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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】障害検出装置及び障害検出方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/077 20130101AFI20241210BHJP
   H04J 14/02 20060101ALI20241210BHJP
   H04B 10/032 20130101ALI20241210BHJP
   H04B 10/27 20130101ALI20241210BHJP
【FI】
H04B10/077
H04J14/02
H04B10/032
H04B10/27
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022547599
(86)(22)【出願日】2021-09-07
(86)【国際出願番号】 JP2021032774
(87)【国際公開番号】W WO2022054779
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2023-02-13
(31)【優先権主張番号】P 2020153411
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】金井 大樹
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0260493(US,A1)
【文献】国際公開第2014/141533(WO,A1)
【文献】特開2011-147077(JP,A)
【文献】特開2007-173943(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/077
H04J 14/02
H04B 10/032
H04B 10/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現用伝送路及び予備伝送路からなる冗長構成を有する海底光ケーブルを用いて構成された海底光ケーブルシステムにおいて用いられる障害検出装置であって、
端局装置が送信した監視信号を前記現用伝送路及び前記予備伝送路へ分岐して出力する第1光カプラと、
前記現用伝送路及び前記予備伝送路のうち試験伝送路指定命令によって選択可能に指定された一方である試験伝送路から出力された前記監視信号を出力する第2スイッチ機能部と、
前記試験伝送路指定命令を前記第2スイッチ機能部へ送信し、前記第2スイッチ機能部から受信した前記監視信号に基づいて、前記試験伝送路の障害を検出し、前記現用伝送路における障害を検知した場合には、前記現用伝送路と前記予備伝送路を切替える伝送路監視部と
を備え
前記第1光カプラと前記第2スイッチ機能部とは、前記現用伝送路と前記予備伝送路とのそれぞれによって互いに接続される、
障害検出装置。
【請求項2】
前記第1光カプラには、前記監視信号と光波長分割多重された主信号が更に入力され、
前記第2スイッチ機能部は、前記現用伝送路から出力された前記主信号を前記伝送路監視部とは異なる出力先へ出力する
請求項1に記載の障害検出装置。
【請求項3】
前記第1光カプラと前記第2スイッチ機能部は、前記現用伝送路又は前記予備伝送路の何れの一方にもなることが可能な第1海底光ケーブル及び前記現用伝送路又は前記予備伝送路の何れの他方にもなることが可能な第2海底光ケーブルによって接続され、
前記第2スイッチ機能部は、
前記第1光カプラから前記第1海底光ケーブルを経由して受信した信号のうち、前記監視信号と前記主信号とを分波して出力する第3フィルタと、
前記第1光カプラから前記第2海底光ケーブルを経由して受信した信号のうち、前記監視信号と前記主信号とを分波して出力する第4フィルタと、
前記第3フィルタ又は前記第4フィルタによって出力された前記主信号のうち、前記現用伝送路から受信した前記主信号を出力する第3光スイッチと、
前記第3フィルタ又は前記第4フィルタによって出力された前記監視信号のうち、前記試験伝送路から受信した前記監視信号を出力する第4光スイッチと、
前記第3光スイッチから出力された前記主信号及び前記第4光スイッチから出力された前記監視信号を合波して前記伝送路監視部へ送信する第2合波器と
を含む
請求項2に記載の障害検出装置。
【請求項4】
前記第1光カプラと前記第2スイッチ機能部は、前記現用伝送路又は前記予備伝送路の何れの一方にもなることが可能な第1海底光ケーブル及び前記現用伝送路又は前記予備伝送路の何れの他方にもなることが可能な第2海底光ケーブルによって接続され、
前記第2スイッチ機能部は、
前記第1光カプラから前記第1海底光ケーブルを経由して受信した信号のうち、前記試験伝送路から受信した前記監視信号と前記現用伝送路から受信した前記主信号とをスイッチングして出力する第3波長選択スイッチと、
前記第1光カプラから前記第2海底光ケーブルを経由して受信した信号のうち、前記試験伝送路から受信した前記監視信号と前記現用伝送路から受信した前記主信号とをスイッチングして出力する第4波長選択スイッチと、
前記第3波長選択スイッチ又は前記第4波長選択スイッチから出力された前記監視信号と、前記第3波長選択スイッチ又は前記第4波長選択スイッチから出力された前記主信号とを合波して前記伝送路監視部へ送信する第2合波器と
を含む
請求項2に記載の障害検出装置。
【請求項5】
第1海底端局装置と、
第2海底端局装置と、
前記主信号及びループバックされた前記監視信号を前記現用伝送路及び前記予備伝送路へ分岐して出力する第2光カプラと、
前記試験伝送路から出力されたループバックされた前記監視信号を前記伝送路監視部へ出力し、前記現用伝送路から出力された前記主信号を前記第1海底端局装置へ出力する第1スイッチ機能部とを更に含み、
前記第2スイッチ機能部は、前記試験伝送路から出力された前記監視信号と前記現用伝送路から出力された前記主信号とを前記第2海底端局装置へ出力し、
前記第2海底端局装置は、前記第2スイッチ機能部から受信した前記監視信号をループバックし、
前記伝送路監視部は、前記第1スイッチ機能部から受信したループバックされた前記監視信号に基づいて、前記試験伝送路の障害を検出する
請求項2に記載の障害検出装置。
【請求項6】
前記第1光カプラ及び前記第1スイッチ機能部を含む第1ケーブル分岐装置と、
前記第2光カプラ及び前記第2スイッチ機能部を含む第2ケーブル分岐装置と
を更に含み、
前記第1光カプラと前記第2スイッチ機能部は、前記現用伝送路又は前記予備伝送路の何れの一方にもなることが可能な第1海底光ケーブル及び前記現用伝送路又は前記予備伝送路の何れの他方にもなることが可能な第2海底光ケーブルによって接続され、
前記第1海底端局装置は、前記伝送路監視部を含む
請求項5に記載の障害検出装置。
【請求項7】
前記第2海底端局装置が前記監視信号のループバックを行わない場合に、前記第2海底端局装置と前記第2ケーブル分岐装置の間の第2接続に少なくとも1台の第4中継器を含み、
前記第4中継器は、前記主信号及び前記監視信号を通過させると共に、前記監視信号を前記第2接続においてループバックする
請求項6に記載の障害検出装置。
【請求項8】
現用伝送路及び予備伝送路からなる冗長構成を有する海底光ケーブルを用いて構成された海底光ケーブルシステムにおいて用いられる障害検出方法であって、
端局装置が送信した監視信号を、第1光カプラによって前記現用伝送路及び前記予備伝送路へ分岐して出力し、
伝送路監視部から第2スイッチ機能部へ試験伝送路指定命令を送信し、
前記現用伝送路及び前記予備伝送路のうち前記試験伝送路指定命令によって選択可能に指定された一方である試験伝送路から出力された監視信号を、前記第2スイッチ機能部から出力し、
前記伝送路監視部によって、前記第2スイッチ機能部から受信した前記監視信号に基づいて前記試験伝送路の障害を検出し、前記現用伝送路における障害を検知した場合には、前記現用伝送路と前記予備伝送路を切替える、
障害検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海底光ケーブルシステム(Optical Submarine Cable System)における障害を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
