(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、電子時計、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 19/19 20100101AFI20241210BHJP
G04R 20/02 20130101ALI20241210BHJP
【FI】
G01S19/19
G04R20/02
(21)【出願番号】P 2022127668
(22)【出願日】2022-08-10
【審査請求日】2023-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾下 佑樹
【審査官】東 治企
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-085355(JP,A)
【文献】特開2009-109478(JP,A)
【文献】特開2006-098142(JP,A)
【文献】特開2017-191034(JP,A)
【文献】特開2017-015438(JP,A)
【文献】特開2006-138682(JP,A)
【文献】特開2019-060750(JP,A)
【文献】特開平06-018644(JP,A)
【文献】特開2006-240537(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00-5/14
G01S 19/00-19/55
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
G04R 20/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星測位を行う測位動作部による測位結果及び当該測位結果の精度に係る複数項目のデータを取得する取得部と、
前記複数項目のデータがそれぞれの基準を満たしている場合に、前記測位結果が有効であると判断する制御部と、
を備え、
前記測位結果は、異なる複数の用途に利用可能なものであり、
前記異なる複数の用途それぞれにおいて、共通の前記複数項目が設定されており、
前記基準は、前記複数項目のそれぞれで予め設定されており、
前記基準のうち一部の基準には、取得された前記データが当該一部の基準を満たしているか否かを前記制御部が判断する場合に、常に当該一部の基準を満たしていると判断させるための値が設定されている、
情報処理装置。
【請求項2】
前記一部の基準には、前記一部の基準を満たしていると前記制御部に判断させるための値として、前記測位動作部によって算出可能な最大の値又は最小値が設定されている、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記用途には、自機の移動に係るユーザアクティビティの種別、計時している時刻の修正、及び気圧センサの計測値から算出する高度の補正のうち少なくとも一部が含まれる請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ユーザアクティビティの種別には、水泳が含まれ、
前記ユーザアクティビティとして水泳が選択されている場合の水平移動に係る判断の基準は、他のユーザアクティビティが選択されている場合の水平移動に係る判断の基準よりも厳しい請求項
3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記基準は、前記用途と前記測位結果の取得状況とに応じて定められ、
前記取得状況には、前記測位動作部による測位動作の継続状態、及び前回の測位の成否に係る情報が含まれる請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記基準を前記用途に対応付けて記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記用途に応じて前記基準を前記記憶部から読み出して有効か否かの判断に利用する
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれか一項に記載の情報処理装置を備える電子時計。
【請求項8】
制御部
を有する情報処理装置による情報処理方法であって、
衛星測位を行う測位動作部による測位結果及び当該測位結果の精度に係る複数項目のデータを取得する取得ステップ、
前記複数項目のデータがそれぞれの基準を満たしている場合に、前記測位結果が有効であると判断する判断ステップ、
を含み、
前記測位結果は、異なる複数の用途に利用可能なものであり、
前記異なる複数の用途それぞれにおいて、共通の前記複数項目が設定されており、
前記基準は、前記複数項目のそれぞれで予め設定されており、
前記基準のうち一部の基準には、取得された前記データが当該一部の基準を満たしているか否かを前記制御部が判断する場合に、常に当該一部の基準を満たしていると判断させるための値が設定されている、
情報処理方法。
【請求項9】
制御部を有する情報処理装置のコンピュータを
衛星測位を行う測位動作部による測位結果及び当該測位結果の精度に係る複数項目のデータを取得する取得手段、
前記複数項目のデータがそれぞれの基準を満たしている場合に、前記測位結果が有効であると判断する判断手段、
として機能させ、
