(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】円筒形の容器への画像の正確な付与を確認する方法及び関連する確認装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/90 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
G01N21/90 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021008327
(22)【出願日】2021-01-21
【審査請求日】2023-12-13
(31)【優先権主張番号】102020000002674
(32)【優先日】2020-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】521032335
【氏名又は名称】ソフィエリア ベルトリーニ エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スラ レナト
【審査官】齋藤 卓司
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-207156(JP,A)
【文献】特開2011-002262(JP,A)
【文献】特許第4986255(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84-21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形の容器への画像の正確な付与を確認する方法であって、前記方法は、
処理手段が、画像取得手段を介して、前記円筒形の容器に付与された前記画像を取得する取得段階と、
前記処理手段が、前記画像の少なくとも1つの画像部分に含まれている少なくとも1つの重要な標識を識別する識別段階と、
前記処理手段が、前記少なくとも1つの画像部分に含まれている少なくとも1つの重要な標識の識別が成功したかどうかを検証する検証段階と、
前記処理手段が、前記画像部分における前記少なくとも1つの重要な標識のすべてのトラクトのトラクト数を決定するカウント段階と、を備え、
前記方法は、前記処理手段が前記画像部分における前記少なくとも1つの重要な標識の領域に対応する領域値を決定する確認段階を備え、
前記領域値は、前記少なくとも1つの重要な標識を構成するピクセルのカウント値であり、前記処理手段は、前記領域値が第1の値と第2の値との間に含まれない場合、シグナリング情報を生成し、前記第1の値は、前記第2の値とは異な
り、前記画像部分における前記少なくとも1つの重要な標識の前記トラクト数が前記少なくとも1つの重要な標識に関連付けられている基準画像のトラクト数に一致しない場合、前記処理手段は、前記トラクト数を含む前記シグナリング情報を生成する、方法。
【請求項2】
前記第1の値及び前記第2の値は、前記重要な標識に関連付けられている少なくとも1つの基準画像に基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記処理手段は、前記画像部分における前記重要な標識を構成するピクセルをカウントすることによって、前記領域値を決定する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記シグナリング情報は、前記領域値と、前記少なくとも1つの重要な標識に対応する識別子とを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記処理手段は、インターフェース手段を介して前記シグナリング情報を出力する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
円筒形の容器への画像の正確な付与を確認するように適合されている確認装置であって、前記確認装置は、画像取得手段及び処理手段であって、
前記画像取得手段を介して、前記円筒形の容器に付与された前記画像を取得し、
前記画像の少なくとも1つの画像部分に含まれている少なくとも1つの重要な標識を識別し、
前記少なくとも1つの画像部分に含まれている少なくとも1つの重要な標識の識別が成功したかどうかを検証
し、
前記画像部分における前記少なくとも1つの重要な標識のすべてのトラクトのトラクト数を決定するように適合されている画像取得手段及び処理手段を備え、
前記確認装置において、前記処理手段は、前記画像部分における前記少なくとも1つの重要な標識の領域に対応する領域値を決定するように適合されており、
前記領域値は、前記少なくとも1つの重要な標識を構成するピクセルのカウント値であり、前記処理手段は、前記領域値が第1の値と第2の値との間に含まれない場合、シグナリング情報を生成するように適合されており、前記第1の値は、前記第2の値とは異な
