(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】光源装置、投影装置
(51)【国際特許分類】
G02B 7/00 20210101AFI20241210BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20241210BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20241210BHJP
G02B 7/18 20210101ALI20241210BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20241210BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20241210BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20241210BHJP
F21Y 113/13 20160101ALN20241210BHJP
【FI】
G02B7/00 F
G03B21/00 D
G03B21/14 A
G03B21/14 D
G02B7/00 J
G02B7/18 100
G02B7/02 A
F21V17/00 200
F21Y115:30
F21Y113:13
(21)【出願番号】P 2020151736
(22)【出願日】2020-09-10
【審査請求日】2023-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直人
(72)【発明者】
【氏名】三浦 航平
(72)【発明者】
【氏名】上田 智之
【審査官】瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-059459(JP,A)
【文献】特開2005-266586(JP,A)
【文献】特開2006-145695(JP,A)
【文献】特開2004-361589(JP,A)
【文献】特開2004-253080(JP,A)
【文献】特開2004-157344(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/00 - 7/24
G03B 21/00 - 21/10
G03B 21/12 - 21/13
G03B 21/134 - 21/30
G03B 33/00 - 33/16
F21V 17/00 - 17/20
F21Y 115/30
F21Y 113/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、前記光源から出射された光が入射される光学部材と、前記光学部材を支持する保持部材とを備え、
前記光学部材
は、光学係合部
と、第一基準面側に形成された平坦状の第一被当接部と、前記第一基準面と交差する第二基準面側に形成された曲面状の第二被当接部と、を備え、
前記保持部材は、前記光学係合部と係合して第一軸周りの角度位置を位置決めする係合部
と、
前記第二被当接部の前記第一軸方向と互いに交差する第二軸方向位置及び第三軸方向位置を位置決めする第二当接部を含む第二位置決め部と、を備え、
前記第二当接部は、前記第二被当接部に対して垂直に当接する当接面を有する、
ことを特徴とする
光源装置。
【請求項2】
前記保持部材は、前記第一被当接部の第一軸方向位置を位置決めする第一当接部を含む第一位置決め
部を備えることを特徴とする請求項1に記載の
光源装置。
【請求項3】
前記光学部材は、前記第一基準面側に第一レンズ面を有し、
前記光学係合部は、前記第一レンズ面に並設される前記第一被当接部に設けられ、
前記係合部は、前記第一当接部に設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の
光源装置。
【請求項4】
前記光学係合部及び前記係合部は複数設けられ、
前記第一レンズ面は、複数の前記光学係合部の間に配置される、
ことを特徴とする請求項3に記載の
光源装置。
【請求項5】
前記光学係合部及び前記係合部の一方は、係合凸部であり、他方は前記係合凸部と係合可能な係合凹部である、ことを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れかに記載の
光源装置。
【請求項6】
前記光学部材は、前記第二基準面側に第二レンズ面を有し、
前記光学係合部は、前記第二被当接部を含む前記第二レンズ面に設けられ、
前記係合部は、前記第二位置決め部に設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の
光源装置。
【請求項7】
前記第二レンズ面は、シリンドリカル面状に形成されることを特徴とする請求項6に記載の
光源装置。
【請求項8】
前記第二位置決め部は、リブ状の前記第二当接部が立設する内面を有し、
前記係合部は、前記内面に設けられる、
ことを特徴とする請求項2、6、7の何れかに記載の
光源装置。
【請求項9】
前記光学係合部及び前記係合部の一方は、前記第一軸周り方向の両側に規制内縁を有する係合凹部であり、他方は、前記係合凹部と係合可能な係合凸部である、
ことを特徴とする請求項2、6、7、8の何れかに記載の
光源装置。
【請求項10】
前記係合部は、前記第一軸と平行な当接面を有し、
前記光学係合部は、前記当接面と当接可能な平坦面状の被当接面を有する、
ことを特徴とする請求項2、6、7、8、9の何れかに記載の
光源装置。
【請求項11】
前記光学係合部及び前記係合部は、前記第一基準面及び前記第二基準面上における光路の有効領域外に設けられ、
前記第一被当接部は、前記第一基準面上における光路の有効領域外に設けられ、
前記第二被当接部は、前記第二基準面上における光路の有効領域外に設けられ、
前記第一位置決め部は、前記第一基準面上における有効領域の光を透過させる第一光路部を有し、
前記第二位置決め部は、前記第二基準面上における有効領域の光を透過させる第二光路部を有する、
ことを特徴とする請求項2乃至請求項10の何れかに記載の
光源装置。
【請求項12】
請求項
11に記載の光源装置と、
前記光源装置からの光源光が照射され、画像光を形成する表示素子と、
前記表示素子から出射された前記画像光をスクリーンに投影する投影光学系と、
前記表示素子と前記光源装置を制御する制御部と、
を有することを特徴とする投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持部材、光源装置、この光源装置を備える投影装置及び光学部材の保持方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)と呼ばれるマイクロミラー表示素子や液晶板を用いて形成した画像をスクリーンに投影する投影装置が提案されている。投影装置には、集光レンズ等の光学部材が保持部材により固定されて配置される。集光レンズの保持方法の例として、特許文献1には、シリンドリカルレンズの位置決めを行う位置決め部材と、シリンドリカルレンズを押圧保持する保持部材とからなるシリンドリカルレンズの保持構造が開示されている。保持部材に形成された開口部は、位置決め部材に設けられた爪部と掛合し、シリンドリカルレンズが押圧保持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光学部材は、その構成によっては立体座標系における3軸方向及び各軸周りの回転方向に対して高精度の位置決めが要求される。特許文献1の保持機構では、シリンドリカルレンズの前面部が板金の一部である二枚の加圧片により光軸方向に支持されている。従って、シリンドリカルレンズは光軸と垂直な上下又は左右方向に動いて、シリンドリカルレンズの中心軸と光軸とがずれてしてしまうことが想定される。このため、特許文献1の保持方法では、複雑な形状の光学部材を保持することが難しい場合がある。