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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】計算機及び計算プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 15/02 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
G06F15/02 360A
G06F15/02 310G
G06F15/02 340B
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021012205
(22)【出願日】2021-01-28
(65)【公開番号】P2022115562
(43)【公開日】2022-08-09
【審査請求日】2024-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】高島 敏文
(72)【発明者】
【氏名】有川 和彦
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 博明
(72)【発明者】
【氏名】吉川 裕紀
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-132517(JP,A)
【文献】特開2020-057374(JP,A)
【文献】特開2002-032348(JP,A)
【文献】特開平7-013934(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
数値の入力を受け付けた後に第1の指示入力を受け付けた場合に、前記数値に対して第1の引数を用いた第1の計算を実施する第1の計算部と、
数値の入力を受け付けた後に第2の指示入力を受け付けた場合に、前記数値に対して前記第1の引数を用いた第2の計算を実施する第2の計算部と、
前記第1の計算が実施された後で、数値が入力されることなく前記第2の指示入力を受け付けた場合に、前記第1の計算の計算結果を前記第1の指示入力を受け付ける直前の入力状態に戻す第1の制御部と、
前記第2の計算が実施された後で、数値が入力されることなく前記第1の指示入力を受け付けた場合に、前記第2の計算の計算結果を前記第2の指示入力を受け付ける直前の入力状態に戻す第2の制御部と、
を具備する計算機。
【請求項2】
前記第1の計算が実施された際に、今回実施された前記第1の計算よりも前に前記第1の計算が実施されていた場合には、前回までに実施された前記第1の計算の計算結果に基づく数値と、今回前記第1の計算を実施した際の計算結果に基づく数値と、の合計値を第1の合計値として記憶部に記憶させる第1の記憶制御部をさらに具備する請求項1に記載の計算機。
【請求項3】
前記第1の記憶制御部は、前記第1の制御部によって前記第1の計算の計算結果が直前の入力状態に戻された場合に、記憶されている前記第1の合計値から今回前記第1の計算を実施した際の計算結果に基づく数値を減算した値を新たな前記第1の合計値として前記記憶部に記憶させる、
請求項2に記載の計算機。
【請求項4】
前記第2の計算が実施された際に、今回実施された前記第2の計算よりも前に前記第2の計算が実施されていた場合には、前回までに実施された前記第2の計算の計算結果に基づく数値と、今回前記第2の計算を実施した際の計算結果に基づく数値と、の合計値を第2の合計値として記憶部に記憶させる第2の記憶制御部をさらに具備する請求項1乃至3の何れか1項に記載の計算機。
【請求項5】
前記第2の記憶制御部は、前記第2の制御部によって前記第2の計算の計算結果が直前の入力状態に戻された場合に、記憶されている前記第2の合計値から今回前記第2の計算を実施した際の計算結果に基づく数値を減算した値を新たな前記第2の合計値として前記記憶部に記憶させる、
請求項4に記載の計算機。
【請求項6】
入力された数値、前記第1の計算の結果、前記第2の計算の結果の何れかを表示部に表示する表示制御部をさらに具備し、
前記表示制御部は、
数値が入力されたときには、前記入力された数値を前記表示部に表示し、
前記第1の計算が実施されたときには、前記第1の計算の結果を前記表示部に表示し、
前記第2の計算が実施されたときには、前記第2の計算の結果を前記表示部に表示し、
前記第1の計算の結果がクリアされたとき又は前記第2の計算の結果がクリアされたときには、前記第1の計算又は前記第2の計算が実施される直前に入力された前記数値を前記表示部に表示する、
請求項1乃至5の何れか1項に記載の計算機。
【請求項7】
前記表示制御部は、
前記第1の計算が実施されたときには、前記第1の計算の結果とともに前記第1の計算が実施されたことを示す第1のアイコンを表示し、
前記第2の計算が実施されたときには、前記第2の計算の結果とともに前記第2の計算が実施されたことを示す第2のアイコンを表示し、
前記入力された数値を前記表示部に表示するときには、前記第1のアイコン又は前記第2のアイコンの表示を消去する、
請求項6に記載の計算機。
【請求項8】
前記第1の指示入力は、税込キーの入力であり、
前記第2の指示入力は、税抜キーの入力である、
請求項1乃至7の何れか1項に記載の計算機。
【請求項9】
前記第1の計算は、前記第1の引数としての第1の税率を用いた税込計算であり、
前記第2の計算は、前記第1の税率を用いた税抜計算である、
請求項1乃至8の何れか1項に記載の計算機。
【請求項10】
前記第1の計算は、前記第1の引数としての第1の税率を用いた税込計算であり、
前記第1の合計値は、前回までに実施された税込計算の計算結果に基づく数値と今回前記実施した際の税込計算の計算結果に基づく数値との合計値及び前回までに実施された税込計算の計算結果に基づく数値と今回前記実施した際の税込計算の計算結果に基づく数値との合計値から計算される税額の合計値である、
請求項2又は3に記載の計算機。
【請求項11】
前記第1の計算の結果、前記税込計算の結果の合計値、前記税額の合計値を切り替えて表示部に表示する表示制御部をさらに具備する、
請求項10に記載の計算機。
【請求項12】
前記第2の計算は、前記第1の引数としての第1の税率を用いた税抜計算であり、
前記第2の合計値は、前回までに実施された税抜計算の計算結果に基づく数値と今回前記実施した際の税抜計算の計算結果に基づく数値との合計値及び前回までに実施された税抜計算の計算結果に基づく数値と今回前記実施した際の税抜計算の計算結果に基づく数値との合計値から計算される税額の合計値である、
請求項4又は5に記載の計算機。
【請求項13】
前記第2の計算の計算結果、前記税抜計算の結果の合計値、前記税額の合計値を切り替えて表示部に表示する表示制御部をさらに具備する、
請求項12に記載の計算機。
【請求項14】
数値の入力を受け付けた後に第1の指示入力を受け付けた場合に、前記数値に対して第1の引数を用いた第1の計算を実施することと、
数値の入力を受け付けた後に第2の指示入力を受け付けた場合に、前記数値に対して前記第1の引数を用いた第2の計算を実施することと、
前記第1の計算が実施された後で、数値が入力されることなく前記第2の指示入力を受け付けた場合に、前記第1の計算の計算結果を前記第1の指示入力を受け付ける直前の入力状態に戻すことと、
前記第2の計算が実施された後で、数値が入力されることなく前記第1の指示入力を受け付けた場合に、前記第2の計算の計算結果を前記第2の指示入力を受け付ける直前の入力状態に戻すことと、
をプロセッサに実行させるための計算プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計算機及び計算プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
卓上計算機等の計算機には、予め設定された特定の数値を用いて特定の計算を実施する機能を有しているものがある。このような機能は、例えば消費税の計算機能を含む。消費税の計算では、計算が実行されると、予め設定されている消費税率が呼び出され、入力された金額に対する税込価格又は税抜価格が計算される。税込価格の計算のための税込キー及び税抜価格の計算のための税抜キーが個別に設けられた計算機も知られている。さらに、近年では複数の異なる税率について税込キー及び税抜キーが設けられた計算機も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-132517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
