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特許7601088インクジェットヘッド及びインクジェットヘッドの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】インクジェットヘッド及びインクジェットヘッドの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/14 20060101AFI20241210BHJP
   B41J 2/16 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
B41J2/14 607
B41J2/14 613
B41J2/14 305
B41J2/16 307
B41J2/16 301
B41J2/16 507
B41J2/16 517
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022507971
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(86)【国際出願番号】 JP2020012361
(87)【国際公開番号】W WO2021186682
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 晃治
(72)【発明者】
【氏名】江口 秀幸
【審査官】高松 大治
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-051079(JP,A)
【文献】特開2008-030334(JP,A)
【文献】特開2008-143160(JP,A)
【文献】特開2007-237525(JP,A)
【文献】特開平10-071722(JP,A)
【文献】特開2017-064972(JP,A)
【文献】特開2017-080946(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出する複数のノズル孔を有するノズル板と、
前記複数のノズル孔に各々連通する複数のインク室を分離する隔壁部と、
前記複数のインク室の一面をなす振動板と、
前記振動板の前記複数のインク室の外側にそれぞれ接する圧電素子と、
を備え、
前記隔壁部の前記インク室の壁面が前記振動板と接する位置の所定の基準位置からのずれ量は、前記複数のインク室の基準幅に対して1.0%以下であり、
前記ノズル板は、前記インク室の前記振動板と対向する面をなし、
前記隔壁部は金属であり、
前記インク室は、前記ノズル板の側から前記振動板の側への高さ方向に、当該高さ方向に垂直な断面視での形状が一様かつ前記断面視でサイズ又は形状が互いに異なる複数の領域を有し、
前記複数の領域は、最も前記振動板の側の領域の高さが最小である、
インクジェットヘッド。
【請求項2】
前記金属には、少なくともニッケルが含まれる請求項記載のインクジェットヘッド。
【請求項3】
前記隔壁部は、電気めっき厚膜である請求項1又は2記載のインクジェットヘッド。
【請求項4】
基板上に、第1導電膜と、圧電体膜と、複数のインク室にそれぞれ応じた開口部分を有する絶縁パターンと、第2導電膜を含む振動板層とを順番に形成する第1形成ステップ、
前記基板に垂直な方向から見た平面視で、前記開口部分の内側に第1めっきレジストパターンにより第1領域を規定し、規定された前記第1領域上を少なくとも一部含む範囲に第2めっきレジストパターンにより第2領域を規定して、前記第1領域及び前記第2領域をそれぞれ含む前記複数のインク室の間を隔てる隔壁部をめっきにより形成する第2形成ステップ、
前記基板を除去した後、前記第1導電膜及び前記圧電体膜をそれぞれパターンエッチングして、前記複数のインク室に応じた圧電素子を形成する第3形成ステップ、
を含む、インクジェットヘッドの製造方法。
【請求項5】
前記第2形成ステップでは、規定された前記第1領域の周囲に前記隔壁部の第1層を形
成した後、規定された前記第2領域の周囲に前記隔壁部の第2層を形成する、請求項記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項6】
前記第2形成ステップでは、前記第1めっきレジストパターンの範囲が露光されたネガ型の第1レジスト膜上にネガ型の第2レジスト膜を形成し、平面視で前記第1めっきレジストパターンの範囲に内包される範囲を前記第2めっきレジストパターンの範囲として露光し、現像された前記第1めっきレジストパターン及び前記第2めっきレジストパターンのいずれにも被覆されていない部分に対して前記隔壁部を形成する、請求項記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項7】