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、光学部材を高精度に位置決めする保持部材、光源装置、投影装置及び光学部材の保持方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光源装置は、光源と、前記光源から出射された光が入射される光学部材と、前記光学部材を支持する保持部材とを備え、前記光学部材は、光学係合部と、第一基準面側に形成された平坦状の第一被当接部と、前記第一基準面と交差する第二基準面側に形成された曲面状の第二被当接部と、を備え、前記保持部材は、前記光学係合部と係合して第一軸周りの角度位置を位置決めする係合部と、前記第二被当接部の前記第一軸方向と互いに交差する第二軸方向位置及び第三軸方向位置を位置決めする第二当接部を含む第二位置決め部と、を備え、前記第二当接部は、前記第二被当接部に対して垂直に当接する当接面を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、光学部材を高精度に位置決めする光源装置、投影装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態1に係る投影装置の機能回路ブロックを示す図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係る投影装置の内部構造を示す平面模式図である。
【
図3】本発明の実施形態1に係る蛍光ホイールを正面から見た模式図である。
【
図4】本発明の実施形態1に係る保持部材に光学部材を保持させた状態の斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態1に係る光学部材を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は第一レンズ面側から見た正面図である。
【
図6】本発明の実施形態1に係る光学部材を示す図であり、(a)は第二レンズ面側から見た側面図であり、(b)は上方の平坦面側から見た平面図である。
【
図7】本発明の実施形態1に係る保持部材の斜視図である。
【
図8】本発明の実施形態1に係る保持部材に光学部材を位置決めした状態を示す側面図である。
【
図9】本発明の実施形態1に係る保持部材に光学部材を位置決めした状態を示す背面図である。
【
図10】本発明の実施形態1に係る
図9に示した保持部材のX-X断面図であり、固定部材により光学部材を固定した状態を示している。
【
図11】本発明の実施形態2に係る光学部材を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は
図11(a)のXIb-XIb断面図である。
【
図12】本発明の実施形態2に係る保持部材の斜視図である。
【
図13】本発明の実施形態2に係る保持部材に光学部材を位置決めした状態を示す背面図である。
【
図14】本発明の実施形態2に係る
図13に示した保持部材のXIV-XIV断面図であり、固定部材により光学部材を固定した状態を示している。
【
図15】本発明の実施形態3に係る光学部材を示す斜視図である。
【
図16】本発明の実施形態3に係る保持部材の斜視図である。
【
図17】本発明の実施形態3に係る保持部材に光学部材を位置決めした状態を示す背面図である。
【
図18】本発明の実施形態3に係る保持部材に光学部材を位置決めした状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1について説明する。
図1は、投影装置10の機能回路ブロック図である。投影装置制御部は、画像変換部23と制御部38とを含むCPU、入出力インターフェース22を含むフロントエンドユニット、表示エンコーダ24と表示駆動部26とを含むフォーマッタユニットを備える。入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバスSBを介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換された後、表示エンコーダ24に出力される。
【0010】
また、表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶された上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
【0011】
表示駆動部26は、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜のフレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子27を駆動する。投影装置10は、光源装置60から出射された光線束を、導光光学系を介して表示素子27に照射することにより、表示素子27の反射光で光画像を形成し、投影光学系220(
図2参照)を介して図示しないスクリーン等の被投影体に画像を投影表示する。なお、この投影光学系220の可動レンズ群235は、レンズモータ29によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動を行うことができる。
【0012】
また、画像圧縮/伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体であるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。さらに、画像圧縮/伸長部31は、再生モード時にメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長し、画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力する。よって、画像圧縮/伸長部31は、メモリカード32に記憶された画像データに基づいて動画等の出力を行うことができる。
【0013】
制御部38は、投影装置10内の各回路の動作制御を司るものであって、CPUや各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成される。
【0014】
キー/インジケータ部37は、筐体に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成される。キー/インジケータ部37の操作信号は、制御部38に直接送出される。また、リモートコントローラからのキー操作信号は、Ir受信部35で受信され、Ir処理部36でコード信号に復調されて制御部38に出力される。
【0015】
制御部38はシステムバスSBを介して音声処理部34と接続されている。音声処理部34は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音声データをアナログ化し、スピーカ39を駆動して拡声放音させる。
【0016】
制御部38は、光源制御回路28を制御している。光源制御回路28は、画像生成時に要求される所定波長帯域の光が光源装置60から出射されるように、光源装置60の励起光照射装置の動作を個別に制御する。
【0017】
また、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路33に光源装置60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から投影装置10内の図示しない冷却ファンの回転速度を制御する。制御部38は、冷却ファン駆動制御回路33にタイマー等により投影装置10本体の電源OFF後も冷却ファンの回転を持続させる、あるいは、温度センサによる温度検出の結果によって投影装置10本体の電源をOFFにする等の制御も行う。
【0018】
図2は、投影装置10の内部構造を示す平面模式図である。投影装置10は、光源装置60、光源側光学系170及び投影光学系220等を備える。また、投影装置10は、内部の電源回路ブロックや光源制御ブロック等を含む回路基板と接続された光源装置60内の駆動部(励起光照射装置70、赤色光源装置120、蛍光ホイール装置100、表示素子27等を含む)を駆動する。
【0019】