前記測位結果は、異なる複数の用途に利用可能なものであり、
前記異なる複数の用途それぞれにおいて、共通の前記複数項目が設定されており、
前記基準は、前記複数項目のそれぞれで予め設定されており、
前記基準のうち一部の基準には、取得された前記データが当該一部の基準を満たしているか否かを前記制御部が判断する場合に、常に当該一部の基準を満たしていると判断させるための値が設定されている、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理装置、電子時計、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型電子機器において、GNSS(Global Navigation Satellite System)に係る測位衛星から電波を受信して衛星測位を行い、現在位置の変化をログとして取得する技術がある。衛星測位では、原理上3次元測位では4衛星以上からの電波受信が必要であり、2次元測位では3衛星以上からの電波受信が必要である。また、電波を受信した測位衛星の位置関係、すなわち、電子機器から上空を見上げた場合のばらつきの度合も測位精度に影響する。
【0003】
特許文献1は、衛星測位と、車速センサ及び方位センサを用いて自機の移動量及び移動方向を算出し、これを積算して現在位置を追跡する自律航法とを併用する技術である。この特許文献1には、自律航法併用時は衛星測位単独で現在位置を特定する場合よりも要求する位置精度を上昇させ、自律航法の結果の補正精度を高める技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、測位結果は、単独でも様々な用途で利用される。これらの場合に一律な精度を基準とした有効性の判断では、不適切な場合がある。一方で、用途ごとに各々有効性の判断に係る処理を立ち上げると、類似した処理が多くなって効率が悪いという課題がある。
【0006】
この発明の目的は、測位結果の有効性をより効率よく簡便に判断することのできる情報処理装置、電子時計、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る情報処理装置は、
衛星測位を行う測位動作部による測位結果及び当該測位結果の精度に係る複数項目のデータを取得する取得部と、
前記複数項目のデータがそれぞれの基準を満たしている場合に、前記測位結果が有効であると判断する制御部と、
を備え、
前記測位結果は、異なる複数の用途に利用可能なものであり、
前記異なる複数の用途それぞれにおいて、共通の前記複数項目が設定されており、
前記基準は、前記複数項目のそれぞれで予め設定されており、
前記基準のうち一部の基準には、取得された前記データが当該一部の基準を満たしているか否かを前記制御部が判断する場合に、常に当該一部の基準を満たしていると判断させるための値が設定されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に従うと、測位結果の有効性をより効率よく簡便に判断することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】電子時計の機能構成を示すブロック図である。
【
図2】精度判定に用いられる基準値テーブルの内容を示す図表である。
【
図3】電子時計で実行される測位制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図4】位置精度判定処理の処理内容を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の情報処理装置を含む電子時計1の機能構成を示すブロック図である。
【0011】
電子時計1は、CPU11(Central Processing Unit)(制御部)と、RAM12(Random Access Memory)と、記憶部13と、計時部14と、表示部15と、操作受付部16と、衛星電波受信処理部17(測位動作部)と、計測部18と、通信部19などを備える。
【0012】
CPU11は、演算処理を行って電子時計1の全体動作を統括制御するプロセッサである。CPU11は、単一のプロセッサであってもよいし、複数のプロセッサが並列に又は用途に応じて独立に処理を行うのであってもよい。CPU11は、本実施形態の取得部として衛星電波受信処理部17から測位結果を取得する。
【0013】
RAM12は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。
【0014】
記憶部13は、不揮発性メモリであり、例えば、フラッシュメモリである。記憶部13は、プログラム131や設定データなどを記憶保持する。設定データには、基準値テーブル132が含まれる。基準値テーブル132は、測位結果の精度判定に用いられる基準値(判断の基準となる数値)を含む。
CPU11、RAM12及び記憶部13が本実施形態の情報処理装置及びコンピュータに含まれる。
【0015】
計時部14は、図示略の発振回路が発するある周波数の信号に基づいて現在日時を計数する。計時部14は、専用の計時回路であってもよいし、CPU11の処理の一部であってもよい。
【0016】