異なる税率についての税計算のキーが設けられている場合、ユーザが計算機への入力中に本来の意図とは異なる税率の税計算のキーを誤って押してしまって本来の意図とは異なる税計算が実施されてしまうことが想定される。このような場合において、簡易な操作で本来の意図する税計算を実施できるようにすることは有用である。
【0005】
本発明は、ユーザの本来の意図とは異なる計算が実施されてしまっても、簡易な操作で入力状態を戻すことができるようにする計算機及び計算プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の計算機は、数値の入力を受け付けた後に第1の指示入力を受け付けた場合に、数値に対して第1の引数を用いた第1の計算を実施する第1の計算部と、数値の入力を受け付けた後に第2の指示入力を受け付けた場合に、数値に対して第1の引数を用いた第2の計算を実施する第2の計算部と、第1の計算が実施された後で、数値が入力されることなく第2の指示入力を受け付けた場合に、第1の計算の計算結果を第1の指示入力を受け付ける直前の入力状態に戻す第1の制御部と、第2の計算が実施された後で、数値が入力されることなく第1の指示入力を受け付けた場合に、第2の計算の計算結果を第2の指示入力を受け付ける直前の入力状態に戻す第2の制御部とを具備する。
【0007】
本発明の第2の態様の計算プログラムは、数値の入力を受け付けた後に第1の指示入力を受け付けた場合に、数値に対して第1の引数を用いた第1の計算を実施することと、数値の入力を受け付けた後に第2の指示入力を受け付けた場合に、数値に対して第1の引数を用いた第2の計算を実施することと、第1の計算が実施された後で、数値が入力されることなく第2の指示入力を受け付けた場合に、第1の計算の計算結果を第1の指示入力を受け付ける直前の入力状態に戻すことと、第2の計算が実施された後で、数値が入力されることなく第1の指示入力を受け付けた場合に、第2の計算の計算結果を第2の指示入力を受け付ける直前の入力状態に戻すこととをプロセッサに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザの本来の意図とは異なる計算が実施されてしまっても、簡易な操作で入力状態を戻すことができるようにする計算機及び計算プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係る計算機の構成の一例を示す図である。
図2図2は、計算機の外観正面図である。
図3A図3Aは、実施形態に係る計算機の税計算の処理を示すフローチャートである。
図3B図3Bは、実施形態に係る計算機の税計算の処理を示すフローチャートである。
図4A図4Aは、第1の操作に従ってキー入力がされた場合のディスプレイ、入力値記憶領域、小合計1記憶領域、小合計2記憶領域の状態の遷移を示す図である。
図4B図4Bは、第2の操作に従ってキー入力がされた場合のディスプレイ、入力値記憶領域、小合計1記憶領域、小合計2記憶領域の状態の遷移を示す図である。
図5図5は、第1の操作におけるディスプレイの表示の遷移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、一実施形態に係る計算機1の構成の一例を示す図である。計算機1は、プロセッサ11と、メモリ12と、入力装置13と、ディスプレイ14と、電源モジュール15とを有している。計算機1は、卓上計算機、所謂電卓であってよい。計算機1は、電卓以外の数値の計算機能を有する各種の電子機器であってもよい。また、計算機1は、図1で示した以外の構成を有していてもよい。
【0011】
プロセッサ11は、計算機1の各種動作を制御するプロセッサである。プロセッサ11は、CPU、ASIC、FPGA等であってよい。また、プロセッサ11は、2つ以上のプロセッサで構成されていてもよい。プロセッサ11は、第1の税率又は第2の税率を用いた税込計算を実施する第1の計算部として動作する。また、プロセッサ11は、第1の税率又は第2の税率を用いた税抜計算を実施する第2の計算部として動作する。また、プロセッサ11は、第1の計算部の計算結果を直前の入力状態に戻す第1の制御部として動作する。また、プロセッサ11は、第2の計算部の計算結果を直前の入力状態に戻す第2の制御部として動作する。また、プロセッサ11は、メモリ12への記憶を制御する記憶制御部として動作する。また、プロセッサ11は、ディスプレイ14の表示を制御する表示制御部として動作する。ここで、第1の税率は、例えば10%である。また、第2の税率は、例えば8%である。第1の税率及び第2の税率は、ユーザによって変更されてもよい。
【0012】
メモリ12は、RAM及びROMを含む。RAMは、揮発性のメモリであって記憶部として動作し得る。RAMは、プロセッサ11における各種のデータを一時記憶するための作業メモリ等に用いられる。実施形態では、RAMは、数値キーを介して入力された数値を記憶するための入力値記憶領域を有している。また、RAMは、第1の税率を用いた税計算の結果を記憶するための小合計1記憶領域を有している。小合計1記憶領域は、第1の税率が適用された合計の税込価格を記憶するための第1の合計税込価格記憶領域と、第1の税率が適用された合計の税抜価格を記憶するための第1の合計税抜価格記憶領域と、第1の税率が適用された合計の税額を記憶するための第1の合計税額記憶領域とを有している。また、RAMは、第2の税率を用いた税計算の結果を記憶するための小合計2記憶領域を有している。小合計2記憶領域は、第2の税率が適用された合計の税込価格を記憶するための第2の合計税込価格記憶領域と、第2の税率が適用された合計の税抜価格を記憶するための第2の合計税抜価格記憶領域と、第2の税率が適用された合計の税額を記憶するための第2の合計税額記憶領域とを有している。ROMは、不揮発性のメモリである。ROMには、各種の計算機能を実行するための計算プログラム等の各種プログラムが記憶されている。また、ROMには、数値計算等に用いられる各種の特定の数値等が引数として記憶されている。この特定の数値は、例えば税計算に用いられる税率の値を含む。
【0013】
入力装置13は、ユーザが計算機1を操作するための各種の操作インタフェースである。入力装置13を用いた操作が受け付けられたとき、その操作に応じた入力信号がプロセッサ11に伝達される。
【0014】
ディスプレイ14は、液晶ディスプレイ等の表示部である。ディスプレイ14は、電卓機能に係る各種の表示をする。
【0015】
電源モジュール15は、計算機1の各回路に電源となる電力を供給する。電源モジュール15は、例えばソーラセルモジュールである。ソーラセルモジュールは、受光窓を介して照射された光から電力を生成する。
【0016】
図2は、計算機1の外観正面図である。図2に示すように、計算機1の筐体正面には、入力装置13とディスプレイ14とが設けられている。
【0017】
入力装置13は、数値キーと、演算キーと、機能キーとを有している。数値キーは、数値を入力するためのキーであって、例えば0から9のそれぞれの数値に対応したキーを含む。演算キーは、四則演算の実施のためのキーであって、例えば+(加算)、-(減算)、×(乗算)、÷(除算)のそれぞれの演算子に対応したキーと、=(演算実行)キーとを含む。機能キーは、計算機1の各種機能の実施のためのキーであって、例えばオールクリアキー(ACキー)、クリアキー(Cキー)、メモリキー(MRCキー、M+キー、M-キー)を含む。
【0018】
さらに、実施形態では、入力装置13は、各種の税計算キーを有している。税計算キーは、税込1キー131と、税抜1キー132と、税込2キー133と、税抜2キー134と、税計算合計キー135とを有している。
【0019】
税込1キー131は、入力された数値に対して引数として予め設定された第1の税率を用いた税込計算を実施するための税計算キーである。税抜1キー132は、入力された数値に対して第1の税率を用いた税抜計算を実施するための税計算キーである。税込1キー131又は税抜1キー132が押されることによって計算された計算結果は、メモリ12のRAMの小合計1記憶領域に記憶される。
【0020】
