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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
B41J2/01 125
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021072734
(22)【出願日】2021-04-22
(65)【公開番号】P2022167143
(43)【公開日】2022-11-04
【審査請求日】2023-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長尾 真一
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-113923(JP,A)
【文献】特開2003-072059(JP,A)
【文献】特開2000-272104(JP,A)
【文献】特開2019-007714(JP,A)
【文献】特開2021-049699(JP,A)
【文献】特開2016-095385(JP,A)
【文献】特開2010-210729(JP,A)
【文献】特開平05-286130(JP,A)
【文献】特開2011-005673(JP,A)
【文献】特開2018-122525(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0028768(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路上の記録材を搬送する搬送部と、
搬送される前記記録材に対してインクを吐出する画像形成部と、
前記画像形成部よりも前記記録材の搬送方向の上流側に配置された、前記記録材を加熱する記録材加熱部と、
前記記録材加熱部を覆い、前記記録材の搬送方向の上流側に設けられた記録材搬入口と、下流側に設けられた記録材排出口とを有する筐体と、
前記搬送経路の上方において、前記記録材排出口と前記画像形成部との間に配置され、前記記録材排出口から排出される空気が前記画像形成部へ流入することを遮る遮蔽部材と、を備え
前記遮蔽部材が、前記搬送経路の前記記録材の画像形成面側において、前記記録材と非接触の位置に配置された板状部材であり、
前記記録材の搬送方向と直交する方向において、前記板状部材の中央が前記板状部材の端部よりも前記記録材の搬送方向の上流側に配置される
画像形成装置。
【請求項2】
前記記録材加熱部は、前記記録材に接触せずに加熱する非接触加熱装置を有する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記板状部材の前記搬送経路側の端部が、前記搬送経路側と反対側の端部よりも前記記録材の搬送方向の上流側に傾いて配置される
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記遮蔽部材は、前記記録材排出口から排出される空気が導入される気体流路を構成する
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記気体流路内に、前記気体流路内に導入された空気を移動させる送風部を備える
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記気体流路は、前記気体流路から前記筐体内に空気が導入される形状を有する
請求項4又は5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記気体流路は、前記気体流路から前記筐体の前記記録材の搬送方向の上流側に空気を導入する形状を有する
請求項4又は5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記記録材加熱部は、前記記録材の画像形成面に配置された第1記録材加熱部と、前記画像形成面の反対面に配置された第2記録材加熱部とを有する
請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記記録材加熱部の駆動を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記第1記録材加熱部の出力と、前記第2記録材加熱部の出力とを、それぞれ独立して制御する
請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
搬送経路上の記録材を搬送する搬送部と、
搬送される前記記録材に対してインクを吐出する画像形成部と、
前記画像形成部よりも前記記録材の搬送方向の上流側に配置された、前記記録材を加熱する記録材加熱部と、
前記記録材加熱部を覆い、前記記録材の搬送方向の上流側に設けられた記録材搬入口と、下流側に設けられた記録材排出口とを有する筐体と、
前記搬送経路の上方において、前記記録材排出口と前記画像形成部との間に配置され、前記記録材排出口から排出される空気が前記画像形成部へ流入することを遮る遮蔽部材と、を備え
前記遮蔽部材が、前記搬送経路の前記記録材の画像形成面の上方に配置され、前記記録材に接触して回転自在に保持されたローラー部材であり、
前記ローラー部材は、前記ローラー部材の前記記録材との接触部を加熱するローラー加熱部を備える
画像形成装置。
【請求項11】
前記記録材加熱部は、前記記録材の画像形成面に配置された第1記録材加熱部と、前記画像形成面の反対面に配置された第2記録材加熱部とを有する
請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記記録材加熱部の駆動を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記第1記録材加熱部の出力と、前記第2記録材加熱部の出力とを、それぞれ独立して制御する
請求項11に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に係わる。
【背景技術】
【0002】
記録材に対してインクを吐出し、記録材上に画像を形成する画像形成装置がある。画像形成装置で用いられるインクには、記録材上に着弾した後の温度状態等に応じて最終的な状態、例えば、発色や光沢に違いが生じるものが多くある。このような場合には、記録材を適切な温度に加熱するための温度制御が重要となる。
インク着弾前の記録材を適切な温度に加熱する方法として、加熱ローラー等による接触式の加熱部を画像形成部の上流側に備える構成が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。この加熱部では、インク吐出対象の記録材を加熱ローラーに当接させ、インク着弾前に予め記録材を適切な温度に加熱している。
【0003】
また、インクを吐出して画像を形成した後、加熱部において記録材を加熱して着弾したインクの乾燥を乾燥させる構成の画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この画像形成装置では、非接触式の加熱部を用いることにより、加熱ローラー等の接触による形成した画像や記録材の表面の損傷を抑制している。
また、画像形成装置において、非接触式の加熱部を備える構成では、加熱部においてインクの乾燥に用いる加熱された空気が、加熱部の上流側に配置された画像形成部に流入しやすい。加熱された空気が画像形成部に流入すると、インクヘッド部が加熱されて、インクヘッド部の温度上昇や、着弾位置の精度が悪化、インクの乾燥によるノズルの詰まり等が発生してしまう。この対策として、特許文献2に記載の画像形成装置では、画像形成部と非接触式の加熱部との間に防風板が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-104198号公報
