(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】シートトレイ、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 31/00 20060101AFI20241210BHJP
B65H 31/20 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
B65H31/00 B
B65H31/20
(21)【出願番号】P 2020218970
(22)【出願日】2020-12-28
【審査請求日】2023-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】森本 尚央
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-216763(JP,A)
【文献】特開2007-084251(JP,A)
【文献】特開平09-323855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/00
B65H 31/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出機構により排出方向に排出されるシートを支持する第1支持面を有する第1トレイと、
前記シートを支持する第2支持面を有し、前記第1トレイに対して前記排出方向の上流側及び下流側に移動可能な第2トレイであって、前記第2支持面の少なくとも一部が前記第1支持面と上下方向に重複する第1位置と、前記第1位置よりも前記排出方向の下流側に位置し、前記第2支持面の前記第1支持面との上下方向の重複面積が前記第1位置よりも小さい第2位置とを選択的に取り得る第2トレイと、を備え、
前記第2トレイは、前記第2支持面よりも前記排出方向の下流側に、前記第2支持面よりも上方に突出することで前記シートの前記排出方向の下流側の端部と当接する当接機能を有するストッパを含み、
前記第2トレイが前記第1位置にあるとき、前記当接機能が抑制され、
前記第2トレイが前記第2位置にあるとき、前記当接機能が発揮されるように構成され
、
前記第2トレイが前記第1位置にあるときの前記第1支持面及び前記第2支持面の最も上端部から前記ストッパの上端までの上下方向の距離が、前記第2トレイが前記第2位置にあるときの前記第1支持面及び前記第2支持面の最も上端部から前記ストッパの上端までの上下方向の距離よりも小さくなるように、前記第1支持面及び前記第2支持面の少なくとも一方が前記ストッパに対して相対的に移動可能に構成され、
前記第2トレイが前記第1位置にあるときに上昇位置を取りかつ前記第2トレイが前記第2位置にあるときに下降位置を取る昇降部を備え、
前記昇降部が前記上昇位置にあるとき、前記昇降部の上面は、前記排出方向の下流側に向かうにつれて上方に傾斜した部分を有し、少なくとも前記排出方向の下流側の端部が、前記第1支持面及び前記第2支持面の最も上端部を構成し、
前記昇降部が前記下降位置にあるとき、前記昇降部の前記上面は、前記昇降部が前記上昇位置にあるときの前記上面よりも下方に位置し、
前記昇降部が前記上昇位置にあるとき、前記昇降部の前記排出方向の下流側の端部が前記ストッパに当接することを特徴とするシートトレイ。
【請求項2】
前記昇降部が前記下降位置にあるとき、前記昇降部の前記上面は、前記第1支持面を構成し、上下方向において前記第1支持面のうち前記昇降部以外の部分と同じ位置又は前記第1支持面のうち前記昇降部以外の部分よりも下方の位置にあることを特徴とする請求項
1に記載のシートトレイ。
【請求項3】
前記昇降部は、前記第1トレイの前記第1支持面における前記排出方向及び上下方向と直交する直交方向の中央領域に配置された、板状部材で構成されることを特徴とする請求項
1又は2に記載のシートトレイ。
【請求項4】
前記第2トレイの前記第1位置と前記第2位置との間の移動に連動して、前記昇降部が前記上昇位置と前記下降位置との間で移動することを特徴とする請求項
1~
3のいずれか1項に記載のシートトレイ。
【請求項5】
前記昇降部は、前記排出方向及び上下方向と直交する直交方向に延びる回動軸を中心として回動可能であり、
前記ストッパにおける前記シートと当接する当接面は、上方に向かうにつれて前記排出方向の下流側に傾斜しており、
前記第2トレイが前記第2位置にあるときの、前記昇降部における前記回動軸から前記排出方向の下流側の端部までの前記排出方向の長さは、前記第2トレイが前記第1位置にあるときの、前記回動軸から前記当接面の下端までの前記排出方向の長さよりも長いことを特徴とする請求項
4に記載のシートトレイ。
【請求項6】
シートに対して画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により画像が形成されたシートを排出方向に排出する排出機構と、
前記排出機構により前記排出方向に排出されるシートを支持するシートトレイと、を備え、
前記シートトレイは、
前記シートを支持する第1支持面を有する第1トレイと、
前記シートを支持する第2支持面を有し、前記第1トレイに対して前記排出方向の上流側及び下流側に移動可能な第2トレイであって、前記第2支持面の少なくとも一部が前記第1支持面と上下方向に重複する第1位置と、前記第1位置よりも前記排出方向の下流側に位置し、前記第2支持面の前記第1支持面との上下方向の重複面積が前記第1位置よりも小さい第2位置とを選択的に取り得る第2トレイと、を備え、
前記第2トレイは、前記第2支持面よりも前記排出方向の下流側に、前記第2支持面よりも上方に突出することで前記シートの前記排出方向の下流側の端部と当接する当接機能を有するストッパを含み、
前記第2トレイが前記第1位置にあるとき、前記当接機能が抑制され、
前記第2トレイが前記第2位置にあるとき、前記当接機能が発揮されるように構成され