税込2キー133は、入力された数値に対して引数として予め設定された第2の税率を用いた税込計算を実施するための税計算キーである。税抜2キー134は、入力された数値に対して第2の税率を用いた税抜計算を実施するための税計算キーである。税込2キー133又は税抜2キー134が押されることによって計算された計算結果は、メモリ12のRAMの小合計2記憶領域に記憶される。このように、実施形態では、第1の税率を用いた税計算と第2の税率を用いた税計算とは個別に実施される。
【0021】
税計算合計キー135は、第1の税率を用いた税計算結果の合計額、第2の税率を用いた税計算結果の合計額、第1の税率を用いた税計算結果と第2の税率を用いた税計算結果との合計額を表示させるためのキーである。
【0022】
入力装置13は、端数セレクタ136、小数点セレクタ137を有していてもよい。端数セレクタ136は、税計算結果に端数が生じたときの処理を指定するためのセレクタである。例えば端数セレクタ136により、端数処理として実施される処理が、切り捨て、四捨五入といった処理の中から選択され得る。小数点セレクタ137は、税計算によって小数点以下の数値が生じたときに小数点以下第何位までを計算に使用するかを指定するためのセレクタである。
【0023】
図3A及び図3Bは、実施形態に係る計算機1の税計算の処理を示すフローチャートである。図3A及び図3Bの処理は、メモリ12のROMに記憶された計算プログラムをプロセッサ11が実行することによって行われる。税計算の処理以外の計算機1の通常の動作は、特に限定されない。例えば、プロセッサ11は、ユーザのキー入力に従って計算結果をディスプレイ14に表示させたり、メモリ機能等の各種の機能の処理を実施したりする。
【0024】
ステップS1において、プロセッサ11は、数値の入力があるか否かを判定する。何れかの数値キーが押された場合、数値の入力があると判定される。ステップS1において、数値の入力があると判定されたときには、処理はステップS2に移行する。ステップS1において、数値の入力がないと判定されたときには、図3A及び図3Bの処理は終了する。この場合、計算機1の動作は通常の動作に移行する。
【0025】
ステップS2において、プロセッサ11は、数値の入力値で、メモリ12のRAMの入力値記憶領域の内容を更新する。
【0026】
ステップS3において、プロセッサ11は、入力された数値をディスプレイ14に表示する。
【0027】
ステップS4において、プロセッサ11は、税込1キー131が押されたか否かを判定する。ステップS4において、税込1キー131が押されたと判定されたとき、処理はステップS5に移行する。ステップS4において、税込1キー131が押されていないと判定されたとき、処理はステップS13に移行する。
【0028】
ステップS5において、プロセッサ11は、税込1表示処理を行う。税込1表示処理は、第1の税率を用いた税込価格を表示するための処理である。税込1表示処理として、プロセッサ11は、入力された数値に対して第1の税率を用いた税込計算を実施する。そして、プロセッサ11は、税込計算の結果をディスプレイ14に表示する。
【0029】
ステップS6において、プロセッサ11は、第1の税率を用いた税込計算の結果に基づき、メモリ12のRAMの小合計1記憶領域の内容を更新する。具体的には、プロセッサ11は、第1の税率を用いた税込計算の結果を第1の合計税込価格記憶領域に記憶されている税込価格に加算する。また、プロセッサ11は、この税込計算の結果に対応する税抜価格、すなわち直前に入力された数値を第1の合計税抜価格記憶領域に記憶されている税抜価格に加算する。さらに、プロセッサ11は、この税込計算の結果から計算される税額を第1の合計税額記憶領域に記憶されている税額に加算する。
【0030】
ステップS7において、プロセッサ11は、税込1キー131が押されたか否かを判定する。ステップS7において、税込1キー131が押されたと判定されたとき、処理はステップS8に移行する。ステップS7において、税込1キー131が押されていないと判定されたとき、処理はステップS9に移行する。
【0031】
ステップS8において、プロセッサ11は、ディスプレイ14に税値1表示処理を行う。税値1表示処理の後、図3A及び図3Bの処理は終了する。この場合、計算機1の動作は通常の動作に移行する。税値1表示処理は、ステップS6で計算された税額を表示するための処理である。すなわち、第1の税率を用いた税込計算の後で税込1キー131が続けて押された場合、ディスプレイ14の表示は、税込価格の表示から税額の表示に切り替わる。
【0032】
ステップS9において、プロセッサ11は、税抜1キー132が押されたか否かを判定する。ステップS9において、税抜1キー132が押されたと判定されたとき、処理はステップS10に移行する。ステップS9において、税抜1キー132が押されていないと判定されたとき、図3A及び図3Bの処理は終了する。この場合、計算機1の動作は通常の動作に移行する。
【0033】
ステップS10において、プロセッサ11は、入力値記憶領域の内容を参照して直前に入力された数値をディスプレイ14に表示する。
【0034】
ステップS11において、プロセッサ11は、直前に入力された数値に基づき、メモリ12のRAMの小合計1記憶領域の内容をクリアする。具体的には、プロセッサ11は、直前に入力された数値に基づき、第1の合計税込価格記憶領域、第1の合計税抜価格記憶領域、第1の合計税額記憶領域のそれぞれに記憶されている値を、税込計算の前の値に戻す。その後、図3A及び図3Bの処理は終了する。この場合、計算機1の動作は通常の動作に移行する。すなわち、第1の税率を用いた税込計算の後で数値が入力されることなく税抜1キー132が押された場合には、直前の税込計算の結果がクリアされる。
【0035】
ステップS12において、プロセッサ11は、税抜1キー132が押されたか否かを判定する。ステップS12において、税抜1キー132が押されたと判定されたとき、処理はステップS13に移行する。ステップS12において、税抜1キー132が押されていないと判定されたとき、処理はステップS20に移行する。
【0036】
ステップS13において、プロセッサ11は、税抜1表示処理を行う。税抜1表示処理は、第1の税率を用いた税抜価格を表示するための処理である。税抜1表示処理として、プロセッサ11は、入力された数値に対して第1の税率を用いた税抜計算を実施する。そして、プロセッサ11は、税抜計算の結果をディスプレイ14に表示する。
【0037】
ステップS14において、プロセッサ11は、第1の税率を用いた税抜計算の結果に基づき、メモリ12のRAMの小合計1記憶領域の内容を更新する。具体的には、プロセッサ11は、第1の税率を用いた税抜計算の結果を第1の合計税抜価格記憶領域に記憶されている税抜価格に加算する。また、プロセッサ11は、この税抜計算の結果に対応する税込価格、すなわち直前に入力された数値を第1の合計税込価格記憶領域に記憶されている税抜価格に加算する。さらに、プロセッサ11は、この税抜計算の結果から計算される税額を第1の合計税額記憶領域に記憶されている税額に加算する。
【0038】
ステップS15において、プロセッサ11は、税抜1キー132が押されたか否かを判定する。ステップS15において、税抜1キー132が押されたと判定されたとき、処理はステップS16に移行する。ステップS15において、税抜1キー132が押されていないと判定されたとき、処理はステップS17に移行する。
【0039】
ステップS16において、プロセッサ11は、ディスプレイ14に税値1表示処理を行う。税値1表示処理の後、図3A及び図3Bの処理は終了する。税値1表示処理は、ステップS14で計算された税額を表示するための処理である。すなわち、第1の税率を用いた税抜計算の後で税抜1キー131が続けて押された場合、ディスプレイ14の表示は、税抜価格の表示から税額の表示に切り替わる。
【0040】
ステップS17において、プロセッサ11は、税込1キー131が押されたか否かを判定する。ステップS17において、税込1キー131が押されたと判定されたとき、処理はステップS18に移行する。ステップS17において、税込1キー131が押されていないと判定されたとき、図3A及び図3Bの処理は終了する。この場合、計算機1の動作は通常の動作に移行する。
【0041】
ステップS18において、プロセッサ11は、入力値記憶領域の内容を参照して直前に入力された数値をディスプレイ14に表示する。
【0042】
