台のカメラの時間軸の同期をとるために、各カメラのカメラ間を同期信号で接続する必要があるので、時間軸同期用の電気信号ケーブルも配線する必要がある。
【0034】
(ケーブルでつないだ場合の欠点の説明)
【0035】
このため、例えば、
図25に示すように、各カメラ1と、上記電気信号入力部よりトリガ信号を発生させるトリガ発生器11とを、トリガ信号用の電気信号ケーブル12でつなぎ、また、各カメラ1と、時刻信号送信装置13とを、時刻同期信号の電気信号ケーブル14を接続する必要がある。そのため、ケーブル配線が煩雑になる。
【0036】
また、カメラ間の接続やカメラと同期システムとの接続にケーブルなどの物理配線を用いると、カメラの設置場所や移動範囲が制限されるため、運用可能な用途を狭めることとなる。
【0037】
本発明は、上記の欠点を除くようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0038】
本発明の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置は、設定された露光タイミングで、順次、露光して、対象となる映像を撮像するイメージャー部と、録画メモリと、トリガ信号の入力により、上記イメージャー部により撮像された、所定の画像をデジタルデータの画像フレームとして、上記録画メモリに録画させる録画部と、タイマーを有すると共に、各種演算を行うシステム制御部とよりなる複数の高速度カメラと、同期用信号を設定し、該設定された同期用信号を上記各高速度カメラに送信する同期用信号設定手段とよりなり、上記システム制御部は、カメラ同期手段を有し、該カメラ同期手段は、上記タイマーを、外部からの定期的なタイミングで送られてくる現在時刻信号に基づいて、同期させ、現在時刻を生成すると共に、該現在時刻に基づき、上記露光タイミングを決定する現在時刻生成手段と、上記同期用信号設定手段から同期用信号を受け付ける同期用信号受付手段と、該同期用信号受付手段により受けた同期用信号に、上記現在時刻生成手段から取得される現在時刻が到達したと判定される場合に、その際の上記画像フレームに上記同期用信号を関連付けるフレーム関連付け手段とよりなることを特徴とする。
【0039】
また、上記同期用信号を設定し、該設定された同期用信号を上記各高速度カメラに送信する同期用信号設定手段は、上記各高速度カメラの録画部に、トリガ信号を送る時刻を設定し、該設定されたトリガ時刻を上記各高速度カメラに送信するトリガ時刻設定手段であり、上記カメラ同期手段は、トリガフレーム同期手段であり、上記同期用信号設定手段から同期用信号を受け付ける同期用信号受付手段は、上記トリガ時刻設定手段からトリガ時刻を受け付けるトリガ時刻受付手段であり、該同期用信号受付手段により受けた同期用信号に、上記現在時刻生成手段から取得される現在時刻が到達したと判定される場合に、その際の上記画像フレームに上記同期用信号を関連付けるフレーム関連付け手段は、上記トリガ時刻受付手段により受けたトリガ時刻に、上記現在時刻生成手段から取得される現在時刻が到達したと判定される場合に、その際の上記画像フレームに上記トリガ時刻を関連付けるフレーム関連付け手段であることを特徴とする。
【0040】
また、上記フレーム関連付け手段は、上記画像フレームの現在時刻が、上記トリガ時刻受付手段から取得したトリガ時刻に到達したか否かを判定し、到達したと判定した場合に、その画像フレームを、トリガ時刻における画像フレームと設定し、上記録画部にトリガ信号を送信すると共に、該画像フレームに基づいた所定の画像フレームを設定し、この所定の画像フレームを各高速度カメラにおいて合わせることにより、該各高速度カメラを同期させる手段であることを特徴とする。
【0041】
また、上記画像フレームに基づいた所定の画像フレームを各高速度カメラにおいて合わせることにより、該各高速度カメラを同期させるとは、各カメラのトリガ時刻における画像フレームを所定の画像フレームとして、それぞれ一致させることを特徴とする。
【0042】
また、上記画像フレームに基づいた所定の画像フレームを各高速度カメラにおいて合わせることにより、該各高速度カメラを同期させるとは、上記各カメラのフレーム関連付け手段に、上記各カメラのトリガ時刻における画像フレームから、所定の関係を有する画像フレームを設定する画像フレーム設定部を設けて、該画像フレーム設定部により設定された所定の画像フレームを一致させることを特徴とする。
【0043】
また、上記所定の画像フレームは、上記各カメラにトリガ信号が入力された時の画像フレームのイベントフレームであることを特徴とする。
【0044】
また、上記トリガ時刻は、上記トリガ時刻設定手段がトリガ信号を受け入れた時より、先の時刻に設定されていることを特徴とする。
【0045】
また、上記トリガ時刻は、録画を終了させる時の画像フレームの時刻に設定されていることを特徴とする。
【0046】
また、上記トリガ時刻は、録画を終了させる時の画像フレームの時刻に設定され、上記各高速度カメラの上記フレーム関連付け手段に設けた画像フレーム設定部は、上記トリガ時刻における画像フレームから、トリガ信号が入力された時の画像フレームであるイベントフレームを演算し、このイベントフレームを一致させることにより各高速度カメラを同期させることを特徴とする。
【0047】
また、上記各カメラに入力されるトリガ時刻は一致していることを特徴とする。
【0048】
また、上記各カメラのトリガ時刻は、上記各カメラ毎に設定された露光タイミング、又は/及び、録画メモリに録画を残させる画像フレーム数にそれぞれ対応して設定されることを特徴とする。
【0049】
また、上記トリガ時刻は、上記各カメラの該トリガ時刻が設定される上記各画像フレームの開始時刻よりも遅く、かつ、終了時刻よりも早い時刻となるように設定される事を特徴とする。
【0050】
また、上記各カメラ毎に設定された録画速度が異なり、画像フレームの開始時刻が合わされて各カメラの画像フレームが同期したカメラの場合には、更に、上記トリガ時刻が設定される、最も録画速度の遅いカメラの画像フレームの開始時刻に、0よりも大きく、最も録画速度の速いカメラの周期(1/録画速度)よりも短い時間を加算した時刻となるように、上記トリガ時刻が設定されることを特徴とする。
【0051】
また、上記各カメラ毎に設定された録画速度が異なり、画像フレームの終了時刻が合わされて各カメラの画像フレームが同期したカメラの場合には、更に、上記トリガ時刻が設定される、最も画像速度の遅いカメラの画像フレームの終了時刻に、0よりも大きく、最も録画速度の速いカメラの周期(1/録画速度)よりも短い時間を減算した時刻となるように、上記トリガ時刻が設定されることを特徴とする。
【0052】
また、上記現在時刻信号は、上記各高速度カメラにそれぞれ、電子デバイスを介在することなく、電気信号ケーブルで連結された、互いに無線で同期するように構成された無線時刻同期機器から取得されることを特徴とする。
【0053】
また、上記トリガ時刻受付手段は、TCP/IPプロトコルによる通信形式による通信手段によりトリガ時刻を受け付けることを特徴とする。
【0054】
また、上記TCP/IPプロトコルによる通信形式による通信手段は、Wi-Fi規格によるデータ通信であることを特徴とする。
【0055】
また、上記TCP/IPプロトコルによる通信形式による通信手段は、Ethernet規格によるデータ通信であることを特徴とする。
【0056】
