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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】現像剤カートリッジおよび画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
G03G15/08 340
G03G15/08 390Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021050238
(22)【出願日】2021-03-24
(65)【公開番号】P2022148518
(43)【公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(72)【発明者】
【氏名】瀧澤 拓夢
(72)【発明者】
【氏名】太田 敦士
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-132810(JP,A)
【文献】特開2015-222284(JP,A)
【文献】特開2014-102473(JP,A)
【文献】特開2008-096852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を貯蔵する現像剤収容部を備えた現像剤収容器と、
前記現像剤収容器に形成され、前記現像剤収容部に貯蔵される前記現像剤を排出する排出口と、
前記排出口を塞ぐ閉位置と、前記排出口を開放する開位置との間で移動可能な開閉部材と、
前記現像剤収容器に接続し、前記排出口および前記開閉部材の下方に位置付けられ、鉛直方向において前記排出口全体と重なる位置にある現像剤受け部材と
を有するとともに、
前記現像剤受け部材は、
前記排出口より排出された前記現像剤の供給を受け付ける被装着装置への装着に伴って排出口の下方から退避した第1の位置へ移動し、
前記被装着装置からの脱離に伴って前記排出口の下方に突出した第2の位置へ移動し、
前記現像剤受け部材の前記排出口側の面を第1の面としたとき、前記第1の面と反対側に第2の面を有し、
前記現像剤収容器を把持し、前記現像剤受け部材を下にして空中にとどめた場合と比べ、前記第2の面を下にして自立させた場合に、前記現像剤受け部材と前記排出口の距離が狭まる
ことを特徴とする現像剤カートリッジ。
【請求項2】
前記現像剤収容器は、
前記第2の面を下にして自立させた場合でかつ、前記現像剤受け部材が前記第2の位置にある場合に、前記現像剤受け部材と当接する当接部を有し、
前記当接部は、
前記排出口の縁より外側に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載の現像剤カートリッジ。
【請求項3】
現像剤を貯蔵する現像剤収容部を備えた現像剤収容器と、
前記現像剤収容器に形成され、前記現像剤収容部に貯蔵される前記現像剤を排出する排出口と、
前記排出口を塞ぐ閉位置と、前記排出口を開放する開位置との間で移動可能な開閉部材と、
前記現像剤収容器に接続し、前記排出口および前記開閉部材の下方に位置付けられ、鉛直方向において前記排出口全体と重なる位置にある現像剤受け部材と
を有するとともに、
前記現像剤受け部材は、
前記排出口より排出された前記現像剤の供給を受け付ける被装着装置への装着に伴って排出口の下方から退避した第1の位置へ移動し、
前記被装着装置からの脱離に伴って前記排出口の下方に突出した第2の位置へ移動し、
前記現像剤収容器は、
前記排出口より前記退避される側に設けられ、前記現像剤受け部材が移動するとき前記突出する方向に対する前記現像剤受け部材の角度を規制する規制部を有する
ことを特徴とする現像剤カートリッジ。
【請求項4】
現像剤を貯蔵する現像剤収容部を備えた現像剤収容器と、
前記現像剤収容器に形成され、前記現像剤収容部に貯蔵される前記現像剤を排出する排出口と、
前記排出口を塞ぐ閉位置と、前記排出口を開放する開位置との間で移動可能な開閉部材と、
前記現像剤収容器に接続し、前記排出口および前記開閉部材の下方に位置付けられ、鉛直方向において前記排出口全体と重なる位置にある現像剤受け部材と
を有する現像剤カートリッジであって
前記現像剤受け部材の排出口側の面を第1の面としたとき、前記第1の面と反対側の第2の面の被装着装置に対する前記現像剤カートリッジの装着方向側に突起部を有し、
前記第2の面を下にして平面上に自立させた場合に、
前記突起部によって前記現像剤受け部材の装着方向側を上方にして前記現像剤受け部材の前記第1の面が前記平面に対して傾く
ことを特徴とする現像剤カートリッジ。
【請求項5】
前記現像剤カートリッジにおいて、
前記被装着装置に対する前記現像剤カートリッジの脱離方向側に、
前記現像剤カートリッジの挿抜時に把持される把持部を有し、
前記第1の位置は前記第2の位置より脱離方向側に位置する
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の現像剤カートリッジ。
【請求項6】
請求項1から5の何れかに記載の現像剤カートリッジによって現像剤が供給される画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤カートリッジおよび画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置、例えば、電子写真式のプリンタにおいては、プリンタの本体、すなわち、装置本体に、画像形成ユニット、LEDヘッド、転写ユニット、定着器等が配設され、画像形成ユニットに、感光体ドラム、帯電ローラ、現像ローラ、供給ローラ、現像剤収容器としてのトナーカートリッジ等が配設されるようになっている。
