(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】消毒機能を備える光源
(51)【国際特許分類】
H05B 45/20 20200101AFI20241209BHJP
【FI】
H05B45/20
(21)【出願番号】P 2024535644
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(86)【国際出願番号】 EP2022084513
(87)【国際公開番号】W WO2023110510
(87)【国際公開日】2023-06-22
【審査請求日】2024-07-30
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】オエプツ ヴォウテル
(72)【発明者】
【氏名】ペータース マリヌス ペトルス ヨセフ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーグ レネー テオドルス
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0368210(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0030610(US,A1)
【文献】特表2018-525848(JP,A)
【文献】特表2017-530399(JP,A)
【文献】特表2014-529879(JP,A)
【文献】特開2005-303289(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0373700(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H05B 47/00
A61L 2/00
H01L 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム光を生成するよう構成される光生成システムであって、前記光生成システムが、第1光生成デバイスを有し、
前記第1光生成デバイスが、第1光源と、第1ルミネッセンス変換器とを有し、
前記第1光源が、固体光源を有し、前記第1光源が、380乃至420nmの範囲から選択される第1光源重心波長を持つ第1光源光を生成するよう構成され、
前記第1ルミネッセンス変換器が、前記第1光源光の一部を、緑色~黄色波長範囲から選択される第1変換器重心波長を持つ第1変換器光に変換するよう構成され、
前記第1光生成デバイスが、スペクトルパワーの少なくとも60%が前記第1光源光によって供給され、スペクトルパワーの最大で40%が前記第1変換器光によって供給されるスペクトルパワー分布を、380乃至780nmの波長範囲内に持つ第1デバイス光を生成するよう構成され、
前記第1ルミネッセンス変換器が、第1マトリックス材料と、第1ルミネッセンス材料とを有し、前記第1ルミネッセンス材料が、前記第1ルミネッセンス変換器の総重量に対して第1重量パーセントCW1を持ち、
前記光生成システムが、第2光生成デバイスを更に有し、前記第2光生成デバイスが、第2光源と、第2ルミネッセンス変換器とを有し、前記第2光源が、固体光源を有し、前記第2光源が、第2光源光を生成するよう構成され、前記第2ルミネッセンス変換器が、前記第2光源光の少なくとも一部を、第2変換器光に変換するよう構成され、前記第2光生成デバイスが、スペクトルパワーの少なくとも60%が前記第2変換器光によって供給され、スペクトルパワーの最大で40%が前記第2光源光によって供給されるスペクトルパワー分布を、380乃至780nmの波長範囲内に持つ第2デバイス光を生成するよう構成され、
前記第2ルミネッセンス変換器が、第2マトリックス材料と、第2ルミネッセンス材料とを有し、前記第2ルミネッセンス材料が、前記第2ルミネッセンス変換器の総重量に対して第2重量パーセントCW2を持ち、
CW1/CW2≦0.5である光生成システム。
【請求項2】
前記第1光源重心波長が、395乃至415nmの範囲から選択され、前記第1ルミネッセンス変換器が、前記第1光源光を、緑色波長範囲から選択される前記第1変換器重心波長を持つ第1変換器光に変換するよう構成される請求項1に記載の光生成システム。
【請求項3】
CW1≦10wt%であり、前記第1光源重心波長が、400乃至410nmの範囲から選択され、前記第1デバイス光が、0.10乃至0.22の範囲から選択されるu'と、0.30乃至0.55の範囲から選択されるv'とを備えるカラーポイントを持つ請求項
1又は2に記載の光生成システム。
【請求項4】
前記第2デバイス光が、白色光である請求項
1又は2に記載の光生成システム。
【請求項5】
前記第2光源光が、445乃至480nmの範囲から選択される第2光源重心波長を持ち、前記第2デバイス光が、1800乃至6500Kの範囲から選択される相関色温度と、黒体軌跡から0乃至15SDCM内のカラーポイントと、最小でも70の演色評価数とを持つ請求項4に記載の光生成システム。
【請求項6】
CW1/CW2≦0.3であり、前記第1ルミネッセンス材料が、粒子状材料を有し、前記第1マトリックス材料が、樹脂を有し、前記第2ルミネッセンス材料が、粒子状材料を有し、前記第2マトリックス材料が、樹脂を有する請求項
1又は2に記載の光生成システム。
【請求項7】
CW2が、少なくとも20wt%である請求項
1又は2に記載の光生成システム。
【請求項8】
前記第1ルミネッセンス材料の少なくとも50wt%が、1乃至20μmの範囲から選択される粒子寸法を有し、
380乃至780nmの範囲内の前記第1変換器光のスペクトルパワー分布に対して、スペクトルパワーの最大で20%が、585乃至780nmの範囲内にあり、
380乃至780nmの範囲内の前記第2デバイス光のスペクトルパワー分布に対して、スペクトルパワーの最大で30%が、前記第2光源光によって供給される請求項
1又は2に記載の光生成システム。
【請求項9】
前記第1ルミネッセンス材料が、Eu
2+ベースのルミネッセンス材料及びCe
3+ベースのルミネッセンス材料のうちの1つ以上を有する請求項
1又は2に記載の光生成システム。
【請求項10】
前記システム光が、1800乃至6500Kの範囲から選択される相関色温度と、黒体軌跡から0乃至10SDCM内のカラーポイントと、最小でも70の演色評価数とを持つ請求項
1又は2に記載の光生成システム。
【請求項11】
制御システムを更に有し、前記制御システムが、ユーザインターフェースの入力信号、センサ信号、及びタイマのうちの1つ以上に依存して、前記システム光を制御するよう構成される請求項
1又は2に記載の光生成システム。
【請求項12】
前記制御システムが、前記第1光生成デバイス及び前記第2光生成デバイスを個別に制御するよう構成される請求項11に記載の光生成システム。
【請求項13】
支持体を更に有し、
前記光生成システムが、支持体によって支持されるよう構成される複数のn1個の第1光生成デバイス及び複数のn2個の第2光生成デバイスを有し、
前記複数のn1個の第1光生成デバイス及び前記複数のn2個の第2光生成デバイスが、少なくとも2個の第1光生成デバイス及び3個以上の第2光生成デバイスを含むサブセットを有し、前記サブセット内の全ての第2光生成デバイスが、等しい第2ピッチを有する請求項
1又は2に記載の光生成システム。
【請求項14】
ランプ、照明器具、消毒デバイス、及び光無線通信デバイスのグループから選択される照明デバイスであって、請求項
1に記載の光生成システムを有する照明デバイス。
【請求項15】
空間又は物体の少なくとも一部を処理するための方法であって、請求項
1に記載の光生成システム又は請求項14に記載の照明デバイスを使用して、前記空間内に又は前記物体に前記第1デバイス光を含むシステム放射線を供給することを有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光生成システム、及びこのような光生成システムを有する照明デバイスに関する。更に、本発明は、空間又は物体の少なくとも一部を処理するための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
スペクトルパワー分布の390乃至420nmの範囲内のパワーで光を発する光源は、当技術分野において知られている。例えば、US2020/0390915は、スペクトルパワー分布(SPD)を持つ放射光を放射するための光源であり、異なるピーク波長を持つ少なくとも2つの紫色固体発光体を含む複数の発光体を有する光源であって、前記放射光が、プランク軌跡から5E-3未満のDuv距離内にある色度を持ち、色度が、CIE 1964 10°CMFを使用して計算され、SPD内のパワーの少なくとも25%が、390乃至420nmの範囲内にある光源について記載している。
【0003】
US 2020/390915 A1は、SPDを持つ放射光を放射するための光源であり、(a)少なくとも1つの紫色固体発光体を含む複数の発光体と、(b)少なくとも1つの蛍光体とを有する光源であって、前記発光体及び前記少なくとも1つの蛍光体が、SPD内のパワーの少なくとも25%が、390乃至420nmの範囲内にあり、放射光が、プランク軌跡から5ポイント未満のDuv距離内にある色度を持つように構成される光源を開示している。
【0004】
US 2016030610 A1は、照明器具を開示している。前記照明器具は、約380nm乃至約420nmの範囲内のピーク波長において発光する少なくとも1つの第1光源と、異なるピーク波長において発光する少なくとも1つの第2光源とを含み、少なくとも1つの第1光源及び少なくとも1つの第2光源の組み合わせ光出力は、白色光として知覚される有色光を発する。白色光は、約50を超える演色評価数(CRI)値を有することによって規定される。異なるピーク波長において発光する少なくとも1つの第2光源は、約y=2.23989x-0.382773の第1線及び約y=1.1551x-0.195082の第2線によって規定される有界領域(bounded area)内の黒体曲線より上の、国際照明委員会(CIE) 1931 xy色空間図におけるxy座標から成る。組み合わせ光出力は、約380nm乃至約420nmの範囲内で測定されるスペクトルエネルギの割合が約20%より大きい。
【0005】
US 2017/030555 A1は、微生物を不活性化するデバイスを開示している。前記デバイスは、発光体と、発光体からの光の少なくとも一部を変換するよう構成される少なくとも1つの光変換材料とを含む。発光体から発せられる任意の光と、少なくとも1つの光変換材料から発せられる変換された光とが、組み合わせ光を形成するよう混ざり合い、組み合わせ光は、約380nm乃至約420nmの範囲内で測定されるスペクトルエネルギの割合が約20パーセントより大きい。別の実施形態においては、デバイスは、380乃至420nmの範囲内の波長を持つ光を発するよう構成される発光体と、少なくとも1つの蛍光増白剤(optical brightener)を含み、第2光を発するよう構成される少なくとも1つの光変換材料とを含む。デバイスを出る第1光とデバイスを出る第2光とが、組み合わせ光を形成するよう混ざり合い、組み合わせ光は白色である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
UV光は100年以上にわたって消毒に使用されてきた。約190nmと300nmとの間の波長は、核酸によって強く吸収される可能性があり、このことは、生物のゲノムに欠陥を生じさせる可能性がある。このことは、細菌及びウイルスを不活性化する(死滅させる)ためには望ましい可能性があるが、人間にとって望ましくない副作用がある可能性もある。それ故、オフィス、公共交通機関、映画館、レストラン、店舗などのような、人が存在する可能性がある環境においては、放射線の波長、放射線の強度、照射の継続時間の選択が制限されることがあり、従って、消毒能力を制限する。特にこのような環境においては、追加の消毒措置が、インフルエンザ、又はCOVID-19、SARS及びMERSのような新型(コロナ)ウイルスなどの細菌及びウイルスの蔓延を防止するために有利である可能性がある。
【0007】
消毒のような空気処理のための代替のやり方を提供するシステムを製造することは望ましいと思われる。更に、消毒のための既存のシステムは、オフィス、ホスピタリティエリア(hospitality area)などのような既存の建物などの既存のインフラストラクチャにおいては容易には実施されない可能性があり、且つ/又は容易にはより大きなスペースに対応することができない可能性がある。このことは、汚染のリスクを再び高める可能性がある。更に、HVACシステムへの組み込みは、望ましい効果をもたらさない可能性があり、相対的に複雑になるように思われる。更に、既存のシステムは、効率的ではない可能性がある、又は相対的にかさばる可能性があり、容易には、例えば照明器具などの機能デバイスに組み込まれない可能性もある。
【0008】
他の消毒システムは、空間又は物体を消毒するために、1つ以上の抗菌(anti-microbial)及び/又は抗ウイルス手段を使用することがある。このような手段の例は、懸念を引き起こす可能性がある化学薬品であり得る。例えば、化学薬品は人又はペットにとって有害である可能性もある。
【0009】
実施形態においては、消毒光は、特に、紫外線(UV)放射線(及び/又は随意に紫色放射線)を有してもよく、即ち、この光は、紫外線波長範囲(及び/又は随意に紫色波長範囲)から選択される波長を有してもよい。しかしながら、本明細書においては、他の波長は、除外されない。紫外線波長範囲は、100nmから380nmまでの波長範囲内の光として定義され、異なるタイプのUV光/UV波長範囲に分けられることができる(表1)。異なるUV波長の放射線は、異なる特性を有することがあり、従って、人間の存在との適合性が異なることがあり、消毒のために使用される場合の効果が異なることがある(表1)。
【表1】
【0010】
各UVタイプ/波長範囲は、異なる利点及び/又は不利な点を有し得る。関連する側面は、(相対的)殺菌有効性、(放射線に関する)安全性、及び(その放射の結果としての)オゾン発生であり得る。用途に応じて、特定のタイプのUV光、又はUV光のタイプの特定の組み合わせが、選択されることができ、他のタイプのUV光より優れた性能を発揮する。UV-Aは、(相対的に)安全である可能性があり、細菌を不活性化する(死滅させる)可能性があるが、ウイルスを不活性化する(死滅させる)ことにおいて効果が低い可能性がある。UV-Bは、低線量(即ち、低露光時間及び/又は低強度)が使用される場合に(相対的に)安全である可能性があり、細菌を不活性化する(死滅させる)可能性があり、ウイルスを不活性化する(死滅させる)ことにおいて効果が中程度である可能性がある。UV-Bは、人又は動物の皮膚におけるビタミンDの産生において効果的に使用されることができるという更なる利点も有し得る。近UV-Cは、相対的に危険である可能性があるが、細菌及びウイルスを効果的に不活性化する、特に死滅させる可能性がある。遠UV-Cも細菌及びウイルスを不活性化する(死滅させる)のに効果的である可能性があるが、(他のUV-C波長範囲に対して相対的に)(むしろ)安全である可能性がある。遠UV光は、人間及び動物にとって有害である可能性があるオゾンを幾らか発生させる可能性がある。極UV-Cも細菌及びウイルスを不活性化する(死滅させる)のに効果的である可能性があるが、相対的に危険である可能性がある。極UV-Cは、人間又は動物にさらされると望ましくない可能性があるオゾンを発生させる可能性がある。幾つかの用途においては、オゾンは、望ましい可能性があり、消毒に寄与する可能性があるが、その場合、人間及び動物からのその遮蔽が望まれる可能性がある。従って、表におけるオゾン発生の「+」は、特に、消毒用途には有用である可能性があるが、人間/動物がそれにさらされると人間/動物にとって有害である可能性があるオゾンが発生することを意味する。従って、この「+」は、多くの用途においては、実際には望ましくないかもしれないが、他の用途においては、望ましいかもしれない。上記の表において示されているタイプの光は、実施形態においては、空気及び/又は表面を衛生的にする(sanitize)ために使用され得る。
【0011】
ウイルスに関して「不活性化する」及び「死滅させる」という用語は、本明細書においては、特に、前記ウイルスが、もはや宿主細胞に感染させること及び/又は宿主細胞において増殖することができないように、即ち、前記ウイルスが、不活性化又は死滅後には(本質的に)無害であり得るように、前記ウイルスに損傷を与えることを指すことがある。
【0012】