表示部15は、現在時刻や電子時計1の各種機能に係る表示を行う。表示部15は、指針、歯車列(輪列機構)及びステッピングモータを有して指針式の表示を行うものであってもよい。あるいは、表示部15は、液晶表示画面(LCD)などを有してデジタル表示を行うものであってもよい。
【0017】
操作受付部16は、ユーザなどによる外部からの操作を受け付けて、操作信号をCPU11へ出力する。操作受付部16は、例えば、押下操作を受け付ける押しボタンスイッチや、引き出し操作及び回転操作を受け付けるりゅうずなどを有する。
【0018】
衛星電波受信処理部17は、GNSSに係る測位衛星から電波を受信して復調し、復調した内容に基づいて測位演算する衛星測位を行う。衛星電波受信処理部17は、電波を受信するためのアンテナ及び受信部、並びに測位演算を行うための演算処理部を有する。測位衛星には、例えば、GPS(Global Positioning Satellite)に係るもの及び準天頂衛星システムに係るみちびき(登録商標)などが含まれるが、これらに限られるものではない。演算処理部は、測位結果として、特定された現在位置に加え、現在位置の移動状況を出力することができる。また、演算処理部は、測位結果の精度に係るデータを出力することができる。これらの内容は、NMEA-0183(National Marine Electronics Association)のフォーマットに従って出力されてもよい。あるいは、演算処理部は、測位結果を独自のフォーマットで出力してもよい。
【0019】
計測部18は、物理量を計測する。計測部18は、例えば、磁気センサ181、加速度センサ182及び気圧センサ183を有する。磁気センサ181は、地磁場を計測し、計測結果をCPU11へ出力する。加速度センサ182は、三次元加速度を計測し、計測結果をCPU11へ出力する。計測される三次元加速度には、重力加速度が含まれていてよく、この場合、当該重力加速度に応じて垂直方向の情報を特定することができる。気圧センサ183は、気圧を計測する。気圧は高度の上昇に応じて低下するので、気圧の計測値は、CPU11において標高に換算され得る。すなわち、気圧センサ183は、高度センサとしても利用され得る。あるいは、気圧の変化がCPU11による気象状況の変化の判定に利用されるのであってもよい。
【0020】
通信部19は、予め定められた通信規格に従って外部機器との間で行うデータの送受信を制御する。通信規格は、例えば、ブルートゥース(登録商標)や無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信である。
【0021】
次に、本実施形態の電子時計1による測位結果の出力動作について説明する。
電子時計1では、衛星電波受信処理部17が出力した測位結果及びその精度に係るデータをCPU11が取得し、CPU11が測位結果の精度判定を行う。精度に係るデータには、複数項目の精度に係る評価内容(ここでは数値)が含まれている。そして、精度の各項目のデータがそれぞれの基準を全て満たしている(OKである)と判定された場合には、特定された現在位置などのデータ(測位結果)が有効なデータとして出力される。データは、例えば、記憶部13へ移動履歴として出力されて記憶されるのであってもよいし、表示データに変換されて表示部15へ出力され、表示されるのであってもよい。あるいは、データは、通信部19を介して外部機器へ送信出力されてもよい。この場合、データは必要に応じてRAM12にバッファリングされながら送信出力されてもよい。精度に係るいずれかの項目のデータが基準を満たしていない(NGである)と判定された場合には、測位結果は、有効なデータではないと判断されて出力されない。
【0022】
図2は、精度判定に用いられる基準値テーブル132の内容を示す図表である。
電子時計1では、精度判定(判断)に用いられる複数項目の判断の基準となる基準値A~Gは、測位結果の用途及び測位結果の取得状況に応じて変更される。用途としては、例えば、ユーザの各種アクティビティ(ユーザアクティビティの種別)に応じた自機(すなわち、情報処理装置を含む電子時計1)の移動ログの取得、登山、スキーやツーリング(自転車)などの高度変化を伴うアクティビティに応じた高度計測の際の気圧センサ183のキャリブレーション、及びその他ユーザが任意の状況で手動操作により現在位置又は現在日時の取得要求をする場合(例えば、地図上の現在位置を一時的に特定したい場合、計数している現在時刻を修正したい場合)などがあり得る。アクティビティには、上記に加えて、歩行(ウォーキング、ノルディックウォーキングなど)、走行(ジョギング、ランニング、マラソンなど)、水泳、スケートなどが含まれてもよい。
【0023】
また、測位結果の取得状況には、測位動作の継続状態及び前回の測位の成否が考慮される。具体的には、取得状況の分類には、測位動作を開始して最初の位置特定(初期位置)、継続的に位置が特定されている途中(継続受信)、間欠的に定められた時間間隔で位置取得を行う場合の位置取得再開時(間欠再開)、及び位置の取得に失敗(LOST)した後の特定再開時(LOST復帰)などが含まれる。また、測位が通常の3次元測位(3D測位)であるか、あるいは高度を設定値や取得値などに固定した2次元測位(2D測位)であるかも測位結果の取得状況に含まれ得る。
図2では、3D測位の場合と2D測位の場合とで別個に基準値テーブル132が定められている。
