(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】車両用照明装置
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/08 20060101AFI20241210BHJP
B60Q 1/12 20060101ALI20241210BHJP
B60Q 1/14 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
B60Q1/08
B60Q1/12 100
B60Q1/14 H
(21)【出願番号】P 2021024953
(22)【出願日】2021-02-19
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】弁理士法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石山 雄一
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/054276(WO,A1)
【文献】特開2016-159709(JP,A)
【文献】特開2019-010962(JP,A)
【文献】特開2015-033944(JP,A)
【文献】特開2012-158293(JP,A)
【文献】特開2012-162121(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/08
B60Q 1/12
B60Q 1/14
F21S 41/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前部に搭載され、所定の方向に配列された複数の発光部と、
前記車両の走行状態に関する情報である走行状態情報を取得する第1センサと、
前記車両の周辺領域に存在する物体に関する情報を含む車両周辺情報を取得する第2センサと、
前記複数の発光部のそれぞれの発光強度を制御して、前記複数の発光部からの光によって形成される照射領域を変化させる配光制御を実行する制御装置と、
を備え、
前記配光制御は、
前記走行状態情報に基づいて判定された前記車両の進行方向に応じて前記照射領域を制御する第1制御と、
前記車両周辺情報に基づいて検出された物体の位置への前記光の照射度合を減少させるように前記照射領域を制御する第2制御と、
前記車両周辺情報に基づいて検出された反射物体の位置への前記光の照射度合を減少させるように前記照射領域を制御する第3制御と、
を含み、
前記制御装置は、
前記第1制御を実行するための前記発光強度の目標値である第1目標値と、前記第2制御を実行するための前記発光強度の目標値である第2目標値と、前記第3制御を実行するための前記発光強度の目標値である第3目標値との中から、前記発光強度の最終的な目標値である最終目標値を選択し、
前記最終目標値に基づいて前記発光部を制御する
ように構成され、
前記制御装置は、
現在の状況が、前記第1制御、前記第2制御及び前記第3制御の全てが実行される状況である第1状況である場合、
前記第1目標値、前記第2目標値及び前記第3目標値のうちの最小値を、前記最終目標値として選択する
ように構成された、
車両用照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用照明装置において、
前記制御装置は、
前記現在の状況が、前記第1制御及び前記第3制御のみが実行される状況である第2状況である場合、
前記第1目標値及び前記第3目標値のうちの小さい方の値を、前記最終目標値として選択する
ように構成された、
車両用照明装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用照明装置において、
前記車両周辺情報は、前記周辺領域の画像データを含み、
前記制御装置は、前記第3制御において、
前記画像データ上において画素の輝度値が所定の輝度閾値以上である場合、当該画素に対応する位置に前記反射物体が存在すると判定する
ように構成された、
車両用照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の前部に搭載された複数の発光部を制御する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の前部に搭載された複数の発光部(光源ユニット)を制御する照明装置が知られている(例えば、特許文献1)。当該照明装置は、複数の発光部から照射される光の照射領域を変化させる配光制御を実行する。
【0003】
上記配光制御の例として、車両の進行方向に応じて光の照射領域を制御する第1制御、先行車及び対向車等の位置に光を照射しないように光の照射領域を制御する第2制御、及び、光を反射させる物体(以下、「反射物体」と称呼する。)の位置に応じて光の照射領域を制御する第3制御が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