り、前記画像部分における前記少なくとも1つの重要な標識の前記トラクト数が前記少なくとも1つの重要な標識に関連付けられている基準画像のトラクト数に一致しない場合、前記処理手段は、前記トラクト数を含む前記シグナリング情報を生成する、確認装置。
【請求項7】
前記第1の値及び前記第2の値は、前記重要な標識に関連付けられている少なくとも1つの基準画像に基づいて決定される、請求項
6に記載の確認装置。
【請求項8】
前記処理手段は、前記画像部分における前記重要な標識を構成するピクセルをカウントすることによって、前記領域値を決定するように適合されている、請求項
6又は
7に記載の確認装置。
【請求項9】
前記シグナリング情報は、前記領域値と、前記少なくとも1つの重要な標識に対応する識別子とを備える、請求項
6~
8のいずれか一項に記載の確認装置。
【請求項10】
前記処理手段は、インターフェース手段を介して前記シグナリング情報を出力するように適合されている、請求項
6~
9のいずれか一項に記載の確認装置。
【請求項11】
前記画像取得手段は、前記円筒形の容器の表面に配置された少なくとも1つの画像部分を捕捉するように適合され
た被写界深度
を有する光学系を
備え、前記少なくとも1つの画像部分は、前記画像取得手段に向けて露出される、請求項
6~
10のいずれか一項に記載の確認装置。
【請求項12】
1つ又は複数の実質的に円筒形の容器を処理するシステムであって、画像が付与された前記円筒形の容器を搬送するように適合されているコンベア手段と、前記コンベア手段に作動的に接続されている少なくとも1つの確認装置とを備え、前記確認装置は、画像取得手段及び処理手段であって、
前記画像取得手段を介して、前記円筒形の容器に付与された前記画像を取得し、
前記画像の少なくとも1つの画像部分に含まれている少なくとも1つの重要な標識を識別し、
前記少なくとも1つの画像部分に含まれている少なくとも1つの重要な標識の識別が成功したかどうかを検証
し、
前記画像部分における前記少なくとも1つの重要な標識のすべてのトラクトのトラクト数を決定するように適合されている画像取得手段及び処理手段を備え、
前記システムにおいて、前記確認装置の前記処理手段は、前記画像部分における前記少なくとも1つの重要な標識の領域に対応する領域値を決定するように適合されており、
前記領域値は、前記少なくとも1つの重要な標識を構成するピクセルのカウント値であり、前記処理手段は、前記領域値が第1の値と第2の値との間に含まれない場合、シグナリング情報を生成するように適合されており、前記第1の値は、前記第2の値とは異な
り、前記画像部分における前記少なくとも1つの重要な標識の前記トラクト数が前記少なくとも1つの重要な標識に関連付けられている基準画像のトラクト数に一致しない場合、前記処理手段は、前記トラクト数を含む前記シグナリング情報を生成する、システム。
【請求項13】
前記第1の値及び前記第2の値は、前記重要な標識に関連付けられている少なくとも1つの基準画像に基づいて決定される、請求項
12に記載のシステム。
【請求項14】
前記処理手段は、前記画像部分における前記重要な標識を構成するピクセルをカウントすることによって、前記領域値を決定するように適合されている、請求項
12又は
13に記載のシステム。
【請求項15】
前記シグナリング情報は、前記領域値と、前記少なくとも1つの重要な標識に対応する識別子とを備える、請求項
12~
14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記処理手段は、インターフェース手段を介して前記シグナリング情報を出力するように適合されている、請求項
12~
15のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の円筒形の容器への画像の正確な付与を確認する方法に関する。特に、本明細書には、直接再現されるか又は例えば接着フィルムによって付与されるかに関わらず、実質的に円筒形の容器への、例えば文章及び/又はロゴを含む画像の正確な付与を確認する方法及び装置が開示される。そのような容器は、例えば、透明ガラス、イエローガラス、プラスチック等で作製されてよく、例えば、薬、香水、オイル等のような、例えば、液体又は粉を収容するように適合されている、例えば、バイアル、薬瓶、ボトル、缶等であってよい。本発明は、例えば、薬を収容するように適合されている、例えば、ガラスバイアルを生産するためのプラントにおいて、文章及び/又はロゴが不正確に付与されたバイアルを自動的に識別及び/又は破棄するために有利に使用され得る。
【背景技術】
【0002】
