(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20240101AFI20241210BHJP
【FI】
G06Q10/083
(21)【出願番号】P 2022133472
(22)【出願日】2022-08-24
【審査請求日】2024-05-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100220663
【氏名又は名称】佐々田 洋一
(72)【発明者】
【氏名】三浦 光博
(72)【発明者】
【氏名】山田 健一
(72)【発明者】
【氏名】駒嶺 聡史
(72)【発明者】
【氏名】加々良 史行
(72)【発明者】
【氏名】田中 剛
(72)【発明者】
【氏名】西澤 博之
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-135032(JP,A)
【文献】特開2006-139435(JP,A)
【文献】特開2021-144540(JP,A)
【文献】特開2006-076768(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の積載又は荷下ろしを管理する情報処理装置であって、
工場の敷地内を走行する車両により運搬される前記荷物の情報と、前記工場に勤務する各従業員の属性と、を記憶する記憶部と、
前記荷物の情報に基づいて、前記荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件の設定と、前記荷物の運搬計画の策定とを行い、前記各従業員の属性と、前記荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件と、に基づいて、前記荷物を運搬する車両に乗車予定の1以上の従業員の中から、前記条件を満たす属性を有する少なくとも1人の従業員を特定する制御部と、
前記少なくとも1人の従業員が所持する携帯端末に、前記荷物の積載又は荷下ろしの依頼を通知する通信部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記通信部は、前記荷物の積載又は荷下ろしの依頼を通知する際に、前記1以上の従業員の携帯端末に、前記荷物を積載する停留所、積載する時間、荷下ろしをする停留所、荷下ろしする時間を含む前記荷物の運搬計画を通知する、情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記1以上の従業員が前記依頼に対して応諾した場合、前記1以上の従業員の少なくとも1人を、前記荷物を前記車両に積載し又は前記車両から荷下ろしを担当する従業員に決定する、情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記通信部は、前記車両から、前記荷物の積載又は荷下ろしを完了した従業員の社員証に記憶された情報を受信し、
前記制御部は、前記情報を取得すると、前記担当する従業員が前記荷物の積載又は荷下ろしを完了したと判定する、情報処理装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記従業員の属性は、それぞれの所属部署、職責、担当業務、年齢、健康状態、及び前記荷物である設備若しくは部材の取扱経験のうち少なくとも1つを含む、情報処理装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記荷物の情報は、前記荷物である設備若しくは部材の構成、取扱情報、容量、重量、安全データシート、前記荷物を集荷する場所、集荷する時間、前記積載する停留所、前記積載する時間、前記荷下ろしする停留所、前記荷下ろしする時間、配達する場所、及び配達する時間のうち少なくとも1つを含む、情報処理装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記条件は、前記荷物である設備若しくは部材の取扱経験があるという条件を少なくとも含む、情報処理装置。
【請求項8】
荷物の積載又は荷下ろしを管理する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
工場の敷地内を走行する車両により運搬される荷物の情報と、前記工場に勤務する各従業員の属性と、を記憶することと、
前記荷物の情報に基づいて、前記荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件の設定を行うことと、
前記荷物の情報に基づいて、前記荷物の運搬計画の策定を行うことと、
前記各従業員の属性と、前記荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件と、に基づいて、前記荷物を運搬する車両に乗車予定の1以上の従業員の中から、前記条件を満たす属性を有する少なくとも1人の従業員を特定することと、
前記少なくとも1人の従業員が所持する携帯端末に、前記荷物の積載又は荷下ろしの依頼を通知することと、
を実行する、情報処理方法。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理方法であって、
前記荷物の積載又は荷下ろしの依頼を通知することは、更に前記1以上の従業員の携帯端末に、前記荷物を積載する停留所、積載する時間、荷下ろしをする停留所、荷下ろしする時間を含む前記荷物の運搬計画を通知する、情報処理方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の情報処理方法であって、
前記1以上の従業員が前記依頼に対して応諾した場合、前記1以上の従業員の少なくとも1人を、前記荷物を前記車両に積載し又は前記車両から荷下ろしを担当する従業員に決定することを更に実行する、情報処理方法。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理方法であって、
前記車両から、前記荷物の積載又は荷下ろしを完了した従業員の社員証に記憶された情報を受信することと、
前記情報を取得すると、前記担当する従業員が前記荷物の積載又は荷下ろしを完了したと判定することと、
を更に実行する、情報処理方法。
【請求項12】
請求項8又は9に記載の情報処理方法であって、
