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特許7600477モデル生成方法、判定方法、工作機械システム、及び、コンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】モデル生成方法、判定方法、工作機械システム、及び、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/4097 20060101AFI20241209BHJP
   G05B 19/4068 20060101ALI20241209BHJP
   G05B 19/4069 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
G05B19/4097 Z
G05B19/4068
G05B19/4069
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2024547015
(86)(22)【出願日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 JP2024009072
【審査請求日】2024-08-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000114787
【氏名又は名称】ヤマザキマザック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142871
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 哲昌
(74)【代理人】
【識別番号】100094743
【弁理士】
【氏名又は名称】森 昌康
(74)【代理人】
【識別番号】100175628
【弁理士】
【氏名又は名称】仁野 裕一
(72)【発明者】
【氏名】山本 幹人
(72)【発明者】
【氏名】島田 靖隆
(72)【発明者】
【氏名】高野 和義
(72)【発明者】
【氏名】小池 俊輔
【審査官】中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/012569(WO,A1)
【文献】特開平10-156662(JP,A)
【文献】特表2010-507491(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113996827(CN,A)
【文献】特開2015-127067(JP,A)
【文献】特開2005-324262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/18-19/416
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸周りに形成されるフランジと前記中心軸に沿う軸方向に前記フランジから突出し回転工具を取付可能なホルダ本体とを有する工具ホルダの前記中心軸に対する径方向の長さであるフランジ径と、前記フランジの前記軸方向の長さであるフランジ長とを表す第1データをプロセッサに記憶装置から取得させ、
前記回転工具のシャンク径と、前記ホルダ本体の前記軸方向の長さである本体長とのオペレータからの入力を前記プロセッサに入力インタフェースを介して受け付けさせ、
前記シャンク径と前記ホルダ本体の前記径方向の長さである本体径との対応関係を記憶する前記記憶装置から、取得された前記シャンク径に対応する前記本体径を表す第2データを前記プロセッサに取得させ、
取得された前記本体長と前記第1データと前記第2データとに基づいて前記工具ホルダの形状モデルを前記プロセッサに生成させることを含む、モデル生成方法。
【請求項2】
前記本体長のオペレータからの入力を前記プロセッサに受け付けさせることは、
前記本体長に前記フランジ長を加えたホルダ全長のオペレータからの入力を、前記プロセッサに前記入力インタフェースを介して受け付けさせ、
前記ホルダ全長から前記フランジ長を引くことによって前記本体長を前記プロセッサに求めさせる
ことを含む、請求項1に記載のモデル生成方法。
【請求項3】
前記第1データを前記プロセッサに取得させることは、
工作機械に取付可能な工具ホルダの種別を示すホルダ種別情報のオペレータからの入力を、前記プロセッサに前記入力インタフェースを介して受け付けさせ、
前記ホルダ種別情報と、前記ホルダ種別情報に対応する前記フランジ径及び前記フランジ長とをそれぞれ関連付けた対応関係を記憶する前記記憶装置から、前記ホルダ種別情報に基づいて前記第1データを前記プロセッサに取得させる
ことを含む、
請求項1に記載のモデル生成方法。
【請求項4】
前記工具ホルダは、前記フランジに対して前記ホルダ本体と前記軸方向の反対にホルダシャンクを有し、
前記工作機械の主軸は、前記ホルダシャンクが挿入可能な受け孔を有し
記工具ホルダが前記工作機械に取付可能であるか否かは、前記受け孔が前記ホルダシャンクに合うか否かに基づいて決定される、
請求項3に記載のモデル生成方法。
【請求項5】
前記本体径は、前記回転工具を前記ホルダ本体に固定するためのナットの外径と等しい、請求項1に記載のモデル生成方法。
【請求項6】
前記ナットは、前記シャンク径を有する前記回転工具をプレス嵌めすることが可能なコレットを留めるように構成される、
請求項5に記載のモデル生成方法。
【請求項7】
前記ナットの前記外径は、ISO15488規格に基づいて、前記シャンク径に適合した前記コレットの大きさに対応する寸法が決定される、
請求項6に記載のモデル生成方法。
【請求項8】
前記工具ホルダの前記形状モデルをディスプレイに表示させるように前記プロセッサに前記ディスプレイへの信号を生成させ、
前記フランジ径、前記フランジ長、前記本体径、及び、前記本体長の少なくとも1つの修正値のオペレータからの入力を、前記入力インタフェースを介して前記プロセッサに受け付けさせ、
前記少なくとも1つの修正値の前記入力があったとき、前記少なくとも1つの修正値に基づいて、前記工具ホルダの前記形状モデルを前記プロセッサに再生成させる、
請求項1に記載のモデル生成方法。
【請求項9】
前記回転工具を前記ホルダ本体に固定するためのナットからの前記回転工具の突き出し長さである工具長オフセットのオペレータからの入力を、前記入力インタフェースを介して前記プロセッサに受け付けさせ、
前記回転工具の形状を規定する第3データを、前記プロセッサに前記記憶装置から取得させ、
前記工具長オフセットと前記第3データとに基づいて前記回転工具の形状モデルを前記プロセッサに生成させ、
前記回転工具の前記形状モデルと前記工具ホルダの前記形状モデルとを結合させたアセンブリモデルを前記プロセッサに生成させる
ことをさらに含む、
請求項1に記載のモデル生成方法。
【請求項10】
前記アセンブリモデルをディスプレイに表示させるように前記プロセッサに前記ディスプレイへの信号を生成させ、
前記フランジ径、前記フランジ長、前記本体径、前記本体長、及び、前記工具長オフセットの少なくとも1つの修正値の入力を、前記入力インタフェースを介して前記プロセッサに受け付けさせ、
前記少なくとも1つの修正値の前記入力があったとき、前記少なくとも1つの修正値に基づいて、前記アセンブリモデルを前記プロセッサに再生成させる、
請求項9に記載のモデル生成方法。
【請求項11】
請求項9に記載のモデル生成方法と、
前記工具長オフセットを計測する計測装置を含む障害物の形状モデルを前記記憶装置から前記プロセッサに取得させ、
前記回転工具を前記計測装置に計測させるための前記回転工具の移動プログラムを実行させたときに、前記回転工具の前記形状モデルが前記計測装置の所定位置に到達するまでに、前記アセンブリモデルと前記障害物の前記形状モデルとが互いに干渉するか否かを前記プロセッサに判定させることとを含む、
判定方法。
【請求項12】
請求項9に記載のモデル生成方法と、
障害物の形状モデルを、前記プロセッサに前記記憶装置から取得させ、
工作機械に前記工作機械の主軸を駆動させてワークを加工するための加工プログラムを実行させたときに、前記アセンブリモデルと前記障害物の前記形状モデルとが干渉するか否かを前記プロセッサに判定させることとを含む判定方法。
【請求項13】
請求項1から10のモデル生成方法、または、請求項11または12の判定方法を実行するように構成される前記プロセッサと、
前記記憶装置と、
前記入力インタフェースと、
を備えるコンピュータ。
【請求項14】
請求項13に記載のコンピュータと、
前記工具ホルダを取付可能な主軸を備える工作機械と、
を備える工作機械システム。
【請求項15】
請求項1から10のモデル生成方法、または、請求項11または12の判定方法を、前記入力インタフェースを含むコンピュータによる実行時に前記コンピュータに実行させる指示を備えるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モデル生成方法、判定方法、工作機械システム、及び、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工具、テーブル、工具ホルダ、ワーク等の各部位が操作者の意図に反して相互に干渉することを防止するために、干渉チェック機能を有する工作機械が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許7303405号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に関する方法においては、保持ユニットモデルを作成するのに手間がかかる。このため、工作機械メーカが工具ホルダのモデルを提供することによってオペレータが保持ユニットモデルを作成する負担を軽減することができた。しかし、回転工具を操作する工作機械(例えば、マシニングセンター)においては、多様な工具メーカが工具ホルダを供給するため、全ての工具ホルダの形状モデルを工作機械メーカが予め提供することも難しい。そのため、工作機械メーカが提供したモデル以外の工具ホルダの場合、工具メーカから工具ホルダの形状モデルを入手したり、オペレータが工具ホルダの形状モデルを作成したりする負担が生じていた。
