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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
G03G21/16 119
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021090057
(22)【出願日】2021-05-28
(65)【公開番号】P2022182476
(43)【公開日】2022-12-08
【審査請求日】2024-04-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】大橋 広章
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-14854(JP,A)
【文献】特開2006-208989(JP,A)
【文献】特開平6-152823(JP,A)
【文献】特開昭62-278575(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0076055(US,A1)
【文献】西独国特許出願公開第3335661(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/00
G03G 13/08
G03G 13/095
G03G 15/00
G03G 15/08
G03G 15/095
G03G 21/16 -21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される像担持体を備える像担持体ユニットと、
前記像担持体に形成された静電潜像をトナーで現像する現像ユニットと、
前記像担持体ユニットと前記現像ユニットとが着脱可能に支持される支持フレームと、
前記支持フレームに回動可能に支持されて、上方に回動することで前記像担持体ユニットと前記現像ユニットとを前記支持フレームに位置決めするリテーナと、
前記支持フレームと前記リテーナの間の隙間を塞ぐシート部材と、を備え、
前記シート部材は、前記リテーナに支持される上端部と前記支持フレームに支持される下端部とを有し、前記上端部と前記下端部の少なくとも一方は取り外し可能に設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記シート部材の前記下端部は前記支持フレームに固定され、前記上端部は前記リテーナに取り外し可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記シート部材の前記上端部には、差込片が形成され、
前記リテーナには、前記差込片が差し込み可能な差込孔を有する保持部材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記シート部材の前記上端部には、マグネット片が設けられ、
前記リテーナには、前記マグネット片の磁力によって引き付けられる板金片が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体ユニット及び現像ユニットを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、像担持体に形成された静電潜像をトナーで現像することで、像担持体にトナー像を形成する。特許文献1には、像担持体を備える像担持体ユニットと、静電潜像をトナーで現像する現像ユニットとが、支持フレームに着脱可能に支持される画像形成装置が開示されている。この画像形成装置は、像担持体ユニットと現像ユニットとを支持フレームに位置決めするリテーナを備えている。
【0003】
像担持体ユニットと現像ユニットとは、支持フレームの前側板に形成された開口を通って着脱される。リテーナの下端部は、開口よりも下方で支持フレームに回動可能に支持されている。リテーナを上方に回動させて支持フレームに固定することで、リテーナが両ユニットを支持フレームに位置決めする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-14854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されている画像形成装置では、像担持体ユニットや現像ユニットから飛散したトナーが、開口を通り、さらに、リテーナの下端部と支持フレームとの隙間を通り、画像形成装置の外部へ漏れる虞がある。
【0006】
これに対して、リテーナの下端部と支持フレームとの隙間を塞ぐシート部材が設けられる場合がある。シート部材は、例えば、隙間の上方でリテーナに両面テープで固定され、隙間の下方で支持フレームに両面テープで固定される。すると、リテーナを取り外す場合にシート部材も取り外す必要があり、作業に手間がかかったり廃棄部材が発生したりするという問題がある。