前記第2形成ステップでは、前記第1めっきレジストパターンの範囲を残して露光されたポジ型の第1レジスト膜上にポジ型の第2レジスト膜を形成し、平面視で前記第1めっきレジストパターンの範囲を内包する範囲を前記第2めっきレジストパターンの範囲として残して前記第2レジスト膜を露光し、現像された前記第1めっきレジストパターン及び前記第2めっきレジストパターンのいずれにも被覆されていない部分に対して前記隔壁部を形成する、請求項記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項8】
前記第1めっきレジストパターン及び前記第2めっきレジストパターンは、ドライフィルムレジストにより形成される、請求項4~7のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、インクジェットヘッド及びインクジェットヘッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多数のノズルを有し、各々インクを吐出させるインクジェットヘッドがある。ノズルに連通する圧力室に貯留されたインクに対し、圧力変動を付与することでインクを射出する。インクジェットヘッドとしては、圧力室の壁面を変形させる圧電素子を備え、当該圧電素子に対して所望の変形量に応じた電圧を印加することで、変形量に応じた分量及び速度でインクを射出させるものがある。
【0003】
吐出させるインクの速度及び分量を正確に定めるには、各部が正確に形成される必要がある。特許文献1には、複数の圧力室を区分する隔壁と、圧電素子の変形に応じて振動する振動板の隔壁との接触部分とを同一の主成分として、隔壁を電気めっき法によって形成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-045871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、隔壁を電気めっき法で形成するには、非常に大きな膜厚のレジストパターンを必要とするため、当該レジストパターンの精度を十分に得るのが難しく、インクの吐出特性がばらつきやすいという課題がある。
【0006】
この発明の目的は、より精度よく安定してインクを吐出させることができるインクジェットヘッド及びインクジェットヘッドの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
インクを吐出する複数のノズル孔を有するノズル板と、
前記複数のノズル孔に各々連通する複数のインク室を分離する隔壁部と、
前記複数のインク室の一面をなす振動板と、
前記振動板の前記複数のインク室の外側にそれぞれ接する圧電素子と、
を備え、
前記隔壁部の前記インク室の壁面が前記振動板と接する位置の所定の基準位置からのずれ量は、前記複数のインク室の基準幅に対して1.0%以下であり、
前記ノズル板は、前記インク室の前記振動板と対向する面をなし、
前記隔壁は金属であり、
前記インク室は、前記ノズル板の側から前記振動板の側への高さ方向に、当該高さ方向に垂直な断面視での形状が一様かつ前記断面視でサイズ又は形状が互いに異なる複数の領域を有し、
前記複数の領域は、最も前記振動板の側の領域の高さが最小である、
インクジェットヘッドである。
【0011】
また、請求項記載の発明は、請求項記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記金属には、少なくともニッケルが含まれる。
【0012】
また、請求項記載の発明は、請求項1又は2記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記隔壁部は、電気めっき厚膜である。
【0013】
また、請求項記載の発明は、
基板上に、第1導電膜と、圧電体膜と、複数のインク室にそれぞれ応じた開口部分を有する絶縁パターンと、第2導電膜を含む振動板層とを順番に形成する第1形成ステップ、
前記基板に垂直な方向から見た平面視で、前記開口部分の内側に第1めっきレジストパターンにより第1領域を規定し、規定された前記第1領域上を少なくとも一部含む範囲に第2めっきレジストパターンにより第2領域を規定して、前記第1領域及び前記第2領域をそれぞれ含む前記複数のインク室の間を隔てる隔壁部をめっきにより形成する第2形成ステップ、
前記基板を除去した後、前記第1導電膜及び前記圧電体膜をそれぞれパターンエッチングして、前記複数のインク室に応じた圧電素子を形成する第3形成ステップ、
を含む、インクジェットヘッドの製造方法である。
【0014】
また、請求項記載の発明は、請求項記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記第2形成ステップでは、規定された前記第1領域の周囲に前記隔壁部の第1層を形成した後、規定された前記第2領域の周囲に前記隔壁部の第2層を形成する。
【0015】
また、請求項記載の発明は、請求項記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記第2形成ステップでは、前記第1めっきレジストパターンの範囲が露光されたネガ型の第1レジスト膜上にネガ型の第2レジスト膜を形成し、平面視で前記第1めっきレジストパターンの範囲に内包される範囲を前記第2めっきレジストパターンの範囲として露光し、現像された前記第1めっきレジストパターン及び前記第2めっきレジストパターンのいずれにも被覆されていない部分に対して前記隔壁部を形成する。