また、上記複数の高速度カメラのうち、少なくとも1の高速度カメラのトリガ時刻受付手段により受け付けたトリガ時刻を、他の高速度カメラのトリガ時刻受付手段に送信する機器に送信する手段を更に有することを特徴とする。
【0057】
また、上記複数の高速度カメラのうち、少なくとも1の高速度カメラのトリガ時刻受付手段により受け付けたトリガ時刻を、他の高速度カメラのトリガ時刻受付手段に、有線、又は、無線で送信する手段を更に有することを特徴とする。
【0058】
また、上記トリガ時刻設定手段は、上記各高速度カメラとは別体の機器に設けられ、該トリガ時刻設定手段により生成されたトリガ時刻を、各高速度カメラに、有線、又は、無線により、送信することを特徴とする。
【0059】
また、上記トリガ時刻設定手段は、上記複数の高速度カメラのうち、少なくとも1の高速度カメラに設けられ、該トリガ時刻設定手段により生成されたトリガ時刻を、上記少なくとも1の高速度カメラのトリガ時刻受付手段に通知すると共に、他の高速度カメラのトリガ時刻受付手段に送信することを特徴とする。
【0060】
また、上記トリガ時刻設定手段により生成されるトリガ時刻は、上記少なくとも1の高速度カメラに入力された、トリガ信号に基づき、生成されることを特徴とする。
【0061】
また、上記トリガ信号は、トリガ発生器により生成され、該生成された信号は、上記トリガ発生器に設けられたTCP/IPプロトコルによる通信形式による通信手段により、上記トリガ時刻設定手段に送信されることを特徴とする。
【0062】
また、上記トリガ信号は、トリガ発生器の電気信号入力部により生成され、該生成された信号は、上記電気信号入力部から、電子デバイスを介在せずに、電気信号ケーブルにより上記トリガ時刻設定手段に送信されることを特徴とする。
【0063】
また、上記システム制御部は、設定された所定の露光タイミングで、順次、録画メモリに記録された画像フレームに、順番に番号を付けていくシーケンス番号設定部を有し、上記同期用信号を設定し、該設定された同期用信号を上記各高速度カメラに送信する同期用信号設定手段は、上記各高速度カメラのシーケンス番号を所定の番号に設定するシーケンス番号一致時刻を設定(生成)し、必要な各高速度カメラに送信するシーケンス番号一致時刻設定手段と、トリガ信号が送信されるべき画像フレームに対応するトリガ用シーケンス番号を生成し、送信するトリガ用シーケンス番号送信手段とによりなり、上記カメラ同期手段は、シーケンス番号同期手段であり、上記同期用信号設定手段から同期用信号を受け付ける同期用信号受付手段は、上記シーケンス番号一致時刻設定手段からシーケンス番号一致時刻を受取るシーケンス番号一致時刻受取手段と、上記トリガ用シーケンス番号送信手段からトリガ用シーケンス番号を受取るトリガ用シーケンス番号受取手段とよりなり、該同期用信号受付手段により受けた同期用信号に、上記現在時刻生成手段から取得される現在時刻が到達したと判定される場合に、その際の上記画像フレームに上記同期用信号を関連付けるフレーム関連付け手段は、上記シーケンス番号一致時刻受付手段により受けたシーケンス番号一致時刻に、上記現在時刻生成手段が生成した現在時刻が到達したと判定される場合に、各高速度カメラのシーケンス番号を、シーケンス番号一致部により、所定の値に設定して、各高速度カメラのシーケンス番号を一致させて、そして、上記各高速度カメラのシーケンス番号が、上記トリガ用シーケンス番号受付手段により受け付けたトリガ用シーケンス番号に到達したと判定される場合に、その際の上記画像フレームに上記トリガ用シーケンス番号を関連付けるフレーム関連付け手段とよりなることを特徴とする。
【0064】
また、上記フレーム関連付け手段は、上記現在時刻生成手段が生成した現在時刻が、上記シーケンス番号一致時刻受付手段から取得したシーケンス番号一致時刻に到達したか否かを判定し、到達したと判定した場合に、各高速度カメラのシーケンス番号を、シーケンス番号一致部により、所定の値に設定して、各高速度カメラのシーケンス番号を一致させて、そして、上記各高速度カメラのシーケンス番号が、上記トリガ用シーケンス番号受付手段により受け付けたトリガ用シーケンス番号に到達した時に、その際の画像フレームを、トリガ用シーケンス番号における画像フレームと設定し、上記録画部にトリガ信号を送信すると共に、このトリガ用シーケンス番号における画像フレームを合わせることにより、該各カメラを同期させる手段であることを特徴とする。
【0065】
また、上記各カメラの露光タイミングが異なる場合には、各カメラに、各同一時刻で同じシーケンス番号となるように修正するシーケンス番号修正部を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0066】
本発明によれば、各カメラに、外部からの信号の入力タイミングが異なっていても、同じトリガ時刻情報やシーケンス番号一致時刻等を入力することで、各カメラのトリガフレームを合わせることが可能になる。これにより、各カメラへのトリガ信号等のケーブル配線が不要になる。
【0067】
また、従来の汎用的な無線時刻同期機器と併用し、複数台のカメラの時刻同期を無線化することで、時刻情報に基づくCPUトリガ等と無線時刻同期機器との組み合わせにより、複数台のカメラ間の接続やカメラと同期システムとの接続といった物理的な配線を一切なくし、カメラを自由に移動させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【
図1】本発明の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置の説明用構成図である。
【
図2】本発明の時刻信号から1Hzを生成し、位相同期回路による等分割での高速度撮影を示す説明図である。
【
図3】本発明の高速度カメラの説明用構成図である。
【
図4】本発明の高速度カメラの時刻同期の説明図である。
【
図5】本発明の高速度カメラのトリガ時刻設定手段の接続方法の説明図である。
【
図6】本発明の高速度カメラのトリガ時刻設定手段の他の接続方法の説明図である。
【
図7】本発明の高速度カメラのトリガ時刻設定手段の更に他の接続方法の説明図である。
【
図8】本発明の高速度カメラのトリガ時刻設定手段の更に他の接続方法の説明図である。
【
図9】本発明のトリガ時刻の設定方法の説明図である。
【
図10】本発明のトリガ時刻設定の手法1の説明図である。
【
図11】本発明のトリガ時刻設定の手法2の説明図である。
【
図12】本発明のトリガ時刻設定の手法2の他の説明図である。
【
図13】本発明のトリガ時刻設定の手法3の説明図である。
【
図14】本発明のトリガ時刻設定の手法3の他の例の説明図である。
【
図15】本発明のトリガ時刻の設定方法の他の例の説明図である。
【
図16】本発明のトリガ時刻の設定方法の更に他の例の説明図である。
【
図17】従来手法と本発明による新手法とのフローの比較を示す図である。
【
図18】本発明の第2の実施例のシーケンス番号により同期させる方法の説明図である。
【
図19】本発明の第2の実施例のシーケンス番号により同期させる方法の説明図である。
【
図20】本発明の第2の実施例のシーケンス番号により同期させる方法の説明図である。
【
図21】本発明の第2の実施例のシーケンス番号により同期させる方法の説明図である。
【
図22】従来の高速度カメラの説明用構成図である。
【
図23】トリガ入力により、トリガ前の100フレーム、トリガ後(トリガフレームを含む)の100フレームを録画した説明図である。
【
