(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20241210BHJP
【FI】
G06Q50/40
(21)【出願番号】P 2022017493
(22)【出願日】2022-02-07
【審査請求日】2023-11-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100203264
【氏名又は名称】塩川 未久
(72)【発明者】
【氏名】三浦 光博
(72)【発明者】
【氏名】山田 健一
(72)【発明者】
【氏名】駒嶺 聡史
(72)【発明者】
【氏名】加々良 史行
(72)【発明者】
【氏名】田中 剛
(72)【発明者】
【氏名】西澤 博之
【審査官】塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-047501(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信部と、
物体が秘密にされる対象となるユーザの条件であるユーザ条件を取得し、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記物体を輸送する対象車両に乗車する可能性が高いか否かを判定する制御部
と、を備え
、
前記制御部は、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記対象車両に乗車する可能性が高いと判定した場合、前記対象車両が停車する予定の停留所の端末装置に、ユーザが前記対象車両に乗車すべきではないことを示す情報を前記端末装置に出力させるための出力信号を、前記通信部によって送信する、情報処理装置。
【請求項2】
通信部と、
物体が秘密にされる対象となるユーザの条件であるユーザ条件を取得し、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記物体を輸送する対象車両に乗車する可能性が高いか否かを判定する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記対象車両に乗車する可能性が高いと判定した場合、前記対象車両の運転者の端末装置に、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記対象車両に乗車する可能性が高いことを示す信号を、前記通信部によって送信する
、情報処理装置。
【請求項3】
通信部と、
物体が秘密にされる対象となるユーザの条件であるユーザ条件を取得し、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記物体を輸送する対象車両に乗車する可能性が高いか否かを判定する制御部
と、を備え
、
前記制御部は、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記対象車両に乗車する可能性が高いと判定した場合、前記物体を管理する管理者の端末装置に、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記対象車両に乗車する可能性が高いことを示す信号を、前記通信部によって送信する
、情報処理装置。
【請求項4】
通信部と、
物体が秘密にされる対象となるユーザの条件であるユーザ条件を取得し、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記物体を輸送する対象車両に乗車する可能性が高いか否かを判定する制御部
と、を備え
、
前記制御部は、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記対象車両に乗車する可能性が高いと判定した場合、前記対象車両に、前記対象車両のドアを閉めた状態に維持するための信号を、前記通信部によって送信する
、情報処理装置。
【請求項5】
通信部と、
物体が秘密にされる対象となるユーザの条件であるユーザ条件を取得し、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記物体を輸送する対象車両に乗車する可能性が高いか否かを判定する制御部
と、を備え
、
前記制御部は、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記対象車両に乗車する可能性が高いと判定した場合、前記対象車両に、停留所に停車しないよう指示する指示信号を、前記通信部によって送信する
、情報処理装置。
【請求項6】
通信部と、
物体が秘密にされる対象となるユーザの条件であるユーザ条件を取得し、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記物体を輸送する対象車両に乗車する可能性が高いか否かを判定する制御部
と、を備え
、
前記対象車両は、予め決められた施設内を巡回し、
前記制御部は、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記施設の見学者である場合、前記見学者を引率する引率者の端末装置に、前記見学者が前記対象車両に乗車すべきではないことを示す信号を、前記通信部によって送信する
、情報処理装置。
【請求項7】
通信部と、
物体が秘密にされる対象となるユーザの条件であるユーザ条件を取得し、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記物体を輸送する対象車両に乗車する可能性が高いか否かを判定する制御部
と、を備え
、
前記対象車両は、予め決められた施設内を巡回し、
前記制御部は、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記施設の見学者である場合、前記見学者が待機している停留所を推定し、前記対象車両に、前記停留所に停車しないよう指示する指示信号を、前記通信部によって送信する
、情報処理装置。
【請求項8】
通信部と、
物体が秘密にされる対象となるユーザの条件であるユーザ条件を取得し、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記物体を輸送する対象車両に乗車する可能性が高いか否かを判定する制御部
と、を備え
、
前記対象車両は、予め決められた施設内を巡回し、
前記制御部は、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記施設の見学者である場合、前記見学者が待機している停留所を推定し、前記停留所の端末装置に、前記見学者が前記対象車両に乗車すべきではないことを示す情報を前記端末装置に出力させるための出力信号を、前記通信部によって送信する
、情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記見学者の見学スケジュール情報によって、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記対象車両に乗車する可能性が高いか否かを判定する、請求項
6から
8までの何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記見学者を引率する引率者の端末装置の位置情報によって、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記対象車両に乗車する可能性が高いか否かを判定する、請求項
