(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】作業車両、情報処理装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
A01B 69/00 20060101AFI20241210BHJP
G05D 1/43 20240101ALN20241210BHJP
【FI】
A01B69/00 303A
A01B69/00 303C
G05D1/43
(21)【出願番号】P 2022101393
(22)【出願日】2022-06-23
【審査請求日】2024-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100205833
【氏名又は名称】宮谷 昂佑
(72)【発明者】
【氏名】桑山 裕基
(72)【発明者】
【氏名】藤木 健司
(72)【発明者】
【氏名】村井 理恵
(72)【発明者】
【氏名】三輪 耕平
(72)【発明者】
【氏名】宮本 晃良
(72)【発明者】
【氏名】岡田 強志
(72)【発明者】
【氏名】伊東 宥
【審査官】伊藤 裕美
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-032805(JP,A)
【文献】特開2021-036787(JP,A)
【文献】特開2021-087384(JP,A)
【文献】特開2021-006019(JP,A)
【文献】特開2022-033560(JP,A)
【文献】特開2016-156690(JP,A)
【文献】米国特許第05255756(US,A)
【文献】実開昭57-049308(JP,U)
【文献】特開昭62-166804(JP,A)
【文献】特開2022-081281(JP,A)
【文献】特開2021-108609(JP,A)
【文献】特開2015-065861(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 69/00
G05D 1/00-1/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部
と、
公道における自動走行に供するセンサモジュールと、
を備える、自動走行機能を有する作業車両であって、
前記制御部は、公道走行モード及び作業モードの何れかへのモードの切替えを制御する
ものであり、
前記作業車両の作業場への到着を検知すると、前記センサモジュールの保護を行い、前記公道走行モードから前記作業モードに切り替える、作業車両。
【請求項2】
請求項
1に記載の作業車両であって、
前記制御部は、作業の完了を検知すると、前記センサモジュール
の保護解除を行い、前記作業モードから前記公道走行モードに切り替える、作業車両。
【請求項3】
請求項
1又は
2に記載の作業車両であって、
前記保護又は前記保護解除は、前記センサモジュールを覆うことが可能なシャッターの開閉により行われる、作業車両。
【請求項4】
請求項
1又は
2に記載の作業車両であって、
前記保護又は前記保護解除は、前記作業車両の内外に前記センサモジュールを移動させることにより行われる、作業車両。
【請求項5】
制御部及び通信部を備える、情報処理装置であって、
前記制御部は、前記通信部を介して、自動走行機能を有する作業車両に対して公道走行モード及び作業モードの何れかへのモードの切替えを指示する
ものであり、
前記通信部を介して、前記作業車両の作業場への到着を検知すると、前記作業車両に対して、前記作業車両が備える公道における自動走行に供するセンサモジュールの保護を指示し、前記公道走行モードから前記作業モードへの切替えを指示する、情報処理装置。
【請求項6】
請求項
5に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記通信部を介して、作業の完了を検知すると、前記作業車両に対して、前記センサモジュール
の保護解除を指示し、前記作業モードから前記公道走行モードへの切替えを指示する、情報処理装置。
【請求項7】
請求項
5又は
6に記載の情報処理装置であって、
前記保護又は前記保護解除は、前記センサモジュールを覆うことが可能なシャッターの開閉により行われる、情報処理装置。
【請求項8】
請求項
5又は
6に記載の情報処理装置であって、
前記保護又は前記保護解除は、前記作業車両の内外に前記センサモジュールを移動させることにより行われる、情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が実行する方法であって、
自動走行機能を有する作業車両に対して、公道走行モード及び作業モードの何れかへのモードの切替えを指示することを含
み、
前記作業車両の作業場への到着を検知すると、前記作業車両が備える公道における自動走行に供するセンサモジュールの保護を行い、前記公道走行モードから前記作業モードへの切替えを指示することを更に含む、方法。
【請求項10】
請求項
9に記載の方法であって、
作業の完了を検知すると、前記センサモジュール
の保護解除を行い、前記作業モードから前記公道走行モードへの切替えを指示することを更に実行する、方法。
【請求項11】
請求項
9又は
10に記載の方法であって、
前記保護又は前記保護解除は、前記センサモジュールを覆うことが可能なシャッターの開閉により行われる、方法。
【請求項12】
請求項
9又は
10に記載の方法であって、