ステップS19において、プロセッサ11は、直前に入力された数値に基づき、メモリ12のRAMの小合計1記憶領域の内容をクリアする。具体的には、プロセッサ11は、直前に入力された数値に基づき、第1の合計税込価格記憶領域、第1の合計税抜価格記憶領域、第1の合計税額記憶領域のそれぞれに記憶されている値を、税抜計算の前の値に戻す。その後、図3A及び図3Bの処理は終了する。この場合、計算機1の動作は通常の動作に移行する。すなわち、第1の税率を用いた税抜計算の後で数値が入力されることなく税込1キー131が押された場合には、直前の税抜計算の結果がクリアされる。
【0043】
ステップS20において、プロセッサ11は、税込2キー133が押されたか否かを判定する。ステップS20において、税込2キー133が押されたと判定されたとき、処理はステップS21に移行する。ステップS20において、税込2キー133が押されていないと判定されたとき、処理はステップS28に移行する。
【0044】
ステップS21において、プロセッサ11は、税込2表示処理を行う。税込2表示処理は、第2の税率を用いた税込価格を表示するための処理である。税込2表示処理として、プロセッサ11は、入力された数値に対して第2の税率を用いた税込計算を実施する。そして、プロセッサ11は、税込計算の結果をディスプレイ14に表示する。
【0045】
ステップS22において、プロセッサ11は、第2の税率を用いた税込計算の結果に基づき、メモリ12のRAMの小合計2記憶領域の内容を更新する。具体的には、プロセッサ11は、第2の税率を用いた税込計算の結果を第2の合計税込価格記憶領域に記憶されている税込価格に加算する。また、プロセッサ11は、この税込計算の結果に対応する税抜価格、すなわち直前に入力された数値を第2の合計税抜価格記憶領域に記憶されている税抜価格に加算する。さらに、プロセッサ11は、この税込計算の結果から計算される税額を第2の合計税額記憶領域に記憶されている税額に加算する。
【0046】
ステップS23において、プロセッサ11は、税込2キー133が押されたか否かを判定する。ステップS23において、税込2キー133が押されたと判定されたとき、処理はステップS24に移行する。ステップS23において、税込2キー133が押されていないと判定されたとき、処理はステップS25に移行する。
【0047】
ステップS24において、プロセッサ11は、ディスプレイ14に税値2表示処理を行う。税値2表示処理の後、図3A及び図3Bの処理は終了する。この場合、計算機1の動作は通常の動作に移行する。税値2表示処理は、ステップS22で計算された税額を表示するための処理である。すなわち、第2の税率を用いた税込計算の後で税込2キー133が続けて押された場合、ディスプレイ14の表示は、税込価格の表示から税額の表示に切り替わる。
【0048】
ステップS25において、プロセッサ11は、税抜2キー134が押されたか否かを判定する。ステップS25において、税抜2キー134が押されたと判定されたとき、処理はステップS26に移行する。ステップS25において、税抜2キー134が押されていないと判定されたとき、図3A及び図3Bの処理は終了する。この場合、計算機1の動作は通常の動作に移行する。
【0049】
ステップS26において、プロセッサ11は、入力値記憶領域の内容を参照して直前に入力された数値をディスプレイ14に表示する。
【0050】
ステップS27において、プロセッサ11は、直前に入力された数値に基づき、メモリ12のRAMの小合計2記憶領域の内容をクリアする。具体的には、プロセッサ11は、直前に入力された数値に基づき、第2の合計税込価格記憶領域、第2の合計税抜価格記憶領域、第2の合計税額記憶領域のそれぞれに記憶されている値を、税込計算の前の値に戻す。その後、図3A及び図3Bの処理は終了する。この場合、計算機1の動作は通常の動作に移行する。すなわち、第2の税率を用いた税込計算の後で数値が入力されることなく税抜2キー134が押された場合には、直前の税込計算の結果がクリアされる。
【0051】
ステップS28において、プロセッサ11は、税抜2キー134が押されたか否かを判定する。ステップS28において、税抜2キー134が押されたと判定されたとき、処理はステップS29に移行する。ステップS28において、税抜2キー134が押されていないと判定されたとき、図3A及び図3Bの処理は終了する。この場合、計算機1の動作は通常の動作に移行する。
【0052】
ステップS29において、税抜2表示処理を行う。税抜2表示処理は、第2の税率を用いた税抜価格を表示するための処理である。税抜2表示処理として、プロセッサ11は、入力された数値に対して第2の税率を用いた税抜計算を実施する。そして、プロセッサ11は、税抜計算の結果をディスプレイ14に表示する。
【0053】
ステップS30において、プロセッサ11は、第2の税率を用いた税抜計算の結果に基づき、メモリ12のRAMの小合計2記憶領域の内容を更新する。具体的には、プロセッサ11は、第2の税率を用いた税抜計算の結果を第2の合計税抜価格記憶領域に記憶されている税抜価格に加算する。また、プロセッサ11は、この税抜計算の結果に対応する税込価格、すなわち直前に入力された数値を第2の合計税込価格記憶領域に記憶されている税込価格に加算する。さらに、プロセッサ11は、この税抜計算の結果から計算される税額を第2の合計税額記憶領域に記憶されている税額に加算する。
【0054】
ステップS31において、プロセッサ11は、税抜2キー134が押されたか否かを判定する。ステップS31において、税抜2キー134が押されたと判定されたとき、処理はステップS32に移行する。ステップS31において、税抜2キー134が押されていないと判定されたとき、処理はステップS33に移行する。
【0055】
ステップS32において、プロセッサ11は、ディスプレイ14に税値2表示処理を行う。税値2表示処理の後、図3A及び図3Bの処理は終了する。この場合、計算機1の動作は通常の動作に移行する。税値2表示処理は、ステップS30で計算された税額を表示するための処理である。すなわち、第2の税率を用いた税抜計算の後で税抜2キー134が続けて押された場合、ディスプレイ14の表示は、税抜価格の表示から税額の表示に切り替わる。
【0056】
ステップS33において、プロセッサ11は、税込2キー133が押されたか否かを判定する。ステップS33において、税込2キー133が押されたと判定されたとき、処理はステップS34に移行する。ステップS33において、税込2キー133が押されていないと判定されたとき、図3A及び図3Bの処理は終了する。この場合、計算機1の動作は通常の動作に移行する。
【0057】
ステップS34において、プロセッサ11は、入力値記憶領域の内容を参照して直前に入力された数値をディスプレイ14に表示する。
【0058】
ステップS35において、プロセッサ11は、直前に入力された数値に基づき、メモリ12のRAMの小合計2記憶領域の内容をクリアする。具体的には、プロセッサ11は、直前に入力された数値に基づき、第2の合計税込価格記憶領域、第2の合計税抜価格記憶領域、第2の合計税額記憶領域のそれぞれに記憶されている値を、税抜計算の前の値に戻す。その後、図3A及び図3Bの処理は終了する。この場合、計算機1の動作は通常の動作に移行する。すなわち、第2の税率を用いた税抜計算の後で数値が入力されることなく税込2キー133が押された場合には、直前の税抜計算の結果がクリアされる。
【0059】
図4Aは、第1の操作に従ってキー入力がされた場合のディスプレイ、入力値記憶領域、小合計1記憶領域、小合計2記憶領域の状態の遷移を示す図である。第1の操作は、同一の税計算キーを連続して押す操作である。ここで、「key」は、押された操作キーの種類を示している。「Icon」は、ディスプレイ14に表示されるアイコンの種類を示している。「Display」は、ディスプレイ14に表示される数値を示している。「Input」は、入力値記憶領域に記憶される内容を示している。「小合計1」は、小合計1記憶領域に記憶される内容を示している。「小合計1」のうち、「税込1」は第1の合計税込価格記憶領域に記憶される内容を、「税抜1」は第1の合計税抜価格記憶領域に記憶される内容を、「税1」は第1の合計税額記憶領域に記憶される内容をそれぞれ示している。同様に、「小合計2」は、小合計2記憶領域に記憶される内容を示している。「小合計2」のうち、「税込2」は第2の合計税込価格記憶領域に記憶される内容を、「税抜2」は第2の合計税抜価格記憶領域に記憶される内容を、「税2」は第2の合計税額記憶領域に記憶される内容をそれぞれ示している。ここで、図4Aにおいて、第1の税率は10%であり、第2の税率は8%である。