参照により本明細書に盛り込まれる、Journal of Hospital Infection、第88巻、第1号、2014年9月の1乃至11ページ、https://doi.org/10.1016/j.jhin.2014.06.004において、M. McLeanらによって示されているように、紫青色光、とりわけ405nmの光は、様々な細菌及び菌類病原体に対してかなりの抗菌特性を持つ。更に、R. Rathnasingheらは、Scientific Reports https://doi:10.1038/s41598-021-97797-0、及び/又はdoi: https://doi.org/10.1101/2021.03.14.435337において、外因性光増感剤(exogenous photosensitizer)がない場合には、SARS-CoV-2(COVID-19の原因物質)及びインフルエンザA型ウイルスなどの重要な脂質エンベロープ呼吸器病原体(lipid-enveloped respiratory pathogen)の、405nmの可視光に対する感受性が増すことを示しているようであり、潜在的な、ポルフィリンに依存しない、可視光媒介ウイルス不活性化の代替メカニズムを示唆している。
【0013】
このような光の適用は、光のスペクトル特性を望ましくないように変化させる可能性があり、人々にとって魅力的ではない可能性がある、又は他の望ましくない影響、例えば、仕事若しくはリラックスするのに不快な環境をもたらす可能性があるので、簡単ではない可能性がある。
【0014】
従って、代替光生成システムを提供することが、本発明の或る態様であり、前記代替光生成システムは、好ましくは、更に、上記の不利な点のうちの1つ以上を少なくとも部分的に取り除く。本発明は、従来技術の不利な点のうちの少なくとも1つを解消若しくは改善すること、又は有用な代替手段を提供することを目的とし得る。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、第1態様によれば、システム光を生成するよう構成される光生成システムを提供する。特には、前記光生成システムは、第1光生成デバイスを有する。実施形態においては、前記第1光生成デバイスは、第1光源と、第1ルミネッセンス変換器(first luminescent converter)とを有してもよい。特には、前記第1光源は、固体光源を有してもよい。特定の実施形態においては、前記第1光源は、特に、380乃至430nm、より特には380乃至420nmの範囲から選択される、第1光源重心波長(λs,1)を持つ第1光源光を生成するよう構成されてもよい。更に、実施形態においては、前記第1ルミネッセンス変換器は、前記第1光源光の少なくとも一部を第1変換器光に変換するよう構成されてもよい。前記第1変換器光は、特に、緑色~黄色波長範囲から選択される第1変換器重心波長(λc,1)を有してもよい。特には、前記第1光生成デバイスは、前記第1光源光と前記第1変換器光とを含む第1デバイス光を生成するよう構成されてもよい。特には、前記第1光生成デバイスは、スペクトルパワーの少なくとも60%が前記第1光源光によって供給され、スペクトルパワーの最大で40%が前記第1変換器光によって供給されるスペクトルパワー分布を、380乃至780nmの波長範囲内に持つ第1デバイス光を生成するよう構成されてもよい。それ故、特には、本発明は、実施形態において、システム光を生成するよう構成される光生成システムであって、前記光生成システムが、第1光生成デバイスを有し、(A)前記第1光生成デバイスが、第1光源と、第1ルミネッセンス変換器とを有し、(B)前記第1光源が、固体光源を有し、前記第1光源が、380乃至430nm、より特には380乃至420nmの範囲から選択される第1光源重心波長(λs,1)を持つ第1光源光を生成するよう構成され、(C)前記第1ルミネッセンス変換器が、前記第1光源光の少なくとも一部を、緑色~黄色波長範囲から選択される第1変換器重心波長(λc,1)を持つ第1変換器光に変換するよう構成され、(E)前記第1光生成デバイスが、前記第1光源光と前記第1変換器光とを含む第1デバイス光を生成するよう構成され、より特には、スペクトルパワーの少なくとも60%が前記第1光源光によって供給され、スペクトルパワーの最大で40%が前記第1変換器光によって供給されるスペクトルパワー分布を、380乃至780nmの波長範囲内に持つ第1デバイス光を生成するよう構成される光生成システムを提供する。特定の実施形態においては、前記第1光生成デバイスは、前記第1光生成デバイスとは異なる第2光生成デバイスと組み合わせられ、(動作モードにおいて)白色システム光を生成するよう構成されてもよい(下記も参照)。
【0016】
このようなシステムでは、前記第1光生成デバイスの短波長放射線によりウイルス及び/又は細菌負荷が低減され得る効果を持つ白色又は白っぽい(システム)光などの、光を供給することが可能である。更に、前記第1光生成デバイスのルミネッセンス材料の存在により、効率及び/又は効力が高められるようである。このようなシステムでは、全般照明、アクセント照明、ウォールウォッシング(wall washing)などのような、特定の目的のための光を供給することも可能である可能性がある一方で、同時に、又は随意に交互に、ウイルス及び/又は細菌負荷を低減し得る光が供給される可能性がある。更に、実施形態においては、前記第1光生成デバイスを介して第2光生成デバイスの白色光に加えられる(白色タイプの)光により(下記も参照)、追加効果を持つ白色(システム)光を供給することが可能であり、即ち、ウイルス及び/又は細菌負荷が低減される可能性がある。更に、本システムでは、単に短波長放射線を供給するよりも高い効率を持つ機能的な光が供給され得る。従って、本発明は、黒体軌跡に近いカラーポイントを持ち、ウイルス及び/又は細菌負荷をかなり低減させる白色光を供給することができるシステムも提供し得る。
【0017】
上記のように、前記光生成システムは、特に、システム光を生成するよう構成されてもよい。実施形態においては、動作モードにおいて、前記システム光は、前記第1デバイス光を有してもよい。(もしあれば)他の動作モードにおいては、前記システムが、1つ以上の他のタイプの光生成デバイスを有する場合には、前記システム光は、他の光も含み得る(下記の実施形態も参照)。
【0018】
前記第1光生成デバイスは、1つ以上の第1光源を有してもよい。前記1つ以上の光源は、第1光源光を生成するよう構成されてもよい。
【0019】
「光源」という用語は、原則として、当技術分野において知られている任意の光源に関し得る。それは、従来の(タングステン)電球、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、蛍光灯、LED(発光ダイオード)であってもよい。特定の実施形態においては、前記光源は、(LED又はレーザダイオード(若しくは「ダイオードレーザ」)などの)固体LED光源を有する。「光源」という用語は、2乃至200個の(固体)LED光源などの複数の光源に関することもある。従って、LEDという用語は、複数のLEDを指すこともある。更に、「光源」という用語は、実施形態においては、所謂チップオンボード(COB)光源を指すこともある。「COB」という用語は、特に、包まれてもおらず、接続されてもおらず、PCBのような基板上に直接取り付けられている半導体チップの形態のLEDチップを指す。従って、複数の発光半導体光源が同じ基板に構成されてもよい。実施形態においては、COBは、単一の照明モジュールとして一緒に構成されるマルチLEDチップである。
【0020】
前記光源は、光脱出面(light escape surface)を有し得る。電球又は蛍光灯のような従来の光源に関しては、前記光脱出面は、ガラス又は石英のエンベロープの外面であり得る。LEDの場合は、前記光脱出面は、例えば前記LEDダイであり得る、又は前記LEDダイに樹脂が塗布される場合、前記樹脂の外面であり得る。原理上、前記光脱出面は、ファイバの終端である可能性もある。脱出面という用語は、特に、前記光源の、光が実際に前記光源から出る又は脱出する部分に関する。前記光源は、光ビームを供給するよう構成される。(従って)前記光源の光出射面からこの光ビームが脱出する。
【0021】
同様に、光生成デバイスは、端部窓(end window)などの光脱出面を含み得る。更に、同様に、光生成システムは、端部窓などの光脱出面を含み得る。
【0022】
「光源」という用語は、発光ダイオード(LED)、共振空洞発光ダイオード(RCLED)、垂直キャビティレーザダイオード(VCSEL)、端面発光レーザなどのような半導体発光デバイスを指し得る。「光源」という用語は、パッシブマトリクス(PMOLED)又はアクティブマトリクス(AMOLED)などの有機発光ダイオード(OLED)を指すこともある。特定の実施形態においては、前記光源は、(LED又はレーザダイオードなどの)固体光源を有する。実施形態においては、前記光源は、LED(発光ダイオード)を有する。「光源」又は「固体光源」という用語は、スーパールミネッセントダイオード(superluminescent diode)(SLED)を指すこともある。LEDという用語は、複数のLEDを指すこともある。
【0023】
「光源」という用語は、2乃至2000個の固体光源などの複数の(本質的に同一の(又は異なる))光源に関することもある。実施形態においては、前記光源は、LEDなどの単一の固体光源の下流に、又は複数の固体光源の下流に(即ち、例えば複数のLEDによって共有される)、1つ以上のマイクロ光学要素(マイクロレンズのアレイ)を有してもよい。実施形態においては、前記光源は、オンチップ光学系を備えるLEDを有してもよい。実施形態においては、前記光源は、(実施形態においては、オンチップビームステアリングを提供する)(光学系を備える又は備えない)ピクセル化された単一のLEDを有する。
【0024】
実施形態においては、例えば、青色LEDのような青色光源、又は緑色LEDのような緑色光源、及び赤色LEDのような赤色光源などの、前記光源は、その自体として使用される一次放射線を供給するよう構成されてもよい。ルミネッセンス材料(「蛍光体」)を含まないことがある、このようなLEDは、ダイレクトカラーLED(direct color LED)と示されることがある。
【0025】
しかしながら、他の実施形態においては、前記光源は、一次放射線を供給するよう構成されてもよく、前記一次放射線の一部は、二次放射線に変換される。二次放射線は、ルミネッセンス材料による変換に基づき得る。それ故、前記二次放射線は、ルミネッセンス材料放射線と示されることもある。前記ルミネッセンス材料は、実施形態においては、ルミネッセンス材料を含むルミネッセンス材料層又はドームを備えるLEDなどの、前記光源によって含まれてもよい。このようなLEDは、蛍光体変換LED又はPC LED(phosphor converted LED)と示されることがある。他の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、前記LEDのダイと物理的に接触していないルミネッセンス材料層を備えるLEDのように、前記光源から幾らかの距離を置いて(「遠隔」に)構成されてもよい。従って、特定の実施形態においては、前記光源は、動作中、少なくとも、380乃至470nmの範囲から選択される波長において光を発する光源であり得る。しかしながら、他の波長も可能であり得る。この光は、部分的に、前記ルミネッセンス材料によって使用され得る。
【0026】
実施形態においては、前記光生成デバイスは、ルミネッセンス材料を有してもよい。実施形態においては、前記光生成デバイスは、PC LEDを有してもよい。他の実施形態においては、前記光生成デバイスは、直射LED(direct LED)(即ち、蛍光体なし)を有してもよい。実施形態においては、前記光生成デバイスは、レーザダイオードのような、レーザデバイスを有してもよい。実施形態においては、前記光生成デバイスは、スーパールミネッセントダイオードを有してもよい。従って、特定の実施形態においては、前記光源は、レーザダイオード及びスーパールミネッセントダイオードのグループから選択されてもよい。他の実施形態においては、前記光源は、LEDを有してもよい。
【0027】
前記光源は、特に、光軸(O)、(ビーム形状、)及びスペクトルパワー分布を有する光源光を生成するよう構成され得る。前記光源光は、実施形態においては、レーザについて知られているような帯域幅を有する、1つ以上の帯域を有し得る。
【0028】
「光源」という用語は、(従って、)例えば固体光源のような光生成要素それ自体を指すことがあり、又は例えば、固体光源などの前記光生成要素、並びにルミネッセンス材料を含む要素、及びレンズ、コリメータのような(他の)光学系のうちの1つ以上のパッケージを指すことがある。光変換要素(「変換要素」又は「変換器」)は、ルミネッセンス材料を含む要素を有してもよい。例えば、青色LEDのような固体光源それ自体は、光源である。青色LEDと光変換要素との組み合わせなどの、(光生成要素のような)固体光源と、前記固体光源に光学的に結合される光変換要素との組み合わせは、光源であることもある(が、光生成デバイスと示されることもある)。従って、白色LEDは、光源である(が、例えば(白色)光生成デバイスと示されることもある)。
【0029】
「光源」という用語は、本明細書においては、LED又はレーザダイオード又はスーパールミネッセントダイオードなどの固体光源を含む光源を指すこともある。
【0030】
「光源」という用語は、(従って、)実施形態においては、ルミネッセンス変換材料と組み合わせた光源などの、光の変換に(も)基づいている光源を指すこともある。従って、「光源」という用語は、LEDと、前記LEDの放射線の少なくとも一部を変換するよう構成されるルミネッセンス材料の組み合わせ、又は(ダイオード)レーザと、前記(ダイオード)レーザの放射線の少なくとも一部を変換するよう構成されるルミネッセンス材料の組み合わせを指すこともある。
【0031】
実施形態においては、「光源」という用語は、LEDのような光源と、前記光源によって生成される光のスペクトルパワー分布を変化させ得る光学フィルタとの組み合わせを指すこともある。特に、「光生成デバイス」は、光源、並びに光学フィルタ及び/又はビーム成形要素などのような更なる光学的構成要素を扱うために使用されることがある。
【0032】
「異なる光源」又は「複数の異なる光源」という語句、及び同様の語句は、実施形態においては、少なくとも2つの異なるビン(bin)から選択される複数の固体光源を指し得る。同様に、「同一の光源」又は「複数の同じ光源」という語句、及び同様の語句は、実施形態においては、同じビンから選択される複数の固体光源を指し得る。
【0033】
「固体光源」又は「固体材料光源」という用語、及び同様の用語は、特に、発光ダイオード(LED)、ダイオードレーザ、又はスーパールミネッセントダイオードなどの半導体光源を指し得る。
【0034】
特には、「光生成デバイス」という用語は、発光ダイオード(LED)のような、固体光源を含むデバイスを指すことがある。
【0035】
上記のように、前記光生成システムは、第1光生成デバイスを有してもよい。「第1光生成デバイス」という用語は、複数の第1光生成デバイスであって、前記複数の第1光生成デバイスのうちの2つ以上が同じであってもよく、且つ/又は前記複数の第1光生成デバイスのうちの2つ以上が異なっていてもよい複数の第1光生成デバイスを指すこともある。特には、前記第1光生成デバイスは、第1光源と、第1ルミネッセンス変換器とを有してもよい。
【0036】
実施形態においては、前記第1光源は、固体光源を有してもよい。更に、上記のように、「第1光源」という用語は、複数の第1光源であって、前記複数の第1光源のうちの2つ以上が同じであってもよく、且つ/又は前記複数の第1光源のうちの2つ以上が異なっていてもよい複数の第1光源を指すこともある。特には、前記第1光源は、レーザダイオード又はLED、特にはLEDのような、固体光源を有してもよい。特に、2つ以上の第1光源が存在する場合、前記第1光源は、同じビンのものであってもよい。
【0037】
実施形態においては、前記第1光源は、380乃至430nm、より特には380乃至420nmの波長範囲、より特には395乃至415nmの範囲、更に更により特には400乃至410nmの範囲から選択される波長を持つ第1光源光を生成するよう構成されてもよい。より特には、前記第1光源は、380乃至430nmの波長範囲、より特には、実施形態においては395乃至415nmなどの、380乃至420nmの範囲、更に更により特には400乃至410nmの範囲から選択されるピーク波長を持つ第1光源光を生成するよう構成されてもよい。
【0038】