【0005】
本願に開示される技術の目的は、回転工具を操作する工作機械に装着される工具ホルダの形状モデルを、従来よりも簡易に生成することが可能なモデル生成方法、判定方法、工作機械システム、及び、コンピュータプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1態様に係るモデル生成方法は、中心軸周りに形成されるフランジと中心軸に沿う軸方向にフランジから突出し回転工具を取付可能なホルダ本体とを有する工具ホルダの中心軸に対する径方向の長さであるフランジ径と、フランジの軸方向の長さであるフランジ長とを表す第1データをプロセッサに記憶装置(storage)から取得させることを含む。モデル生成方法は、回転工具のシャンク径と、ホルダ本体の軸方向の長さである本体長とのオペレータからの入力をプロセッサに入力インタフェースを介して受け付けさせることを含む。モデル生成方法は、シャンク径とホルダ本体の径方向の長さである本体径との対応関係を記憶する記憶装置から、取得されたシャンク径に対応する本体径を表す第2データをプロセッサに取得させることを含む。モデル生成方法は、取得された本体長と第1データと第2データとに基づいて工具ホルダの形状モデルをプロセッサに生成させることを含む。
【0007】
本開示の第2態様によれば、第1態様によるモデル生成方法では、本体長のオペレータからの入力をプロセッサに受け付けさせることは、本体長にフランジ長を加えたホルダ全長のオペレータからの入力を、プロセッサに入力インタフェースを介して受け付けさせ、ホルダ全長からフランジ長を引くことによって本体長をプロセッサに求めさせることを含む。
【0008】
本開示の第3態様によれば、第1態様または第2態様によるモデル生成方法では、第1データをプロセッサに取得させることは、工作機械に取付可能な工具ホルダの種別を示すホルダ種別情報のオペレータからの入力を、プロセッサに入力インタフェースを介して受け付けさせ、ホルダ種別情報と、ホルダ種別情報に対応するフランジ径及びフランジ長とをそれぞれ関連付けた対応関係を記憶する記憶装置から、ホルダ種別情報に基づいて第1データをプロセッサに取得させることを含む。
【0009】
本開示の第4態様によれば、第3態様によるモデル生成方法では、工具ホルダは、フランジに対してホルダ本体と軸方向の反対にホルダシャンクを有する。工作機械の主軸は、ホルダシャンクが挿入可能な受け孔を有する。複数の工具ホルダが工作機械に取付可能であるか否かは、受け孔がホルダシャンクに合うか否かに基づいて決定される。
【0010】
本開示の第5態様によれば、第1態様から第4態様のいずれかによるモデル生成方法では、本体径は、回転工具をホルダ本体に固定するためのナットの外径である。
【0011】
本開示の第6態様によれば、第5態様によるモデル生成方法では、ナットは、シャンク径を有する回転工具をプレス嵌めすることが可能なコレットを留めるように構成される。
【0012】
本開示の第7態様によれば、第6態様によるモデル生成方法では、ナットの外径は、ISO15488規格に基づいて、シャンク径に適合したコレットの大きさに対応する寸法が決定される。
【0013】
本開示の第8態様によれば、第1態様から第7態様のいずれかによるモデル生成方法は、工具ホルダの形状モデルをディスプレイに表示させるようにプロセッサにディスプレイへの信号を生成させることをさらに含む。当該モデル生成方法は、フランジ径、フランジ長、本体径、及び、本体長の少なくとも1つの修正値のオペレータからの入力を、入力インタフェースを介してプロセッサに受け付けさせることをさらに含む。当該モデル生成方法は、少なくとも1つの修正値の入力があったとき、少なくとも1つの修正値に基づいて、工具ホルダの形状モデルをプロセッサに再生成させることをさらに含む。
【0014】
本開示の第9態様によれば、第1態様から第8態様のいずれかによるモデル生成方法は、回転工具のナットからの突き出し長さである工具長オフセットのオペレータからの入力を、入力インタフェースを介してプロセッサに受け付けさせることをさらに含む。当該モデル生成方法は、回転工具の形状を規定する第3データを、プロセッサに記憶装置から取得させることをさらに含む。当該モデル生成方法は、工具長オフセットと第3データとに基づいて回転工具の形状モデルをプロセッサに生成させることをさらに含む。当該モデル生成方法は、回転工具の形状モデルと工具ホルダの形状モデルとを結合させたアセンブリモデルをプロセッサに生成させることをさらに含む。
【0015】
本開示の第10態様によれば、第9態様のモデル生成方法は、工具ホルダの形状モデルをディスプレイに表示させるようにプロセッサにディスプレイへの信号を生成させることをさらに含む。当該モデル生成方法は、フランジ径、フランジ長、本体径、本体長、及び、工具長オフセットの少なくとも1つの修正値の入力を、入力インタフェースを介してプロセッサに受け付けさせることをさらに含む。当該モデル生成方法は、少なくとも1つの修正値の入力があったとき、少なくとも1つの修正値に基づいて、アセンブリモデルをプロセッサに再生成させることをさらに含む。
【0016】
本開示の第11態様による判定方法は、第9態様または第10態様のモデル生成方法を実行し、工具長オフセットを計測する計測装置を含む障害物の形状モデルを記憶装置からプロセッサに取得させることを含む。当該判定方法は、回転工具と工具ホルダとが取り付けられた工作機械に回転工具を計測装置に計測させるための回転工具の移動プログラムを実行させたときに、回転工具の形状モデルが計測位置の所定位置に到達するまでにアセンブリモデルと障害物の形状モデルとが互いに干渉するか否かをプロセッサに判定させることを含む。所定位置は、好ましくは、計測装置による回転工具の計測において回転工具が挿入される計測装置の位置である。
【0017】
本開示の第12態様に係る判定方法は、第9態様または第10態様までのいずれかのモデル生成方法を実行し、障害物の形状モデルを、プロセッサに記憶装置から取得させることを含む。当該判定方法は、工作機械に主軸を駆動させてワークを加工するための加工プログラムを実行させたときに、アセンブリモデルと障害物の形状モデルとが干渉するか否かをプロセッサに判定させることとを含む。
【0018】
本開示の第13態様に係るコンピュータは、第1態様から第10態様までのいずれかのモデル生成方法、または、第11態様または第12態様の判定方法を実行するように構成されるプロセッサと、記憶装置と、入力インタフェースと、を備える。
【0019】
本開示の第14態様に係る工作機械システムは、第13態様に係るコンピュータと、工具ホルダを取付可能な主軸を備える工作機械と、を備える。
【0020】
本開示の第15態様に係るコンピュータプログラムは、第1態様から第10態様までのいずれかのモデル生成方法、または、第11態様または第12態様の判定方法を、入力インタフェースを含むコンピュータによる実行時にコンピュータに実行させる指示を備える。
【0021】
本開示の第16態様に係るコンピュータ読出可能媒体は、第1態様から第10態様までのいずれかのモデル生成方法、または、第11態様または第12態様の判定方法を、入力インタフェースを含むコンピュータによる実行時にコンピュータに実行させる指示を備える。
【0022】
第1態様に係るモデル生成方法、第1態様によるモデル生成方法の処理を実行するように構成されるハードウェアプロセッサを備える第13態様に係るコンピュータ、当該コンピュータを備える第14態様の工作機械システム、第1態様によるモデル生成方法をコンピュータに実行させる指示を備える第15態様のコンピュータプログラム、及び、第1態様によるモデル生成方法をコンピュータに実行させる指示を備える第16態様のコンピュータ読出可能媒体とでは、工具ホルダのフランジのフランジ径とフランジ長は記憶装置から取得し、工具ホルダのホルダ本体の本体径は、別途入力される回転工具の工具形状の1つであるシャンク径から自動的に求められる。このため、ホルダ本体の本体長に係るパラメータのみをオペレータが入力することによって、工具ホルダのモデルを生成可能である。したがって、従来よりも簡易に工具ホルダモデルを生成することができる。
【0023】
第2態様に係るモデル生成方法、第2態様によるモデル生成方法の処理を実行するように構成されるハードウェアプロセッサを備える第13態様に係るコンピュータ、当該コンピュータを備える第14態様の工作機械システム、第2態様によるモデル生成方法をコンピュータに実行させる指示を備える第15態様のコンピュータプログラム、及び、第2態様によるモデル生成方法をコンピュータに実行させる指示を備える第16態様のコンピュータ読出可能媒体とでは、オペレータが工具ホルダの形状を表すパラメータとして使い慣れているホルダ全長を使用することによって、オペレータにとっての使い勝手を向上させることができる。
【0024】
第3態様に係るモデル生成方法、第3態様によるモデル生成方法の処理を実行するように構成されるハードウェアプロセッサを備える第13態様に係るコンピュータ、当該コンピュータを備える第14態様の工作機械システム、第3態様によるモデル生成方法をコンピュータに実行させる指示を備える第15態様のコンピュータプログラム、及び、第3態様によるモデル生成方法をコンピュータに実行させる指示を備える第16態様のコンピュータ読出可能媒体とでは、ホルダ種別情報を入力すれば、工具ホルダのフランジ径とフランジ長とが設定されるため、オペレータにとっての使い勝手をさらに向上させることができる。
【0025】
第4態様に係るモデル生成方法、第4態様によるモデル生成方法の処理を実行するように構成されるハードウェアプロセッサを備える第13態様に係るコンピュータ、当該コンピュータを備える第14態様の工作機械システム、第4態様によるモデル生成方法をコンピュータに実行させる指示を備える第15態様のコンピュータプログラム、及び、第4態様によるモデル生成方法をコンピュータに実行させる指示を備える第16態様のコンピュータ読出可能媒体とでは、主軸の受け孔がホルダシャンクに合うようにホルダの形状が決定されるため、決定されたホルダを確実に主軸に装着することができる。
【0026】