図24】カメラ1とカメラ2とを同期させたフレームで、トリガ入力により画像フレームを合わせる説明図である。
【
図25】従来の高速度カメラの説明用構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
以下、本発明の高速度カメラに係る好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の高速度カメラは、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。
【0070】
また、下記で用いる「同時」や「同期」の意味は、厳密の同時、同期ではなく、本発明の趣旨に合致する、画像フレームを同期させるのに支障がない範囲の誤差を含む概念である。
【0071】
なお、上記従来例の説明と同じ部分には、同じ符号を付け、説明を省略する。
【実施例1】
【0072】
図1は、本発明の一実施形態に係る高速度カメラの構成を示し説明する。
【0073】
(本発明の全体構成の説明)
【0074】
本発明の高速度カメラは、
図1に示すように、上記従来の各高速度カメラのシステム制御部7に、カメラ同期手段を設けると共に、上記各カメラ1とは異なる別途のタブレット等の機器に、又は、1のカメラ1(親カメラ1a)に、同期用信号を設定(生成)し、必要な各高速度カメラ1に送信する、同期用信号設定手段を設ける。
【0075】
なお、上記1のカメラ1(親カメラ1a)は複数設けてもよい。
【0076】
そして、本発明の第1の実施例においては、上記カメラ同期手段を、トリガフレーム同期手段15により構成し、また、上記同期用信号を設定(生成)し、必要な各高速度カメラ1に送信する同期用信号設定手段を、各高速度カメラにトリガ信号を送るトリガ時刻を設定(生成)し、必要な各高速度カメラ1に送信する、トリガ時刻設定手段16により構成する。
【0077】
即ち、本発明の第1の実施例においては、まず、各カメラのタイマーの現在時刻を同期させ、各カメラの時間軸を合わせ、そして、該時間軸に合わせて所定の露光タイミング(周期)で露光することにより、各カメラの画像フレームを同期させる。そして、上記トリガ時刻設定手段16が、同一のトリガ時刻を、各高速度カメラに送信して、各高速度カメラが、上記トリガ時刻に達した時に、それぞれトリガ信号を、各高速度カメラの録画部に送信するようにして、各カメラの所定の画像フレームを合わせることで、各カメラを同期させるようにする。
【0078】
そして、上記トリガフレーム同期手段15は、上記システム制御部7のタイマーを、各高速度カメラ以外の時刻信号送信装置13等の外部からの定期的な低分解能のタイミングで送られてくる高精度の現在時刻信号(タイムコード)に同期させ、更に、該現在時刻信号に基づき、所定の時間を等間隔に分割して、高分解能の現在時刻を生成する現在時刻生成手段17と、該現在時刻生成手段17により、該等間隔に分割した現在時刻に基づいて設定された露光タイミング(周期)に従って、画像を撮像するための露光信号を生成する露光信号生成手段18と、上記トリガ時刻を、受付けるトリガ時刻受付手段19と、該トリガ時刻受付手段19により受けたトリガ時刻の同期用信号を、上記露光信号生成手段18による露光により撮像され録画された所定の画像フレームに関連付けるフレーム関連付け手段20とよりなる。
【0079】
そして、該フレーム関連付け手段20は、上記現在時刻生成手段17が生成した現在時刻が、上記トリガ時刻受付手段19から取得したトリガ時刻に到達したか否かを判定し、到達したと判定した場合に、その際の画像フレームを、トリガ時刻における画像フレームと設定し、上記録画部6にトリガ信号を送信すると共に、このトリガ時刻における画像フレームに基づいた所定の画像フレームを設定し、この所定の画像フレームを各カメラにおいて合わせることにより、各カメラ1を同期させる手段からなる。
【0080】
なお、該トリガ時刻における画像フレームに基づいた所定の画像フレームとしては、例えば、各カメラ1のトリガ時刻における画像フレームがあり、該画像フレームをそれぞれ一致させて、各カメラ1を同期させる場合がある。
なお、該トリガ時刻における画像フレームとしては、例えば、トリガ信号を受け入れた時の現在時刻より、少し先の時刻における画像フレームや、録画を終了させる時の最終録画時における画像フレームがある。
【0081】
また、上記トリガ時刻における画像フレームに基づいた所定の画像フレームとしては、例えば、上記各カメラ1のフレーム関連付け手段20に、上記設定されたトリガ時刻における画像フレームから、所定の関係を有する画像フレーム(例えば、トリガ時刻の画像フレームが、最終録画時における画像フレームの場合、トリガ信号が入力された時のイベントフレーム)を設定する画像フレーム設定部を設けて、この設定された所定の画像フレーム(例えば、上記の例の場合は、イベントフレーム)があり、該画像フレームをそれぞれ一致させることにより、各カメラ1を同期させる場合もある。
【0082】
(現在時刻生成手段17の説明)
【0083】
即ち、例えば、
図3に示すように、時刻信号(タイムコード)を送信する時刻信号送信機器13と、上記各カメラ1とは、伝達遅延を少なくするために、通信手段において、なるべく電子デバイスを介在しないように、例えば、BNCや同軸ケーブル等に代表される電気信号ケーブル14により接続される。そして、上記各カメラ1のシステム制御部7は、上記電気信号ケーブル14を介して、上記時刻信号送信機器13から、低分解能であるが、高精度である時刻信号を、定期的に受信する。
【0084】
なお、例えば、上記1のカメラ1(親カメラ1a)と時刻信号送信機器13とを、電子デバイスを介在しないように上記電気信号ケーブル14で接続し、そして、上記電気信号ケーブル14を信号分配器で分配して、他の各カメラ1(子カメラ1b)に接続するようにしてもよい。
【0085】
そして、上記各カメラ1は、上記時刻信号に同期し、上記現在時刻生成手段17により、現在の時刻を生成するようにし、これにより、各カメラ1が、現在時刻に同期するようになる。
【0086】
また、上記現在時刻生成手段17により、時刻信号を定期的に受信したタイミング間(例えば、1秒)を設定する。そして、例えば、
図2に示すように、上記現在時刻生成手段17に設けた位相同期回路(PLL:Phase Locked Loop)等により、上記タイミング間(例えば、1秒)を、等分割(例えば、1000等分)する。これにより、高分解能で、高精度の時刻を生成できるようになる。
【0087】
なお、複数の機器を同期させる一般的なタイムコードの規格としてはIRIG-BやLTC等がある。なお、これらのタイムコードは高速度撮影を満たすようなフレームレートを持つものではないが、その一方で位相のずれは小さい傾向にあり、すなわち機器間の同期精度は高い傾向にある。
【0088】
また、各カメラ1と上記時刻信号送信機器13とを、
図3のように、直接、上記電気信号ケーブル14で接続する以外に、例えば、
図4に示すように、各カメラ1にそれぞれ、通信手段において、伝達遅延を少なくするために、なるべく電子デバイスを介在しないように、例えば、BNCや同軸ケーブル等に代表される電気信号ケーブル21aで無線時刻同期機器21を連結する。そして、該各無線時刻同期機器21において互いに無線で同期するようにする。そして、互いに無線同期した上記各無線時刻同期機器21から、それぞれ対応するカメラ1に、時刻信号(タイムコード)を送信するようにして、上記各カメラ1を同期させるようにしてもよい。
【0089】