海底光ケーブルシステムにおける障害を検出する技術の一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1の光海底伝送システムでは、陸上部に主回線ケーブルと予備回線ケーブルを異なる経路で敷設する。陸上端局は、主回線ケーブルの破断を検出する破断検出手段と、陸上部の伝送経路を予備回線ケーブルに切り替える経路切替手段とを含む。破断検出手段は、海中部のケーブルから送られてくる主信号の受光レベルに基づいて、又は破断検出手段から監視信号を出力しビーチマンホールで反射されて戻ってくる監視信号の受光レベルに基づいて、ケーブルの破断を検出する。ビーチマンホールは、主回線ケーブルと予備回線ケーブルとで主信号の合分岐を行う光カプラと、監視信号を破断検出手段へ戻すためのファイバグレーティングや光カプラ等の小型受動部品とを含む。上記構成の結果、特許文献1の光海底伝送システムでは、光海底伝送システムにおいて、ビーチマンホールと陸上端局の間の冗長構成を成す陸上部の回線における障害が検出される。
【0003】
海底光ケーブルシステムにおける障害を検出する技術の別の一例が、特許文献2に開示されている。特許文献2の波長多重光海底ケーブルネットワークでは、送信側端局装置の光送信機は、線路監視装置からの変調信号を受け、線路監視信号として光信号と重畳して中継線路に出力する。該中継線路中に挿入された各光中継器の折返し線路を介して折り返されてきた線路監視信号は、光カプラにより分岐され、線路監視装置に入力する。光セレクタは各ファイバ対からの帰還信号を選択する。アレー導波路格子型フィルタは選択されたファイバ対の波長多重光信号を波長λ1乃至λnに分け、セレクタは該波長の信号を一つずつ選択する。受光部は光-電気変換を行い、復調部は帰還してきた線路監視信号を復調する。相関部は該線路監視信号に異常があるかどうかを調べ、中継線路に障害が発生していないかどうかを監視する。一つのファイバ対の線路監視が終わると、次のファイバ対の線路監視に移る。上記構成の結果、特許文献2の波長多重光海底ケーブルネットワークでは、波長多重光海底ケーブルネットワーク線路が監視される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-173943号公報
【文献】特開平09-289494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、海底光ケーブルシステムにおいて、海底光ケーブルや中継器等の伝送路における障害を検出することは、保守運用のために重要である。特に、海底光ケーブルが冗長構成(ルートダイバシティ)を成す海底光ケーブルシステムにおいて、主信号を伝送している現用伝送路だけでなく、現用伝送路を障害時に代替する予備伝送路についても、障害を検出する(正常性を監視する)ことが重要である。
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2に記載の技術では、海底光ケーブルにおける障害の検出において、海底光ケーブルの冗長構成が考慮されていないという問題点がある。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、海底光ケーブルが冗長構成を成す海底光ケーブルシステムにおいて、現用伝送路及び予備伝送路の障害を検出することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様において、障害検出装置は、監視信号を現用伝送路及び予備伝送路へ分岐して出力する第1光カプラと、現用伝送路及び予備伝送路のうち指定された一方である試験伝送路から出力された監視信号を出力する第2スイッチ機能部と、第2スイッチ機能部から受信した監視信号に基づいて、試験伝送路の障害を検出する伝送路監視部とを含む。
【0009】
本発明の一態様において、ケーブル分岐装置は、現用伝送路及び予備伝送路へ分岐して出力され、現用伝送路及び予備伝送路のうち指定された一方である試験伝送路から出力された監視信号を出力する第2スイッチ機能部を含む。
【0010】
本発明の一態様において、障害検出方法は、現用伝送路及び予備伝送路へ分岐して出力され、現用伝送路及び予備伝送路のうち指定された一方である試験伝送路から出力された監視信号に基づいて、試験伝送路の障害を検出する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、海底光ケーブルが冗長構成を成す海底光ケーブルシステムにおいて、現用伝送路及び予備伝送路の障害を検出できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態における構成の一例を示すブロック図である。
図2】本発明の第1実施形態における動作を示すフローチャートである。
図3】本発明の第2実施形態における構成の一例を示すブロック図である。
図4】本発明の第2実施形態における動作の一例を示すシーケンス図である。
図5】本発明の第3実施形態における構成の一例を示すブロック図である。
図6】本発明の第3実施形態における動作の一例を示すシーケンス図である。
図7】本発明の第4実施形態における構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、すべての図面において、同等の構成要素には同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第2実施形態(後述)及び第3実施形態(後述)の基本であり、本発明の第1実施形態(後述)を基本とする、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態では、第1海底端局装置が伝送路の試験の実行を制御する。
【0014】
本実施形態における構成について説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1実施形態における構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態における障害検出装置105は、第1海底端局装置205と、第1ケーブル分岐装置305と、第2ケーブル分岐装置306と、第2海底端局装置202とを含む。
【0017】
第1海底端局装置205(SLTE:Submarine Line Terminal Equipment;以下、「局a」とも称す)は、外部の装置(不図示)と伝送路の間で、データと光波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)信号の変換を行う。
【0018】
第1ケーブル分岐装置305(BU:Branching Unit)は、第1海底端局装置205と、第2ケーブル分岐装置306とに接続される。
【0019】
第2ケーブル分岐装置306は、第2海底端局装置202と、第1ケーブル分岐装置305とに接続される。
【0020】
第1ケーブル分岐装置305と第2ケーブル分岐装置306は、第1海底光ケーブル610(以下、「ルートA」とも称す)及び第2海底光ケーブル620(以下、「ルートB」とも称す)のそれぞれによって互いに接続される。第1海底光ケーブル610及び第2海底光ケーブル620は互いに冗長構成を成し、一方が現用伝送路となり、他方が予備伝送路となる。例えば、第1ケーブル分岐装置305及び第2ケーブル分岐装置306はそれぞれ、現用伝送路における障害が検知された場合に、現用伝送路と予備伝送路を切替える。例えば、第1ケーブル分岐装置305及び第2ケーブル分岐装置306はそれぞれ、現用伝送路の情報を保持している。そして、現用伝送路における障害を検知した第1海底端局装置205は、現用伝送路を切替える第1現用伝送路切替命令を、第1海底端局装置205と第1ケーブル分岐装置305の間の第1接続と並列な第3接続(不図示)を経由して、第1スイッチ機能部395へ送信する。現用伝送路における障害を検知した第2海底端局装置202は、現用伝送路を切替える第2現用伝送路切替命令を、第2海底端局装置202と第2ケーブル分岐装置306の間の第2接続と並行な第4接続(不図示)を経由して、第2スイッチ機能部396へ送信する。そして、第1スイッチ機能部395及び第2スイッチ機能部396はそれぞれ、受信した第1現用伝送路切替命令又は第2現用伝送路切替命令に従って(受信機構については説明を省略)、現用伝送路を切替える。そして、第1ケーブル分岐装置305及び第2ケーブル分岐装置306はそれぞれ、現用伝送路の情報を更新する。現用伝送路と予備伝送路の切替機構は、一般的に知られているので(特許文献1を参照)、詳細な説明を省略する。
