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特許7600903作業支援装置、作業支援方法及び作業支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】作業支援装置、作業支援方法及び作業支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20241210BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20241210BHJP
【FI】
G05B23/02 X
G06Q50/04
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021109441
(22)【出願日】2021-06-30
(65)【公開番号】P2023006708
(43)【公開日】2023-01-18
【審査請求日】2023-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 和也
【審査官】渡邊 捷太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-306712(JP,A)
【文献】特開2018-045416(JP,A)
【文献】特開2017-150151(JP,A)
【文献】特開2006-155584(JP,A)
【文献】特開平07-036535(JP,A)
【文献】特開2012-113586(JP,A)
【文献】特開2020-170545(JP,A)
【文献】特開2020-091556(JP,A)
【文献】特開2018-100176(JP,A)
【文献】特開2003-076401(JP,A)
【文献】国際公開第02/048907(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
G06Q 50/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントで発生した障害の障害情報を取得し、取得した前記障害情報に含まれる第1キーワードを用いてデータベースを検索して過去の類似事例を抽出し、含まれる前記第1キーワードが多い順に前記類似事例を並び替え、並び替えた類似事例の上位所定数の類似事例から得られる第2キーワードを用いてデータベースを検索して前記類似事例で行われた作業に関する作業関連情報を抽出する検索部と、
前記検索部により抽出された前記類似事例及び前記作業関連情報を基に、前記障害への障害対応の作業手順が登録され、かつ、前記作業手順のそれぞれに対応する作業記録を電子的に記録するための作業記録欄が設けられた作業手順リストを含む前記障害への障害対応の作業を支援するための作業支援情報を生成する生成部と、
前記生成部により生成された前記作業支援情報を提供する通知部と
を備えたことを特徴とする作業支援装置。
【請求項2】
前記検索部は、前記作業で用いられた装備品の情報及び前記作業に有効な技術の情報を含む修理情報を前記作業関連情報として抽出し、
前記生成部は、前記検索部により抽出された前記類似事例及び前記修理情報を基に、前記作業手順リスト、前記障害対応の作業に用いる装備品が登録された装備品リスト及び前記障害対応の作業に有効な前記技術が登録された作業スキル一覧を前記作業支援情報として生成し、
前記通知部は、前記作業スキル一覧、前記作業手順リスト及び前記装備品リストを提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の作業支援装置。
【請求項3】
前記通知部は、前記作業スキル一覧を管理者に提供し、前記管理者により指定された担当作業者の情報を取得し、前記作業手順リスト及び前記装備品リストを前記障害対応の作業を行う担当作業者に送信することを特徴とする請求項2に記載の作業支援装置。
【請求項4】
前記生成部は、複数の作業者が保有する前記技術が登録されたメンバスキルデータベースから、前記担当作業者が保有する特定技術を抽出し、前記特定技術に応じて前記障害対応の作業手順の通知内容を決定して前記作業手順リストを生成することを特徴とする請求項3に記載の作業支援装置。
【請求項5】
前記検索部は、前記修理情報を基に複数の作業者が保有する前記技術が登録されたメンバスキルデータベースを検索して、前記障害対応の作業に有効な前記技術を保有する作業者を特定して通知することを特徴とする請求項2~4のいずれか一つに記載の作業支援装置。
【請求項6】
前記装備品リストの提供を受けた作業者が準備した装備品の画像を取得し、前記画像を基に、前記装備品リストに登録された前記装備品がそろっているか否かを判定し、前記装備品リストに登録された前記装備品がそろっていれば作業許可通知を発行する装備品確認部をさらに備えたことを特徴とする請求項2~5のいずれか一つに記載の作業支援装置。
【請求項7】
前記生成部は、前記作業手順の各手順に応じた作業記録を電子的に記載するための作業記録欄を前記作業手順リストに設け、
前記作業手順リストの前記作業記録欄に記載された情報を取得して、前記作業手順リストを基に前記作業手順の飛びを検出して警告を通知する作業確認部をさらに備えた
