(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】内燃機関の制御装置
(51)【国際特許分類】
F01N 3/023 20060101AFI20241210BHJP
F02D 45/00 20060101ALI20241210BHJP
B01D 46/42 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
F01N3/023 Z ZAB
F02D45/00 345
B01D46/42 A
(21)【出願番号】P 2020203119
(22)【出願日】2020-12-08
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004370
【氏名又は名称】弁理士法人片山特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 仁己
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-167618(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0340784(US,A1)
【文献】特開2015-121098(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00-46/90
B60K 35/00-35/90
B60W 10/06
F01N 3/01、 3/02-3/038
F02D 43/00-45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気中の粒子状物質を捕集するフィルタを排気通路に有する内燃機関の制御装置であって、
前記制御装置は、
前記粒子状物質の堆積量が前記堆積量の過堆積状態を判定する第1閾値より小さな第2閾値より大きい場合であり、かつ、前記内燃機関を搭載する車両の停車中であって、前記制御装置の起動後に走行を表す車速の履歴がない所定の車両状態である場合に、前記フィルタの再生処理を実行するか否かの選択を通知
し、前記堆積量が増加するほど、前記選択の通知頻度を増やす、
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
排気系に粒子状物質を除去するフィルタを有するエンジンと、エンジンを制御する制御装置と、を備える自動車が知られている。制御装置は、燃費と乗り心地の両立を図る第1モードとエンジンを所定負荷よりも高い負荷で駆動させる第2モードとを含む複数のモードのうち選択されたモードにより走行するようにエンジンを制御する。
【0003】
また、制御装置はフィルタにおける粒子状物質の堆積量が閾値以上のときに、第2モードによる走行が推奨されることを運転者に報知する。この報知に対して運転者が第2モードを選択すると、フィルタの再生処理のためにエンジンを高負荷で駆動させても、運転者に与える違和感を抑制することができる(以上、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、第2モードによる走行の推奨を車両の走行中に運転者に報知すれば、不安定な運転状態(例えば脇見運転等)を誘発するおそれがある。また、車両の停車中であっても、目的地到着といった走行終了後の停車であれば、停車後に制御装置が停止することによって再生処理が途中で終了する可能性もある。
【0006】
そこで、本発明では、走行中におけるフィルタの再生処理の選択操作と再生処理中の制御装置の停止を回避することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る内燃機関の制御装置は、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタを排気通路に有する内燃機関の制御装置であって、前記制御装置は、前記粒子状物質の堆積量が前記堆積量の過堆積状態を判定する第1閾値より小さな第2閾値より大きい場合であり、かつ、前記内燃機関を搭載する車両の停車中であって、前記制御装置の起動後に走行を表す車速の履歴がない所定の車両状態である場合に、前記フィルタの再生処理を実行するか否かの選択を通知し、前記堆積量が増加するほど、前記選択の通知頻度を増やす。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、走行中におけるフィルタの再生処理の選択操作と再生処理中の制御装置の停止を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は車両の構成の概略を示す構成図である。
【
図2】
図2はHVECUが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3(a)は走行距離とPM堆積量の関係を示すグラフである。
図3(b)はディスプレイに表示される選択通知の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1に示すように、HV(Hybrid Vehicle:ハイブリッド自動車)を表す車両20は、内燃機関としてのエンジン22と、エンジンECU(Electronic Control Unit)24と、プラネタリギヤ30と、を備える。また、車両20は、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、モータECU40と、バッテリ50と、バッテリECU52と、昇圧コンバータ56と、HVECU70と、を備える。少なくともエンジンECU24とHVECU70によって制御装置としての車両システムが構成される。車両20は、HV走行モードや電動走行(EV走行)モードで走行する。HV走行モードはエンジン22の動作を伴って走行するモードである。EV走行モードはエンジン22の動作を伴わずに走行するモードである。なお、車両20は、HVに限定されず、モータMG1,MG2やモータECU40を備えないガソリン自動車やディーゼル自動車であってもよい。