6から
8までの何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記ユーザ条件には、前記物体が秘密にされる対象となるユーザとして見学者が設定される、請求項
6から
10までの何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記対象車両に乗車済みである可能性が高いと判定した場合、前記物体を管理する管理者の端末装置に、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記対象車両に乗車済みである可能性が高いことを警告するための警告信号を前記通信部によって送信する、請求項
1から
11までの何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
通信部と、
物体が秘密にされる対象となるユーザの条件であるユーザ条件を取得し、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記物体を輸送する対象車両に乗車する可能性が高いか否かを判定する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記ユーザ条件と一致するユーザが前記対象車両に乗車する可能性が高いと判定した場合、前記対象車両に、報知音を出力させるための出力信号を、前記通信部によって送信し、
前記ユーザ条件と一致するユーザが前記対象車両に乗車済みである可能性が高いと判定した場合、前記物体を管理する管理者の端末装置に、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記対象車両に乗車済みである可能性が高いことを警告するための警告信号を前記通信部によって送信する、情報処理装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記対象車両に乗車しようとするユーザの識別情報によって、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記対象車両に乗車する可能性が高いか否かを判定する、請求項1から
13までの何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記ユーザの識別情報は、前記対象車両に乗車しようとするユーザの顔画像のデータである、請求項
14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記ユーザの識別情報は、前記対象車両が非接触通信を実行することにより取得される、請求項
14に記載の情報処理装置。
【請求項17】
請求項1から
16までの何れか一項に記載の情報処理装置と、
前記対象車両を含む少なくとも1つの車両と、を含む、情報処理システム。
【請求項18】
物体が秘密にされる対象となるユーザの条件であるユーザ条件を取得することと、
前記ユーザ条件と一致するユーザが前記物体を輸送する対象車両に乗車する可能性が高いか否かを判定することと、
前記ユーザ条件と一致するユーザが前記対象車両に乗車する可能性が高いと判定した場合、前記対象車両が停車する予定の停留所の端末装置に、ユーザが前記対象車両に乗車すべきではないことを示す情報を前記端末装置に出力させるための出力信号を、送信することと、を含む、情報処理方法。
【請求項19】
物体が秘密にされる対象となるユーザの条件であるユーザ条件を取得することと、
前記ユーザ条件と一致するユーザが前記物体を輸送する対象車両に乗車する可能性が高いか否かを判定することと、
前記ユーザ条件と一致するユーザが前記対象車両に乗車する可能性が高いと判定した場合、前記対象車両の運転者の端末装置に、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記対象車両に乗車する可能性が高いことを示す信号を、送信することと、を含む、情報処理方法。
【請求項20】
物体が秘密にされる対象となるユーザの条件であるユーザ条件を取得することと、
前記ユーザ条件と一致するユーザが前記物体を輸送する対象車両に乗車する可能性が高いか否かを判定することと、
前記ユーザ条件と一致するユーザが前記対象車両に乗車する可能性が高いと判定した場合、前記物体を管理する管理者の端末装置に、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記対象車両に乗車する可能性が高いことを示す信号を、送信することと、を含む、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗客又は旅客と、荷物又は貨物とを一緒に輸送又は運行する貨客混載を実施するための技術が知られている。例えば、特許文献1には、荷物を載せるための搭載スペースを有する自律走行車両の運行を管理する情報処理装置が開示されている。特許文献1に記載の情報処理装置の制御部は、各自律走行車両の空きスペース情報に基づいて、ユーザが希望する乗車区間及び乗車時間においてユーザを乗車させることが可能な大きさの空きスペースが搭載スペースに生じる自律走行車両を抽出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
貨客混載において、例えば、乗客又は旅客に見られたくない物体を輸送する場合がある。この場合、輸送する物体の秘匿性を確保することが求められる。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、輸送する物体の秘匿性を確保することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
物体が秘密にされる対象となるユーザの条件であるユーザ条件を取得し、前記ユーザ条件と一致するユーザが前記物体を輸送する対象車両に乗車する可能性が高いか否かを判定する制御部を備える。
【0007】
本開示の一実施形態に係る情報処理システムは、
前記情報処理装置と、
前記対象車両を含む少なくとも1つの車両と、を含む。
【0008】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、
物体が秘密にされる対象となるユーザの条件であるユーザ条件を取得することと、
前記ユーザ条件と一致するユーザが前記物体を輸送する対象車両に乗車する可能性が高いか否かを判定することと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、輸送する物体の秘匿性を確保することができる
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】
図1に示す情報処理システムのブロック図である。
【
図3】
図2に示す情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
(情報処理システムの構成)
図1に示すように、情報処理システム1は、少なくとも1つの情報処理装置10と、少なくとも1つの車両20と、少なくとも1つの端末装置30と、端末装置40Aと、端末装置40Bと、端末装置40Cとを含む。ただし、情報処理システム1は、端末装置30、端末装置40A、端末装置40B及び端末装置40Cを含まなくてもよい。
【0013】
以下、端末装置40Aと、端末装置40Bと、端末装置40Cとを特に区別しない場合、これらは、まとめて「端末装置40」とも記載される。