第5態様に係るモデル生成方法、第5態様によるモデル生成方法の処理を実行するように構成されるハードウェアプロセッサを備える第13態様に係るコンピュータ、当該コンピュータを備える第14態様の工作機械システム、第5態様によるモデル生成方法をコンピュータに実行させる指示を備える第15態様のコンピュータプログラム、及び、第5態様によるモデル生成方法をコンピュータに実行させる指示を備える第16態様のコンピュータ読出可能媒体とでは、回転工具をホルダ本体に固定するためのナットの外径とシャンク径とが相関関係があることを利用してシャンク径から本体径を求めるため、本体径を求めることを容易とする。
【0027】
第6態様に係るモデル生成方法、第6態様によるモデル生成方法の処理を実行するように構成されるハードウェアプロセッサを備える第13態様に係るコンピュータ、当該コンピュータを備える第14態様の工作機械システム、第6態様によるモデル生成方法をコンピュータに実行させる指示を備える第15態様のコンピュータプログラム、及び、第6態様によるモデル生成方法をコンピュータに実行させる指示を備える第16態様のコンピュータ読出可能媒体とでは、回転工具はコレットによりプレス嵌め(press-fit)されるため、回転工具がしっかりと(securely)工具ホルダに固定される。
【0028】
第7態様に係るモデル生成方法、第7態様によるモデル生成方法の処理を実行するように構成されるハードウェアプロセッサを備える第13態様に係るコンピュータ、当該コンピュータを備える第14態様の工作機械システム、第7態様によるモデル生成方法をコンピュータに実行させる指示を備える第15態様のコンピュータプログラム、及び、第7態様によるモデル生成方法をコンピュータに実行させる指示を備える第16態様のコンピュータ読出可能媒体とでは、国際規格に基づいてナットの外径とシャンク径との相関関係を定めるため国際規格と互換性がある多くの工具ホルダの形状に対応することができる。
【0029】
第8態様に係るモデル生成方法、第8態様によるモデル生成方法の処理を実行するように構成されるハードウェアプロセッサを備える第13態様に係るコンピュータ、当該コンピュータを備える第14態様の工作機械システム、第8態様によるモデル生成方法をコンピュータに実行させる指示を備える第15態様のコンピュータプログラム、及び、第8態様によるモデル生成方法をコンピュータに実行させる指示を備える第16態様のコンピュータ読出可能媒体とでは、工具ホルダの各寸法をディスプレイに表示した上で修正可能としているため、オペレータにとっての使い勝手をさらに向上させることができる。
【0030】
第9態様に係るモデル生成方法、第9態様によるモデル生成方法の処理を実行するように構成されるハードウェアプロセッサを備える第13態様に係るコンピュータ、当該コンピュータを備える第14態様の工作機械システム、第9態様によるモデル生成方法をコンピュータに実行させる指示を備える第15態様のコンピュータプログラム、及び、第9態様によるモデル生成方法をコンピュータに実行させる指示を備える第16態様のコンピュータ読出可能媒体とでは、回転工具の形状モデルと工具ホルダの形状モデルとを結合させたアセンブリモデルを生成することができるので、アセンブリモデルとワークとの干渉検出や工具の突き出し指示をシミュレーションすることができる。
【0031】
第10態様に係るモデル生成方法、第10態様によるモデル生成方法の処理を実行するように構成されるハードウェアプロセッサを備える第13態様に係るコンピュータ、当該コンピュータを備える第14態様の工作機械システム、第10態様によるモデル生成方法をコンピュータに実行させる指示を備える第15態様のコンピュータプログラム、及び、第10態様によるモデル生成方法をコンピュータに実行させる指示を備える第16態様のコンピュータ読出可能媒体とでは、工具ホルダ及び回転工具の各寸法をディスプレイに表示した上で修正可能としているため、オペレータにとっての使い勝手をさらに向上させることができる。
【0032】
第11態様に係る判定方法、第11態様による判定方法の処理を実行するように構成されるハードウェアプロセッサを備える第13態様に係るコンピュータ、当該コンピュータを備える第14態様の工作機械システム、第11態様による判定方法をコンピュータに実行させる指示を備える第15態様のコンピュータプログラム、及び、第11態様による判定方法をコンピュータに実行させる指示を備える第16態様のコンピュータ読出可能媒体とでは、回転工具が障害物と干渉しない経路をシミュレーションにより設定することができるので、回転速度を計測装置にできるだけ近い位置まで高速に移動させて、その後低速のアプローチ速度で計測装置に挿入することができる。あるいは、従来は、工具の突き出し量が明らかでないため、工具と計測装置の干渉を避けるために、機械原点を工具計測の開始点として、所定の位置にある工具計測までの移動が必要であった。しかし、突き出し指示により工具の突き出し量が明らかなため、機械原点よりも工具計測装置に近い位置を工具計測の開始点として、所定の位置にある工具計測まで移動して計測をすることができる。その結果、工具計測の計測時間を短縮することが出来る。
【0033】
第12態様に係る判定方法、第12態様による判定方法の処理を実行するように構成されるハードウェアプロセッサを備える第13態様に係るコンピュータ、当該コンピュータを備える第14態様の工作機械システム、第12態様による判定方法をコンピュータに実行させる指示を備える第15態様のコンピュータプログラム、及び、第12態様による判定方法をコンピュータに実行させる指示を備える第16態様のコンピュータ読出可能媒体とでは、アセンブリモデルと障害物との干渉検出をシミュレーションすることができる。また、工具ホルダがワークと干渉しない程度の工具長オフセットの大きさを事前にシミュレーションによりチェックすることができる。
【発明の効果】
【0034】
本願に開示される技術によれば、回転工具を操作する工作機械に装着される工具ホルダの形状モデルを、従来よりも簡易に生成することが可能なモデル生成方法、判定方法、工作機械システム、及び、コンピュータプログラム、を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、実施形態に係る工作機械システムの外観構成を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る工作機械の電子回路の構成を示す図である。
図3図3は、工具マガジンと工具交換装置とを示す拡大斜視図である。
図4図4は、図1に示した工作機械の加工ヘッドの概要を示す断面図である。
図5図5は、工具ホルダと回転工具との拡大図である。
図6図6は、コレット周辺の拡大図である。
図7図7は、フランジ定義データの一例である。
図8図8は、ホルダ本体定義データの一例である。
図9図9は、ツールインタフェースの入力インタフェースの一例である。
図10図10は、回転工具のシャンク径の入力インタフェースの一例を示す。
図11図11は、工具ホルダの本体長の入力インタフェースの一例を示す。
図12図12は、ホルダ形状データの変形例である。
図13図13は、追加メニューの表示例を示す。
図14図14は、詳細形状入力画面の表示例を示す。
図15図15は、回転工具の計測装置までの移動の概念図を示す。
図16図16はモデル生成プログラムの動作の詳細を表すフローチャートである。
図17図17は、ステップS1の動作の詳細を表すフローチャートである。
図18図18は、ステップS5の動作の詳細を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。なお、図中において同じ符号は、対応するまたは実質的に同一の構成を示している。
<実施形態>
<工作機械1の構成>
図1は、本発明の実施形態に係る工作機械1を含む工作機械システム100の外観構成を示す図である。図2は、実施形態に係る工作機械システム100の電子回路の構成を示す図である。工作機械システム100は、工作機械1と工作機械1にネットワークNWを介して接続されるコンピュータ90とを含む。コンピュータ90は、ハードウェアプロセッサやメモリのような電子回路を含む汎用コンピュータであってもよい。コンピュータ90は、工作機械1で加工プログラムを実行する際のシミュレーションを行うために用いられる。ネットワークNWは、イントラネットなどの有線ネットワークでも無線LANなどの無線ネットワークでもよい。
【0037】
図1に示すように、工作機械1は、制御盤10と、ワークW(図3参照)を保持する加工テーブル11と、ワークWに対してXYZ方向にそれぞれ移動可能な加工ヘッド12と、工具マガジン15と、工具交換装置16とを備える。工具マガジン15は、回転工具T1を保持する工具ホルダ17と、他の回転工具T2を保持する工具ホルダ17との両方を収納可能である。なお、図1には表示されていないが、工作機械1は、制御盤10以外の上述の構成を覆うカバーをさらに備えてもよい。
【0038】
図2を参照すると、制御盤10は、工作機械1の動作を制御する数値制御装置2と、当該数値制御装置2が実行する加工制御における加工条件等をオペレータが入力するためのキー、ボタン、ダイヤル、タッチパネルなどの入力デバイス10aと、オペレータに加工条件等を表示するディスプレイ10bと、を備える。数値制御装置2は、ハードウェアプロセッサ3と、メモリ4と、バス5と、入出力インタフェース6と、通信インタフェース7とを有している。通信インタフェース7は、ネットワークNWを介してコンピュータ90と通信するように構成される。メモリ4は、切削プログラム等の加工プログラム8と、複数の回転工具T1の形状等を表す工具データ9とを記憶する。メモリ4は、記憶装置と呼称してもよい。ハードウェアプロセッサ3は、各種プログラムを実行する。以降の実施形態において、ハードウェアプロセッサ3を単にプロセッサ3と呼称してもよい。
【0039】