【0021】
第2海底端局装置202(以下、「局b」とも称す)は、外部の装置(不図示)と伝送路の間で、データとWDM信号の変換を行う。第2海底端局装置202は、第2ケーブル分岐装置306に接続される。
【0022】
第1海底端局装置205と第2海底端局装置202は、現用伝送路を介してWDM信号(以下、単に「信号」とも称す)を用いて通信する。WDM信号は、主信号と監視信号の両方を1本の光ファイバで伝送するために用いられる。信号は、主信号と監視信号とを含む。主信号とは、局aと局bの間で交換すべきデータを表す信号である。監視信号とは、ルートA及びBの障害を検出するための信号である。監視信号は、主信号から波長によって識別可能であることとする。ここで、現用伝送路がルートA又はBの何れであるかに関する設定(以下、「現用伝送路設定」と称す)は、第1ケーブル分岐装置305及び第2ケーブル分岐装置306によって保持されていることとする。又、試験対象である伝送路(以下、「試験伝送路」と称す)がルートA又はB(あるいは現用伝送路又は予備伝送路)の何れであるかは、試験毎に決定されることとする。
【0023】
第1ケーブル分岐装置305は、第1光カプラ311と、第1スイッチ機能部395とを含む。
【0024】
第1光カプラ311は、局aからの入力と、ルートA及びBへの出力を有する。第1光カプラ311は、局aから受信した信号を現用伝送路及び予備伝送路(ルートA及びB)へ分岐して出力する。
【0025】
第1スイッチ機能部395は、ルートA及びBからの入力と、局aへの出力を有する。第1スイッチ機能部395は、現用伝送路(ルートA又はBの何れか一方)から入力した主信号及び試験伝送路から入力した監視信号を局aへ送信する。
【0026】
第2ケーブル分岐装置306は、第2光カプラ312と、第2スイッチ機能部396とを含む。
【0027】
第2光カプラ312は、局bからの入力と、ルートA及びBへの出力を有する。第2光カプラ312は、第2海底端局装置202から受信した信号を現用伝送路及び予備伝送路へ分岐して出力する。
【0028】
第2スイッチ機能部396は、ルートA及びBからの入力と、局bへの出力を有する。第2スイッチ機能部396は、現用伝送路から入力した主信号及び試験伝送路から入力した監視信号を第2海底端局装置202へ送信する。
【0029】
本実施形態における動作について説明する。
【0030】
図2は、本発明の第1実施形態における動作を示すフローチャートである。図2に示すフローチャート及びその説明は一例であり、求める処理に応じて、適宜、処理順等を入れ替えたり、処理を戻したり、又は処理を繰り返したりしてもよい。
【0031】
まず、第1海底端局装置205は、試験伝送路を指定した上で、監視信号を第1光カプラ311へ送信する(ステップS310)。尚、試験伝送路を指定するために、例えば、(1)障害検出装置105を含むシステム(例えば、海底ケーブルシステム)の全体を管理するマネージメントシステム(不図示)が、第1ケーブル分岐装置305及び第2ケーブル分岐装置306における試験伝送路の設定を制御する。又は、(2)局aが、第1スイッチ機能部395及び第2スイッチ機能部396に、1回の試験に要する時間(あるいは、監視信号の送信から受信に要する時間)だけ、監視信号を試験伝送路から受信するように指示してもよい。又は、(3)監視信号の波長によって試験伝送路を識別可能にしてもよい。又は、(4)監視信号の変調状態によって試験伝送路を識別可能にしてもよい。(2)の場合、例えば、第1海底端局装置205は、主信号によって、試験伝送路を指定する第1試験伝送路指定命令を第2海底端局装置202へ送信する。同時に、第1海底端局装置205は、試験伝送路を指定する第2試験伝送路指定命令を、第1海底端局装置205と第1ケーブル分岐装置305の間の第1接続と並列な第3接続(不図示)を経由して、第1スイッチ機能部395へ送信する。第1試験伝送路指定命令を受信した第2海底端局装置202は、試験伝送路を指定する第3試験伝送路指定命令を、第2海底端局装置202と第2ケーブル分岐装置306の間の第2接続と並行な第4接続(不図示)を経由して、第2スイッチ機能部396へ送信する。そして、第1スイッチ機能部395及び第2スイッチ機能部396はそれぞれ、受信した第2試験伝送路指定命令又は第3試験伝送路指定命令に従って(受信機構については説明を省略)、所定の時間だけ試験伝送路を指定する。(4)の場合、例えば、第1海底端局装置205は、試験伝送路を指定する第4試験伝送路指定命令で変調された監視信号を、第1海底端局装置205へ送信する。そして、第1スイッチ機能部395及び第2スイッチ機能部396は、受信した監視信号を復調して(復調機構については説明を省略)、復調した第4試験伝送路指定命令に従って試験伝送路を識別する。
【0032】
次に、第2スイッチ機能部396は、第1光カプラ311から試験伝送路を経由して受信した監視信号を第2海底端局装置202へ送信する(ステップS320)。
【0033】
続いて、第2海底端局装置202は、第2スイッチ機能部396から受信した監視信号を第2光カプラ312へループバックする(ステップS330)。
【0034】
続いて、第1スイッチ機能部395は、第2光カプラ312から試験伝送路を経由して受信した監視信号を第1海底端局装置205へ送信する(ステップS340)。
【0035】
続いて、第1海底端局装置205は、第1スイッチ機能部395から受信した監視信号に基づいて、試験伝送路(現用伝送路又は予備伝送路)の障害を検出する(ステップS350)。具体的には、第1海底端局装置205は、例えば、ループバックされた監視信号のレベルの変動や、監視信号の送信から受信に要した時間等に基づいて、障害の有無、障害の種類、障害箇所等を特定する。
【0036】
以上説明したように、本実施形態における障害検出装置105では、局aが第1ケーブル分岐装置305を経由してルートA及びBの両方へ監視信号を送信する。そして、第2ケーブル分岐装置306は、ルートA及びBの両方へ送信された監視信号のうち、試験伝送路から受信した監視信号を局bへ送信する。局bは、第2ケーブル分岐装置306から受信した監視信号を、第2ケーブル分岐装置306を経由してルートA及びBの両方へループバックする。そして、第1ケーブル分岐装置305は、ルートA及びBの両方へループバックされた監視信号のうち、試験伝送路から受信した監視信号を局aへ送信する。そして、局aは、第1ケーブル分岐装置305から受信した監視信号に基づいて、試験伝送路の障害を検出する。ここで、試験伝送路には、ルートA又はB(現用伝送路又は予備伝送路)の何れも指定可能である。
【0037】
従って、本実施形態における障害検出装置105には、海底光ケーブルが冗長構成を成す光海底ケーブルシステムにおいて、現用伝送路及び予備伝送路の障害を検出することができるという効果がある。ここで、障害検出装置105では、現用伝送路設定に依存せずに、現用伝送路及び予備伝送路の障害を検出することができる。
【0038】
尚、障害検出装置105では、第2海底端局装置202が監視信号のループバックを行わない場合に、第2海底端局装置202と第2ケーブル分岐装置306の間の第2接続に少なくとも1台の第4中継器を含んでもよい(第2実施形態を参照)。そして、第4中継器は、主信号及び監視信号を通過させると共に、監視信号を第2接続においてループバックする。ここで、ループバックとは、ある伝送路のある方向(例えば、局Aから局B方向)において信号を受信した際に、その伝送路の反対方向(例えば、局Bから局A方向)において信号を送信することとする。この場合には、第2海底端局装置202が監視信号のループバックを行わない場合にも、現用伝送路及び予備伝送路の障害を検出することができるという効果がある。
【0039】
又、障害検出装置105では、第1海底光ケーブル610及び第2海底光ケーブル620はそれぞれ、少なくとも1台の第1中継器及び第2中継器を含んでもよい(第2実施形態を参照)。そして、第1中継器及び第2中継器はそれぞれ、通過した監視信号を第1海底光ケーブル610及び第2海底光ケーブル620においてループバックする。この場合には、障害の種類や障害箇所等をより詳細に特定することができるという効果がある。