光源装置60は、青色波長帯域光(光L1)の光源であって励起光源でもある励起光照射装置70と、緑色波長帯域光の光源である緑色光源装置80と、赤色波長帯域光の光源である赤色光源装置120とを備える。緑色光源装置80は、励起光照射装置70と蛍光ホイール装置100とにより構成される。
【0020】
光源装置60には、各色波長帯域光を導光する導光光学系140及び光源側光学系170が配置されている。導光光学系140は、励起光照射装置70、緑色光源装置80及び赤色光源装置120から出射される光を光源側光学系170に導光する。
【0021】
励起光照射装置70は、投影装置10の背面パネル13側に配置される。励起光照射装置70は、複数の青色レーザダイオード71から成る光源群を備える。青色レーザダイオード71は、半導体発光素子であり、赤色発光ダイオード121と出射光の光軸が平行となるよう配置される。
【0022】
上述の光源群は、複数の青色レーザダイオード71をマトリクス状に配置して構成される。本実施形態では、青色レーザダイオード71の光源群を
図2の左側パネル15側から見ると、青色レーザダイオード71が2行5列のマトリクス状に配置される(詳細は不図示)。また、各青色レーザダイオード71の光軸上には、青色レーザダイオード71からの出射光の指向性を高めるように、各々平行光に変換するコリメータレンズ73が配置される。各コリメータレンズ73の光軸上には、反射ミラー群75が配置される。反射ミラー群75は、各青色レーザダイオード71から出射された青色波長帯域光の光軸を、正面パネル12方向に90度変換する。ヒートシンク81は、青色レーザダイオード71と右側パネル14との間に配置される。また、ヒートシンク81と背面パネル13との間には冷却ファン261が配置される。青色レーザダイオード71は、冷却ファン261とヒートシンク81とによって冷却される。
【0023】
緑色光源装置80を構成する蛍光ホイール装置100は、励起光照射装置70から出射される励起光の光路上であって、正面パネル12の近傍に配置される。蛍光ホイール装置100は、蛍光ホイール101、モータ110、集光レンズ群111、及び光学部材4を備える。蛍光ホイール101は、励起光照射装置70からの出射光の光軸と直交するように配置される。モータ110は、蛍光ホイール101を回転駆動させる。集光レンズ群111は、励起光照射装置70から出射される励起光の光線束を蛍光ホイール101に集光するとともに蛍光ホイール101から背面パネル13方向に出射される光線束を集光する。光学部材4は、蛍光ホイール101から出射された光線束を集光して、集光レンズ146側へ反射する。なお、モータ110と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって蛍光ホイール装置100等が冷却される。
【0024】
図3は、蛍光ホイール101を正面から見た模式図である。蛍光ホイール101は、円板又は円環状に形成されており、開口部112側がモータ110の軸部と接続されて回転可能に形成される。蛍光ホイール101には、C環状の蛍光発光領域310と円弧状の透過領域320とが周方向に並設されている。蛍光発光領域310は、励起光照射装置70から出射されて集光レンズ群111で集光された青色波長帯域光を励起光として受けて、緑色波長帯域光の蛍光光を出射する。透過領域320は、励起光照射装置70から出射された青色波長帯域光を透過又は拡散透過する。
【0025】
蛍光ホイール101の基材102は、銅やアルミニウム等により形成された金属により円板状に形成される。この基材102の励起光照射装置70側の表面102aは銀蒸着等によってミラー加工されている。このミラー加工された表面102aには、緑色蛍光体層が敷設されて蛍光発光領域310が形成される。透過領域320は、基材102に形成された円弧状の切抜き透孔部に透過性を有する透明基材が嵌入されて形成される。透過領域320が励起光を拡散透過する領域である場合、その透明基材の表面にはサンドブラスト等で微細凹凸が形成される。
【0026】
励起光照射装置70から出射された青色波長帯域光が蛍光発光領域310に照射されると(例えば
図3の照射領域Sを参照)緑色蛍光体層における緑色蛍光体が励起され、蛍光発光領域310は緑色波長帯域光を蛍光光として全方位に出射する。緑色波長帯域光は、背面パネル13側へ出射され、集光レンズ群111に入射される。一方、透過領域320に入射した青色波長帯域光は、蛍光ホイール101を透過又は拡散透過し、蛍光ホイール101の背面側(換言すれば、正面パネル12側)に配置された光学部材4に入射する。
【0027】
図2に示す集光レンズ群111は、励起光照射装置70から出射された青色波長帯域光の光線束を蛍光ホイール101に集光するとともに蛍光ホイール101から出射された蛍光を集光する。光学部材4は、蛍光ホイール101を透過して出射された青色波長帯域光(光L1)を集光して集光レンズ146側に出射させる。
【0028】
赤色光源装置120は、青色レーザダイオード71と出射光の光軸が平行となるように配置された半導体発光素子である赤色発光ダイオード121と、赤色発光ダイオード121から出射された赤色波長帯域光を集光する集光レンズ群125と、を備える。赤色光源装置120は、赤色発光ダイオード121が出射する赤色波長帯域光の光軸と、蛍光ホイール101から出射されて第一ダイクロイックミラー141で反射された緑色波長帯域光の光軸とが交差するように配置される。赤色光源装置120は、右側パネル14側に設けられるヒートシンク130及び冷却ファン261等により冷却される。
【0029】
導光光学系140は、第一ダイクロイックミラー141、第二ダイクロイックミラー148、反射ミラー145、光線束を集光させる複数の集光レンズ146,147,149を備える。
【0030】
第一ダイクロイックミラー141は、励起光照射装置70から出射される青色波長帯域光及び蛍光ホイール101から出射される緑色波長帯域光と、赤色光源装置120から出射される赤色波長帯域光とが交差する位置に配置される。第一ダイクロイックミラー141は、青色及び赤色波長帯域光を透過し、緑色波長帯域光を反射する。蛍光ホイール101から出射された緑色波長帯域光の光軸は、左側パネル15方向に90度変換される。
【0031】
光学部材4は、入射面(第一レンズ面42)に入射した青色波長帯域光(光L1)を集光し、反射面45で反射した後、出射面(第二レンズ面43)から青色波長帯域光を集光して集光レンズ146側へ出射する(
図5及び
図6も参照)。集光レンズ146は、光学部材4の左側パネル15側に配置される。反射ミラー145は、集光レンズ146の左側パネル15側に配置される。反射ミラー145は、集光レンズ146で集光された青色波長帯域光の光軸を、背面パネル13側に90度変換する。集光レンズ147は、反射ミラー145の背面パネル13側に配置される。
【0032】
また、集光レンズ149は、第一ダイクロイックミラー141の左側パネル15側に配置される。第一ダイクロイックミラー141を透過した赤色波長帯域光の光軸は、集光レンズ149に入射する。また、第一ダイクロイックミラー141により反射された緑色波長帯域光の光軸は、赤色波長帯域光の光軸と略一致して集光レンズ149に入射する。
【0033】
第二ダイクロイックミラー148は、集光レンズ149の左側パネル15側であって、集光レンズ147の背面パネル13側に配置される。第二ダイクロイックミラー148は、赤色波長帯域光及び緑色波長帯域光を反射して、青色波長帯域光を透過する。よって、集光レンズ149で集光された赤色波長帯域光及び緑色波長帯域光は、第二ダイクロイックミラー148により反射され、光源側光学系170の集光レンズ173に入射する。一方、集光レンズ147を透過した青色波長帯域光は、第二ダイクロイックミラー148を透過して、集光レンズ173を介してライトトンネル、ガラスロッド、マイクロレンズアレイ等の導光装置175の入射口に集光される。
【0034】