、
前記第2トレイが前記第1位置にあるときの前記第1支持面及び前記第2支持面の最も上端部から前記ストッパの上端までの上下方向の距離が、前記第2トレイが前記第2位置にあるときの前記第1支持面及び前記第2支持面の最も上端部から前記ストッパの上端までの上下方向の距離よりも小さくなるように、前記第1支持面及び前記第2支持面の少なくとも一方が前記ストッパに対して相対的に移動可能に構成され、
前記第2トレイが前記第1位置にあるときに上昇位置を取りかつ前記第2トレイが前記第2位置にあるときに下降位置を取る昇降部を備え、
前記昇降部が前記上昇位置にあるとき、前記昇降部の上面は、前記排出方向の下流側に向かうにつれて上方に傾斜した部分を有し、少なくとも前記排出方向の下流側の端部が、前記第1支持面及び前記第2支持面の最も上端部を構成し、
前記昇降部が前記下降位置にあるとき、前記昇降部の前記上面は、前記昇降部が前記上昇位置にあるときの前記上面よりも下方に位置し、
前記昇降部が前記上昇位置にあるとき、前記昇降部の前記排出方向の下流側の端部が前記ストッパに当接することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排出機構により排出されるシートを支持するシートトレイ、及び、排出機構とシートトレイとを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プリンタ(画像形成装置)の排出ローラ対(排出機構)により排出されるシートを支持するシートトレイであって、シートを支持する支持面を有する本体トレイ(第1トレイ)と、シートを支持する支持面を有し、本体トレイに対してシートの排出方向の上流側及び下流側に移動可能な第1トレイ(第2トレイ)と、シートの排出方向の下流側の端部と当接する凸部とを備えたものが示されている。第1トレイ(第2トレイ)の位置の変更に伴い、凸部の排出方向の位置も変更される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-222403号公報(
図3、
図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシートトレイは、第1トレイ(第2トレイ)の位置を変更することで、排出方向の長さが異なるシートを支持することができる。具体的には、第1トレイ(第2トレイ)が本体トレイ(第1トレイ)に収納された位置(第1位置)にあるときよりも、第1トレイ(第2トレイ)が本体トレイ(第1トレイ)から引き出された位置(第2位置)にあるときの方が、支持面全体の排出方向の長さが長くなるため、排出方向の長さが長いシートを、シートトレイ上に支持させることができる。また、このときシートの排出方向の下流側の端部が凸部に当接することで、シートのシートトレイからの落下が防止される。
【0005】
しかしながら、第2トレイが第1位置にある状態で、第1位置に対応するシートよりも排出方向の長さが長いシートが排出された場合、シートが凸部に引っ掛かり、ジャムが生じ得る。
【0006】
本発明の目的は、第2トレイが第1位置にあるときのジャムの抑制と、第2トレイが第2位置にあるときのシートの落下防止とを、共に実現することができるシートトレイ及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るシートトレイは、排出機構により排出方向に排出されるシートを支持する第1支持面を有する第1トレイと、前記シートを支持する第2支持面を有し、前記第1トレイに対して前記排出方向の上流側及び下流側に移動可能な第2トレイであって、前記第2支持面の少なくとも一部が前記第1支持面と上下方向に重複する第1位置と、前記第1位置よりも前記排出方向の下流側に位置し、前記第2支持面の前記第1支持面との上下方向の重複面積が前記第1位置よりも小さい第2位置とを選択的に取り得る第2トレイと、を備え、前記第2トレイは、前記第2支持面よりも前記排出方向の下流側に、前記第2支持面よりも上方に突出することで前記シートの前記排出方向の下流側の端部と当接する当接機能を有するストッパを含み、前記第2トレイが前記第1位置にあるとき、前記当接機能が抑制され、前記第2トレイが前記第2位置にあるとき、前記当接機能が発揮されるように構成されたことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る画像形成装置は、シートに対して画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により画像が形成されたシートを排出方向に排出する排出機構と、前記排出機構により前記排出方向に排出されるシートを支持するシートトレイと、を備え、前記シートトレイは、前記シートを支持する第1支持面を有する第1トレイと、前記シートを支持する第2支持面を有し、前記第1トレイに対して前記排出方向の上流側及び下流側に移動可能な第2トレイであって、前記第2支持面の少なくとも一部が前記第1支持面と上下方向に重複する第1位置と、前記第1位置よりも前記排出方向の下流側に位置し、前記第2支持面の前記第1支持面との上下方向の重複面積が前記第1位置よりも小さい第2位置とを選択的に取り得る第2トレイと、を備え、前記第2トレイは、前記第2支持面よりも前記排出方向の下流側に、前記第2支持面よりも上方に突出することで前記シートの前記排出方向の下流側の端部と当接する当接機能を有するストッパを含み、前記第2トレイが前記第1位置にあるとき、前記当接機能が抑制され、前記第2トレイが前記第2位置にあるとき、前記当接機能が発揮されるように構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第2トレイが第1位置にあるときは、ストッパの当接機能が抑制されるため、ジャムを抑制できる。また、第2トレイが第2位置にあるときは、ストッパの当接機能が発揮されるため、シートの落下を防止できる。即ち、第2トレイが第1位置にあるときのジャムの抑制と、第2トレイが第2位置にあるときのシートの落下防止とを、共に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る複合機を示す斜視図である。
