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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】車両の制御装置
(51)【国際特許分類】
   F02N 11/08 20060101AFI20241210BHJP
   F02N 11/04 20060101ALI20241210BHJP
   F02D 17/00 20060101ALI20241210BHJP
   F02D 29/02 20060101ALI20241210BHJP
   B60K 6/46 20071001ALI20241210BHJP
   B60W 10/06 20060101ALI20241210BHJP
   B60W 10/08 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
F02N11/08 K
F02N11/04 A
F02N11/08 L
F02N11/04 D
F02D17/00 Q
F02D29/02 321A
B60K6/46 ZHV
B60W10/06 900
B60W10/08 900
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022062109
(22)【出願日】2022-04-01
(65)【公開番号】P2023152138
(43)【公開日】2023-10-16
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085361
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 治幸
(74)【代理人】
【識別番号】100147669
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 光治郎
(72)【発明者】
【氏名】石井 健一
【審査官】鶴江 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-065437(JP,A)
【文献】特開2001-152901(JP,A)
【文献】再公表特許第2012/111143(JP,A1)
【文献】特開2002-155839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02N 11/04-11/08
F02D 17/00
F02D 29/02
B60K 6/46
B60W 10/06-10/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、前記エンジンに動力伝達可能に連結された電動機及び前記電動機に対して電力を授受する高圧電源装置を有し、前記電動機を用いて前記エンジンをクランキングする第1始動装置と、前記エンジンを回転駆動可能に設けられたスタータモータ及び前記高圧電源装置によって充電可能に設けられていると共に前記スタータモータに電力を供給する低圧電源装置を有し、前記スタータモータを用いて前記エンジンをクランキングする第2始動装置と、前記低圧電源装置から供給される電力によって一時的に作動する複数種類の電気負荷と、を備えた車両の、制御装置であって、
前記エンジンの始動に際して、前記第2始動装置を用いた前記クランキングよりも前記第1始動装置を用いた前記クランキングを優先的に実行するものであり、前記第1始動装置を用いた前記クランキングによる前記始動に失敗した場合には、前記第2始動装置を用いた前記クランキングを実行し、前記第1始動装置を用いた前記クランキングによる前記始動に失敗したときに、前記第2始動装置を用いた前記クランキングによる前記始動にも失敗した場合には、前記第1始動装置を用いた前記クランキングを実行するのではなく再度前記第2始動装置を用いた前記クランキングを実行する始動制御部を含むことを特徴とする車両の制御装置。
【請求項2】
前記第2始動装置を用いた前記クランキングは、前記エンジンを始動する際のバックアップ機能としての働きがあるものであり、
前記始動制御部は、前記第2始動装置を用いた前記始動を保証できる場合には、前記エンジンの運転を一時的に停止するアイドリングストップ制御を許可すると共に、前記第2始動装置を用いた前記始動を保証できない場合には、前記アイドリングストップ制御を禁止することを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項3】
前記始動制御部は、前記第2始動装置を用いた前記始動に成功した場合には、前記第2始動装置を用いた前記クランキングの過渡中における前記低圧電源装置の出力電圧が所定電圧以上であるか否かに基づいて、前記第2始動装置を用いた前記始動を保証できるか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の車両の制御装置。
【請求項4】
