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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/298 20210101AFI20241210BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20241210BHJP
   H01M 50/571 20210101ALI20241210BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20241210BHJP
   H01G 2/02 20060101ALI20241210BHJP
   H01G 11/10 20130101ALI20241210BHJP
   H01G 11/76 20130101ALI20241210BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20241210BHJP
【FI】
H01M50/298
H01M50/569
H01M50/571
H01M50/271 S
H01G2/02 101E
H01G11/10
H01G11/76
H01G11/78
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021543642
(86)(22)【出願日】2020-07-15
(86)【国際出願番号】 JP2020027545
(87)【国際公開番号】W WO2021044739
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-05-23
(31)【優先権主張番号】P 2019160244
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【弁理士】
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】山本 雄一郎
【審査官】川口 陽己
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-203770(JP,A)
【文献】特表2012-523084(JP,A)
【文献】特開2015-111537(JP,A)
【文献】特開2018-191384(JP,A)
【文献】特開2013-161556(JP,A)
【文献】特開2016-207257(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0268652(US,A1)
【文献】特開2018-055889(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01M 50/50-50/598
H01G 11/00-11/86
H01G 2/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの蓄電素子を有する蓄電素子ユニットと、
前記蓄電素子ユニットに電気的に接続された電気機器と、
前記電気機器にコネクタを介して接続された電線と、
前記電線の、前記コネクタから突出した部分である突出部分の姿勢を、前記コネクタから下方に傾く姿勢に規制する規制部と、
前記電気機器及び前記電線を上方から覆うカバー部材とを備え、
前記規制部は、前記カバー部材に配置されており、前記電線の前記突出部分を上方から押さえることで、前記突出部分の姿勢を、下方に傾く姿勢に規制する、
電装置。
【請求項2】
少なくとも1つの蓄電素子を有する蓄電素子ユニットと、
前記蓄電素子ユニットに電気的に接続された電気機器と、
前記電気機器にコネクタを介して接続された電線と、
前記電線の、前記コネクタから突出した部分である突出部分の姿勢を、前記コネクタから下方に傾く姿勢に規制する規制部と、
前記電気機器と前記蓄電素子ユニットとの間を仕切るように配置された板状部材と、
前記板状部材に形成された、前記蓄電素子ユニットの一部を露出させる開口部を覆う開口部カバーとを備え、
前記規制部は、前記開口部カバーの前記電気機器の側の面に配置されている、
電装置。
【請求項3】
前記電気機器には、前記コネクタを介して複数の前記電線が接続されており、前記規制部は、前記複数の前記電線それぞれの前記突出部分の姿勢を、一括して下方に傾く姿勢に規制する、
請求項1または2記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記電線の前記突出部分の、前記コネクタとは反対側の端部の下方には、非金属製の水受部が配置されている、
請求項1~3のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記蓄電装置において、前記電気機器は複数備えられており、
前記電線は、複数の前記電気機器のうちの2つの前記電気機器を接続するよう配置されている、