光源側光学系170は、集光レンズ173、導光装置175、集光レンズ178、光軸変換ミラー181、集光レンズ183、照射ミラー185、コンデンサレンズ195を備える。なお、コンデンサレンズ195は、コンデンサレンズ195の背面パネル13側に配置される表示素子27から出射された画像光を投影光学系220に向けて出射するので、投影光学系220の一部に含まれる。
【0035】
導光装置175の近傍に配置される集光レンズ173は、光源光を導光装置175の入射口に集光する。赤色波長帯域光、緑色波長帯域光及び青色波長帯域光は、集光レンズ173により集光され、導光装置175に入射する。導光装置175に入射した光線束は、導光装置175により均一な強度分布の光線束となる。
【0036】
導光装置175の背面パネル13側の光軸上には、集光レンズ178及び光軸変換ミラー181が配置される。導光装置175の出射口から出射した光線束の光軸は、集光レンズ178で集光された後、光軸変換ミラー181により、左側パネル15側に光軸を変換される。
【0037】
光軸変換ミラー181で反射した光線束は、集光レンズ183により集光された後、照射ミラー185により、コンデンサレンズ195を介して表示素子27に所定の角度で照射される。本実施形態の表示素子27は複数のマイクロミラーレンズを備えたDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)である。表示素子27の背面パネル13側にはヒートシンク190が設けられ、表示素子27はこのヒートシンク190により冷却される。
【0038】
光源側光学系170により表示素子27の画像形成面に照射された光源光は、表示素子27の画像形成面で反射され、画像光として投影光学系220を介してスクリーンに投影される。ここで、投影光学系220は、コンデンサレンズ195と、レンズ鏡筒内に設けられた可動レンズ群235及び固定レンズ群225により構成される。レンズ鏡筒は、可変焦点型レンズとされ、ズーム調節やフォーカス調節が可能に形成される。可動レンズ群235は、レンズモータ29により自動で又は手動で調整可能に形成される。
【0039】
このように投影装置10を構成することで、蛍光ホイール101を同期回転させるとともに励起光照射装置70及び赤色光源装置120から適宜のタイミングで光を出射すると、緑色、青色及び赤色の各波長帯域の光が導光光学系140を介して集光レンズ173に入射され、光源側光学系170を介して表示素子27に入射される。そのため、表示素子27がデータに応じて各色の光を時分割表示することにより、スクリーンにカラー画像を投影することができる。
【0040】
図4は、光学部材4を保持する保持部材5を示す図である。保持部材5は、
図2に示した集光レンズ群111及び集光レンズ146を保持するとともに、光学部材4を保持する。また、集光レンズ群111と光学部材4との間に設けられた空間である収容部57には、蛍光ホイール101が配置される。
図4では集光レンズ群111及び集光レンズ146の図示は省略している。
【0041】
光学部材4は、蛍光ホイール101の透過領域320を透過した光L1(励起光照射装置70から出射された青色波長帯域光)が入射されて、反射面45で反射した後、集光レンズ146側に出射する。また光学部材4は、光L1の入射側及び出射側の各々に凸レンズである球面状の第一レンズ面42とシリンドリカル面状の第二レンズ面43を有する所謂異形レンズであり、各第一レンズ面42及び第二レンズ面43において光L1を集光することができる。
【0042】
図5及び
図6に示すように、光学部材4は、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を含む直交座標系において、ZX平面と平行な第一基準面S1側に、第一被当接部41及び第一レンズ面42を有する。第一被当接部41と第一レンズ面42とは互いに並設されており、第一レンズ面42は光L1が入射する光路が位置する有効領域A1に形成される(凡その位置を
図5(b)にハッチングで示す)。第一被当接部41は、有効領域A1外に設けられる。第一被当接部41は、後述する保持部材5の第一当接部531と当接して光学部材4の位置決めに用いられる。第一被当接部41は、平坦状に形成される。また、第一レンズ面42は、第一被当接部41から球面状に突出した凸レンズとして形成される。従って、第一レンズ面42に照射された光L1は、X軸方向及びZ軸方向の成分が集光されて光学部材4の内部に入射する。
【0043】
また、光学部材4は、YZ平面と平行な第二基準面S2側に(換言すれば、第一基準面S1と異なった垂直に交差する面側に)、第二被当接部431を含む曲面状の第二レンズ面43を有する。第二レンズ面43は、Y軸と平行な(換言すれば第一レンズ面42の中心軸Y1と平行な)シリンドリカル中心軸(
図9の軸Y2に相当)周りに湾曲した凸のシリンドリカル面を有するシリンドリカルレンズとして形成される。このシリンドリカル面は、ZX平面に対して垂直に形成される。従って、第二レンズ面43から出射される光L1は、Z軸方向の成分が集光される。
図6(a)に示すように、第二レンズ面43の高さ方向(Z軸方向)の内側には、光L1が出射される光路が位置する有効領域A2が形成される(凡その位置をハッチングで示す)。また、本実施形態の第二被当接部431は、第二レンズ面43上における有効領域A2外に設けられる。従って、第二被当接部431は、曲面上に形成される。第二被当接部431は、有効領域A2の上方及び下方の二箇所に形成される。
【0044】
また、光学部材4の第二レンズ面43上の有効領域A2外には、突起状の係合凸部432(光学係合部)が形成される。係合凸部432は、湾曲方向であるZ軸方向に長尺な略直方体状に形成される。係合凸部432の先端面は長方形状に形成されて、先端面の外周縁部432aはR面取り状に形成される。係合凸部432は、第二レンズ面43側から見た
図5(b)の側面視において、中心軸Y1上であって、第二レンズ面43と反射面45との境界である角部433側に配置される。
【0045】
光学部材4は、第二基準面S2と平行であって第二レンズ面43の反対側に位置する第三基準面S3上に、側面部44を有する。側面部44は、YZ平面に平行な平坦面状に形成される。側面部44は、Y軸方向において第一レンズ面42側に設けられ、シリンドリカル面状の第二レンズ面43よりも小さい面積で形成される。
【0046】
また、
図6(b)に示すように、光学部材4は、第一レンズ面42とは反対側の背面側に、第一基準面S1、第二基準面S2及び第三基準面S3に対して傾斜する反射面45を有する。反射面45はXY平面に対しては垂直に形成される。反射面45は、光学部材4の外側面に反射コートを施す等してやや凸湾曲状(換言すれば、光L1が照射される光学部材4の内部に対しては凹湾曲状)に形成される。反射面45は、第一レンズ面42から入射した光L1を光学部材4の内部で反射して、第二レンズ面43側へ導光する。なお、反射面45で反射された光L1は、Y軸方向の成分が集光される。また、光学部材4のZ軸方向の上面側及び下面側には、XY平面に対して平行な平坦面46,47が形成される。
【0047】
図7に示す保持部材5は、
図2に示した集光レンズ群111を保持するレンズ保持部51と、光学部材4及び集光レンズ146を保持するレンズ保持部52とを有する。レンズ保持部51は、集光レンズ群111を構成する各集光レンズを、光軸がY軸方向と平行となるように配置する。また、レンズ保持部51は、集光レンズ群111から出射された光L1をレンズ保持部52側へ透過させる開口部511を有する。レンズ保持部51及びレンズ保持部52の上部には、保持部材5を、光源装置60の内部ケース(不図示)に対して固定可能な固定部55,56が形成される。また、レンズ保持部51と、レンズ保持部52との間には、
図2に示した蛍光ホイール101の一部が配置される空間である収容部57が設けられる。
【0048】
レンズ保持部52は、ZX平面と略平行な板状に形成される第一位置決め部53と、第一位置決め部53と接続されてYZ平面と略平行な板状に形成される第二位置決め部54とを備える。第一位置決め部53と第二位置決め部54の上部及び下部は、それぞれ上板521及び下板522により接続される。上板521及び下板522は、XY平面と平行に形成される。従って、レンズ保持部52は、X軸正方向側とY軸正方向側とが開口した箱状に形成される。