「Cylindrical Medicine Bottle's Character Recognition of Automotive Dispensing Machine」と題する、Advances in Intelligent Systems Research,volume 133(AIIE 2016)にて公開されたTao Ni et al.による論文は、小さな円筒形のボトルに収容された薬のラベルを認識するシステムを記載している。そのようなシステムは、ビデオカメラによって捕捉されたそのようなラベルの画像を、円筒面から平坦面に修正することができる。この場合、そのような修正画像は、当該技術分野でよく知られた、OCR(光学文字認識)等の技術を介し、またSIFT(スケール不変特徴変換)記述子を用いて、文字を認識するために使用される。
【0003】
当該技術分野で既知の上述されたラベル認識システムは、下記に示すような複数の欠点に煩わされている。
【0004】
1つ目の欠点は、そのような実質的に円筒形の容器に付与される、例えば文章及び/又はロゴを含む画像に、例えば容器にそのような文章及び/又はロゴを印刷するプロセスによって誤ってぼやけた又は欠けた部分が発生し得ることにある。上記論文において提案されている技術は、そのような文章、例えば、文字及び/又は表意文字、及び/又はロゴの識別は可能とするが、文章及び/又はロゴにおいてぼやけた又は欠けた部分の検出はできず、そのため、ユーザはそのような文章及び/又はロゴを理解することが困難と感じることがあり得る。
【0005】
別の欠点は、例えば、文章及び/又はロゴを含む画像が接着フィルム上に再現され得るが、このとき、その画像が実質的に円筒形の容器に不適切に、例えば、膨らみ及び/又は円筒形の容器から突出する部分を伴って付与される場合があり、これによって、円筒形の容器に付与された文章及び/又はロゴが、部分的にのみであっても、変化してしまう場合があることにある。上記論文において提案されている技術は、そのような文章、例えば、文字及び/又は表意文字、及び/又はロゴの識別は可能とするが、円筒形の容器に付与された文章及び/又はロゴにおける膨らみ及び/又は突出部の存在の検出はできず、そのため、ユーザはそのような文章及び/又はロゴを理解することが困難と感じることがあり得る。
【0006】
さらなる欠点は、そのようなぼやけた若しくは欠けた部分、又は、そのような膨らみ及び/若しくは突出部は、例えば、表意文字を含む画像を正確に理解するのには特に重要であることにある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の1つの目的は、従来技術のこれらの問題及び他の問題を解決すること、特に、実質的に円筒形の容器への画像の正確な付与を確認する方法及び装置であって、容器に印刷された画像の文章及び/又はロゴにおける、例えばぼやけた又は欠けた部分等の、いかなる欠陥の存在も検出することを可能にする方法及び装置を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、実質的に円筒形の容器への画像の正確な付与を確認する方法及び装置であって、例えば接着フィルムによって円筒形の容器に付与された文章及び/又はロゴにおける膨らみ及び/又は突出部の存在に起因するいかなる欠陥も検出することを可能にする方法及び装置を提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、実質的に円筒形の容器への画像の正確な付与を確認する方法及び装置であって、そのような欠陥の存在を有効かつリアルタイムに検出することを可能にする方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書に記載される発明は、実質的に円筒形の容器への画像の正確な付与を、リアルタイムに、特に製造プロセス中に取得されたそのような円筒形の容器の画像を解析することによって、確認する方法及び装置から構成される。
【0011】
本発明のさらなる有利な特徴は、本明細書の不可欠な部分をなす添付の特許請求の範囲に記載されている。
【0012】
以下、本発明を、特に添付図面を参照しながら、そのいくつかの非限定的で例示的な実施形態を通して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る、実質的に円筒形の容器への画像の正確な付与を確認する確認装置を備える、そのような円筒形の容器を処理するシステムの一例を概略的に示す図である。
【
図2】
図1の確認装置の例示的なブロック図である。
【
図3】
図2の確認装置に関連する、円筒形の容器への画像の正確な付与を確認する方法の例示的なフローチャートを示す図である。
【
図4a】円筒形の容器に付与されることになる画像の一例を示す図である。
【
図4b】円筒形の容器に付与されることになる画像の一部の一例を示す図である。
【
図4c】円筒形の容器に付与されることになる画像に含まれ得る表意文字の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照すると、