【文献】特開2010-162701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1及び特許文献2に記載された画像形成装置の構成において、記録材の温度制御のために画像形成前の記録材を加熱するために非接触式の加熱部を適用した場合、加熱部によって加熱された空気が画像形成部に流入しやすく、インクヘッド部の温度上昇によって着弾位置の精度の悪化等が発生してしまう。
引用文献2には、画像形成部に逆流することを防止することを目的として防風板が設けられているが、画像形成部の上流に配置された加熱部からの加熱空気を防ぐ構成は記載されていない。このため、上述の特許文献2に記載された画像形成装置の構成では、画像形成部への加熱空気の流入による着弾位置の精度の悪化等が発生してしまう。この結果、画像形成装置において、記録材への画像形成の精度が低下してしまう。特に、近年では記録媒体搬送速度の高速化や装置の小型化によって、加熱部と画像形成部とが近接しやすい構成のため、記録材への画像形成の精度の低下を抑制する構成が求められている。
【0006】
上述した問題の解決のため、本発明においては、記録材への画像形成の精度の低下を抑制することが可能な画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、搬送経路上の記録材を搬送する搬送部と、搬送される記録材に対してインクを吐出する画像形成部と、画像形成部よりも記録材の搬送方向の上流側に配置された、記録材を加熱する記録材加熱部と、記録材加熱部を覆い、記録材の搬送方向の上流側に設けられた記録材搬入口と、下流側に設けられた記録材排出口とを有する筐体と、搬送経路の上方において、記録材排出口と画像形成部との間に配置され、記録材排出口から排出される空気が画像形成部へ流入することを遮る遮蔽部材とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、記録材への画像形成の精度の低下を抑制することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の画像形成装置の概略構成を示す図である。
図2】加熱部と画像形成部との間に遮蔽部材が設けられていない画像形成装置の構成を示す図である。
図3】画像形成装置の主要な構成を示すブロック図である。
図4】第2実施形態の画像形成装置の加熱部、遮蔽部材、及び、画像形成部の一部とを示す図である。
図5】第3実施形態の画像形成装置の加熱部、遮蔽部材、及び、画像形成部の一部とを示す図である。
図6】第4実施形態の画像形成装置の加熱部、遮蔽部材、及び、画像形成部の一部とを示す図である。
図7】第5実施形態の画像形成装置の加熱部、遮蔽部材、及び、画像形成部の一部とを示す図である。
図8】第6実施形態の画像形成装置の加熱部、遮蔽部材、及び、画像形成部の一部とを示す図である。
図9】第7実施形態の画像形成装置の加熱部、遮蔽部材、及び、画像形成部の一部とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.画像形成装置の第1実施形態
2.画像形成装置の第2実施形態
3.画像形成装置の第3実施形態
4.画像形成装置の第4実施形態
5.画像形成装置の第5実施形態
6.画像形成装置の第6実施形態
7.画像形成装置の第7実施形態
【0011】
〈1.画像形成装置の第1実施形態〉
以下、本発明の画像形成装置の具体的な実施の形態について説明する。
図1に、第1実施形態の画像形成装置の概略構成図を示す。図1に示す画像形成装置1は、記録材供給部10、加熱部20、遮蔽部材70、画像形成部30、記録材排出部40、及び、図示しない制御部50(図3参照)を備える。また、図1に示す画像形成装置1は、記録材搬送方向と直交する方向から見た、画像形成装置1の側面図である。なお、図では、加熱部20と画像形成部30とにおける空気の流れを矢印で示している。
【0012】
[記録材供給部]
記録材供給部10は、載置トレイ11と送出ローラー12等を備える。記録材供給部10は、載置トレイ11上に記録材Sを貯留し、画像形成を行う際に切なタイミングで送出ローラー12を駆動し記録材Sを順番に加熱部20へと供給する。
【0013】
載置トレイ11は、記録材Sを重ねて載置可能な板状の部材であり、最上部に載置された記録材Sを加熱部20へと送出する。載置トレイ11に載置される記録材Sとしては、特には限られないが、例えば、フィルム、アクリル板、PET等の樹脂板、枚葉紙、厚紙や段ボール材等が挙げられる。載置トレイ11は、上下方向に移動可能であり、ここでは、載置されている記録材Sの全重量等に応じて最上の記録材Sが加熱部20への送出位置で保持されるように位置が保たれる。
【0014】
送出ローラー12は、記録材Sを上下から挟持して加熱部20へと送出する。記録材供給部10は、記録材Sの搬送面内において送出方向(搬送方向)に直交する方向(幅方向)に、記録材Sを所定の範囲に制限する図示しないガイド部材を有する。送出ローラー12は、適切な位置及び向きで記録材Sを送出する。
【0015】
[加熱部]
加熱部20は、搬送される記録材Sの画像形成面側を加熱する第1記録材加熱部22と、記録材Sの裏面側を加熱する第2記録材加熱部23とを有する。また、加熱部20は、上記第1記録材加熱部22及び第2記録材加熱部23を覆う筐体21を有する。また、加熱部20は、図示しない温度センサー226(図3)を備える。温度センサー226は、筐体21の内部における空気の温度を計測して制御部50(図3)に出力する。温度センサー226としては、従来周知の半導体温度センサーなどを用いることができる。
【0016】
(筐体)
筐体21は、第1記録材加熱部22及び第2記録材加熱部23を覆い、内部の空気を保持する部材である。筐体21には、記録材Sの搬送方向の上流側端部(受け入れ端)に、記録材Sを通過させるスリット状の開口部である記録材搬入口24が設けられている。また、筐体21には、記録材Sの搬送方向の下流側端部(送出端)に、記録材Sを通過させるスリット状の開口部である記録材排出口25が設けられている。
【0017】
筐体21は、記録材搬入口24、及び、記録材排出口25以外の部分が、封止されていることが好ましい。これにより、筐体21内への空気の流入が抑制される。また、筐体21には、特には限られないが、断熱性の高い周知の部材を用いることで、熱の出入を更に抑制する構成とすることが可能である。筐体21の内部は、視認可能であってもなくてもよい。
【0018】
(第1記録材加熱部、第2記録材加熱部)
第1記録材加熱部22及び第2記録材加熱部23は、第1記録材加熱部22と第2記録材加熱部23との間を通過する記録材Sを、非接触で加熱する。第1記録材加熱部22及び第2記録材加熱部23は、非接触で記録材Sを加熱可能な構成であれば特に限定されず、例えば、シーズヒーター、カーボンヒーター、カートリッジヒーター等の非接触加熱装置を適用できる。
【0019】
加熱部20における記録材Sの加熱は、記録材Sに着弾後のインクの状態制御のためであり、記録材Sの画像形成面の温度制御が目的である。このため、加熱部20では、インクの着弾時に適正な温度となるように記録材Sを加熱する。加熱部20は、温度センサー226(図3)で計測した筐体21の内部の空気の温度を基に、制御部50(図3)によって出力が制御される。
