(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】害虫駆除装置
(51)【国際特許分類】
A01M 1/20 20060101AFI20241210BHJP
A01M 1/02 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
A01M1/20 A
A01M1/02 A
(21)【出願番号】P 2021215010
(22)【出願日】2021-12-28
【審査請求日】2024-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】518217877
【氏名又は名称】清水 満久
(74)【代理人】
【識別番号】100170014
【氏名又は名称】蓼沼 恵美子
(72)【発明者】
【氏名】清水 満久
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-186673(JP,U)
【文献】国際公開第2016/195049(WO,A1)
【文献】特開平11-225648(JP,A)
【文献】米国特許第6223463(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/20
A01M 1/02
A01M 29/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延びる保水部材を内蔵する帯状部材と、薬液を貯留する薬液容器と、前記薬液容器内の前記薬液を吸い上げて前記保水部材に供給する薬液供給部材と、を備え、
前記帯状部材は、前記保水部材からの前記薬液が浸透しない裏側の不浸透部材と、前記保水部材からの前記薬液が浸透する表側の浸透部材と、の2種類の部材からなることを特徴とする害虫駆除装置。
【請求項2】
前記保水部材が、前記帯状部材の幅方向に所定の間隔を空けて複数配置され、
隣り合う前記保水部材の間は、表側、裏側ともに不浸透部材で構成されている、請求項1に記載の害虫駆除装置。
【請求項3】
前記浸透部材に浸透する前記薬液が害虫を駆除する駆除薬液である場合には、当該浸透部材は、害虫が足を取られ通りにくくした表面を有し、
前記浸透部材に浸透する前記薬液が害虫を誘引する誘引薬液である場合には、当該浸透部材は、害虫がスムーズに通れるようにした表面を有する、請求項1又は2に記載の害虫駆除装置。
【請求項4】
前記薬液供給部材は、前記保水部材との接続箇所から前記薬液容器の入口又は前記薬液容器の上部に位置する箇所まで、前記薬液が浸透しない薬液不浸透性のカバーで覆われている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の害虫駆除装置。
【請求項5】
前記帯状部材の、少なくとも前記薬液供給部材が存する側と反対側の端部に接続部が設けられている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の害虫駆除装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、害虫駆除装置に関する。さらに詳細には、本発明は、例えば、果樹等の樹木に巻き付ける等して、そこを通る害虫を駆除し、害虫が果実等に害を加えないようにするために用いられる害虫駆除装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の害虫駆除装置として、例えば、特許文献1等に開示されたものが知られている。特許文献1に開示された害虫駆除装置は、樹木に筒巻き状に巻き付けられる帯状部材と、帯状部材の内面(樹木に巻き付けたときに当該樹木に面する側の面)の略中央部に所定の間隔を置いて直列に配置され、害虫駆除剤(薬液)が含浸保持された略方形の多数のスポンジと、を備えている。そして、樹木に帯状部材を巻き付け、帯状部材の内面の薬液を含浸させたスポンジに害虫を導いて、当該害虫を駆除するようにされている。
【0003】
また、従来、害虫忌避剤(薬液)を含浸保持させた粘着剤層の片面に、害虫忌避剤透過性の徐放性基材を貼着した積層構成の害虫忌避粘着テープ(例えば、特許文献2等を参照)や、裏面に粘着剤が付着された合成樹脂材料に忌避剤(薬液)を含有させてテープ状にしたり、テープの表面に忌避剤を塗布したりしたなめくじ忌避用テープ(例えば、特許文献3等を参照)も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第2937953号公報
【文献】特開平9-67210号公報
