(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】ロール資材
(51)【国際特許分類】
B65B 41/12 20060101AFI20241210BHJP
B65D 65/02 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
B65B41/12
B65D65/02 F
(21)【出願番号】P 2021025082
(22)【出願日】2021-02-19
【審査請求日】2023-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】坂野 賀津士
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-095167(JP,A)
【文献】特開2004-306411(JP,A)
【文献】実開昭61-125980(JP,U)
【文献】特開2011-157117(JP,A)
【文献】特開2007-276194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 41/00
B65D 65/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状をなす一枚の紙資材がロール状に巻回され、前記紙資材に対して部分的にシール材が予め積層された包装用のロール資材であって、
前記紙資材におけるロール軸方向の一端縁に沿ってロール周方向に連続して設けられ、前記紙資材に対して厚み方向に予め積層された前記シール材の少なくとも一部である一端シール材によって前記紙資材のロール径方向に厚みを付加する第一付加部と、
前記紙資材におけるロール軸方向の他端縁に沿ってロール周方向に連続して設けられ、前記紙資材に対して厚み方向に予め積層された積層材によって前記紙資材のロール径方向に厚みを付加する第二付加部と
、
前記紙資材におけるロール軸方向に沿って連続するとともにロール周方向に断続して設けられ、前記紙資材に対して厚み方向に予め積層された前記シール材のうち前記一端シール材を除いた少なくとも一部である断続シール材によって前記紙資材のロール径方向に厚みを付加する第三付加部
と、を備え
、
前記第一付加部は、前記紙資材におけるロール径方向の内側および外側の一方に配置され、
前記第二付加部は、前記シール材のうち前記一端シール材を除いた少なくとも一部である他端シール材を含む前記積層材によって前記紙資材のロール径方向に厚みを付加し、前記紙資材におけるロール径方向の内側および外側の他方に配置された
ことを特徴とするロール資材
。
【請求項2】
前記シール材は、熱または圧力が印加されると接着機能を発揮する感熱シール材または感圧シール材である
ことを特徴とする請求項
1に記載のロール資材。
【請求項3】
前記第二付加部は、前記紙資材に対して予め積層された印刷層を含む前記積層材によって前記紙資材のロール径方向に厚みを付加する
ことを特徴とする請求項1
または2に記載のロール資材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状に巻回された紙資材に対して部分的にシール材が予め積層された包装用のロール資材に関する。
【背景技術】
【0002】
包装用資材の一つとして、紙資材にシール材が予め積層された資材が知られている。
たとえば、
図12に示すように、帯状に延在する紙資材2がロール状に巻回され、この紙資材に対して予め接着剤や粘着剤といったシール材が予め積層されたロール資材1が知られている(特許文献1,2参照)。また、
図13に示すように、紙資材2Aに積層されるシール材4の配置として、帯幅方向の一方における端縁S1には連続して設けられるものの、帯幅方向の他方における端縁S2には設けられていないパターンも知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-99493号公報
【文献】特開2015-117025号公報
【文献】特開2003-123128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、
図14に示すように、上述のようなパターンでシール材の積層された紙資材が巻回されたロール資材1は、シール材がロール軸方向の一端縁S1には連続して設けられるもののロール軸方向の他端縁S2には設けられていないか不連続に設けられる。そのため、シール材による厚みがロール軸方向の一方の外径d1と他方の外径d2とが相違する。たとえば、紙資材のみが巻回されたロール資材(
