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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/13 20060101AFI20241210BHJP
   G08G 1/123 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
G08G1/13
G08G1/123 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022106448
(22)【出願日】2022-06-30
(65)【公開番号】P2024005952
(43)【公開日】2024-01-17
【審査請求日】2024-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柏倉 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】青木 貴洋
(72)【発明者】
【氏名】岡田 強志
(72)【発明者】
【氏名】藤井 宏光
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-031283(JP,A)
【文献】特表2021-516377(JP,A)
【文献】国際公開第2021/095198(WO,A1)
【文献】特開2019-200639(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/13
G08G 1/123
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンデマンドバスに乗車予定の第1のユーザが携帯する情報処理装置であって、
情報を表示可能なディスプレイ装置と、
停留所を示す第1の仮想画像を、前記第1のユーザの乗車場所を含む第1の実風景に関連付けて前記ディスプレイ装置に表示させる制御部と、
を備え、
前記第1の仮想画像は、前記乗車場所で前記オンデマンドバスを待っている他のユーザのうちの1人である第2のユーザを識別する画像であり、
前記第2のユーザは、前記乗車場所で前記オンデマンドバスを待っている他のユーザのうち、前記乗車場所に最初に到着した他のユーザである、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1の仮想画像に加え、前記乗車場所に前記オンデマンドバスが到着するまで前記第1のユーザが待機する場所を示す第2の仮想画像を、前記第1の実風景に関連付けて前記ディスプレイ装置に表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1の仮想画像に加え、前記第1のユーザの乗車順序を示す第3の仮想画像を、前記第1の実風景に関連付けて前記ディスプレイ装置に表示させる、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の仮想画像に加え、前記乗車場所で前記オンデマンドバスを待っている他のユーザの人数を示す第4の仮想画像を、前記第1の実風景に関連付けて前記ディスプレイ装置に表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1の仮想画像に加え、前記乗車場所で前記オンデマンドバスを待っている他のユーザを識別する第5の仮想画像を、前記第1の実風景に関連付けて前記ディスプレイ装置に表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記乗車場所に最初に到着した他のユーザが前記乗車場所から離れた場合に、前記制御部は、前記乗車場所に2番目に到着した他のユーザを前記第2のユーザに設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1の実風景を撮影して第1の実画像を取得するカメラを更に備え、
前記制御部は、
前記第1の実画像における前記乗車場所の位置に、前記第1の仮想画像を重畳したAR画像を生成することと、
前記AR画像を前記ディスプレイ装置に表示させることと、
を実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
オンデマンドバスに乗車予定の第1のユーザが携帯するコンピュータに、
停留所を示す第1の仮想画像を、前記第1のユーザの乗車場所を含む第1の実風景に関連付けてディスプレイ装置に表示させるための、
プログラムであり、
前記第1の仮想画像は、前記乗車場所で前記オンデマンドバスを待っている他のユーザのうちの1人である第2のユーザを識別する画像であり、
前記第2のユーザは、前記乗車場所で前記オンデマンドバスを待っている他のユーザのうち、前記乗車場所に最初に到着した他のユーザである、
プログラム
【請求項9】
前記コンピュータに、
前記第1の仮想画像に加え、前記乗車場所に前記オンデマンドバスが到着するまで前記第1のユーザが待機する場所を示す第2の仮想画像を、前記第1の実風景に関連付けて前記ディスプレイ装置に表示させる、
請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータに、
前記第1の仮想画像に加え、前記第1のユーザの乗車順序を示す第3の仮想画像を、前記第1の実風景に関連付けて前記ディスプレイ装置に表示させる、
請求項8に記載のプログラム。
【請求項11】
前記コンピュータに、
前記第1の仮想画像に加え、前記乗車場所で前記オンデマンドバスを待っている他のユーザの人数を示す第4の仮想画像を、前記第1の実風景に関連付けて前記ディスプレイ装置に表示させる、
請求項8に記載のプログラム。
【請求項12】
前記コンピュータに、
前記第1の仮想画像に加え、前記乗車場所で前記オンデマンドバスを待っている他のユーザを識別する第5の仮想画像を、前記第1の実風景に関連付けて前記ディスプレイ装置に表示させる、
請求項8に記載のプログラム。
【請求項13】
前記乗車場所に最初に到着した他のユーザが前記乗車場所から離れた場合に、前記コンピュータに、前記乗車場所に2番目に到着した他のユーザを前記第2のユーザに設定させる、
請求項8に記載のプログラム。
【請求項14】
前記コンピュータは、前記第1の実風景を撮影して第1の実画像を取得するカメラを更に備え、