【0003】
ところで、トナーカートリッジの現像剤の排出口との間が密閉するように、排出口に開閉部材(シャッタ)を設けることで現像剤の排出を遮断するトナーカートリッジが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-146509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、トナーカートリッジの操作時に、排出口や排出口の開閉部材からこぼれた現像剤が、画像形成装置の内外を汚すことがある。
【0006】
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、現像剤収容器の排出口や排出口の開閉部材からこぼれた現像剤による汚れを改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的のもと、本発明が適用される現像剤カートリッジは、現像剤を収容する現像剤収容部を備えた現像剤収容器と、現像剤収容器に形成され、現像剤収容部に収容される現像剤を排出する排出口と、排出口をふさぐ閉位置および排出口を開放する開位置との間で移動可能な開閉部材と、現像剤収容器に接続し、排出口および開閉部材の下方に位置付けられ、鉛直方向において排出口全体と重なる位置にある現像剤受け部材とを有する。
そして、前記現像剤受け部材は、前記排出口より排出された前記現像剤の供給を受け付ける被装着装置への装着に伴って排出口の下方から退避した第1の位置へ移動し、前記被装着装置からの脱離に伴って前記排出口の下方に突出した第2の位置へ移動する。
また、前記現像剤受け部材の前記排出口側の面を第1の面としたとき、前記第1の面と反対側に第2の面を有し、前記現像剤収容器を把持し、前記現像剤受け部材を下にして空中にとどめた場合と比べ、前記第2の面を下にして自立させた場合に、前記現像剤受け部材と前記排出口の距離が狭まる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、現像剤カートリッジの操作時に、排出口や排出口の開閉部材からこぼれた現像剤を現像剤受け部材で受け止めるので、画像形成装置の内外の汚れを改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態におけるプリンタの概念図である。
図2】本発明の実施形態における画像形成ユニットの断面図である。
図3】本発明の実施形態における画像形成ユニット本体の外観斜視図である。
図4】本発明の実施形態における画像形成ユニットの外観斜視図である。
図5】本発明の実施形態における開位置にあるときのシャッタユニットの外観斜視図である。
図6】本発明の実施形態におけるトナーカートリッジと画像形成ユニットの非固定時および固定時の断面図である。
図7】本発明の実施形態におけるトナーカートリッジおよび受け皿の外観斜視図である。
図8】本発明の実施形態におけるトナーカートリッジの平面図である。
図9】本発明の実施形態におけるトナーカートリッジの分解斜視図および側面断面図である。
図10】本発明の実施形態にトナーカートリッジの挿抜過程の断面図である。
図11】本発明の実施形態にトナーカートリッジを机上に置いた場合の断面図である。
図12】本発明の実施形態におけるトナー収容器を把持して空中にとどめた場合のトナーカートリッジの断面図である。
図13】本発明の実施形態におけるトナーカートリッジを机上に置いた場合の拡大断面図である。
図14】本発明の実施形態におけるシャッタユニットが閉状態のときのトナーカートリッジの断面図である。
図15】本発明の実施形態におけるトナー収容器の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。この場合、現像剤カートリッジとしてのトナーカートリッジ22、および画像形成装置としてのプリンタ10について説明する。なお、図において水平方向をX軸とし、図1に示すように後述の画像形成部Qの下流側から定着装置としての定着器14に向けて媒体としての用紙Pが搬送される方向を正方向とし、X軸の正方向を正面とする。そして鉛直上方をZ軸の正方向とし、X軸とZ軸の双方に垂直な紙面の正面から見て幅方向(主走査方向)右側をY軸の正方向とする。
【0011】
図1は本発明の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【0012】
プリンタ10は、プリンタ10の筐体Cs、プリンタ10の装置本体Bdで構成される。プリンタ10の装置本体Bdとは、画像形成ユニット11、露光装置としてのLEDヘッド12、転写装置としての転写ローラ13、定着器14等によって構成される画像形成を行う本体部分である。装置本体Bdに対して下方、すなわち、Z軸の負方向側に媒体収容部としての給紙カセット15が配設される。給紙カセット15に、用紙Pが積載されて収容される。そして、給紙カセット15のX軸の負方向側に隣接させて給紙ローラ16を含む給紙機構が配設され、給紙ローラ16によって用紙Pを1枚ずつ分離させた後、用紙Pは媒体搬送路としての用紙搬送路に給紙される。給紙機構によってRt1方向に給紙された用紙Pは、画像形成部Qに供給される。ここで、画像形成部Qは、画像形成ユニット11、LEDヘッド12及び転写ローラ13によって構成され、画像形成部Qによって画像の形成が行われる。