【0012】
エンジンECU24、モータECU40、バッテリECU52、及びHVECU70はいずれもCPU(Central Processing Unit)を中心とするマイクロプロセッサとして構成されている。これらの各ECUは、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)やデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、入力ポート、出力ポート、通信ポートなどを備える。
【0013】
エンジン22はガソリンや軽油などを燃料として動力を出力する。エンジン22はエンジンECU24により制御される。エンジン22の排気通路には、排気浄化装置23とPMフィルタ25が取り付けられている。排気浄化装置23には、排気中の未燃焼燃料や窒素酸化物を除去する触媒23aが充填されている。PMフィルタ25はセラミックスやステンレスなどにより多孔質フィルタとして形成されている。PMフィルタ25は煤などの粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集又は除去(以下、単に捕集という)する。なお、PMフィルタ25はエンジン22がガソリンを燃料としているときにはGPF(Gasoline Particulate Filter)と称される。一方、エンジン22が軽油を燃料としているときにはPMフィルタ25はDPF(Diesel Particulate Filter)と称される。
【0014】
エンジンECU24には、エンジン22の動作を制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。各種センサからの信号としては、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサからのクランクポジション、排気通路の排気浄化装置23の上流側に取り付けられた空燃比センサ23bからの空燃比、排気浄化装置23の下流側に取り付けられた酸素センサ23cからの酸素信号などを挙げることができる。
【0015】
また、各種センサからの信号としては、PMフィルタ25の上流側に取り付けられた第1圧力センサ25aからの第1圧力、及びPMフィルタ25の下流側に取り付けられた第2圧力センサ25bからの第2圧力も挙げることができる。第1圧力及び第2圧力がエンジンECU24に入力された場合には、エンジンECU24はPM堆積量Qpmを算出する。具体的には、エンジンECU24は、入力された第1圧力と第2圧力の差圧に基づいて、PMフィルタ25に捕集された粒子状物質の推定される堆積量としてのPM堆積量Qpmを算出する。その他、エンジンECU24はエンジン22の運転状態に基づいてPMフィルタ25の推定温度としてのフィルタ温度を算出する。
【0016】
一方、エンジンECU24は出力ポートを介してエンジン22の動作を制御するための種々の制御信号を出力する。種々の制御信号としては、例えば、燃料噴射弁への駆動信号や、スロットルバルブのポジションを調節するスロットルモータへの駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイルへの制御信号を挙げることができる。エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。エンジンECU24は、HVECU70からの制御信号によりエンジン22の動作を制御する。また、エンジンECU24は、必要に応じてエンジン22の動作状態に関するデータをHVECU70に出力する。
【0017】
プラネタリギヤ30はシングルピニオン式の遊星歯車機構として構成されている。プラネタリギヤ30のサンギヤ,リングギヤ,キャリアには、モータMG1の回転子、駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36、エンジン22のクランクシャフト26がそれぞれ接続されている。
【0018】
モータMG1は、永久磁石が埋め込まれた回転子と三相コイルが巻回された固定子を備える周知の同期発電電動機として構成されており、回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されている。モータMG2は、モータMG1と同様に同期発電電動機として構成されており、回転子が駆動軸36に接続されている。モータMG1,MG2は、モータECU40によってインバータ41,42を制御することにより駆動する。
【0019】
インバータ41,42は駆動電圧系電力ライン54aによって昇圧コンバータ56に接続されている。駆動電圧系電力ライン54aには、平滑用の平滑コンデンサ57と放電用の放電抵抗58とが並列に接続されている。昇圧コンバータ56は電池電圧系電力ライン54bによってバッテリ50及びSMR(System Main Relay)55に接続されている。SMR55は電池電圧系電力ライン54bのバッテリ50の出力端子側に取り付けられている。電池電圧系電力ライン54bの昇圧コンバータ56側には平滑用のフィルタコンデンサ59が接続されている。
【0020】
