IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-管理装置、管理方法及び管理プログラム 図1
  • 特許-管理装置、管理方法及び管理プログラム 図2
  • 特許-管理装置、管理方法及び管理プログラム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法及び管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20240101AFI20241210BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20241210BHJP
【FI】
G06Q10/083
G06Q10/20
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021204588
(22)【出願日】2021-12-16
(65)【公開番号】P2023089838
(43)【公開日】2023-06-28
【審査請求日】2023-11-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100195534
【弁理士】
【氏名又は名称】内海 一成
(72)【発明者】
【氏名】松下 真人
(72)【発明者】
【氏名】福井 宏依
(72)【発明者】
【氏名】上野山 直貴
(72)【発明者】
【氏名】後藤 陽
(72)【発明者】
【氏名】駒嶺 聡史
(72)【発明者】
【氏名】笹野 孝則
【審査官】前田 侑香
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-017207(JP,A)
【文献】特開2021-043520(JP,A)
【文献】特開2003-002444(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0129870(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を配送する移動体を管理する制御部を備え、
前記制御部は、
前記移動体のうち配送中の移動体であり、かつ、配送に支障が生じる状態となった移動体である対象移動体から前記対象移動体がメンテナンスを必要とする状態であることを表す情報を取得し、
前記対象移動体のメンテナンスとして前記対象移動体へのエネルギーの補給が必要である場合に前記対象移動体のメンテナンスの完了条件として前記対象移動体のエネルギー残量が補給閾値以上になることを設定し、
前記対象移動体へのエネルギーの補給を実行することによって生じる物品の配送の遅延が前記制御部によって設定された遅延時間以上である場合に、前記補給閾値を小さくして配送の遅延を少なくするように前記対象移動体のメンテナンスの完了条件を緩和し、
緩和した完了条件に基づいて前記対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を決定して出力する、管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記対象移動体のメンテナンスの完了条件に基づいて、複数の前記対象移動体のそれぞれをメンテナンスする優先度を決定し、前記優先度に基づいて前記各対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を決定する、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
記制御部は、前記対象移動体が配送中の物品の数に基づいて前記対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を決定する、請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項4】
記制御部は、前記対象移動体が配送中の物品の配送期限に基づいて前記対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を決定する、請求項1から3までのいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項5】
記制御部は、前記対象移動体が停止している場所に基づいて前記対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を決定する、請求項1から4までのいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記対象移動体の中で、他の移動体の通路に停止して他の移動体の通路を塞いでいる対象移動体を優先してメンテナンスする時期又は場所を決定する、請求項5に記載の管理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記対象移動体の中で、配送中の物品への影響がより大きい場所に停止している対象移動体を優先してメンテナンスする時期又は場所を決定する、請求項5又は6に記載の管理装置。
【請求項8】
物品を配送する移動体を管理する管理装置が、前記移動体のうち配送中の移動体であり、かつ、配送に支障が生じる状態となった移動体である対象移動体から前記対象移動体がメンテナンスを必要とする状態であることを表す情報を取得することと、
