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  • 特許-コンパレータ回路、及び駆動回路 図1
  • 特許-コンパレータ回路、及び駆動回路 図2
  • 特許-コンパレータ回路、及び駆動回路 図3
  • 特許-コンパレータ回路、及び駆動回路 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】コンパレータ回路、及び駆動回路
(51)【国際特許分類】
   H03K 5/19 20060101AFI20241210BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20241210BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
H03K5/19
G09G3/36
G09G3/20 623G
G09G3/20 623R
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021087341
(22)【出願日】2021-05-25
(65)【公開番号】P2022180708
(43)【公開日】2022-12-07
【審査請求日】2023-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】マルタ ディナタ アンワル
【審査官】柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-115907(JP,A)
【文献】特開2013-105166(JP,A)
【文献】特開平7-321772(JP,A)
【文献】特開昭52-120665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 5/19
G09G 3/36
G09G 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1入力信号の値と第2入力信号の値とが一致している否かを示す一致信号を出力するコンパレータ素子と、
一定電位が供給されるデータ入力端子とクロック入力端子とを備え、前記クロック入力端子への自己クロック信号に応じて、前記データ入力端子の値を保持するフリップフロップ回路と、
前記フリップフロップ回路からの出力信号と前記一致信号とに基づいて、前記自己クロック信号を生成するクロック生成回路とを備えたコンパレータ回路。
【請求項2】
前記フリップフロップ回路に出力をリセットするリセット信号が入力された後、前記一致信号の立ち下がりエッジで前記フリップフロップ回路の出力が変化する請求項1に記載のコンパレータ回路。
【請求項3】
前記フリップフロップ回路が、反転出力信号を出力する反転出力端子を備え、
前記フリップフロップ回路からの前記出力信号が前記反転出力信号である請求項1、又は2に記載のコンパレータ回路。
【請求項4】
前記クロック生成回路が、NAND回路を備え、
前記NAND回路には、前記コンパレータ素子からの前記一致信号と前記フリップフロップ回路からの前記反転出力信号とが入力される請求項3に記載のコンパレータ回路。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のコンパレータ回路と、
画像データを保持して、前記画像データを前記第1入力信号として前記コンパレータ素子に出力するラッチ回路と、
カウンタクロック信号に応じてカウント動作を行い、カウント値を前記第2入力信号として前記コンパレータ素子に出力するカウンタと、を備えた液晶表示装置の駆動回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンパレータ回路、及び駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液晶表示装置の水平駆動回路が開示されている。特許文献1の図2では、コンパレータがカウンタ出力とデジタル画像データの画素値とを比較している。コンパレータは、両者が一致したことを示す一致パルスを、D型フリップフロップ回路に出力している。そして、正極性スイッチと負極性スイッチがD型フリップフロップの出力に連動して切り替わっている。
【0003】
さらに、特許文献1の水平駆動回路は、コンパレータクロック・カウンタクロック生成回路部を備えている。コンパレータクロック・カウンタクロック生成回路部は外部クロックに基づいて、コンパレータクロックと、カウンタクロックとを生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-105166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、外部からのクロック信号に基づいてコンパレータクロックが生成されている。従って、外部からのクロック信号の伝送に大きなバッファが数多く必要となり、消費電力の低減が困難であった。