図1は、例えば、ガラス、プラスチック、又は他の好適な材料で作製される、バイアル、薬瓶、ボトル、及び缶等の、1つ又は複数の実質的に円筒形の容器135を処理するシステム100を概略的に示している。上記システム100は、例えば、画像付与ユニット160と、第1の格納ユニット171と、第2の格納ユニット172と、コンベア手段150と、そのような円筒形の容器135への画像の正確な付与を確認する少なくとも1つの確認装置200とを備える。
【0015】
第1の格納ユニット171は、少なくとも1つの円筒形の容器135、例えば薬用ガラスバイアルを、そのような薬に関する情報を含む
図4aに示す画像410がそこに付与される前に格納するように適合されている。画像410は、少なくとも1つの重要な標識S、例えば、少なくとも1つの英数字、少なくとも1つの表意文字、少なくとも1つのロゴ等を含んでよい。第1の格納ユニット171は、少なくとも1つの円筒形の容器135を外に移動させるアクチュエータ手段を備えてよく、アクチュエータ手段は、電動モータ及び/又は油圧システムによって駆動されるサーボ機構を備えてよい。
【0016】
画像付与ユニット160は、少なくとも1つの円筒形の容器135に、例えば、上記円筒形の容器135の外面に、画像410を付与するように適合されている。画像付与ユニット160は、少なくとも1つの円筒形の容器135に印刷プロセスを実行するように適合されているアクチュエータ手段、及び/又は、少なくとも1つの円筒形の容器135に上記画像410を含む接着フィルムを付与するアクチュエータ手段を備えてよい。第1の格納ユニット171及び上記画像付与ユニット160は、少なくとも1つの円筒形の容器135を第1の格納ユニット171から画像付与ユニット160に移動できるように、互いに作動的に接続されてよい。画像付与ユニット160は、上記画像410が付与された少なくとも1つの円筒形の容器135を外に移動させるアクチュエータ手段を備えてよく、アクチュエータ手段は、電動モータ及び/又は油圧システムによって駆動されるサーボ機構を備えてよい。
【0017】
第2の格納ユニット172は、例えば外面に上記画像410が付与された少なくとも1つの円筒形の容器135、例えば、薬用ガラスバイアルを格納するように適合されている。第2の格納ユニット172は、上記画像410が付与された少なくとも1つの円筒形の容器135を中に移動させるアクチュエータ手段を備えてよく、アクチュエータ手段は、電動モータ及び/又は油圧システムによって駆動されるサーボ機構を備えてよい。
【0018】
コンベア手段150は、上記画像410が付与された少なくとも1つの円筒形の容器135を、画像付与ユニット160から第2の格納ユニット172に搬送するように適合されている。コンベア手段150は、画像付与ユニット160及び第2の格納ユニット172に作動的に接続されてよく、例えばゴム及び/又は金属製の、例えばベルト、チェーン等を備えてよい。コンベア手段150は、電動モータ及び/又は油圧システムによって駆動されるサーボ機構を備えてよい。
【0019】
本発明の確認装置200は、上記少なくとも1つの円筒形の容器135への上記画像410の正確な付与を確認するように適合されている。確認装置200は、例えば、少なくとも1つの円筒形の容器135を例えば画像付与ユニット160から第2の格納ユニット172に移動させるようにして、コンベア手段150に作動的に接続されてよい。
【0020】
しかしながら、画像付与ユニット160は、上記システム100に含まれなくてもよい。これは、第1の格納ユニット171に収容されている円筒形の容器135に画像410が事前に付与されている場合にあることである。
【0021】
図2は、
図1のシステム100に関連する、確認装置200の例示的なブロック図を示している。上記確認装置200は、画像取得手段210と、アクチュエータ手段220と、インターフェース手段230と、メモリ手段240と、処理手段250とを備えてよく、これらは、通信バス201を介して作動的に相互接続されてよい。
【0022】
画像取得手段210は、上記円筒形の容器135に付与される上記画像410を取得するように適合されている。画像取得手段210は、例えば、ビデオカメラ、好ましくはリニアビデオカメラ、又はフォトカメラ、好ましくは高解像度のフォトカメラと、円筒形の容器135を照明するように適合されているランプ、好ましくは赤外線ランプとを備えてよい。特に、画像取得手段210は、画像取得手段210に向けて露出された円筒形の容器135の表面に配置されている画像410の少なくとも1つの部分を捕捉するように適合されている被写界深度の浅い光学系を備えてよい。画像取得手段210は、上記メモリ手段240及び/又は上記処理手段250に画像410のデータを送信してよい。画像410のデータは、例えば、H264、H265等のビデオ符号化規格、又は、例えば、JPEG等のような画像符号化規格に従って符号化されてよい。代替的に、画像410のデータは、例えば、ビットマップフォーマット、PNGフォーマット等のような非圧縮フォーマットであってよい。