図14に二点鎖線で示す)は円柱状の外形をなすのに対し、シール材がロール軸方向の一端縁S1のみに連続して設けられたロール資材1(
図14に実線で示す)の形状がたとえば円錐台状に歪むおそれがある。このような形状の歪みにより、紙資材に皺やヨレが生じたり資材の繰出不良が生じたりするといったロール資材の品質低下を招くおそれがある。
よって、ロール資材の品質を確保するうえで改善の余地がある。
【0005】
本件は、このような課題に着目して創案されたもので、ロール資材の品質確保を目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用および効果であって、従来の技術では得られない作用および効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここで開示するロール資材は、帯状をなす一枚の紙資材がロール状に巻回され、前記紙資材に対して部分的にシール材が予め積層された包装用のロール資材である。本ロール資材は、前記紙資材におけるロール軸方向の一端縁に沿ってロール周方向に連続して設けられ、前記紙資材に対して厚み方向に予め積層された前記シール材の少なくとも一部である一端シール材によって前記紙資材のロール径方向に厚みを付加する第一付加部と、前記紙資材におけるロール軸方向の他端縁に沿ってロール周方向に連続して設けられ、前記紙資材に対して厚み方向に予め積層された積層材によって前記紙資材のロール径方向に厚みを付加する第二付加部と、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本件によれば、ロール資材の品質を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第一実施形態にかかるロール資材の斜視図である。
【
図2】
図1に示すロール資材の横断面図であり、(a)は第一実施形態を示し、(b)はその変形例を示す。
【
図3】
図1に示すロール資材から形成された包装用紙の正面図である。
【
図4】
図1に示すロール資材の外径(巻取り径)を説明する斜視図である。
【
図5】
図3に示す包装用紙により内容物を包装する形態を説明する斜視図である。
【
図6】第二実施形態にかかるロール資材の斜視図である。
【
図8】
図6に示すロール資材から形成された包装用紙の正面図である。
【
図9】第二実施形態の変形例にかかるロール資材の横断面図である。
【
図10】第二実施形態の変形例にかかるロール資材から形成された包装用紙の正面図である。
【
図11】
図10に示す変形例にかかるシール材層および積層材層を示す包装用紙の正面図であり、(a)はシール材層を示し、(b)は積層材層を示す。
【
図12】背景技術にかかるロール資材の斜視図である。
【
図14】課題を説明するロール資材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態としてのロール資材を説明する。本ロール資材は、帯状(「ウェブ状」とも称される)をなす一枚の紙資材がロール状に巻回された包装用のロール資材である。
本実施形態では、二つの実施形態を例説する。各実施形態のロール資材は、製品を製造する製造ラインの下流部において、適宜の長さに切断された包装用の枚葉紙(シート)が製品などの内容物を包装するために用いられる。また、各実施形態では、包装する内容物として複数のトイレットロールの集合体を例示する。
【0010】
ロール資材のシール材は、包装により重ね合わされる部分(重合部分)や折り込まれる部分(折込部分)を接合し封止するために紙資材に対し部分的に予め積層されている。
下記の説明で用いる紙資材のオモテ面およびウラ面については、オモテ面が包装後に外側を向く面を意味し、ウラ面が包装後に内側(内容物の側)を向く面を意味する。換言すれば、紙資材におけるロール径方向の内側および外側の一方がオモテ面およびウラ面の何れか一方を意味し、紙資材におけるロール径方向の内側および外側の他方がオモテ面およびウラ面の何れか他方を意味する。
そのほか、以下の実施形態で記載の包装形態には、合わせ包み型の包装(キャラメル包装)が挙げられる。
【0011】
[I.第一実施形態]
[I-I.構成]
図1に示すように、本実施形態のロール資材11は、帯状をなす紙資材12がロール状に巻回された包装用資材である。ロール資材11から繰り出された紙資材12を長手方向(ロール状の形態ではロールの周方向)D1に所要長さに切断することにより、
