(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/77 20060101AFI20241210BHJP
H04N 5/92 20060101ALI20241210BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20241210BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20241210BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20241210BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20241210BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
H04N5/77
H04N5/92 010
H04N23/60
H04N23/60 300
G08G1/00 D
G08G1/09 F
G08G1/13
G07C5/00 Z
(21)【出願番号】P 2021061844
(22)【出願日】2021-03-31
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】駒嶺 聡史
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 豊和
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 功一
(72)【発明者】
【氏名】王 磊
(72)【発明者】
【氏名】辛島 潤
(72)【発明者】
【氏名】山田 健一
(72)【発明者】
【氏名】藤井 宏光
(72)【発明者】
【氏名】南 翔太
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-098738(JP,A)
【文献】特開2017-098865(JP,A)
【文献】特開2019-028760(JP,A)
【文献】特開2019-028761(JP,A)
【文献】特開2019-028763(JP,A)
【文献】特開2020-008930(JP,A)
【文献】特開2020-187456(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0106428(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0028935(US,A1)
【文献】国際公開第2014/178228(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/026386(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0093271(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/76 - 5/775
H04N 5/91 - 5/956
H04N 23/40 -23/76
H04N 21/00 -21/858
G08G 1/00 -99/00
G07C 1/00 -15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されたカメラによって撮影された映像を取得する制御部と、
前記映像を記憶可能な記憶部と、を備え、
前記制御部は、
前記映像が撮影された際の前記車両の走行データを取得し、
前記走行データが所定の条件を満たしている場合に、前記映像を前記記憶部に記憶
し、
前記走行データは、前記車両の速度データ及び前記車両が走行した経路データの少なくとも1つを含み、
前記記憶部は、収集が必要な映像のリストを、各映像を前記所定の条件と関連づけて記憶しており、
前記制御部は、
前記車両に搭載されているナビゲーション装置において目的地が設定されると、前記車両の走行予定の経路の情報を取得し、
前記走行予定の経路が、前記収集が必要な映像を撮影することが可能な経路付近を通る経路である場合、前記車両のユーザの端末装置に、前記収集が必要な映像の撮影を依頼する情報を送信する、情報処理装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の情報処理装置において、
前記収集が必要な映像の撮影を依頼する情報は、前記収集が必要な映像と関連づけられている前記所定の条件を含む、情報処理装置。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、前記車両が撮影した前記映像を前記記憶部に記憶すると、前記記憶部に記憶された前記映像を撮影した前記車両のユーザの端末装置にインセンティブを送信する、情報処理装置。
【請求項4】
車両に搭載されたカメラによって撮影された映像を取得することと、
前記映像が撮影された際の前記車両の走行データを取得することと、
前記走行データが所定の条件を満たしている場合に、前記映像を記憶することと、
収集が必要な映像のリストを、各映像を前記所定の条件と関連づけて記憶することと、
前記車両に搭載されているナビゲーション装置において目的地が設定されると、前記車両の走行予定の経路の情報を取得することと、
前記走行予定の経路が、前記収集が必要な映像を撮影することが可能な経路付近を通る経路である場合、前記車両のユーザの端末装置に、前記収集が必要な映像の撮影を依頼する情報を送信することと、
を含む動作をコンピュータに実行させ
、
前記走行データは、前記車両の速度データ及び前記車両が走行した経路データの少なくとも1つを含む、プログラム。
【請求項5】
請求項
4に記載のプログラムにおいて、
