(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】表示切替装置、表示切替システム、スイッチ、および電気機器
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20241210BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20241210BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20241210BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20241210BHJP
F21Y 105/10 20160101ALN20241210BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241210BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20241210BHJP
F21Y 113/10 20160101ALN20241210BHJP
【FI】
F21S2/00 481
G02B3/00 A
F21S2/00 482
F21V5/00 530
F21V5/04 350
F21Y105:10
F21Y115:10
F21Y115:30
F21Y113:10
(21)【出願番号】P 2021041191
(22)【出願日】2021-03-15
【審査請求日】2024-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】篠原 正幸
(72)【発明者】
【氏名】森 裕都
(72)【発明者】
【氏名】倉田 剛大
(72)【発明者】
【氏名】吉田 勇人
(72)【発明者】
【氏名】三品 匡央
【審査官】谷口 東虎
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-195216(JP,A)
【文献】国際公開第2011/024530(WO,A1)
【文献】特開2020-184013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G02B 3/00
F21V 5/00
F21V 5/04
F21Y 105/10
F21Y 115/10
F21Y 115/30
F21Y 113/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源を含む複数の光源群からの光の照射を、前記光源群ごとに切り替えることによって表示画像を切り替える表示切替装置であって、
複数のレンズが配列されたレンズアレイと、
複数の前記光源群から出射された光のそれぞれが、前記レンズアレイのそれぞれの前記レンズによって集光される光が通る領域を含んで配置される複数の画素領域を含む表示部と、を備え、
前記画素領域のそれぞれにおける透過率が所定の静止図柄に対応して設定されており、
少なくとも1つの前記画素領域に、所定の前記光源群に含まれる複数の前記光源からの光がそれぞれ異なる前記レンズによって集光され
、
前記レンズアレイは、前記レンズが2次元マトリクス状に配置された構造であり、
少なくとも1つの前記画素領域に、互いに隣接した4つの前記レンズによって集光される光が照射される表示切替装置。
【請求項2】
前記光源群は、少なくとも第1光源群と第2光源群とを含み、
複数の前記画素領域は、少なくとも第1画素領域群と第2画素領域群とを含み、
前記第1画素領域群に含まれる第1-1画素領域には、前記第1光源群に含まれる第1-1光源から出射された光が前記レンズアレイの第1レンズによって集光された後に照射されるとともに、前記第1光源群に含まれる第1-2光源から出射された光が前記レンズアレイの第2レンズによって集光された後に照射され、
前記第2画素領域群に含まれる第2-1画素領域には、前記第2光源群に含まれる第2-1光源から出射された光が前記第1レンズによって集光された後に照射されるとともに、前記第2光源群に含まれる第2-2光源から出射された光が前記第2レンズによって集光された後に照射される請求項1に記載の表示切替装置。
【請求項3】
前記第1-1光源と前記第2-1光源とが第1配置領域内に配置されるとともに、前記第1-2光源と前記第2-2光源とが第2配置領域内に配置され、前記第1配置領域と前記第2配置領域とが隣接している請求項2に記載の表示切替装置。
【請求項4】
前記第1レンズと前記第2レンズとが隣接する請求項2または3に記載の表示切替装置。
【請求項5】
前記レンズアレイの面積は、前記光源が配置される領域の面積よりも大きい請求項1から
4の何れか1項に記載の表示切替装置。
【請求項6】
複数の光源を含む複数の光源群からの光の照射を、前記光源群ごとに切り替えることによって表示画像を切り替える表示切替装置であって、
複数のレンズが配列されたレンズアレイと、
複数の前記光源群から出射された光のそれぞれが、前記レンズアレイのそれぞれの前記レンズによって集光される光が通る領域を含んで配置される複数の画素領域を含む表示部と、を備え、
前記画素領域のそれぞれにおける透過率が所定の静止図柄に対応して設定されており、
少なくとも1つの前記画素領域に、所定の前記光源群に含まれる複数の前記光源からの光がそれぞれ異なる前記レンズによって集光され、
前記複数の光源は、ミラーまたはレンズによって、実際に発光する実光源からの光の一部から生成される仮想光源を含
む表示切替装置。
【請求項7】
複数の光源を含む複数の光源群からの光の照射を、前記光源群ごとに切り替えることによって表示画像を切り替える表示切替装置であって、
複数のレンズが配列されたレンズアレイと、
複数の前記光源群から出射された光のそれぞれが、前記レンズアレイのそれぞれの前記レンズによって集光される光が通る領域を含んで配置される複数の画素領域を含む表示部と、を備え、
前記画素領域のそれぞれにおける透過率が所定の静止図柄に対応して設定されており、
少なくとも1つの前記画素領域に、所定の前記光源群に含まれる複数の前記光源からの光がそれぞれ異なる前記レンズによって集光され、
前記光源から出射される光の出射角度領域の一部を遮光する遮光部をさらに備え
る表示切替装置。
【請求項8】
所定の前記光源群に含まれる複数の前記光源の強度が互いに異なっている請求項1から
7の何れか1項に記載の表示切替装置。
【請求項9】
所定の前記光源群に含まれる複数の前記光源の発光色が互いに異なっている請求項1から
8の何れか1項に記載の表示切替装置。
【請求項10】
前記レンズに照射される光がコリメート光である請求項1から
9の何れか1項に記載の表示切替装置。
【請求項11】
請求項1から
10の何れか1項に記載の表示切替装置を複数備え、
前記表示切替装置の前記表示部が隣接して並べて配置される表示切替システム。
【請求項12】
請求項1から
10の何れか1項に記載の表示切替装置を備え、前記表示切替装置に対するユーザの操作を検知するスイッチ。
【請求項13】
請求項
12に記載のスイッチを備え、前記スイッチにより動作が行われる電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示切替装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図36は、特許文献1に記載されている従来の表示切替装置の概略構成を示す図である。