【0013】
LEDヘッド12は、画像形成ユニット11が備える像担持体としての感光体ドラム31よりも上方、すなわち、Z軸の正方向側に感光体ドラム31と対向するように配設される。画像形成ユニット11は、幅方向(Y軸方向)を長手方向として延在しており、装置本体Bdに対して着脱自在に配設される。LEDヘッド12は、印刷データに基づいて感光体ドラム31の表面を露光して潜像としての静電潜像を形成する。
【0014】
ここで、感光体ドラム31は、アルミニウム製の金属パイプから成る導電性支持体に、光導電層として電荷発生層及び電荷輸送層を順次積層することによって形成された有機系感光体である。
【0015】
そして、転写ローラ13は、感光体ドラム31よりも下方、すなわち、Z軸の負方向側に感光体ドラム31と対向するように配設される。感光体ドラム31と転写ローラ13との間の転写部に供給された用紙Pに、画像形成ユニット11において感光体ドラム31に形成された現像剤像としてのトナー像が転写ローラ13によって転写される。
【0016】
その後、用紙Pは、用紙搬送路をRt2方向に搬送されて定着器14に送られ、定着器14において、用紙P上のトナー像が、加熱ローラ19によって加熱され、加圧ローラ20によって加圧されて用紙Pに定着され、用紙Pに画像が形成される。
【0017】
定着器14から排出された用紙Pは、搬送部材としての搬送ローラ17によってRt3方向に搬送された後、排紙ローラ18によって装置本体Bd外に排出される。
【0018】
図2は、本発明の実施の形態における画像形成ユニットの断面図である。画像形成ユニット11は、画像形成ユニット本体21に対して着脱自在に配設されたトナーカートリッジ22と、画像形成ユニット11の本体、すなわち、トナーカートリッジ22から現像剤としての未使用のトナー(以下、単に「トナー」という。)の補給を受け付け、画像形成を行う、トナーカートリッジ22の被装着装置としての画像形成ユニット本体21を備える。
【0019】
続いて、トナーカートリッジ22および画像形成ユニット本体21の内部の構成を説明する。
【0020】
トナーカートリッジ22は、内部にトナーを収容する現像剤収容部としてのトナー収容部Rm1と、廃棄現像剤としての廃トナーを収容する廃棄現像剤収容部としての廃トナー収容部Rm2と、開閉部材としてのシャッタユニット41を備えるアウターフレームFr2とを有する。トナー収容部Rm1の底部に、本実施形態においてはアウターフレームFr2の底部Twbに、排出口としてのトナー排出口h1が形成されており、シャッタユニット41はレバーLv(図5)の操作によってトナー排出口h1の開閉を行う開閉部材としての役割を担う。また、廃トナー収容室Rm2には、トナー像の転写後に感光体ドラム31に残留したトナーを廃トナーとして除去するクリーニング部材36から送られた廃トナーを回収するための回収スパイラル39が回転自在に配設される。ここで、トナー収容部Rm1およびシャッタユニット41の内部には、それぞれ、撹拌部材Mx1、Mx2が回転自在に設けられている。
【0021】
画像形成ユニット本体21は、幅方向に延在させて形成され、画像形成プロセスを行うための各要素を収容する本体部としてのプロセス要素収容部CPを内部に備えるベースフレームFr1を有する。ベースフレームFr1は、トナーカートリッジ22のトナー排出口h1から排出されたトナーの補給を受け付ける補給口としてのトナー補給口h3を有し、トナー補給口h3から補給されたトナーを貯蔵する現像剤貯蔵部としてのトナー貯蔵部Rm3を備える。
【0022】
ここで、プロセス要素収容部CPの内部に収容される各要素とは、感光体ドラム31、感光体ドラム31の表面を一様に帯電させる帯電部材としての帯電ローラ32、トナーを保持する現像剤担持体としての現像ローラ33、現像ローラ33にトナーを供給する供給部材としての供給ローラ34、現像ローラ33上に供給されたトナーを均一に薄層化する現像剤層規制部材としての現像ブレード35、クリーニング部材36を構成するクリーニングブレード37およびクリーニングブレード37によって掻き取られた廃トナーを搬送するための搬送部材としてのスパイラル38等を含む。また、トナー貯蔵部Rm3内に、トナーを攪拌する撹拌部材Mx3-1、Mx3-2が配設される。
【0023】
また、感光体ドラム31、帯電ローラ32、現像ローラ33、供給ローラ34等は、画像形成用の駆動部としての図示されない駆動モータ(ドラムモータ)に接続され、駆動モータが駆動されることによって回転させられる。
【0024】
図3は本発明の実施形態における画像形成ユニット本体の外観斜視図である。
【0025】
画像形成ユニット本体21は、ベースフレームFr1の幅方向における一端と他端それぞれに形成されたサイドプレートSL、SRを備え、サイドプレートSL、SRの内側に、案内部としての挿抜ガイドGm1が形成される。挿抜ガイドGm1は、トナーカートリッジ22(図2)が画像形成ユニット本体21に着脱される方向に移動させられる際に、被案内部材としての被挿抜ガイド221(図7)と係合し、トナーカートリッジ22を案内する。そのために、挿抜ガイドGm1は、サイドプレートSL、SRの後端のトナーカートリッジ22の装着開始位置から前方の所定の箇所に形成されたトナーカートリッジ22の装着終了位置にかけて、装着終了位置に近づくほどZ軸の負方向側に下降するように傾斜させて形成される。