前記管理装置が、前記対象移動体のメンテナンスとして前記対象移動体へのエネルギーの補給が必要である場合に前記対象移動体のメンテナンスの完了条件として前記対象移動体のエネルギー残量が補給閾値以上になることを設定することと、
前記管理装置が、前記対象移動体へのエネルギーの補給を実行することによって生じる物品の配送の遅延が前記管理装置によって設定された遅延時間以上である場合に、前記補給閾値を小さくして配送の遅延を少なくするように前記対象移動体のメンテナンスの完了条件を緩和することと、
前記管理装置が、緩和した完了条件に基づいて前記対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を決定して出力することと
を含む、管理方法。
【請求項9】
前記管理装置が、前記対象移動体のメンテナンスの完了条件に基づいて、複数の前記対象移動体のそれぞれをメンテナンスする優先度を決定することと、
前記優先度に基づいて前記各対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を決定することと
を含む、請求項に記載の管理方法。
【請求項10】
前記対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を決定することにおいて、前記対象移動体が配送中の物品の数又は前記対象移動体が配送中の物品の配送期限に基づいて前記対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を決定する、請求項又はに記載の管理方法。
【請求項11】
前記対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を決定することにおいて、前記対象移動体が停止している場所に基づいて前記対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を決定する、請求項から10までのいずれか一項に記載の管理方法。
【請求項12】
前記対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を決定することにおいて、前記対象移動体の中で、他の移動体の通路に停止して他の移動体の通路を塞いでいる対象移動体を優先してメンテナンスする時期又は場所を決定する、請求項11に記載の管理方法。
【請求項13】
前記対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を決定することにおいて、前記対象移動体の中で、配送中の物品への影響がより大きい場所に停止している対象移動体を優先してメンテナンスする時期又は場所を決定する、請求項11又は12に記載の管理方法。
【請求項14】
物品を配送する移動体を管理する管理装置に、前記移動体のうち配送中の移動体であり、かつ、配送に支障が生じる状態となった移動体である対象移動体から前記対象移動体がメンテナンスを必要とする状態であることを表す情報を取得させることと、
前記管理装置に、前記対象移動体のメンテナンスとして前記対象移動体へのエネルギーの補給が必要である場合に前記対象移動体のメンテナンスの完了条件として前記対象移動体のエネルギー残量が補給閾値以上になることを設定させることと、
前記管理装置に、前記対象移動体へのエネルギーの補給を実行することによって生じる物品の配送の遅延が前記管理装置によって設定された遅延時間以上である場合に、前記補給閾値を小さくして配送の遅延を少なくするように前記対象移動体のメンテナンスの完了条件を緩和させることと、
前記管理装置に、緩和した完了条件に基づいて前記対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を決定して出力させること
を含む、管理プログラム。
【請求項15】
前記管理装置に、前記対象移動体のメンテナンスの完了条件に基づいて、複数の前記対象移動体のそれぞれをメンテナンスする優先度を決定させることと、
前記管理装置に、前記優先度に基づいて前記各対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を決定させることと
を含む、請求項14に記載の管理プログラム。
【請求項16】
前記管理装置に、前記対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を決定させることにおいて、前記対象移動体が配送中の物品の数又は前記対象移動体が配送中の物品の配送期限に基づいて前記対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を決定させる、請求項14又は15に記載の管理プログラム。
【請求項17】
前記管理装置に、前記対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を決定させることにおいて、前記対象移動体が停止している場所に基づいて前記対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を決定させる、請求項14から16までのいずれか一項に記載の管理プログラム。
【請求項18】
前記管理装置に、前記対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を決定させることにおいて、前記対象移動体の中で、他の移動体の通路に停止して他の移動体の通路を塞いでいる対象移動体を優先してメンテナンスする時期又は場所を決定させる、請求項17に記載の管理プログラム。