請求項1~4のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器を備える蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の電池セルを備える電池モジュールが開示されている。電池モジュールは、隣接する2つの電池セルの端子間に固定される板状部と立設部とを備える金属リードと、金属リードの立設部が差し込まれる差込穴から延在する配線パターンが設けられる配線基板とを備える。金属リードの立設部には配線基板の下面と接触して配線基板を支持する補強部が設けられ、金属リードの補強部が配線基板を支持する位置の上方にヒューズの少なくとも一部が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-123280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の電池モジュールのように、配線基板等の電気機器に接続する導電部材として、リジッドな金属体を用いた場合、導電部材を利用して電気機器を支持する等の構造が可能である。しかしながらこの場合、導電部材は比較的に大きくまたは太くなり、重量も比較的に大きくなる。さらに、導電部材で接続された2つの部材の一方が他方の動きの影響を受けやすくなる。蓄電装置が備える電気機器としては、制御装置及びリレー等があり、これら電気機器には、他の部材と電気的に接続するための導通路を複数設ける必要がある。そこで、これら導通路を形成する部材として、電気的な絶縁性を有する樹脂で被覆された電線が用いられる場合がある。具体的には、電線の端部にはコネクタ(コネクタプラグ、または、プラグとも呼ばれる。)が設けられており、コネクタが電気機器に設けられたソケットに差し込まれることで、電気機器と他の電気機器等とが電気的に接続される。
【0005】
この場合、電線は比較的に軽量で、かつ、柔軟性が高いため、姿勢の自由度が高い。そのため、電線は、コネクタを介して接続された電気機器に与える機械的な負荷が少ない。一方、電線は、柔軟性が高いが故に、コネクタに近い部分(コネクタから突出した部分)は、様々な姿勢を取りうる。そのため、例えば電線に結露が生じた場合、その水滴が電線を伝ってコネクタの中に浸入し、これにより、電気機器の不具合が生じる可能性がある。
【0006】
本発明は、本願発明者が上記課題に新たに着目することによってなされたものであり、電気機器を備える蓄電装置であって、信頼性が向上された蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る蓄電装置は、少なくとも1つの蓄電素子を有する蓄電素子ユニットと、前記蓄電素子ユニットに電気的に接続された電気機器と、前記電気機器にコネクタを介して接続された電線と、前記電線の、前記コネクタから突出した部分である突出部分の姿勢を、前記コネクタから下方に傾く姿勢に規制する規制部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電気機器を備える蓄電装置であって、信頼性が向上された蓄電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。
図2図2は、実施の形態に係る蓄電装置を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
図3図3は、実施の形態に係る接続ユニットの斜視図である。
図4図4は、実施の形態に係る電気機器と電線との構造上の関係を示す斜視図である。
図5図5は、実施の形態に係る電気機器に接続された電線の姿勢を示す側面図である。
図6図6は、実施の形態に係る規制部の構成を示す断面図である。
図7図7は、実施の形態の変形例に係る電気機器に接続された電線の姿勢を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一態様に係る蓄電装置は、少なくとも1つの蓄電素子を有する蓄電素子ユニットと、前記蓄電素子ユニットに電気的に接続された電気機器と、前記電気機器にコネクタを介して接続された電線と、前記電線の、前記コネクタから突出した部分である突出部分の姿勢を、前記コネクタから下方に傾く姿勢に規制する規制部と、を備える。
【0011】
この構成によれば、電気機器に接続された電線の突出部分の姿勢を、コネクタから下向きに傾いた姿勢にできる。これにより、例えば蓄電装置内で結露が生じ、その水滴が電線に付着した場合であっても、コネクタにその水滴が到達することが困難になる。その結果、コネクタに水が浸入することによる不具合の発生可能性が低減される。このように、本態様に係る蓄電装置は、信頼性が向上された蓄電装置である。
【0012】
前記電気機器には、前記コネクタを介して複数の前記電線が接続されており、前記規制部は、前記複数の前記電線それぞれの前記突出部分の姿勢を、一括して下方に傾く姿勢に規制する、としてもよい。
【0013】
この構成によれば、蓄電装置内で結露が生じた場合に、電線が集まっていることで大きくなりがちな水滴を、これら電線を伝ってコネクタに近づかないようにできる。そのため、1つのコネクタに複数の電線が接続されている状態において、簡易な構成で、結露に起因する不具合の発生可能性を低減できる。
【0014】
前記電線の前記突出部分の、前記コネクタとは反対側の端部の下方には、非金属製の水受部が配置されている、としてもよい。
