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特許7601095ストレス対策管理装置、ストレス対策管理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】ストレス対策管理装置、ストレス対策管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20241210BHJP
【FI】
G16H20/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022531310
(86)(22)【出願日】2020-06-24
(86)【国際出願番号】 JP2020024791
(87)【国際公開番号】W WO2021260835
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】辻川 剛範
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/021361(WO,A1)
【文献】特開2009-136456(JP,A)
【文献】特開2018-181008(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0045020(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのストレスレベルを特定するためのストレス情報を取得する、ストレス情報取得部と、
ストレス対策候補を、対応する性別及び年齢と共に、予め登録する、ストレス対策候補登録部と、
前記ストレス情報から特定した前記ユーザのストレスレベルに基づいて、予め登録されている前記ストレス対策候補の中から、特定の複数のストレス対策候補を選択する、ストレス対策候補選択部と、
選択された複数の前記ストレス対策候補を提示する、ストレス対策候補提示部と、
を備え、
前記ストレス対策候補登録部は、新たなストレス対策候補の登録の依頼を受け付け、前記新たなストレス対策候補の登録の依頼元から入力された新たなストレス対策候補と、前記新たなストレス対策候補に対応するストレスレベルとを登録し、
更に、選択された前記ストレス対策候補の登録の依頼元に対して、選択の前後における前記ユーザのストレスレベルを通知し、
前記ストレス対策候補選択部は、提示される複数の前記ストレス対策候補それぞれ毎に、前記ユーザの性別及び年齢と当該ストレス対策候補に対応する性別及び年齢とを用いて、当該ストレス対策候補に対応するストレスレベルと前記ユーザのストレスレベルとの合致度を算出し、
前記ストレス対策候補提示部は、算出された前記合致度が高いほど優先度が高くなるように、選択された前記ストレス対策候補を提示する、
ことを特徴とするストレス対策管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のストレス対策管理装置であって、
前記ストレス対策候補登録部が、前記ストレス対策候補毎に重みを設定し、
前記ストレス対策候補提示部が、複数の前記ストレス対策候補が選択されている場合に、前記重みに応じて、選択された複数の前記ストレス対策候補それぞれに優先順位を設定し、優先順位に沿って、選択された前記ストレス対策候補を提示する、
ことを特徴とするストレス対策管理装置。
【請求項3】
請求項1に記載のストレス対策管理装置であって、
前記ストレス情報が、前記ユーザの生体情報を含む場合に、前記生体情報からストレスレベルを推定する、ストレスレベル推定部を更に備え、
前記ストレス対策候補選択部が、前記生体情報から推定されたストレスレベルに基づいて、特定のストレス対策候補を選択する、
ことを特徴とするストレス対策管理装置。
【請求項4】
請求項1に記載のストレス対策管理装置であって、
前記ストレス情報取得部が、更に、前記ユーザの位置を特定する位置情報を取得し、
前記ストレス対策候補登録部が、前記ストレス対策候補を、前記ストレス対策候補の利用可能エリアの情報と共に登録し、
前記ストレス対策候補選択部が、前記位置情報で特定される前記ユーザの位置と、前記ストレス対策候補それぞれの利用可能エリアとから、対応可能な前記ストレス対策候補を特定し、特定した前記ストレス対策候補の中から、前記ユーザのストレスレベルに基づいて、前記特定のストレス対策候補を選択する、
ことを特徴とするストレス対策管理装置。
【請求項5】
請求項1に記載のストレス対策管理装置であって、
前記ストレス情報取得部が、更に、前記ユーザがストレス対策を希望する時間に関する時間情報を取得し、
前記ストレス対策候補登録部が、前記ストレス対策候補を、前記ストレス対策候補を利用可能な時間の情報と共に登録し、
前記ストレス対策候補選択部が、前記時間情報で特定される前記ユーザがストレス対策を希望する時間と、前記ストレス対策候補それぞれの利用可能な時間とから、対応可能な前記ストレス対策候補を特定し、特定した前記ストレス対策候補の中から、前記ユーザのストレスレベルに基づいて、前記特定のストレス対策候補を選択する、
ことを特徴とするストレス対策管理装置。
【請求項6】
請求項1に記載のストレス対策管理装置であって、
前記ストレス対策候補登録部が、提示された前記ストレス対策候補が前記ユーザによって利用された回数を特定し、特定した前記回数に基づいて、前記ストレス対策候補の登録にかかる費用を、設定する、
ことを特徴とするストレス対策管理装置。
【請求項7】
請求項1に記載のストレス対策管理装置であって、
前記ストレス情報取得部が、サーバ装置を介して、前記ストレス情報を取得し、
前記ストレス対策候補提示部が、選択された前記ストレス対策候補を、端末装置に提示する、
ことを特徴とするストレス対策管理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する方法であって、
ユーザのストレスレベルを特定するためのストレス情報を取得するステップと
ストレス対策候補を、対応する性別及び年齢と共に、予め登録するステップと
前記ストレス情報から特定した前記ユーザのストレスレベルに基づいて、予め登録されている前記ストレス対策候補の中から、特定の複数のストレス対策候補を選択するステップと
選択された複数の前記ストレス対策候補を提示するステップと
新たなストレス対策候補の登録の依頼を受け付け、前記新たなストレス対策候補の登録の依頼元から入力された新たなストレス対策候補と、前記新たなストレス対策候補に対応するストレスレベルとを登録するステップと
選択された前記ストレス対策候補の登録の依頼元に対して、選択の前後における前記ユーザのストレスレベルを通知するステップと、を有し
記ストレス対策候補を提示するステップにおいて