【
図2】
図1の複合機におけるプリンタ部の内部構成を示す概略図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る排紙トレイにおいて第2トレイが収納位置にある状態を示す斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る排紙トレイにおいて第2トレイが引出位置にある状態を示す斜視図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る排紙トレイにおいて第2トレイが収納位置にある状態を示す斜視図である。
【
図8】本発明の第2実施形態に係る排紙トレイにおいて第2トレイが引出位置にある状態を示す斜視図である。
【
図9】本発明の第3実施形態に係る排紙トレイにおいて第2トレイが収納位置にある状態を示す斜視図である。
【
図10】本発明の第3実施形態に係る排紙トレイにおいて第2トレイが引出位置にある状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る複合機(画像形成装置)100は、
図1に示すように、下部にプリンタ部50を備え、上部にスキャナ部60を備えている。スキャナ部60は、用紙(シート)に形成された画像を読み取り、画像データを生成するものである。
【0012】
プリンタ部50は、用紙(シート)に画像を形成するものであり、
図2に示すように、給紙トレイ10と、排紙トレイ20と、ヘッド30と、搬送機構40とを含む。
【0013】
給紙トレイ10は、上方に開口した箱形状を有し、複合機100の筐体100a(
図1参照)に対して着脱可能である。給紙トレイ10は、筐体100aに対して後から前に向かう方向に移動することで、筐体100aから引き出され、筐体100aに対して前から後に向かう方向に移動することで、筐体100aに装着される。
【0014】
給紙トレイ10は、
図2に示すように、ロール体Rを収容可能な収容部11を有する。ロール体Rは、円筒状の芯部材Rcの外周面に、長尺の用紙P(シート)がロール状に巻回されたものである。ロール体Rは、その回転軸Rx(芯部材Rcの中心軸)が左右方向に沿った状態で、収容部11に収容される。
【0015】
収容部11の底部には、搬送機構40を構成する2つの給送ローラ41,42が設けられている。2つの給送ローラ41,42は、それぞれ、左右方向に延びる軸41a,42aを中心として回転可能である。ロール体Rは、収容部11に収容されたとき、その下側部分の外周面が2つの給送ローラ41,42に支持される。
【0016】
搬送機構40は、給紙トレイ10から排紙トレイ20に向けてヘッド30の下方を通過する搬送経路Cに沿って用紙Pを搬送するように構成されており、給送ローラ41,42、中間ローラ対43、搬送ローラ対44、排紙ローラ対45及びガイド47,48を含む。
【0017】
ロール体Rが収容部11に収容された状態において、給紙モータ(図示略)が駆動され、給送ローラ41,42が回転すると、ロール体Rが矢印方向Bに回転し、ロール体Rから巻き解かれた用紙Pが搬送経路Cに沿って給送される。
【0018】
中間ローラ対43、搬送ローラ対44及び排紙ローラ対45は、それぞれ、搬送モータ(図示略)の駆動により回転する駆動ローラと、駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。搬送モータ(図示略)が駆動され、中間ローラ対43、搬送ローラ対44及び排紙ローラ対45が用紙Pを挟持しつつ回転することで、用紙Pが搬送経路Cに沿って搬送される。
【0019】
ガイド47は、給送ローラ41,42により給送された用紙Pを中間ローラ対3bへと案内するものであり、給紙トレイ10の後方の側壁で構成されている。
【0020】
ガイド48は、中間ローラ対43により搬送された用紙Pを搬送ローラ対44へと案内するものであり、搬送経路Cを挟むように配置された一対の経路部材48a,48bで構成されている。
【0021】
搬送経路Cにおいてガイド47と中間ローラ対43との間に、カッター機構5が配置されている。カッター機構5は、搬送経路Cを挟むように配置された一対の回転刃を含む。切断モータ(図示略)が駆動され、一対の回転刃が回転すると、用紙Pが左右方向(ロール紙Prの幅方向)に切断される。
【0022】
ヘッド30は、搬送経路Cにおいて搬送ローラ対44と排紙ローラ対45との間に配置されている。ヘッド30は、本発明の「画像形成部」に該当するものであって、下面に形成された複数のノズル(図示略)と、ドライバIC(図示略)とを含む。ドライバICの駆動によりノズルからインクが吐出され、搬送機構40によって搬送された用紙Pがヘッド30の下面と対向する位置を通過するときに、用紙Pに画像が形成される。なお、ヘッド30は、位置が固定された状態でノズルからインクを吐出するライン式、及び、左右方向(用紙Pの幅方向)に移動しつつノズルからインクを吐出するシリアル式のいずれでもよい。
【0023】
ヘッド30により画像が形成された用紙Pは、排紙ローラ対45(排出機構)によって排出方向D(後から前に向かう方向)に排出され、排紙トレイ20に受容される。
【0024】
排紙トレイ20は、本発明の「シートトレイ」に該当するものであって、
図3~
図6に示すように、第1トレイ21及び第2トレイ22を含む。
【0025】
第1トレイ21の上面21aが第1支持面S1を構成し、第2トレイ22の上面22aが第2支持面S2を構成する。第1トレイ21の上面21a及び第2トレイ22の上面22aは、共に、上下方向と直交し、左右方向及び前後方向と平行な面である。第1トレイ21の上面21aは、第2トレイ22の上面22aの上方に位置している。