【文献】特開2002-171892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2,3で提案されているものを用いれば、樹木の幹等に貼り付けたテープの表面に薬液が保持されることやテープの表面から薬液が放出されることで、害虫がテープを嫌がるため、当該害虫を忌避することができる。
しかし、特許文献2,3で提案されているものにあっては、害虫を忌避することはできても、当該害虫を駆除することは困難である。害虫がテープ上を通過しただけで当該害虫を駆除できるほどの毒性の強い薬液を用いることは、環境への影響等から望ましくなく、一方、毒性の弱い薬液を用いると、害虫がテープ上を通過しただけでは、当該害虫が薬液に接触する時間が短く、忌避することはできても駆除することはできないからである。
【0006】
そこで、特許文献1では、樹木に巻き付けられる帯状部材の内面に迷路を形成することにより、害虫が薬液に接触する時間を長くして、当該害虫を駆除するようにされている。
しかし、害虫も様々な大きさを有しており、小さいものから大きいものまでカバーする迷路を構築することは困難である。また、帯状部材が巻き付けられる樹木表面の凹凸が大きい場合には、害虫をうまく迷路内に導くことができないという課題もあった。
【0007】
本発明は、従来技術における前記課題を解決するためになされたものであり、設置する場所や害虫の大きさに関わらず、簡便に長期間安定して確実に害虫駆除を行うことを可能にする害虫駆除装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明に係る害虫駆除装置の構成は、
(1)長手方向に延びる保水部材を内蔵する帯状部材と、薬液を貯留する薬液容器と、前記薬液容器内の前記薬液を吸い上げて前記保水部材に供給する薬液供給部材と、を備え、前記帯状部材は、前記保水部材からの前記薬液が浸透しない裏側の不浸透部材と、前記保水部材からの前記薬液が浸透する表側の浸透部材と、の2種類の部材からなることを特徴とする。
【0009】
本発明の害虫駆除装置の上記(1)の構成は、以下のような作用効果を奏する。
すなわち、上記(1)の構成によれば、薬液容器から継続的に薬液が供給される保水部材を内蔵する帯状部材を備え、かつ、帯状部材が、保水部材からの薬液が浸透しない裏側の不浸透部材と、保水部材からの薬液が浸透する表側の浸透部材と、の2種類の部材からなることにより、浸透部材に浸透した薬液の濃度が雨などによって薄められても、保水部材からの薬液を、裏側に逃がすことなく浸透部材に確実に補充浸透させて元の濃度に戻すことができる。また、浸透部材が風で乾燥しても、同様に、保水部材からの薬液を浸透部材に確実に補充浸透させることができる。さらに、薬液として、害虫を駆除する駆除薬液を用い、浸透部材を、例えば、害虫が足を取られ通りにくくした表面を有するものとすることにより、帯状部材の上を通る害虫を駆除薬液に長時間接触させておくことができる。このため、帯状部材の上を通る害虫を確実に駆除することができる。また、このように、害虫は帯状部材の上を通るだけであるため、害虫の大きさの小さいものから大きいものまでカバーすることができるとともに、いかなる場所にも設置することができる。
したがって、上記(1)の構成によれば、設置する場所や害虫の大きさに関わらず、簡便に長期間安定して確実に害虫駆除を行うことを可能にする害虫駆除装置を提供することができる。
【0010】
本発明の害虫駆除装置の上記(1)の構成においては、以下の(2)乃至(5)のような構成にすることが好ましい。
【0011】
(2)上記(1)の構成において、前記保水部材が、前記帯状部材の幅方向に所定の間隔を空けて複数配置され、隣り合う前記保水部材の間は、表側、裏側ともに不浸透部材で構成されている。
【0012】
上記(2)の好ましい構成によれば、異なる駆除薬液や誘引薬液を保持した複数の保水部材を同時に備えることができるため、複数種類の害虫を駆除することが可能となる。また、誘引薬液で害虫を誘引した後、駆除薬液で当該害虫を駆除することができるため、より多くの害虫を駆除することが可能となる。さらに、隣り合う保水部材の間が、表側、裏側ともに不浸透部材で構成されているため、隣り合う保水部材上の浸透部材にそれぞれ浸透した(染み出た)薬液同士が混合しないようにすることが可能となる。
【0013】
(3)上記(1)又は(2)の構成において、前記浸透部材に浸透する前記薬液が害虫を駆除する駆除薬液である場合には、当該浸透部材は、害虫が足を取られ通りにくくした表面を有し、前記浸透部材に浸透する前記薬液が害虫を誘引する誘引薬液である場合には、当該浸透部材は、害虫がスムーズに通れるようにした表面を有する。
【0014】
上記(3)の好ましい構成は、以下のような作用効果を奏する。