図3に示すような枚葉状のシート13を形成する。このシート13は、
図5に示すように、内容物(ここではトイレットロールの集合体)10を包装するために用いられる。
【0012】
図1,
図2(a)に示すように、紙資材12においてオモテ面F1のうちロール軸方向D2の一端縁S1には、シール材14(一端シール材)がロール周方向D1に連続して設けられたシール材層14aが予め積層されている。ここで例示するシール材層14aは、紙資材12よりもロール軸方向の寸法が小さい帯状に延びた領域に配設されている。
シール材層14aは、紙資材12のロール径方向に厚みを付加する部位(第一付加部)である。ここでは、シール材層14aが所定の厚さt1に形成された例を挙げる。なお、紙資材12におけるオモテ面F1の一端縁S1は、紙資材12における他端縁S2のウラ面F2に対面した状態で重ね合わされて接合される部分である(
図5参照)。
【0013】
シール材14には、包装による重合部分や折込部分を接合したり封止したりするための接着剤が用いられる。ここでは、熱が印加されると接着機能を発揮する感熱シール材(いわゆる「ホットメルト接着剤」)が接着剤に用いられた例を挙げる。なお、ここでいう接着剤として、圧力が印加されると接着機能を発揮する感圧シール材が用いられてもよい。
【0014】
また、紙資材12においてオモテ面F1のうちロール軸方向D2の他端縁S2には、積層材15がロール周方向D1に連続して設けられた積層材層15aが予め積層されている。すなわち、本実施形態のシール材層14a,積層材層15aは、紙資材12のオモテ面(紙資材におけるロール径方向の内側および外側の一方)のみに配置されている。ここで例示する積層材層15aは、紙資材12よりもロール軸方向の寸法が小さい帯状に延びた領域に配設されている。
【0015】
積層材層15aは、紙資材12のロール径方向に厚みを付加する部位(第二付加部)である。この積層材層15aは、シール材層14aによってロール資材11の一端縁S1側の巻取り径(外径)が増大するのに対応するように、ロール資材11の他端縁S2側の巻取り径を増大させるスペーサとしての機能を有する。ここでは、シール材層14aの厚さt1と同様またはほぼ同様の厚さt2に形成された積層材層15aを例に挙げる。
なお、シール材層14aの厚さt1と積層材層15aの厚さt2とが相違する場合であってもこれらの厚さt1,t2の差分(「t1-t2」の絶対値)は、紙資材12の厚さよりも小さいものとする。
【0016】
ここで例示する積層材15には、予め塗工されたインクなどの印刷材(紙資材12に対して予め積層された印刷層)が適用された例を挙げる。ただし、シール材14と同様のシール材を積層材15(他端シール材)に適用してもよい。すなわち、紙資材12に対して部分的に予め積層されたシール材のうち、全部がシール材層14aのシール材14であってもよいし、一部がシール材層14aのシール材14で他部が積層材層の積層材15であってもよい。
【0017】
積層材層15aが予め積層された紙資材12におけるオモテ面F1の他端縁S2は、キャラメル包装の下準備として胴貼りによってシール材層14aが予め積層された一端縁S1と重ね合わせられる。このように重ね合わせられた状態における他端縁S2の積層材層15aは、一端縁S1よりも外側に位置して露出する部分であり、包装後に外観をなす部分となる(
図5参照)。
なお、シール材層14a,積層材層15aは、それぞれシール材14,積層材15を紙資材22のオモテ面F1に塗布や印刷などの公知手法で予め積層することが可能である。
【0018】
[I-II.作用および効果]
本実施形態にかかるロール資材11は、紙資材12のロール軸方向D2において、一端縁S1にシール材層14aが予め積層されるだけでなくロール軸方向D2の他端縁S2に積層材層15aが予め積層されている。そのため、紙資材においてロール軸方向の一端縁のみにシール材が予め積層されることで形状の歪んだロール資材(
図14の実線参照)と比較して、ロール軸方向D2の一方と他方とで外径dが相違するのを抑えることができる。このようにしてロール資材11の形状の歪みが抑えられることで、紙資材12に皺やヨレが生じることも抑えられ、紙資材の繰出不良も抑えることができる。よって、ロール資材1の品質を確保することができる。
【0019】
ここで例示するシール材層14aおよび積層材層15aは同様またはほぼ同様の厚みを有するので、