前記保護又は前記保護解除は、前記作業車両の内外に前記センサモジュールを移動させることにより行われる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業車両、情報処理装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動操舵機能を有する作業車両が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術は、例えば作業車両を格納するための格納庫と田又は畑等を含む農地との間の公道において作業車両が自動走行を行うためには改善の余地がある。特に、作業車両は泥等により汚れやすい。そのため、自動走行に供するセンサ等が汚れた場合の対策が必要となる。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、作業車両が公道を自動走行する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る作業車両は、制御部を備える、自動走行機能を有する作業車両であって、前記制御部は、公道走行モード及び作業モードの何れかへのモードの切替えを制御する。
【0007】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、制御部及び通信部を備える、情報処理装置であって、前記制御部は、前記通信部を介して、自動走行機能を有する作業車両に対して公道走行モード及び作業モードの何れかへのモードの切替えを指示する。
【0008】
本開示の一実施形態に係る方法は、情報処理装置が実行する方法であって、自動走行機能を有する作業車両に対して、公道走行モード及び作業モードの何れかへのモードの切替えを指示することを含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、作業車両が公道を自動走行する技術を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る作業車両の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】本開示の一実施形態に係る作業車両の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0012】
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。
【0013】
システム1は、作業車両10と、情報処理装置20と、を備える。作業車両10及び情報処理装置20は、ネットワーク30と通信可能に接続される。
【0014】
作業車両10は、例えば、トラクタ、田植え機、又はコンバイン等の任意の農業機械を含む自動車である。作業車両10は、例えばガソリン自動車、BEV(Battery Electric Vehicle)、HEV(Hybrid Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、又はFCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)等であるが、これらに限られない。作業車両10は、運転手によって運転されてもよく、或いは任意のレベルで運転が自動化されていてもよい。自動化のレベルは、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)のレベル分けにおけるレベル1からレベル5の何れかである。
【0015】
情報処理装置20は、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバ等のコンピュータである。
【0016】
ネットワーク30は、インターネット、少なくとも1つのWAN(wide area network)、少なくとも1つのMAN(metropolitan area network)、又はこれらの任意の組合せを含む。ネットワーク30は、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの任意の組合せを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN(local area network)、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。
【0017】
図1を参照して、本実施形態の概要を説明する。作業車両10は、自動走行機能を有する。そして、作業車両10の制御部11は、公道走行モード及び作業モードの何れかへのモードの切替えを制御する。
【0018】
本実施形態によれば、作業車両10が農地等を含む作業場における泥等により汚れた場合であっても、公道走行モードと作業モードとの切替えが可能であるので、作業車両10が備える公道における自動走行に供するセンサモジュール等が汚れることを回避することができる。したがって、作業車両10が公道を自動走行する技術を改善することができる。
【0019】
図2を参照して、本実施形態に係る作業車両10の構成を説明する。
【0020】
作業車両10は、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、測位部14と、取得部15と、撮像部16と、作業部17と、を備える。
【0021】
制御部11は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組合せを含む。プロセッサは、CPU(central processing unit)若しくはGPU(graphics processing unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。プログラマブル回路は、例えば、FPGA(field-programmable gate array)である。専用回路は、例えば、ASIC(application specific integrated circuit)である。制御部11は、作業車両10の各部を制御しながら、作業車両10の動作に関わる処理を実行する。
【0022】