前記収集が必要な映像の撮影を依頼する情報は、前記収集が必要な映像と関連づけられている前記所定の条件を含む、プログラム。
【請求項6】
請求項
4又は5に記載のプログラムにおいて、
前記車両が撮影した前記映像を記憶すると、記憶された前記映像を撮影した前記車両のユーザの端末装置にインセンティブを送信すること、をさらに含む動作をコンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項7】
情報処理装置における情報処理方法であって、
車両に搭載されたカメラによって撮影された映像を取得することと、
前記映像が撮影された際の前記車両の走行データを取得することと、
前記走行データが所定の条件を満たしている場合に、前記映像を記憶することと、
収集が必要な映像のリストを、各映像を前記所定の条件と関連づけて記憶することと、
前記車両に搭載されているナビゲーション装置において目的地が設定されると、前記車両の走行予定の経路の情報を取得することと、
前記走行予定の経路が、前記収集が必要な映像を撮影することが可能な経路付近を通る経路である場合、前記車両のユーザの端末装置に、前記収集が必要な映像の撮影を依頼する情報を送信することと、
を含
み、
前記走行データは、前記車両の速度データ及び前記車両が走行した経路データの少なくとも1つを含む、情報処理方法。
【請求項8】
請求項
7に記載の情報処理方法において、
前記収集が必要な映像の撮影を依頼する情報は、前記収集が必要な映像と関連づけられている前記所定の条件を含む、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されているカメラで撮影した走行中の映像を収集し、観光用の映像などとして利用する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両に搭載されているカメラで撮影した映像は、そのときの車両の走行の状況によっては、利用目的に適していない場合がある。例えば、映像を撮影したときの車両の速度が速過ぎたり遅過ぎたりした場合に、撮影した映像が利用目的に適していない場合がある。また、例えば、映像を撮影したときに車両が所望の経路を走行していない場合に、撮影した映像が利用目的に適していない場合がある。
【0005】
本開示の目的は、車両に搭載されているカメラで撮影した映像として、利用目的に適した条件で撮影された映像を収集することを可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る情報処理装置は、
車両に搭載されたカメラによって撮影された映像を取得する制御部と、
前記映像を記憶可能な記憶部と、を備え、
前記制御部は、
前記映像が撮影された際の前記車両の走行データを取得し、
前記走行データが所定の条件を満たしている場合に、前記映像を前記記憶部に記憶する。
【0007】
本開示に係るプログラムは、
車両に搭載されたカメラによって撮影された映像を取得することと、
前記映像が撮影された際の前記車両の走行データを取得することと、
前記走行データが所定の条件を満たしている場合に、前記映像を記憶することと、
を含む動作をコンピュータに実行させる。
【0008】
本開示に係る情報処理方法は、
情報処理装置における情報処理方法であって、
車両に搭載されたカメラによって撮影された映像を取得することと、
前記映像が撮影された際の前記車両の走行データを取得することと、
前記走行データが所定の条件を満たしている場合に、前記映像を記憶することと、
を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、車両に搭載されているカメラで撮影した映像として、利用目的に適した条件で撮影された映像を収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る情報処理システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本開示の実施形態に係る情報処理システム1の構成を示す図である。
図1を参照して、本開示の実施形態に係る情報処理システム1の構成及び概要を説明する。
【0013】
情報処理システム1は、情報処理装置10と、端末装置20と、車両30とを備える。情報処理装置10と、端末装置20と、車両30とは、ネットワーク40を介して通信可能に接続されている。ネットワーク40は移動体通信網及びインターネットなどを含むネットワークであってよい。
【0014】
図1では、情報処理装置10、端末装置20及び車両30をそれぞれ1台ずつ示しているが、情報処理装置10、端末装置20及び車両30は、それぞれ2台以上であってもよい。
【0015】
端末装置20は、車両30のユーザが所有している端末装置である。ユーザは、車両30に搭載されているカメラ32によって撮影された映像を、情報処理装置10に送信して提供することを了承しているユーザである。ユーザは、車両30に搭載されているカメラ32によって撮影された映像を、情報処理装置10に送信することを了承している旨を、予め情報処理装置10に登録している。
【0016】
車両30は、例えば、ユーザの自家用車などであってよい。車両30は、例えば、ガソリン車、ディーゼル車、HV(Hybrid Vehicle)、PHV(Plug-in Hybrid Vehicle)、EV(Electric Vehicle)、又はFCV(Fuel Cell Vehicle)などの任意の種類の自動車である。車両30は、任意のレベルで運転が自動化されていてもよい。自動化のレベルは、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)のレベル分けにおけるレベル1からレベル5のいずれかである。