前記始動制御部は、前記エンジンの始動に際して、前記電動機が適切に制御できないと判断される予め定められた極低温の環境に前記車両がある場合には、前記第1始動装置を用いた前記クランキングに替えて、前記第2始動装置を用いた前記クランキングを実行することを特徴とする請求項2又は3に記載の車両の制御装置。
【請求項5】
前記アイドリングストップ制御は、作動している前記エンジンを前記車両の走行中又は停止中に一時的に運転停止させる制御、及び前記車両の電源オン後の未発進時に前記エンジンを始動させずに運転停止させた状態で待機させる制御のうちの少なくとも一方の制御を含んでいることを特徴とする請求項2又は3に記載の車両の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンと複数の始動装置とを備えた車両の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンと、2つの電源装置と、各電源装置からの電力供給によって作動させられるクランキング装置と、を備えた車両の制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された車両用電源システムがそれである。この特許文献1には、エンジンを再始動する場合、電源装置としての二次電池からの電力供給によってクランキング装置としてのスタータを作動させること、又、エンジンの再始動に失敗した後に再始動する場合、環境温度が一定値より低いときは、電源装置としての鉛蓄電池からの電力供給によってスタータを作動させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2015/015743号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、エンジンの再始動に失敗した後の再始動も失敗してしまう場合がある。この場合、二次電池と鉛蓄電池との何れからの電力供給でも始動に失敗したことになる。その為、再度、エンジンの始動を試みる場合、何れから電力供給を行えば良いのかが不明である。そうすると、再度、エンジンの始動に失敗する可能性がある。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、エンジンの始動に際して、始動に成功する確率を高くすることができる車両の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の要旨とするところは、(a)エンジンと、前記エンジンに動力伝達可能に連結された電動機及び前記電動機に対して電力を授受する高圧電源装置を有し、前記電動機を用いて前記エンジンをクランキングする第1始動装置と、前記エンジンを回転駆動可能に設けられたスタータモータ及び前記高圧電源装置によって充電可能に設けられていると共に前記スタータモータに電力を供給する低圧電源装置を有し、前記スタータモータを用いて前記エンジンをクランキングする第2始動装置と、前記低圧電源装置から供給される電力によって一時的に作動する複数種類の電気負荷と、を備えた車両の、制御装置であって、(b)前記エンジンの始動に際して、前記第2始動装置を用いた前記クランキングよりも前記第1始動装置を用いた前記クランキングを優先的に実行するものであり、前記第1始動装置を用いた前記クランキングによる前記始動に失敗した場合には、前記第2始動装置を用いた前記クランキングを実行し、前記第1始動装置を用いた前記クランキングによる前記始動に失敗したときに、前記第2始動装置を用いた前記クランキングによる前記始動にも失敗した場合には、前記第1始動装置を用いた前記クランキングを実行するのではなく再度前記第2始動装置を用いた前記クランキングを実行する始動制御部を含むことにある。
【0007】
また、第2の発明は、前記第1の発明に記載の車両の制御装置において、前記第2始動装置を用いた前記クランキングは、前記エンジンを始動する際のバックアップ機能としての働きがあるものであり、前記始動制御部は、前記第2始動装置を用いた前記始動を保証できる場合には、前記エンジンの運転を一時的に停止するアイドリングストップ制御を許可すると共に、前記第2始動装置を用いた前記始動を保証できない場合には、前記アイドリングストップ制御を禁止することにある。
【0008】
また、第3の発明は、前記第2の発明に記載の車両の制御装置において、前記始動制御部は、前記第2始動装置を用いた前記始動に成功した場合には、前記第2始動装置を用いた前記クランキングの過渡中における前記低圧電源装置の出力電圧が所定電圧以上であるか否かに基づいて、前記第2始動装置を用いた前記始動を保証できるか否かを判定することにある。
【0009】
また、第4の発明は、前記第2の発明又は第3の発明に記載の車両の制御装置において、前記始動制御部は、前記エンジンの始動に際して、前記電動機が適切に制御できないと判断される予め定められた極低温の環境に前記車両がある場合には、前記第1始動装置を用いた前記クランキングに替えて、前記第2始動装置を用いた前記クランキングを実行することにある。
【0010】
