(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】手動走査装置、及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/107 20060101AFI20241210BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20241210BHJP
H04N 1/387 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
H04N1/107
G06T1/00 420P
H04N1/387 800
(21)【出願番号】P 2021008230
(22)【出願日】2021-01-21
【審査請求日】2023-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】福田 浩司
【審査官】中田 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-339397(JP,A)
【文献】特開2000-298698(JP,A)
【文献】特開2017-107488(JP,A)
【文献】国際公開第2012/042887(WO,A1)
【文献】特開2009-043157(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/107
G06T 1/00
H04N 1/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査対象物の走査対象領域を撮像する、撮像手段と、
前記走査対象領域にマーキングをするための光を照射する、照射手段と、
前記走査対象領域と、前記マーキングの位置とを調整する、調整手段と、
画像データに含まれる前記走査対象領域に対応する走査対象領域画像の歪みを、前記画像データに含まれる前記マーキングにより付されたマークに対応するマーク画像に基づいて補正する、補正手段と、
を有する手動走査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の手動走査装置であって、
前記照射手段と、前記調整手段とを収納する筐体は、
前記走査対象物と接触したことを検出する、検出手段と、
走査において利用者が目視により前記走査対象領域を確認でき、かつ前記撮像と前記マーキングとを阻害しない位置に、前記利用者の指を配置させる、配置手段と、
を有する手動走査装置。
【請求項3】
請求項
2に記載の手動走査装置であって、
前記筐体がペン形状である
手動走査装置。
【請求項4】
走査対象物の走査対象領域を撮像する、撮像手段と、
前記走査対象領域にマーキングをするための光を照射する、照射手段と、
前記走査対象領域と、前記マーキングの位置とを調整する、調整手段と、
前記走査対象物と接触したことを検出する、検出手段と、
を有する手動走査装置と、
画像データに含まれる前記走査対象領域に対応する走査対象領域画像の歪みを、前記画像データに含まれる前記マーキングにより付されたマークに対応するマーク画像に基づいて補正する、補正手段
を有する情報処理装置と、
を有するシステム。
【請求項5】
請求項
4に記載のシステムであって、
前記手動走査装置は、
走査において利用者が目視により前記走査対象領域を確認でき、かつ前記マーキングと前記撮像を阻害しない位置に、前記利用者の指を配置させる、配置手段を有する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走査対象物の表面に表示されている情報を手動走査により撮像する手動走査装置、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ペン形状の手動走査装置(ペン型スキャナ)は、利用者がペンを持つように手動走査装置の筐体を把持し、その状態で、走査対象物の表面上を走査して、走査対象物の表面に表示されている情報(例えば、文字、図形など)を撮像する装置である。
【0003】
関連する技術として、例えば、特許文献1には、筐体の持ち方、走査方向のずれの影響を抑止することにより、走査対象物の表面の情報を高精度で読み取ることができるペン型スキャナが開示されている。また、特許文献1のペン型スキャナは、筐体にイメージセンサとミラーを収納している。さらに、特許文献1のペン型スキャナは、筐体の姿勢及び走査面に対する傾きを検出し、検出結果に基づいてミラーの傾きを自動調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のペン型スキャナは、走査対象物の表面からの光を、筐体の一方端から筐体の内部へ入光しているため、利用者が目視により、走査中の走査対象物上の走査対象領域を確認することができない。すなわち、利用者の視界が筐体により遮られるため、手動走査時に、利用者が目視により走査対象領域を確認することができない。そのため、特許文献1のペン型スキャナを用いても、ペンで線を引くような感覚で手動走査をすることができない。
【0006】
具体的には、特許文献1のペン型スキャナでも、手動走査がし易い環境において手動走査を行う場合、例えば、室内の机に置かれた印刷物に対して手動走査をする場合、手動走査が上手くできるので、走査対象領域を精度よく撮像できる。
【0007】
しかし、手動走査が困難な環境において手動走査を行う場合、例えば、屋外の不安定な場所に置かれた印刷物に対して手動走査をするような場合、利用者が走査対象領域を目視により確認し易くしないと、手動走査を上手くできないので、走査対象領域を精度よく撮像できない。
【0008】