前記従業員の属性は、それぞれの所属部署、職責、担当業務、年齢、健康状態、及び前記荷物である設備若しくは部材の取扱経験のうち少なくとも1つを含む、情報処理方法。
【請求項13】
請求項8又は9に記載の情報処理方法であって、
前記荷物の情報は、前記荷物である設備若しくは部材の構成、取扱情報、容量、重量、安全データシート、前記荷物を集荷する場所、集荷する時間、前記積載する停留所、前記積載する時間、前記荷下ろしをする停留所、前記荷下ろしをする時間、配達する場所、及び配達する時間のうち少なくとも1つを含む、情報処理方法。
【請求項14】
請求項8又は9に記載の情報処理方法であって、
前記条件は、前記荷物である設備若しくは部材の取扱経験があるという条件を少なくとも含む、情報処理方法。
【請求項15】
荷物の積載又は荷下ろしを管理する情報処理装置に、
工場の敷地内を走行する車両により運搬される荷物の情報と、前記工場に勤務する各従業員の属性と、を記憶することと、
前記荷物の情報に基づいて、前記荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件の設定を行うことと、
前記荷物の情報に基づいて、前記荷物の運搬計画の策定を行うことと、
前記各従業員の属性と、前記荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件と、に基づいて、前記荷物を運搬する車両に乗車予定の1以上の従業員の中から、前記条件を満たす属性を有する少なくとも1人の従業員を特定することと、
前記少なくとも1人の従業員が所持する携帯端末に、前記荷物の積載又は荷下ろしの依頼を通知することと、
を実行させる、プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムであって、
前記荷物の積載又は荷下ろしの依頼を通知することは、更に前記1以上の従業員の携帯端末に、前記荷物を積載する停留所、積載する時間、荷下ろしをする停留所、荷下ろしする時間を含む前記荷物の運搬計画を通知する、プログラム。
【請求項17】
請求項15又は16に記載のプログラムであって、
前記1以上の従業員が前記依頼に対して応諾した場合、前記1以上の従業員の少なくとも1人を、前記荷物を前記車両に積載し又は前記車両から荷下ろしを担当する従業員に決定することを更に実行させる、プログラム。
【請求項18】
請求項17に記載のプログラムであって、
前記車両から、前記荷物の積載又は荷下ろしを完了した従業員の社員証に記憶された情報を受信することと、
前記情報を取得すると、前記担当する従業員が前記荷物の積載又は荷下ろしを完了したと判定することと、
を更に実行させる、プログラム。
【請求項19】
請求項15又は16に記載のプログラムであって、
前記従業員の属性は、それぞれの所属部署、職責、担当業務、年齢、健康状態、及び前記荷物である設備若しくは部材の取扱経験のうち少なくとも1つを含む、プログラム。
【請求項20】
請求項15又は16に記載のプログラムであって、
前記荷物の情報は、前記荷物である設備若しくは部材の構成、取扱情報、容量、重量、安全データシート、前記荷物を集荷する場所、集荷する時間、前記積載する停留所、前記積載する時間、前記荷下ろしをする停留所、前記荷下ろしをする時間、配達する場所、及び配達する時間のうち少なくとも1つを含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貨客混載で人と物とを運搬する技術が知られている。例えば、特許文献1には、荷物の配送を行う自律走行車両の空きスペースにユーザを乗車させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
貨客混載で人と物とを運搬する技術には改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、貨客混載で人と物とを運搬する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
荷物の積載又は荷下ろしを管理する情報処理装置であって、
工場の敷地内を走行する車両により運搬される前記荷物の情報と、前記工場に勤務する各従業員の属性と、を記憶する記憶部と、
前記荷物の情報に基づいて、前記荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件の設定と、前記荷物の運搬計画の策定とを行い、前記各従業員の属性と、前記荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件と、に基づいて、前記荷物を運搬する車両に乗車予定の1以上の従業員の中から、前記条件を満たす属性を有する少なくとも1人の従業員を特定する制御部と、
前記少なくとも1人の従業員が所持する携帯端末に、前記荷物の積載又は荷下ろしの依頼を通知する通信部と、
を備える。
【0007】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、
荷物の積載又は荷下ろしを管理する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
工場の敷地内を走行する車両により運搬される荷物の情報と、前記工場に勤務する各従業員の属性と、を記憶することと、
前記荷物の情報に基づいて、前記荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件の設定を行うことと、
前記荷物の情報に基づいて、前記荷物の運搬計画の策定を行うことと、
前記各従業員の属性と、前記荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件と、に基づいて、前記荷物を運搬する車両に乗車予定の1以上の従業員の中から、前記条件を満たす属性を有する少なくとも1人の従業員を特定することと、
前記少なくとも1人の従業員が所持する携帯端末に、前記荷物の積載又は荷下ろしの依頼を通知することと、
を実行する。
【0008】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
荷物の積載又は荷下ろしを管理する情報処理装置に、
工場の敷地内を走行する車両により運搬される荷物の情報と、前記工場に勤務する各従業員の属性と、を記憶することと、