また、第5の発明は、前記第2の発明又は第3の発明に記載の車両の制御装置において、前記アイドリングストップ制御は、作動している前記エンジンを前記車両の走行中又は停止中に一時的に運転停止させる制御、及び前記車両の電源オン後の未発進時に前記エンジンを始動させずに運転停止させた状態で待機させる制御のうちの少なくとも一方の制御を含んでいることにある。
【発明の効果】
【0011】
前記第1の発明によれば、エンジンの始動に際して、スタータモータ及び複数種類の電気負荷に電力を供給する低圧電源装置を有する第2始動装置を用いたクランキングよりも電動機及び高圧電源装置を有する第1始動装置を用いたクランキングが優先的に実行されるものであり、第1始動装置を用いたクランキングによる始動に失敗した場合には、第2始動装置を用いたクランキングが実行され、第1始動装置を用いたクランキングによる始動に失敗したときに、第2始動装置を用いたクランキングによる始動にも失敗した場合には、第1始動装置を用いたクランキングが実行されるのではなく再度第2始動装置を用いたクランキングが実行されるので、スタータモータの作動と電気負荷の作動とが一時的に重なったことによって始動が失敗した可能性がある第2始動装置を用いたクランキングを再度試みることによって始動に成功する可能性がある。よって、エンジンの始動に際して、始動に成功する確率を高くすることができる。
【0012】
また、前記第2の発明によれば、第2始動装置を用いたクランキングは、エンジンを始動する際のバックアップ機能としての働きがあるものであり、第2始動装置を用いた始動を保証できる場合には、アイドリングストップ制御が許可されると共に、第2始動装置を用いた始動を保証できない場合には、アイドリングストップ制御が禁止されるので、アイドリングストップ制御の解除後にエンジンの始動に失敗することが回避又は抑制される。
【0013】
また、前記第3の発明によれば、第2始動装置を用いた始動に成功した場合には、第2始動装置を用いたクランキングの過渡中における低圧電源装置の出力電圧が所定電圧以上であるか否かに基づいて、第2始動装置を用いた始動を保証できるか否かが判定されるので、第2始動装置を用いたクランキング時における低圧電源装置の電圧によって低圧電源装置の状態を判断することができ、低圧電源装置の状態が未確定であることによるアイドリングストップ制御の禁止つまり機会喪失を回避することができる。
【0014】
また、前記第4の発明によれば、エンジンの始動に際して、電動機が適切に制御できないと判断される予め定められた極低温の環境に車両がある場合には、第1始動装置を用いたクランキングに替えて、第2始動装置を用いたクランキングが実行されるので、エンジンの始動に失敗することが回避又は抑制される。
【0015】
また、前記第5の発明によれば、アイドリングストップ制御は、作動しているエンジンを車両の走行中又は停止中に一時的に運転停止させる制御、及び車両の電源オン後の未発進時にエンジンを始動させずに運転停止させた状態で待機させる制御のうちの少なくとも一方の制御を含んでいるので、エネルギー効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明が適用される車両の概略構成を説明する図であると共に、車両における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。
図2】第2始動装置(スタータモータ)を用いたエンジンの始動が行われたときのスタータ始動時電圧の一例を示す図である。
図3】電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであり、エンジンの始動に際して始動に成功する確率を高くする為の制御作動を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【実施例
【0018】
図1は、本発明が適用される車両10の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、エンジン12、自動変速機14、第1始動装置16、第2始動装置18、DCDCコンバータ20、電気負荷22、スタートボタン24等を備えている。
【0019】
エンジン12は、車両10の動力源である。エンジン12は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の公知の内燃機関である。エンジン12は、後述する電子制御装置70によって、スロットルアクチュエータや燃料噴射装置や点火装置等を有する図示しないエンジン制御機器が制御されることによりエンジン12の出力トルクであるエンジントルクTeが制御される。
【0020】
自動変速機14は、例えば公知の遊星歯車式の自動変速機、公知のDCT(Dual Clutch Transmission)を含む同期噛合型平行2軸式自動変速機、公知のベルト式無段変速機、公知の電気式無段変速機等が用いられる。自動変速機14は、エンジン12が動力伝達可能に連結されており、エンジン12からの動力を図示しない駆動輪側へ伝達する。
【0021】