【0015】
この構成によれば、電線のコネクタに近い突出部分に水滴が付着し、その水滴が下方に傾く姿勢の突出部分を伝って移動し、電線から落ちた場合、その水滴は非金属製の水受部によって受け止められる。これにより、蓄電装置の内部において、水滴に起因する金属製部材の腐食の可能性が低減される。このことも、蓄電装置の信頼性の向上に寄与する。
【0016】
蓄電装置はさらに、前記電気機器及び前記電線を上方から覆うカバー部材を備え、前記規制部は、前記カバー部材に配置されており、前記電線の前記突出部分を上方から押さえることで、前記突出部分の姿勢を、下方に傾く姿勢に規制する、としてもよい。
【0017】
この構成によれば、カバー部材の配置作業によって、電線の突出部分の姿勢が下方に傾く姿勢に規制される。つまり、例えば外装体の蓋体であるカバー部材を配置するだけで、蓄電装置内の結露に起因する不具合の発生を抑制する効果が得られる。
【0018】
蓄電装置はさらに、前記電気機器と前記蓄電素子ユニットとの間を仕切るように配置された板状部材と、前記板状部材に形成された、前記蓄電素子ユニットの一部を露出させる開口部を覆う開口部カバーとを備え、前記規制部は、前記開口部カバーの前記電気機器の側の面に配置されている、としてもよい。
【0019】
この構成によれば、開口部カバーに規制部が設けられるため、規制部を、蓄電装置の内部において安定的に固定できる。板状部材に設けられた開口部を介して、電極端子に対するバスバーの接合作業を行うことができ、さらに、その接合作業の際に使用した空間を利用して、不具合を抑制するための姿勢に規制された電線を配置できる。
【0020】
前記蓄電装置において、前記電気機器は複数備えられており、前記電線は、複数の前記電気機器のうちの2つの前記電気機器を接続するよう配置されている、としてもよい。
【0021】
この構成によれば、少なくとも2つの電気機器を互いに接続する電線の姿勢が、規制部によって規制される。つまり、1つの規制部によって、少なくとも2つの電気機器のそれぞれに接続されたコネクタへの水滴の到達を抑制できる。従って、複数のコネクタ及び電気機器を、簡易な構成で効率よく水滴から保護できる。
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(その変形例を含む)に係る蓄電装置について説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
【0023】
以下の説明及び図面中において、複数の蓄電素子の並び方向、蓄電素子の容器の長側面の対向方向、または、当該容器の厚さ方向をX軸方向と定義する。1つの蓄電素子における電極端子の並び方向、または、蓄電素子の容器の短側面の対向方向をY軸方向と定義する。蓄電装置の外装体における本体部と蓋体との並び方向、蓄電素子とバスバーとの並び方向、または、上下方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(以下実施の形態及びその変形例では、直交)する方向である。使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。
【0024】
以下の実施の形態において、平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が直交する、とは、当該2つの方向がなす角が90°であることを意味するだけでなく、実質的に直交すること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。以下の説明において、例えば、X軸方向プラス側とは、X軸の矢印方向側を示し、X軸方向マイナス側とは、X軸方向プラス側とは反対側を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。
【0025】
(実施の形態)
[1.蓄電装置の全般的な説明]
まず、図1及び図2を用いて、実施の形態に係る蓄電装置1の全般的な説明を行う。図1は、実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態に係る蓄電装置1を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【0026】
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電できる装置であり、本実施の形態では、略直方体形状を有している。蓄電装置1は、電力貯蔵用途または電源用途等に使用される電池モジュール(組電池)である。具体的には、蓄電装置1は、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)及びガソリン自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール及びリニアモーターカーが例示される。蓄電装置1は、家庭用または発電機用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いることができる。