【0026】
図4は本発明の実施形態における画像形成ユニットの外観斜視図である。すなわち、トナーカートリッジ22が画像形成ユニット本体21に装着されたときの図である。本実施形態において、トナーカートリッジ22は、ユーザによって凹部X1、X2が把持されることで挿抜等の操作が行われる。凹部X1、X2はトナーカートリッジ22の操作時に把持される把持部としての役割を担う。
【0027】
図5は本発明の実施形態における開位置にあるときのシャッタユニットの外観斜視図である。シャッタユニット41はシャッタ部材411とレバー部材412によって構成され、レバー部材412に含まれるレバーLvの操作によってシャッタ部材411が移動する。本実施形態においては、Y軸周りに回動自在に、幅方向に延在させて配設されている。シャッタ部材411とレバー部材412が図6に示す位置にあるとき、トナー排出口h1(図2)にシャッタ開口部h2が重なる。シャッタ部材411とレバー部材412とは、それぞれに設けられたピニオンギア414、415が噛み合っており、レバーLvの操作によってシャッタ部材411が回動可能となっている。例えば、レバーLvがR1方向に押される、すなわち、図5に示す位置からレバー部材412が時計回りに回転するように操作されると、ピニオンギア414、415を介して回転がシャッタ部材411に伝わり、シャッタ部材411が反時計回りに回転させられる。これにより、シャッタ部材411のシャッタ閉止部411-1がトナー排出口h1(図2)を覆う閉位置まで回転させられ、トナー排出口h1(図2)が閉鎖され、トナー収容部Rm1(図2)からトナー貯蔵部Rm3へのトナーの補給が停止される。
【0028】
一方、シャッタユニット41が閉位置にある状態から、レバーLvがR2方向に押される、すなわち、レバー部材412が反時計回りに回転するように操作されると、シャッタ部材411が開位置まで回動させられる。
【0029】
以上の構成を用いて、図2を参照しながら、画像形成ユニット11内のトナーの移動および画像形成の動作を説明する。
【0030】
トナー収容部Rm1内に収容されたトナーは、シャッタユニット41に形成されたシャッタ開口部h2(図5)を介してトナー排出口h1から排出され、トナー補給口h3を介してトナー貯蔵部Rm3に補給される。そして、レバー部材412(図5)が操作されると、シャッタ部材411(図5)のシャッタ開口部h2(図5)がトナー排出口h1と重なる開位置まで回動させられ、トナー排出口h1からトナーが排出される。
【0031】
画像形成ユニット11において、駆動モータによって現像ローラ33及び供給ローラ34が図2における反時計回りに回転させられる。そして、供給ローラ34によって摩擦帯電させられたトナーは、現像ローラ33に供給され、現像ローラ33の回転に伴って現像ローラ33と現像ブレード35との接触部に送られ、現像ブレード35によって薄層化される。
【0032】
感光体ドラム31は前記駆動モータによって時計回りに回転させられ、帯電ローラ32は感光体ドラム31と連れ回りで反時計回りに回転させられ、感光体ドラム31の表面が帯電ローラ32によって一様に帯電させられる。そして、感光体ドラム31は、LEDヘッド12(図1)によって露光されて表面に静電潜像が形成され、静電潜像に現像ローラ33上のトナーが静電的に付着させられてトナー像が形成される。その後、感光体ドラム31上のトナー像は転写ローラ13(図1)によって用紙Pに転写される。
【0033】
トナー像の転写後に感光体ドラム31の表面に残留したトナーは、感光体ドラム31の回転に伴ってクリーニングブレード37によって掻き取られ、クリーニング部材36内の底部に落下し、スパイラル38の回転により廃トナーとして廃トナー収容室Rm2に回収される。
【0034】
図6は本発明の実施形態におけるトナーカートリッジと画像形成ユニットの非固定時および固定時の断面図である。図6-aは非固定時、すなわち、図5の状態から前述されたようにシャッタ部材411を回動させて閉位置にしたときの断面図である。図6-bは固定時、すなわち、シャッタ部材411が開位置にあるときの断面図である。
【0035】
図6-aのような非固定時の状態から、レバーLv(図5)が操作され、サイドプレートSR、SL(図4)にそれぞれ設けられたポスト211に係合固定溝413が係合させられた状態で開位置まで回動させた図が図6-bである。図6-bにおいて、挿抜方向dirと係合固定溝413の延在する方向とが交差しているので、画像形成ユニット本体21にトナーカートリッジ22からトナーを供給可能な状態で、トナーカートリッジ22と画像形成ユニット本体21との相対位置を固定することができる。
【0036】
一方、図6-bのような固定時の状態から、レバーLv(図5)が操作され、ポスト211が係合固定溝413に係合させられた状態で閉位置まで回動させられると、図6-aのようになる。これにより、挿抜方向dirと係合固定溝の延在する方向とが略平行になるので、画像形成ユニット本体21にトナーカートリッジ22からトナーを供給不可な状態でトナーカートリッジ22を画像形成ユニット本体21から脱離させることができる。