前記第1の実画像における前記乗車場所の位置に、前記第1の仮想画像を重畳したAR画像を生成することと、
前記AR画像を前記ディスプレイ装置に表示させることと、
を前記コンピュータに実行させる、
請求項8に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
予め定められた運行経路を走行する車両に乗車予定のユーザの位置情報を取得し、取得された位置情報を用いてユーザの乗車場所である仮想の停留所を設定し、仮想の停留所の位置をユーザに通知する、運行管理装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-51431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、オンデマンドバスの乗車場所を見つけやすくすることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様の一つは、オンデマンドバスに乗車予定の第1のユーザが携帯する情報処理装置である。その場合の情報処理装置は、例えば、
画像を表示可能なディスプレイ装置と、
停留所を示す第1の仮想画像を、前記第1のユーザの乗車場所を含む第1の実風景に関連付けて前記ディスプレイ装置に表示させる制御部と、
を備えるようにしてもよい。
【0006】
本開示の他の態様は、オンデマンドバスに乗車予定の第1のユーザが携帯するコンピュータに関するプログラムである。その場合のプログラムは、例えば、
前記コンピュータに、
停留所を示す第1の仮想画像を、前記第1のユーザの乗車場所を含む第1の実風景に関連付けてディスプレイ装置に表示させるようにしてもよい。
【0007】
また、他の態様として、上記したプログラムをコンピュータが可読な形態で記憶する非一時的記憶媒体が挙げられる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、オンデマンドバスの乗車場所を見つけやすくすることができる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態におけるオンデマンドバスシステムの概要を示す図である。
図2】実施形態におけるオンデマンドバスシステムに含まれるサーバ装置及びユーザ端末の各々のハードウェア構成例を示す図である。
図3】実施形態におけるユーザ端末の機能構成例を示すブロック図である。
図4】予約管理データベースに格納される情報の一例を示す図である。
図5】オンデマンドバスサービスのメニュー画面の一例を示す図である。
図6】予約リストを示す画面の一例を示す図である。
図7】予約の内容を示す画面の一例を示す図である。
図8】実施形態におけるAR画像の表示画面の一例を示す図である。
図9】実施形態において、ユーザ端末で実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。
図10】変形例1におけるAR画像の表示画面の一例を示す図である。
図11】変形例2におけるAR画像の表示画面の一例を示す図である。
図12】変形例3におけるAR画像の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
近年、ユーザが任意に指定する乗降場所及び乗降日時に従って運行されるオンデマンドバスの普及が進められている。オンデマンドバスは、路線バス及び高速バス等のような路線定期運行バスとは異なり、ユーザが任意に指定した乗降場所及び乗降日時等に従って運行される。よって、オンデマンドバスの乗車場所となる場所には、路線定期運行バスの停留所のような目印(例えば、停留所を示す標識等)が設置されていない可能性がある。
【0011】
停留所の目印が設置されていない場所をオンデマンドバスの乗車場所として利用する場合、ユーザは、乗車場所を見つけ難くなる可能性がある。また、ユーザは、該ユーザがオンデマンドバスを待っている場所が正しい乗車場所であるか不安になる可能性もある。よって、ユーザが乗車場所を見つけやすくするための手立てが望まれる。
【0012】
これに対し、本開示に係る情報処理装置では、制御部が、オンデマンドバスの停留所の仮想画像である第1の仮想画像を、第1の実風景に関連付けてディスプレイ装置に表示させる。情報処理装置は、オンデマンドバスに乗車予定のユーザ(第1のユーザ)が携帯する小型のコンピュータであり、ディスプレイ装置を備える。第1の実風景は、第1のユーザの乗車場所を含む実風景(第1のユーザの乗車場所及びその近辺の実風景)である。
【0013】
本開示において、「第1の仮想画像を、第1のユーザの乗車場所を含む第1の実風景に関連付けてディスプレイ装置に表示させる」とは、例えば、第1の実風景を撮影した画像(第1の実画像)に第1の仮想画像を重畳したAR画像を、ディスプレイ装置に表示させる態様でもよい。その際、第1の仮想画像は、第1の実画像における乗車場所の位置に重畳される。
【0014】
なお、本開示に係る情報処理装置が、スマートグラス等のように、シースルー型のディスプレイ装置を搭載するコンピュータである場合には、ディスプレイ装置が第1の実風景を透過しているときに、ディスプレイ装置における乗車場所に対応する領域に第1の仮想画像を表示させるようにしてもよい。
【0015】
本開示に係る情報処理装置によれば、第1のユーザは、第1の実風景に関連付けられた第1の仮想画像を見ることで、乗車場所を見つけることができる。また、第1のユーザがオンデマンドバスを待っている場所が正しい乗車場所であるのか第1のユーザが不安を覚えることを抑制することもできる。
【0016】
<実施形態>
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。以下の実施形態に記載される構成等は、特に記載がない限りは本開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。本実施形態では、本開示に係る情報処理装置を、オンデマンドバスシステムに適用する例について述べる。
【0017】
(オンデマンドバスシステムの概要)
図1は、本実施形態におけるオンデマンドバスシステムの概要を示す図である。本実施