【0060】
第1の操作の第1の例では、「key」に示されるように、ACキーが押され、数値として「100」が入力された後で税込1キー131が押され、その後に数値が入力されることなく税込1キー131が押されている。
【0061】
ACキーが押されることにより、計算機1の状態はクリアされる。つまり、「Input」、「税込1」、「税抜1」、「税1」、「税込2」、「税抜2」、「税2」は、初期値である「0」になる。また、「Icon」はブランク、すなわちディスプレイ14への表示はなしの状態になる。また、「Display」は「0」、すなわちディスプレイ14に初期値である「0」が表示される状態になる。
【0062】
次に、数値「100」が入力された後で税込1キー131が押されることで、第1の税率を用いて税込計算が実施される。これに伴い、「Input」、「税込1」、「税抜1」、「税1」の内容が更新される。「Input」は入力された数値「100」に更新される。「税込1」は税込計算の結果である「110」に更新される。「税抜1」は税込計算の結果に対する税抜価格、すなわち入力された数値「100」に更新される。「税1」は「10」に更新される。一方、「税込2」、「税抜2」、「税2」の内容は更新されない。また、「Icon」は「税GTアイコン」、「税込アイコン」、「税1アイコン」が表示される状態になる。これらのアイコンについては後で説明する。また、「Display」は税込計算の結果である「110」が表示される状態になる。
【0063】
次に、税込1キー131が押されることで、「Icon」は「税GTアイコン」、「税アイコン」、「税1アイコン」が表示される状態になる。また、「Display」は税込計算の結果に対応した税額である「10」が表示される状態になる。一方、「Input」、「税込1」、「税抜1」、「税1」、「税込2」、「税抜2」、「税2」は更新されない。
【0064】
第1の操作の第2の例では、「key」に示されるように、ACキーが押され、数値として「100」が入力された後で税込2キー133が押され、その後に数値が入力されることなく税込2キー133が押されている。
【0065】
ACキーが押されたときの状態は第1の例と同様である。次に、数値「100」が入力された後で税込2キー133が押されることで、第2の税率を用いて税込計算が実施される。これに伴い、「Input」、「税込2」、「税抜2」、「税2」の内容が更新される。「Input」は入力された数値「100」に更新される。「税込2」は税込計算の結果である「108」に更新される。「税抜2」は税込計算の結果に対する税抜価格、すなわち入力された数値「100」に更新される。「税2」は「8」に更新される。一方、「税込1」、「税抜1」、「税1」の内容は更新されない。また、「Icon」は「税GTアイコン」、「税込アイコン」、「税2アイコン」が表示される状態になる。これらのアイコンについては後で説明する。また、「Display」は税込計算の結果である「108」が表示される状態になる。
【0066】
次に、税込2キー133が押されることで、「Icon」は「税GTアイコン」、「税アイコン」、「税2アイコン」が表示される状態になる。また、「Display」は税込計算の結果に対応した税額である「8」が表示される状態になる。一方、「Input」、「税込1」、「税抜1」、「税1」、「税込2」、「税抜2」、「税2」は更新されない。
【0067】
第1の操作の第3の例では、「key」に示されるように、ACキーが押され、数値として「110」が入力された後で税抜1キー132が押され、その後に数値が入力されることなく税抜2キー132が押されている。
【0068】
ACキーが押されたときの状態は第1の例と同様である。次に、数値「110」が入力された後で税抜1キー132が押されることで、第1の税率を用いて税抜計算が実施される。これに伴い、「Input」、「税込1」、「税抜1」、「税1」の内容が更新される。「Input」は入力された数値「110」に更新される。「税抜1」は税抜計算の結果である「100」に更新される。「税込1」は税抜計算の結果に対する税込価格、すなわち入力された数値「110」に更新される。「税1」は「10」に更新される。一方、「税込2」、「税抜2」、「税2」の内容は更新されない。また、「Icon」は「税GTアイコン」、「税抜アイコン」、「税1アイコン」が表示される状態になる。これらのアイコンについては後で説明する。また、「Display」は税抜計算の結果である「100」が表示される状態になる。
【0069】
次に、税抜1キー132が押されることで、「Icon」は「税GTアイコン」、「税アイコン」、「税1アイコン」が表示される状態になる。また、「Display」は税抜計算の結果に対応した税額である「10」が表示される状態になる。一方、「Input」、「税込1」、「税抜1」、「税1」、「税込2」、「税抜2」、「税2」は更新されない。
【0070】
第1の操作の第4の例では、「key」に示されるように、ACキーが押され、数値として「108」が入力された後で税抜2キー134が押され、その後に数値が入力されることなく税抜2キー134が押されている。
【0071】
ACキーが押されたときの状態は第1の例と同様である。次に、数値「108」が入力された後で税抜2キー134が押されることで、第2の税率を用いて税抜計算が実施される。これに伴い、「Input」、「税込2」、「税抜2」、「税2」の内容が更新される。「Input」は入力された数値「108」に更新される。「税抜2」は税抜計算の結果である「100」に更新される。「税込2」は税抜計算の結果に対する税込価格、すなわち入力された数値「108」に更新される。「税2」は「8」に更新される。一方、「税込1」、「税抜1」、「税1」の内容は更新されない。また、「Icon」は「税GTアイコン」、「税抜アイコン」、「税2アイコン」が表示される状態になる。これらのアイコンについては後で説明する。また、「Display」は税抜計算の結果である「100」が表示される状態になる。
【0072】
次に、税抜2キー134が押されることで、「Icon」は「税GTアイコン」、「税アイコン」、「税2アイコン」が表示される状態になる。また、「Display」は税抜計算の結果に対応した税額である「8」が表示される状態になる。一方、「Input」、「税込1」、「税抜1」、「税1」、「税込2」、「税抜2」、「税2」は更新されない。
【0073】
図4Bは、第2の操作に従ってキー入力がされた場合のディスプレイ、入力値記憶領域、小合計1記憶領域、小合計2記憶領域の状態の遷移を示す図である。第2の操作は、同一の税率についての異なる税計算キーを連続して押す操作である。ここで、「key」、「Icon」、「Display」、「Input」、「小合計1」、「税込1」、「税抜1」、「税1」、「小合計2」、「税込2」、「税抜2」、「税2」は図4Aと同様である。また、図4Bにおいても、第1の税率は10%であり、第2の税率は8%である。
【0074】
第2の操作の第1の例では、「key」に示されるように、ACキーが押され、数値として「1000」が入力された後で税込1キー131が押され、数値として「100」が入力された後で税込1キー131が押され、その後に数値が入力されることなく税抜1キー132が押されている。
【0075】
ACキーが押されることにより、計算機1の状態はクリアされる。つまり、「Input」、「税込1」、「税抜1」、「税1」、「税込2」、「税抜2」、「税2」は、初期値である「0」になる。また、「Icon」はブランク、すなわちディスプレイ14への表示はなしの状態になる。また、「Display」は「0」、すなわちディスプレイ14に初期値である「0」が表示される状態になる。
【0076】
次に、数値「1000」が入力された後で税込1キー131が押されることで、第1の税率を用いて税込計算が実施される。これに伴い、「Input」、「税込1」、「税抜1」、「税1」の内容が更新される。「Input」は入力された数値「1000」に更新される。「税込1」は税込計算の結果である「1100」に更新される。「税抜1」は税込計算の結果に対する税抜価格、すなわち入力された数値「1000」に更新される。「税1」は「100」に更新される。一方、「税込2」、「税抜2」、「税2」の内容は更新されない。また、「Icon」は「税GTアイコン」、「税込アイコン」、「税1アイコン」が表示される状態になる。これらのアイコンについては後で説明する。また、「Display」は税込計算の結果である「1100」が表示される状態になる。