【0014】
情報処理装置10と、車両20と、端末装置30と、端末装置40とは、ネットワーク2を介して通信可能である。ネットワーク2は、移動体通信網及びインターネット等を含む任意のネットワークであってよい。
【0015】
情報処理装置10は、車両20の運行を管理する。情報処理装置10は、例えば、サーバとして機能するように構成された専用のコンピュータ、汎用のパーソナルコンピュータ又はクラウドコンピューティングシステム等である。
【0016】
本実施形態では、車両20は、予め設定された施設内を巡回する。ただし、車両20は、施設内以外の任意の場所を走行してもよい。車両20が巡回する施設は、例えば、工場又は企業等の施設である。本実施形態では、車両20は、施設内の予め決められたルートを巡回する。車両20が巡回するルートには、例えば、少なくとも1つの停留所が設定される。ユーザは、例えば、停留所から車両20に乗車する。任意のユーザが車両20に乗車してよい。
【0017】
車両20は、ユーザと物体3とを一緒に輸送可能である。物体3は、任意の物体であってよい。物体3は、例えば、施設の工場で使用される部品等である。物体3は、未発表の部品であってもよいし、汎用の部品であってもよい。物体3は、管理者4によって管理される。管理者4は、物体3を施設内の所定の目的地まで車両20によって輸送する。管理者4は、物体3を車両20に積む。管理者4は、車両20に乗車し、物体3とともに目的地まで移動してもよい。管理者4は、車両20に乗車しなくてもよい。つまり、物体3だけが目的地まで車両20によって輸送されてもよい。
【0018】
車両20は、任意の自動車であってよい。車両20は、例えば、ガソリン自動車、電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)又は燃料電池自動車(FCEV:Fuel Cell Electric Vehicle)等である。車両20は、運転者によって運転されてもよい。車両20の運転の一部は、任意のレベルで自動化されていてもよい。自動化のレベルは、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)のレベル分けにおけるレベル1からレベル5の何れかである。車両20は、MaaS(Mobility as a Service)専用車両であってもよい。
【0019】
以下、物体3を輸送する車両20は、「対象車両20A」とも記載される。また、物体3を輸送していない車両20は、「車両20B」とも記載される。
【0020】
端末装置30は、車両20が巡回するルート上の停留所に位置する。端末装置30は、例えば、デジタルサイネージ又は音声を出力する出力装置等である。
【0021】
端末装置30が位置する停留所には、見学者5及び引率者6が待機している。見学者5は、施設を見学する。引率者6は、見学者5を引率する。引率者6は、例えば、施設の社員である。本実施形態において、施設の社員は、施設を運営又は管理する企業で働く従業員等を含むものとする。見学者5及び引率者6は、車両20に乗車するために停留所で待機している。
【0022】
端末装置40Aは、引率者6によって使用される。端末装置40Bは、管理者4によって使用される。端末装置40Cは、対象車両20Aの運転者によって使用される。
【0023】
端末装置40は、ネットワーク2に接続可能であれば、任意の装置であってよい。端末装置40は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット又はパーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等である。ただし、運転者の端末装置40Bは、車両20に搭載されるカーナビゲーション装置等の車載機器であってもよい。
【0024】
<情報処理装置の構成>
図2に示すように、情報処理装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。
【0025】
通信部11は、ネットワーク2に接続可能な少なくとも1つの通信モジュールを含んで構成される。通信モジュールは、例えば、有線LAN(Local Area Network)又は無線LAN等の規格に対応した通信モジュールである。ただし、通信モジュールは、これに限定されない。通信モジュールは、任意の通信規格に対応してよい。通信部11は、通信モジュールによって有線LAN又は無線LANを介して、ネットワーク2に接続される。
【0026】
記憶部12は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ又はこれらのうちの少なくとも2種類の組み合わせを含んで構成される。半導体メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)等である。RAMは、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)又はDRAM(Dynamic Random Access Memory)等である。ROMは、例えば、EEPROM(Electrically erasable programmable read only memory)等である。記憶部12は、主記憶装置、補助記憶装置又はキャッシュメモリとして機能してよい。記憶部12には、情報処理装置10の動作に用いられるデータと、情報処理装置10の動作によって得られたデータとが記憶される。
【0027】
制御部13は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路又はこれらの組み合わせを含んで構成される。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。制御部13は、情報処理装置10の各部を制御しながら、情報処理装置10の動作に関わる処理を実行する。
【0028】
情報処理装置10の機能は、本実施形態に係る処理プログラムを、制御部13に相当するプロセッサで実行することにより実現される。つまり、情報処理装置10の機能は、ソフトウェアにより実現される。処理プログラムは、情報処理装置10の動作をコンピュータに実行させることにより、コンピュータを情報処理装置10として機能させる。つまり、コンピュータは、処理プログラムに従って情報処理装置10の動作を実行することにより、情報処理装置10として機能する。
【0029】
情報処理装置10の一部又は全ての機能が、制御部13に相当する専用回路により実現されてもよい。つまり、情報処理装置10の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0030】
制御部13は、ネットワーク2を介して車両20から、車両20の位置情報を通信部11によって受信し得る。制御部13は、受信した車両20の位置情報を、車両20の位置情報を受信した時刻に対応付けて記憶部12に記憶させてよい。また、制御部13は、ネットワーク2を介して端末装置40から、端末装置40の位置情報を通信部11によって受信し得る。制御部13は、受信した端末装置40の位置情報を、端末装置40の位置情報を受信した時刻に対応付けて記憶部12に記憶させてよい。
【0031】
<車両の構成>
図2に示すように、車両20は、通信部21と、測位部22と、出力部23と、撮像部24と、記憶部25と、制御部26とを備える。
【0032】