【0037】
図7は本発明の実施形態におけるトナーカートリッジおよび受け皿の外観斜視図である。本実施形態において、トナーカートリッジ22は、トナー収容部Rm1(図2)を内部に有する筐体としての役割を担う現像剤収容器としてのトナー収容器Rと、現像剤受け部材としての受け皿50とを備え、幅方向、すなわち、感光体ドラム31(図2)の軸方向であるY軸方向に延在させて配設される。トナー収容器Rは、筒状の形状を有する有底のアウターフレームFr2、及びアウターフレームFr2の幅方向における一端と他端をそれぞれ覆うサイドカバーScR、ScLによって構成される。レバーLvは、トナー収容器RにおいてサイドカバーScL側の端部に、アウターフレームFr2に対して揺動自在に配設される。
【0038】
受け皿50及びトナー収容器Rは、サイドカバーScL、ScRそれぞれに設けられている長孔であるガイド59に対して、受け皿50の幅方向の両端に設けられたガイド係合部53が、ガイド59内を移動可能に係合することによって接続される。ガイド係合部53は、受け皿50の幅方向の両端にそれぞれ設けられた側面56R、56Lから、Y軸方向に突出した突起である。以上のように、受け皿50は、トナー収容器Rに対して、サイドカバーScL、ScRによって支持されている。
【0039】
受け皿50の移動方向はガイド59の延在するガイド方向によって定められており、受け皿50はトナー排出口h1およびシャッタユニット41の下方に対し突出および退避することが可能である。本実施形態において、トナーカートリッジ22がプリンタ10に装着された図1の状態におけるガイド59はX軸方向に延在している。そのため、受け皿50は、ガイド方向、すなわち、X軸方向に移動可能に設けられており、X軸の正方向に突出、X軸の負方向に退避できる。以下においては、受け皿50が突出する方向を突出方向、退避する方向を退避方向という。また、以降のトナーカートリッジ23を机上に載置した図面においては、突出方向および退避方向は水平なX軸に対して傾く。
【0040】
なお、本実施形態においては、ガイド59は貫通孔であるが、これに限らず片方、もしくは一方が貫通しない溝であってもよい。
【0041】
受け皿50は、トナー排出口h1(図2)と対向する第1の面S1と、第1の面S1の反対側に配設された第2の面S2と、受け皿50のY軸方向の両端にそれぞれ配設された側面56R、56Lと、突出方向側に配設されたリブ55と、退避方向側に配設された凸部58とを有する。また、第1の面S1におけるリブ55と凸部58との間の領域に凹凸面S1―1を有する。
【0042】
リブ55、側面56R、56Lおよび凸部58によって、受け皿50が受け止めたトナーが凹凸面S1-1上にとどめることができ、振動等によって受け止めたトナーが受け皿の外部に滑り落ちにくい構造となっている。
【0043】
図8は本発明の実施形態におけるトナーカートリッジの平面図である。この図を用いて、図9および11の断面図における断面の場所を説明する。
【0044】
図9は本発明の実施形態におけるトナーカートリッジの分解斜視図および側面断面図である。なお、図9-bは図8のCr1-Cr1矢視断面図であり、後述されるサイドカバーScR側の孔57と重なる位置における断面図である。トナーカートリッジ22は、トナー収容器Rと受け皿50を移動可能に接続する部材として、トナーカートリッジ22の長手方向の両端に、それぞれ付勢部材としてのばね51と、ばね51の付勢する方向を定め、ばね51を支える付勢部材受け部材としてのばね受け部材52と、ばね51およびばね受け部材52を収納する孔57とを有する。ばね受け部材52は、サイドカバーScR、ScLそれぞれに、ばね51が突出方向に付勢するように設けられる。
【0045】
以上の構造によって、受け皿50は、図9-bに示されるように、ばね51によって突出方向に付勢され、トナー排出口h1の下方に位置付けられる。さらに、ばね51が縮み、ばね受け部材52が孔57を貫通することによって、受け皿50はトナー排出口h1の下方から退避させられる。
【0046】
図10は本発明の実施形態におけるトナーカートリッジの挿抜過程の断面図である。図10を用いて、トナーカートリッジ22の挿抜過程における受け皿50の動作を説明する。なお、画像形成ユニット本体21に対して、トナーカートリッジ22を装着する装着方向dir1と、脱離する脱離方向dir2とは、前述した挿抜ガイドGm1が案内する挿抜方向dirと平行である。本実施形態においては、挿抜ガイドGm1に基づいて定められる挿抜方向dirは水平よりX軸の正方向側を下にして15〔°〕傾斜しているが、この構成に限られるものではない。
【0047】
図10-aに示されるように、トナーカートリッジ22が画像形成ユニット本体21から脱離された状態において、受け皿50はトナー排出口h1およびシャッタユニット41の下方に位置付けられる。トナーカートリッジ22が脱離された状態から、プリンタ10(図1)にセットされた画像形成ユニット本体21に装着する際に、挿抜ガイドGm1が被挿抜ガイド221(図7)と係合させられ、装着する側を下にして水平方向に対して15〔°〕傾いた装着方向dir1に装着を案内する。本実施形態においては、受け皿50のリブ55が、図10-bに示されるように画像形成ユニット本体21のベースフレームFr1に当接させられ、受け皿50の装着方向dir1に向けて押し込まれると、ばね51が自身の付勢力に抗して縮む。それに伴い、ガイド係合部53(図7)はガイド59(図7)に従って移動させられ、受け皿50はトナー排出口h1の下方から退避させられる。さらに、図10-cの位置にあるときにレバーLvが前述されたように操作されると、トナー排出口h1からトナー貯蔵部Rm3にトナーが補給可能となる。このような、トナーカートリッジ22が画像形成ユニット本体21に装着された際の、トナーカートリッジ22から画像形成ユニット本体21にトナーの供給を可能とするトナー収容器Rと受け皿50のガイド方向における相対位置が第1の位置であり、ベースフレームFr1およびリブ55、受け皿50の形状によって定まる。