【0020】
第1記録材加熱部22及び第2記録材加熱部23は、それぞれ独立して制御部50(図3)によって制御される。第1記録材加熱部22と第2記録材加熱部23とを独立して制御することにより、記録材Sの画像形成面と裏面とを、それぞれ異なる温度に加熱することができる。特に、記録材Sの裏面側の温度は、画像形成面の温度制御のために記録材Sの伝熱を考慮し、画像形成面と別の温度に設定する場合がある。
このように、制御部50によって第1記録材加熱部の出力と、第2記録材加熱部の出力とがそれぞれ独立して制御することにより、記録材Sの画像形成面の温度のより高い精度で制御することが可能となる。
【0021】
[画像形成部]
画像形成部30は、記録材Sの搬送方向において、加熱部20の下流側に設けられている。画像形成部30は、加熱部20から搬送された記録材Sの表面に、インクを吐出及び定着させて画像形成し、インクが定着した記録材Sを記録材排出部40に送出する。画像形成部30は、搬送部31、支持部321,322,323、画像形成動作部33、定着部34、及び、読取部35等を備える。
【0022】
搬送部31は、搬送ベルト311、駆動ローラー312、及び、従動ローラー313等を有する。搬送ベルト311は、駆動ローラー312及び従動ローラー313の間に架け渡された、記録材Sより長い無端状の帯状部材である。搬送ベルト311としては、特には限られないが、樹脂又はスチールベルトが用いられている。搬送ベルト311は、駆動ローラー312が搬送モーター315(図3参照)により回転駆動されることによって周回移動する。これにより、搬送ベルト311の外周面(搬送面)上に載置された記録材Sは、搬送ベルト311の周回移動速度で搬送される。なお、ここでは、単一の搬送ベルト311が記録材Sを加熱部20から記録材排出部40まで搬送しているが、複数の搬送ベルトにより受け渡されて記録材Sの搬送が行われてもよい。
【0023】
支持部321,322,323は、それぞれ、搬送ベルト311の内周面側で当該搬送ベルト311に沿って設けられている。支持部321は、画像形成動作部33のインク吐出範囲に対応する範囲を含む範囲に設けられている。支持部322は、定着部34のインク定着範囲に対応する範囲を含む範囲に設けられている。支持部323は、読取部35による読取範囲に対応する範囲を含む範囲に設けられている。支持部321,322,323は、周回移動する搬送ベルト311を支持することで、搬送ベルト311に載置された記録材Sを支持し、インク吐出範囲、インク定着範囲及び読取範囲において、それぞれ記録材Sを適切な位置に保つ。好ましくは、支持部321,322,323が微細孔を有し、搬送ベルト311との接触面と反対側から吸引することで記録材Sをより安定に搬送ベルト311に吸着させる構成を適用できる。
【0024】
画像形成動作部33は、ノズルが設けられたインクジェットヘッド331等を有する。画像形成動作部33は、搬送ベルト311に載置されて搬送方向に搬送される記録材Sに対して、インクジェットヘッド331から順次インクを吐出することで、記録材S上に二次元の画像を形成する。画像形成動作部33は、搬送される記録材Sに対して、予め定められた画像形成幅にわたって一度にインクを吐出可能である。また、画像形成動作部33は、適切なタイミングでインクジェットヘッド331のノズルからインク吐出範囲内にインクを吐出する。
【0025】
図1に示す画像形成動作部33は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒色(K)の4色のインクをそれぞれ吐出する4つのインクジェットヘッド331を有する例を示している。インクジェットヘッド331の配列順は、画像形成に好ましい順番で適切に入れ替えられる。また、画像形成動作部33は、これら4色のインクと共に、他の色のインク(透明インクを含む)を吐出するインクジェットヘッドを備えていてもよい。画像形成動作部33は、例えば、温度変化によってゾル状態とゲル状態の間で相変化し、紫外線の照射によって定着硬化する紫外線硬化型のインクを用いる。インクジェットヘッド331は、このインクを適切な粘度のゾル状態に保つインク加熱部332(図3)と、インクを吐出させるために圧力変化を加える吐出駆動部333(図3)等を有する。
【0026】
定着部34は、記録材S上に着弾したインクに対し、定着範囲に紫外線を照射してインクを定着させる。定着部34は、紫外線照射部341(図3)を備る。定着部34の紫外線の光源は特には限られないが、例えば紫外線を発光するLED(light emitting diode)ランプ等が用いられる。
【0027】
読取部35は、インクが定着した記録材S上の画像を撮像して読み取り、読み取り信号を制御部50(図3)に対して出力する。読取部35としては、例えば、ラインセンサーを有する撮像部351(図3)が用いられる。ラインセンサーは、記録材Sの幅方向にわたって撮像可能であり、記録材Sの搬送に従って順次撮像動作を行うことで二次元画像を取得する。ラインセンサーの各撮像素子としては、CCDセンサーやCMOSセンサー等が使用可能である。
【0028】
[遮蔽部材]
遮蔽部材70は、記録材Sの搬送経路において、加熱部20の筐体21と画像形成部30の画像形成動作部33との間に設けられている。また、遮蔽部材70は、記録材Sの搬送経路において、記録材Sの画像形成面側の上方に配置されている。遮蔽部材70は、加熱部20の筐体21から画像形成動作部33への空気の流入を妨げるために設けられている。
【0029】
加熱部20では、記録材Sに対して非接触の第1記録材加熱部22及び第2記録材加熱部23を用いている。このため、記録材Sだけでなく、筐体21内の空気も加熱される(以下、加熱空気とも称する)。
筐体21には、記録材搬入口24と記録材排出口25とが設けられているため、加熱空気が記録材搬入口24と記録材排出口25とか流出する。筐体21内で加熱された空気が、記録材Sの搬送方向下流側から画像形成部30に流入すると、画像形成動作部33のインクジェットヘッド331が加熱される。このようなインクジェットヘッド331の温度上昇は、画像形成の際に吐出するインクの着弾位置の精度の悪化等を招く。
【0030】
特に、筐体21から記録材Sが搬出される際には、搬送される記録材Sに巻き込まれるように加熱空気が筐体21から流出する。例えば、加熱部20と画像形成部30との間に遮蔽部材70が設けられていない構成を、図2に示す。図2は、図1に示す画像形成装置1において、加熱部20と画像形成部30の一部とを示す図である。図2では、記録材Sが筐体21から画像形成部30に搬送されている状態を示している。また、図2では、画像形成部30として画像形成動作部33と支持部321のみを示している。
【0031】
図2に示すように、記録材Sは、記録材排出口25から搬出される。このとき、この記録材Sの搬出に巻き込まれるように、筐体21内の加熱空気82が記録材排出口25から筐体21外に流出する。そして、筐体21から流出した加熱空気83が、画像形成動作部33と支持部321との間に流入する。
この画像形成部30に流入した加熱空気83によって、画像形成動作部33のインクジェットヘッド331が加熱される。このため、インクジェットヘッド331の温度が上昇し、画像形成の際に吐出するインクの着弾位置の精度の悪化や、インクの乾燥によるノズルの詰まり等が発生してしまう。
【0032】