通信部12は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th generation)規格、若しくは5G(5th generation)規格等の移動通信規格に対応したインタフェース、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格に対応したインタフェース、又はLANインタフェースである。通信部12は、作業車両10の動作に用いられるデータを受信し、また作業車両10の動作によって得られるデータを送信する。
【0023】
記憶部13は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM(random access memory)又はROM(read only memory)である。RAMは、例えば、SRAM(static random access memory)又はDRAM(dynamic random access memory)である。ROMは、例えば、EEPROM(electrically erasable programmable read only memory)である。記憶部13は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部13には、作業車両10の動作に用いられるデータと、作業車両10の動作によって得られたデータとが記憶される。本実施形態では、作業車両10の動作に用いられるデータは、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、地図情報、及び作業情報等を含む。
【0024】
測位部14は、任意の衛星測位システムに対応する1つ以上の受信機を含む。例えば、測位部14は、GPS(Global Positioning System)受信機を含む。測位部14は、作業車両10の位置の測定値を位置情報として取得する。位置情報は、住所、緯度、経度、及び高度等を含む。測位部14は、作業車両10の位置情報を取得可能である。測位部14は、作業車両10の位置情報を常時取得してもよいし、或いは定期的又は非定期的に取得してもよい。
【0025】
取得部15は、作業車両10の公道における自動走行に必要な情報を取得可能な1つ以上のセンサモジュールを含む。センサモジュールは、例えば、速度センサ、加速度センサ、角速度センサ、又はステアリング操舵角センサ等であるが、これらに限られない。
【0026】
撮像部16は、農作業等を含む作業を行うにあたって必要となる任意の情報を取得可能な1つ以上の撮像モジュールを含む。撮像モジュールは、例えば1つ以上のカメラを含む。カメラは、作業車両10の周囲を撮像可能となるように作業車両10の適切な位置に配置される。なお、撮像部16は、農地等を含む作業場における自動走行に必要となる任意の情報を取得可能であってもよい。但し、当該情報は、公道における自動走行に供するには十分ではない。
【0027】
作業部17は、農作業等を含む作業を行うための1つ以上の作業装置を含む。作業装置は、例えば、肥料若しくは農薬等を散布するための散布装置、田又は畑に種を播くための播種装置、又は農作物等を収穫するための収穫装置であるが、これらに限られない。
【0028】
図3を参照して、本実施形態に係る情報処理装置20の構成を説明する。
【0029】
情報処理装置20は、制御部21と、通信部22と、記憶部23と、を備える。
【0030】
制御部21は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。プログラマブル回路は、例えばFPGAである。専用回路は、例えばASICである。制御部21は、情報処理装置20の各部を制御しながら、情報処理装置20の動作に関わる処理を実行する。
【0031】
通信部22は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。通信部22は、情報処理装置20の動作に用いられるデータを受信し、また情報処理装置20の動作によって得られるデータを送信する。
【0032】
記憶部23は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えばSRAM又はDRAMである。ROMは、例えばEEPROMである。記憶部23は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部23には、情報処理装置20の動作に用いられるデータと、情報処理装置20の動作によって得られたデータとが記憶される。本実施形態では、情報処理装置20の動作に用いられるデータは、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、地図情報、及び作業情報等を含む。
【0033】
図4を参照して、本実施形態に係る作業車両10の動作について説明する。この動作は、本開示の一実施形態に係る方法に相当する。
【0034】
作業車両10は、上述したように公道における自動走行に供するセンサモジュールを備える。当該センサモジュールは、走行モードに応じて、取付け及び取外しが可能であってもよく、或いは保護及び保護解除が可能であってもよい。当該センサモジュールの取付け及び取外しは、例えばドローン等の無人航空機を用いて任意の方法で行われてもよい。当該センサモジュールの保護及び保護解除は、センサモジュールを覆うことが可能な任意のシャッターの開閉により適宜行われてもよい。この場合、作業車両10の制御部11は、当該シャッターを閉じる制御を行うことにより、当該センサモジュールの保護を行い、当該シャッターを開ける制御を行うことにより、当該センサモジュールの保護解除を行う。あるいは、当該センサモジュールの保護及び保護解除は、当該センサモジュールに取り付けられた任意の移動機構により作業車両10の内又は外に当該センサモジュールを移動させることにより行われてもよい。この場合、作業車両10の制御部11は、当該移動機構を介して当該センサモジュールを作業車両10の内部に移動させることにより、当該センサモジュールの保護を行ってもよく、当該移動機構を介して当該センサモジュールを作業車両10の外部に移動させることにより、当該センサモジュールの保護解除を行ってもよい。