【0026】
第1トレイ21は、筐体100aの一部で構成されている。第2トレイ22は、第1トレイ21に対して前後方向に移動可能に、第1トレイ21に支持されている。
【0027】
第2トレイ22は、
図1、
図3及び
図5に示す収納位置(第1位置)と、
図4及び
図6に示す引出位置(第2位置)とを選択的に取り得る。収納位置は、第2トレイ22の上面22aの略全体が第1トレイ21の上面21aと上下方向に重複する位置である。引出位置は、収納位置よりも排出方向Dの下流側に位置し、第2トレイ22の上面22aの第1トレイ21の上面21aとの上下方向の重複面積が収納位置よりも小さい位置である。
【0028】
第2トレイ22は、収納位置にある状態から、第1トレイ21に対して後から前に向かう方向に移動することで、第1トレイ21から引き出され、引出位置に至る。また、第2トレイ22は、引出位置にある状態から、第1トレイ21に対して前から後に向かう方向に移動することで、第1トレイ21に収納され、収納位置に至る。
【0029】
第2トレイ22は、排出方向Dの下流側の端部に、ストッパ23を有する。ストッパ23は、第2支持面S2よりも排出方向Dの下流側に設けられており、第2支持面S2よりも上方に突出することで、用紙Pの排出方向Dの下流側の端部と当接する当接機能を有する。
【0030】
排紙トレイ20は、さらに、昇降部25を備えている。昇降部25は、第1トレイ21の上面21aにおける左右方向(直交方向)の中央領域に配置された、板状部材で構成され、回動軸25zを中心として回動可能に第1トレイ21に支持されている。回動軸25zは、昇降部25の排出方向Dの上流側の端部25xに設けられており、左右方向に延びている。なお、第1トレイ21において昇降部25と上下方向に重なる領域は、空洞となっている。
【0031】
昇降部25は、第2トレイ22が収納位置にあるときに上昇位置を取り(
図3及び
図5参照)、第2トレイ22が引出位置にあるときに下降位置を取る(
図4及び
図6参照)。昇降部25は、第1トレイ21及び第2トレイ22に対して上下方向に移動可能である。
【0032】
昇降部25の上面25aは、第1支持面S1を構成する。
【0033】
昇降部25が上昇位置にあるとき(
図3及び
図5参照)、昇降部25の上面25aは、排出方向Dの下流側に向かうにつれて上方に傾斜している。このとき、昇降部25の排出方向Dの下流側の端部25yが、ストッパ23の上端23tに当接している。またこのとき、昇降部25の排出方向Dの下流側の端部25yの上面25aが、第1支持面S1及び第2支持面S2の最も上端部を構成している。
【0034】
昇降部25が下降位置にあるとき(
図4及び
図6参照)、昇降部25の上面25aは、昇降部25が上昇位置にあるときの上面25a(
図3及び
図5参照)よりも、下方に位置している。またこのとき、昇降部25の上面25aは、第1支持面S1のうち昇降部25以外の部分(即ち、第1トレイ21の上面21a)よりも下方に位置している(
図4参照)。
【0035】
ストッパ23の後面(用紙Pと当接する当接面23a)は、
図5及び
図6に示すように、上方に向かうにつれて排出方向Dの下流側に傾斜している。また、第2トレイ22が引出位置にあるときの、昇降部25における回動軸25zから排出方向Dの下流側の端部25yまでの排出方向Dの長さL1(
図4参照)は、第2トレイ22が収納位置にあるときの、回動軸25zから当接面23aの下端までの排出方向Dの長さL2(
図3参照)よりも長い。
【0036】
このようなストッパ23の傾斜及び長さL1,L2の関係により、第2トレイ22の収納位置と引出位置との間の移動に連動して、昇降部25が上昇位置と下降位置との間で移動する。具体的には、第2トレイ22が収納位置にあり、昇降部25が上昇位置にある状態(
図3及び
図5参照)から、第2トレイ22を第1トレイ21に対して排出方向Dの下流側に移動させると、昇降部25の排出方向Dの下流側の端部25yが、自重により、ストッパ23の当接面23aに当接しながら下降する。そして、昇降部25が下降位置に至り、第2トレイ22が引出位置に至る(
図4及び
図6参照)。また、第2トレイ22が引出位置にあり、昇降部25が下降位置にある状態(
図4及び
図6参照)から、第2トレイ22を第1トレイ21に対して排出方向Dの上流側に移動させると、昇降部25の排出方向Dの下流側の端部25yが、ストッパ23の当接面23aに当接し、さらに、当接面23aに当接しながら上昇する。そして、昇降部25が上昇位置に至り、第2トレイ22が収納位置に至る(
図3及び
図5参照)。
【0037】
第2トレイ22が収納位置にあるときの第1支持面S1及び第2支持面S2の最も上端部(昇降部25の排出方向Dの下流側の端部25yの上面25a)からストッパ23の上端23tまでの上下方向の距離X1(
図5参照)は、第2トレイ22が引出位置にあるときの第1支持面S1及び第2支持面S2の最も上端部(昇降部25の排出方向Dの下流側の端部25yの上面25a)からストッパ23の上端23tまでの上下方向の距離X2(
図6参照)よりも小さい。本実施形態において、距離X1は略ゼロである。
【0038】
第2トレイ22が引出位置にあるとき(
図4及び
図6参照)、ストッパ23の当接機能が発揮される。具体的には、排紙ローラ対45(
図2参照)により排出方向Dに排出された用紙Pは、ストッパ23の当接面23aに当接した後、落下し、第1支持面S1及び第2支持面S2に支持される。
【0039】
第2トレイ22が収納位置にあるとき(
図3及び
図5参照)、ストッパ23の当接機能が抑制される。具体的には、排紙ローラ対45(