【0048】
図10-cに示されるように、トナーカートリッジ22が装着された状態から、プリンタ10にセットされた画像形成ユニット本体21から脱離する際に、挿抜ガイドGm1と被挿抜ガイド221とが係合しているので、脱離方向dir2にトナーカートリッジ22の脱離が案内される。受け皿50のリブ55は、ばね51の付勢力によって、図10-bに示されるように、画像形成ユニット本体21のベースフレームFr1に当接したまま前述された第2の位置まで突出する。その後、図10-aに示されるようにリブ55がベースフレームFr1から離れ、トナーカートリッジ22が脱離させられる。
【0049】
以上のように、本実施形態においては、受け皿50が、トナーカートリッジ22の挿抜に伴い、トナー排出口h1の下方に対して、突出および退避可能に構成されている。
【0050】
また、トナーカートリッジ22の挿抜時にトナー排出口h1の鉛直方向下側の空間を遮るように受け皿50が移動させられるので、挿抜時にトナー排出口h1からトナーがこぼれてプリンタ10内が汚れるのを抑制することができる。
【0051】
さらに、第1の位置は第2の位置より脱離方向dir2側に位置している。また、凹部X1、X2がトナーカートリッジ22の脱離方向dir2側に形成される。したがって、ユーザが凹部X1、X2を把持してトナーカートリッジ22を画像形成ユニット本体21から脱離した状態から、把持する場所を変えることなく受け皿50を下にして机上に置くことができるので、トナーカートリッジ22の操作性を向上させることができる。
【0052】
図11は本発明の実施形態におけるトナーカートリッジを机上に置いた場合の断面図である。なお、図11図8におけるCr2-Cr2矢視断面図である。図11を用いて凹凸面S1-1の説明を行う。なお、机上とは水平面上の一例である。本実施形態においては、トナー排出口h1の下方、すなわち、Z軸の負方向側に凸部Co1と凸部Co2とを有し、収納する方向に凸部Co3、凸部Co4、凸部Co5を有する。言い換えれば、リブ55および各凸部Co1~Co5の間に、リブ55側から順に5つの凹部Re1~Re5を有する。
【0053】
リブ55から凸部Co1、凸部Co1から凸部Co2、凸部Co2から凸部Co3のそれぞれの間隔は、凸部Co3から凸部Co4および凸部Co4から凸部Co5の間隔より広くなっている。
【0054】
ここで、凸部Co1から凸部Co4のそれぞれの高さは0.5〔mm〕に、最も受け皿が収納される側にある凸部である凸部Co5は1.0〔mm〕程度の高さに形成されている。ここでいう高さとは、隣り合う凹部表面から凸部が突出する高さである。
【0055】
なお、本実施形態における各凸部の高さおよび数は一例であり、この形態に限られるものではない。トナーの種類によって差異があるが、各凸部の高さは0.5〔mm〕以上であればトナーを十分にトラップすることができる。
【0056】
図12は本発明の実施形態におけるトナー収容器を把持して空中にとどめた場合のトナーカートリッジの断面図である。より具体的に言えば、図12は側面56RよりもY軸の正方向側の断面図である。図7に示されるように、受け皿50は対称構造であるため、代表してサイドカバーScR側を参照して説明する。受け皿50はガイド方向においてガイド59とガイド係合部53とが係合させられ、側面56RのX軸の負方向側端部がガイド方向においてガイド係合部53の中心から離間した位置(図12においては位置S)で当接するまでガイド係合部53を軸として回転させることができる。そして、サイドカバーScRは、受け皿50のサイドカバーScRに対する角度を規制する、太線で示した規制部Aを有する。規制部Aは、受け皿50が移動させられるガイド方向(X軸方向)に平行に配設され、側面56Rが規制部Aに当接することで受け皿50の移動時の突出方向に対する角度が規制される。また、図12に規制部Aと重なりX軸方向に延長させた線L1と、側面56RのZ軸の正方向側と重なる線L2を示した。ガイド係合部53の中心から線L1の距離は、ガイド係合部53から線L2までの距離以上になっている。ここでいう距離は、線(例えば、線L1)とガイド係合部53の中心とが最も近接する距離のことである。
【0057】
以上の構造によって、受け皿50はトナー収容器Rに対してがたを有し、トナー収容器Rの、例えば、凹部X1、X2(図4)を把持してトナーカートリッジ22を空中にとどめた場合、図12に示されるように受け皿50はリブ55側を下にして傾く。これにより、スムーズな受け皿50の移動が可能となる。なぜなら、本実施形態と異なり受け皿50の角度が規制された場合、固定に伴う部材間の摩擦が発生し、受け皿50の移動を阻害するからである。
【0058】
