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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】情報提案装置、および情報提案方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241210BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020212723
(22)【出願日】2020-12-22
(65)【公開番号】P2022099002
(43)【公開日】2022-07-04
【審査請求日】2023-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 優花
(72)【発明者】
【氏名】二村 龍太郎
(72)【発明者】
【氏名】大橋 康平
(72)【発明者】
【氏名】園部 理沙
(72)【発明者】
【氏名】望月 琴未
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-508807(JP,A)
【文献】国際公開第2016/080038(WO,A1)
【文献】特開2020-197891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス提供者が提供可能なサービスに関する情報を含むサービス提供者情報と、ユーザが受けることを所望するサービスの条件に関する条件情報を取得する取得部と、
前記条件情報と、前記サービス提供者情報とのマッチング処理を行う処理部と、
前記マッチング処理の結果に基づいて、前記ユーザが選択すべき前記サービス提供者および前記サービスに関する情報を算出する算出部と、
を備え、
前記サービス提供者情報は、前記サービス提供者が観光客に対して提供できる体験に関する情報を含む、
情報提案装置。
【請求項2】
前記サービス提供者情報は、前記サービス提供者が前記観光客に対して提供できるサービスおよび体験の種類に関する情報である、前記サービス提供者のスキルに関する情報を含み、
前記処理部は、前記サービス提供者のスキルに関する情報に基づいて、前記条件情報と、前記サービス提供者情報とのマッチング処理を行う、
請求項1に記載の情報提案装置。
【請求項3】
前記サービス提供者情報は、前記サービス提供者が観光客に提供できるサービスおよび体験における前記サービス提供者と前記観光客の関わりの深さである、前記サービス提供者の対応可能なコミュニケーションの深さに関する情報を含み、
前記処理部は、前記サービス提供者の対応可能なコミュニケーションの深さに関する情報に基づいて、前記条件情報と、前記サービス提供者情報とのマッチング処理を行う、
請求項1または2に記載の情報提案装置。
【請求項4】
前記マッチング処理の結果に基づいて、複数のプランを生成するプラン生成部を備え、
前記算出部は、前記プラン生成部が生成した複数のプランを可視化して提示する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報提案装置。
【請求項5】
前記プラン生成部は、前記サービス提供者の対応可能なコミュニケーションの深さに応じたプランを生成する、
請求項4に記載の情報提案装置。
【請求項6】
サービス提供者が提供可能なサービスに関する情報を含むサービス提供者情報と、ユーザが受けることを所望するサービスの条件に関する条件情報を取得するステップと、
前記条件情報と、前記サービス提供者情報とのマッチング処理を行うステップと、
前記マッチング処理の結果に基づいて、前記ユーザが選択すべき前記サービス提供者および前記サービスに関する情報を算出するステップと、
を含み、
前記サービス提供者情報は、前記サービス提供者が観光客に対して提供できる体験に関する情報を含む、
情報提案方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提案装置、および情報提案方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、観光地でタクシーなどを相乗りで予約する際に、快適な相乗り相手を自動選択することができる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-18697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、観光で地方を訪れた場合、地域によっては移動手段が少ない地域もある。そこで、観光先の地域の住民が観光客に対して、地方や住民の資産を生かしたMaas(Mobility as a Service)を提供することが提案されている。この際、住民により提供できるサービスや、観光客が受けたいと考えるサービスは異なる。そこで、地域の住民が提供できるサービスと、観光客が受けたいと考えるサービスとのマッチング処理を行うことが望ましい。
【0005】
本発明は、サービスを提供するサービス提供者と、サービスを受ける観光客などとのマッチング処理を行うことのできる情報提案装置、情報提案方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報提案装置は、サービス提供者が提供可能なサービスに関する情報を含むサービス提供者情報と、ユーザが受けることを所望するサービスの条件に関する条件情報を取得する取得部と、前記条件情報と、前記サービス提供者情報とのマッチング処理を行う処理部と、前記マッチング処理の結果に基づいて、前記ユーザが選択すべき前記サービス提供者および前記サービスに関する情報を算出する算出部と、を備える。
【0007】
本発明に係る情報提案方法は、サービス提供者が提供可能なサービスに関する情報を含むサービス提供者情報と、ユーザが受けることを所望するサービスの条件に関する条件情報を取得するステップと、前記条件情報と、前記サービス提供者情報とのマッチング処理を行うステップと、前記マッチング処理の結果に基づいて、前記ユーザが選択すべき前記サービス提供者および前記サービスに関する情報を算出するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、サービスを提供するサービス提供者と、サービスを受ける観光客などとのマッチング処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る情報提案システムの構成例を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係る情報提案装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係る記憶処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4図4は、第1実施形態に係るサービス提供者情報を説明するための図である。