【0049】
第一位置決め部53は、ZX平面に平行な平坦面である第一当接部531を有する。第一位置決め部53の一部にはU字状に切欠かれた切欠部である第一光路部532が形成される。第一光路部532は、集光レンズ群111側から出射された光L1が透過可能な程度の大きさで開口している。なお、第一光路部532は、第一位置決め部53の一部を切欠いた構成に限らず、円形等の形状で貫通した貫通孔として形成してもよい。
【0050】
第二位置決め部54には、ZX平面に垂直であってX軸の負方向側に凹むシリンドリカル面状の曲面である内面541が形成される。内面541は、光学部材4を第二位置決め部54に収容した場合に、シリンドリカル面状に形成された第二レンズ面43と略平行となるように形成される。第二位置決め部54は、内面541から内側に突出するリブ状の第二当接部542を有する。第二当接部542は、内面541から同高さで略垂直に立設しており、光学部材4の第二被当接部431と当接可能な当接面542aを端部に有する。従って、第二当接部542の当接面542aは、第一当接部531に対して垂直であり、シリンドリカル面状の第二レンズ面43と同径の仮想の曲面S4(
図9参照)上に配置される。
【0051】
また、当接面542aは、第一当接部531と垂直な平坦面状に形成される。従って、当接面542aと第二被当接部431とは略線当接する。なお、当接面542aは、第二被当接部431と略同じ曲率の凹面状に形成してもよく、当接面542aと第二被当接部431とを略面当接させる構成としてもよい。第二当接部542は、Z軸方向の上方及び下方において二箇所に形成されており、Y軸方向の長さがそれぞれ内面541と略同じ長さで形成される。
【0052】
また、内面541には、X軸方向に貫通した貫通孔である第二光路部543が形成される。第二光路部543は、第二基準面S2上における有効領域A2の光を透過させることができる。第二光路部543は、上下の第二当接部542の間に配置される(換言すれば、第二当接部542は第二光路部543を挟んだ上下の二箇所に形成される)。なお、第二光路部543は貫通孔状に限らず切欠部として設けてもよい。
【0053】
また、内面541には係合凹部545(係合部)が形成される。係合凹部545は、第二光路部543側から、第二位置決め部54の端部544側に亘って、Y軸方向に延設された溝状に形成される。
【0054】
第二位置決め部54は、内面541とは反対側の面に、
図2に示した集光レンズ146を保持するレンズ保持部58を有する。また、第二位置決め部54の端部544(Y軸正方向側の端部)は、ZX平面と略平行な平坦状に形成されており、上下にそれぞれ位置決め突起591と、雌螺子部592を有する。位置決め突起591は、上下の雌螺子部592の内側に設けられる。
【0055】
図4に戻り、保持部材5には、第一位置決め部53及び第二位置決め部54に位置決めされた光学部材4を押圧固定する固定部材6が取り付けられる。固定部材6は、保持部材5に対して固定される取付部61と、光学部材4を第一当接部531及び第二当接部542側に押圧する押圧部62とを有する。固定部材6は、金属の板材により形成される。
【0056】
取付部61は、長矩形板状に形成されており、位置決め用孔611,612を有する。一方の位置決め用孔611は丸穴であり、他方の位置決め用孔612は長孔状に形成される。各位置決め用孔611,612には、第二位置決め部54に形成された円柱状の位置決め突起591が挿通されて、固定部材6の取付位置が位置決めされる。また、取付部61には螺子用孔613(詳細な形状は不図示)が形成される。固定部材6は、螺子用孔613を介して挿通された螺子63が雌螺子部592に締結されることで、保持部材5に対して固定される。
【0057】
押圧部62は、取付部61から屈曲して延設された長矩形板状に形成される。固定部材6が保持部材5に対して固定された状態では、押圧部62は第一位置決め部53側へ延設される。押圧部62は、取付部61側を支点部として接続された片持ちの板バネ状に形成される。また、押圧部62の先端部は、第一位置決め部53及び第二位置決め部54とは離間方向に折り返されている。従って、押圧部62の先端部には、
図4に示す光学部材4側に凸状の当接部621が形成される。
【0058】
次に、主に
図8乃至
図10を参照しながら光学部材4の位置決め方法について説明する。本実施形態の光学部材4は、球面状の凸レンズである第一レンズ面42の中心軸Y1に蛍光ホイール101(或いは集光レンズ群111)側からの光L1の光軸が位置するように配置される。また、集光レンズ群111及び集光レンズ146の中心軸は、XY平面に対して平行であって、互いに垂直となるように配置されている。このため、光学部材4は、第一レンズ面42から入射した光L1の光軸を反射面45によりXY平面と平行に90度変換して第二レンズ面43から出射させるように配置される。第二レンズ面43の中心軸X1は、集光レンズ146の中心軸と一致するように配置される。
【0059】
従って、光学部材4を保持部材5に保持させる際には、(1)高さ方向位置(Z軸方向位置)、(2)左右方向位置(X軸方向位置)、(3)前後方向位置(Y軸方向位置)、(4)正面角度位置(Y軸周りの角度θy位置)、(5)あおり角度(X軸周りの角度θx位置)、及び(6)水平角度(Z軸周りの角度θz位置)の6自由度に対して、高い位置決め精度が要求される。
【0060】
図8に示すように、光学部材4の位置決めは、まず光学部材4の第一被当接部41を第一当接部531に当接させる。第一被当接部41と第一当接部531とは、各々平坦状に形成されているため互いに面当接する。従って、第一被当接部41は、ZX平面と平行にY軸方向位置(第一軸方向位置)が位置決めされる。これにより、光学部材4は、Y軸方向位置(前述の(3)前後方向位置)が位置決めされて、X軸周りの角度θx位置及びZ軸周りの角度θz位置(前述の(5)あおり角度及び(6)水平角度)が位置決めされる。凸レンズである第一レンズ面42は、第一光路部532内に配置される。
【0061】
次に、
図9に示すように、第二被当接部431をリブ状の第二当接部542の当接面542aに当接させる。本実施形態では当接面542aが平坦状に形成されるため、光学部材4の上方及び下方において第二被当接部431と第二当接部542とが、Y軸方向に沿って略線当接している。第二レンズ面43は仮想の曲面S4上に位置する当接面542aにより支持されるため、光学部材4のX軸方向位置(第二軸方向位置)及びZ軸方向位置(第三軸方向位置)(前述の(2)左右方向位置及び(1)高さ方向位置)が位置決めされる。なお、当接面542aは、Y軸方向に延設されているため、光学部材4はX軸周りの角度θx位置及びZ軸周りの角度θz位置についても位置決めされる。光学部材4は、第一位置決め部53と第二位置決め部54により、集光レンズ群111(或いは蛍光ホイール101)から出射される光L1の光軸と、第一レンズ面42の中心軸Y1とが略一致するように位置決めされる。
【0062】
また、第一被当接部41を第一当接部531に当接させる際や、第二被当接部431を第二当接部542に当接させる際に、第二レンズ面43側に形成された係合凸部432を係合凹部545に係合(或いは嵌合)させる。係合凸部432は、外周縁部432aにより係合凹部545に容易に挿入される。係合凹部545はY軸(或いは軸Y2)周り方向の両側に規制内縁545aを有する(
図9のP部拡大図参照)。従って、光学部材4は、Y軸(第一軸)周りの角度θy位置(前述の(4)正面角度)が位置決めされる(より詳細には、曲面S4の中心軸となる軸Y2周りの角度θy1位置について位置決めされる)。
【0063】