例えば、交通違反取締の際に、警察官が、オートバイの車上で違反切符の特定の箇所(走査対象領域)を手動走査により撮像するような場合、特定の箇所を目視により確認できないと、手動走査が上手くできないため、特定の箇所を精度よく撮像できない。
【0009】
一つの側面として、手動走査の利便性を向上させる手動走査装置、及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、一つの側面における手動走査装置は、
走査対象物の走査対象領域を撮像する、撮像部と、
前記走査対象領域にマーキングをするための光を照射する、照射部と、
前記走査対象領域と、前記マーキングの位置とを調整する、調整部と、
を有することを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するため、一側面におけるシステムは、
走査対象物の走査対象領域を撮像する、撮像部と、
前記走査対象領域にマーキングをするための光を照射する、照射部と、
前記走査対象領域と、前記マーキングの位置とを調整する、調整部と、
前記走査対象物と接触したことを検出する、検出部と、
を有する手動走査装置と、
画像データに含まれる前記走査対象領域に対応する走査対象領域画像の歪みを、前記画像データに含まれる前記マーキングにより付されたマークに対応するマーク画像の座標に基づいて補正する、補正部
を有する情報処理装置と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
一つの側面として、手動走査の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、手動走査装置の一例を説明するための図である。
【
図2】
図2は、手動走査と走査対象領域の関係を説明するための図である。
【
図3】
図3は、走査対象領域とマークとの関係を説明するための図である。
【
図4】
図4は、手動走査装置を有するシステムの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、画像データの補正について説明するための図である。
【
図6】
図6は、変形例1の説明をするための図である。
【
図7】
図7は、変形例2の説明をするための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。なお、以下で説明する図面において、同一の機能又は対応する機能を有する要素には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略することもある。
【0015】
(実施形態)
図1を用いて、本実施形態における手動走査装置の構成について説明する。
図1は、手動走査装置の一例を説明するための図である。
【0016】
[装置構成]
最初に、手動走査装置10の筐体1の構造について説明をする。
手動走査装置10は、利用者がペンを用いて線を引くような感覚で手動走査ができるような形状の筐体1を有する。筐体1の外部側面には光入出部2を有する。光入出部2には開口部3が設けられている。また、筐体1の一方端(走査時に走査対象物側にある先端)には接触部4を有している。
【0017】
筐体1は、内部に、手動走査に用いる走査機能(回路)を収納している。筐体1は、例えば、
図1に示すようなペン形状であることが望ましい。ただし、筐体1の形状は、
図1に示すようなペン形状に限定されるものではない。
【0018】
光入出部2は、
図1に示す走査対象物の走査対象領域を撮像するための光を筐体1の内部へと入光するとともに、筐体1の内部から走査対象物の走査対象領域にマーキングするための光を筐体1の外部へ出光するための機構である。
【0019】
走査対象物は、例えば、紙などの媒体である。走査対象物の表面には、情報(例えば、文字、図形など)が印刷又は人手により記入することができる。
【0020】
走査対象領域は、例えば、利用者が手動走査をする場合に、走査対象となる領域(撮像範囲)である。
【0021】
走査対象領域にマーキングするとは、走査対象領域を利用者に把握させるための目印(マーク)を、走査対象物の表面に表示することである。
【0022】
また、光入出部2は、内部に、利用者が走査対象領域を把握し易くするために用いる、走査対象領域の位置を調整する調整機構を有する。なお、調整機構については後述する。
【0023】
さらに、光入出部2は、筐体1の内部に設けられている回路などを、利用者が外部から直接触れられないように保護するための機構である。
【0024】
図1の例では、手動走査する場合に、光入出部2を、筐体1の外部側面のZ軸方向側(走査対象物と反対側)にして使用する例を示したが、光入出部2の使用時の位置は、
図1に示した位置に限定されるものではない。
【0025】
開口部3は、走査対象領域を撮像するための光を筐体1の内部へと入光するとともに、走査対象領域にマーキングするための光を筐体1の外部へ出光するために設けられている。
【0026】
なお、開口部3には、外部から光入出部2を介して筐体1の内部に塵などが入らないように、開口部3を塞ぐように透明のパネルを取り付けてもよい。パネルは、例えば、ガラス、透過率の高いプラスチックなどである。
【0027】
接触部4は、走査時に走査対象物に接触し作用点となる機構である。作用点とは、例えば、ペン先に相当する。接触部4を利用することにより、ペンで線を引くような感覚で手動走査ができる。接触部4の形状及び材質は、対象とする走査対象物、及び、手動走査装置10の使用環境により決定する。
【0028】
図2は、手動走査と走査対象領域の関係を説明するための図である。