【0027】
図1及び図2に示すように、蓄電装置1は、蓄電素子20と、蓄電素子20を収容する外装体10とを備える。本実施の形態では、外装体10には8個の蓄電素子20が収容されている。蓄電装置1が備える蓄電素子20の数は8には限定されない。蓄電装置1は、少なくとも1つの蓄電素子20を備えればよい。本実施の形態では、X軸方向に並べられた複数の蓄電素子20と、複数の蓄電素子20を接続する複数のバスバー33とにより1つの蓄電素子ユニット24が構成されている。蓄電素子ユニット24は、図示しないスペーサ及び絶縁フィルム等を有してもよい。
【0028】
外装体10は、蓄電素子ユニット24を収容する本体部12と、蓄電素子ユニット24の上方に配置されるバスバープレート17の上方を覆うように配置される蓋体11とを有している。外装体10は、蓄電装置1の外殻を構成する矩形状(箱状)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体10は、蓄電素子ユニット24及びバスバープレート17等を所定の位置に固定し、これらを衝撃などから保護する部材である。外装体10は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE(変性PPEを含む))、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ABS樹脂、もしくは、それらの複合材料等の絶縁部材、または、絶縁塗装をした金属等により形成されている。
【0029】
外装体10が有する蓋体11は、本体部12の本体開口部15を閉塞する矩形状の部材であり、正極側の外部端子91及び負極側の外部端子92を有している。外部端子91及び92は、接続ユニット50及びバスバー33を介して複数の蓄電素子20と電気的に接続されており、蓄電装置1は、この外部端子91及び92を介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。外部端子91及び92は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属製の導電部材で形成されている。
【0030】
本体部12は、蓄電素子ユニット24を収容するための本体開口部15が形成された有底矩形筒状のハウジング(筐体)である。
【0031】
蓄電素子20は、電気を充電し、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。蓄電素子20は、扁平な直方体形状(角形)の形状を有しており、本実施の形態では、上述のように、8個の蓄電素子20がX軸方向に配列されている。
【0032】
蓄電素子20は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子20は、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。蓄電素子20は、固体電解質を用いた電池であってもよい。本実施の形態では、直方体形状(角形)の蓄電素子20を図示しているが、蓄電素子20の形状は、直方体形状には限定されず、直方体形状以外の多角柱形状、円柱形状、長円柱形状等であってもよい。さらに、パウチタイプの蓄電素子が、蓄電素子20として蓄電装置1に備えられてもよい。
【0033】
本実施の形態では、蓄電素子20は、金属製の容器21を備える。容器21は、互いに対向する一対の長側面21aと、互いに対向する一対の短側面21bとを有する角形のケースである。容器21の内部には、電極体、集電体、及び電解液等が収容されている。本実施の形態では、複数の蓄電素子20のそれぞれは長側面21aがX軸方向に向く姿勢(短側面21bがX軸方向に平行な姿勢)で、X軸方向に一列に並べられている。
【0034】
容器21の蓋板21cには、容器21の内部の電極体と電気的に接続された金属製の電極端子22(正極端子及び負極端子)が設けられている。電極端子22(正極端子及び負極端子)は、容器21の蓋板21cから、バスバープレート17側に向けて(上方、つまりZ軸方向プラス側に向けて)突出して配置されている。容器21の蓋板21cにはさらに、容器21の内部のガスを外部に排出するためのガス排出弁23が設けられている。
【0035】
バスバー33は、バスバープレート17に保持された状態で、少なくとも2つの蓄電素子20上に配置され、当該少なくとも2つの蓄電素子20の電極端子22同士を電気的に接続する矩形状の板状部材である。バスバー33の材質は特に限定されず、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、ステンレス鋼等の金属若しくはそれらの組み合わせ、または、金属以外の導電性の部材で形成されていてもよい。本実施の形態では、5つのバスバー33を用いて、蓄電素子20を2個ずつ並列に接続して4セットの蓄電素子群を構成し、かつ、当該4セットの蓄電素子群を直列に接続している。8個の蓄電素子20の電気的な接続の態様に特に限定はなく、8個の蓄電素子20の全てが、7個のバスバーによって直列に接続されてもよい。
【0036】