【0006】
本開示は上記の点に鑑みなされたものであり、低消費電力のコンパレータ回路、及び駆動回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施の形態にかかるコンパレータ回路は、第1入力信号の値と第2入力信号の値とが一致している否かを示す一致信号を出力するコンパレータ素子と、一定電位が供給されるデータ入力端子とクロック入力端子とを備え、前記クロック入力端子への自己クロック信号に応じて、前記データ入力端子の値を保持するフリップフロップ回路と、前記フリップフロップ回路からの出力信号と前記一致信号とに基づいて、前記自己クロック信号を生成するクロック生成回路とを備えている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、低消費電力のコンパレータ回路、及び駆動回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】コンパレータ回路を用いた駆動回路の構成を示す回路図である。
図2】コンパレータ回路の動作を示すタイミングチャートである。
図3】比較例にかかるコンパレータ回路を備えた駆動回路を示す回路図である。
図4】駆動回路を用いた液晶表示装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本開示が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。
【0011】
以下、本実施の形態にかかるコンパレータ回路とそれを用いた駆動回路について説明する。図1は、コンパレータ回路30を備えた駆動回路100を示す回路図である。具体的には、図1に示す駆動回路は、液晶表示装置の画素1列分の水平駆動回路である。図2は、コンパレータ回路30の動作を示すタイミングチャートである。
【0012】
駆動回路100は、ラッチ回路10と、カウンタ20と、コンパレータ回路30と、を備えている。ここでは、10ビットの画像データDATAが駆動回路100に入力されている。つまり、1画素が1024階調(=10ビット)で表現される。もちろん、画像データのビット数は特に限定されるものではない。
【0013】
ラッチ回路10には、ラッチ信号LATCHと画像データDATAとが入力されている。ラッチ回路10は、ラッチ信号LATCHに応じて、10ビットの画像データDATAをラッチする。ラッチ回路10は、ラッチした画像データDATAをコンパレータ回路30にパラレルに出力する。ラッチ回路10から出力される画像データDATAをラッチ出力Aとする。ラッチ出力Aは、10ビットのパラレルデータとなっている。図2では、ラッチ出力Aの値がαとなっている。
【0014】
カウンタ20には、カウンタクロック信号CNT_CLOCKと、カウンタリセット信号CNT_RSTとが入力されている。カウンタ20は、カウンタクロック信号CNT_CLOCKに同期して、カウント動作を行う。例えば、カウンタ20は、カウンタクロック信号CNT_CLOCKのクロック周波数で、カウント値をカウントアップする。カウンタ20は、カウント動作によるカウント値をコンパレータ回路30に出力する。
【0015】
また、カウンタ20は、カウンタリセット信号CNT_RSTに応じて、カウント値を初期値にリセットする。なお、カウンタリセット信号CNT_RSTは、水平走査周波数に対応している。カウンタ20の出力は、10ビットとなっている。よって、カウンタ20は、0~1023までカウント値をカウントアップする。カウンタ20は、10ビットのカウント値を、コンパレータ回路30に出力する。カウンタ20から出力されるカウント値をカウンタ出力Bとする。カウンタ出力Bは、10ビットのパラレルデータとなっている。図2に示すように、カウンタ出力Bが、α-1、α、α+1の順にカウントアップしている。
【0016】
コンパレータ回路30は、コンパレータ素子31と、クロック生成回路32と、FF(フリップフロップ)回路33とを備えている。コンパレータ回路30は、自身の出力に基づいて、自己クロック信号を生成する自己クロックコンパレータ回路である。したがって、コンパレータ回路30には外部からのクロック信号が入力されていない。
【0017】
コンパレータ素子31は、ラッチ出力Aと、カウンタ出力Bとを比較する。コンパレータ素子31は、ラッチ出力Aとカウンタ出力Bとが一致したことを示す一致信号Zを生成する。コンパレータ素子31は一致信号Zをクロック生成回路32に出力する。ラッチ出力Aとカウンタ出力Bはそれぞれ10ビットのパラレルデータとなっている。コンパレータ素子31は、ラッチ出力Aとカウンタ出力Bの各ビットを比較する。コンパレータ素子31は、ラッチ出力Aとカウンタ出力Bの全ビットが一致した時に、ラッチ出力Aとカウンタ出力Bとが一致したと判定する。