ところで、本願の発明者は、配光制御として、第1制御、第2制御及び第3制御の全てを実行可能な車両の開発を検討している。しかし、このような車両においては、これら3つの制御が互いに干渉して、その結果、車両の前方に適切な照射領域を形成できない可能性がある。例えば、先行車及び反射物体が車両の前方に存在し、且つ、反射物体が先行車と同じ方向に存在すると仮定する。この状況において、第3制御が第2制御よりも優先されると、光の照射領域が、先行車を含むように形成される。これにより、先行車の運転者にグレア(眩惑)を与える虞がある。
【0006】
そこで、本発明の目的の一つは、第1制御、第2制御及び第3制御を実行可能な車両において、車両の前方に適切な照射領域を形成することが可能な車両用照明装置を提供することである。
【0007】
一以上の実施形態において、車両用照明装置は、
車両の前部に搭載され、所定の方向に配列された複数の発光部(23L-1~23L-n、及び、23R-1~23R-n)と、
前記車両の走行状態に関する情報である走行状態情報を取得する第1センサ(11、12)と、
前記車両の周辺領域に存在する物体に関する情報を含む車両周辺情報を取得する第2センサ(13)と、
前記複数の発光部のそれぞれの発光強度(cd)を制御して、前記複数の発光部からの光によって形成される照射領域(Ara)を変化させる配光制御を実行する制御装置(10)と、
を備える。
前記配光制御は、
前記走行状態情報に基づいて判定された前記車両の進行方向(dr)に応じて前記照射領域を制御する第1制御と、
前記車両周辺情報に基づいて検出された物体(OV)の位置への前記光の照射度合を減少させるように前記照射領域を制御する第2制御と、
前記車両周辺情報に基づいて検出された反射物体(RO)の位置への前記光の照射度合を減少させるように前記照射領域を制御する第3制御と、
を含む。
前記制御装置は、
前記第1制御を実行するための前記発光強度の目標値である第1目標値(tcd1)と、前記第2制御を実行するための前記発光強度の目標値である第2目標値(tcd2)と、前記第3制御を実行するための前記発光強度の目標値である第3目標値(tcd3)との中から、前記発光強度の最終的な目標値である最終目標値(tcdf)を選択し、
前記最終目標値に基づいて前記発光部を制御する
ように構成されている。
前記制御装置は、
現在の状況が、前記第1制御、前記第2制御及び前記第3制御の全てが実行される状況である第1状況である場合、
前記第1目標値、前記第2目標値及び前記第3目標値のうちの最小値を、前記最終目標値として選択する
ように構成されている。
【0008】
上記構成を備える照明装置は、第1制御、第2制御及び第3制御を実行可能な車両において、複数の発光部のそれぞれにおいて適切な発光強度で光を照射させ、これにより、車両SVの前方に適切な照射領域を形成することができる。
【0009】
例えば、先行車及び反射物体が車両の前方に存在し、且つ、反射物体が先行車と同じ方向に存在すると仮定する。このような状況において、照明装置は、第1目標値、第2目標値及び第3目標値のうちの最小値を最終目標値として選択する。これにより、先行車に向けて照射される光の量が小さくなる。従って、先行車の運転者がグレアを受ける可能性を低減できる。
【0010】
一以上の実施形態において、前記制御装置は、
前記現在の状況が、前記第1制御及び前記第3制御のみが実行される状況である第2状況である場合、
前記第1目標値及び前記第3目標値のうちの小さい方の値を、前記最終目標値として選択する
ように構成されている。
【0011】
例えば、反射物体が、車両の進行方向に存在すると仮定する。このような状況において、照明装置は、第1目標値及び第3目標値のうちの小さい方の値を最終目標値として選択する。これにより、反射物体に向けて照射される光の量が小さくなる。反射物体にて反射される光の量が小さくなる(或いは、反射物体にて光が反射されない)ので、車両の運転者がグレアを感じる可能性を低減できる。
【0012】
一以上の実施形態において、前記車両周辺情報は、前記周辺領域の画像データを含む。
前記制御装置は、前記第3制御において、
前記画像データ上において画素の輝度値が所定の輝度閾値(bth)以上である場合、当該画素に対応する位置に前記反射物体が存在すると判定する
ように構成されている。
【0013】
一以上の実施形態において、上記の制御装置は、本明細書に記述される1以上の機能を実行するためにプログラムされたマイクロプロセッサにより実施されてもよい。一以上の実施形態において、制御装置は、1以上のアプリケーションに特化された集積回路、即ち、ASIC等により構成されたハードウェアによって、全体的に或いは部分的に実施されてもよい。上記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いた名称及び/又は符号を括弧書きで添えている。しかしながら、本発明の各構成要素は、前記名称及び/又は符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態に係る車両用照明装置の概略構成図である。