(露光信号生成手段18の説明)
【0090】
次に、上記露光信号生成手段18により、上記現在時刻に基づいた、上記等間隔(例えば、1ミリ秒間隔)毎の露光タイミングにより、露光信号が生成され、この露光信号によって、順次、画像を撮影し、高速度撮影が実現される。
【0091】
上記露光信号のタイミング(周期)は、所定の時間に設定される。例えば、1秒を1000等分した場合には、1ミリ秒間隔となり、該1ミリ秒間隔で、上記露光信号が発せられて、上記イメージャー部4が露光して、撮像されて、該周期の各画像フレームが生成されるようになる。なお、上記露光時間は、上記周期と同じとみなせる時間となるように設定される以外に、上記周期より短く設定される場合もある。
【0092】
そして、上記現在時刻に合わせて所定の露光タイミング(周期)で各カメラが露光することにより、各カメラの画像フレームが同期するようになる。
なお、上記カメラの画像フレームを同期させるとは、例えば、上記各カメラの同期した時間軸に合わせて、上記所定の露光タイミングで露光し、そして、例えば、この露光の露光開始時刻、又は、露光終了時刻を基準に上記画像フレームの境界(即ち、画像フレームの開始時刻や終了時刻)が設定され、そして該各画像フレームの境界(即ち、画像フレームの開始時刻、又は、終了時刻)を一致させる場合などがある。
【0093】
(トリガ時刻受付手段19の説明)
【0094】
次に、例えば、
図1、
図3に示すように、後述する上記トリガ時刻設定手段16より生成されたトリガ時刻を、例えば、無線等のTCP/IPプロトコルによる通信形式等のトリガ時刻送信手段より送信(A)し、上記各カメラ1の上記トリガ時刻受付手段19により、受信(A)するようになる。
【0095】
なお、図中、Aとは、トリガ時刻の通信を示す。
【0096】
なお、
図3は、各カメラ1とは異なる、別途のタブレット等かなる機器22に、トリガ時刻設定手段16が設けられた例を示す。
【0097】
この例においては、トリガ発生器からのトリガ信号を受け付けた上記機器22が、トリガ時刻設定手段16により、上記トリガ時刻を生成し、この生成された時刻信号が、各カメラ1に送信(A)されて、上記各カメラ1の上記トリガ時刻受付手段19が受信(A)するようになる。
【0098】
また、
図5は、トリガ時刻を各カメラに送信する、他の方法を示す。なお、該
図5中、時刻同期手段は省略する。
【0099】
上記
図5に示すように、1のカメラ1(親カメラ1a)のシステム制御部7が、上記トリガ時刻設定手段16を有する例である。
【0100】
この例においては、例えば、上記リモコン装置など、制御デバイスによりトリガ信号を発生させるトリガ発生器23等が操作されて、トリガ信号を生成し、上記トリガ発生器23に設けられたTCP/IPプロトコルによる通信形式による送信手段により、上記親カメラ1aのトリガ時刻設定手段16に送信(B)される。
【0101】
なお、図中、Bとは、トリガ信号の通信を示す。
【0102】
そして、該トリガ信号を受信(B)した上記トリガ時刻設定手段16が、トリガ時刻を生成する。そして、該トリガ時刻設定手段16により生成されたトリガ時刻を、上記1のカメラ1(親カメラ1a)のトリガ時刻受付手段19(なお、この場合、上記フレーム関連付け手段20の機能の一部が、トリガ時刻受付手段19を構成する場合もある)に通知すると共に、上記トリガ時刻送信手段により、他のカメラ1(子カメラ1b)に、有線24、又は、無線で、送信するようにしてもよい。
【0103】
なお、上記有線には、電気信号ケーブル及び通信ケーブルの双方を含む。また、上記通信ケーブルとしては、例えば、ネットワークケーブル、LANケーブル、シリアルケーブルがある。
【0104】
また、上記トリガ時刻設定手段16は、上記1のカメラ1a以外に、他の複数のカメラ1に設けられてもよい。
【0105】
なお、上記親カメラ1aと上記トリガ発生器23を、上記TCP/IPプロトコルによる通信形式による送信手段により接続する代わりに、
図6に示すように、上記電気信号入力部よりトリガ信号を発生させる上記トリガ発生器25と、上記親カメラ1aとを、電子デバイスを介在することなく、BNCケーブル等の電気信号ケーブル26で接続するようにしてもよい。
【0106】
かかる場合には、トリガ発生器25が操作された時と、上記親カメラ1aがトリガ信号を受信する時刻を同期させることができる。
【0107】
また、
図7は、トリガ時刻を各カメラに送信する更に、他の方法を示す。なお、該
図7中、時刻同期手段は省略する。
【0108】
上記
図6における例は、親カメラ1aに、トリガ時刻設定手段16を有する例を示したが、上記
図7における例においては、該トリガ時刻設定手段16を、上記親カメラ1aとは、別デバイスの機器27に設け、上記親カメラ1aが、上記別デバイス27から受信(A)したトリガ時刻を子カメラ1bに、有線24、又は、無線で、トリガ時刻を送信するようにしてもよい。
【0109】
また、
図8は、トリガ時刻を各カメラに送信する更に、他の方法を示す。なお、該
図8中、時刻同期手段は省略する。
【0110】
上記
図8に示すように、1のカメラ1(親カメラ1a)が、受信、又は、生成したトリガ時刻を、有線、又は、無線で、別途、タブレット等の機器28に送信(A)し、そして、該機器28が、上記トリガ時刻を、他のカメラ1(子カメラ1b)のトリガ時刻受付手段19に、有線、又は、無線で、送信(a)するようにしてもよい。
【0111】
なお、図中、aとは、機器28と子カメラ1b間のトリガ時刻の通信を示す。
【0112】
なお、上記親カメラ1aから、トリガ時刻を受信した子カメラ1bが、親カメラ1aとして、上記と同様に、他のカメラ1(子カメラ1b)に、有線、又は、無線により、トリガ時刻を送信するようにしてもよい。
【0113】
また、親カメラ1a、又は、子カメラ1bと、他のカメラを、電気信号ケーブルで接続し、トリガ信号を通知するようにしてもよい。
【0114】
また、上記例の組み合わせを変更して、接続するようにしてもよい。
【0115】
なお、下記は、原則として、上記トリガ時刻設定手段16は、各高速度カメラとは別体のデバイスの場合として、説明する。しかし、1または、複数のカメラに上記トリガ時刻設定手段16が設けられた場合も同様である。
【0116】
(フレーム関連付け手段20の説明)
【0117】
そして、上記各カメラ1のフレーム関連付け手段20は、上記現在時刻生成手段17から取得した現在時刻が、上記トリガ時刻受付手段19から取得したトリガ時刻に、到達したか否かを判定し、到達したと判定した場合に、その際の画像フレームを、トリガ時刻における画像フレーム、即ち、トリガフレームと設定し、そして、このトリガ時刻における画像フレームに基づいた所定の画像フレームを設定し、この所定の画像フレームを合わせることにより、各カメラ1を同期させるようにする。
【0118】
(トリガ時刻設定手段16の説明)
【0119】
上記トリガ時刻設定手段16は、例えば、各高速度カメラ1とは別体のデバイスに設けられる、或いは、1、又は、複数の高速度カメラ1に設けられる。
【0120】
該トリガ時刻設定手段16は、例えば、タイマーと、トリガ信号入力部と、トリガ時刻を生成するトリガ時刻生成手段と、トリガ時刻送信手段とよりなる。
【0121】
上記トリガ信号入力部は、トリガ信号を生成するトリガ発生器から送信されたトリガ信号を受信する。
【0122】
なお、上記トリガ発生器は、上記電気信号入力部、又は上記リモコン装置のトリガボタンなどを操作されることにより、トリガ信号が生成され、該トリガ信号を、有線、又は、無線により、上記トリガ信号入力部に送信する。