【0023】
アクチュエータ手段220は、確認装置200の内側で円筒形の容器135を動かすように適合されている。アクチュエータ手段220は、例えば、上記画像取得手段210が円筒形の容器135に付与された画像410を容易に取得できるように、円筒形の容器135をその対称軸の周りに回転させてよい。アクチュエータ手段220は、電動モータ及び/又は油圧システムによって駆動されるサーボ機構を備えてよく、例えば、ゴムでコーティングされたホイール及び/又はシリンダと、円筒形の容器135に付与された画像410の取得を容易にするために円筒形の容器135をコンベア手段150から一時的に係脱させるように適合されているアームとを備えてよい。
【0024】
インターフェース手段230は、例えば、
図3のフローチャートを参照しながら以下に記載されるような本発明の主題である画像410の正確な付与を確認する方法によって得られた情報を、確認装置200から出力するように適合されている。インターフェース手段230は、例えば、遠隔管理システム及び/又はサーバと通信するように適合されている通信ユニットを備えてよい。上記通信ユニットは、例えば、Ethernet(登録商標)インターフェース、Wi-Fi(登録商標)インターフェース、GSM(登録商標)インターフェース等を備えてよい。通信ユニットは、例えば、コンピュータ、スマートフォン、タブレット等のような、システム100を管理又は監視する外部機器との接続を確立してよい。インターフェース手段230は、ユーザが確認装置200とインタラクトすることを可能にしてよい。例えば、インターフェース手段230は、例えば、それぞれディスプレイ及び英数字キーボード、又は代替として、英数字キーボード及びインタラクティブシンボルを表示するタッチスクリーン等の出力及び入力手段を備えてよい。本発明の別の実施形態において、インターフェース手段230は、例えば、RS232インターフェース、USBインターフェース等のような、確認装置200の外部の端末用の通信ポートを備えてよい。確認装置200の外部の端末は、例えば、ユーザ又はオペレータによって制御されるスマートフォンであってよい。
【0025】
メモリ手段240は、確認装置200に対して入力及び/又は出力される情報と、本発明の本実施形態を実装する命令との記憶を許容する。メモリ手段240は、例えば、フラッシュ型のソリッドステートメモリを備えてよい。上記情報は、本発明の主題である画像410の正確な付与を確認する方法を実装するのに有用な、例えば、確認装置200及び/若しくは上記システム100の動作状態等の値及び/若しくはパラメータ、並びに/又は、例えば、確認装置200に進入及び/若しくは確認装置200を退出する円筒形の容器135の速度、円筒形の容器135の回転速度、容器135上に入射する光の強度等の複数の物理量の値のセットを含んでよい。メモリ手段240に記憶される命令は、
図3のフローチャートを参照しながら下記で詳細に説明する。
【0026】
処理手段250は、メモリ手段240に記憶される、及び/又は、上記画像取得手段210、アクチュエータ手段220、インターフェース手段230から受信される情報及び命令を処理することを可能にし、例えば、ARMプロセッサ、Arduinoマイクロコントローラ、x86アーキテクチャを有するプロセッサ等を備えてよい。
【0027】
図2の確認装置200に関連する、少なくとも1つの円筒形の容器135への画像410の正確な付与を確認する例示的な方法を、
図3並びに
図4a、
図4b、及び
図4cを参照しながら以下に記載する。
【0028】
工程300にて、少なくとも1つの円筒形の容器135を受け取る段階が実行される。この工程にて、例えば、処理手段250は、コンベア手段150から円筒形の容器135を拾い上げるように、また、上記画像取得手段210が円筒形の容器135に付与された画像410を容易に取得できるようにして、アクチュエータ手段220を制御する。
【0029】
工程310にて、処理手段250は、画像取得段階を実行するように構成されている。この段階中に、処理手段250は、画像取得手段210を介して、上記円筒形の容器135に付与された、例えば上記円筒形の容器135の外面に付与された上記画像410を取得する。この段階中に、処理手段250は、アクチュエータ手段220を介して、上記画像取得手段210の動作範囲内で、少なくとも1つの円筒形の容器135の動き、例えば、円筒形の容器135のその対称軸の周りでの回転を制御することができる。この段階中に、処理手段250は、例えばTao Ni et al.による上記論文の教示に従って、取得した画像410を修正してよい。この段階中に、処理手段250は、例えば、予め定義されたセグメント化スキームに従って、又は代替的に、自動区画化スキームに従って、少なくとも1つの画像部分415を得るように、取得した画像410をセグメント化してよい。画像410のセグメント化は、処理手段250によって、少なくとも1つの重要な標識S、例えば、英数字、表意文字、又はロゴが上記画像部分415に含まれるようにして実現される。この段階中に、複数の画像部分420を、部分的にだけであってもメモリ手段240に記憶し、その後、処理手段250によって処理してもよい。