形態におけるオンデマンドバスシステムは、オンデマンドバス1の運行を管理するサーバ装置100と、オンデマンドバス1のユーザ(第1のユーザ)が使用するユーザ端末200と、を含んで構成される。サーバ装置100とユーザ端末200とは、ネットワークN1を介して接続される。なお、図1に示す例では、ユーザ端末200が1つのみ例示されているが、複数のユーザ端末200が含まれ得る。
【0018】
オンデマンドバス1は、第1のユーザが指定する乗降場所及び乗降日時に従って運行される車両である。なお、オンデマンドバス1は、運行ルートと運行時刻とが予め決定されており、乗降場所のみが第1のユーザからの要求に応じて変更される車両でもよい。
【0019】
サーバ装置100は、オンデマンドバス1の予約に関するリクエストを第1のユーザから受け付け、オンデマンドバス1の運行計画を生成する。第1のユーザからのリクエストには、第1のユーザが希望する乗車場所、第1のユーザが希望する乗車日時、第1のユーザが希望する降車場所、及び、第1のユーザが希望する降車日時等が含まれる。このようなリクエストに関する信号は、第1のユーザが使用するユーザ端末200からサーバ装置100へネットワークN1を介して送信される。また、運行計画には、オンデマンドバス1の運行ルート、運行ルートの途中でオンデマンドバス1が停車する場所(第1のユーザの乗車場所及び降車場所)、及び、運行時刻等が含まれる。第1のユーザの乗車場所及び降車場所は、原則として、第1のユーザが希望する場所に決定される。ただし、第1のユーザが希望する乗車場所およびまたは降車場所がオンデマンドバスの停車場所として適していなければ、オンデマンドバスサービスの提供者が、第1のユーザが希望する乗車場所およびまたは降車場所の近傍であって、オンデマンドバスの停車場所として適している場所を、第1のユーザの乗車場所およびまたは降車場所に決定してもよい。また、第1のユーザが希望する乗車場所およびまたは降車場所の近くに、他のユーザの乗車場所およびまたは降車場所が設定されている場合には、オンデマンドバスサービスの提供者が、第1のユーザの乗車場所およびまたは降車場所を、他のユーザの乗車場所およびまたは降車場所と同じ場所に決定してもよい。
【0020】
本実施形態におけるサーバ装置100は、上記したリクエストに応じた予約が完了したとき(第1のユーザの乗車場所、降車場所、乗車日時、及び降車日時等が決定されたとき)に、乗車場所の位置情報を含む第1の信号を、ユーザ端末200へ送信する機能も有する。乗車場所の位置情報は、例えば、乗車場所の緯度及び経度を示す情報である。なお、第1の信号は、乗車場所の実風景を撮影した画像を含むようにしてもよい。
【0021】
ユーザ端末200は、第1のユーザが使用する携帯型のコンピュータである。ユーザ端末200は、第1のユーザによる上記したリクエストの入力を受け付け、受け付けたリクエストに応じたリクエスト信号をサーバ装置100へ送信する機能を有する。
【0022】
本実施形態におけるユーザ端末200は、サーバ装置100から受信した第1の信号に基づいてAR(Augmented Reality)画像を生成し、生成されたAR画像を第1のユーザ
に提示する機能も有する。本実施形態におけるAR画像は、第1の仮想画像を第1の実画像に重畳した画像である。第1の仮想画像は、オンデマンドバス1の乗車場所の位置を示す仮想画像であり、例えば、停留所の標識の仮想画像である。第1の実画像は、第1のユーザの乗車場所を含む実風景(乗車場所及びその近辺の実風景)を撮影した画像である。第1の仮想画像は、第1の実画像における乗車場所の位置に重畳される。本実施形態では、上記したAR画像の生成及び提示は、乗車場所の近辺に到着した第1のユーザがユーザ端末200のカメラ204で第1の実風景を撮影したときに行われる。
【0023】
(オンデマンドバスシステムのハードウェア構成)
本実施形態におけるオンデマンドバスシステムのハードウェア構成例について、図2
基づいて説明する。図2は、図1に示したオンデマンドバスシステムに含まれる、サーバ装置100とユーザ端末200との各々のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示す例では、ユーザ端末200が1つのみ図示されているが、オンデマンドバス1のユーザ数と同数のユーザ端末200がオンデマンドバスシステムに含まれる。
【0024】
サーバ装置100は、オンデマンドバス1の運行を管理するコンピュータであり、オンデマンドバスサービスの提供者によって運用される。サーバ装置100は、図2に示すように、プロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、及び、通信部104等を含んで構成される。これらプロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、及び、通信部104は、互いにバスによって接続される。
【0025】
プロセッサ101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)である。プロセッサ101は、様々な演算処理を実行すること
により、サーバ装置100を制御する。
【0026】
主記憶部102は、プロセッサ101に対し、補助記憶部103に格納されているプログラムをロードするための記憶領域及び作業領域を提供したり、演算処理のバッファとして用いられたりする記憶装置である。主記憶部102は、例えば、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等のような半導体メモリを含んで構成される。
【0027】
補助記憶部103は、様々なプログラム、及び、各プログラムの実行に際してプロセッサ101が使用するデータ等を格納する。補助記憶部103は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、又は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive :HDD)
である。補助記憶部103は、リムーバブルメディア、即ち可搬記録媒体を含むことができる。リムーバブルメディアは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、CD(Compact Disc)、又はDVD(Digital Versatile Disc)等のようなディスク記録媒体である。補助記憶部103は、各種のプログラム、各種のデータ、及び各種のテーブルを読み書き自在に記録媒体に格納する。