図10に示すように、光学部材4は、第一位置決め部53及び第二位置決め部54により位置決めされた状態で、固定部材6により固定することができる。光学部材4は、固定部材6の押圧部62により第一当接部531及び第二当接部542側へ付勢された状態で保持される。従って、光学部材4は、前述の6自由度について高い精度で位置決めされた状態で、光源装置60内で安定して配置させることができる。このように、光学部材4が安定支持されるため、光源装置60や光源装置60を搭載した投影装置10に振動が加えられる等しても光学部材4の位置や姿勢を維持して光を安定して導光することができる。また、光学部材4は、光を集光する第一レンズ面42、第二レンズ面43及び反射面45と、光軸の方向を変換する反射面45を備え、一つの部材で複数の機能を有する。従って、部品点数を低減して光源装置60や投影装置10を小型化することができる。
【0064】
実施形態1では、第一被当接部41を第一当接部531に当接させる際や、第二被当接部431を第二当接部542に当接させる際に、容易に係合凸部432を係合凹部545に係合させることができるため、光学部材4を前述の6自由度について容易に構成に位置決めすることができる。
【0065】
なお、第一被当接部41と第一当接部531とを当接させる前に、第一被当接部41及び第一当接部531の一方又は両方に予め接着剤G(
図10参照)を塗布しておくことができる。これにより、光学部材4を位置決めしている間に、第一被当接部41と第一当接部531とを接着させて、光学部材4の姿勢を固定することができる。また、接着剤Gは固定部材6の代わりに固定部材として用いてもよい。
【0066】
また、光学部材4と保持部材5との固定に接着剤Gを用いずに固定部材6により固定する構成としてもよい。この場合は、接着剤Gを塗布する工程を簡素化して、作業時間も短縮することができる。また、固定部材としては、本実施形態で説明した固定部材6や接着剤Gに限らず、光学部材4を固定するその他の手段を適用してもよい。
【0067】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について
図11乃至
図13を用いて説明する。実施形態2の光源装置60では、実施形態1の光学部材4の代わりに光学部材4Aを備え、保持部材5の代わりに保持部材5Aを備える。なお、実施形態2の説明において、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0068】
図11に示す光学部材4Aは、
図5等に示した光学部材4の係合凸部432の代わりに有効領域A2外に係合凹部434(光学係合部)を有する。係合凹部434は、第二レンズ面43上の有効領域A2(
図6(a)参照)外に形成され、第二レンズ面43と反射面45との間の角部433側に形成される。係合凹部434は、
図11(b)のXIb-XIb断面図に示すように、断面視略L字状に切り欠かれており、YZ平面に対して平行な被当接面434aと、被当接面434aに対して略直角となるように形成される平坦面状の段部434bとを有する。係合凹部434は、光学部材4Aの上下方向(Z軸方向)に延設されている。
【0069】
図12に示す保持部材5Aは、
図7等に示した保持部材5の係合凹部545の代わりに係合凸部546(係合部)を有する。係合凸部546は、第二位置決め部54の内面541から突出して形成され、一部の側面が端部544から連設されている。係合凸部546は、Z軸方向に長尺な長方形状の平坦面である当接面546aを有する。当接面546aは、YZ平面に対して平行に形成される。また、当接面546aは、位置決め突起591よりも内側の位置に配置される。
【0070】
次に、主に
図13及び
図14を参照しながら光学部材4Aの位置決め方法について説明する。まず、光学部材4AのY軸方向位置(前述の(3)前後方向位置)、並びに、X軸周りの角度θx位置及びZ軸周りの角度θz位置(前述の(5)あおり角度及び(6)水平角度)の位置決めは、光学部材4と同様に、第一被当接部41と第一当接部531とを当接させて行う(
図8も参照)。
【0071】
また、光学部材4AのX軸方向位置及びZ軸方向位置(前述の(2)左右方向位置及び(1)高さ方向位置)の位置決めは、光学部材4と同様に、第二被当接部431をリブ状の第二当接部542の当接面542aに当接させて行う(
図13参照)。当接面542aは、Y軸方向に延設されているため、光学部材4AはX軸周りの角度θx位置及びZ軸周りの角度θz位置についても位置決めされる。
【0072】
また、第二当接部542と当接面542aを当接する際は、
図14のR部拡大図に示すように段部434bを係合凸部546の下面側(Y軸負方向側)の面に潜り込ませるように光学部材4Aを移動させる。そして、光学部材4Aを
図13の調整方向D1へ付勢すると、光学部材4Aは当接面546aと被当接面434aとが面当接するように角度θy1周りに回動して調整される(
図13のQ部拡大図及び
図14のR部拡大図参照)。当接面546aと被当接面434aが面当接している状態では、光学部材4Aの被当接面434aはYZ平面に対して平行となる。従って、光学部材4Aは、Y軸周りの角度θy位置(前述の(4)正面角度)が位置決めされる(より詳細には、角度θy1位置について位置決めされる)。
【0073】
図14に示すように、光学部材4Aは、第一位置決め部53及び第二位置決め部54により位置決めされた状態で、固定部材6により固定することができる。光学部材4Aは、固定部材6の押圧部62により第一当接部531及び第二当接部542側へ付勢された状態で保持される。従って、実施形態2においても、光学部材4Aは、前述の6自由度について高い精度で位置決めされた状態で、光源装置60内で安定して配置させることができる。なお、光学部材4Aの保持及び固定には、実施形態1と同様に接着剤Gを用いてもよい。
【0074】
実施形態2では、係合凹部434の被当接面434aと係合凸部546の当接面546aとを当接させることにより、光学部材4AのY軸周りの角度θy位置、及び、X軸方向位置について位置決めすることができる。従って、光学部材4Aを容易に高精度に位置決めすることができる。
【0075】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について説明する。実施形態3の光源装置60では、実施形態1の光学部材4の代わりに光学部材4Bを備え、保持部材5の代わりに保持部材5Bを備える。なお、実施形態3の説明において、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0076】
図15に示す光学部材4Bは、第一基準面S1側の有効領域A1外に位置する第一被当接部41上に係合凸部411(光学係合部)を有する。光学係合部は、短円柱状に形成されており、先端の外周縁部はC面取状に傾斜している。係合凸部411は、第一レンズ面42に対してZ軸方向の上方及び下方の二箇所に複数形成される(換言すれば、第一レンズ面42は、係合凸部411の間に配置される)。また、係合凸部411及び第一レンズ面42は、Z軸方向に直線状に配列される。また、係合凸部411の高さは、第一レンズ面42よりも低く形成される。
【0077】
図16に示す保持部材5Bは、第一位置決め部53における第一当接部531に、貫通孔である係合凹部533(係合部)を有する。第一光路部532より上方の係合凹部533aは丸孔状に形成され、第一光路部532より下方の係合凹部533bは長孔状に形成される。
【0078】
次に、主に
図17及び
図18を参照しながら光学部材4Bの位置決め方法について説明する。光学部材4Bは、二箇所の係合凸部411を係合凹部533a,533bに各々係合(或いは嵌合)させながら(XVII-XVII断面において係合凹部533bに係合する係合凸部411を拡大した図も参照)、第一被当接部41と第一当接部531とを当接させて(第一被当接部41と第一当接部531との接触状態の位置関係は
図8の状態と同様)位置決めされる。一方の係合凸部411は係合凹部533aによりZX平面についての移動が規制される。他方の係合凸部411は係合凹部533bによりX軸方向についての移動が規制される。係合凸部411が係合凹部533a,533bに係合して、第一被当接部41が第一当接部531に当接した状態では、第二被当接部431はリブ状の第二当接部542の当接面542aに当接する。