通信部21は、ネットワーク2に接続可能な少なくとも1つの通信モジュールを含んで構成される。通信モジュールは、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応した通信モジュールである。ただし、通信モジュールは、これに限定されない。通信モジュールは、任意の通信規格に対応してよい。
【0033】
通信部21は、非接触通信規格に対応する通信モジュールをさらに含んで構成されてもよい。非接触通信規格は、例えば、NFC(Near Field Communication)規格等である。
【0034】
測位部22は、車両20の位置情報を取得可能である。測位部22は、衛星測位システムに対応する少なくとも1つの受信モジュールを含んで構成される。受信モジュールは、例えば、GPS(Global Positioning System)に対応した受信モジュールである。ただし、受信モジュールは、これに限定されない。受信モジュールは、任意の衛星測位システムに対応した受信モジュールであってよい。
【0035】
出力部23は、データを出力可能である。出力部23は、データを出力可能な少なくとも1つの出力用インタフェースを含んで構成される。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカ等である。ディスプレイは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等である。ただし、出力用インタフェースは、これに限定されない。
【0036】
撮像部24は、被写体を撮像可能な少なくとも1つのカメラを含んで構成される。撮像部24は、車両20の出入口付近のユーザを被写体として撮像可能な位置に配置される。
【0037】
記憶部25は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ又はこれらのうちの少なくとも2種類の組み合わせを含んで構成される。半導体メモリは、例えば、RAM又はROM等である。RAMは、例えば、SRAM又はDRAM等である。ROMは、例えば、EEPROM等である。記憶部25は、主記憶装置、補助記憶装置又はキャッシュメモリとして機能してよい。記憶部25には、車両20の動作に用いられるデータと、車両20の動作によって得られたデータとが記憶される。
【0038】
制御部26は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路又はこれらの組み合わせを含んで構成される。プロセッサは、例えば、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASIC等である。制御部26は、車両20の各部を制御しながら、車両20の動作に関わる処理を実行する。
【0039】
車両20の機能は、本実施形態に係る車両プログラムを、制御部26に相当するプロセッサで実行することにより実現される。つまり、車両20の機能は、ソフトウェアにより実現される。車両プログラムは、車両20の動作をコンピュータに実行させることにより、コンピュータを車両20として機能させる。つまり、コンピュータは、車両プログラムに従って車両20の動作を実行することにより、車両20として機能する。
【0040】
車両20の一部又は全ての機能が、制御部26に相当する専用回路により実現されてもよい。つまり、車両20の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0041】
制御部26は、車両20の位置情報を測位部22によって取得する。制御部26は、取得した車両20の位置情報を、ネットワーク2を介して情報処理装置10に通信部21によって送信する。制御部26は、予め設定された時間間隔で、車両20の位置情報を取得し、取得した車両20の位置情報を情報処理装置10に送信してよい。当該時間間隔は、車両20の平均速度等に基づいて設定されてよい。
【0042】
<停留所の端末装置の構成>
図2に示すように、端末装置30は、通信部31と、出力部32と、記憶部33と、制御部34とを備える。
【0043】
通信部31は、ネットワーク2に接続可能な少なくとも1つの通信モジュールを含んで構成される。通信モジュールは、例えば、LTE、4G又は5G等の移動体通信規格に対応した通信モジュールである。ただし、通信モジュールは、これに限定されない。通信モジュールは、任意の通信規格に対応してよい。
【0044】
出力部32は、データを出力可能である。出力部32は、データを出力可能な少なくとも1つの出力用インタフェースを含んで構成される。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカ等である。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイ等である。ただし、出力用インタフェースは、これに限定されない。
【0045】
記憶部33は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ又はこれらのうちの少なくとも2種類の組み合わせを含んで構成される。半導体メモリは、例えば、RAM又はROM等である。RAMは、例えば、SRAM又はDRAM等である。ROMは、例えば、EEPROM等である。記憶部33は、主記憶装置、補助記憶装置又はキャッシュメモリとして機能してよい。記憶部33には、端末装置30の動作に用いられるデータと、端末装置30の動作によって得られたデータとが記憶される。
【0046】
制御部34は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路又はこれらの組み合わせを含んで構成される。プロセッサは、例えば、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASIC等である。制御部34は、端末装置30の各部を制御しながら、端末装置30の動作に関わる処理を実行する。
【0047】
端末装置30の機能は、本実施形態に係る第1端末プログラムを、制御部34に相当するプロセッサで実行することにより実現される。つまり、端末装置30の機能は、ソフトウェアにより実現される。第1端末プログラムは、端末装置30の動作をコンピュータに実行させることにより、コンピュータを端末装置30として機能させる。つまり、コンピュータは、第1端末プログラムに従って端末装置30の動作を実行することにより、端末装置30として機能する。
【0048】
端末装置30の一部又は全ての機能が、制御部34に相当する専用回路により実現されてもよい。つまり、端末装置30の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0049】
<端末装置の構成>
図2に示すように、端末装置40は、通信部41と、測位部42と、入力部43と、出力部44と、記憶部45と、制御部46とを備える。
【0050】
通信部41は、ネットワーク2に接続可能な少なくとも1つの通信モジュールを含んで構成される。通信モジュールは、例えば、LTE、4G又は5G等の移動体通信規格に対応した通信モジュールである。ただし、通信モジュールは、これに限定されない。通信モジュールは、任意の通信規格に対応してよい。
【0051】
通信部41は、非接触通信規格に対応する通信モジュールをさらに含んで構成されてもよい。非接触通信規格は、例えば、NFC規格等である。
【0052】