【0077】
次に、数値「100」が入力された後で税込1キー131が押されることで、第1の税率を用いて税込計算が実施される。これに伴い、「Input」、「税込1」、「税抜1」、「税1」の内容が更新される。「Input」は入力された数値「100」に更新される。「税込1」は税込計算の結果が加算されることによって「1210」に更新される。「税抜1」は税込計算の結果に対する税抜価格、すなわち入力された数値「100」が加算されることによって「1100」に更新される。「税1」は「110」に更新される。一方、「税込2」、「税抜2」、「税2」の内容は更新されない。また、「Icon」は「税GTアイコン」、「税込アイコン」、「税1アイコン」が表示される状態になる。これらのアイコンについては後で説明する。また、「Display」は税込計算の結果である「110」が表示される状態になる。
【0078】
次に、税抜1キー132が押されることで、「税込1」、「税抜1」、「税1」は、直前の入力値に基づいて直前の税込計算の前の状態に更新される。すなわち、「税込1」は「1100」に更新される。「税抜1」は「1000」に更新される。「税1」は「100」に更新される。一方、「Input」は更新されない。また、「Icon」の表示は消去される。また、「Display」は直前の入力値である「100」が表示される状態になる。このようにして、直前の税込計算の結果がクリアされる。
【0079】
第2の操作の第2の例では、「key」に示されるように、ACキーが押され、数値として「1000」が入力された後で税込2キー133が押され、数値として「100」が入力された後で税込2キー133が押され、その後に数値が入力されることなく税抜2キー134が押されている。
【0080】
ACキーが押されたときの状態は第1の例と同様である。次に、数値「1000」が入力された後で税込2キー133が押されることで、第2の税率を用いて税込計算が実施される。これに伴い、「Input」、「税込2」、「税抜2」、「税2」の内容が更新される。「Input」は入力された数値「1000」に更新される。「税込2」は税込計算の結果である「1080」に更新される。「税抜2」は税込計算の結果に対する税抜価格、すなわち入力された数値「1000」に更新される。「税2」は「80」に更新される。一方、「税込1」、「税抜1」、「税1」の内容は更新されない。また、「Icon」は「税GTアイコン」、「税込アイコン」、「税2アイコン」が表示される状態になる。これらのアイコンについては後で説明する。また、「Display」は税込計算の結果である「1080」が表示される状態になる。
【0081】
次に、数値「100」が入力された後で税込2キー133が押されることで、第2の税率を用いて税込計算が実施される。これに伴い、「Input」、「税込2」、「税抜2」、「税2」の内容が更新される。「Input」は入力された数値「100」に更新される。「税込2」は税込計算の結果が加算されることによって「1188」に更新される。「税抜2」は税込計算の結果に対する税抜価格、すなわち入力された数値「100」が加算されることによって「1100」に更新される。「税2」は「88」に更新される。一方、「税込1」、「税抜1」、「税1」の内容は更新されない。また、「Icon」は「税GTアイコン」、「税込アイコン」、「税2アイコン」が表示される状態になる。これらのアイコンについては後で説明する。また、「Display」は税込計算の結果である「108」が表示される状態になる。
【0082】
次に、税抜2キー134が押されることで、「税込2」、「税抜2」、「税2」は、直前の入力値に基づいて直前の税込計算の前の状態に更新される。すなわち、「税込2」は「1080」に更新される。「税抜2」は「1000」に更新される。「税2」は「80」に更新される。一方、「Input」は更新されない。また、「Icon」の表示は消去される。また、「Display」は直前の入力値である「100」が表示される状態になる。このようにして、直前の税込計算の結果がクリアされる。
【0083】
第2の操作の第3の例では、「key」に示されるように、ACキーが押され、数値として「1100」が入力された後で税抜1キー132が押され、数値として「110」が入力された後で税抜1キー132が押され、その後に数値が入力されることなく税込1キー131が押されている。
【0084】
ACキーが押されたときの状態は第1の例と同様である。次に、数値「1100」が入力された後で税抜1キー132が押されることで、第1の税率を用いて税抜計算が実施される。これに伴い、「Input」、「税込1」、「税抜1」、「税1」の内容が更新される。「Input」は入力された数値「1100」に更新される。「税抜1」は税抜計算の結果である「1000」に更新される。「税込1」は税抜計算の結果に対する税込価格、すなわち入力された数値「1100」に更新される。「税1」は「100」に更新される。一方、「税込2」、「税抜2」、「税2」の内容は更新されない。また、「Icon」は「税GTアイコン」、「税抜アイコン」、「税1アイコン」が表示される状態になる。これらのアイコンについては後で説明する。また、「Display」は税抜計算の結果である「1000」が表示される状態になる。
【0085】
次に、数値「110」が入力された後で税抜1キー132が押されることで、第1の税率を用いて税抜計算が実施される。これに伴い、「Input」、「税込1」、「税抜1」、「税1」の内容が更新される。「Input」は入力された数値「110」に更新される。「税抜1」は税抜計算の結果が加算されることによって「1100」に更新される。「税込1」は税抜計算の結果に対する税込価格、すなわち入力された数値「110」が加算されることによって「1210」に更新される。「税1」は「110」に更新される。一方、「税込2」、「税抜2」、「税2」の内容は更新されない。また、「Icon」は「税GTアイコン」、「税抜アイコン」、「税1アイコン」が表示される状態になる。これらのアイコンについては後で説明する。また、「Display」は税抜計算の結果である「100」が表示される状態になる。
【0086】
次に、税込1キー131が押されることで、「税込1」、「税抜1」、「税1」は、直前の入力値に基づいて直前の税抜計算の前の状態に更新される。すなわち、「税抜1」は「1000」に更新される。「税込1」は「1100」に更新される。「税1」は「100」に更新される。一方、「Input」は更新されない。また、「Icon」の表示は消去される。また、「Display」は直前の入力値である「110」が表示される状態になる。このようにして、直前の税抜計算の結果がクリアされる。
【0087】
第2の操作の第4の例では、「key」に示されるように、ACキーが押され、数値として「1080」が入力された後で税抜2キー134が押され、数値として「108」が入力された後で税抜2キー134が押され、その後に数値が入力されることなく税込2キー133が押されている。
【0088】
ACキーが押されたときの状態は第1の例と同様である。次に、数値「1080」が入力された後で税抜2キー134が押されることで、第2の税率を用いて税抜計算が実施される。これに伴い、「Input」、「税込2」、「税抜2」、「税2」の内容が更新される。「Input」は入力された数値「1080」に更新される。「税抜2」は税抜計算の結果である「1000」に更新される。「税込2」は税抜計算の結果に対する税込価格、すなわち入力された数値「1080」に更新される。「税2」は「80」に更新される。一方、「税込1」、「税抜1」、「税1」の内容は更新されない。また、「Icon」は「税GTアイコン」、「税抜アイコン」、「税2アイコン」が表示される状態になる。これらのアイコンについては後で説明する。また、「Display」は税抜計算の結果である「1000」が表示される状態になる。
【0089】