このため、図1に示す画像形成装置1のように、加熱部20の筐体21と画像形成部30の画像形成動作部33との間に遮蔽部材70を設け、筐体21から画像形成動作部33への加熱空気80の流入を抑制する。
遮蔽部材70は、加熱空気80を遮ることが可能な構成であれば、形状や材質等は特に限定されない。遮蔽部材70は、加熱空気80に対して十分な耐熱性を有する部材で形成されることが好ましい。
【0033】
図1に示す画像形成装置1は、遮蔽部材70が剛性の高い平板状部材によって形成された例である。遮蔽部材70が剛性の高い平板状部材で形成されている場合、遮蔽部材70が記録材Sと接触すると、記録材Sの表面に損傷が発生しやすい。このため、遮蔽部材70は、図1に示すように搬送経路との間に記録材Sが通過する空間を開けて、搬送される記録材Sと接触しない位置に配置される。
【0034】
遮蔽部材70は、搬送される記録材Sの画像形成面側に配置されている。筐体21の画像形成面の反対側(裏面側)から流出する加熱空気80は、記録材Sと支持部321によって遮られるため、画像形成動作部33に流入しにくい。このため、遮蔽部材70は、記録材Sの画像形成面側のみに配置されていればよい。
【0035】
また、遮蔽部材70は、記録材Sの搬送経路側の端部が、搬送経路側と反対側の端部よりも記録材搬送方向の上流側となるように斜めに配置されている。即ち、搬送経路側の端部が加熱部20に近く、搬送経路と逆側の端部が画像形成部30に近くなるように配置されている。
【0036】
筐体21から排出された加熱空気80は、周囲の空気よりも温度が高く比重が軽いため、遮蔽部材70に沿って上昇しやすい。このため、遮蔽部材70を図1に示す配置とすることにより、加熱空気80が遮蔽部材70に沿って上昇しやすくなる。この結果、加熱空気80は、遮蔽部材70と搬送経路との間から、画像形成部30に流入しにくくなる。そして、画像形成部30には、加熱されていない周囲の空気81が、記録材Sの搬送に巻きこまれて流入する。
【0037】
従って、画像形成装置1は、遮蔽部材70を備えることにより、画像形成部30への加熱空気80の流入を抑制し、画像形成動作部33の加熱を抑制することができる。この結果、画像形成時の着弾位置の精度の悪化等を抑制することができ、画像形成装置において記録材への画像形成の精度の低下等を抑制することができる。
【0038】
遮蔽部材70は、記録材Sの搬送方向と直交する方向(幅方向)の大きさは特に限定されない。例えば、遮蔽部材70は、筐体21に設けられた記録材排出口25の幅以上に形成されていることが好ましい。また、遮蔽部材70は、画像形成装置1において使用される記録材Sの最大幅以上に形成されていることが好ましい。また、遮蔽部材70は、画像形成部30において、搬送部31に画像形成動作部33が配置されている幅以上に形成されていることが好ましい。
【0039】
また、遮蔽部材70は、記録材Sの画像形成面の上方(高さ方向)の大きさは特に限定されない。遮蔽部材70は、画像形成動作部33に加熱空気が流入しにくい高さに形成されていればよい。例えば、遮蔽部材70は、画像形成部30において、搬送部31に画像形成動作部33が配置されている高さ以上に形成されていることが好ましい。
【0040】
[記録材排出部]
記録材排出部40は、搬送部31から受け渡された記録材Sがユーザーに取り出されるまで載置して保持する。記録材排出部40は、排出トレイ41及びガイドローラー42を備える。ガイドローラー42は、搬送部31から受け渡された記録材Sを上下から挟持して搬送し、排出トレイ41上に載置させる。排出トレイ41は、載置トレイ11と同様に、載置された記録材Sの全体の重量に応じて上下することで、ガイドローラー42により送られた記録材Sの垂直方向への降下量を低減させてもよい。
【0041】
[画像形成装置の構成図]
図3は、画像形成装置1の主要な構成を示すブロック図である。
図3に示すように、画像形成装置1は、制御部50、記憶部61、入出力インターフェイス62、表示操作受付部63、バス69、搬送モーター315、第1記録材加熱部22、第2記録材加熱部23、温度センサー226(温度計測部)、インク加熱部332、吐出駆動部333、紫外線照射部341、撮像部351、送風部75、及び、ローラー加熱部79等を備える。
また、制御部50は、主制御部51、搬送制御部52、記録材加熱制御部53、ヘッド制御部54、定着制御部55、読取制御部56、送風制御部57、及び、ローラー加熱制御部58等を備える。
【0042】
主制御部51は、画像形成装置1の全体動作を統括制御する。主制御部51は、CPU(Central Processing Unit)511と、RAM(Random Access Memory)512と、ROM(Read Only Memory)513を備える。CPU511は、各種演算処理を行い、制御プログラム等に基づいて各種制御動作を行う。RAM512は、CPU511に対して作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。主制御部51(CPU511)の動作には、画像形成の対象として取得された画像データを適切に処理して吐出駆動部333の駆動用の最終的なデータに変換する処理が含まれる。
【0043】
ROM513は、CPU511が実行する各種制御プログラムや初期設定等を格納する。ROM513は、書き換え更新可能なフラッシュメモリー等を有していてもよい。この場合には、ROM513は、初期設定だけではなく、更新、追加された制御プログラムや設定データ等を記憶することができる。設定データとしては、記録材の種別(材質)や厚さ等に応じた第1記録材加熱部22及び第2記録材加熱部23による加熱温度、送風部75による風量(風圧)、ローラー加熱部79による加熱温度、及び、必要に応じて搬送部31による搬送速度の設定が含まれる。これらの設定データは、記憶部61の不揮発性メモリー等に記憶されていてもよい。
【0044】
搬送制御部52は、搬送モーター315の回転動作を制御し、記録材Sの搬送状態に係る制御を行う。
記録材加熱制御部53は、温度センサー226から入力される計測温度データ(計測結果)等に基づいて、第1記録材加熱部22及び第2記録材加熱部23の出力を制御する。
ヘッド制御部54は、インク加熱部332及び吐出駆動部333の動作を制御し、画像データに基づいて記録材S上の適切な位置にインクを着弾させる。
定着制御部55は、紫外線照射部341による紫外線照射に係る動作を制御する。
読取制御部56は、撮像部351の動作を制御する。
送風制御部57は、後述する送風部75の動作を制御することで、送風部75の風量や風圧等の出力を制御する。
ローラー加熱制御部58は、後述するローラー加熱部79の出力や温度を制御する。
【0045】
これら主制御部51、搬送制御部52、記録材加熱制御部53、ヘッド制御部54、定着制御部55、読取制御部56、送風制御部57、及び、ローラー加熱制御部58は、バス69を介して互いに接続されている。なお、制御部50を構成する各制御部の制御動作は、主制御部51の各構成が統括的に行うものであってもよい。また、これらの制御部50の各構成は各々別個にCPUや専用のハードウェア回路を有していてもよい。
【0046】
記憶部61は、画像形成の対象とされる画像データやその処理済データを一時記憶する。記憶部61は、例えば不揮発性メモリー等によって構成される。