【0024】
CPU11は、例えば、衛星電波受信処理部17の測位動作時に当該衛星電波受信処理部17から定期的に入力される測位結果及び精度に係るデータに基づいて、前回の測位結果の入力日時、当該測位結果において現在位置が特定されていたか否か、前回の測位結果の入力後に測位動作の中断があったか否か、などの情報を測位ステータス(取得状況に係るデータ)としてRAM12に記憶させる。これらの記憶内容を参照することで、CPU11は、上記初期位置、継続受信、間欠再開又はLOST復帰の判別を可能とする。
【0025】
基準値テーブル132では、これら用途及び取得状況の組み合わせに対応付けられて各々基準値が定められ(記憶され)ている。アクティビティについては、更に水泳による取得とそれ以外の取得の場合とで区別されている。
【0026】
基準値を設定可能な変数(精度変数)には、例えば、DOP(Dilution of Precision)の各値、現在位置の移動に係る対地速度、GST(Pseudo range Noise Statistics)の水平成分及び高度成分などが含まれる。
【0027】
DOPは、電波信号を受信して測位演算に利用する測位衛星の現在位置に対する相対位置のばらつき(配位)に基づくパラメータであって、PDOP(位置精度低下率)、HDOP(水平精度低下率)及びVDOP(垂直精度低下率)を含む。PDOPは、特定する三次元位置の精度に係る指標であり、HDOPはそのうちの水平成分についての指標であり、VDOPは、垂直成分についての指標である。
【0028】
GSTは、特定する位置の誤差に係る標準偏差に基づく指標である。
図2において、GST2Dは、水平誤差2成分(緯度誤差及び経度誤差)の標準偏差の二乗平均を示している。GST高度は、垂直誤差(高度誤差)の標準偏差を示している。
【0029】
また、用途及び状況に応じては、精度に係る基準値を満たす計測結果が複数回連続して得られることを精度判定の条件とすることができる。すなわち、上記組み合わせのうち一部では、複数回連続して現在位置の特定に成功する(連続特定回数が2以上である)ことを条件としてもよい。
【0030】
上記の各組合せのうち、水泳以外のアクティビティの移動ログ取得時における初期位置特定時及びLOST復帰時には、他と比較して基準値が低く、すなわちより厳しい基準が設定されている。これらの場合にずれが大きい結果を確定させると、算出される移動距離などにも大きく影響するので、適切に定められる必要がある。
【0031】
これらに比して、継続受信時と間欠再開時とでは、基準値が高く、すなわち緩い基準が設定されている。これらの場合には、一時的に精度の低い結果が含まれても、移動ログデータを後に使用するアプリケーションプログラム(アプリ。通信接続される外部機器のものであってもよい)などの側で編集が可能である。
【0032】
なお、基準値が「MAX」であると設定された精度変数は、どのような精度変数の値が得られても(精度に係るデータの内容によらず)、精度判定上測位結果がOKとされる(基準を満たしている)ことを意味する。「MAX」に割り当てられている値は、例えば、衛星電波受信処理部17により算出可能な最大の値であってもよい。すなわち、基準値に「MAX」が設定されている精度変数は、実質的に判断に用いられず、精度判定に影響がない。ここでは、GSTに係る精度変数のみが実際の判定に利用されており、対地速度及びDOPに係る精度変数が一切精度判定の結果に影響しないように設定されている。なお、精度変数の値が大きいほど精度がよいことを示す項目がある場合には、当該精度変数を精度判定に用いないための基準値は、最小値、すなわち「MIN」とされればよい。また、精度が数値によって表されていない場合、例えば、アルファベットなどの識別記号で精度が段階評価されている場合には、基準値として最低評価の識別記号が基準値とされることで、当該精度の判定が有効性判断に利用されないようにすることができる。
【0033】
電子時計1では、予め利用され得る精度変数の記憶エリアが全て基準値テーブル132に確保されている。また、電子時計1では、用途及び測位結果の取得状況の組み合わせによらずこれら全ての精度変数について共通に精度判定の処理自体は行われるように処理内容が定められている。後にこれらの基準値は、設定データのアップデートにより、又はユーザの手動設定により設定変更が可能であってもよい。精度判定処理のプログラムは、判定に利用される精度変数の数や組合せが変更されても、更新される必要がない。
【0034】
電子時計1では、手動での現在位置要求(現在日時の要求を含む)に応じた測位結果は、衛星電波受信処理部17で現在位置が特定される限り、精度判定がOKとされて出力される。すなわちこの場合には、精度を上げることよりもユーザの要求に従って現在位置や現在日時を出力することの方が優先される。
【0035】
上記のように、高度の上昇に応じて気圧が低下する一方で、同じ高度であっても気象状況に応じて気圧は変化する。したがって、気圧センサ183による気圧の計測値から高度の絶対値を算出する場合には、気象状況に応じた高度と気圧の絶対値との関係を定めておく補正が必要である。このような補正は、予め、及び/又は気象状況の変化に応じたアクティビティの途中で行われる。高度補正では、衛星測位の結果で得られた高度とそのときに気圧センサ183により計測された気圧とを対応付ける。したがって、このときの高度の計測精度が十分に高い必要がある一方で、水平方向についての位置の精度は要求されない。
