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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   B60L 53/14 20190101AFI20241210BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20241210BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241210BHJP
   B60J 5/06 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
B60L53/14
B60L50/60
H02J7/00 P
H02J7/00 301B
B60J5/06 D
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022012855
(22)【出願日】2022-01-31
(65)【公開番号】P2023111160
(43)【公開日】2023-08-10
【審査請求日】2023-11-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 徹
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-154580(JP,A)
【文献】特開2012-148608(JP,A)
【文献】特開2008-132959(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0091438(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/00- 5/14
B60K 11/00-15/10
B60L 1/00- 3/12
7/00-13/00
15/00-58/40
E05B 1/00-85/28
H02J 7/00- 7/12
7/34- 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両であって、
前記車両の開口部を開閉するように構成されるスライドドアと、
前記車両の駆動力の発生に用いられるエネルギーを蓄積するためのエネルギー蓄積装置と、
前記スライドドアの可動域に位置し、外部のエネルギー供給源から与えられるエネルギーを受けて前記エネルギー蓄積装置にエネルギーを供給するためのエネルギー供給口と、
前記開口部の中間位置に突出するように構成されたストッパレバーと、前記車両の車体に設けられて前記中間位置に突出したストッパレバーに係合する中間ストライカとを含むストッパ機構と、
前記エネルギー供給口にエネルギー供給コネクタが接続されている場合は、前記ストッパ機構を制御して、前記スライドドアを前記中間位置で停止させる制御装置と、を備えた車両。
【請求項2】
前記外部のエネルギー供給源は、外部電源であり、
前記エネルギー蓄積装置は、蓄電装置であり、
前記エネルギー供給口は、充電口であり、
前記エネルギー供給コネクタは、充電ケーブルの充電コネクタである、請求項に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、充電に使用する充電ケーブルが盗難にあったり、車両側コンセントに異物混入等のいたずらをされたりする事態を防止することができる車両が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の車両は、車両から乗員が離間するとき、ドアロック機構の開錠状態から施錠状態への切り替え指令に基づいて、充電ロック機構を開錠状態から施錠状態に切り替え作動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-81917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電動車両の充電口を開いて、充電口に充電ケーブルを接続して電動車両を充電しているときに、スライドドアが開いた場合には、スライドドアと充電ケーブルとが干渉するおそれがある。特許文献1には、このような問題になる対策が考慮されていない。
【0006】
このような問題は、電動車両に限定されるものではなく、ガソリン、または水素などの他のエネルギーによって駆動力を発生する車両でも発生する。このような車両でも、スライドドアと、エネルギー供給口に接続されるエネルギー供給コネクタとが干渉するおそれがある。
【0007】