図2参照)により排出方向Dに排出された用紙Pは、昇降部25の上面25aに沿って移動し、ストッパ23の当接面23aに当接することなく、昇降部25の上面25aに支持されるか、或いは、昇降部25の上面25a及びストッパ23の上端23tを通過して排紙トレイ20から落下する。
【0040】
以上に述べたように、本実施形態によれば、第2トレイ22が収納位置(
図3及び
図5参照)にあるときは、ストッパ23の当接機能が抑制されるため、ジャムを抑制できる。また、第2トレイ22が引出位置(
図4及び
図6参照)にあるときは、ストッパ23の当接機能が発揮されるため、用紙Pの落下を防止できる。即ち、第2トレイ22が収納位置にあるときのジャムの抑制と、第2トレイ22が引出位置にあるときの用紙Pの落下防止とを、共に実現することができる。
【0041】
第2トレイ22が収納位置にあるときの第1支持面S1及び第2支持面S2の最も上端部(昇降部25の排出方向Dの下流側の端部25yの上面25a)からストッパ23の上端23tまでの上下方向の距離X1(
図5参照)が、第2トレイ22が引出位置にあるときの第1支持面S1及び第2支持面S2の最も上端部(昇降部25の排出方向Dの下流側の端部25yの上面25a)からストッパ23の上端23tまでの上下方向の距離X2(
図6参照)よりも小さくなるように、第1支持面S1(具体的には、昇降部25の上面25a)がストッパ23に対して相対的に移動可能に構成されている。この場合、第2トレイ22が収納位置にあるときにストッパ23の当接機能を抑制しかつ第2トレイ22が引出位置にあるときにストッパ23の当接機能を発揮させることを実効的に実現できる。
【0042】
昇降部25が上昇位置にあるとき(
図3及び
図5参照)、昇降部25の上面25aは、排出方向Dの下流側に向かうにつれて上方に傾斜した部分を有し、少なくとも排出方向Dの下流側の端部25yの上面が、第1支持面S1及び第2支持面S2の最も上端部を構成している。昇降部25が下降位置にあるとき(
図4及び
図6参照)、昇降部25の上面25aは、昇降部25が上昇位置にあるときの上面25a(
図3及び
図5参照)よりも、下方に位置している。この場合、比較的簡素な構成により、第2トレイ22が収納位置にあるときにストッパ23の当接機能を抑制しかつ第2トレイ22が引出位置にあるときにストッパ23の当接機能を発揮させることを実現できる。
【0043】
昇降部25が上昇位置にあるとき(
図3及び
図5参照)、昇降部25の排出方向Dの下流側の端部25yが、ストッパ23の上端23tに当接している。この場合、第2トレイ22が収納位置にあるとき(昇降部25が上昇位置にあるとき)に、ストッパ23の当接機能をより確実に抑制でき、ジャムの抑制効果が高まる。
【0044】
昇降部25が下降位置にあるとき(
図4参照)、昇降部25の上面25aは、第1支持面S1のうち昇降部25以外の部分(即ち、第1トレイ21の上面21a)よりも下方に位置している。仮に、昇降部25が下降位置にあるときに、昇降部25の上面25aが、第1支持面S1のうち昇降部25以外の部分(即ち、第1トレイ21の上面21a)よりも上方に位置していると、用紙Pが昇降部25に引っ掛かり、用紙Pを排紙トレイ20上に適切に支持できない問題が生じ得る。本構成では、当該問題を抑制できる。
【0045】
昇降部25は、第1トレイ21の上面21aにおける左右方向(直交方向)の中央領域に配置された、板状部材で構成されている。この場合、第2トレイ22が収納位置にあるとき(昇降部25が上昇位置にあるとき)に、より確実に、用紙Pを昇降部25の上面25aに沿って移動させることができ、ジャムを抑制できる。
【0046】
第2トレイ22の収納位置と引出位置との間の移動に連動して、昇降部25が上昇位置と下降位置との間で移動する。この場合、第2トレイ22の移動をセンサで検知してモータで昇降部25を昇降させる構成に比べ、装置構成を簡素化できる。
【0047】
昇降部25は、左右方向(直交方向)に延びる回動軸25zを中心として回動可能である。ストッパ23の当接面23aは、
図5及び
図6に示すように、上方に向かうにつれて排出方向Dの下流側に傾斜している。第2トレイ22が引出位置にあるときの、昇降部25における回動軸25zから排出方向Dの下流側の端部25yまでの排出方向Dの長さL1(
図4参照)は、第2トレイ22が収納位置にあるときの、回動軸25zから当接面23aの下端までの排出方向Dの長さL2(
図3参照)よりも長い。この場合、例えば第2トレイ22の第1トレイ21に対するスライド機構と昇降部25の昇降機構とをギヤ等で連結させる構成に比べ、簡素な構成により、上記の連動を実現できる。
【0048】
<第2実施形態>
続いて、
図7及び
図8を参照し、本発明の第2実施形態に係る複合機(画像形成装置)及び排紙トレイ(シートトレイ)について説明する。
【0049】
本実施形態は、昇降部の構成が第1実施形態と異なり、その他は第1実施形態と同じである。
【0050】
本実施形態の排紙トレイ220には、第1トレイ21を部分的に切り欠くことで形成された、一対の昇降部225が設けられている。一対の昇降部225は、それぞれ、上下方向から見て矩形状の板状部材で構成され、ストッパ23の左右方向の一端及び他端と排出方向Dに重なる位置に設けられている。一対の昇降部225は、それぞれ、排出方向Dの上流側の端部225xが第1トレイ21に接続されており、端部225xを支点として上下方向に移動可能である。
【0051】
昇降部225は、第2トレイ22が収納位置にあるときに上昇位置を取り(
図7参照)、第2トレイ22が引出位置にあるときに下降位置を取る(
図8参照)。昇降部225は、第1トレイ21の昇降部225以外の部分及び第2トレイ22に対して上下方向に移動可能である。
【0052】
昇降部225の上面225aは、第1支持面S1を構成する。
【0053】
昇降部225が上昇位置にあるとき(