図3は、工具マガジン15と工具交換装置16とを示す拡大斜視図である。工具マガジン15は、複数の工具ホルダ17を保持する複数の保持部15aと、複数の保持部15aを周囲軌道に沿って移動させる保持部移動装置15bと、を有する。複数の保持部15aは、互いに区別するためポケット番号「PKNo.」がそれぞれ割り当てられている。複数の保持部15aのそれぞれに工具ホルダ17を介して保持される回転工具T1には、T番号「TNo.」がそれぞれ割り当てられている。工具データ9は、ポケット番号に対応するT番号と、T番号に対応する回転工具T1の形状等が互いに関連づけられて記憶されている。工具マガジン15は、工具マガジン15に保管されている工具ホルダ17を、工具交換装置16がアクセス可能な待機位置PHに移動させるホルダ取出装置15cを有していてもよい。
【0040】
工具交換装置16は、工具マガジン15と主軸12bとの間で工具を交換するように構成される。工具交換装置16は、工具交換アーム16aと、工具交換アーム16aを回転させるアーム回転装置16bと、工具交換アーム16aを直線的に移動させるアーム移動装置16cとを有する。アーム回転装置16bは、工具交換アーム16aを、アーム回転軸AX2周りに回転させる。また、アーム移動装置16cは、工具交換アーム16aをアーム回転軸AX2に平行な方向(図3中の第1方向DR1、第2方向DR2。これらの詳細は後述)に移動させる。工具交換装置16は、交換前後の工具ホルダ17を把持可能なマジックハンドに類似した構成の把持部16d、16eを有する。
【0041】
図4は、図1に示した工作機械1の加工ヘッド12の概要を示す断面図である。図4に示すように、加工ヘッド12は、筐体をなす中空の主軸フレーム12aと、主軸フレーム12aに内包される主軸12bと、を含む。加工ヘッド12の主軸フレーム12aは、図2に示されるXYZ駆動機構13に取り付けられてXYZの3軸方向に移動可能とされている。また、主軸12bの一端は、例えばモータなどの回転駆動装置14に接続されて回転軸AX1の周りに回転するように構成される。回転駆動装置14は、主軸フレーム12aに固定されたステータ14sと、主軸12bに固定されたロータ14rとを含む。XYZ駆動機構13や回転駆動装置14は、入出力インタフェース6を介して数値制御装置2に接続される。
【0042】
主軸12bの下端には、工具ホルダ17が着脱自在に取り付けられる。図4は、実施形態による回転工具T1を示している。回転工具T1は、切削加工用の工具である。回転工具T1は、工具ホルダ17に保持される。工具ホルダ17はその上端にプルスタッド18が取り付けられる。図5は、プルスタッド18を除く工具ホルダ17と回転工具T1との拡大図である。図5に示すように、工具ホルダ17は、ホルダシャンク17Sと、フランジ17Fと、ホルダ本体17MBと、コレット17Cと、ナット17Nとを備える。ホルダシャンク17Sは、中心軸AX0の周りの回転体である略円錐台形状を有している。中心軸AX0は、工具ホルダ17が主軸12bに取り付けられたときに、回転軸AX1と実質的に一致する。実質的に一致するとは、工具ホルダ17の取り付け誤差範囲内のずれを許容するという意味である。なお、ホルダシャンク17Sは、CAPTOシャンク(CAPTOは登録商標)のように略三角錐台形状を有してもよい。ホルダシャンク17Sは、プルスタッド18を螺入するためのネジ孔17SHを有しており、プルスタッド18の雄ネジ部(図示せず)がネジ孔17SHに螺入されることにより、プルスタッド18はホルダシャンク17Sに接続される。
【0043】
フランジ17Fは、中心軸AX0周りに形成される。フランジ17Fは、主軸12bに当接可能な座面17BSを含む。なお、工具ホルダ17の種類によっては、座面17BSが主軸12bに当接しなくても主軸12bに面していればよい。フランジ17Fは、座面17BSに対して垂直で、且つ、中心軸AX0に沿う軸方向DXの長さであるフランジ長LFを有している。フランジ17Fは、中心軸AX0に対する径方向DR(軸方向DXに垂直な径方向DR)の長さであるフランジ径DFを有している。フランジ17Fは、ホルダシャンク17Sとホルダ本体17MBとから、径方向DRに突出している。フランジ17Fは、径方向DRに切り欠いた溝部17Gを有している。
【0044】
ホルダ本体17MBは、軸方向DXにフランジ17Fから突出する。ホルダ本体17MBは、軸方向DXの長さである本体長LMと、径方向DRの長さである本体径DMとを有している。なお、フランジ長LFと本体長LMとを加えた値をホルダ全長LHと呼び、本体長LMがホルダ全長LHからフランジ長LFを引いた値として求められる場合がある。ホルダシャンク17Sとホルダ本体17MBとは、フランジ17Fに対して互いに軸方向DXの反対に設けられる。回転工具T1は、ホルダ本体17MBに取り付け可能である。具体的には、図6を参照すると、ホルダ本体17MBは、コレット17Cが挿入される受け孔17MBHと、ナット17Nと係合可能な雄ネジ部17MSとを有している。
【0045】
図6は、コレット17C周辺の拡大図である。コレット17Cは、円筒形の内面17CISと複数のスリット17CSLを有するテーパーのついたスリーブ17CSVから成る。ナット17Nは、コレット17Cが挿入される受け孔17NBHと、雄ネジ部17MSと係合可能な雌ネジ部17FSとを有している。ナット17Nは、回転工具T1をホルダ本体17MBに固定するために利用される。具体的には、ナット17Nは、回転工具T1をプレス嵌め(press fit)することが可能なコレット17Cを留めるように構成される。コレット17Cが挿入されたナット17Nがホルダ本体17MBにねじ込まれることにより、スリーブ17CSVが軸方向DXに受け孔17MBHの壁面に押し付けられることによってコレット17Cが圧縮され、内面17CISで定義される挿入孔(17CIH)に挿入された回転工具T1のシャンクSHKをしっかりと締め付ける。つまり、挿入孔17CIHの径DISは、コレット17Cの締め付け度合いに応じて変化する。
【0046】
図5を参照すると、回転工具T1は、刃BRと刃BRの反対側にコレット17Cの挿入孔17CIHに挿入されるシャンクSHKを有している。刃BRは、径方向DRの直径である工具径DTを有している。回転工具T1は、ナット17Nからの突き出し長さである工具長オフセットLTを有している。シャンクSHKは、径方向DRの直径であるシャンク径DSを有している。挿入孔17CIHの径DISの変動範囲は限られるため、シャンク径DSが定まると利用すべきコレット17Cが限定される。ISO15488は、コレット17Cの仕様に対応する、利用すべきナット17Nの形状、ホルダ本体17MBの受け孔17MBHの形状、雄ネジ部17MSの形状を規定している。したがって、シャンク径DSが定まると、ナット17Nの外径DNが規格により概ね決定されることとなる。つまり、ナット17Nの外径DNは、ISO15488規格に基づいて、シャンク径DSに適合したコレット17Cの大きさに対応する寸法が決定される。
【0047】
図4に戻り、主軸12bは、プルスタッド18と嵌合可能なコレットチャック19と、溝部17Gと嵌合可能なキー12Kとを備える。コレットチャック19は、主軸12bの回転軸AX1に沿う軸方向DXに移動可能である。なお、主軸12bにホルダ本体17MBと回転工具T1とが取り付けられるとき、図5の中心軸AX0と図4の回転軸AX1とが一致するように、主軸12bは、ホルダシャンク17Sが挿入可能な受け孔18RSを有する。受け孔18RSの形状は、工作機械1(主軸12b)がサポートするツールインタフェースに基づく。つまり、複数の工具ホルダ17が工作機械1に装着可能であるか否かは、受け孔18RSがホルダシャンク17Sに合うか否かに基づいて決定される。ツールインタフェースは、受け孔18RS、ホルダシャンク17S、プルスタッド18、及び、コレットチャック19を定義する。つまり、ツールインタフェースは、工作機械1に取付可能な工具ホルダ17の種別を示すホルダ種別情報に該当する。コレットチャック19は、軸方向DXのうち、プルスタッド18から回転工具T1に向かう第1方向DR1にシフトすると、回転軸AX1に対する径方向に開くように構成され、プルスタッド18が着脱可能となる。コレットチャック19は、軸方向DXのうち、回転工具T1からプルスタッド18に向かう第2方向DR2にシフトすると、回転軸AX1に対する径方向に閉じるように構成され、プルスタッド18と嵌合される。プルスタッド18がコレットチャック19に嵌合することによって工具ホルダ17が主軸12bに固定される。このとき、主軸12bのキー12Kが工具ホルダ17の溝部17Gに嵌合するため、工具ホルダ17の主軸12bに対する回転が規制される。
【0048】
図2を参照すると、コンピュータ90は、例えば、工具ホルダ17の3次元形状モデルHMと回転工具T1の3次元形状モデルTMとを生成するモデル生成プログラム81と、ワークWを加工するための加工プログラム8を工作機械1に実行させたときに、工具ホルダ17の3次元形状モデルHMと、回転工具T1の3次元形状モデルTMとを結合したアセンブリモデルAMとワークWの3次元形状モデルとが干渉するか否かを判定する干渉判定プログラム82と、アセンブリモデルAMが回転工具T1の3次元形状を測定する計測装置MDまで移動可能か否かを判定する計測可否判定プログラム82aとを実行するために使用される。
【0049】
コンピュータ90は、入力デバイス10a、ディスプレイ10b、数値制御装置2の夫々と実質的に同等の機能を有する入力デバイス91a、ディスプレイ91b、コンピュータ本体92とを含む。コンピュータ本体92は、ハードウェアプロセッサ3、メモリ4、システムバス5、入出力インタフェース6、及び、通信インタフェース7の夫々と実質的に同等の機能を有する、ハードウェアプロセッサ93、メモリ94、システムバス95、入出力インタフェース96、及び、通信インタフェース97を含む。以降の実施形態において、ハードウェアプロセッサ93は単にプロセッサ93と呼称されてもよい。メモリ4、メモリ94は、それぞれ、記憶装置と呼称されてもよい。コンピュータ90のメモリ94には、モデル生成プログラム81と、干渉判定プログラム82と、計測可否判定プログラム82aと、フランジ定義データ83と、ホルダ本体定義データ84と、ホルダ形状データ85と、加工プログラム98と、工具データ99とを記憶するように構成される。加工プログラム98は加工プログラム8と等しく、工具データ99は工具データ9と等しい。以降の実施形態において、工具データ99は回転工具T1の形状を規定する第3データと呼称してもよい。