ことを特徴とする請求項2~6のいずれか一つに記載の作業支援装置。
【請求項8】
各前記装備品の操作マニュアルを格納する操作マニュアルデータベースと、
前記装備品リストに記載された前記装備品の前記操作マニュアルを前記操作マニュアルデータベースから取得するマニュアル選択部と
をさらに備えたことを特徴とする請求項2~7のいずれか一つに記載の作業支援装置。
【請求項9】
前記プラントにおいて実行された操作の操作履歴を格納する作業記録データベースと、 前記類似事例で実行された操作を前記作業記録データベースから取得し、前記障害の発生原因となった特定操作を検出して通知する洗出部と
をさらに備えたことを特徴とする請求項2~8のいずれか一つに記載の作業支援装置。
【請求項10】
前記プラントで実行される各種の操作手順を格納する操作手順データベースと、
前記洗出部により検出された前記特定操作を含む特定操作手順を前記操作手順データベースから取得して、前記特定操作手順の改善の警告を行う手順改善警告部と
をさらに備えたことを特徴とする請求項9に記載の作業支援装置。
【請求項11】
前記手順改善警告部は、前記操作手順データベースに格納された前記操作手順を基に、前記特定操作手順を改良した改良操作手順を作成して通知することを特徴とする請求項10に記載の作業支援装置。
【請求項12】
プラントで発生した障害の障害情報を取得し、
取得した前記障害情報に含まれる第1キーワードを用いてデータベースを検索して過去の類似事例を抽出し、含まれる前記第1キーワードが多い順に前記類似事例を並び替え、並び替えた類似事例の上位所定数の類似事例から得られる第2キーワードを用いてデータベースを検索して前記類似事例で行われた作業に関する作業関連情報を抽出し、
抽出した前記類似事例及び前記作業関連情報を基に、前記障害への障害対応の作業手順が登録され、かつ、前記作業手順のそれぞれに対応する作業記録を電子的に記録するための作業記録欄が設けられた作業手順リストを含む前記障害への障害対応の作業を支援するための作業支援情報を生成し、
生成した前記作業支援情報を提供する
ことを特徴とする作業支援方法。
【請求項13】
プラントで発生した障害の障害情報を取得し、
取得した前記障害情報に含まれる第1キーワードを用いてデータベースを検索して過去の類似事例を抽出し、含まれる前記第1キーワードが多い順に前記類似事例を並び替え、並び替えた類似事例の上位所定数の類似事例から得られる第2キーワードを用いてデータベースを検索して前記類似事例で行われた作業に関する作業関連情報を抽出し、
抽出した前記類似事例及び前記作業関連情報を基に、前記障害への障害対応の作業手順が登録され、かつ、前記作業手順のそれぞれに対応する作業記録を電子的に記録するための作業記録欄が設けられた作業手順リストを含む前記障害への障害対応の作業を支援するための作業支援情報を生成し、
生成した前記作業支援情報を提供する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする作業支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業支援装置、作業支援方法及び作業支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
石油、石油化学、化学、ガスなどを用いた各種プラントでは、オペレータや作業員等により、プラントの安全操業が実行されている。例えば、オペレータ等が、プラントに設置される温度センサや流量計等の各種センサで得られる温度、圧力等のプラントの実測値に基づいてプラントの動作の傾向を把握し、作業員が、プラントに設置されるバルブやヒータ等の制御機器を操作することにより、プラントの運転が行われている。
【0003】
このようなプラントにおいて異常が発生した場合、プラントの作業員は、プラントの状態に応じた適切な操作を行うことで異常に対処して、安全運転の継続に努めることになる。例えば、プラントに発生した何らかの異常を解消するために、作業員は以下のような手順を手動で実行する。
【0004】
作業員は、最初に原因の推定を行う。次に、作業員は、推定した原因に基づき、修正手順を構築する。次に、作業者は、構築した修正手順にしたがって実際の作業を行う。その後、作業者及びプラントの管理者は、作業結果を基に、製造工程及び保全活動を見直す。
【0005】
ここで、上述した修正手順の構築には、以下の工程が含まれる。例えば、作業者は、推定した原因に基づき、対象装置の過去保全履歴や製造元から提供されたマニュアルから作業手順及び作業内容を構築する。次に、作業者は、作業に必要な装備品を見積もる。次に、作業者は、作業に要する時間を見積もる。次に、作業者は製造計画を鑑み、作業を実施する日時及び作業者を確定する。
【0006】
また、構築した修正手順にしたがった作業の実施には、以下の工程が含まれる。例えば、作業者は、構築した修正手順に基づいて装備品を準備する。次に、作業者は、作業する現場を訪問して修正作業を実施する。その後、作業者は、修正作業内容を記録する。
【0007】