図36に示すように、表示部100は複数の画素を備えており、各画素は2つの画素領域(△と○)を備えている。一つの光源102から出た光103は、複数の微小レンズからなるレンチキュラーレンズ101を介して、縦方向の7つの画素のそれぞれに入射されるようになっている。そして、光源102からの光103のレンチキュラーレンズ101に対する入射角度を変え、レンチキュラーレンズ101により集光する光の集光位置を変更し、表示する画素領域(△と○)を選択できるようになっている。すなわち、複数の画素領域△が選択された時に第1の図柄が表示され、複数の画素領域○が選択された時に第2の図柄が表示されるようになっている。なお、光源102は、図中のC方向に移動可能になっている。
【0003】
図37は、基板202と、表示部204に第1の図柄の表示を行うための第1光源201Aと、表示部204に第2の図柄の表示を行うための第2光源201Bと、複数のレンズL0~L7を備えたレンズアレイ203と、表示部204とを備えた従来の表示切替装置200の概略構成を示す図である。表示切替装置200は、第1光源201Aを点灯させるか、第2光源201Bを点灯させるかによって、表示部204における第1の図柄の表示と第2の図柄の表示を切り替えることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の従来の表示切替装置の場合、一つの光源102から出た光103が、レンチキュラーレンズ101を介して縦方向の7つの画素に入射されるので、縦方向の7つの画素のそれぞれにおいて、画素領域(△と○)の表示の均一性を確保するのが困難であるという問題がある。特に、縦方向の7つの画素のうち上端部及び下端部に配置された画素、すなわち、光103のレンチキュラーレンズ101に対する入射角度が広角となる画素では、光の正面方向の強度が低減するため、画素領域(△と○)の表示の均一性が特に悪くなるという問題もある。このような問題は、光源102を図中のC方向に移動させても改善できない。
【0006】
図37に示す従来の表示切替装置200の場合も、同様に、一つの第1光源201Aから出た光がレンズアレイ203を介して表示部204の第1画素領域205A・205A’と、一つの第2光源201Bから出た光がレンズアレイ203を介して表示部204の第2画素領域205Bとに入射されるので、第1画素領域205A・205A’及び第2画素領域205Bの表示の均一性を確保するのが困難であるという問題がある。特に、第1画素領域205A’の場合、第1光源201Aからの光のレンズアレイ203に対する入射角度が広角となるので、第1画素領域205A’を通った後の光成分HA’は、第1画素領域205Aを通った後の光成分HA及び第2画素領域205Bを通った後の光成分HBよりも光の正面方向の強度が低減するため、第1画素領域205A’の表示の均一性が特に悪くなるという問題もある。
【0007】
本開示は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、画素領域の表示の均一性を改善した表示切替装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る表示切替装置は、
複数の光源を含む複数の光源群からの光の照射を、前記光源群ごとに切り替えることによって表示画像を切り替える表示切替装置であって、
複数のレンズが配列されたレンズアレイと、
複数の前記光源群から出射された光のそれぞれが、前記レンズアレイのそれぞれの前記レンズによって集光される光が通る領域を含んで配置される複数の画素領域を含む表示部と、を備え、
前記画素領域のそれぞれにおける透過率が所定の静止図柄に対応して設定されており、
少なくとも1つの前記画素領域に、所定の前記光源群に含まれる複数の前記光源からの光がそれぞれ異なる前記レンズによって集光される。
【0009】
前記構成によれば、少なくとも1つの前記画素領域に、所定の前記光源群に含まれる複数の前記光源からの光がそれぞれ異なる前記レンズによって集光されるので、画素領域の表示の均一性を改善した表示切替装置を実現できる。したがって、表示切替装置の大型化や薄型化も可能となる。
【0010】
また、前記一側面に係る表示切替装置において、
前記光源群は、少なくとも第1光源群と第2光源群とを含み、
複数の前記画素領域は、少なくとも第1画素領域群と第2画素領域群とを含み、
前記第1画素領域群に含まれる第1-1画素領域には、前記第1光源群に含まれる第1-1光源から出射された光が前記レンズアレイの第1レンズによって集光された後に照射されるとともに、前記第1光源群に含まれる第1-2光源から出射された光が前記レンズアレイの第2レンズによって集光された後に照射され、
前記第2画素領域群に含まれる第2-1画素領域には、前記第2光源群に含まれる第2-1光源から出射された光が前記第1レンズによって集光された後に照射されるとともに、前記第2光源群に含まれる第2-2光源から出射された光が前記第2レンズによって集光された後に照射される。
【0011】
前記構成によれば、前記第1-1画素領域及び前記第2-1画素領域の表示の均一性を改善した表示切替装置を実現できる。したがって、表示切替装置の大型化や薄型化も可能となる。
【0012】
また、前記一側面に係る表示切替装置において、
前記第1-1光源と前記第2-1光源とが第1配置領域内に配置されるとともに、前記第1-2光源と前記第2-2光源とが第2配置領域内に配置され、前記第1配置領域と前記第2配置領域とが隣接している。
【0013】
前記構成によれば、前記第1-1画素領域及び前記第2-1画素領域の表示の均一性を改善した表示切替装置を実現できる。したがって、表示切替装置の大型化や薄型化も可能となる。
【0014】
また、前記一側面に係る表示切替装置において、前記第1レンズと前記第2レンズとが隣接する。
【0015】
前記構成によれば、前記第1-1画素領域及び前記第2-1画素領域の表示の均一性を改善した表示切替装置を実現できる。したがって、表示切替装置の大型化や薄型化も可能となる。
【0016】
また、前記一側面に係る表示切替装置において、
前記レンズアレイは、前記レンズが2次元マトリクス状に配置された構造であり、
少なくとも1つの前記画素領域に、互いに隣接した4つの前記レンズによって集光される光が照射される。
【0017】
前記構成によれば、比較的にコンパクトな複数の光学系を用いて、画素領域の表示の均一性を改善した表示切替装置を実現できる。
【0018】
また、前記一側面に係る表示切替装置において、前記レンズアレイの面積は、前記光源が配置される領域の面積よりも大きい。
【0019】
前記構成によれば、複数の表示切替装置を、余分なベゼルなし(ベゼルレス)で連結することができるので、ベゼルレスで表示切替装置の大型化が可能となる。
【0020】
また、前記一側面に係る表示切替装置において、前記複数の光源は、ミラーまたはレンズによって、実際に発光する実光源からの光の一部から生成される仮想光源を含む。
【0021】
前記構成によれば、実光源の数を削減することができる。また、省エネの表示切替装置を実現できる。
【0022】
また、前記一側面に係る表示切替装置において、前記光源から出射される光の出射角度領域の一部を遮光する遮光部をさらに備える。