前記荷物の情報に基づいて、前記荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件の設定を行うことと、
前記荷物の情報に基づいて、前記荷物の運搬計画の策定を行うことと、
前記各従業員の属性と、前記荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件と、に基づいて、前記荷物を運搬する車両に乗車予定の1以上の従業員の中から、前記条件を満たす属性を有する少なくとも1人の従業員を特定することと、
前記少なくとも1人の従業員が所持する携帯端末に、前記荷物の積載又は荷下ろしの依頼を通知することと、
を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、貨客混載で人と物とを運搬する技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】情報処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図3】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0012】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の実施形態に係る情報処理システム1の概要について説明する。情報処理システム1は、車両10と、情報処理装置20と、携帯端末30と、を備える。車両10、情報処理装置20、及び携帯端末30は、例えばインターネット及び移動体通信網等を含むネットワーク2と通信可能に接続される。
【0013】
車両10は、例えば自動車であるが、これに限られず任意の車両であってもよい。自動車は、ガソリン車、BEV(Battery Electric Vehicle)、HEV(Hybrid Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、又はFCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)等であるが、これらに限られない。情報処理システム1が備える車両10の数は、任意に定められてもよい。
【0014】
本実施形態において車両10は、予め設定された工場の敷地内を走行する。この工場の敷地には、従業員が勤務する事務所、及び工場等の建屋がある。車両10は、工場の敷地内以外の任意の場所を走行してもよい。ただし、本実施形態では、車両10は、工場の敷地内の予め設定されたルートを巡回する。車両10が巡回するルートは、少なくとも1つの停留所40(例えば、40A,40B)を含む。
【0015】
車両10は、貨客混載で人と物とを運搬可能である。つまり、車両10は、従業員3と荷物4とを一緒に運搬可能である。工場に勤務する従業員は、例えば敷地内の移動手段として車両を利用可能である。例えば、従業員3は、停留所40で車両10に乗車したり、停留所40で車両10から降車したりする。車両10によって運搬される荷物4は、例えば、工場で使用される設備又は工場での生産に使用される部材等である。荷物4は、停留所40で車両10に積載されたり、停留所40で車両10から荷下ろしされたりする。
【0016】
本実施形態では、移動目的で車両10を利用する従業員3が、情報処理装置20からの依頼に応じて、乗車の際に荷物を積載したり、降車の際に荷下ろしをしたりする。例えば、従業員3は、停留所40A若しくは40Bで車両10に乗車の際に、荷物4を積載する。そして、従業員3は、停留所40B若しくは40Aで車両10から降車の際に、荷物4を荷下ろしする。
【0017】
情報処理装置20は、荷物4の積載又は荷下ろしを管理する。情報処理装置20は、例えばサーバ装置等のコンピュータである。情報処理装置20は、ネットワーク2を介して、車両10及び携帯端末30と通信可能である。
【0018】
携帯端末30は、敷地内の工場に勤務する従業員3が所持する携帯情報端末であって、情報処理装置20からの通知を受信し、情報処理装置20に対する応答を送信する。携帯端末30は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等である。携帯端末30は、ネットワーク2を介して、車両10及び情報処理装置20と通信可能である。
【0019】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。情報処理システム1を構成する情報処理装置20は、工場の敷地内を走行する車両により運搬される荷物の情報に基づいて、荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件の設定と、荷物の運搬計画の策定とを行い、各従業員の属性と、荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件とに基づいて、荷物を運搬する車両10に乗車予定の1以上の従業員の中から、条件を満たす属性を有する少なくとも1人の従業員を特定し、該従業員が所持する携帯端末30に荷物の積載又は荷下ろしの依頼を通知する。情報処理装置20は、例えば、サーバとして機能するように構成された専用のコンピュータ、汎用のパーソナルコンピュータ又はクラウドコンピューティングシステム等である。
【0020】
このように、本実施形態によれば、情報処理装置20は、荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件を設定し、該条件に基づいて、荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員を特定し、該従業員に荷物の積載又は荷下ろしを依頼することができる。したがって、荷物の積載等を行う従業員に条件を課さないで、任意の従業員に積載等を依頼する場合と比較して、条件を満たしていない従業員によって積載等が実施された結果、荷物が破損する等の不都合が発生する蓋然性が低減する点で、貨客混載で人と物とを運搬する技術が改善される。
【0021】
次に、情報処理システム1の各構成について詳細に説明する。
【0022】
(車両の構成)
図2に示すように、車両10は、入力部11と、通信部12と、測位部13と、記憶部14と、制御部15と、を備える。
【0023】
入力部11は、従業員からの入力を受け付け可能である。入力部11は、従業員からの入力を受け付け可能な少なくとも1つの入力用インタフェースを含んで構成される。入力