【0079】
光学部材4BのY軸方向位置(前述の(3)前後方向位置)、並びに、X軸周りの角度θx位置及びZ軸周りの角度θz位置(前述の(5)あおり角度及び(6)水平角度)の位置決めは、主に、第一被当接部41と第一当接部531との当接により行われる。
【0080】
また、光学部材4BのX軸方向位置及びZ軸方向位置(前述の(2)左右方向位置及び(1)高さ方向位置)の位置決めは、主に、第二被当接部431とリブ状の第二当接部542の当接面542aとの当接により行われる。
【0081】
光学部材4BのY軸周りの角度θy位置(前述の(4)正面角度)の位置決め(或いは、角度θy1位置の位置決め)は、係合凸部411と係合凹部533a,533bとの係合により光学部材4Bの回転が規制されて行われる。
【0082】
その後、光学部材4Bは、
図10に示した光学部材4と同様に、第一位置決め部53及び第二位置決め部54により位置決めされた状態で、固定部材6により固定することができる。光学部材4Bは、固定部材6の押圧部62により第一当接部531及び第二当接部542側へ付勢された状態で保持される。従って、実施形態3においても、光学部材4Bは、前述の6自由度について高い精度で位置決めされた状態で、光源装置60内で安定して配置させることができる。なお、光学部材4Bの保持及び固定には、実施形態1と同様に接着剤Gを用いてもよい。
【0083】
以上、実施形態3では、複数の係合凸部411と係合凹部533により光学部材4BのY軸周りの回転を規制する構成としたため、Y軸周りの角度θy位置について精度よく位置決めすることができる。従って、光学部材4Bを容易に高精度に位置決めすることができる。
【0084】
なお、各実施形態では、X軸、Y軸及びZ軸が互いに直交した直交座標系において光学部材4,4A,4Bを位置決めさせる構成について説明したが、保持部材5,5A,5B及び固定部材6は、X軸、Y軸及びZ軸が互いに直交せずに交差する座標系(例えば3軸の全て又は一組が斜交する斜交座標系)において光学部材4,4A,4Bを6自由度について位置決めしてもよい。
【0085】
また、各実施形態の説明では、第一当接部531は平坦状の面として説明したが、例えば第一当接部531の一部に凹部又は複数の凸部を設ける構成としてもよい。この場合であっても、光学部材4,4A,4Bの第一被当接部41と当接する第一当接部531の部位が平坦状に配列された複数(例えば3点以上)の突出部で構成されることで、光学部材4,4A,4Bの第一当接部531をZX平面と平行としながらY軸方向に容易に位置決めすることができる。
【0086】
以上説明したように、本発明の実施形態で説明した光学部材4,4A,4Bは光学係合部(432,434,411)を備え、保持部材5,5A,5Bは光学係合部(432,434,411)と係合して第一軸周りの角度位置を位置決めする係合部(545,546,533)を備える。これにより、光学部材4,4A,4Bを、保持部材5,5A,5Bに対して、(4)正面角度位置(Y軸周りの角度θy位置)について安定して固定することができる。従って、保持部材5,5A,5Bは、光学部材4,4A,4Bを、第一軸の他の軸方向位置及び軸周りの角度位置を位置決めして、高精度に位置決め固定することができる。
【0087】
光学部材4,4A,4Bは、第一基準面S1側に形成された平坦状の第一被当接部41と、第一基準面S1と交差する第二基準面S2側に形成された曲面状の第二被当接部431と、を備える。また、保持部材5,5A,5Bは、第一被当接部41の第一軸方向位置を位置決めする第一当接部531を含む第一位置決め部53と、第二被当接部431の第一軸方向と互いに交差する第二軸方向位置及び第三軸方向位置を位置決めする第二当接部542を含む第二位置決め部54と、を備える。これにより、光学部材4,4A,4Bを、保持部材5,5A,5Bに対して、(1)高さ方向位置(Z軸方向位置)、(2)左右方向位置(X軸方向位置)、(3)前後方向位置(Y軸方向位置)、(4)正面角度位置(Y軸周りの角度θy位置)、(5)あおり角度(X軸周りの角度θx位置)、及び(6)水平角度(Z軸周りの角度θz位置)の6自由度について、安定して固定することができる。従って、保持部材5,5A,5Bは、光学部材4,4A,4Bを高精度に位置決めすることができる。
【0088】
また、光学部材4Bが第一基準面S1側に第一レンズ面42を有し、光学係合部(411)が第一レンズ面42に並設される第一被当接部41に設けられ、係合部(533)が第一当接部531に設けられる構成について説明した。これにより、光学部材4Bは、第一レンズ面42側において、Y軸方向位置、X軸周りの角度θx位置及びZ軸周りの角度θz位置(前述の(3)前後方向位置、(5)あおり角度及び(6)水平角度)の位置決めをし、Y軸周りの角度θy位置について精度よく位置決めすることができる。
【0089】
また、上述の光学係合部(411)及び係合部(533)が複数設けられ、第一レンズ面42が複数の光学係合部(411)の間に配置される構成では、光学係合部(411)により第一レンズ面42周りの回転方向について精度よく位置決めすることができる。
【0090】
また、光学係合部(411)及び係合部(533)の一方は係合凸部411であり、他方は係合凸部411と係合可能な係合凹部533である構成では、光学係合部(411)及び係合部(533)を凹凸係合(或いは嵌合)により位置決めすることができる。
【0091】
また、光学部材4,4Aが第二基準面S2側に第二レンズ面43を有し、光学係合部(432,434)が第二被当接部431を含む第二レンズ面43に設けられ、係合部(545,546)が第二位置決め部54に設けられる構成について説明した。これにより、第二レンズ面43側において、X軸方向位置及びZ軸方向位置(前述の(2)左右方向位置及び(1)高さ方向位置)の位置決めをし、Y軸周りの角度θy位置について精度よく位置決めすることができる。
【0092】
また、第二レンズ面43はシリンドリカル面状に形成することにより、第二レンズ面43を透過する光を一方向の成分に対して集光させることができる。
【0093】
また、第二位置決め部54はリブ状の第二当接部542が立設する内面541を有し、係合部(545,546)が内面541に設けられる構成について説明した。これにより、光学部材4,4Aを第二当接部542側に押し当てることで容易にY軸周りの角度θy位置について位置決めすることができる。
【0094】
また、光学係合部(432)及び係合部(545)の一方は、第一軸周り方向の両側に規制内縁545aを有する係合凹部545であり、他方は、係合凹部545と係合可能な係合凸部432である。従って、光学部材4を第二位置決め部54側に取り付けて、Y軸周りの角度θy位置やZ軸方向の位置についても容易に位置決めすることができる。
【0095】
また、係合部(546)は、第一軸と平行な当接面を546a有し、光学係合部(434)は、当接面546aと当接可能な平坦面状の被当接面434aを有する。当接面を546aと被当接面434aを面当接させているため、精度よく位置決めすることができる。
【0096】
また、光学係合部(432,434,411)及び係合部(545,546,533)は第一基準面S1及び第二基準面S2上における光路の有効領域A1,A2外に設けられ、第一被当接部41は第一基準面S1上における光路の有効領域A1外に設けられ、第二被当接部431は第二基準面S2上における光路の有効領域A2外に設けられる構成とした。また、第一位置決め部53は有効領域A1の光を透過させる第一光路部532を有し、第二位置決め部54は有効領域A2の光を透過させる第二光路部543を有する構成とした。従って、光学部材4,4A,4Bを透光する光を阻害することなく光学部材4,4A,4Bを保持部材5,5A,5Bに対して位置決め固定することができる。
【0097】