図7参照)、昇降部225の上面225aは、排出方向Dの下流側に向かうにつれて上方に傾斜している。このとき、昇降部225の排出方向Dの下流側の端部225yが、ストッパ23の上端23tに当接している。またこのとき、昇降部225の排出方向Dの下流側の端部225yの上面225aが、第1支持面S1及び第2支持面S2の最も上端部を構成している。
【0054】
昇降部225が下降位置にあるとき(
図8参照)、昇降部225の上面225aは、昇降部225が上昇位置にあるときの上面225a(
図7参照)よりも、下方に位置している。またこのとき、昇降部225の上面225aは、第1支持面S1のうち昇降部225以外の部分(即ち、第1トレイ21の上面21a)よりも下方に位置している。
【0055】
ストッパ23の当接面23aは、第1実施形態と同様、
図5及び
図6に示すように、上方に向かうにつれて排出方向Dの下流側に傾斜している。また、第2トレイ22が引出位置にあるときの、昇降部225の排出方向Dの上流側の端部225xから排出方向Dの下流側の端部225yまでの排出方向Dの長さL4(
図8参照)は、第2トレイ22が収納位置にあるときの、端部225xから当接面23a(
図5及び
図6参照)の下端までの排出方向Dの長さL4(
図7参照)よりも長い。
【0056】
このようなストッパ23の傾斜及び長さL3,L4の関係により、第2トレイ22の収納位置と引出位置との間の移動に連動して、昇降部225が上昇位置と下降位置との間で移動する。具体的には、第2トレイ22が収納位置にあり、昇降部225が上昇位置にある状態(
図7参照)から、第2トレイ22を第1トレイ21に対して排出方向Dの下流側に移動させると、昇降部225の排出方向Dの下流側の端部225yが、自重により、ストッパ23の当接面23aに当接しながら下降する。そして、昇降部225が下降位置に至り、第2トレイ22が引出位置に至る(
図8参照)。また、第2トレイ22が引出位置にあり、昇降部225が下降位置にある状態(
図8参照)から、第2トレイ22を第1トレイ21に対して排出方向Dの上流側に移動させると、昇降部225の排出方向Dの下流側の端部25yが、ストッパ23の当接面23aに当接し、さらに、当接面23aに当接しながら上昇する。そして、昇降部225が上昇位置に至り、第2トレイ22が収納位置に至る(
図7参照)。
【0057】
第2トレイ22が収納位置にあるとき(
図7参照)の第1支持面S1及び第2支持面S2の最も上端部(昇降部225の排出方向Dの下流側の端部225yの上面225a)からストッパ23の上端23tまでの上下方向の距離は、第1実施形態と同様、略ゼロであり、第2トレイ22が引出位置にあるとき(
図8参照)の第1支持面S1及び第2支持面S2の最も上端部(昇降部225の排出方向Dの下流側の端部225yの上面225a)からストッパ23の上端23tまでの上下方向の距離よりも小さい。
【0058】
第2トレイ22が引出位置にあるとき(
図8参照)、ストッパ23の当接機能が発揮される。具体的には、排紙ローラ対45(
図2参照)により排出方向Dに排出された用紙Pは、ストッパ23の当接面23aに当接した後、落下し、第1支持面S1及び第2支持面S2に支持される。
【0059】
第2トレイ22が収納位置にあるとき(
図7参照)、ストッパ23の当接機能が抑制される。具体的には、排紙ローラ対45(
図2参照)により排出方向Dに排出された用紙Pは、昇降部225の上面225aに沿って移動し、ストッパ23の当接面23aに当接することなく、昇降部225の上面225aに支持されるか、或いは、昇降部225の上面225a及びストッパ23の上端23tを通過して排紙トレイ220から落下する。
【0060】
以上に述べたように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の構成により、以下のような効果が得られる。
【0061】
第2トレイ22が収納位置(
図7参照)にあるときは、ストッパ23の当接機能が抑制されるため、ジャムを抑制できる。また、第2トレイ22が引出位置(
図8参照)にあるときは、ストッパ23の当接機能が発揮されるため、用紙Pの落下を防止できる。即ち、第2トレイ22が収納位置にあるときのジャムの抑制と、第2トレイ22が引出位置にあるときの用紙Pの落下防止とを、共に実現することができる。
【0062】
第2トレイ22が収納位置にあるときの第1支持面S1及び第2支持面S2の最も上端部(昇降部225の排出方向Dの下流側の端部225yの上面225a)からストッパ23の上端23tまでの上下方向の距離が、第2トレイ22が引出位置にあるときの第1支持面S1及び第2支持面S2の最も上端部(昇降部225の排出方向Dの下流側の端部225yの上面225a)からストッパ23の上端23tまでの上下方向の距離よりも小さくなるように、第1支持面S1及び第2支持面S2がストッパ23に対して相対的に移動可能に構成されている。この場合、第2トレイ22が収納位置にあるときにストッパ23の当接機能を抑制しかつ第2トレイ22が引出位置にあるときにストッパ23の当接機能を発揮させることを実効的に実現できる。
【0063】
昇降部225が上昇位置にあるとき(
図7参照)、昇降部225の上面225aは、排出方向Dの下流側に向かうにつれて上方に傾斜した部分を有し、少なくとも排出方向Dの下流側の端部225yの上面が、第1支持面S1及び第2支持面S2の最も上端部を構成している。昇降部225が下降位置にあるとき(
図8参照)、昇降部225の上面225aは、昇降部225が上昇位置にあるときの上面225a(
図7参照)よりも、下方に位置している。この場合、比較的簡素な構成により、第2トレイ22が収納位置にあるときにストッパ23の当接機能を抑制しかつ第2トレイ22が引出位置にあるときにストッパ23の当接機能を発揮させることを実現できる。
【0064】
昇降部225が上昇位置にあるとき(