【0050】
<工具ホルダ17のモデルの生成>
つぎに、モデル生成プログラム81の具体的動作について説明する。モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、ホルダ本体17MBの本体径DMがナット17Nの外径DNと等しい、もしくは、ナット17Nの外径DNに所定倍であるとみなして、工具ホルダ17の3次元形状モデルHMと、回転工具T1の3次元形状モデルTMと工具ホルダ17の3次元形状モデルHMとを結合させたアセンブリモデルAMとを生成する。これを実現するために、メモリ94は、フランジ径DFと、フランジ長LFとを表す第1データを少なくとも記述するフランジ定義データ83を記憶するように構成される。さらに、メモリ94は、シャンク径DSと本体径DMとの対応関係を記述するホルダ本体定義データ84を記憶するように構成される。
【0051】
図7は、フランジ定義データ83の一例である。図7を参照すると、フランジ定義データ83は、工作機械1(主軸12b)がサポートするツールインタフェース、そのツールインタフェースに対応するフランジ径DFと、フランジ長LFとを表す第1データとを含む。つまり、フランジ定義データ83は、ホルダ種別情報と、ホルダ種別情報に対応するフランジ径DF及びフランジ長LFとをそれぞれ関連付けた対応関係を表す。なお、図7のフランジ定義データ83は、モデル生成プログラム81が多様な工作機械1において共通に利用できるように汎用的に設計されている場合のデータ構成を示す。なお、工作機械1(主軸12b)がサポートするツールインタフェースは、通常1つしかない。このため、モデル生成プログラム81が工作機械1毎にカスタマイズされて設計されている場合、第1データは、フランジ径DFと、フランジ長LFとのみから構成されてもよい。
【0052】
図8は、ホルダ本体定義データ84の一例である。図8に示されるように、ホルダ本体定義データ84は、左列に示したシャンク径DSの範囲と、右列に示した本体径DMの値との対応関係を記述している。図8では、参考までに、左列に示したシャンク径DSの範囲に対応するコレット17Cの呼び径を中央列に示している。ISO15488規格は、呼び径が大きなコレット17Cでもシャンク径DSが小さいホルダシャンク17Sを把持可能な設定となっている。しかし、図8の例では、ISO15488規格において規定する挿入孔17CIHの径DISの変動範囲よりもより小さい変動範囲に対して、使用できるコレット17Cの呼び径を設定している。
【0053】
工作機械1のオペレータには、シャンク径DSの範囲に対応するコレット17Cの呼び径が別途開示されている。右列に示した本体径DMは、ISO15488において、中央列のコレット17Cの呼び径に対応するナット17Nの外径DNをモデルに使用する本体径DMとして記載したが、市場に出回っている工具ホルダ17の製品状況に応じてカスタマイズされた値が設定されてもよい。もしくは、経験的にISO15488において規定されるナット17Nの外径DNを所定の拡大倍率だけ掛けた換算値が市場に出回っている工具ホルダの本体径DMよりも短いことが分かっている場合、右列に示した本体径DMとして上記換算値が設定されていてもよい。ホルダ形状データ85は、モデル生成プログラム81によって一度生成された工具ホルダ17の3次元形状モデルHMのパラメータを保存している。ホルダ形状データ85の詳細は後述する。
【0054】
モデル生成プログラム81が多様な工作機械1において共通に利用できるように汎用的に設計されているとき、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、主軸12bがサポートするツールインタフェース、つまり、ホルダ種別情報のオペレータからの入力を、入力インタフェースを介して受け付ける。図9は、主軸12bがサポートするツールインタフェースのオペレータからの入力を受け付けるためのツールインタフェース設定ウィンドウ25の一例を示す。ツールインタフェース設定ウィンドウ25は、ドロップダウンウィンドウ26を含む。図9では、マウスクリックやタッチパネルでのタッチなど周知の方法でM40のツールインタフェースが選択された例を示している。図9では、選択されたM40に対応する行SRがハイライトされて示されている。残りの行は、ハイライト無しの行USRで表示されている。入力デバイス91aを利用してこの選択入力を受け付けるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)が入力インタフェースに該当する。ツールインタフェース設定ウィンドウ25はこのような選択形式ではなく、チェックボックス、ラジオボタン、ドロップダウンウィンドウなど周知の他のGUIによって選択可能であってもよい。その後、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、入力されたツールインタフェースに対応するフランジ径DFと、フランジ長LFとを表す第1データをメモリ94(フランジ定義データ83)から取得する。つまり、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、ホルダ種別情報に基づいて、当該第1データをメモリ94から取得する。なお、モデル生成プログラム81が工作機械1毎にカスタマイズされて設計されているとき、図9のようなGUI表示や、複数のツールインタフェースを定義したフランジ定義データ83から1つの第1データを選択する処理は省略される。
【0055】
つぎに、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、シャンク径DSのオペレータからの入力を、入力インタフェースを介して受け付ける。図10は、回転工具T1のシャンク径DSの入力インタフェースの一例を示している。図10は、工具データ99に記憶された各回転工具T1の形状等の情報を選択可能なリスト形式で表示した工具表示ウィンドウ30を表示したものである。工具表示ウィンドウ30では、ドロップダウンウィンドウ35を含み、ドロップダウンウィンドウ35の各項目は、左から順にT番号31、ポケット番号32、工具名33、工具の呼径(nominal diameter)34が表示されている。工具表示ウィンドウ30では、これらの情報以外の情報が表示されてもよく、T番号31と、ポケット番号32とのうちの少なくとも1つの情報が省略されてもよい。
【0056】
図10では、マウスクリックやタッチパネルでのタッチなど周知の方法でT番号が4の工具が選択された例を示している。図10では、選択された回転工具T2に対応する行SRがハイライトされて示されている。残りの行は、ハイライト無しの行USRで表示されている。入力デバイス91aを利用してこの選択入力を受け付けるGUIが入力インタフェースに該当する。工具表示ウィンドウ30はこのような選択形式ではなく、チェックボックス、ラジオボタン、ドロップダウンウィンドウなど周知の他のGUIによって選択可能であってもよい。
【0057】
モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、工具表示ウィンドウ30において選択された工具名33と、工具の呼径34とに対応するシャンク径DSを工具データ99から取得する。さらに、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、ホルダ本体定義データ84を記憶するメモリ94から、取得されたシャンク径DSに対応する本体径DMを表す第2データを取得する。また、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、工具表示ウィンドウ30において選択された工具名33と、工具の呼径34とに対応する工具径DTや刃先角(第3データの少なくとも一部)をメモリ94から取得する。
【0058】
つぎに、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、本体長LMとのオペレータからの入力を、入力インタフェースを介して受け付ける。図11は、工具ホルダ17の本体長LMの入力インタフェースの一例を示す。図11は、入力インタフェースの一部である寸法入力ウィンドウ40を表示したものである。寸法入力ウィンドウ40は、工具長オフセットLTを入力するための第1テキストボックス41と、第1テキストボックス41の数値の上限を調整する移動量テキストボックス41aと、工具長オフセットLT以外の工具の形状特性を入力するための第1追加テキストボックス41bと、ホルダ全長LHを入力するための第2テキストボックス42と、工具ホルダ17の名称を表示/編集するための第3テキストボックス43と、OKボタン44と、キャンセルボタン45と、モデル表示画面51とを含む。
【0059】
工具長オフセットLTを入力するための第1テキストボックス41と、移動量テキストボックス41aと、工具長オフセットLT以外の工具の形状特性を表示するための第1追加テキストボックス41bと、ホルダ全長LHを入力するための第2テキストボックス42とは、数値を入力可能なテキストボックスである。第1テキストボックス41が選択された状態で、矢印ボタンの上下ボタンをタッチまたはクリックされると、第1テキストボックス41に表示される数値が移動量テキストボックス41aの数値だけ増減される。なお、第1テキストボックス41は、直接数値を入力することによっても数値を変更することが可能である。第1追加テキストボックス41bは、工具名33が選択されると工具名33が有する特有の形状を表すパラメータが工具データ99から取得され、表示される。第1追加テキストボックス41bにおいて表示される数値は通常変更不可の形で表示されているが、回転工具T1の3次元形状モデルTMを生成する上で都合のよいようにオペレータによって編集可能なようにされてもよい。ただし、このように編集された場合であっても工具データ99は修正されない。
【0060】
モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、本体長LMにフランジ長LFを加えたホルダ全長LHのオペレータからの入力を、入力インタフェースを介して受け付ける。入力デバイス91aを利用して第2テキストボックス42の数値入力を受け付けるインタフェースがこの入力インタフェースに該当する。当該プロセッサ93は、ホルダ全長LHからフランジ長LFを引くことによって本体長LMを求める。さらに、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、工具長オフセットLTのオペレータからの入力を、入力インタフェースを介して受け付ける。入力デバイス91aを利用して第1テキストボックス41の数値入力を受け付けるインタフェースがこの入力インタフェースに該当する。
【0061】
第2テキストボックス42に数値が入力されると、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、その数値をホルダ全長LHとし、フランジ定義データ83のうちのフランジ長LF及びフランジ径DFとホルダ全長から本体長LMを求め、シャンク径DSから求められた本体径DMと求められた本体長LMとを有する工具ホルダ17の3次元形状モデルHMがホルダ形状データ85に記憶されているか否か探索する。当該工具ホルダ17の3次元形状モデルHMがホルダ形状データ85に記憶されているとき、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、記憶されている3次元形状モデルHMを取得する。3次元形状モデルHMがホルダ形状データ85に記憶されていないとき、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、求めた本体長LM、本体径DM、フランジ長LF、及びフランジ径DFに基づいて工具ホルダ17の3次元形状モデルHMを生成する。ホルダ形状データ85に保存されていない3次元形状モデルHMが生成されたとき、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、後述する第3テキストボックス43に表示される工具ホルダ17のホルダ名称を適当に生成した上で、そのホルダ名称とともに生成した3次元形状モデルHMをホルダ形状データ85に保存する。第1テキストボックス41に数値が入力されると、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、その数値を工具長オフセットLTとして、工具長オフセットLTと先に求められた工具径DTや刃先角(第3データの少なくとも一部)とに基づいて回転工具T1の3次元形状モデルTMを生成する。なお、工具データ99が推奨の突き出し量を含んでもよく、その場合、その推奨突き出し量が第1テキストボックス41の数値のデフォルト値として入力されてもよい。モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、回転工具T1の3次元形状モデルTMと工具ホルダ17の3次元形状モデルHMとを結合させたアセンブリモデルAMを生成する。
【0062】
具体的には、回転工具T1の3次元形状モデルTMは、工具径DTを直径とし工具長オフセットLTとする第1円柱CC1から成る。工具ホルダ17の3次元形状モデルHMは、本体径DMを直径とし本体長LMを高さとする第2円柱CC2と、フランジ径DFを直径としフランジ長LFを高さとする第3円柱CC3とから成る。モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、このように生成されたアセンブリモデルAMをモデル表示画面51に表示させる。つまり、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、工具ホルダ17の3次元形状モデルHMをディスプレイ91bに表示させるようにディスプレイ91bへの信号を生成する。モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、回転工具T1の3次元形状モデルTMをディスプレイ91bに表示させるようにディスプレイ91bへの信号を生成する。モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、アセンブリモデルAMをディスプレイ91bに表示させるようにディスプレイ91bへの信号を生成する。
【0063】
第2テキストボックス42に数値が記載されると、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、ホルダ形状データ85に保存されている工具ホルダ17のホルダ名称のうち、ディスプレイ91bに表示されている工具ホルダ17の3次元形状モデルHMのホルダ名称を第3テキストボックス43に表示させる。なお、第3テキストボックス43は省略されてもよい。
【0064】
図12は、ホルダ形状データ85の一例を示す。ホルダ形状データ85は、工具ホルダ17のホルダ名称と、工具ホルダ17のメーカ名と、ツールインタフェースと、フランジ径DFと、フランジ長LFと、本体径DMと、本体長LMとを含む。ホルダ形状データ85は、さらに、工具ホルダ17のホルダ名称と、拡張ホルダ径d2、D3、d3と、拡張ホルダ長L3と、第1R寸法R1と、第2R寸法R2とを含む。ホルダ名称は、メーカによる型番であってもよく、オペレータが適当に割り当てられた名称であってもよい。メーカ名は後に示すインタフェース(図14の第4テキストボックス53)によって設定可能である。拡張ホルダ径d2、D3、d3と、拡張ホルダ長L3と、第1R寸法R1と、第2R寸法R2は、後述する図14の入力指示画面52に示された部分の長さに該当する。図12の例では、異なるツールインタフェースに係る複数の工具ホルダ17が表示されているが、モデル生成プログラム81が多様な工作機械1において共通に利用できるように汎用的に設計されている場合の例であって、モデル生成プログラム81が工作機械1毎にカスタマイズされて設計されている場合には、ホルダ形状データ85はツールインタフェースの要素を含まなくてもよく、工作機械1がサポートするツールインタフェースを有する複数の工具ホルダ17のみを含んでもよい。なお、ホルダ形状データ85の一部は、モデル生成プログラム81、干渉判定プログラム82、計測可否判定プログラム82aを提供する提供者によって予め作成され、提供されてもよい。
【0065】
図11に戻り、寸法入力ウィンドウ40は、詳細設定ボタン46をさらに有している。オペレータは、アセンブリモデルAMよりも詳細なモデルを構築したいとき、詳細設定ボタン46を押して追加メニューを表示することができる。図13を参照すると、追加メニューを含む寸法入力ウィンドウ40Aは、寸法入力ウィンドウ40に表示される内容に加えて、工具ホルダ選択ウィンドウ47と、OKボタン48と、編集ボタン49とを含む。寸法入力ウィンドウ40Aでは、詳細設定ボタン46Aの矢じりの向きが、寸法入力ウィンドウ40の詳細設定ボタン46の矢じりの向きと反対に表示されている。詳細設定ボタン46Aがクリックされると、図9の寸法入力ウィンドウ40の表示に戻る。
【0066】
工具ホルダ選択ウィンドウ47は、被設定の本体径DMと本体長LMとフランジ径DFとフランジ長LFとを有する少なくとも1つの工具ホルダ17を選択可能な態様で表示したものである。工具ホルダ選択ウィンドウ47では、少なくとも1つの工具ホルダ17がリスト形式で表示され、少なくとも1つの工具ホルダ17の1つが、タッチやクリックなど周知の方法で選択されるとハイライト表示される。そしてOKボタン48が押下されると、選択された工具ホルダにはチェックマークCHKが表示される。そして、選択された工具ホルダ17のホルダ名称が第3テキストボックス43に表示される。工具ホルダ選択ウィンドウ47では、被設定の本体径DMと本体長LMとフランジ径DFとフランジ長LFとを有する工具ホルダ17の形状と全く同じ形状が表示されているわけではなく、これは工具ホルダ17の製造メーカから受領した3Dデータが表示されてもよい。ホルダ形状データ85としては、異なる形状として表示されている工具ホルダ17の本体径DM、本体長LM、フランジ長LF、及びフランジ径DFが、被設定の本体径DMと本体長LMとフランジ径DFとフランジ長LFとして記憶されている。したがって、モデル表示画面51に表示されている工具ホルダ17の形状と全く同じ形状のアセンブリモデルAMを利用して、後述する干渉判定プログラム82と計測可否判定プログラム82aとが実行される。
【0067】
編集ボタン49が押下されると、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、詳細形状入力画面50を表示する。図14を参照すると、詳細形状入力画面50は、入力指示画面52と、第4テキストボックス53と、第5テキストボックス54と、OKボタン55と、キャンセルボタン56と、第6~第15テキストボックス60~69とを含む。入力指示画面52は、第6~第15テキストボックス60~69のそれぞれの左側に示されたインジケータに相当する長さが工具ホルダ17のどの部位の長さに相当するか入力することができる。すなわち、入力指示画面52に示されるように、詳細形状入力画面50を介して、2つの円錐台の結合としてモデル化した工具ホルダ17の3次元形状を設定することができる。
【0068】
第5テキストボックス54は、工具ホルダ17のホルダ名称の入力を受け付けるGUIである。第4テキストボックス53は、工具ホルダ17のメーカ名の入力を受け付けるGUIである。第4テキストボックス53と第5テキストボックス54は、当初、空白で表示される。第6テキストボックス60はフランジ径DFの入力を受け付けるGUIであって、被設定のフランジ径DFの値が初期値として表示される。第7テキストボックス61はフランジ長LFの入力を受け付けるGUIであって、被設定のフランジ長LFの値が初期値として表示される。第8テキストボックス62は本体径DMの入力を受け付けるGUIであって、被設定の本体径DMの値が初期値として表示される。第9テキストボックス63は本体長LMの入力を受け付けるGUIであって、被設定の本体長LMの値が初期値として表示される。第10~第15テキストボックス64~69は、初期値として0が設定される。なお、第7テキストボックス61の数値と、第9テキストボックス63の数値と、第13テキストボックス67の数値とのいずれかが修正されると、それらの数値の和が第2テキストボックス42の数値となるように、残りのテキストボックスの数値が修正される。