なお、システム解析技術として、蓄積した解析手順にしたがい外部装置からデータを取得してデータ解析を行い、解析結果にリファレンス情報を付加して蓄積し、リファレンス情報から判定される重要度に応じて解析手順を抽出して解析を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1。)。また、機器の保守に関する技術として、機器の保守に必用な装備を障害情報に基づいて検索し、その検索された装備を所持するか否かを、機器の保守を行うための保守移動体が備える装備を基に判定する技術が提案されている(例えば、特許文献2。)。さらに、プラントの点検作業に関する技術として、通路のIDに対応付けて登録された仮設物の設置及び撤去の情報及び通路の通行の可否の情報を含む地図データを基に、作業者の現在地と目的地間までのルートを探索する技術が提案されている(例えば、特許文献3。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2005-182635号公報
【文献】特開2005-140691号公報
【文献】特開2005-301842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来のようにプラントに発生した何らかの異常を解消する手順を作業者や管理者が手動で行う場合、様々なミスが発生するおそれがある。例えば、不適切な作業項目及び手順の構築、必要なスキルを有さないメンバのアサイン、必要な装備品の不携帯、作業手順の抜け、作業内容の不記録もしくは記録漏れ、再発防止策の不構築又は不実施などのミスが考えられる。そのため、異常に対する適切な作業を行うことができず、プラントを安全で効率的に運用することが困難となる。
【0010】
開示の技術は、プラントを安全で効率的に運用する作業支援装置、作業支援方法及び作業支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願の開示する作業支援装置、作業支援方法及び作業支援プログラムの一つの態様において、検索部は、プラントで発生した障害の障害情報に含まれる第1キーワードを用いてデータベースを検索して過去の類似事例を抽出し、含まれる前記第1キーワードが多い順に前記類似事例を並び替え、並び替えた類似事例の上位所定数の類似事例から得られる第2キーワードを用いてデータベースを検索して前記類似事例で行われた作業に関する作業関連情報を抽出する。生成部は、前記検索部により抽出された前記類似事例及び前記作業関連情報を基に、前記障害への障害対応の作業手順が登録され、かつ、前記作業手順のそれぞれに対応する作業記録を電子的に記録するための作業記録欄が設けられた作業手順リストを含む前記障害への障害対応の作業を支援するための作業支援情報を生成する。通知部は、前記生成部により生成された前記作業支援情報を提供する。
【発明の効果】
【0012】
1つの側面では、本発明は、プラントを安全で効率的に運用する作業支援装置、作業支援方法及び作業支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施の形態1に係る作業支援装置10の全体構成例を説明する図である。
図2図2は、過去事例データベースの登録内容の一例を示す図である。
図3図3は、装置修理データベースの登録内容の一例を示す図である。
図4図4は、メンバスキルデータベースの登録内容の一例を示す図である。
図5図5は、作業スキル一覧及び作業者情報の一例を示す図である。
図6図6は、作業手順リストの一例を示す図である。
図7図7は、装備品リストの一例を示す図である。
図8図8は、実施の形態1に係る作業支援装置による障害対応作業支援処理のフローチャートである。
図9図9は、実施の形態2に係る作業支援装置のブロック図である。
図10図10は、実施の形態3に係る作業支援装置のブロック図である。
図11図11は、作業支援装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本願の開示する作業支援装置、作業支援方法及び作業支援プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略し、各実施の形態は、矛盾のない範囲内で適宜組み合わせることができる。
【0015】
[実施の形態1]
[全体構成]
図1は、実施の形態1に係る作業支援装置10の全体構成例を説明する図である。図1に示すように、この作業支援装置10は、プラント1、管理者端末2及び作業者端末3と有線や無線を問わず、ネットワークを介して接続される。
【0016】
プラント1は、石油、石油化学、化学、ガスなどを用いた各種プラントの一例であり、生成物を得るためのさまざまな施設を備える工場等を含む。生成物の例は、LNG(液化天然ガス)、樹脂(プラスチック、ナイロン等)、化学製品等である。施設の例は、工場施設、機械施設、生産施設、発電施設、貯蔵施設、石油、天然ガス等を採掘する井戸元における施設等である。
【0017】
プラント1内は分散制御システム(Distributed Control Systems:DCS)などを用いて構築される。例えば、図示は省略したが、プラント1内の制御システムが、プラント1で利用されるプロセスデータを用いて、制御を行う対象の設備に設置されたフィールド機器などの制御機器や、制御を行う対象の設備に対応する操作機器などに対して各種制御を実行する。
【0018】
[作業支援装置]