【0007】
本発明は上記事情を考慮し、リテーナと支持フレーム間の隙間を確実に塞ぐことができるとともに、リテーナの取り外し作業を容易にできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、静電潜像が形成される像担持体を備える像担持体ユニットと、前記像担持体に形成された静電潜像をトナーで現像する現像ユニットと、前記像担持体ユニットと前記現像ユニットとが着脱可能に支持される支持フレームと、前記支持フレームに回動可能に支持されて、上方に回動することで前記像担持体ユニットと前記現像ユニットとを前記支持フレームに位置決めするリテーナと、前記支持フレームと前記リテーナの間の隙間を塞ぐシート部材と、を備え、前記シート部材は、前記リテーナに支持される上端部と前記支持フレームに支持される下端部とを有し、前記上端部と前記下端部の少なくとも一方は取り外し可能に設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明の画像形成装置において、前記シート部材の前記下端部は前記支持フレームに固定され、前記上端部は前記リテーナに取り外し可能であることを特徴としてもよい。
【0010】
本発明の画像形成装置において、前記シート部材の前記上端部には、差込片が形成され、前記リテーナには、前記差込片が差し込み可能な差込孔を有する保持部材が設けられていることを特徴としてもよい。
【0011】
本発明の画像形成装置において、前記シート部材の前記上端部には、マグネット片が設けられ、前記リテーナには、前記マグネット片の磁力によって引き付けられる板金片が設けられていることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、リテーナの交換時に、シート部材を完全に取り外す必要がないので、廃棄部材を発生させることなくリテーナの交換を行うことができると共にトナーの漏れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構造を模式的に示す正面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の像担持体ユニットと現像ユニットとを模式的に示す正面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、支持フレームに支持された像担持体ユニットと現像ユニットとを示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、支持フレームの反射ミラー調整孔を示す正面図である。
図5A】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、位置決め位置に回動したリテーナを示す斜視図である。
図5B】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、開放位置に回動したリテーナを示す斜視図である。
図6A】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、位置決め位置に回動したリテーナを示す側面図である。
図6B】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、開放状態に回動したリテーナを示す側面図である。
図7】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、シート部材を示す平面図である。
図8】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、シート部材を示す斜視図である。
図9】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、シート部材の他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について説明する。
【0015】
図1を参照して、画像形成装置について説明する。図1は、画像形成装置の内部構成を模式的に示す正面図である。各図のFr、Rr、L、Rは、それぞれ画像形成装置1の前側、後側、左側、右側を示す。
【0016】
画像形成装置1には、シート給送部3と、電子写真方式の画像形成部5と、定着装置7と、排出装置9と、排出トレイ11と、が備えられている。また、画像形成装置1には、シート給送部3から、画像形成部5と定着装置7とを経由して排出装置9に向かうシートの主搬送路13と、主搬送路13から分岐した反転路15と、を備えられている。
【0017】
シート給送部3は、シートが収容される給紙カセット21と、給紙カセット21から主搬送路13にシートを給送する給紙ユニット23と、を備えている。