【請求項19】
前記管理装置に、前記対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を決定することにおいて、前記対象移動体の中で、配送中の物品への影響がより大きい場所に停止している対象移動体を優先してメンテナンスする時期又は場所を決定させる、請求項17又は18に記載の管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体の管理装置、管理方法及び管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンテナヤードの構内シャシが故障した場合に迅速に修理工場等へ搬送する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-264530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の移動体のメンテナンスが必要になった場合に、移動体をメンテナンスするスケジュールによって、移動体による配送への影響が大きくなることがある。移動体の配送への影響が大きくなることによって、物品を発送したり受け取ったりするユーザの利便性が低下するおそれがある。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、ユーザの利便性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る管理装置は、物品を配送する移動体を管理する制御部を備える。前記制御部は、前記移動体のうち配送中の移動体であり、かつ、配送に支障が生じる状態となった移動体である対象移動体をメンテナンスする計画を、前記対象移動体に関する情報に基づいて決定して出力する。
【0007】
本開示の一実施形態に係る管理方法は、物品を配送する移動体を管理する管理装置によって実行される。前記管理方法は、前記移動体のうち配送中の移動体であり、かつ、配送に支障が生じる状態となった移動体である対象移動体をメンテナンスする計画を、前記対象移動体に関する情報に基づいて決定して出力することを含む。
【0008】
本開示の一実施形態に係る管理プログラムは、物品を配送する移動体を管理する管理装置によって実行される。前記管理プログラムは、前記管理装置に、前記移動体のうち配送中の移動体であり、かつ、配送に支障が生じる状態となった移動体である対象移動体をメンテナンスする計画を、前記対象移動体に関する情報に基づいて決定して出力させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態に係る移動体の管理装置、管理方法及び管理プログラムによれば、ユーザの利便性が向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る管理システムの構成例を示すブロック図である。
図2】移動体の構成例を示す模式図である。
図3】一実施形態に係る管理方法の手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(管理システム1の構成例)
図1に示されるように、一実施形態に係る管理システム1は、管理装置10と、移動体40とを備える。管理システム1は、必須ではないが端末装置20を更に備える。
【0012】
<管理装置10>
管理装置10は、移動体40の運行を管理する。管理装置10は、制御部12と、インタフェース14とを備える。インタフェース14は、I/F14とも称される。
【0013】
制御部12は、管理装置10の少なくとも1つの構成部を制御する。制御部12は、1つ以上のプロセッサを含んで構成されてよい。本実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であるが、これらに限られない。制御部12は、1つ以上の専用回路を含んで構成されてもよい。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。制御部12は、プロセッサの代わりに専用回路を含んで構成されてもよいし、プロセッサとともに専用回路を含んで構成されてもよい。
【0014】
管理装置10は、記憶部を更に備えてよい。記憶部は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部は、磁気ディスク等の電磁記憶媒体を含んでよい。記憶部は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を含んでよい。記憶部は、管理装置10の動作に用いられる任意の情報を格納する。例えば、記憶部は、システムプログラム、又はアプリケーションプログラム等を格納してもよい。記憶部は、制御部12に含まれてもよい。
【0015】
I/F14は、制御部12から情報又はデータ等を出力したり、制御部12に情報又はデータ等を入力したりする。I/F14は、ネットワーク30を介して移動体40又は端末装置20等の他の機器と通信可能に構成される通信モジュールを含んでよい。通信モジュールは、例えば4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応してよい。通信モジュールは、LAN(Local Area Network)等の通信規格に対応してもよい。通信モジュールは、有線又は無線の通信規格に対応してもよい。通信モジュールは、これらに限られず、種々の通信規格に対応してよい。I/F14は、通信モジュールに接続可能に構成されてもよい。