図5図5は、第1実施形態に係る算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6図6は、第1実施形態に係る条件情報を説明するための図である。
図7図7は、第1実施形態に係るマッチング処理を説明するための図である。
図8図8は、提示情報の一例を説明するための図である。
図9図9は、第2実施形態に係る情報提案装置の構成例を示すブロック図である。
図10図10は、第2実施形態に係る算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11図11は、第2実施形態に係る複数の体験プランを生成する方法を説明するための図である。
図12図12は、第3実施形態に係る情報提案装置の構成例を示すブロック図である。
図13図13は、第3実施形態に係るサービス提供者のスキルを算出する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図14図14は、第4実施形態に係る情報提案装置の構成例を示すブロック図である。
図15図15は、第4実施形態に係るサービス提供者のスキルを算出する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図16図16は、第5実施形態に係る情報提案装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0011】
[第1実施形態]
図1を用いて、第1実施形態に係る情報提案システムについて説明する。図1は、第1実施形態に係る情報提案システムの構成例を示す図である。
【0012】
図1に示すように、情報提案システム10は、情報提案装置12と、複数のサービス提供者端末14と、複数のユーザ端末16と、を含む。情報提案装置12と、複数のサービス提供者端末14とは、ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。情報提案装置12と、複数のユーザ端末16とは、ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。情報提案システム10は、観光客が観光地で希望するサービスの条件に関する条件情報と、観光地のサービス事業者が提供できるサービスに関するサービス提供者情報とのマッチング処理を行うシステムである。情報提案システム10は、マッチングの結果に基づいて、観光客に対して、条件に合ったサービス提供者およびサービスの内容を提示する。
【0013】
サービス提供者端末14は、観光地などでサービスを提供するサービス提供者により使用される端末装置である。サービス提供者は、例えば、観光地に対して各種の移動手段を観光客に対して提供する。サービス提供者は、例えば、自らが自家用車、軽トラックなどを運転して、観光客などを送迎する。サービス提供者は、例えば、観光地に居住する住民であり得る。サービス提供者は、観光客などに提供できる移動手段を含むサービス提供者情報を、サービス提供者端末14に入力する。サービス提供者端末14は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)などであるが、これらに限定されない。サービス提供者端末14は、その他の通信装置であってもよい。
【0014】
サービス提供者は、サービス提供者情報として、例えば、スケジュール、資産、移動手段、スキル、および観光客に対して対応可能なコミュニケーションの深さに関する情報を含むサービス提供者情報をサービス提供者端末14に入力する。
【0015】
スケジュールに関する情報には、サービス提供者の時間、日、週、および月ごとなどのスケジュールに関する情報を含み得る。
【0016】
資産に関する情報には、サービス提供者の資産に関する情報が含まれる。資産は、家および土地などであるが、これに限定されない。
【0017】
移動手段に関する情報には、サービス提供者が所有する移動手段に関する情報を含み得る。移動手段は、普通自動車、二人乗り可能なバイク、軽トラックなどである。例えば、サービス提供者が農業などを行っていれば、移動手段にはトラクターなどが含まれてもよい。例えば、サービス提供者が漁業などを行っていれば、移動手段には漁船などが含まれてもよい。
【0018】
スキルに関する情報には、サービス提供者の各種の知識および技能に関する情報が含まれ得る。スキルに関する情報には、例えば、サービス提供者が観光客に対して提供できる体験に関する情報が含まれ得る。具体的には、スキルに関する情報には、観光客に農業を体験させてあげることが可能であったり、漁業を体験させてあげることが可能であったりすることを示す情報を含み得る。スキルに関する情報には、料理が得意であり、名産品を使った料理を提供できるなどの情報が含まれてもよい。
【0019】
コミュニケーションに関する情報には、観光客に対して、対応可能なコミュニケーションの深さに関する情報が含まれる。例えば、コミュニケーションに関する情報には、サービス提供者が所有する資産に関する情報が含まれ得る。例えば、サービス提供者が、宿泊可能な家や施設、土地を所有している場合には、家や施設に宿泊させてあげることが可能であることを示す情報や、土地を利用したイベントを開催することを示す情報が含まれる。なお、コミュニケーションに関する情報は、ディープ度情報と呼ばれることもある。
【0020】
本実施形態では、資産、移動手段、およびスキルに関する情報は、リソース情報と呼ばれることもある。
【0021】
サービス提供者端末14は、サービス提供者から受け付けたサービス提供者情報を、ネットワークNを介して、情報提案装置12に送信する。サービス提供者は、サービス提供者情報を、情報提案装置12に、直接入力してもよい。
【0022】
ユーザ端末16は、観光客などのユーザにより使用される端末装置である。ユーザは、サービス提供者から受けたいと所望するサービスの条件に関する条件情報を、ユーザ端末16に入力する。ユーザ端末16は、観光客などのユーザから受け付けた条件情報を、ネットワークNを介して、情報提案装置12に送信する。
【0023】
情報提案装置12は、サービス提供者端末14からサービスを提供するサービス提供者に関するサービス提供者情報を取得する。情報提案装置12は、ユーザ端末16から、サービス提供者から受けたいと所望するサービスの条件に関する条件情報をユーザ端末から取得する。情報提案装置12は、提供者情報と、条件情報とのマッチング処理を行うことで、ユーザが選択すべきサービス提供者およびサービス内容を算出する。情報提案装置12が算出したサービス提供者およびサービス内容は、ユーザが使用するユーザ端末16により提示される。
【0024】
[情報提案装置]