図4に示すように、ロール資材11の外径(巻取り径)dをロール軸方向で均一にすることができる。なお、
図4の二点鎖線には、シール材層および積層材層を備えていないロール資材の外径(巻取り径)を参考までに示す。
本実施形態で例示するロール資材11では、シール材層14aおよび積層材層15aが何れも紙資材12のオモテ面F1のみに配置されているため、これらの層14a,15aをオモテ面(片面)側から積層するだけで設けられ、製造コストの低減に資する。
【0020】
さらに、積層材層15aの積層材15に印刷材が用いられる場合には、積層材層15aが包装後に外観をなす部分であることから、色や図柄などの外観なす印刷材を利用してロール資材11の形状が歪むのを抑えることができる。
なお、積層材層15aの積層材15にシール材が用いられる場合には、紙資材のウラ面F2に積層材層が予め積層された場合と比較して、ロール資材11から繰り出された紙資材12におけるシール材層14aおよび積層材層15aが周辺の設備などに接触したり汚損したりするのを抑えることができる。
【0021】
そのほか、シール材14に感熱シール材が用いられているため、ロール状に巻回されたロール資材11におけるシール材14の接着が抑えられ、包装時に加熱するだけで接着機能を発揮させて包装時の貼合が可能となる。
なお、シール材14に感圧シール材が用いられた場合も同様に、ロール状に巻回されたロール資材11におけるシール材14の接着が抑えられ、包装時に加圧するだけで接着機能を発揮させて包装時の貼合が可能となる。
【0022】
[I-III.変形例]
上述の第一実施形態では、シール材層14aおよび積層材層15aが何れもオモテ面F1に配置された例を説明した。このような構成に限らず、シール材層14aを紙資材12においてオモテ面F1およびウラ面F2の一方に配置し、積層材層15aを紙資材12においてオモテ面F1およびウラ面F2の他方に配置してもよい。
【0023】
具体的には、
図2(b)に示すように、一端縁S1のオモテ面F1にシール材層14aを設け、他端縁S2のウラ面F2に積層材層15aを設けてもよい。この場合の他端縁S2のウラ面F2は、露出せずに外観不能となることから、積層材15に印刷材を使用しても外観を向上させ難いので、積層材15にシール材を適用することが好ましい。このような構成によれば、シール材14のシール材層14aとシール材で形成された積層材層15aとを接合(いわばシール材どうしを接着)して貼合することができる。このような接合形態は、胴貼りに好適であり、内容物への積層材層15aの無用な接着を回避することができ、シール材が用いられた積層材層15aの露出を回避することもできる。
なお、
図2(b)に例示する積層配置とは表裏反対に、一端縁S1のウラ面F2にシール材層14aを設け、他端縁S2のオモテ面F1に積層材層15aを設けてもよい。
【0024】
[II.第二実施形態]
[II-I.構成]
図6に示すように、本実施形態のロール資材21も、紙資材22がロール状に巻回されている。ロール資材21から繰り出された紙資材22を長手方向(ロール状の時にはロールの周方向)D1に所要長さに切断することにより、
図8に示すような枚葉状のシート23を形成し、このシート23で内容物10であるトイレットロールの集合体を包装する。
【0025】
図6,
図7に示すように、紙資材22におけるウラ面F2のうち、ロール軸方向D2の一端縁S1にロール周方向D1にシール材層24a(第一付加部)が設けられ、ロール軸方向D2の他端縁S2にシール材層25a(第二付加部)が設けられている。すなわち、本実施形態のシール材層24a,25aは、紙資材22のウラ面(紙資材におけるロール径方向の内側および外側の一方)のみに配置されている。
本実施形態のロール資材21には、ロール軸方向D2に連続して設けられたシール材層26a,27aも設けられている。
【0026】
シール材層26a,27aは、ロール周方向D1に断続して設けられており、紙資材22に対して予め積層された接着剤(シール材)によって紙資材22のロール径方向に厚みを付加する部位(第三付加部)である。すなわち、シール材層26a,27aには、紙資材22に対して予め積層された接着材のうち端縁S1,S2のシール材層24a,25aの接着剤を除いた一部の接着剤(断続シール材)が用いられている。これらのシール材層26a,27aは、シール材層24a,25aをロール軸方向D2に互いに結ぶように配置され、ここでは帯状に延設された例を挙げる。