【0023】
前記構成によれば、遮光部によって広角の光を遮蔽することができるので、収差による画質の低減を抑制した表示切替装置を実現できる。
【0024】
また、前記一側面に係る表示切替装置において、所定の前記光源群に含まれる複数の前記光源の強度が互いに異なっている。
【0025】
前記構成によれば、画素領域の表示の均一性をさらに改善した表示切替装置を実現できる。
【0026】
また、前記一側面に係る表示切替装置において、所定の前記光源群に含まれる複数の前記光源の発光色が互いに異なっている。
【0027】
前記構成によれば、画素領域を複数の色で表現できるので、新しい見栄えを演出できる表示切替装置を実現できる。
【0028】
また、前記一側面に係る表示切替装置において、前記レンズに照射される光がコリメート光である。
【0029】
前記構成によれば、収差による画質の低減を抑制できるとともに、画素領域の表示の均一性をさらに改善した表示切替装置を実現できる。
【0030】
また、前記一側面に係る表示切替システムは、前記表示切替装置を複数備え、
前記表示切替装置の前記表示部が隣接して並べて配置される。
【0031】
前記構成によれば、大きい表示や、任意形状の表示が可能な表示切替システムを実現できる。
【0032】
また、前記一側面に係るスイッチは、前記表示切替装置を備え、前記表示切替装置に対するユーザの操作を検知する。
【0033】
前記構成によれば、画素領域の均一性を改善したスイッチを実現することができる。
【0034】
また、前記一側面に係る電気機器は、前記スイッチを備え、前記スイッチにより動作が行われる。
【0035】
前記構成によれば、画素領域の表示の均一性を改善したスイッチを備えた電気機器を実現することができる。
【発明の効果】
【0036】
本開示の一態様によれば、画素領域の表示の均一性を改善した表示切替装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、実施形態1の表示切替装置の概略的な構成を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の表示切替装置に備えられた表示部の概略的な構成を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態1の表示切替装置に備えられた表示部の切替表示例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態1の表示切替装置に備えることができる表示部及びレンズアレイと、光源との対応関係を示す図である。
【
図5】
図5は、
図1に図示した実施形態1の表示切替装置の光学的な効果を説明するための図である。
【
図6】
図6は、
図1に図示した実施形態1の表示切替装置の表示部を通過する光の様子を示す平面図である。
【
図7】
図7は、実施形態1の表示切替装置の画素領域を通過する光が一つの光源からの光である場合の表示部の表示の均一性を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態1の表示切替装置の画素領域を通過する光が二つの光源からの光である場合の表示部の表示の均一性を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態1の表示切替装置の変形例の概略的な構成を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態1の表示切替装置に備えられたレンズアレイを示す平面図である。
【
図11】
図11は、実施形態1の表示切替装置に用いることができる他のレンズアレイの一例を示す平面図である。
【
図12】
図12は、実施形態1の表示切替装置の他の変形例の概略的な構成を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態1の表示切替装置のさらに他の変形例の概略的な構成を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態1の表示切替装置に備えられたさらに他のレンズアレイの一例を示す平面図である。
【
図15】
図15は、実施形態1の表示切替装置に用いることができる他の光源の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、実施形態1の表示切替装置に用いることができるさらに他の光源の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、実施形態2の表示切替装置に備えられたレンズアレイの概略的な構成を示す平面図である。
【
図18】
図18は、実施形態2の表示切替装置の概略的な構成を示す図である。
【
図19】
図19は、実施形態2の表示切替装置において、異なる色を発光する複数の光源を使用した場合に演出できる画素領域の表示の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、実施形態2の表示切替装置において、同一強度で発光する複数の光源を使用した場合の画素領域の表示の均一性を示す図である。
【
図21】
図21は、実施形態2の表示切替装置において、異なる強度で発光する複数の光源を使用した場合の画素領域の表示の均一性を示す図である。
【
図22】
図22は、実施形態2の表示切替装置の第1変形例の概略的な構成を示す図である。
【
図23】
図23は、実施形態2の表示切替装置の第2変形例の概略的な構成を示す図である。
【
図24】
図24は、実施形態2の表示切替装置の第3変形例の概略的な構成を示す図である。
【
図25】
図25は、実施形態2の表示切替装置の第4変形例の概略的な構成を示す図である。
【
図26】
図26は、実施形態2の表示切替装置の第5変形例の概略的な構成を示す図である。
【
図27】
図27は、実施形態3の表示切替装置の概略的な構成を示す図である。
【
図28】
図28は、実施形態3の表示切替装置に用いることができる他の遮光壁の一例を示す図である。
【
図29】
図29は、実施形態4の表示切替システムの概略的な構成を示す図である。
【
図30】
図30は、実施形態4の表示切替システムの変形例の概略的な構成を示す図である。
【
図31】
図31は、実施形態4の表示切替システムの他の変形例の概略的な構成を示す図である。
【
図32】
図32は、ベゼルレス表示切替システムの概略的な構成を示す平面図である。
【
図34】
図34は、ベゼルのある表示切替システムの概略的な構成を示す平面図である。
【
図35】
図35は、表示切替装置を備えた実施形態5のスイッチの概略的な構成を示す図である。
【
図36】
図36は、特許文献1に記載されている従来の表示切替装置の概略構成を示す図である。
【
図37】
図37は、従来の表示切替装置200の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本開示の実施形態について
図1から
図35に基づいて説明すれば、次の通りである。以下、説明の便宜上、特定の実施形態にて説明した構成と同一の機能を有する構成については、同一の符号を付記し、その説明を省略する場合がある。
【0039】
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1の表示切替装置10の概略的な構成を示す図である。