作業支援装置10は、プラント1で発生した障害に対する作業手順を作成する装置である。作業支援装置10は、図1に示すように、過去事例データベース11、装置修理データベース12、メンバスキルデータベース13、作業手順生成部14、通知部15、装備品確認部16及び作業確認部17を有する。
【0019】
過去事例データベース11は、プラント1や他のプラントで過去に発生した障害に関する情報を格納するデータベースである。図2は、過去事例データベースの登録内容の一例を示す図である。例えば、図2に示すように、過去事例データベース11は、各過去事例の識別情報に対応させて、その事例における障害の発生日時、その障害に対する対応者の情報、その対応者の所属の情報及びその対応者の所有資格が登録される。さらに、過去事例データベース11は、その障害が発生した機器の機器名、その機器のモデル名、その機器の製造元の機器メーカ名、その障害で発生した事象の情報及びその障害で影響を受けた他の機器の情報などが登録される。
【0020】
装置修理データベース12は、過去事例における修理情報を格納するデータベースである。図3は、装置修理データベースの登録内容の一例を示す図である。例えば、図3に示すように、装置修理データベース12は、過去事例の識別情報に対応させて、その事例における修理箇所、修理内容、作業手順、作業に使用した装備品、作業に要した時間及びその作業に必要な資格が登録される。作業手順は、修理対象となった機器の製造元などから提供された情報を基に作成される。
【0021】
メンバスキルデータベース13は、作業を依頼可能な作業者の有するスキルの情報を格納するデータベースである。図4は、メンバスキルデータベースの登録内容の一例を示す図である。例えば、図4に示すように、メンバスキルデータベース13は、各作業者を表す作業者識別情報に対応させて、その作業者の保有資格、作業経験のある機器名及び作業事例が登録される。保有資格は、作業者が保有する社内外の資格とともに、受講経験のあるトレーニングの情報なども登録される。
【0022】
作業手順生成部14は、発生した障害の情報を基に障害対応のための情報を生成する。作業手順生成部14は、検索部141及びリスト生成部142を有する。
【0023】
検索部141は、プラント1で発生した障害の障害情報を受信する。例えば、障害情報には、障害が発生した機器の情報や発生した事象などが含まれる。次に、検索部141は、受信した障害情報に含まれる情報を用いて、過去事例データベース11を検索し、過去事例の中から受信した障害に類似する過去の類似事例を抽出する。例えば、検索部141は、過去事例データベース11が保持する過去事例識別情報を除くすべてのフィールドに対して、受信した障害の情報に含まれるキーワードを用いてAND検索及びOR検索を行うことで類似事例を抽出する。そして、検索部141は、抽出した類似事例を、含まれるキーワードが多い順に並べる。含まれるキーワードが多いほど、発生した障害により類似した事例であると考えられるので、この並び替えにより、検索部141は、類似度順に近い順番で類似事例を並べることができる。
【0024】
次に、検索部141は、抽出した類似事例の情報を基に、装置修理データベース12を検索し、作業手順、作業に用いられた各種装備品の情報及び作業に必要な資格などを含む修理情報を取得する。例えば、検索部141は、順番に並べた類似事例の上位から順にキーワードを抽出し、抽出したキーワードを用いてAND検索及びOR検索を行うことで修理情報を抽出する。そして、検索部141は、抽出した修理情報を、含まれるキーワードが多い順に並べる。この並び替えにより、検索部141は、発生した障害への対応で実施される作業に類似すると考えられる順番で作業情報を並べることができる。
【0025】
次に、検索部141は、取得した修理情報を基に、メンバスキルデータベース13を検索し、発生した障害に対応可能な作業者を特定する。例えば、検索部141は、順番に並べた修理情報の上位から順に必要な資格の情報を抽出し、抽出した必要な資格を用いてAND検索及びOR検索を行うことで作業者を抽出する。そして、検索部141は、出した作業者の情報を、上位の修理情報で必要とされた資格をより多く保有する作業者の順に並べる。この並び替えにより、検索部141は、発生した障害に対応することができる可能性が高い順番で作業者を並べることができる。
【0026】
その後、検索部141は、順番に並べた抽出した類似事例の情報、作業情報及び依頼可能な作業者の情報をリスト生成部142へ出力する。
【0027】
リスト生成部142は、発生した障害の類似事例の情報、作業情報及び依頼可能な作業者の情報の入力を検索部141から受ける。次に、リスト生成部142は、作業情報から必要な資格の情報を抽出する。
【0028】
図5は、作業スキル一覧及び作業者情報の一例を示す図である。リスト生成部142は、順番に並べられた修理情報の上位から順に必要な資格の情報を抽出して、上から順に並べることで、図5に示すような障害対応の作業に必用な資格、すなわち障害対応に有効な技術が登録された作業スキル一覧101を生成する。また、リスト生成部142は、順番に並べられた依頼可能な作業者の情報から、障害対応に必要な資格を有する作業者を示す作業者情報102を生成する。リスト生成部142は、この作業者情報102においても発生した障害に対応することができる可能性が高い順番、すなわち、受信した情報の順番で作業者を並べる。そして、リスト生成部142は、生成した作業スキル一覧101及び作業者情報102を通知部15へ出力する。