【0016】
また、請求項記載の発明は、請求項記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記第2形成ステップでは、前記第1めっきレジストパターンの範囲を残して露光されたポジ型の第1レジスト膜上にポジ型の第2レジスト膜を形成し、平面視で前記第1めっきレジストパターンの範囲を内包する範囲を前記第2めっきレジストパターンの範囲として残して前記第2レジスト膜を露光し、現像された前記第1めっきレジストパターン及び前記第2めっきレジストパターンのいずれにも被覆されていない部分に対して前記隔壁部を形成する。
【0017】
また、請求項記載の発明は、請求項4~7のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記第1めっきレジストパターン及び前記第2めっきレジストパターンは、ドライフィルムレジストにより形成される。
【発明の効果】
【0018】
本発明に従うと、インクジェットヘッドからより精度よく安定してインクを吐出させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態のインクジェットヘッドの構造を示す断面図である。
図2A】隔壁部と振動板との境界部分について説明する図である。
図2B】隔壁部と振動板との境界部分について説明する図である。
図2C】隔壁部と振動板との境界部分について説明する図である。
図3A】インクジェットヘッドの製造工程を示す断面図である。
図3B】インクジェットヘッドの製造工程を示す断面図である。
図3C】インクジェットヘッドの製造工程を示す断面図である。
図4A】インクジェットヘッドの製造工程を示す断面図である。
図4B】インクジェットヘッドの製造工程を示す断面図である。
図4C】インクジェットヘッドの製造工程を示す断面図である。
図4D】インクジェットヘッドの製造工程を示す断面図である。
図5A】インクジェットヘッドの製造工程を示す断面図である。
図5B】インクジェットヘッドの製造工程を示す断面図である。
図5C】インクジェットヘッドの製造工程を示す断面図である。
図5D】インクジェットヘッドの製造工程を示す断面図である。
図6A】インクジェットヘッドの製造工程を示す断面図である。
図6B】インクジェットヘッドの製造工程を示す断面図である。
図6C】インクジェットヘッドの製造工程を示す断面図である。
図7A】インクジェットヘッドの製造工程を示す断面図である。
図7B】インクジェットヘッドの製造工程を示す断面図である。
図8A】インクジェットヘッドの製造方法の一部の変形例1を示す断面図である。
図8B】インクジェットヘッドの製造方法の一部の変形例1を示す断面図である。
図8C】インクジェットヘッドの製造方法の一部の変形例1を示す断面図である。
図8D】インクジェットヘッドの製造方法の一部の変形例1を示す断面図である。
図9A】インクジェットヘッドの製造方法の一部の変形例1を示す断面図である。
図9B】インクジェットヘッドの製造方法の一部の変形例1を示す断面図である。
図9C】インクジェットヘッドの製造方法の一部の変形例1を示す断面図である。
図10A】インクジェットヘッドの製造方法の一部の変形例2を示す断面図である。
図10B】インクジェットヘッドの製造方法の一部の変形例2を示す断面図である。
図10C】インクジェットヘッドの製造方法の一部の変形例2を示す断面図である。
図10D】インクジェットヘッドの製造方法の一部の変形例2を示す断面図である。
図11A】インクジェットヘッドの製造方法の一部の変形例2を示す断面図である。
図11B】インクジェットヘッドの製造方法の一部の変形例2を示す断面図である。
図11C】インクジェットヘッドの製造方法の一部の変形例2を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態のインクジェットヘッド100の構造を示す断面図である。なお、ここでは、1つのノズル孔21に対応する部分のみを示すが、インクジェットヘッド100は、複数のノズル孔21を有し、適宜な配置間隔及び配列パターンで並んでいる。
【0021】
インクジェットヘッド100は、圧電素子11と、絶縁パターン13と、振動板14と、隔壁部15と、保護膜16と、ノズル板20などを備える。
【0022】
ノズル板20は、インクを吐出するノズル孔21を有する。ノズル板20の材質は、例えば、ニッケル(Ni)であるが、これに限られない。例えば、SUS、シリコン(Si)基板、又はSOI(Silicon On Insulator)基板などであってもよい。
【0023】
振動板14、隔壁部15及びノズル板20で囲まれる範囲が圧力室155(インク室)をなす。以下では、図1に合わせて振動板14が圧力室155の上面(一面)、ノズル板20が圧力室155の下面、隔壁部15が圧力室155の側面として説明する。各圧力室155は、ノズル板20のいずれかのノズル孔21に連通する。また、図1の断面に垂直な方向には、図示略のインク流路があり、圧力室155に連通している。振動板14が図1の上下方向に振動することで、圧力室155内のインクに圧力変動を付与する。