【0036】
対地速度、すなわち、電子時計1のユーザの移動速度は、測位結果における水平方向位置が毎回ばらつくと、不適切に大小変化する場合があり得る。したがって、アクティビティに応じて生じ得る速度より大きい対地速度が出力されている場合には、十分な精度が得られているとは言えない。本実施形態では、いずれも基準値がMAXとされているが、想定される対地速度の最大値に応じて基準値が設定されてもよい。
【0037】
衛星電波受信処理部17は、水泳のように高さ方向の変化が想定されないアクティビティや、マラソン、ジョギングなど、高さ方向の変化が重視されないアクティビティに対し、高さ方向を固定して水平位置のみを特定する2次元測位(2D測位)を行うことができてもよい。上記のように、この場合には、位置の特定に必要な測位衛星の数が減少する。言い換えると、同一の測位衛星からの電波受信であれば、2D測位の方が受信電波の数に余裕が生じるので、より高精度の結果が得られやすい。あるいは、反対に、電波を受信可能な測位衛星が不足し、あるいは、測位衛星の配位に大きな偏りがあり、3D測位が困難な場合に2D測位に切り替えて実行することが可能であってもよい。この場合には、2D測位時のDOPに係る精度変数の基準値がより大きく(精度が低く)定められてもよい。
図2では、基準値の設定内容は2D測位と3D測位で同一である。しかしながら、2D測位を行う場合には、上記基準値A~Gのうち一部を3次元測位(3D測位)の場合とは異ならせることとしてもよい。
【0038】
また、LOST復帰時や間欠再開時には、複数回続けて現在位置の特定に成功してから測位結果をOKとすることができる。特に受信条件が悪い場合に測位に失敗した後、測位に成功したときに、即座に受信条件が大きく改善したわけではなかったり、あるいは、測位に失敗する直前の受信条件が既に低下していて大きな誤差を伴った結果が得られていたりする場合がある。その結果、新たに特定される位置が大きくずれていることもあるので、ある程度安定して測位が成功していることが確認されてから、測位結果を確定させる。
【0039】
図3は、本実施形態の電子時計1で実行される測位制御処理のCPU11による制御手順を示すフローチャートである。
この測位制御処理は、本実施形態の情報処理方法を含む。測位制御処理は、あるユーザ操作又は他のアプリケーションプログラムなどからの呼び出しに応じてプログラム131が読み出され、実行されることにより起動される。なお、アクティビティの種別は、アクティビティに応じた移動ログの生成や運動量などの計測を行うアプリケーションプログラムにおいて予め選択、設定される。
【0040】
CPU11は、衛星電波受信処理部17を起動させて、当該衛星電波受信処理部17に対して測位動作の開始要求を出力する(ステップS101)。CPU11は、アクティビティ情報を取得する(ステップS102)。CPU11は、アクティビティのログ記録動作に係るプログラムにより設定されたアクティビティの種別に係る情報を記録する。
【0041】
CPU11は、測位ステータスを取得する(ステップS103)。CPU11は、RAM12に記憶されている測位ステータスを読み出す。
【0042】
CPU11は、衛星電波受信処理部17から測位結果を取得する(ステップS104;取得ステップ、取得手段)。CPU11は、後述の位置精度判定処理を実行する(ステップS105;判断ステップ、判断手段)。
【0043】
CPU11は、位置精度判定処理により、精度がOK(測位結果が有効である)とされたか否かを判別する(ステップS106)。精度がOKであるとされたと判別された場合には(ステップS106で“YES”)、CPU11は、測位結果に含まれていた測位位置(現在位置)を出力対象へ出力する(ステップS107)。それから、CPU11の処理は、ステップS109へ移行する。
【0044】
精度がOKではない(NGである。測位結果が無効である)と判別された場合には(ステップS106で“NO”)、CPU11は、測位位置のデータを破棄して、出力対象へ結果NGを表すデータを出力する(ステップS108)。あるいは、CPU11は、この場合には出力対象へ結果を出力しないこととしてもよい。それから、CPU11の処理は、ステップS109へ移行する。
【0045】
ステップS109の処理へ移行すると、CPU11は、測位終了命令が取得されたか否かを判別する(ステップS109)。測位終了命令が取得されていないと判別された場合には(ステップS109で“NO”)、CPU11の処理は、ステップS103へ戻る。測位終了命令が取得されたと判別された場合には(ステップS109で“YES”)、CPU11は、衛星電波受信処理部17に対して測位動作の停止を要求する(ステップS110)。CPU11は、測位制御処理を終了する。
【0046】
図4は、位置精度判定処理の処理内容を説明するフローチャートである。
この位置精度判定処理は、測位制御処理内で呼び出されて実行される。
【0047】