更に、実施形態においては、前記第1光源は、380乃至430nm、より特には380乃至420nmの範囲から選択される第1光源重心波長(λs,1)を持つ第1光源光を生成するよう構成されてもよい。このような光により、ウイルス負荷及び/又は細菌負荷を低減することが可能である可能性がある。より特には、前記第1光源重心波長(λs,1)は、395乃至415nmの範囲から選択されてもよい。特に、約405nm付近の波長が適している可能性がある。従って、更に特定の実施形態においては、前記第1光源重心波長(λs,1)は、400乃至410nmの範囲から選択されてもよい。
【0039】
λcとも示される「重心波長」という用語は、当技術分野において知られており、光エネルギの半分がより短い波長にあり、光エネルギの半分がより長い波長にある波長値を指し、値はナノメートル(nm)単位で示される。それは、式λc=Σλ×I(λ)/(ΣI(λ)によって表されるような、スペクトルパワー分布の積分を2等分に分ける波長であり、総和は、関心のある波長範囲にわたるものであり、I(λ)は、スペクトルエネルギ密度である(即ち、積分強度に正規化された発光帯域にわたる波長及び強度の積の積分である)。前記重心波長は、例えば、動作状態において決定されてもよい。
【0040】
前述のように、このような光により、一部の細菌及び/又は一部のウイルスが不活性化される可能性がある。しかしながら、このような第1光生成デバイスの効力は、短い波長のため、相対的に低い可能性があるのに対して、目は、緑色においてはるかに敏感である。更に、光透過性材料を介した前記第1光源光のアウトカップリングは、望ましいアウトカップリングより少ない可能性があるようである。光透過性材料に幾らかの(第1)ルミネッセンス材料を埋め込むことは、より良好なアウトカップリングを提供する。相対的に少ない量及び相対的に低い変換が、既に望ましい効果が持つ可能性があるようである。従って、元の短波長放射線のかなりの寄与を残す、相対的に低い変換により、ある種の白色光が生成される可能性があり、前記ある種の白色光は、(それでも)ウイルス負荷及び/又は細菌負荷を低減させるのに有用な特性を持つ可能性がある。
【0041】
従って、前記第1光生成デバイスは、(第1)ルミネッセンス材料を有してもよい。前記第1変換器光は、実施形態においては、本質的に、前記第1ルミネッセンス材料によって供給されてもよい。前記第1変換器は、1つ以上の(第1)ルミネッセンス材料を有してもよい。
【0042】
以下では、ルミネッセンス材料に関する幾つかの実施形態であって、(前記第1光生成デバイスの)前記第1ルミネッセンス材料及び/又は(前記第2光生成デバイスの)(随意の)前記第2ルミネッセンス材料に関し得る幾つのかの実施形態について説明する。
【0043】
「ルミネッセンス材料」という用語は、特に、第1放射線、特にUV放射線及び青色放射線のうちの1つ以上を、第2放射線に変換することができる材料を指す。一般に、前記第1放射線と前記第2放射線とは、異なるスペクトルパワー分布を有する。従って、「ルミネッセンス材料」という用語の代わりに、「ルミネッセンス変換器」又は「変換器」という用語が適用されることもある。一般に、前記第2放射線は、前記第1放射線よりも大きい波長の所にスペクトルパワー分布を有し、これは、所謂ダウンコンバージョンの場合である。しかしながら、特定の実施形態においては、前記第2放射線は、前記第1放射線よりも小さい波長の所に強度を持つスペクトルパワー分布を有し、これは、所謂アップコンバージョンの場合である。
【0044】
実施形態においては、前記「ルミネッセンス材料」は、特に、放射線を、例えば可視光及び/又は赤外光に変換することができる材料を指す場合がある。例えば、実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、UV放射線及び青色放射線のうちの1つ以上を、可視光に変換することができる場合がある。前記ルミネッセンス材料は、特定の実施形態においては、放射線を赤外放射線(IR)に変換する場合もある。従って、前記ルミネッセンス材料は、放射線で励起されると、放射線を放出する。一般に、前記ルミネッセンス材料は、ダウンコンバータであり、即ち、より小さい波長の放射線が、より大きい波長(λex<λem)を持つ放射線に変換されるが、特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、アップコンバータ・ルミネッセンス材料を有する場合があり、即ち、より大きい波長の放射線が、より小さい波長(λex>λem)を持つ放射線に変換される。
【0045】
実施形態においては、「ルミネッセンス」という用語は、リン光を指すことがある。実施形態においては、「ルミネッセンス」という用語は、蛍光を指すこともある。「ルミネッセンス」という用語の代わりに、「発光」という用語が適用されることもある。従って、「第1放射線」及び「第2放射線」という用語は、それぞれ、励起放射線及び発光(放射線)を指すことがある。同様に、「ルミネッセンス材料」という用語は、実施形態においては、リン光及び/又は蛍光を指すことがある。
【0046】
「ルミネッセンス材料」という用語は、複数の異なるルミネッセンス材料を指すこともある。可能なルミネッセンス材料の例を以下に示す。従って、「ルミネッセンス材料」という用語は、特定の実施形態においては、ルミネッセンス材料組成物を指すこともある。
【0047】
実施形態においては、ルミネッセンス材料は、それぞれ、特に三価セリウム又は二価ユーロピウムをドープした、ガーネット及び窒化物から選択される。「窒化物」という用語は、酸窒化物又はニトリドシリケートなどを指すこともある。その代わりに、又は加えて、前記ルミネッセンス材料は、特に二価ユーロピウムをドープした、ケイ酸塩から選択されてもよい。
【0048】
特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、A3B5O12:Ceタイプのルミネッセンス材料を含み、Aは、実施形態においては、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上、特に、Y、Gd、Tb及びLuのうちの(少なくとも)1つ以上を含み、Bは、実施形態においては、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を含む。特に、Aは、特にY及びLuのうちの1つ以上のような、Y、Gd及びLuのうちの1つ以上を含み得る。特に、Bは、Al及びGaのうちの1つ以上、より特に、本質的にAlだけのような、少なくともAlを含み得る。従って、特に適切なルミネッセンス材料は、セリウムを含むガーネット材料(cerium comprising garnet material)である。ガーネットの実施形態は、特に、A3B5O12ガーネットを含み、Aは、少なくともイットリウム又はルテチウムを含み、Bは、少なくともアルミニウムを含む。このようなガーネットは、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、又はセリウムとプラセオジムとの組み合わせをドープしている可能性があるが、特にCeをドープしている可能性がある。特に、Bは、アルミニウム(Al)を含んでもよいが、Bは、アルミニウムに加えて、ガリウム(Ga)及び/又はスカンジウム(Sc)及び/又はインジウム(In)も、部分的に、特に最大でBの約20%、より特に最大でBの約10%含んでもよい(即ち、Bイオンは、本質的に、90モル%以上のAlと、10モル%以下のGa、Sc及びInのうちの1つ以上とから成る)。Bは、特に、最大で約10%のガリウムを含んでもよい。別の変形例においては、B及びOは、少なくとも部分的にSi及びNに置き換えられてもよい。元素Aは、特に、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、及びルテチウム(Lu)から成るグループから選択され得る。更に、Gd及び/又はTbは、特に、Aの約20%の量までしか存在しない。特定の実施形態においては、ガーネットルミネッセンス材料は、(Y1-xLux)3B5O12:Ceを含み、xは、0以上且つ1以下である。「:Ce」という用語は、ルミネッセンス材料中の金属イオンの一部(即ち、ガーネットにおいては、「A」イオンの一部)が、Ceに置き換えられることを示している。例えば、(Y1-xLux)3Al5O12:Ceの場合には、Y及び/又はLuの一部が、Ceに置き換えられる。このことは、当業者には知られている。Ceは、Aを、一般に10%以下置き換え、一般に、Ce濃度は、(Aに対して)0.1乃至4%、特に0.1乃至2%の範囲内である。1%のCe及び10%のYと仮定すると、完全に正しい式は、(Y0.1Lu0.89Ce0.01)3Al5O12となり得る。ガーネットにおけるCeは、当業者には知られているように、実質的に三価状態にある、又は三価状態にしかない。
【0049】
実施形態においては、ルミネッセンス材料は、(従って)A3B5O12を含み、特定の実施形態においては、B-Oの最大10%が、Si-Nによって置き換えられ得る。
【0050】
特定の実施形態においては、ルミネッセンス材料は、(Yx1-x2-x3A'x2Cex3)3(Aly1-y2B'y2)5O12を含み、x1+x2+x3=1であり、x3>0であり、0<x2+x3≦0.2であり、y1+y2=1であり、0≦y2≦0.2であり、A'は、ランタニドから成るグループから選択される1つ以上の元素を含み、B'は、Ga、In及びScから成るグループから選択される1つ以上の元素を含む。実施形態においては、x3は、0.001乃至0.1の範囲から選択される。本発明においては、特に、x1>0.2などの、少なくとも0.8のような、x1>0である。Yを備えるガーネットは、適切なスペクトルパワー分布を提供し得る。
【0051】
特定の実施形態においては、B-Oの最大10%が、Si-Nに置き換えられ得る。ここでは、B-OにおけるBは、Al、Ga、In及びScのうちの1つ以上を指し(且つOは、酸素を指し)、特定の実施形態においては、B-Oは、Al-Oを指す場合がある。上記のように、特定の実施形態においては、x3は、0.001乃至0.04の範囲から選択され得る。特には、このようなルミネッセンス材料は、適切なスペクトル分布を有し(但し、下記参照)、相対的に高い効率を有し、相対的に高い熱安定性を有し、(随意に、本明細書において記載されているような他の光源の光と組み合わせて)高いCRIを可能にし得る。従って、特定の実施形態においては、Aは、Lu及びGdから成るグループから選択され得る。その代わりに、又は加えて、Bは、Gaを含み得る。従って、実施形態においては、ルミネッセンス材料は、(Yx1-x2-x3(Lu,Gd)x2Cex3)3(Aly1-y2Gay2)5O12を含み、Lu及び/又はGdが利用可能であってもよい。更により特には、x3は、0.001乃至0.1の範囲から選択され、0<x2+x3≦0.1であり、0≦y2≦0.1である。更に、特定の実施形態においては、B-Oの最大1%が、Si-Nに置き換えられ得る。ここで、百分率は、(当技術分野において知られているように)モルを指し、例えば、EP3149108も参照されたい。更に他の特定の実施形態においては、ルミネッセンス材料は、(Yx1-x3Cex3)3Al5O12を含み、x1+x3=1であり、0<x3≦0.2であり、0.001乃至0.1などである。
【0052】
特定の実施形態においては、光生成デバイスは、セリウムを含むガーネットのタイプから選択されるルミネッセンス材料しか含まないことがある。もっと他の特定の実施形態においては、光生成デバイスは、(Yx1-x2-x3A'x2Cex3)3(Aly1-y2B'y2)5O12などの、単一のタイプのルミネッセンス材料を含む。従って、特定の実施形態においては、前記光生成デバイスは、ルミネッセンス材料を有し、前記ルミネッセンス材料の少なくとも85重量%、更により特に少なくとも約90重量%、例えば更にもっとより特に少なくとも約95重量%が、(Yx1-x2-x3A'x2Cex3)3(Aly1-y2B'y2)5O12を含む。ここで、A'は、ランタニドから成るグループから選択される1つ以上の元素を含み、B'は、Ga、In及びScから成るグループから選択される1つ以上の元素を含み、x1+x2+x3=1であり、x3>0であり、0<x2+x3≦0.2であり、y1+y2=1であり、0≦y2≦0.2である。特に、x3は、0.001乃至0.1の範囲から選択される。実施形態においては、x2=0であることに留意されたい。その代わりに、又は加えて、実施形態においては、y2=0である。
【0053】
特定の実施形態においては、Aは、特に、少なくともYを含んでもよく、Bは、特に、少なくともAlを含んでもよい。
【0054】
その代わりに、又は加えて、ルミネッセンス材料は、A3Si6N11:Ce3+タイプのルミネッセンス材料を含んでもよく、Aは、実施形態においてはLa及びYのうちの1つ以上などの、Y、La、Gd、Tb及びLuのうちの1つ以上を含む。
【0055】
実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、その代わりに、又は加えて、MS:Eu2+及び/又はM2Si5N8:Eu2+及び/又はMAlSiN3:Eu2+及び/又はCa2AlSi3O2N5:Eu2+などのうちの1つ以上を含んでもよく、Mは、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上、特に実施形態においては、少なくともSrを含む。従って、実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、(Ba,Sr,Ca)S:Eu、(Ba,Sr,Ca)AlSiN3:Eu及び(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:Euから成るグループから選択される1つ以上の材料を含んでもよい。これらの化合物において、ユーロピウム(Eu)は、実質的に二価のものである、又は二価のものしかなく、示されている二価カチオンのうちの1つ以上を置き換える。一般に、Euは、カチオンの10%よりも多い量では存在せず、Euの存在は、特に、Euが置き換えるカチオンに対して、約0.5乃至10%の範囲内、より特に約0.5乃至5%の範囲内である。「:Eu」という用語は、金属イオンの一部が、Eu(これらの例においてはEu2+)に置き換えられることを示している。例えば、CaAlSiN3:Euにおいて2%のEuと仮定すると、正しい式は、(Ca0.98Eu0.02)AlSiN3となり得る。二価ユーロピウムは、一般に、上記の二価アルカリ土類カチオンなどの、二価カチオン、特にCa、Sr又はBaを置き換える。材料(Ba,Sr,Ca)S:Euは、MS:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。更に、材料(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:Euは、M2Si5N8:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、Sr及び/又はBaを含む。更なる特定の実施形態においては、Mは、Sr及び/又はBa(Euの存在は考慮に入れていない)から成り、Ba1.5Sr0.5Si5N8:Eu(即ち、75%のBa;25%のSr)のような、特に50乃至100%、より特に50乃至90%のBa、及び50乃至0%、特に50乃至10%のSrから成る。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。同様に、材料(Ba,Sr,Ca)AlSiN3:Euは、MAlSiN3:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。上記のルミネッセンス材料におけるEuは、当業者には知られているように、実質的に二価状態にある、又は二価状態にしかない。
【0056】
実施形態においては、赤色ルミネッセンス材料は、(Ba,Sr,Ca)S:Eu、(Ba,Sr,Ca)AlSiN3:Eu及び(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:Euから成るグループから選択される1つ以上の材料を含んでもよい。これらの化合物において、ユーロピウム(Eu)は、実質的に二価のものである、又は二価のものしかなく、示されている二価カチオンのうちの1つ以上を置き換える。一般に、Euは、カチオンの10%よりも多い量では存在せず、Euの存在は、特に、Euが置き換えるカチオンに対して、約0.5乃至10%の範囲内、より特に約0.5乃至5%の範囲内である。「:Eu」という用語は、金属イオンの一部が、Eu(これらの例においてはEu2+)に置き換えられることを示している。例えば、CaAlSiN3:Euにおいて2%のEuと仮定すると、正しい式は、(Ca0.98Eu0.02)AlSiN3となり得る。二価ユーロピウムは、一般に、上記の二価アルカリ土類カチオンなどの、二価カチオン、特にCa、Sr又はBaを置き換える。