【
図2】左ヘッドライト及び右ヘッドライトの配置を表す車両の正面図である。
【
図3】左ハイビームライト及び右ハイビームライトの構成を示した図である。
【
図4】左ハイビームライトの複数の発光部のそれぞれの照射領域を示した図である。
【
図5】車両が右カーブを走行する状況を示した図である。
【
図6】左ハイビームライトの複数の発光部のそれぞれの第1目標値を示したテーブルである。
【
図7】車両の前方に先行車が存在する状況を示した図である。
【
図8】左ハイビームライトの複数の発光部のそれぞれの第2目標値を示したテーブルである。
【
図9】車両の前方に反射物体が存在する状況を示した図である。
【
図10】
図9の状況において取得された画像データである。
【
図11】左ハイビームライトの複数の発光部のそれぞれの第3目標値を示したテーブルである。
【
図13】第1乃至第4状況のそれぞれにおける最終目標値の決定方法を説明するテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<構成>
本実施形態に係る照明装置は、
図1に示したように、車両SVに搭載される。照明装置は、照明ECU10を備えている。ECUは、マイクロコンピュータを主要部として備える電気制御装置(Electric Control Unit)である。マイクロコンピュータは、CPU、ROM、RAM及びインターフェースI/F等を含む。例えば、照明ECU10は、CPU10a、ROM10b、RAM10c及びインターフェース(I/F)10d等を含むマイクロコンピュータを備える。CPU10aは、ROM10bに格納されたインストラクション(プログラム、ルーチン)を実行することにより、後述する各種機能を実現するようになっている。
【0016】
なお、車両SVは、車両制御を実行する各種ECU(例えば、エンジンECU及びブレーキECU等)を備えているが、本実施形態に係る照明装置とは直接関係しないため、それらについての記載は省略される。
【0017】
照明ECU10は、左ヘッドライト20L及び右ヘッドライト20Rに接続されている。照明ECU10は、左ヘッドライト20L及び右ヘッドライト20Rのそれぞれを制御することができる。
【0018】
図2に示すように、左ヘッドライト20Lは、車体200の前部の左側(左前コーナー部201L)に設けられ、右ヘッドライト20Rは、車体200の前部の右側(右前コーナー部201R)に設けられている。左ヘッドライト20L及び右ヘッドライト20Rの基本的な構成は同一である。左ヘッドライト20Lは、左ハイビームライト21L及び左ロービームライト22Lを含む。右ヘッドライト20Rは、右ハイビームライト21R及び右ロービームライト22Rを含む。
【0019】
再び
図1を参照すると、照明ECU10は、以下に列挙するセンサと接続されていて、それらの検出信号又は出力信号を受信するようになっている。
【0020】
車速センサ11は、車両SVの速度(走行速度)を検出し、速度Vsを表す信号を出力する。操舵角センサ12は、車両SVの操舵角を検出し、操舵角θ[deg]を表す信号を出力する。なお、操舵角θは、車両SVが直進走行している状況においてゼロになる。操舵角θは、車両SVが左旋回する際に正の値となり、車両SVが右旋回する際に負の値となる。
【0021】
以降、センサ11及び12から出力される「車両SVの走行状態に関する情報」は、「走行状態情報」と称呼される場合がある。なお、車両SVは、他の走行状態情報(例えば、ヨーレート及び加速度等)を取得するセンサを更に備えていてもよい。
【0022】
周囲センサ13は、車両SVの周辺領域に存在する物体に関する情報を取得するようになっている。車両SVの周辺領域は、車両SVの前方領域を少なくとも含む。物体は、例えば、四輪車両、二輪車両及び歩行者等の移動物、並びに、電柱、樹木及びガードレール等の固定物を含む。周囲センサ13は、レーダセンサ14及びカメラセンサ15を備えている。
【0023】
レーダセンサ14は、例えば、ミリ波帯の電波(以下、「ミリ波」と称呼する。)を車両SVの周辺領域に放射し、放射範囲内に存在する物体によって反射されたミリ波(即ち、反射波)を受信する。レーダセンサ14は、反射波情報に基づいて、物体を検出する。反射波情報は、送信したミリ波と受信した反射波との位相差、反射波の減衰レベル、及び、ミリ波を送信してから反射波を受信するまでの時間等を含む。更に、レーダセンサ14は、反射波情報に基づいて、車両と物体との相対関係を示すパラメータを演算する。車両SVと物体との相対関係を示すパラメータは、車両SVに対する物体の方位(又は位置)、車両SVと物体との距離、及び、車両SVと物体との相対速度等を含む。
【0024】
カメラセンサ15は、車両SVの周辺領域を撮影して画像データを取得する。なお、カメラセンサ15は、画像データに基づいて、物体の有無について判定し、且つ、車両と物体との相対関係を示すパラメータを演算してもよい。
【0025】