次に、数値「108」が入力された後で税抜2キー134が押されることで、第2の税率を用いて税抜計算が実施される。これに伴い、「Input」、「税込2」、「税抜2」、「税2」の内容が更新される。「Input」は入力された数値「108」に更新される。「税抜2」は税抜計算の結果が加算されることによって「1100」に更新される。「税込2」は税抜計算の結果に対する税込価格、すなわち入力された数値「108」が加算されることによって「1188」に更新される。「税2」は「88」に更新される。一方、「税込1」、「税抜1」、「税1」の内容は更新されない。また、「Icon」は「税GTアイコン」、「税抜アイコン」、「税2アイコン」が表示される状態になる。これらのアイコンについては後で説明する。また、「Display」は税抜計算の結果である「100」が表示される状態になる。
【0090】
次に、税込2キー134が押されることで、「税込2」、「税抜2」、「税2」は、直前の入力値に基づいて直前の税抜計算の前の状態に更新される。すなわち、「税抜2」は「1000」に更新される。「税込2」は「1080」に更新される。「税2」は「80」に更新される。一方、「Input」は更新されない。また、「Icon」の表示は消去される。また、「Display」は直前の入力値である「108」が表示される状態になる。このようにして、直前の税抜計算の結果がクリアされる。
【0091】
図5は、第1の操作におけるディスプレイ14の表示の遷移を示す図である。なお、第2の操作の場合には、表示上では直前に入力された数値が表示されるだけである。したがって説明を省略する。
【0092】
まず、ACキーが押されることによって、ディスプレイ14の表示はクリアされる。このときのディスプレイ14の表示画面は、表示画面Aである。表示画面Aでは、初期値である「0」が表示される。表示画面Aでは、アイコン等は表示されない。
【0093】
表示画面Aにおいて、数値が入力された後で税込キー又は税抜キーが押された場合、ディスプレイ14の表示画面は、表示画面Bに遷移する。表示画面Bでは、例えば、数値とともに税込1キーが押された場合、画面b1、b2、b3、b4に示すように、税計算の結果を表す数値201が表示される。さらにアイコンとして、税GTアイコン202、税込アイコン203、税1アイコン204が表示される。また、表示画面Bでは、例えば、数値とともに税込2キーが押された場合、画面b5、b6、b7に示すように、税計算の結果を表す数値201が表示される。さらにアイコンとして、税GTアイコン202、税込アイコン203、税2アイコン205が表示される。ここで、税GTアイコン202は、第1の税率を用いた合計の税込価格、合計の税抜価格、合計の税額の計算が実施されていることを示すアイコンである。前述したように、数値の入力の後で税込キーが押されたときには小合計1記憶領域又は小合計2記憶領域の内容が更新される処理が行われる。税込アイコン203は、数値201が税込価格であることを示すアイコンである。税1アイコン204は、税計算が第1の税率を用いて行われたことを示すアイコンである。また、税2アイコン205は、税計算が第2の税率を用いて行われたことを示すアイコンである。
【0094】
表示画面Bにおいて税計算合計キー135が押された場合、ディスプレイ14の表示画面は、表示画面Cに遷移する。表示画面Cでは、まず、画面c1に示すように、第1の税率で計算された税込価格と第2の税率で計算された税込価格との合計の税込価格、すなわち第1の合計税込価格記憶領域に記憶されている税込価格と第2の合計税込価格記憶領域に記憶されている税込価格との合計額を表す数値201が表示される。さらにアイコンとして、税GTアイコン202、税込アイコン203、合計アイコン206が表示される。合計アイコン206は、数値201が合計額であることを示すアイコンである。
【0095】
画面c1において税計算合計キー135が押された場合、ディスプレイ14の表示画面は、画面c2に遷移する。画面c2では、第1の税率で計算された税抜価格と第2の税率で計算された税抜価格との合計の税抜価格、すなわち第1の合計税抜価格記憶領域に記憶されている税抜価格と第2の合計税抜価格記憶領域に記憶されている税抜価格との合計額を表す数値201が表示される。さらにアイコンとして、税GTアイコン202、税抜アイコン207、合計アイコン206が表示される。税抜アイコン207は、数値201が税抜価格であることを示すアイコンである。
【0096】
画面c1において税計算合計キー135が押された場合、ディスプレイ14の表示画面は、画面c3に遷移する。画面c3では、第1の税率で計算された税額と第2の税率で計算された税額との合計の税額、すなわち第1の合計税額記憶領域に記憶されている税額と第2の合計税額記憶領域に記憶されている税額との合計額を表す数値201が表示される。さらにアイコンとして、税GTアイコン202、税アイコン208、合計アイコン206が表示される。税アイコン208は、数値201が税額であることを示すアイコンである。
【0097】
画面c3において税計算合計キー135が押された場合、ディスプレイ14の表示画面は、画面c1に戻る。一方、画面c1、c2、c3の何れかにおいて税込1キー131が押された場合、ディスプレイ14の表示画面は、表示画面Dに遷移する。表示画面Dでは、まず、画面d1に示すように、第1の税率で計算された税込価格の合計の税込価格、すなわち第1の合計税込価格記憶領域に記憶されている税込価格を表す数値201が表示される。さらにアイコンとして、税GTアイコン202、税込アイコン203、税1アイコン204、合計アイコン206が表示される。
【0098】
画面d1において税込1キー131が押された場合、ディスプレイ14の表示画面は、画面d2に遷移する。画面d2では、第1の税率で計算された税抜価格の合計の税抜価格、すなわち第1の合計税抜価格記憶領域に記憶されている税抜価格を表す数値201が表示される。さらにアイコンとして、税GTアイコン202、税抜アイコン207、税1アイコン204、合計アイコン206が表示される。
【0099】
画面d2において税込1キー131が押された場合、ディスプレイ14の表示画面は、画面d3に遷移する。画面d3では、第1の税率で計算された税額、すなわち第1の合計税額記憶領域に記憶されている税額を表す数値201が表示される。さらにアイコンとして、税GTアイコン202、税アイコン208、税1アイコン204、合計アイコン206が表示される。
【0100】
画面d1、d2、d3の何れかにおいて税計算合計キー135が押された場合、ディスプレイ14の表示画面は、表示画面Cに戻る。一方、画面c1、c2、c3の何れかにおいて税込2キー133が押された場合又は画面d1、d2、d3の何れかにおいて税込2キー133が押された場合、ディスプレイ14の表示画面は、表示画面Eに遷移する。表示画面Eでは、まず、画面e1に示すように、第2の税率で計算された税込価格の合計の税込価格、すなわち第2の合計税込価格記憶領域に記憶されている税込価格を表す数値201が表示される。さらにアイコンとして、税GTアイコン202、税込アイコン203、税2アイコン205、合計アイコン206が表示される。
【0101】
画面e1において税込2キー133が押された場合、ディスプレイ14の表示画面は、画面e2に遷移する。画面e2では、第2の税率で計算された税抜価格の合計の税抜価格、すなわち第2の合計税抜価格記憶領域に記憶されている税抜価格を表す数値201が表示される。さらにアイコンとして、税GTアイコン202、税抜アイコン207、税2アイコン205、合計アイコン206が表示される。
【0102】
画面e2において税込2キー133が押された場合、ディスプレイ14の表示画面は、画面e3に遷移する。画面e3では、第2の税率で計算された税額、すなわち第2の合計税額記憶領域に記憶されている税額を表す数値201が表示される。さらにアイコンとして、税GTアイコン202、税アイコン208、税2アイコン205、合計アイコン206が表示される。
【0103】
画面e1、e2、e3の何れかにおいて税計算合計キー135が押された場合、ディスプレイ14の表示画面は、表示画面Cに戻る。画面e1、e2、e3の何れかにおいて税込1キー131が押された場合、ディスプレイ14の表示画面は、表示画面Dに戻る。
【0104】
以上説明したように実施形態によれば、数値の入力なしで同一の税率の異なる税計算キーが連続して押された場合には直前の税計算の結果がクリアされる。また、このとき、直前に入力された数値がディスプレイ14に表示される。これにより、例えばユーザが計算機への入力中に本来の意図とは異なる税計算のキーを誤って押してしまって本来の意図とは異なる税計算が実施されたとしても、ユーザは簡易な操作ですぐに意図した税計算をし直すことができる。
【0105】