図2を用いて、第1実施形態に係る情報提案装置の構成例について説明する。図2は、第1実施形態に係る情報提案装置の構成例を示すブロック図である。
【0025】
図2に示すように、情報提案装置12は、入力部20と、表示部22と、記憶部24と、通信部26と、制御部28と、を備える。
【0026】
入力部20は、情報提案装置12に対する各種の操作を受け付ける入力装置である。入力部20は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチなどで実現され得る。
【0027】
表示部22は、各種情報を表示する。表示部22は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを含むディスプレイである。
【0028】
記憶部24は、制御部28の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0029】
通信部26は、情報提案装置12と、外部装置との間の通信を行う。通信部26は、例えば、情報提案装置12と、サービス提供者端末14との間の通信を行う。通信部26は、例えば、情報提案装置12と、ユーザ端末16との間の通信を行う。
【0030】
制御部28は、情報提案装置12の各部の動作を制御する。制御部28は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部24に記憶されたプログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。制御部28は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部28は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0031】
制御部28は、取得部30と、処理部32と、判定部34と、算出部36とを、備える。
【0032】
取得部30は、各種情報を取得する。取得部30は、例えば、サービス提供者端末14からサービス提供者に関するサービス提供者情報を取得する。取得部30は、例えば、ユーザ端末16からユーザが受けたいと所望するサービスの条件に関する条件情報を取得する。取得部30は、サービス提供者端末14から取得したサービス提供者情報を記憶部24に記憶する。
【0033】
処理部32は、各種情報の処理を行う。処理部32は、サービス提供者情報と、条件情報とのマッチング処理を行う。処理部32は、例えば、サービス提供者情報および条件情報のそれぞれのスケジュール、およびリソースなどの情報のマッチング処理を行い、条件情報に一致するサービス提供者を抽出する。処理部32は、例えば、サービス提供者情報と、条件情報との類似度を算出することで、サービス提供者情報と、条件情報とのマッチング処理を行う。
【0034】
処理部32は、例えば、サービス提供者情報に基づいて、サービス提供者のコミュニケーションの深さに関する情報を算出してもよい。コミュニケーションの深さは、ディープ度とも呼ばれ得る。処理部32は、例えば、サービス提供者が観光客などに提供できるサービスおよび体験などに基づいて、ディープ度を算出する。処理部32は、例えば、ディープ度を、浅い方から順に、「移動」、「おもてなし」、「案内」、「体験」、および「宿泊」などと算出し得る。処理部32は、例えば、SNS(Social Network Service)などの口コミに基づいて、ディープ度を算出してもよい。処理部32は、例えば、スケジュール、およびリソースなどの情報に基づいて抽出されたサービス提供者についてのみディープ度を算出するようにしてもよい。
【0035】
判定部34は、各種の情報を判定する。判定部34は、例えば、処理部32のマッチング処理結果およびディープ度の算出結果に基づいて、条件情報に合うサービス提供者情報を判定する。具体的には、判定部34は、例えば、処理部32により抽出されたサービス提供者のディープ度と、条件情報に含まれるディープ度とのマッチング処理を行う。
【0036】
算出部36は、各種の情報を算出する。算出部36は、例えば、判定部34の判定結果に基づいて、ユーザ端末16で提示すべきに情報を算出する。算出部36は、例えば、判定部34の判定結果に基づいて、条件情報に合うサービス提供者とサービス内容とを算出する。
【0037】
[記憶処理]
図3を用いて、第1実施形態に係るサービス提供者情報の記憶処理について説明する。図3は、第1実施形態に係る記憶処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0038】
まず、制御部28は、サービス提供者端末14から、サービス提供者情報を取得する(ステップS10)。具体的には、取得部30は、各サービス提供者のサービス提供者端末14からサービス提供者のスケジュール、移動手段、スキル、および観光客に対して対応可能なコミュニケーションの深さに関する情報を含むサービス提供者情報を取得する。そして、ステップS12に進む。
【0039】
制御部28は、サービス提供者端末14から取得したサービス提供者情報を記憶部24に記憶する(ステップS12)。具体的には、取得部30は、各サービス提供者のサービス提供者端末からサービス提供者情報を取得して、取得した各サービス提供者のサービス提供者情報を記憶部24に記憶する。
【0040】
図4を用いて、実施形態に係るサービス提供者情報を説明する。図4は、第1実施形態に係るサービス提供者情報を説明するための図である。
【0041】
図4は、記憶部24が記憶するサービス提供者情報24aを示す。サービス提供者情報24aは、例えば、「サービス提供者ID」、「リソース情報」、「スケジュール情報」、および「ディープ度情報」といった項目を含み得る。
【0042】
「サービス提供者ID」は、サービス提供者を個別に識別するための識別情報を示す。「サービス提供者ID」は、例えば、サービス提供者ID「SP1」およびサービス提供者ID「SP2」といった、サービス提供者を識別するための識別情報を有する。図3に示す例では、「サービス提供者ID」は、サービス提供者ID「SP1」およびサービス提供者ID「SP2」といった概念的な情報を示すが、実際には、サービス提供者の名前、年齢、性別などの具体的な情報が示される。「サービス提供者ID」は、サービス提供者の顔写真などの情報が含まれてよい。
【0043】
「リソース情報」は、サービス提供者が観光客(ユーザ)に提供することが可能なリソースに関する情報を示す。「リソース情報」は、リソース情報「R1」およびリソース情報「R2」といった、リソースに関する情報を有する。リソース情報「R1」は、サービス提供者ID「SP1」のサービス提供者のリソースに関する情報を示す。リソース「R2」は、サービス提供者ID「SP2」のサービス提供者のリソースに関する情報を示す。図3に示す例では、「リソース情報」は、リソース情報「R1」およびリソース情報「R2」といった概念的な情報を示すが、実際には、サービス提供者が所有している移動手段、スキル、家および土地などの資産に関する情報を含み得る。