提示される複数の前記ストレス対策候補それぞれ毎に、前記ユーザの性別及び年齢と当該ストレス対策候補に対応する性別及び年齢とを用いて、当該ストレス対策候補に対応するストレスレベルと前記ユーザのストレスレベルとの合致度を算出し、
算出された前記合致度が高いほど優先度が高くなるように、選択された前記ストレス対策候補を提示する、
ことを特徴とするストレス対策管理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
ユーザのストレスレベルを特定するためのストレス情報を取得させるステップと
ストレス対策候補を、対応する性別及び年齢と共に、予め登録させるステップと
前記ストレス情報から特定した前記ユーザのストレスレベルに基づいて、予め登録されている前記ストレス対策候補の中から、特定の複数のストレス対策候補を選択させるステップと
選択された複数の前記ストレス対策候補を提示させるステップと
新たなストレス対策候補の登録の依頼を受け付け、前記新たなストレス対策候補の登録の依頼元から入力された新たなストレス対策候補と、前記新たなストレス対策候補に対応するストレスレベルとを登録させるステップと
選択された前記ストレス対策候補の登録の依頼元に対して、選択の前後における前記ユーザのストレスレベルを通知させるステップと
を実行させ、
記ストレス対策候補を提示するステップにおいて
提示される複数の前記ストレス対策候補それぞれ毎に、前記ユーザの性別及び年齢と当該ストレス対策候補に対応する性別及び年齢とを用いて、当該ストレス対策候補に対応するストレスレベルと前記ユーザのストレスレベルとの合致度を算出させ、
算出された前記合致度が高いほど優先度が高くなるように、選択された前記ストレス対策候補を提示させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに対してストレス対策を提示するための、ストレス対策管理装置、及びストレス対策管理方法に関し、更には、これらを実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、少子高齢化により生産年齢人口が減少し、労働力不足が進行している。そして、このような状況下において、今まで人が行っていた仕事の一部を、ロボット又はAI(Artificial Intelligence)で置き換える試みが増加している。但し、人が行う仕事のうち、知的労働が必要となる仕事については、ロボット又はAIでの置き換えは困難である。このため、今後も、人においては、知的労働の生産性を維持、向上することが必須となる。
【0003】
ところで、人は、機械と異なり、ストレスを受けやすく、そしてストレスを受けると、その能力は低下してしまうことから、人の知的労働の生産性を維持及び向上させるためには、ストレスへの対策が必要となる。このため、特許文献1は、人のストレスの状態を評価し、評価結果に応じてストレス対策を提示する装置を開示している。
【0004】
具体的には、特許文献1に開示された装置は、ユーザがストレスに関するアンケートに対する回答を入力すると、過去の回答とそれに対する過去の対応策とに基づいて、ストレス対策として、例えば、「スポーツをする」、「マッサージに行く」、「休日出勤をしない」、「夜更かしをしない」といった対策を提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6426319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示された装置では、その構成上、過去に実績があるストレス対策の範囲でしか、ストレス対策を提示できないため、ユーザによっては、ストレス対策として不十分な場合がある。例えば、あるユーザにとっては、新しく提案又は開発されたアクティビティがストレス対策として効果的であることがある。また、別のユーザにとっては、未だ誰も試したことがないことがストレス対策として効果的であることもある。
【0007】
本発明の目的の一例は、上記問題を解消し、ユーザに対して、過去の実績にとらわれないストレス対策を提示し得る、ストレス対策管理装置、ストレス対策管理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるストレス対策管理装置は、
ユーザのストレスレベルを特定するストレス情報を取得する、ストレス情報取得部と、
ストレス対策候補を予め登録する、ストレス対策候補登録部と、
前記ストレス情報から特定した前記ユーザのストレスレベルに基づいて、予め登録されている前記ストレス対策候補の中から、特定のストレス対策候補を選択する、ストレス対策候補選択部と、
選択された前記ストレス対策候補を提示する、ストレス対策候補提示部と、
を備え、
前記ストレス対策候補登録部は、新たなストレス対策候補の登録の依頼を受け付け、前記新たなストレス対策候補の登録の依頼元から入力された新たなストレス対策候補と、前記新たなストレス対策候補に対応するストレスレベルとを登録する、
ことを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるストレス対策管理方法は、
ユーザのストレスレベルを特定するストレス情報を取得する、ストレス情報取得ステップと、
ストレス対策候補を予め登録する、ストレス対策候補登録ステップと、
前記ストレス情報から特定した前記ユーザのストレスレベルに基づいて、予め登録されている前記ストレス対策候補の中から、特定のストレス対策候補を選択する、ストレス対策候補選択ステップと、
選択された前記ストレス対策候補を提示する、ストレス対策候補提示ステップと、
を有し、
前記ストレス対策候補登録ステップにおいて、新たなストレス対策候補の登録の依頼を受け付け、前記新たなストレス対策候補の登録の依頼元から入力された新たなストレス対策候補と、前記新たなストレス対策候補に対応するストレスレベルとを登録する、
ことを特徴とする。
【0010】
更に、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは、
コンピュータに、
ユーザのストレスレベルを特定するストレス情報を取得する、ストレス情報取得ステップと、
ストレス対策候補を予め登録する、ストレス対策候補登録ステップと、
前記ストレス情報から特定した前記ユーザのストレスレベルに基づいて、予め登録されている前記ストレス対策候補の中から、特定のストレス対策候補を選択する、ストレス対策候補選択ステップと、
選択された前記ストレス対策候補を提示する、ストレス対策候補提示ステップと、
を実行させ、