【0028】
補助記憶部103に格納されるプログラムには、オペレーティングシステム(Operating System)に加え、オンデマンドバス1の運行計画を生成するためのプログラム等が含まれる。
【0029】
通信部104は、サーバ装置100をネットワークN1に接続するための機器である。ネットワークN1は、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)、又はその他の通信網等である。通信部104は、ネットワークN
1を介して、サーバ装置100をユーザ端末200に接続する。このような通信部104は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、又は無線通信のための無線通信回路等を含んで構成される。
【0030】
図2に示すように構成されるサーバ装置100では、プロセッサ101が、補助記憶部103のプログラムを主記憶部102にロードして実行することにより、オンデマンドバス1の運行計画を生成する。具体的には、ユーザ端末200から送信されるリクエスト信号を通信部104が受信したときに、プロセッサ101が、リクエスト信号に含まれる乗車場所及び降車場所に基づいて、オンデマンドバス1の運行ルート及び停車場所(第1のユーザの乗車場所及び降車場所)を決定する。サーバ装置100は、リクエスト信号に含まれる乗車日時及び降車日時に基づいて、オンデマンドバス1の運行時刻を決定する。
【0031】
なお、オンデマンドバス1の運行計画を決定する方法は上記した方法に限定されない。
例えば、運行ルート及び運行時刻が既に決定しているオンデマンドバス1の中に、第1のユーザが指定する乗車日時に第1のユーザが指定する乗車場所を経由し、且つ、第1のユーザが指定する降車日時に第1のユーザが指定する降車場所を経由するオンデマンドバス1があれば、当該オンデマンドバス1の停車場所に第1のユーザの指定する乗車場所及び降車場所を追加することで、当該オンデマンドバス1の運行計画が生成されてもよい。
【0032】
プロセッサ101により決定された、運行ルート、停車場所、及び、運行時刻を含む運行計画は、通信部104を通じて、所定の端末へ送信される。ここで、オンデマンドバス1が自律的に走行可能な自動運転車両である場合には、所定の端末は、オンデマンドバス1に搭載される端末である。これにより、オンデマンドバス1は、サーバ装置100により生成された運行計画に従って、自律的に運行することができる。また、オンデマンドバス1が運転者の手動運転により走行される車両である場合には、所定の端末は、運転者が使用する端末である。これにより、運転者は、サーバ装置100により生成された運行計画に従って、オンデマンドバス1を運行させることができる。
【0033】
また、サーバ装置100では、第1のユーザの予約が完了したときに、プロセッサ101が、第1のユーザの乗車場所の位置情報を含む第1の信号を、通信部104を通じてユーザ端末200へ送信する。
【0034】
サーバ装置100のハードウェア構成は、図2に示す例に限定されず、適宜構成要素の省略、置換、追加が行われてもよい。また、サーバ装置100で実行される一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。
【0035】
次に、ユーザ端末200は、第1のユーザが携帯する小型のコンピュータであり、本開示に係る「情報処理装置」の一例である。ユーザ端末200は、例えば、スマートフォン、又は、タブレット端末等のモバイル端末である。本実施形態におけるユーザ端末200は、図2に示すように、プロセッサ201、主記憶部202、補助記憶部203、カメラ204、タッチパネルディスプレイ205、位置取得部206、及び、通信部207等を含んで構成される。プロセッサ201、主記憶部202、補助記憶部203、カメラ204、タッチパネルディスプレイ205、位置取得部206、及び、通信部207は、互いにバスによって接続される。
【0036】
ユーザ端末200のプロセッサ201、主記憶部202、及び、補助記憶部203は、サーバ装置100のプロセッサ101、主記憶部102、及び、補助記憶部103に各々同様であるため、その説明が省略される。ただし、ユーザ端末200の補助記憶部203には、オンデマンドバスサービスをユーザに提供するためのアプリケーション・プログラム(以下、「第1のアプリケーション・プログラム」と記す場合もある。)が格納される。
【0037】
カメラ204は、第1のユーザが任意に選択する対象物を撮像する。カメラ204は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等を利用して対象物を撮像する。
【0038】
タッチパネルディスプレイ205は、プロセッサ201からの指示に従って画像を出力し、第1のユーザにより入力された信号をプロセッサ201へ出力する。なお、ユーザ端末200は、タッチパネルディスプレイ205の代わりに、ディスプレイ装置と入力装置とを別個に備えるようにしてもよい。
【0039】
位置取得部206は、ユーザ端末200の現在位置を示す位置情報を取得するセンサで
ある。位置取得部206は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機であ
る。位置取得部206によって取得される位置情報は、例えば、緯度及び経度である。なお、位置取得部206はGPS受信機に限定されず、位置取得部206により取得される位置情報も緯度及び経度に限定されない。
【0040】
通信部207は、無線通信回路である。無線通信回路は、例えば、5G(5th Generation)、6G、4G、又は、LTE(Long Term Evolution)等の移動体通信方式の無線通
信によりネットワークN1に接続する。なお、無線通信回路は、WiMAX、又は、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信方式によりネットワークN1に接続するように構成されてもよい。通信部207は、無線通信を通じてネットワークN1に接続し、ネットワークN1を通じてサーバ装置100と通信する。
【0041】
ユーザ端末200のハードウェア構成は、図2に示す例に限定されず、適宜構成要素の省略、置換、追加が行われてもよい。また、ユーザ端末200で実行される一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。