【0029】
また、リスト生成部142は、作業情報に含まれる作業手順を基に、図6に示すような発生した障害への障害対応の作業手順が登録された作業手順リスト103を生成する。図6は、作業手順リストの一例を示す図である。例えば、リスト生成部142は、取得した作業情報のうちの上位所定数の作業情報に登録された作業手順を基に、発生した障害に対応するための作業手順を決定して、作業手順リスト103を生成する。この際、リスト生成部142は、作業手順リスト103に記載された各手順に対応させて作業記録を入力して電子的に記録するための作業記録欄を設ける。
【0030】
ここで、リスト生成部142は、管理者により障害対応の担当者として指名された担当作業者の情報を通知部15から取得して、その担当作業者の技術レベルに応じて作業手順の通知内容を決定してもよい。その場合、リスト生成部142は、検索部141が取得したメンバスキルデータベース13の情報を用いて、管理者により指定された担当作業者が保有する資格を確認する。この担当作業者が保有する資格が「特定技術」の一例にあたる。そして、リスト生成部142は、担当作業者が保有する資格に応じて、作業手順の通知内容を決定して作業手順リスト103を生成する。例えば、作業者が保有する資格が少なく、作業者の技術的レベルが低いと想定される場合、リスト生成部142は、より詳細な内容の作業手順を記載した作業手順リスト103を生成する。逆に、担当作業者が保有する資格やトレーニングの受講経験が豊富であり、作業者の技術的レベルが高いと想定される場合、リスト生成部142は、内容を簡略化した作業手順を記載した作業手順リスト103を生成する。
【0031】
また、リスト生成部142は、作業情報に含まれる過去事例で使用された装備品の情報基に、発生した障害への障害対応で使用する装備品を決定する。例えば、リスト生成部142は、取得した作業情報のうちの上位所定数の作業情報に登録された使用する装備品の情報を基に、発生した障害の障害対応で使用する装備品を決定する。そして、リスト生成部142は、発生した障害の障害対応で使用する装備品を並べて、図7に示すような装備品リスト104を生成する。図7は、装備品リストの一例を示す図である。
【0032】
その後、リスト生成部142は、作業手順リスト103及び装備品リスト104を通知部15へ出力する。また、リスト生成部142は、装備品リスト104を装備品確認部16へ出力する。また、リスト生成部142は、作業手順リスト103を作業確認部17へ出力する。このリスト生成部142が、「生成部」の一例にあたる。
【0033】
通知部15は、作業スキル一覧101及び作業者情報102の入力をリスト生成部142から受ける。そして、通知部15は、作業スキル一覧101及び作業者情報102を管理者端末2へ送信する。その後、管理者により障害対応の担当者として指名された担当作業者の情報を管理者端末2から受信する。
【0034】
また、通知部15は、作業手順リスト103及び装備品リスト104の入力をリスト生成部142から受ける。ここで、リスト生成部142が、担当作業者のレベルに応じて作業手順リスト103を生成する場合、通知部15は、管理者により障害対応の担当者として指名された担当作業者の情報をリスト生成部142へ出力する。その後に、通知部15は、作業手順リスト103及び装備品リスト104の入力をリスト生成部142から受ける。そして、通知部15は、管理者により指名された発生した障害の障害対応にあたる担当作業者が使用する作業者端末3へ、作業手順リスト103及び装備品リスト104を送信する。
【0035】
障害の障害対応にあたる担当作業者は、作業者端末3を用いて、装備品リスト104を確認する。そして、担当作業者は、装備品リスト104で指定された各装備品を用意する。その後、担当作業者は、用意した装備品をカメラで撮影する。次に、担当作業者は、作業者端末3を用いて撮影した各装備品の写真を作業支援装置10へ送信する。通知部15は、撮影された各装備品の写真を作業者端末3から受信する。そして、通知部15は、受信した各装備品の写真を装備品確認部16へ出力する。
【0036】
その後、装備品が足りていない場合、通知部15は、準備されていない装備品の情報を装備品確認部16から受ける。そして、通知部15は、準備されていない装備品の情報を作業者端末3へ送信して、装備品の準備を担当作業者に促す。これに対して、装備品確認部16から準備完了通知を受けると、通知部15は、作業許可通知を作業者端末3へ送信して担当作業者に作業の開始許可を通知する。
【0037】
担当作業者は、作業許可通知を確認して、作業を開始する。担当作業者は、作業手順リスト103にしたがって障害対応の作業を実施する。そして、作業手順リスト103に登録された各作業が完了すると、担当作業者は、作業記録欄に作業者端末3を用いて作業記録を登録して、作業支援装置10に通知する。通知部15は、作業記録欄に登録された作業記録の情報を作業者端末3から受信する。そして、通知部15は、取得した作業記録の情報を作業確認部17へ出力する。その後、作業手順の飛ばし発生の通知を作業確認部17から受けると、通知部15は、作業手順の飛ばしを通知するアラートを作業者端末3へ送信する。