前記ストレス対策候補登録ステップにおいて、新たなストレス対策候補の登録の依頼を受け付け、前記新たなストレス対策候補の登録の依頼元から入力された新たなストレス対策候補と、前記新たなストレス対策候補に対応するストレスレベルとを登録する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明によれば、ユーザに対して、過去の実績にとらわれないストレス対策を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施の形態におけるストレス対策管理装置の概略構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態におけるストレス対策管理装置の構成を具体的に示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態におけるストレス対策管理装置のストレス対策候補の登録処理時の動作を示すフロー図である。
図4図4は、実施の形態におけるストレス対策管理装置のストレス対策候補の提示処理時の動作を示すフロー図である。
図5図5は、具体例1において予め登録されているストレス対策候補と選択されたストレス対策候補とを示している。
図6図6は、具体例2において予め登録されているストレス対策候補と選択されたストレス対策候補とを示している。
図7図7は、具体例3において予め登録されているストレス対策候補と選択されたストレス対策候補とを示している。
図8図8は、具体例4において予め登録されているストレス対策候補と選択されたストレス対策候補とを示している。
図9図9は、実施の形態におけるストレス対策管理装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態)
以下、実施の形態におけるストレス対策管理装置、ストレス対策管理方法、及びプログラムについて、図1図9を参照しながら説明する。
【0014】
[装置構成]
最初に、実施の形態におけるストレス対策管理装置の概略構成について図1を用いて説明する。図1は、実施の形態におけるストレス対策管理装置の概略構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示す、実施の形態におけるストレス対策管理装置10は、ユーザのストレスレベルに応じて、ストレス対策を提示するための装置である。図1に示すように、ストレス対策管理装置10は、ストレス情報取得部11と、ストレス対策候補登録部12と、ストレス対策候補選択部13と、ストレス対策候補提示部14とを備えている。
【0016】
ストレス情報取得部11は、ユーザのストレスレベルを特定するストレス情報を取得する。ストレス対策候補登録部12は、ストレス対策候補を予め登録する。ストレス対策候補選択部13は、ストレス情報から特定したユーザのストレスレベルに基づいて、予め登録されているストレス対策候補の中から、特定のストレス対策候補を選択する。ストレス対策候補提示部14は、選択されたストレス対策候補を提示する。
【0017】
また、ストレス対策候補登録部12は、新たなストレス対策候補の登録の依頼を受け付け、新たなストレス対策候補の登録の依頼元から入力された新たなストレス対策候補と、新たなストレス対策候補に対応するストレスレベルとを登録する。
【0018】
このように、実施の形態では、ユーザに対して、ストレスレベルに応じたストレス対策候補が提示される。そして、実施の形態では、新たなストレス候補の登録も可能となっている。このため、実施の形態によれば、ユーザに対して、過去の実績にとらわれないストレス対策を提示することができる。
【0019】
続いて、図2を用いて、実施の形態におけるストレス対策管理装置の構成及び機能について具体的に説明する。図2は、実施の形態におけるストレス対策管理装置の構成を具体的に示すブロック図である。
【0020】
図2に示すように、実施の形態では、ストレス対策管理装置10は、上述した、ストレス情報取得部11、ストレス対策候補登録部12、ストレス対策候補選択部13、及びストレス対策候補提示部14に加えて、ストレスレベル推定部15と、ストレス対策候補格納部16と、ストレス対策履歴格納部17とを備えている。
【0021】
また、図2に示すように、実施の形態では、ストレス対策管理装置10は、インターネット等のネットワーク40を介して、サーバ装置30に接続されている。サーバ装置30は、ストレス対策管理装置10とユーザ21とのインターフェイスとなるWebサイトを提供するWebサーバである。ユーザ21は、自身の端末装置20から、サーバ装置30にアクセスして、Webサイト上で、ストレスレベルを特定するためのストレス情報を入力する。これにより、サーバ装置30は、入力されたストレス情報を、ストレス対策管理装置10に送信する。なお、サーバ装置30とストレス対策管理装置10とは、物理的には同じ装置が機能を担ってもよい。
【0022】
ストレス情報取得部11は、実施の形態では、サーバ装置30から送信されてきた、ストレス情報を取得する。ストレス情報は、ストレスレベルを特定できる情報であれば良く、特に限定されるものではない。ストレス情報としては、例えば、生体情報が挙げられる。また、ストレス情報は、ストレスレベルを示す数値であっても良い。
【0023】
ストレスレベル推定部15は、ストレス情報が生体情報を含む場合に、生体情報からストレスレベルを推定する。具体的には、生体情報としては、心拍数、皮膚電位、発汗量、顔画像、人の動作を示す加速度等が挙げられる。生体情報は、例えば、ウェアラブルセンサ、及びカメラなどのセンサからの情報に基づいて取得されればよい。
【0024】
ストレスレベル推定部15は、例えば、生体情報の種類に応じて、既存の手法、更には今後開発される手法を用いて、ストレスレベルを推定する。なお、生体情報が、ユーザの身体の動作を示す加速度、発汗状態を示す皮膚電位、及び皮膚温度である場合のストレスレベルの推定手法としては、後述の参考文献1又は2に開示された手法が挙げられる。また、ストレスレベル推定部15で用いられる生体情報は、上記には限定されず、種々の生体情報が用いられる。
【0025】
参考文献1:A. Sano et al., “Recognizing academic performance, sleep quality, stress level, and mental health using personality traits, wearable sensors and mobile phones,” in Wearable and Implantable Body Sensor Networks (BSN), 2015 IEEE 12th International Conference on, 2015, pp. 1-6.
【0026】
参考文献2:中島嘉樹,他2名, “全期間及び短期間双方の生体信号の使用による長期ストレスレベル認識精度の向上”, The 32nd Annual Conference of the Japanese Society for Artificial Intelligence, 2018.