【0044】
移動手段に関する情報は、観光客を車および徒歩などで、おすすめスポットを案内することが可能であることを示す情報を含み得る。例えば、移動手段に関する情報には、観光客に対してサービス提供者である農家の人が、自前の軽トラックで送迎可能であることを示す情報を含み得る。
【0045】
スキルに関する情報は、農家であることや、料理が得意であることを示す情報を含み得る。言い換えれば、スキルに関する情報は、観光客に農業を体験させたり、名産品を用いた料理を提供可能であったりする情報を含み得る。
【0046】
資産に関する情報は、家で宿泊が可能であることを示す情報を含み得る。
【0047】
「スケジュール情報」は、サービス提供者のスケジュールに関する情報を示す。「スケジュール情報」は、スケジュール情報「S1」およびスケジュール情報「S2」といった、スケジュールに関する情報を有する。スケジュール情報「S1」は、サービス提供者ID「SP1」のサービス提供者のスケジュールに関する情報を示す。スケジュール情報「S2」は、サービス提供者ID「SP2」のサービス提供者のスケジュールに関する情報を示す。図3に示す例では、「スケジュール情報」は、スケジュール情報「S1」およびスケジュール情報「S2」といった概念的な情報を示すが、実際には、サービス提供者の週ごと、または月ごとのスケジュールを含み得る。週ごと、または月ごとのスケジュールには、観光客に対してサービスを提供できる日時に関する情報を含み得る。週ごと、または月ごとのスケジュールには、観光客を軽トラックで送迎できる日時、農作物の収穫を体験できる日時、サービス提供者のおすすめスポットを一緒に歩いてくれる日時に関する情報を含み得る。
【0048】
「ディープ度情報」は、観光客などとの関わり合いの深さ(ディープ度)に関する情報を示す。「ディープ度情報」は、ディープ度情報「D1」およびディープ度情報「D2」といった、観光客などとの関わり合いの深さに関する情報を有する。ディープ度情報「D1」は、サービス提供者ID「SP1」のサービス提供者のディープ度に関する情報を示す。ディープ度情報「D2」は、サービス提供者ID「SP2」のサービス提供者のディープ度に関する情報を示す。図3に示す例では、「ディープ度情報」は、ディープ度情報「D1」およびディープ度情報「D2」といった概念的な情報を示すが、実際には、観光客に対して対応可能な関わり合いの深さに関する情報を示す。
【0049】
すなわち、「サービス提供者ID」には、「リソース情報」と、「スケジュール情報」と、「ディープ度情報」とが関連付けられている。「サービス提供者ID」に関連付けられている情報はこれらの情報に限定されず、その他の情報が関連付けられていてもよい。例えば、「サービス提供者ID」には、観光地における各エリアおよび施設への立ち寄り回数および立ち寄り時間などが関連付けられてもよい。後述するが、「サービス提供者ID」には、「地域スキル情報」および「コミュニケーションスキル情報」といった情報が関連付けられてもよい。
【0050】
[算出処理]
図5を用いて、第1実施形態に係る算出処理について説明する。図5は、第1実施形態に係る算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0051】
まず、制御部28は、観光客であるユーザが所望するサービスの条件情報を取得する(ステップS20)。具体的には、取得部30は、通信部26を介して、ユーザ端末16から条件情報を取得する。そして、ステップS22に進む。
【0052】
図6を用いて、第1実施形態に係る条件情報を説明する。図6は、第1実施形態に係る条件情報を説明するための図である。
【0053】
図6は、ユーザ端末16から取得した条件情報16aを示す。条件情報16aは、例えば、「ユーザID」、「リソース情報」、「スケジュール情報」、および「ディープ度情報」といった項目を含み得る。
【0054】
「ユーザID」は、観光客であるユーザを個別に識別するための識別情報を示す。「ユーザID」は、例えば、ユーザID「U1」といった、ユーザを識別するための識別情報を有する。図6に示す例では、「ユーザID」は、ユーザID「U1」といった概念的な情報を示すが、実際には、ユーザの名前などの具体的な情報が示される。
【0055】
「リソース情報」は、ユーザが観光先で提供を受けることを所望するリソースに関する情報を示す。「リソース情報」は、リソース情報「R11」といった、リソースに関する情報を有する。図6に示す例では、「リソース情報」は、リソース情報「R11」といった概念的な情報を示すが、実際には、ユーザが受けることを所望するリソースに関する情報を示す。例えば、「リソース情報」は、移動手段として「普通乗用車」などの情報を示す。
【0056】
「ディープ度情報」は、観光先でのサービス提供者との関わり合いの深さに関する情報を含む。「ディープ度情報」は、ディープ度情報「D11」といった、サービス提供者との関わり合いの深さに関する情報を有する。図6に示す例では、「ディープ度情報」は、ディープ度情報「D11」といった概念的な情報を示すが、実際には、サービス提供者から受けることを所望する具体的な情報を示す。
【0057】
すなわち、「ユーザID」には、「リソース情報」と、「スケジュール情報」と、「ディープ度情報」とが関連付けられている。「ユーザID」に関連付けられている情報はこれらの情報に限定されず、その他の情報が関連付けられていてもよい。後述するが、「ユーザID」には、「地域スキル情報」および「コミュニケーションスキル情報」といった情報が関連付けられてもよい。
【0058】
制御部28は、サービス提供者情報を取得する(ステップS22)。具体的には、取得部30は、記憶部24に記憶されているサービス提供者情報を取得する。そして、ステップS24に進む。
【0059】
制御部28は、マッチング処理を行う(ステップS24)。具体的には、処理部32は、ステップS20で取得された条件情報と、ステップS22で取得されたサービス提供者情報との類似度を算出することでマッチング処理を行う。より具体的には、処理部32は、条件情報およびサービス提供者情報に含まれる情報のうち、「リソース情報」および「スケジュール情報」のマッチング処理を行う。そして、ステップS26に進む。
【0060】
制御部28は、条件情報に合うサービス提供者情報があるか否かを判定する(ステップS26)。具体的には、判定部34は、条件情報およびサービス提供者情報に含まれる情報のうち、例えば「ディープ度情報」に基づいてマッチング処理を行い、ディープ度情報の類似度が所定値以上であるサービス提供者情報を条件情報に合う、サービス提供者情報であると判定する。
【0061】