入出力インターフェイス62は、画像形成装置1と外部との通信を通信規格に従って制御する。入出力インターフェイス62には、例えば、ネットワークカードが含まれ、LAN(Local Area Network;有線接続だけではなく無線LANが含まれてもよい)を介して外部のコンピューター端末やプリントサーバー等とデータの送受信が可能である。受信されるデータとしては、プリントジョブ、すなわち、画像形成動作に係る命令、設定及び画像形成対象の画像データが含まれる。送信されるデータとしては、画像形成動作のステータス情報等が含まれる。
【0047】
表示操作受付部63は、主制御部51の制御に基づいて表示部に表示動作を行い、また、外部からの入力操作を受け付けて信号に変換し、主制御部51に出力する。表示部としては、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置が用いられる。入力操作の受付には、当該表示部に重ねて設けられたタッチパネル(タッチセンサー)等が用いられる。また、表示に係る構成として、表示部に加えてLEDランプ等を有していてもよい。また、操作の受付に係る構成として、タッチパネルに加えてテンキーや押しボタンスイッチ等を有していてもよい。
【0048】
〈2.画像形成装置の第2実施形態〉
次に、画像形成装置の第2実施形態について説明する。
上述の第1実施形態では、遮蔽部材が1つの平板状部材で構成される例について説明したが、遮蔽部材は平板状部材が複数組み合わされた構成であってもよい。このため、第2実施形態の画像形成装置として、複数の平板状部材から構成された遮蔽部材を備える例について説明する。なお、第2実施形態では、遮蔽部材の構成を除き、上述の第1実施形態と同様の構成を適用することができる。このため、上述の第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
【0049】
[遮蔽部材]
図4に、図1に示す画像形成装置1に対応する加熱部20、遮蔽部材71、及び、画像形成部30の一部の構成を示す。図4では、画像形成部30として、画像形成動作部33と支持部321のみを示している。画像形成装置1において、遮蔽部材71以外の構成は、図1に示す画像形成装置1と同様の構成を適用できる。
【0050】
また、図4は、加熱部20、遮蔽部材71、及び、画像形成部30の一部を、搬送される記録材Sの画像形成面側(上方側)から見た図である。図4では、加熱部20の筐体21と画像形成部30の画像形成動作部33との間の記録材Sの搬送経路において、遮蔽部材71が、加熱部20の筐体21から画像形成動作部33への空気の流入を妨げるように設けられている。
【0051】
図4に示す遮蔽部材71は、剛性の高い2枚の平板状部材を組み合わせた構成を有する。遮蔽部材71は、剛性の高い平板状部材で形成されているため、図1に示す構成と同様に、遮蔽部材71と搬送経路との間に記録材Sが通過する空間を開けて配置される。このため、遮蔽部材71は、搬送される記録材Sと接触しない位置に配置されている。
【0052】
また、遮蔽部材71は、記録材Sの搬送経路の幅方向において、中央部分で平板状部材が屈曲した形状を有し、中央部が側端部よりも上流側となるように配置されている。すなわち、遮蔽部材71は、中央部が最も加熱部20に近接し、側端部側ほど加熱部20から遠ざかるように構成されている。なお、遮蔽部材71は、折り曲げられた1枚の平板状部材によって構成されてもよく、2枚の平板状部材が接合された構成であってもよい。
【0053】
筐体21から排出された加熱空気84は、記録材Sの搬送に巻き込まれるように、加熱部20から画像形成部30の方向に流れる。このとき、遮蔽部材71が上記の形状を有することにより、筐体21から排出された加熱空気84が、遮蔽部材71に沿って搬送経路の幅方向に流れやすくなる。また、加熱空気84は、周囲の空気よりも温度が高く比重が軽いため、遮蔽部材71に沿って幅方向に流れながら上昇する。この結果、加熱空気84は、遮蔽部材71と搬送経路との間から、画像形成部30に流入しにくくなる。
【0054】
従って、遮蔽部材71によって画像形成部30への加熱空気84の流入を抑制し、画像形成動作部33の加熱を抑制することができる。この結果、画像形成時の着弾位置の精度の悪化等を抑制することができ、画像形成装置において記録材への画像形成の精度の低下等を抑制することができる。
【0055】
遮蔽部材71においても、高さ方向の大きさ、及び、幅方向の大きさは特に限定されない。例えば、遮蔽部材71は、筐体21に設けられた記録材排出口25の幅以上に形成されていることが好ましい。また、遮蔽部材71は、画像形成装置1において使用される記録材Sの最大幅以上に形成されていることが好ましい。また、遮蔽部材71は、画像形成部30において、搬送部31に画像形成動作部33が配置されている幅以上に形成されていることが好ましい。また、遮蔽部材71は、例えば、画像形成部30において、搬送部31に画像形成動作部33が配置されている高さ以上に形成されていることが好ましい。
【0056】
〈3.画像形成装置の第3実施形態〉
次に、画像形成装置の第3実施形態について説明する。
上述の第1実施形態及び第2実施形態では、遮蔽部材として平板状部材を用いる例について説明したが、遮蔽部材は加熱空気を遮ることが可能な構成であれば平板状部材に限られない。このため、第3実施形態の画像形成装置として、ローラーによって構成された遮蔽部材を備える例について説明する。なお、第3実施形態では、遮蔽部材の構成を除き、上述の第1実施形態と同様の構成を適用することができる。このため、上述の第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
【0057】
[遮蔽部材]
図5に、図1に示す画像形成装置1に対応する加熱部20、遮蔽部材72、及び、画像形成部30の一部の構成を示す。図5では、画像形成部30として、画像形成動作部33と支持部321のみを示している。画像形成装置1において、遮蔽部材72以外の構成は、図1に示す画像形成装置1と同様の構成を適用できる。
【0058】
図5に示す遮蔽部材72は、搬送される記録材Sに当接する位置に配置され、回転自在に保持されたローラー部材によって形成されている。ローラー部材によって構成された遮蔽部材72は、記録材Sを支持部321との間で挟持して加熱部20へと送出する。
【0059】
遮蔽部材72は、制御部50の搬送制御部52によって制御された搬送モーター315(図3)の駆動によって、記録材Sの搬送に合わせて回転動作を行う。これにより、加熱部20から遮蔽部材72に搬送された記録材Sを、画像形成部30に搬送することができる。
また、遮蔽部材72がローラー部材によって構成され、記録材Sの搬送に合わせて回転駆動することにより、記録材Sの表面に損傷が発生しにくい。このため、図5に示すように、搬送される記録材Sと接触する位置に遮蔽部材72を配置することができる。
【0060】
筐体21において加熱された空気(加熱空気82)は、記録材Sの搬送に巻き込まれるように、記録材排出口25から筐体21外に流入する。このとき筐体21から排出された加熱空気83が、遮蔽部材72によって遮られる。すなわち、遮蔽部材72がローラー部材からなり、遮蔽部材72と当接した状態で記録材Sが搬送されるため、遮蔽部材72と記録材搬送経路(支持部321)との間からの加熱空気83の通過を遮ることができる。このため、遮蔽部材72は、記録材Sを搬送しながら、画像形成動作部33のインクジェットヘッド331への加熱空気83の流入を遮ることができる。
【0061】
従って、遮蔽部材72によって画像形成部30への加熱空気83の流入を抑制し、画像形成動作部33の加熱を抑制することができる。この結果、画像形成時の着弾位置の精度の悪化等を抑制することができ、画像形成装置において記録材への画像形成の精度の低下等を抑制することができる。