【0069】
モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、フランジ径DF(図14のD1)、フランジ長LF(図14のL1)、本体径DM(図14のD2)、及び、本体長LM(図14のL2)の少なくとも1つの修正値の入力を、入力インタフェースを介して受け付ける。入力デバイス91aを利用して第6~第9テキストボックス60~63の数値入力を受け付けるGUIがこの入力インタフェースに該当する。第4テキストボックス53に工具ホルダ17のメーカ名、第5テキストボックス54に工具ホルダ17のホルダ名称、第6~第15テキストボックス60~69に該当する数値が入力された状態でOKボタン55が押されると、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、第5テキストボックス54によって表示されているホルダ名称と、第4テキストボックス53に表示されている工具ホルダ17のメーカ名と、本体径DM(D2)と、本体長LM(L2)と、フランジ径DF(D1)と、フランジ長LF(L1)と、拡張ホルダ径d2、D3、d3と、拡張ホルダ長L3と、第1R寸法R1と、第2R寸法R2と、を有する工具ホルダ17のデータセットをホルダ形状データ85に新たに登録して詳細形状入力画面50を閉じる。図12の最下行にはこのように新たに登録されたホルダ形状データ85の一例が表示されている。なお、ここでのツールインタフェースは、工作機械1がサポートするツールインタフェース(例えば、図9のようなGUIによって選択されたインタフェース)が自動的に挿入される。キャンセルボタン56が押下されると、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、詳細形状入力画面50に設定されたデータをホルダ形状データ85に登録することなく詳細形状入力画面50を閉じる。
【0070】
詳細形状入力画面50が閉じられると、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、新たにホルダ形状データ85に登録された工具ホルダ17の情報が工具ホルダ選択ウィンドウ47に追加される。もし、当該情報が選択され、OKボタン48が押下されると、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、第6~第15テキストボックス60~69に入力された数値に基づいて、モデル表示画面51に、工具ホルダ17の3次元形状モデルHMを生成し、アセンブリモデルAMを再生成する。つまり、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、少なくとも1つの修正値の入力があったとき、少なくとも1つの修正値に基づいて、工具ホルダ17の3次元形状モデルHMを再生成する。再生成された工具ホルダ17の3次元形状モデルHMは、モデル表示画面51に表示される。そして、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、第3テキストボックス43を第5テキストボックス54によって設定された名称に更新する。
【0071】
このように、アセンブリモデルAMがモデル表示画面51に表示されているときに、第1テキストボックス41、第2テキストボックス42の値を修正するか、第6~第15テキストボックス60~69の値を修正し、OKボタン55を押下、工具ホルダ選択ウィンドウ47に修正した工具ホルダ17を選択してOKボタン48を押下することによって、アセンブリモデルAMが再生成される。したがって、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、フランジ径DF、フランジ長LF、本体径DM、本体長LM、及び、工具長オフセットLTの少なくとも1つの修正値の入力を、上述の入力インタフェースを介して受け付ける。そして、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、少なくとも1つの修正値の入力があったとき、少なくとも1つの修正値に基づいて、アセンブリモデルAMを再生成する。以上の処理が終了後、OKボタン44が押下されると、その時点でモデル表示画面51に表示されているアセンブリモデルAMに基づいてプロセッサ93は、以下の干渉判定プログラム82、計測可否判定プログラム82aを実行する。キャンセルボタン45が押下されると、アセンブリモデルAMを設定することなく、プロセッサ93は、モデル生成プログラム81を終了する。
【0072】
<干渉判定プログラム82、計測可否判定プログラム82aの動作>
つぎに、図2の干渉判定プログラム82と計測可否判定プログラム82aの動作について説明する。干渉判定プログラム82を実行するプロセッサ93は、障害物の形状モデルをメモリ94から取得する。つまり、メモリ94は、当該障害物の形状モデルを干渉判定プログラム82とともに記憶する。この障害物は、例えば、ワークWを加工テーブル11に固定するための治具など、加工テーブル11に配置されるワークW以外の物を指す。また、ワークWが工具ホルダ17または主軸12bと接する場合、ワークWも障害物となりうる。干渉判定プログラム82を実行するプロセッサ93は、工作機械1に主軸12bを駆動させてワークWを加工するための加工プログラム98を実行させたときに、アセンブリモデルAMと障害物の形状モデルとが干渉するか否かを判定する。例えば、干渉判定プログラム82は、加工プログラム98実行時の各時刻におけるアセンブリモデルAMおよび障害物の形状モデルの位置を計算し、各時刻においてアセンブリモデルAMが障害物の形状モデルと干渉するか否かを判定する。ここで、干渉とは、回転工具T1とワークWとの接触以外のアセンブリモデルAMと障害物の形状モデルとの接触を意味する。例えば、工具長オフセットLTが短すぎて工具ホルダ17がワークWと接触する場合も干渉となる。干渉判定プログラム82によって、工作機械1が加工プログラム98を実行した際に障害物の干渉がないか事前にシミュレーションしたり、工具ホルダ17がワークWと干渉しない程度の工具長オフセットLTの大きさを事前にシミュレーションによりチェックしたりすることが可能となる。
【0073】
計測可否判定プログラム82aを実行するプロセッサ93は、工具長オフセットLTを記憶する計測装置MDを含む障害物の形状モデルをメモリ94から取得する。計測可否判定プログラム82aを実行するプロセッサ93は、回転工具T1を計測装置MDに計測させるための回転工具T1の移動プログラムを実行させたときに、回転工具T1の形状モデルが計測装置MDの所定位置に到達するまでにアセンブリモデルAMの形状モデルと障害物の形状モデルとが互いに干渉するか否かを判定する。このため、メモリ94は、当該移動プログラムと当該障害物の形状モデルとを計測可否判定プログラム82aとともに記憶する。所定位置は、例えば、計測装置MDによる回転工具T1の計測において回転工具T1が挿入される計測装置MDの位置である。この障害物は、例えば、計測装置MDの所定位置に設けられる部分以外の物を指す。例えば、計測可否判定プログラム82aは、移動プログラム実行時の各時刻におけるアセンブリモデルAMおよび障害物の形状モデルの位置を計算し、各時刻においてアセンブリモデルAMが障害物の形状モデルと干渉するか否かを判定する。ここで、干渉とは、回転工具T1と計測装置MDの所定位置に設けられる部分との接触以外のアセンブリモデルAMと障害物との接触を意味する。
【0074】
図15は、回転工具T1の計測装置MDまでの移動の概念図を示す。図15に示されるように、回転工具T1は機械原点から上述の計測装置MDの所定位置まで移動される。その際、回転工具T1は、計測装置MDの近くのアプローチ位置まで高速に移動され、アプローチ位置から低速に移動される。ただし、途中の障害物の情報が不明であると、安全のため、遠くの位置にアプローチ位置を設けたり、オペレータが機内を見ながら機械原点からアプローチ位置まで中低速で回転工具T1を移動されたりする必要があり、測定時間に時間がかかる問題があった。しかし、計測可否判定プログラム82aで回転工具T1の移動を事前にシミュレーションしておけば、アプローチ位置を計測装置MDのごく近くに設けたり、機械原点からアプローチ位置までの移動速度を大きくしたりすることができる。したがって、計測時間を短縮できる効果を奏する。
【0075】
つぎに、図2のモデル生成プログラム81の動作の詳細について説明する。図16は、モデル生成プログラム81の動作の詳細を表すフローチャートである。モデル生成プログラム81は、コンピュータ90のプロセッサ93による実行時に、図16及び図16に付随する図17図18に記載のモデル生成方法の処理をプロセッサ93に実行させる指示を備える。図16を参照すると、当該モデル生成方法のステップS1において、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、フランジ径DFとフランジ長LFとを表す第1データを、メモリ94(記憶装置)から取得する。
【0076】
図17は、ステップS1の動作の詳細を表すフローチャートである。図17の処理は、モデル生成プログラム81が多様な工作機械1において共通に利用できるように汎用的に設計されている場合の処理例である。図17を参照すると、ステップS11では、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、ホルダ種別情報(ツールインタフェース)のオペレータからの入力を、入力インタフェース(例えば、ツールインタフェース設定ウィンドウ25において入力デバイス91aを利用してツールインタフェースの選択入力を受け付けるGUI)を介して受け付ける。ステップS12では、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、ホルダ種別情報(ツールインタフェース)と、ホルダ種別情報(ツールインタフェース)に対応するフランジ径DF及びフランジ長LFとをそれぞれ関連付けた対応関係を記憶するメモリ94(記憶装置)から、ホルダ種別情報(ツールインタフェース)に基づいて当該第1データを取得する。なお、モデル生成プログラム81が工作機械1毎にカスタマイズされて設計されている場合、工作機械1(主軸12b)がサポートするツールインタフェースによって規定されるフランジ径DFとフランジ長LFとを表す第1データをメモリ94(記憶装置)から取得するとよい。