図7を用いて、実施形態に係るディープ度の類似度を判定する方法について説明する。図7は、実施形態に係るディープ度の類似度を判定する方法を説明するための図である。
【0062】
図7に示すように、本実施形態では、例えば、対応可能なサービス内容に応じて、ディープ度のレベルが関連付けられている。ディープ度「DL1」のサービス内容は、例えば、「移動」である。ディープ度「DL2」のサービス内容は、例えば、「案内」である。ディープ度「DL3」のサービス内容は、例えば、「体験」である。ディープ度「DL4」のサービス内容は、例えば、「宿泊」である。
【0063】
判定部34は、例えば、ディープ度が隣接しているサービス内容を類似していると判定する。判定部34は、例えば、条件情報に含まれるディープ度情報がディープ度「DL2」の「案内」である場合、サービス提供者情報にディープ度「DL1」の「移動」と、ディープ度「DL3」の「体験」とが含まれている場合、条件情報とサービス提供者情報との類似度は所定以上であると判定する。すなわち、判定部34は、例えば、サービス提供者情報にディープ度「DL1」の「移動」と、ディープ度「DL2」の「案内」と、ディープ度「DL3」の「体験」とのいずれかが含まれているサービス提供者がマッチしていると判定する。この場合に、判定部34は、条件情報に合うサービス提供者情報があると判定する。
【0064】
判定部34は、条件情報のディープ度と、サービス提供者情報のディープ度とが一致している場合に、条件情報に合うサービス提供者情報があると判定してもよい。判定部34は、例えば、条件情報のディープ度がディープ度「DL2」の「案内」である場合、サービス提供情報のディープ度がディープ度「DL2」の「案内」である場合に、条件情報に合うサービス提供者情報があると判定してもよい。
【0065】
判定部34は、サービス提供者情報のディープ度が条件情報のディープ度以上である場合に、条件情報に合うサービス提供者情報があると判定してもよい。判定部34は、例えば、条件情報のディープ度がディープ度「DL2」の「案内」である場合、サービス提供情報のディープ度がディープ度「DL2」の「案内」またはディープ度「DL3」の「体験」である場合に、条件情報に合うサービス提供者情報があると判定してもよい。
【0066】
条件情報に合うサービス提供者情報があると判定された場合(ステップS26;Yes)、ステップS28に進む。条件情報に合うサービス提供者情報があると判定されなかった場合(ステップS26;No)、ステップS32に進む。
【0067】
制御部28は、サービス提供者とサービス内容を抽出する(ステップS28)。具体的には、判定部34は、条件情報の合うサービス提供者とサービス内容を抽出する。そして、ステップS30に進む。
【0068】
制御部28は、サービス提供者情報とサービス内容を含む提示情報を算出する(ステップS30)。具体的には、算出部36は、ユーザ端末16が表示するための提示情報を算出する。図8は、提示情報の一例を説明するための図である。図8に示すように、提示情報30aは、「サービス提供者ID」と、「サービス内容」といった項目を含む。「サービス提供者ID」と、「サービス内容」とは関連付けられている。図8に示す例では、算出部36は、例えば、サービス提供者ID「SP10」のサービス提供者と、サービス提供者ID「SP10」に関連付けられたサービス内容「SC10」を提示する。なお、図8に示す例では、「サービス内容」は、サービス内容「SC10」といった概念的な情報を示すが、実際には、具体的なサービス内容を示す。「サービス内容」は、時間、ユーザが体験できるサービスの情報などが含まれる。具体的には、「サービス内容」は、「10時に軽トラックで宿泊所まで移動」、「畑で農業体験」、「サービス提供者の案内でおすすめスポットを散策」などであり得る。
【0069】
制御部28は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS32)。具体的には、制御部28は、観光客などのユーザがユーザ端末16を用いて、提示情報が選択された場合や、処理を終了する操作を受け付けた場合に処理を終了すると判定する。処理を終了すると判定された場合(ステップS32;Yes)、図5の処理を終了する。処理を終了すると判定されない場合(ステップS32;No)、ステップS20に進む。
【0070】
上述のとおり、第1実施形態は、サービス提供者のサービス提供者情報と、観光客などの条件情報のマッチング処理を行う。第1実施形態は、マッチングの結果に基づいて、条件情報に合うサービス提供者と、サービス内容とを算出する。これにより、第1実施形態は、観光客などに対して、適切なサービス提供者と、サービス内容とを提示することができる。
【0071】
[第2実施形態]
図9を用いて、第2実施形態に係る情報提案装置の構成例について説明する。図9は、第2実施形態に係る情報提案装置の構成例を示すブロック図である。
【0072】
図9に示すように、情報提案装置12Aは、制御部28Aがプラン生成部38を備える点で、図9に示す情報提案装置12とは異なる。
【0073】
プラン生成部38は、観光客などに対して、サービス提供者による体験プランを少なくとも1つ生成する。プラン生成部38は、例えば、サービス提供者のサービス提供者情報と、観光客などが入力した条件情報とに基づいて、プランを生成する。プラン生成部38は、ディープ度に応じたプランを生成する。第2実施形態では、観光客などが入力する条件情報には、時刻と、出発地と、目的地とに関する情報が含まれ得る。
【0074】
[算出処理]
図10を用いて、第2実施形態に係る算出処理について説明する。図10は、第2実施形態に係る算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0075】
制御部28Aは、観光客などのユーザの条件情報を取得する(ステップS40)。具体的には、取得部30は、ユーザ端末16から所望の時刻および目的地に関する情報を含む条件情報を取得する。ここでは、取得部30は、例えば、図6で示した条件情報16aを取得する。取得部30は、例えば、観光客などがユーザ端末16に嗜好や希望する体験などの情報を入力している場合には、観光客などが入力した嗜好や希望する体験などの情報を取得してもよい。そして、ステップS42に進む。
【0076】
ステップS42からステップS46の処理は、それぞれ、図5に示すステップS22、ステップS24、およびステップS26の処理と同一なので、説明を省略する。
【0077】
ステップS46の後、制御部28A、複数の体験プランを生成する(ステップS48)。具体的には、プラン生成部38は、ステップS48で抽出されたサービス提供者と、サービス内容とに基づいて、複数の体験プランを生成する。
【0078】
図11を用いて、第2実施形態に係る複数の体験プランを生成する方法について説明する。図11は、第2実施形態に係る複数の体験プランを生成する方法を説明するための図である。