【0057】
材料(Ba,Sr,Ca)S:Euは、MS:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。
【0058】
更に、材料(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:Euは、M2Si5N8:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、Sr及び/又はBaを含む。更なる特定の実施形態においては、Mは、Sr及び/又はBa(Euの存在は考慮に入れていない)から成り、Ba1.5Sr0.5Si5N8:Eu(即ち、75%のBa;25%のSr)のような、特に50乃至100%、より特に50乃至90%のBa、及び50乃至0%、特に50乃至10%のSrから成る。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。
【0059】
同様に、材料(Ba,Sr,Ca)AlSiN3:Euは、MAlSiN3:Euと示されることもあり、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)から成るグループから選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においては、カルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、より特にカルシウムを含む。ここで、Euが、導入され、M(即ち、Ba、Sr及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置き換える。
【0060】
上記のルミネッセンス材料におけるEuは、当業者には知られているように、実質的に二価状態にある、又は二価状態にしかない。
【0061】
青色ルミネッセンス材料は、YSO(Y2SiO5:Ce3+)、若しくは同様の化合物、又はBAM(BaMgAl10O17:Eu2+)、若しくは同様の化合物を含んでもよい。
【0062】
「ルミネッセンス材料」という用語は、本明細書においては、特に、無機ルミネッセンス材料に関する。
【0063】
「ルミネッセンス材料」という用語の代わりに、「蛍光体」という用語が適用されることもある。これらの用語は、当業者には知られている。
【0064】
その代わりに、又は加えて、他のルミネッセンス材料が適用されることもある。例えば、量子ドット及び/又は有機色素が、適用されてもよく、随意に、例えばPMMA又はポリシロキサンなどのようなポリマのような、透過性マトリックスに埋め込まれてもよい。
【0065】
量子ドットは、一般にわずか数ナノメートルの幅又は直径を有する半導体材料の小さい結晶である。量子ドットは、入射光によって励起されるときに、前記結晶のサイズ及び材料によって決定されている色の光を発する。従って、ドットのサイズを適合させることによって、特定の色の光が生成されることができる。可視域で発光する、最も知られている量子ドットは、硫化カドミウム(CdS)及び硫化亜鉛(ZnS)などのシェルを備えるセレン化カドミウム(CdSe)をベースにしている。リン化インジウム(InP)、並びに硫化銅インジウム(CuInS2)及び/又は硫化銀インジウム(AgInS2)などの、カドミウムを含まない量子ドットも、使用されることができる。量子ドットは非常に狭い発光帯域を示し、従って、量子ドットは飽和色を示す。更には、発光色は、量子ドットのサイズを適合させることによって、容易に調整されることができる。本発明においては、当技術分野において知られている任意のタイプの量子ドットが使用され得る。しかしながら、環境に関する安全性及び懸念の理由で、カドミウムを含まない量子ドット、又は少なくともカドミウム含有量が非常に少ない量子ドットを使用することが好ましい場合がある。
【0066】
量子ドットの代わりに、又は量子ドットに加えて、他の量子閉じ込め構造が使用されることもある。「量子閉じ込め構造」は、本願との関連においては、例えば、量子井戸、量子ドット、量子ロッド、トライポッド、テトラポッド、又はナノワイヤなどとして理解されたい。
【0067】
有機蛍光体も使用されることができる。適切な有機蛍光体材料の例は、ペリレン誘導体をベースとした有機ルミネッセンス材料、例えば、BASFによってLumogen(登録商標)という名称で販売されている化合物である。適切な化合物の例は、Lumogen(登録商標)Red F305、Lumogen(登録商標)Orange F240、Lumogen(登録商標)Yellow F083、及びLumogen(登録商標)F170を含むが、これらに限定されない。
【0068】
異なるルミネッセンス材料は、異なるスペクトルパワー分布のそれぞれのルミネッセンス材料光を有し得る。その代わりに、又は加えて、このような異なるルミネッセンス材料は、特に、異なるカラーポイント(又は主波長)を有し得る。
【0069】
上記のように、他のルミネッセンス材料も可能であり得る。従って、特定の実施形態においては、前記ルミネッセンス材料は、二価ユーロピウム含有窒化物、二価ユーロピウム含有酸窒化物、二価ユーロピウム含有ケイ酸塩、セリウムを含むガーネット、及び量子構造のグループから選択される。量子構造は、例えば、量子ドット又は量子ロッド(又は他の量子型粒子)(上記参照)を含み得る。量子構造は、量子井戸も含み得る。量子構造は、フォトニック結晶も含み得る。
【0070】
特には、前記第1ルミネッセンス材料は、広帯域発光を供給し得る。
【0071】
前記ルミネッセンス材料は、少なくとも50nmのような、少なくとも40nmの(前記ルミネッセンス材料光の)半値全幅の発光帯域が得られるように選ばれ得る。例えば、前記ルミネッセンス材料は、少なくとも60nmの半値全幅の発光帯域が得られるように選ばれ得る。これは、例えば、(本明細書において記載されているような)3価セリウムを含むガーネットルミネッセンス材料の場合であり得る。従って、特には、前記ルミネッセンス材料は、広帯域放射体を含み得る。前記ルミネッセンス材料は、複数の広帯域放射体を有することもある。特に、前記第1デバイス光の少なくとも一部及び/又は前記第2デバイス光の少なくとも一部を変換するために、2つ以上のルミネッセンス材料が適用される場合、前記2つ以上のルミネッセンス材料のうちの少なくとも2つは、各々が、少なくとも50nmのような、少なくとも40nmの(前記ルミネッセンス材料光の)半値全幅を持つ発光帯域を有するそれぞれのルミネッセンス材料光を供給するよう構成され得る。
【0072】
特定の実施形態においては、前記第1ルミネッセンス変換器は、前記第1光源光の(少なくとも)一部を第1変換器光に変換するよう構成されてもよい。更に、実施形態においては、前記第1変換器光は、第1変換器重心波長(λc,1)を有してもよい。特には、前記第1変換器重心波長(λc,1)は、緑色~黄色波長範囲から選択される。従って、前記第1変換器重心波長(λc,1)は、490乃至590nmの波長範囲内、特には少なくとも500nm、特には最大で約580nmであってもよい。
【0073】
「紫色光」又は「紫色発光」という用語、及び同様の用語は、特に、約380乃至440nmの範囲内に波長を有する光に関する。特定の実施形態においては、前記紫色光は、380乃至440nmの範囲内に重心波長を有してもよい。「青色光」又は「青色発光」という用語、及び同様の用語は、特に、(幾らか紫色及びシアンの色相を含む)約440乃至490nmの範囲内に波長を有する光に関する。特定の実施形態においては、前記青色光は、440乃至490nmの範囲内に重心波長を有してもよい。「緑色光」又は「緑色発光」という用語、及び同様の用語は、特に、約490乃至560nmの範囲内に波長を有する光に関する。特定の実施形態においては、前記緑色光は、490乃至560nmの範囲内に重心波長を有してもよい。「黄色光」又は「黄色発光」という用語、及び同様の用語は、特に、約560至590nmの範囲内に波長を有する光に関する。特定の実施形態においては、前記黄色光は、560至590nmの範囲内に重心波長を有してもよい。「オレンジ色光」又は「オレンジ色発光」という用語、及び同様の用語は、特に、約590乃至620nmの範囲内に波長を有する光に関する。特定の実施形態においては、前記オレンジ色光は、590乃至620nmの範囲内に重心波長を有してもよい。「赤色光」又は「赤色発光」という用語、及び同様の用語は、特に、約620乃至750nmの範囲内に波長を有する光に関する。特定の実施形態においては、前記赤色光は、620乃至750nmの範囲内に重心波長を有してもよい。「シアン光」又は「シアン発光」という用語、及び同様の用語は、特に、約490乃至520nmの範囲内に波長を有する光に関する。特定の実施形態においては、前記シアン光は、490乃至520nmの範囲内に重心波長を有してもよい。「琥珀色光」又は「琥珀色発光」という用語、及び同様の用語は、特に、約590至600nmなどの、約585至605nmの範囲内に波長を有する光に関する。特定の実施形態においては、前記琥珀色光は、585至605nmの範囲内に重心波長を有してもよい。
【0074】
このやり方においては、前記第1光生成デバイスは、特に、前記第1光源光と前記第1変換器光とを含む第1デバイス光を生成するよう構成されてもよい。特には、前記第1デバイス光は、本質的に、前記第1光源光及び前記第1変換器光から成っていてもよく、前記第1光源光は、本質的に、前記1つ以上の第1(固体)光源によって生成され、前記第1変換器光は、前記第1光源光の一部の、前記第1変換器光への変換によって生成される。特定の実施形態においては、380乃至780nmの範囲内の第1デバイス光のスペクトルパワー分布に対して、スペクトルパワーの少なくとも60%は、前記第1光源光によって供給されてもよく、スペクトルパワーの最大で40%は、前記第1変換器光によって供給されてもよい。
【0075】
特定の実施形態においては、前記第1ルミネッセンス変換器は、第1マトリックス材料(first matrix material)と、第1ルミネッセンス材料とを有してもよい。上記及び下記では、本質的に緑色及び/又は黄色の光を供給し得るものに特に注意を払って、第1ルミネッセンス材料の例が示されている。従って、実施形態においては、前記第1ルミネッセンス変換器は、前記第1光源光を、黄色~緑色波長範囲から、更により特には緑色波長範囲から選択される第1変換器重心波長(λc,1)を持つ第1変換器光に変換するよう構成されてもよい。
【0076】
特定の実施形態においては、380乃至780nmの範囲内の前記第1変換器光のスペクトルパワー分布に対して、スペクトルパワーの最大で20%は、585乃至780nmの範囲内にあってもよい。従って、前記第1変換器光のスペクトルパワー分布のオレンジ色~赤色波長範囲における強度は、相対的に低くてもよい。それ故、前記第1変換器光は、380乃至780nmの波長範囲内にスペクトルパワー分布を有してもよく、その波長範囲内のスペクトルパワーの最大で20%は、585乃至780nmの範囲において利用可能であってもよい。
【0077】
前記マトリックス材料は、特に、シリコーンなどの、樹脂を有してもよい。
【0078】
特定の実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料は、前記第1ルミネッセンス変換器の総重量に対して第1重量パーセントCW1を持つ。実施形態においては、CW1は、約0.1乃至10wt%の範囲から選択されるような、約0.5乃至8重量%の範囲から選択されるような、10wt%以下である。
【0079】
特定の実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料は、前記第1ルミネッセンス変換器の総体積に対して第1体積パーセントCV1を持つ。実施形態においては、CV1は、約0.03乃至3vol.%の範囲から選択されるような、約0.15乃至2.5体積%の範囲から選択されるような、3vol%以下である。
【0080】
実施形態においては、前記第1デバイス光は、相対的に高い相関色温度(CCT)を有してもよい。特には、前記第1デバイス光のCCTは、実施形態においては、少なくとも6000Kのような、少なくとも約5500Kであってもよい。特定の実施形態においては、前記第1デバイス光は、6000乃至25000Kの範囲から選択される相関色温度を有してもよい。特定の実施形態においては、前記第1デバイス光は、少なくとも約6500Kの範囲から選択される相関色温度を有してもよい。前記第1デバイス光は、相対的に冷たい白色の光(relatively cool white light)、又は冷たい白っぽい光(cool whitish light)であってもよい。特定の実施形態においては、前記第1デバイス光は、黒体軌跡(BBL)から約15SDCM内などの、約10SDCM内のような、BBLから0乃至20SDCM内で選択されるカラーポイントを有してもよい。従って、前記第1デバイス光は、白っぽいものであってもよい。
【0081】
しかしながら、前記第1デバイス光は、他の実施形態においては、BBLから20SDCMを(大幅に)超える所にカラーポイントを備えるような、BBLから大幅にオフセットされたものであることもある。
【0082】
実施形態においては、前記第1デバイス光は、u'が0.10乃至0.22の範囲から選択され、v'が0.25乃至0.55の範囲から選択されるカラーポイントを有してもよい。より特には、特定の実施形態においては、前記第1デバイス光は、u'が、0.12乃至0.20などの、0.12乃至0.22の範囲から選択され、v'が、0.30乃至0.50の範囲から選択されるカラーポイントを有してもよい。このような実施形態においては、前記第1デバイス光は、BBLから相対的にオフセットされていてもよい。前記第2デバイス光と組み合わせて、白色における、黒体軌跡(BBL)から約15SDCM内などの、約10SDCM内のような、BBLから0乃至20SDCM内のカラーポイントが生成されてもよい。
【0083】
実施形態においては、前記第1デバイス光は、青みがかっていてもよく、又はシアンのようであってもよい色を有してもよい。
【0084】
特定の実施形態においては、前記第1変換器光は、380乃至780nmの波長範囲内の第1スペクトルパワー分布であって、そのスペクトルパワーの、最大で10%などの、最大で15%を、380乃至490nmの波長範囲内に備える第1スペクトルパワー分布を有してもよい。従って、前記第1ルミネッセンス材料は、実質的に青色発光を有さない(特定の実施形態においては、本質的に緑色及び/又は黄色の発光を有する)ことがある。
【0085】
本明細書における、白色光という用語、及び同様の用語は、当業者には知られている。前記白色光は、特に、約1800Kと20000Kとの間の、少なくとも約2000Kのような、特には2700乃至20000Kの範囲内の、全般照明の場合は特には約2000乃至6700Kの範囲内の、2700乃至6500Kなどの、バックライト用途の場合は特には約6500乃至20000Kの範囲内の相関色温度(CCT)を有し、特に、BBL(黒体軌跡)から約15SDCM(カラーマッチングの標準偏差)内の、特にはBBLから約10SDCM内の、更により特にはBBLから約5SDCM内の光に関する。
【0086】
実施形態においては、前記第1デバイス光は、最大で約70などの、最大で約60のような、更により低い演色評価数などの、最大で約80の演色評価数を有してもよい。実施形態においては、前記第1デバイス光は、白色光又は白っぽい光でさえないことがある。
【0087】
特には、前記第1光生成デバイスは、前記第2光生成デバイスと組み合わせて設けられてもよい。後者は、白色光を生成するよう構成されてもよいのに対して、前者の機能は、本質的に、380乃至425nm、より特には380乃至420nmの波長範囲、より特には395乃至415nmの範囲、更により特には400乃至410nmの範囲などの、380乃至430nmから選択される波長を持つ消毒光を供給するものである。
【0088】
特定の実施形態においては、前記第1光生成デバイスは、スペクトルパワーの少なくとも70%が前記第1光源光によって供給され、スペクトルパワーの最大で30%が前記第1変換器光によって供給されるスペクトルパワー分布を、380乃至780nmの波長範囲内に持つ第1デバイス光を生成するよう構成されてもよい。実施形態においては、前記第1デバイス光のスペクトルパワー分布は、70乃至90%の範囲内のスペクトルパワーが前記第1光源光によって供給され、10乃至30%の範囲内のスペクトルパワーが前記第1変換器光によって供給されるものを有してもよい。