【0017】
情報処理装置10は、車両30に搭載されたカメラ32によって撮影された映像を取得する。この際、情報処理装置10は、カメラ32によって撮影された映像とともに、当該映像が撮影された際の車両30の走行データを取得する。走行データは、車両30の速度データ、車両30が走行した経路データなどを含んでよい。
【0018】
情報処理装置10は、映像が撮影された際の車両30の走行データが所定の条件を満たしている場合に、車両30に搭載されたカメラ32によって撮影された映像を記憶する。
【0019】
情報処理装置10は、例えば、市役所又は県庁などのような地方自治体の役所に設置されていてよい。あるいは、情報処理装置10は、例えば、旅行会社などのような観光関連の企業に設置されていてよい。
【0020】
情報処理装置10は、例えば、観光地を車両30が走行したときに車両30のカメラ32が撮影した観光地の映像を車両30から取得し、情報処理装置10に記憶する。情報処理装置10は、記憶した観光地の映像を、一般の人物が見ることができるように、地方自治体のホームページなどに公開してよい。これにより、ホームページにアクセスして映像を見た人物は、観光地の様子を知ることができる。
【0021】
情報処理装置10は、所定の条件を満たして車両30が走行している状態で撮影された映像のみを記憶してよい。これにより、例えば、観光地の様子を知ることができるという利用目的に適した映像のみを記憶することができる。所定の条件は、車両30の速度が所定の範囲の速度であること、所定の経路を走行していることなどであってよい。情報処理装置10は、車両30の速度が所定の範囲の速度であるときに撮影された映像を記憶することにより、速過ぎたり遅過ぎたりしない、ちょうど良い速度で撮影された映像を記憶することができる。情報処理装置10は、車両30が所定の経路を走行したときに撮影された映像を記憶することにより、紹介したい観光地の映像を含む映像を記憶することができる。
【0022】
情報処理装置10は、端末装置20及び車両30と、ネットワーク40を介して通信可能である。情報処理装置10は、例えば、サーバとして機能するように構成された専用のコンピュータである。情報処理装置10は、汎用のPC(Personal Computer)であってもよい。
【0023】
端末装置20は、情報処理装置10とネットワーク40を介して通信可能である。端末装置20は、例えば、スマートフォン又はタブレットなどであってよい。
【0024】
車両30は、情報処理装置10とネットワーク40を介して通信可能である。
【0025】
図2を参照して、本開示の実施形態に係る情報処理装置10の構成を説明する。
【0026】
情報処理装置10は、通信部11と、記憶部12と、入力部13と、出力部14と、制御部15とを備える。
【0027】
通信部11は、ネットワーク40に接続する通信モジュールを含む。例えば、通信部11は、LAN(Local Area Network)に対応する通信モジュールを含んでもよい。一実施形態において、情報処理装置10は、通信部11を介してネットワーク40に接続されている。通信部11は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。通信部11は、ネットワーク40を介して、端末装置20及び車両30と通信可能である。
【0028】
記憶部12は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限定されない。記憶部12は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、情報処理装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部11によって受信された各種情報等を記憶してもよい。記憶部12に記憶された情報は、例えば通信部11を介してネットワーク40から受信される情報で更新可能であってもよい。記憶部12の一部は、情報処理装置10の外部に設置されていてもよい。その場合、外部に設置されている記憶部12の一部は、任意のインタフェースを介して情報処理装置10と接続されてよい。
【0029】
入力部13は、ユーザ入力を検出して、ユーザの操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力用インタフェースを含む。例えば、入力部13は、物理キー、静電容量キー、出力部14のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声入力を受け付けるマイク等を含むが、これに限定されない。
【0030】
出力部14は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力用インタフェースを含む。例えば、出力部14は、情報を画像で出力するディスプレイ、情報を音声で出力するスピーカ等を含むが、これに限定されない。
【0031】
制御部15は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)などの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。制御部15は、情報処理装置10の各部を制御しながら、情報処理装置10の動作に関わる処理を実行する。
【0032】
図3を参照して、本開示の実施形態に係る端末装置20の構成を説明する。
【0033】
端末装置20は、通信部21と、記憶部22と、入力部23と、出力部24と、制御部25と、位置情報取得部26とを備える。
【0034】
