(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/123 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
G08G1/123 A
(21)【出願番号】P 2022028692
(22)【出願日】2022-02-25
【審査請求日】2023-11-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100220674
【氏名又は名称】小山 祐
(72)【発明者】
【氏名】竺原 慶和
(72)【発明者】
【氏名】蔡 晟尉
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 伊吹
(72)【発明者】
【氏名】青木 貴洋
(72)【発明者】
【氏名】木下 圭司
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2020-0029175(KR,A)
【文献】国際公開第2021/246236(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの健康診断の予約時刻と前記健康診断の会場とを含む予約情報を取得し、
前記ユーザの乗車位置を示す乗車位置情報を取得し、
前記予約情報と前記乗車位置情報とに基づいて、前記乗車位置と前記会場との間で前記ユーザが乗車して移動する車両についての配車計画を生成
し、
前記予約時刻以降に追加された追加の健診項目を含む追加健診情報を取得し、前記追加健診情報に応じて前記配車計画を修正する制御部を備える、制御装置。
制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記会場の混雑の程度を示す混雑情報を取得し、前記混雑情報に応じて前記配車計画を修正する、制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記配車計画を、前記車両を手配するタクシー会社に通知する、制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記会場から所定の距離以内のタクシー会社を前記タクシー会社として特定する、制御装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記タクシー会社に付与する報酬を決定する、制御装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記車両が移動する経路の交通状況を示す交通情報を取得し、前記交通情報に基づいて、前記配車計画を修正する、制御装置。
【請求項7】
コンピュータが実行する制御方法であって、
ユーザの健康診断の予約時刻と前記健康診断の会場とを含む予約情報を取得することと、
前記ユーザの乗車位置を示す乗車位置情報を取得することと
前記予約情報と前記乗車位置情報とに基づいて、前記乗車位置と前記会場との間で前記ユーザが乗車して移動する車両についての配車計画を生成することと
、
前記予約時刻以降に追加された追加の健診項目を含む追加健診情報を取得することと、
前記追加健診情報に応じて前記配車計画を修正することとを含む、制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の制御方法であって、
前記会場の混雑の程度を示す混雑情報を取得することと、前記混雑情報に応じて前記配車計画を修正することとをさらに含む、制御方法。
【請求項9】
請求項7から8のいずれか一項に記載の制御方法であって、
前記配車計画を、前記車両を手配するタクシー会社に通知することをさらに含む、制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の制御方法であって、
前記会場から所定の距離以内のタクシー会社を前記タクシー会社として特定することをさらに含む、制御方法。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の制御方法であって、
前記タクシー会社に付与する報酬を決定することをさらに含む、制御方法。
【請求項12】
請求項7から11のいずれか一項に記載の制御方法であって、
前記車両が移動する経路の交通状況を示す交通情報を取得することと、前記交通情報に基づいて、前記配車計画を修正することとをさらに含む、制御方法。
【請求項13】
コンピュータに、
ユーザの健康診断の予約時刻と前記健康診断の会場とを含む予約情報を取得することと、
前記ユーザの乗車位置を示す乗車位置情報を取得することと
前記予約情報と前記乗車位置情報とに基づいて、前記乗車位置と前記会場との間で前記ユーザが乗車して移動する車両についての配車計画を生成すること
、
前記予約時刻以降に追加された追加の健診項目を含む追加健診情報を取得することと、
前記追加健診情報に応じて前記配車計画を修正することとを含む動作を実行させるプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムであって、
前記会場の混雑の程度を示す混雑情報を取得することと、前記混雑情報に応じて前記配車計画を修正することとをさらに含む動作を前記コンピュータに実行させるプログラム。
【請求項15】
請求項13又は14に記載のプログラムであって、
前記配車計画を、前記車両を手配するタクシー会社に通知することをさらに含む動作を前記コンピュータに実行させるプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムであって、
前記会場から所定の距離以内のタクシー会社を前記タクシー会社として特定することをさらに含む動作を前記コンピュータに実行させるプログラム。
【請求項17】
請求項15又は16に記載のプログラムであって、
前記タクシー会社に付与する報酬を決定することをさらに含む動作を前記コンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載する健康診断設備を決定する技術が知られている。例えば特許文献1には、健康診断を受けるユーザ情報に基づいて、車両に搭載する健康診断設備を決定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
健康診断機器を搭載した車両において健康診断を受ける際に、受診者が健康診断車両までの移動するための車両を所有していない場合、受診者の自宅と健康診断の実施場所との往復が困難である。健康診断場所として車両が滞在する場所が、交通上利便性が良いとは限らず、受診者の健康診断の実施場所への往復を容易にする技術が望まれていた。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、受診者の健康診断の実施場所への往復を容易にする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る制御装置は、
ユーザの健康診断の予約時刻と前記健康診断の会場とを含む予約情報を取得し、
前記ユーザの乗車位置を示す乗車位置情報を取得し、