【0040】
又、障害検出装置105では、第1海底端局装置205と第1ケーブル分岐装置305の間の第1接続に少なくとも1台の第3中継器を含んでもよい(第2実施形態を参照)。そして、第3中継器は、通過した監視信号を第1接続においてループバックする。この場合には、障害の種類や障害箇所等をより詳細に特定することができるという効果がある。
(第2実施形態)
次に、本発明の第1実施形態を基本とする、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態における障害検出装置は、特に明示しない限り、本発明の第1実施形態における構成及び動作を継承することとする。本実施形態では、ケーブル分岐装置における主信号及び監視信号の選択のために、フィルタ、光スイッチ、及び合波器が用いられる。
【0041】
本実施形態における構成について説明する。
【0042】
図3は、本発明の第2実施形態における構成の一例を示すブロック図である。
【0043】
図3に示すように、本実施形態における障害検出装置100は、少なくとも2本の第1海底光ケーブル610及び第2海底光ケーブル620と、第1海底端局装置201(局a)と、第2海底端局装置202(局b)と、第1ケーブル分岐装置301と、第2ケーブル分岐装置302と、伝送路監視装置500とを含む。
【0044】
本実施形態では、ルートA及びBはそれぞれ、少なくとも1台の第1中継器401及び第2中継器402を含む。又、局aと第1ケーブル分岐装置301の間の第1接続は、少なくとも1台の第3中継器403を含む。又、局bと第2ケーブル分岐装置302の間の第2接続は、少なくとも1台の第4中継器404を含む。
【0045】
局aは、外部の装置(不図示)と伝送路の間で、データとWDM信号の変換を行う。尚、本実施形態では、局aは伝送路監視装置500に接続されている。又、本実施形態では、局aは監視信号のループバックを行わなくてもよい。
【0046】
第1ケーブル分岐装置301は、局aと、第2ケーブル分岐装置302とに接続される。
【0047】
第2ケーブル分岐装置302は、局bと、第1ケーブル分岐装置301とに接続される。
【0048】
第1ケーブル分岐装置301と第2ケーブル分岐装置302は、ルートA及びルートBのそれぞれによって互いに接続される。
【0049】
局bは、外部の装置(不図示)と伝送路の間で、データとWDM信号の変換を行う。
【0050】
局aと局bは、現用伝送路を介してWDM信号を用いて通信する。
【0051】
第1ケーブル分岐装置301は、第1光カプラ311と、第1フィルタ321と、第2フィルタ331と、第1光スイッチ341と、第2光スイッチ351と、第1合波器361とを含む。
【0052】
第2ケーブル分岐装置302は、第2光カプラ312と、第3フィルタ322と、第4フィルタ332と、第3光スイッチ342と、第4光スイッチ352と、第2合波器362とを含む。
【0053】
第1光カプラ311は、局aから受信した信号をルートA及びルートBに分岐して送信する。
【0054】
第1光スイッチ341は、第1フィルタ321からの入力と、第2フィルタ331からの入力と、第1合波器361への出力を有する。第1光スイッチ341は、第1フィルタ321又は第2フィルタ331によって出力された主信号のうち、現用伝送路から受信した主信号を出力する。
【0055】
第1フィルタ321は、ルートAからの入力と、第1光スイッチ341への出力と、第2光スイッチ351への出力を有する。第1フィルタ321は、第2光カプラ312からルートAを経由して受信した信号のうち、監視信号を第2光スイッチ351へ、主信号を第1光スイッチ341へ、それぞれ分波して出力する。
【0056】
第2フィルタ331は、ルートBからの入力と、第1光スイッチ341への出力と、第2光スイッチ351への出力を有する。第2フィルタ331は、第2光カプラ312からルートBを経由して受信した信号のうち、監視信号を第2光スイッチ351へ、主信号を第1光スイッチ341へ、それぞれ分波して出力する。
【0057】
第2光スイッチ351は、第1フィルタ321からの入力と、第2フィルタ331からの入力と、第1合波器361への出力を有する。第2光スイッチ351は、第1フィルタ321又は第2フィルタ331によって出力された監視信号のうち、試験伝送路から受信した監視信号を出力する。
【0058】
第1合波器361は、第1光スイッチ341からの入力と、第2光スイッチ351からの入力と、局aへの出力を有する。第1合波器361は、第1光スイッチ341から出力された主信号及び第2光スイッチ351から出力された監視信号を合波して、局aへ送信する。
【0059】
第2光カプラ312は、局bから受信した信号をルートA及びルートBに分岐して送信する。
【0060】
第3光スイッチ342は、第3フィルタ322からの入力と、第4フィルタ332からの入力と、第2合波器362への出力を有する。第3光スイッチ342は、第3フィルタ322又は第4フィルタ332によって出力された主信号のうち、現用伝送路から受信した主信号を出力する。
【0061】
第3フィルタ322は、ルートAからの入力と、第3光スイッチ342への出力と、第4光スイッチ352への出力を有する。第3フィルタ322は、第1光カプラ311からルートAを経由して受信した信号のうち、監視信号を第4光スイッチ352へ、主信号を第3光スイッチ342へ、それぞれ分波して出力する。
【0062】
第4フィルタ332は、ルートBからの入力と、第3光スイッチ342への出力と、第4光スイッチ352への出力を有する。第4フィルタ332は、第1光カプラ311からルートBを経由して受信した信号のうち、監視信号を第4光スイッチ352へ、主信号を第3光スイッチ342へ、それぞれ分波して出力する。
【0063】
第4光スイッチ352は、第3フィルタ322からの入力と、第4フィルタ332からの入力と、第2合波器362への出力を有する。第4光スイッチ352は、第3フィルタ322又は第4フィルタ332によって出力された監視信号のうち、試験伝送路から受信した監視信号を出力する。
【0064】
第2合波器362は、第3光スイッチ342からの入力と、第4光スイッチ352からの入力と、局bへの出力を有する。第2合波器362は、第3光スイッチ342から出力された主信号及び第4光スイッチ352から出力された監視信号を合波して、局bへ送信する。
【0065】
第1中継器401、第2中継器402、第3中継器403、及び第4中継器404はそれぞれ、ある伝送路の任意の一方向(例えば、局aから局bへの方向;順方向と称す)からの第1入力と、その伝送路の順方向への第1出力と、その伝送路の順方向の逆方向(例えば、局bから局aへの方向;単に「逆方向」と称す)からの第2入力と、その伝送路の逆方向への第2出力とを有する。第1中継器401、第2中継器402、第3中継器403、及び第4中継器404はそれぞれ、第1入力を第1出力へ、第2入力を第2出力へ通過させると共に、第1入力からの監視信号を第2出力へ、第2入力からの監視信号を第1出力へループバックする。即ち、伝送路の第1入力及び第2入力から入力された監視信号はそれぞれ、当該伝送路の第1出力及び第2出力へ出力(通過)されると同時に、当該伝送路の第2出力及び第1出力へ出力(ループバック)される。
【0066】
第1中継器401は、ルートAにおいて、主信号及び監視信号を通過させると共に、監視信号をループバックする。第1中継器401は、例えば、反射型光フィルタを用いたループバック機能、及びエルビウムドープファイバを用いた増幅・中継機能を有する光海底中継器である。
【0067】
第2中継器402は、ルートBにおいて、主信号及び監視信号を通過させると共に、監視信号をループバックする。第2中継器402は、例えば、反射型光フィルタを用いたループバック機能、及びエルビウムドープファイバを用いた増幅・中継機能を有する光海底中継器である。
【0068】
第3中継器403は、第1接続において、主信号及び監視信号を通過させると共に、監視信号をループバックする。第3中継器403は、例えば、光ファイバ部分反射リフレクタ(インライン型)である。
【0069】