周囲センサ13によって取得された物体に関する情報(車両と物体との相対関係を示すパラメータを含む。)は「物体情報」と称呼される。照明ECU10は、物体情報及び画像データを含む車両の周辺領域に関する情報を、「車両周辺情報」として取得する。
【0026】
<ハイビームライトの構成>
左ハイビームライト21L及び右ハイビームライト21Rは、それぞれ、車両SVの前方に光(ハイビーム)を照射するようになっている。
図3に示すように、左ハイビームライト21Lは、車幅方向(車両SVの左右方向)に配列された複数の(n個の)発光部(23L-1、23L-2、23L-3、…、23L-n)を含む。右ハイビームライト21Rは、車幅方向に配列された複数の(n個の)発光部(23R-1、23R-2、23R-3、…、23R-n)を含む。
【0027】
発光部の数nは、例えば、12である。なお、以降において、図示及び説明を簡単にするために、「n=6」の例で説明される。
【0028】
左ハイビームライト21L及び右ハイビームライト21Rは互いに同じ構成を有するので、以降においては、左ハイビームライト21Lの構成について説明する。なお、左ハイビームライト21Lにおける複数の発光部は、まとめて「複数の発光部23L」と表記される。
【0029】
複数の発光部23Lのそれぞれは、白色LED(発光ダイオード)を含む。
図4は、複数の発光部23Lのそれぞれの照射領域を示す。複数の発光部23L-1~23L-6の照射領域は、それぞれ、Ar1~Ar6である。複数の発光部23Lの照射領域は、車幅方向に隣接する領域の間で互いに重なり合うようになっている。なお、照射領域Ar1~Ar6によって形成される全体の照射領域は、以降において、符号「Ara」によって示される。
【0030】
照明ECU10は、複数の発光部23Lのそれぞれの点灯状態を独立して制御することができる。即ち、照明ECU10は、複数の発光部23Lのうちの1つ以上の発光部を選択的に点灯させることができる。更に、照明ECU10は、複数の発光部23Lのそれぞれに供給される電流の量を調整することにより、複数の発光部23Lのそれぞれの発光強度を制御することができる。
【0031】
ここで、発光強度とは、ある方向へ放射される光の明るさの度合である。発光強度は、例えば、単位立体角辺りの光束量である光度(cd)である(以降において、「発光強度cd」と表記する。)。
【0032】
なお、複数の発光部(LED)のそれぞれの点灯状態を独立して制御する技術として、例えば、特開2009-123566号公報、特開2008-37240号公報、及び、特開2008-114800号公報等に記載されている技術が採用されてもよい。
【0033】
<配光制御>
照明ECU10は、複数の発光部23Lからの光によって形成される照射領域を変化させる配光制御を実行するように構成されている。
【0034】
配光制御は、走行状態情報に基づいて判定された車両SVの進行方向に応じて光の照射領域を制御する第1制御と、車両周辺情報に基づいて検出された物体(先行車、対向車及び歩行者等)の位置への光の照射度合を減少させるように光の照射領域を制御する第2制御と、車両周辺情報に基づいて検出された反射物体の位置への光の照射度合を減少させるように光の照射領域を制御する第3制御とを含む。以下、第1制御、第2制御及び第3制御のそれぞれについて説明する。
【0035】
・第1制御
例えば、夜間に車両SVがカーブを走行する状況において、運転者は車両SVの前方の状況が視認しにくくなる。従って、照明ECU10は、第1制御を実行する。なお、第1制御は、光の照射領域をスイブルさせる制御であることから、「スイブル制御」と称呼される場合がある。スイブル制御自体は公知である(例えば、特開2013-77451号公報を参照。)。従って、以下に簡単に説明する。
【0036】
照明ECU10は、走行状態情報(操舵角θ及び速度Vs)に基づいて、車両SVの旋回方向及び旋回度合を判定する。照明ECU10は、車両SVの旋回方向及び旋回度合に基づいて、車両SVの進行方向drを演算する。進行方向drは、車両SVが進むと予測される方向である。従って、車両SVが右カーブを走行している状況において、進行方向drは、車両SVの右前方向となる。車両SVが左カーブを走行している状況において、進行方向drは、車両SVの左前方向となる。照明ECU10は、車両SVの進行方向drに基づいて、複数の発光部23Lのそれぞれについて第1目標値tcd1を演算する。第1目標値tcd1は、第1制御を実行するための発光強度cdの目標値である。
【0037】
図5の例において、車両SVが右カーブを走行する。この場合、照明ECU10は、進行方向drに基づいて、
図6に示すように、複数の発光部23Lのそれぞれについて第1目標値tcd1を演算する。
図6のテーブルにおいては、発光強度cdの最大値を「100」として、複数の発光部23Lのそれぞれの第1目標値tcd1が正規化されている。
【0038】