【0079】
図11は、サービス提供者の移動手段により、出発地点P1から目的地点P2まで、移動する場合の、複数のプランを生成する処理について説明する。図9に示すように、プラン生成部38は、例えば、サービス提供者のディープ度に応じて経路RO1で移動する「まっすぐコース」と、経路RO2で移動する「よりみちコース」と、経路RO3で移動する「おもてなしコース」とを生成する。
【0080】
「まっすぐコース」は、出発地点P1から目的地点P2までの最短経路である。経路RO1には、「まっすぐコース」のサービス提供者の各種の情報を含む、サービス提供者情報50が表示される。例えば、サービス提供者情報50は、サービス提供者の顔写真、スケジュール、移動手段、所要時間などの情報を含む。図9において、サービス提供者情報50は、サービス提供者の顔写真と共に、移動手段が軽トラックであり、所要時間が20分であることを示す。「まっすぐコース」の場合、処理部32は、最短経路で目的地点P2まで移動するため、サービス提供者のディープ度についてはマッチング処理を行わなくてもよい。言い換えれば、サービス提供者は、ディープ度を条件に含めないマッチング処理により抽出されてもよい。本実施形態では、「まっすぐコース」であることを、サービス提供者に認識されるようにするとよい。
【0081】
「よりみちコース」は、出発地点P1から、サービス提供者のおすすめの場所などのよりみち地点を経由して、目的地点P2まで移動する経路である。算出部36は、選択可能なサービス提供者のスケジュール、移動手段、よりみち地点を経由したルート、および所要時間を含む情報を算出するとよい。図11において。サービス提供者情報52は、サービス提供者の顔写真、スケジュール、移動手段、所要時間などの情報を含む。図11において、サービス提供者情報52は、サービス提供者の顔写真と共に、移動手段が自転車であり、所要時間が1時間であることを示す。経路RO2の寄り道地点には、A経由地などの観光地をサービス提供者にガイドされながら通過することが示される。算出部36は、ユーザ端末16がマッチングされたサービス提供者が詳しいエリアおよび施設をサジェスト表示できる情報を算出するとよい。算出部36は、例えば、サービス提供者が詳しいエリアおよび施設のうち、観光客が入力した嗜好に該当するエリアおよび施設をユーザ端末16がサジェスト表示できる情報を算出するとよい。「よりみちコース」の場合、処理部32は、サービス提供者のディープ度が所定以上のサービス提供者をマッチングするようにしてもよい。「よりみちコース」の場合、算出部36は、観光客などは歴史、およびグルメなどの嗜好情報、または立ち寄りを希望する経由地を入力し、嗜好情報、希望経由地に関するスキル情報に基づいてマッチングされたサービス提供者を算出してもよい。
【0082】
「おもてなしコース」は、出発地点P1から目的地点P2に行くまでの間に、サービス提供者と飲食店に一緒に入ったり、サービス提供者の家で体験を行えたりとおもてなしが受けられる経路である。例えば、「おもてなし」は、サービス提供者と観光客が同じ場所で所定時間を過ごすこと、サービス提供者と観光客が同じ体験を行うことなどを意味する。図9において、サービス提供者情報54は、サービス提供者の顔写真と共に、移動手段が普通車であり、所要時間が3時間であることを示す。経路RO3の寄り道地点には、サービス提供者の家に2時間滞在することが示される。算出部36は、マッチングされたサービス提供者が詳しいエリアおよび施設をサジェスト表示するとよい。プラン生成部38は、サービス提供者が提供可能なサービス、ルート、および所要時間を表示するとよい。「おもてなしコース」の場合、処理部32は、サービス提供者のディープ度が所定以上のサービス提供者をマッチングするようにしてもよい。また、「おもてなしコース」の場合、算出部36は、観光客などは歴史、およびグルメなどの嗜好情報、または希望する体験(アクティビティ)を入力し、嗜好情報、希望経由地にスキル情報に基づいてマッチングされたサービス提供者を算出してもよい。
【0083】
ステップS48の後、制御部28Aは、処理を終了するか否かを判定する(ステップS50)。具体的には、制御部28Aは、観光客などのユーザがユーザ端末16を用いて、体験プランが選択された場合や、処理を終了する操作を受け付けた場合に処理を終了すると判定する。処理を終了すると判定された場合(ステップS50;Yes)、図5の処理を終了する。処理を終了すると判定されない場合(ステップS50;No)、ステップS40に進む。
【0084】
上述のとおり、第2実施形態は、観光客の条件情報と、サービス提供者のサービス提供者情報とのマッチング処理を行い、マッチングの結果に基づいて、複数の体験プランを生成する。第2実施形態は、生成した複数の体験プランを観光客に提示する。観光客は、生成された体験プランのうち、所望の体験プランを選択することができる。これにより、第2実施形態は、観光地での所望の体験プランを適切に選択することができる。
【0085】
[第3実施形態]
図12を用いて、第3実施形態に係る情報提案装置の構成例について説明する。図12は、第3実施形態に係る情報提案装置の構成例を示すブロック図である。
【0086】
図12に示すように、情報提案装置12Bは、スキル算出部40を備える点で、図2に示す情報提案装置12とは異なる。情報提案装置12Bは、例えば、通信部26を介して、サービス提供者の車両に搭載されたナビゲーション装置などと通信可能に接続されている。なお、ナビゲーション装置がサービス提供者のスマートフォンなどで実現されている場合には、情報提案装置12Bは、サービス提供者のスマートフォンなどと通信可能に接続されていてもよい。
【0087】
第3実施形態では、取得部30は、サービス提供者の車両の走行履歴に関する情報を取得する。取得部30は、例えば、通信部26を介して、サービス提供者の車両に搭載されたナビゲーション装置から走行履歴に関する情報を取得する。走行履歴には、所定期間内における走行回数、走行時間、および走行頻度に関する情報が含まれ得る。所定期間は、任意に変更し得る。走行履歴には、特定のエリアまたは施設の立ち寄り回数、立ち寄り頻度、および滞在時間などに関する情報が含まれ得る。走行履歴に含まれている情報は、これらに情報に限定されず、その他の情報が含まれてよい。
【0088】
スキル算出部40は、サービス提供者の各種のスキルを算出する。スキル算出部40は、例えば、取得部30が取得した走行履歴に関する情報に基づいて、サービス提供者の地域スキルを算出する。地域スキルには、各エリアの知識、各施設の知識などが含まれ得る。
【0089】
第3実施形態では、判定部34は、スキル算出部40が算出したサービス提供者の地域スキルに基づいて、サービス提供者と、観光客などとのマッチング処理を行う。すなわち、第3実施形態では、条件情報には、地域スキルに関する情報が含まれ得る。条件情報には、歴史、およびグルメなどの嗜好情報、または立ち寄りを希望する経由地など地域に関する情報が含まれ得る。