前記予約情報と前記乗車位置情報とに基づいて、前記乗車位置と前記会場との間で前記ユーザが乗車して移動する車両についての配車計画を生成する制御部を備える。
【0007】
本開示の一実施形態に係る制御方法は、
コンピュータが実行する制御方法であって、
ユーザの健康診断の予約時刻と前記健康診断の会場とを含む予約情報を取得することと、
前記ユーザの乗車位置を示す乗車位置情報を取得することと
前記予約情報と前記乗車位置情報とに基づいて、前記乗車位置と前記会場との間で前記ユーザが乗車して移動する車両についての配車計画を生成することとを含む。
【0008】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
コンピュータに、
ユーザの健康診断の予約時刻と前記健康診断の会場とを含む予約情報を取得することと、
前記ユーザの乗車位置を示す乗車位置情報を取得することと
前記予約情報と前記乗車位置情報とに基づいて、前記乗車位置と前記会場との間で前記ユーザが乗車して移動する車両についての配車計画を生成することとを含む動作を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、受診者の健康診断の実施場所への往復を容易にする技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る車両の構成を示すブロック図である。
【
図5A】本実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図5B】本実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、制御装置20と、端末装置30と、車両40と、予約管理装置Sと、車両Vとを備える。制御装置20と、端末装置30と、車両40と、予約管理装置Sと、車両Vとは、例えばインターネットを含むネットワーク60と通信可能に接続される。
図1では簡便のため端末装置30と、車両40と、予約管理装置Sと、車両Vとは1つずつ示されているが、端末装置30と、車両40と、予約管理装置Sと、車両Vとの数は複数あってよい。
【0013】
制御装置20は、データセンタ等の施設に設置される。制御装置20は、例えば、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバである。
【0014】
端末装置30は、健康診断を受診するユーザよって保持される。本実施形態において、ユーザとは健康診断の受診者を指す。端末装置30は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、若しくはタブレットなどのモバイル機器、又はPCである。「PC」は、personal computerの略語である。
【0015】
車両40は、例えば自動車であるが、これに限られず任意の車両であってよい。自動車は、例えばガソリン自動車、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、又は燃料電池自動車等であるが、これらに限られない。車両40は、運転手によって運転されてもよく、或いは任意のレベルで運転が自動化されていてもよい。自動化のレベルは、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)のレベル分けにおけるレベル1からレベル5の何れかである。車両40は、MaaS(Mobility as a Service)専用車両でもよい。車両40は、以下で説明する配車計画に従って、ユーザを乗せて健康診断の会場への往復を行うことができる。本実施形態では、車両40はタクシー会社によって管理される車両である。これに限られず、車両40は、運転代行サービスに係る車両等、送迎サービスにおいて用いられる任意の車両であってよい。
【0016】
予約管理装置Sは、健康診断を主催する病院等に設置され、ユーザからの健康診断の予約を受付、管理する。予約管理装置Sは、例えば、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバである。予約管理装置Sは、以下で説明する、健康診断の会場としての車両Vに設置されてもよい。
【0017】
車両Vは、健康診断に用いる設備を搭載した健診車である。車両Vは、例えばガソリン自動車、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、又は燃料電池自動車等であるが、これらに限られない。車両Vは、運転手によって運転されてもよく、或いは任意のレベルで運転が自動化されていてもよい。自動化のレベルは、例えば、SAEのレベル分けにおけるレベル1からレベル5の何れかである。車両Vは、MaaS専用車両でもよい。車両Vは、健康診断を主催する病院等によって管理されてもよい。車両Vは、健康診断を受診するユーザが在住する地域を運行・巡回できる。
【0018】
ネットワーク60は、インターネット、少なくとも1つのWAN、少なくとも1つのMAN、又はこれらの組み合わせを含む。「WAN」は、wide area networkの略語である。「MAN」は、metropolitan area networkの略語である。ネットワーク60は、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。「LAN」は、local area networkの略語である。
【0019】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。制御装置20は、ユーザの健康診断の予約時刻と健康診断の会場とを含む予約情報を取得し、ユーザの乗車位置を示す乗車位置情報を取得し、予約情報と乗車位置情報とに基づいて、乗車位置と会場との間でユーザが乗車して移動する車両40についての配車計画を生成する。
【0020】
本実施形態では、健康診断の会場は車両Vである。これに限られず、健康診断の会場は、病院、クリニック、公共施設等、任意の場所であってよい。予約情報は、ユーザの健康診断の予約時刻と、健康診断の会場とを示す情報を含む。予約情報は、ユーザの氏名を示す情報、当該会場でのユーザの健康診断の受診が初めてであるかについて示す情報、健康診断の所要時間を示す情報、健康診断におけるユーザの健診項目を示す情報等、任意の情報を含んでもよい。乗車位置情報は、ユーザが車両40に乗ることを希望する乗車位置を示す情報である。乗車位置は、住所、又は地図上の点若しくは領域等の任意の形式で表されてよい。
【0021】
配車計画は、往路または復路の少なくとも一方における、車両40へユーザが乗る乗車位置と、当該乗車位置からの車両40の出発時刻と、車両40からユーザが降りる降車位置と、当該降車位置への車両40の到着時刻を含む。車両40は、当該乗車位置と当該降車位置との間を、ユーザを乗せて移動する。往路における乗車位置、又は復路における降車位置は、ユーザの家の前等、ユーザの家から所定の距離以内の任意の場所であってよい。往路における降車位置、又は復路における乗車位置は、健康診断の会場の前等、会場から所定の距離以内の任意の場所であってよい。配車計画は、乗車位置から降車位置までの地図上の経路を示す情報を含んでよい。制御装置20は、配車計画を、タクシー会社等の車両40をユーザに対し手配する事業者に通知できる。制御装置20は、配車計画を、車両40に直接通知してもよい。