【0035】
ステップS1:作業車両10の制御部11は、現在のモードが公道走行モードであることを確認し、格納庫から農地等を含む作業場まで作業車両10を自動走行させる。
【0036】
具体的には、作業車両10の制御部11は、測位部14及び取得部15によって取得した情報を用いて、作業車両10のステアリング制御、アクセル制御、及びブレーキ制御等を行うことによって、通信部12を介して情報処理装置20から予め取得した走行計画に従って、格納庫から農地等を含む作業場までの公道において、作業車両10を自動走行させる。なお、走行計画は、農地等の目的地の位置を示す目的地情報、目的地までの走行ルート情報、格納庫等の出発地からの出発予定時刻、及び目的地への到着予定時刻等を含んでもよいが、これらに限られない。
【0037】
ステップS2:作業車両10の制御部11は、農地等を含む作業場に到着したことを検知すると、センサモジュールの取外し又は保護を行う。
【0038】
具体的には、作業車両10の制御部11は、測位部15によって取得された作業車両10の位置情報から農地等を含む作業場に到着したことを検知すると、上述した方法によりセンサモジュールの取外し又は保護を行う。これにより、後述する作業に伴ってセンサモジュールが泥等で汚れることを防ぐことができる。なお、農地等を含む作業場への到着は、作業車両10が任意の入力用インタフェースを備える場合には当該入力インタフェースを作業者が操作することによって検知されてもよいが、これらに限られない。
【0039】
ステップS3:作業車両10の制御部11は、センサモジュールの取外し又は保護を検知すると、公道走行モードから作業モードにモードを切り替える。
【0040】
具体的には、作業モードでは、作業車両10の制御部11が、撮像部16によって取得した情報を用いて、作業車両10のステアリング制御、アクセル制御、及びブレーキ制御等を行うことによって、作業車両10が農地等を含む作業場を自動走行することができる。また、作業モードでは、作業車両10の制御部11が、通信部12を介して情報処理装置20から予め又は任意のタイミングで取得した作業情報に基づいて作業部17の動作を制御することによって、例えば、肥料若しくは農薬等を散布すること、田若しくは畑に種を播くこと、又は農作物を収穫することを行うことが可能である。
【0041】
ステップS4:作業車両10の制御部11は、作業の完了を検知すると、センサモジュールの取付け又は保護解除を行う。
【0042】
具体的には、作業車両10の制御部11は、撮像部16によって取得した情報に基づいて作業の完了を検知すると、上述した方法によりセンサモジュールの取付け又は保護解除を行う。なお、作業の完了は、作業車両10が任意の入力用インタフェースを備える場合には、当該入力インタフェースを作業者が操作することによって検知されてもよいが、これらに限られない。
【0043】
ステップS5:作業車両10の制御部11は、センサモジュールの取付け又は保護解除を検知すると、作業モードから公道走行モードにモードを切り替える。
【0044】
ステップS6:作業車両10の制御部11は、農地等を含む作業場から格納庫まで作業車両10を自動走行させる。
【0045】
具体的には、作業車両10の制御部11は、測位部14及び取得部15によって取得した情報を用いて、作業車両10のステアリング制御、アクセル制御、及びブレーキ制御等を行うことによって、通信部12を介して情報処理装置20から予め取得した走行計画に従って、農地等を含む作業場から格納庫までの公道において、作業車両10を自動走行させる。なお、走行計画は、格納庫等の目的地の位置を示す目的地情報、目的地までの走行ルート情報、農地等の出発地からの出発予定時刻、及び目的地への到着予定時刻等を含んでもよいが、これらに限られない。
【0046】
以上述べたように、本実施形態に係る作業車両10は自動走行機能を有する。そして、作業車両10の制御部11は、公道走行モード及び作業モードの何れかへのモードの切替えを制御する。
【0047】
かかる構成によれば、作業車両10が農地等を含む作業場における泥等により汚れた場合であっても、公道走行モードと作業モードとの切替えが可能であるので、作業車両10が備える公道における自動走行に供するセンサモジュール等が汚れることを回避することができる。したがって、作業車両10が公道を自動走行する技術を改善することができる。
【0048】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0049】
一変形例として、作業車両10の一部の構成要素を情報処理装置20に設けた実施形態も可能である。本変形例では、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、自動走行機能を有する作業車両10に対して公道走行モード及び作業モードの何れかへのモードの切替えを指示する。例えば、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、農地等を含む作業場への作業車両10の到着を検知すると、作業車両10に対して、センサモジュールの取外し又は保護を指示し、公道走行モードから作業モードへの切替えを指示する。また例えば、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、農作業等を含む作業の完了を検知すると、作業車両10に対して、センサモジュールの取付け又は保護解除を指示し、作業モードから公道走行モードへの切替えを指示する。なお、これら以外の点については、上述した実施形態における各ステップの説明を援用する。
【0050】
また、一変形例として、上述した実施形態におけるステップS4においてセンサモジュールの取付け又は保護解除が行われなくてもよく、この場合には作業車両10は手動運転によって格納庫まで走行すればよい。
【0051】