通信部21は、ネットワーク40に接続する通信モジュールを含む。例えば、通信部21は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応する通信モジュールを含んでもよい。一実施形態において、端末装置20は、通信部21を介してネットワーク40に接続されている。通信部21は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。通信部21は、ネットワーク40を介して、情報処理装置10と通信可能である。
【0035】
記憶部22は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限定されない。記憶部22は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、端末装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部21によって受信された各種情報等を記憶してもよい。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワーク40から受信される情報で更新可能であってもよい。記憶部22の一部は、端末装置20の外部に設置されていてもよい。その場合、外部に設置されている記憶部22の一部は、任意のインタフェースを介して端末装置20と接続されてよい。
【0036】
入力部23は、ユーザ入力を検出して、ユーザの操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力用インタフェースを含む。例えば、入力部23は、物理キー、静電容量キー、出力部24のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声入力を受け付けるマイク等であるが、これらに限定されない。
【0037】
出力部24は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力用インタフェースを含む。例えば、出力部24は、情報を画像で出力するディスプレイ、情報を音声で出力するスピーカ等を含むが、これに限定されない。
【0038】
制御部25は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。制御部25は、端末装置20の各部を制御しながら、端末装置20の動作に関わる処理を実行する。
【0039】
位置情報取得部26は、任意の衛星測位システムに対応する1つ以上の受信機を含む。例えば、位置情報取得部26は、GPS(Global Positioning System)受信機を含んでもよい。位置情報取得部26は、端末装置20の位置の測定値を位置情報として取得する。位置情報は、例えば住所、緯度、経度、及び高度等を含む。
【0040】
図1を参照して、本開示の実施形態に係る車両30の構成を説明する。
【0041】
車両30は、通信装置31と、カメラ32と、制御装置33と、ECU(Electronic Control Unit)34と、位置情報取得装置35と、ナビゲーション装置36とを備える。通信装置31、カメラ32、制御装置33、ECU34、位置情報取得装置35及びナビゲーション装置36は、例えばCAN(Controller Area Network)等の車載ネットワーク又は専用線を介して、互いに通信可能に接続されている。
【0042】
通信装置31は、ネットワーク40に接続する通信モジュールを含む。例えば、通信装置31は、LTE、4G及び5G等の移動体通信規格に対応する通信モジュールを含んでもよい。車両30は、通信装置31を介してネットワーク40に接続されている。通信装置31は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。通信装置31は、ネットワーク40を介して、情報処理装置10と通信可能である。
【0043】
カメラ32は、車両30に搭載されている。カメラ32は、走行中に、車両30の前方、後方及び側方の少なくともいずれかを撮影可能である。
図1では1台のカメラ32を示しているが、複数のカメラ32が、車両30に搭載されていてよい。
【0044】
制御装置33は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。制御装置33は、車両30の各部を制御しながら、車両30の動作に関わる処理を実行する。
【0045】
ECU34は、車両30に搭載された各種センサから、車両30に関する各種の車両データを収集する。ECU34は、収集した車両データを制御装置33に出力する。ECU34が収集する車両データは、例えば、速度データ、加速度データ、位置データ、ヘッドライトの状態、自動運転状態、及び、車両30が走行している道路に関するデータ等であってよい。
図1では1つのECU34を示しているが、複数のECU34が、車両30に搭載されていてよい。
【0046】
位置情報取得装置35は、任意の衛星測位システムに対応する1つ以上の受信機を含む。例えば、位置情報取得装置35は、GPS受信機を含んでもよい。位置情報取得装置35は、車両30の位置の測定値を位置情報として取得する。位置情報は、例えば住所、緯度、経度、及び高度等を含む。
【0047】
ナビゲーション装置36は、車両30に搭載されている。ナビゲーション装置36は、目的地が設定されると、車両30のユーザへの経路案内を実行する。より具体的には、ナビゲーション装置36は、車両30の現在位置の情報と、目的地の設定とに基づいて、目的地までの経路を検索し、ユーザへの経路案内を実行する。
【0048】
ナビゲーション装置36は、情報処理装置10と通信可能である。ナビゲーション装置36は、目的地が設定されると、検索された車両30の走行予定の経路の情報を、情報処理装置10に送信する。
【0049】
(情報処理システムの動作)
図1に示す情報処理システム1の動作を、