【0022】
本実施形態によれば、制御装置20は、健康診断の予約時刻と会場とを考慮して配車計画を生成できる。生成された配車計画に基づいて、タクシー会社が車両40を手配することができる。ユーザにとって、健康診断の会場との往復のための適切な配車が自動的に行われるため、健康診断の会場までの移動の負担が軽減される。よって受診者の健康診断の実施場所への往復を容易にする技術が提供できる。
【0023】
次に、システム1の各構成について詳細に説明する。
【0024】
図2に示すように、制御装置20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、出力部25とを備える。
【0025】
制御部21には、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせが含まれる。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。「CPU」は、central processing unitの略語である。「GPU」は、graphics processing unitの略語である。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。「FPGA」は、field-programmable gate arrayの略語である。「ASIC」は、application specific integrated circuitの略語である。制御部21は、制御装置20の各部を制御しながら、制御装置20の動作に関わる処理を実行する。
【0026】
記憶部22には、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれる。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。「RAM」は、random access memoryの略語である。「ROM」は、read only memoryの略語である。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。「SRAM」は、static random access memoryの略語である。「DRAM」は、dynamic random access memoryの略語である。ROMは、例えば、EEPROMである。「EEPROM」は、electrically erasable programmable read only memoryの略語である。記憶部22は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部22には、制御装置20の動作に用いられる情報と、制御装置20の動作によって得られた情報とが記憶される。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及び地図情報等を記憶してもよい。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部23を介してネットワーク60から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0027】
通信部23には、少なくとも1つの通信用インタフェースが含まれる。通信用インタフェースは、例えば、LANインタフェースである。通信部23は、制御装置20の動作に用いられる情報を受信し、また制御装置20の動作によって得られる情報を送信する。
【0028】
入力部24は、少なくとも1つの入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部24は、制御装置20の動作に用いられるデータを入力する操作を受け付ける。入力部24は、制御装置20に備えられる代わりに、外部の入力機器として制御装置20に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)などの任意の方式を用いることができる。「USB」は、Universal Serial Busの略語である。「HDMI(登録商標)」は、High-Definition Multimedia Interfaceの略語である。
【0029】
出力部25は、少なくとも1つの出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。「LCD」は、liquid crystal displayの略語である。「EL」は、electro luminescenceの略語である。出力部25は、制御装置20の動作によって得られるデータを出力する。出力部25は、制御装置20に備えられる代わりに、外部の出力機器として制御装置20に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)などの任意の方式を用いることができる。
【0030】
制御装置20の機能は、本実施形態に係る制御プログラムを、制御部21に相当するプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、制御装置20の機能は、ソフトウェアにより実現される。制御プログラムは、制御装置20の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを制御装置20として機能させる。すなわち、コンピュータは、制御プログラムに従って制御装置20の動作を実行することにより制御装置20として機能する。
【0031】
プログラムは、非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体に記憶しておくことができる。非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体は、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又はROMである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記憶したDVD又はCD-ROMなどの可搬型媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。「DVD」は、digital versatile discの略語である。「CD-ROM」は、compact disc read only memoryの略語である。プログラムをサーバのストレージに格納しておき、サーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させてもよい。プログラムをプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0032】
コンピュータは、例えば、可搬型媒体に記憶されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0033】