【0024】
隔壁部15は、複数の圧力室155を各々分離する。ここでは、隔壁部15は、金属であり、例えば、Niめっき層である。あるいは、隔壁部15は、Niとコバルト(Co)、プラチナ(Pt)、又は鉄(Fe)などとの合金であってもよい。これらによる隔壁部15は、例えば、電気めっき厚膜である。また、隔壁部15は、圧力室155のサイズ又は形状、ここでは、図1の左右方向についての幅が互いに異なる複数(ここでは2つ)の領域が、上下方向(高さ方向)に重なった形状である。ここでは、圧力室155の振動板14の側(上側)の第1領域1551が狭く(隔壁部15の第1層151の隙間が狭く)、ノズル板20の側(下側)の第2領域1552が広く(隔壁部15の第2層152の隙間が広く)なっているが、これに限られない。また、第1層151(最も振動板14の側)の上下方向についての厚みは狭く(第1領域1551の厚みが最小)、第2層152の厚みは、圧力室155の必要な厚みに応じて適宜定められてよい。圧力室155の形状は、特には限られないが、第1層151及び第2層152が中心位置の等しい円柱形状であってもよい。あるいは、圧力室155は、半円柱の間に角柱部分が組み合わされた形状などであってもよい。
【0025】
振動板14は、下部電極層141と、絶縁層142と、Niシード層143とを有する積層構造である。振動板14は、圧力室155を挟んでノズル板20と対向して位置する。下部電極層141は、上部電極111とで圧電部材112を挟み込み、両電極間の電位差に応じて圧電部材112を変形させる。下部電極層141は、導電性部材であり、例えば、クロム(Cr)、チタン(Ti)、Ni、イリジウム(Ir)、プラチナ(Pt)、銅(Cu)、金(Au)などが挙げられる。下部電極層141は、複数の圧電部材112に対して共通に広がる膜状構造であり、共通の電位が印加される共通電極である。
【0026】
絶縁層142は、例えば、Siの酸化物層や各種樹脂層などであり、下部電極層141と隔壁部15とを電気的に分離する。Niシード層143は、振動板14に対して隔壁部15を後述のように電気めっきで生成する際の電極となり、隔壁部15を適切に固着させながら形成するための薄膜層である。
【0027】
振動板14は、圧電素子11(圧電部材112)の変形に応じて変形して振動を生じる。隔壁部15の剛性が大きいので、振動板14の振動は、隔壁部15の縁を節としたものとなる。
【0028】
絶縁パターン13は、振動、変形していない状態の振動板14(後述の基板50)に対して垂直にインクジェットヘッド100の上方(図1の上側)から見た平面視で、圧力室155の第1領域1551を内包する範囲に対応する開口パターンを有する。絶縁パターン13は、例えば、シリコン酸化物層(SiO)や各種樹脂層である。
【0029】
圧電素子11は、上部電極111、圧電部材112及び下部電極層141を有する。すなわち、下部電極層141は、圧電素子11及び振動板14の両方に含まれる。圧電素子11は、振動板14上(下部電極層141が境界)、すなわち、振動板14に対し、圧力室155の反対側に接する。
【0030】
圧電部材112は、上部電極111及び下部電極層141の間で印加される電圧に応じて変形する。圧電部材112としては、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などが挙げられる。圧電部材112は、絶縁パターン13の開口パターン内で、かつ平面視で圧力室155の第1領域1551に内包される範囲に各々位置している。
【0031】
上部電極111は、圧電部材112の上側面に接して各々位置する導電性部材であり、各圧電部材112に個別に電圧を印加する個別電極である。上部電極111は、平面視で圧電部材112と略同一か又は小さいサイズの相似形状であってよい。上部電極111は、例えば、IrやPtなどである。圧電部材112及び上部電極111の形状は、例えば、上記圧力室155の形状と相似かつ中心位置の等しい円板形状であってよい。
【0032】
保護膜16は、インクジェットヘッド100の圧電部材112及び上部電極111の上方及び各圧電部材112の間の領域を埋め込んで保護する。保護膜16は、例えば、樹脂などである。
【0033】
ここで、上述のように、隔壁部15の第1層151の縁が振動板14の振動の節となるので、この位置精度が低いと共振周波数などが変化して精度のよい振動が生じない。そこで、本実施形態のインクジェットヘッド100の製造方法では、隔壁部15の第1層151の縁を精度よく定める。
【0034】
図2A図2Cは、隔壁部15と振動板14との境界部分について説明する図である。
図2A及び図2Bに示すように、振動板14上の圧力室基板に厚い隔壁部15を残すようにエッチングを行う場合、隔壁部15の圧力室155の側壁(壁面)が振動板14と接触する位置(角部)まで一様な平面にならず、図2Aのように削り残しによる裾引き1501が生じたり、図2Bのように底面に沿って側壁が削りすぎとなる底括れ1502が生じたりする。その結果、振動板14の振動の両端が設計位置からずれて、振動特性、すなわちノズルごとのインク吐出特性が均一にならない。