【0016】
I/F14は、ユーザから情報又はデータ等の入力を受け付ける入力デバイスを含んで構成されてよい。入力デバイスは、例えば、タッチパネル若しくはタッチセンサ、又はマウス等のポインティングデバイスを含んで構成されてよい。入力デバイスは、物理キーを含んで構成されてもよい。入力デバイスは、マイク等の音声入力デバイスを含んで構成されてもよい。
【0017】
I/F14は、ユーザに対して情報又はデータ等を出力する出力デバイスを含んで構成されてよい。出力デバイスは、例えば、画像又は文字若しくは図形等の視覚情報を出力する表示デバイスを含んでよい。表示デバイスは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ若しくは無機ELディスプレイ、又は、PDP(Plasma Display Panel)等を含んで構成されてよい。表示デバイスは、これらのディスプレイに限られず、他の種々の方式のディスプレイを含んで構成されてよい。表示デバイスは、LED(Light Emission Diode)又はLD(Laser Diode)等の発光デバイスを含んで構成されてよい。表示デバイスは、他の種々のデバイスを含んで構成されてよい。出力デバイスは、例えば、音声等の聴覚情報を出力するスピーカ等の音声出力デバイスを含んでよい。出力デバイスは、これらの例に限られず、他の種々のデバイスを含んでよい。
【0018】
管理装置10は、1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置を含んでよい。
【0019】
<移動体40>
図2に示されるように、移動体40は、配送される物品である配送物品50を収容する収容空間を有する本体部42と、移動体40を移動させるための駆動部44とを備える。本体部42の収容空間は、配達箱等に梱包された配送物品50を収容可能に構成されてよいし、配送箱等に梱包されていない状態の配送物品50を収容可能に構成されてもよい。本体部42は、収容空間に収容した配送物品50をロックするロック機構を備えてもよい。駆動部44は、路面を走行する機構として例えば車輪又はキャタピラ等を備えてよい。駆動部44は、車輪又はキャタピラ等を駆動するモータ又はエンジン等の駆動機構を更に備えてよい。駆動部44は、駆動機構から車輪又はキャタピラ等に動力を伝達するギア等を更に備えてよい。駆動部44は、駆動機構に電力を供給するバッテリ又は燃料を供給するタンク等を更に備えてよい。
【0020】
図1に示されるように、移動体40は、必須ではないが移動体制御部46を更に備える。移動体制御部46は、移動体40の本体部42又は駆動部44等の移動体40の少なくとも1つの構成部を制御する。移動体制御部46は、管理装置10から移動先を指定する移動先情報を取得し、移動先情報に基づいて自律走行するように駆動部44を制御してよい。移動体40は、走行開始若しくは停止のタイミング、又は、走行速度等を指示する制御情報を管理装置10から取得し、制御情報に基づいて駆動部44を制御して走行してもよい。移動体制御部46は、本体部42に配送物品50が収容された場合、収容した配送物品50を特定する情報を管理装置10に出力してよい。移動体制御部46は、本体部42から配送物品50が取り出された場合、取り出された配送物品50を特定する情報を管理装置10に出力してよい。
【0021】
移動体制御部46は、1つ以上のプロセッサを含んで構成されてよい。移動体制御部46は、プロセッサの代わりに1つ以上の専用回路を含んで構成されてもよいし、プロセッサとともに専用回路を含んで構成されてもよい。移動体40は、記憶部を含んで構成されてよい。移動体40の記憶部は、管理装置10の記憶部と同一又は類似に構成されてよい。移動体40は、I/F又は通信モジュールを含んで構成されてもよい。移動体40のI/F又は通信モジュールは、管理装置10のI/F又は通信モジュールと同一又は類似に構成されてよい。
【0022】
移動体40は、移動体40自身の位置情報を取得する位置情報検出部を含んで構成されてよい。移動体40は、移動体40自身の位置情報を管理装置10に出力してよい。位置情報検出部は、衛星測位システムに対応する受信機を含んで構成されてよい。衛星測位システムに対応する受信機は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機等を含んでもよい。
【0023】
管理システム1によって管理される移動体40の数は、2台以上であってよい。移動体40は、図2に例示される態様に限られず、配送物品50を収容して移動可能な他の種々の態様で構成されてよい。
【0024】
移動体制御部46は、移動体40に設置されている種々のセンサから、移動体40の状態に関する検出結果を取得してよい。移動体制御部46は、センサの検出結果に基づいて移動体40の状態を取得してよい。移動体制御部46は、移動体40の状態を推定してよい。移動体制御部46は、移動体40の状態として、例えば移動体40が走行可能であるか推定してよい。移動体制御部46は、移動体40の状態として、汚れたり濡れたりしているか推定してよい。移動体制御部46は、移動体40の状態として、少なくとも一部の構成が故障しているか推定してよい。移動体制御部46は、移動体40の状態を表す情報を管理装置10に出力してよい。