【0030】
工程320にて、処理手段250は、識別段階を実行するように構成されている。この段階中に、処理手段250は、画像410の少なくとも1つの画像部分415に含まれている少なくとも1つの重要な標識Sを識別する。少なくとも1つの重要な標識Sの識別は、例えば、パターンマッチング、OCR、SIFT等の技術を用いて実現されてよい。この段階中に、画像部分415は、1組の基準画像のうちの少なくとも1つの基準画像と比較される。各基準画像は、識別子が関連付けられている少なくとも1つの重要な標識Sを含む。上記1組の基準画像は、例えば、任意の圧縮又は非圧縮フォーマットのデータベースとして、メモリ手段240に記憶されてよい。識別段階の結果は、例えば、上記画像部分415に含まれる重要な標識Sと各基準画像の重要な標識Sとの類似性を表す数値であってよい。上記数値は、例えば、「0」と「1」との間に含まれてよく、ここで、「0」は類似性が無いことを示し、「1」は、完全な類似性を示す。上記識別段階の結果は、例えば、上記数値に基づく降順でソートされた識別子のリスト、又は代替的に、上記数値の最大値に対応する重要な標識Sに関連付けられている識別子であってよい。
【0031】
この工程中に、本発明の別の実施形態は、処理手段250が画像部分415における上記少なくとも1つの重要な標識Sのすべてのトラクト(tract:筆画)Tのトラクト数を決定するカウント段階も備えてよい。上記トラクトは、例えば、英数字、表意文字、ロゴ等を構成するトラクト等である。
図4cに示す表意文字は、3つのトラクトTで構成されている重要な標識Sを例示している。何らかの不完全部が存在する場合、上記カウント段階から得られるトラクト数は、例えば、3よりも大きい又は小さい数であり得る。
【0032】
工程330にて、処理手段250は、検証段階を実行するように構成されている。この段階中、処理手段250は、少なくとも1つの画像部分415に含まれている少なくとも1つの重要な標識Sの識別が成功したかどうかを検証する。例えば、そのような検証は、上記数値の最高値と予め定義された閾値Vsとを比較することによって行ってよい。最高値がそのような閾値Vsを上回る場合、認識が成功したことを意味し、処理手段250は工程340を実行する。上記少なくとも1つの重要な標識Sの識別が失敗した場合、すなわち、最高値がそのような閾値Vs以下であるとき、処理手段250は、シグナリング情報を生成し、工程355を実行する。シグナリング情報は、例えば、上記少なくとも1つの重要な標識Sの識別が成功しなかったことを示す、バイナリ又は英数字エラーコードを含んでよい。
【0033】
この工程中、本発明の上記の他の実施形態では、処理手段250は、上記トラクト数が、上記重要な標識Sと関連付けられている上記基準画像のトラクト数と一致するかどうかを検証するようにも構成されてよい。例えば、上記識別子に加えて、基準画像のトラクトの対応する数が各基準画像と関連付けられていてもよい。上記トラクト数が、上記識別段階中に識別された基準画像のトラクト数と一致する場合、処理手段250は、工程340を実行する。そうでなく、上記トラクト数が、上記重要な標識Sに関連付けられている基準画像のトラクト数と一致しない場合、処理手段250は、上記トラクト数と、少なくとも1つの識別された重要な標識Sに対応する識別子とを含むシグナリング情報を生成してよく、続いて工程355を実行する。
【0034】
工程340にて、処理手段250は、確認段階を実行するように構成されている。この段階中に、処理手段250は、上記画像部分415における上記少なくとも1つの重要な標識Sの領域に対応する領域値Aを決定する。例えば、画像部分415が8ビット符号化グレースケール画像である場合、画像部分415の各ピクセルは、0~255の範囲の値として符号化され得る。そのような事例では、所与のピクセル値閾値、例えば128を設定した後、上記重要な標識Sに対応するピクセルは、例えば、0~128に含まれる値を用いて識別することができ、一方で、画像部分415の背景に対応するピクセルは、例えば、129~255に含まれる値を用いて識別することができる。次に、処理手段250は、上記画像部分415における上記重要な標識Sを構成するピクセルをカウントすることによって、すなわち、0~128に含まれるピクセルをカウントすることによって、上記領域値Aを決定することができる。本発明の他の実施形態において、上記ピクセル値閾値は、予め定義されるか、又は取得した画像410に基づいて、例えば画像410の全ピクセル値の平均値を計算することによって、決定されてよい。