【0035】
本実施形態のインクジェットヘッド100では、上述したように隔壁部15が2層構造となっており(図2C)、各層の厚み、特に振動板14と接する第1層151の厚みを全体の厚みと比較して薄くすることで、隔壁部15の形状、特に、角部の位置の精度を向上させる。すなわち、角部の位置の本来設計された隔壁位置n0(所定の基準位置)からのずれ量やばらつきを低下させ、これにより、両端の隔壁位置n0間の距離(基準幅)に対する両端の隔壁位置間の距離のずれ量も減少させる。
【0036】
次に、インクジェットヘッド100の製造方法について説明する。
上述のように、隔壁部15の第1層151の縁が振動板14の振動の節となるので、この位置精度が低いと共振周波数などが変化して精度のよい振動が生じない。そこで、本実施形態のインクジェットヘッド100の製造方法では、隔壁部15の第1層151の縁を精度よく定める。
【0037】
図3A図7Bは、本実施形態のインクジェットヘッド100の製造工程を示す断面図である。この断面は、図1に示したインクジェットヘッド100の断面と同一である。
【0038】
図3Aに示すように、まず、基板50上に導電体層511(第1導電膜)を形成し、次いで、導電体層511上に圧電体層512(圧電体膜)を形成する。導電体層511は、上部電極111となる部分であり、上部電極111の材料、例えば、Ir、Ptなどである。圧電体層512は、圧電部材112となる部分である。
【0039】
次に、圧電体層512上に絶縁パターン13が形成される(図3B)。上述のように絶縁パターン13は、後で圧電体層512をパターンエッチングして形成される圧電部材112を内包する位置に合うように配置される。絶縁パターン13は、周知の技術、例えば、圧電体層512上にシリコン酸化物層を形成した後、レジスト層を塗布し、開口パターンに合わせて露光及び現像して生じた開口部分のシリコン酸化物をパターンエッチングするなどにより得られてよい。または、絶縁パターン13は、感光性永久レジストを開口パターンに合わせて露光現像し、硬化することで得られてもよい。開口の縁は傾斜面となっていてもよい。これにより、この後に形成される下部電極層141、絶縁層142及びNiシード層143が連続的に形成されやすい。
【0040】
絶縁パターン13及び開口内の圧電体層512の表面に沿って、順番に下部電極層141(第2導電膜)、絶縁層142及びNiシード層143が形成される(図3C)。振動板14をなすこれら3層(まとめて、第2導電膜を含む振動板層)は、複数の絶縁パターン13の開口部分の位置をまたいで連続的な層構造であってよい。図3A図3Cが本実施形態の製造方法の第1形成ステップを構成する。
【0041】
振動板14のNiシード層143上にフォトレジスト膜631が形成される。フォトレジスト膜631には、ここでは、所定の厚さのネガ型のドライフィルムレジストが利用され、第1領域1551の高さに応じた所望の厚さになるように、複数枚が積層されてもよい。また、圧力室155の第1領域1551に合わせてマスクパターン731が定められる(図4A)。フォトレジスト膜631が露光、現像されて、露光部分が第1領域1551に対応する(規定する)第1めっきレジストパターン31として生成される(図4B)。
【0042】
第1めっきレジストパターン31が残っていない部分(第1めっきレジストパターン31の周囲)に対して隔壁部15の第1層151が形成される(図4C)。第1層151は、第1めっきレジストパターン31の厚さと同一厚さとなるように、例えば、電気めっきにより金属膜が形成される。その後、第1めっきレジストパターン31が除去される(図4D)。
【0043】
その後、第1めっきレジストパターン31が除去された部分を埋め込み、さらに、第1層151上の厚みが適宜定められたフォトレジスト膜632が形成されて、圧力室155の第2領域1552に対応する部分に合わせたマスクパターン732が定められる(図5A)。マスクパターン732の開口範囲は、マスクパターン731の開口範囲を内包(平面視で少なくとも一部を含む)する。例えば、マスクパターン732の開口範囲は、マスクパターン731の開口範囲と中心位置が等しく半径の大きい円形である。フォトレジスト膜632が露光、現像されて露光部分が第1領域1551及び第2領域1552に対応する(規定する)第2めっきレジストパターン32として生成される(図5B)。
【0044】
第2めっきレジストパターン32が残っていない部分(第2めっきレジストパターン32の周囲)に対して隔壁部15の第2層152が形成される(図5C)。第2層152は、第2めっきレジストパターン32の厚さと同一の厚さとなるように、例えば、電気めっきにより金属厚膜が形成される。ここでは、第2層152の方が第1層151よりも厚い。その後、第2めっきレジストパターン32が除去される(図5D)。これら図4A図5Dの各処理が、本実施形態の製造方法の第2形成ステップを構成し、隔壁部15が形成される。