第4中継器404は、第2接続において、主信号及び監視信号を通過させると共に、監視信号をループバックする。第4中継器404は、例えば、光ファイバ部分反射リフレクタ(インライン型)である。
【0070】
伝送路監視装置500は、局aに監視信号の送信を指示すると共に、局aから受信した、ループバックされた監視信号に基づいて、ルートA及びルートBの障害検出を行う。
【0071】
本実施形態におけるその他の構成は、第1実施形態における構成と同様である。
【0072】
本実施形態における動作について説明する。
【0073】
図4は、本発明の第2実施形態における動作の一例を示すシーケンス図である。
【0074】
ここで、障害検出装置100には故障が発生していないこととする。この場合、第1中継器401、第2中継器402、第3中継器403、及び第4中継器404において、主信号及び監視信号が通過させられると共に監視信号がループバックされる(以下、単に、監視信号が「ループバックされる」とも称す)。但し、以下では、第4中継器404における監視信号のループバックを代表例として説明する。
【0075】
まず、例えば、マネージメントシステム(不図示)が、第1ケーブル分岐装置301及び第2ケーブル分岐装置302において試験伝送路(例えば、ルートB)を設定していることとする。そして、伝送路監視装置500は、試験伝送路が指定された状態で、局aに監視信号の送信を指示することとする。
【0076】
次に、局aから送信された主信号及び監視信号は、第3中継器403を経由して、第1光カプラ311で分岐され、ルートA及びBの両方を通り(第1中継器401及び第2中継器402を経由)、第2ケーブル分岐装置302に到達する(ステップS110)。ここで、第1中継器401、第2中継器402、及び第3中継器403において、監視信号が局bから局aの方向へループバックされる。
【0077】
続いて、第2ケーブル分岐装置302において、第3フィルタ322及び第4フィルタ332によって、主信号と監視信号が分波される(ステップS120)。
【0078】
続いて、主信号は、第3光スイッチ342によって現用伝送路(例えば、ルートA)側のフィルタ(例えば、第3フィルタ322)から受信される。一方、監視信号は、第4光スイッチ352によって試験伝送路(例えば、ルートB)側のフィルタ(例えば、第4フィルタ332)から受信される(ステップS130)。ここで、試験伝送路は、現用伝送路がルートA又はBのどちらであるかに依存せず、独立して選択可能である。
【0079】
続いて、第3光スイッチ342によって受信された主信号、及び第4光スイッチ352によって受信された監視信号は、第2合波器362によって合波され、第4中継器404へ到達する(ステップS140)。
【0080】
又、第4中継器404へ到達した監視信号は、第4中継器404によって第2光カプラ312へループバックされ、ルートA及びBの両方を通り、第1ケーブル分岐装置301へ到達する(ステップS150)。ここで、第2合波器362によって合波された主信号及び監視信号は、局bへも到達する。そして、局bは、第2光カプラ312へ主信号を送信する。
【0081】
続いて、第1ケーブル分岐装置301において、第1フィルタ321及び第2フィルタ331によって、主信号とループバックされた監視信号が分波される(ステップS160)。
【0082】
続いて、主信号は、第1光スイッチ341によって現用伝送路(例えば、ルートA)側のフィルタ(例えば、第1フィルタ321)から受信される。一方、ループバックされた監視信号は、第2光スイッチ351によって試験伝送路(例えば、ルートB)側のフィルタ(例えば、第2フィルタ331)から受信される(ステップS170)。ここで、試験伝送路は、ステップS130における第4光スイッチ352の試験伝送路と同一であることとする。
【0083】
続いて、第1光スイッチ341によって受信された主信号、及び第2光スイッチ351によって受信された監視信号は、第1合波器361によって合波され、局aへ到達する(ステップS180)。
【0084】
以上の動作の結果、障害検出装置100には故障が発生していない場合には、第4中継器404からと同様に、第1中継器401、第2中継器402、及び第3中継器403から局aに、監視信号がループバックされる。
【0085】
一方、障害検出装置100において、何れかの伝送路に故障が発生している場合には、何れかの監視信号がループバックされないか、ループバックされた監視信号に異常が発生する。
【0086】
そして、伝送路監視装置500は、局aから試験伝送路(例えば、ルートB)を経由して受信した、ループバックされた監視信号に基づいて、伝送路の障害検出を行う。
【0087】
同様に、今度は、例えば、マネージメントシステム(不図示)が、第1ケーブル分岐装置301及び第2ケーブル分岐装置302における試験伝送路の設定を切替えることとする(例えば、ルートA)。そして、伝送路監視装置500は、試験伝送路が切替えられた状態で、局aに監視信号の送信を指示し、局aから試験伝送路(例えば、ルートA)を経由して受信した、ループバックされた監視信号に基づいて、伝送路の障害検出を行う。即ち、第1中継器401と第2中継器402のそれぞれからループバックされた監視信号は、指定された試験伝送路によって識別される。又、第3中継器403、第1中継器401、及び第4中継器404のそれぞれからループバックされた監視信号は、例えば、監視信号の送信から受信に要した時間差に基づいて識別される。又、第3中継器403、第2中継器402、及び第4中継器404のそれぞれからループバックされた監視信号は、例えば、監視信号の送信から受信に要した時間差に基づいて識別される。
【0088】
本実施形態におけるその他の動作は、第1実施形態における動作と同様である。
【0089】
以上説明したように、本実施形態における障害検出装置100では、第1ケーブル分岐装置301が、第1ケーブル分岐装置301及び第2ケーブル分岐装置302を経由して、ルートA及びBの両方へ監視信号を送信する。そして、ルートA及びBの両方へ送信された監視信号は、第1中継器401、第2中継器402、第3中継器403、又は第4中継器404によってループバックされる。そして、第1ケーブル分岐装置301及び第2ケーブル分岐装置302は、試験伝送路からループバックされた監視信号を局aへ送信する。ここで、試験伝送路は、現用伝送路に依存せず、独立して選択可能である。そして、伝送路監視装置500は、局aから受信した、ループバックされた監視信号に基づいて、伝送路の障害検出を行う。
【0090】
従って、本実施形態における障害検出装置100には、海底光ケーブルが冗長構成を成す海底光ケーブルシステムにおいて、現用伝送路及び予備伝送路の障害を検出することができるという効果がある。ここで、障害検出装置100では、現用伝送路設定に依存せずに、現用伝送路及び予備伝送路の障害を検出することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を基本とする、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態における障害検出装置は、特に明示しない限り、本発明の第2実施形態における構成及び動作を継承することとする。本実施形態では、ケーブル分岐装置における主信号及び監視信号の選択のために、波長選択スイッチ(WSS:Wavelength Selective Switch)及び合波器が用いられる。
【0091】
本実施形態における構成について説明する。
【0092】
図5は、本発明の第3実施形態における構成の一例を示すブロック図である。
【0093】
図5に示すように、本実施形態における障害検出装置103は、少なくとも2本の第1海底光ケーブル610及び第2海底光ケーブル620と、第1海底端局装置201(局a)と、第2海底端局装置202(局b)と、第1ケーブル分岐装置303と、第2ケーブル分岐装置304と、伝送路監視装置500とを含む。
【0094】
第1ケーブル分岐装置303は、局aと、第2ケーブル分岐装置304とに接続される。
【0095】
第2ケーブル分岐装置304は、局bと、第1ケーブル分岐装置303とに接続される。
【0096】
第1ケーブル分岐装置303と第2ケーブル分岐装置304は、ルートA及びルートBのそれぞれによって互いに接続される。
【0097】