【0038】
装備品確認部16は、装備品リスト104の入力を受ける。また、装備品確認部16は、担当作業者が準備した各装備品の画像の入力を通知部15から受ける。そして、装備品確認部16は、取得した各画像に写っている装備品を特定する。例えば、装備品確認部16は、多数の装備品の画像を用いて機械学習を行うことで画像に写っている装備品を認識するための学習モデルを生成する。そして、装備品確認部16は、生成した学習モデルを用いて取得した画像に写された装備品を認識することで、各画像に写っている装備品を特定する。そして、装備品確認部16は、認識した各装備品と装備品リスト104に記載された各装備品が一致するか否かを判定する。足りていない装備品がある場合、装備品確認部16は、準備されていない装備品の情報を通知部15へ出力する。これに対して、装備品が一致した場合、準備完了通知を通知部15へ出力する。
【0039】
作業確認部17は、作業手順リスト103の入力をリスト生成部142から受ける。また、作業確認部17は、作業記録欄に登録された作業記録の情報の入力を通知部15から受ける。そして、作業確認部17は、作業が手順通りに進んでいるか否かを判定する。作業手順の飛ばしが発生した場合、作業確認部17は、作業手順の飛ばし発生の通知を通知部15へ出力する。
【0040】
[障害対応作業支援処理の流れ]
図8は、実施の形態1に係る作業支援装置による障害対応作業支援処理のフローチャートである。次に、図8を参照して、実施の形態1に係る作業支援装置10による障害対応作業支援処理の流れを説明する。
【0041】
検索部141は、プラント1で発生した障害を通知する障害情報を取得する(ステップS1)。
【0042】
次に、検索部141は、取得した障害情報を用いて過去事例データベース11を検索して、類似の過去事例である類似事例を抽出する(ステップS2)。
【0043】
次に、検索部141は、抽出した類似事例を用いて装置修理データベース12を検索して、類似事例で行われた修理に関する修理情報を取得する(ステップS3)。
【0044】
次に、検索部141は、修理情報を用いて発生した障害対応を依頼可能な作業者を特定する(ステップS4)。
【0045】
リスト生成部142は、類似事例の情報、修理情報及び依頼可能な作業者の情報を検索部141から取得する。そして、リスト生成部142は、作業スキル一覧101、作業者情報102、作業手順リスト103及び装備品リスト104を生成する(ステップS5)。
【0046】
通知部15は、リスト生成部142により生成された作業スキル一覧101及び作業者情報102を管理者端末2へ送信して管理者に通知する(ステップS6)。
【0047】
その後、通知部15は、障害対応を担当させる担当作業者の情報を管理者端末2から取得する(ステップS7)。
【0048】
そして、通知部15は、障害対応を担当させる担当作業者の作業者端末3に向けて、作業手順リスト103及び装備品リスト104を送信する(ステップS8)。
【0049】
その後、通知部15は、担当作業者が準備した各装備品の画像を作業者端末3から受信する(ステップS9)。
【0050】
装備品確認部16は、通知部15が受信した装備品の画像から準備された各装備品を特定する。そして、装備品確認部16は、特定した装備品と装備品リスト104に登録された装備品とを比較して、装備品の準備が完了したか否かを判定する(ステップS10)。
【0051】
足りていない装備品が存在する場合(ステップS10:否定)、装備品確認部16は、準備されていない装備品の情報を、通知部15を介して作業者端末3へ送信する。その後、障害対応作業支援処理は、ステップS9へ戻る。
【0052】
これに対して、装備品の準備が完了した場合(ステップS10:肯定)、装備品確認部16は、装備品の準備完了通知を通知部15へ出力する。通知部15は、作業許可通知を作業者端末3へ送信して作業許可を担当作業者に通知する(ステップS11)。
【0053】
その後、通知部15は、作業手順リスト103の作業記録欄に登録された作業記録を作業者端末3から受信する(ステップS12)。
【0054】
作業確認部17は、作業記録の情報を通知部15から取得する。そして、作業確認部17は、作業手順リスト103を参照して、作業手順の飛ばしが発生したか否かを判定する(ステップS13)。
【0055】
作業手順の飛ばしが発生した場合(ステップS13:肯定)、作業確認部17は、作業手順の飛ばし発生の通知を通知部15へ出力する。通知部15は、作業手順の飛ばし発生を通知するアラートを作業者端末3へ送信する(ステップS14)。その後、障害対応作業支援処理は、ステップS12へ戻る。
【0056】
これに対して、作業手順の飛ばしが発生していない場合(ステップS13:否定)、通知部15は、受信した作業記録から障害対応の作業が完了したか否かを判定する(ステップS15)。
【0057】
障害対応の作業が完了していない場合(ステップS15:否定)、障害対応作業支援処理は、ステップS12へ戻る。これに対して、障害対応の作業が完了した場合(ステップS15:肯定)、作業支援装置10は、障害対応作業支援処理を終了する。