【0045】
上記の構造物から基板50が除去される(図6A)。この図6A以降では、構造物の上下が図5Dまでと反転されている。露出された導電体層511をパターンエッチングして、各上部電極111を形成する(図6B)。上部電極111の範囲として、圧力室155の第1層部分に内包されるようにパターンエッチングが行われればよい。次いで、圧電体層512がパターンエッチングされて圧電部材112とされる。これにより、圧電素子11が得られる(図6C)。図6B及び図6Cが本実施形態の製造方法の第3形成ステップを構成する。
【0046】
上部電極111、圧電部材112及び絶縁パターン13が完全に覆われるように保護膜16が形成される(図7A)。ノズル板20が隔壁部15の第2層152に接合される(図7B)。ノズル板20の接合は、接着部材、例えば、樹脂系のものなどにより行われてよい。その後、適宜上部電極111及び下部電極層141への電気配線の接合や、図示略のインク流路へインクを供給するインク室などの接合が従来周知の技術に従って行われてよい。
【0047】
なお、上記では、図4Dで第1めっきレジストパターン31が除去されてからフォトレジスト膜632が形成されて、第2層152が形成されたが、第1めっきレジストパターン31を除去せずにフォトレジスト膜632が形成され、第2層152が形成された後に、第1めっきレジストパターン31と第2めっきレジストパターン32とがまとめて除去されてもよい。
【0048】
図8A図9Cは、インクジェットヘッドの製造方法の一部の変形例1を示す断面図である。これらの図8A図9Cは、上記実施形態の図4A図5Dの部分の変形例である。
【0049】
図8A及び図8Bは、それぞれ図4A及び図4Bと同一である。マスクパターン731によりフォトレジスト膜631(第1レジスト膜)のうち第1めっきレジストパターン31の範囲を露光した後、露光されなかった部分のフォトレジスト膜631を現像除去せずにフォトレジスト膜632(第2レジスト膜)を形成し、マスクパターン732aを定める(図8C)。この場合のマスクパターン732aの開口範囲(すなわち、第2めっきレジストパターン32の範囲)は、上記実施形態とは反対に、マスクパターン731による露光範囲(開口範囲、すなわち第1めっきレジストパターン31の範囲)より小さく、内包される。第1めっきレジストパターン31と積層した第2めっきレジストパターン32aの領域が露光される(図8D)。第1めっきレジストパターン31及び第2めっきレジストパターン32aの領域以外の非露光部分がまとめて現像除去される(図9A)。
【0050】
振動板14(Niシード層143)のうち現像された第1めっきレジストパターン31及び第2めっきレジストパターン32aのいずれにも被覆されていない部分に隔壁部15aの第1層部分と第2層部分とがまとめて形成される(図9B)。第1めっきレジストパターン31及び第2めっきレジストパターン32aが除去されて、圧力室155aが得られる(図9C)。
【0051】
図10A図11Cは、インクジェットヘッドの製造方法の一部の変形例2を示す断面図である。これらの図10A図11Cは、変形例1と同様に、上記実施形態の図4A図5Dの部分の変形例であり、ポジ型のフォトレジスト(ドライフィルムレジストなど)を利用した場合のものである。
【0052】
ポジ型のフォトレジスト膜631b(第1レジスト膜)が形成された上に、第1めっきレジストパターン31の位置を覆うようにマスクパターン731bが定められる(図10A)。マスクパターン731bに覆われた部分(第1めっきレジストパターン31の範囲)を残して露光がなされることにより、第1めっきレジストパターン31以外の範囲は、現像による除去が可能とされる(図10B)。
【0053】
露光されたフォトレジスト膜631b上に、更にフォトレジスト膜632b(第2レジスト膜)が形成され、第2めっきレジストパターン32bの位置を覆うようにマスクパターン732bが定められる(図10C)。この場合のマスクパターン732bが覆う範囲は、マスクパターン731bが覆う範囲より広く、これを内包する。マスクパターン731bが覆う範囲とマスクパターン732bが覆う範囲は、平面視で同心円状であってよい。マスクパターン732bに覆われた部分(第2めっきレジストパターン32bの範囲)を残して露光がなされることにより、第2めっきレジストパターン32b以外の範囲は、現像による除去が可能とされる(図10D)。
【0054】
第1めっきレジストパターン31及び第2めっきレジストパターン32bがまとめて現像され、露光部分のフォトレジスト膜631b、632bが除去される(図11A)。振動板14(Niシード層143)のうち第1めっきレジストパターン31及び第2めっきレジストパターン32bのいずれにも被覆されていない部分に隔壁部15bの第1層部分と第2層部分とがまとめて形成される(図11B)。第1めっきレジストパターン31及び第2めっきレジストパターン32bが除去されて、圧力室155bが形成される(図11C)。
【0055】