図7参照)、昇降部225の排出方向Dの下流側の端部225yが、ストッパ23の上端23tに当接している。この場合、第2トレイ22が収納位置にあるとき(昇降部225が上昇位置にあるとき)に、ストッパ23の当接機能をより確実に抑制でき、ジャムの抑制効果が高まる。
【0065】
昇降部225が下降位置にあるとき(
図8参照)、昇降部225の上面225aは、第1支持面S1のうち昇降部225以外の部分(即ち、第1トレイ21の上面21a)よりも下方に位置している。仮に、昇降部225が下降位置にあるときに、昇降部225の上面225aが、第1支持面S1のうち昇降部225以外の部分(即ち、第1トレイ21の上面21a)よりも上方に位置していると、用紙Pが昇降部225に引っ掛かり、用紙Pを排紙トレイ220上に適切に支持できない問題が生じ得る。本構成では、当該問題を抑制できる。
【0066】
第2トレイ22の収納位置と引出位置との間の移動に連動して、昇降部225が上昇位置と下降位置との間で移動する。この場合、第2トレイ22の移動をセンサで検知してモータで昇降部225を昇降させる構成に比べ、装置構成を簡素化できる。
【0067】
昇降部225は、排出方向Dの上流側の端部225xを支点として上下方向に移動可能である。ストッパ23の当接面23aは、
図5及び
図6に示すように、上方に向かうにつれて排出方向Dの下流側に傾斜している。第2トレイ22が引出位置にあるときの、昇降部225の排出方向Dの上流側の端部225xから排出方向Dの下流側の端部225yまでの排出方向Dの長さL4(
図8参照)は、第2トレイ22が収納位置にあるときの、端部225xから当接面23a(
図5及び
図6参照)の下端までの排出方向Dの長さL4(
図7参照)よりも長い。この場合、例えば第2トレイ22の第1トレイ21に対するスライド機構と昇降部225の昇降機構とをギヤ等で連結させる構成に比べ、簡素な構成により、上記の連動を実現できる。
【0068】
<第3実施形態>
続いて、
図9及び
図10を参照し、本発明の第2実施形態に係る複合機(画像形成装置)及び排紙トレイ(シートトレイ)について説明する。
【0069】
本実施形態は、昇降部の構成が第1実施形態と異なり、その他は第1実施形態と同じである。
【0070】
本実施形態の排紙トレイ320には、第1トレイ21及び第2トレイ22に形成されたスリット内に配置された、一対の昇降部325が設けられている。一対の昇降部325は、それぞれ、左右方向から見て三角形状の板状部材で構成され、ストッパ23の左右方向の一端及び他端と排出方向Dに重なる位置に設けられている。
【0071】
昇降部325は、第2トレイ22が収納位置にあるときに上昇位置を取り(
図9参照)、第2トレイ22が引出位置にあるときに下降位置を取る(
図10参照)。昇降部325は、第1トレイ21及び第2トレイ22に対して上下方向に移動可能である。
【0072】
昇降部325の上面325aは、第1支持面S1を構成する。
【0073】
昇降部325が上昇位置にあるとき(
図9参照)、昇降部325の上面325aは、排出方向Dの下流側に向かうにつれて上方に傾斜している。このとき、昇降部325の排出方向Dの下流側の端部325yが、ストッパ23の上端23tに当接している。またこのとき、昇降部325の排出方向Dの下流側の端部325yの上面325aが、第1支持面S1及び第2支持面S2の最も上端部を構成している。
【0074】
昇降部325が下降位置にあるとき(
図10参照)、昇降部325の上面325aは、昇降部325が上昇位置にあるときの上面325a(
図9参照)よりも、下方に位置している。またこのとき、昇降部325の上面325aは、第1支持面S1のうち昇降部325以外の部分(即ち、第1トレイ21の上面21a)よりも下方に位置している。
【0075】
本実施形態では、第2トレイ22の第1トレイ21に対するスライド機構と昇降部325の昇降機構とが、ギヤ等で連結されている。これにより、第2トレイ22の収納位置と引出位置との間の移動に連動して、昇降部325が上昇位置と下降位置との間で移動する。
【0076】
第2トレイ22が収納位置にあるとき(
図9参照)の第1支持面S1及び第2支持面S2の最も上端部(昇降部325の排出方向Dの下流側の端部325yの上面325a)からストッパ23の上端23tまでの上下方向の距離は、第1実施形態と同様、略ゼロであり、第2トレイ22が引出位置にあるとき(
図10参照)の第1支持面S1及び第2支持面S2の最も上端部(昇降部325の排出方向Dの下流側の端部325yの上面325a)からストッパ23の上端23tまでの上下方向の距離よりも小さい。
【0077】
第2トレイ22が引出位置にあるとき(
図10参照)、ストッパ23の当接機能が発揮される。具体的には、排紙ローラ対45(
図2参照)により排出方向Dに排出された用紙Pは、ストッパ23の当接面23aに当接した後、落下し、第1支持面S1及び第2支持面S2に支持される。
【0078】
第2トレイ22が収納位置にあるとき(
図9参照)、ストッパ23の当接機能が抑制される。具体的には、排紙ローラ対45(
図2参照)により排出方向Dに排出された用紙Pは、昇降部325の上面325aに沿って移動し、ストッパ23の当接面23aに当接することなく、昇降部325の上面325aに支持されるか、或いは、昇降部325の上面325a及びストッパ23の上端23tを通過して排紙トレイ320から落下する。
【0079】
以上に述べたように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の構成により、以下のような効果が得られる。
【0080】
第2トレイ22が収納位置(
図9参照)にあるときは、ストッパ23の当接機能が抑制されるため、ジャムを抑制できる。また、第2トレイ22が引出位置(
図10参照)にあるときは、ストッパ23の当接機能が発揮されるため、用紙Pの落下を防止できる。即ち、第2トレイ22が収納位置にあるときのジャムの抑制と、第2トレイ22が引出位置にあるときの用紙Pの落下防止とを、共に実現することができる。