用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディ
スプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、バーコードリーダー、ICカードリーダー、又はマイク等である。ただし、入力用インタフェースは、これに限定されない。
【0024】
通信部12は、ネットワーク2に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)若しくは5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応するが、これらに限られない。本実施形態において、車両10は、通信部12及びネットワーク2を介して情報処理装置20と通信する。
【0025】
測位部13は、車両10の位置情報を取得する1つ以上の装置を含む。具体的には、測位部13は、例えばGPSに対応する受信機を含むが、これに限られず、任意の衛星測位システムに対応する受信機を含んでもよい。
【0026】
記憶部14は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部14に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部14は、車両10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部14は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してもよい。記憶部14に記憶された情報は、例えば通信部12を介してネットワーク2から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0027】
制御部15は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。制御部15は、車両10全体の動作を制御する。
【0028】
(情報処理装置の構成)
図2に示すように、情報処理装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、入力部24と、を備える。
【0029】
通信部21は、ネットワーク2に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、情報処理装置20は、通信部21及びネットワーク2を介して車両10と通信する。なお、情報処理装置20は、通信部21及びネットワーク2を介して、従業員が所持する携帯端末30と通信する。
【0030】
記憶部22は、1つ以上のメモリを含む。記憶部22に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、情報処理装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及び地図情報等を記憶してもよい。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワーク2から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0031】
制御部23は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部23は、情報処理装置20全体の動作を制御する。
【0032】
入力部24は、従業員からの入力を受け付け可能である。入力部24は、従業員からの入力を受け付け可能な少なくとも1つの入力用インタフェースを含んで構成される。入力
用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディ
スプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、バーコードリーダー、ICカードリーダー、又はマイク等である。ただし、入力用インタフェースは、これに限定されない。
【0033】
(携帯端末の構成)
図2に示すように、携帯端末30は、通信部31と、測位部32と、入力部33と、出力部34と、記憶部35と、制御部36と、を備える。
【0034】
通信部31は、ネットワーク2に接続可能な少なくとも1つの通信モジュールを含んで
構成される。通信モジュールは、例えば、LTE、4G又は5G等の移動体通信規格に対
応した通信モジュールである。ただし、通信モジュールは、これに限定されない。通信モ
ジュールは、任意の通信規格に対応してよい。
【0035】
測位部32は、携帯端末30の位置情報を取得可能である。測位部32は、衛星測位シ
ステムに対応する少なくとも1つの受信モジュールを含んで構成される。受信モジュール
は、例えば、GPSに対応した受信モジュールである。ただし、受信モジュールは、これ
に限定されない。受信モジュールは、任意の衛星測位システムに対応した受信モジュール
であってよい。
【0036】
入力部33は、従業員からの入力を受け付け可能である。入力部33は、従業員からの
入力を受け付け可能な少なくとも1つの入力用インタフェースを含んで構成される。入力
用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディ
スプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイク等である。ただし、入力用インタフェースは、これに限定されない。
【0037】
出力部34は、データを出力可能である。出力部34は、データを出力可能な少なくと
も1つの出力用インタフェースを含んで構成される。出力用インタフェースは、例えば、
ディスプレイ又はスピーカ等である。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディ
スプレイ等である。ただし、出力用インタフェースは、これに限定されない。
【0038】
記憶部35は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なく
とも1つの光メモリ又はこれらのうちの少なくとも2種類の組み合わせを含んで構成され
る。半導体メモリは、例えば、RAM又はROM等である。RAMは、例えば、SRAM