すなわち、上記(3)の構成によれば、駆除薬液が浸透する浸透部材が、害虫が足を取られ通りにくくした表面を有することにより、害虫を駆除薬液に長時間接触させておくことができる。このため、害虫を忌避するだけでなく完全に駆除することが可能となる。そして、このように害虫を駆除薬液に長時間接触させておくことができるため、毒性の強い薬液を用いなくても害虫を駆除することが可能となる。
また、誘引薬液が浸透する浸透部材が、害虫がスムーズに通れるようにした表面を有することにより、誘引薬液に釣られて近寄ってきた害虫をスムーズに、駆除薬液が浸透した浸透部材に移動させることができる。
【0015】
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかの構成において、前記薬液供給部材は、前記保水部材との接続箇所から前記薬液容器の入口又は前記薬液容器の上部に位置する箇所まで、前記薬液が浸透しない薬液不浸透性のカバーで覆われている。
【0016】
上記(4)の好ましい構成によれば、保水部材へ到達するまでに薬液が蒸発することを防止することが可能となる。
【0017】
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかの構成において、前記帯状部材の、少なくとも前記薬液供給部材が存する側と反対側の端部に接続部が設けられている。
【0018】
上記(5)の好ましい構成によれば、例えば、2つの帯状部材の接続部同士を接合することにより、これらの帯状部材同士を長手方向に連結して、害虫駆除装置の長さを長くすることができる。そして、これにより、大きい樹木等にも対応することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、設置する場所や害虫の大きさに関わらず、簡便に長期間安定して確実に害虫駆除を行うことを可能にする害虫駆除装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態における害虫駆除装置の概略構成を示す模式平面図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態における害虫駆除装置から浸透部材を外した状態を示す模式平面図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態における害虫駆除装置の使用態様の一例を示す概略斜視図である。
【
図4】
図4(イ)は、本発明の一実施形態における害虫駆除装置の他の概略構成を示す模式平面図、
図4(ロ)は、本発明の一実施形態における他の害虫駆除装置から浸透部材を外した状態を示す模式平面図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態における害虫駆除装置のさらなる他の概略構成を示す模式平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、好適な実施形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、下記の実施形態は本発明を具現化した例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】
[害虫駆除装置の構成]
まず、本発明の一実施形態における害虫駆除装置(害虫駆除ベルト)の構成について、
図1,
図2を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、本実施形態における害虫駆除装置の概略構成を示す模式平面図、
図2は、当該害虫駆除装置から浸透部材を外した状態を示す模式平面図である。なお、図示された各構成部材の長さ、大きさ、間隔等は、図面作成の都合上から実際のものとは異なっている。
【0024】
図1,
図2に示すように、本実施形態の害虫駆除装置1は、長手方向に延びる第1及び第2の2本の保水部材2a,2bを内蔵する帯状部材2を備えている。ここで、2本の保水部材2a,2bは、帯状部材2の幅方向に所定の間隔を空けて配置されている。また、害虫駆除装置1は、害虫を駆除する駆除薬液を貯留する第1の薬液容器3aと、第1の薬液容器3a内の駆除薬液を毛細管現象によって吸い上げて第1の保水部材2aに供給する第1の薬液供給部材4aと、を備えている。さらに、害虫駆除装置1は、害虫を誘引する誘引薬液を貯留する第2の薬液容器3bと、第2の薬液容器3b内の誘引薬液を毛細管現象によって吸い上げて第2の保水部材2bに供給する第2の薬液供給部材4bと、を備えている。
第1の薬液供給部材4aは、一端が第1の保水部材2aに接続され、他端部が第1の薬液容器3a内に導入されている。また、第2の薬液供給部材4bは、一端が第2の保水部材2bに接続され、他端部が第2の薬液容器3b内に導入されている。なお、帯状部材2の、第1及び第2の薬液供給部材4a,4bが存しない側の端部は、閉じられている。
