IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大日本印刷株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-オンライン申請サポートシステム 図1
  • 特許-オンライン申請サポートシステム 図2
  • 特許-オンライン申請サポートシステム 図3
  • 特許-オンライン申請サポートシステム 図4
  • 特許-オンライン申請サポートシステム 図5
  • 特許-オンライン申請サポートシステム 図6
  • 特許-オンライン申請サポートシステム 図7
  • 特許-オンライン申請サポートシステム 図8
  • 特許-オンライン申請サポートシステム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】オンライン申請サポートシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241210BHJP
   G06F 21/32 20130101ALI20241210BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F21/32
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021044895
(22)【出願日】2021-03-18
(65)【公開番号】P2022144053
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2024-01-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100144967
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 美由起
【審査官】石川 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-054275(JP,A)
【文献】特開2002-109147(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユーザが操作する第1ユーザ端末及び第2ユーザが操作する第2ユーザ端末へ申請画面を送信して表示させる表示処理部と、
前記申請画面を介して前記第1ユーザ端末及び前記第2ユーザ端末から情報の入力を受け付ける受付部と、
入力された前記情報を前記第1ユーザの申請情報として記憶する記憶部と、
前記第1ユーザ端末と前記第2ユーザ端末との間での通話を確立させ、前記第1ユーザ端末のカメラ映像を前記第2ユーザ端末に表示させ、前記第2ユーザ端末のカメラ映像を前記第1ユーザ端末に表示させる通話処理部と、
前記第1ユーザ端末と前記第2ユーザ端末との間での通話確立時、及び前記申請画面を介した情報入力終了時に、前記第1ユーザ端末から前記第1ユーザの生体情報を取得し、前記第2ユーザ端末から前記第2ユーザの生体情報を取得する生体情報取得部と、
各ユーザの前記通話確立時に取得した生体情報と前記情報入力終了時に取得した生体情報とが一致するか確認して、申請処理の認証を行う認証部と、
を備えるオンライン申請サポートシステム。
【請求項2】
前記生体情報は、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザの音声である、請求項に記載のオンライン申請サポートシステム。
【請求項3】
前記生体情報は、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザの顔画像、虹彩又は指紋である、請求項1に記載のオンライン申請サポートシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンライン申請サポートシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クレジットカードやマイナンバーカードの発行、給付金の交付等のための申請がオンラインシステム化されている。オンライン申請は自宅などで手続きが行えるため便利であるが、ネット操作に不慣れなユーザには難しい。そのため、例えば、スマートフォンやパーソナルコンピューターを使い慣れていない高齢者は、子や孫が遊びに来た際に手順を教えてもらい、申請を行うことがある。
【0003】
しかし、住んでいる場所が離れていたりして往来の頻度が低い場合、教えてもらう機会がほとんどなく、オンライン申請を行えなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6402515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、オンライン申請の遠隔サポートを行うことができるオンライン申請サポートシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のオンライン申請サポートシステムは、第1ユーザが操作する第1ユーザ端末及び第2ユーザが操作する第2ユーザ端末へ申請画面を送信して表示させる表示処理部と、前記申請画面を介して前記第1ユーザ端末及び前記第2ユーザ端末から情報の入力を受け付ける受付部と、入力された前記情報を前記第1ユーザの申請情報として記憶する記憶部と、前記第1ユーザ端末と前記第2ユーザ端末との間での通話を確立させ、前記第1ユーザ端末のカメラ映像を前記第2ユーザ端末に表示させ、前記第2ユーザ端末のカメラ映像を前記第1ユーザ端末に表示させる通話処理部と、を備えるものである。
【0007】