測位部42は、端末装置40の位置情報を取得可能である。測位部42は、衛星測位システムに対応する少なくとも1つの受信モジュールを含んで構成される。受信モジュールは、例えば、GPSに対応した受信モジュールである。ただし、受信モジュールは、これに限定されない。受信モジュールは、任意の衛星測位システムに対応した受信モジュールであってよい。
【0053】
入力部43は、ユーザからの入力を受け付け可能である。入力部43は、ユーザからの入力を受け付け可能な少なくとも1つの入力用インタフェースを含んで構成される。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン又はマイク等である。ただし、入力用インタフェースは、これに限定されない。
【0054】
出力部44は、データを出力可能である。出力部44は、データを出力可能な少なくとも1つの出力用インタフェースを含んで構成される。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカ等である。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイ等である。ただし、出力用インタフェースは、これに限定されない。
【0055】
記憶部45は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ又はこれらのうちの少なくとも2種類の組み合わせを含んで構成される。半導体メモリは、例えば、RAM又はROM等である。RAMは、例えば、SRAM又はDRAM等である。ROMは、例えば、EEPROM等である。記憶部45は、主記憶装置、補助記憶装置又はキャッシュメモリとして機能してよい。記憶部45には、端末装置40の動作に用いられるデータと、端末装置40の動作によって得られたデータとが記憶される。
【0056】
制御部46は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路又はこれらの組み合わせを含んで構成される。プロセッサは、例えば、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASIC等である。制御部46は、端末装置40の各部を制御しながら、端末装置40の動作に関わる処理を実行する。
【0057】
端末装置40の機能は、本実施形態に係る第2端末プログラムを、制御部46に相当するプロセッサで実行することにより実現される。つまり、端末装置40の機能は、ソフトウェアにより実現される。第2端末プログラムは、端末装置40の動作をコンピュータに実行させることにより、コンピュータを端末装置40として機能させる。つまり、コンピュータは、第2端末プログラムに従って端末装置40の動作を実行することにより、端末装置40として機能する。
【0058】
端末装置40の一部又は全ての機能が、制御部46に相当する専用回路により実現されてもよい。つまり、端末装置40の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0059】
制御部46は、端末装置40の位置情報を測位部42によって取得する。制御部46は、取得した端末装置40の位置情報を、ネットワーク2を介して情報処理装置10に通信部41によって送信する。制御部46は、予め設定された時間間隔で、端末装置40の位置情報を取得し、取得した端末装置40の位置情報を情報処理装置10に送信してよい。当該時間間隔は、端末装置40のユーザが移動する平均速度等に基づいて設定されてよい。
【0060】
(情報処理システムの処理)
<ユーザ条件の取得処理>
情報処理装置10では、制御部13は、物体3が秘密にされる対象となるユーザの条件であるユーザ条件を取得する。つまり、物体3は、ユーザ条件と一致するユーザに対して秘密にされる。ユーザ条件は、物体3が秘密にされる対象となるユーザを設定することにより、設定されてよい。又は、ユーザ条件は、物体3を見ることが許可されたユーザを設定することにより、設定されてもよい。この場合、ユーザ条件は、物体3を見ることが許可された設定されたユーザ以外のユーザであるとの条件となる。
【0061】
ユーザ条件は、物体3の機密レベルに応じて設定されてよい。機密レベルは、任意の段数のレベルによって設定されてよい。一例として、機密レベルは、最高レベル、中間レベル及び最低レベルの3段階のレベルに設定されてよい。例えば、物体3が未発表の部品である場合、物体3の機密レベルは、最高レベル又は中間レベルに設定される。また、物体3が汎用の部品である場合、物体3の機密レベルは、最低レベルに設定される。
【0062】
物体3の機密レベルが最高レベルである場合、ユーザ条件には、物体3が秘密にされる対象となるユーザとして、施設の特定の社員を除く全てのユーザが設定される。又は、ユーザ条件には、物体3を見ることが許可されたユーザとして、施設の特定の社員が設定されてもよい。
【0063】
物体3の機密レベルが中間レベルである場合、ユーザ条件には、物体3が秘密にされる対象となるユーザとして、見学者5が設定される。又は、ユーザ条件には、物体3を見ることが許可されたユーザとして、施設の社員が設定されてもよい。
【0064】
物体3の機密レベルが最低レベルである場合、ユーザ条件には、物体3が秘密にされる対象となるユーザが設定されない。又は、ユーザ条件には、物体3を見ることが許可されたユーザとして、全てのユーザが設定されてもよい。
【0065】
ユーザ条件は、管理者4によって設定されてよい。この場合、管理者4は、物体3を車両20に積む際、物体3の機密レベルに応じたユーザ条件を端末装置40Cの入力部43から入力する。端末装置40Cでは、制御部46は、入力部43によって受け付けたユーザ条件を、ネットワーク2を介して情報処理装置10に通信部41によって送信する。情報処理装置10では、制御部13は、ユーザ条件を、ネットワーク2を介して端末装置40Cから通信部11によって受信することにより取得する。なお、管理者4は、物体3を車両20に積む際、ユーザ条件とともに物体3を積む車両20すなわち対象車両20Aの情報を端末装置40Cの入力部43から入力してもよい。端末装置40Cでは、制御部46は、ユーザ条件とともに対象車両20Aの情報を入力部43によって受け付けてもよい。端末装置40Cでは、制御部46は、ユーザ条件とともに対象車両20Aの情報を、情報処理装置10に送信してもよい。情報処理装置10では、制御部13は、端末装置40Cからユーザ条件とともに対象車両20Aの情報を受信することにより、対象車両20Aを特定してもよい。
【0066】
<第1判定処理>
情報処理装置10では、制御部13は、ユーザ条件を取得すると、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が高いか否かを判定する。ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が高いか否かを判定する処理は、「第1判定処理」とも記載される。
【0067】
第1判定処理の一例として、制御部13は、見学者5の見学スケジュール情報によって、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が高いか否かを判定してよい。見学スケジュール情報は、例えば、見学者5が立ち寄る予定の場所の情報と、当該場所に立ち寄る予定時刻との対応付けを含む。例えば、ユーザ条件には、物体3が秘密にされる対象となるユーザとして見学者5が設定されるものとする。この場合、制御部13は、見学スケジュール情報及び対象車両20Aの位置情報を解析し、対象車両20Aと見学者5とが同時刻に同じ停留所に到達するか否かを判定する。制御部13は、対象車両20Aと見学者5とが同時刻に同じ停留所に到達すると判定した場合、ユーザ条件と一致するユーザとしての見学者5が対象車両20Aに乗車する可能性が高いと判定する。