【0058】
[効果]
以上に説明したように、実施の形態1に係る作業支援装置は、過去事例の情報、過去事例での修理の情報及び各作業者のスキルの情報から、作業に必要なスキル及び依頼可能な作業者の情報、並びに、作業手順及び装備品のリストを作成する。そして、作業支援装置は、作業に必要なスキル及び依頼可能な作業者の情報を提供して管理者に担当させる作業者を選択させ、選択された作業者に作業手順及び装備品のリストを送信する。その後、作業支援装置は、準備された装備品の確認、並びに、作業記録の確認及び作業手順の確認を実行する。これにより、障害対応に関して適切な作業者の選定が可能となる。また、装備品リストの利用や自動で装備品がそろっているか否かを判定して作業者に通知することで、作業者が作業現場に持っていく装備品を漏れなく準備でき、作業時間を短縮することができる。また、作業手順における未実施項目についてアラートを通知することで、作業ミスを低減でき、さらに作業記録の記録漏れを抑制することが可能となる。したがって、プラントにおける障害発生時に障害対応を適切に且つ迅速に行うことができ、プラントを安全で効率的に運用することができる。
【0059】
さらに、実施の形態1に係る作業支援装置は、指名された作業者のレベルに合わせて作業手順リストを作成することができる。これにより、いかなるレベルの作業者であっても障害対応の作業を実施することが可能となる。
【0060】
[実施の形態2]
図9は、実施の形態2に係る作業支援装置のブロック図である。実施の形態2に係る作業支援装置10は、作業に使用する器具の操作マニュアルを作業者に提供することが実施の形態1と異なる。実施の形態2に係る作業支援装置10は、実施の形態1の各部に加えて、操作マニュアルデータベース21及びマニュアル選択部22をさらに有する。以下の説明では、実施の形態1と同様の各部の動作については説明を省略する。
【0061】
操作マニュアルデータベース21は、作業に用いる各種器具の操作マニュアルが予め格納される。操作マニュアルは、各器具の製造元から提供されたものでもよいし、管理者が予め作成してもよい。
【0062】
マニュアル選択部22は、装備品リスト104の入力をリスト生成部142から取得する。そして、マニュアル選択部22は、装備品リスト104に登録された装備品のそれぞれの操作マニュアルを操作マニュアルデータベース21から選択して取得する。その後、マニュアル選択部22は、取得し各装備品の操作マニュアルを通知部15へ出力する。
【0063】
通知部15は、各装備品の操作マニュアルの入力をマニュアル選択部22から受ける。そして、通知部15は、装備品リスト104とともに各装備品のマニュアルを作業者端末3へ送信する。
【0064】
以上に説明したように、実施の形態2に係る作業支援装置は、装備品リストに記載された各装備品の操作マニュアルを作業者に提供する。これにより、作業者は、装備品の扱いに迷うことなく作業を行うことができ、適切な作業が行えるとともに作業時間を短縮することが可能となる。したがって、プラントにおける障害発生時に障害対応を適切に且つ迅速に行うことができ、プラントを安全で効率的に運用することができる。
【0065】
[実施の形態3]
図10は、実施の形態3に係る作業支援装置のブロック図である。実施の形態3に係る作業支援装置10は、操作ログからミスの原因となった操作を洗い出して通知し、さらに、同様の手順を含む作業手順を洗い出して手順の改善を警告することが実施の形態1と異なる。本実施の形態に係る作業支援装置10は、実施の形態1の各部に加えて、作業記録データベース31、洗出部32、操作手順データベース33及び手順改善警告部34をさらに有する。以下の説明では、実施の形態1と同様の各部の動作については説明を省略する。
【0066】
作業記録データベース31は、プラント1の操作ログを含む作業記録を格納するデータベースである。例えば、作業記録データベース31は、プラント1に別途設けられるデータ格納部が格納するプラント1の操作ログを、プラント1のデータ格納部から取得する。また、作業記録データベース31は、プラント1で作業を行った操作者から作業記録の入力を受けてもよい。
【0067】
操作手順データベース33は、プラント1で実行される各種操作の操作手順を格納するデータベースである。操作手順データベース33は、例えば、プラント1の管理者から各種操作の操作手順の入力を予め受けてその情報を格納する。
【0068】
洗出部32は、発生した障害に関連する、実行された操作の情報を操作情報データベース31から取得する。さらに、洗出部32は、類似事例の情報をリスト生成部142から取得する。そして、洗出部32は、類似事例において実行された操作の情報を操作情報データベース31から取得する。
【0069】
そして、洗出部32は、取得した操作の情報からミスの原因となった特定操作を検出する。例えば、洗出部32は、今回発生した障害における操作及び各類似事例における操作の中で、いずれの事例にも含まれる操作を抽出する。そして、洗出部32は、抽出した操作をミスの原因となった特定操作として決定する。その後、洗出部32は、ミスの原因となった特定操作の情報を通知部15及び手順改善警告部34へ出力する。