バスバープレート17は、電気機器と蓄電素子ユニットとの間を仕切るように配置された板状部材の一例である。本実施の形態では、バスバープレート17は、バスバー33を保持する樹脂製の部材である。より詳細には、バスバープレート17は、複数のバスバー33、接続ユニット50、及び、その他配線類等(図2に図示せず)を保持し、これら部材の位置規制等を行うことができる部材である。バスバープレート17には、複数のバスバー33のそれぞれを保持し、かつ、複数のバスバー33それぞれの一部を複数の蓄電素子20の側に露出させるバスバー用開口部17aが複数設けられている。複数のバスバー33はバスバーカバー70及び75に覆われている。このように構成されたバスバープレート17は、外装体10の本体部12に、接着または熱溶着等の所定の手法により固定されている。
【0037】
バスバーカバー70及び75のそれぞれは、開口部カバーの一例であり、複数のバスバー33を上方から覆う樹脂製の部材である。バスバーカバー70及び75は、複数のバスバー33と接続ユニット50とを電気的に絶縁する役割を担っている。バスバープレート17、バスバーカバー70及び75のそれぞれの素材である樹脂としては、外装体10と同じく、PC、PP、PE、またはPSなどが例示される。
【0038】
接続ユニット50は、複数のバスバー及び電気機器等を有するユニットであり、蓄電素子ユニット24と、外部端子91及び92とを電気的に接続する。接続ユニット50が有する電気機器には、制御用または検出用等の電流が流される電線が接続されている。本実施の形態に係る蓄電装置1は、接続ユニット50がバスバープレート17に配置された状態において、電気機器に接続された電線を所定の姿勢に規制する構成(本実施の形態では、図2に示す規制部55a及び55b)を有している。以下、図3図6を参照しながら、実施の形態の蓄電装置1における電線の姿勢制御のための構成について説明する。
【0039】
[2.接続ユニット及びその周辺の構成]
図3は、実施の形態に係る接続ユニット50の斜視図である。図3では、接続ユニット50がバスバープレート17上に配置された状態が図示されている。図4は、実施の形態に係る電気機器60a及び60bと電線51との構造上の関係を示す斜視図である。図4では、当該構造上の関係をわかりやすく示すために、電気機器60a及び60bのそれぞれから電線51を取り外し、かつ、規制部55a及び55bを有するバスバーカバー75を、Y軸方向マイナス側に移動させた状態が図示されている。図4では、複数の電線51の内の4本の電線51のおおよその姿勢が太線の点線で表されており、コネクタ52a及び52bは簡易的に図示されている。
【0040】
図5は、実施の形態に係る、電気機器60aに接続された電線51の姿勢を示す側面図(X軸方向から見た図)である。図5では、電線51の姿勢をわかりやすく示すために、蓄電装置1の構成を簡易的かつ模式的に図示し、さらに、バスバープレート17及びバスバーカバー75は、これらの断面が図示されている。図6は、実施の形態に係る規制部55aの構成を示す断面図である。
【0041】
図3に示すように、接続ユニット50は、バスバープレート17上に固定された各種の部材によって構成されている。具体的には、接続ユニット50は、電気機器60a及び60bと、電気機器60a及び60bのそれぞれに接続された複数の電線51と、バスバー35~37とを有する。電気機器60aは、バスバープレート17上に固定して配置される。電気機器60bは、電気機器60aの上に重ねて置くように配置される。
【0042】
本実施の形態において、電気機器60aは、例えばBMU(Battery Management Unit)と呼ばれる制御装置であり、複数の蓄電素子20それぞれの電圧及び蓄電素子ユニット24(図2参照)の温度等を検出し、複数の蓄電素子20の充電状態を制御する。そのため、電気機器60aには、電圧検出及び温度検出のための複数の電線51が接続されている。電気機器60aにはさらに、上位の制御装置と情報をやり取りするための電線51も接続されている。
【0043】
本実施の形態において、電気機器60bは、例えば電磁開閉器を有するリレーユニットであり、蓄電装置1の充電または放電のオン及びオフを切り替える機能を有する。電気機器60bは、電気機器60aからの制御信号に従って動作する。そのため、電気機器60bには、電気機器60aとの間で信号をやり取りするための複数の電線51が接続されている。蓄電素子ユニット24の正極(総プラス端子)は、バスバー35、電気機器60b、及びバスバー36を介して、正極側の外部端子91(図1参照)に電気的に接続されている。蓄電素子ユニット24の負極(総マイナス端子)は、電気機器60a及びバスバー37を介して、負極側の外部端子92(図1参照)に電気的に接続されている。
【0044】
上記のように構成された接続ユニット50において、電気機器60aに接続される複数の電線51は、コネクタ52aを介して電気機器60aに接続されており、電気機器60bに接続される複数の電線51は、コネクタ52bを介して電気機器60bに接続されている。
【0045】