それゆえに、本開示の目的は、充電中に、スライドドアとエネルギー供給コネクタとが干渉するのを回避することができる電動車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の車両は、スライドドアと、車両の駆動力の発生に用いられるエネルギーを蓄積するためのエネルギー蓄積装置と、スライドドアの可動域に位置し、外部のエネルギー供給源から与えられるエネルギーを受けてエネルギー蓄積装置にエネルギーを供給するためのエネルギー供給口と、エネルギー供給口にエネルギー供給コネクタが接続されている場合は、スライドドアの移動を制限する制御装置とを備える。
【0009】
この構成によれば、エネルギー供給口にエネルギー供給コネクタが接続されている場合は、スライドドアの移動が制限されるので、スライドドアとエネルギー供給コネクタとが干渉するのを回避することができる。
【0010】
好ましくは、制御装置は、エネルギー供給口にエネルギー供給コネクタが接続されている場合は、スライドドアの移動を禁止する。
【0011】
この構成によれば、エネルギー供給口にエネルギー供給コネクタが接続されている場合は、スライドドアの移動が禁止されるので、スライドドアとエネルギー供給コネクタとが干渉するのを回避することができる。
【0012】
好ましくは、制御装置は、エネルギー供給口にエネルギー供給コネクタが接続されている場合は、スライドドアの移動可能な範囲を制限する。
【0013】
この構成によれば、エネルギー供給口にエネルギー供給コネクタが接続されている場合は、スライドドアの移動可能な範囲が制限されるので、スライドドアとエネルギー供給コネクタとが干渉するのを回避することができる。
【0014】
好ましくは、外部のエネルギー供給源は、外部電源であり、エネルギー貯蔵部は、蓄電装置であり、エネルギー供給口は、充電口であり、エネルギー供給コネクタは、充電ケーブルの充電コネクタである。
【0015】
これによれば、充電中に、スライドドアと充電ケーブルの充電コネクタとが干渉するのを回避することができる。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、充電中に、スライドドアとエネルギー供給口とが干渉するのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施形態に係る電動車両1の全体構成を概略的に示す図である。
図2】スライドドア81と充電リッド2および車両インレット90を表わす図である。
図3】第1の実施形態におけるスライドドア81の制御手順を表わすフローチャートである。
図4】第2の実施形態に係る電動車両1の全体構成を概略的に示す図である。
図5】第2の実施形態におけるスライドドア81の制御手順を表わすフローチャートである。
図6】第3の実施形態に係る電動車両1の全体構成を概略的に示す図である。
図7】第3の実施形態におけるスライドドア81の制御手順を表わすフローチャートである。
図8】第4の実施形態に係る電動車両1の全体構成を概略的に示す図である。
図9】第4の実施形態におけるスライドドア81の制御手順を表わすフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0019】
[第1の実施形態]
以下、本実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0020】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る電動車両1の全体構成を概略的に示す図である。電動車両1は、車外の交流電源に接続された充電ケーブルから供給される電力を用いて車載の蓄電装置を充電する外部充電が可能な車両である。電動車両1は、たとえば、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車および燃料電池自動車などの電動車両である。本実施の形態においては、電動車両1は電気自動車である例について説明する。なお、本実施の形態においては、電動車両1の外部充電時に車外の交流電源から電力の供給を受ける例について説明するが、車外の電源は交流電源に限られるものではない。車外の電源は直流電源であってもよい。
【0021】
電動車両1は、蓄電装置10と、システムメインリレー(System Main Relay)35と、パワーコントロールユニット(以下「PCU(Power Control Unit)」ともいう)40と、動力出力装置50と、駆動輪60と、ECU(Electronic Control Unit)100とを備える。
【0022】
蓄電装置10は、複数の電池が積層されて構成される。電池は、たとえば、ニッケル水素、リチウムイオン等の二次電池である。また、電池は、正極と負極との間に液体電解質を有する電池であってもよいし、固体電解質を有する電池(全固体電池)であってもよい。
【0023】
PCU40は、蓄電装置10から電力を受けて動力出力装置50を駆動するための電力変換装置を総括して示したものである。たとえば、PCU40は、動力出力装置50に含まれるモータを駆動するためのインバータや、蓄電装置10から出力される電力を昇圧してインバータへ供給するコンバータなどを含む。