モータECU40には、モータMG1,MG2の駆動を制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置などが入力ポートを介して入力されている。また、モータECU40には、平滑コンデンサ57の端子間に取り付けられた電圧センサからの平滑コンデンサ57の電圧である駆動電圧系電圧や、フィルタコンデンサ59の端子間に取り付けられた電圧センサからのフィルタコンデンサ59の電圧である電池電圧系電圧なども入力されている。
【0021】
モータECU40は、出力ポートを介してインバータ41,42や昇圧コンバータ56を駆動するための制御信号などを出力する。また、モータECU40は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2の駆動を制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。
【0022】
バッテリ50は例えばリチウムイオン二次電池を含んでいる。バッテリ50はインバータ41,42を介してモータMG1,MG2に電力のやりとりをする。バッテリECU52はバッテリ50を管理する。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号が入力ポートを介して入力されている。例えば、バッテリECU52には、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサからの電池電圧や、バッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた電流センサからの電池電流などが入力されている。
【0023】
バッテリECU52はHVECU70と通信しており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりHVECU70に送信する。バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために、例えば電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいてそのときのバッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量に対する割合である蓄電割合などを算出する。
【0024】
HVECU70には、駆動制御などに必要な各種信号、例えば、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号や、シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションが入力されている。また、HVECU70には、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションなども入力されている。さらに、HVECU70には、車速センサ88からの車速や、運転席近傍に取り付けられたモードスイッチ89からのモードスイッチ信号などが入力ポートを介して入力されている。なお、モードスイッチ89は、例えば、エンジン22を所定負荷で運転する通常モードや、乗り心地をある程度損なっても燃費を重視するエコモード、パワフルなスポーツ走行を楽しめるスポーツモードなどをトグルにより切り替えるスイッチである。
【0025】
HVECU70は、出力ポートを介してSMR55への駆動信号や、運転席の前方のインストールパネルに取り付けられたディスプレイ90への表示信号などの制御信号を出力する。ディスプレイ90はタッチパネルを備えていてもよい。HVECU70は、上述したように、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52と各種の制御信号やデータのやりとりを行なっている。したがって、HVECU70はエンジンECU24を介してエンジン22を間接的に制御することができる。
【0026】
次に、
図2並びに
図3(a)及び(b)を参照して、HVECU70が実行する処理について説明する。HVECU70は、車両システムが起動している間、車両20の走行及び停車に関わらず、定期的に(例えば1秒周期など)各種の処理を実行する。なお、
図3(a)に示すように、PM堆積量Qpmは走行距離に応じて増加する傾向がある。
【0027】
まず、HVECU70はPM堆積量Qpmを取得する(ステップS1)。上述したように、PM堆積量QpmはエンジンECU24によって算出されているため、HVECU70はエンジンECU24からPM堆積量Qpmを取得することができる。PM堆積量Qpmを取得すると、次に、HVECU70はPM堆積量Qpmが第1閾値より大きいか否かを判断する(ステップS2)。第1閾値はPM堆積量Qpmが過堆積状態であるか否かを判定する閾値である。
【0028】
図3(a)に示すように、PM堆積量Qpmが第1閾値より大きい場合(ステップS2:YES)、HVECU70は修理や整備などを取り扱う業者(例えばディーラーなど)への入庫を促す入庫通知を表示する(ステップS3)。具体的には、HVECU70は入庫通知を表す表示信号を生成し、生成した表示信号をディスプレイ90に出力する。これにより、ディスプレイ90に入庫通知が出現する。HVECU70は入庫通知を表示すると、処理を終了する。
【0029】
一方、PM堆積量Qpmが第1閾値以下である場合(ステップS2:NO)、HVECU70はPM堆積量Qpmが第2閾値より大きいか否かを判断する(ステップS4)。第2閾値はPMフィルタ25の再生処理を運転者に推奨するか否かを判定する閾値である。第2閾値には、PM堆積量Qpmが過堆積状態でないため、上述した第1閾値より小さい値が採用される。