【0018】
画像形成部5は、無端状の中間転写ベルト25と、4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーに対応する4個の像担持体ユニット27及び4個の現像ユニット29と、4個の像担持体ユニット27に対応する4個の一次転写ローラー31と、二次転写ローラー33と、露光装置35と、を備えている。
【0019】
中間転写ベルト25は、左右方向に離れて配置された駆動ローラーと従動ローラーとに巻き掛けられている。駆動ローラーが回転することで、中間転写ベルト25は、図1の反時計回り方向に循環して走行する。
【0020】
4個の像担持体ユニット27は、中間転写ベルト25の下側の軌道に対向して、該ベルト25の走行方向に沿って並んで配置されている。4個の現像ユニット29は、中間転写ベルト25の走行方向において4個の像担持体ユニット27の上流側に隣接して配置されている。4個の現像ユニット29は、それぞれ対応する色のトナーが収容されたトナーコンテナ37に接続している。4個の一次転写ローラー31は、中間転写ベルト25の中空部に配置されて、中間転写ベルト25を挟んで4個の像担持体ユニット27に対向している。二次転写ローラー33は、中間転写ベルト25の走行方向において4個の像担持体ユニット27及び4個の現像ユニット29の下流側で、中間転写ベルト25に対向して配置されている。二次転写ローラー33と中間転写ベルト25との間には、転写ニップが形成されている。像担持体ユニット27と現像ユニット29については後述する。
【0021】
露光装置35は、4個の像担持体ユニット27及び4個の現像ユニット29の下方に配置されて、4個の像担持体ユニット27に対して画像データに対応する露光を行う。
【0022】
定着装置7は、加圧ローラーと加熱ローラーとを有し、両ローラー間に定着ニップを形成している。
【0023】
主搬送路13は、シート給送部3から、二次転写ニップと定着ニップとを通って排出装置9へ向けて形成されている。主搬送路13には、シート給送部3と二次転写ニップとの間にレジストローラー対39が配置されている。反転路15は、定着ニップと排出装置9との間の分岐部で主搬送路13から分岐して、シート給送部3とレジストローラー対39との間の合流部で、主搬送路13に合流している。
【0024】
次に画像形成動作について簡単に説明する。画像形成部5において、像担持体ユニット27は、露光装置35による露光によって、画像データに対応する静電潜像を形成する。現像ユニット29は、像担持体ユニット27に形成された静電潜像をトナー像に現像する。各像担持体ユニット27のトナー像は、対応する一次転写ローラー31によって中間転写ベルト25に転写される。
【0025】
一方で、シート給送部3においては、給紙カセット21から給紙ユニット23によって主搬送路13にシートが搬送される。シートは、レジストローラー対39によって適宜なタイミングで二次転写ニップに搬送される。二次転写ニップにおいて、中間転写ベルト25に形成されたトナー像がシートに転写される。シートは主搬送路13に沿って定着装置7に搬送され、定着装置7の定着ニップにおいてトナー像がシートに定着される。シートはさらに排出装置9に搬送され、排出装置9によって排出トレイ11に排出される。
【0026】
両面印刷される場合は、シートの一面にトナー像が定着されたシートは、分岐部で主搬送路13から反転路15に搬送され、合流部で反転路15から主搬送路13に搬送される。その後、レジストローラー対39によって適宜なタイミングで二次転写ニップに搬送され、中間転写ベルト25に形成されたトナー像がシートの他の面に転写される。シートは主搬送路13に沿って定着装置7に搬送され、定着ニップにおいてトナー像がシートに定着される。シートはさらに排出装置9に搬送され、排出装置9によって排出トレイ11に排出される。
【0027】
次に、図2及び図3を参照して、像担持体ユニット27と現像ユニット29について説明する。図2は像担持体ユニット27と現像ユニット29とを模式的に示す正面図、図3は支持体71に支持された像担持体ユニット27と現像ユニット29とを示す斜視図である。
【0028】
まず、像担持体ユニット27について、図2を参照して説明する。像担持体ユニット27は、像担持体としての感光体ドラム41と、帯電装置43と、クリーニング装置45と、を備えている。感光体ドラム41は、回転軸41aを中心として、図2の時計回り方向に回転可能である。帯電装置43とクリーニング装置45とは、感光体ドラム41の周囲に回転方向に沿って順に配置されている。
【0029】
帯電装置43は、帯電ローラー49と、クリーニングローラー51と、を備えている。帯電ローラー49は、感光体ドラム41に接触して回転し、感光体ドラム41に帯電バイアスを印加する。クリーニングローラー51は、帯電ローラー49に接触して回転し、帯電ローラー49をクリーニングする。