【0027】
実施の形態では、ストレス対策候補を提供する事業者(又は個人)51が、その端末装置50から、ネットワーク40を経由して、新たなストレス対策候補の登録を依頼してくる。この場合、ストレス対策候補登録部12は、ストレス対策候補の登録の依頼元から入力された新たなストレス対策候補の情報を取得する。そして、ストレス対策候補登録部12は、取得した新たなストレス対策候補の情報を、ストレス対策候補格納部16に格納することによって、ストレス対策候補を登録する。
【0028】
ストレス対策候補の情報は、ストレス対策候補の内容を特定する情報である。また、実施の形態では、事業者51は、自身が登録を依頼するストレス対策候補について、付加情報として、ストレス対策候補に対応するストレスレベルを設定してストレス対策候補の登録を依頼できる。この場合、ストレス対策候補格納部16に格納されるストレス対策候補の情報には、対応するストレスレベルの情報も含まれる。
【0029】
ストレス対策候補としては、例えば、病院、カウンセリング、マッサージ、スポーツクラブ、温泉、旅行、ストレス緩和グッズ等が挙げられる。但し、実施の形態では、ストレス対策候補は、人のストレスを緩和し得るものであれば良く、緩和の程度が問われるものではない。
【0030】
更に、ストレス対策候補選択部13によるストレス対策候補の選択と、ストレス対策候補提示部14によるストレス対策候補の提示とが行われた後に、提示を受けたユーザのストレス情報が再度取得されたとする。この場合、ストレス対策候補登録部12は、選択されたストレス対策候補の登録の依頼元(事業者51)に対して、選択の前後におけるユーザのストレスレベルを通知することができる。
【0031】
ストレス対策候補選択部13は、実施の形態では、ストレス対策候補格納部16に格納されているストレス対策候補の情報から、各ストレス対策候補の対応するストレスレベルを特定する。そして、ストレス対策候補選択部13は、特定したストレス対策候補の中から、対応するストレスレベルがユーザのストレスレベルに合致しているストレス対策候補を選択する。
【0032】
ストレス対策候補提示部14は、実施の形態では、ストレス対策候補選択部13によって選択されたストレス対策候補を、ユーザ21の端末装置20に提示する。具体的には、ストレス対策候補提示部14は、選択されたストレス対策候補を、サーバ装置30に送信し、サーバ装置30の提供するWebサイトによって、ユーザ21の端末装置20の画面上に、選択されたストレス対策候補を提示する。
【0033】
また、実施の形態では、上述のストレス対策候補選択部13は、提示の対象となるストレス対策候補が複数存在する場合に、ストレス対策候補毎に、対応するストレスレベルとユーザのストレスレベルとの合致度を算出することができる。更に、合致度の算出においては、ストレス対策候補選択部13は、ストレスレベル以外の情報も考慮することができる。例えば、ストレス対策候補格納部16に登録されているストレス対策候補の情報に、対応するユーザの性別、年齢等が含まれているとすると、ストレス対策候補選択部13は、ユーザの性別、年齢等を考慮して、合致度を算出することができる。
【0034】
そして、このように合致度が算出されている場合は、ストレス対策候補提示部14は、合致度が高いストレス対策候補ほど優先が高くなるように、複数のストレス対策候補を提示することができる。
【0035】
ストレス対策履歴格納部17には、ユーザのストレスレベルとユーザに提示したストレス対策候補とユーザが興味を示したストレス対策候補とが、互いに関連付けられた状態で、ストレス対策履歴として格納される。なお、ユーザが興味を示したかどうかは、例えば、提示したストレス対策候補をユーザがクリックしたかどうかを検知するといった既存の手法によって判定される。
【0036】
[装置動作]
次に、実施の形態におけるストレス対策管理装置の動作について図3及び図4を用いて説明する。以下の説明においては、適宜図1及び図2を参照する。また、実施の形態1では、ストレス対策管理装置10を動作させることによって、ストレス対策管理方法が実施される。よって、実施の形態におけるストレス対策管理方法の説明は、以下のストレス対策管理装置10の動作説明に代える。
【0037】
まず、ストレス対策候補の登録処理について、図3を用いて説明する。図3は、実施の形態におけるストレス対策管理装置のストレス対策候補の登録処理時の動作を示すフロー図である。
【0038】
図3に示すように、最初に、ストレス対策候補を提供する事業者51が、その端末装置50から、ネットワーク40を経由して、ストレス対策候補の登録を依頼してくると、ストレス対策候補登録部12は、ストレス対策候補の登録の依頼を受け付ける(ステップA1)。ステップA1においては、ストレス対策候補の登録の依頼の受け付けには、一定の条件が設定されていても良い。
【0039】
次に、ストレス対策候補登録部12は、依頼されたストレス対策候補の情報を、ストレス対策候補格納部16に格納し、それによってストレス対策候補を登録する(ステップA2)。なお、ストレス対策候補の情報には、対応するストレスレベルの情報も含まれている。
【0040】
次に、ストレス対策候補登録部12は、ステップA2で登録したストレス対策候補の情報を、サーバ装置30に送信する(ステップA3)。これにより、ユーザ21の端末装置20の画面上には、新たに登録されたストレス対策候補と対応するストレスベルとが表示される。
【0041】
続いて、ストレス対策候補の提示処理について、図4を用いて説明する。図4は、実施の形態におけるストレス対策管理装置のストレス対策候補の提示処理時の動作を示すフロー図である。
【0042】
最初に、ユーザ21が、自身の端末装置20から、サーバ装置30にアクセスして、ストレス情報を入力すると、サーバ装置30は、ストレス情報をストレス対策管理装置10へと送信する。これにより、図4に示すように、ストレス情報取得部11は、実施の形態では、サーバ装置30から送信されてきた、ストレス情報を取得する(ステップB1)。
【0043】
次に、ストレスレベル推定部15は、ストレス情報に生体情報が含まれているので、ストレス情報に含まれる生体情報からストレスレベルを推定する(ステップB2)。
【0044】
次に、ストレス対策候補選択部13は、ストレス対策候補格納部16に格納されているストレス対策候補の情報に基づいて、各ストレス対策候補の対応するストレスレベルを特定する。そして、ストレス対策候補選択部13は、特定したストレス対策候補の中から、ステップB2で推定されたユーザのストレスレベルに合致しているストレス対策候補を選択する(ステップB3)。
【0045】
また、ステップB3では、ストレス対策候補選択部13は、提示の対象となるストレス対策候補が複数存在する場合に、ストレス対策候補毎に、対応するストレスレベルとユーザのストレスレベルとの合致度を算出することができる。更に、合致度の算出においては、ストレス対策候補選択部13は、ストレスレベル以外の情報も考慮することができる。
【0046】