図2の例では、走査対象物を「違反告知書」などの印刷物に対して、利用者が、点線矢印の示す方向に、手動走査装置10を移動させ、走査している。その場合、
図2に示すように、走査対象領域21は走査対象物上に設定され、手動走査装置10の移動に合わせて走査対象領域21も移動する。
【0029】
次に、手動走査装置10の筐体1の内部の構成について説明をする。
筐体1の内部には、撮像部11と、照射部12と、調整部13と、処理部14とが設けられている。手動走査は、照射部12が照射をして走査対象領域に光をあて、その反射光を、調整部13を介して撮像部11が捉えることにより走査をする。
【0030】
撮像部11は、走査対象物の走査対象領域を撮像する。具体的には、撮像部11は、撮像素子が反射光を受光し、受光した光に含まれる情報を電気信号に変換して、処理部14に出力する。撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)などである。また、撮像部11は、接触部4が走査対象物に接触すると撮像を開始する。なお、撮像部11は、集光レンズを介して反射光を受光してもよい。
【0031】
照射部12は、走査対象領域にマーキングをするための光を照射する。具体的には、照射部12は、接触部4が走査対象物に接触すると照射を開始する。照射部12の発光素子は、例えば、LED(light emitting diode)などである。なお、発光素子の光色、演色性、照度は、実験、シミュレーションなどにより決定する。
【0032】
図3は、走査対象領域とマークとの関係を説明するための図である。
図3のAの例は、走査対象領域に対応する範囲31全体に光を照射してマーキングをする例である。
図3のAでは、撮像に必要な光量の光を走査対象領域に照射する。ただし、走査対象領域の形状は、四角形に限定されるものではなく、走査対象領域を把握できる形状であればよい。
【0033】
また、
図3のBの例は、走査対象領域に対応する範囲に光を照射するとともに、更に、範囲の四隅にもマーク32a、32b、32c、32dをマーキングしてもよい。なお、
図3のBの例では、十字形状のマーク32aから32dを、走査対象領域の範囲の四隅に四個配置した例を示したが、マークの形状と数は
図3のBに限定されるものではない。
【0034】
マークを走査対象領域に表示させるための光学系について説明する。
(1)四つの高指向性LEDとレンズを用いて、LEDから照射された光をスポット形状の光に変換し、走査対象物に照射する。
【0035】
(2)一つの高指向性LEDとビームスプリッタを用いて、LEDから照射された光の光路を分離し、分離した光を走査対象物に照射する。
【0036】
(3)レーザとビームスプリッタを用いて、レーザから照射されたレーザ光を分割し、分割したレーザ光を走査対象物に照射する。例えば、分割したレーザ光を走査対象物の四か所に照射する。
【0037】
(4)回折格子(DOE)を用いて、走査対象物に十字形状やスポット形状の光を、走査対象物の四か所に照射してもよい。
【0038】
調整部13は、走査対象領域とマーキングの位置を調整するための調整機構である。具体的には、調整部13は、走査対象物の走査対象領域から反射光の光路を調整して、反射光を撮像部11に受光させる光学系である。
【0039】
また、調整部13は、照射部12から照射された光の光路を調整して、走査対象領域に照射する光学系である。調整部13は、例えば、ミラー、プリズムなどの光路を調整可能な光学部品を有する。
【0040】
処理部14は、撮像部11と照射部12の制御処理を実行する。具体的には、処理部14は、接触部4が走査対象物に接触したことを検出すると、撮像部11と照射部12とを制御して、撮像処理と照射処理を開始する。
【0041】
処理部14は、撮像部11から出力された電気信号に基づいて画像処理を実行し、走査対象領域に対応する画像データを生成する。
【0042】
処理部14は、手動走査装置10を利用する環境に応じて、走査対象領域を照らす照度を変更してもよい。すなわち、処理部14は、撮像部11から出力された電気信号に基づいて、照射部12から照射する光の光量を変更してもよい。
【0043】
なお、処理部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプログラマブルなデバイス、又はそれらのうちのいずれか一つ以上を搭載した回路などである。
【0044】
このように、本実施形態においては、手動走査をする場合に、走査対象領域をマーキングすることにより、走査対象領域を利用者が目視で把握し易くできるので、手動走査の利便性を向上させることができる。また、接触部4を設けることにより、ペンで線を引くような感覚で手動走査をすることができる。
【0045】
[システム構成]
図4を用いて、本実施形態における手動走査装置10を有するシステムの構成をより具体的に説明する。
図4は、手動走査装置を有するシステムの一例を示す図である。
【0046】
図4に示すようにシステムは、手動走査装置10と、情報処理装置40とを有する。手動走査装置10は、撮像部11と、照射部12と、調整部13と、処理部14と、検出部15と、通信部16とを有する。情報処理装置40は、通信部41と、補正部42とを有する。
【0047】
手動走査装置10について説明する。
撮像部11、照射部12、調整部13、処理部14については、既に説明をしたので、説明を省略する。
【0048】
検出部15は、筐体1の内部に収納され、接触部4が走査対象物と接触したことを検出するセンサである。具体的には、検出部15は、接触部4が走査対象物と接触したことを検出すると、接触していることを表す情報を処理部14に出力する。