上記のシール材層24a,25a,26a,27aのそれぞれは、シール材24,25,26,27を紙資材22のウラ面F2に均一またはほぼ均一の厚さに塗布または印刷することで形成することができる。
【0027】
ロール軸方向D2に連続するシール材層26a,27aは、
図6に示すように、紙資材22を長手方向D1に切断する際の所要長さに対応した間隔をあけてロール周方向D1に断続的に設けられる。これにより、
図8に示すように、枚葉状のシート23の正面視で四辺の外周部分全縁に四角形状を成したロの字状にシール材層24a,25a,26a,27aが形成される。
【0028】
たとえば、紙資材22においてオモテ面F1の一端縁S1に対して外側に他端縁S2のウラ面F2が重ね合わされる場合には、他端縁S2のウラ面F2に設けられたシール材層25aのシール材25が胴貼りするために用いられる。このような包装形態では、一端縁S1のウラ面F2に設けられたシール材層24aのシール材24は包装用の貼合には寄与せずに内容物に対面して包装される。
【0029】
反対に、紙資材22におけるオモテ面F1の他端縁S2に対して外側に一端縁S1のウラ面F2が重ね合わされる場合には、一端縁S1のウラ面F2に設けられたシール材層24aのシール材24が胴貼りするために用いられる。このような包装形態では、他端縁S2のウラ面F2に設けられたシール材層25aのシール材25は包装用の貼合には寄与せずに内容物と対面して包装される。
【0030】
シール材層26a,27aのシール材26,27は、シート23がキャラメル包装で折り込まれる部分を接合し封止するために用いられる。
なお、シール材層24a,25a,26a,27aを形成するシール材24,25,26,27は、第一実施形態と同様に、感熱シール材あるいは感圧シール材が適用可能である。ただし、シール材層24a,25aのうち包装用の貼合に寄与しない一方には、シール材24,25に限らず、第一実施形態で例に挙げた印刷材といった、紙資材22のロール径方向に厚みを付加する任意の積層材を用いることができる。
【0031】
[II-II.作用および効果]
第一実施形態のロール資材11では、シール材層14aと積層材層15aとの間にシール材や積層材が設けられていないため、これらの層14a,15aどうしの間の部位がこの部位に対してロール軸方向外側の部位よりも小さい外径をなす鼓型となりうる。
これに対し、本実施形態にかかるロール資材21には、紙資材22のうちロール軸方向D2の一端縁S1および他端縁S2にシール材層24a,25aが設けられているうえに、ロール軸方向D2に連続して設けられたシール材層26a,27aも設けられている。そのため、ロール資材21においてシール材層24a,25aどうしの間に位置する部位の外径がシール材層26a,27aによって底上げされ、この部位とこの部位に対してロール軸方向外側の部位との外径の相違を抑えることができる。
【0032】
よって、ロール資材21の形状の歪みを更に抑えることができ、紙資材22に皺やヨレが生じることが更に抑えられ、紙資材の繰出不良も一層抑えることができる。よって、ロール資材21の品質を高めることができる。
そのほか、第二実施形態の構成のうち第一実施形態と同様の構成からは、第一実施形態で上述の作用および効果が得られる。
【0033】
[II-III.変形例]
上述の第二実施形態では、シール材層24a,25a,26a,27aが何れも紙資材22のウラ面F2に設けられた例を説明した。このような構成に限らず、シール材層24a,25a,26a,27aの少なくとも一部をオモテ面F1に設けてもよい。
たとえば、枚葉状のシート23に切り分けられた
図9~
図11に示すように、紙資材22のオモテ面F1にコの字状のシール材層24a,26a,27aを設けるとともに、紙資材22のウラ面F2にコの字状のシール材層25a,26a,27aを設けてもよい。この場合には、
図11(a)に示すようにシール材層24a,26a,27aは正面視で四辺のうち他端縁S2を除く三辺の縁部にコの字状に配置される。また、
図11(b)に示すようにシール材層25a,26a,27aは正面視で四辺のうち一端縁S1を除く三辺の縁部にコの字状に配置される。
【0034】
上記のような構成により、シート23には、