また、従来の計算機では、クリアキー等が押されることによりディスプレイ上の表示はクリアされるが、メモリ内に記憶されている合計金額まではクリアされないため、入力の誤りがあると合計額の正しい計算ができなくなる。実施形態ではできず不都合を生じていた。これに対し、実施形態では、税計算の結果がクリアされるのに伴って小合計1記憶領域又は小合計2記憶領域の内容も税計算の前の状態に戻る。したがって、合計額も正しく計算され得る。
【0106】
ここで、実施形態では、数値の入力なしで同一の税率の異なる税計算キーが連続して押された場合には直前の税計算の結果がクリアされる。したがって、実施形態は税率が1つのみの計算機に対しても適用され得る。
【0107】
また、実施形態では、税計算への適用例が説明されている。これに対し、実施形態の技術は、予め設定された特定の数値を用いて特定の計算を実施する各種の計算機に適用され得る。このような特定の計算は、通貨の換算計算を含む。この場合も、数値の入力がなく換算レートのキーが連続して押された場合には直前の換算計算の結果がクリアされ得る。この他、このような特定の計算は、散薬監査計算を含み得る。
【0108】
また、実施形態では物理的なキーの操作に応じて処理が実施される。近年、ソフトウェアキーを用いて計算機と同様の計算が実施される計算プログラムも存在する。実施形態は、このようなソフトウェアキーを用いて操作される計算プログラムにおいても適用され得る。
【0109】
上述した実施形態による各処理は、コンピュータであるプロセッサ11に実行させることができるプログラムとして記憶させておくこともできる。この他、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の外部記憶装置の記憶媒体に格納して配布することができる。そして、プロセッサ11は、この外部記憶装置の記憶媒体に記憶されたプログラムを読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行することができる。
【0110】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0111】
以下に、本願の発明の実施の形態から抽出され得る発明を付記する。
[1] 数値の入力を受け付けた後に第1の指示入力を受け付けた場合に、前記数値に対して第1の引数を用いた第1の計算を実施する第1の計算部と、
数値の入力を受け付けた後に第2の指示入力を受け付けた場合に、前記数値に対して前記第1の引数を用いた第2の計算を実施する第2の計算部と、
前記第1の計算が実施された後で、数値が入力されることなく前記第2の指示入力を受け付けた場合に、前記第1の計算の計算結果を前記第1の指示入力を受け付ける直前の入力状態に戻す第1の制御部と、
前記第2の計算が実施された後で、数値が入力されることなく前記第1の指示入力を受け付けた場合に、前記第2の計算の計算結果を前記第2の指示入力を受け付ける直前の入力状態に戻す第2の制御部と、
を具備する計算機。
[2] 前記第1の計算が実施された際に、今回実施された前記第1の計算よりも前に前記第1の計算が実施されていた場合には、前回までに実施された前記第1の計算の計算結果に基づく数値と、今回前記第1の計算を実施した際の計算結果に基づく数値と、の合計値を第1の合計値として記憶部に記憶させる第1の記憶制御部をさらに具備する[1]に記載の計算機。
[3] 前記第1の記憶制御部は、前記第1の制御部によって前記第1の計算の計算結果が直前の入力状態に戻された場合に、記憶されている前記第1の合計値から今回前記第1の計算を実施した際の計算結果に基づく数値を減算した値を新たな前記第1の合計値として前記記憶部に記憶させる、
[2]に記載の計算機。
[4] 前記第2の計算が実施された際に、今回実施された前記第2の計算よりも前に前記第2の計算が実施されていた場合には、前回までに実施された前記第2の計算の計算結果に基づく数値と、今回前記第2の計算を実施した際の計算結果に基づく数値と、の合計値を第2の合計値として記憶部に記憶させる第2の記憶制御部をさらに具備する[1]-[3]の何れか1に記載の計算機。
[5] 前記第2の記憶制御部は、前記第2の制御部によって前記第2の計算の計算結果が直前の入力状態に戻された場合に、記憶されている前記第2の合計値から今回前記第2の計算を実施した際の計算結果に基づく数値を減算した値を新たな前記第2の合計値として前記記憶部に記憶させる、
[4]に記載の計算機。
[6] 入力された数値、前記第1の計算の結果、前記第2の計算の結果の何れかを表示部に表示する表示制御部をさらに具備し、
前記表示制御部は、
数値が入力されたときには、前記入力された数値を前記表示部に表示し、
前記第1の計算が実施されたときには、前記第1の計算の結果を前記表示部に表示し、
前記第2の計算が実施されたときには、前記第2の計算の結果を前記表示部に表示し、
前記第1の計算の結果がクリアされたとき又は前記第2の計算の結果がクリアされたときには、前記第1の計算又は前記第2の計算が実施される直前に入力された前記数値を前記表示部に表示する、
[1]-[5]の何れか1に記載の計算機。
[7] 前記表示制御部は、
前記第1の計算が実施されたときには、前記第1の計算の結果とともに前記第1の計算が実施されたことを示す第1のアイコンを表示し、
前記第2の計算が実施されたときには、前記第2の計算の結果とともに前記第2の計算が実施されたことを示す第2のアイコンを表示し、
前記入力された数値を前記表示部に表示するときには、前記第1のアイコン又は前記第2のアイコンの表示を消去する、
[6]に記載の計算機。
[8] 前記第1の指示入力は、税込キーの入力であり、
前記第2の指示入力は、税抜キーの入力である、
[1]-[7]の何れか1に記載の計算機。
[9] 前記第1の計算は、前記第1の引数としての第1の税率を用いた税込計算であり、
前記第2の計算は、前記第1の税率を用いた税抜計算である、
[1]-[8]の何れか1に記載の計算機。
[10] 前記第1の計算は、前記第1の引数としての第1の税率を用いた税込計算であり、
前記第1の合計値は、前回までに実施された税込計算の計算結果に基づく数値と今回前記実施した際の税込計算の計算結果に基づく数値との合計値及び前回までに実施された税込計算の計算結果に基づく数値と今回前記実施した際の税込計算の計算結果に基づく数値との合計値から計算される税額の合計値である、
[2]又は[3]に記載の計算機。
[11] 前記第1の計算の結果、前記税込計算の結果の合計値、前記税額の合計値を切り替えて表示部に表示する表示制御部をさらに具備する、
[10]に記載の計算機。
[12] 前記第2の計算は、前記第1の引数としての第1の税率を用いた税抜計算であり、
前記第2の合計値は、前回までに実施された税抜計算の計算結果に基づく数値と今回前記実施した際の税抜計算の計算結果に基づく数値との合計値及び前回までに実施された税抜計算の計算結果に基づく数値と今回前記実施した際の税抜計算の計算結果に基づく数値との合計値から計算される税額の合計値である、
[4]又は[5]に記載の計算機。
[13] 前記第2の計算の計算結果、前記税抜計算の結果の合計値、前記税額の合計値を切り替えて表示部に表示する表示制御部をさらに具備する、
[12]に記載の計算機。
[14] 数値の入力を受け付けた後に第1の指示入力を受け付けた場合に、前記数値に対して第1の引数を用いた第1の計算を実施することと、
数値の入力を受け付けた後に第2の指示入力を受け付けた場合に、前記数値に対して前記第1の引数を用いた第2の計算を実施することと、
前記第1の計算が実施された後で、数値が入力されることなく前記第2の指示入力を受け付けた場合に、前記第1の計算の計算結果を前記第1の指示入力を受け付ける直前の入力状態に戻すことと、
前記第2の計算が実施された後で、数値が入力されることなく前記第1の指示入力を受け付けた場合に、前記第2の計算の計算結果を前記第2の指示入力を受け付ける直前の入力状態に戻すことと、
をプロセッサに実行させるための計算プログラム。
【符号の説明】
【0112】
1 計算機、11 プロセッサ、12 メモリ、13 入力装置、14 ディスプレイ、15 電源モジュール、131 税込1キー、132 税抜1キー、133 税込2キー、134 税抜2キー、135 税計算合計キー、136 端数セレクタ、137 小数点セレクタ。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5