【0070】
手順改善警告部34は、ミスの原因となった特定操作の情報の入力を洗出部32から受ける。そして、手順改善警告部34は、ミスの原因となった特定操作に基づいて操作手順データベース33を検索して、ミスの原因となった特定操作を行う手順を含む特定操作手順を抽出する。その後、手順改善警告部34は、抽出した特定操作手順の情報を通知部15へ出力する。
【0071】
さらに、手順改善警告部34は、抽出した特定操作手順に改良を加えてもよい。例えば、手順改善警告部34は、他の操作手順などを参照して、抽出した特定操作手順におけるミスの原因となった操作を行う手順を他の手順に置き換えるなどして、特定操作手順を改良する。その後、手順改善警告部34は、改良した特定操作手順を通知部15へ出力する。
【0072】
通知部15は、ミスの原因となった特定操作の情報の入力を洗出部32から受ける。そして、通知部15は、ミスの原因となった特定操作の情報を管理者端末2へ送信する。
【0073】
また、通知部15は、ミスの原因となった操作を行う手順を含む特定操作手順の情報を通知部15へ出力する。通知部15は、通知された特定操作手順の改善の警告を管理者端末2へ送信する。また、通知部15は、改良されたた特定作業手順の情報の入力を手順改善警告部34から受けた場合、その改良された特定作業手順の情報を管理者端末2へ送信する。
【0074】
以上に説明したように、本実施例に係る作業支援装置は、障害発生時の操作情報や類似事例における操作履歴を用いてミスの原因となった操作を特定し、さらにその操作を含む操作手順を特定し、特定したそれらの情報を管理者に通知する。これにより、管理者は、ミスの原因を確認でき、プラントでの操作手順を改善して、プラントを安全で効率的に運用することができる。さらに、作業支援装置が改良された操作手順を管理者に提供することで、管理者は迅速且つ容易にプラントにおける操作手順の改善を実施することができ、プラントをより安全でより効率的に運用することができる。
【0075】
[システム]
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0076】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0077】
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0078】
[ハードウェア]
次に、作業支援装置10のハードウェア構成例を説明する。図11は、作業支援装置のハードウェア構成図である。図11に示すように、作業支援装置10は、プロセッサ91、メモリ92、通信装置93及びHDD(Hard Disk Drive)94を有する。また、プロセッサ91は、バスを介してメモリ92、通信装置93及びHDD94と接続される。
【0079】
通信装置93は、ネットワークインタフェースカードなどであり、他の情報処理装置との通信に使用される。例えば、通信装置93は、プロセッサ91とプラント1に配置された情報処理装置との間の通信を中継する。
【0080】
HDD94は、補助記憶装置である。HDD94は、過去事例データベース111、装置修理データベース12及びメンバスキルデータベース13、操作マニュアルデータベース21、作業記録データベース31及び操作手順データベース33の機能を実現する。また、HDD94は、作業手順生成部14、通知部15、装備品確認部16、作業確認部17、マニュアル選択部22、洗出部32及び手順改善警告部34の機能を実現するためのプログラムを含む各種プログラムを格納する。
【0081】
プロセッサ91は、HDD94に格納された各種プログラムを読み出してメモリ92に展開して実行する。これにより、プロセッサ91は、作業手順生成部14、通知部15、装備品確認部16、作業確認部17、マニュアル選択部22、洗出部32及び手順改善警告部34の機能を実現する。
【0082】
このように、作業支援装置10は、プログラムを読み出して実行することで各種処理方法を実行する情報処理装置として動作する。また、作業支援装置10は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記した実施例と同様の機能を実現することもできる。なお、ここでいうプログラムは、作業支援装置10によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0083】
このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 プラント
2 管理者端末
3 作業者端末
10 作業支援装置
11 過去事例データベース
12 装置修理データベース
13 メンバスキルデータベース
14 作業手順生成部
15 通知部
16 装備品確認部
17 作業確認部
21 操作マニュアルデータベース
22 マニュアル選択部
31 作業記録データベース
32 洗出部
33 操作手順データベース
34 手順改善警告部
101 作業スキル一覧
102 作業者情報
103 作業手順リスト
104 装備品リスト
141 検索部
142 リスト生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11