本発明の一態様によるオンライン申請サポートシステムは、前記第1ユーザ端末と前記第2ユーザ端末との間での通話確立時、及び前記申請画面を介した情報入力終了時に、前記第1ユーザ端末から前記第1ユーザの生体情報を取得し、前記第2ユーザ端末から前記第2ユーザの生体情報を取得する生体情報取得部と、各ユーザの生体情報が一致するか確認して、申請処理の認証を行う認証部と、をさらに備える。前記生体情報は、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザの音声である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、オンライン申請の遠隔サポートを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るオンライン申請サポートシステムの概略構成図である。
図2】申請画面の例を示す図である。
図3】オンライン申請サポートシステムの概略構成図である。
図4図4a、図4bは、申請画面の例を示す図である。
図5図5a、図5bは、申請画面の例を示す図である。
図6】サポート例を示す図である。
図7図7a、図7bは、申請画面の例を示す図である。
図8】サーバ装置の構成及び機能ブロックを示す図である。
図9】オンライン申請サポート方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1に示すように、本発明の実施形態に係るオンライン申請サポートシステムは、インターネットを介してユーザAからの申請を受け付けるサーバ装置1と、ユーザAが使用するユーザ端末2と、ユーザAの申請のサポートを行うユーザBが使用するユーザ端末3とを備える。ユーザ端末2,3は、スマートフォン、タブレット端末等である。ユーザAが行う申請は、例えば、マイナンバーカードやクレジットカードの発行、銀行口座の開設、携帯電話の契約などの申し込みである。
【0012】
ユーザAは、ユーザ端末2を操作してサーバ装置1が提供するウェブサイトにアクセスし、カード発行等の申請を行う。例えば、図2に示すような申請画面がユーザ端末2に表示される。
【0013】
ウェブサイトを利用した手続きに不慣れなユーザAは、申請画面内のサポートボタン2aを押す。サポートボタン2aを押すと、例えば、ユーザ端末2内の電話帳が起動する。ユーザAは、電話帳の中から、申請のサポートを依頼する人(ユーザB)を選択し、電話をかける。メッセンジャーアプリ(チャットアプリ)が起動し、登録されているメンバーの中から、申請のサポートを依頼する人を選択し、電話してもよい。例えば、ユーザAがサポートを依頼するユーザBは、ユーザAの子や孫などの親族である。
【0014】
ユーザAはユーザBと通話を行い、申請のサポートを依頼する。ユーザAが、ユーザ端末2に表示されている録音開始ボタン(図示略)を押すと、認証用の所定のフレーズを発声するよう自動ガイダンスが再生される。例えば、図3に示すように、ユーザA、ユーザBがそれぞれ「OK申請」のような所定フレーズを発する。サーバ装置1は、ユーザA、ユーザBそれぞれの音声を録音、登録する。
【0015】
音声登録後、ユーザ端末2、3それぞれの内蔵カメラ(タッチパネル側の正面カメラ)が起動する。図4aに示すように、ユーザ端末2の表示領域2gには、ユーザ端末3の正面カメラの撮像センサに映っている映像信号、すなわちユーザBの顔がリアルタイムに表示される。また、図4bに示すように、ユーザ端末3の表示領域3gには、ユーザ端末2の正面カメラの撮像センサに映っている映像信号、すなわちユーザAの顔がリアルタイムに表示される。以降、ユーザA,Bは、互いの顔を見ながら通話を行う。
【0016】
ユーザ端末3には、ユーザ端末2に表示されている申請画面が表示される。申請画面は、ユーザ端末2、3に共有され、ユーザBも操作可能となっている。
【0017】
ユーザBは、ユーザAに対し、申請画面に入力する情報を教える。ユーザAは、ユーザBの教えに沿って、申請画面に情報を入力する。あるいは、ユーザAの代わりにユーザBが必要な情報を入力する。図5a、図5bは、申請画面の氏名の項目に情報を入力した状態を示す。ユーザ端末3に表示されている申請画面にも、入力した情報が表示される。
【0018】
申請の種類によっては、運転免許証などの本人確認書類の画像データが必要になる。ユーザA又はBが、申請画面内の証明書アップロードボタン21、31を押すと、ユーザ端末2内の画像データを使用するか、又は新規に撮影を行うか選択する選択ボタンが表示される。
【0019】
ユーザA又はBがユーザ端末2内の画像データの使用を選択した場合、ユーザ端末2内の画像の一覧画面がユーザ端末2及び3に表示される。ユーザAは、ユーザBと共に、一覧画面から、必要な証明書の画像を選択する。
【0020】
一方、ユーザA又はBが新規撮影を選択した場合、ユーザ端末2の内蔵カメラ(タッチパネルとは反対側の背面カメラ)が起動する。ユーザBは、ユーザAに必要な書類を教える。ユーザAは、教えられた書類を準備し、ユーザ端末2の背面カメラで撮影する。ユーザ端末2及び3のタッチパネルには、ユーザ端末2の背面カメラの撮像センサに映っている映像信号、すなわち書類が表示される。図6に示すように、ユーザBは、映像内での書類の写り具合を確認し、書類の置き場所、ユーザ端末2と書類までの距離、ユーザ端末2の角度などを指示する。
【0021】
証明書の画像をアップロードし、申請画面の全ての項目を入力すると、図7a、図7bに示すような完了ボタン22、32がユーザ端末2,3に表示(活性化)される。ユーザA又はBが完了ボタン22、32を押すと、認証用の所定のフレーズを発声するよう自動ガイダンスが再生される。このフレーズは、サポート開始時と同じものである。
【0022】
ユーザA、ユーザBがそれぞれ所定フレーズを発する。サーバ装置1は、ユーザA、ユーザBそれぞれの音声を録音し、サポート開始時に録音、登録した音声と比較する。音声が一致し、サポート開始時と申請完了時とで同じユーザであることが確認されると、サーバ装置1は、申請手続きを認証し、ユーザ端末2,3へ完了通知メッセージを送信する。