制御装置20の一部又は全ての機能が、制御部21としてのプログラマブル回路又は専用回路により実現されてもよい。すなわち、制御装置20の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0034】
図3を参照して、本実施形態に係る端末装置30の構成を説明する。
【0035】
端末装置30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、入力部34と、出力部35と、測位部36とを備える。
【0036】
制御部31には、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせが含まれる。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。制御部31は、端末装置30の各部を制御しながら、端末装置30の動作に関わる処理を実行する。
【0037】
記憶部32には、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれる。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部32は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部32には、端末装置30の動作に用いられる情報と、端末装置30の動作によって得られた情報とが記憶される。
【0038】
通信部33には、少なくとも1つの通信用インタフェースが含まれる。通信用インタフェースは、例えば、LTE、4G規格、若しくは5G規格等の移動通信規格に対応したインタフェース、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信に対応したインタフェース、又はLANインタフェースである。「LTE」は、Long Term Evolutionの略語である。「4G」は、4th generationの略語である。「5G」は、5th generationの略語である。通信部33は、端末装置30の動作に用いられる情報を受信し、また端末装置30の動作によって得られる情報を送信する。
【0039】
入力部34には、少なくとも1つの入力用インタフェースが含まれる。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部34は、端末装置30の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。入力部34は、端末装置30に備えられる代わりに、外部の入力機器として端末装置30に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0040】
出力部35には、少なくとも1つの出力用インタフェースが含まれる。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ、スピーカ、又は振動モータある。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。出力部35は、端末装置30の動作によって得られる情報を出力する。出力部35は、端末装置30に備えられる代わりに、外部の出力機器として端末装置30に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0041】
測位部36には、少なくとも1つのGNSS受信機が含まれる。「GNSS」は、global navigation satellite systemの略語である。GNSSには、例えば、GPS、QZSS、GLONASS、及びGalileoの少なくともいずれかが含まれる。「GPS」は、Global Positioning Systemの略語である。「QZSS」は、Quasi-Zenith Satellite Systemの略語である。QZSSの衛星は、準天頂衛星と呼ばれる。「GLONASS」は、Global Navigation Satellite Systemの略語である。測位部36は、端末装置30の位置を測定する。
【0042】
端末装置30の機能は、本実施形態に係る端末プログラムを、制御部31に相当するプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、端末装置30の機能は、ソフトウェアにより実現される。端末プログラムは、端末装置30の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを端末装置30として機能させる。すなわち、コンピュータは、端末プログラムに従って端末装置30の動作を実行することにより端末装置30として機能する。
【0043】
端末装置30の一部又は全ての機能が、制御部31としてのプログラマブル回路又は専用回路により実現されてもよい。すなわち、端末装置30の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0044】
図4を参照して、本実施形態に係る車両40の構成を説明する。
【0045】
車両40は、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、入力部44と、出力部45と、測位部46とを備える。車両40は、さらに各種センサを備える。各種センサと制御部41、記憶部42、通信部43、入力部44、出力部45、測位部46は、例えばCAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークと通信可能に接続されてもよい。
【0046】
制御部41は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGAであるがこれに限られない。専用回路は、例えばASICであるがこれに限られない。制御部41は、1つ以上のECU(Electronic Control Unit)を含んでもよい。制御部41は、車両40の各部を制御しながら、車両40全体の動作を制御する。
【0047】
記憶部42は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部42に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部42は、車両40の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部42は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及びデータベース等を記憶してもよい。記憶部42に記憶された情報は、例えば通信部43を介してネットワーク60から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0048】
通信部43には、少なくとも1つの通信用インタフェースが含まれる。通信用インタフェースは、例えば移動体通信規格、4G若しくは5G等の移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。例えば、DCM(Data Communication Module)等の車載通信機が、通信部43として機能してもよい。通信部43は、車両40の動作に用いられる情報を受信し、また車両40の動作によって得られる情報を送信する。