上記実施の形態及び両変形例のいずれでも、第1めっきレジストパターン31が従来より薄く形成されるので、隔壁部15、15a、15bの圧力室155、155a、155bの側壁と振動板14との間の角部における形状の精度が向上する。精度の向上の度合は、第1めっきレジストパターン31の厚さにもよるが、例えば、複数の圧力室155について、第1層151が振動板14に接する位置での第1領域1551の幅(円の直径)のずれを、第1領域1551の幅(円の直径)の平均値(基準幅)に対していずれも1.0%以下に低減させることができる。
【0056】
以上のように、本実施形態のインクジェットヘッド100は、インクを吐出する複数のノズル孔21を有するノズル板20と、複数のノズル孔21に各々連通する複数の圧力室155を分離する隔壁部15と、複数の圧力室155の一面をなす振動板14と、振動板14の複数の圧力室155の外側にそれぞれ接する圧電素子11と、を備える。
隔壁部15の圧力室155の側壁が振動板14と接する位置の設計された基準位置からのずれ量は、複数の圧力室155の基準幅に対して1.0%以下である。
このように、隔壁部15の側壁と振動板14が接する位置のばらつきを低減し、より精度よく振動板14の振動の両端(節)を固定することで、インクジェットヘッド100では、インクの吐出特性をより精度よく安定させ、所望のインク量及び速度のインクを吐出させることができる。特に、多数のノズルを有するインクジェットヘッドにおいて、全ノズルの構造のばらつきが低減され、これに伴って各ノズルの特性も均一に近くなるので、ばらつきの大きい初期吐出不良ノズルの発生が抑制され、また、ノズル単位での駆動調整などの手間も簡略化することができる。
【0057】
また、ノズル板20は、圧力室155の振動板14と対向する面をなし、圧力室155は、サイズ又は形状(ここでは幅)が互いに異なる複数の領域、すなわち、第1領域1551及び第2領域1552がノズル板20の側から振動板14の側への高さ方向について重なっている。これにより、圧力室155と振動板14とが接する部分を含む第1領域1551の高さを従来より小さくすることができるので、フォトリソグラフィーの精度を向上させることができ、より精度の高い第1領域1551を形成することができる。
【0058】
また、第1領域1551及び第2領域1552では、最も振動板14の側の第1領域1551の高さが最小である。すなわち、振動板14と接する第1領域1551の高さをより小さくすることで、さらにフォトリソグラフィーの精度を向上させて、正確な形状の第1領域1551を形成し、振動板14の振動を正確に定めることができる。
【0059】
また、隔壁部15は金属である。通常、金属の剛性は高いので、振動板14の振動の節として適切に機能する。
【0060】
また、金属には、少なくともニッケルが含まれる。ニッケルの剛性は高く、インクに対して安定しているので、適切に隔壁部15として用いることができる。
【0061】
また、隔壁部15は、電気めっき厚膜である。すなわち、Niなどの金属がNiシード層143と安定かつ強固に接合されている状態であるので、構造の強度を安定して保つことができる。また、接着剤などの剥離、充填不足やはみだしなどの心配がなく、精度よく振動板14の節を定めることができる。
【0062】
また、本実施形態のインクジェットヘッド100の製造方法は、基板50上に、導電体層511と、圧電体層512と、複数の圧力室155にそれぞれ応じた開口部分を有する絶縁パターン13と、下部電極層141を含む振動板14とを順番に形成する第1形成ステップ、基板50に垂直な方向から見た平面視で、絶縁パターン13の開口部分の内側に第1めっきレジストパターン31により第1領域1551を規定し、規定された第1領域1551上を少なくとも一部含む範囲に第2めっきレジストパターン32により第2領域1552を規定して、第1領域1551及び第2領域1552をそれぞれ含む複数の圧力室155の間を隔てる隔壁部15をめっきにより形成する第2形成ステップ、基板50を除去した後、導電体層511及び圧電体層512をそれぞれパターンエッチングして、複数の圧力室155に応じた圧電素子11を形成する第3形成ステップ、を含む。
このように、振動板14上に2層に分けてめっきにより隔壁部15を積層形成するので、各層、特に第1層151のフォトリソグラフィーの精度を向上させ、また、当該精度のよいフォトリソグラフィーに従った精度のよい形状で安定して、隔壁部15の特に振動板14との接合部分を形成することができる。
【0063】
また、第2形成ステップでは、規定された第1領域1551の周囲に隔壁部15の第1層151を形成した後、規定された第2領域1552の周囲に隔壁部15の第2層152を形成する。このように、同様の隔壁の形成を2回繰り返すことで容易かつ簡便により精度のよい隔壁部15を得ることができる。これにより、振動板14をより小さいばらつきで振動させて、安定したインクの吐出を行わせることができる。
【0064】