又はDRAM等である。ROMは、例えば、EEPROM等である。記憶部35は、主記
憶装置、補助記憶装置又はキャッシュメモリとして機能してよい。記憶部35には、携帯端末30の動作に用いられるデータと、携帯端末30の動作によって得られたデータとが
記憶される。
【0039】
制御部36は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路又はこれらの
組み合わせを含んで構成される。プロセッサは、例えば、CPU若しくはGPU等の汎用
プロセッサ又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FP
GA又はASIC等である。制御部36は、携帯端末30の各部を制御しながら、携帯端末30の動作に関わる処理を実行する。
【0040】
携帯端末30の機能は、本実施形態に係る端末プログラムを、制御部36に相当するプ
ロセッサで実行することにより実現される。つまり、携帯端末30の機能は、ソフトウェ
アにより実現される。端末プログラムは、携帯端末30の動作をコンピュータに実行させ
ることにより、コンピュータを携帯端末30として機能させる。つまり、コンピュータは
、端末プログラムに従って携帯端末30の動作を実行することにより、携帯端末30とし
て機能する。
【0041】
携帯端末30の一部又は全ての機能が、制御部36に相当する専用回路により実現され
てもよい。つまり、携帯端末30の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現され
てもよい。
【0042】
制御部36は、携帯端末30の位置情報を測位部32によって取得する。制御部36は
、取得した携帯端末30の位置情報を、携帯端末30を所持する従業員の識別情報とともに、ネットワーク2を介して情報処理装置20に通信部31によって送信する。従業員の識別情報は、従業員を一意に識別可能な情報である。制御部36は、予め設定された時間間隔で、携帯端末30の位置情報を取得し、取得した携帯端末30の位置情報を従業員の識別情報とともに情報処理装置20に送信してよい。当該時間間隔は、携帯端末30が移動する平均速度等に基づいて設定されてよい。
【0043】
(情報処理装置20の動作フロー)
図3を参照して、本実施形態に係る情報処理装置20の動作を説明する。
【0044】
ステップS101:情報処理装置20の記憶部22は、工場に勤務する各従業員の属性を記憶する。
【0045】
従業員の属性は、それぞれの所属部署、職責、担当業務、年齢、健康状態、及び車両により運搬される荷物となる設備若しくは部材の取扱経験のうち少なくとも1つを含む。所属部署、職責、及び担当業務は、各従業員が運搬される荷物に業務上関係する立場にあるか否かを判定する際に参照される。年齢及び健康状態は、各従業員が荷物を運搬する身体的能力を有しているか否かを判定する際に参照される。設備若しくは部材の取扱経験は、該設備若しくは部材の取り扱いに専門的知識、資格、経験等を有していないと、法令上取り扱いができない、設備を破損させるおそれがある、若しくは取り扱い上危険を伴うといった場合に、各従業員が設備若しくは部材の取り扱いを適切に行い得るか否かを判定する際に参照される。
【0046】
ステップS102:情報処理装置20の記憶部22は、工場の敷地内を走行する車両10により運搬される荷物の情報を記憶する。
【0047】
荷物の情報は、設備若しくは部材の構成、取扱情報、容量、重量、安全データシート、荷物を集荷する場所、集荷する時間、積載する停留所、積載する時間、荷下ろしする停留所、荷下ろしする時間、配達する場所、及び配達する時間のうち少なくとも1つを含む。設備若しくは部材の構成、取扱情報、容量、重量、及び安全データシートは、後述するステップS103において、荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件を設定する際に参照される。積載停留所、積載時間、荷下ろしする停留所、及び荷下ろし時間は、後述するステップS104において、荷物の運搬計画を策定する際に参照される。集荷場所、集荷時間、配達場所、及び配達時間の用途は、後述する。
【0048】
ステップS103:情報処理装置20の制御部23は、荷物の情報に基づいて、荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件を設定する。
【0049】
詳細には、制御部23は、記憶部22に記憶された荷物の情報を参照して、その荷物を車両に積載し又は荷下ろしする従業員に要求される条件を設定する。例えば、設備若しくは部材の構成、及び取扱情報、従業員の所属部署、職責、担当業務等の条件が絞り込まれる。一例として、設備若しくは部材の取扱いが許可されている特定の部署が取扱情報に示されている場合、当該特定の部署に所属していること、という条件が設定されてもよい。また、容量、及び重量から、従業員の身体能力の条件が絞り込まれる。さらに、安全データシートから、従業員に必要とされる専門的知識、資格、経験等の条件が絞り込まれる。かかる荷物の情報に基づいて絞り込まれた条件が、当該荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件として設定される。荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件には、設備若しくは部材の取扱経験があるという条件を少なくとも含むことができる。設備若しくは部材の取扱経験は、従業員の安全及び設備若しくは部材の破損を回避する上で重要な条件だからである。
【0050】
ステップS104:情報処理装置20の制御部23は、荷物の情報に基づいて、荷物の運搬計画を策定する。
【0051】
荷物の情報は、荷物を積載する停留所、積載する時間、荷下ろしをする停留所、荷下ろしをする時間を含む。かかる情報に基づいて、荷物を積載する停留所、荷物を積載する車両、積載する時間、荷下ろしをする停留所、荷下ろし時間を含む荷物の運搬計画が策定される。
【0052】
ステップS105:情報処理装置20の制御部23は、各従業員の属性と、荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件と、に基づいて、運搬計画が策定された荷物を運搬する車両に乗車予定の1以上の従業員の中から、荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件を満たす属性を有する少なくとも1人の従業員を特定する。