【0018】
ラッチ出力Aとカウンタ出力Bとが一致している場合、コンパレータ素子31は一致信号Zをアサートする。ラッチ出力Aとカウンタ出力Bとが異なる場合、コンパレータ素子31は一致信号Zをディアサートする。したがって、一致信号Zは、図2に示すような正のパルス信号となる。カウンタ出力Bの値がαの時に、一致信号Zがハイレベルとなる。カウンタ出力Bの値がαでない時に、一致信号Zがローレベルとなる。
【0019】
クロック生成回路32は、コンパレータ回路30から一致信号Zと、クロック生成回路32の出力信号とに基づいて、自己クロック信号を生成する。クロック生成回路32は、自己クロック信号をFF回路33に出力する。
【0020】
例えば、クロック生成回路32は、NAND回路を備えている。具体的には、クロック生成回路32には、コンパレータ素子31の出力端子と、FF回路33の反転出力端子QBとが接続されている。したがって、クロック生成回路32には、コンパレータ素子31からの一致信号Zと、FF回路33の反転出力信号が入力されている。クロック生成回路32は、一致信号Zと反転出力信号とのNAND(否定論理積)を出力する。クロック生成回路32からの出力信号を内部信号Z1とする。クロック生成回路32は、内部信号Z1をFF回路33に出力する。
【0021】
FF回路33はD型フリップフロップ回路である。FF回路33は、データ入力端子D、クロック入力端子CK、非反転出力端子Q、反転出力端子QBを備えている。クロック生成回路32の出力は、クロック入力端子CKに接続されている。クロック入力端子CKには、内部信号Z1が入力される。FF回路33は、内部信号Z1に応じて、データ入力端子Dのデータ値をサンプリングして、保持する。FF回路33は1ビットの値を保持する。
【0022】
FF回路33が保持したデータ値に応じた非反転出力信号を非反転出力端子Qから出力する。FF回路33は、非反転出力信号を反転した反転出力信号を反転出力端子QBから出力する。反転出力信号がコンパレータ回路30からの出力信号OUTとなる。FF回路33が保持した入力データの値が1の場合、非反転出力信号がハイレベルとなり、反転出力信号がローレベルとなる。FF回路33が保持した入力データの値が0の場合、非反転出力信号がローレベルとなり、反転出力信号がハイレベルとなる。
【0023】
FF回路33にはコンパレータリセット信号CMP_RSTが入力されている。FF回路33は、コンパレータリセット信号CMP_RSTに応じて、保持したデータをリセットする。これにより、FF回路33に保持されているデータ値が0となる。FF回路33はコンパレータリセット信号CMP_RSTでリセットされると、反転出力信号がハイレベル、非反転出力信号がローレベルとなる。
【0024】
データ入力端子Dには、一定の電源電圧VDDが入力データとして、入力されている。したがって、データ入力端子Dには常時、一定電位が供給されている。クロック入力端子CKは、クロック生成回路32の出力と接続されている。よって、クロック生成回路32からの内部信号Z1がFF回路33のクロック入力端子CKに入力される。
【0025】
FF回路33はコンパレータリセット信号CMP_RSTでリセットされた後、内部信号Z1に応じて、一定の電源電圧VDDをサンプリングする。FF回路33は、内部信号Z1のエッジを検出して、データ入力端子Dへの入力データを保持する。よって、内部信号Z1のエッジで、非反転出力信号はハイレベルとなり、反転出力信号はローレベルとなる。
【0026】
したがって、図2に示すように、反転出力信号は負のステップ信号となる。コンパレータ回路30の出力信号OUTは、一致信号Zの立ち下がりエッジより前まではハイレベルとなり、一致信号Zの立ち下がりエッジでローレベルに変化する。このように、負のステップ信号がFF回路33の反転出力端子QBから出力される。一致信号Zの立ち下がりエッジに応じて、出力信号OUTのレベルが変化する。
【0027】
コンパレータ回路30は、自己クロック信号を生成するクロック生成回路32を備えている.クロック生成回路32は、一致信号Zと、出力信号OUTと基づいて、自己クロック信号となる内部信号Z1を生成する。つまり、コンパレータ回路30は、コンパレータ回路30自身が生成した自己クロック信号で動作する自己クロックコンパレータとなる。FF回路33が自己クロック信号である内部信号Z1に応じて、データを保持する。したがって、外部クロックのためのバッファが不要となるため、消費電力を低減することができる。
【0028】