【0025】
移動体40の状態を表す情報は、移動体40がメンテナンスを必要とする状態であることを表す情報を含む。移動体40は、本体部42又は駆動部44の損傷若しくは動作不良、又は、バッテリの充電率の低下若しくは燃料不足等のメンテナンスを必要とする状態になり得る。
【0026】
移動体制御部46は、移動体40がその場から正常に動くことができず、配送中の配送物品50を配送できない場合に、その移動体40がメンテナンスを必要とする状態であると判定してよい。移動体制御部46は、例えば、移動体40が停止していたり、移動体40の走行速度が通常の速度と比べて所定の割合で低下していたり、移動体40が走行することによって危険な状態になったりする場合に、移動体40がメンテナンスを必要とする状態であると判定してよい。移動体制御部46は、移動体40のバッテリ残量又は燃料残量が所定量以下である場合に、移動体40がメンテナンスを必要とする状態であると判定してよい。移動体制御部46は、移動体40の種々の状態に基づいて、移動体40がメンテナンスを必要とする状態であるか判定してもよい。配送物品50の配送中の移動体40であり、かつ、配送物品50の配送に支障が生じる状態となった移動体40は、対象移動体とも称される。ここで、移動体40が配送中の状態であることは、移動体40が配送物品50を収容して配送先に向けて走行している状態、又は、移動体40が配送先に到着して配送物品50をユーザに受け渡している状態を含んでよい。また、移動体40が配送中の状態であることは、移動体40が配送物品50の配送を完了して戻っている状態、又は、移動体40が配送物品50を回収するために配送元に向けて走行している状態を含んでよい。
【0027】
移動体40がメンテナンスを必要とする状態である場合、移動体40をメンテナンスするために、例えば以下の作業が実行され得る。メンテナンスを実施する作業員、装置又は他の移動体40等が、動けなくなったり遅くなったりしたメンテナンス対象の移動体40の位置に移動し、メンテナンス対象の移動体40の修理、部品交換、又は充電若しくは燃料補給等を実行してよい。また、メンテナンス対象の移動体40を回収する装置又は他の移動体40等が、メンテナンス対象の移動体40の位置に移動し、メンテナンス対象の移動体40を回収してメンテナンスする設備まで運搬してもよい。メンテナンス対象の移動体40が回収される場合、他の移動体40がメンテナンス対象の移動体40に収容されている配送物品50を回収して代わりに配送してもよい。
【0028】
<端末装置20>
端末装置20は、配送物品50を発送するユーザから、配送物品50を発送する場所又は時刻を指定する情報の入力を受け付け、入力された情報を管理装置10に出力してよい。端末装置20は、配送物品50を受け取るユーザから、配送物品50を受け取る場所又は時刻を指定する情報の入力を受け付け、入力された情報を管理装置10に出力してよい。端末装置20は、管理装置10から配送物品50の配送状況に関する情報を取得し、配送物品50を発送したユーザ又は配送物品50を受け取るユーザに配送物品50の配送状況を通知してよい。
【0029】
端末装置20は、1つ以上のプロセッサ又は1つ以上の専用回路を含んで構成されてよい。端末装置20は、記憶部を含んで構成されてよい。端末装置20の記憶部は、管理装置10の記憶部と同一又は類似に構成されてよい。端末装置20は、I/F又は通信モジュールを含んで構成されてもよい。端末装置20のI/F又は通信モジュールは、管理装置10のI/F又は通信モジュールと同一又は類似に構成されてよい。
【0030】
端末装置20は、ユーザから情報又はデータ等の入力を受け付ける入力デバイスを含んで構成されてよい。入力デバイスは、I/F14として説明された種々のデバイスを含んで構成されてよい。また、端末装置20は、ユーザに対して情報又はデータ等を出力する出力デバイスを含んで構成されてよい。出力デバイスは、I/F14として説明された種々のデバイスを含んで構成されてよい。
【0031】
管理システム1が備える端末装置20の数は、1つに限られず、2つ以上であってよい。端末装置20は、スマートフォン若しくはタブレット等の携帯端末、又は、ノートPC(Personal Computer)若しくはタブレットPC等のPCを含んで構成されてよい。端末装置20は、これらの例に限られず、種々の機器を含んで構成されてよい。
【0032】
(管理システム1の動作例)
本実施形態に係る管理システム1において、管理装置10は、複数の移動体40のそれぞれの運行を管理する。管理装置10は、移動体40に、配送物品50を配送元で収容させ、配送物品50を配送先に配送させるように、移動体40の運行を管理する。管理装置10は、移動体40が配送物品50を収容していない場合又は配送物品50を収容する容量を有する場合、移動体40に配送物品50を収容させるように移動体40の移動先として配送物品50の配送元を指定する。管理装置10は、移動体40が配送物品50を収容した場合、収容した配送物品50を配送させるように移動体40の移動先として配送物品50の配送先を指定する。
【0033】
配送元は、配送物品50が発送される場所を含む。配送物品50は、法人又は個人等のユーザから発送されてもよいし、配送物品50を集荷した物流センター等から発送されてもよい。配送先は、配送物品50が受け取られる場所を含む。配送物品50は、法人又は個人等のユーザによって受け取られてもよいし、配送物品50を集荷する物流センター等で受け取られてもよい。配送元又は配送先は、これらの例に限られず種々の場所を含んでよい。管理装置10は、集荷又は配送で取り扱う配送物品50の数を増やせるように、移動体40の運行を計画して運行を管理する。