図11に示すように、正面視で四辺の外周部分全縁に四角形状をなしたロの字状にシール材層24a,25a,26a,27aが形成される。つまり、内容物10の両端の折込部分を接合し封止するために、シート23のオモテ面F1およびウラ面F2の双方にシール材層26a,27aが形成される。このように、シート23のオモテ面F1およびウラ面F2の双方にシール材26,27を設けることで、折込部分の接合および封止をより確実に行うことができる。
【0035】
なお、シール材層24a,25a,26a,27aの厚みに関し、二重となるシール材層26a,27aは、二重になって一重のシール材層24a,25aと同様な厚みになるように層を形成することが好ましい。
そのほか、第二実施形態(
図8)およびその変形例(
図11)において、シール材層24a,25a,26a,27aのうち包装用の貼合に寄与しないものやその一部については、第一実施形態で例に挙げた印刷材といった、紙資材22のロール径方向に厚みを付加する任意の積層材を用いることができる。
【0036】
[III.その他]
以上、実施形態を説明したが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態の構成を適宜変形して実施することができる。
たとえば、第二実施形態で上述のシール材層26a,27aは、必要な領域のみに部分的に設けられていてもよい。また、シール材層26a,27aの厚み(両面装備の場合は合計厚み)は、シール材層24a,25aの厚み(両面装備の場合は合計厚み)と同等かそれ以下であることが好ましい。
【0037】
また、上記の実施形態では包装形態としてキャラメル包装を例示したが、本件のロール資材はキャラメル包装に限らず、種々の包装形態に適用してもよい。
なお、
図9~
図11を参照して説明した第二実施形態の変形例にかかるロール資材は、オモテ面F1のシール材層24aによるシール材24(第一付加部)とウラ面F2のシール材層25aによるシール材25(第二付加部)とを対面した状態で胴貼り可能であることから、キャラメル包装用に好適である。このようなキャラメル包装用のロール資材におけるシール材層24a,25aの感熱シール材は、感熱シール材の接着機能を発揮させる熱源と内容物10との間において熱源から熱を印加されつつ圧着されることで胴貼りに用いられる。この胴貼り手法が採用される場合に、インラインでの包装速度を高めるほど熱源から感熱シール材に印加される熱量が低減する傾向にある。そのため、シール材層24a,25aどうしが対面した状態で胴貼りされるシール材24,25を用いることで、抑えられた熱量であっても胴貼りの接着力を確保することができ、包装効率(生産性)を高めることができる。
【0038】
さらに、
図10を参照して説明した第二実施形態の変形例にかかるロール資材のシール材26,27(第三付加部)は、オモテ面F1に積層されたシール材層26a,27aとウラ面F2に積層されたシール材層26a,27aとが互いに正面視(平面視)で重複しないように配置されることが好ましい。具体的に言えば、オモテ面F1のシール材層26a,27aがロール周方向D1に沿って断続的に並設されたストライプ状(すなわちロール周方向D1に沿って間欠的にシール材層の設けられていない領域が並設された態様)に配置され、オモテ面F1において間欠的にシール材層の設けられていない領域と正面視で重複する領域にウラ面F1のシール材層26a,27aが配置されることが好ましい。このような配置のシール材層26a,27aがシール材層24a,25aと同等の厚さで積層されていたとしても、シール材26,27が二重の厚さとなるのが抑えられる(シール材24と同等の厚さとなる)。よって、ロール資材21の形状の歪みを確実に抑えることができ、紙資材22に皺やヨレが生じることがより一層抑えられ、紙資材の繰出不良を更に抑えることができる。よって、ロール資材21の品質を高めることができる。
そのほか、包装する内容物としてトイレットロールの集合体を例示したが、本件のロール資材の紙資材を用いて包装する内容物はこれに限らず種々の内容物に適用可能である。
【符号の説明】
【0039】
1,11,21 ロール資材
12,22 紙資材
13,23 枚葉状シート(シート)
14,24,25,26,27 シール材
14a,24a,25a,26a,27a シール材層
15 積層材
15a 積層材層
2 紙資材
D1 長手方向(ロール周方向)
d ロール資材21の外径(巻取り径)
D2 ロール軸方向
F1 紙資材12(シート13)のオモテ面
F2 紙資材12(シート13)のウラ面
S1 ロール軸方向D2の一端縁
S2 ロール軸方向D2の他端縁
t1 シール材層14aの厚さ
t2 積層材層15aの厚さ