図1に示すように、表示切替装置10は、図面における下から上の順に、基板9と、複数の光源1A・1B・2Aと、複数のマイクロレンズL0~L7を含むレンズアレイ3と、第1の図柄の表示を行うための複数の画素領域4A・4A’及び第2の図柄の表示を行うための複数の画素領域4Bを含む表示部4と、光拡散部材5とを備えている。レンズアレイ3と、表示部4と、光拡散部材5とは、筐体6により支持されており、複数の光源1A・1B・2Aが取付けられた基板9に筐体6を取付けることにより表示切替装置10となる。表示切替装置10は、光拡散部材5の上方に損傷防止用の保護層をさらに備えていてもよい。
【0040】
筐体6及び基板9の少なくとも一方は、光吸収材料で形成されていることが好ましい。このような構成とした場合、レンズアレイ3または表示部4で反射された光が再度レンズアレイ3及び表示部4を通過してユーザに視認されることを抑制することができる。また、複数の光源1A・1B・2Aが発光していない状態で、外乱光の内部反射によって表示部4の画素領域4A・4A’・4Bによる画像が薄く見えてしまうことを抑制することができる。
【0041】
本実施形態においては、表示切替装置10が、光源1A・1B・2Aとして、点状光源であるLED(例えば、RGBLED)を備えている場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはなく、光源1A・1B・2Aとしては、棒形状の導光棒または、後述するような所定領域のみが発光する導光体などを用いてもよい。さらには、光源として、レーザー光を用いてもよい。なお、RGBLEDとは、赤色を発光するLEDと、緑色を発光するLEDと、青色を発光するLEDとが一つの光源としてパッケージされた光源であり、各色のLEDの明るさを個別に制御できる。また、本実施形態においては、表示切替装置10が、光源1A及び光源2Aを含む第1光源群に属する光源4個と、光源1Bを含む第2光源群に属する光源4個とを備えている場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはなく、光源の数や光源と光源の間の距離や光源の大きさなどは、必要に応じて適宜設定することができる。
【0042】
本実施形態においては、レンズアレイ3が備えている複数のマイクロレンズL0~L7のレンズピッチLPが0.25mmとなるようにし、複数のマイクロレンズL0~L7を含むレンズアレイ3の厚さは、厚さが最も厚くなる部分が0.5mmとなるようにし、レンズアレイ3の屈折率が1.5となるようにし、光源1A・1B・2AとマイクロレンズL0~L7との間の最短距離LDが30mmとなるようにしたが、これに限定されることはない。レンズアレイ3に備えられるマイクロレンズの数、マイクロレンズのレンズピッチLP、レンズアレイ3の厚さ、レンズアレイ3の屈折率、光源とマイクロレンズとの間の最短距離LDなどは、必要に応じて適宜設定することができる。
【0043】
図2は、表示切替装置10に備えられた表示部4の概略的な構成を示す図である。
【0044】
図3は、表示切替装置10に備えられた表示部4の切替表示例を示す図である。
【0045】
図2に示すように、表示部4には、第1の図柄や第2の図柄などの所定の図柄が切り替わりながら表示される。なお、
図2は、表示部4のA部の拡大図と表示部4のA部の拡大図のB部の拡大図とを含む。表示部4は、
図3に示す第1の図柄P1(例示では平仮名「き」)の表示を行うための複数の画素領域4A・4A’と、
図3に示す第2の図柄P2(例示では図柄「△」)の表示を行うための複数の画素領域4Bと、画素領域4A・4A’・4B以外の部分4Sとで構成される。複数の画素領域4A・4A’・4Bは、光源1A・1B・2Aからの光を通し、第1の図柄P1または第2の図柄P2を表示するための開口である。画素領域4A・4A’・4B以外の部分4Sは、光源1A・1B・2Aからの光の透過率を画素領域4A・4A’・4Bよりも低くするマスクの役割をする部分である。画素領域4A・4A’・4B以外の部分4Sは、例えば、遮光性の高いブラックマトリクスなどで形成することが好ましいが、光源1A・1B・2Aからの光の透過率を画素領域4A・4A’・4Bよりも低くできる材料であれば、特に限定されない。表示部4は、可視光を透過する基板に設けられていてもよい。本実施形態においては、表示部4が、一つの層、例えば、ブラックマトリクスで形成される場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはない。例えば、表示部4は、2つの層で形成されてもよい。この場合、光源1A・1B・2Aから近い下層として配置される第1層は、上層である第2層に含まれる画素領域4A・4A’・4Bに光を通すための複数の開口や所定の透過率を有する透過領域が形成された層で構成することができる。光源1A・1B・2Aから遠い上層として配置される第2層は、画素領域4A・4A’・4Bを含む。
【0046】
図4は、実施形態1の表示切替装置に備えることができる表示部及びレンズアレイと、光源との対応関係を示す図である。
【0047】
上述したように、本実施形態においては、複数の画素領域4A・4A’によって
図3に示す第1の図柄P1が表示され、複数の画素領域4Bによって
図3に示す第2の図柄P2が表示される場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはない。
図4に示すように、第1光源群に属する光源1A及び光源2Aと、第2光源群に属する光源1B以外に、第3光源群に属する光源1Cと第4光源群に属する光源1Dとをさらに備えている場合には、
図3に示す第1の図柄P1及び第2の図柄P2以外に、第3の図柄P3と第4の図柄P4とを含めて表示の切り替えを行うことができる。
【0048】
図5は、
図1に図示した実施形態1の表示切替装置10の光学的な効果を説明するための図である。
【0049】
表示切替装置10は、光源1A及び光源2Aを含む第1光源群からの光の照射と、光源1Bなどの複数の光源を含む第2光源群からの光の照射とを、光源群ごとに切り替えることによって、表示画像を切り替える。
【0050】
表示切替装置10においては、第1光源群に属する光源1Aからの光は、レンズアレイ3のマイクロレンズL1よって集光され、表示部4の画素領域4A(第1画素領域)を通るとともに、レンズアレイ3のマイクロレンズL3よって集光され、表示部4の画素領域4A’(第1画素領域)を通る。また、第1光源群に属する光源2Aからの光は、レンズアレイ3のマイクロレンズL2よって集光され、表示部4の画素領域4A(第1画素領域)を通るとともに、レンズアレイ3のマイクロレンズL4よって集光され、表示部4の画素領域4A’(第1画素領域)を通る。一方、第2光源群に属する光源1Bからの光は、レンズアレイ3のマイクロレンズL1よって集光され、表示部4の画素領域4B(第2画素領域)を通る。
【0051】
以上のように、表示切替装置10においては、画素領域4A(第1画素領域)及び画素領域4A’(第1画素領域)のそれぞれには、第1光源群に属する光源1A及び光源2Aからの光がそれぞれ異なるマイクロレンズによって集光されるようになっている。したがって、画素領域4A(第1画素領域)及び画素領域4A’(第1画素領域)それぞれの表示の均一性が改善される。さらに、画素領域4A(第1画素領域)と画素領域4A’(第1画素領域)との間の輝度の均一性も改善することができる。したがって、表示切替装置10の大型化や薄型化も可能となる。