【0053】
工場に勤務する従業員の属性、及び担当可能な従業員の条件に基づいて、荷物を積載又は荷下ろしする条件を満たす1以上の従業員が特定される。なお、特定される従業員が運搬計画に記載された車両に、所定の時間に所定の停留所から乗車することが前提条件となる。
【0054】
ステップS106:情報処理装置20の通信部21は、1以上の従業員が所持する携帯端末30に、荷物を積載する停留所、積載する時間、荷下ろしをする停留所、荷下ろしする時間を含む荷物の運搬計画を含む、荷物の積載又は荷下ろしの依頼を通知する。
【0055】
情報処理装置20は、ネットワーク2を経由して、1以上の従業員の所持する携帯端末30に、荷物の運搬計画を通知して、所定の時刻に、所定の停留所で、所定の車両に荷物を積載し、又は所定の時刻に、所定の停留所で、所定の車両から荷物の荷下ろしをする旨の依頼を通知する。情報処理装置20は、該1以上の従業員に、荷物の積載及び荷下ろしの両方を依頼してもよい良い。
【0056】
ステップS107:情報処理装置20の制御部23は、1以上の従業員の少なくとも1人が依頼に対して応諾したか否かを確認する。
【0057】
依頼を通知された従業員は、所定の時間に、所定の停留所で荷物の積載又は荷下ろしを担当することができるか否かを検討し、所持する携帯端末30からネットワーク2を介して、情報処理装置20の通信部21へ応諾又は辞退をする旨を応答する。制御部23は、1以上の従業員のそれぞれが依頼に対して応諾したか否かを確認する。1以上の従業員の少なくとも1人が依頼に対して応諾した場合、ステップS109へ進む。一方、1以上の従業員の全員が依頼に対して辞退をした場合、ステップS103へ戻り、荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件の見直しを行う。
【0058】
ステップS108:情報処理装置20の制御部23は、1以上の従業員が依頼に対して応諾した場合、応諾した1以上の従業員の少なくとも1人を、荷物を車両に積載し又は車両から荷下ろしする従業員(以下、担当従業員という。)を決定する。
【0059】
制御部23は、依頼に対して応諾した従業員の中から1人を担当従業員に決定する。制御部23は、運搬する荷物の容量、重量、又は安全性等に基づいて、2以上の従業員を担当従業員に決定してもよい。制御部23は、通信部21を介して、担当従業員に決定を通知する。
【0060】
ステップS109:情報処理装置20の通信部21は、車両10から、ネットワーク2を介して、荷物の積載又は荷下ろしを完了した従業員の社員証に記憶された情報を受信する。
【0061】
担当従業員は、所定の停留所で車両10へ荷物の積載を完了した際、又は所定の停留所へ荷物の荷下ろしを完了した際、入力部11を操作して、社員証に記憶された情報を車両10が備える入力部11に読み込ませる。入力部11の操作とは、荷物の積載を完了した際、又は荷物の荷下ろしを完了した際に物理キーを押下し、又はタッチスクリーン上のアイコンをタップすること等である。所定の操作を行うと、入力部11は社員証の読取りを求める。社員証に印刷されたバーコード又は社員証に埋め込まれたICチップには、従業員それぞれの所属部署、職責、担当業務等を含む属性の情報が記憶されている。入力部11は、従業員からの入力を受け付け可能な少なくとも1つの入力用インタフェースを含んで構成されている。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、バーコードリーダー、ICカードリーダー、マイク等である。入力部11は、従業員の社員証に記憶された属性の情報をバーコードリーダー、ICカードリーダー等により読み込んでもよい。また、入力部11は、従業員の発した音声による属性の情報をマイク等で収音してもよい。車両10の制御部15は、担当業務を完了した従業員が所定の操作を行って入力した社員証に記憶された情報を通信部12及びネットワーク2を介して、情報処理装置20の通信部21へ送信する。
【0062】
ステップS110:情報処理装置20の制御部23は、荷物の積載又は荷下ろしを担当従業員の社員証に記憶された情報を取得すると、担当従業員が荷物の積載又は荷下ろしを完了したと判定する。
【0063】
情報処理装置20は、制御部23が担当従業員による荷物の積載又は荷下ろしを完了したと判定すると、荷物の積載又は荷下ろしに対する処理を終了する。
【0064】
以上述べたように、本実施形態に係る情報処理装置20は、工場の敷地内を走行する車両により運搬される荷物の情報に基づいて、荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件の設定と、荷物の運搬計画の策定とを行い、各従業員の属性と、荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件とに基づいて、荷物を運搬する車両10に乗車予定の1以上の従業員の中から、条件を満たす属性を有する少なくとも1人の従業員を特定し、該従業員が所持する携帯端末30に荷物の積載又は荷下ろしの依頼を通知する。
【0065】
かかる構成によれば、情報処理装置20は、荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件を設定し、該条件に基づいて、荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員を特定し、該従業員に荷物の積載又は荷下ろしを依頼することができる。したがって、荷物を積載等する従業員に条件を課さないで、任意の従業員に積載等を依頼する場合と比較して、条件を満たしていない従業員によって積載等が実施された結果、荷物が破損する等の不都合が発生する蓋然性が低減する点で、貨客混載で人と物とを運搬する技術が改善される。
【0066】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0067】
例えば、上述した実施形態において、情報処理装置20の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた実施形態も可能である。また例えば、情報処理装置20の一部又は全部の構成要素を車両10に設けた実施形態も可能である。例えば、車両10に搭載されるナビゲーション装置が、情報処理装置20の一部又は全部の構成要素を備えてもよい。