位置精度判定処理が呼び出されると、CPU11は、測位モード、すなわち、2D測位であるか3D測位であるかの情報を特定する(ステップS141)。測位モードの情報は、NMEA-0183のGPGSA(GPSのみ)又はGNGSA(GLONASSを含む)フォーマットの出力データに含まれる。
【0048】
CPU11は、アクティビティ情報、測位ステータス及び測位モードの組み合わせに応じた基準値A~Gを基準値テーブル132から読み出す(ステップS142;用途及び取得状況に応じた基準の設定)。CPU11は、測位結果において現在位置が特定されているか否かを判別する(ステップS143)。NMEA-0183のGPGGAフォーマットには、現在位置データ(緯度、経度、高さ)に加えて、位置特定品質として位置特定がされていない(「0」)、標準測位(SPS)で位置が特定されている(「1」)、などが数値により示されている。現在位置が特定されていないと判別された場合には(ステップS143で“NO”)、CPU11の処理は、ステップS161へ移行する。
【0049】
現在位置が特定されていると判別された場合には(ステップS143で“YES”)、CPU11は、PDOPが基準値A未満であるか否かを判別する(ステップS144)。PDOP、HDOP及びVDOPのデータは、GPGSA(GNGSA)のフォーマットの出力データに含まれる。PDOPが基準値A未満ではない(基準値A以上)と判別された場合には(ステップS144で“NO”)、CPU11の処理は、ステップS161へ移行する。
【0050】
PDOPが基準値A未満であると判別された場合には(ステップS144で“YES”)、CPU11は、HDOPが基準値B未満であるか否かを判別する(ステップS145)。HDOPが基準値B未満ではない(基準値B以上)と判別された場合には(ステップS145で“NO”)、CPU11の処理は、ステップS161へ移行する。
【0051】
HDOPが基準値B未満であると判別された場合には(ステップS145で“YES”)、CPU11は、VDOPが基準値C未満であるか否かを判別する(ステップS146)。VDOPが基準値C未満ではない(基準値C以上)と判別された場合には(ステップS146で“NO”)、CPU11の処理は、ステップS161へ移行する。
【0052】
VDOPが基準値C未満であると判別された場合には(ステップS146で“YES”)、CPU11は、対地速度が基準値D未満であるか否かを判別する(ステップS147)。対地速度は、NMEA-0183のGPVTG(GPSのみ)又はGNVTG(GLONASSを含む)のフォーマットの出力データに含まれる。対地速度が基準値D未満ではない(基準値D以上)と判別された場合には(ステップS147で“NO”)、CPU11の処理は、ステップS161へ移行する。
【0053】
対地速度が基準値D未満であると判別された場合には(ステップS147で“YES”)、CPU11は、GST2Dが基準値E未満であるか否かを判別する(ステップS148)。GST2D及びGST高度に係る緯度誤差、経度誤差及び高度誤差の標準偏差は、NMEA-0183のGPGST(GPSのみ)又はGNGST(GLONASSを含む)のフォーマットの出力データに含まれる。GST2Dが基準値E未満ではない(基準値E以上)と判別された場合には(ステップS148で“NO”)、CPU11の処理は、ステップS161へ移行する。
【0054】
GST2Dが基準値E未満であると判別された場合には(ステップS148で“YES”)、CPU11は、GST高度が基準値F未満であるか否かを判別する(ステップS149)。GST高度が基準値F未満ではない(基準値F以上)と判別された場合には(ステップS149で“NO”)、CPU11の処理は、ステップS161へ移行する。
【0055】
GST高度が基準値F未満であると判別された場合には(ステップS149で“YES”)、CPU11は、OKカウントに1を加算する(ステップS150)。CPU11は、OKカウントが基準値G以上であるか否かを判別する(ステップS151)。OKカウントが基準値G以上ではない(基準値G未満)と判別された場合には(ステップS151で“NO”)、CPU11の処理は、ステップS162へ移行する。
【0056】
OKカウントが基準値G以上であると判別された場合には(ステップS151で“YES”)、CPU11は、精度が「OK」であると判定結果を出力する(ステップS152)。CPU11は、精度判定処理を終了して、処理を測位制御処理に戻す。
【0057】
ステップS143~S149の各判別処理で“NO”に分岐してステップS161の処理へ移行すると、CPU11は、OKカウントを初期化する(ステップS161)。それから、CPU11の処理は、ステップS162へ移行する。
【0058】
ステップS162の処理では、CPU11は、精度が「NG」であるとの判定結果を出力する(ステップS162)。それから、CPU11は、精度判定処理を終了して、処理を測位制御処理に戻す。
【0059】
なお、アクティビティや受信状況(測位ステータス)が変化しない限りは基準値が変更されない。したがって、前回の測位ステータスなどから変化がない場合には、CPU11は、ステップS142の処理を省略することができる。
【0060】
図5は、基準値テーブル132の他の例を示す図表である。