【0042】
(ユーザ端末の機能構成)
次に、本実施形態におけるユーザ端末200の機能構成について、図3に基づいて説明する。本実施形態におけるユーザ端末200は、その機能構成要素として、予約管理データベースD210と、予約部F210と、表示部F220と、を含む。
【0043】
予約管理データベースD210は、プロセッサ201により実行されるDBMS(Database Management System)のプログラムが、補助記憶部203に格納されているデータを管理することで構築される。予約管理データベースD210は、リレーショナルデータベースとして構築されてもよい。
【0044】
予約部F210と表示部F220とは、プロセッサ201が補助記憶部203に格納されている第1のアプリケーション・プログラムを実行することにより達成される。予約部F210と表示部F220とを達成するプロセッサ201は、本開示に係る情報処理装置の「制御部」に相当する。
【0045】
なお、予約部F210と表示部F220とのうちの何れか、又はその一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate
Array)等のハードウェア回路により実現されてもよい。その場合、当該ハードウェア回路が、本開示に係る情報処理装置の「制御部」に相当する。
【0046】
予約管理データベースD210は、予約済みのオンデマンドバス1に関する情報を格納する。図4は、予約管理データベースD210に格納される情報の一例を示す図である。図4に示される予約管理データベースD210には、予約別のレコードが格納される。予約管理データベースD210の各レコードには、予約ID、乗車場所、乗車日時、降車場所、及び、降車日時等の各フィールドが含まれる。予約管理データベースD210のレコードは、オンデマンドバス1の予約が完了したときに生成される。
【0047】
予約IDフィールドには、各予約を識別するための情報(予約ID)が登録される。乗車場所フィールドには、各予約の対象となるオンデマンドバス1の乗車場所の位置情報が登録される。乗車場所の位置情報は、例えば、乗車場所の緯度及び経度を示す情報である。乗車日時フィールドには、各予約の対象となるオンデマンドバス1の乗車日時を示す情報が登録される。降車場所フィールドには、各予約の対象となるオンデマンドバス1の降車場所の位置情報が登録される。降車場所の位置情報は、例えば、降車場所の緯度及び経
度を示す情報である。降車日時フィールドには、各予約の対象となるオンデマンドバス1の降車日時を示す情報が登録される。
【0048】
なお、予約管理データベースD210に格納されるレコードの構成は、図4に示す例に限定されず、適宜フィールドの追加、変更、又は、削除が可能である。
【0049】
ここで図3の説明に戻り、予約部F210について説明する。ユーザ端末200において第1アプリケーション・プログラムを起動させるためのユーザ操作が入力されると、プロセッサ201が補助記憶部203の第1のアプリケーション・プログラムを主記憶部202にロードして実行する。第1のアプリケーション・プログラムが起動されると、予約部F210が、オンデマンドバスサービスのメニュー画面を、タッチパネルディスプレイ205に出力する。図5は、オンデマンドバスサービスのメニュー画面の一例を示す図である。図5に示す例では、オンデマンドバスサービスのメニュー画面には、「予約する」ボタンと、「予約を確認する」ボタンと、各ボタンの説明文と、が含まれる。
【0050】
図5のメニュー画面を出力しているタッチパネルディスプレイ205において、第1のユーザが「予約する」ボタンを選択する操作を入力すると、予約部F210が、第1のユーザのリクエスト(第1のユーザが希望する乗車場所、乗車日時、降車場所、及び、降車日時等)を入力するための画面をタッチパネルディスプレイ205に出力する。第1のユーザがリクエストを入力し終えると、予約部F210が、通信部207を通じて、リクエスト信号をサーバ装置100へ送信する。リクエスト信号は、第1のユーザが希望する乗車場所、乗車日時、降車場所、及び、降車日時等に加え、第1のユーザの識別情報(ユーザID)が含まれる。
【0051】
上記したリクエスト信号を受信したサーバ装置100では、当該リクエスト信号に基づいて、第1のユーザの乗車場所、乗車日時、降車場所、及び、降車日時等が決定されて、オンデマンドバス1の予約が行われる。オンデマンドバス1の予約が完了すると、サーバ装置100が、第1の信号をユーザ端末200へ送信する。第1の信号には、サーバ装置100で決定された乗車場所、乗車日時、降車場所、及び、降車日時に加え、予約IDが含まれる。
【0052】
サーバ装置100から送信される第1の信号がユーザ端末200の通信部207によって受信されると、予約部F210が、予約管理データベースD210にアクセスして、新規のレコードを生成する。新規レコードの各フィールドには、第1の信号に含まれる情報が登録される。
【0053】
また、図5のメニュー画面を出力しているタッチパネルディスプレイ205において、第1のユーザが「予約を確認する」ボタンを選択する操作を入力すると、予約部F210が、予約済みのオンデマンドバス1のリスト(予約リスト)を示す画面を、タッチパネルディスプレイ205に出力する。図6は、予約リストを示す画面の一例を示す図である。図6に示す例では、予約リストを示す画面には、各予約の内容を表示させるためのボタン(図6中の「予約1」ボタン、及び「予約2」ボタン)と、図5の画面に戻るための「戻る」ボタンと、が含まれる。
【0054】
図6の予約リストの画面を出力しているタッチパネルディスプレイ205において、第1のユーザが予約リストのうちの何れかの予約のボタンを選択する操作を入力すると、予約部F210が、選択されたボタンに対応する予約の内容を示す画面を、タッチパネルディスプレイ205に出力する。図7は、予約の内容を示す画面の一例を示す図である。図7に示す例では、予約内容を示す画面には、第1のユーザにより選択された予約の内容(例えば、乗車場所、乗車日時、降車場所、降車日時等)を示す文字列と、乗車場所を確認