【0068】
また、例えば汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る情報処理装置20として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る情報処理装置20の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【0069】
また、上述した実施形態において、従業員が荷物を一の停留所(例えば停留所40A)で車両に積載し、他の停留所(例えば停留所40B)で車両から荷下ろしする、つまり、荷物が、停留所40Aと停留所40Bとの間を運搬される例を説明してきた。しかし、従業員は、敷地内の建屋にある荷物を集荷し、一の停留所まで運搬して車両に積載してもよい。また、従業員は、他の停留所において荷下ろしされた荷物を、配達先の建屋まで運搬してもよい。特定の荷物の取り扱い、あるいは搬送に専門的知識、資格、又は経験等が要求される場合、特定の属性を有する従業員が搬送することが適切だからである。
【0070】
かかる場合、情報処理装置20の制御部23は、荷物を積載する停留所、積載する時間、荷下ろしをする停留所、荷下ろしする時間に加え、荷物を集荷する場所、集荷する時間、荷物を配達する場所、及び配達する時間を含めた荷物の運搬計画を策定してもよい。また、通信部21は、制御部23により特定された、1以上の従業員が所持する携帯端末30に、荷物の集荷又は配達の依頼を通知してもよい。
【0071】
荷物を集荷する場所及び配達する場所の情報は、地図情報であってもよい。従業員の所持する携帯端末30は、衛星測位システムに対応する少なくとも1つの受信モジュール(例えばGPSに対応した受信モジュール)を含んで構成される。したがって、従業員は、情報処理装置20から受信した地図情報を用いて、集荷時間及び配達時間に配慮しながら、集荷する場所から、車両10への積載及び車両10からの荷下ろしを含めて、配達する場所まで荷物を運搬することが可能となる。
【0072】
上述したように、情報処理装置20の構成及び動作は、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させてもよい。情報処理装置20の入力部24は、従業員からの入力を受け付け可能な少なくとも1つの入力用インタフェースを含んで構成されていてもよい。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、バーコードリーダー、ICカードリーダー、又はマイク等である。従業員は、集荷又は配達を完了した際、集荷場所若しくは配達場所の建屋に設置されている情報処理装置20の入力部24に所定の操作を行って、社員証に記憶された情報を、入力部24に読み込ませてもよい。所定の操作とは、荷物の積載を完了した際、又は荷物の荷下ろしを完了した際に、物理キーを押下し、又はタッチスクリーン上のアイコンをタップすること等である。所定の操作を行うと、入力部64は社員証の読取りを求める。社員証に印刷されたバーコード又は社員証に埋め込まれたICチップには、従業員それぞれの所属部署、職責、担当業務等を含む属性の情報が記憶されている。また、入力部24は、従業員の発した音声による属性の情報をマイク等で収音してもよい。情報処理装置20の制御部23は、担当業務を完了した従業員が所定の操作を行って入力した社員証に記憶された情報を入力部24から取得すると、担当する従業員が荷物の集荷又は配達を完了したと判定する。
【0073】
以下に本開示の実施形態の一部について例示する。しかしながら、本開示の実施形態はこれらに限定されない点に留意されたい。
[付記1]
荷物の積載又は荷下ろしを管理する情報処理装置であって、
工場の敷地内を走行する車両により運搬される前記荷物の情報と、前記工場に勤務する各従業員の属性と、を記憶する記憶部と、
前記荷物の情報に基づいて、前記荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件の設定と、前記荷物の運搬計画の策定とを行い、前記各従業員の属性と、前記荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件と、に基づいて、前記荷物を運搬する車両に乗車予定の1以上の従業員の中から、前記条件を満たす属性を有する少なくとも1人の従業員を特定する制御部と、
前記少なくとも1人の従業員が所持する携帯端末に、前記荷物の積載又は荷下ろしの依頼を通知する通信部と、
を備える情報処理装置。
[付記2]
付記1に記載の情報処理装置であって、
前記通信部は、前記荷物の積載又は荷下ろしの依頼を通知する際に、前記1以上の従業員の携帯端末に、前記荷物を積載する停留所、積載する時間、荷下ろしをする停留所、荷下ろしする時間を含む前記荷物の運搬計画を通知する、情報処理装置。
[付記3]
付記1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記1以上の従業員が前記依頼に対して応諾した場合、前記1以上の従業員の少なくとも1人を、前記荷物を前記車両に積載し又は前記車両から荷下ろしを担当する従業員に決定する、情報処理装置。
[付記4]
付記3に記載の情報処理装置であって、
前記通信部は、前記車両から、前記荷物の積載又は荷下ろしを完了した従業員の社員証に記憶された情報を受信し、
前記制御部は、前記情報を取得すると、前記担当する従業員が前記荷物の積載又は荷下ろしを完了したと判定する、情報処理装置。
[付記5]
付記1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記従業員の属性は、それぞれの所属部署、職責、担当業務、年齢、健康状態、及び前記荷物である設備若しくは部材の取扱経験のうち少なくとも1つを含む、情報処理装置。
[付記6]
付記1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記荷物の情報は、前記荷物である設備若しくは部材の構成、取扱情報、容量、重量、安全データシート、前記荷物を集荷する場所、集荷する時間、前記積載する停留所、前記積載する時間、前記荷下ろしをする停留所、前記荷下ろしをする時間、配達する場所、及び配達する時間のうち少なくとも1つを含む、情報処理装置。