【0025】
帯状部材2は、第1及び第2の保水部材2a,2bからの薬液(駆除薬液及び誘引薬液)が浸透しない裏側の不浸透部材2eと、第1及び第2の保水部材2a,2bからの薬液(駆除薬液及び誘引薬液)がそれぞれ浸透する、帯状部材2の長手方向に延びる表側の第1及び第2の浸透部材2c,2dと、の2種類の部材からなっている。
より具体的には、帯状部材2は、第1及び第2の2本の保水部材2a,2bが載置固定される薬液不浸透性のベース部材(不浸透部材)2eと、帯状部材2の幅方向に所定の間隔を空けた状態でそれぞれ保水部材2a,2bを覆うように配置固定される第1及び第2の浸透部材2c,2dと、により構成されている。これにより、隣り合う第1及び第2の2本の保水部材2a,2bの間は、表側、裏側ともに不浸透部材で構成された状態となっている。
なお、帯状部材2の表面に、第1及び第2の浸透部材2c,2dの対向する縁部に重なるようにして帯状部材2の長手方向に延びる不浸透部材をさらに配置固定するようにしてもよい。
【0026】
本実施形態の害虫駆除装置1のかかる構成は、以下のような作用効果を奏する。
すなわち、かかる構成によれば、第1及び第2の薬液容器3a,3bからそれぞれ継続的に薬液が供給される第1及び第2の保水部材2a,2bを内蔵する帯状部材2を備え、かつ、帯状部材2が、第1及び第2の保水部材2a,2bからの薬液が浸透しない裏側の不浸透部材2eと、第1及び第2の保水部材2a,2bからの薬液がそれぞれ浸透する、帯状部材2の長手方向に延びる表側の第1及び第2の浸透部材2c,2dと、の2種類の部材からなっていることにより、第1及び第2の浸透部材2c,2dに浸透した薬液の濃度が雨などによって薄められても、第1及び第2の保水部材2a,2bからの薬液を、裏側に逃がすことなく第1及び第2の浸透部材2c,2dに確実に補充浸透させて元の濃度に戻すことができる。また、第1及び第2の浸透部材2c,2dが風で乾燥しても、同様に、第1及び第2の保水部材2a,2bからの薬液を第1及び第2の浸透部材2c,2dに確実に補充浸透させることができる。さらに、駆除薬液が浸透する第1の浸透部材2cを、例えば、害虫が足を取られ通りにくくした表面を有するものとすることにより、帯状部材2の上を通る害虫を駆除薬液に長時間接触させておくことができる。このため、帯状部材2の上を通る害虫を確実に駆除することができる。また、このように、害虫は帯状部材2の上を通るだけであるため、害虫の大きさの小さいものから大きいものまでカバーすることができるとともに、いかなる場所にも設置することができる。
したがって、かかる構成によれば、設置する場所や害虫の大きさに関わらず、簡便に長期間安定して確実に害虫駆除を行うことを可能にする害虫駆除装置1を提供することができる。
【0027】
また、隣り合う第1及び第2の2本の保水部材2a,2bの間が、表側、裏側ともに不浸透部材で構成された状態となっているため、隣り合う第1及び第2の保水部材2a,2b上の第1及び第2の浸透部材2c,2dにそれぞれ浸透した(染み出た)薬液(駆除薬液及び誘引薬液)同士が混合しないようにすることが可能となる。また、誘引薬液で害虫を誘引した後、駆除薬液で当該害虫を駆除することができるため、より多くの害虫を駆除することが可能となる。
【0028】
以下、さらに詳細に説明する。
浸透部材に浸透する薬液が害虫を駆除する駆除薬液である場合には、当該浸透部材は、害虫が足を取られ通りにくくした表面を有する。本実施形態においては、第1の浸透部材2cが、害虫が足を取られ通りにくくした表面を有している。
かかる構成によれば、害虫を駆除薬液に長時間接触させておくことができるため、害虫を忌避するだけでなく完全に駆除することが可能となる。そして、このように害虫を駆除薬液に長時間接触させておくことができるため、毒性の強い薬液を用いなくても害虫を駆除することが可能となる。
【0029】
例えば、第1の浸透部材2cは、害虫の足が絡まる表面を有している。害虫の足が絡まる表面としては、例えば、小さいL型やJ型、ループ状の棘を有する表面、小さな網目を有する網目状の表面等を挙げることができる。そして、L型、J型、ループ状の棘を混在させたり、さまざまな大きさや形状の網目を混在させたりすることで、害虫の大きさや足の長さ・形状等に関わらず、害虫が通りにくくすることができる。また、棘の長さの長いもの短いものを混在させることで、さらに、害虫の大きさや足の長さ等に関わらず、害虫が通りにくくすることができる。網目状の表面の場合には、網目層を複数重ねることで、網目に害虫の足が入り込みやすくなり、また、害虫の大きさや足の長さ等に関わらず、害虫が通りにくくすることができる。なお、特定の害虫のみを駆除したい場合には、その害虫の大きさや足の長さ・形状等に応じた棘の形状や長さ、網目の形状等を選択することが望ましい。