【0023】
このように、本実施形態によれば、ユーザAのオンライン申請を、ユーザBが遠隔サポートすることができる。
【0024】
次に、サーバ装置1の構成について説明する。サーバ装置1は、申請画面を生成してユーザ端末2へ送信し、ユーザ端末2によりサポートの利用が選択されると、申請画面をユーザ端末2とユーザ端末3とで共有できるようにする。
【0025】
図8に示すように、サーバ装置1は、制御部10、記憶部12、及び通信部14を備えたサーバ装置である。制御部10は、中央処理装置(CPU)、ROM、RAM等からなり、サーバ装置の全体を制御する。制御部10は、記憶部12に記憶されているオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションプログラムを読み出して実行することにより、各種機能を実現する。
【0026】
記憶部12は、制御部10が各種の処理を実行するために必要なプログラムやデータ等を記憶するための記憶領域であり、ハードディスクや半導体メモリ等が用いられる。
【0027】
制御部10は、申請受付部100及びサポート処理部110の機能を有する。申請受付部100は、申請画面を作成し、ユーザ端末へ送信する。申請受付部100は、申請画面を介して入力された申請情報を記憶部12に格納する。申請情報は、申請者の氏名、住所等の情報や、本人確認書類の画像データ等である。
【0028】
サポート処理部110は、通話処理部112、生体情報取得部113、認証部114、表示処理部116及び操作受付部118を含み、申請の遠隔サポート処理を行う。
【0029】
通話処理部112は、申請画面のサポートボタン2a(図2参照)が押されると、ユーザ端末2の電話帳の起動を指示する。また、通話処理部112は、ユーザ端末2とユーザ端末3との間での通話を確立させると、両端末の正面カメラを起動し、ユーザ端末2のカメラによる映像をユーザ端末3に表示し、ユーザ端末3のカメラによる映像をユーザ端末2に表示して、ビデオ通話ができるようにする。
【0030】
生体情報取得部113は、サポート開始時及び申請完了時にユーザ端末2,3から、生体情報として、ユーザA,Bの音声を取得し、記憶部12に格納する。
【0031】
認証部114は、ユーザA,Bそれぞれについて、サポート開始時に取得した音声と申請完了時に取得した音声とを比較し、開始時と完了時で同じユーザであることを確認し、申請処理の認証を行う。認証後、認証部114は、申請処理が正常に完了したことを通知する完了通知メッセージを、ユーザ端末2,3へSMS(ショートメッセージサービス)等で送信する。
【0032】
表示処理部116は、ユーザ端末2に表示されている申請画面をユーザ端末3へも送信し、表示させる。
【0033】
操作受付部118は、申請画面を介して、ユーザ端末2及び3から、各種情報の入力操作を受け付け、入力された情報をユーザAの申請情報として記憶部12に格納する。これにより、ユーザ端末2,3が申請画面を共有し、ユーザA,Bの双方が申請画面を操作可能となる。
【0034】
次に、図9に示すフローチャートを用いて、本実施形態に係るオンライン申請サポート方法を説明する。
【0035】
ユーザAがユーザ端末2を用いて申請サイトにアクセスする(ステップS1)。
【0036】
ユーザAが、申請画面内のサポートボタン2a(図2参照)を押すと、ユーザ端末2内の電話帳が起動する。ユーザAは、電話帳から、サポートを依頼するユーザBを選択して通話し、申請のサポートを依頼する(ステップS2)。
【0037】
サーバ装置1が、ユーザA、Bが発した所定のフレーズを録音し、登録する(ステップS3)。
【0038】
サーバ装置1が、ユーザBのユーザ端末3にも、ユーザ端末2に表示しているものと同じ申請画面を表示し、画面共有を開始する(ステップS4)。また、ユーザ端末2,3に、通話相手の顔を表示し、ビデオ通話が行えるようにする。
【0039】
ユーザBが申請画面の各項目に入力する内容、入力方法をユーザAに教え、情報を入力する。ユーザAがユーザ端末2を操作して情報を入力してもよいし。ユーザBがユーザ端末3を操作して情報を入力してもよい。
【0040】
本人確認書類の画像のアップロードを含む全項目の入力を終えると(ステップS5)、サーバ装置1が、ユーザA、Bが発した所定のフレーズを取得する。サーバ装置1は、取得した音声と、ステップS3で登録した音声とからユーザが同一であることを確認し、申請処理を認証する(ステップS6)。
【0041】
サーバ装置1が、ユーザ端末2,3へ完了通知メッセージを送信する(ステップS7)。
【0042】
このように、本実施形態によれば、ユーザAのオンライン申請を、ユーザBが遠隔サポートすることができる。
【0043】
特開2020-177368号公報に記載の真贋判定手法を用いて、画像をアップロードした証明書の真贋判定を行ってもよい。
【0044】
上記実施形態では、サポート開始時と終了時に登録した音声を用いてユーザが同一であるか否か確認していたが、生体情報取得部113が、音声に代えて、又は音声に加えて、顔画像、虹彩、指紋など他の生体情報を取得し、ユーザの確認に用いてもよい。
【0045】
上記実施形態では、ユーザAが電話帳の中から、サポートを依頼する相手を選ぶ例について説明したが、そのような相手がいない場合、カスタマーセンターのスタッフに通話をつなげ、同様のサポートを依頼できるようにしてもよい。
【0046】
本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離れることなく様々な変更が可能であることは当業者に明らかである。
【符号の説明】
【0047】
1 サーバ装置
2,3 ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9