【0049】
通信部16は、筐体1の内部に収納され、画像データを情報処理装置40に送信する。具体的には、通信部16は、処理部14が生成した画像データを取得して、画像データを有線又は無線などの通信より、情報処理装置40へ送信する。
【0050】
情報処理装置40について説明する。
情報処理装置40は、例えば、CPU、又はFPGAなどのプログラマブルなデバイス、又はGPU、又はそれらのうちのいずれか一つ以上を搭載した回路、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ、モバイル端末などの情報処理装置である。
【0051】
通信部41は、通信部16から送信された画像データを受信する。具体的には、通信部41は、有線又は無線などの通信より、通信部16から送信された画像データを受信する。なお、受信した画像データは、情報処理装置40の内部の記憶部に記憶してもよいし、情報処理装置40の外部に設けられた記憶装置に記憶してもよい。
【0052】
補正部42は、画像データに基づいて、走査対象領域の画像を補正する。具体的には、補正部42は、画像データに含まれる走査対象領域に対応する走査対象領域画像の歪みを、画像データに含まれるマーキングにより付されたマークに対応するマーク画像に基づいて補正する。
【0053】
走査対象領域画像は、走査対象物と手動走査装置10の傾きの程度により、撮像された画像の歪みが異なる。例えば、OCR(Optical character recognition)などにより文字認識をする場合、画像が歪でいる文字認識を精度よく行えないので、歪を補正する必要がある。
【0054】
図5は、画像データの補正について説明するための図である。例えば、
図3のBのようにマーク32aから32dをマーキングした場合に、
図5のAに示すように画像データが作成されたとする。そうすると、
図3のBの「11月」とマーク32a、32b、32c、32dとに対応する、
図5のAの「11月」の画像とマーク画像51a、51b、51c、51dは、
図5のAに示すように歪んで撮像されている。
【0055】
そのような場合、補正部42は、画像上のマーク画像51aから51dの座標を用いて、画像の傾きを算出し、算出した傾きに基づいて、画像データを補正して、
図5のBに示すような画像データを生成する。
【0056】
なお、マーク画像がない場合には、画像処理により、画像データから走査対象領域の境界を検出して、検出した境界の傾きに基づいて画像データを補正する。画像データの走査対象領域に対応する画像には光が照射されている。そのため、走査対象領域とそれ以外の領域では色が異なるため、走査対象領域とそれ以外の領域との境界を検出することができる。
【0057】
なお、補正部42の機能を手動走査装置10に設けてもよい。その場合、処理部14に補正処理を実行させる。
【0058】
(変形例1)
変形例1について説明をする。
図6は、変形例1の説明をするための図である。
図1の例では、光入出部2を正面に設けたが、
図6の手動走査装置60のように、光入出部61を正面以外の位置に設けてもよい。ただし、光入出部61の位置に応じて、走査対象領域とマーキングの位置が、光入出部2を正面に設けた場合と同じ位置になるように、撮像部11、照射部12、調整部13の取り付け位置と光学系の調整をする。
【0059】
ここで、正面以外の位置とは、走査において利用者が目視により走査対象領域を確認でき、かつマーキングと撮像を阻害しない位置である。
【0060】
(変形例2)
変形例2について説明をする。
図7は、変形例2の説明をするための図である。変形例2に示す手動走査装置70では、筐体1の側面に、光入出部61と別に、利用者の指による光路の遮断を防止するために、利用者の指を所定の位置に配置させるための配置部71を設ける。また、手動走査装置70の筐体1には、利用者の指を安定させるための補助部72、73を設ける。
【0061】
配置部71は、走査において利用者が目視により走査対象領域を確認でき、かつマーキングと撮像を阻害しない位置に、利用者の指を配置させる機構である。具体的には、配置部71は、
図7に示すように、光入出部61が設けられている位置と逆の位置に設ける。また、配置部71の形状は、
図7に示すように、筐体1の側面から隆起し、流線形をしている。
【0062】
補助部72、73は、光入出部61及び配置部71のいずれかの位置に接着されている。
図7の例では、網範囲の位置に設けられている。補助部72、73は、例えば、ゴム、シリコンなどの材質でできたシートである。
【0063】
ただし、配置部71、補助部72、73の形状は、
図7に示した形状に限定されるものではない。利用者の指により光路を遮断せず、更に、利用者の指を安定させる位置に、指を配置できればよい。
【0064】
[本実施形態の効果]
以上のように本実施形態によれば、手動走査をする場合に、走査対象領域をマーキングすることで、走査対象領域を利用者が目視で把握し易くできるので、手動走査の利便性を向上させることができる。また、接触部4を設けることにより、ペンで線を引くような感覚で手動走査をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
以上のように本発明によれば、手動走査の利便性を向上させることができる。本発明は、手動走査を必要とする分野において有用である。
【符号の説明】
【0066】
1 筐体
2、61 光入出部
3 開口部
4 接触部
10、60、70 手動走査装置
11 撮像部
12 照射部
13 調整部
14 処理部
15 検出部
16 通信部
40 情報処理装置
41 通信部
42 補正部
71 配置部
72、73 補助部