また、一変形例として、上述したセンサモジュールが取外し及び取付け可能である場合には、農作業等を含む作業中に必要とされない取り外されたセンサモジュールは、任意の管理センタ等で適宜保管されてもよい。また、上述したセンサモジュールは、複数の作業車両10同士で共有(シェア)可能であってもよい。例えば、第1の作業車両10が格納庫から農地に到着しこれから農作業を開始するタイミングであり、且つ第2の作業車両10が農地から格納庫へ戻るタイミングであったとする。この場合、第1の作業車両10に取り付けられていたセンサモジュールは、例えば作業者又はドローン等の無人航空機によって、第1の作業車両10から取り外され、第2の作業車両10に取り付けられることによって、第1及び第2の作業車両10同士でセンサモジュールを共有することができる。
【0052】
また、一変形例として、汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る情報処理装置20として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る情報処理装置20の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【0053】
以下に本開示の実施形態の一部について例示する。しかしながら、本開示の実施形態はこれらに限定されない点に留意されたい。
[付記1]
制御部を備える、自動走行機能を有する作業車両であって、
前記制御部は、公道走行モード及び作業モードの何れかへのモードの切替えを制御する、作業車両。
[付記2]
付記1に記載の作業車両であって、
公道における自動走行に供するセンサモジュールを更に備える、作業車両。
[付記3]
付記2に記載の作業車両であって、
前記制御部は、前記作業車両の作業場への到着を検知すると、前記センサモジュールの取外し又は保護を行い、前記公道走行モードから前記作業モードに切り替える、作業車両。
[付記4]
付記2又は3に記載の作業車両であって、
前記制御部は、作業の完了を検知すると、前記センサモジュールの取付け又は保護解除を行い、前記作業モードから前記公道走行モードに切り替える、作業車両。
[付記5]
付記3又は4に記載の作業車両であって、
前記保護又は前記保護解除は、前記センサモジュールを覆うことが可能なシャッターの開閉により行われる、作業車両。
[付記6]
付記3又は4に記載の作業車両であって、
前記保護又は前記保護解除は、前記作業車両の内外に前記センサモジュールを移動させることにより行われる、作業車両。
[付記7]
付記2乃至6の何れか一項に記載の作業車両であって、
前記センサモジュールは、複数の作業車両において共有可能である、作業車両。
[付記8]
制御部及び通信部を備える、情報処理装置であって、
前記制御部は、前記通信部を介して、自動走行機能を有する作業車両に対して公道走行モード及び作業モードの何れかへのモードの切替えを指示する、情報処理装置。
[付記9]
付記8に記載の情報処理装置であって、
前記作業車両は、公道における自動走行に供するセンサモジュールを更に備える、情報処理装置。
[付記10]
付記9に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記通信部を介して、前記作業車両の作業場への到着を検知すると、前記作業車両に対して、前記センサモジュールの取外し又は保護を指示し、前記公道走行モードから前記作業モードへの切替えを指示する、情報処理装置。
[付記11]
付記9又は10に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記通信部を介して、作業の完了を検知すると、前記作業車両に対して、前記センサモジュールの取付け又は保護解除を指示し、前記作業モードから前記公道走行モードへの切替えを指示する、情報処理装置。
[付記12]
付記10又は11に記載の情報処理装置であって、
前記保護又は前記保護解除は、前記センサモジュールを覆うことが可能なシャッターの開閉により行われる、情報処理装置。
[付記13]
付記10又は11に記載の情報処理装置であって、
前記保護又は前記保護解除は、前記作業車両の内外に前記センサモジュールを移動させることにより行われる、情報処理装置。
[付記14]
付記9乃至13の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記センサモジュールは、複数の作業車両において共有可能である、情報処理装置。
[付記15]
情報処理装置が実行する方法であって、
自動走行機能を有する作業車両に対して、公道走行モード及び作業モードの何れかへのモードの切替えを指示することを含む、方法。
[付記16]
付記15に記載の方法であって、
前記作業車両は、公道における自動走行に供するセンサモジュールを更に備える、方法。
[付記17]
付記16に記載の方法であって、
前記作業車両の作業場への到着を検知すると、前記センサモジュールの取外し又は保護を行い、前記公道走行モードから前記作業モードへの切替えを指示することを更に含む、方法。
[付記18]
付記16又は17に記載の方法であって、
作業の完了を検知すると、前記センサモジュールの取付け又は保護解除を行い、前記作業モードから前記公道走行モードへの切替えを指示することを更に実行する、方法。
[付記19]
付記17又は18に記載の方法であって、
前記保護又は前記保護解除は、前記センサモジュールを覆うことが可能なシャッターの開閉により行われる、方法。
[付記20]
付記17又は18に記載の方法であって、
前記保護又は前記保護解除は、前記作業車両の内外に前記センサモジュールを移動させることにより行われる、方法。
【符号の説明】
【0054】
1 システム
10 作業車両
11 制御部
12 通信部
13 記憶部
14 測位部
15 取得部
16 撮像部
17 作業部
20 情報処理装置
21 制御部
22 通信部
23 記憶部
30 ネットワーク