【0090】
[処理内容]
図13を用いて、第3実施形態に係るサービス提供者の地域スキルを算出する処理について説明する。図13は、第3実施形態に係るサービス提供者の地域スキルを算出する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0091】
制御部28Bは、サービス提供者の走行履歴に関する情報を取得する(ステップS60)。具体的には、取得部30は、サービス提供者のナビゲーション装置などから、走行履歴に関する情報を取得する。そして、ステップS62に進む。
【0092】
制御部28Bは、サービス提供者の地域スキルを算出する(ステップS62)。具体的には、スキル算出部40は、取得部30が取得した走行履歴に関する情報に基づいて、サービス提供者の地域スキルを算出する。
【0093】
スキル算出部40は、例えば、走行履歴に関する情報に含まれる走行回数、走行時間、および走行頻度に関する情報に基づいて、サービス提供者のエリアごとの知識を算出する。スキル算出部40は、例えば、走行回数、走行時間、および走行頻度が多いエリアほどスキルが高いと算出する。地域スキルは、例えば、90ポイント、50ポイントなどとポイント制で算出するとよい。この場合、ポイントが高いエリア程、サービス提供者の地域スキルが高いことを意味する。
【0094】
スキル算出部40は、例えば、走行履歴に関する情報に含まれる施設などの立ち寄り回数、立ち寄り頻度、滞在時間に基づいて、施設ごとの知識を算出する。立ち寄りは、通過と区別するための、所定時間以上の滞在を立ち寄りとするとよい。スキル算出部40は、例えば、立ち寄り回数、立ち寄り頻度、立ち寄り回数が多い施設ほど地域スキルが高いと算出する。
【0095】
スキル算出部40は、施設の種類に応じて、施設に属性を割り当ててもよい。スキル算出部40は、属性ごとに地域スキルを算出してもよい。例えば、施設Aの属性が歴史、グルメであり、施設Bの属性が歴史であり、施設Cの属性がグルメであるとする。この場合、スキル算出部40は、施設Aの立ち寄り回数などと、施設Bの立ち寄り回数などとに基づいて、歴史の地域スキルを算出する。スキル算出部40は、施設Bの立ち寄り回数などと、施設Cの立ち寄り回数などとに基づいて、グルメの地域スキルを算出する。スキル算出部40は、施設に応じて、ポイントに重み付けを行ってもよい。
【0096】
スキル算出部40は、サービス提供者の日常の走行履歴に基づいた地域スキルの算出方法と、観光客などを案内しているときの走行履歴に基づいた地域スキルの算出方法とを変更してもよい。スキル算出部40は、例えば、日常の走行履歴に基づいた地域スキルのポイントよりも、観光客などを案内しているときの走行履歴に基づいた地域スキルのポイントを高くするようにしてもよい。
【0097】
制御部28Bは、サービス提供者の地域スキルを記憶する(ステップS64)。具体的には、スキル算出部40は、算出した地域スキルを、記憶部24にサービス提供者と対応付けて記憶する。そして、図11の処理は終了する。
【0098】
上述のとおり、第3実施形態は、サービス提供者のスキルに基づいて、サービス提供者の地域スキルを算出する。第3実施形態は、算出したサービス提供者の地域スキルを記憶部に記憶する。これにより、第3実施形態は、サービス提供者の地域スキルを考慮して、サービス提供者と、観光客などとのマッチング処理をより適切に行うことができる。
【0099】
[第4実施形態]
図14を用いて、第4実施形態に係る情報提案装置の構成例について説明する。図14は、第4実施形態に係る情報提案装置の構成例を示すブロック図である。
【0100】
図14に示すように、情報提案装置12Cは、制御部20Cがコミュニケーションスキル算出部42を備える点で、図2に示す情報提案装置12とは異なる。情報提案装置12Cは、例えば、通信部26を介して、サービス提供者の車両に搭載されたナビゲーション装置などと通信可能に接続されている。第4実施形態では、ナビゲーション装置は、車内の音声を収音する機能を有しているとする。なお、ナビゲーション装置がサービス提供者のスマートフォンなどで実現されている場合には、情報提案装置12Cは、サービス提供者のスマートフォンなどと通信可能に接続されていてもよい。
【0101】
第4実施形態では、取得部30は、サービス提供者の車両の走行履歴に関する情報を取得する。取得部30は、例えば、通信部26を介して、サービス提供者の車両に搭載されたナビゲーション装置から走行履歴に関する情報を取得する。走行履歴には、所定期間ないにおける走行回数、走行時間、および走行頻度に関する情報が含まれ得る。所定期間は、任意に変更し得る。走行履歴には、特定のエリアまたは施設の立ち寄り回数、立ち寄り頻度、および滞在時間などに関する情報が含まれ得る。走行履歴に含まれている情報は、これらに情報に限定されず、その他の情報が含まれてよい。取得部30は、例えば、通信部26を介して、サービス提供者の車両に搭載された車内の音声に関する音声情報を取得する。
【0102】
コミュニケーションスキル算出部42は、サービス提供者のコミュニケーションスキルを算出する。コミュニケーションスキル算出部42は、例えば、取得部30が取得した走行履歴に関する情報に基づいて、サービス提供者のコミュニケーションスキルを算出する。コミュニケーションスキル算出部42は、例えば、取得部30が取得した音声情報に基づいて、サービス提供者のコミュニケーションスキルを算出する。コミュニケーションスキル算出部42は、例えば、過去のサービス提供時における、サービス提供者と、観光客などの評価に基づいて、サービス提供者のコミュニケーションスキルを算出する。コミュニケーションスキル算出部42は、例えば、サービス提供者自身の評価に基づいて算出したコミュニケーションスキルを、観光客などの他者の評価に基づいて、補正するようにしてもよい。
【0103】
第4実施形態では、判定部34は、コミュニケーションスキル算出部42が算出したサービス提供者のコミュニケーションスキルに基づいて、サービス提供者と、観光客などとのマッチング処理を行う。すなわち、第3実施形態では、条件情報には、コミュニケーションスキルに関する情報が含まれ得る。
【0104】
[処理内容]
図13を用いて、第4実施形態に係るサービス提供者のコミュニケーションスキルを算出する処理について説明する。図13は、第4実施形態に係るサービス提供者のコミュニケーションスキルを算出する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0105】