【0030】
浸透部材に浸透する薬液が害虫を誘引する誘引薬液である場合には、当該浸透部材は、害虫がスムーズに通れるようにした表面を有する。本実施形態においては、第2の浸透部材2dが、害虫がスムーズに通れるようにした表面を有している。
かかる構成によれば、誘引薬液に釣られて近寄ってきた害虫をスムーズに、駆除薬液が浸透した第1の浸透部材2cに移動させることができる。
【0031】
例えば、第2の浸透部材2dは、害虫が滑りやすい摩擦係数の小さい繊維(ナイロンといった合成繊維)を織り込んだ布や、細い糸で目を小さくして織った布等である。また、第2の浸透部材2dは、害虫が滑りやすい摩擦係数の小さい繊維(ナイロンといった合成繊維)を織り込んだ布と吸水性の良い綿といった布とを組み合わせて構成される表面を有するもの、例えば、2種類の布を市松模様状やストライプ状に配置して構成される表面を有するものであってもよい。但し、第2の浸透部材2dの表面を、滑りやすい摩擦係数の小さい繊維だけで形成される布のみで構成することは、害虫は滑りやすいが吸水しにくく誘引薬液の効果が発揮されないため、望ましくない。
【0032】
第1及び第2の浸透部材2c,2dとしては、上述した機能を有することができる材質であればよく、例えば、布、紙、不織布等を用いることができる。
第1及び第2の保水部材2a,2bとしては、例えば、布、紙、ゲル、スポンジ等を用いることができる。
第1及び第2の薬液供給部材4a,4bとしても、例えば、布、紙、ゲル、スポンジ等を用いることができる。第1及び第2の薬液供給部材4a,4bは、それぞれ、第1及び第2の保水部材2a,2bと一体形成されていてもよい。
本発明者は、第1及び第2の薬液供給部材4a,4b、第1及び第2の保水部材2a,2b、第1及び第2の浸透部材2c,2dに「包帯」を用いた害虫駆除装置1を作製し、後述するような態様で使用してみたところ、良好な結果が得られた。このことから、これらの部材の材質としては、目が詰まっているものよりも、ある程度目の粗いものの方が望ましいと考えられる。
【0033】
不浸透部材2eとしては、例えば、ビニール、プラスチック等を用いることができる。不浸透部材2eの表面は、第1及び第2の浸透部材2c,2dの間に粘着面を有していてもよい。これにより、不浸透部材2eの表面で害虫を捕獲することも可能となる。
【0034】
第1の薬液供給部材4aは、第1の保水部材2aとの接続箇所から第1の薬液容器3aの入口又は第1の薬液容器3aの上部に位置する箇所まで、駆除薬液が浸透しない薬液不浸透性の第1のカバー5aで覆われている。また、第2の薬液供給部材4bは、第2の保水部材2bとの接続箇所から第2の薬液容器3bの入口又は第2の薬液容器3bの上部に位置する箇所まで、誘引薬液が浸透しない薬液不浸透性の第2のカバー5bで覆われている。
第1及び第2のカバー5a,5bとしては、例えば、ビニール、プラスチック等を用いることができる。
【0035】
かかる構成によれば、第1の保水部材2aあるいは第2の保水部材2bへ到達するまでに駆除薬液あるいは誘引薬液が蒸発することを防止することが可能となる。
【0036】
帯状部材2には、長手方向の両端部にそれぞれ第1及び第2の接続部6a,6bが設けられている。ここでは、帯状部材2の一端部(閉じられている端部)の表面に、第1の接続部6aとして面ファスナ雌部が貼着され、帯状部材2の他端部の裏面に、第2の接続部6bとして面ファスナ雄部が貼着されている。
【0037】
かかる構成によれば、害虫駆除装置1を樹木等に巻き付けて使用する場合に、面ファスナ雄部(第2の接続部6b)を面ファスナ雌部(第1の接続部6a)に接合して、害虫駆除装置1を樹木等にしっかりと固定することができる。また、帯状部材の一端部(閉じられている端部)の裏面に、第2の接続部として面ファスナ雄部が貼着され、帯状部材の他端部の表面に、第1の接続部として面ファスナ雌部が貼着された別の害虫駆除装置を用意し、当該別の害虫駆除装置(帯状部材)の面ファスナ雄部を害虫駆除装置1(帯状部材2)の面ファスナ雌部に接合することにより、別の帯状部材と帯状部材2を長手方向に連結して、害虫駆除装置の長さを長くすることができる。そして、これにより、大きい樹木等にも対応することが可能となる。
【0038】