第1ケーブル分岐装置303は、第1光カプラ311と、第1波長選択スイッチ371と、第2波長選択スイッチ381と、第1合波器361とを含む。
【0098】
第2ケーブル分岐装置304は、第2光カプラ312と、第3波長選択スイッチ372と、第4波長選択スイッチ382と、第2合波器362とを含む。
【0099】
第1波長選択スイッチ371は、ルートAからの入力と、第1合波器361の主信号入力用の入力への第1出力と、第1合波器361の監視信号入力用の入力への第2出力を有する。第1波長選択スイッチ371は、第2光カプラ312から第1海底光ケーブル610を経由して受信した信号のうち、試験伝送路から受信した監視信号を第2出力へ、現用伝送路から受信した主信号を第1出力へ、それぞれスイッチングして出力する。ここで、第1波長選択スイッチ371は、第1実施形態のステップS310において上述した試験伝送路の指定方法に応じて、監視信号を試験伝送路から受信する制御を行う。
【0100】
第2波長選択スイッチ381は、ルートBからの入力と、第1合波器361の主信号入力用の入力への第1出力と、第1合波器361の監視信号入力用の入力への第2出力を有する。第2波長選択スイッチ381は、第2光カプラ312から第2海底光ケーブル620を経由して受信した信号のうち、試験伝送路から受信した監視信号を第2出力へ、現用伝送路から受信した主信号を第1出力へ、それぞれスイッチングして出力する。ここで、第2波長選択スイッチ381は、第1実施形態のステップS310において上述した試験伝送路の指定方法に応じて、監視信号を試験伝送路から受信する制御を行う。
【0101】
第1合波器361は、第1波長選択スイッチ371及び第2波長選択スイッチ381からの主信号入力用の第1入力と、第1波長選択スイッチ371及び第2波長選択スイッチ381からの監視信号入力用の第2入力と、第1海底端局装置201への出力を有する。第1合波器361は、第1波長選択スイッチ371又は第2波長選択スイッチ381から出力された監視信号と、第1波長選択スイッチ371又は第2波長選択スイッチ381から出力された主信号とを合波して第1海底端局装置201へ送信する。
【0102】
第3波長選択スイッチ372は、ルートAからの入力と、第2合波器362の主信号入力用の入力への第1出力と、第2合波器362の監視信号入力用の入力への第2出力を有する。第3波長選択スイッチ372は、第1光カプラ311から第1海底光ケーブル610を経由して受信した信号のうち、試験伝送路から受信した監視信号を第2出力へ、現用伝送路から受信した主信号を第1出力へ、それぞれスイッチングして出力する。ここで、第3波長選択スイッチ372は、第1実施形態のステップS310において上述した試験伝送路の指定方法に応じて、監視信号を試験伝送路から受信する制御を行う。
【0103】
第4波長選択スイッチ382は、ルートBからの入力と、第2合波器362の主信号入力用の入力への第1出力と、第2合波器362の監視信号入力用の入力への第2出力を有する。第4波長選択スイッチ382は、第1光カプラ311から第2海底光ケーブル620を経由して受信した信号のうち、試験伝送路から受信した監視信号を第2出力へ、現用伝送路から受信した主信号を第1出力へ、それぞれスイッチングして出力する。ここで、第4波長選択スイッチ382は、第1実施形態のステップS310において上述した試験伝送路の指定方法に応じて、監視信号を試験伝送路から受信する制御を行う。
【0104】
第2合波器362は、第3波長選択スイッチ372及び第4波長選択スイッチ382からの主信号入力用の第1入力と、第3波長選択スイッチ372及び第4波長選択スイッチ382からの監視信号入力用の第2入力と、第2海底端局装置202への出力を有する。第2合波器362は、第3波長選択スイッチ372又は第4波長選択スイッチ382から出力された監視信号と、第3波長選択スイッチ372又は第4波長選択スイッチ382から出力された主信号とを合波して第2海底端局装置202へ送信する
本実施形態におけるその他の構成は、第2実施形態における構成と同様である。
【0105】
本実施形態における動作について説明する。
【0106】
図6は、本発明の第3実施形態における動作の一例を示すシーケンス図である。
【0107】
ここで、障害検出装置103には故障が発生していないこととする。この場合、第1中継器401、第2中継器402、第3中継器403、及び第4中継器404において、主信号及び監視信号が通過させられると共に監視信号がループバックされる(以下、単に、監視信号が「ループバックされる」とも称す)。但し、以下では、第4中継器404における監視信号のループバックを代表例として説明する。
【0108】
まず、例えば、マネージメントシステム(不図示)が、第1ケーブル分岐装置303及び第2ケーブル分岐装置304において試験伝送路(例えば、ルートB)を設定していることとする。そして、伝送路監視装置500は、試験伝送路が指定された状態で、局aに監視信号の送信を指示することとする。
【0109】
次に、局aから送信された主信号及び監視信号は、第3中継器403を経由して、第1光カプラ311で分岐され、ルートA及びBの両方を通り(第1中継器401及び第2中継器402を経由)、第2ケーブル分岐装置304に到達する(ステップS210)。ここで、第1中継器401、第2中継器402、及び第3中継器403において、監視信号が局bから局aの方向へループバックされる。
【0110】
続いて、第3波長選択スイッチ372によって、第1光カプラ311からルートAを経由して受信した信号のうち、試験伝送路から受信した監視信号(例えば、試験伝送路がルートBであれば監視信号は無し)と、現用伝送路(例えば、ルートA)から受信した主信号とがスイッチングして出力される(ステップS220)。
【0111】
一方、第4波長選択スイッチ382によって、第1光カプラ311からルートBを経由して受信した信号のうち、試験伝送路から受信した監視信号(例えば、試験伝送路がルートBである場合)と、現用伝送路から受信した主信号(例えば、現用伝送路がルートAであれば主信号は無し)とがスイッチングして出力される(ステップS230)。ここで、試験伝送路は、現用伝送路がルートA又はBのどちらであるかに依存せず、独立して選択可能である。
【0112】
続いて、第3波長選択スイッチ372又は第4波長選択スイッチ382によって出力された主信号と、第3波長選択スイッチ372又は第4波長選択スイッチ382によって出力された監視信号とは、第2合波器362によって合波され、第4中継器404へ到達する(ステップS240)。
【0113】
又、第4中継器404へ到達した監視信号は、第4中継器404によって第2光カプラ312へループバックされ、ルートA及びBの両方を通り、第1ケーブル分岐装置303へ到達する(ステップS250)。ここで、第2合波器362によって合波された主信号及び監視信号は、局bへも到達する。そして、局bは、第2光カプラ312へ主信号を送信する。
【0114】
続いて、第1波長選択スイッチ371によって、第2光カプラ312からルートAを経由して受信した信号のうち、試験伝送路から受信した監視信号(例えば、試験伝送路がルートBであれば監視信号は無し)と、現用伝送路(例えば、ルートA)から受信した主信号とがスイッチングして出力される(ステップS260)。
【0115】
一方、第2波長選択スイッチ381によって、第2光カプラ312からルートBを経由して受信した信号のうち、試験伝送路から受信した監視信号(例えば、試験伝送路がルートBである場合)と、現用伝送路から受信した主信号(例えば、現用伝送路がルートAであれば主信号は無し)とがスイッチングして出力される(ステップS270)。ここで、試験伝送路は、ステップS230における第4波長選択スイッチ382の試験伝送路と同一であることとする。
【0116】
続いて、第1波長選択スイッチ371又は第2波長選択スイッチ381によって出力された主信号と、第1波長選択スイッチ371又は第2波長選択スイッチ381によって出力された監視信号とは、第1合波器361によって合波され、局aへ到達する(ステップS280)。
【0117】
以上の動作の結果、障害検出装置103には故障が発生していない場合には、第4中継器404からと同様に、第1中継器401、第2中継器402、及び第3中継器403から局aに、監視信号がループバックされる。
【0118】