次に、ストレス対策候補提示部14は、ステップB3で選択されたストレス対策候補を、ユーザ21の端末装置20に提示する(ステップB4)。具体的には、ストレス対策候補提示部14は、選択されたストレス対策候補を、サーバ装置30に送信し、サーバ装置30の提供するWebサイトによって、ユーザ21の端末装置20の画面上に、選択されたストレス対策候補を提示する。
【0047】
また、ステップB3において、ストレス対策候補選択部13が、ストレス対策候補毎に合致度を算出している場合は、ステップB4では、ストレス対策候補提示部14は、合致度が高いストレス対策候補ほど優先が高くなるように、複数のストレス対策候補を提示する。
【0048】
ステップB4の実行後、ユーザは、自分に適したストレス対策候補を選び実際に実行した場合は、ユーザ21は、Webサイトを介して、サーバ装置30に、利用したストレス対策候補に関する情報を入力することができる。
【0049】
また、ストレス対策候補選択部13は、ストレス対策履歴格納部17に、ユーザのストレスレベルと、ユーザに提示されたストレス対策候補と、ユーザが興味を示したストレス対策候補とを、互いに関連付けた状態で、ストレス対策履歴として格納する。なお、ストレス対策候補選択部13は、ユーザが提示されたストレス対策候補をクリックしたかどうかを検知するといった既存の手法によって、ユーザが興味を示したかどうかを判定することができる。
【0050】
[変形例]
ここで、実施の形態における変形例1~4について説明する。
【0051】
変形例1:
変形例1では、事業者51が、ストレス対策候補の登録において、そのストレス対策候補が有効なユーザ状態を指定することができる。指定されるユーザ状態としては、ストレスレベルが上昇中、ストレスレベルが継続中、ストレスレベルが下降中、といったものが挙げられる。変形例1においては、ストレス対策候補格納部16は、各ストレス対策候補と、対応するストレスレベル(提示ターゲット)と、対応するユーザ状態とを格納している。
【0052】
この場合、ストレス対策候補選択部13は、ストレス対策候補の選択において、ストレス対策履歴格納部17から、対象ユーザの過去のストレスレベルを取得し、取得した過去のストレスレベルと最新のストレスレベルとを比較して、ユーザ状態を特定する。ストレス対策候補選択部13は、最新のストレスレベルとユーザ状態とに基づいて、ストレス対策候補格納部16に格納されているストレス対策候補の中から、ストレス対策候補を選択する。
【0053】
変形例2:
変形例2では、サーバ装置30は、ユーザ21から、端末装置20を介して、ユーザの位置(端末装置20の位置)を特定する位置情報を取得し、取得した位置情報を、ストレス情報と共にストレス対策管理装置10に送信する。
【0054】
変形例2においては、ストレス情報取得部11は、ストレス情報に加えて、ユーザの位置を特定する位置情報を取得する。また、ストレス対策候補登録部12は、ストレス対策候補を、その利用可能エリアの情報と共に登録する。更に、ストレス対策候補選択部13は、位置情報で特定されるユーザの位置と、ストレス対策候補それぞれの利用可能エリアとから、対応可能なストレス対策候補を特定する。そして、ストレス対策候補選択部13は、特定したストレス対策候補の中から、ユーザのストレスレベルに基づいて、特定のストレス対策候補を選択する。
【0055】
変形例2によれば、ユーザは、その所在地に応じて、適切なストレス対策候補の提示を受けることができる。
【0056】
変形例3:
変形例3では、サーバ装置30が、ユーザ21から、端末装置20を介して、ユーザがストレス対策を希望する時間(午前、午後、夕方、曜日等)に関する時間情報を取得し、取得した時間情報を、ストレス情報と共にストレス対策管理装置10に送信する。
【0057】
変形例3においては、ストレス情報取得部11は、ストレス情報に加えて、ユーザがストレス対策を希望する時間に関する時間情報を取得する。また、ストレス対策候補登録部12は、ストレス対策候補を、それを利用可能な時間の情報と共に登録する。更に、ストレス対策候補選択部13は、時間情報で特定されるユーザがストレス対策を希望する時間と、ストレス対策候補それぞれの利用可能な時間とから、対応可能なストレス対策候補を特定する。そして、ストレス対策候補選択部13は、特定したストレス対策候補の中から、ユーザのストレスレベルに基づいて、特定のストレス対策候補を選択する。
【0058】
変形例3によれば、ユーザは、自分のスケジュールに合わせて、適切なストレス対策候補の提示を受けることができる。
【0059】
変形例4:
変形例4では、サーバ装置30が、ユーザ21がストレス対策候補を実際に利用した場合に、ユーザ21から、端末装置20を介して、ユーザが利用したストレス対策候補に関する情報を取得し、取得した情報を、ストレス情報と共にストレス対策管理装置10に送信する。ユーザが利用したストレス対策候補に関する情報としては、その名称(又は識別子)、利用日時、評価(効果の有無)等が挙げられる。
【0060】
変形例4においては、ストレス情報取得部11は、ユーザ21が利用したストレス対策候補に関する情報を取得し、取得した情報を、ストレス対策履歴格納部17に格納する。この場合、ストレス対策候補登録部12は、ユーザ21が利用したストレス対策候補に関する情報に基づいて、ストレス対策候補毎に、重み(推奨レベル)を設定することができる。なお、重みの初期値は、ストレス対策管理装置10の管理者によって適宜設定されていても良い。また、ストレス対策候補登録部12は、ユーザ21とは異なるユーザが利用したストレス対策候補に関する情報を利用して、重み(推奨レベル)を設定することができる。
【0061】
また、ストレス対策候補提示部14は、複数のストレス対策候補が選択されている場合において、上述したように重みが設定されていると、重みに応じて、選択されたストレス対策候補それぞれに優先順位を設定できる。この場合、ストレス対策候補提示部14は、端末装置20の画面上に、優先順位に沿って、選択されたストレス対策候補を提示する。
【0062】
更に、変形例4では、ストレス対策候補登録部12は、ユーザ21が利用したストレス対策候補に関する情報に基づいて、提示されたストレス対策候補がユーザによって利用された回数を特定することもできる。この場合、ストレス対策候補登録部12は、特定した回数に基づいて、ストレス対策候補の登録にかかる費用を、設定する。この結果、例えば、回数が多いほど、事業者51は収入を得ているため、登録にかかる費用を多く支払うことになる。
【0063】
[具体例]
続いて、図5図8を用いて、具体例1~4について説明する。図5図8は、それぞれ、各具体例において予め登録されているストレス対策候補と選択されたストレス対策候補とを示している。
【0064】
具体例1:
図5に示すように、具体例1では、ストレス対策候補格納部16は、情報として、各ストレス対策候補と、対応するストレスレベル(提示ターゲット)とを格納する。ユーザの最新のストレスレベルは6である。
【0065】
従って、ストレス対策候補選択部13は、ストレス対策候補として、「睡眠グッズ○○○」と、「○○マッサージ」とを選択し、ストレス対策候補提示部14は、選択されたストレス対策候補を、サーバ装置30を経由して、端末装置20の画面に表示する。