具体的には、図4に示すように、電気機器60aに接続される複数の電線51の端部にはコネクタ52aが設けられており、コネクタ52aは、電気機器60aが備えるソケット61aに挿入される。これにより、複数の電線51は、電気機器60aと電気的に接続される。電気機器60bに接続される複数の電線51の端部にはコネクタ52bが設けられており、コネクタ52bは、電気機器60bが備えるソケット61bに挿入される。これにより、複数の電線51は、電気機器60bと電気的に接続される。
【0046】
このように、電気機器60a及び60bのそれぞれが、他の部材との電気的な接続を行うための導電部材として、電線51が採用されている。電線51は、樹脂等の絶縁物で被覆された、銅、銅合金、アルミニウム、またはアルミニウム合金等を素材とする線状の導体であり、例えば「絶縁電線」と呼ばれる部材である。電線51は、柔軟性が高く長さの調整も容易であるため、電気機器60a及び60b並びにバスバープレート17等の配置位置及び形状等に応じたレイアウトで配置することが容易である。しかし、電線51は、柔軟性が高いが故に、コネクタ52aまたは52bに近い部分は様々な姿勢を取りうる。そのため、蓄電装置1の環境温度の変化等によって電線51に結露が生じた場合、その水滴が電線51を伝ってコネクタ52aまたは52bの中に浸入し、これにより、電気機器60aまたは60bの不具合が生じる可能性がある。
【0047】
そこで、本実施の形態に係る蓄電装置1では、電線51のコネクタ52aから突出した部分をコネクタ52aから下方に傾いた姿勢に規制する規制部55a及び55bが設けられている。規制部55bは、コネクタ52bから突出した部分をコネクタ52aから下方に傾いた姿勢に規制する役目も担っている。以下、規制部55a及び55bの構成及び効果等を説明するために、電気機器60a及び規制部55aに着目してこれらの説明を行う。
【0048】
本実施の形態に係る蓄電装置1は、図5に示すように、少なくとも1つの蓄電素子20を有する蓄電素子ユニット24と、蓄電素子ユニット24に電気的に接続された電気機器60aと、電線51と、規制部55aとを備える。電線51は、電気機器60aにコネクタ52aを介して接続されている。規制部55aは、電線51の、コネクタ52aから突出した部分である突出部分51aの姿勢を、コネクタ52aから下方に傾く姿勢に規制する。具体的には、本実施の形態に係る規制部55aは、図6に示すように、電線51が通過可能な隙間をあけて対向する一対の爪により電線51を引っ掛けることで、突出部分51aの姿勢を、コネクタ52aから下方に傾く姿勢にさせている。
【0049】
この構成によれば、例えば、蓄電装置1内で結露が生じ、その水滴が電線51に付着した場合であっても、コネクタ52aにその水滴が到達することが困難になる。その結果、コネクタ52aに水が浸入することによる不具合の発生可能性が低減される。
【0050】
もちろん、コネクタ52aを、電線51の突出方向が下向きになる姿勢で電気機器60aに接続することで、電線51を伝う水滴をコネクタ52aに近づけさせないことは可能である。しかし、このような構成は、外装体10の内部における電気機器60a等のレイアウトを考慮すると実現は困難であり、仮に実現したとしても外装体10の内部に無駄な空間が増加する。この点に関し、本実施の形態に係る蓄電装置1によれば、コネクタ52aの姿勢に依存することなく電線51の突出部分51aを、コネクタ52aから下向きの姿勢に規制できる。従って、電気機器60a等のレイアウトを変更することなく、電線51を伝う水滴をコネクタ52aに到達し難くできる。その結果、蓄電装置1の内部で生じた結露に起因する不具合の発生が抑制される。このように、本実施の形態に係る蓄電装置1によれば、信頼性を向上させることができる。
【0051】
本実施の形態では、突出部分51aは、電線51の、コネクタ52aから数cm(例えば1cm~3cm程度)までの部分である。つまり、電線51の、コネクタ52aから数cm先の部分を規制部55aによって位置規制することで、電線51は、例えばコネクタ52aの直近の数mmは水平に向いていたとしても、突出部分51aの全体としては、コネクタ52aから下方に傾いた姿勢になる。これにより、突出部分51aに付着した水滴、及び、突出部分51aより遠い位置から突出部分51aまで電線51を伝ってきた水滴は、実質的にコネクタ52aまで到達できない。これにより、コネクタ52aに水が浸入する可能性は低減される。
【0052】
本実施の形態では、電気機器60aには、コネクタ52aを介して複数の電線51が接続されており、規制部55aは、複数の電線51それぞれの突出部分51aの姿勢を、一括して下方に傾く姿勢に規制する。
【0053】
この構成によれば、蓄電装置1内で結露が生じた場合に、電線51が集まっていることで大きくなりがちな水滴を、これら電線51を伝ってコネクタ52aに近づかないようにできる。そのため、1つのコネクタ52aに複数の電線51が接続されている状態において、簡易な構成で、結露に起因する不具合の発生可能性を低減できる。
【0054】
本実施の形態では、図5及び図6に示すように、電線51の突出部分51aの、コネクタ52aとは反対側の端部の下方には、非金属製の水受部57が配置されている。より具体的には、電線51の、コネクタ52aから、規制部55aにより規制されている位置までの部分である突出部51a(図5参照)における、コネクタ52aとは反対側の端部の下方に、非金属製の水受部57が配置されている。