一方、障害検出装置103において、何れかの伝送路に故障が発生している場合には、何れかの監視信号がループバックされないか、ループバックされた監視信号に異常が発生する。
【0119】
そして、伝送路監視装置500は、局aから試験伝送路(例えば、ルートB)を経由して受信した、ループバックされた監視信号に基づいて、伝送路の障害検出を行う。
【0120】
同様に、今度は、例えば、マネージメントシステム(不図示)が、第1ケーブル分岐装置303及び第2ケーブル分岐装置304における試験伝送路の設定を切替えることとする(例えば、ルートA)。そして、伝送路監視装置500は、試験伝送路を切替えられた状態で、局aに監視信号の送信を指示し、局aから試験伝送路(例えば、ルートA)を経由して受信した、ループバックされた監視信号に基づいて、伝送路の障害検出を行う。
【0121】
本実施形態におけるその他の動作は、第2実施形態における動作と同様である。
【0122】
以上説明したように、本実施形態における障害検出装置103では、第1ケーブル分岐装置303が、第1ケーブル分岐装置303及び第2ケーブル分岐装置304を経由して、ルートA及びBの両方へ監視信号を送信する。そして、ルートA及びBの両方へ送信された監視信号は、第1中継器401、第2中継器402、第3中継器403、又は第4中継器404によってループバックされる。そして、第1ケーブル分岐装置303及び第2ケーブル分岐装置304は、試験伝送路からループバックされた監視信号を局aへ送信する。ここで、試験伝送路は、現用伝送路に依存せず、独立して選択可能である。そして、伝送路監視装置500は、局aから受信した、ループバックされた監視信号に基づいて、伝送路の障害検出を行う。
【0123】
従って、本実施形態における障害検出装置103には、海底光ケーブルが冗長構成を成す光海底ケーブルシステムにおいて、現用伝送路及び予備伝送路の障害を検出することができるという効果がある。ここで、障害検出装置103では、現用伝送路設定に依存せずに、現用伝送路及び予備伝送路の障害を検出することができる。
(第4実施形態)
本発明の各実施形態の基本である、本発明の第4実施形態について説明する。
【0124】
本実施形態における構成について説明する。
【0125】
図7は、本発明の第4実施形態における構成の一例を示すブロック図である。
【0126】
図7に示すように、本実施形態における障害検出装置107は、第1光カプラ311と、第2スイッチ機能部398と、伝送路監視部507とを含む。
【0127】
第2スイッチ機能部398は、伝送路監視部507と、第1光カプラ311とに接続される。
【0128】
第1光カプラ311と第2スイッチ機能部398は、第1海底光ケーブル610(以下、「ルートA」とも称す)及び第2海底光ケーブル620(以下、「ルートB」とも称す)のそれぞれによって互いに接続される。第1海底光ケーブル610及び第2海底光ケーブル620は互いに冗長構成を成し、一方が現用伝送路となり、他方が予備伝送路となる。例えば、第2スイッチ機能部398は、現用伝送路における障害が検知された場合に、現用伝送路と予備伝送路を切替える。例えば、第2スイッチ機能部398は、現用伝送路の情報を保持している。そして、現用伝送路における障害を検知した伝送路監視部507は、現用伝送路を切替える現用伝送路切替命令を、伝送路監視部507と第2スイッチ機能部398の間の接続と並行な別の接続(不図示)を経由して、第2スイッチ機能部398へ送信する。そして、第2スイッチ機能部398は、受信した現用伝送路切替命令に従って(受信機構については説明を省略)、現用伝送路を切替える。そして、第2スイッチ機能部398は、現用伝送路の情報を更新する。現用伝送路と予備伝送路の切替機構は、一般的に知られているので(特許文献1を参照)、詳細な説明を省略する。
【0129】
ルートA及びBを伝送される信号は、監視信号を含む。監視信号とは、ルートA及びBの障害を検出するための信号である。
【0130】
現用伝送路がルートA又はBの何れであるかに関する設定(以下、「現用伝送路設定」と称す)は、第2スイッチ機能部398によって保持されていることとする。又、試験対象である伝送路(以下、「試験伝送路」と称す)がルートA又はB(あるいは現用伝送路又は予備伝送路)の何れであるかは、試験毎に決定されることとする。
【0131】
第1光カプラ311は、信号の送信元からの入力と、ルートA及びBへの出力を有する。第1光カプラ311は、信号の送信元から受信した信号を現用伝送路及び予備伝送路(ルートA及びB)へ分岐して出力する。
【0132】
第2スイッチ機能部398は、ルートA及びBからの入力と、信号の送信先への出力を有する。第2スイッチ機能部398は、試験伝送路から入力した監視信号を信号の送信先(伝送路監視部507)へ送信する。
【0133】
本実施形態における動作について説明する。
【0134】
まず、信号の送信元は、監視信号を第1光カプラ311へ送信する。
【0135】
次に、第2スイッチ機能部398は、第1光カプラ311から試験伝送路を経由して受信した監視信号を伝送路監視部507へ送信する。ここで、伝送路監視部507は、第2スイッチ機能部398に対して試験伝送路を指定していることとする。尚、試験伝送路を指定するために、例えば、伝送路監視部507が、第2スイッチ機能部398に、1回の試験に要する時間(あるいは、監視信号の送信から受信に要する時間)だけ、監視信号を試験伝送路から受信するように指示してもよい。この場合、例えば、伝送路監視部507は、試験伝送路を指定する試験伝送路指定命令を、伝送路監視部507と第2スイッチ機能部398の間の接続と並行な別の接続(不図示)を経由して、第2スイッチ機能部398へ送信する。そして、第2スイッチ機能部398は、受信した試験伝送路指定命令に従って(受信機構については説明を省略)、所定の時間だけ試験伝送路を指定する。
【0136】
続いて、伝送路監視部507は、第2スイッチ機能部398から受信した監視信号に基づいて、試験伝送路(現用伝送路又は予備伝送路)の障害を検出する。具体的には、伝送路監視部507は、例えば、受信した監視信号のレベルの変動や試験伝送路等に基づいて、障害の有無、障害の種類、障害箇所(ルートA又はB)等を特定する。
【0137】
以上説明したように、本実施形態における障害検出装置107では、第2スイッチ機能部398は、信号の送信元から第1光カプラ311を経由してルートA及びBの両方へ送信された監視信号のうち、試験伝送路から受信した監視信号を伝送路監視部507へ送信する。そして、伝送路監視部507は、第2スイッチ機能部398から受信した監視信号に基づいて、試験伝送路の障害を検出する。ここで、試験伝送路には、ルートA又はB(現用伝送路又は予備伝送路)の何れも指定可能である。
【0138】
従って、本実施形態における障害検出装置107には、海底光ケーブルが冗長構成を成す光海底ケーブルシステムにおいて、現用伝送路及び予備伝送路の障害を検出することができるという効果がある。ここで、障害検出装置107では、現用伝送路設定に依存せずに、現用伝送路及び予備伝送路の障害を検出することができる。
【0139】
尚、障害検出装置107では、第1光カプラ311には、監視信号と光波長分割多重された主信号が更に入力されてもよい(第1実施形態を参照)。
【0140】
又、障害検出装置107では、第2スイッチ機能部398は、現用伝送路から出力された主信号を受信側の伝送路監視部とは異なる出力先(例えば、受信側の海底端局装置)へ出力してもよい(第1実施形態を参照)。
【0141】
又、障害検出装置107では、第1光カプラを含む送信側のケーブル分岐装置と、第2スイッチ機能部を含む受信側のケーブル分岐装置とを更に含んでもよい(第1実施形態を参照)。
【0142】
又、障害検出装置107では、送信元から送信された監視信号は、信号の送信先へ至る伝送路において、送信先から送信元の方向へループバックされてもよい(第1実施形態を参照)。この場合には、障害検出装置107は、第1光カプラ311及び送信側のスイッチ機能部を含む送信側のケーブル分岐装置と、受信側の光カプラ及び第2スイッチ機能部398を含む受信側のケーブル分岐装置とを更に含む。そして、送信側の装置が伝送路の試験の実行を制御することができる。
【0143】