さらに、線L1とトナー収容器Rの表面Bとが最も近づく距離が0.5〔mm〕となるように規制部Aは配設される。これにより、受け皿50がトナー収容器Rの表面Bに引っかかることなくトナー排出口h1の下方まで突出させることができる。なお、本実施形態に限らず、線L1よりもZ軸の正方向側に、トナー収容器Rが収まるように設けられていればよい。
【0059】
図13は本実施形態におけるトナーカートリッジを机上に置いた場合の拡大断面図である。なお、図13図8のCr2-Cr2矢視断面図である。受け皿50は、画像形成ユニット本体21(図3)から脱離した場合、ばね51(図9)の付勢力によってトナー排出口h1の下方まで突出させられる第2の位置に位置付けられる。また、受け皿50は、第2の面S2の突出方向側に突起部としての突起54を有する。受け皿50が第2の位置にあり、第2の面S2を下にして机上に置いたとき、トナー収容器Rの当接部Cにて受け皿50の側面56Rが当接する。また、前述されたように対称構造より、サイドカバーScL側だけでなく、サイドカバーScR(図7)側にも同様に規制部A、当接部C、突起54、側面56LがY軸方向において重なる位置に設けられる。
【0060】
突起54によって第1の面S1の突出方向側がZ軸の正方向側に持ち上げられるので、受け皿50の第1の面S1が載置される机上面に対し突出方向側を上にして傾く。このように傾くことで、例えば、受け皿50を下にしてトナーカートリッジ22を机上に載置した場合にトナーが凸部58側に移動しやすくなるため、第1の面S1に受け止めたトナーがリブ55の外部に広範囲に散らばりにくくなる。
【0061】
トナー排出口h1を形成する縁のうち、受け皿50が突出する側の縁eg1から重力方向に延びた線aと縁eg1から受け皿50のリブ55の頂点551を結んだ線bとの角度θが、本実施形態においては20〔°〕となる第2の位置まで受け皿50が延在している。これにより、リブ55が縁eg1よりX軸の正方向側に位置するため、トナー排出口h1からこぼれたトナーを受け止めることができる。
【0062】
また、前述されたように、机上に載置したときに受け皿50が、リブ55を上にして机上面に対して傾くことにより、トナー収容器Rを把持してトナーカートリッジ22を空中にとどめた場合と比べ、受け皿50の第2の面S2を下にして机上に置いた場合、受け皿50のリブ55の頂点とトナー排出口h1との距離が狭まる。すなわち、操作時に比べて受け皿50によって自立させた場合のほうが受け皿50とトナー収容器Rが狭まり、トナー排出口h1とリブ55の頂点551の間の空間が小さくなるため、さらにトナーが広範囲に散らばりにくい構造となっている。
【0063】
なお、ここでいう距離は、トナー排出口h1における受け皿50が突出する側の縁eg1と、受け皿50とが最も近接する距離を表す。本実施形態においては、図13に示される線b上のeg1から頂点551までの距離に対応する。
【0064】
なお、角度θは実施形態である20〔°〕に限らず、10〔°〕≦θ≦30〔°〕の範囲まで延在していればよい。理由は、角度θが10〔°〕未満の場合は受け皿50がトナーを受け止める範囲が狭まく、30〔°〕を超えると受け皿50の収納が設計上難しくなるという問題があるためである。
【0065】
また、仮に、受け皿50が配設されない場合、凹部X1、X2(図4)を把持した状態からトナー排出口h1を下にして机上に置いた場合、トナー排出口h1が机上に当接し、机上を汚す恐れがある。これに対して、受け皿50が配設された本発明の形態においては、第2の面S2が机上に当接するので、トナー排出口h1を机上に当接させることなく載置することができる。さらに、本発明の実施形態においては、トナー収容器Rの重心がトナー排出口h1側(X軸の正方向側)にあるが、受け皿50のリブ55が縁eg1よりもX軸の正方向側まで延在させられているので、机上に置いたときの姿勢を安定させることができる。以上のように、凹部X1、X2(図4)を把持して画像形成ユニット本体21(図4)から脱離した後、把持する場所を変えることなく机上に安定して載置することができるので、トナーカートリッジ22の操作性を向上させることができる。
【0066】
本実施形態において、当接部Cは、受け皿50が前述された第2の位置にあるときに、ガイド方向において(凸部58と当接部Cとの距離):(当接部Cとリブ55との距離)の比率が66:34となるように位置付けられる。このように、机上に置いたときにガイド係合部53から十分に離間した位置でトナー収容器Rが受け皿50と当接することで、上からのトナー収容器Rを抑えつけるなどの衝撃による変形・破損がしにくい構造になっている。なお、本実施形態に限らず、前記比率は50:50~100:0の間であればよい。
【0067】
また、前述された規制部Aが、挿抜時、リブ55を上にして傾く角度を規制し、受け皿50とトナー排出口h1とを離間した状態に保つ。これにより、例えば、リブ55の外側(突出方向側の面)が受け皿50の突出時にトナー排出口h1に当接するのが防止されるので、擦れて汚れるのが防止される。
【0068】
図14は本発明の実施形態におけるシャッタユニットが閉状態の時のトナーカートリッジの断面図である。具体的には、図13におけるCr3-Cr3矢視断面図である。線L3はトナー排出口h1と重なる断面である。図14は、前述されたようにレバーLvが操作されて閉状態となっている図であり、トナー排出口h1がシャッタ閉止部411-1によって閉止され、シャッタ開口部h2がトナー排出口h1と重ならない位置にある。