【0052】
図5に示すように、画素領域4Aの場合、第1光源群に属する光源2Aからの光のレンズアレイ3のマイクロレンズL2に対する入射角度が広角となるので、画素領域4Aを通った後の光成分2HA’は、正面方向の光の強度が低減するため、表示の均一性が悪くなる。そこで、表示切替装置10においては、画素領域4Aに第1光源群に属する光源1Aからの光もレンズアレイ3のマイクロレンズL1によって集光されるようになっている。画素領域4Aを通った後の光成分1HAは、正面方向の光の強度が比較的強く、画素領域4Aの表示の均一性を改善できる。
【0053】
図5に示すように、画素領域4A’の場合、第1光源群に属する光源1Aからの光のレンズアレイ3のマイクロレンズL3に対する入射角度が広角となるので、画素領域4A’を通った後の光成分1HA’は、正面方向の光の強度が低減するため、表示の均一性が悪くなる。そこで、表示切替装置10においては、画素領域4A’に第1光源群に属する光源2Aからの光もレンズアレイ3のマイクロレンズL4によって集光されるようになっている。画素領域4A’を通った後の光成分2HAは、正面方向の光の強度が比較的強く、画素領域4A’の表示の均一性を改善できる。
【0054】
図6は、表示切替装置10の表示部4を通過する光の様子を示す平面図である。
【0055】
図6に示すように、表示切替装置10の表示部4は、第1光源群に属する複数の光源によって、複数の画素領域4A・4A’のそれぞれを照射することで、表示されるようになっているので、画素領域4A・4A’の表示の均一性が改善される。
【0056】
図7は、表示切替装置10の画素領域4A・4A’を通過する光が一つの光源1Aからの光である場合の表示部4の表示の均一性を示す図であり、
図8は、表示切替装置10の画素領域4A・4A’を通過する光が二つの光源1A・2Aからの光である場合の表示部4の表示の均一性を示す図である。
図7において丸で示すX部分と
図8において丸で示すY部分とを比較してみると、表示切替装置10のように、画素領域4A・4A’を通過する光が二つの光源1A・2Aからの光である場合の表示部4の表示の均一性、すなわち、表示部4の輝度の均一性が著しく向上していることが確認できる。
【0057】
本実施形態においては、
図5に示すように、画素領域4B(第2画素領域)には、第2光源群に属する光源1Bからの光がレンズアレイ3のマイクロレンズL1によって集光されるようになっている。画素領域4Bを通った後の光成分1HBは、正面方向の光の強度が比較的強い。これに限定されることはなく、後述するように、画素領域4B(第2画素領域)にも、上述した画素領域4A(第1画素領域)及び画素領域4A’(第1画素領域)のように、二つの光源からの光がレンズアレイ3の異なるマイクロレンズによって集光されるようにしてもよい。
【0058】
図9は、実施形態1の表示切替装置の変形例の概略的な構成を示す図である。
【0059】
図9に示す表示切替装置10aは、光源1A・1B・2Aとレンズアレイ3との間に、コリメートレンズ8をさらに備えている。コリメートレンズ8により、光源1A・1B・2Aからの光をコリメート化して、レンズアレイ3のマイクロレンズL0~L7に入射させることができる。
【0060】
前記構成によれば、収差による画質の低減を抑制できるとともに、画素領域4A・4A’の表示の均一性をさらに改善した表示切替装置10aを実現できる。
【0061】
本実施形態においては、表示切替装置10aが、コリメートレンズ8を備えている場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、光源1A・1B・2Aからの光をコリメート化できるのであれば、コリメートレンズ8の代わりに、例えば、フレネルレンズ、コリメートミラー、フレネルミラー、導光板などを用いてもよい。
【0062】
図10は、表示切替装置10・10aに備えられたレンズアレイ3を示す平面図である。
【0063】
図10に示すように、表示切替装置10・10aに備えられたレンズアレイ3は、マイクロレンズL0~L4として、1次元(1D)シリンドリカルレンズを備えている。マイクロレンズL2と隣接するマイクロレンズは、隣接領域RR内のマイクロレンズL1及びマイクロレンズL3である。表示切替装置10・10aにおいては、例えば、互いに隣接するマイクロレンズL1及びマイクロレンズL2または、互いに隣接するマイクロレンズL2及びマイクロレンズL3を用いて、画素領域4Aまたは画素領域4A’に、光源1Aからの光と光源2Aからの光とが集光するようにしてもよく、互いに隣接するマイクロレンズL1~L3を用いて、画素領域4Aまたは画素領域4A’に、光源1Aからの光と光源2Aからの光とが集光するようにしてもよい。
【0064】
図11は、実施形態1の表示切替装置10・10aに用いることができる他のレンズアレイ3aの一例を示す平面図である。
【0065】
図11に示すように、レンズアレイ3aは、2次元(2D)ハニカム形状のマイクロレンズL1~L7を備えている。マイクロレンズL1と隣接するマイクロレンズは、隣接領域RR内のマイクロレンズL2~L7の少なくとも一つである。表示切替装置10・10aにおいては、例えば、互いに隣接するマイクロレンズL1とマイクロレンズL2~L7の少なくとも一つとを用いて、画素領域4Aまたは画素領域4A’に、光源1Aからの光と光源2Aからの光とが集光するようにしてもよい。
【0066】
また、表示切替装置10・10aに用いることができる他のレンズアレイとして、2次元(2D)マトリクス形状のマイクロレンズを備えているレンズアレイもあるが、これについては、実施形態2で説明する。
【0067】
図12は、実施形態1の表示切替装置の他の変形例の概略的な構成を示す図である。
【0068】
図12に示す表示切替装置11は、第1光源群に属する光源1A~7Aと、第2光源群に属する光源1B~7Bとを備えている。また、表示切替装置11は、画素領域として、画素領域4A(第1画素領域)を含む第1画素領域群と、画素領域4B(第2画素領域)を含む第2画素領域群とを含む。
【0069】
図12に示す表示切替装置11の第1画素領域群に含まれる画素領域4A(第1-1画素領域)には、第1光源群に属する光源1A(第1-1光源)から出射された光がレンズアレイ3のマイクロレンズL0(第1レンズ)によって集光された後に照射され、第1光源群に属する光源2A(第1-2光源)から出射された光がレンズアレイ3のマイクロレンズL1(第2レンズ)によって集光された後に照射され、第1光源群に属する光源3A(第1-3光源)から出射された光がレンズアレイ3のマイクロレンズL2(第3レンズ)によって集光された後に照射され、第1光源群に属する光源4A(第1-4光源)から出射された光がレンズアレイ3のマイクロレンズL3(第4レンズ)によって集光された後に照射され、第1光源群に属する光源5A(第1-5光源)から出射された光がレンズアレイ3のマイクロレンズL4(第5レンズ)によって集光された後に照射され、第1光源群に属する光源6A(第1-6光源)から出射された光がレンズアレイ3のマイクロレンズL5(第6レンズ)によって集光された後に照射され、第1光源群に属する光源7A(第1-7光源)から出射された光がレンズアレイ3のマイクロレンズL6(第7レンズ)によって集光された後に照射される。本実施形態においては、画素領域4Aに7つの異なる光源1A~7Aからの光が異なるマイクロレンズL0~L6を介して照射される場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはない。