【0055】
この構成によれば、電線51の突出部分51aに水滴が付着し、その水滴が下方に傾く姿勢の突出部分51aを伝って移動し、電線51から落ちた場合、その水滴は非金属製の水受部57によって受け止められる。つまり、電線51から落ちた水滴が、規制部55aよりも下方に位置するバスバー33(図2参照)等の金属製部材に接触することが防止される。これにより、蓄電装置1の内部において、水滴に起因する金属製部材の腐食の可能性が低減される。このことも、蓄電装置1の信頼性の向上に寄与する。
【0056】
本実施の形態では、電線51の、規制部55aによって直接的に移動が規制される部分の下方は、バスバーカバー75の一部であり、PC、PP、PE、またはPSなどの樹脂部分である。つまり、本実施に係る水受部57は樹脂により形成されている。水受部57は、水と接触する部分が非金属製であればよい。例えば、表面に樹脂がコーティングされた金属製の部材により水受部57が形成されてもよい。水受部57に落ちた水滴を他へ移動させないように、不織布などの吸水性のある部材が水受部57に備えられてもよい。水受部57は、バスバーカバー75とは別体の部品によって実現されてもよい。
【0057】
本実施の形態において、蓄電装置1は、電気機器60aと蓄電素子ユニット24との間を仕切るように配置されたバスバープレート17と、バスバープレート17に形成された、蓄電素子ユニット24の一部を露出させるバスバー用開口部17aを覆うバスバーカバー75とを備える。規制部55aは、バスバーカバー75の電気機器60aの側の面に配置されている。
【0058】
この構成によれば、バスバーカバー75に規制部55aが設けられるため、規制部55aを、蓄電装置1の内部において安定的に固定できる。バスバー用開口部17aを介して電極端子22に対するバスバー33の接合作業を行うことができ、かつ、その接合作業の際に使用した空間を利用して、不具合を抑制するための姿勢に規制された電線51を配置できる。バスバーカバー75は、係合またはネジ止め等により、取り外し可能な状態でバスバープレート17に取り付けられてもよく、接着または溶着などによって実質的に取り外しが不可能な状態でバスバープレート17に取り付けられてもよい。つまり、バスバーカバー75は、バスバー用開口部17aを開閉自在に覆ってもよく、バスバー用開口部17aを開閉できない状態で覆ってもよい。
【0059】
本実施の形態では、蓄電装置1において、電気機器は複数備えられており、電線51は、複数の電気機器のうちの2つの電気機器を接続するように配置されている。具体的には、蓄電装置1は、図2図4に示すように、蓄電素子ユニット24よりも上方に配置された複数の電気機器(電気機器60a及び60b)を備える。蓄電装置1が有する複数の電線51のうちの1以上の電線51は、電気機器60aと電気機器60bとを接続している。
【0060】
この構成によれば、複数の電気機器を互いに接続する電線の姿勢が、規制部によって規制される。本実施の形態では、蓄電素子ユニット24の上方に配置された、BMUである電気機器60aと、リレーユニットである電気機器60bとが電線51によって接続されており、この電線51は、規制部55bによって姿勢が規制されている。つまり、1つの規制部55bによって、2つの電気機器60a及び60bのそれぞれに接続されたコネクタ52a及び52bへの水滴の到達を抑制することができる。従って、コネクタ52a及び52b、並びに、電気機器60a及び60bを、簡易な構成で効率よく水滴から保護できる。
【0061】
電線51によって接続される2つの電気機器の上下方向の位置はどちらが上であってもよい。2つの電気機器の上下方向の位置が同じであってもよい。例えば、バスバープレート17上に、1以上の電線51で接続された電気機器60a及び60bがX軸方向またはY軸方向に並べられてもよい。
【0062】
以上、実施の形態に係る蓄電装置1について、特に電気機器60a及び規制部55aに着目して説明を行ったが、これら説明は、規制部55b及び電気機器60bについても適用される。すなわち、コネクタ52aを介して電気機器60aに接続された複数の電線51のうちの一部の電線51の突出部分51aは、図3及び図4に示すように、規制部55bによって、コネクタ52aから下方を向く姿勢に規制されている。従って、これら電線51に水滴が付着した場合であっても、その水滴がコネクタ52aに到達することは困難である。電気機器60bにはコネクタ52bを介して電線51が接続されており。規制部55bは、電線51の、コネクタ52aから突出した部分である突出部分51aの姿勢を、コネクタ52aから下方に傾く姿勢に規制できる。従って、電気機器60bに接続された電線51に水滴が付着した場合であっても、その水滴がコネクタ52bに到達することは困難である。このように、本実施の形態では、電気機器60a及び60bのそれぞれに接続される1以上の電線51の突出部分51aは、コネクタ52aまたは52bへの水の浸入の可能性を低下させるように、コネクタ52aまたは52bから下方に傾く姿勢にされている。