車両SVが右カーブを走行する状況においては、車両SVの旋回方向側(右側)の発光部23L-6の第1目標値tcd1が最も大きい。一方、車両SVの旋回方向とは反対側(左側)の発光部23L-1の第1目標値tcd1が最も小さい。複数の発光部23Lの中で最も右側の発光部23L-6から左方向に向かって、第1目標値tcd1が徐々に小さくなる。従って、車両SVに対して右前方領域(旋回方向側の領域)への光の照射度合が大きくなり、車両SVに対して左前方領域(旋回方向とは反対側の領域)への光の照射度合が小さくなる。
【0039】
照明ECU10は、
図6のテーブルに従って、複数の発光部23Lのそれぞれの発光強度cdを制御する。これにより、
図5に示すように、複数の発光部23Lからの光の照射領域Araが、光が車両SVの左前方領域よりも右前方領域をより照らすように、形成される。このように、照明ECU10は、車両SVの進行方向drに応じて、照射領域Araを変化させる(スイブル移動)させることができる。これにより、右カーブの視認性を向上させることができる。
【0040】
・第2制御
例えば、夜間に車両SVの前方に先行車が存在すると仮定する。この状況において車両SVがハイビームを前方に照射すると、先行車の運転者に対してグレアを与える虞がある。従って、照明ECU10は、第2制御を実行する。なお、第2制御は、車両の前方の一部の領域に光を照射しない領域(遮光領域)を形成する制御であることから、「遮光制御」と称呼される場合がある。遮光制御自体は公知である(例えば、特開2009-123566号公報)。従って、以下に簡単に説明する。
【0041】
照明ECU10は、車両周辺情報(具体的には、物体情報及び/又は画像データ)に基づいて、所定の移動物条件が成立するか否かを判定する。移動物条件は、車両SVから前方に所定の距離範囲内に移動物(例えば、先行車、対向車及び歩行者等)が存在するときに成立する。移動物条件が成立する場合、照明ECU10は、移動物の位置を特定する。照明ECU10は、移動物の位置に基づいて、複数の発光部23Lのそれぞれについて第2目標値tcd2を演算する。第2目標値tcd2は、第2制御を実行するための発光強度cdの目標値である。
【0042】
図7の例において、車両SVの前方に先行車OVが存在する。この場合、照明ECU10は、
図8に示すように、複数の発光部23Lのそれぞれについて第2目標値tcd2を演算する。
【0043】
例えば、発光部23L-6が、先行車OVの位置を照射する発光部である。従って、発光部23L-6の第2目標値tcd2が「0」である。
図4で説明したように、発光部23L-6に隣接する発光部23L-5の照射領域Ar5の一部は、発光部23L-6の照射領域Ar6と重なる。従って、発光部23L-5の第2目標値tcd2が比較的小さい値である。これにより、先行車OVの位置への光の照射度合が小さくなる。一方で、発光部23L-5及び23L-6以外の発光部(23L-1~23L-4)の第2目標値tcd2は、比較的大きい。従って、先行車OVの位置以外の領域への光の照射度合が大きくなる。
【0044】
図7に示すように、複数の発光部23Lからの光の照射領域Araが、先行車OVの位置を照射しないように形成される。このように、照明ECU10は、車両SVの前方の移動物(先行車OV)の位置への光の照射度合を減少させることができる。これにより、先行車OVの運転者に対してグレアを与える可能性を低減できる。
【0045】
・第3制御
例えば、夜間に車両SVの前方に反射物体(例えば、道路標識)が存在すると仮定する。この状況において車両SVがハイビームを前方に照射すると、反射物体で反射された光によって車両SVの運転者がグレアを感じる虞がある。従って、照明ECU10は、第3制御を実行する。第3制御は、反射物体の位置への光の照射度合を減少させる制御であることから、「減光制御」と称呼される場合がある。
【0046】
照明ECU10は、車両周辺情報(具体的には、画像データ)に基づいて、所定の反射物体条件が成立するか否かを判定する。反射物体条件は、車両SVの前方に反射物体が存在するときに成立する。反射物体は光を反射するので、画像データ上における反射物体に対応する領域の輝度は高い傾向にある。これを考慮して、照明ECU10は、以下のように、反射物体条件が成立するか否かを判定する。
【0047】
照明ECU10は、画像データを走査して、所定の輝度値ba以上の画素を選択(抽出)する。照明ECU10は、その選択された画素と当該画素の周辺に存在する複数の画素とを含む領域を「着目画素領域」として設定する。
【0048】
別の例において、照明ECU10は、所定の輝度値ba以上を有し且つ互いに隣接している複数の画素をグルーピングし、当該グルーピングされた画素を「着目画素領域」として設定してもよい。
【0049】
照明ECU10は、着目画素領域内の最高輝度bmaxを取得する。最高輝度bmaxが所定の輝度閾値bth以上である場合、照明ECU10は、その最高輝度bmaxを有する画素を含む着目画素領域に反射物体が存在すると判定する。即ち、照明ECU10は、反射物体条件が成立すると判定する。
【0050】
図9の例において、車両SVは、反射物体(道路標識)ROの近くを走行する。この状況において、照明ECU10は、