【0024】
動力出力装置50は、駆動輪60を駆動するための装置を総括して示したものである。たとえば、動力出力装置50は、駆動輪60を駆動するモータなどを含む。また、動力出力装置50は、駆動輪60を駆動するモータが回生モードで動作することによって、車両の制動時などに発電し、その発電された電力をPCU40へ出力する。以下においては、動力出力装置50および駆動輪60を総称して「駆動部」ともいう。
【0025】
システムメインリレー35は、一端がPCU40と電気的に接続され、他端が蓄電装置10と電気的に接続される。システムメインリレー35は、ECU100からの制御信号に従ってオンオフ状態が切り替えられる。システムメインリレー35がオフ状態であると蓄電装置10から駆動部への電力の供給が遮断され、システムメインリレー35がオン状態であると蓄電装置10から駆動部への電力の供給が可能となる。
【0026】
ECU100は、いずれも図示しないがCPU(Central Processing Unit)、メモリおよび入出力バッファを含み、センサ等からの信号の入力や各機器への制御信号の出力を行なうとともに、各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で構築して処理することも可能である。
【0027】
電動車両1は、外部充電を行なうための構成として、充電リレー30と、充電器70と、車両インレット90と、電力線CPL,CNLと、電力線CLとを備える。
【0028】
車両インレット90は、外部電源の充電ケーブル400の先端部に設けられた充電コネクタ410と接続可能に構成される充電口である。車両インレット90は、充電ケーブル400の充電コネクタ410が接続されていない場合には、充電リッド2に覆われている。電動車両1の外部充電が行なわれる場合には、充電リッド2が開かれて車両インレット90に充電ケーブル400の充電コネクタ410が接続される。
【0029】
充電器70は、電力線CLを介して車両インレット90に接続されるとともに、電力線CPL,CNLを介して充電リレー30の一端に接続される。充電器70は、ECU100からの制御信号によって作動し、充電コネクタ410から車両インレット90を介して受けた交流電力を蓄電装置10に充電可能な電力に変換して蓄電装置10に供給する。これにより、充電コネクタ410から供給される交流電力を用いて蓄電装置10が充電される。
【0030】
充電リレー30の他端は、蓄電装置10に電気的に接続される。充電リレー30は、ECU100からの制御信号に従ってオンオフ状態が切り替えられる。充電リレー30は、蓄電装置10の外部充電が行なわれる際にオン状態に切り替えられる。
【0031】
リッド開閉センサS1は、充電リッド2の開閉状態(すなわち、充電リッド2が開状態及び閉状態のいずれであるか)を検出するように構成される。リッド開閉センサS1としては、公知のセンサを採用できる。リッド開閉センサS1の例としては、リミットスイッチ、近接センサ、光電センサが挙げられる。リッド開閉センサS1による検出結果は、ECU100へ出力される。
【0032】
コネクタ接続センサS2は、電動車両1の車両インレット90に充電コネクタ410が接続されているか否かを検出するように構成される。コネクタ接続センサS2としては、公知のセンサを採用できる。コネクタ接続センサS2の例としては、リミットスイッチ、近接センサ、光電センサが挙げられる。コネクタ接続センサS2による検出結果は、ECU100へ出力される。
【0033】
スライドドア81は、電動車両1の開口部を開閉するように構成される。本実施の形態において、スライドドア81は、電動スライドドア(パワースライドドア)である。スライドドア81は、電動での開閉が可能である。
【0034】
電動車両1は、スライドドア81を駆動制御するためのスライドドア駆動制御部91を備える。スライドドア駆動制御部91は、ドアモータ(ドア駆動部)92、およびスライド機構93を備える。
【0035】
ドアモータ92は、スライドドア81を駆動する。スライド機構93は、ドアモータ92の駆動力によりスライドドア81を前後方向にスライドさせる。
【0036】
図2は、スライドドア81と充電リッド2および車両インレット90を表わす図である。スライドドア81を充電リッド2および車両インレット90の位置まで移動させたときに、充電リッド2が開いており、車両インレット90に充電ケーブル400の充電コネクタ410が接続されている場合に、スライドドア81と充電リッド2および充電ケーブル400が干渉するおそれがある。
【0037】
本実施の形態では、ECU10は、車両インレット90に充電コネクタ410が接続されている場合は、スライドドア81の移動を禁止する。より具体的には、ECU10は、車両インレット90に充電コネクタ410が接続されている場合は、スライドドア81の開操作が実行されても、ドアモータ92にスライドドア81を駆動させずに、スライドドア81を全閉状態で維持させる。