する手順の説明文と、「乗車場所を確認する」ボタンと、「この予約を取り消す」ボタンと、図6の画面に戻るための「戻る」ボタンと、が含まれる。なお、予約内容における乗車場所及び降車場所については、緯度及び経度ではなく、住所を示す文字列が用いられてもよい。あるいは、乗車場所及び降車場所の位置がマーキングされた地図情報が用いられてもよい。
【0055】
図7の予約内容画面を出力しているタッチパネルディスプレイ205において、第1のユーザが「乗車場所を確認する」ボタンを選択する操作を入力すると、予約部F210が、該当する予約の乗車場所の位置情報(緯度及び経度を示す情報)を、表示部F220へ渡す。また、図7の予約内容画面を出力しているタッチパネルディスプレイ205において、第1のユーザが「この予約を取り消す」ボタンを選択する操作を入力すると、予約部F210が、該当する予約を取り消すリクエストを、通信部207を通じてサーバ装置100へ送信する。これに応答するかたちで、予約の取り消しが完了したことを示す信号がサーバ装置100からユーザ端末200へ送信されると、予約部F210が、予約管理データベースD210にアクセスして、該当する予約のレコードを削除する。
【0056】
ここで図3の説明に戻り、表示部F220は、乗車場所の位置情報を予約部F210から受け取ったことをトリガにして、第1の実風景に関連付けられた第1の仮想画像を、タッチパネルディスプレイ205に表示させる。具体的には、図7の予約内容画面を出力しているタッチパネルディスプレイ205において、第1のユーザが「乗車場所を確認する」ボタンを選択する操作を入力したときに、表示部F220が、AR画像の生成及び表示を行う。AR画像は、第1の実画像(乗車場所を含む実風景の画像)における乗車場所の位置に第1の仮想画像(停留場の標識の仮想画像)を重畳した画像である。
【0057】
上記したAR画像を生成する場合に、表示部F220は、先ず、ユーザ端末200のカメラ204を起動させ、カメラ204により撮像された画像を取得する。表示部F220は、カメラ204により撮像された画像に乗車場所が含まれているかを判定する。言い替えると、表示部F220は、カメラ204により撮像された画像が第1の実画像(乗車場所を含む実風景を撮像した画像)であるかを判定する。
【0058】
カメラ204により撮像された画像が第1の実画像である場合、表示部F220は、第1の実画像における乗車場所の位置に第1の仮想画像を重畳して、AR画像を生成する。表示部F220は、生成されたAR画像を、ユーザ端末200のタッチパネルディスプレイ205に出力する。
【0059】
本実施形態では、カメラ204により撮像された画像に乗車場所が含まれているかの判定、及び、AR画像の生成は、乗車場所の位置情報とユーザ端末200の現在位置情報(位置取得部206により取得された位置情報)とに基づくロケーションベース方式で行われる。その際、加速度センサ及び方位センサ等のように姿勢及び向き等を検出するセンサがユーザ端末200に搭載されている場合には、乗車場所の位置情報及びユーザ端末200の現在位置情報に加え、ユーザ端末200の姿勢及び向き等の情報を用いて、上記の判定及生成が行われてもよい。また、カメラ204により撮像された画像に乗車場所が含まれているかの判定、及び、AR画像の生成は、画像認識又は空間認識に基づくビジョンベース方式で行われてもよい。
【0060】
ここで、本実施形態におけるAR画像の表示画面の一例を図8に示す。図8に示す例では、AR画像の表示画面には、乗車場所及びその近辺の実風景を撮像した第1の実画像と、第1の実画像における乗車場所の位置に重畳された、停留所の標識を示す第1の仮想画像と、乗車場所の確認を終了するための「×」ボタンと、が含まれる。乗車場所の近辺に到着した第1のユーザは、図8に示すような表示画面を見ることで、乗車場所の正確な位
置を把握することができる。
【0061】
乗車場所の位置を把握した第1のユーザが図8の表示画面における「×」ボタンを操作すると、表示部F220は、カメラ204を停止させて、AR画像の表示を終了する。AR画像の表示が終了されると、予約部F210が、前述した図7の画面を、タッチパネルディスプレイ205に表示させる。
【0062】
なお、カメラ204により撮像された画像が第1の実画像ではない場合、表示部F220は、カメラ204により撮像された画像を、ユーザ端末200のタッチパネルディスプレイ205に表示させる。その場合、第1のユーザは、図8に示すようなAR画像が表示されるように、カメラ204の向きを変更すればよい。
【0063】
(処理の流れ)
次に、ユーザ端末200で行われる処理の流れについて図9に基づいて説明する。図9は、図7の予約内容画面を出力しているタッチパネルディスプレイ205において、第1のユーザが「乗車場所を確認する」ボタンを選択する操作を入力したことをトリガにして、ユーザ端末200で実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。図9に示す処理ルーチンの実行主体は、ユーザ端末200のプロセッサ201であるが、ここではユーザ端末200の機能構成要素を実行主体として説明を行う。
【0064】
図9では、乗車場所の近辺に到着したユーザが、ユーザ端末200において、図7の予約内容画面を呼び出して、「乗車場所を確認する」ボタンを選択する操作を行うと、予約部F210が、乗車場所の位置情報を、表示部F220に渡す。表示部F220は、予約部F210からの情報の受け取りをトリガにして、ユーザ端末200のカメラ204を起動させる(ステップS101)。表示部F220は、ステップS101の処理を実行し終えると、ステップS102の処理を実行する。
【0065】
ステップS102では、表示部F220は、カメラ204により撮像された画像を取得する。表示部F220は、ステップS102の処理を実行し終えると、ステップS103の処理を実行する。
【0066】
ステップS103では、表示部F220は、カメラ204の撮像画像が第1の実画像であるかを判定する。具体的には、表示部F220は、乗車場所の位置情報と、位置取得部206により取得された位置情報(ユーザ端末200の現在位置情報)と、カメラ204の撮像画像と、に基づくロケーションベース方式により、カメラ204の撮像画像に乗車場所が含まれているかを判定する。カメラ204の撮像画像に乗車場所が含まれている場合、表示部F220は、カメラ204の撮像画像が第1画像であると判定する(ステップS103で肯定判定)。この場合、表示部F220は、ステップS104の処理を実行する。一方、カメラ204の撮像画像に乗車場所が含まれていない場合、表示部F220は、カメラ204の撮像画像が第1画像ではないと判定する(ステップS103で否定判定)。この場合、表示部F220は、ステップS106の処理を実行する。