【0068】
第1判定処理の他の例として、制御部13は、引率者6の端末装置40Aの位置情報によって、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が高いか否かを判定してよい。ここで、端末装置40Aの位置情報は、引率者6が端末装置40Aを所持する場合、引率者6の位置情報と一致し得る。また、引率者6が見学者5を引率していることにより、引率者6の位置情報は、見学者5の位置情報とみなされ得る。つまり、端末装置40Aの位置情報は、見学者5の位置情報とみなされ得る。例えば、ユーザ条件には、物体3が秘密にされる対象となるユーザとして見学者5が設定されるものとする。この場合、制御部13は、端末装置40Aの位置情報及び対象車両20Aの位置情報を解析し、対象車両20Aと見学者5とが同時刻に同じ停留所に到達するか否かを判定する。制御部13は、対象車両20Aと見学者5とが同時刻に同じ停留所に到達すると判定した場合、ユーザ条件と一致するユーザとしての見学者5が対象車両20Aに乗車する可能性が高いと判定する。
【0069】
第1判定処理のさらに他の例として、制御部13は、対象車両20Aに乗車しようとするユーザの識別情報によって、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が高いか否かを判定してよい。ユーザの識別情報は、ユーザを一意に識別可能な任意の情報であってよい。
【0070】
ユーザの識別情報は、対象車両20Aに乗車しようとするユーザの顔画像のデータであってよい。この場合、対象車両20Aでは、制御部26は、対象車両20Aの出入口から対象車両20Aに乗車しようとするユーザの顔画像のデータを撮像部24によって生成する。制御部26は、生成したユーザの顔画像のデータを、ネットワーク2を介して情報処理装置10に通信部21によって送信する。情報処理装置10では、制御部13は、ネットワーク2を介して対象車両20Aから、ユーザの顔画像のデータを通信部11によって受信する。ここで、記憶部12には、物体3が秘密にされる対象となるユーザの顔画像のデータが予め記憶されてよい。この場合、制御部13は、例えば画像認識処理を実行し、対象車両20Aから受信したユーザの顔画像と物体3が秘密にされる対象となるユーザの顔画像とが一致するか否かを判定する。制御部13は、対象車両20Aから受信したユーザの顔画像と物体3が秘密にされる対象となるユーザの顔画像とが一致すると判定した場合、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性があると判定する。また、記憶部12には、物体3を見ることが許可されたユーザの顔画像のデータが予め記憶されてよい。この場合、制御部13は、例えば画像認識処理を実行し、対象車両20Aから受信したユーザの顔画像と、物体3を見ることが許可されたユーザの顔画像のデータとが一致するか否かを判定する。制御部13は、対象車両20Aから受信したユーザの顔画像と物体3を見ることが許可されたユーザの顔画像のデータとが一致しないと判定した場合、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が高いと判定する。
【0071】
ユーザの識別情報は、対象車両20Aが非接触通信を実行することにより取得されてもよい。この場合、ユーザの識別情報は、ユーザの非接触型IC(Integrated Circuit)カード又は端末装置40等の端末装置の非接触型ICチップから取得されてよい。非接触型ICカードは、例えば、社員証若しくは電子マネーのカード又は交通機関の乗車カード等である。例えば、対象車両20Aに乗車しようとするユーザは、自身の非接触型ICカード又は端末装置を、対象車両20Aの出入口付近の所定箇所にかざす。対象車両20Aでは、制御部26は、通信部21によって非接触通信を実行することにより、ユーザの非接触型ICカード又は端末装置からユーザの識別情報を取得する。制御部26は、取得したユーザの識別情報を、ネットワーク2を介して情報処理装置10に通信部21によって送信する。情報処理装置10では、制御部13は、ネットワーク2を介して対象車両20Aから、ユーザの識別情報を通信部11によって受信する。ここで、記憶部12には、物体3が秘密にされる対象となるユーザの識別情報が予め記憶されてよい。この場合、制御部13は、対象車両20Aから受信したユーザの識別情報と物体3が秘密にされる対象となるユーザの識別情報とが一致するか否かを判定する。制御部13は、対象車両20Aから受信したユーザの識別情報と物体3が秘密にされる対象となるユーザの識別情報とが一致すると判定した場合、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が高いと判定する。また、記憶部12には、物体3を見ることが許可されたユーザの識別情報が予め記憶されてよい。この場合、制御部13は、対象車両20Aから受信したユーザの識別情報と物体3を見ることが許可されたユーザの識別情報とが一致するか否かを判定する。制御部13は、対象車両20Aから受信したユーザの識別情報と物体3を見ることが許可されたユーザの識別情報とが一致しないと判定した場合、ユーザ条件と一致するユーザが車両20に乗車する可能性が高いと判定する。
【0072】
<報知処理>
情報処理装置10では、制御部13は、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が高いと判定した場合、物体3の秘匿性を確保するための多様な処理を実行してよい。例えば、制御部13は、物体3の秘匿性を確保するための報知処理を実行する。報知処理は、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車すべきではないことを報知するための処理であってもよいし、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が高いことを報知するための処理であってもよい。
【0073】
報知処理の一例として、制御部13は、ネットワーク2を介して対象車両20Aに、報知音を出力させるための出力信号を通信部11によって送信してよい。この場合、対象車両20Aでは、制御部26は、ネットワーク2を介して情報処理装置10から、出力信号を通信部21によって受信する。制御部26は、出力信号を受信すると、ブザー音等の報知音を出力部23のスピーカに出力させる。対象車両20Aに乗車しようとするユーザは、対象車両20Aが出力する報知音を聞くことにより、自身が対象車両20Aに乗車すべきではないことを認識することができる。この報知処理は、ユーザの識別情報を用いて第1判定処理を実行する場合に、実行されてよい。ブザー音等の報知音を出力させる出力部23のスピーカは、上述したようにユーザが自身の非接触型ICカード等を対象車両20Aの出入口付近の所定箇所にかざす場合、当該所定箇所の近辺に配置されてよい。
【0074】