図1~
図3を参照して説明する。
【0050】
車両30に搭載されているカメラ32によって撮影された映像を、情報処理装置10に送信して提供することが可能なユーザは、車両30に搭載されているカメラ32によって撮影された映像を情報処理装置10に送信可能であることを、予め情報処理装置10に登録している。
【0051】
ユーザは、カメラ32によって撮影された映像を情報処理装置10に送信可能であることを予め情報処理装置10に登録するとき、映像を送信することが可能である旨を示す情報を、端末装置20の入力部23に入力する。制御部25は、映像を送信することが可能である旨を示す情報を、通信部21を介して情報処理装置10に送信する。
【0052】
情報処理装置10の通信部11は、端末装置20が送信した、映像を送信することが可能である旨を示す情報を受信する。制御部15は、端末装置20が送信した、映像を送信することが可能である旨を示す情報を、通信部11を介して取得する。これにより、情報処理装置10は、映像を提供することが可能なユーザに関する情報を登録することができる。
【0053】
車両30に搭載されているカメラ32によって撮影された映像を情報処理装置10に送信可能であることを情報処理装置10に登録しているユーザの人数は、1人以上の任意の人数であってよい。ユーザが複数人いる場合、情報処理装置10の記憶部12は、それぞれのユーザに関する情報を記憶している。
【0054】
情報処理装置10は、収集が必要な映像のリストを、記憶部12に記憶している。収集が必要な映像のリストは、例えば、地方自治体が観光地の紹介のために公開しようと考えている映像のリストであってよい。
【0055】
収集が必要な映像のリストに含まれている各映像は、所定の条件と関連づけて記憶部12に記憶されている。所定の条件は、その映像を車両30のカメラ32が撮影する際に、車両30に満たしておいて欲しい条件である。所定の条件は、例えば、映像を撮影した際の車両30の速度が満たすべき条件を含んでよい。所定の条件は、例えば、映像を撮影した際の車両30が走行すべき経路の条件を含んでよい。
【0056】
制御部15は、収集が必要な映像のリスト及び所定の条件が、地方自治体の職員などによって入力部13によって入力されると、収集が必要な映像のリスト及び所定の条件を、記憶部12に記憶する。あるいは、情報処理装置10は、収集が必要な映像のリスト及び所定の条件を、他の装置からネットワーク40を介して、通信部11によって受信してもよい。この場合、制御部15は、通信部11が受信した、収集が必要な映像のリスト及び所定の条件を、記憶部12に記憶する。
【0057】
車両30に搭載されているナビゲーション装置36は、目的地が設定されると、車両30のユーザへの経路案内を実行する。ナビゲーション装置36は、目的地が設定されると、車両30の走行予定の経路の情報を、情報処理装置10に送信する。
【0058】
情報処理装置10の制御部15は、車両30の走行予定の経路の情報を、通信部21を介してナビゲーション装置36から取得する。制御部15は、取得した車両30の走行予定の経路が、記憶部12に記憶している、収集が必要な映像のリストに含まれる何れかの映像を撮影することが可能な経路付近を通る経路であるかを判定する。制御部15は、収集が必要な映像のリストに含まれる何れかの映像を撮影することが可能な経路付近を通る経路であると判定すると、車両30のユーザの端末装置20に、収集が必要な映像の撮影を依頼する情報を、通信部11を介して送信する。
【0059】
制御部15が送信する、収集が必要な映像の撮影を依頼する情報は、収集が必要な映像と関連づけて記憶部12に記憶されている所定の条件を含む。また、収集が必要な映像の撮影を依頼する情報は、依頼した映像を取得することができた場合にユーザに付与されるインセンティブなどの情報を含んでよい。
【0060】
端末装置20の通信部21は、情報処理装置10が送信した、収集が必要な映像の撮影を依頼する情報を受信する。制御部25は、情報処理装置10が送信した、収集が必要な映像の撮影を依頼する情報を、通信部21を介して取得する。制御部15は、収集が必要な映像の撮影を依頼する情報を、出力部24に出力させる。これにより、ユーザは、収集が必要な映像の撮影を依頼する情報を確認することができる。
【0061】
ユーザは、収集が必要な映像の撮影を依頼する情報に含まれる、所定の条件、インセンティブなどの情報を確認し、映像の撮影の依頼を引き受けるか否かを判断する。
【0062】
映像の撮影の依頼を引き受ける場合、ユーザは、映像の撮影を依頼する情報に含まれる所定の条件に従って、車両30を走行させる。車両30の制御装置33は、車両30の走行中にカメラ32が撮影した映像を、通信装置31を介して、情報処理装置10に送信する。
【0063】
車両30の制御装置33は、車両30の走行データを、常時、ECU34及び位置情報取得装置35から取得している。制御装置33は、車両30の走行中にカメラ32が撮影した映像を情報処理装置10に送信する際、カメラ32が当該映像を撮影したときの走行データも、通信装置31を介して、情報処理装置10に送信する。走行データは、映像を撮影した際の車両30の速度データ、映像を撮影した際に車両30が走行した経路データなどを含んでよい。制御装置33は、車両30の速度データをECU34から取得可能である。制御装置33は、車両30が走行した経路データを、位置情報取得装置35から取得可能である。
【0064】
情報処理装置10の通信部11は、車両30に搭載されたカメラ32によって撮影された映像、及び、当該映像が撮影された際の車両30の走行データを、車両30から受信する。制御部15は、車両30に搭載されたカメラ32によって撮影された映像、及び、当該映像が撮影された際の車両30の走行データを、通信部11を介して取得する。