また、光源(本実施形態では励起光照射装置70)と、光源から出射された光L1が入射される光学部材4,4A,4Bと、光学部材4,4A,4Bを支持する上述の保持部材5,5A,5Bとを備える光源装置60及び投影装置10は、保持部材5,5A,5Bが光学部材4,4A,4Bを高精度に安定して位置決め可能であるため、筐体に振動等が加えられても光学部材4,4A,4Bの位置ずれを防止することができる。また、光学部材4,4A,4Bを複数の光学機能を有する構成とすることで光学部材の数を減らすこともでき、光源装置60及び投影装置10は全体を小型化することができる。
【0098】
また、上述の保持部材5,5A,5Bによる光学部材4,4A,4Bの保持方法は、光学係合部(432,434,411)と係合部(545,546,533)との係合により光学部材4,4A,4Bの第一軸周りの角度位置を位置決めする構成とした。これにより、光学部材4,4A,4Bは、保持部材5,5A,5Bに対して、(4)正面角度位置(Y軸周りの角度θy位置)について安定して固定される。従って、保持部材5,5A,5Bは、光学部材4,4A,4Bを、第一軸の他の軸方向位置及び軸周りの角度位置を位置決めして、高精度に位置決めすることができる。
【0099】
なお、以上説明した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0100】
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 光学部材の光学係合部を備え、
前記光学係合部と係合して第一軸周りの角度位置を位置決めする係合部
を備えることを特徴とする保持部材。
[2] 前記光学部材は、第一基準面側に形成された平坦状の第一被当接部と、前記第一基準面と交差する第二基準面側に形成された曲面状の第二被当接部と、を備え、
前記第一被当接部の第一軸方向位置を位置決めする第一当接部を含む第一位置決め部と、
前記第二被当接部の前記第一軸方向と互いに交差する第二軸方向位置及び第三軸方向位置を位置決めする第二当接部を含む第二位置決め部と、
を備えることを特徴とする前記[1]に記載の保持部材。
[3] 前記光学部材は、前記第一基準面側に第一レンズ面を有し、
前記光学係合部は、前記第一レンズ面に並設される前記第一被当接部に設けられ、
前記係合部は、前記第一当接部に設けられる、
ことを特徴とする前記[2]に記載の保持部材。
[4] 前記光学係合部及び前記係合部は複数設けられ、
前記第一レンズ面は、複数の前記光学係合部の間に配置される、
ことを特徴とする前記[3]に記載の保持部材。
[5] 前記光学係合部及び前記係合部の一方は、係合凸部であり、他方は前記係合凸部と係合可能な係合凹部である、ことを特徴とする前記[2]乃至前記[4]の何れかに記載の保持部材。
[6] 前記光学部材は、前記第二基準面側に第二レンズ面を有し、
前記光学係合部は、前記第二被当接部を含む前記第二レンズ面に設けられ、
前記係合部は、前記第二位置決め部に設けられる、
ことを特徴とする前記[2]に記載の保持部材。
[7] 前記第二レンズ面は、シリンドリカル面状に形成されることを特徴とする前記[6]に記載の保持部材。
[8] 前記第二位置決め部は、リブ状の前記第二当接部が立設する内面を有し、
前記係合部は、前記内面に設けられる、
ことを特徴とする前記[2]、[6]、[7]の何れかに記載の保持部材。
[9] 前記光学係合部及び前記係合部の一方は、前記第一軸周り方向の両側に規制内縁を有する係合凹部であり、他方は、前記係合凹部と係合可能な係合凸部である、
ことを特徴とする前記[2]、[6]、[7]、[8]の何れかに記載の保持部材。
[10] 前記係合部は、前記第一軸と平行な当接面を有し、
前記光学係合部は、前記当接面と当接可能な平坦面状の被当接面を有する、
ことを特徴とする前記[2]、[6]、[7]、[8]、[9]の何れかに記載の保持部材。
[11] 前記光学係合部及び前記係合部は、前記第一基準面及び前記第二基準面上における光路の有効領域外に設けられ、
前記第一被当接部は、前記第一基準面上における光路の有効領域外に設けられ、
前記第二被当接部は、前記第二基準面上における光路の有効領域外に設けられ、
前記第一位置決め部は、前記第一基準面上における有効領域の光を透過させる第一光路部を有し、
前記第二位置決め部は、前記第二基準面上における有効領域の光を透過させる第二光路部を有する、
ことを特徴とする前記[2]乃至前記[10]の何れかに記載の保持部材。
[12] 光源と、前記光源から出射された光が入射される光学部材と、前記光学部材を支持する保持部材とを備え、
前記光学部材は、光学係合部を備え、
前記保持部材は、前記光学係合部と係合して第一軸周りの角度位置を位置決めする係合部を備える、
ことを特徴とする光源装置。
[13] 前記[12]に記載の光源装置と、
前記光源装置からの光源光が照射され、画像光を形成する表示素子と、
前記表示素子から出射された前記画像光をスクリーンに投影する投影光学系と、
前記表示素子と前記光源装置を制御する制御部と、
を有することを特徴とする投影装置。
[14] 保持部材による光学部材の保持方法であって、
前記光学部材は、光学係合部を備え、
前記保持部材は、前記光学係合部と係合可能な係合部を備え、
前記光学係合部と前記係合部との係合により前記光学部材の第一軸周りの角度位置を位置決めする、
ことを特徴とする保持方法。
【符号の説明】
【0101】
4,4A,4B 光学部材 5,5A,5B 保持部材
6 固定部材 10 投影装置
12 正面パネル 13 背面パネル
14 右側パネル 15 左側パネル
21 入出力コネクタ部 22 入出力インターフェース
23 画像変換部 24 表示エンコーダ
25 ビデオRAM 26 表示駆動部
27 表示素子 28 光源制御回路
29 レンズモータ 31 画像圧縮/伸長部
32 メモリカード 33 冷却ファン駆動制御回路
34 音声処理部 35 Ir受信部
36 Ir処理部 37 キー/インジケータ部
38 制御部 39 スピーカ
41 第一被当接部 42 第一レンズ面
43 第二レンズ面 44 側面部
45 反射面 46 平坦面
47 平坦面 51 レンズ保持部
52 レンズ保持部 53 第一位置決め部
54 第二位置決め部 55 固定部
56 固定部 57 収容部
58 レンズ保持部 60 光源装置
61 取付部 62 押圧部
63 螺子 70 励起光照射装置
71 青色レーザダイオード 73 コリメータレンズ
75 反射ミラー群 80 緑色光源装置
81 ヒートシンク 100 蛍光ホイール装置
101 蛍光ホイール 102 基材
102a 表面 110 モータ
111 集光レンズ群 112 開口部
120 赤色光源装置 121 赤色発光ダイオード
125 集光レンズ群 130 ヒートシンク
140 導光光学系 141 第一ダイクロイックミラー
145 反射ミラー 146 集光レンズ
147 集光レンズ 148 第二ダイクロイックミラー
149 集光レンズ 170 光源側光学系
173 集光レンズ 175 導光装置
178 集光レンズ 181 光軸変換ミラー
183 集光レンズ 185 照射ミラー
190 ヒートシンク 195 コンデンサレンズ
220 投影光学系 225 固定レンズ群
235 可動レンズ群 261 冷却ファン
310 蛍光発光領域 320 透過領域
411 係合凸部(光学係合部) 431 第二被当接部
432 係合凸部(光学係合部) 432a 外周縁部
433 角部 434 係合凹部(光学係合部)
434a 被当接面 434b 段部
511 開口部 521 上板
522 下板 531 第一当接部
532 第一光路部 533 係合凹部(係合部)
533a 係合凹部 533b 係合凹部
541 内面 542 第二当接部
542a 当接面 543 第二光路部
544 端部 545 係合凹部(係合部)
545a 規制内縁 546 係合凸部(係合部)
546a 当接面 591 位置決め突起
592 雌螺子部 611 位置決め用孔
612 位置決め用孔 613 螺子用孔
621 当接部
A1,A2 有効領域 D1 調整方向
G 接着剤 L1 光
S 照射領域 S1 第一基準面
S2 第二基準面 S3 第三基準面
S4 曲面 SB システムバス
X1 中心軸 Y1 中心軸
Y2 軸 θx 角度
θy 角度 θy1 角度
θz 角度