【0066】
具体例2:
図6に示すように、具体例2では、ストレス対策候補格納部16は、情報として、各ストレス対策候補と、対応するストレスレベル及びユーザ状態(提示ターゲット)とを格納する(変形例1参照)。ユーザの最新のストレスレベルは6であるが、ストレス対策履歴格納部17に格納されている1ヶ月前のストレスレベルは4であり、ストレスレベルは上昇中である。
【0067】
従って、ストレス対策候補選択部13は、ストレス対策候補として、「睡眠グッズ○○○」のみを選択し、ストレス対策候補提示部14は、選択されたストレス対策候補を、サーバ装置30を経由して、端末装置20の画面に表示する。
【0068】
具体例3:
図7に示す具体例3では、具体例1と同様に、ストレス対策候補格納部16は、情報として、各ストレス対策候補と、対応するストレスレベル(提示ターゲット)とを格納する。ユーザの最新のストレスレベルは6である。
【0069】
但し、具体例1と異なり、ストレス対策履歴格納部17に、履歴情報として、ユーザ21が利用したストレス対策候補に関する情報が格納されている(変形例4参照)。また、ストレス対策候補登録部12は、ユーザ21が利用したストレス対策候補に関する情報に基づいて、ストレス対策候補毎に、重み(推奨レベル)を設定している(変形例4参照)。
【0070】
従って、ストレス対策候補選択部13は、具体例1と同様に、ストレス対策候補として、「睡眠グッズ○○○」と、「○○マッサージ」とを選択するが、ストレス対策候補提示部14は、重みに基づいて、選択されたストレス対策候補に優先順位を設定し、これらを優先順位に沿って端末装置20の画面に表示する。
【0071】
具体例4:
図8に示すように、具体例4では、ストレス対策候補格納部16は、情報として、各ストレス対策候補と、対応するストレスレベル(提示ターゲット)とに加えて、ユーザの位置情報、及びユーザがストレス対策を希望する時間に関する時間情報も格納する(変形例2及び3参照)。ユーザの最新のストレスレベルは6であり、更に、ユーザは川崎市に位置している。また、ユーザが希望する時間は16時である。
【0072】
従って、ストレス対策候補選択部13は、ユーザのストレスレベル、ユーザの位置、及びユーザが希望する時間に基づいて、ストレス対策候補として、「睡眠グッズ○○○」と、「○○マッサージ」とを選択する。ストレス対策候補提示部14は、選択されたストレス対策候補を、サーバ装置30を経由して、端末装置20の画面に表示する。
【0073】
[実施の形態における効果]
以上のように実施の形態によれば、ユーザに対して、そのストレスレベルに応じて、ストレス対策候補を選択し、これを提示できるので、ユーザは適切に自身のストレスを管理できる。
【0074】
また、実施の形態では、過去のストレスレベルとそれに対応したストレス対策候補が履歴として蓄積されているので、過去の情報も利用して、ユーザに適したストレス対策候補を提示することもできる
【0075】
更に、実施の形態では、事業者51は、ストレスレベルに応じて、自身の事業をストレス対策候補として登録できるため、ユーザに対して、多種なストレス対策候補を提示することが可能となる。
【0076】
また、実施の形態では、ユーザのストレスレベルの変化を特定することもできるので、ユーザの状態に応じて、効果的なストレス対策候補を提示することもできる。更に、実施の形態では、ストレス対策候補を提供する事業者51は、自身の登録情報、及び提供できるストレス対策候補を後から修正することもできる。
【0077】
[プログラム]
実施の形態におけるプログラムとしては、コンピュータに、図3に示すステップA1~A3、図4に示すステップB1~B4を実行させるプログラムが挙げられる。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、実施の形態におけるストレス対策管理装置とストレス対策管理方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのプロセッサは、ストレス情報取得部11、ストレス対策候補登録部12、ストレス対策候補選択部13、ストレス対策候補提示部14、及びストレスレベル推定部15として機能し、処理を行なう。
【0078】
また、本実施の形態では、ストレス対策候補格納部16と、ストレス対策履歴格納部17とは、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置に、これらを構成するデータファイルを格納することによって実現されていても良いし、別のコンピュータの記憶装置によって実現されていても良い。また、ストレス対策管理装置を構築するコンピュータとしては、汎用のPCの他に、スマートフォン、タブレット型端末装置が挙げられる。更に、ストレス対策管理装置を構築するコンピュータは、図2に示したサーバ装置30であっても良い。
【0079】
実施の形態におけるプログラムは、複数のコンピュータによって構築されたコンピュータシステムによって実行されても良い。この場合は、例えば、各コンピュータが、それぞれ、ストレス情報取得部11、ストレス対策候補登録部12、ストレス対策候補選択部13、ストレス対策候補提示部14、及びストレスレベル推定部15のいずれかとして機能しても良い。
【0080】
[物理構成]
ここで、実施の形態におけるプログラムを実行することによって、ストレス対策管理装置10を実現するコンピュータについて図9を用いて説明する。図9は、実施の形態におけるストレス対策管理装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0081】
図9に示すように、コンピュータ110は、CPU(Central Processing Unit)111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0082】
また、コンピュータ110は、CPU111に加えて、又はCPU111に代えて、GPU(Graphics Processing Unit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)を備えていても良い。この態様では、GPU又はFPGAが、実施の形態におけるプログラムを実行することができる。
【0083】
CPU111は、記憶装置113に格納された、コード群で構成された実施の形態におけるプログラムをメインメモリ112に展開し、各コードを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。
【0084】
また、実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
【0085】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。
【0086】
データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0087】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記録媒体、又はCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記録媒体が挙げられる。