【0070】
同様に、
図12に示す表示切替装置11の第2画素領域群に含まれる画素領域4B(第2-1画素領域)には、第2光源群に属する光源1B(第2-1光源)から出射された光がレンズアレイ3のマイクロレンズL0(第1レンズ)によって集光された後に照射され、第2光源群に属する光源2B(第2-2光源)から出射された光がレンズアレイ3のマイクロレンズL1(第2レンズ)によって集光された後に照射され、第2光源群に属する光源3B(第2-3光源)から出射された光がレンズアレイ3のマイクロレンズL2(第3レンズ)によって集光された後に照射され、第2光源群に属する光源4B(第2-4光源)から出射された光がレンズアレイ3のマイクロレンズL3(第4レンズ)によって集光された後に照射され、第2光源群に属する光源5B(第2-5光源)から出射された光がレンズアレイ3のマイクロレンズL4(第5レンズ)によって集光された後に照射され、第2光源群に属する光源6B(第2-6光源)から出射された光がレンズアレイ3のマイクロレンズL5(第6レンズ)によって集光された後に照射され、第2光源群に属する光源7B(第2-7光源)から出射された光がレンズアレイ3のマイクロレンズL6(第7レンズ)によって集光された後に照射される。本実施形態においては、画素領域4Bに7つの異なる光源1B~7Bからの光が異なるマイクロレンズL0~L6を介して照射される場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはない。表示切替装置11によれば、画素領域4A(第1画素領域)及び画素領域4B(第2画素領域)それぞれの表示の均一性を改善できる。さらに、画素領域4A(第1画素領域)と画素領域4B(第2画素領域)との間の輝度の均一性も改善することができる。したがって、表示切替装置11の大型化や薄型化も可能となる。
【0071】
図12に示すように、第1光源群に属する光源1A(第1-1光源)と第2光源群に属する光源1B(第2-1光源)とは、第1配置領域内に配置され、第2光源群に属する光源2A(第1-2光源)と第2光源群に属する光源2B(第2-2光源)とは、第2配置領域内に配置され、前記第1配置領域と前記第2配置領域とが隣接している。第1光源群に属する光源3A~7A及び第2光源群に属する光源3B~7Bについても同様である。
【0072】
なお、表示切替装置11においては、特定の角度から明るく見えるように、例えば、第1光源群に属する光源6A~7A及び第2光源群に属する光源6B~7Bまたは、第1光源群に属する光源1A~2A及び第2光源群に属する光源1B~2Bのみを点灯してもよい。さらには、特定の角度から明るく見えるように、例えば、第1光源群に属する光源6A~7A及び第2光源群に属する光源6B~7Bまたは、第1光源群に属する光源1A~2A及び第2光源群に属する光源1B~2Bのみを基板9上に設けてもよい。
【0073】
図13は、実施形態1の表示切替装置のさらに他の変形例の概略的な構成を示す図である。
【0074】
図13に示す表示切替装置12においては、表示部4(
図6の表示部4)を区画ごとに分割して第1光源群に属する光源1A及び光源2Aが照射する。表示切替装置12の場合、表示部4を、例えば、5つの区画に分割して照射している。表示部4の中心CL近傍では2つの光源1A・2Aの光が集光するようになっており、表示部4の中心CLより左側では、一つの光源1Aの光のみが集光するようになっており、表示部4の中心CLより右側では、一つの光源2Aの光のみが集光するようになっている。
図13に示す表示切替装置12では、光源1Aからの光と光源2Aからの光が一か所で集光する場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはなく、光源1Aからの光と光源2Aからの光は、複数の箇所で集光してもよい。また、
図13に示す表示切替装置12では、表示部4の中心CL近傍で2つの光源1A・2Aの光が集光する場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、光源1A・2Aの光が集光する箇所は、表示部4の中心CL近傍である必要はなく、表示部4を任意に分割する分割線上であってもよい。また、光源1A・2Aの光が集光する箇所近傍である
図13に示す表示切替装置12に備えられたレンズアレイ3のマイクロレンズL3はなくでもよく、さらには、マイクロレンズL3には、遮光材料が印刷されていてもよく、マイクロレンズL3の下部には、遮光壁などが形成されていてもよい。
【0075】
図14は、実施形態1の表示切替装置に備えられたさらに他のレンズアレイ3’の一例を示す平面図である。
【0076】
図14に示すように、レンズアレイ3’は円形に形成されていてもよい。また、レンズアレイ3’の面積は、複数の光源Gが配置される領域の面積よりも大きいことが好ましい。
【0077】
図15は、実施形態1の表示切替装置に用いることができる他の光源の一例を示す図である。
【0078】
図15に示す導光体50は、光源52と、光源53と、導光板51とを含む。導光板51には、光源52からの光を出射させるための反射構造部51Aと、光源53からの光を出射させるための反射構造部51Bとが設けられている。すなわち、導光体50においては、それぞれの反射構造部51A・51Bが仮想光源となる光源52と光源53とは、同じ色を発光する光源であってもよく、異なる色を発光する光源であってもよい。上述した表示切替装置10・10a・11・12においては、導光体50を光源及び基板の代わりに用いることができる。
【0079】
図16は、実施形態1の表示切替装置に用いることができるさらに他の光源の一例を示す図である。
【0080】
図16に示す表示切替装置13においては、光源1Aを含む複数の光源は、マイクロレンズL1’及びマイクロレンズL2’を含むレンズMによって、実際に発光する実光源(光源1A)からの光の一部から生成される仮想光源1A’・1A’’を含む。前記構成によれば、実光源の数を削減することができる。また、省エネの表示切替装置13を実現できる。
【0081】
本実施形態においては、レンズMを用いて、実際に発光する実光源(光源1A)からの光の一部から仮想光源1A’・1A’’を生成した場合を一例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、後述する実施形態2のように、ミラーM’を用いて、実際に発光する実光源からの光の一部から仮想光源を生成してもよい。
【0082】
〔実施形態2〕
次に、
図17から
図26に基づき、本発明の実施形態2について説明する。本実施形態の表示切替装置14・14a・15~18は、2次元(2D)マトリクス形状のマイクロレンズを備えているレンズアレイ3bを備えている点において、上述した実施形成1とは異なる。その他については実施形態1において説明したとおりである。説明の便宜上、実施形態1の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0083】