【0067】
ステップS104では、表示部F220は、カメラ204の撮像画像(第1の実画像)と停留所の標識の仮想画像(第1の仮想画像)とを合成することにより、AR画像を生成する。詳細には、表示部F220は、第1の実画像における乗車場所の位置に第1の仮想画像を重畳することにより、AR画像を生成する。表示部F220は、ステップS104の処理を実行し終えると、ステップS105の処理を実行する。
【0068】
ステップS105では、表示部F220は、ステップS104で生成されたAR画像を、ユーザ端末200のタッチパネルディスプレイ205に表示させる。
【0069】
また、ステップS106では、表示部F220は、カメラ204の撮像画像をそのままタッチパネルディスプレイ205に表示させる。
【0070】
表示部F220は、ステップS105又はステップS106の処理を実行し終えると、ステップS107の処理を実行する。ステップS107では、表示部F220は、AR画像又は撮像画像の表示を終了する操作が入力されたかを判定する。具体的には、表示部F220は、図8の表示画面における「×」ボタンが操作されたかを判定する。図8の表示画面における「×」ボタンが操作されていない場合(ステップS107で否定判定)、表示部F220は、ステップS102以降の処理を再度実行する。一方、図8の表示画面における「×」ボタンが操作された場合(ステップS107で肯定判定)、表示部F220は、ステップS108の処理を実行する。
【0071】
ステップS108では、表示部F220は、カメラ204を停止させて、タッチパネルディスプレイ205におけるAR画像又は撮像画像の表示を終了する。タッチパネルディスプレイ205におけるAR画像又は撮像画像の表示が終了された後は、予約部F210が、前述した図7の予約内容画面を、タッチパネルディスプレイ205に表示させる。
【0072】
(実施形態の作用効果)
本実施形態によれば、第1のユーザは、乗車場所の近辺において、第1のアプリケーション・プログラムを通じてユーザ端末200のカメラ204を起動させることにより、第1の実画像における乗車場所の位置に第1の仮想画像が重畳されたAR画像を、ユーザ端末200のタッチパネルディスプレイ205に表示させることができる。これにより、第1のユーザは、AR画像を見ることで、現実空間における乗車場所の正確な位置を把握することができる。その結果、第1のユーザは、正確な乗車場所を容易に見つけることができる。また、第1のユーザは、該第1のユーザがオンデマンドバス1を待っている場所が正しい乗車場所であるか不安になるコートを抑制することもできる。
【0073】
<変形例1>
前述した実施形態では、第1の実画像に第1の仮想画像を重畳したAR画像を生成及び表示する例について述べた。本変形例では、第1の実画像に、第1の仮想画像に加え、第2の仮想画像及び第3の仮想画像を重畳したAR画像を生成及び表示する例について述べる。ここでいう第2の仮想画像は、オンデマンドバス1が乗車場所に到着するまで第1のユーザが待機する場所を示す仮想画像である。第3の仮想画像は、第1のユーザの乗車順序を示す仮想画像である。
【0074】
図10は、本変形例におけるAR画像の表示画面の一例を示す図である。図10に示す例では、AR画像の表示画面には、乗車場所及びその近辺の実風景を撮像した第1の実画像と、第1の実画像における乗車場所の位置に重畳された第1の仮想画像と、第1の実画像における待機場所の位置に重畳された第2の仮想画像と、第1の実画像における乗車場所及び待機場所以外の位置に重畳された第3の仮想画像と、乗車場所の確認を終了するための「×」ボタンと、が含まれる。なお、AR画像は、第2の仮想画像と第3の仮想画像との双方を含むものに限定されず、何れか一方のみを含むようにしてもよい。
【0075】
本変形例における第1の信号には、乗車場所の位置情報に加え、待機場所の位置情報と、第1のユーザの乗車順序を示す情報と、が含まれる。第1のユーザの乗車順序は、例えば、サーバ装置100が予約を受け付けた順序に従って決定されてもよい。表示部F220は、第1の信号に含まれる待機場所の位置情報に基づいて、第2の仮想画像を生成し、生成された第2の仮想画像を第1の実画像に重畳する。また、表示部F220は、第1の信号に含まれる第1のユーザの乗車順序情報に基づいて、第3の仮想画像を生成し、生成
された第3の仮想画像を第1の実画像に重畳する。第3の仮想画像が重畳される位置は、第1の仮想画像及び第2の仮想画像が重畳される位置以外であればよい。
【0076】
本変形例によれば、第1のユーザは、図10に示すようなAR画像を見ることで、乗車場所の位置、待機場所の位置、及び、乗車順序を把握することができる。これにより、第1のユーザは、通行人等の邪魔になることなく、オンデマンドバス1の到着を待つことが可能になる。また、第1のユーザを含む複数のユーザを、乗車順次に従ってオンデマンドバス1に乗車させることができる。
【0077】
<変形例2>
前述した実施形態では、第1の実画像に第1の仮想画像を重畳したAR画像を生成及び表示する例について述べた。本変形例では、第1の実画像に、第1の仮想画像に加え、第4の仮想画像及び第5の仮想画像を重畳したAR画像を生成及び表示する例について述べる。ここでいう第4の仮想画像は、乗車場所でオンデマンドバス1を待っている他のユーザを識別するための仮想画像である。第5の仮想画像は、乗車場所でオンデマンドバス1を待っている他のユーザの人数を示す仮想画像である。
【0078】
図11は、本変形例におけるAR画像の表示画面の一例を示す図である。図11に示す例では、AR画像の表示画面には、乗車場所及びその近辺の実風景を撮像した第1の実画像と、第1の実画像における乗車場所の位置に重畳された第1の仮想画像と、乗車場所でオンデマンドバス1を待っている他のユーザの位置に重畳された第4の仮想画像と、第1の実画像における乗車場所及び他のユーザ以外の位置に重畳された第5の仮想画像と、乗車場所の確認を終了するための「×」ボタンと、が含まれる。なお、AR画像は、第4の仮想画像と第5の仮想画像との双方を含むものに限定されず、何れか一方のみを含むようにしてもよい。
【0079】