第1始動装置16は、電動機MG及び高圧バッテリ26等を備えている。電動機MGは、電力から機械的な動力を発生させる発動機としての機能及び機械的な動力から電力を発生させる発電機としての機能を有するモータジェネレータである。電動機MGは、一体的に設けられたインバータを介して高圧バッテリ26に接続されている。高圧バッテリ26は、電動機MGに対して電力を授受する蓄電装置である。電動機MGは、後述する電子制御装置70によってインバータが制御されることにより、電動機MGのトルクであるMGトルクTmが制御される。電動機MGは、力行時には高圧バッテリ26から供給される電力によって駆動させられる。電動機MGは、回生時には発電した電力を高圧バッテリ26へ供給する。
【0022】
電動機MGは、車両10に備えられた駆動ベルト28を介してエンジン12のクランクシャフト12aに動力伝達可能に連結されている。従って、電動機MGは、エンジン12の停止時には力行作動によってエンジン12を回転駆動つまりクランキングする機能を有している。つまり、第1始動装置16は、電動機MGを用いてエンジン12をクランキングする機能を有している。又、電動機MGは、エンジン12の運転時には力行作動によってエンジン12の動力を補助する機能を有している。又、電動機MGは、エンジン12の運転時には回生作動によってエンジン12の動力から電力を発生させる機能を有している。又、電動機MGは、減速走行時には回生作動によって駆動輪から入力される被駆動力から電力を発生させる機能を有している。
【0023】
エンジン12のクランクシャフト12aには、電動機MGと同様に、車両10に備えられたエアコン用コンプレッサであるA/Cコンプレッサ30、図示しないパワーステアリングポンプ、及び図示しないウォーターポンプ等の補機が駆動ベルト28を介して作動的に連結されており、それぞれエンジン12によって駆動される。電動機MGやA/Cコンプレッサ30等が例えば図示しない電磁クラッチを介してクランクシャフト12aに連結されている場合、A/Cコンプレッサ30等の補機は、この電磁クラッチが解放されることで電動機MGの作動のみによって駆動される。つまり、電動機MGは、エンジン12の運転を一時的に停止するアイドリングストップ制御CTspidlの実行中にA/Cコンプレッサ30等の補機を駆動する機能を有している。
【0024】
アイドリングストップ制御CTspidlは、例えばフューエルカット等によってエンジン12の作動を自動的に停止させる一方、ブレーキペダルの踏込み解除やアクセルペダルの踏込み操作等の復帰条件を満たした場合に、エンジン12を自動的に再始動して復帰するエンジン自動停止制御である。アイドリングストップ制御CTspidlは、作動しているエンジン12を車両10の走行中又は停止中に一時的に運転停止させる制御である通常アイドリングストップ制御S&S(Stop and Start)、及び車両10の電源オン後の未発進時にエンジン12を始動させずに運転停止させた状態で待機させる制御である未発進時アイドリングストップ制御FIS(First Idling Stop)を含んでいる。通常アイドリングストップ制御S&Sは、発進後アイドリングストップ制御である。車両10の電源オンの状態は、後述するイグニッションオン(=「IG-ON」)の状態である。
【0025】
第2始動装置18は、スタータモータ32及び低圧バッテリ34等を備えている。スタータモータ32は、エンジン12を回転駆動可能に設けられている。スタータモータ32は、低圧バッテリ34から供給される電力によって駆動させられる。スタータモータ32は、エンジン12の始動に用いられる始動用モータである。つまり、スタータモータ32は、エンジン12の始動に際してエンジン12を回転駆動するすなわちクランキングする専用のモーターである。第2始動装置18は、スタータモータ32を用いてエンジン12をクランキングする機能を有している。
【0026】
DCDCコンバータ20は、高圧バッテリ26に接続されている。DCDCコンバータ20は、高圧バッテリ26の電圧を降圧することで、低圧バッテリ34の充電や電気負荷22への電力供給を行う。低圧バッテリ34は、DCDCコンバータ20に接続されており、高圧バッテリ26から供給される電力を源として、DCDCコンバータ20によって充電される。低圧バッテリ34は、高圧バッテリ26によって充電可能に設けられていると共にスタータモータ32に電力を供給する低圧電源装置である。高圧バッテリ26は、低圧バッテリ34よりも高い電圧を蓄電する高圧系のバッテリであって、低圧バッテリ34を充電可能に設けられた高圧電源装置である。高圧バッテリ26は、例えばリチウムイオン電池やニッケル水素電池等の二次電池である。低圧バッテリ34は、例えば鉛蓄電池等の二次電池である。
【0027】
電気負荷22は、低圧バッテリ34等から供給される電力によって作動する複数種類の電気機器である。電気負荷22は、例えばワイパ、ブロアモータ、ナビゲーションシステム等である。
【0028】
スタートボタン24は、車両10における電源の供給状態すなわち車両電源の状態を切り替える為に運転者により操作されるパワースイッチである。スタートボタン24は、例えばモーメンタリ式の押しボタンスイッチであり、運転者によりスイッチオンポジションまで押込み操作される。スタートボタン24は、スイッチオンポジションまで押込み操作される毎に、スイッチオンポジションに応じたパワースイッチ信号PSonを後述する電子制御装置70へ出力する。電子制御装置70は、パワースイッチ信号PSonに基づいて運転者によるスタートボタン24の操作を検出する。