【0088】
なお、実施の形態におけるストレス対策管理装置10は、プログラムがインストールされたコンピュータではなく、各部に対応したハードウェアを用いることによっても実現可能である。更に、ストレス対策管理装置10は、一部がプログラムで実現され、残りの部分がハードウェアで実現されていてもよい。
【0089】
上述した実施の形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)~(付記24)によって表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0090】
(付記1)
ユーザのストレスレベルを特定するストレス情報を取得する、ストレス情報取得部と、
ストレス対策候補を予め登録する、ストレス対策候補登録部と、
前記ストレス情報から特定した前記ユーザのストレスレベルに基づいて、予め登録されている前記ストレス対策候補の中から、特定のストレス対策候補を選択する、ストレス対策候補選択部と、
選択された前記ストレス対策候補を提示する、ストレス対策候補提示部と、
を備え、
前記ストレス対策候補登録部は、新たなストレス対策候補の登録の依頼を受け付け、前記新たなストレス対策候補の登録の依頼元から入力された新たなストレス対策候補と、前記新たなストレス対策候補に対応するストレスレベルとを登録する、
ことを特徴とするストレス対策管理装置。
【0091】
(付記2)
付記1に記載のストレス対策管理装置であって、
前記ストレス対策候補登録部が、前記ストレス対策候補毎に重みを設定し、
前記ストレス対策候補提示部が、複数の前記ストレス対策候補が選択されている場合に、前記重みに応じて、選択された複数の前記ストレス対策候補それぞれに優先順位を設定し、優先順位に沿って、選択された前記ストレス対策候補を提示する、
ことを特徴とするストレス対策管理装置。
【0092】
(付記3)
付記1または2に記載のストレス対策管理装置であって、
前記ストレス対策候補登録部が、選択された前記ストレス対策候補の登録の依頼元に対して、選択の前後における前記ユーザのストレスレベルを通知する、
ことを特徴とするストレス対策管理装置。
【0093】
(付記4)
付記1~3のいずれかに記載のストレス対策管理装置であって、
前記ストレス情報が、前記ユーザの生体情報を含む場合に、前記生体情報からストレスレベルを推定する、ストレスレベル推定部を更に備え、
前記ストレス対策候補選択部が、前記生体情報から推定されたストレスレベルに基づいて、特定のストレス対策候補を選択する、
ことを特徴とするストレス対策管理装置。
【0094】
(付記5)
付記1~4のいずれかに記載のストレス対策管理装置であって、
前記ストレス情報取得部が、更に、前記ユーザの位置を特定する位置情報を取得し、
前記ストレス対策候補登録部が、前記ストレス対策候補を、前記ストレス対策候補の利用可能エリアの情報と共に登録し、
前記ストレス対策候補選択部が、前記位置情報で特定される前記ユーザの位置と、前記ストレス対策候補それぞれの利用可能エリアとから、対応可能な前記ストレス対策候補を特定し、特定した前記ストレス対策候補の中から、前記ユーザのストレスレベルに基づいて、前記特定のストレス対策候補を選択する、
ことを特徴とするストレス対策管理装置。
【0095】
(付記6)
付記1~5のいずれかに記載のストレス対策管理装置であって、
前記ストレス情報取得部が、更に、前記ユーザがストレス対策を希望する時間に関する時間情報を取得し、
前記ストレス対策候補登録部が、前記ストレス対策候補を、それを利用可能な時間の情報と共に登録し、
前記ストレス対策候補選択部が、前記時間情報で特定される前記ユーザがストレス対策を希望する時間と、前記ストレス対策候補それぞれの利用可能な時間とから、対応可能な前記ストレス対策候補を特定し、特定した前記ストレス対策候補の中から、前記ユーザのストレスレベルに基づいて、前記特定のストレス対策候補を選択する、
ことを特徴とするストレス対策管理装置。
【0096】
(付記7)
付記1~6のいずれかに記載のストレス対策管理装置であって、
前記ストレス対策候補登録部が、提示された前記ストレス対策候補が前記ユーザによって利用された回数を特定し、特定した前記回数に基づいて、前記ストレス対策候補の登録にかかる費用を、設定する、
ことを特徴とするストレス対策管理装置。
【0097】
(付記8)
付記1~7のいずれかに記載のストレス対策管理装置であって、
前記ストレス情報取得部が、サーバ装置を介して、前記ストレス情報を取得し、
前記ストレス対策候補提示部が、選択された前記ストレス対策候補を、端末装置に提示する、
ことを特徴とするストレス対策管理装置。
【0098】
(付記9)
ユーザのストレスレベルを特定するストレス情報を取得する、ストレス情報取得ステップと、
ストレス対策候補を予め登録する、ストレス対策候補登録ステップと、
前記ストレス情報から特定した前記ユーザのストレスレベルに基づいて、予め登録されている前記ストレス対策候補の中から、特定のストレス対策候補を選択する、ストレス対策候補選択ステップと、
選択された前記ストレス対策候補を提示する、ストレス対策候補提示ステップと、
を有し、
前記ストレス対策候補登録ステップにおいて、新たなストレス対策候補の登録の依頼を受け付け、前記新たなストレス対策候補の登録の依頼元から入力された新たなストレス対策候補と、前記新たなストレス対策候補に対応するストレスレベルとを登録する、
ことを特徴とするストレス対策管理方法。
【0099】
(付記10)
付記9に記載のストレス対策管理方法であって、
前記ストレス対策候補登録ステップにおいて、前記ストレス対策候補毎に重みを設定し、
前記ストレス対策候補提示ステップにおいて、複数の前記ストレス対策候補が選択されている場合に、前記重みに応じて、選択された複数の前記ストレス対策候補それぞれに優先順位を設定し、優先順位に沿って、選択された前記ストレス対策候補を提示する、
ことを特徴とするストレス対策管理方法。
【0100】
(付記11)
付記9または10に記載のストレス対策管理方法であって、
選択された前記ストレス対策候補の登録の依頼元に対して、選択の前後における前記ユーザのストレスレベルを通知する、通知ステップを更に有する、
ことを特徴とするストレス対策管理方法。
【0101】
(付記12)
付記9~11のいずれかに記載のストレス対策管理方法であって、
前記ストレス情報が、前記ユーザの生体情報を含む場合に、前記生体情報からストレスレベルを推定する、ストレスレベル推定ステップを更に有し、
前記ストレス対策候補選択ステップにおいて、前記生体情報から推定されたストレスレベルに基づいて、特定のストレス対策候補を選択する、
ことを特徴とするストレス対策管理方法。
【0102】
(付記13)
付記9~12のいずれかに記載のストレス対策管理方法であって、
前記ストレス情報取得ステップにおいて、更に、前記ユーザの位置を特定する位置情報を取得し、