【0049】
入力部44には、少なくとも1つの入力用インタフェースが含まれる。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部44は、車両40の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。入力部44は、車両40に備えられる代わりに、外部の入力機器として車両40に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0050】
出力部45には、少なくとも1つの出力用インタフェースが含まれる。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。出力部45は、車両40の動作によって得られる情報を出力する。出力部45は、車両40に備えられる代わりに、外部の出力機器として車両40に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0051】
測位部46には、少なくとも1つのGNSS受信機が含まれる。GNSSには、例えば、GPS、QZSS、BeiDou、GLONASS、及びGalileoの少なくともいずれかが含まれる。測位部46は、車両40の位置を測定する。
【0052】
車両40の機能は、任意の車両プログラムを、制御部41としてのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、車両40の機能は、ソフトウェアにより実現される。車両プログラムは、車両40の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを車両40として機能させる。すなわち、コンピュータは、車両プログラムに従って車両40の動作を実行することにより車両40として機能する。
【0053】
車両40の一部又は全ての機能が、制御部41としてのプログラマブル回路又は専用回路により実現されてもよい。すなわち、車両40の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0054】
図1、
図5A及び
図5Bを参照して、本実施形態に係る制御装置20の動作について説明する。この動作は、本実施形態に係る制御方法に相当する。以下において、制御装置20は、外部の各装置との情報の送受信を、通信部23及びネットワーク60を介して行う。
【0055】
図5AのステップS101において、制御部21は、ユーザの健康診断の予約時刻と健康診断の会場とを含む予約情報を取得する。予約情報の取得には任意の手法が採用されてよい。例えば制御部21は、
図1の予約管理装置Sと通信し、当該予約管理装置Sから予約情報を受信することで取得する。これに限られず、制御部21は端末装置30と通信し、端末装置30から、端末装置30にユーザが入力した健康診断の予約時刻と健康診断の会場とを含む情報を受信し、予約情報として取得してもよい。本例において、予約情報に含まれる、ユーザの健康診断の予約時刻は2022年4月1日の14:00であり、健康診断の会場は、
図1の車両Vであるとする。
【0056】
ステップS102において、制御部21は、ユーザの乗車位置を示す乗車位置情報を取得する。乗車位置情報の取得には任意の手法が採用されてよい。例えば制御部21は、記憶部22に予め格納された、ユーザの家の住所が蓄積されたデータベースを読み出し、予約情報が示すユーザの氏名に基づいて当該データベースからユーザの住所を特定し、特定した住所を示す情報を乗車位置情報として取得してもよい。制御部21は、ユーザの端末装置30と通信し、端末装置30から、端末装置30にユーザが入力した地図上の位置を示す情報を受信し、乗車位置情報として取得してもよい。制御部21は、端末装置30から、端末装置30の測位部36が測定したユーザの位置を示す情報を受信し、乗車位置情報として取得してもよい。本例において、ユーザの乗車位置はユーザの家の前の位置であるとする。
【0057】
ステップS103において、制御部21は、配車計画を生成する。本例では制御部21は、往路及び復路についての配車計画を生成する。これに限られず、制御部21は往路又は復路の一方のみについて配車計画を作成してもよい。制御部21は、所要時間、及び乗車位置から降車位置までの経路を、既存の任意の経路探索技術を用いて算出できる。制御部21は、算出した所要時間に基づいて出発時刻及び到着時刻を設定できる。
【0058】
制御部21が往路についての配車計画を設定する場合について説明する。制御部21は、取得した乗車位置情報に基づいて乗車位置を設定する。制御部21は、取得した予約情報が示す会場から所定の距離以内の位置を、降車位置として設定できる。具体的には、制御部21は、記憶部22に格納された地図情報又は外部装置から取得した地図情報を参照して、会場から所定の距離以内であって、車両40がユーザを降ろすために一時的に駐車可能な位置を特定し、当該位置を降車位置として設定する。制御部21は、会場が健診車である場合、健診車又は外部装置から、当該健診車の駐車位置を示す情報をさらに取得できてよい。本例では、制御部21は、会場としての車両Vが駐車して健康診断を開催する位置を示す情報を取得する。制御部21は、当該取得した位置から所定の距離以内にある駐車場Pを、降車位置として設定する。
【0059】
制御部21は、取得した予約情報に含まれる健康診断の予約時刻よりも所定の時間分早い時刻に到着できるよう、出発時刻を設定してよい。制御部21は、当該所定の時間を任意に設定でき、例えば会場ごとに設定できる。制御部21は、設定した出発時刻に所要時間を足した時刻を到着時刻として設定してよい。制御部21は、取得した予約情報が当該会場でのユーザの健康診断の受診が初めてであることを示す情報を含む場合、当該会場で二回目以降の健康診断を受診する場合よりも早い時刻に到着できるよう、出発時刻及び到着時刻を設定してよい。これにより、初めて健康診断を受診する場合でも、ユーザが余裕をもって会場に到着できる。
【0060】
制御部21が復路についての配車計画を設定する場合について説明する。制御部21は、往路における降車位置を復路における乗車位置として設定し、往路における乗車位置を復路における降車位置として設定できる。制御部21は、取得した予約情報に含まれる健康診断の予約時刻に、所定の時間分足した時刻を復路の出発時刻として設定してよい。制御部21は、当該所定の時間を任意に設定できる。制御部21は、取得した予約情報が健康診断の所要時間を示す情報を含む場合、健康診断の予約時刻に当該所要時間を足した時刻を復路の出発時刻として設定してよい。
【0061】
制御部21は、取得した予約情報が健康診断におけるユーザの健診項目を示す情報を含む場合、当該情報に基づいて出発時刻を設定してよい。具体的には、制御部21は、記憶部22に予め格納された健診項目ごとの所要時間を示す情報を読み出し、予約情報が示すユーザの健診項目の所要時間を合計する。例えば予約情報が示すユーザの健診項目がA,B及びCであるとする。制御部21は、A,B及びCのそれぞれの所要時間を合計する。本例において、A,B及びCの所要時間の合計が2時間であるとする。制御部21は、健康診断の予約時刻に2時間を足した時刻を、出発時刻として設定できる。これにより、制御部21は、健康診断が終了したあとユーザが車両40を待つことなく乗車できる出発時刻を、予約の内容に応じて精度よく設定できる。