又、障害検出装置107において、伝送路監視部507は、第2スイッチ機能部398と共に受信側のケーブル分岐装置に含まれてもよい。あるいは、伝送路監視部507は、第1光カプラ311と共に送信側のケーブル分岐装置に含まれてもよい(但し、第1実施形態に記載した監視信号のループバックが行われる場合)。あるいは、伝送路監視部507は、受信側の海底端局装置に含まれてもよいし、送信側の海底端局装置に含まれてもよいし(第1実施形態を参照)。あるいは、伝送路監視部507は、受信側の伝送路監視装置に含まれてもよいし、送信側の伝送路監視装置(第2実施形態及び第3実施形態を参照)に含まれてもよい。
【0144】
以上、本発明を、上述した各実施形態およびその変形例によって例示的に説明した。しかしながら、本発明の技術的範囲は、上述した各実施形態およびその変形例に記載した範囲に限定されない。当業者には、係る実施形態に対して多様な変更又は改良を加えることが可能であることは明らかである。そのような場合、係る変更又は改良を加えた新たな実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれ得る。そしてこのことは、特許請求の範囲に記載した事項から明らかである。
【0145】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
監視信号を現用伝送路及び予備伝送路へ分岐して出力する第1光カプラと、
前記現用伝送路及び前記予備伝送路のうち指定された一方である試験伝送路から出力された前記監視信号を出力する第2スイッチ機能部と、
前記第2スイッチ機能部から受信した前記監視信号に基づいて、前記試験伝送路の障害を検出する伝送路監視部と
を備えた障害検出装置。
(付記2)
前記第1光カプラには、前記監視信号と光波長分割多重された主信号が更に入力され、
前記第2スイッチ機能部は、前記現用伝送路から出力された前記主信号を前記伝送路監視部とは異なる出力先へ出力する
付記1に記載の障害検出装置。
(付記3)
前記第1光カプラと前記第2スイッチ機能部は、前記現用伝送路又は前記予備伝送路の何れの一方にもなることが可能な第1海底光ケーブル及び前記現用伝送路又は前記予備伝送路の何れの他方にもなることが可能な第2海底光ケーブルによって接続され、
前記第2スイッチ機能部は、
前記第1光カプラから前記第1海底光ケーブルを経由して受信した信号のうち、前記監視信号と主信号とを分波して出力する第3フィルタと、
前記第1光カプラから前記第2海底光ケーブルを経由して受信した信号のうち、前記監視信号と主信号とを分波して出力する第4フィルタと、
前記第3フィルタ又は前記第4フィルタによって出力された主信号のうち、前記現用伝送路から受信した主信号を出力する第3光スイッチと、
前記第3フィルタ又は前記第4フィルタによって出力された前記監視信号のうち、前記試験伝送路から受信した前記監視信号を出力する第4光スイッチと、
前記第3光スイッチから出力された主信号及び前記第4光スイッチから出力された前記監視信号を合波して前記伝送路監視部へ送信する第2合波器と
を含む
付記2に記載の障害検出装置。
(付記4)
前記第1光カプラと前記第2スイッチ機能部は、前記現用伝送路又は前記予備伝送路の何れの一方にもなることが可能な第1海底光ケーブル及び前記現用伝送路又は前記予備伝送路の何れの他方にもなることが可能な第2海底光ケーブルによって接続され、
前記第2スイッチ機能部は、
前記第1光カプラから前記第1海底光ケーブルを経由して受信した信号のうち、前記試験伝送路から受信した前記監視信号と前記現用伝送路から受信した主信号とをスイッチングして出力する第3波長選択スイッチと、
前記第1光カプラから前記第2海底光ケーブルを経由して受信した信号のうち、前記試験伝送路から受信した前記監視信号と前記現用伝送路から受信した主信号とをスイッチングして出力する第4波長選択スイッチと、
前記第3波長選択スイッチ又は前記第4波長選択スイッチから出力された前記監視信号と、前記第3波長選択スイッチ又は前記第4波長選択スイッチから出力された主信号とを合波して前記伝送路監視部へ送信する第2合波器と
を含む
付記2に記載の障害検出装置。
(付記5)
第1海底端局装置と、
第2海底端局装置と、
主信号及びループバックされた前記監視信号を前記現用伝送路及び前記予備伝送路へ分岐して出力する第2光カプラと、
前記試験伝送路から出力されたループバックされた前記監視信号を前記伝送路監視部へ出力し、前記現用伝送路から出力された主信号を前記第1海底端局装置へ出力する第1スイッチ機能部と
を更に含み、
前記第2スイッチ機能部は、前記試験伝送路から出力された前記監視信号と前記現用伝送路から出力された主信号とを前記第2海底端局装置へ出力し、
前記第2海底端局装置は、前記第2スイッチ機能部から受信した前記監視信号をループバックし、
前記伝送路監視部は、前記第1スイッチ機能部から受信したループバックされた前記監視信号に基づいて、前記試験伝送路の障害を検出する
付記2に記載の障害検出装置。
(付記6)
前記第1光カプラ及び前記第1スイッチ機能部を含む第1ケーブル分岐装置と、
前記第2光カプラ及び前記第2スイッチ機能部を含む第2ケーブル分岐装置と
を更に含み、
前記第1光カプラと前記第2スイッチ機能部は、前記現用伝送路又は前記予備伝送路の何れの一方にもなることが可能な第1海底光ケーブル及び前記現用伝送路又は前記予備伝送路の何れの他方にもなることが可能な第2海底光ケーブルによって接続され、
前記第1海底端局装置は、前記伝送路監視部を含む
付記5に記載の障害検出装置。
(付記7)
前記第2海底端局装置が前記監視信号のループバックを行わない場合に、前記第2海底端局装置と前記第2ケーブル分岐装置の間の第2接続に少なくとも1台の第4中継器を含み、
前記第4中継器は、主信号及び前記監視信号を通過させると共に、前記監視信号を前記第2接続においてループバックする
付記6に記載の障害検出装置。
(付記8)
前記第1海底光ケーブルは、少なくとも1台の第1中継器を含み、
前記第2海底光ケーブルは、少なくとも1台の第2中継器を含み、
前記第1中継器は、主信号及び前記監視信号を通過させると共に、前記監視信号を前記第1海底光ケーブルにおいてループバックし、
前記第2中継器は、主信号及び前記監視信号を通過させると共に、前記監視信号を前記第2海底光ケーブルにおいてループバックする
付記6又は7に記載の障害検出装置。
(付記9)
現用伝送路及び予備伝送路へ分岐して出力され、前記現用伝送路及び前記予備伝送路のうち指定された一方である試験伝送路から出力された監視信号を出力する第2スイッチ機能部
を備えたケーブル分岐装置。
(付記10)
前記第2スイッチ機能部は、前記現用伝送路から出力された光波長分割多重された主信号を前記監視信号の出力先とは異なる出力先へ出力する
付記9に記載のケーブル分岐装置。
(付記11)
現用伝送路及び予備伝送路へ分岐して出力され、前記現用伝送路及び前記予備伝送路のうち指定された一方である試験伝送路から出力された監視信号に基づいて、前記試験伝送路の障害を検出する
障害検出方法。
この出願は、2020年9月14日に出願された日本出願特願2020-153411を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0146】
本発明は、海底光ケーブルシステムを含む光伝送システムの障害を検出する用途において利用できる。
【符号の説明】
【0147】
100、103、105、107 障害検出装置
201、205 第1海底端局装置
202 第2海底端局装置
500 伝送路監視装置
301、303、305 第1ケーブル分岐装置
302、304、306 第2ケーブル分岐装置
341 第1光スイッチ
351 第2光スイッチ
342 第3光スイッチ
352 第4光スイッチ
371 第1波長選択スイッチ
381 第2波長選択スイッチ
372 第3波長選択スイッチ
382 第4波長選択スイッチ
311 第1光カプラ
312 第2光カプラ
401 第1中継器
402 第2中継器
403 第3中継器
404 第4中継器
321 第1フィルタ
322 第3フィルタ
331 第2フィルタ
332 第4フィルタ
361 第1合波器
362 第2合波器
610 第1海底光ケーブル
620 第2海底光ケーブル
395 第1スイッチ機能部
396、398 第2スイッチ機能部
507 伝送路監視部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7