第1の薬液容器3aは、第1の薬液供給部材4aの他端部を導入するための導入口(図示せず)と、駆除薬液を補充するための補充口(図示せず)と、を備えている。また、第2の薬液容器3bも、第2の薬液供給部材4bの他端部を導入するための導入口(図示せず)と、誘引薬液を補充するための補充口(図示せず)と、を備えている。そして、駆除薬液や誘引薬液を随時補充したり、第1及び第2の薬液容器3a,3bのサイズを大きくしたりすることにより、第1及び第2の保水部材2a,2bに長期間薬液(駆除薬液及び誘引薬液)を供給して、当該害虫駆除装置1の効果を持続させることが可能となる。なお、第1の薬液容器3aと第2の薬液容器3bとは、導入口と補充口とを兼ね備える1つの開口部を備えてもよい。
【0039】
以上説明した害虫駆除装置1は、その表面を通る害虫を駆除するものであって、上記のように樹木等に巻き付けて使用することもでき、また、壁面に貼り付けて使用することもできる。なお、壁面に貼り付けて使用する場合には、例えば、帯状部材2の裏面に両面テープを取り付ける等しておけばよい。
なお、第1及び第2の薬液容器3a,3bは、一続きのものとして形成されており、帯状部材2とは別に樹木等に取り付けられる(
図3を参照)。
【0040】
害虫駆除装置1は、各構成部材が上記した材質のもので形成されているため、所望の形状に湾曲させることが可能である。そして、これにより、いびつな形状の樹木や外壁の出隅等にも簡単に取り付けることができる。
【0041】
[害虫駆除装置の使用態様]
次に、以上のように構成された害虫駆除装置1の使用態様について、
図3をも参照しながら説明する。
【0042】
図3は、本実施形態における害虫駆除装置の使用態様の一例を示す概略斜視図である。
【0043】
本実施形態の害虫駆除装置1は、例えば
図3に示すように、果樹等の樹木20に巻き付けた状態で使用することができる。
【0044】
より具体的には、まず、帯状部材2を樹木20に巻き付け、面ファスナ雄部(第2の接続部6b)を面ファスナ雌部(第1の接続部6a)に接合して(
図1,
図2を参照)、害虫駆除装置1を樹木20にしっかりと固定する。また、第1及び第2の薬液容器3a,3bを、当該第1及び第2の薬液容器3a,3bに付属する紐部材21によって樹木20に固定する。この場合、第1及び第2の薬液容器3a,3bは、帯状部材2よりも下方に取り付ける。
次いで、第1の薬液供給部材4aの他端部を第1の薬液容器3aに導入し、第2の薬液供給部材4bの他端部を第2の薬液容器3bに導入する(
図3の状態)。すると、第1の薬液供給部材4aの毛細管現象により、第1の薬液容器3a内の駆除薬液19aが吸い上げられて、第1の保水部材2aに供給される。また、第2の薬液供給部材4bの毛細管現象により、第2の薬液容器3b内の誘引薬液19bが吸い上げられて、第2の保水部材2bに供給される。第1の保水部材2aに供給された駆除薬液19aは、第1の浸透部材2cに浸透し、当該第1の浸透部材2cの全体に行き渡る。また、第2の保水部材2bに供給された誘引薬液19bは、第2の浸透部材2dに浸透し、当該第2の浸透部材2dの全体に行き渡る。これで、果樹の生育に害を加える害虫の駆除の準備が完了する。
第1及び第2の薬液供給部材4aのうち、第1及び第2の薬液容器3a,3bと帯状部材2との間の部分がそれぞれ薬液不浸透性の第1及び第2のカバー5a,5bで覆われているため、第1及び第2の保水部材2a,2bへ到達するまでに駆除薬液19a、誘引薬液19bが蒸発することはなく、薬液の使用効率の高いものとなっている。
【0045】
果樹の生育に害を加える害虫は、害虫駆除装置1の帯状部材2の上を通るときに駆除される。
より具体的には、地面にいた害虫は、第2の浸透部材2dの全体に行き渡っている誘引薬液19bに誘引されて、樹木20を這い上り、帯状部材2の第2の浸透部材2dに近づく。第2の浸透部材2dは、害虫がスムーズに通れるようにした表面を有しており、不浸透部材2eもビニール、プラスチック等の害虫が滑りやすい材質のもので形成されているため、誘引薬液19bに釣られて近寄ってきた害虫をスムーズに、駆除薬液19aが浸透した第1の浸透部材2cに移動させることができる。第1の浸透部材2cは、害虫が足を取られ通りにくくした表面を有しているため、害虫を駆除薬液19aに長時間接触させておくことができる。このため、害虫駆除装置1の帯状部材2の上を通る害虫を確実に駆除することができる。
【0046】
本実施形態の害虫駆除装置1は、例えば、壁面に貼り付けた状態で使用することもできる。帯状部材2は、その裏面に取り付けた両面テープを用いて壁面に貼り付ければよい。第1及び第2の薬液容器3a,3bについても同様である。
この場合も、上記と同様にして害虫を駆除することができる。
【0047】
なお、上記実施形態においては、長手方向に延びる第1の保水部材2a(駆除薬液用)と第2の保水部材2b(誘引薬液用)との2本の保水部材を備えた害虫駆除装置1を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。例えば、
図4に示すような、駆除薬液用の保水部材を1本備えたものであってもよい。