【0062】
また、遮蔽部材72は、ローラー部材の内部に、ローラー部材の記録材Sとの接触部を加熱するローラー加熱部79を備える。ローラー加熱部79は、制御部50のローラー加熱制御部58(図3)によって出力が制御される。ローラー加熱部79によって遮蔽部材72のローラー部材を加熱し、記録材Sに加熱した遮蔽部材72を当接させることにより、より高い精度で記録材Sの温度調整を行うことが可能となる。
【0063】
遮蔽部材72において、ローラー部材の形状や材料については特に限定されない。遮蔽部材72は、ローラー部材に、記録材Sの搬送が可能であり、記録材Sの搬送に損傷を与えない柔軟な部材を用いることが好ましい。また、遮蔽部材72において、ローラー部材は、ローラー加熱部79の加熱に対して耐熱性を有し、記録材Sへの熱伝導性に優れる材料を用いることが好ましい。
【0064】
遮蔽部材72において、ローラー部材の高さ方向の大きさ、及び、幅方向の大きさは特に限定されない。例えば、遮蔽部材72を構成するローラー部材は、筐体21に設けられた記録材排出口25の幅以上に形成されていることが好ましい。また、ローラー部材は、画像形成装置1において使用される記録材Sの最大幅以上に形成されていることが好ましい。また、画像形成部30において、ローラー部材は、搬送部31に画像形成動作部33が配置されている幅以上に形成されていることが好ましい。また、遮蔽部材72を構成するローラー部材は、例えば、画像形成部30において、搬送部31に画像形成動作部33が配置されている高さ以上に形成されていることが好ましい。
【0065】
〈4.画像形成装置の第4実施形態〉
次に、画像形成装置の第4実施形態について説明する。
上述の第1実施形態及び第2実施形態では、遮蔽部材として剛性の高い平板状部材を用いる例について説明したが、遮蔽部材は加熱空気を遮ることが可能な構成であれば剛性の高い平板状部材に限られない。このため、第4実施形態の画像形成装置として、可撓性部材によって構成された遮蔽部材を備える例について説明する。なお、第4実施形態では、遮蔽部材の構成を除き、上述の第1実施形態と同様の構成を適用することができる。このため、上述の第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
【0066】
[遮蔽部材]
図6に、図1に示す画像形成装置1に対応する加熱部20、遮蔽部材73、及び、画像形成部30の一部の構成を示す。図6では、画像形成部30として、画像形成動作部33と支持部321のみを示している。画像形成装置1において、遮蔽部材73以外の構成は、図1に示す画像形成装置1と同様の構成を適用できる。
【0067】
また、図6は、加熱部20、遮蔽部材73、及び、画像形成部30の一部を、搬送される記録材Sの搬送方向と直交する方向から見た、画像形成装置1の側面図である。図6では、加熱部20の筐体21と画像形成部30の画像形成動作部33との間の記録材Sの搬送経路において、遮蔽部材73が、加熱部20の筐体21から画像形成動作部33への空気の流入を妨げるように設けられている。
【0068】
図6に示す遮蔽部材73は、可撓性の高い部材(可撓性部材)によって形成されている。遮蔽部材73は、可撓性部材で形成されているため、図1に示す構成と異なり、搬送される記録材Sと接触しても、記録材Sの表面に損傷が発生しにくい。このため、遮蔽部材73は、搬送される記録材Sと接触する位置に配置することができる。
【0069】
筐体21において加熱された空気(加熱空気82)は、記録材Sの搬送に巻き込まれるように、記録材排出口25から筐体21外に流入する。このとき、筐体21から排出された加熱空気83が遮蔽部材73によって遮られる。このため、遮蔽部材73によって、画像形成動作部33のインクジェットヘッド331への加熱空気83の流入を遮ることができる。
【0070】
また、遮蔽部材73は、搬送経路側の端部が、支持部321と接触し、搬送方向下流側に屈曲した状態で保持されている。この状態で遮蔽部材73を保持することにより、遮蔽部材73が搬送される記録材Sと当接しやすくなる。そして、遮蔽部材73と記録材S接触面積が増加するため、遮蔽部材73と記録材搬送経路(支持部321)の間からの加熱空気83の通過を遮ることができる。
また、遮蔽部材72が屈曲することにより、記録材Sが遮蔽部材72と接触開始する部分での記録材Sに対する応力が低下しやすく、記録材Sの表面への損傷をより低下させることができる。
【0071】
従って、遮蔽部材73によって画像形成部30への加熱空気83の流入を抑制し、画像形成動作部33の加熱を抑制することができる。この結果、画像形成時の着弾位置の精度の悪化等を抑制することができ、画像形成装置において記録材への画像形成の精度の低下と等を抑制することができる。
【0072】
遮蔽部材73においても、高さ方向の大きさ、及び、幅方向の大きさは特に限定されない。例えば、遮蔽部材73は、筐体21に設けられた記録材排出口25の幅以上に形成されていることが好ましい。また、遮蔽部材73は、画像形成装置1において使用される記録材Sの最大幅以上に形成されていることが好ましい。また、遮蔽部材73は、画像形成部30において、搬送部31に画像形成動作部33が配置されている幅以上に形成されていることが好ましい。また、遮蔽部材73は、例えば、画像形成部30において、搬送部31に画像形成動作部33が配置されている高さ以上に形成されていることが好ましい。
【0073】
〈5.画像形成装置の第5実施形態〉
次に、画像形成装置の第5実施形態について説明する。
上述の第1実施形態から第4実施形態では、遮蔽部材によって加熱空気を遮る構成について説明したが、遮蔽部材は加熱空気を遮るだけでなく外部に排出する構成としてもよい。このため、第5実施形態の画像形成装置として、加熱空気を遮る板状部材ともに、加熱空気の排気用の送風部を備える例について説明する。なお、第5実施形態では、遮蔽部材の構成を除き、上述の第1実施形態と同様の構成を適用することができる。このため、上述の第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
【0074】
[遮蔽部材]
図7に、図1に示す画像形成装置1に対応する加熱部20、遮蔽部材74、送風部75、及び、画像形成部30の一部の構成を示す。図7では、画像形成部30として、画像形成動作部33と支持部321のみを示している。
【0075】
また、図7は、加熱部20、遮蔽部材74、送風部75、及び、画像形成部30の一部を、搬送される記録材Sの搬送方向と直交する方向から見た、画像形成装置1の側面図である。図7では、加熱部20の筐体21と画像形成部30の画像形成動作部33との間の記録材Sの搬送経路において、遮蔽部材74が、加熱部20の筐体21から画像形成動作部33への空気の流入を妨げるように設けられている。
【0076】
遮蔽部材74は、剛性の高い複数枚の平板状部材から構成されている。遮蔽部材74は、記録材Sの搬送経路側の端部が、搬送経路側と反対側の端部よりも記録材搬送方向の上流側となるように斜めに配置された平板状の第1遮蔽部材741を有する。また、遮蔽部材74は、第1遮蔽部材741の記録材Sの搬送方向上流側において、第1遮蔽部材741と対向する位置に配置された平板状の第2遮蔽部材742を有する。さらに、遮蔽部材74は、記録材Sの搬送方向と平行な方向に配置された、第1遮蔽部材741と第2遮蔽部材742との幅方向の端部を接続する、図示しない第3遮蔽部材、及び、第4遮蔽部材を有する。
【0077】