【0069】
本実施形態において、ScR側は側面56Rがトナー排出口h1の右側の縁eg4より41〔mm〕、ScL側は側面56Lがトナー排出口h1の左側の縁eg3より15〔mm〕だけ長手方向においてトナー排出口h1より外側まで延在している。これにより、受け皿50が突出したときに、トナー排出口h1より外側に側面56R、56Lが位置するので、トナー排出口h1からこぼれたトナーを受け止めることができる。
【0070】
図13および図14で説明した構成により、受け皿50がトナー排出口h1の下方に突出した第2の位置にあるとき、受け皿50は、トナー排出口h1およびシャッタユニット41の下方に位置付けられ、少なくとも鉛直方向において前記排出口全体と重なる位置にあるといえる。
【0071】
なお、本実施形態に限らず、ScRおよびScL双方においてトナー排出口h1と鉛直方向において重なる位置まで突出していればよい。
【0072】
図15は本発明の実施形態におけるトナー収容器の底面図である。図15において受け皿50は取り外されているので、図示されていない。本実施形態においてトナー排出口h1は長方形であり、トナー排出口h1を形成する縁のうち受け皿50の突出方向側がeg1、退避方向側がeg2、サイドカバーScL側がeg3、サイドカバーScR側がeg4である。ラインDは、トナー排出口h1の縁eg2と重なる直線である。
【0073】
なお、本実施形態において、規制部Aは受け皿50の長手方向端部に設けられているが、トナー排出口h1の縁eg2より受け皿50が退避方向側、すなわち、トナー収容器RのラインDよりX軸の負方向側にあればよい。
【0074】
また、本実施形態において、当接部Cはトナー収容器Rの長手方向の両端に設けられているが、十分に強度が確保できればトナー排出口h1の縁eg1~eg4より外側に一つのみでもよい。しかし、ガイド係合部53よりも離間している場所で当接するほど強度が確保できるため、例えば、領域F内に設けることが望ましい。また、長手方向に複数設けた方が、受け皿50が長手方向において力が加わる力点と、支点となる当接部との最大距離が小さくなり、かつ、長手方向において加わる力のバランスが崩れにくいため、強度を上げることができる。
【0075】
一つの当接部で長手方向において加わる力のバランスをとることができる変形例としては、領域G全体を受け皿50のリブ55と当接する当接部とする形が考えられる。この変形例は、長手方向に広い範囲で中間に当接部を設けているため、当接部との最大距離が小さく、長手方向において広い範囲で受け皿と当接するため、加わる力のバランスが大きく崩れるのを抑制することができる。また、当接部は領域Hのように長手方向の端部まで延在させてもよい。
【0076】
さらに、本実施形態においては、受け皿50にトナー収容器Rと距離が近付く側面56R、56Lを設けることで、受け皿50がトナー収容体と当接部Cにおいて当接させられるが、逆にトナー収容器R側の領域F内(例えば領域G)に当接部としての凸部を設けてもよい。
【0077】
また、本実施形態においては、被装着装置として画像形成ユニット本体21を挙げたが、画像形成装置としてのプリンタ10に直接挿抜する形態など、実施形態と異なる現像剤の供給を受け付ける被装着装置に対しても本発明の適用が可能である。
【0078】
なお、本実施形態に限らず、必ずしも受け皿50が移動可能に構成されていなくともよい。その場合は、画像形成ユニット本体21側に受け皿50を収納させるための場所を設ける必要があるため、大幅な設計変更を行う必要がある。しかし、受け皿50はトナー排出口h1およびシャッタユニット41の下方に位置付けられ、少なくとも鉛直方向においてトナー排出口h1全体と重なるように位置付けられていれば、トナーカートリッジ22の操作時に受け皿50がトナー排出口h1からこぼれたトナーを受け止め、プリンタの内外の汚れを改善することができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置における、現像剤カートリッジに適用できる。
【符号の説明】
【0080】
10 プリンタ
11 画像形成ユニット
12 LEDヘッド
13 転写ローラ
14 定着器
21 画像形成ユニット本体
22 トナーカートリッジ
31 感光体ドラム
32 帯電ローラ
33 現像ローラ
34 供給ローラ
35 現像ブレード
36 クリーニング部材
41 シャッタユニット
50 受け皿
51 ばね
52 ばね受け部材
53 ガイド係合部
54 突起
55 リブ
56R、56L 側面
57 孔
58 凸部
59 ガイド
211 ポスト
221 被挿抜ガイド
411 シャッタ部材
412 レバー部材
413 係合固定溝
414、415 ピニオンギア
551 リブの頂点
Bd プリンタの本体
Cs プリンタの筐体
eg1~eg4 縁
Fr1 ベースフレーム
Fr2 アウターフレーム
Gm1 挿抜ガイド
h1 トナー排出口
h2 シャッタ開口部
h3 補給口
Lv レバー
Rm1 トナー収容部
Rm3 トナー貯蔵部
S1 第1の面
S1-1 凹凸面
S2 第2の面
ScL サイドカバー(左)
ScR サイドカバー(右)
SL サイドプレート(左)
SR サイドプレート(右)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15