【0030】
ここで、
図3(a)に示すように、PM堆積量Qpmが第2閾値以下の場合(ステップS4:NO)、HVECU70は処理を終了する。一方、PM堆積量Qpmが第2閾値より大きい場合(ステップS4:YES)、HVECU70は所定の車両状態であるか否かを判断する(ステップS5)。ここで、所定の車両状態とは、車両20の停車中であって、例えばエンジンECU24やHVECU70などを含む車両システムの起動後に走行を表す車速の履歴がない車両状態をいう。車両システムが起動してから停止するまでを1つの行程とした場合に、車両20が走行開始前であって、その行程における車両システム起動直後と言い換えてもよい。
【0031】
ここで、上述したように、HVECU70には車速が入力されているため、入力された車速に基づいて車両20が停車中であるか否かを判断することができる。本実施形態に係る停車には、車速が時速0(ゼロ)kmを表す完全停車だけでなく、車速の絶対値が停車に相当する時速(例えば時速5kmや時速3kmなど)も含まれる。したがって、HVECU70は本実施形態に係る停車に該当しなければ、車両20が走行状態にあると判断することができる。
【0032】
また、HVECU70は入力された車速の履歴を管理する。例えば交通信号機や標識、踏切、渋滞等によって車両20が一時的に停車した場合、HVECU70は車両20が停車状態にあると判断するが、走行を表す車速(例えば時速10kmや30kmなど)の履歴があることにより、目的地に向けた走行が既に開始された走行開始後を特定することができる。したがって、HVECU70は車両20が停車状態にあると判断しても、車速の履歴がなければ、目的地に向けた走行がまだ開始されていない走行開始前を特定することができる。
【0033】
ここで、所定の車両状態でないと判断した場合(ステップS5:NO)、HVECU70は処理を終了する。一方、所定の車両状態であると判断した場合(ステップS5:YES)、HVECU70はPMフィルタ25の再生処理を実行するか否かの選択操作を運転者に求める選択通知を表示する(ステップS6)。具体的には、HVECU70は選択通知を表す表示信号を生成し、生成した表示信号をディスプレイ90に出力する。これにより、
図3(b)に示すように、ディスプレイ90に選択通知が出現する。
【0034】
選択通知は車両20の走行開始前の停車中に出現するため、脇見運転といった不安定な運転状態を運転者に誘発するおそれがない。また、走行終了後の停車でなく、走行開始前の停車であるため、車両システムが停止する可能性はない。したがって、再生処理が途中で終了する可能性がない。このように、本実施形態に係るHVECU70であれば、走行中におけるPMフィルタ25の再生処理の選択操作と再生処理中の車両システムの停止を回避することができる。運転者はPMフィルタ25の再生処理を希望する場合、選択通知に含まれる肯定的な文字列「はい」を選択し、再生処理を拒否する場合、選択通知に含まれる否定的な文字列「いいえ」を選択する操作を行う。
【0035】
なお、肯定的な文字列が選択された場合、HVECU70はエンジンECU24に再生処理を要求する制御信号を出力して処理を終了する。エンジンECU24はHVECU70から再生処理を要求する制御信号を受信すると、昇温制御を実行する。具体的には、エンジンECU24は、PMフィルタ25の温度の上昇を促進する。そして、エンジンECU24は、PMフィルタ25の温度が再生可能温度(例えば600℃)以上に至ったときに、空燃比をリーンとしたり燃料カットを行なったりして空気をPMフィルタ25に供給してPMフィルタ25に堆積した粒子状物質を燃焼する。一方、否定的な文字列が選択された場合、HVECU70は再生処理を要求する制御信号を出力せずに処理を終了する。
【0036】
以上、本実施形態に係るエンジン22は排気通路に排気中の粒子状物質を捕集するPMフィルタ25を備えている。特に、エンジンECU24を介してエンジン22を制御するHVECU70は、エンジン22を搭載する車両20の停車中であって、HVECU70等の起動後に走行を表す車速の履歴がない所定の車両状態である場合に選択通知を表示する。この選択通知はPMフィルタ25の再生処理を実行するか否かの選択を運転者に求める通知である。これにより、走行中におけるPMフィルタ25の再生処理の選択操作と再生処理中の車両システムの停止を回避することができる。
【0037】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0038】
例えば、上述した実施形態では、第1閾値と第2閾値を用いて説明したが、
図3(a)に示すように、第3閾値や第4閾値といった複数の閾値を設定し、PM堆積量に応じて通知頻度を変更するようにしてもよい。具体的には、HVECU70は行程回数を計数し、第2閾値から第3閾値の間では走行開始前の3回に1回の割合で選択通知を表示し、第3閾値から第4閾値の間では走行開始前に毎回選択通知を表示してもよい。さらに、第4閾値から第1閾値の間では走行履歴の有無に関わらず車両20が停車する度に選択通知を表示してもよい。このように、PM堆積量が増加するほど、選択通知の表示頻度を増やすようにしてもよい。
【0039】
その他、上述した実施形態ではディスプレイ90に選択通知を表示したが、選択通知に相当する音声を出力してもよく、また、運転者の音声によって再生処理の実行を選択させてもよい。
【符号の説明】
【0040】
20 車両
22 エンジン(内燃機関)
24 エンジンECU(制御装置)
25 PMフィルタ(フィルタ)
70 HVECU(制御装置)
88 車速センサ