図4(イ)は、本実施形態における害虫駆除装置の他の概略構成を示す模式平面図、
図4(ロ)は、当該他の害虫駆除装置から浸透部材を外した状態を示す模式平面図である。
【0048】
さらに詳細に説明すると、
図4に示す害虫駆除装置7は、長手方向に延びる1本の保水部材8aを内蔵する帯状部材8を備えている。また、害虫駆除装置7は、害虫を駆除する駆除薬液を貯留する薬液容器9と、薬液容器9内の駆除薬液を毛細管現象によって吸い上げて保水部材8aに供給する薬液供給部材10と、を備えている。
薬液供給部材10は、一端が保水部材8aに接続され、他端部が薬液容器9内に導入されている。なお、帯状部材8の、薬液供給部材10が存しない側の端部は、閉じられている。また、薬液供給部材10は、保水部材8aとの接続箇所から薬液容器9の入口又は薬液容器9の上部に位置する箇所まで、駆除薬液が浸透しない薬液不浸透性のカバー11で覆われている。
【0049】
帯状部材8は、保水部材8aからの駆除薬液が浸透しない裏側の不浸透部材8cと、保水部材8aからの駆除薬液が浸透する、帯状部材8の長手方向に延びる表側の浸透部材8bと、の2種類の部材からなっている。
より具体的には、帯状部材8は、1本の保水部材8aが載置固定される薬液不浸透性のベース部材(不浸透部材)8cと、保水部材8aを覆うように配置固定される浸透部材8bと、により構成されている。
なお、帯状部材8の表面に、浸透部材8bの縁部に重なるようにして帯状部材8の長手方向に延びる不浸透部材をさらに配置固定するようにしてもよい。
【0050】
帯状部材8には、長手方向の両端部にそれぞれ第1及び第2の接続部12a,12bが設けられている。ここでは、帯状部材8の一端部(閉じられている端部)の表面に、第1の接続部12aとして面ファスナ雌部が貼着され、帯状部材8の他端部の裏面に、第2の接続部12bとして面ファスナ雄部が貼着されている。
【0051】
図4に示す害虫駆除装置7の各部材の材質、及び、当該害虫駆除装置7による作用効果は、上記と同様である(但し、誘引薬液による作用効果は得られない)。したがって、上記を参照して、ここではその説明を省略する。
【0052】
また、本発明の害虫駆除装置は、例えば、
図5に示すような、駆除薬液用の保水部材を複数備えたものであってもよい。
図5は、本実施形態における害虫駆除装置のさらなる他の概略構成を示す模式平面図である。
【0053】
さらに詳細に説明すると、
図5に示す害虫駆除装置13は、長手方向に延びる第1乃至第3の3本の保水部材14a,14b,14cを内蔵する帯状部材14を備えている。ここで、3本の保水部材14a,14b,14cは、帯状部材14の幅方向に所定の間隔を空けて配置されている。また、害虫駆除装置13は、害虫を駆除する第1の駆除薬液を貯留する第1の薬液容器15aと、第1の薬液容器15a内の第1の駆除薬液を毛細管現象によって吸い上げて第1の保水部材14aに供給する第1の薬液供給部材16aと、を備えている。また、害虫駆除装置13は、害虫を駆除する第2の駆除薬液を貯留する第2の薬液容器15bと、第2の薬液容器15b内の第2の駆除薬液を毛細管現象によって吸い上げて第2の保水部材14bに供給する第2の薬液供給部材16bと、を備えている。また、害虫駆除装置13は、害虫を誘引する誘引薬液を貯留する第3の薬液容器15cと、第3の薬液容器15c内の誘引薬液を毛細管現象によって吸い上げて第3の保水部材14cに供給する第3の薬液供給部材16cと、を備えている。
【0054】
第1の薬液供給部材16aは、一端が第1の保水部材14aに接続され、他端部が第1の薬液容器15a内に導入されている。また、第2の薬液供給部材16bは、一端が第2の保水部材14bに接続され、他端部が第2の薬液容器15b内に導入されている。さらに、第3の薬液供給部材16cは、一端が第3の保水部材14cに接続され、他端部が第3の薬液容器15c内に導入されている。なお、帯状部材14の、第1乃至第3の薬液供給部材16a,16b,16cが存しない側の端部は、閉じられている。また、第1の薬液供給部材16aは、第1の保水部材14aとの接続箇所から第1の薬液容器15aの入口又は第1の薬液容器15aの上部に位置する箇所まで、第1の駆除薬液が浸透しない薬液不浸透性の第1のカバー17aで覆われている。また、第2の薬液供給部材16bは、第2の保水部材14bとの接続箇所から第2の薬液容器15bの入口又は第2の薬液容器15bの上部に位置する箇所まで、第2の駆除薬液が浸透しない薬液不浸透性の第2のカバー17bで覆われている。また、第3の薬液供給部材16cは、第3の保水部材14cとの接続箇所から第3の薬液容器15cの入口又は第3の薬液容器15cの上部に位置する箇所まで、誘引薬液が浸透しない薬液不浸透性の第3のカバー17cで覆われている。