【0038】
図3は、第1の実施形態におけるスライドドア81の制御手順を表わすフローチャートである。
【0039】
S101において、スライドドア81の開操作が実行される。
S102において、リッド開閉センサS1が、充電リッド2が閉じた状態であることを検出したときには、処理がS103に進む。リッド開閉センサS1が、充電リッド2が開いた状態であることを検出したときには、処理がS105に進む。
【0040】
S103において、コネクタ接続センサS2が、電動車両1の車両インレット90に充電コネクタ410が接続されていないことを検出したときには、処理がS104に進む。コネクタ接続センサS2が、電動車両1の車両インレット90に充電コネクタ410が接続されていることを検出したときには、処理がS105に進む。
【0041】
S104において、ECU100は、ドアモータ92にスライドドア81を駆動させて、スライドドア81を全開させる。
【0042】
S105において、ECU100は、ドアモータ92にスライドドア81を駆動させなずに、スライドドア81を全閉状態で維持させる。
【0043】
[第2の実施形態]
図4は、第2の実施形態に係る電動車両1の全体構成を概略的に示す図である。
【0044】
電動車両1は、スライドドア81を駆動制御するためのスライドドア駆動制御部91Aを備える。スライドドア駆動制御部91Aは、第1の実施形態のスライドドア駆動制御部91と同様に、ドアモータ(ドア駆動部)92、およびスライド機構93とを備える。スライドドア駆動制御部91Aは、さらに、位置センサ94を備える。
【0045】
位置センサ94は、スライドドア81の位置を検出する。たとえば、位置センサ94は、ドアモータ92の回転数をカウントすることによって、スライドドア81の位置を検出する。
【0046】
本実施の形態では、ECU10は、車両インレット90に充電コネクタ410が接続されている場合は、ドアモータ92によるスライドドア81の移動可能な範囲を制限する。より具体的には、ECU10は、スライドドア81の開操作が実行されたときには、位置センサ94の出力に従って、ドアモータ92を制御することによって、スライドドア81を電動車両1の開口部の中間位置まで移動させる。
【0047】
図5は、第2の実施形態におけるスライドドア81の制御手順を表わすフローチャートである。
【0048】
S101において、スライドドア81の開操作が実行される。
S102において、リッド開閉センサS1が、充電リッド2が閉じた状態であることを検出したときには、処理がS103に進む。リッド開閉センサS1が、充電リッド2が開いた状態であることを検出したときには、処理がS105に進む。
【0049】
S103において、コネクタ接続センサS2が、電動車両1の車両インレット90に充電コネクタ410が接続されていないことを検出したときには、処理がS104に進む。コネクタ接続センサS2が、電動車両1の車両インレット90に充電コネクタ410が接続されていることを検出したときには、処理がS105に進む。
【0050】
S104において、ECU100は、ドアモータ92にスライドドア81を駆動させて、スライドドア81を全開させる。
【0051】
S201において、ECU100は、位置センサ94の出力に従って、ドアモータ92を制御することによって、スライドドア81を電動車両1の開口部の中間位置まで移動させる。
【0052】
[第3の実施形態]
本実施の形態において、スライドドア81は、手動スライドドアである。スライドドア81は、手動での開閉が可能である。
【0053】
図6は、第3の実施形態に係る電動車両1の全体構成を概略的に示す図である。
電動車両1は、スライドドア81を駆動制御するためのスライドドア駆動制御部91Bを備える。スライドドア駆動制御部91Bは、第1の実施形態のスライドドア駆動制御部91と同様に、スライド機構93を備える。スライドドア駆動制御部91Bは、さらに、ドアロック機構98を備える。
【0054】
ドアロック機構98は、ドアロックアクチュエータおよびドアロックリンクを備える。ギヤおよびモータからなるドアロックアクチュエータが、ドアロックリンクを上下に可動させることによって、スライドドア81をロック、またはアンロックする。
【0055】
本実施の形態では、ECU10は、車両インレット90に充電コネクタ410が接続されている場合は、スライドドア81の移動を禁止する。より具体的には、ECU10は、車両インレット90に充電コネクタ410が接続されている場合は、ドアロック機構98にスライドドア81をロックさせる。
【0056】
図7は、第3の実施形態におけるスライドドア81の制御手順を表わすフローチャートである。
【0057】
S302において、リッド開閉センサS1が、充電リッド2が閉じた状態であることを検出したときには、処理がS303に進む。リッド開閉センサS1が、充電リッド2が開いた状態であることを検出したときには、処理がS305に進む。