【0077】
図16を再び参照すると、当該モデル生成方法のステップS2において、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、シャンク径DSのオペレータからの入力を、入力インタフェース(入力デバイス91aを利用して工具表示ウィンドウ30の選択入力を受け付けるGUI)を介して受け付ける。当該モデル生成方法のステップS3において、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、ホルダ本体定義データ84を記憶するメモリ94(記憶装置)から、取得されたシャンク径DSに対応する本体径DMを表す第2データを取得する。当該モデル生成方法のステップS4において、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、回転工具T1の形状を規定する第3データを、工具データ99を記憶するメモリ94(記憶装置)から取得する。当該モデル生成方法のステップS5において、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、本体長LMのオペレータからの入力を、入力インタフェース(入力デバイス91aを利用して寸法入力ウィンドウ40の数値入力を受け付けるGUI)を介して受け付ける。
【0078】
図18は、ステップS5の動作の詳細を表すフローチャートである。図18を参照すると、ステップS51では、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、ホルダ全長LHのオペレータからの入力を、入力インタフェース(入力デバイス91aを利用して第2テキストボックス42の数値入力を受け付けるGUI)を介して受け付ける。ステップS52では、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、ホルダ全長LHからフランジ長LFを引くことによって本体長LMを求める。
【0079】
図16を再び参照すると、当該モデル生成方法のステップS6において、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、ステップS5において取得された本体長LMとステップS1において取得された第1データとステップS3において取得された第2データとに基づいて工具ホルダ17の3次元形状モデルHMを生成する。当該モデル生成方法のステップS7において、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、工具長オフセットLTのオペレータからの入力を、入力インタフェース(入力デバイス91aを利用して第1テキストボックス41の数値入力を受け付けるGUI)を介して受け付ける。なお、工具データ99が推奨の突き出し量を含んでおり、工具長オフセットLTがその推奨の突き出し量で自動的に設定される場合、ステップS7は省略されてもよい。当該モデル生成方法のステップS8において、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、求めた工具長オフセットLTとステップS4で求められた第3データとに基づいて回転工具T1の3次元形状モデルTMを生成する。
【0080】
当該モデル生成方法のステップS9において、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、回転工具の3次元形状モデルTMと工具ホルダ17の3次元形状モデルHMとを結合させたアセンブリモデルAMを生成する。当該モデル生成方法のステップS10において、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、アセンブリモデルAM(工具ホルダ17の3次元形状モデルHM)をディスプレイ91bに表示させるようにディスプレイ91bへの信号を生成させる。当該モデル生成方法のステップS11において、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、フランジ径DF、フランジ長LF、本体径DM、本体長LM、及び、工具長オフセットLTの少なくとも1つの修正値の入力を、入力インタフェース(入力デバイス91aを利用して寸法入力ウィンドウ40の数値入力、を受け付けるGUI)を介して受け付ける。入力がない(ステップS11でNo)とき、ステップS11を繰り返す。少なくとも1つの修正値の入力があったとき(ステップS11でYes)、当該モデル生成方法のステップS12において、モデル生成プログラム81を実行するプロセッサ93は、少なくとも1つの修正値に基づいて、アセンブリモデルAMを再生成させる。ステップS12の終了後、ステップS10に戻る。
<本実施形態におけるモデル生成方法の特徴及び効果>
本実施形態にかかるモデル生成方法、及び、モデル生成プログラム81、及び、モデル生成プログラム81を実行するコンピュータ90は、回転工具T1のシャンク径DSのオペレータの入力を受け付け、回転工具T1のシャンク径DSとホルダ本体17MBの本体径DMとの対応関係を記述するホルダ本体定義データ84を記憶するメモリ94から、取得されたシャンク径DSに対応する本体径DMを表す第2データをプロセッサ93に取得させ、それを利用して工具ホルダ17の3次元形状モデルHMを作成する。したがって、当該モデル生成方法、及び、モデル生成プログラム81、及び、モデル生成プログラム81を実行するコンピュータ90は、工具ホルダ17の形状モデルを、従来よりも簡易に生成することが可能とする。
<変形例>
上述の実施形態では、工具表示ウィンドウ30や寸法入力ウィンドウ40のようなGUIを入力インタフェースの例として示しているが、コマンドによる設定などのキャラクタユーザインタフェース(CUI)など異なるインタフェースが使用されてもよい。
【0081】
上述の実施形態では、工作機械1が立形マシニングセンターである例を示しているが、工作機械1が横形マシニングセンター、旋盤、付加製造装置を含む工作機械においても、本実施形態の内容は適用可能である。
【0082】
上述のコンピュータ90のモデル生成プログラム81、干渉判定プログラム82、計測可否判定プログラム82aのロジックの一部または全ての機能が専用のプロセッサや集積回路によって実現されてもよい。上述のモデル生成プログラム81、干渉判定プログラム82,計測可否判定プログラム82aは、コンピュータ90に内蔵されたメモリ94にとどまらず、フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROMおよび磁気ディスク等のディスク、SDカード、USBメモリ、外付けハードディスクなどコンピュータ90から取り外し可能で、コンピュータ90に読み取り可能な記憶媒体に記録されたものであってもよい。
【0083】
本願においては、「備える」およびその派生語は、構成要素の存在を説明する非制限用語であり、記載されていない他の構成要素の存在を排除しない。これは、「有する」、「含む」およびそれらの派生語にも適用される。
【0084】
「~部材」、「~部」、「~要素」、「~体」、および「~構造」という文言は、単一の部分や複数の部分といった複数の意味を有し得る。
【0085】
「第1」や「第2」などの序数は、単に構成を識別するための用語であって、他の意味(例えば特定の順序など)は有していない。例えば、「第1要素」があるからといって「第2要素」が存在することを暗に意味するわけではなく、また「第2要素」があるからといって「第1要素」が存在することを暗に意味するわけではない。
【0086】
程度を表す「実質的に」、「約」、および「およそ」などの文言は、実施形態に特段の説明がない限りにおいて、最終結果が大きく変わらないような合理的なずれ量を意味し得る。本願に記載される全ての数値は、「実質的に」、「約」、および「およそ」などの文言を含むように解釈され得る。
【0087】
本願において「A及びBの少なくとも一方」という文言は、Aだけ、Bだけ、及びAとBの両方を含むように解釈されるべきである。
【0088】
上記の開示内容から考えて、本発明の種々の変更や修正が可能であることは明らかである。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、本願の具体的な開示内容とは別の方法で本発明が実施されてもよい。
【要約】
モデル生成方法は、中心軸周りに形成されるフランジと中心軸に沿う軸方向にフランジから突出し回転工具を取付可能なホルダ本体とを有する工具ホルダの中心軸に対する径方向の長さであるフランジ径と、フランジの軸方向の長さであるフランジ長とを表す第1データをプロセッサに記憶装置から取得させることを含む。モデル生成方法は、回転工具のシャンク径と、ホルダ本体の軸方向の長さである本体長とのオペレータからの入力をプロセッサに入力インタフェースを介して受け付けさせることを含む。モデル生成方法は、シャンク径とホルダ本体の径方向の長さである本体径との対応関係を記憶する記憶装置から、取得されたシャンク径に対応する本体径を表す第2データをプロセッサに取得させることを含む。モデル生成方法は、取得された本体長と第1データと第2データとに基づいて工具ホルダの形状モデルをプロセッサに生成させることを含む。
図1
図2
図3
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図6
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図10
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図18