【0034】
運行する移動体40の数が増えるほど取り扱える配送物品50が増える。また、各移動体40の運行時間が長くなるほど取り扱える配送物品50が増える。言い換えれば、移動体40の稼働率が高くなるほど取り扱える配送物品50の数が増える。管理装置10は、移動体40の稼働率を高めるように移動体40の運行を管理する。
【0035】
管理装置10は、移動体40の運行を管理するために、移動体40の状態を管理する。移動体40の状態は、移動体40がメンテナンスを必要とする状態かを含む。移動体40の状態は、移動体40が収容している配送物品50の数、重量若しくは種類、配送する場所、又は配送時刻等を含んでよい。
【0036】
管理装置10は、移動体40がメンテナンスを必要とする状態である場合、その移動体40(対象移動体)のメンテナンスの計画を決定する。対象移動体がメンテナンスされることによって、移動体40の稼働率が低下する。管理装置10は、移動体40の稼働率を維持したり高めたりできるように対象移動体のメンテナンスの計画を決定してよい。具体的に、管理装置10は、同時に稼働する移動体40の数が増えるように対象移動体のメンテナンスの計画を決定してよい。また、管理装置10は、配送物品50を収容した状態で停止した対象移動体の停止時間を短くするように対象移動体のメンテナンスの計画を決定してよい。このようにすることで、配送物品50の配送又は集荷にかかる時間が短縮され得る。その結果、配送物品50の配送又は集荷等の取り扱いに関するユーザの要求が満たされやすくなる。
【0037】
複数の移動体40は、それぞれ異なるタイミングでメンテナンスの対象となり得る。また、複数の移動体40は、同じタイミングでメンテナンスの対象となり得る。そうすると、複数の移動体40がメンテナンスの対象となる期間が重なり得る。つまり、複数の移動体40が対象移動体となる期間が存在し得る。移動体40をメンテナンスする設備又は作業者の数は限られる。その結果、ある時点で存在する対象移動体の数が管理システム1において対象移動体を同時にメンテナンスする設備又は作業者等のリソースでメンテナンスできる数よりも少なくなり得る。対象移動体の数がメンテナンスできる数より多くなることによって、複数の対象移動体のうちの少なくとも一部の対象移動体のメンテナンスを開始する時期又はメンテナンスを完了する時期が遅くなり得る。
【0038】
管理装置10は、複数の対象移動体が存在する場合、各対象移動体に関する情報に基づいてメンテナンスの計画を決定する。具体的に、管理装置10の制御部12は、各対象移動体に関する情報に基づいて、各対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を計画してよい。制御部12は、複数の対象移動体でメンテナンスする時期又は場所が重複する場合、メンテナンスする時期又は場所を異ならせるようにメンテナンスの計画を決定してよい。制御部12は、メンテナンスする時期が重複した複数の対象移動体のうち少なくとも1台の対象移動体のメンテナンスを早めたり遅らせたりしてよい。制御部12は、メンテナンスする場所が重複した複数の対象移動体のうち少なくとも1台の対象移動体を他の場所に移動させてよい。
【0039】
制御部12は、各対象移動体に関する情報として各対象移動体による配送物品50の配送に関する情報を取得してよい。制御部12は、各対象移動体による配送物品50の配送に関する情報に基づいて、各対象移動体のメンテナンスの計画を決定してよい。配送物品50の配送に関する情報は、例えば配送物品50の配送スケジュールを含んでよいし、配送物品50の配送先の場所又は配送時刻等を含んでよい。
【0040】
制御部12は、各対象移動体に関する情報として各対象移動体のメンテナンス項目に関する情報を取得してよい。制御部12は、各対象移動体のメンテナンス項目に関する情報に基づいて、各対象移動体のメンテナンスの計画を決定してよい。メンテナンス項目は、例えば、走行できなくなった移動体40をメンテナンスする項目を含んでよい。移動体40は、例えば駆動部44の故障によって走行できなくなる。メンテナンス項目は、駆動部44の修理を含んでよい。移動体40は、例えばバッテリ残量又は燃料の不足等によって走行できなくなる。メンテナンス項目は、バッテリの充電又は燃料の補給等を含んでよい。メンテナンス項目は、例えば、配送物品50を収容できなくなった移動体40をメンテナンスする項目を含んでよい。移動体40は、例えば本体部42の故障、破損又は汚染等によって配送物品50を収容できなくなる。メンテナンス項目は、本体部42の修理を含んでよい。
【0041】
制御部12は、各対象移動体に関する情報として各対象移動体がメンテナンスを必要とする位置を取得してよい。制御部12は、各対象移動体がメンテナンスを必要とする位置に基づいて、各対象移動体のメンテナンスの計画を決定してもよい。
【0042】
制御部12は、複数の対象移動体でメンテナンスする時期又は場所が重複する場合、各対象移動体に関する情報に基づいて、各対象移動体のメンテナンスの優先度を設定してよい。制御部12は、各対象移動体に設定した優先度に基づいて、各対象移動体をメンテナンスする計画を決定してよい。具体的に、制御部12は、高い優先度が設定された対象移動体をメンテナンスする時期及び場所を先に決定してよい。制御部12は、低い優先度が設定された対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を、高い優先度が設定された対象移動体をメンテナンスする時期又は場所を除く時期又は場所に決定してよい。