また、変形例1の製造方法において、第2形成ステップでは、第1めっきレジストパターン31の範囲が露光されたネガ型のフォトレジスト膜631上にネガ型のフォトレジスト膜632を形成し、平面視で第1めっきレジストパターン31の範囲に内包される範囲を第2めっきレジストパターン32aの範囲として露光し、現像された第1めっきレジストパターン31及び第2めっきレジストパターン32aのいずれにも被覆されていない部分に対して隔壁部15を形成する。このように、現像処理を1度にまとめても上記と同様に精度のよい隔壁部15を得ることができる。
【0065】
また、変形例2の製造方法において、第2形成ステップでは、第1めっきレジストパターン31の範囲を残して露光されたポジ型のフォトレジスト膜631b上にポジ型のフォトレジスト膜632bを形成し、平面視で第1めっきレジストパターン31の範囲を内包する範囲を第2めっきレジストパターン32bの範囲として残してフォトレジスト膜632bを露光し、現像された第1めっきレジストパターン31及び第2めっきレジストパターン32bのいずれにも被覆されていない部分に対して隔壁部15bを形成する。
このように、ポジ型のフォトレジストを利用する場合でも、変形例1と同様に現像処理を1度にまとめて手間を削減しつつ、精度のよい隔壁部15bを得ることができる。
【0066】
第1めっきレジストパターン31及び第2めっきレジストパターン32は、ドライフィルムレジストにより形成される。このように、レジストパターンを薄膜レジストを用いて形成することで、位置精度のよいレジストパターンの形成及びこれに応じた隔壁部15の形成が可能になり、振動板14の振動特性のばらつきを低減させて、安定したインク吐出を可能とすることができる。
【0067】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、第1領域1551が第2領域1552よりも薄いものといて説明したが、これに限るものではない。
【0068】
また、上記実施の形態では、圧力室155が互いに幅の異なる第1領域1551と第2領域1552とに区分されるものとして説明したが、これに限られない。インクの吐出に悪影響を及ぼさない形状であれば、3つ以上の幅の領域に区分が可能であってもよい。
【0069】
また、圧力室155の高さが十分に小さい構造である場合には、2つ以上の幅の領域に区分しなくてもよい。
【0070】
また、上記実施の形態では、各領域の中心位置が平面視で同一になるように定めることとして説明したが、これに限られない。中心位置がずれていてもよく、また、幅の小さい領域が幅の大きい領域に平面視で内包される位置関係でなくてもよい。あるいは、同サイズの領域が2つ積層されてもよい。
【0071】
また、上記実施の形態では、圧力室155の各領域が円柱形状又は半円柱と角柱とを組み合わせた形状であるものとして説明したが、その他の形状、例えば、角柱形状、角柱形状の角の少なくとも一部を丸めた形状、楕円形状などであってもよい。あるいは、圧力室155の隔壁部15が傾斜した円錐台形状などであってもよい。円錐台形状の場合、振動板14と接する部分の基準幅は、隔壁部15の傾斜に応じて振動板14と接する部分で定まる設計上の幅とされてよい。角柱や楕円などの点対称ではない形状の場合には、向きによって基準幅が異なってもよいし、基準幅が各方向の設計幅の平均値に固定されてもよい。また、実用上としては、平均的な第1層1551の側壁の位置を基準位置として、この基準位置に対する裾引きの突出量や底括れのくぼみ量などがずれ量として評価されてもよい。
【0072】
また、上記実施の形態では、電気めっきにより隔壁部15がNiシード層143上に形成されるものとして説明したが、これに限られない。無電解めっきなどの他のめっき方法で形成されてもよい。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、処理動作の内容及び手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載した発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【産業上の利用可能性】
【0073】
この発明は、インクジェットヘッド及びインクジェットヘッドの製造方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0074】
11 圧電素子
111 上部電極
112 圧電部材
13 絶縁パターン
14 振動板
141 下部電極層
142 絶縁層
143 Niシード層
15、15a、15b 隔壁部
151 第1層
152 第2層
155、155a、155b 圧力室
1501 裾引き
1502 底括れ
1551 第1領域
1552 第2領域
16 保護膜
20 ノズル板
21 ノズル孔
31、32、32a、32b レジストパターン
50 基板
100 インクジェットヘッド
511 導電体層
512 圧電体層
631、631b、632、632b フォトレジスト膜
731、731b、732、732a、732b マスクパターン
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図11C