【0089】
特定の実施形態においては、前記第1光生成デバイスは、スペクトルパワーの少なくとも70%が前記第1光源光によって供給され、スペクトルパワーの最大で30%が前記第1変換器光によって供給されるスペクトルパワー分布を、380乃至780nmの波長範囲内に持つ第1デバイス光を生成するよう構成されてもよい。より特には、前記第1光生成デバイスは、スペクトルパワーの少なくとも75%が前記第1光源光によって供給され、スペクトルパワーの最大で25%が前記第1変換器光によって供給されるスペクトルパワー分布を、380乃至780nmの波長範囲内に持つ第1デバイス光を生成するよう構成されてもよい。更に、特に実施形態においては、前記第1光生成デバイスは、スペクトルパワーの少なくとも80%が前記第1光源光によって供給され、スペクトルパワーの最大で20%が前記第1変換器光によって供給されるスペクトルパワー分布を、380乃至780nmの波長範囲内に持つ第1デバイス光を生成するよう構成されてもよい。
【0090】
特定の実施形態においては、前記第1光生成デバイスは、スペクトルパワーの最大で98%が前記第1光源光によって供給され、スペクトルパワーの少なくとも2%が前記第1変換器光によって供給されるスペクトルパワー分布を、380乃至780nmの波長範囲内に持つ第1デバイス光を生成するよう構成されてもよい。より特には、前記第1光生成デバイスは、スペクトルパワーの最大で96%が前記第1光源光によって供給され、スペクトルパワーの少なくとも4%が前記第1変換器光によって供給されるスペクトルパワー分布を、380乃至780nmの波長範囲内に持つ第1デバイス光を生成するよう構成されてもよい。更に、特に実施形態においては、前記第1光生成デバイスは、スペクトルパワーの最大で95%が前記第1光源光によって供給され、スペクトルパワーの少なくとも5%が前記第1変換器光によって供給されるスペクトルパワー分布を、380乃至780nmの波長範囲内に持つ第1デバイス光を生成するよう構成されてもよい。
【0091】
本明細書における、「スペクトルパワー分布を、380乃至780nmの波長範囲内に」という語句、及び同様の語句は、特に、この範囲において規定されるスペクトルパワー分布を指す。その代わりに、「スペクトルパワー分布を、可視波長範囲内に」という語句、及び同様の語句が適用されてもよい。スペクトルパワー分布を、可視範囲内に持つ光は、特定の実施形態においては、UV又はIRにおいても強度を持つ場合がある。しかしながら、本明細書においては、それは、一般に、可視にしか言及されない。可視範囲内に強度を持つ光は、可視波長範囲内の1つ以上の波長において強度を持つ場合がある。
【0092】
「可視」、「可視光」又は「可視発光」という用語、及び同様の用語は、約380乃至780nmの範囲内に1つ以上の波長を有する光を指す。本明細書においては、UVは、特に、200乃至380nmなどの、190乃至380nmの範囲から選択される波長を指すことがある。
【0093】
本明細書においては、「光」という用語が可視光のみを指すことが文脈から明らかな場合を除き、「光」及び「放射線」という用語は交換可能に使用される。従って、「光」及び「放射線」という用語は、UV放射線、可視光、及びIR放射線を指すことがある。特に照明アプリケーションのための、特定の実施形態においては、「光」及び「放射線」という用語は、(少なくとも)可視光を指す。
【0094】
前記第1光生成デバイスは、LEDパッケージとして設けられてもよい。
【0095】
上記のように、前記光生成システムは、第2光生成デバイスを有してもよい。更に、上記のように、特には、「光生成デバイス」という用語は、発光ダイオード(LED)のような、固体光源を含むデバイスを指すことがある。
【0096】
「第2光生成デバイス」という用語は、複数の第2光生成デバイスであって、前記複数の第2光生成デバイスのうちの2つ以上が同じであってもよく、且つ/又は前記複数の第2光生成デバイスのうちの2つ以上が異なっていてもよい複数の第2光生成デバイスを指すこともある。特には、前記第2光生成デバイスは、第2光源と、第2ルミネッセンス変換器とを有してもよい。
【0097】
実施形態においては、前記第2光源は、固体光源を有してもよい。更に、上記のように、「第2光源」という用語は、複数の第2光源であって、前記複数の第2光源のうちの2つ以上が同じであってもよく、且つ/又は前記複数の第2光源のうちの2つ以上が異なっていてもよい複数の第2光源を指すこともある。特には、前記第2光源は、レーザダイオード又はLED、特にはLEDのような、固体光源を有してもよい。特に、2つ以上の第2光源が存在する場合、前記第2光源は、同じビンのものであってもよい。
【0098】
実施形態においては、前記第2光源は、440乃至490nmの波長範囲、より特には440乃至485nmの範囲、更に更により特には445乃至480nmの範囲から選択される波長を持つ第2光源光を生成するよう構成されてもよい。より特には、前記第2光源は、440乃至490nmの波長範囲、より特には440乃至485nmの範囲、更に更により特には445乃至480nmの範囲から選択されるピーク波長を持つ第2光源光を生成するよう構成されてもよい。
【0099】
更に、実施形態においては、前記第2光源は、440乃至490nmの範囲から選択される第2光源重心波長(λs,1)を持つ第2光源光を生成するよう構成されてもよい。より特には、前記第2光源重心波長(λs,1)は、440乃至485nmの範囲から選択されてもよい。特に、約450乃至460nm付近の波長が適している可能性がある。従って、更に特定の実施形態においては、前記第2光源重心波長(λs,1)は、445乃至480nmの範囲から選択されてもよい。
【0100】
従って、実施形態においては、前記光生成システムは、第2光生成デバイスを更に有してもよい。特には、前記第2光生成デバイスは、第2光源と、第2ルミネッセンス変換器とを有してもよい。実施形態においては、前記第2光源は、固体光源を有してもよい。特には、前記第2光源は、第2光源光を生成するよう構成されてもよい。更に特定の実施形態においては、前記第2光源光は、440乃至490nmの範囲から選択される第2光源重心波長(λs,2)を有してもよい。
【0101】
従って、特に、実施形態においては、λs,2≠λs,1である。特に、実施形態においては、λs,2-λs,1>20nmであり、更により特には、λs,2-λs,1>35nmなどの、λs,2-λs,1>30nmである。特に、実施形態においては、λs,2-λs,1≦80nmなどの、実施形態においてはλs,2-λs,1≦75nmのような、λs,2-λs,1≦90nmである。
【0102】
特には、前記第2ルミネッセンス変換器は、前記第2光源光の少なくとも一部を第2変換器光に変換するよう構成されてもよい。更に他の特定の実施形態においては、前記第2ルミネッセンス変換器光は、緑色~赤色波長範囲、即ち、490~780nmの波長範囲(従って、例えば黄色及びオレンジ色も含む波長範囲)から選択される第2変換器重心波長(λc,2)を有してもよい。
【0103】
従って、前記第2光生成デバイスは、(第2)ルミネッセンス材料を有してもよい。前記第2変換器光は、実施形態においては、本質的に、前記第2ルミネッセンス材料によって供給されてもよい。前記第2変換器は、1つ以上の(第2)ルミネッセンス材料を有してもよい。
【0104】
特には、前記第2変換器は、緑色~黄色波長範囲内に重心波長範囲を持つルミネッセンス材料、及びオレンジ色~赤色波長範囲内に重心波長を持つ別のルミネッセンス材料のような、2つの異なるルミネッセンス材料を有してもよい。
【0105】
特には、前記第2ルミネッセンス材料は、広帯域発光を供給し得る。
【0106】
このやり方においては、前記第2光生成デバイスは、特に、前記第2光源光と前記第2変換器光とを含む第2デバイス光を生成するよう構成されてもよい。特には、前記第2デバイス光は、本質的に、前記第2光源光及び前記第2変換器光から成っていてもよく、前記第2光源光は、本質的に、前記1つ以上の第2(固体)光源によって生成され、前記第2変換器光は、前記第2光源光の一部の、前記第2変換器光への変換によって生成される。
【0107】
実施形態においては、前記第2光生成デバイスは、スペクトルパワーの少なくとも50%が前記第2変換器光によって供給され、スペクトルパワーの最大で50%が前記第2光源光によって供給される、より特には、スペクトルパワーの少なくとも60%が前記第2変換器光によって供給され、スペクトルパワーの最大で40%が前記第2光源光によって供給されるスペクトルパワー分布を、380乃至780nmの波長範囲内に持つ第2デバイス光を生成するよう構成されてもよい。
【0108】
特定の実施形態においては、前記第2光生成デバイスは、スペクトルパワーの最大で30%が前記第2光源光によって供給され、スペクトルパワーの少なくとも70%が前記第2変換器光によって供給されるスペクトルパワー分布を、380乃至780nmの波長範囲内に持つ第2デバイス光を生成するよう構成されてもよい。実施形態においては、(380乃至780nmの波長範囲内の)前記第2デバイス光のスペクトルパワー分布は、10乃至30%の範囲内のスペクトルパワーが前記第2光源光によって供給され、70乃至90%の範囲内のスペクトルパワーが前記第2変換器光によって供給されるものを有してもよい。
【0109】
従って、前記第2デバイス光は、本質的に、前記第2光源光及び前記第2変換器光から成っていてもよい。
【0110】
特に、実施形態においては、前記第2ルミネッセンス変換器は、前記第2光源光を、緑色~赤色波長範囲から選択される第2変換器重心波長(λc,2)を持つ第2変換器光に変換するよう構成されてもよい。
【0111】
特定の実施形態においては、前記第2ルミネッセンス変換器は、第2マトリックス材料と、第2ルミネッセンス材料とを有してもよい。上記及び下記では、本質的に、緑色、黄色、オレンジ色及び赤色の光のうちの1つ以上、特に、2つ以上を供給し得るものに特に注意を払って、第2ルミネッセンス材料の例が示されている。前記マトリックス材料は、特に、シリコーンなどの、樹脂を有してもよい。
【0112】
特定の実施形態においては、前記第2ルミネッセンス材料は、前記第2ルミネッセンス変換器の総重量に対して第2重量パーセントCW2を有してもよい。実施形態においては、CW2は、約10乃至70wt%の範囲から選択されるような、少なくとも約20wt%などの、約20乃至70重量%の範囲から選択されるような、特定の実施形態においては約50乃至70重量%の範囲から選択されるような、10wt%以上である。
【0113】
特定の実施形態においては、前記第2ルミネッセンス材料は、前記第2ルミネッセンス変換器の総体積に対して第2体積パーセントCV2を持つ。実施形態においては、CV2は、約3乃至23vol.%の範囲から選択されるような、約6乃至20体積%の範囲から選択されるような、3vol%以上である。
【0114】
特には、前記第2光生成デバイスは、前記第2変換器光と前記第2光源光とを含む第2デバイス光を生成するよう構成されてもよい。より特には、前記第2デバイス光は、白色光であってもよい。
【0115】
上記から明らかであるだろうように、特には、前記第1デバイス光の第1デバイス光スペクトルパワー分布と、前記第2デバイス光の第2デバイス光スペクトルパワー分布とが、異なる。更に、それらは、異なるカラーポイントを有してもよいが、カラーポイントの差は、前記第2デバイス光の所望のCCTに依存してもよい。前記第2デバイス光のCCTが相対的に高い場合には、前記第1デバイス光と前記第2デバイス光との間のカラーポイントの差は、前記第2デバイス光のCCTが相対的に低い場合よりも小さくてもよい。
【0116】
特定の実施形態においては、第1タイプの光及び第2タイプの光の色又はカラーポイントは、前記第1タイプの光及び前記第2タイプの光のそれぞれのカラーポイントが、u'に関して少なくとも0.01及び/又はv'に関して少なくとも0.01、更により特にu'に関して少なくとも0.02及び/又はv'に関して少なくとも0.02異なる場合に、異なり得る。更により特定の実施形態においては、前記第1タイプの光及び前記第2タイプの光のそれぞれのカラーポイントは、u'に関して少なくとも0.03及び/又はv'に関して少なくとも0.03異なり得る。ここで、u'及びv'は、CIE 1976 UCS(均等色度)図における光の色座標である。
【0117】
実施形態においては、前記第1デバイス光と前記第2デバイス光との間のu'及び/又はv'における差は、少なくとも0.03、更に特定の実施形態においては少なくとも0.05などであってもよい。
【0118】
特定の実施形態においては、前記第2光源重心波長(λs,2)は、445乃至480nmの範囲から選択されてもよい。
【0119】
前記第2デバイス光は、前記第1デバイス光よりも低い相関色温度(CCT)を有してもよい。特には、前記第2デバイス光のCCTは、実施形態においては、最大で6000Kのような、最大で約6500Kであってもよい(が、本明細書においては、より大きいCCTは除外されない)。特定の実施形態においては、前記第2デバイス光は、1800乃至6500Kの範囲から選択される相関色温度を有してもよい。特定の実施形態においては、前記第2デバイス光は、2000乃至4500Kの範囲から選択されるような、約2700乃至4000Kの範囲から選択されるような、最大で約4500Kの範囲から選択される相関色温度を有してもよい。しかしながら、他の値も可能である可能性がある。前記第2デバイス光は、暖かい白色の光(warm white light)であってもよいが、必ずしもそうとは限らない。特定の実施形態においては、前記第2デバイス光は、黒体軌跡(BBL)から約15SDCM内などの、約10SDCM内のような、BBLから0乃至20SDCM内で選択されるカラーポイントを有してもよい。実施形態においては、前記第2デバイス光は、少なくとも約75などの、少なくとも約80、又は更には少なくとも85、特定の実施形態においては少なくとも90のような、最小でも70の演色評価数を有してもよい。
【0120】
それ故、特には、前記第2デバイス光は、2000乃至4500Kの範囲から選択されるような、1800乃至6500Kの範囲から選択される相関色温度、黒体軌跡から0乃至15SDCM内の(第2デバイス光)カラーポイント、及び少なくとも約75などの、少なくとも約80のような、最小でも70の演色評価数を有してもよい。しかしながら、少なくとも約85のような、より高い値も可能である可能性がある。更に、特定の実施形態においては、前記第2デバイス光は、少なくとも90のCRIを有してもよい。
【0121】
前記第2光生成デバイスは、LEDパッケージとして設けられてもよい。
【0122】
前記ルミネッセンス材料のために樹脂などのホスト材料(host material)を使用する場合、前記第1ルミネッセンス変換器内の第1ルミネッセンス材料の重量パーセントは、前記第2ルミネッセンス変換器内の第2ルミネッセンス材料の重量パーセントよりも低くてもよい。前記第1デバイス光における前記第1変換器光の寄与は、前記第2デバイス光における前記第2変換器光の寄与の寄与よりも(実質的に)低くてもよい。特定の実施形態においては、CW1/CW2≦0.5であり、より特にはCW1/CW2≦0.3などである。
【0123】
このようなシステム光では、細菌及び/又はウイルスは、非常によく不活性化されることができる。その理由は、前記第1光源光のアウトカップリングが(相対的に)高いためである。驚くべきことに、相対的に少ない量の第1ルミネッセンス材料及び相対的に低い変換が、既に望ましい効果が持つ可能性があるようである。従って、このような構成は、相対的に低い変換により、元の短波長放射線(380乃至420nm)のかなりの寄与を残す。
【0124】
更に、実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料は、前記第1ルミネッセンス変換器内に第1体積パーセントCV1の第1ルミネッセンス材料を有してもよく、前記第2ルミネッセンス材料は、前記第2ルミネッセンス変換器内に第2体積パーセントCV2の第2ルミネッセンス材料を有してもよい。特には、CV1/CV2≦0.5であり、より特にはCV1/CV2≦0.3である。
【0125】
実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料は、粒子状材料を有してもよい。これは、前記第1光源光のアウトカップリングに有用である可能性がある。更に、実施形態においては、前記第1マトリックス材料は、特にシリコーン樹脂などの、樹脂を有してもよい。
【0126】