【0065】
制御部15は、車両30から取得した映像を撮影する際の条件として記憶部12に記憶されている所定の条件と、当該映像とともに取得した車両30の走行データとを比較する。制御部15は、走行データが所定の条件を満たしている場合は、取得した映像を記憶部12に記憶する。制御部15は、走行データが所定の条件を満たしていない場合は、取得した映像を記憶部12に記憶しない。
【0066】
これにより、制御部15は、利用目的に適した条件で撮影された映像のみを、記憶部12に記憶することができる。例えば、所定の条件として、車両30の速度範囲、及び、車両30が通過するべき経路が条件として設定されている場合、制御部15は、所定の速度範囲で走行し、且つ、所定の経路を走行した車両30によって映像が撮影されていた場合に、当該映像を記憶部12に記憶する。
【0067】
制御部15は、車両30から取得した映像を記憶部12に記憶すると、車両30のユーザの端末装置20に、通信部11を介してインセンティブを送信する。インセンティブは、例えば、商品の購入に使用可能なクーポンなどであってよい。このようにインセンティブを送信することにより、情報処理装置10は、車両30のユーザが、車両30のカメラ32で撮影した映像を情報処理装置10に送信することの動機付けを高めることができる。
【0068】
図4に示すフローチャートを参照して、情報処理システム1の動作を説明する。
【0069】
ステップS101において、情報処理装置10の制御部15は、車両30に搭載されたカメラ32によって撮影された映像を取得する。
【0070】
ステップS102において、制御部15は、ステップS101において取得した映像が撮影された際の車両30の走行データを取得する。ステップS101とステップS102は、同時に実行されてよい。
【0071】
ステップS103において、制御部15は、ステップS102において取得した走行データが、ステップS101において取得した映像を撮影する際の条件として記憶部12に記憶されている所定の条件を満たしているか判定する。
【0072】
所定の条件を満たしていると判定した場合(ステップS103のYes)、制御部15は、ステップS104に進み、ステップS101において取得した映像を記憶部12に記憶する。
【0073】
所定の条件を満たしていないと判定した場合(ステップS103のNo)、制御部15は、ステップS105に進み、ステップS101において取得した映像を記憶部12に記憶しない。
【0074】
上述のように、本実施形態に係る情報処理装置10において、制御部15は、車両30に搭載されたカメラ32によって撮影された映像、及び当該映像が撮影された際の車両30の走行データを取得する。制御部15は、走行データが所定の条件を満たしている場合に、車両30から取得した映像を記憶部12に記憶する。これにより、情報処理装置10は、走行データが所定の条件を満たしているときに撮影された映像のみを記憶部12に記憶することができる。したがって、本実施形態に係る情報処理装置10は、車両30に搭載されているカメラ32で撮影した映像として、利用目的に適した条件で撮影された映像を収集することができる。
【0075】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。フローチャートに記載の複数のステップを記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【0076】
例えば、上述した実施形態において情報処理装置10において実行される一部の処理動作が、端末装置20又は車両30において実行されてもよい。また、上述した実施形態において端末装置20において実行される一部の処理動作が、情報処理装置10において実行されてもよい。また、上述した実施形態において車両30において実行される一部の処理動作が、情報処理装置10において実行されてもよい。
【0077】
例えば、スマートフォン又はコンピュータ等の汎用の電子機器を、上述した実施形態に係る情報処理装置10として機能させる構成も可能である。具体的には、実施形態に係る情報処理装置10等の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、電子機器のメモリに格納し、電子機器のプロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、一実施形態に係る開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0078】
例えば、上述した実施形態において、車両30が撮影する映像として、観光地を走行したときに撮影した映像の場合を例に挙げて説明したが、車両30が撮影する映像は、これに限定されない。車両30が撮影する映像は、観光地を走行したときに撮影した映像以外の映像であってもよい。
【0079】
例えば、上述した実施形態において、カメラ32が映像を撮影したときの走行データを、車両30が情報処理装置10に送信するものとして説明したが、車両30に搭載されているナビゲーション装置36が、走行データを車両30に送信してもよい。ナビゲーション装置36は、車両30の速度データ、及び車両30が走行した経路データを、自装置内で取得可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 入力部
14 出力部
15 制御部
20 端末装置
21 通信部
22 記憶部
23 入力部
24 出力部
25 制御部
26 位置情報取得部
30 車両
31 通信装置
32 カメラ
33 制御装置
34 ECU(Electronic Control Unit)
35 位置情報取得装置
36 ナビゲーション装置
40 ネットワーク