【0055】
帯状部材14は、第1乃至第3の保水部材14a,14b,14cからの薬液(第1の駆除薬液、第2の駆除薬液及び誘引薬液)が浸透しない裏側の不浸透部材14gと、第1乃至第3の保水部材14a,14b,14cからの薬液(第1の駆除薬液、第2の駆除薬液及び誘引薬液)がそれぞれ浸透する、帯状部材14の長手方向に延びる表側の第1乃至第3の浸透部材14d,14e,14fと、の2種類の部材からなっている。
より具体的には、帯状部材14は、第1乃至第3の3本の保水部材14a,14b,14cが載置固定される薬液不浸透性のベース部材(不浸透部材)14gと、帯状部材14の幅方向に所定の間隔を空けた状態でそれぞれ第1乃至第3の保水部材14a,14b,14cを覆うように配置固定される第1乃至第3の浸透部材14d,14e,14fと、により構成されている。これにより、隣り合う第1及び第2の保水部材14a,14bの間と隣り合う第2及び第3の保水部材14b,14cの間は、表側、裏側ともに不浸透部材で構成された状態となっている。
なお、帯状部材14の表面に、第1及び第2の浸透部材14d,14eの対向する縁部に重なるようにして帯状部材14の長手方向に延びる不浸透部材をさらに配置固定するようにしてもよい。また、帯状部材14の表面に、第2及び第3の浸透部材14e,14fの対向する縁部に重なるようにして帯状部材14の長手方向に延びる不浸透部材をさらに配置固定するようにしてもよい。
【0056】
帯状部材14には、長手方向の両端部にそれぞれ第1及び第2の接続部18a,18bが設けられている。ここでは、帯状部材14の一端部(閉じられている端部)の表面に、第1の接続部18aとして面ファスナ雌部が貼着され、帯状部材14の他端部の裏面に、第2の接続部18bとして面ファスナ雄部が貼着されている。
【0057】
以上説明した害虫駆除装置13の構成によれば、異なる駆除薬液や誘引薬液を保持した複数の保水部材14a,14b,14cを同時に備えることができるため、複数種類の害虫を駆除することが可能となる。なお、
図5に示す害虫駆除装置13の各部材の材質、及び、当該害虫駆除装置13による他の作用効果は、上記と同様である。したがって、上記を参照して、ここではその説明を省略する。
【0058】
また、上記実施形態においては、第1及び第2の接続部6a,6bとして、面ファスナ雌部及び面ファスナ雄部を用いる場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。接続部としては、例えば、孔状や溝状の凹部とそれに対応する凸部であって、凹部と凸部とが嵌まり合う構成のもの(ホック雌とホック雄など)や、紐状部材の端部同士を結ぶ構成であってもよい。
【0059】
また、上記実施形態においては、帯状部材2の長手方向の両端部にそれぞれ第1及び第2の接続部6a,6bが設けられている場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。帯状部材2の、少なくとも第1及び第2の薬液供給部材4a,4bが存する側と反対側の端部(閉じられている端部)に接続部が設けられていればよい。かかる構成であっても、2つの帯状部材の接続部同士を接合することにより、これらの帯状部材同士を長手方向に連結して、害虫駆除装置の長さを長くできるという効果は得られる。
【0060】
また、上記実施形態においては、第1及び第2の薬液容器3a,3bが、一続きのものとして形成されており、帯状部材2とは別に樹木等に取り付けられる場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。複数の薬液容器は、切り離されたものとして形成されていてもよく、薬液容器は、帯状部材に取り付けられていてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1,7,13 害虫駆除装置
2,8,14 帯状部材
2a,14a 第1の保水部材
2b,14b 第2の保水部材
2c,14d 第1の浸透部材
2d,14e 第2の浸透部材
2e,8c,14g 不浸透部材
3a,15a 第1の薬液容器
3b,15b 第2の薬液容器
4a,16a 第1の薬液供給部材
4b,16b 第2の薬液供給部材
5a,17a 第1のカバー
5b,17b 第2のカバー
6a,12a,18a 第1の接続部
6b,12b,18b 第2の接続部
8a 保水部材
8b 浸透部材
9 薬液容器
10 薬液供給部材
11 カバー
14c 第3の保水部材
14f 第3の浸透部材
15c 第3の薬液容器
16c 第3の薬液供給部材
17c 第3のカバー
19a 駆除薬液
19b 誘引薬液
20 果樹等の樹木
21 紐部材