【0029】
車両電源の状態は、例えばオフ状態としてのオフ(=「OFF」)の状態、一部オン状態としてのアクセサリオン(=「ACC」)の状態、及びオン状態としてのイグニッションオン(=「IG-ON」)の状態である。「OFF」の状態は、例えば車両走行を不能とし且つ車両走行に関わらない一部の機能も稼働不能とする為の電源状態である。「ACC」の状態は、例えば不図示のコンビネーションメータを消灯して車両走行を不能とするが車両走行に関わらない一部の機能を稼働可能とする為の電源状態である。「IG-ON」の状態は、例えばコンビネーションメータを点灯して車両走行を可能とする為の電源状態である。
【0030】
車両10は、更に、車両10の制御装置を含む電子制御装置70を備えている。電子制御装置70は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。電子制御装置70は、必要に応じてエンジン制御用、変速機制御用等の各コンピュータを含んで構成される。
【0031】
電子制御装置70には、車両10に備えられた各種センサ等(例えばDCDCコンバータ20、スタートボタン24、エンジン回転速度センサ50、MG回転速度センサ52、車速センサ54、アクセル開度センサ56、スロットル弁開度センサ58、ブレーキスイッチ60など)による検出値に基づく各種信号等(例えばDCDC電源電圧VLdc、パワースイッチ信号PSon、エンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Ne、電動機MGの回転速度であるMG回転速度Nm、車速V、運転者の加速操作の大きさを表す運転者のアクセル操作量であるアクセル開度θacc、電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度θth、ホイールブレーキを作動させる為のブレーキペダルが運転者によって操作されている状態を示す信号であるブレーキオン信号Bonなど)が、それぞれ供給される。
【0032】
DCDC電源電圧VLdcは、高圧バッテリ26の電圧を降圧した後の、低圧バッテリ34等へ供給されるDCDCコンバータ20の出力電圧であり、低圧バッテリ34の出力電圧を表している。DCDCコンバータ20は、例えばマイクロコンピュータを含んで構成されており、DCDC電源電圧VLdcを検出する機能を有している。DCDCコンバータ20には、車両10に備えられた低圧バッテリセンサ62による検出値に基づく信号として、低圧バッテリ34の温度である低圧バッテリ温度THlowbや低圧バッテリ34の充放電電流である低圧バッテリ充放電電流Ilowbが供給される。
【0033】
電子制御装置70からは、車両10に備えられた各装置(例えばエンジン12、自動変速機14、電動機MG、DCDCコンバータ20、スタータモータ32など)に各種指令信号(例えばエンジン12を制御する為のエンジン制御指令信号Se、自動変速機14を制御する為の変速機制御指令信号Sat、電動機MGを制御する為のMG制御指令信号Sm、DCDCコンバータ20を制御する為のDCDC制御指令信号Sdc、スタータモータ32を制御する為のスタータ制御指令信号Sstなど)が、それぞれ出力される。
【0034】
電子制御装置70は、車両10における各種制御を実現する為に、エンジン制御手段すなわちエンジン制御部72、変速機制御手段すなわち変速機制御部74、及び始動制御手段すなわち始動制御部76を備えている。
【0035】
エンジン制御部72は、例えば駆動要求量マップにアクセル開度θacc及び車速Vを適用することで、運転者による車両10に対する駆動要求量を算出する。前記駆動要求量マップは、予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された関係すなわち予め定められた関係である。前記駆動要求量は、例えば駆動輪における要求駆動トルクTrdem[Nm]である。前記駆動要求量としては、駆動輪における要求駆動力Frdem[N]等を用いることもできる。エンジン制御部72は、伝達損失、補機負荷、自動変速機14の変速比等を考慮して、要求駆動トルクTrdemを実現するようにエンジン12を制御するエンジン制御指令信号Seをエンジン12へ出力する。
【0036】
変速機制御部74は、例えば予め定められた関係である変速マップを用いて自動変速機14の変速判断を行い、必要に応じてつまりその変速判断の結果に応じて自動変速機14の変速制御を実行する為の変速機制御指令信号Satを自動変速機14へ出力する。前記変速マップは、例えば車速V及び要求駆動トルクTrdemを変数とする二次元座標上に、自動変速機14の変速が判断される為の変速線を有する所定の関係である。
【0037】