図2に示した例とは異なり、DOP及び対地速度に係る基準値もMAX以外の値に定められている。DOP及び対地速度についても、GSTと同様に、初期位置特定時及びLOST復帰時には、継続受信時及び間欠再開時よりも基準値が厳しく設定されている。また、この基準値テーブル132では、対地速度の最高速度が歩行や走行時よりも遅くなる水泳時の対地速度(水平移動に係る判断)の基準値が小さく(厳しく)定められている。
【0061】
このように基準値テーブル132の各基準値が変更され、精度判定に用いられる精度変数の数が変更されても、上記位置精度判定処理のフローは共通に利用可能である。
【0062】
以上のように、本実施形態の情報処理装置を含む電子時計1は、CPU11を備える。CPU11は、取得部として、衛星測位を行う衛星電波受信処理部17による測位結果、及び当該測位結果の精度に係る複数項目のデータを取得する。CPU11は、制御部として、上記複数項目のデータがそれぞれの基準を満たしている場合に、上記測位結果が有効であると判断する。精度判定に用いられる複数項目は、測位結果の用途によらず共通であり、かつその基準は、測位結果の用途に応じて各々定められている。また、この基準には、測位精度に係るデータの内容によらず当該基準を満たしているとCPU11に判断させるためのもの(“MAX”など)が含まれる。このように精度判定の基準を用途に応じて変更設定することで、電子時計1は、測位結果の有効性をより柔軟に判断することが可能となる。また、判定基準のみを変更可能とすることで、処理内容を統一することができるので、各アプリケーションプログラムの側で各々個別に精度の判定に係る処理を行わなくてもよい。これにより、電子時計1では、各アプリケーションプログラムの内容が簡略化されてサイズが減少し得る。一方で、電子時計1では、全ての精度変数を有効性の判断に利用する必要がない用途などの場合に、判断に利用しない項目の基準として“MAX”のように精度変数の値によらず常に条件を満たすような値を設定しておく。これにより、電子時計1では、同一の判別処理フローで容易に、用途に応じて必要な項目を選択的に用いた有効性の判断を行うことができるので、処理が複雑にならない。よって、電子時計1では、測位結果の有効性をより効率よく簡便に判断することができる。
【0063】
また、用途には、自機の移動に係るユーザアクティビティの種別、計時している時刻の修正、及び気圧センサの計測値から算出する高度の補正のうち少なくとも一部が含まれていてもよい。ユーザアクティビティによってユーザの移動箇所や移動速度は異なる。また、用途によって測位結果の各成分の必要性自体が高かったり低かったりする場合もある。これらに応じて適切に基準が定められることで、電子時計1は、ユーザにとって必要な精度の測位結果を選択的に出力することができる。
【0064】
また、ユーザアクティビティの種別には、水泳が含まれていてもよい。ユーザアクティビティとして水泳が選択されている場合の水平移動に係る判断の基準は、他のユーザアクティビティが選択されている場合の水平移動に係る判断の基準よりも厳しくてもよい。他のアクティビティと比較して移動速度の遅い水泳については、他と比較して相対位置変化が正確に出せるように基準を定めてもよい。
【0065】
また、精度判定の基準は、上記用途と測位結果の取得状況との組み合わせに応じて定められてもよい。この取得状況には、衛星電波受信処理部17による測位動作の継続状態、及び前回の測位の成否に係る情報が含まれる。このように、用途及び取得状況のうちいずれかだけではなく、両方を考慮することで、電子時計1では、柔軟に必要な精度以上の測位結果を得ることができる。例えば、電子時計1では、測位動作を開始した最初のタイミングや間隔が空いた後などの精度判定基準を継続的に測位結果が得られている場合などとは異ならせるこがとできる。これにより、電子時計1は、ユーザにとって必要な精度の測位結果を選択的に出力することができる。
【0066】
また、電子時計1は、精度判定の基準を用途に対応付けて記憶する記憶部13を備える。CPU11は、制御部として、用途に応じて基準となる数値を記憶部13から読み出して有効か否かの判断に利用する。このように基準値を一覧可能なテーブルデータとして予め保持しておくことで、電子時計1では、必要に応じて読み出して設定するだけで、単一の判別処理フローで容易かつ簡便に有効性の判断を行うことができる。
【0067】
また、本実施形態の電子時計1は、上記の情報処理装置としての機能構成を備える。電子時計1が上記機能構成を備えることで、電子時計1においてより効率よく簡便に適切な精度の位置情報を選択的に出力することが可能となる。
【0068】
また、本実施形態の情報処理方法は、CPU11により実行されるものであって、衛星測位を行う衛星電波受信処理部17による測位結果、及び当該測位結果の精度に係る複数項目のデータを取得する取得ステップ、上記複数項目のデータがそれぞれの基準を満たしている場合に、測位結果が有効であると判断する判断ステップ、を含む。精度判定に係る複数項目は、測位結果の用途によらず共通であり、かつそれらの基準は、測位結果の用途に応じて各々定められている。また、これらの基準には、データの内容によらず当該基準を満たしていると判断ステップで判断させるためのものが含まれる。