【0062】
表1は、配車計画を示す情報の例である。表1は、配車計画を示す情報をテーブル形式で示すが、情報の形式はこれに限定されるものではない。本例の配車計画は、ユーザの家の前と駐車場Pとの間の往路及び復路の地図上の経路を含む。
【0063】
【0064】
本例の配車計画においては、ユーザの家の前でユーザが車両40に乗り、2022年4月1日の13時30分に車両40が出発する。車両40は2022年4月1日の13時55分に駐車場Pに到着し、ユーザが降車する。健康診断後、駐車場Pでユーザが車両40に再び乗り、2022年4月1日の16時00分に車両40が出発する。車両40は2022年4月1日の16時30分にユーザの家の前に到着し、ユーザが降車する。
【0065】
ステップS101からステップS103に示すように、制御部21は、ユーザの乗車位置を示す乗車位置情報を取得し、予約情報と乗車位置情報とに基づいて、乗車位置と会場との間でユーザが乗車して移動する車両40についての配車計画を生成する。
【0066】
ステップS104において、制御部21は、車両40が移動する経路の交通状況を示す交通情報を取得する。交通情報は、配車計画が含む経路上の道路の、現在又は将来の道路の渋滞の程度、通行止め等の規制の有無等を示す情報である。渋滞の程度は、「大」「中」「小」等段階的に示すものであってもよい。交通情報の取得には任意の手法が採用されてよい。例えば制御部21は交通情報提供センタ等のサーバ装置から交通情報を受信することで取得できる。
【0067】
ステップS105において、制御部21はステップS104で取得した交通情報に基づいて、ステップS103で生成した配車計画の往路を修正するかを判断する。配車計画を修正する場合とは、例えば、交通情報が、配車計画が含む経路において所定の程度の渋滞、又は通行止めが発生していることを示す場合等、配車計画を生成した時点の往路の交通状況と比較して車両40の移動に時間がかかる交通状況となっている場合である。制御部21が修正することを判断した場合(ステップS105:YES)、制御部21の動作はステップS106に進む。修正しないことを判断した場合(ステップS105:NO)、制御部21の動作はステップS107へと進む。
【0068】
ステップS106において、制御部21は配車計画を修正する。制御部21は、車両40が渋滞又は通行止めを避けて移動できるよう、配車計画に含まれる経路を変更することで配車計画を修正できる。変更後の経路の決定には任意の経路検索技術が採用されてよい。制御部21は、経路が渋滞した場合でも到着時刻に間に合うよう、出発時刻を所定の時間早めることで配車計画を修正してもよい。
【0069】
ステップS107において、制御部21は、ステップS103で生成した配車計画またはステップS106で修正した配車計画を、車両40を手配するタクシー会社に対して通知する。
【0070】
具体的には、制御部21はまず、健康診断の会場から所定の距離以内にあるタクシー会社を地図情報に基づいて特定する。地図情報は記憶部22に予め格納されていてもよいし、外部装置から通信部23を介して受信してものであってもよい。所定の距離は任意に設定されてよい。制御部21は、健康診断の会場を営業区域内に含むタクシー会社を特定してもよい。制御部21は、配車計画を通知する情報を生成し、特定したタクシー会社のサーバ装置に当該情報を送信する。このようにして制御部21は、配車計画をタクシー会社に対して通知する。通知された配車計画に基づき、タクシー会社のサーバ装置が自動的に配車予約の処理を実行し、配車計画に従って移動する車両40としてのタクシーを手配できる。制御部21は、当該タクシー会社の従業員の保持する端末装置に当該情報を送信してもよい。この場合、タクシー会社の従業員が、配車計画に従って移動する車両40としてのタクシーを手配できる。
【0071】
制御部21は、車両40に対し直接配車計画を送信してもよい。配車計画を受信した車両40は、当該配車計画に従って移動する。車両40は、自動運転により移動できてもよい。具体的には、車両40の制御部41は、通信部43を介して配車計画を制御装置20から受信する。制御部41は、車両40の各部を制御して、配車計画に含まれる乗車位置でユーザを乗車させ、出発時刻に出発し、到着時刻に降車位置でユーザを降ろすよう、配車計画に含まれる経路を移動できる。
【0072】
ステップS108において、制御部21は、会場の混雑の程度を示す混雑情報を取得する。
【0073】
混雑の程度は、「大」「中」「小」等段階的に示すものであっても良い。混雑情報の取得には任意の手法が採用されてよい。例えば制御部21は、会場に設けられ、会場の状況を撮影するカメラと通信し、当該カメラが撮影した画像を受信する。制御部21は、受信した画像を任意の画像処理技術により解析し、混雑の程度を決定することで混雑情報を取得できる。例えば制御部21は、カメラが会場の待合室を撮影したの画像に映り込んでいる人の数が多い程、混雑の程度が大きいことを決定できる。これに限られず、制御部21は会場の職員が保持する端末装置と通信し、当該職員が入力した会場の混雑の程度を示す情報を混雑情報として取得してもよい。本例では、制御部21が取得した混雑情報が「中」を示すとする。
【0074】
ステップS109において、制御部21は、ユーザが追加で受診する健診項目を示す追加健診情報を取得する。
【0075】
追加健診情報は、配車計画が生成された後にユーザが追加で受診することを決定した健診項目を含む。追加で受診することを決定した健診項目とは例えば、健康診断中に、医師がユーザに対し追加で受診することを勧めた健診項目である。追加の項目の取得には任意の手法が採用されてよい。例えば制御部21は、予約管理装置Sと通信し、予約管理装置Sから追加健診情報を取得してもよい。これに限られず、制御部21は、ユーザの端末装置30から、端末装置30にユーザが入力した、追加で受診する健診項目を示す情報を受信し、追加健診情報として取得してもよい。本例では、制御部21が取得した追加健診情報が健診項目Dと健診項目Eとを示すとする。
【0076】
図5BのステップS110において、制御部21は、車両40が移動する経路の交通状況を示す交通情報を取得する。ステップS110の詳細は、ステップS104と同様であるため、説明を省略する。
【0077】
ステップS111において、制御部21は、配車計画の復路を修正するかを判断する。制御部21は、ステップS108で取得した混雑情報に基づいて、配車計画を修正するかを判断してよい。制御部21は、混雑情報に代えて、または加えて、ステップS109で取得した追加健診情報に基づいて配車計画を修正するかを判断してよい。制御部21は、混雑情報又は追加健診情報、もしくはその両方に加えて、又は代えて、ステップS110で取得した交通情報に基づいて配車計画を修正するかを判断してよい。制御部21が修正することを判断した場合(ステップS111:YES)、制御部21の動作はステップS112に進む。制御部21が修正しないことを判断した場合(ステップS111:NO)、制御部21の動作はステップS114へと進む。