制御部28Cは、サービス提供者の走行履歴、音声情報、自己評価、および他者評価に関する情報の少なくとも1つを取得する(ステップS70)。具体的には、取得部30は、サービス提供者のナビゲーション装置などから、走行履歴に関する情報と、サービス提供者と、観光客などとの会話の音声に関する情報を取得する。取得部30は、例えば、サービス提供者のコミュニケーションスキルの自己評価に関する情報をサービス提供者端末14から取得する。取得部30は、例えば、サービス提供者の観光客からの評価を他者評価としてユーザ端末16から取得する。
【0106】
制御部28Cは、サービス提供者のコミュニケーションスキルを算出する(ステップS72)。具体的には、コミュニケーションスキル算出部42は、取得部30が取得した走行履歴に関する情報と、音声情報と、自己評価に関する情報と、他者評価に関する情報との少なくとも1つに基づいて、サービス提供者のコミュニケーションスキルを算出する。
【0107】
コミュニケーションスキル算出部42は、例えば、走行履歴に関する情報に含まれる施設などの立ち寄り時間に基づいて、コミュニケーションを算出する。コミュニケーションスキル算出部42は、例えば、施設などに立ち寄っている時間は、サービス提供者と、観光客はコミュニケーションを行っていると想定して、コミュニケーションスキルを算出する。コミュニケーションスキル算出部42は、施設への立ち寄り時間が長い程、コミュニケーションスキルが高く算出してよい。
【0108】
コミュニケーションスキル算出部42は、例えば、音声情報に基づいて、サービス提供者のコミュニケーションスキルを算出してよい。コミュニケーションスキル算出部42は、例えば、サービス提供者が発話している時間と、観光客などが発話している時間とに基づいて、サービス提供者のコミュニケーションスキルを算出してよい。コミュニケーションスキル算出部42は、例えば、顧客の音声の大きさに応じて、サービス提供者のコミュニケーションスキルを算出してよい。コミュニケーションスキル算出部42は、例えば、観光客などの音声の音量が大きいほど、サービス提供者のコミュニケーションスキルを高く算出する。
【0109】
コミュニケーションスキル算出部42は、自己評価に関する情報と、他者評価に関する情報とに基づいて、サービス提供者のコミュニケーションスキルを算出してもよい。例えば、コミュニケーションスキル算出部42は、自己評価と、他者評価とを、「1」、「2」、「3」、「4」、および「5」の5段階で点数を付けてよい。この場合、例えば、「5」はコミュニケーションスキルが最も高く、「1」はコミュニケーションスキルが最も低い点数である。
【0110】
コミュニケーションスキル算出部42は、自己評価に関する情報と、他者評価に関する情報とに基づいて、サービス提供者のコミュニケーションスキルを補正してもよい。例えば、取得部30が取得した自己評価のコミュニケーションスキルの点数が「5」であり、他者評価のコミュニケーションスキルの点数が「2」であるとする。この場合、コミュニケーションスキル算出部42は、自己評価のコミュニケーションスキルの点数をマイナス側に補正してもよい。自己評価に関する点数および他者評価に関数点数は、それぞれ、サービス提供者および観光客の主観的な点数であるといえる。そのため、コミュニケーションスキル算出部42は、コミュニケーションスキルの点数に客観性を持たせるように補正し得る。
【0111】
制御部28Cは、サービス提供者のコミュニケーションスキルを記憶する(ステップS74)。具体的には、コミュニケーションスキル算出部42は、算出したコミュニケーションスキルを、記憶部24にサービス提供者と対応付けて記憶する。そして、図15の処理は終了する。
【0112】
上述のとおり、第4実施形態は、サービス提供者のコミュニケーションスキルに基づいて、サービス提供者のスキルを算出する。第4実施形態は、算出したサービス提供者のコミュニケーションスキルを記憶部に記憶する。これにより、第4実施形態は、サービス提供者のコミュニケーションスキルを考慮して、サービス提供者と、観光客などとのマッチング処理をより適切に行うことができる。
【0113】
[第5実施形態]
図14を用いて、第5実施形態に係る情報提案装置の構成例について説明する。図14は、第5実施形態に係る情報提案装置の構成例を示すブロック図である。
【0114】
図14に示すように、情報提案装置12Dは、制御部28Dが、インセンティブ決定部44を備える点で、図2に示す情報提案装置12とは異なる。情報提案装置10Dは、観光客などに対して行ったサービスに応じて。サービス提供者に対して与えるインセンティブを決定する装置である。
【0115】
インセンティブ決定部44は、サービス提供者に対して与えるインセンティブを決定する。インセンティブ決定部44は、例えば、サービス提供者が所属する自治体への貢献度に応じて、自治体の独自のインセンティブを決定する。インセンティブ決定部44は、例えば、自治体での販売ポジション、ふるさと納税の返礼品などをインセンティブとして決定する。
【0116】
インセンティブ決定部44は、サービス提供者の自治体への貢献度を算出する。インセンティブ決定部44は、例えば、観光客などに対するガイド案内時の走行時間に基づいて、貢献度を算出する。この場合、インセンティブ決定部44は、走行時間が長いほど、貢献度を高く算出する。インセンティブ決定部44は、例えば、コミュニケーションスキルの高さ、観光客などの口コミおよび満足度で貢献度を算出する。この場合、インセンティブ決定部44は、観光客などの評価が高いほど、貢献度を高く算出する。インセンティブ決定部44は、例えば、寄り道したエリアおよび施設の数、および寄り道の時間に基づいて、貢献度を算出する。この場合、インセンティブ決定部44は、例えば、寄り道したエリアおおび施設の数が多いほど、または寄り道の時間が多いほど、貢献度を高く算出する。インセンティブ決定部44は、例えば、自治体が訪問を推奨するエリアおよび施設に立ち寄った場合には、立ち寄り回数および立ち寄り時間などに応じて、インセンティブを加算するようにしてもよい。
【0117】
上述のとおり、第5実施形態は、サービス提供者の自治体に対する貢献度を算出する。第5実施形態は、貢献度に応じて、サービス提供者に与えるインセンティブを決定する。これにより、第5実施形態は、自治体に貢献したサービス提供者に対して、適切にインセンティブを与えることができる。
【0118】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0119】
10 情報提案システム
12,12A,12B,12C,12D 情報提案装置
14 サービス提供者端末
16 ユーザ端末
20 入力部
22 表示部
24 記憶部
26 通信部
28,28A,28B,28C,28D 制御部
30 取得部
32 処理部
34 判定部
36 算出部
38 プラン生成部
40 スキル算出部
42 コミュニケーションスキル算出部
44 インセンティブ決定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16