【0123】
また、上記トリガ発生器は、上記トリガ時刻設定手段16に設けられる場合や、別体のデバイスとして設けられてもよい。
【0124】
そして、上記トリガ信号入力部にトリガ信号が入力されることにより、上記トリガ時刻生成手段により、上記トリガ信号が入力された現在時刻に基づき、後述する所定の条件により、トリガ時刻を生成するようにする。
【0125】
なお、上記トリガ時刻設定手段16が、カメラとは別体のデバイスの場合、上記タイマーは、無線、又は、有線により、時刻信号送信装置や、各カメラの時刻に同期させるようにしてもよい。
【0126】
また、上記トリガ時刻設定手段16が、別体の場合、該トリガ時刻設定手段16に、上記カメラ1に設けた現在時刻生成手段17を設けて、現在時刻を生成するようにしてもよい。
【0127】
(具体例)
【0128】
次に、トリガ時刻の設定、及び、上記フレーム関連付け手段の例について、説明する。
【0129】
(修正トリガ時刻の説明)
【0130】
なお、上記取得したトリガ時刻と、画像フレームとを合わせる際に、該トリガ時刻を、各画像フレームの境界、即ち、上記各画像フレームの開始時刻となった時に、または、終了時刻となった時に、その画像フレームを、トリガ時刻における画像フレーム(以下、「トリガフレーム」という)と設定することもできるが、各カメラのタイマーの精度の誤差により、トリガ時刻と、各画像フレームの開始時刻、又は、終了時刻がずれて、一つ手前の画像フレームを、又は、次の画像フレームを、トリガフレームと認識してしまう可能性があり、各カメラのフレームの同期がずれてしまう可能性がある。
【0131】
そこで、各カメラの時刻の精度の誤差による影響をなくすように、例えば、トリガ時刻修正部を設け、トリガ時刻を、画像フレームの開始時刻よりも遅く、終了時刻よりも早い時刻、即ち、フレームの開始時と終了時の境界から遠ざけるように設定した修正トリガ時刻を用いてもよい。
【0132】
例えば、
図9に示すように、トリガ時刻としたい画像フレームの開始時刻が10:20:10:000:000(時:分:秒:ミリ秒:マイクロ秒)、フレーム終了時刻が10:20:10:001:000の場合、トリガ時刻を、10:20:10:000:000と設定するのではなく、例えば、そのフレーム時間の中間時刻10:20:10:000:500に設定するようにする。
【0133】
このように、例えば、中間の時刻である修正トリガ時刻を用いることにより、各カメラの同期が確実になる。
【0134】
なお、上記トリガ時刻設定部16に上記トリガ時刻修正部を設け、トリガ時刻設定手段16から送信する際に、上記トリガ時刻を修正する場合や、上記各カメラ1に上記トリガ時刻修正部を設け、上記各カメラ1が、上記トリガ時刻を受け付けた時に、該カメラ1により修正するようにしてもよい。
【0135】
なお、後述するように、各カメラにおいて、録画速度が異なり、各トリガフレームの開始時刻や終了時刻がそれぞれ異なる場合には、上記トリガ時刻修正部により、修正トリガ時刻を、各カメラのトリガフレームの開始時刻から終了時刻までの間の時刻になるように設定するようにする。
【0136】
なお、以下、トリガ時刻とは、修正したトリガ時刻を含む概念である。
【0137】
(トリガ時刻設定の手法1)
【0138】
手法1は、上記トリガ時刻設定手段16のトリガ時刻を生成するトリガ時刻生成手段において、トリガ信号を受け入れた時、その時刻から、少し先の時刻のトリガ時刻を生成するように設定し、該設定されたトリガ時刻を、上記各カメラ1のトリガ時刻受付手段19に送信するようにする。
【0139】
上記少し先の時刻とは、例えば、10フレーム分の時間分先の時刻をいう。但し、各カメラの録画速度(1/周期)が異なる場合には、各カメラにおいて、上記少し先の時刻が一致するまでのフレーム数が異なる。そこで、例えば、いずれか1つのカメラにおける10フレーム分の時間分先の時刻を設定するようにする。
【0140】
そして、上記フレーム関連付け手段20により、上記トリガ時刻における時刻の画像フレームをトリガフレームとして設定し、全カメラのトリガフレームを合わせるようにする。
【0141】
即ち、この手法1においては、全カメラ1が、上記トリガ時刻設定手段16からのトリガ時刻を受信し、このトリガ時刻の設定が完了するまでの期間を考慮して、トリガ時刻を現在時刻から少し先の時刻に設定するようにする。
【0142】
そうすることで、全カメラがトリガ時刻を受け付けた後で、各カメラの時刻が、当該トリガ時刻を通過することができ、各カメラのトリガフレームを合わせることが可能になる。
【0143】
図10は、例えば、録画速度1000fpsで運用する2台のカメラ(A、B)における、上記手法1の一例である。上記トリガ時刻設定手段16は、外部からトリガ信号を受け付け、その受け付けた現在時刻よりも先の時刻であるトリガ時刻、例えば、10:20:10:000(時:分:秒:ミリ秒)(なお、修正トリガ時刻の場合は、画像フレームの中間時刻である10:20:10:000:500(時:分:秒:ミリ秒:マイクロ秒)である。以下、修正トリガ時刻は省略する。)をコマンドとして送信する。
【0144】
なお、上記コマンドとは、カメラの制御に用いる指示データを意味する。該コマンドは、トリガ信号データを含めても良く、また、さらにトリガ時刻を伝達するためにはトリガ時刻データを含めてもよい。また、TCP/IPプロトコルによる通信に含めてもよい。
【0145】
カメラAは、上記トリガ時刻のコマンドを、例えば、上記トリガ時刻より前の(-2)のフレームの時の時刻で受信し、カメラBは、上記トリガ時刻より前の(-1)のフレームの時刻に受信し、上記カメラA、Bにおいて、それぞれトリガ時刻が上記コマンドで設定される。これにより、各カメラのコマンドの受信時に差があっても、上記トリガ時刻に間に合って、それぞれトリガフレームとして設定できるので、カメラAとカメラBとのトリガフレームを一致させることができるようになる。
【0146】
なお、トリガ時刻を現在時刻から先としても、全カメラへのトリガ時刻の設定を完了している保証はないため、トリガ時刻の設定が間に合わなかったカメラは、トリガフレームがずれる場合がある。
【0147】
また、上記手法1の場合は、トリガ入力をした時刻におけるフレーム(イベントフレーム)と、トリガ時刻におけるトリガフレームとは、フレーム数が若干ずれることになる。
【0148】
(トリガ時刻設定の手法2)
【0149】
手法2は、上記トリガ時刻設定手段16のトリガ時刻を生成するトリガ時刻生成手段において、例えば、トリガ信号を受け入れた時、その時刻から、各カメラの予め設定された録画終了時のフレームの時刻を算出し、この算出されたトリガ時刻を生成するように設定し、該設定されたトリガ時刻を、上記各カメラ1のトリガ時刻受付手段19に、コマンドとして送信するようにする。
【0150】
なお、本手法2は、イベントフレーム後の録画時間(周期×画像フレーム数)が全カメラで共通の場合の例である。なお、ここで、周期(露光タイミング)は、1/録画速度とする。また、上記画像フレーム数とは、イベントフレームから録画終了フレームまでのフレーム数をいう。
【0151】
即ち、例えば、録画速度(又は、露光タイミング。以下同じ)と、画像フレーム数とが、それぞれ全カメラで一致する場合の例である。
【0152】
なお、録画速度や、画像フレーム数が異なり、イベントフレーム後の録画時間が異なる場合には、後述の手法3が使用される。