【0030】
クリーニング装置45は、クリーニングローラー53と、クリーニングブレード55と、回収ローラー57と、を備えている。クリーニングローラー53は、感光体ドラム41に接触して回転し、感光体ドラム41に残留したトナーを除去する。クリーニングブレード55は、感光体ドラム41の回転方向において、クリーニングローラー53の下流側に配置されて、感光体ドラム41に当接して、感光体ドラム41に残留したトナーを掻き取る。回収ローラー57は、クリーニングローラー53及びクリーニングブレード55で除去されたトナーを、回収口(図示省略)に向けて搬送する。
【0031】
次に、現像ユニット29について、図2を参照して説明する。現像ユニット29は、現像容器61と、撹拌搬送スクリュー63と、供給搬送スクリュー65と、磁気ローラー67と、を備えている。
【0032】
現像容器61には、磁性キャリアとトナーとを含む現像剤が収容される。現像容器61には、感光体ドラム41に対向する開口部61aが形成されている。現像容器61の下部には、トナーコンテナ37(図1参照)からトナーが補給される撹拌搬送室61b及び供給搬送室61cが形成されている。撹拌搬送スクリュー63は、撹拌搬送室61bに回転可能に支持され、供給搬送スクリュー65は、供給搬送室61cに回転可能に支持されている。磁気ローラー67は、供給搬送スクリュー65の上方に配置されて、外周面の一部が、現像容器61の開口部61aから露出している。
【0033】
前述のように、現像ユニット29は、中間転写ベルト25の走行方向において像担持体ユニット27の上流側に配置されて、現像容器61の開口部61aから露出した磁気ローラー67が像担持体ユニット27の感光体ドラム41に対向している。
【0034】
像担持体ユニット27において、感光体ドラム41が帯電装置43によって所定の電位に帯電する。その後、感光体ドラム41は、露光装置35(図1参照)によって露光されて、画像データに基づいた静電潜像が形成される。
【0035】
現像ユニット29において、撹拌搬送スクリュー63及び供給搬送スクリュー65によって、撹拌搬送室61b及び供給搬送室61cを現像剤が循環しながら撹拌されることでトナーが帯電する。帯電したトナーを含む現像剤は、供給搬送スクリュー65によって磁気ローラー67に搬送され、磁気ローラー67上に磁気ブラシが形成される。
【0036】
磁気ローラー67に形成された磁気ブラシは、現像容器61の開口部61aにおいて、磁気ローラー67に印加されるバイアス電位と感光体ドラム41の静電潜像との電位との間の電位差によって、磁気ローラー67から感光体ドラム41にトナーが飛翔し、感光体ドラム41上の静電潜像がトナー像に現像される。
【0037】
感光体ドラム41に形成されたトナー像は、一次転写ローラー31によって中間転写ベルト25に転写される。トナー像が中間転写ベルト25に転写された後に感光体ドラム41に残留したトナーは、クリーニング装置45によって除去される。
【0038】
図3に示されるように、4個の像担持体ユニット27と4個の現像ユニット29とは、支持体71に支持されて位置決めされている。支持体71は、各ユニットを支持する支持フレーム73と、各ユニットを支持フレーム73に位置決めするリテーナ75と、を備えている。
【0039】
支持体71について、図3と、図4図5A及び図5B図6A及び図6Bも参照して説明する。図4は支持体71の前フレーム81を示す正面図、図5A及び図5Bはリテーナ75を示す斜視図、図6A及び図6Bはリテーナ75を示す側面図である。
【0040】
図3に示されるように、支持フレーム73は、前後方向に対向して配置される前フレーム81及び後フレーム83と、前後フレーム81、83間にユニット毎に設けられた台座85と、を備えている。
【0041】
前フレーム81には開口81aが形成されている。4個の像担持体ユニット27と4個の現像ユニット29は、前後フレーム81、83の間において、対応する台座85に支持される。また、4個の像担持体ユニット27と4個の現像ユニット29は、前フレーム81の開口81aを通して対応する台座85から取り外し可能である。前フレーム81の開口81aの左右には、ロックピン(図示省略)が設けられている。さらに、前フレーム81には、開口81aの下方から前方に向けて延びる水平な支持片81b(図4図5A図6A及び図6B参照)が設けられている。
【0042】
さらに、図4に示されるように、前フレーム81の開口81aの下方であって、支持片81bよりも上方には、露光装置35(図1参照)に含まれる反射ミラーの角度を調整するための調整ネジ35aが露出する複数個の孔81cが形成されている。反射ミラーの角度を調整する際には、ドライバーなどの器具をこの孔81cから挿入して調整ネジ35aを回転させるようになっている。