本変形例におけるユーザ端末200では、前述した図7の予約内容画面における「乗車場所を確認する」ボタンが操作されてから、図11に示すAR画像の表示画面における「×」ボタンが操作されるまでは、表示部F220が、通信部207を通じてサーバ装置100と通信することにより、乗車場所でオンデマンドバス1を待っている他のユーザの位置情報及び人数をリアルタイムに取得する。そして、表示部F220は、サーバ装置100から取得した情報に基づいて、第4の仮想画像及び第5の仮想画像の生成及び重畳を行う。
【0080】
図11に示す例では、第5の仮想画像として、乗車場所でオンデマンドバス1を待っている他のユーザを指し示す矢印の画像が用いられているが、矢印以外の画像でもよい。例えば、第5の仮想画像は、乗車場所でオンデマンドバス1を待っている他のユーザを囲む枠画像でもよく、又は、乗車場所でオンデマンドバス1を待っている他のユーザを特定の色で塗りつぶした画像でもよい。
【0081】
本変形例によれば、第1のユーザは、図11に示すようなAR画像を見ることで、乗車場所でオンデマンドバス1を待っている他のユーザと乗車場所付近にいる歩行者等とを区別することができる。
【0082】
<変形例3>
前述した実施形態及び変形例1-2では、第1の仮想画像として、停留所の標識の仮想画像を用いる例について述べた。本変形例では、第1の仮想画像として、乗車場所でオンデマンドバス1を待っている第2のユーザを識別する仮想画像を用いる例について述べる。ここでいう第2のユーザは、乗車場所でオンデマンドバス1を待っている他のユーザのうちの1人である。
【0083】
図12は、本変形例におけるAR画像の表示画面の一例を示す図である。図12に示す例では、AR画像の表示画面には、乗車場所及びその近辺の実風景を撮像した第1の実画像と、第1の実画像における乗車場所でオンデマンドバス1を待っている第2のユーザを識別するための第1の仮想画像と、乗車場所の確認を終了するための「×」ボタンと、が含まれる。
【0084】
本変形例におけるユーザ端末200では、前述した図7の予約内容画面における「乗車場所を確認する」ボタンが操作されてから、図11に示すAR画像の表示画面における「×」ボタンが操作されるまでは、表示部F220が、通信部207を通じてサーバ装置100と通信することにより、第2のユーザの位置情報を取得する。そして、表示部F220は、サーバ装置100から取得した情報に基づいて、第1の仮想画像の生成及び重畳を行う。
【0085】
なお、図12に示す例のように、乗車場所でオンデマンドバス1を待っている他のユーザが複数人である場合には、乗車場所に最初に到着した他のユーザが第2のユーザに設定されてもよい。オンデマンドバス1が乗車場所に到着する前に、乗車場所に最初に到着した他のユーザが乗車場所から離れた場合には、乗車場所に2番目に到着した他のユーザを第2のユーザとして設定し直してもよい。
【0086】
また、図12に示す例では、第1の仮想画像として、第2のユーザを囲む枠画像が用いられているが、枠画像以外の画像でもよい。例えば、第1の仮想画像は、第2のユーザを特定の色で塗りつぶした画像でもよい。
【0087】
本変形例によれば、前述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0088】
<その他>
上記した実施形態及び変形例はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、上記した実施形態及び変形例において説明した処理及び構成は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。例えば、実施形態と変形例1-3を組み合わせて実施するようにしてもよい。
【0089】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。例えば、ユーザ端末200で実行される処理の一部が、サーバ装置100で実行されるようにしてもよい。例えば、AR画像を生成する処理は、サーバ装置100で実行されてもよい。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成で実現するかは柔軟に変更可能である。
【0090】
また、本開示に係る情報処理装置は、上記した実施形態及び変形例で例示したような、スマートフォン、又は、タブレット端末等のモバイル端末に限定されず、光学シースルー型ディスプレイ装置を備えたスマートグラス等でもよい。その場合、スマートグラス等のプロセッサが、第1の実風景を透過している状態のディスプレイ装置における乗車場所に対応する位置に、第1の仮想画像を表示させるようにしてもよい。
【0091】
また、本開示は、上記した実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよく、又はネットワークを介してコンピュータに提供
されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、データ及びプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、又は化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体である。斯様な記録媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、及び光ディスク(CD-ROM、DVDディスク・ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスクでもよい。また、記録媒体は、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、又はSSD(Solid State Drive)等の媒体でもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 オンデマンドバス
100 サーバ装置
200 ユーザ端末
201 プロセッサ
D210 予約管理データベース
F210 予約部
F220 表示部
202 主記憶部
203 補助記憶部
204 カメラ
205 タッチパネルディスプレイ
206 位置取得部
207 通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12