実施形態においては、前記第2ルミネッセンス材料は、粒子状材料を有してもよい。前記第2マトリックス材料は、樹脂、特にはシリコーン樹脂を有してもよい。実施形態においては、前記樹脂は、同じであってもよい。他の実施形態においては、前記樹脂は、異なっていてもよい。
【0127】
特定の実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料の少なくとも50wt%は、1乃至20μmの範囲から選択される粒子寸法を持つ。前記粒子寸法は、長さ、幅、高さ、直径、又は球相当径から選択されてもよい。(不規則な)形状の物体の球相当径(又はESD)は、同等の体積の球の直径である。従って、辺aを備える立方体の球相当径(ESD)は、
【数1】
である。xyz座標系における、直径Dを備える球が、体積を変えずに、(xyz平面内で)任意の他の形状に歪まされる場合には、その形状の球相当径はDとなる。
【0128】
粒径は、光学顕微鏡法、SEM(走査型電子顕微鏡)及びTEM(透過型電子顕微鏡法)のうちの1つ以上のような、当技術分野において知られている方法で決定され得る。当技術分野において知られているように、寸法は、個数平均したものであってもよい。従って、前記粒子は、実質的に同じであり得るが、前記粒子は、サブセット内では前記粒子が実質的に同じである、粒子の2つ以上のサブセットのように、相互に異なることもある。前記粒子は、単峰型(unimodal)粒径分布又は多峰型(polymodal)粒径分布を有してもよい。更なる実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料のd50値は、1乃至20μmの範囲から選択されてもよい。d50値は、ルミネッセンス変換器のために使用されるルミネッセンス材料のレーザ散乱のような、当技術分野において知られている方法を用いて決定され得る。
【0129】
特定の実施形態においては、前記第2ルミネッセンス材料の少なくとも50wt%は、1乃至20μmの範囲から選択される粒子寸法を有してもい。前記粒子寸法は、長さ、幅、高さ、直径、又は球相当径から選択されてもよい。更なる実施形態においては、前記第2ルミネッセンス材料のd50は、1乃至20μmの範囲から選択されてもよい。
【0130】
実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料は、Eu2+ベースのルミネッセンス材料を有してもよい。このようなルミネッセンス材料は、380乃至430nm、より特には380乃至420nmの波長範囲のような、低波長範囲においてより良好な吸収を有する可能性がある。実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料は、Ce3+ベースのルミネッセンス材料を有してもよい。このような材料は、第1光源光の発光帯域のより長い波長の範囲において、より短い波長の範囲よりも多くを吸収する可能性があり、これも有益である可能性がある。
【0131】
実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料は、
- Lu3Al5O12:Ce3+及びY3Al5O12:Ce3+などの、0≦x≦1であり、0≦y≦1であり、0<z≦0.1であり、0≦u≦0.2であり、0<a≦0.2であり、0≦b≦0.1である、(Lu1-x-y-a-bYxGdy)3(Al1-z-uGazSiu)5O12-uNu:CeaPrbなどの、ガーネット、
- Ca8Mg(SiO4)4Cl2:Euなどの、狭帯域緑色蛍光体(narrow green phosphor)、
- SrSi2N2O2:Eu2+及びBaSi2N0.67O4:Eu2+を含む、a=0.002乃至0.2であり、b=0.0乃至0.25であり、 c=0.0乃至1.0であり、x=1.5乃至2.5であり、y=0.67乃至2.5であり、z=1.5乃至4である、(Sr1-a-b-cCabBac)SixNyOz:Eua
2+などの、酸窒化ケイ素(silicon oxynitride)、
- (La,Y)Si6N11:Ce3+などの、LSN、
- 例えば、SrGa2S4:Eu2+を含む、0≦u+v+x≦1であり、0≦u+z≦2である、(Sr1-u-v-xMguCavBax)(Ga2-y-zAlyInzS4)Eu2+などの、ガラート、
- 例えば、BaSrSiO4:Eu2+を含む、0<x≦1である、(Sr1-xBax)SiO4:Euなどの、ケイ酸塩、
Ca3Sc2Si3O12:Ce3+などの、0≦x≦1であり、0≦y≦1であり、0<z≦1であり、0≦u≦0.2であり、0<a≦0.2であり、0≦b≦0.1である、(Ca1-x-y-a-bYxLuy)3(Sc1-zAlz)2(Si1-x-yAlx+y)3O12:CeaPrb、
例えばBa3Si6O12N2:Eu2+を含む、0≦x≦5である、Ba3Si6O15-3xN2x、
0≦z≦6である、Si(6-z)AlzOzN(8-z):Eu2+などの、β-SiAlONのうちの1つ以上を有してもよい。
【0132】
実施形態においては、前記第1ルミネッセンス材料は、(ガリウム及び/又はルテチウムを含むような)(3価)セリウムを含むガーネットのルミネッセンス材料を有する。その代わりに、又は加えて、前記第1ルミネッセンス材料は、(2価)ユーロピウムを含むルミネッセンス材料を有してもよい。
【0133】
しかしながら、本明細書においては、他のルミネッセンス材料は、除外されない。
【0134】
上記のように、前記システムは、システム光を生成するよう構成されてもよい。前記システム光は、前記第1デバイス光及び前記第2デバイス光のうちの1つ以上を有してもよい。特には、動作モードにおいて、前記システム光は、前記第1デバイス光と前記第2デバイス光との両方を有する。実施形態においては、前記システム光は、1800乃至6500Kの範囲から選択される相関色温度を有してもよい。更に、実施形態においては、前記システム光は、黒体軌跡から0乃至10SDCM内の(システム光)カラーポイント、及び少なくとも80などの、最小でも70の演色評価数を有してもよい。特定の実施形態においては、前記システム光は、少なくとも85のCRIを有してもよい。
【0135】
実施形態においては、前記第1デバイス光と前記第2デバイス光とを含む前記システム光は、前記第2デバイス光の相関色温度より、少なくとも200Kなどの、少なくとも500Kのような、実施形態においては少なくとも1000Kなどの、少なくとも100K高い相関色温度を持つ。特定の実施形態においては、前記第2デバイス光と、前記第1デバイス光及び前記第2デバイス光を含む前記システム光との間の相関色温度における差は、500乃至10000Kの範囲などの、500乃至15000Kの範囲から選択されてもよい。
【0136】
特定の実施形態においては、前記システム光に含まれる前記第1デバイス光と前記第2デバイス光との間のu'における差は、少なくとも0.02、更により特には少なくとも0.04であってもよい。特定の実施形態においては、前記システム光に含まれる前記第1デバイス光と前記第2デバイス光との間のu'における差は、0.06乃至0.14の範囲から選択されてもよい。
【0137】
特定の実施形態においては、前記システム光に含まれる前記第1デバイス光と前記第2デバイス光との間のv'における差は、少なくとも0.01、更により特には少なくとも0.015であってもよい。特定の実施形態においては、前記システム光に含まれる前記第1デバイス光と前記第2デバイス光との間のv'における差は、0.01乃至0.15の範囲から選択されてもよい。
【0138】
2つのタイプの光生成デバイスがあるので、前記システム光を制御することが可能であり得る。このことは、カラーポイント、相関色温度及びCRIのうちの1つ以上が異なり得る様々なタイプのシステム光をもたらし得る。
【0139】
従って、特定の実施形態においては、前記光生成システムは、制御システムを更に有してもよい。特には、前記制御システムは、ユーザインターフェースの入力信号、(センサの)センサ信号、及びタイマのうちの1つ以上に依存して前記システム光を制御するよう構成されてもよい。
【0140】
「制御する」という用語及び同様の用語は、特に、少なくとも、要素の挙動を決定すること、又は要素の動作を管理する(supervise)ことを指す。従って、本明細書においては、「制御する」という用語及び同様の用語は、例えば、測定する、表示する、作動する、開く、シフトする、温度を変更するなどのような、例えば、挙動を前記要素に課すこと(要素の挙動を決定すること又は要素の動作を管理すること)などを指すことがある。「制御する」という用語及び同様の用語は、その上、モニタすることを更に含むことがある。従って、「制御する」という用語及び同様の用語は、要素に挙動を課すことを含むことがあり、要素に挙動を課し、前記要素をモニタすることを含むこともある。前記要素の制御は、「コントローラ」と示されることもある制御システムで行われ得る。従って、前記制御システム及び前記要素は、少なくとも一時的に、又は恒久的に、機能的に結合されてもよい。前記要素が、前記制御システムを有してもよい。実施形態においては、前記制御システム及び前記要素は、物理的に結合されていなくてもよい。制御は、有線及び/又は無線制御を介して行われることができる。「制御システム」という用語は、特に機能的に結合されている、複数の異なる制御システムを指すこともあり、例えば、前記複数の異なる制御システムのうちの1つの制御システムは、マスタ制御システムであってもよく、1つ以上の他の制御システムは、スレーブ制御システムであってもよい。制御システムは、ユーザインターフェースを有してもよく、又はユーザインターフェースに機能的に結合されてもよい。
【0141】
前記制御システムはまた、遠隔制御装置からの命令を受信し、実行するよう構成されてもよい。実施形態においては、前記制御システムは、スマートフォン又はiPhone、タブレットなどのようなポータブルデバイスなどのデバイスにおけるアプリを介して制御されてもよい。従って、前記デバイスは、必ずしも前記照明システムに結合されないが、前記照明システムに(一時的に)機能的に結合されてもよい。
【0142】
従って、実施形態においては、前記制御システムは(また)、遠隔デバイスにおけるアプリによって制御されるよう構成されてもよい。このような実施形態においては、前記照明システムの前記制御システムは、スレーブ制御システムであってもよく、又はスレーブモードで制御してもよい。例えば、前記照明システムは、コード、特にそれぞれの照明システムのための固有のコードで識別可能であってもよい。前記照明システムの前記制御システムは、(固有の)コードの光学センサ(例えばQRコードリーダ)を備えるユーザインターフェースによって入力される知識に基づいて前記照明システムにアクセスする外部の制御システムによって制御されるよう構成されてもよい。前記照明システムはまた、Bluetooth、WIFI、LiFi、ZigBee、BLE若しくはWiMAX、又は別の無線技術などに基づいて、他のシステム又はデバイスと通信するための手段を有してもよい。
【0143】
前記システム、又は装置、又はデバイスは、或る「モード」又は「動作モード」又は「動作のモード」又は「動作可能モード」で動作を実行し得る。「動作モード」という用語は、「制御モード」と示されることもある。同様に、方法においては、動作、又は段階、又はステップが、或る「モード」又は「動作モード」又は「動作のモード」又は「動作可能モード」で実行され得る。これは、前記システム、又は装置、又はデバイスが、別の制御モード、又は複数の他の制御モードを提供するよう適合されることもあることを除外しない。同様に、これは、前記モードを実行する前に及び/又は前記モードを実行した後に、1つ以上の他のモードが実行され得ることを除外しない場合がある。
【0144】
しかしながら、実施形態においては、少なくとも前記制御モードを提供するよう適合される制御システムが利用可能である場合がある。他のモードが利用可能である場合には、このようなモードの選択は、特には、ユーザインターフェースを介して実行されてもよいが、センサ信号又は(時間)スキームに依存してモードを実行するような他の選択肢も可能であってもよい。前記動作モードは、実施形態においては、単一の動作モード(即ち、更なる調整可能性のない、「オン」)でしか動作することができないシステム、又は装置、又はデバイスを指すこともある。
【0145】
従って、実施形態においては、前記制御システムは、ユーザインターフェースの入力信号、(センサの)センサ信号、及びタイマのうちの1つ以上に依存して制御してもよい。「タイマ」という用語は、クロック及び/又は所定の時間スキームを指すことがある。
【0146】
特に、実施形態においては、前記制御システムは、前記第1光生成デバイス及び前記第2光生成デバイスを個別に制御するよう構成されてもよい。このことは、例えば、第1デバイス光のみのモード、又は第1デバイス光が豊富なモード、及び第2デバイス光のみのモード、又は第2デバイス光が豊富なモードを可能にし得る。
【0147】
特定の実施形態においては、前記光生成システムは、支持体、例えばPCBを更に有してもよいが、他の支持体も可能であり得る。更に、前記光生成システムは、(両方が)支持体によって支持されるよう構成される複数のn1個の第1光生成デバイス及び複数のn2個の第2光生成デバイスを有してもよい。前記支持体は、プリント回路基板を有してもよいが、他の選択肢も可能であり得る。
【0148】
実施形態においては、n2<n1である。他の実施形態においては、n2=n1である。更に、他の実施形態においては、n2>n1である。特に、実施形態においては、(i)n1≧2及び(ii)n2≧2のうちの1つ以上が適用され得る。特定の実施形態においては、前記第1光生成デバイスは、1つ以上の列に構成されてもよい。
【0149】
特定の実施形態においては、前記複数のn1個の第1光生成デバイス及び前記複数のn2個の第2光生成デバイスは、少なくとも2個の第1光生成デバイス及び3個以上の第2光生成デバイスを含むサブセットを有してもよく、特には、前記サブセット内の全ての第2光生成デバイスが、等しい第2ピッチp2を有する。このやり方においては、前記第1光生成デバイスのオン若しくはオフへの切り替え又は強度の増加若しくは減少は、前記第2デバイス光の均一な空間分布にあまり又は全く影響を及ぼさない可能性がある。
【0150】
特定の実施形態においては、0.05≦n1/n2≦0.75である。しかしながら、他の実施形態においては、n1/n2>0.75である。しかしながら、n1/n2<0.05のような、他の値も可能であり得る。
【0151】
実施形態においては、前記システムは、前記第1デバイス光によって提供される(少量の)消毒成分を含む、本質的に連続した白色システムが提供される動作モードを有し得る。このような実施形態においては、例えばn2>n1である。
【0152】
実施形態においては、前記システムは、例えば夜間又は部屋の使用後などに消毒するために、ブースト機能を有してもよい。このような実施形態においては、n2=n1である、又はn2<n1でさえある。
【0153】
実施形態においては、例えば、随意に前記第1デバイス光及び前記第2デバイス光のうちの一方のみを含む、前記第1デバイス光及び前記第2デバイス光の可変相対強度を可能にする電流分割器を備える、n2=n1である。
【0154】
随意に、前記第1光生成デバイス及び/又は前記第2光生成デバイスの下流に、ビーム成形光学系などの光学系が構成されてもよい。「光学系」という用語は、特に、(1つ以上の)光学要素を指し得る。従って、「光学系」という用語及び「光学要素」という用語は、同じものを指すことがある。光学系は、ミラー、反射器、コリメータ、レンズ、プリズム、拡散器、位相板、偏光子、回折要素、回折格子、ダイクロイックのもの、前述のもののうちの1つ以上のアレイなどのうちの1つ以上を含み得る。その代わりに、又は加えて、「光学系」という用語は、ホログラフィック要素又はミキシングロッド(mixing rod)を指すことがある。実施形態においては、前記光学系は、ビームエキスパンダ光学系及びズームレンズ光学系のうちの1つ以上を含み得る。実施形態においては、前記光学系は、光混合光学系を有してもよい。実施形態においては、前記光混合光学系は、拡散器(表面若しくは体積散乱拡散器又は設計ホログラフィック光学要素(engineered holographic optical element))、ライトパイプ、光ガイド、ケーラーインテグレータ光学系などのうちの1つ以上を有してもよい。その代わりに、又は加えて、前記光混合光学系は、 コリメータ又は他のコリメート光学系を有してもよい。
【0155】
「上流」及び「下流」という用語は、光生成手段(ここでは、特に、前記光源)からの光の伝搬に対するアイテム又は特徴の配置に関し、前記光生成手段からの光ビーム内の第1位置に対して、前記光生成手段により近い前記光ビーム内の第2位置は「上流」であり、前記光生成手段からより遠く離れた前記光ビーム内の第3位置は「下流」である。