始動制御部76は、エンジン12の作動状態つまり制御状態を停止状態から運転状態へ切り替えるエンジン12の始動要求の有無を判定する。例えば、始動制御部76は、車両電源の状態が「IG-ON」の状態とされたときに未発進時アイドリングストップ制御FISが実行されないか否か、又は、アイドリングストップ制御CTspidlの実行中に例えばブレーキオン信号Bonがオフとされたことによってアイドリングストップ制御CTspidlが解除されたか否かなどに基づいて、エンジン12の始動要求が有るか否かを判定する。本実施例では、アイドリングストップ制御CTspidlの解除に伴うエンジン12の始動要求を、車両電源の「OFF」から「IG-ON」に伴う初回のエンジン12の始動要求と区別するときには、エンジン12の再始動要求と言う。
【0038】
始動制御部76は、エンジン12の始動要求が有ると判定した場合には、基本的には、第1始動装置16を用いたクランキングを実行する。具体的には、始動制御部76は、エンジン12の始動要求が有ると判定した場合には、電動機MGがクランキングトルクTcrを出力する為のMG制御指令信号Smを電動機MGへ出力する。始動制御部76は、電動機MGによるエンジン12のクランキングに連動して、燃料供給やエンジン点火などを開始する為のエンジン制御指令信号Seをエンジン12へ出力する。クランキングトルクTcrは、エンジン回転速度Neを引き上げるエンジン12のクランキングに必要な所定のトルクである。クランキングトルクTcrは、例えばエンジン12の諸元等に基づいて予め定められた例えば一定のトルクである。
【0039】
ここで、エンジン12の始動に際して、例えば高圧バッテリ26の放電可能電力が小さくされているか高圧バッテリ26からの電力供給が難しいときには電動機MGを適切に制御することが難しくされる。その為、例えば電動機MGが適切に制御できないと判断される予め定められた極低温の環境に車両10がある場合には、第1始動装置16を用いたクランキングによるエンジン12の始動が難しい場合がある。
【0040】
始動制御部76は、エンジン12の始動に際して、電動機MGが適切に制御できないと判断される予め定められた極低温の環境に車両10がある場合には、第1始動装置16を用いたクランキングに替えて、第2始動装置18を用いたクランキングを実行する。具体的には、始動制御部76は、エンジン12の始動要求が有ると判定したときに、予め定められた極低温の環境に車両10がある場合には、スタータモータ32を作動する為のスタータ制御指令信号Sstをスタータモータ32へ出力し、スタータモータ32によるエンジン12のクランキングを行う。始動制御部76は、スタータモータ32によるエンジン12のクランキングに連動して、燃料供給やエンジン点火などを開始する為のエンジン制御指令信号Seをエンジン12へ出力する。始動制御部76は、エンジン12が完爆した状態となるとスタータ制御指令信号Sstを解除してスタータモータ32によるクランキングを停止する。
【0041】
このように、始動制御部76は、エンジン12の始動に際して、第2始動装置18を用いたエンジン12のクランキングよりも第1始動装置16を用いたエンジン12のクランキングを優先的に実行する。つまり、車両電源の「OFF」から「IG-ON」に伴うエンジン12の始動やアイドリングストップ制御CTspidlの解除に伴うエンジン12の始動では、第1始動装置16を用いたエンジン12のクランキングが優先的に実行される。一方で、極低温の環境下では、第1始動装置16に替えて第2始動装置18を用いたエンジン12のクランキングが実行される。尚、車両電源の「OFF」から「IG-ON」に伴って初回にエンジン12を始動する場合には、エンジン12が暖機前である為に必要なクランキングトルクTcrが大きくされ易いので、第2始動装置18を用いたエンジン12のクランキングが実行されても良い。
【0042】
ところで、エンジン12の始動に際して、第1始動装置16を用いた始動に失敗する可能性がある。始動制御部76は、第1始動装置16を用いた始動に失敗した場合には、第2始動装置18を用いたエンジン12のクランキングを実行する。このように、第2始動装置18を用いたエンジン12のクランキングは、エンジン12を始動する際のバックアップ機能を有している。
【0043】
第1始動装置16を用いた始動に失敗し、更に、第2始動装置18を用いた始動にも失敗する可能性がある。第2始動装置18を用いた始動の失敗は、例えば電気負荷22における大電流負荷の作動と、スタータモータ32の作動と、が一時的に重なったことによるものである可能性がある。その為、再度、第2始動装置18を用いたクランキングを実行すれば、エンジン12の始動に成功する可能性がある。
【0044】
そこで、始動制御部76は、エンジン12の始動に際して、第1始動装置16を用いたエンジン12のクランキングによる始動に失敗したときに、第2始動装置18を用いたエンジン12のクランキングによる始動にも失敗した場合には、再度、第2始動装置18を用いたエンジン12のクランキングを実行する。
【0045】