【0058】
S303において、コネクタ接続センサS2が、電動車両1の車両インレット90に充電コネクタ410が接続されていないことを検出したときには、処理がS304に進む。コネクタ接続センサS2が、電動車両1の車両インレット90に充電コネクタ410が接続されていることを検出したときには、処理がS305に進む。
【0059】
S304において、ECU100は、ドアロック機構98にスライドドア81をロックさせない。これによって、ユーザの操作に従って、スライドドア81が開方向に移動する。
【0060】
S305において、ECU100は、ドアロック機構98にスライドドア81をロックさせる。これによって、スライドドア81はロックされて、開方向に移動することができない。
【0061】
[第4の実施形態]
図8は、第4の実施形態に係る電動車両1の全体構成を概略的に示す図である。
【0062】
電動車両1は、スライドドア81を駆動制御するためのスライドドア駆動制御部91Cを備える。スライドドア駆動制御部91Cは、第1の実施形態のスライドドア駆動制御部91と同様に、スライド機構93を備える。スライドドア駆動制御部91Cは、さらに、ストッパ機構99を備える。
【0063】
ストッパ機構99は、スライドドア81に設けられて、ECU10の制御によって、電動車両1の開口部の中間位置に突出するように構成されたストッパレバーと、車体に設けられて中間位置に突出したストッパレバーに係合する中間ストライカを備える。
【0064】
本実施の形態では、ECU10は、車両インレット90に充電コネクタ410が接続されている場合は、ドアモータ92によるスライドドア81の移動可能な範囲を制限する。より具体的には、ECU10は、スライドドア81の開操作が実行されたときには、ストッパ機構99を制御して、スライドドア81を電動車両1の開口部の中間位置で停止させる。
【0065】
図9は、第4の実施形態におけるスライドドア81の制御手順を表わすフローチャートである。
【0066】
S302において、リッド開閉センサS1が、充電リッド2が閉じた状態であることを検出したときには、処理がS303に進む。リッド開閉センサS1が、充電リッド2が開いた状態であることを検出したときには、処理がS305に進む。
【0067】
S303において、コネクタ接続センサS2が、電動車両1の車両インレット90に充電コネクタ410が接続されていないことを検出したときには、処理がS304に進む。コネクタ接続センサS2が、電動車両1の車両インレット90に充電コネクタ410が接続されていることを検出したときには、処理がS405に進む。
【0068】
S304において、ECU100は、ストッパ機構99にスライドドア81の停止制御を実行させない。これによって、ユーザによる操作に従って、スライドドア81が開方向に移動する、スライドドア81は、全開位置までの移動が可能となる。
【0069】
S405において、ECU100は、ストッパ機構99にスライドドア81の停止制御を実行させる。これによって、ユーザによる操作に従って、スライドドア81が開方向に移動するが、スライドドア81は、電動車両1の開口部の中間位置で停止する。
【0070】
(変形例)
上記の実施形態では、車両の駆動力の発生に用いられるのが電力であり、充電ケーブルの充電コネクタが接続される電動車両について説明したが、本開示は、これに限定されるものではない。上記の実施形態の内容は、他のエネルギーによって駆動力を発生する車両にも適用することもできる。上記の実施形態の内容は、たとえば、内燃機関で走行し、給油ガンまたは給水素ガンが接続される車両、および給水素ガンが接続される燃料電池車両にも適用することができる。
【0071】
実施の形態で説明した電動車両の充電口、充電口に接続される充電ケーブルの充電コネクタ、および電力を蓄積するための蓄電装置は、エネルギーが電力に限定されない一般的な車両のエネルギー供給口、エネルギー供給口に接続されるエネルギー供給コネクタ、およびエネルギーを蓄積するためのエネルギー蓄積装置の一例である。
【0072】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0073】
1 電動車両、2 充電リッド、10 蓄電装置、30 充電リレー、35 システムメインリレー、50 動力出力装置、60 駆動輪、70 充電器、81 スライドドア、90 車両インレット、91,91A,91B,91C スライドドア駆動制御部、92 ドアモータ、93 スライド機構、94 位置センサ、98 ドアロック機構、99 ストッパ機構、400 充電ケーブル、410 充電コネクタ、CL,CNL,CPL 電力線、S1 リッド開閉センサ、S2 コネクタ接続センサ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9