図10に示す画像データ1000を周囲センサ13(具体的には、カメラセンサ15)から取得する。照明ECU10は、画像データ1000を走査して、着目画素領域1001を決定する。着目画素領域1001は、反射物体ROの一部に対応する画像データ上の領域である。ここで、着目画素領域1001内の最高輝度bmaxが輝度閾値bth以上であるとする。照明ECU10は、着目画素領域1001に反射物体が存在すると判定する。従って、照明ECU10は、反射物体条件が成立したと判定する。
【0051】
反射物体条件が成立した場合、照明ECU10は、
図11に示すように、複数の発光部23Lのそれぞれについて第3目標値tcd3を演算する。第3目標値tcd3は、第3制御を実行するための発光強度cdの目標値である。
【0052】
発光部23L-1が、着目画素領域1001(即ち、反射物体RO)の位置を照射する発光部である。発光部23L-1の第3目標値tcd3が小さい値である。更に、
図4に示したように、発光部23L-1に隣接する発光部23L-2の照射領域Ar2の一部は、発光部23L-1の照射領域Ar1と重なり合う。従って、発光部23L-2の第3目標値tcd3も比較的小さい値である。これにより、反射物体ROの位置への光の照射度合が小さくなる。一方で、発光部23L-1及び23L-2以外の発光部(23L-3~23L-6)の第3目標値tcd3は、比較的大きい。従って、反射物体ROの位置以外の領域への光の照射度合が大きくなる。
【0053】
図9に示すように、複数の発光部23Lからの光の照射領域Araが、反射物体ROの位置を照射しないように形成される。このように、照明ECU10は、車両SVの前方の反射物体ROへの光の照射度合を減少させることができる。これにより、車両SVの運転者がグレアを感じる可能性を低減できる。
【0054】
<照明ECUの構成>
上記の第1制御乃至第3制御を実現するために、照明ECU10は、
図12に示す機能的な構成要素を備える。具体的には、照明ECU10は、照明制御部1200と、第1制御部1201と、第2制御部1202と、第3制御部1203とを備える。これらの構成要素は、ハードウェア(CPU10a及びRAM10c等)並びにソフトウェアの組み合わせによって実現される。
【0055】
第1制御部1201は、第1制御に関する処理を実行する。第1制御部1201は、所定時間dTが経過するごとに、車両SVの進行方向drを演算し、複数の発光部23Lのそれぞれについて第1目標値tcd1を演算する。第1制御部1201は、第1目標値tcd1を照明制御部1200に出力する。
【0056】
第2制御部1202は、第2制御に関する処理を実行する。第2制御部1202は、所定時間dTが経過するごとに、移動物条件が成立するか否かを判定する。移動物条件が成立する場合、第2制御部1202は、複数の発光部23Lのそれぞれについて第2目標値tcd2を演算する。そして、第2制御部1202は、第2目標値tcd2を照明制御部1200に出力する。
【0057】
第3制御部1203は、第3制御に関する処理を実行する。第3制御部1203は、所定時間dTが経過するごとに、反射物体条件が成立するか否かを判定する。反射物体条件が成立する場合、第3制御部1203は、複数の発光部23Lのそれぞれについて第3目標値tcd3を演算する。そして、第3制御部1203は、第3目標値tcd3を照明制御部1200に出力する。
【0058】
照明ECU10が第1制御、第2制御及び第3制御の全てを実行可能である場合、以下のような問題が生じる。
(a)例えば、車両SVから見て、他車両(先行車又は対向車)と同じ方向に反射物体が存在すると仮定する。この状況において、第3制御が第2制御よりも優先されると、光の照射領域が、他車両を含むように形成される。これにより、他車両の運転者にグレアを与える虞がある。
(b)車両SVの進行方向に反射物体が存在すると仮定する。この状況において、第1制御が第3制御よりも優先されると、反射物体の位置に対して比較的大きい発光強度で光が照射される。光が反射物体にて反射されて、車両SVの運転者がグレアを感じる虞がある。
【0059】
そこで、照明制御部1200が、第1制御、第2制御及び第3制御が互いに悪影響を与えないように、これらの制御の調停処理を実行する。
【0060】
具体的には、照明制御部1200は、所定時間dTが経過するごとに、第1目標値tcd1を第1制御部1201から受け取る。照明制御部1200は、移動物条件が成立する状況(即ち、車両SVの前方に移動物が存在する状況)において、所定時間dTが経過するごとに、第2目標値tcd2を第2制御部1202から受け取る。照明制御部1200は、反射物体条件が成立する状況(即ち、車両SVの前方に反射物体が存在する状況)において、所定時間dTが経過するごとに、第3目標値tcd3を第3制御部1203から受け取る。
【0061】