前記ストレス対策候補登録ステップにおいて、前記ストレス対策候補を、前記ストレス対策候補の利用可能エリアの情報と共に登録し、
前記ストレス対策候補選択ステップにおいて、前記位置情報で特定される前記ユーザの位置と、前記ストレス対策候補それぞれの利用可能エリアとから、対応可能な前記ストレス対策候補を特定し、特定した前記ストレス対策候補の中から、前記ユーザのストレスレベルに基づいて、前記特定のストレス対策候補を選択する、
ことを特徴とするストレス対策管理方法。
【0103】
(付記14)
付記9~13のいずれかに記載のストレス対策管理方法であって、
前記ストレス情報取得ステップにおいて、更に、前記ユーザがストレス対策を希望する時間に関する時間情報を取得し、
前記ストレス対策候補登録ステップにおいて、前記ストレス対策候補を、前記ストレス対策候補を利用可能な時間の情報と共に登録し、
前記ストレス対策候補選択ステップにおいて、前記時間情報で特定される前記ユーザがストレス対策を希望する時間と、前記ストレス対策候補それぞれの利用可能な時間とから、対応可能な前記ストレス対策候補を特定し、特定した前記ストレス対策候補の中から、前記ユーザのストレスレベルに基づいて、前記特定のストレス対策候補を選択する、
ことを特徴とするストレス対策管理方法。
【0104】
(付記15)
付記9~14のいずれかに記載のストレス対策管理方法であって、
前記ストレス対策候補登録ステップにおいて、提示された前記ストレス対策候補が前記ユーザによって利用された回数を特定し、特定した前記回数に基づいて、前記ストレス対策候補の登録にかかる費用を、設定する、
ことを特徴とするストレス対策管理方法。
【0105】
(付記16)
付記9~15のいずれかに記載のストレス対策管理方法であって、
前記ストレス情報取得ステップにおいて、サーバ装置を介して、前記ストレス情報を取得し、
前記ストレス対策候補提示ステップにおいて、選択された前記ストレス対策候補を、端末装置に提示する、
ことを特徴とするストレス対策管理方法。
【0106】
(付記17)
コンピュータに、
ユーザのストレスレベルを特定するストレス情報を取得する、ストレス情報取得ステップと、
ストレス対策候補を予め登録する、ストレス対策候補登録ステップと、
前記ストレス情報から特定した前記ユーザのストレスレベルに基づいて、予め登録されている前記ストレス対策候補の中から、特定のストレス対策候補を選択する、ストレス対策候補選択ステップと、
選択された前記ストレス対策候補を提示する、ストレス対策候補提示ステップと、
を実行させ、
前記ストレス対策候補登録ステップにおいて、新たなストレス対策候補の登録の依頼を受け付け、前記新たなストレス対策候補の登録の依頼元から入力された新たなストレス対策候補と、前記新たなストレス対策候補に対応するストレスレベルとを登録する、
プログラム
【0107】
(付記18)
付記17に記載のプログラムであって、
前記ストレス対策候補登録ステップにおいて、前記ストレス対策候補毎に重みを設定し、
前記ストレス対策候補提示ステップにおいて、複数の前記ストレス対策候補が選択されている場合に、前記重みに応じて、選択された複数の前記ストレス対策候補それぞれに優先順位を設定し、優先順位に沿って、選択された前記ストレス対策候補を提示する、
プログラム
【0108】
(付記19)
付記17または18に記載のプログラムであって、
前記プログラムが、前記コンピュータに、
選択された前記ストレス対策候補の登録の依頼元に対して、選択の前後における前記ユーザのストレスレベルを通知する、通知ステップを実行させる、命令を更に含む、
プログラム
【0109】
(付記20)
付記17~19のいずれかに記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記ストレス情報が、前記ユーザの生体情報を含む場合に、前記生体情報からストレスレベルを推定する、ストレスレベル推定ステップを更に実行させ、
前記ストレス対策候補選択ステップにおいて、前記生体情報から推定されたストレスレベルに基づいて、特定のストレス対策候補を選択する、
プログラム
【0110】
(付記21)
付記17~19のいずれかに記載のプログラムであって、
前記ストレス情報取得ステップにおいて、更に、前記ユーザの位置を特定する位置情報を取得し、
前記ストレス対策候補登録ステップにおいて、前記ストレス対策候補を、前記ストレス対策候補の利用可能エリアの情報と共に登録し、
前記ストレス対策候補選択ステップにおいて、前記位置情報で特定される前記ユーザの位置と、前記ストレス対策候補それぞれの利用可能エリアとから、対応可能な前記ストレス対策候補を特定し、特定した前記ストレス対策候補の中から、前記ユーザのストレスレベルに基づいて、前記特定のストレス対策候補を選択する、
プログラム
【0111】
(付記22)
付記17~21のいずれかに記載のプログラムであって、
前記ストレス情報取得ステップにおいて、更に、前記ユーザがストレス対策を希望する時間に関する時間情報を取得し、
前記ストレス対策候補登録ステップにおいて、前記ストレス対策候補を、前記ストレス対策候補を利用可能な時間の情報と共に登録し、
前記ストレス対策候補選択ステップにおいて、前記時間情報で特定される前記ユーザがストレス対策を希望する時間と、前記ストレス対策候補それぞれの利用可能な時間とから、対応可能な前記ストレス対策候補を特定し、特定した前記ストレス対策候補の中から、前記ユーザのストレスレベルに基づいて、前記特定のストレス対策候補を選択する、
プログラム
【0112】
(付記23)
付記17~22のいずれかに記載のプログラムであって、
前記ストレス対策候補登録ステップにおいて、提示された前記ストレス対策候補が前記ユーザによって利用された回数を特定し、特定した前記回数に基づいて、前記ストレス対策候補の登録にかかる費用を、設定する、
プログラム
【0113】
(付記24)
付記17~23のいずれかに記載のプログラムであって、
前記ストレス情報取得ステップにおいて、サーバ装置を介して、前記ストレス情報を取得し、
前記ストレス対策候補提示ステップにおいて、選択された前記ストレス対策候補を、端末装置に提示する、
プログラム
【0114】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
以上のように本発明によれば、ユーザに対して、過去の実績にとらわれないストレス対策を提示することができる。本発明は、人のストレスを管理するシステムにおいて有用である。
【符号の説明】
【0116】
10 ストレス対策管理装置
11 ストレス情報取得部
12 ストレス対策候補登録部
13 ストレス対策候補選択部
14 ストレス対策候補提示部
15 ストレスレベル推定部
16 ストレス対策候補格納部
17 ストレス対策履歴格納部
20 ユーザの端末装置
21 ユーザ
30 サーバ装置
40 ネットワーク
50 事業者の端末装置
51 事業者
110 コンピュータ
111 CPU
112 メインメモリ
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9