【0043】
制御部12は、対象移動体に関する情報として、対象移動体が配送中の配送物品50の数を取得してよい。制御部12は、配送中の配送物品50の数に基づいて対象移動体をメンテナンスする計画を決定してよい。制御部12は、配送中の配送物品50が多いほど、その対象移動体に高い優先度を設定してよい。配送中の配送物品50は、対象移動体が収容している全ての配送物品50であってよい。配送中の配送物品50は、対象移動体が収容している配送物品50のうち配送時刻が所定時間内である配送物品50であってもよい。
【0044】
制御部12は、対象移動体に関する情報として、対象移動体が配送中の配送物品50の配送期限を取得してよい。制御部12は、配送中の配送物品50の配送期限に基づいて対象移動体をメンテナンスする計画を決定してよい。制御部12は、複数の配送物品50を収容している場合、配送中の各配送物品50の配送期限のうち最も近い配送期限に基づいて対象移動体をメンテナンスする計画を決定してよい。制御部12は、配送中の各配送物品50の配送期限の平均値又は中央値に基づいて対象移動体をメンテナンスする計画を決定してもよい。
【0045】
制御部12は、配送中の配送物品50の配送期限に基づいて対象移動体をメンテナンスする優先度を設定してよい。制御部12は、配送中の配送物品50の配送期限までの時間が短いほど、その対象移動体に高い優先度を設定してよい。制御部12は、配送期限が所定期間内である配送物品50を収容している場合にその対象移動体に高い優先度を設定し、配送期限が所定期間内である配送物品50を収容していない場合にその対象移動体に低い優先度を設定してもよい。
【0046】
制御部12は、対象移動体に関する情報として、対象移動体が停止している場所を取得してよい。制御部12は、対象移動体が停止している場所に基づいて対象移動体をメンテナンスする計画を決定してよい。制御部12は、例えば対象移動体が他の移動体40の通路に停止して他の移動体40の通路を塞いでいる場合、その対象移動体を早く通路から移動させることによって通路の閉塞を解消できるように、対象移動体のメンテナンスの計画を決定してよい。制御部12は、例えば対象移動体が配送中の配送物品50への影響がより大きい場所に停止している場合、その対象移動体を早く移動させることによって配送中の配送物品50への影響を低減できるように、対象移動体のメンテナンスの計画を決定してよい。配送物品50への影響がより大きい場所は、例えば、対象移動体に日光が直射する等の環境の原因によって、通常の環境よりも対象移動体及び配送物品50の温度が上昇したり低下したりしやすい場所を含んでよい。配送物品50への影響がより大きい場所は、例えば、対象移動体が濡れたり汚れたりすることによって、通常の環境よりも配送物品50が濡れたり汚れたりしやすい場所を含んでよい。
【0047】
制御部12は、対象移動体が停止している場所に基づいて対象移動体をメンテナンスする優先度を設定してよい。制御部12は、対象移動体によって運行が妨げられたり影響を受けたりする他の移動体40の数が多いほど、その対象移動体に高い優先度を設定してよい。制御部12は、対象移動体について予測される状態変化が大きいほど、その対象移動体に高い優先度を設定してよい。対象移動体の状態変化は、対象移動体又は収容している配送物品50の温度変化を含んでよい。対象移動体の状態変化は、対象移動体又は収容している配送物品50の濡れ又は汚れの度合いの変化を含んでよい。
【0048】
制御部12は、対象移動体に関する情報として、対象移動体に要求されるメンテナンスの項目を取得してよい。制御部12は、対象移動体に要求されるメンテナンスの項目に基づいて対象移動体をメンテナンスする計画を決定してよい。制御部12は、例えば、停止している対象移動体の運行を再開させるために必要なメンテナンスの項目を、それ以外のメンテナンスの項目よりも優先して実行するようにメンテナンスの計画を決定してよい。制御部12は、例えば、配送物品50に及ぼされる影響を低減するために必要なメンテナンスの項目を、それ以外のメンテナンスの項目よりも優先して実行するようにメンテナンスの計画を決定してよい。
【0049】
制御部12は、対象移動体に要求されるメンテナンスの完了条件を設定してよい。制御部12は、例えば、対象移動体がバッテリの充電又は燃料等のエネルギーの補給を必要としている場合、バッテリの充電量又は燃料の貯蔵量を表すエネルギー残量が補給閾値以上になることをメンテナンスの完了条件として設定してよい。
【0050】
制御部12は、対象移動体のメンテナンスによって生じる配送物品50の配送への影響度合いが所定の度合い以上である場合、対象移動体に要求されるメンテナンスの完了条件を緩和してよい。配送への影響度合いは、例えば配送の遅延を含んでよい。所定の度合いは、例えば遅延時間として設定されてよい。制御部12は、例えば運行している移動体40の数が減っている場合等に、対象移動体を早く運行させるように、対象移動体に要求されるメンテナンスの完了条件を緩和してよい。制御部12は、対象移動体が運行するために必要とされる最小限のメンテナンスが実行されるように完了条件を緩和してもよい。制御部12は、緩和した完了条件に基づいて対象移動体をメンテナンスする計画を決定してよい。制御部12は、例えば、対象移動体のエネルギー残量を評価する補給閾値を小さくすることによって完了条件を緩和してもよい。