このような情報処理方法により、電子時計1は、測位結果の有効性をより効率よく簡便に判断することが可能となる。また、判定基準のみを変更可能とすることで、処理内容を統一することができるので、精度の判定に係る処理を各々別個に定める必要がなく、簡便になる。一方で、、全ての精度変数を有効性の判断に利用する必要がない用途などの場合に、判断に利用しない項目の基準として“MAX”のように精度変数の値によらず常に条件を満たすような値を設定しておく。これにより、本実施形態の情報処理方法では、同一の判別処理フローで容易に、用途に応じて必要な項目を選択的に用いた有効性の判断を行うことができるので、処理が複雑にならない。
【0069】
また、本実施形態のプログラム131をインストールして実行することで、電子時計1は、ソフトウェア的に上記情報処理方法に係る処理を容易かつ簡便に行うことができる。
【0070】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、精度に係る変数は、上記のDOP、対地速度及びGSTに係るものではなくてもよい。これらに加えて又は代えて、その他の精度変数が含まれていてもよい。
【0071】
また、測位結果の取得状況は、上記に示したものに限られない。他の種類の取得状況が含まれてもよいし、あるいは、上記した取得状況が更に複数の詳細な種類に分類されてもよい。
【0072】
また、測位結果の用途は、上記に示した種類に限られない。他の種類が含まれていてもよいし、上記に示したもののうち一部のみ(少なくとも一部)が含まれていてもよい。
【0073】
また、出力される内容は、測位位置に限られない。他の測位結果が併せて出力されてもよいし、測位精度のデータも併せて出力されてもよい。
【0074】
また、上記実施の形態では、測位結果及び精度のデータを自機が備える衛星電波受信処理部17からCPU11が直接取得するものとして説明したが、これに限られない。電子時計1とは別個の電子機器、例えば、スマートフォンなどが備える衛星電波受信処理部による測位結果及び精度データが通信部19(この場合の取得部に含まれる)により取得されて、計測部18の計測結果と併せて利用されてもよい。さらに、計測部18も電子時計1と別個の計測機器であって、ユーザの身体に装着されて通信部19を介して計測データが取得されるのであってもよい。
【0075】
また、精度のデータは、衛星電波受信処理部17から取得されるものに限られない。例えば、DOPの各値などは、測位衛星の位置データを取得することで、CPU11が現在位置に基づいて自身で算出することができる。
【0076】
また、本実施形態の電子時計1は、計時動作及び時刻の表示を行う装置全般を含んでよく、すなわち、電子時計1にはスマートウォッチやアクティビティ計測装置が含まれてもよい。また、電子時計1は、腕時計型のものに限られない。例えば、電子時計1は、ポケットなどに収容される携帯型のものであってもよいし、腕以外にバンドなどで装着可能なものであってもよい。
【0077】
また、精度判定の基準を区分する基準には、上記用途及び取得状況以外のものが含まれていてもよい。例えば、ユーザが操作受付部16への入力操作により、結果取得優先(低精度)又は精度優先(高精度)などから選択が可能であってもよい。また、同一のアクティビティでもユーザ所望の取得対象が絶対位置であるのか移動距離(移動速度)であるのか、などによって基準を切り替えることが可能であってもよい。反対に、精度判定の基準は、用途のみに基づいて各々設定されてもよい。この場合の基準値テーブル132では、基準が用途のみに対応付けられて記憶される。
【0078】
また、上記の精度判定は、電子時計1のCPU11により行われるものとして説明したが、これに限られない。CPU(プロセッサ)によって行われるのであれば、外部処理がなされてもよい。また、複数の処理内容が複数の情報処理装置のCPUに分散されて実行されてもよい。
【0079】
また、以上の説明では、本発明の精度判定制御に係るプログラム131を記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体としてフラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどからなる記憶部13を例に挙げて説明したが、これらに限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、HDD(Hard Disk Drive)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、MRAMなどの他の不揮発性メモリや、CD-ROM、DVDディスクなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、処理動作の内容及び手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載した発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0080】
1 電子時計
11 CPU
12 RAM
13 記憶部
131 プログラム
132 基準値テーブル
14 計時部
15 表示部
16 操作受付部
17 衛星電波受信処理部
18 計測部
181 磁気センサ
182 加速度センサ
183 気圧センサ
19 通信部