【0153】
そして、本手法2においては、上記フレーム関連付け手段20により、上記トリガ時刻における画像フレームが所定の画像フレームとして設定され、これにより、全カメラの録画終了時のフレームが合うようになる。
【0154】
即ち、この手法2においては、トリガ時刻を、イベントフレームではなく、録画終了時のフレームに合わせてし、全カメラのフレームを合わせるようにする。
【0155】
なお、手法2においては、例えば、上記録画部6の録画画像フレーム数設定部において、上記トリガ時刻となった時に、上記メモリ5の録画を停止し、また、必要数のフレームを録画するようにする。例えば、
図11に示すように、録画速度1000fpsで運用する2台のカメラ(A、B)の例で、トリガ後のフレーム数(トリガフレームを除く)を0とし、また、トリガ前のフレーム数を、必要とされたフレーム数(例えば、イベントフレームの前後500フレームずつ記録するようにしていた場合には、イベントフレームと前後のフレームの合計数のフレーム前1001)だけ記憶するように設定する。
【0156】
更に、例えば、
図12に示すように、例えば、録画速度1000fpsで運用する2台のカメラ(A、B)の例として、上記フレーム関連付け手段20は、例えば、上記のように、録画終了時のフレームをトリガフレームと設定した後、上記フレーム関連付け手段20に設けた画像フレーム設定部により、更に、該録画終了時のフレームからさかのぼって、本来のトリガ信号が入力された時刻のイベントフレームを演算し、このイベントフレームを所定の画像フレームと設定し、該所定の画像フレームを一致させることにより、各カメラ1を同期させるようにしてもよい。
【0157】
以上の通り、トリガ時刻を、録画最終時のフレームとして、各カメラを同期することで、全カメラへのトリガ時刻の設定が完了するまでの期間の猶予を最大限にでき、トリガ時刻の設定が間に合わないカメラを少なくすることができるようになる。
【0158】
(フレーム関連付け手段の手法3)
【0159】
上記手法2は、上述したように、イベントフレーム後の録画時間が同じ場合の録画終了フレームを合わせることが前提である。そして、各カメラ1に送信されるトリガ時刻は、同じ時刻の例である。
【0160】
しかし、本手法3は、各カメラのイベントフレーム後の録画時間が同じ場合と異なる場合との両方を想定した手法である。この手法3は、各カメラのイベントフレーム(例えば、トリガ信号が発信された際の画像フレーム)が一致するように、上記トリガ時刻設定手段16において、各カメラ毎に、予め設定された録画終了時のフレームの時刻を算出し、この算出されたトリガ時刻を各カメラ毎にそれぞれ生成するように設定する。そして、各カメラ毎に設定されたトリガ時刻を、それぞれのカメラ1のトリガ時刻受付手段19に送信し、そして、各カメラ1の上記フレーム関連付け手段20の画像フレーム設定部により、最終録画時のフレームから、それぞれ上記イベントフレームを演算し、該演算されたイベントフレームを一致させて、各カメラを同期させるようにする。
【0161】
図13は、例えば、録画速度が同じであるが、各カメラの画像フレーム数が異なる場合のイベントフレームを合わせる手法を示し、以下、説明する。
【0162】
図13に示されるように、録画速度1000fpsで運用する2台のカメラ(A、B)で、カメラAが1001フレーム録画可能でイベントフレームおよびその前後500フレームずつ録画でき、カメラBが2001フレーム録画可能でイベントフレームおよびその前後1000フレームずつ録画する場合は、カメラBはカメラAよりも500ミリ秒先の(遅れた)時刻がトリガ時刻として設定し、そして、録画終了時のフレームをトリガフレームと設定した後、上記画像フレーム設定部により、カメラAにおいては、500数だけ画像フレームをさかのぼってイベントフレームとし、カメラBにおいては、1000数だけ画像フレームをさかのぼってイベントフレームと、該イベントフレームのタイミングが両方のカメラで一致するように設定することにより、カメラA、Bを同期するようにする。
【0163】
本手法3においては、各カメラの画像フレーム数が異なる場合でも、各カメラのイベントフレームを同期できるようになる。
【0164】
図14は、例えば、各カメラの画像フレーム数が同じであるが、録画速度が異なる場合のイベントフレームを合わせる手法を示し、以下、説明する。
【0165】
図14に示されるように、録画速度1000fpsで運用するカメラAと、録画速度500fpsで運用するカメラBの2台のカメラ(A、B)で、カメラAとカメラBがそれぞれ、1001フレーム録画可能でイベントフレームおよびその前後500フレームずつ録画できる。
【0166】
そして、上記カメラAにおける録画終了時のフレームは、イベントフレームに対して、500ミリ秒(1ms×500フレーム)先であるので、上記カメラAは、イベントフレームにおける時刻から、500ミリ秒先の(遅れた)時刻がトリガ時刻として設定し、また、上記カメラBにおける録画終了時のフレームは、イベントフレームに対して、1000ミリ秒(2ms×500フレーム)先であるので、イベントフレームにおける時刻から、1000ミリ秒先の(遅れた)時刻がトリガ時刻として設定する。そして、各カメラの録画終了時のフレームをトリガフレームと設定した後、上記画像フレーム設定部により、カメラAとカメラBにおいて、それぞれ500数だけ画像フレームをさかのぼってイベントフレームとし、該イベントフレームのタイミングが両方のカメラで一致するように設定することにより、カメラA、カメラBを同期するようにする。
【0167】
なお、各カメラにおいて、録画速度が異なり、各トリガフレームの開始時刻や終了時刻がそれぞれ異なる場合には、上記修正トリガ時刻を、各カメラのトリガフレームの開始時刻から終了時刻までの間の時刻になるように設定するようにする。
【0168】
例えば、画像フレームの境界が、露光開始時刻と一致するように設定され、該画像フレームの開始時刻が合わされて各画像フレームが同期した各カメラにおいて、録画速度が異なり、露光時間をそれぞれ同じにした場合、上記修正トリガ時刻を用いる場合は、各々のカメラの録画速度が整数倍の関係である時、録画速度の最も遅いカメラのフレームの開始時刻を基準として、そこからわずかに先に進めた時刻を設定するのが好ましい。
また、上記わずかに先に進めた時刻とは、0よりも大きく、最も録画速度の速いカメラの画像フレームの開始時刻から終了時刻までの時間よりも短い時間である。該時間は、例えば、最も録画速度の速いカメラの画像フレームの開始時刻から終了時刻までの時間の半分である。
【0169】
例えば、録画速度500fps、1000fps、2000fpsの3種類のカメラがある場合、録画速度500fpsの開始時刻(2ミリ秒の周期)を基準として、そこから録画速度が最も早い2000fpsのフレーム周期の半分(250マイクロ秒)だけ先に進めた時刻を修正トリガ時刻として設定するとよい。
【0170】
また、例えば、
図15に示すように、各カメラの露光時間を1ミリ秒とした場合においては、録画速度1000fpsで運用するカメラAと、録画速度500fpsで運用するカメラBの2台のカメラ(A、B)の場合は、修正トリガ時刻を、録画速度の遅いカメラBのフレームの境界(10:20:09:998:000)、(10:20:10:000:000)、(10:20:10:002:000)を基準として、その中でトリガ信号が入力された時の次のフレームの時刻、すなわちイベントフレームとしたい画像フレームの開始時刻が(10:20:10:000:000)の場合、そこから録画速度の最も速いカメラAのフレーム(10:20:09:999:000)、(10:20:10:000:000)、(10:20:10:001:000)の半周期だけ進めた(加算した)時刻(10:20:10:000:500)をトリガ時刻とすることで、各カメラの時刻の精度の誤差による影響をなくしつつ、全てのカメラに共通するフレームをトリガフレームとして設定できるようになる。