【0051】
制御部12は、メンテナンスにかかる時間が短い対象移動体ほど優先してメンテナンスする計画を決定してもよい。制御部12は、対象移動体のメンテナンスにかかる時間が短いほど、その対象移動体に高い優先度を設定してよい。制御部12は、対象移動体が運行するために必要とされる最小限のメンテナンスになるように完了要件を緩和することによって、メンテナンスにかかる時間を短縮してもよい。
【0052】
以上述べてきたように、制御部12は、各対象移動体の情報に基づいて各対象移動体をメンテナンスする計画を決定する。制御部12は、決定したメンテナンスの計画を、メンテナンスを実施する作業者に通知するように出力してよい。制御部12は、決定したメンテナンスの計画をユーザの端末装置20に出力してもよい。端末装置20は、メンテナンスの計画を表示することによってユーザに通知してもよい。制御部12は、決定したメンテナンスの計画を、メンテナンスを実行する装置に出力してもよい。
【0053】
<管理方法の手順例>
以上述べてきたように、本実施形態に係る管理システム1において管理装置10は、移動体40の稼働率を高めるように移動体40のメンテナンスを計画できる。管理装置10の制御部12は、例えば図3に例示されるフローチャートの手順を含む管理方法を実行してよい。管理方法は、制御部12に実行させる管理プログラムとして実現されてもよい。
【0054】
制御部12は、移動体40の情報を取得する(ステップS1)。制御部12は、移動体40のメンテナンスが必要であるか判定する(ステップS2)。制御部12は、移動体40のメンテナンスが必要でない場合(ステップS2:NO)、後述するステップS5に進む。
【0055】
制御部12は、移動体40のメンテナンスが必要である場合(ステップS2:YES)、移動体40を対象移動体とみなし、対象移動体のメンテナンスの優先度を決定する(ステップS3)。制御部12は、ステップS3の優先度を決定する手順を省略してもよい。
【0056】
制御部12は、対象移動体の情報に基づいて、対象移動体をメンテナンスする計画を決定する(ステップS4)。制御部12は、ステップS3の手順で対象移動体のメンテナンスの優先度を決定した場合、優先度に基づいて対象移動体をメンテナンスする計画を決定してよい。
【0057】
制御部12は、移動体40の運行を管理する(ステップS5)。制御部12は、メンテナンスの計画を決定した場合、その計画に基づいて対象移動体のメンテナンスを実行し、対象移動体以外の移動体40で配送物品50を配送するように移動体40の運行を管理する。制御部12は、ステップS5の手順の実行後、図3のフローチャートの手順の実行を終了する。
【0058】
<小括>
以上述べてきたように本実施形態に係る管理システム1及び管理装置10並びに管理方法によれば、移動体40の状態に関する情報に基づいて移動体40のメンテナンスの計画が決定される。稼働中の移動体40の数が増えるほど、ユーザからの配送物品50の配送の要求が満たされやすい。管理装置10は、稼働中の移動体40の数を増やすように、移動体40のメンテナンスの計画を決定してよい。また、移動体40の稼働時間が長くなるほど、ユーザからの配送物品50の配送の要求が満たされやすい。管理装置10は、移動体40の稼働時間を長くするように、移動体40のメンテナンスの計画を決定してよい。また、既に配送物品50を収容している移動体40が停止する時間が短いほど、ユーザからの配送物品50の配送の要求が満たされやすい。管理装置10は、配送物品50を配送中の移動体40の運行を早く再開させるように、移動体40のメンテナンスの計画を決定してよい。このようにすることで、配送物品50を配送する移動体40の稼働率が向上され得る。その結果、ユーザの利便性が向上する。
【0059】
(他の実施形態)
管理装置10の制御部12は、メンテナンスを必要とする状態であると判定した移動体40を対象移動体とみなし、対象移動体をメンテナンスする計画を決定する。制御部12は、移動体40が収容している配送物品50の数に基づいて、移動体40がメンテナンスを必要とする状態であると判定する条件を設定してもよい。
【0060】
移動体40が収容している配送物品50の数が少ない場合、又は、移動体40が収容している配送物品50の配送期限までの時間が長い場合、移動体40のメンテナンスが配送に及ぼす影響が少ない。配送に及ぼす影響が少ないタイミングであらかじめ移動体40をメンテナンスすることによって、管理システム1全体として、移動体40のメンテナンスが配送に及ぼす影響が低減され得る。
【0061】
制御部12は、早めに移動体40をメンテナンスするように、移動体40がメンテナンスを必要とする状態であると判定する条件を変更してよい。例えば、制御部12は、移動体40のバッテリ残量又は燃料残量等が多い状態でもメンテナンスを必要とする状態であると判定するように条件を設定してよい。
【0062】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 管理システム
10 管理装置(12:制御部、14:I/F)
20 端末装置
30 ネットワーク
40 移動体(42:本体部、44:駆動部、46:移動体制御部)
50 配送物品
図1
図2
図3