照明制御部1200は、複数の発光部23Lのそれぞれについて最終目標値tcdfを決定する。最終目標値tcdfは、発光強度cdの最終的な目標値である。照明制御部1200は、第1目標値tcd1、第2目標値tcd2及び第3目標値tcd3の中から、最終目標値tcdfを選択する。そして、照明制御部1200は、最終目標値tcdfに基づいて、複数の発光部23Lのそれぞれの発光強度cdを制御する。
【0062】
以降において、複数の発光部23Lのうちの任意の一つの発光部を「発光部23L-m」(m=1、…、6)と表現する。更に、発光部23L-mの第1目標値tcd1を「tcd1-m」と表記し、発光部23L-mの第2目標値tcd2を「tcd2-m」と表記し、発光部23L-mの第3目標値tcd3を「tcd3-m」と表記し、発光部23L-mの最終目標値tcdfを「tcdf-m」と表記する。
【0063】
照明制御部1200は、所定時間dTが経過するごとに、現在の状況が、
図13に示す第1状況乃至第4状況の何れの状況であるかを判定する。
図13に示すように、「第1状況」は、「第1制御、第2制御及び第3制御の全てが実行される状況」である。「第2状況」は、「第1制御及び第3制御のみが実行される状況」である。「第3状況」は、「第1制御及び第2制御のみが実行される状況」である。「第4状況」は、「第1制御のみが実行される状況」である。次に、第1状況乃至第4状況のそれぞれにおける照明制御部1200の作動を説明する。
【0064】
・第1状況
照明制御部1200は、ある時点t1にて、第1制御部1201から第1目標値tcd1-mを受け取り、第2制御部1202から第2目標値tcd2-mを受け取り、第3制御部1203から第3目標値tcd3-mを受け取る。この場合、照明制御部1200は、現在の状況が第1状況であると判定する。
図13に示すように、照明制御部1200は、第1目標値tcd1-m、第2目標値tcd2-m及び第3目標値tcd3-mのうちの最小値を最終目標値tcdf-mとして選択する。
図13のMin関数は、括弧内の数値の最小値を選択する関数である。照明制御部1200は、発光部23L-mの発光強度cdが最終目標値tcdf-mに一致するように、発光部23L-mを制御する。
【0065】
・第2状況
照明制御部1200は、ある時点t2にて、第1制御部1201から第1目標値tcd1-mを受け取り、第3制御部1203から第3目標値tcd3-mを受け取る。照明制御部1200は、この時点t2にて、第2制御部1202から第2目標値tcd2-mを受け取らない。この場合、照明制御部1200は、現在の状況が第2状況であると判定する。
図13に示すように、照明制御部1200は、第1目標値tcd1-m及び第3目標値tcd3-mのうちの小さい方を最終目標値tcdf-mとして選択する。照明制御部1200は、発光部23L-mの発光強度cdが最終目標値tcdf-mに一致するように、発光部23L-mを制御する。
【0066】
・第3状況
照明制御部1200は、ある時点t3にて、第1制御部1201から第1目標値tcd1-mを受け取り、第2制御部1202から第2目標値tcd2-mを受け取る。照明制御部1200は、この時点t3にて、第3制御部1203から第3目標値tcd3-mを受け取らない。この場合、照明制御部1200は、現在の状況が第3状況であると判定する。
図13に示すように、照明制御部1200は、第2目標値tcd2-mを最終目標値tcdf-mとして選択する。このように、第3状況において、照明制御部1200は、第1制御よりも第2制御を優先させる。照明制御部1200は、発光部23L-mの発光強度cdが最終目標値tcdf-mに一致するように、発光部23L-mを制御する。
【0067】
・第4状況
照明制御部1200は、ある時点t4にて、第1制御部1201から第1目標値tcd1-mを受け取る。照明制御部1200は、この時点t4にて、第2制御部1202から第2目標値tcd2-mを受け取らず、且つ、第3制御部1203から第3目標値tcd3-mを受け取らない。この場合、照明制御部1200は、現在の状況が第4状況であると判定する。
図13に示すように、照明制御部1200は、第1目標値tcd1-mを最終目標値tcdf-mとして選択する。照明制御部1200は、発光部23L-mの発光強度cdが最終目標値tcdf-mに一致するように、発光部23L-mを制御する。
【0068】
上記の構成を備える照明装置は、以下の効果を奏する。
図14の例において、第1反射物体RO1、第2反射物体RO2及び第1先行車OV1が、車両SVの前方に存在する。第1先行車OV1及び第1反射物体RO1が、発光部23L-4の照射領域Ar4と重なる。第2反射物体RO2が、発光部23L-2の照射領域Ar2と重なる。なお、
図14において、照射領域Ar4は、発光部23L-4の発光強度cdが最大値に設定された場合の照射領域を表し、照射領域Ar2は、発光部23L-2の発光強度cdが最大値に設定された場合の照射領域を表す。
【0069】