【0078】
制御部21は、混雑情報に基づき、混雑の程度が所定値である場合に配車計画を修正することを判断できる。所定値は任意に決定されてよい。例えば制御部21は、混雑の程度が「中」又は「大」である場合に配車計画を修正することを判断してよい。これに限られず、例えば制御部21は、過去の同一の会場の混雑の程度を記録した情報を取得し、混雑情報が示す混雑の程度が、過去の混雑の程度より大きい場合に、配車計画を修正することを判断してもよい。本例では混雑情報が示す混雑の程度が「中」である。よって制御部21は、配車計画を修正することを判断する。
【0079】
制御部21は、追加健診情報に基づき、追加の健診項目の所要時間が所定値以上である場合に配車計画を修正することを判断できる。この場合、制御部21は、記憶部22に予め格納された健診項目ごとの所要時間を示す情報を読み出し、追加健診情報が示す追加の健診項目の所要時間を特定する。制御部21は、当該特定した所要時間の合計が所定値以上である場合に、配車計画を修正することを判断してよい。例えば、健診項目ごとの所要時間を示す情報が、健診項目Dは10分、健診項目Eは20分、健診項目Fは30分を所要時間としてそれぞれ示すとする。本例では追加健診情報が示す健診項目がDとEであり、所定値が15分であるとする。DとEとの所要時間の合計が30分であり、所定値の15分より大きい値であるため、制御部21は、配車計画を修正することを判断する。これに限られず、制御部21は、追加の健診項目の数が所定値以上である場合に配車計画を修正することを判断してよい。
【0080】
制御部21は、交通情報に基づき、配車計画が含む経路において所定の程度の渋滞、又は通行止めが発生していることを示す場合等、配車計画を生成した時点の復路の交通状況と比較して車両40の移動に時間がかかる交通状況となっている場合に、配車計画を修正することを判断してよい。本例では交通情報が示す渋滞の程度が「小」である。よって制御部21は、配車計画を修正しないことを判断する。
【0081】
制御部21は、混雑情報、追加健診情報、又は交通情報のいずれか一つに基づいて配車計画を修正することを判断したとき、配車計画を修正することを判断してよい。本例では制御部21は、混雑情報と追加健診情報とに基づいて配車計画を修正することを判断している。よって制御部21の動作はステップS112へと進む。
【0082】
ステップS112において、制御部21は、配車計画を修正する。制御部21は、ステップS108で取得した混雑情報に基づいて、配車計画を修正してよい。制御部21は、混雑情報に代えて、または加えて、ステップS109で取得した追加健診情報に基づいて配車計画を修正してよい。制御部21は、混雑情報又は追加健診情報、もしくはその両方に加えて、又は代えて、ステップS110で取得した交通情報に基づいて配車計画を修正してよい。
【0083】
混雑情報に基づいて配車計画を修正する場合について説明する。制御部21は、混雑情報が示す混雑の程度が大きい程、配車計画に含まれる会場からの出発時刻を、所定の時間分遅らせることを決定し、当該決定を反映して配車計画を修正してよい。例えば混雑情報が示す会場の混雑の程度が「中」の場合、制御部21は、会場からの出発時刻を30分遅らせることを決定し、配車計画を修正してよい。混雑の程度が「大」である場合、制御部21は会場からの出発時刻を1時間遅らせることを決定し、当該決定を反映して配車計画を修正してよい。
【0084】
追加健診情報に基づいて配車計画を修正する場合について説明する。制御部21は、追加健診情報が示す追加の健診項目の種類に応じて配車計画に含まれる会場からの出発時刻を所定の時間分遅らせることを決定し、当該決定を反映して配車計画を修正してよい。具体的には、制御部21は、記憶部22に予め格納された健診項目ごとの所要時間を示す情報を読み出し、追加健診情報が示す追加の健診項目の所要時間を合計する。本例では追加健診情報が示す追加の健診項目がDとEであり、これらの所要時間の合計が30分である。制御部21は、30分だけ往路の出発時刻を遅らせることを決定し、当該決定を反映して配車計画を修正してよい。
【0085】
交通情報に基づいて配車計画を修正する場合について説明する。制御部21は、車両40が渋滞又は通行止めを避けて移動できるよう、計画に含まれる経路を変更することを決定し、当該決定を反映して配車計画を修正してよい。変更後の経路の決定には任意の経路検索技術が採用されてよい。
【0086】
本例では、制御部21は、混雑情報に基づいて配車計画の往路の出発時刻を30分遅らせることを決定したとする。さらに制御部21は、追加健診情報に基づいて出発時刻をさらに30分遅らせることを決定したとする。制御部21は、決定した時間を合計した1時間分、出発時刻を遅らせることを決定し、当該決定を反映して配車計画を修正する。
【0087】
混雑情報、追加健診情報、及び交通情報に基づいて配車計画を修正する手法はこれに限られない。例えば制御部21が、混雑情報に基づいて往路の出発時刻をX分遅らせることを決定し、追加健診情報に基づいて往路の出発時刻をY分遅らせることを決定し、交通情報に基づいて往路の出発時刻をZ分遅らせることを決定したとする。制御部21は、決定したX、Y、Zの値のそれぞれに所定の係数を乗じて合計した時間分、出発時刻を遅らせることを決定し、当該決定を反映して配車計画を修正してもよい。
【0088】
本例で制御部21が修正した配車計画を表2に示す。表2の配車計画では、復路の駐車場Pからの出発時刻が、表1の配車計画における2022年4月1日の16:00から、17:00へと修正されている。
【0089】
【0090】
制御部21は、乗車予定時刻を遅らせた分、到着予定時刻を遅らせて配車計画を修正する。表2の配車計画では、ユーザの自宅への到着予定時刻が、表1の配車計画における2022年4月1日の16:30から、17:30へと修正されている。制御部21は、修正した配車計画を記憶部22に格納する。
【0091】
ステップS108、ステップS111、及びステップS112に示すように、制御部21は、会場の混雑の程度を示す混雑情報を取得し、混雑情報に応じて配車計画を修正する。ステップS109、ステップS111、及びステップS112に示すように、制御部21は、追加の健診項目を示す追加健診情報を取得し、追加健診情報に応じて配車計画を修正する。ステップS104~ステップS106、及びステップS110~ステップS112に示すように、制御部21は、車両40が移動する経路の交通状況を示す交通情報を取得し、交通情報に基づいて、配車計画を修正する。
【0092】
ステップS113において、制御部21は、ステップS112で修正した配車計画をタクシー会社に対して通知する。制御部21は、ステップS107で配車計画を通知したタクシー会社に対して再び通知できる。
【0093】
具体的には、制御部21は、タクシー会社のサーバ装置に修正した配車計画を示す情報を送信する。このようにして制御部21は、修正した配車計画をタクシー会社に対して通知する。これにより、タクシー会社のサーバ装置が、自動的に配車予約の処理を実行し、修正された配車計画に従って移動する車両40としてのタクシーを再度手配できる。制御部21は、当該タクシー会社の従業員の保持する端末装置に当該情報をしてもよい。これにより、タクシー会社の従業員が、修正された配車計画に従って移動する車両40としてのタクシーを再度手配できる。