図17は、実施形態2の表示切替装置に備えられたレンズアレイ3bの概略的な構成を示す平面図である。
【0084】
図17に示すように、レンズアレイ3bは、2次元(2D)マトリクス形状のマイクロレンズを備えている。マイクロレンズL1と隣接するマイクロレンズは、隣接領域RR内のマイクロレンズL2~L9の少なくとも一つである。後述する表示切替装置14・14a・15~18においては、例えば、互いに隣接するマイクロレンズL1とマイクロレンズL2~L9の少なくとも一つとを用いて、画素領域4C~4Fに、複数の光源G1C~G9C・G1D~G9D・G1E~G9E・G1F~G9Fからの光が集光するようにしてもよい。
【0085】
図18は、実施形態2の表示切替装置14の概略的な構成を示す図である。
【0086】
図18に示す表示切替装置14は、第1光源群に属する9個の光源G1C~G9Cと、第2光源群に属する9個の光源G1D~G9Dと、第3光源群に属する9個の光源G1E~G9Eと、第4光源群に属する9個の光源G1F~G9Fとの合計36個の光源を備えている。
【0087】
第1光源群に属する9個の光源G1C~G9Cからの光のそれぞれは、異なるマイクロレンズ(図中○1~9で図示)を介して、画素領域4C(第1画素領域)に集光するようになっている。第2光源群に属する9個の光源G1D~G9Dからの光のそれぞれについても、異なるマイクロレンズ(図中○1~9で図示)を介して、画素領域4D(第2画素領域)に集光するようになっている。第3光源群に属する9個の光源G1E~G9Eからの光のそれぞれについても、異なるマイクロレンズ(図中○1~9で図示)を介して、画素領域4E(第3画素領域)に集光するようになっている。また、第4光源群に属する9個の光源G1F~G9Fからの光のそれぞれについても、異なるマイクロレンズ(図中○1~9で図示)を介して、画素領域4F(第4画素領域)に集光するようになっている。
【0088】
図18に示すように、例えば、第1光源群に属する9個の光源G1C~G9Cの位置は、画素領域4Cとマイクロレンズ(図中○1~9で図示)の各中心との交点の延長線上に存在する。第2光源群に属する9個の光源G1D~G9Dの位置は、画素領域4Dとマイクロレンズ(図中○1~9で図示)の各中心との交点の延長線上に存在し、第3光源群に属する9個の光源G1E~G9Eの位置は、画素領域4Eとマイクロレンズ(図中○1~9で図示)の各中心との交点の延長線上に存在し、第4光源群に属する9個の光源G1F~G9Fの位置は、画素領域4Fとマイクロレンズ(図中○1~9で図示)の各中心との交点の延長線上に存在する。
【0089】
表示切替装置14によれば、
図17に示すレンズアレイ3bに備えられたマイクロレンズL1~L9を使用し、4種類の静止図柄(画素領域4C~4F)を、光源36個を使用して表示することができる。すなわち、一つの静止図柄の表示には光源9個が使用される。
【0090】
前記構成によれば、画素領域4C~4Fそれぞれの表示の均一性を改善できる。さらに、画素領域4C~4F毎の輝度の均一性も改善することができる。したがって、表示切替装置14の大型化や薄型化も可能となる。
【0091】
図19は、実施形態2の表示切替装置において、異なる色を発光する複数の光源を使用した場合に演出できる画素領域の表示の一例を示す図である。
【0092】
複数の光源のうち、例えば、図の上側に配置される複数の光源と、下側に配置されれる複数の光源とで色を変えることによって、上下方向で色がグラデーションで変化する表示ができる。同図は炎のような図柄になっており、炎の下側から上側に向けて色が変わるようなデザインの表示が可能となる。
【0093】
図18に図示した表示切替装置14において、例えば、第1光源群に属する9個の光源G1C~G9Cの少なくとも一部の発光色が互いに異なっている場合、画素領域4Cに集光される光の色が異なるため、新しい見栄えを演出できる。
【0094】
図19は、画素領域4Cの静止図柄が炎である場合を図示している。
【0095】
図20は、実施形態2の表示切替装置において、同一強度で発光する複数の光源を使用した場合の画素領域の表示の均一性を示す図であり、
図21は、実施形態2の表示切替装置において、異なる強度で発光する複数の光源を使用した場合の画素領域の表示の均一性を示す図である。
【0096】
図18に図示した表示切替装置14において、例えば、第1光源群に属する9個の光源G1C~G9Cの少なくとも一部の強度(発光強度)を、互いに異なるように制御した場合、
図20のX’部分と比較すると、
図21に示すように、画素領域4Cの表示の均一性をさらに改善できる。
【0097】
図22は、実施形態2の表示切替装置の第1変形例の概略的な構成を示す図である。
【0098】
図22に示すように、表示切替装置14aにおいては、使用領域UR内の16個の光源のみを使用するので、互いに隣接した4つのマイクロレンズによって集光される光を利用する。
図22に示す表示切替装置14aでは、36個の光源中、16個の光源を使用する場合を一例に挙げて説明するが、これに限定されることはなく、使用する16個の光源のみを設けてもよい。なお、使用する光源の数は、16個に限定されることはなく、適宜決定することができる。使用領域UR内の第1光源群に属する4個の光源G2C・G3C・G5C・G6Cからの光のそれぞれは、互いに隣接するとともに異なるマイクロレンズ(図中○2、3、5、6で図示)を介して、画素領域4Cに集光するようになっている。使用領域UR内の第2光源群に属する4個の光源G1D・G2D・G4D・G5Dからの光のそれぞれは、互いに隣接するとともに異なるマイクロレンズ(図中○1、2、4、5で図示)を介して、画素領域4Dに集光するようになっている。使用領域UR内の第3光源群に属する4個の光源G4E・G5E・G7E・G8Eからの光のそれぞれは、互いに隣接するとともに異なるマイクロレンズ(図中○4、5、7、8で図示)を介して、画素領域4Eに集光するようになっている。使用領域UR内の第4光源群に属する4個の光源G5F・G6F・G8F・G9Fからの光のそれぞれは、互いに隣接するとともに異なるマイクロレンズ(図中○5、6、8、9で図示)を介して、画素領域4Fに集光するようになっている。
【0099】
表示切替装置14aによれば、比較的にコンパクトな複数の光学系を用いて、画素領域の表示の均一性を改善できる。
【0100】
図23は、実施形態2の表示切替装置の第2変形例の概略的な構成を示す図である。
【0101】
図23に示す表示切替装置15においては、
図22に示す使用領域UR内の16個の光源のみを設けた点において、
図22に示す表示切替装置14aとは異なり、その他については
図22に示す表示切替装置14aと同じである。
【0102】
図24は、実施形態2の表示切替装置の第3変形例の概略的な構成を示す図である。
【0103】
図24に示す表示切替装置16においては、光源の数をさらに減らし、8個としている。第1光源群に属する2個の光源G3C・G5Cからの光のそれぞれは、異なるマイクロレンズ(図中○3及び5で図示)を介して、画素領域4Cに集光するようになっており、第2光源群に属する2個の光源G1D・G5Dからの光のそれぞれは、異なるマイクロレンズ(図中○1及び5で図示)を介して、画素領域4Dに集光するようになっており、第3光源群に属する2個の光源G5E・G7Eからの光のそれぞれは、異なるマイクロレンズ(図中○5及び7で図示)を介して、画素領域4Eに集光するようになっており、第4光源群に属する2個の光源G5F・G9Fからの光のそれぞれは、異なるマイクロレンズ(図中○5及び9で図示)を介して、画素領域4Fに集光するようになっている。