【0171】
なお、例えば、
図16に示すように、画像フレームの境界が、露光終了時刻と一致するように設定され、該画像フレームの終了時刻が合わされて各画像フレームが同期した各カメラの露光時間を1ミリ秒とした場合においては、録画速度1000fpsで運用するカメラAと、録画速度500fpsで運用するカメラBの2台のカメラ(A、B)の場合は、修正トリガ時刻を、録画速度の遅いカメラBのフレームの境界(10:20:09:998:000)、(10:20:10:000:000)、(10:20:10:002:000)を基準として、その中でトリガ信号が入力された時の前のフレームの時刻、すなわちイベントフレームとしたい画像フレームの終了時刻が(10:20:10:000:000)の場合、そこから録画速度の最も速いカメラAのフレーム(10:20:09:999:000)、(10:20:10:000:000)、(10:20:10:001:000)の半周期だけ遡った(減算した)時刻(10:20:10:000:500)をトリガ時刻とすることで、各カメラの時刻の精度の誤差による影響をなくしつつ、全てのカメラに共通するフレームをトリガフレームとして設定できるようになる。
【0172】
(従来手法と、本発明手法の比較)
【0173】
図17は、従来手法と本発明による新手法とのフローの比較を示し説明する。
【0174】
なお、この例は、上記トリガ時刻設定手段を、1のカメラに設けた例を示す。
【0175】
図17に示されるように、従来手法と新手法は、時刻信号による露光タイミングの制御手法は同じである。
【0176】
即ち、BNCコネクタから現在時刻信号が入力され。現在時刻生成手段17のTime Control部にて1Hz信号を生成する。そして、生成された1Hz信号から、上記露光信号生成手段18の位相同期回路(PLL:Phase Locked Loop)にて、録画速度の周波数に等分割された信号(以下、VD信号とする。
図2では,例えば、1000Hz)を生成し、そのVD信号から、上記露光信号生成手段18のFrame Control部にて生成された露光開始信号を、Image Sensor(イメージャー部4)に入力することで、所定の露光タイミングで録画され、該Image Sensorから画像データが読みだされて、リングバッファ状に、Image Memory部(録画メモリ5)に記録されていく。
【0177】
そして、記録するフレームは、Frame Remain部(録画部6)に、トリガ時刻を入力することで、録画が停止され、指定されたトリガ前後のフレーム数分が記録されるように管理される。
【0178】
そして、従来手法と新手法では、Frame Remain部(録画部6)に入力するトリガ時刻の生成手法が異なる。
【0179】
従来手法では、電気信号ケーブルを介してBNCコネクタからトリガ信号を入力し、該トリガ信号がTrigger Control部に入力され、該トリガ信号が上記Frame Remain部(録画部6)に入力され、この時を基準に、上記録画メモリへの記録が所定の条件で停止するようになる。
【0180】
新手法では、CPU部にて、イベントフレーム用のトリガ時刻を生成し、該トリガ時刻を基に、Time Register部にて、複数台のカメラのイベントフレームが同じになるようなトリガ時刻を再生成する。
【0181】
そのトリガ時刻をTime Control部に入力することで、トリガ時刻に到達した際にトリガ信号が生成され、該トリガ信号を、上記Frame Remain部(録画部6)に入力され、各カメラのトリガフレームを同期させることができるようになる。そのため、BNCコネクタによるトリガ信号の入力が不要となる。
【実施例2】
【0182】
(実施例2の全体構成の説明)
【0183】
以下、実施例2について説明する。なお、特に説明しない部分は、実施例1と同じであり、説明を省略する。
【0184】
本発明の第2の実施例においては、上記第1の実施例において、上記カメラ同期手段を、シーケンス番号同期手段により構成し、また、上記同期用信号を設定(生成)し、必要な各高速度カメラ1に送信する同期用信号設定手段を、シーケンス番号一致時刻設定手段及び、トリガ用シーケンス番号送信手段とにより構成する。
【0185】
そして、上記シーケンス番号一致時刻設定手段は、各高速度カメラに順次、録画された各画像フレームに付けられたシーケンス番号を、所定の番号に設定する信号を送るシーケンス番号一致時刻を設定(生成)し、必要な各高速度カメラ1に送信するように構成される。
【0186】
また、上記トリガ用シーケンス番号送信手段は、トリガ信号が送信されるべき画像フレームに対応するトリガ用シーケンス番号を生成し、送信するように構成される。
【0187】
即ち、本発明の第2の実施例においては、まず、各高速度カメラのタイマーの時間軸を同期させ、そして、該時間軸に合わせて所定の露光タイミング(周期)で露光することにより、各カメラの画像フレームを同期させる。そして、上記シーケンス番号一致時刻設定手段が、同一のシーケンス番号一致時刻を、各カメラに送信して、各カメラが、上記シーケンス番号一致時刻に達した時に、それぞれの高速度カメラの画像フレームのシーケンス番号を、上記設定された所定の番号に一致させて、これにより各高速度カメラのシーケンス番号が一致するようになる。そして、次に、上記トリガ用シーケンス番号送信手段が、同一のトリガ信号を送信させるトリガ用シーケンス番号を、各高速度カメラに送信して、各高速度カメラのシーケンス番号が、上記送信されたトリガ用シーケンス番号に達した時に、トリガ信号を、高速度カメラの録画部に送信するようにして、各カメラの画像フレームを同期させるようにする。
【0188】
なお、上記シーケンス番号一致時刻設定手段と、上記トリガ用シーケンス番号送信手段とは、別々の機器に設けられる場合や、同じ機器に設けられる場合や、高速度カメラに設けられる場合など、様々なパターンがある。
【0189】
(シーケンス番号同期手段の説明)
【0190】
そして、上記シーケンス番号同期手段は、設定された所定の露光タイミングで、リングバッファ状に順次、録画メモリに記録された画像フレームに、順番に番号を付けていくシーケンス番号設定部と、上記システム制御部7のタイマーを、各高速度カメラ以外の時刻信号送信装置13等の外部からの定期的な低分解能のタイミングで送られてくる現在時刻信号(タイムコード)に同期させ、更に、該現在時刻信号に基づき、所定の時間を等間隔に分割して、高分解能の現在時刻を生成する現在時刻生成手段17と、該現在時刻生成手段17により、該等間隔に分割した現在時刻に基づいて設定された露光タイミングに従って、画像を撮像するための露光信号を生成する露光信号生成手段18と、上記シーケンス番号一致時刻を、受付けるシーケンス番号一致時刻受付手段と、上記トリガ用シーケンス番号を受け付けるトリガ用シーケンス番号受付手段と、シーケンス番号一致時刻受付手段により受け付けたシーケンス番号一致時刻、及び、上記トリガ用シーケンス番号受付手段により受け付けたトリガ用シーケンス番号とからなる同期用信号を、上記露光信号生成手段18による露光により撮像され録画された所定の画像フレームに関連付けるフレーム関連付け手段20とよりなる。