【0094】
修正後の配車計画では配車できない場合、タクシー会社のサーバ装置又はタクシー会社の従業員の端末装置は、制御装置20に対してその旨を示す情報を送信できる。当該情報を受信したとき、制御部21は、会場から所定の距離以内にある別のタクシー会社を地図情報に基づいて特定し、特定したタクシー会社に修正後の配車計画を示す情報を送信してもよい。これにより、配車計画の復路に修正があった場合でも、ユーザが確実に車両40に乗って帰宅することができるようになる。
【0095】
制御部21は、車両40に対し直接、修正した配車計画を送信してもよい。配車計画を受信した車両40は、修正した配車計画に従って移動する。車両40は、自動運転により移動できてもよい。
【0096】
ステップS114において、制御部21は、タクシー会社に付与する報酬を決定する。
【0097】
制御部21は、車両40が配車計画の通りに移動できたかに基づいて報酬を決定してよい。具体的には、制御部21は、車両40と通信し、車両40の測位部46が測定した車両40の位置を示す車両位置情報を取得する。制御部21は、車両位置情報に基づき、配車計画に含まれる出発時刻から所定の時間差以内に、車両40が乗車位置から出発していたかを判断する。制御部21は、配車計画に含まれる出発時刻から所定の時間差以内に、車両40が乗車位置から出発していたことを判断した場合に、報酬を付与することを決定してよい。この場合制御部21は、当該時間差が小さい程高い報酬を付与することを決定してよい。
【0098】
これに限られず、制御部21による報酬の決定には任意の手法が採用されてよい。例えば制御部21は、車両40の乗車後に、車両40に対するユーザの評価を示す情報をユーザの端末装置30から受信し、当該情報に基づいて報酬を決定してよい。
【0099】
報酬の内容は任意に設定されてよい。報酬は例えば、配車計画の通知を優先的に受ける権利、車両40のエネルギー供給の支払いに使えるクーポン又はポイント等を含んでよい。報酬として配車計画の通知を優先的に受ける権利が付与される場合、制御部21は、次回配車計画を生成したとき、当該タクシー会社を優先的に特定して配車計画を通知してよい。
【0100】
ステップS115において、制御部21は決定した報酬をタクシー会社に通知する。具体的には、制御部21は、決定した報酬を示す情報を生成し、当該情報を、配車計画を送信したタクシー会社のサーバ等に送信する。これに限られず、制御部21は、報酬を示す情報を、タクシー会社の従業員の保持する端末装置、又は車両40に直接送信してもよい。その後、制御部21の動作は終了する。
【0101】
上述の通り、制御装置20は、ユーザの健康診断の予約時刻と健康診断の会場とを含む予約情報を取得し、ユーザの乗車位置を示す乗車位置情報を取得し、予約情報と乗車位置情報とに基づいて、乗車位置と会場との間でユーザが乗車して移動する車両40についての配車計画を生成する制御部を備える。
【0102】
本実施形態によれば、健康診断の予約情報に応じた配車計画が自動的に生成される。これにより、ユーザが健康診断の会場から離れた場所に居住している場合であっても、健康診断の時刻に間に合うよう健康診断の会場に行き、健康診断の終了後、健康診断会場から帰ってくることが容易となる。よって、受診者の健康診断の実施場所への往復を容易にする技術を提供できる。
【0103】
上述の通り、制御装置20において、制御部21は、会場の混雑の程度を示す混雑情報を取得し、混雑情報に応じて配車計画を修正する。
【0104】
本実施形態によれば、健康診断の会場が混雑していて、健康診断の所要時間が増加する場合であっても、ユーザは復路の移動について心配することなく、安心して健康診断を受診することができる。よって、受診者の健康診断の実施場所への往復を容易にする技術を提供できる。
【0105】
上述の通り、制御装置20において、制御部21は、追加の健診項目を示す追加健診情報を取得し、追加健診情報に応じて配車計画を修正する。
【0106】
本実施形態によれば、ユーザが健康診断中に健診項目を追加的に受診することを希望した場合でも、ユーザは復路の移動について心配することなく、安心して健康診断を受診することができる。よって、受診者の健康診断の実施場所への往復を容易にする技術を提供できる。
【0107】
上述の通り、制御装置20において、制御部21は、配車計画を、車両40を手配するタクシー会社に通知する。
【0108】
本実施形態によれば、ユーザが自らタクシー会社に配車の予約をする必要無く、配車計画に従って移動する車両40が手配される。よって、受診者の健康診断の実施場所への往復を容易にする技術を提供できる。
【0109】
上述の通り、制御装置20において、制御部21は、会場から所定の距離以内のタクシー会社をタクシー会社として特定する。
【0110】
本実施形態によれば、健康診断の会場の付近のタクシー会社に配車計画が通知されるため、車両40についての配車予約ができる確率が高まる。ユーザが確実に予約できそうなタクシー会社を探す必要無いため、健康診断の会場までの往復についてのユーザの手間が低減する。よって、受診者の健康診断の実施場所への往復を容易にする技術を提供できる。
【0111】
上述の通り、制御装置20において、制御部21は、タクシー会社に付与する報酬を決定する。
【0112】
本実施形態によれば、報酬が付与されるため、タクシー会社が手配する車両40が配車計画の通りに移動する可能性が高まる。車両40が配車計画に従って移動することで、ユーザは安心して健康診断の会場までの往復することができる。よって、受診者の健康診断の実施場所への往復を容易にする技術を提供できる。
【0113】
上述の通り、制御装置20において、制御部21は、車両40が移動する経路の交通状況を示す交通情報を取得し、交通情報に基づいて、配車計画を修正する。
【0114】
本実施形態によれば、健康診断の会場までの経路上の道路の渋滞等により、通常より移動に時間がかかる場合でも、適切な配車計画が自動的に生成されて車両40が手配される。これにより、ユーザは往復の移動について心配する必要がなくなる。よって、受診者の健康診断の実施場所への往復を容易にする技術を提供できる。
【0115】
本発明を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。例えば、上述した実施形態において、制御装置20の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた実施形態も可能である。
【符号の説明】
【0116】
1 システム
20 制御装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 入力部
25 出力部
30 端末装置
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
34 入力部
35 出力部
36 測位部
40 車両
41 制御部
42 記憶部
43 通信部
44 入力部
45 出力部
46 測位部
60 ネットワーク