【0043】
次に、リテーナ75について説明する。リテーナ75は、図3に示されるように、支持フレーム73の前フレーム81の開口81aよりも大きい寸法の板状の部材であり、図5B図6A図6Bに示されるように、外カバー91と、外カバー91の内面に固定された位置決め板93と、を有している。外カバー91の左右の縁には、フック(図示省略)が形成されている。位置決め板93には、各像担持体ユニット27の感光体ドラム41の回転軸41aの一端部(前端部)が嵌合可能な軸受孔93aが形成されている。一例として、外カバー91は樹脂製であり、位置決め板93は板金製である。
【0044】
リテーナ75の左右の下隅は、前フレーム81の開口81aよりも下方、かつ、支持片81bよりも上方に、回動軸75a(図6A図6B参照)を中心として回動可能に支持されている。これにより、リテーナ75は、像担持体ユニット27を位置決めする位置決め位置(図5A及び図6A参照)と、像担持体ユニット27及び現像ユニット29が取り外し可能な開放位置(図5B及び図6B参照)と、の間を、回動軸75aを中心として回動する。リテーナ75が位置決め位置に回動すると、図6Aに示されるように、位置決め板93の軸受孔93aに、対応する像担持体ユニット27の感光体ドラム41の回転軸41aの前端部が嵌合して、像担持体ユニット27が支持フレーム73に位置決めされる。なお、同様に、現像ユニット29が支持フレーム73に位置決めされる。さらに、外カバー91のフックが前フレーム81のロックピンに係合して、リテーナ75が位置決め位置に維持される。一方で、リテーナ75が開放位置に回動すると、像担持体ユニット27及び現像ユニット29は、開口81aを通して取り外し可能となる。また、リテーナ75は前フレーム81の支持片81bに支持される。
【0045】
ところで、前述のように画像形成動作が実行されると、像担持体ユニット27や現像ユニット29からトナーが飛散して、各ユニットと前フレーム81の開口81aとの隙間から漏れ出す場合がある。漏れ出したトナーは、前フレーム81の支持片81bに堆積したり機内へ飛散したりすることがある。
【0046】
このため、支持体71には、隙間からのトナーの漏れを防止するシート部材101が設けられている。シート部材101について、図7及び図8も参照して説明する。図7はシート部材101を示す平面図、図8はシート部材101を示す斜視図である。
【0047】
図7に示されるように、シート部材101は、支持フレーム73に固定される本体側シート103と、リテーナ75に固定される固定側シート105と、で構成される。本体側シート103は、隙間を閉止可能な寸法の、左右方向に長い略矩形状であり、左右方向に沿った下端部111及び上端部113と、その間の中間部115と、を有している。上端部113は、左右方向に間隔を開けて形成された3個のフラップ部121を含んでいる。各フラップ部121には、左右方向の両側縁に、左右一対の矩形状の差込片123が形成されている。各差込片123の上下の角部は円弧状に形成されている。一例として、上端部113は、弾性を有する樹脂製のシート片で形成され、中間部115と下端部111とは可撓性を有する合成皮革や不織布等のシート片で形成され、上端部113と中間部115とが接着や縫合によって接続されている。なお、本体側シート103を単にシート部材ともいう。
【0048】
本体側シート103の下端部111は、図5A図6A図6Bに示されるように、支持フレーム73の前フレーム81の支持片81bの上面に、両面テープや接着剤を用いて固定される。
【0049】
固定側シート105は、図7に示されるように、左右方向に長い矩形状であり、本体側シート103の3個のフラップ部121に対応する3個の保持部131と、3個の保持部131以外の、リテーナ75に固定される固定部133と、を有している。一例として、固定側シート105は、弾性を有する樹脂製のシート片で形成されている。
【0050】
各保持部131は、左右一対の矩形状のポケット片141を有する。一対のポケット片141の互いに対向する内側には、矩形状のスリット143が形成されている。一対のポケット片141の対向する内側の辺には、半円状の押さえ片145が形成されている。
【0051】
固定部133は、両面テープや接着剤を用いてリテーナ75(外カバー91)の外面に固定される。これにより、図8に示されるように、外カバー91と一対のポケット片141との間に、スリット143に開口する一対のポケット151が形成される。本体側シート103の各フラップ部121の差込片123は、スリット143を通ってこのポケット151に差し込み可能である。このように、外カバー91とポケット片141との間に形成されるポケット151は、本体側シート103の差込片123が差し込み可能な差込孔の一例であり、固定側シート105は、本体側シート103の差込片123が差し込み可能な差込孔を有する保持部材の一例である。