【0156】
前記光生成システムは、例えば、オフィス照明システム、家庭用アプリケーションシステム、店舗照明システム、家庭用照明システム、アクセント照明システム、スポット照明システム、劇場照明システム、光ファイバアプリケーションシステム、投影システム、自己照明ディスプレイシステム(self-lit display system)、画素化ディスプレイシステム、セグメント化ディスプレイシステム、警告標識システム、医療用照明アプリケーションシステム、インジケータサインシステム、装飾照明システム、携帯用システム、自動車アプリケーション、(屋外)道路照明システム、都市照明システム、温室照明システム、園芸照明、デジタル投影、又はLCDバックライトの一部であってもよく、又はそれらにおいて利用されてもよい。前記光生成システム(又は前記照明器具)は、例えば光通信システム又は消毒システムの一部であってもよく、又はそれらにおいて利用されてもよい。
【0157】
更に他の態様においては、本発明は、本明細書において規定されているような光生成システムを有するランプ又は照明器具も提供する。前記照明器具は、ハウジング、光学要素、ルーバーなどなどを更に含み得る。前記ランプ又は前記照明器具は、前記光生成システムを囲むハウジングを更に含み得る。前記ランプ又は前記照明器具は、前記ハウジングにおける光窓(light window)、又はハウジング開口部を有してもよく、前記システム光は、前記光窓又は前記ハウジング開口部を通して、前記ハウジングから脱出し得る。更に他の態様においては、本発明は、本明細書において規定されているような光生成システムを有する投影デバイスも提供する。特に、投影デバイス又は「プロジェクタ」又は「画像プロジェクタ」は、例えば投影スクリーンなどの表面に画像(又は動画)を投影する光学デバイスであり得る。前記投影デバイスは、本明細書において記載されているような光生成システムを1つ以上含み得る。従って、本発明は、或る態様においては、ランプ、照明器具、プロジェクタデバイス、消毒デバイス、光化学反応装置、及び光無線通信デバイスのグループから選択される照明デバイスであって、本明細書において規定されているような光生成システムを有する照明デバイスも提供する。前記照明デバイスは、前記光生成システムの1つ以上の要素を、収容するよう構成されるハウジング、又は支持するよう構成される担体を有してもよい。例えば、実施形態においては、前記照明デバイスは、前記第1光生成デバイス、前記第2光生成デバイス、前記支持体などのうちの1つ以上を、収容するよう構成されるハウジング、又は支持するよう構成される担体を有してもよい。従って、本発明は、ランプ、照明器具、消毒デバイス、及び光無線通信デバイスのグループから選択される照明デバイスであって、本明細書において規定されているような光生成システムを有する照明デバイスも提供する。
【0158】
本発明は、或る態様においては、システム光を生成するよう構成される光生成システムであって、前記第1光生成デバイスが、第1光源と、第1ルミネッセンス変換器とを有し、前記第1光源が、固体光源を有し、前記第1光源が、(約)380乃至430nm、より特には380乃至420nmの範囲から選択される第1光源ピーク波長を持つ第1光源光を生成するよう構成される光生成システムも提供する。本発明は、或る態様においては、システム光を生成するよう構成される光生成システムであって、前記第1光生成デバイスが、第1光源と、第1ルミネッセンス変換器とを有し、前記第1ルミネッセンス変換器が、前記第1光源光の少なくとも一部を、緑色~黄色波長範囲内にカラーポイントを持つ第1変換器光に変換するよう構成される光生成システムも提供する。特には、本発明は、或る態様において、システム光を生成するよう構成される光生成システムであって、前記光生成システムが、第1光生成デバイスを有し、(A)前記第1光生成デバイスが、第1光源と、第1ルミネッセンス変換器とを有し、(B)前記第1光源が、固体光源を有し、前記第1光源が、(約)380乃至430nm、より特には380乃至420nmの範囲から選択される第1光源ピーク波長を持つ第1光源光を生成するよう構成され、(C)前記第1ルミネッセンス変換器が、前記第1光源光の少なくとも一部を、緑色~黄色波長範囲内にカラーポイントを持つ第1変換器光に変換するよう構成され、(D)前記第1光生成デバイスが、スペクトルパワーの少なくとも60%が前記第1光源光によって供給され、スペクトルパワーの最大で40%が前記第1変換器光によって供給されるスペクトルパワー分布を、380乃至780nmの波長範囲内に持つ第1デバイス光を生成するよう構成される光生成システムも提供する。
【0159】
更に他の態様においては、本発明は、このような第1光生成デバイスを、第2光生成デバイスであって、(A)前記第2光生成デバイスが、第2光源と、第2ルミネッセンス変換器とを有し、(B)前記第2光源が、固体光源を有し、前記第2光源が、((約)440乃至490nmの範囲から選択される第2光源ピーク波長を持つ)第2光源光を生成するよう構成され、(C)前記第2ルミネッセンス変換器が、前記第2光源光の少なくとも一部を、(緑色~赤色波長範囲内にカラーポイントを持つ)第2変換器光に変換するよう構成され、(D)前記第2光生成デバイスが、スペクトルパワーの少なくとも60%が前記第2変換器光によって供給され、スペクトルパワーの最大で40%が前記第2光源光によって供給されるスペクトルパワー分布を、380乃至780nmの波長範囲内に持つ第2デバイス光を生成するよう構成され、前記第2デバイス光が、白色光であり、(E)前記第1デバイス光の第1デバイス光スペクトルパワー分布と、前記第2デバイス光の第2デバイス光スペクトルパワー分布とが、異なり得る第2光生成デバイスと組み合わせて提供する。
【0160】
更に他の態様においては、本発明は、空間又は物体の少なくとも一部(前記光生成システム又は前記光生成デバイスの外部)を処理するための方法であって、特に、本明細書において規定されているような光生成システム又は本明細書において規定されているような照明デバイスを使用して、前記空間内に又は前記物体に前記第1デバイス光を含むシステム放射線を供給することを含み得る方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0161】
ここで、ほんの一例として、対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略的な図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【
図1a】幾つかの態様及び実施形態を概略的に図示する。
【
図1b】幾つかの態様及び実施形態を概略的に図示する。
【
図1c】幾つかの態様及び実施形態を概略的に図示する。
【
図1d】幾つかの態様及び実施形態を概略的に図示する。
【
図1e】幾つかの態様及び実施形態を概略的に図示する。
【
図2】幾つかの発光スペクトル及び励起スペクトルを示す。
【
図3】幾つの光生成デバイス(光)のカラーポイントを備えるu'v'図を示す。
【
図4a】(第1)ルミネッセンスの存在に依存する幾つかのLEDスペクトルを示す。
【
図4b】(第1)ルミネッセンスの存在に依存する幾つかのLEDスペクトルを示す。
【0162】
概略的な図面は、必ずしも縮尺通りではない。
【発明を実施するための形態】
【0163】
図1a乃至1bは、幾つかの実施形態及び態様を概略的に図示している。
図1aの実施形態I及びII、並びに
図1bの実施形態IIは、システム光1001を生成するよう構成される光生成システム1000の実施形態を概略的に図示している。光生成システム1000は、特に、第1光生成デバイス110を有する。第1光生成デバイス110は、第1光源10と、第1ルミネッセンス変換器210とを有してもよい。特には、第1光源10は、固体光源を有してもよい。第1光源10は、例えば、380乃至425nm、より特には380乃至420nmなどの、380乃至430nmの範囲から選択される、第1光源重心波長λ
s,1を持つ第1光源光11を生成するよう構成されてもよい。第1ルミネッセンス変換器210は、第1光源光11の(少なくとも)一部を、例えば緑色~黄色波長範囲から選択される、第1変換器重心波長λ
c,1を持つ第1変換器光211に変換するよう構成されてもよい。更に、第1光生成デバイス110は、例えば、スペクトルパワーの少なくとも60%が第1光源光11によって供給され、スペクトルパワーの最大で40%が第1変換器光211によって供給されるスペクトルパワー分布を、380乃至780nmの波長範囲内に持つ第1デバイス光111を生成するよう構成されてもよい。
【0164】
実施形態においては、第1光源重心波長λs,1は、395乃至415nmの波長範囲から選択されてもよい。
【0165】
実施形態においては、第1ルミネッセンス変換器210は、第1マトリックス材料215と、第1ルミネッセンス材料216とを有し、第1ルミネッセンス材料216は、第1ルミネッセンス変換器210の総重量に対して第1重量パーセントCW1を持つ。実施形態においては、CW1≦10wt%である。
【0166】
特には、第1ルミネッセンス変換器210は、第1光源光11を、緑色波長範囲から選択される第1変換器重心波長λc,1を持つ第1変換器光211に変換するよう構成されてもよい。しかしながら、他の選択肢も可能であり得る。
【0167】
実施形態においては、第1デバイス光111は、6000乃至25000Kの範囲から選択される相関色温度を有してもよい。更に、第1デバイス光111は、黒体軌跡から0乃至20SDCM内で選択される(第1デバイス光)カラーポイントを有してもよい。更に、第1デバイス光111は、最大で約70の演色評価数を有してもよい。実施形態においては、第1光源重心波長λs,1は、400乃至410nmの範囲から選択されてもよい。
【0168】
エネルギ効率及びコスト効率の良いソリューションのために、第1光生成デバイス及び(白色LEDパッケージのような)第2光生成デバイスの両方に高い効率が要求される。青色+白色LEDの光源を含むデバイスは、標準的な白色LEDベースのデバイスよりも約22%低い全体的な効率の低下をもたらす可能性がある。これは、望ましくない可能性がある。
【0169】
一部のデバイスは、例えば、表面が、通常は、凹状であり、せいぜいほぼ平坦であるので、チップの上の透明なシリコーン層からのアウトカップリングの確率が相対的に低い可能性がある。まだ第1ルミネッセンス材料はないが、ここでは参照符号215で示されている樹脂を備える第1光生成デバイス110の例が、
図1bの実施形態Iの左側に概略的に図示されている。その発光スペクトルは、実施形態Iの右側に示されている。第1ルミネッセンス材料のないこのようなデバイスの第1デバイス光は、本質的に、第1光源光11から成り得る。
【0170】
紫色光生成デバイスを加えることは、カラーポイントを青色(より低いv')の方へシフトさせることもある。このことは、標準的な白色光生成デバイスとの組み合わせにおいて、加えられることができる紫色光の量を制限し得る。紫色の高すぎる寄与は、カラーポイントをANSIビン(ANSI-bin)の外へシフトさせる可能性がある。
【0171】
とりわけ、本発明は、光のアウトカップリングを促進し、効率を向上させ、幾らかの蛍光体変換を引き起こして好ましいカラーポイントを達成するよう、第1光生成デバイスを設けるために、短波長、特に約405nmのLEDパッケージに最小限の量の蛍光体粒子を加えることを提案する。特に、紫色ポンプ光と蛍光体変換光との組み合わせは、BBLに近いカラーポイントを有することができ、LEDなどの、標準的な白色光生成デバイスとの組み合わせにおいてより大量の紫色光の追加を可能にする。
【0172】
(散乱体又は蛍光体のない)紫色光生成デバイスを使用することは、光の一部がチップの上の透明なシリコーン(保護)層内に閉じ込められるので、より低いパッケージ効率をもたらす可能性がある。チップから発せられる光の一部は、空気・シリコーン界面において全内部反射を受け、最終的にはパッケージ内で(例えばダイによって)吸収される。透明なシリコーン内に蛍光体粒子を追加することは、透明なシリコーン層内でのより多くの散乱のため、光のアウトカップリングを増加させ、より高い確率のアウトカップリングをもたらす可能性がある。
【0173】
図1bは、原理を概略的に示している。わずかに変化したスペクトルは、この用途には有益である(白っぽいカラーポイント)。これは、標準的な白色光生成デバイスとの組み合わせにおいて、(ANSI内の)白色のカラーポイントをもたらし得る。(405nmのLEDのみをオンに切り替える)純粋な消毒モードにおいては、発光は、演色性が低い冷たい白色である。このモードは、例えば、部屋の中に人が存在していないときにしか使用されない可能性があり、それ故、低い演色性は許容可能である(標準的な青色、緑色又は赤色の光生成デバイスでこの概念を適用することは、直接色(direct color)の純度に影響を及ぼすので、許容可能ではないだろう)。
【0174】
従って、とりわけ、少量の緑色/黄色蛍光体が、このパッケージのカラーポイント、即ち、結果として生じる第1デバイス光が、BBLの方へシフトするような第1光生成デバイスを設けるために、405nmチップパッケージ内に設けられ得る。同時に、それによって、抽出効率が向上する可能性がある。
【0175】
図1c乃至1eを参照すると、特定の実施形態においては、光生成システム1000は、第2光生成デバイス120を更に有してもよい。第2光生成デバイス120は、第2光源20と、第2ルミネッセンス変換器220とを更に有してもよい。第2光源20は、固体光源を有してもよい。第2光源20は、(440乃至490nmの範囲から選択される第2光源重心波長(λ
s,2)を持つような)第2光源光21を生成するよう構成されてもよい。第2ルミネッセンス変換器220は、第2光源光21の少なくとも一部を、(緑色~赤色波長範囲から選択される第2変換器重心波長(λ
c,2)を持つような)第2変換器光221に変換するよう構成されてもよい。第2光生成デバイス120は、スペクトルパワーの少なくとも60%が第2変換器光221によって供給され、スペクトルパワーの最大で40%が第2光源光21によって供給されるスペクトルパワー分布を、380乃至780nmの波長範囲内に持つ第2デバイス光121を生成するよう構成されてもよい。第2デバイス光121は、白色光であってもよい。第1デバイス光111の第1デバイス光スペクトルパワー分布と、第2デバイス光121の第2デバイス光スペクトルパワー分布とが、異なっていてもよい(下記も参照)。
【0176】
実施形態においては、第2光源重心波長(λs,2)は、445乃至480nmの範囲から選択されてもよい。第2ルミネッセンス変換器220は、第2マトリックス材料225と、第2ルミネッセンス材料226とを有してもよい。第2ルミネッセンス材料226は、第2ルミネッセンス変換器210の総重量に対して第2重量パーセントCW2を有してもよい。実施形態においては、CW2は、少なくとも20wt%であってもよい。
【0177】
第2デバイス光121は、1800乃至6500Kの範囲から選択される相関色温度、黒体軌跡から0乃至15SDCM内の(第2デバイス光)カラーポイント、及び最小でも70の演色評価数を有してもよい。
【0178】
第1ルミネッセンス材料216は、粒子状材料を有してもよい。第1マトリックス材料215は、樹脂(特にはシリコーン樹脂)を有してもよい)。第2ルミネッセンス材料226は、粒子状材料を有してもよい。第2マトリックス材料225は、樹脂(特にはシリコーン樹脂)を有してもよい)。実施形態においては、第1ルミネッセンス材料216は、Eu2+ベースのルミネッセンス材料及びCe3+ベースのルミネッセンス材料のうちの1つ以上を有してもよい。
【0179】
実施形態においては、CW1/CW2≦0.3である。実施形態においては、第1ルミネッセンス材料216は、第1ルミネッセンス変換器210内に第1体積パーセントCV1の第1ルミネッセンス材料216を有してもよい。更に、第2ルミネッセンス材料226は、第2ルミネッセンス変換器220内に第2体積パーセントV2の第2ルミネッセンス材料226を有してもよい。実施形態においては、CV1/V2≦0.3である。
【0180】
実施形態においては、第1ルミネッセンス材料216の少なくとも50wt%は、1乃至20μmの範囲から選択される粒子寸法を持つ。
【0181】
実施形態においては、380乃至780nmの範囲内の第1変換器光211のスペクトルパワー分布に対して、スペクトルパワーの最大で20%は、585乃至780nmの範囲内にあってもよい。
【0182】