【0081】
第2トレイ22が収納位置にあるときの第1支持面S1及び第2支持面S2の最も上端部(昇降部325の排出方向Dの下流側の端部325yの上面325a)からストッパ23の上端23tまでの上下方向の距離が、第2トレイ22が引出位置にあるときの第1支持面S1及び第2支持面S2の最も上端部(昇降部325の排出方向Dの下流側の端部325yの上面325a)からストッパ23の上端23tまでの上下方向の距離よりも小さくなるように、第1支持面S1及び第2支持面S2がストッパ23に対して相対的に移動可能に構成されている。この場合、第2トレイ22が収納位置にあるときにストッパ23の当接機能を抑制しかつ第2トレイ22が引出位置にあるときにストッパ23の当接機能を発揮させることを実効的に実現できる。
【0082】
昇降部325が上昇位置にあるとき(
図9参照)、昇降部325の上面325aは、排出方向Dの下流側に向かうにつれて上方に傾斜した部分を有し、少なくとも排出方向Dの下流側の端部325yの上面が、第1支持面S1及び第2支持面S2の最も上端部を構成している。昇降部325が下降位置にあるとき(
図10参照)、昇降部325の上面325aは、昇降部325が上昇位置にあるときの上面325a(
図9参照)よりも、下方に位置している。この場合、比較的簡素な構成により、第2トレイ22が収納位置にあるときにストッパ23の当接機能を抑制しかつ第2トレイ22が引出位置にあるときにストッパ23の当接機能を発揮させることを実現できる。
【0083】
昇降部325が上昇位置にあるとき(
図9参照)、昇降部325の排出方向Dの下流側の端部325yが、ストッパ23の上端23tに当接している。この場合、第2トレイ22が収納位置にあるとき(昇降部225が上昇位置にあるとき)に、ストッパ23の当接機能をより確実に抑制でき、ジャムの抑制効果が高まる。
【0084】
昇降部325が下降位置にあるとき(
図10参照)、昇降部325の上面325aは、第1支持面S1のうち昇降部325以外の部分(即ち、第1トレイ21の上面21a)よりも下方に位置している。仮に、昇降部325が下降位置にあるときに、昇降部325の上面325aが、第1支持面S1のうち昇降部325以外の部分(即ち、第1トレイ21の上面21a)よりも上方に位置していると、用紙Pが昇降部325に引っ掛かり、用紙Pを排紙トレイ320上に適切に支持できない問題が生じ得る。本構成では、当該問題を抑制できる。
【0085】
第2トレイ22の収納位置と引出位置との間の移動に連動して、昇降部325が上昇位置と下降位置との間で移動する。この場合、第2トレイ22の移動をセンサで検知してモータで昇降部325を昇降させる構成に比べ、装置構成を簡素化できる。
【0086】
<変形例>
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
【0087】
昇降部が上昇位置にあるとき、昇降部の排出方向の下流側の端部は、ストッパの上端に当接することに限定されず、ストッパの当接面の任意の位置に当接してよく、或いは、ストッパに当接しなくてもよい。
【0088】
昇降部が下降位置にあるとき、昇降部の上面は、上下方向において第1支持面のうち昇降部以外の部分と同じ位置にあってもよい。或いは、昇降部が下降位置にあるとき、昇降部の上面は、第1支持面のうち昇降部以外の部分よりも上方に位置してもよい。
【0089】
昇降部は、上述の実施形態では板状部材で構成されるが、ブロック状(塊状)の部材で構成されてもよい。
【0090】
昇降部が上昇位置にあるとき、昇降部の上面は、排出方向の下流側に向かうにつれて上方に傾斜した部分を有さなくてもよい(例えば、排出方向に沿った面であってもよい)。
【0091】
第2トレイの移動をセンサで検知してモータで昇降部を昇降させてもよい。
【0092】
第1支持面及び第2支持面の少なくとも一方がストッパに対して相対的に移動可能に構成された例として、上述の実施形態では、第1支持面を構成する昇降部がストッパに対して移動可能な構成を例示したが、これに限定されない。例えば、第2支持面を構成する部材がストッパに対して移動可能であってもよいし、第1支持面を構成する部材及び第2支持面を構成する部材の両方がストッパに対して移動可能であってもよい。或いは、ストッパが、第2トレイが第1位置にあるときは当接機能が抑制されるような下降位置を取り、第2トレイが第2位置にあるときは当接機能が発揮されるような上昇位置を取るように、第1支持面及び第2支持面に対して移動可能であってもよい。
【0093】
第2支持面は、上述の実施形態では第1支持面の下方に位置するが、第1支持面の上方に位置してもよい。
【0094】
シートは、用紙に限定されず、例えば、布、樹脂部材等であってもよい。
【0095】
画像形成部は、インク以外の液体(例えば、インク中の成分を凝集又は析出させる処理液等)を吐出してもよい。また、画像形成部は、液体吐出方式に限定されず、レーザー方式、熱転写方式等であってもよい。
【0096】
本発明に係る画像形成装置は、複合機に限定されず、プリンタであってもよい。また、画像形成装置は、ファクシミリ、コピー機等であってもよい。
【0097】
本発明に係るシートトレイは、画像形成装置に適用されることに限定されず、画像形成装置以外の任意の装置(例えば、スキャナ等)に適用可能である。
【符号の説明】
【0098】
20;220;320 排紙トレイ(シートトレイ)
21 第1トレイ
22 第2トレイ
23 ストッパ
23a 当接面
23t 上端
25;225;325 昇降部
25a;225a;325a 上面
25y;225y;325y 下流側の端部
25z 回動軸
30 ヘッド(画像形成部)
45 排紙ローラ対(排出機構)
100 複合機(画像形成装置)
D 排出方向
S1 第1支持面
S2 第2支持面
P 用紙(シート)