第2始動装置18を用いたクランキングはバックアップ機能としての働きがある為、第2始動装置18を用いたエンジン12の始動が保証できない場合には、アイドリングストップ制御CTspidlを実行しない方が良い。始動制御部76は、第2始動装置18を用いたエンジン12の始動を保証できる場合には、アイドリングストップ制御CTspidlを許可する。一方で、始動制御部76は、第2始動装置18を用いたエンジン12の始動を保証できない場合には、アイドリングストップ制御CTspidlを禁止する。
【0046】
低圧バッテリ34の状態が良好であれば、第2始動装置18を用いたエンジン12の始動を保証できる。低圧バッテリ34の状態は、第2始動装置18を用いたエンジン12の始動が成功したときの低圧バッテリ34の出力電圧つまりDCDC電源電圧VLdcであるスタータ始動時電圧VLstによって判断することができる。スタータ始動時電圧VLstは、第2始動装置18を用いたエンジン12の始動が成功した時点における、第2始動装置18を用いたエンジン12のクランキングの過渡中におけるDCDC電源電圧VLdcである。つまり、スタータ始動時電圧VLstは、例えばエンジン12が完爆したことに伴ってエンジン12のクランキングが完了した時点でのDCDC電源電圧VLdcである。
【0047】
図2は、第2始動装置18を用いたエンジン12の始動が行われたときのスタータ始動時電圧VLstの一例を示す図である。図2において、t1時点は、第2始動装置18を用いたエンジン12のクランキングが開始された時点、すなわちスタータモータ32の駆動が開始された時点を示している。スタータモータ32の駆動が開始されると、DCDC電源電圧VLdcは開路電圧OCV(Open Circuit Voltage)から低下させられる。エンジン12の始動が成功してスタータモータ32の駆動が終了させられると、DCDC電源電圧VLdcは開路電圧OCVに向かって上昇させられる(t2時点以降参照)。エンジン12の始動が成功した時点すなわちスタータモータ32の駆動が終了させられた時点のDCDC電源電圧VLdcがスタータ始動時電圧VLstである(t2時点参照)。開路電圧OCVは、低圧バッテリ34に負荷を掛けていない状態のときの低圧バッテリ34の端子間の電圧である。
【0048】
図1に戻り、始動制御部76は、第2始動装置18を用いたエンジン12の始動に成功した場合には、スタータ始動時電圧VLstが所定電圧VLstf以上であるか否かに基づいて、第2始動装置18を用いたエンジン12の始動を保証できるか否かを判定する。所定電圧VLstfは、例えば第2始動装置18を用いたエンジン12の始動を保証できる程度に低圧バッテリ34の状態が良好であることを判断する為の予め定められた閾値である。
【0049】
具体的には、始動制御部76は、スタータ始動時電圧VLstが所定電圧VLstf以上である場合には、アイドリングストップ制御CTspidlの禁止フラグであるアイドリングストップ禁止フラグをオフで維持する。一方で、始動制御部76は、スタータ始動時電圧VLstが所定電圧VLstfよりも低い場合には、アイドリングストップ禁止フラグをオンに切り替える。アイドリングストップ禁止フラグは、オンとされているときにはアイドリングストップ制御CTspidlが禁止されるものであって、車両電源が「OFF」とされたときにはオフとされ、デフォルトではオフとされている。
【0050】
このように、始動制御部76は、スタータ始動時電圧VLstによって低圧バッテリ34の状態を判別し、次回のアイドリングストップ制御CTspidlを許可又は禁止する。見方を換えれば、低圧バッテリ34の状態が不明なときには、再始動時におけるエンジン12の始動失敗を回避する為に、次回のアイドリングストップ制御CTspidlが許可され得ない。例えば、第1始動装置16を用いた始動に失敗し、第2始動装置18を用いた始動にも失敗した場合に、第1始動装置16を用いたエンジン12のクランキングを実行することが考えられる。そうすると、第2始動装置18を用いた始動失敗の要因が低圧バッテリ34の状態によるものであるか否かが判別できず、第2始動装置18を用いたエンジン12の始動を保証できない為、次回のアイドリングストップ制御CTspidlが許可され得ない。このことは、アイドリングストップ制御CTspidlの機会の喪失につながる。このような観点からも、第1始動装置16を用いた始動に失敗し、第2始動装置18を用いた始動にも失敗した場合には、再度、第2始動装置18を用いたエンジン12のクランキングを実行することが有用である。
【0051】
図3は、電子制御装置70の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、エンジン12の始動に際して始動に成功する確率を高くする為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えばアイドリングストップ制御CTspidlの解除に伴うエンジン12の再始動要求があるときに実行される。
【0052】