このように、遮蔽部材74は、筐体21の下流側において、第1遮蔽部材741、第2遮蔽部材742、第3遮蔽部材、及び、第4遮蔽部材によって構成され、記録材排出口25から排出される加熱空気85が流入する気体流路76を形成する。気体流路76は、筐体21の記録材排出口25の下流側近傍と、外装体65の外部とに開口部を有し、遮蔽部材74によって囲われた管状の部材である。なお、遮蔽部材74によって筐体21の下流側に気体流路76を形成できれば、気体流路76は上記形状に限られない。遮蔽部材74に平板状以外の部材を用いてもよく、気体流路76の形状もその他の多角形や円形等であってもよい。
【0078】
気体流路76内には、送風部75が設けられている。送風部75としては、例えば、送風装置やエアーコンプレッサー等を用いることができる。送風部75は、制御部50(図3)の送風制御部57によって駆動や出力が制御される。送風制御部57が、送風部75の駆動や出力を制御することにより、気体流路76内を通過する加熱空気85の流量や空気圧を制御することができる。そして、送風部75を駆動することにより、気体流路76に加熱空気85を引き込み、体流路76内での加熱空気85の移動させ、外装体65の外部に加熱空気85を排気することができる。
【0079】
また、遮蔽部材74は、剛性の高い平板状部材で形成されているため、図1に示す構成と同様に、遮蔽部材74と搬送経路との間に記録材Sが通過する空間を開けて配置される。このため、遮蔽部材74は、搬送される記録材Sと接触しない位置に配置されている。
【0080】
遮蔽部材74による気体流路76は、搬送経路側の端部が、搬送経路側と反対側の端部よりも記録材搬送方向の上流側となるように斜めに配置されている。即ち、気体流路76の搬送経路側の端部が加熱部20に近く、搬送経路と逆側の端部が画像形成部30に近くなるように配置されている。
【0081】
気体流路76は、記録材排出口25側の開口部から、加熱空気85を流入させ、外装体65の外部の開口から加熱空気85を排出する。
筐体21から排出された加熱空気85は、記録材Sの搬送に巻き込まれるように、加熱部20から画像形成部30の方向に流れる。このとき、遮蔽部材74が上記の形状の気体流路76を形成することにより、筐体21から排出された加熱空気85が、遮蔽部材74に沿って気体流路76内に流れやすくなる。また、加熱空気85は、周囲の空気よりも温度が高く比重が軽いため、遮蔽部材74に沿って気体流路76を上昇しやすい。
さらに、気体流路76内に設けられた送風部75を駆動することにより、筐体21から排出された加熱空気85を、気体流路76内に引き込むことができる。そして、気体流路76が吸気した加熱空気85を、気体流路76を通じて外装体65の外部に排気することができる。
この結果、遮蔽部材74と搬送経路との間から、加熱空気85が画像形成部30に流入しにくくなる。
【0082】
従って、遮蔽部材74及び送風部75によって、画像形成部30への加熱空気85の流入を抑制し、画像形成動作部33の加熱を抑制することができる。この結果、画像形成時の着弾位置の精度の悪化を抑制することができ、画像形成装置において記録材への画像形成の精度の低下を抑制することができる。
【0083】
遮蔽部材74によって形成される気体流路76は、高さ方向の大きさ、及び、幅方向の大きさは特に限定されない。例えば、気体流路76は、筐体21に設けられた記録材排出口25の幅以上に形成されていることが好ましい。また、気体流路76は、画像形成装置1において使用される記録材Sの最大幅以上に形成されていることが好ましい。また、気体流路76は、画像形成部30において、搬送部31に画像形成動作部33が配置されている幅以上に形成されていることが好ましい。
【0084】
〈6.画像形成装置の第6実施形態〉
次に、画像形成装置の第6実施形態について説明する。
上述の第5実施形態では、遮蔽部材と送風部とにより加熱空気を遮るとともに外部に排気する構成について説明したが、加熱空気を画像形成装置の外部に排気しない構成であってもよい。このため、第6実施形態の画像形成装置として、加熱空気を遮る遮蔽部材ともに、送風部からの加熱空気が装置内で循環される構成について説明する。なお、第6実施形態では、遮蔽部材の構成を除き、上述の第1実施形態及び第5実施形態と同様の構成を適用することができる。このため、上述の第1実施形態及び第5実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
【0085】
[遮蔽部材]
図8に、図1に示す画像形成装置1に対応する加熱部20、遮蔽部材77、送風部75、及び、画像形成部30の一部の構成を示す。図8では、画像形成部30として、画像形成動作部33と支持部321のみを示している。
【0086】
また、図8は、加熱部20、遮蔽部材77、送風部75、及び、画像形成部30の一部を、搬送される記録材Sの搬送方向と直交する方向から見た、画像形成装置1の側面図である。図8では、加熱部20の筐体21と画像形成部30の画像形成動作部33との間の記録材Sの搬送経路において、遮蔽部材77が、加熱部20の筐体21から画像形成動作部33への空気の流入を妨げるように設けられている。
【0087】
遮蔽部材77は、剛性の高い複数枚の平板状部材から構成されている。遮蔽部材77は、記録材Sの搬送経路側の端部が、搬送経路側と反対側の端部よりも記録材搬送方向の上流側となるように斜めに配置された平板状の第1遮蔽部材771を有する。また、遮蔽部材77は、第1遮蔽部材771に接続された、筐体21の一部を覆う第2遮蔽部材772を有する。第2遮蔽部材772は、第1遮蔽部材771の上端部から筐体21の上面側までを連続して覆う。さらに、第2遮蔽部材772は、第1遮蔽部材771の側端部から筐体21の上面又は側面までを連続して覆う。
【0088】
また、筐体21は、上面側に気体流路76からの加熱空気85が流入する気体流入口27が設けられている。気体流入口27は、記録材搬入口24及び記録材排出口25とは別の位置に設けられている。そして、気体流路76は、筐体21の記録材排出口25の下流側近傍と、筐体21の上面側とに開口部を有する。
【0089】
このため、遮蔽部材77(第1遮蔽部材771、及び、第2遮蔽部材772)と、筐体21とによって構成された、記録材排出口25から排出される加熱空気85が流入する気体流路76が形成される。気体流路76は、遮蔽部材77と筐体21とによって囲われた管状の部材である。なお、遮蔽部材77によって筐体21の下流側に気体流路76を形成できれば、気体流路76は上記形状に限られない。遮蔽部材77に平板状以外の部材を用いてもよく、気体流路76の形状もその他の多角形や円形等であってもよい。
【0090】
また、遮蔽部材77は、剛性の高い平板状部材で形成されているため、図1に示す構成と同様に、遮蔽部材77と搬送経路との間に記録材Sが通過する空間を開けて配置される。このため、遮蔽部材77は、搬送される記録材Sと接触しない位置に配置されている。
【0091】
遮蔽部材77の第1遮蔽部材771は、記録材Sの搬送経路側の端部が、搬送経路側と反対側の端部よりも記録材搬送方向の上流側となるように斜めに配置されている。即ち、気体流路76の搬送経路側の端部が加熱部20に近く、搬送経路と逆側の端部が画像形成部30に近くなるように配置されている。
【0092】
また、気体流路76内には、送風部75が設けられている。送風部75を駆動することにより、筐体21の記録材排出口25から流出した加熱空気85が気体流路76に導入される。そして、送風部75の駆動により、気体流路76に流入した加熱空気85が気体流路76内を移動して送風部75を通過し、気体流路76から筐体21内に導入される。