【0035】
工程350にて、処理手段250は、工程340にて決定された上記領域値Aが、第1の値V1と第2の値V2との間に含まれない場合、シグナリング情報を生成する。ここで、第1の値V1は、第2の値V2とは異なる。シグナリング情報は、領域値Aと、工程330にて識別された少なくとも1つの重要な標識Sに対応する識別子とを含んでよい。第1の値V1及び第2の値V2は、上記重要な標識Sに関連付けられている少なくとも1つの基準画像に基づいて決定されてよい。そのような値V1及びV2は、例えば、基準画像の少なくとも1つの重要な標識Sに対応する領域のパーセンテージとして決定されてよい。例えば、基準画像の少なくとも1つの重要な標識Sに対応するピクセル内の領域をARとして示すと、そのような値は、V1=90%AR=0.90×AR及びV2=110%AR=1.10×ARとして定義され得る。そのようなパーセンテージ値は、円筒形の容器135に付与される画像410の種類、読み取りプロセス等に依拠し得る。本発明に記載の方法は計算能力をあまり要求せず、これにより、有利なことに、例えば、画像部分415において再現された少なくとも1つの重要な標識Sにおける、ピクセル単位で測定される領域の観点から特定されたいかなる欠陥もリアルタイムで検出することと、そのような欠陥が値V1及びV2によって定義された許容範囲を上回る場合にシグナリング情報を生成することとが可能になる。上記領域値Aが第1の値V1と第2の値V2との間に含まれない場合、処理手段250は、工程355を実行し、含まれる場合、工程360を実行する。
【0036】
この工程中、本発明の上記実施形態では、シグナリング情報は、画像部分415の少なくとも1つの重要な標識Sのトラクト数を含んでよい。
【0037】
工程355にて、処理手段250は、上記インターフェース手段230を介して上記シグナリング情報を出力する。例えば、シグナリング情報は、オペレータが円筒形の容器135への画像410の正確な付与を監視できるように、画面上に表示されてよい。そのようなシグナリング情報は、アクチュエータ手段220を作動させて、識別されなかった又は複数の許容不可能な欠陥のある少なくとも1つの画像部分415を有する円筒形の容器135を破棄させてよい。例えば、円筒形の容器135は、アクチュエータ手段220に含まれる1つ又は複数の空圧シリンダによって破棄され、破棄された円筒形の容器135は、収集室に入れられてよい。そのようなシグナリング情報は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、GSM(登録商標)、Ethernet(登録商標)等の通信インターフェースを介して、遠隔の管理システムであっても、システム100の管理システムに送信されてよい。続いて、処理手段250は、工程360を実行する。
【0038】
工程360にて、処理手段250は、工程310にて記載した上記取得段階中に得られたすべての画像部分415が上述の工程320、330、340、350及び355に従って処理されたかどうかを検証する。処理されている場合、処理手段250は、工程370を実行し、処理されていない場合、工程320を実行する。
【0039】
工程370にて、処理手段250は、少なくとも1つの円筒形の容器135を解放する工程を実行する。この工程にて、例えば、処理手段250は、円筒形の容器135を第2の格納ユニット172に向けて搬送するコンベア手段150上に円筒形の容器135を置くようにして、アクチュエータ手段220を制御する。
【0040】
本発明の利点は、上記説明から明らかである。
【0041】
本発明に係る、実質的に円筒形の容器への画像の正確な付与を確認する方法及び関連する確認装置は、有利なことに、容器に付与された画像の文章及び/又はロゴにおける、例えば、ぼやけた若しくは欠けた部分等のいかなる欠陥の存在も検出することができる。
【0042】
本発明の別の利点は、接着フィルムによって円筒形の容器に付与された文章及び/又はロゴのいかなる膨らみ及び/又は突出部分の存在も検出可能であることにある。
【0043】
本発明のさらなる利点は、本発明が、画像の文章及び/又はロゴにおける欠陥の存在を有効かつリアルタイムに検出することを可能にする、実質的に円筒形の容器への画像の正確な付与を確認する方法及び関連する確認装置を提供することにある。
【0044】
当然ながら、本発明の原則を毀損せずに、一方で添付の特許請求の範囲に記載されるような本発明の保護範囲から逸脱することなく、実施の形態及び実装の詳細を単に非限定的な例として本明細書に記載及び例示したものから広く変更してよい。