図3において、フローチャートの各ステップは始動制御部76の機能に対応している。ステップ(以下、ステップを省略する)S10において、電動機MG及び高圧バッテリ26を備えた第1始動装置16によるエンジン12の始動である高電圧MG始動に成功したか否かが判定される。このS10の判断が否定される場合はS20において、高電圧MG始動の失敗のバックアップとして、スタータモータ32及び低圧バッテリ34を備えた第2始動装置18によるエンジン12の始動である低電圧スタータ始動が実行される。次いで、S30において、低電圧スタータ始動に成功したか否かが判定される。このS30の判断が否定される場合はS40において、バックアップとしての低電圧スタータ始動の失敗時、低電圧スタータ始動による再始動が実行される。次いで、S50において、低電圧スタータ始動に成功したか否かが判定される。このS50の判断が肯定される場合はS60において、スタータ始動時電圧VLstが所定電圧VLstf以上であるか否かが判定される。このS60の判断が否定される場合はS70において、アイドリングストップ禁止フラグがオンに切り替えられる。上記S10の判断が肯定される場合は、又は、上記S60の判断が肯定される場合は、又は、上記S70に次いで、本ルーチンが終了させられ、車両10の走行が復帰させられる。上記S50の判断が否定される場合は、本ルーチンが終了させられ、車両10が走行停止とされる。この際、車両10の走行が復帰させられるには、例えば運転者によるスタートボタン24の操作が必要とされる。
【0053】
上述のように、本実施例によれば、エンジン12の始動に際して、第1始動装置16を用いたエンジン12のクランキングによる始動に失敗したときに、第2始動装置18を用いたエンジン12のクランキングによる始動にも失敗した場合には、再度、第2始動装置18を用いたエンジン12のクランキングが実行されるので、スタータモータ32の作動と電気負荷22の作動とが一時的に重なったことによって始動が失敗した可能性がある第2始動装置18を用いたクランキングを再度試みることによって始動に成功する可能性がある。よって、エンジン12の始動に際して、始動に成功する確率を高くすることができる。
【0054】
また、本実施例によれば、エンジン12の始動に際して、第2始動装置18を用いたクランキングよりも第1始動装置16を用いたクランキングが優先的に実行されるものであり、第2始動装置18を用いた始動を保証できる場合には、アイドリングストップ制御CTspidlが許可されると共に、第2始動装置18を用いた始動を保証できない場合には、アイドリングストップ制御CTspidlが禁止されるので、アイドリングストップ制御CTspidlの解除後にエンジン12の始動に失敗することが回避又は抑制される。
【0055】
また、本実施例によれば、第2始動装置18を用いたエンジン12の始動に成功した場合には、スタータ始動時電圧VLstが所定電圧VLstf以上であるか否かに基づいて、第2始動装置18を用いたエンジン12の始動を保証できるか否かが判定されるので、スタータ始動時電圧VLstによって低圧バッテリ34の状態を判断することができ、低圧バッテリ34の状態が未確定であることによるアイドリングストップ制御CTspidlの禁止つまり機会喪失を回避することができる。
【0056】
また、本実施例によれば、エンジン12の始動に際して、電動機MGが適切に制御できないと判断される予め定められた極低温の環境に車両10がある場合には、第1始動装置16を用いたクランキングに替えて、第2始動装置18を用いたクランキングが実行されるので、エンジン12の始動に失敗することが回避又は抑制される。
【0057】
また、本実施例によれば、アイドリングストップ制御CTspidlは、通常アイドリングストップ制御S&S及び未発進時アイドリングストップ制御FISを含んでいるので、エネルギー効率を向上することができる。
【0058】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0059】
例えば、前述の実施例において、図3のフローチャートは、アイドリングストップ制御CTspidlの解除に伴うエンジン12の再始動要求があるときに実行されたが、この態様に限らない。例えば、図3のフローチャートは、例えば車両電源の「OFF」から「IG-ON」に伴う初回のエンジン12の始動要求があるときに実行されても良い。
【0060】
また、前述の実施例において、アイドリングストップ制御CTspidlは、通常アイドリングストップ制御S&S及び未発進時アイドリングストップ制御FISを含んでいたが、通常アイドリングストップ制御S&S及び未発進時アイドリングストップ制御FISのうちの少なくとも一方の制御を含んでおれば良い。このようにしても、エネルギー効率を向上するという一定の効果を得ることができる。
【0061】
また、前述の実施例において、車両10は、シリーズ方式のハイブリッド車両などであっても良く、必ずしも自動変速機14を備えている必要はない。
【0062】
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0063】
10:車両
12:エンジン
16:第1始動装置
18:第2始動装置
22:電気負荷
26:高圧バッテリ(高圧電源装置)
32:スタータモータ
34:低圧バッテリ(低圧電源装置)
70:電子制御装置(制御装置)
76:始動制御部
MG:電動機
図1
図2
図3