【0063】
規制部55aは、バスバーカバー75とは別部品であってもよく、この場合、規制部55aはバスバーカバー75に接着、溶着、または嵌合などによって取り付けられてもよい。本実施の形態では、規制部55a及び55bは、電線51を引っ掛けることで、突出部分51aの姿勢を規制しているが、突出部分51aの姿勢を規制する構成はこれに限定されない。例えば、環状の部材である規制部が、電線51を、バスバーカバー75等の他の部材に拘束することで、突出部分51aの姿勢を規制してもよい。
【0064】
規制部が配置される位置も特に限定はなく、例えば、電気機器60aよりも上に規制部が配置されてもよい。そこで、電気機器60aの上方に配置された部材に規制部が設けられた場合の構成例を、実施の形態の変形例として、上記実施の形態との差分を中心に説明する。
【0065】
(変形例)
図7は、実施の形態の変形例に係る電気機器60aに接続された電線51の姿勢を示す側面図である。図7では、バスバープレート17及び蓋体11は、これらの断面が図示されており、蓄電素子ユニット24等の他の部材の図示は省略されている。
【0066】
本変形例に係る蓄電装置1aは、電線51の突出部分51aの姿勢を規制する規制部56を備えている。具体的には、蓄電装置1aは、電気機器60a及び電線51を上方から覆うカバー部材である蓋体11を備える。規制部56は、蓋体11に配置されており、電線51の突出部分51aを上方から押さえることで、突出部分51aの姿勢を、下方に傾く姿勢に規制する。
【0067】
この構成によれば、蓋体11の配置作業によって、電線51の突出部分51aの姿勢がコネクタ52aから下方に傾く姿勢に規制される。つまり、蓄電素子ユニット24、バスバープレート17及び接続ユニット50等を収容した本体部12に、蓋体11を配置するだけで、突出部分51aの姿勢を、コネクタ52aへの水の浸入の可能性を低下させる姿勢に規制できる。すなわち、蓋体11の配置作業によって、蓄電装置1内の結露に起因する不具合の発生を抑制する効果が得られる。
【0068】
図7では、コネクタ52aに接続された電線51の突出部分51aの姿勢を規制する規制部56を図示している。しかし、コネクタ52bに接続された電線51の突出部分51aについても同様に、蓋体11に設けられた規制部によって、コネクタ52bから下方を向く姿勢に規制されてもよい。
【0069】
(他の実施の形態)
以上、本発明に係る蓄電装置について、実施の形態及びその変形例に基づいて説明した。しかしながら、本発明は、上記実施の形態及び変形例に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態または変形例に施したものも、本発明の範囲内に含まれる。
【0070】
規制部55a及び55bは、電気機器60a及び60bに接続された全ての電線51の突出部分51aの姿勢を規制しなくてもよい。規制部55a及び55bのそれぞれは、少なくとも1本の電線51の突出部分51aを、突出部分51aに接続されたコネクタ52aまたは52bから下方に傾く姿勢にすればよい。これにより、少なくとも当該1本の電線51については、その電線51を伝う水滴による不具合の発生が抑制される。規制部55a及び55bはいずれか一方のみが配置されていてもよい。これにより、規制部55aまたは55bにより姿勢が規制される1以上の電線51について、当該1以上の電線51を伝う水滴による不具合の発生が抑制される。
【0071】
規制部55a及び55bは、バスバーカバー75に設けられなくてもよい。例えば、バスバープレート17に規制部が設けられてもよい。電気機器60aまたは60bの配置位置によっては、外装体10の本体部12に規制部を設けることも可能である。
【0072】
電気機器60a及び60bは、制御装置及びリレーユニットであるとしたが、コネクタを介して電線が接続される電気機器の種類に特に限定はない。蓄電装置1が、無線通信または有線通信を行う通信モジュールを備える場合、通信モジュールにコネクタを介して接続される電線の突出部分の姿勢をコネクタから下方を向く姿勢にする規制部を備えてもよい。つまり、電気機器の数、種類、大きさ、または位置等によらず、電気機器にコネクタを介して電線が接続される場合、電線の突出部分の姿勢をコネクタから下方を向く姿勢にする規制部を備えることで、結露に起因する当該電気機器の不具合の発生可能性は低減される。
【0073】
上記説明された複数の構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子を備えた蓄電装置に適用できる。
【符号の説明】
【0075】
1、1a 蓄電装置
11 蓋体
17 バスバープレート
17a バスバー用開口部
20 蓄電素子
24 蓄電素子ユニット
33、35、36、37 バスバー
50 接続ユニット
51 電線
51a 突出部分
52a、52b コネクタ
55a、55b、56 規制部
57 水受部
60a、60b 電気機器
61a、61b ソケット
70、75 バスバーカバー
91、92 外部端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7