【0052】
上記構成を有するシート部材は、図5A図6A図6Bに示されるように、本体側シート103の下端部111が前フレーム81の支持片81bの上面に固定され、固定側シート105の固定部133がリテーナ75の外カバー91に固定されている。そして、本体側シート103の三対の差込片123は、固定側シート105と外カバー91との間の三対のポケット151に差し込まれている。差込片123は、ポケット151に差し込まれた後、押さえ片145で外カバー91に対して押さえられる。このように本体側シート103の下端部111が隙間よりも下方で前フレーム81に固定され、上端部113(3個のフラップ部121)が隙間よりも上方でリテーナ75に支持されることで、隙間から漏れたトナーの飛散を防止できる。
【0053】
また、本体側シート103の中間部115は、リテーナ75や前フレーム81に固定されていないので、図5B及び図6Bに示されるようにリテーナ75が回動する際には、回動に応じて屈曲する。
【0054】
一方で、一対の差込片123を一対のポケット151から引き出すことで、本体側シート103の上端部113を固定側シート105、すなわち、リテーナ75から取り外すことができる。したがって、リテーナ75を交換したり露光装置35(図1参照)の反射ミラーの角度を調整したりする際には、差込片123をポケット151から引き出して、本体側シート103の上端部113をリテーナから取り外せばよい。
【0055】
上記説明したように、本発明によれば、リテーナ75の交換時や反射ミラーの角度調整時に、シート部材101を完全に取り外す必要がない。したがって、廃棄部材を発生させることなくリテーナ75の交換や反射ミラーの角度調整を行うことができると共にトナーの漏れを防止できる。
【0056】
また、本体側シート103の上端部113をリテーナ75に取り外し可能に支持することで、差込片123のポケット151への差込作業やポケット151からの引き出し作業を容易に行うことができる。ただし、本体側シートの下端部111を前フレーム81に取り外し可能に支持し、上端部113をリテーナ75に固定してもよい。あるいは、上端部113と下端部111の双方とも取り外し可能としてもよい。
【0057】
また、固定側シート105を設けずに、リテーナ75の外カバー91にポケットを直接形成してもよい。あるいは、ポケットではなく、差込片123が差し込み可能なスリットを外カバー91に形成してもよい。
【0058】
次に、図9を参照して、シート部材101の変形例について説明する。図9はシート部材101を示す斜視図である。
【0059】
変形例のシート部材101も、支持フレーム73に固定される本体側シート103と、リテーナ75に固定される固定側シート105と、で構成される。本体側シート103の上端部113は矩形状であり、内側の面にマグネット片201が左右方向に沿って固定されている。固定側シート105は、マグネット片201の磁力で引き付け可能な板金片で形成される。リテーナ75(外カバー91)の外面には、左右方向に沿って断面が矩形状の溝部205が形成されている。固定側シート105は、この溝部205に固定されている。
【0060】
この変形例によれば、マグネット片201と固定側シート105とが磁性的に引き付け合うことで、本体側シート103の上端部113がリテーナ75に固定される。一方で、マグネット片201を磁力に抗して固定側シート105から引き離すことで、本体側シート103の上端部113をリテーナ75から取り外すことができる。なお、本体側シート103の上端部113に板金片が固定され、固定側シート105がマグネット片で形成されてもよい。
【0061】
なお、シート部材101(本体側シート103)の上端部113(又は下端部111)をリテーナ75に取り外し可能に支持する方法としては、上記例の他に、マジックテープ(登録商標)やスナップフィット結合等の方法を適用できる。
【0062】
本発明は特定の実施形態について記載されてきたが、本発明は上記実施形態に限定されない。本発明の範囲及び主旨を逸脱しない限りにおいて、当業者は上記実施形態を改変可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 画像形成装置
27 像担持体ユニット
29 現像ユニット
73 支持フレーム
75 リテーナ
101 シート部材
105 固体側シート(保持部材、板金片)
111 下端部
113 上端部
123 差込片
151 ポケット(差込孔)
201 マグネット片
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9