図3は、比較例にかかるコンパレータ回路30を有する駆動回路を示す。なお、ラッチ回路10、カウンタ20、コンパレータ素子31の基本的な動作については、図1と同様であるため、詳細な説明を省略する。例えば、コンパレータ素子31は、ラッチ出力Aとカウンタ出力Bが一致したことを示す一致信号Zを出力する。一致信号Zは、正のパルスとなっている。
【0029】
図3に示すコンパレータ回路30では、FF回路33のクロック入力端子CKに外部からのコンパレータクロック信号CMP_CLOCKが入力されている。コンパレータ回路30は、コンパレータクロック信号CMP_CLOCKに応じて動作するクロックコンパレータである。
【0030】
FF回路33の反転出力信号は、インバータ34を介して、OR回路35に入力される。また、コンパレータ素子31からの一致信号ZがOR回路35に入力されている。OR回路35から出力される内部信号Z1がFF回路33のデータ入力端子Dに入力されている。つまり、内部信号Z1がFF回路33に入力される入力データとなる。FF回路33は、コンパレータリセット信号CMP_RSTでリセットされる。リセット後、FF回路33は、コンパレータクロック信号CMP_CLOCKに応じて、入力データの値を保持する。
【0031】
理想的には、FF回路33は、コンパレータクロック信号CMP_CLOCKに応じて、入力データを中心時点でサンプリングする。例えば、コンパレータクロック信号CMP_CLOCKにジッタがある場合、図3に示すコンパレータ回路30では、コンパレータクロック信号CMP_CLOCKと入力データとの間にタイミングエラーが発生してしまうおそれがある。
【0032】
これに対して、本実施の形態にかかるコンパレータ回路30では、データ入力端子Dに常時、一定の電位が供給されている。つまり、データ入力端子Dに電源電圧VDDが供給されている。したがって、図1のFF回路33では、自己クロック信号である内部信号Z1と入力データとの間にタイミングエラーが発生することを防ぐことができる。これにより、信頼性を向上することができる。
【0033】
さらに、駆動回路が図1のコンパレータ回路30を複数備えることで,複数のバッファを省略できるため、消費電力の削減が可能となる。例えば、120Hzのフレームレートで、WUXGAのLCOS(Liquid Crystal On-Silicon)デバイスに駆動回路100を適用したとする。この場合、デバイスの消費電力を1188mWから1087mWに削減することができる。つまり、8.5%(=101mW)の消費電力を削減することが可能となる。
【0034】
図4を用いて、コンパレータ回路30を駆動回路に適用した液晶表示装置200の構成について説明する。液晶表示装置200は、LCOSディスプレイである。図4は、LCOSディスプレイのバックプレーンを示すブロック図である。
【0035】
液晶表示装置200は、画素表示部50と、垂直駆動回路2と、水平駆動回路3とを備えている。水平駆動回路3は、図1で示した駆動回路100を有している。具体的には、水平駆動回路3は、1ライン分の画素数に応じたm(mは2以上の整数)個の駆動回路100を有している。
【0036】
画素表示部50には、複数本のデータ線6と、複数本のゲート線8と、複数の画素42とが設けられている。複数本のデータ線6は互いに平行に配置されている。複数本のゲート線8は、互いに平行に配置されている。複数本のデータ線6と、複数本のゲート線8とは互いに交差するように配置されている。ゲート線8は行走査線となる。
【0037】
液晶表示装置200は、2本を1組として、複数組のデータ線6を備えている。液晶表示装置200は、1組のデータ線6を用いて画素42を反転駆動する。以下、1組のデータ線6のうち、正極側のデータ線6をデータ線6aとして、負極側のデータ線6をデータ線6bとする。また、スイッチ1及び映像信号線5についても、同様にスイッチ1a、スイッチ1b、及び映像信号線5a、5bとして、極性を識別する。極性反転するために、2系統のデータ線6、スイッチ1、及び映像信号線5が設けられている。
【0038】
データ線6とゲート線8との交差部に画素42が配置されている。画素42はマトリクス状(行列状)に配置されている。各画素42は、1組のデータ線6と1本のゲート線8とによって駆動される。例えば、ゲート線8がn本、データ線6が2m本とすると、画素42はn行×m列のマトリクス状に配列されている。なお、m、nはそれぞれ2以上の整数である。画素42は、液晶を駆動するための画素駆動回路や画素電極などを備えている。
【0039】
垂直駆動回路2は、複数本のゲート線8を水平走査期間毎に選択する垂直方向駆動を行う。垂直駆動回路2は、複数本のゲート線8に走査信号を供給する。つまり、垂直駆動回路2は、1行目からn行目のゲート線8を順次選択するように、走査信号を供給する。これにより、1行毎に画素42が順次選択されていく。1垂直走査期間内に全てのゲート線8が選択される。選択された1行の画素42では、映像信号の書き込みが可能となる。
【0040】