[付記7]
付記1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記条件は、前記荷物である設備若しくは部材の取扱経験があるという条件を少なくとも含む、情報処理装置。
[付記8]
荷物の積載又は荷下ろしを管理する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
工場の敷地内を走行する車両により運搬される荷物の情報と、前記工場に勤務する各従業員の属性と、を記憶することと、
前記荷物の情報に基づいて、前記荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件の設定を行うことと、
前記荷物の情報に基づいて、前記荷物の運搬計画の策定を行うことと、
前記各従業員の属性と、前記荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件と、に基づいて、前記荷物を運搬する車両に乗車予定の1以上の従業員の中から、前記条件を満たす属性を有する少なくとも1人の従業員を特定することと、
前記少なくとも1人の従業員が所持する携帯端末に、前記荷物の積載又は荷下ろしの依頼を通知することと、
を実行する、情報処理方法。
[付記9]
付記8に記載の情報処理方法であって、
前記荷物の積載又は荷下ろしの依頼を通知することは、更に前記1以上の従業員の携帯端末に、前記荷物を積載する停留所、積載する時間、荷下ろしをする停留所、荷下ろしする時間を含む前記荷物の運搬計画を通知する、情報処理方法。
[付記10]
付記8又は9に記載の情報処理方法であって、
前記1以上の従業員が前記依頼に対して応諾した場合、前記1以上の従業員の少なくとも1人を、前記荷物を前記車両に積載し又は前記車両から荷下ろしを担当する従業員に決定することを更に実行する、情報処理方法。
[付記11]
付記10に記載の情報処理方法であって、
前記車両から、前記荷物の積載又は荷下ろしを完了した従業員の社員証に記憶された情報を受信することと、
前記情報を取得すると、前記担当する従業員が前記荷物の積載又は荷下ろしを完了したと判定することと、
を更に実行する、情報処理方法。
[付記12]
付記8から11のいずれか一項に記載の情報処理方法であって、
前記従業員の属性は、それぞれの所属部署、職責、担当業務、年齢、健康状態、及び前記荷物である設備若しくは部材の取扱経験のうち少なくとも1つを含む、情報処理方法。
[付記13]
付記8から12のいずれか一項に記載の情報処理方法であって、
前記荷物の情報は、前記荷物である設備若しくは部材の構成、取扱情報、容量、重量、安全データシート、前記荷物を集荷する場所、集荷する時間、前記積載する停留所、前記積載する時間、前記荷下ろしをする停留所、前記荷下ろしをする時間、配達する場所、及び配達する時間のうち少なくとも1つを含む、情報処理方法。
[付記14]
付記8から13のいずれか一項に記載の情報処理方法であって、
前記条件は、前記荷物である設備若しくは部材の取扱経験があるという条件を少なくとも含む、情報処理方法。
[付記15]
荷物の積載又は荷下ろしを管理する情報処理装置に、
工場の敷地内を走行する車両により運搬される荷物の情報と、前記工場に勤務する各従業員の属性と、を記憶することと、
前記荷物の情報に基づいて、前記荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件の設定を行うことと、
前記荷物の情報に基づいて、前記荷物の運搬計画の策定を行うことと、
前記各従業員の属性と、前記荷物の積載又は荷下ろしを担当可能な従業員の条件と、に基づいて、前記荷物を運搬する車両に乗車予定の1以上の従業員の中から、前記条件を満たす属性を有する少なくとも1人の従業員を特定することと、
前記少なくとも1人の従業員が所持する携帯端末に、前記荷物の積載又は荷下ろしの依頼を通知することと、
を実行させる、プログラム。
[付記16]
付記15に記載のプログラムであって、
前記荷物の積載又は荷下ろしの依頼を通知することは、更に前記1以上の従業員の携帯端末に、前記荷物を積載する停留所、積載する時間、荷下ろしをする停留所、荷下ろしする時間を含む前記荷物の運搬計画を通知する、プログラム。
[付記17]
付記15又は16に記載のプログラムであって、
前記1以上の従業員が前記依頼に対して応諾した場合、前記1以上の従業員の少なくとも1人を、前記荷物を前記車両に積載し又は前記車両から荷下ろしを担当する従業員に決定することを更に実行させる、プログラム。
[付記18]
付記17に記載のプログラムであって、
前記車両から、前記荷物の積載又は荷下ろしを完了した従業員の社員証に記憶された情報を受信することと、
前記情報を取得すると、前記担当する従業員が前記荷物の積載又は荷下ろしを完了したと判定することと、
を更に実行させる、プログラム。
[付記19]
付記15から18のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記従業員の属性は、それぞれの所属部署、職責、担当業務、年齢、健康状態、及び前記荷物である設備若しくは部材の取扱経験のうち少なくとも1つを含む、プログラム。
[付記20]
付記15から19のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記荷物の情報は、前記荷物である設備若しくは部材の構成、取扱情報、容量、重量、安全データシート、前記荷物を集荷する場所、集荷する時間、前記積載する停留所、前記積載する時間、前記荷下ろしをする停留所、前記荷下ろしをする時間、配達する場所、及び配達する時間のうち少なくとも1つを含む、プログラム。
【符号の説明】
【0074】
1 情報処理システム
2 ネットワーク
3,3A,3B 従業員
4,4A,4B 荷物
10,10A,10B,10C 車両
11 入力部
12 通信部
13 測位部
14 記憶部
15 制御部
20 情報処理装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
30 携帯端末
31 通信部
32 測位部
33 入力部
34 出力部
35 記憶部
36 制御部
40,40A,40B 停留所