照明装置は、現在の状況が第1状況であると判定する。そして、照明装置は、発光部23L-4の最終目標値tcdf-4として、第1目標値tcd1-4、第2目標値tcd2-4及び第3目標値tcd3-4のうちの最小値を選択する。このように、照明装置は、3つの目標値(tcd1-4、tcd2-4、tcd3-4)のうちの最小値に対応する配光制御の目標値を優先させる。本例において、第1目標値tcd1-4は、比較的大きな値(例えば、「80」)である。発光部23L-4の照射領域Ar4に第1先行車OV1が存在するので、第2目標値tcd2-4は、「0」である。発光部23L-4の照射領域Ar4に第1反射物体RO1が存在するので、第3目標値tcd3-4は比較的小さい値(例えば、「40」)である。従って、第2目標値tcd2-4が、3つの目標値(tcd1-4、tcd2-4、tcd3-4)の中で最も小さい。照明装置は、最終目標値tcdf-4として、第2目標値tcd2-4を選択する。この場合、発光部23L-4が光を実質的に照射しないので、第1先行車OV1の運転者がグレアを受けない。
【0070】
同様に、照明装置は、発光部23L-2の最終目標値tcdf-2として、第1目標値tcd1-2、第2目標値tcd2-2及び第3目標値tcd3-2のうちの最小値を選択する。本例において、第1目標値tcd1-2は、比較的大きな値(例えば、「80」)である。発光部23L-2の照射領域Ar2に第1先行車OV1が存在しないので、第2目標値tcd2-2も比較的大きな値(例えば、「80」)である。一方、発光部23L-2の照射領域Ar2に第2反射物体RO2が存在するので、第3目標値tcd3-2が比較的小さい値(例えば、「40」)である。従って、第3目標値tcd3-2が3つの目標値(tcd1-2、tcd2-2、tcd3-2)の中で最も小さい。照明装置は、最終目標値tcdf-2として、第3目標値tcd3-2を選択する。この場合、発光部23L-2が比較的小さい発光強度cdで光を照射するので、発光部23L-2からの光が第2反射物体RO2に到達しない。発光部23L-2からの光が第2反射物体RO2にて反射されないので、車両SVの運転者がグレアを感じることがない。このように、照明装置は、複数の発光部23Lのそれぞれにおいて適切な発光強度cdで光を照射させ、これにより、車両SVの前方に適切な照射領域を形成することができる。
【0071】
図15の例において、第3反射物体RO3が、車両SVの前方に存在し、且つ、車両SVの進行方向drの延長線上に存在する。更に、第3反射物体RO3が、発光部23L-4の照射領域Ar4と重なる。なお、
図15において、照射領域Ar4は、発光部23L-4の発光強度cdが最大値に設定された場合の照射領域を表す。
【0072】
照明装置は、現在の状況が第2状況であると判定する。そして、照明装置は、発光部23L-4の最終目標値tcdf-4として、第1目標値tcd1-4及び第3目標値tcd3-4のうちの小さい方を選択する。本例において、第1目標値tcd1-4は、比較的大きな値(例えば、「100」)である。発光部23L-4の照射領域Ar4に第3反射物体RO3が存在するので、第3目標値tcd3-4は比較的小さい値(例えば、「40」)である。従って、照明装置は、最終目標値tcdf-4として、第3目標値tcd3-4を選択する。この場合、発光部23L-4が比較的小さい発光強度cdで光を照射するので、発光部23L-4からの光が第3反射物体RO3に到達しない。発光部23L-4からの光が第3反射物体RO3にて反射されないので、車両SVの運転者がグレアを感じることがない。
【0073】
更に、第3状況において、照明装置は、発光部23L-mの最終目標値tcdf-mとして、第2目標値tcd2-mを選択する。第2制御が、第1制御よりも優先される。従って、先行車OVの運転者がグレアを受ける可能性を低減できる。
【0074】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
【0075】
(変形例1)
現在の状況が第1状況である場合、照明ECU10は、以下のように最終目標値tcdf-mを決定してもよい。照明制御部1200は、まず、第1目標値tcd1-m及び第2目標値tcd2-mのうちの小さい方の目標値(即ち、第2目標値tcd2-m)を選択する。次に、照明制御部1200は、当該選択された目標値及び第3目標値tcd3-mのうちの小さい方を最終目標値tcdf-mとして決定する。
【0076】
(変形例2)
第3制御に関して、照明ECU10は、特許文献1と同様に、着目画素領域内の画素の平均輝度を演算してもよい。平均輝度が所定の閾値以上である場合、照明ECU10は、その着目画素領域に反射物体が存在すると判定してもよい。
【0077】
(変形例3)
上記の例において、左ハイビームライト21L及び右ハイビームライト21Rは、それぞれ、車幅方向に一列に配列された発光部を含むが、これに限定されない。左ハイビームライト21L及び右ハイビームライト21Rは、それぞれ、車幅方向に複数列に配列された発光部を含んでもよい。
【符号の説明】
【0078】
10…照明ECU、20L、20R…ヘッドライト、21L、21R…ハイビームライト、22L、22R…ロービームライト、23L、23R…発光部。