この結果、遮蔽部材77と搬送経路との間から、加熱空気85が画像形成部30に流入しにくくなる。
【0093】
従って、遮蔽部材77及び送風部75によって、画像形成部30への加熱空気85の流入を抑制し、画像形成動作部33の加熱を抑制することができる。この結果、画像形成時の着弾位置の精度の悪化を抑制することができ、画像形成装置において記録材への画像形成の精度の低下を抑制することができる。
さらに、加熱空気85が、筐体21内と気体流路76とを循環することにより、筐体21外から空気が導入される場合に比べ、筐体21内の温度が安定しやすい。このため、加熱部20での記録材の加熱安定性が向上しやすい。
【0094】
〈7.画像形成装置の第7実施形態〉
次に、画像形成装置の第7実施形態について説明する。
上述の第6実施形態では、遮蔽部材と送風部とにより加熱空気を遮るとともに、加熱空気を加熱部の筐体内に直接導入する構成について説明したが、加熱空気を筐体内に直接導入しない構成であってもよい。このため、第7実施形態の画像形成装置として、加熱空気を遮る遮蔽部材ともに、送風部からの加熱空気を筐体の上流側に導入する構成について説明する。なお、第7実施形態では、遮蔽部材の構成を除き、上述の第1実施形態、第5実施形態、及び、第6実施形態と同様の構成を適用することができる。このため、上述の第1実施形態、第5実施形態、及び、第6実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
【0095】
[遮蔽部材]
図9に、図1に示す画像形成装置1に対応する加熱部20、遮蔽部材78、送風部75、及び、画像形成部30の一部の構成を示す。図9では、画像形成部30として、画像形成動作部33と支持部321のみを示している。
【0096】
また、図9は、加熱部20、遮蔽部材78、送風部75、及び、画像形成部30の一部を、搬送される記録材Sの搬送方向と直交する方向から見た、画像形成装置1の側面図である。図9では、加熱部20の筐体21と画像形成部30の画像形成動作部33との間の記録材Sの搬送経路において、遮蔽部材78が、加熱部20の筐体21から画像形成動作部33への空気の流入を妨げるように設けられている。
【0097】
遮蔽部材78は、剛性の高い複数枚の平板状部材から構成されている。また、遮蔽部材78は、記録材Sの搬送経路側の端部が、搬送経路側と反対側の端部よりも記録材搬送方向の上流側となるように斜めに配置された平板状の第1遮蔽部材781を有する。さらに、遮蔽部材78は、第1遮蔽部材781に接続され、第1遮蔽部材781とともに筐体21の全体を覆う第2遮蔽部材782を有する。第2遮蔽部材782は、第1遮蔽部材781の上端部から、筐体21の記録材Sの搬送方向の上流側までの上面及び側面を連続して覆う。
【0098】
このため、遮蔽部材78(第1遮蔽部材781、及び、第2遮蔽部材782)と、筐体21とによって構成された、記録材排出口25から排出される加熱空気85が流入する気体流路76が形成される。気体流路76は、遮蔽部材78と筐体21とによって囲われた管状の部材である。
また、気体流路76は、筐体21の記録材排出口25の下流側近傍と、筐体21の記録材搬入口24の上流側の近傍に開口部を有する。
なお、遮蔽部材78によって筐体21の下流側に気体流路76を形成できれば、気体流路76は上記形状に限られない。遮蔽部材78に平板状以外の部材を用いてもよく、気体流路76の形状もその他の多角形や円形等であってもよい。
【0099】
また、遮蔽部材78は、剛性の高い平板状部材で形成されている。このため、図1に示す構成と同様に、遮蔽部材78は、搬送される記録材Sと接触しない位置に配置され、第1遮蔽部材781と搬送経路との間に記録材Sが通過する空間が設けられている。また、遮蔽部材78は、記録材Sの搬送方向の上流側の第2遮蔽部材782の端部が、搬送される記録材Sと接触しない位置に配置され、第2遮蔽部材782と搬送経路との間に記録材Sが通過する空間が設けられている。
【0100】
このため、記録材Sは、第2遮蔽部材782の端部と搬送経路との間を通過し、記録材搬入口24から筐体21内に搬送される。そして、筐体21内で加熱された記録材Sが、記録材排出口25から搬出され、第1遮蔽部材781と搬送経路との間を通過して画像形成部30に搬送される。
【0101】
遮蔽部材78の第1遮蔽部材781は、記録材Sの搬送経路側の端部が、搬送経路側と反対側の端部よりも記録材搬送方向の上流側となるように斜めに配置されている。即ち、気体流路76の搬送経路側の端部が加熱部20に近く、搬送経路と逆側の端部が画像形成部30に近くなるように配置されている。
【0102】
また、気体流路76内には、送風部75が設けられている。送風部75を駆動することにより、筐体21の記録材排出口25から流出した加熱空気85が気体流路76に導入される。そして、送風部75の駆動により、気体流路76に流入した加熱空気85が気体流路76内を移動して送風部75を通過し、気体流路76から筐体21の記録材搬入口24の上流側に加熱空気85が導入される。
この結果、遮蔽部材78と搬送経路との間から、加熱空気85が画像形成部30に流入しにくくなる。
【0103】
従って、遮蔽部材78及び送風部75によって、画像形成部30への加熱空気85の流入を抑制し、画像形成動作部33の加熱を抑制することができる。この結果、画像形成時の着弾位置の精度の悪化を抑制することができ、画像形成装置において記録材への画像形成の精度の低下を抑制することができる。
さらに、加熱空気85が、筐体21内と気体流路76とを循環することにより、筐体21外から空気が導入される場合に比べ、筐体21内の温度が安定しやすい。このため、加熱部20での記録材の加熱安定性が向上しやすい。
【0104】
なお、本発明は上述の実施形態例において説明した構成に限定されるものではなく、その他本発明の構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0105】
1 画像形成装置、2 引用文献、10 記録材供給部、11 載置トレイ、12 送出ローラー、20 加熱部、21 筐体、22 第1記録材加熱部、23 第2記録材加熱部、24 記録材搬入口、25 記録材排出口、27 気体流入口、30 画像形成部、31 搬送部、33 画像形成動作部、34 定着部、35 読取部、40 記録材排出部、41 排出トレイ、42 ガイドローラー、50 制御部、51 主制御部、52 搬送制御部、53 記録材加熱制御部、54 ヘッド制御部、55 定着制御部、56 読取制御部、57 送風制御部、58 ローラー加熱制御部、61 記憶部、62 入出力インターフェイス、63 表示操作受付部、65 外装体、69 バス、70,71,72,73,74,77,78 遮蔽部材、75 送風部、76 気体流路、79 ローラー加熱部、80,82,83,84,85 加熱空気、81 空気、226 温度センサー、311 搬送ベルト、312 駆動ローラー、313 従動ローラー、315 搬送モーター、321,322,323 支持部、331 インクジェットヘッド、332 インク加熱部、333 吐出駆動部、341 紫外線照射部、351 撮像部、511 CPU、512 RAM、513 ROM、741,771,781 第1遮蔽部材、742,772,782 第2遮蔽部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9