【0191】
そして、上記フレーム関連付け手段20は、まず、上記現在時刻生成手段17が生成した現在時刻が、上記シーケンス番号一致時刻受付手段から取得したシーケンス番号一致時刻に到達したか否かを判定し、到達したと判定した場合に、各高速度カメラのシーケンス番号を、例えば、シーケンス番号をリセットするリセット部などのシーケンス番号一致部により、0に設定(リセット)するなど、所定の値に設定して、各高速度カメラのシーケンス番号を一致させる。そして、上記各高速度カメラのシーケンス番号が、上記トリガ用シーケンス番号受付手段により受け付けたトリガ用シーケンス番号に到達した時に、その際の画像フレームを、トリガ用シーケンス番号における画像フレームと設定し、上記録画部6にトリガ信号を送信すると共に、このトリガ用シーケンス番号における画像フレームを合わせることにより、各カメラ1を同期させるようにする。
【0192】
なお、上記シーケンス番号一致時刻設定手段と、上記トリガ用シーケンス番号送信手段とは、それぞれ、実施例1のトリガ時刻設定手段16の構成、機能と同じように構成され、機能し、そして、実施例1と同様に、各カメラ等と有線、又は、無線で接続されるようになる。
【0193】
また、上記シーケンス番号一致時刻受付手段と、上記トリガ用シーケンス番号受付手段とは、それぞれ、実施例1のトリガ時刻受付手段19の構成、機能と同じように構成され、機能し、そして、実施例1と同様に、各カメラ等と有線、又は、無線で接続されるようになる。
【0194】
なお、上記各カメラの露光タイミング(又は、録画速度)が異なる場合には、各カメラの同一時刻におけるシーケンス番号がずれてしまうが、各カメラに、各同一時刻で同じシーケンス番号とみなすシーケンス番号修正部を設け、各カメラにおいて同一時刻におけるシーケンス番号は同じものとして修正して、各カメラを同期するようする。
【0195】
例えば、録画速度が異なるカメラの場合、上記シーケンス番号修正部により、各カメラに付けるシーケンス番号が、同一時刻では同じ番号になるように設定する。
【0196】
即ち、例えば、録画速度1000fpsと500fpsという2種類のカメラがある場合、上記シーケンス番号修正部により、1000fps(周期の短い方)のカメラは、例えば、[00][01][02][03]というようにシーケンス番号を1ずつ進め、そして、500fps(周期が短い方と比べて2倍)のカメラは、[00][02][04][06]というようにシーケンス番号を2ずつ進めように設定し、これにより、各カメラが、所定の同じトリガ用シーケンス番号に到達したか否かを判定するようにする。
【0197】
また、他の方法としては、上記シーケンス番号修正部により、各カメラ毎に、該各カメラにおいて同一時刻にトリガ信号が生成するように、トリガ用シーケンス番号を修正するように設定する。
【0198】
即ち、例えば、録画速度1000fpsと500fpsという2種類のカメラがある場合、いずれのカメラも、例えば、[00][01][02][03]というようにシーケンス番号を1ずつ進めるようにし、そして、上記シーケンス番号修正部により、トリガ用シーケンス番号を、1000fps(周期の短い方)のカメラを<17>とするとき、500fps(周期が短い方と比べて2倍)のカメラは<34>というように2倍の値として設定し、これにより、1000fpsのカメラにおいては、シーケンス番号が<17>に達したか否かを判定し、500fpsのカメラにおいては、シーケンス番号が<34>に達したか否かを判定するようにする。
【0199】
(フレーム関連付け手段の具体的な説明)
【0200】
例えば、
図18に示すように、カメラAの録画メモリの物理領域上のフレーム[A0]~[A9]、カメラBの録画メモリの物理領域上のフレーム[B0]~[B9]が、各々リングバッファ状に書かれる設定で録画開始し、上記録画メモリに、撮像された画像フレームが順次、書き込まれ、そして、上記シーケンス番号設定部により、上記順次、録画された画像フレームに対応して、[00][01][02]...のシーケンス番号が付されていく。
【0201】
時刻は既に同期されているものとし、
図18は、カメラAとカメラBにおいて、未だ同じ時刻における最新のシーケンス番号が、一致していない様子を表す。即ち、カメラAが[11]に対して、カメラBは[14]という、3フレームずれの状態となっている。
【0202】
ここで、上記シーケンス番号一致時刻設定手段により、例えば、全高速度カメラに対してWi-Fi等で、シーケンス番号をリセットするリセット時刻等のシーケンス番号一致時刻「10:20:10:000:500」の指示(コマンド)を送信することにより、各高速度カメラは、上記時刻(10:20:10:000:500)に到達した時に、
図19に示すように、例えば、カメラAの最新のシーケンス番号が[23]で、カメラBが[26]の場合、
図20に示すように、次のシーケンス番号が、カメラA、カメラBは、それぞれ[00]に戻され(リセットされ)、そこから、順次、シーケンス番号が付与されるようになり、これにより、カメラA及びカメラBのシーケンス番号が一致して、録画が続けられるようになる。
【0203】
その後、上記シーケンス番号送信手段により、全高速度カメラに、Wi-Fi等で、例えば、「シーケンス番号[17]をトリガフレームとせよ」という指示(コマンド)を送信することにより、
図21に示すように、各高速度カメラの画像フレームのシーケンス番号が、17となった時に、トリガ信号が送信され、これにより、所定の画像フレームで録画が停止し、上記録画画像フレーム数設定部により設定された、該シーケンス番号に対応する画像フレームの前後、必要な画像フレーム(例えば、シーケンス番号で言えば、[12]~[21])が残るようになる。
【符号の説明】
【0204】
1 高速度カメラ
1a 親カメラ
1b 子カメラ
2 カメラ本体
3 写真レンズ
4 イメージャー部
5 録画メモリ
6 録画部
7 システム制御部
8 画像処理部
9 入出力部
10 電源部
11 トリガ発生器
12 トリガ信号用の電気信号ケーブル
13 時刻信号送信装置
14 時刻同期信号の電気信号ケーブル
15 トリガフレーム同期手段
16 トリガ時刻設定手段
17 現在時刻生成手段
18 露光信号生成手段
19 トリガ時刻受付手段
20 フレーム関連付け手段
21 無線時刻同期機器
21a 電気信号ケーブル
22 機器
23 トリガ発生器
24 有線
25 トリガ発生器
26 電気信号ケーブル
27 機器
28 機器
【要約】
【課題】従来の複数の高速度カメラの画像フレームを同期させることは難しかった。
【解決手段】本発明の複数の高速度カメラからなる同期カメラ装置は、設定された露光タイミングで、順次、対象となる映像を撮像するイメージャー部と、録画メモリと、トリガ信号の入力により、上記イメージャー部により撮像された、所定の画像をデジタルデータの画像フレームとして、上記録画メモリに録画させる録画部と、タイマーを有すると共に、各種演算を行うシステム制御部とよりなる複数の高速度カメラと、上記各高速度カメラに、同期用信号を設定し、該設定された同期用信号を上記各高速度カメラに送信する同期用信号設定手段とよりなる。上記同期用信号は、トリガ時刻である。また、上記同期用信号は、シーケンス番号一致時刻、及び、トリガ用シーケンス番号である。
【選択図】
図1