報知処理の他の例として、制御部13は、対象車両20Aの位置情報及び対象車両20Aの運行スケジュールの情報の少なくとも何れかを解析することにより、対象車両20Aが停車する予定の停留所を特定してよい。制御部13は、対象車両20Aが次に停車する予定の停留所のみを特定してもよいし、対象車両20Aが停車する予定の全ての停留所を特定してもよい。制御部13は、ネットワーク2を介して特定した対象車両20Aが停車する予定の停留所の端末装置30に、出力信号を通信部11によって送信してよい。この出力信号は、ユーザが対象車両20Aに乗車すべきではないことを示す情報を端末装置30に出力させるための信号である。この報知処理は、ユーザ条件と一致するユーザが停留所に待機している可能性が高い場合に実行されてよい。端末装置30では、制御部34は、ネットワーク2を介して情報処理装置10から、出力信号を通信部31によって受信する。制御部34は、出力信号を受信すると、ユーザが対象車両20Aに乗車すべきではないことを示す情報を出力部32に出力させる。例えば、制御部34は、この情報を画像として出力部32のディスプレイに表示させるか、又は、この情報を音声として出力部32のスピーカに出力させる。このような情報が出力部32から出力されることにより、停留所で待機しているユーザは、自身が対象車両20Aに乗車すべきではないことを認識することができる。
【0075】
報知処理のさらに他の例として、制御部13は、ユーザ条件と一致するユーザが見学者5である場合、見学者5が待機している停留所を推定してもよい。制御部13は、端末装置40Aの位置情報及び見学者5の見学スケジュール情報の少なくとも何れかを解析することにより、見学者5が待機している停留所を推定してよい。制御部13は、推定した停留所の端末装置30に、出力信号を通信部11によって送信してよい。この出力信号は、見学者が対象車両20Aに乗車すべきではないことを示す情報を端末装置30に出力させるための信号である。端末装置30では、制御部34は、ネットワーク2を介して情報処理装置10から、出力信号を通信部31によって受信する。制御部34は、出力信号を受信すると、見学者5が対象車両20Aに乗車すべきではないことを示す情報を出力部32に出力させる。例えば、制御部34は、この情報を画像として出力部32のディスプレイに表示させるか、又は、この情報を音声として出力部32のスピーカに出力させる。このような情報が出力部32から出力されることにより、見学者5は、自身が対象車両20Aに乗車すべきではないことを認識することができる。
【0076】
報知処理のさらに他の例として、制御部13は、ネットワーク2を介して対象車両20Aの運転者の端末装置40Bに、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が高いことを示す信号を通信部11によって送信してもよい。端末装置40Bでは、制御部46は、ネットワーク2を介して情報処理装置10から、この信号を通信部41によって受信する。端末装置40Bでは、制御部46は、この信号を受信すると、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が高いことを示す情報を、出力部44に出力させる。例えば、制御部46は、この情報を音声として出力部44のスピーカに出力させるか、又は、この情報を画像として出力部44のディスプレイに表示させる。このような構成により、対象車両20Aの運転者は、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が高いことを知ることができる。対象車両20Aの運転者は、対象車両20Aに乗車しないよう当該ユーザに説明したり、当該ユーザが乗車しないように対象車両20Aのドアを閉じた状態で停留所を通過したりすることができる。
【0077】
報知処理のさらに他の例として、制御部13は、ネットワーク2を介して管理者4の端末装置40Cに、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が高いことを示す信号を、通信部11によって送信してもよい。端末装置40Cでは、制御部46は、ネットワーク2を介して情報処理装置10から、この信号を通信部41によって受信する。端末装置40Cでは、制御部46は、この信号を受信すると、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が高いことを示す情報を、出力部44に出力させる。例えば、制御部46は、この情報を音声として出力部44のスピーカに出力させるか、又は、この情報を画像として出力部44のディスプレイに表示させる。このような構成により、管理者4は、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が高いことを知ることができる。例えば、管理者4は、対象車両20Aに乗車している場合、対象車両20Aに乗車しないよう当該ユーザに説明したりすることができる。
【0078】
報知処理のさらに他の例として、制御部13は、ユーザ条件と一致するユーザが見学者5である場合、ネットワーク2を介して引率者6の端末装置40Aに、見学者5が対象車両20Aに乗車すべきではないことを示す信号を通信部11によって送信してもよい。端末装置40Aでは、制御部46は、ネットワーク2を介して情報処理装置10から、この信号を通信部41によって受信する。端末装置40Aでは、制御部46は、この信号を受信すると、見学者5が車両20に乗車すべきではないことを示す情報を、出力部44に出力させる。例えば、制御部46は、この情報を音声として出力部44のスピーカに出力させるか、又は、この情報を画像として出力部44のディスプレイに表示させる。このような構成により、引率者6は、見学者5が対象車両20Aに乗らないように見学者5を引率することができる。例えば、引率者6は、対象車両20Aとは別の車両20Bに見学者5とともに乗車することができる。
【0079】
<他の処理>
情報処理装置10では、制御部13は、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が高いと判定した場合、報知処理とは異なる他の処理を実行してもよい。
【0080】
一例として、制御部13は、ネットワーク2を介して対象車両20Aに、対象車両20Aのドアを閉めた状態に維持するための信号を通信部11によって送信してもよい。この処理は、対象車両20Aの運転が自動化されている場合に実行されてよい。対象車両20Aでは、制御部26は、ネットワーク2を介して情報処理装置10から、対象車両20Aのドアを閉めた状態に維持するための信号を通信部21によって受信する。対象車両20Aでは、制御部26は、この信号を受信すると、対象車両20Aのドアを閉めた状態で停留所を通過する。このような構成により、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が低減する。
【0081】
他の例として、制御部13は、対象車両20Aに、停留所に停車しないよう指示する指示信号を通信部11によって送信してもよい。この処理は、対象車両20Aの運転が自動化されている場合に実行されてよい。対象車両20Aでは、制御部26は、ネットワーク2を介して情報処理装置10から、指示信号を通信部21によって受信する。対象車両20Aでは、制御部26は、指示信号を受信すると、対象車両20Aが停留所に停車せずに通過するように制御する。このような構成により、ユーザ条件と一致するユーザが停留所から対象車両20Aに乗車する可能性が低減する。
【0082】