実施形態においては、380乃至780nmの範囲内の第2デバイス光121のスペクトルパワー分布に対して、スペクトルパワーの最大で30%は、第2光源光21によって供給されてもよい。
【0183】
特定の実施形態においては、システム光1001は、1800乃至6500Kの範囲から選択される相関色温度と、黒体軌跡から0乃至10SDCM内の(システム光)カラーポイントと、最小でも70の演色評価数とを有してもよい。
【0184】
実施形態においては、光生成システム1000は、制御システム300を更に有してもよい。特には、制御システム300は、ユーザインターフェースの入力信号、(センサの)センサ信号、及びタイマのうちの1つ以上に依存してシステム光1001を制御するよう構成されてもよい。実施形態においては、制御システム300は、第1光生成デバイス110及び第2光生成デバイス120を個別に制御するよう構成されてもよい。
【0185】
図1eを参照すると、光生成システム1000は、支持体600を更に有してもよい。光生成システム1000は、(両方が)支持体600によって支持されるよう構成される複数のn1個の第1光生成デバイス110及び複数のn2個の第2光生成デバイス120を有してもよい。実施形態においては、第1光生成デバイス110は、1つ以上の列に構成される。実施形態においては、複数のn1個の第1光生成デバイス110及び複数のn2個の第2光生成デバイス120が、少なくとも2個の第1光生成デバイス110及び3個以上の第2光生成デバイス120を含むサブセット1050を有してもよい。特定の実施形態においては、サブセット1050内の全ての第2光生成デバイス120が、等しい第2ピッチp2を有する。参照符号P1は、第1光生成デバイス110のピッチを指している。
【0186】
実施形態においては、選択肢は、同じ列にLEDを追加するもの(I、II)、白色LEDの列の隣にLEDを追加するもの(III)に及ぶ。また、選択肢I及びIIIにおいては、結果として生じる白色LEDの位置決めは、元の白色LED L2と同じに保たれ得る。その結果、白色光の一様性は、実質的に変わらない可能性があり、選択肢IIの場合のような紫色による斑点がない可能性がある。それでも、適切な照明器具の光学設計は、選択肢IIで許容可能な照明器具ソリューションをもたらす可能性がある。
【0187】
図2は、約405nmのピーク波長/第1光源重心波長λ
s,1における短波長青色発光ピーク、並びに様々なルミネッセンス材料の、先頭文字Xで示される励起スペクトル及び先頭文字Mで示される発光スペクトルを示している。ルミネッセンス材料は、2番目の文字a、b、c及びdで示されており、2価ユーロピウムベースの狭帯域緑色蛍光体(a)、2価ユーロピウムベースのケイ酸塩(b)、ガリウムを含むYAGタイプのルミネッセンス材料(c)、及びルテチウムを含むYAGタイプの材料(d)である。
【0188】
2価ユーロピウムベースの狭帯域緑色蛍光体(a)及び2価ユーロピウムベースのケイ酸塩(b)の励起スペクトル(Xa及びXb)は、それぞれ、第1光源光11と良好な重複を有し、ガリウムを含むYAGタイプのルミネッセンス材料(c)、及びルテチウムを含むYAGタイプの材料(d)の励起スペクトル(Xc及びXd)は、それぞれ、第1光源光11の長波長側において短波長側よりも大きい重複を有する。
【0189】
例として、2価ユーロピウムベースの狭帯域緑色蛍光体(a)の発光maの重心波長λc,1、及び2価ユーロピウムベースのケイ酸塩(b)の発光mbの重心波長λc,1が、概略的に示されている。ここで概略的に示されている重心波長は、これらの重心波長は、ここでは参考のためだけに示されているので、計算された重心波長と必ずしも正確に一致しない可能性があることに留意されたい。更に、重心波長は、発光帯域の最大値又はピーク波長と必ずしも一致しないことに留意されたい。
【0190】
図3は、様々な光生成デバイスのu'v'カラーポイントプロットを図示している。例として、異なる標準的な白色LED(2700K、3000K、4000K及び6500K)が紫色LEDと組み合わされた。白色LEDは、例えば、実施形態においては≧90のCRIなどの、高い CRIを持ち得る。紫色LEDは、例えば、幾らかの二価ユーロピウムベースの蛍光体、ここでは特に実施形態においてはBaSrSiO
4:Eu
2+を含み得る。ルミネッセンス材料の量が多ければ多いほど、v'値は高くなる。
【0191】
従って、第1デバイス光のカラーポイントは、第2デバイス光のカラーポイントと所望の適用カラーポイントのカラーポイントとを結ぶ線上にあり得る(従って、3つのカラーポイント全てが同じ線上にあり得る)ことに留意されたい。第1デバイス光のカラーポイントは、第2デバイス光のCCTが相対的に低い場合、BBLから相対的に遠い可能性がある。第1デバイス光のカラーポイントは、第2デバイス光のCCTが相対的に高い場合、BBLに相対的に近い可能性がある。このことは、6500Kの第2デバイス光の例を使用して概略的に示されている。BBL上の又はBBLの近くのカラーポイントから、BBL上の又はBBLの近くのシステム光カラーポイントへの一点鎖線bは、この一点鎖線に沿う。(マトリックス内の)第1ルミネッセンス材料の相対量(又は体積)の関数として第1デバイス光のカラーポイントを示している線aとの交点は、第1デバイス光のカラーポイントを提供する。線cは、色三角形の境界の一部を示している。
【0192】
標準的な白色LEDの光が、より高いCCTにおいてカラーポイントを生成するよう、紫色でポンピングされる2価ユーロピウムベースの蛍光体LEDからの光と様々な割合で混ぜ合わされる。2価ユーロピウムベースの蛍光体/405nmのLEDのカラーポイントに応じて、カラーポイントは、BBLを下回る(2価ユーロピウムベースの蛍光体の厚さが薄すぎる)、BBLに沿う、又はBBLを上回る(2価ユーロピウムベースの蛍光体の厚さが厚すぎる)可能性がある。
【0193】
2700Kの白色LEDに対して、BBLに沿ってカラーポイントを生成するために、必要とされる蛍光体の厚さが決定されることができる。紫色LEDのCCTは、~39のCRI且つ-218のR9で、~13000Kである。最も高いCCT(~3500K)を持つ(組み合わせカラー)ポイントにおいては、ルーメンフラックス(lumen flux)の約19%が、紫色/BaSrSiO4:Eu2+のLEDによって生成され、組み合わせ白色スペクトルのCRIは、依然として91である。白色スペクトルは、1.7mWの紫色光/Lmを含む。
【0194】
4000Kの白色LEDに対して、BBLに沿ってカラーポイントを生成するために、必要とされる蛍光体の厚さが決定されることができる。紫色LEDのCCTは、~39のCRI且つ-198のR9で、~21600Kである。最も高いCCT(~5000K)を持つ(組み合わせカラー)ポイントにおいては、ルーメンフラックスの約16%が、紫色/2価ユーロピウムベースの蛍光体のLEDによって生成され、白色スペクトルのCRIは、依然として89である。白色スペクトルは、1.9mWの紫色光/Lmを含み得る。
【0195】
図3から導き出され得るように、特定の実施形態においては、第1デバイス光111は、u'が、0.10乃至0.22の範囲から選択され、v'が、0.30乃至0.55の範囲から選択されるカラーポイントを有し得る。
【0196】
とりわけLuAG:Ceなどの、セリウムベースの緑色蛍光体は、望ましい励起スペクトルを有し得る(
図4a参照)。
図4aは、実施形態Iにおいては、紫色ベースの光生成デバイス(第1デバイス光111)のスペクトルを、第1ルミネッセンス材料の量の関数として示しており、実施形態IIにおいては、第1光源光11の(残りの)発光を、第1ルミネッセンス材料の量の関数として示している。
図4bにおいては、2価ユーロピウムベースのルミネッセンス材料について、これが示されている。LuAG:Ce(
図4a)は、病原体を不活性化する効果がわずかに低いと予想される第1光源光の長波長部分を主に吸収する。従って、スペクトルのより効果的な部分が残る。
【0197】
変換による405nm光の損失は、紫色ベースの光生成デバイスの相対量を増加させることによって補償されることができ、蛍光体変換光のより大きなストークスシフトによる効率損失は、非常に限定される(~1%)。より良好なアウトカップリングによるPEの増加は、この影響を補償するために期待される以上である。
【0198】
図5は、第1デバイス光111と第2デバイス光121とを備える構成に基づくシステム光1001の実施形態を概略的に示しています。第2デバイス光121を参照すると、(380乃至780nmの波長範囲内の)第2デバイス光121のスペクトルパワー分布は、10乃至30%の範囲内のスペクトルパワーが第2光源光21によって供給され、70乃至90%の範囲内のスペクトルパワーが第2変換器光によって供給されるものを含み得る。
【0199】
図6は、上記のような光生成システム1000を含む照明器具2の実施形態を概略的に図示している。参照符号301は、光生成システム1000によって含まれる又は光生成システム1000に機能的に結合される制御システム300と機能的に結合され得るユーザインターフェースを示している。
図6は、光生成システム1000を有するランプ1の実施形態も概略的に図示している。参照符号3は、壁などに、画像を投影するために使用され得る、プロジェクタデバイス又はプロジェクタシステムを示しており、前記プロジェクタデバイス又はプロジェクタシステムも、システム1000を含み得る。従って、
図6は、ランプ1、照明器具2、プロジェクタデバイス3、消毒デバイス、光化学反応装置、及び光無線通信デバイスのグループから選択される照明デバイス1200であって、本明細書において記載されているような光生成システム1000を有する照明デバイス1200の実施形態を概略的に図示している。実施形態においては、このような照明デバイスは、ランプ1、照明器具2、プロジェクタデバイス3、消毒デバイス、又は光無線通信デバイスであり得る。照明デバイス1200から脱出する照明デバイス光が、参照符号1201で示されている。照明デバイス光1201は、本質的に、システム光1001から成ってもよく、従って、特定の実施形態においては、システム光1001であってもよい。
【0200】
とりわけ、本発明では、空間1300又は物体の少なくとも一部(光生成システム1000又は光生成デバイス1200の外部)を処理するための方法が提供され得る。前記方法は、本明細書において記載されているような光生成システム1000又は本明細書において記載されているような照明デバイス1200を使用して、空間1300内に又は物体に第1デバイス光111を含むシステム放射線1001を供給することを含み得る。
【0201】
「複数」という用語は、2つ以上を指す。
【0202】
本明細書における「実質的に」又は「本質的に」という用語、及び同様の用語は、当業者には理解されるだろう。「実質的に」又は「本質的に」という用語は、「全体的に」、「完全に」、「全て」などを備える実施形態も含み得る。従って、実施形態においては、実質的に又は本質的にという形容詞が取り除かれることもある。適用可能な場合には、「実質的に」という用語又は「本質的に」という用語は、100%を含む、95%以上、特に99%以上、更により特に99.5%以上などの、90%以上に関することもある。
【0203】
「有する」という用語は、「有する」という用語が「から成る」ことを意味する実施形態も含む。
【0204】
「及び/又は」という用語は、特に、「及び/又は」の前及び後で言及されている項目のうちの1つ以上に関する。例えば、「項目1及び/又は項目2」という語句、及び同様の語句は、項目1及び項目2のうちの1つ以上に関し得る。「有する」という用語は、或る実施形態においては、「から成る」ことを指す場合があるが、別の実施形態においては、「少なくとも規定されている種を含み、随意に、1つ以上の他の種を含む」ことを指す場合もある。
【0205】
更に、明細書及び特許請求の範囲における、第1、第2、第3などの用語は、同様の要素を区別するために使用されるものであり、必ずしも、逐次的又は時間的な順序を説明するために使用されるものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書において記載されている本発明の実施形態は、本明細書において記載又は図示されている順序以外の順序で動作が可能であることは理解されるべきである。
【0206】
本明細書においては、とりわけ、動作中の、デバイス、装置、又はシステムが記載されているかもしれない。当業者には明らかであるだろうように、本発明は、動作の方法、又は動作中の、デバイス、装置、若しくはシステムに限定されるものではない。
【0207】
上述の実施形態は、本発明を限定するものではなく、本発明を説明するものであり、当業者は、添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、多くの他の実施形態を設計することができるだろうことに留意されたい。
【0208】
特許請求の範囲において、括弧内に配置される如何なる参照符号も、請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0209】
「有する」という動詞及びその語形変化の使用は、請求項において示されている要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を除外するものではない。文脈から明らかに別の意味が必要とされない限り、明細書及び特許請求の範囲全体を通して、「有する」などの単語は、排他的又は網羅的な意味とは対照的な、包括的な意味で、即ち、「含むが、これに限定されない」という意味で解釈されるべきである。
【0210】
要素の単数形表記は、このような要素の複数の存在を除外するものではない。
【0211】
本発明は、幾つかの別個の要素を有するハードウェアによって実施されてもよく、又は適切にプログラムされたコンピュータによって実施されてもよい。幾つかの手段を列挙している、デバイスの請求項、又は装置の請求項、又はシステムの請求項においては、これらの手段のうちの幾つかは、ハードウェアの全く同一のアイテムによって実施されてもよい。単に、或る特定の手段が、相互に異なる従属請求項において挙げられているという事実は、これらの手段の組み合わせは有利になるようには使用されることができないことを示すものではない。(従って、)更に他の態様においては、本発明は、コンピュータにおいて実行するときに、本明細書において記載されているような方法(の1つ以上の実施形態)を実現することが可能であるソフトウェアを提供する。
【0212】
本発明は、デバイス、装置、若しくはシステムを制御し得る、又は本明細書において記載されている方法若しくはプロセスを実行し得る制御システムも提供する。更に他に、本発明は、デバイス、装置、又はシステムに機能的に結合される又は含まれるコンピュータにおいて実行するときに、このようなデバイス、装置、又はシステムの1つ以上の制御可能な要素を制御するコンピュータプログラム製品も提供する。
【0213】
本発明は、更に、明細書において記載されている、及び/又は添付の図面において示されている、特徴付けている特徴のうちの1つ以上を有するデバイス、装置、又はシステムに当てはまる。本発明は、更に、明細書において記載されている、及び/又は添付の図面において示されている、特徴付けている特徴のうちの1つ以上を有する方法又はプロセスに関する。
【0214】
この特許において説明されている様々な態様は、更なる利点を提供するために組み合わされることができる。更に、当業者は、実施形態は組み合わされることができること、及び3つ以上の実施形態も組み合わされることができることを理解するだろう。更に、特徴のうちの幾つかは、1つ以上の分割出願のための基礎を形成することができる。
【要約】
本発明は、システム光1001を生成するよう構成される光生成システム1000であって、前記光生成システム1000が、第1光生成デバイス110を有し、(A)前記第1光生成デバイス110が、第1光源10と、第1ルミネッセンス変換器210とを有し、(B)前記第1光源10が、固体光源を有し、前記第1光源10が、380乃至420nmの範囲から選択される第1光源重心波長λs,1を持つ第1光源光11を生成するよう構成され、(C)前記第1ルミネッセンス変換器210が、前記第1光源光11の少なくとも一部を、緑色~黄色波長範囲から選択される第1変換器重心波長λc,1を持つ第1変換器光211に変換するよう構成され、(D)前記第1光生成デバイス110が、スペクトルパワーの少なくとも60%が前記第1光源光11によって供給され、スペクトルパワーの最大で40%が前記第1変換器光211によって供給されるスペクトルパワー分布を、380乃至780nmの波長範囲内に持つ第1デバイス光111を生成するよう構成される光生成システム1000を提供する。