水平駆動回路3は、複数のスイッチ1を水平走査期間内で駆動する水平方向駆動を行う。これにより、複数本のデータ線6に映像信号が供給される。上記のように、2本のデータ線6a、6bが1組として、画素42に接続されている。よって、1行の画素42に対して、2本のデータ線6a、6bが共通に接続されている。
【0041】
データ線6aは、スイッチ1aを介して、映像信号線5aに接続されている。データ線6bは、スイッチ1bを介して、映像信号線5bに接続されている。映像信号線5aには、正極側の映像信号RAMP+が供給されている。映像信号線5bには、負極側の映像信号RAMP-が供給されている。水平駆動回路3は、スイッチ1a、スイッチ1bを制御する。
【0042】
よって、1組のデータ線6a、6bの一方のデータ線6aには、正極性の映像信号RAMP+が供給され、他方のデータ線6bには、負極性の映像信号RAMP-が供給される。正極性の映像信号RAMP+は、共通電極線の共通電位に対して正電圧となり、負極性の映像信号RAMP-は、共通電極線の共通電位に対して負電圧となる。水平駆動回路3は、選択された1行の画素42に対して、それぞれ正極性の映像信号RAMP+、負極性の映像信号RAMP-を供給することができる。水平駆動回路3は、それぞれのスイッチ1を水平走査期間内で複数回オンオフする。よって、正極性の映像信号RAMP+と負極性の映像信号RAMP-とが画素42に交互に供給される。
【0043】
具体的には、水平駆動回路3は、ラッチ回路310と、カウンタ320と、コンパレータ回路330と、シフトレジスタ360と、バッファ370と、を備えている。ラッチ回路310は、図1のラッチ回路10に対応している。つまり、ラッチ回路310は、m列分のラッチ回路10を備えている。ラッチ回路310は、1~m列目の画素42の画像データDATAを保持する。
【0044】
コンパレータ回路330は、図1のコンパレータ回路30に対応している。つまり、コンパレータ回路330は、m列分のコンパレータ回路30を有している。図1に示すコンパレータ回路30からの出力信号OUTがスイッチ1を制御する。カウンタ320は、図1のカウンタ20に対応している。したがって、カウンタ320はカウンタクロック信号CNT_CLOCKに応じたカウント動作を行う。
【0045】
シフトレジスタ360は水平クロックHCLOCKに応じて、m列分の画像データDATAを順次伝送する。シフトレジスタ360は、m列分の画像データDATAを保持したら、ラッチ回路310に出力する。ラッチ回路310は、ラッチ信号LATCHに応じて、各列の画像データDATAを保持する。
【0046】
コンパレータ回路330は、図1で示したように、ラッチ出力Aとカウンタ出力Bとを比較する。コンパレータ回路330は、スイッチ1a、スイッチ1bのペアを制御する。コンパレータ回路330の出力信号に応じてスイッチ1a、スイッチ1bのペアが開閉する。最初は、全てのスイッチ1のペアは閉じているため、映像信号が画素42に供給されない。コンパレータ回路330の出力信号がアサートされると、対応するスイッチ1が開く。これにより、正極性の映像信号RAMP+と負極性の映像信号RAMP-とが画素42に交互に印加される。液晶表示装置200が、画像データDATAに応じた階調表示を行うことができる。
【0047】
バッファ370は、外部コントローラから出力される各種信号をバッファする。画素表示部50の列数が多いため、バッファ370は重い負荷を駆動するために使用される。例えば、水平クロック信号HCLOCKは、バッファ370を介してシフトレジスタ360に入力される。同様に、ラッチ信号LATCHは、バッファ370を介して、ラッチ回路310に入力されている。カウンタ320からのカウンタ出力は、バッファ370を介してコンパレータ回路330に入力されている。
【0048】
本実施の形態では、コンパレータ回路330が図1に示すコンパレータ回路30を備えている。よって、コンパレータ回路330に入力されるコンパレータクロック信号に対するバッファを省略することができる。つまり、列数に応じてバッファ数を削減することができるため、消費電力を削減することができる。さらに、タイミングエラーを抑制することができるため、信頼性を向上することができる。
【0049】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0050】
1 スイッチ
2 垂直駆動回路
3 水平駆動回路
6 データ線
8 ゲート線
42 画素
50 画素表示部
100 駆動回路
10 ラッチ回路
20 カウンタ
30 コンパレータ回路
31 コンパレータ素子
32 クロック生成回路
33 FF回路
200 液晶表示装置
310 ラッチ回路
320 カウンタ
330 コンパレータ回路
360 シフトレジスタ
370 バッファ
図1
図2
図3
図4