さらに他の例として、制御部13は、ユーザ条件と一致するユーザが見学者5である場合、見学者5が待機している停留所を推定してよい。制御部13は、端末装置40Aの位置情報及び見学者5の見学スケジュール情報の少なくとも何れかを解析することにより、見学者5が待機している停留所を推定してよい。制御部13は、ネットワーク2を介して対象車両20Aに、推定した停留所に停車しないよう指示する指示信号を、通信部11によって送信してよい。この処理は、対象車両20Aの運転が自動化されている場合に実行されてよい。対象車両20Aでは、制御部26は、ネットワーク2を介して情報処理装置10から、指示信号を通信部21によって受信する。対象車両20Aでは、制御部26は、対象車両20Aが停留所に停車せずに通過するように制御する。このような構成により、見学者5が停留所から対象車両20Aに乗車する可能性が低減する。
【0083】
<第2判定処理>
情報処理装置10では、制御部13は、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車済みである可能性が高いか否かを判定してもよい。ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車済みである可能性が高いか否かを判定する処理は、「第2判定処理」とも記載される。例えば、制御部13は、第1判定処理によってユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が高いと判定した場合、第2判定処理を実行してもよい。
【0084】
第2判定処理の一例として、制御部13は、ユーザ条件と一致するユーザが見学者5である場合、対象車両20Aが走行中であるか否かを判定してよい。制御部13は、対象車両20Aが走行中である場合、端末装置40Aの位置情報及び対象車両20Aの位置情報を解析し、端末装置40Aの位置と対象車両20Aの位置とが一致するか否かを判定してよい。制御部13は、端末装置40Aの位置と対象車両20Aの位置とが一致すると判定した場合、ユーザ条件と一致するユーザである見学者5が対象車両20Aに乗車済みである可能性が高いと判定する。
【0085】
制御部13は、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車済みである可能性が高いと判定した場合、ネットワーク2を介して管理者4の端末装置40Cに、警告信号を通信部11によって送信してよい。警告信号は、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車済みである可能性が高いことを警告するための信号である。端末装置40Cでは、制御部46は、警告信号を、ネットワーク2を介して情報処理装置10から通信部41によって受信する。端末装置40Cでは、制御部46は、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車済みである可能性が高いことを警告するための情報を、出力部44に出力させる。例えば、制御部46は、この情報を音声として出力部44のスピーカに出力させるか、又は、この情報を画像として出力部44のディスプレイに表示させる。このような構成により、管理者4は、例えば対象車両20Aに乗車している場合、物体3を人目につかないように隠したり、ユーザに対象車両20Aから降車するよう要求したりすることができる。
【0086】
(情報処理装置の動作)
図3は、
図2に示す情報処理装置10の動作を示すフローチャートである。この動作は、本実施形態に係る情報処理方法の一例に相当する。例えば、管理者4の端末装置40Cから情報処理装置10へユーザ条件が送信されると、制御部13は、ステップS1の処理を開始する。
【0087】
制御部13は、ユーザ条件を取得する(ステップS1)。制御部13は、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が高いか否かを判定する(ステップS2)。制御部13は、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が高いと判定した場合(ステップS2:YES)、ステップS3の処理に進む。制御部13は、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が高いと判定しない場合(ステップS2:NO)、処理を終了する。
【0088】
ステップS3の処理では、制御部13は、報知処理を実行する。ステップS4の処理では、制御部13は、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車済みであるか否かを判定する。制御部13は、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車済みであると判定した場合(ステップS4:YES)、ステップS5の処理に進む。制御部13は、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車済みではないと判定した場合(ステップS4:NO)、処理を終了する。
【0089】
ステップS5の処理では、制御部13は、ネットワーク2を介して管理者4の端末装置40Cに、警告信号を通信部11によって送信する。
【0090】
制御部13は、
図3に示すような処理を終了した後、新たなユーザ条件を取得した場合、ステップS1の処理を再度実行してよい。
【0091】
このように情報処理装置10では、制御部13は、ユーザ条件を取得し、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が高いか否かを判定する。このような構成により、制御部13は、ユーザ条件と一致するユーザが対象車両20Aに乗車する可能性が高いか否かを判定した場合、物体3の秘匿性を確保するための多様な処理を実行することができる。よって、本実施形態によれば、輸送する物体3の秘匿性を確保することができる。
【0092】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0093】
例えば、上述した実施形態では、車両20は、施設内を巡回するものとして説明した。ただし、車両20は、施設以外の任意の場所を走行してもよい。
【0094】
例えば、汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る情報処理装置10として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る情報処理装置10の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は、当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【符号の説明】
【0095】
1 情報処理システム
2 ネットワーク
3 物体
4 管理者
5 見学者
6 引率者
10 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20,20B 車両
20A 対象車両
21 通信部
22 測位部
23 出力部
24 撮像部
25 記憶部
26 制御部
30 端末装置
31 通信部
32 出力部
33 記憶部
34 制御部
40,40A,40B,40C 端末装置
41 通信部
42 測位部
43 入力部
44 出力部
45 記憶部
46 制御部