【0104】
表示切替装置16によれば、比較的にコンパクトな複数の光学系を用いて、画素領域の表示の均一性を改善できる。さらに、使用する光源の数も減らすことができる。
【0105】
図25は、実施形態2の表示切替装置の第4変形例の概略的な構成を示す図である。
【0106】
図25に示す表示切替装置17は、ミラーM’を用いて、実際に発光する実光源からの光の一部から仮想光源を生成している。
図25に示すように、ミラーM’によって、実際に発光する実光源である光源G2C・G5F・G5C・G8Fからの光の一部から仮想光源である光源G1C’・G4F’・G4C’・G7F’を生成している。
【0107】
前記構成によれば、実光源の数を削減することができるとともに、省エネの表示切替装置17を実現できる。
【0108】
図26は、実施形態2の表示切替装置の第5変形例の概略的な構成を示す図である。
【0109】
図26に示す表示切替装置18は、枠状のミラーM’’を用いて、実際に発光する実光源からの光の一部から仮想光源を生成している。
図26に示すように、ミラーM’’によって、実際に発光する実光源である光源G5C・G5D・G5E・G5Fからの光の一部から仮想光源である光源G1F’・G2F’・G2E’・G3E’・G4F’・G4C’・G6E’・G6D’・G7C’・G8C’・G8D’・G9D’を生成している。
【0110】
前記構成によれば、実光源の数を削減することができるとともに、省エネの表示切替装置18を実現できる。
【0111】
〔実施形態3〕
次に、
図27及び
図28に基づき、本発明の実施形態3について説明する。本実施形態の表示切替装置19は、遮光壁BAを備えている点において、上述した実施形成1及び2とは異なる。その他については実施形態1及び2において説明したとおりである。説明の便宜上、実施形態1及び2の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0112】
図27は、実施形態3の表示切替装置19の概略的な構成を示す図である。
【0113】
図27に示す表示切替装置19は、光源2Aから出射される光の出射角度領域の一部を遮光する遮光部BAをさらに備える。
【0114】
前記構成によれば、遮光部BAによって広角の光を遮蔽することができるので、収差による画質の低減を抑制した表示切替装置19を実現できる。
【0115】
図28は、実施形態3の表示切替装置に用いることができる他の遮光壁BA’の一例を示す図である。
【0116】
図28に示すように、遮光壁BA’は、光源2Aを取り囲むように形成されており、光の出射角度領域には開口が設けられている。
【0117】
〔実施形態4〕
次に、
図29から
図34に基づき、本発明の実施形態4について説明する。本実施形態の表示切替システム60・60a・60b・60cは、上述した実施形態1から3における表示切替装置を複数備えている。説明の便宜上、実施形態1から3の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0118】
図29は、実施形態4の表示切替システム60の概略的な構成を示す図である。
【0119】
図29に示す表示切替システム60においては、複数の表示切替装置10が左右方向または上下方向に連結され、表示切替装置10の表示部が隣接して並べて配置されている。
【0120】
図30は、実施形態4の表示切替システムの変形例の概略的な構成を示す図である。
【0121】
図30に示す表示切替システム60aにおいては、複数の表示切替装置10b・10c・10d・10eが2次元的に連結され、各表示切替装置の表示部が隣接して並べて配置されている。
【0122】
図31は、実施形態4の表示切替システムの他の変形例の概略的な構成を示す図である。
【0123】
図31に示す表示切替システム60bにおいては、複数の表示切替装置10f・10g・10h・10i・10jが任意形状に連結され、各表示切替装置の表示部が隣接して並べて配置されている。
【0124】
前記構成によれば、大きい表示や、任意形状の表示が可能な表示切替システム60・60a・60bを実現できる。
【0125】
図32は、ベゼルレス表示切替システム60cの概略的な構成を示す平面図であり、
図33は、
図32に示すベゼルレス表示切替システム60cの断面図である。
【0126】
図32及び
図33に示すベゼルレス表示切替システム60cは、複数の表示切替装置を含み、それぞれの表示切替装置においては、レンズアレイ3の面積は、複数の光源Gが配置される領域の面積よりも大きい。前記構成によれば、複数の表示切替装置を、余分なベゼルなし(ベゼルレス)で連結することができるので、ベゼルレス表示切替システム60cを実現できる。
【0127】
図34は、ベゼルのある表示切替システムの概略的な構成を示す平面図である。
【0128】
図34に示すように、レンズアレイ3の面積が、複数の光源Gが配置される領域の面積よりも小さい場合には、別途、ベゼルVを備える必要はあるので、ベゼルレス表示切替システムを実現できない。
【0129】
〔実施形態5〕
次に、
図35に基づき、本発明の実施形態5について説明する。本実施形態においては、表示切替装置10を備えたスイッチ70について説明する。説明の便宜上、実施形態1から4の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0130】
図35は、表示切替装置10を備えた実施形態5のスイッチ70の概略的な構成を示す図である。
【0131】
なお、
図35に示すように、スイッチ70は、外光を吸収する光吸収部材72をさらに備えていてもよい。光吸収部材72は、表示切替装置10の表示部4の画素領域以外と平面視において重畳するように設けられている。
【0132】
なお、図示してないが、静止図柄としてON及びOFFを含む表示切替装置または表示切替システムは、前記表示切替装置または前記表示切替システムに対するユーザの操作を検知する機能を備えることで、スイッチとして使用することができる。
【0133】
前記構成によれば、画素領域の均一性を改善したスイッチを実現することができる。
【0134】
さらに、上述したスイッチを備えた電気機器は、前記スイッチにより動作が行われる。
【0135】
前記構成によれば、電気機器における各種スイッチまたはボタンの表面における表示の均一性の改善や該電気機器が備える表示画面などにおける表示の均一性の改善を行うことができる。なお、電気機器としては、例えば、遊技機、車載装置、家庭用電気機器、エレベーターなどを一例に挙げることができるが、これに限定されることはない。
【0136】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0137】
1A~7A、1B~7B、G 光源
3、3a、3b レンズアレイ
4 表示部
4A、4B,4A’ 画素領域
5 光拡散部材
6 筐体
9 基板
10、10a、11~14、14a、15~19 表示切替装置
60、60a、60b、60c 表示切替システム
70 スイッチ
L0~L7 マイクロレンズ
M レンズ
M’、M’’ ミラー
BA、BA’ 遮光壁