(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】モジュール
(51)【国際特許分類】
H05K 9/00 20060101AFI20241210BHJP
H01L 23/00 20060101ALI20241210BHJP
H01L 25/04 20230101ALI20241210BHJP
H01L 25/18 20230101ALI20241210BHJP
【FI】
H05K9/00 Q
H01L23/00 C
H01L25/04 Z
(21)【出願番号】P 2022575513
(86)(22)【出願日】2021-12-24
(86)【国際出願番号】 JP2021048344
(87)【国際公開番号】W WO2022153847
(87)【国際公開日】2022-07-21
【審査請求日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】P 2021005115
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 翔太
(72)【発明者】
【氏名】小川 伸明
(72)【発明者】
【氏名】浅野 裕希
(72)【発明者】
【氏名】村中 昭宏
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/202841(WO,A1)
【文献】特開2004-253505(JP,A)
【文献】実開昭58-166095(JP,U)
【文献】特開2007-294965(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 9/00
H01L 23/00
H01L 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に並ぶ上主面及び下主面を有している基板と、
前記基板の前記上主面に設けられている板状部であって、前記上下方向に見て、前後方向に並ぶ前主面及び後主面を有している前記板状部を含む金属部材と、
前記基板の前記上主面に実装されており、且つ、前記金属部材より前に配置されている第1電子部品と、
前記基板の前記上主面に実装されており、且つ、前記金属部材より後に配置されている第2電子部品と、
前記基板の前記上主面に設けられ、且つ、前記第1電子部品と前記第2電子部品と前記金属部材とを覆う封止樹脂層と、
を備え、
前記金属部材は、右支持部を含んでおり、
前記板状部と前記右支持部との境界を右境界と定義し、
前記右境界は、前記金属部材の右部に位置しており、
前記右支持部は、前記右支持部において最も前に位置する右支持部最前部分であって、前記板状部よりも前に位置する右支持部最前部分、又は、前記右支持部において最も後に位置する右支持部最後部分であって、前記板状部よりも後に位置する右支持部最後部分を有し、
前記右支持部が前記右支持部最前部分を有する場合、前記右支持部は、前記右境界から前方向に向かって曲がり、
前記右支持部が前記右支持部最前部分を有する場合、前記右支持部は、前記右支持部最前部分から後方向、且つ、右方向に向かって曲がり、
前記右支持部が前記右支持部最後部分を有する場合、前記右支持部は、前記右境界から後方向に向かって曲がり、
前記右支持部が前記右支持部最後部分を有する場合、前記右支持部は、前記右支持部最後部分から前方向、且つ、右方向に向かって曲がり、
前記上下方向に見て、前記右支持部の下端を左右方向に繋いだ線を下辺と定義し、
前記右支持部には、前記下辺から上方向に延びる第1下切り欠きであって、前記上下方向に見て前記右支持部最前部分又は前記右支持部最後部分と重なる前記第1下切り欠きが設けられている、
モジュール。
【請求項2】
左右方向に平行な第1直線を定義し
前記第1直線は、前記右支持部の少なくとも2箇所と重なる、
請求項1に記載のモジュール。
【請求項3】
前記右支持部は、前記前後方向において前記板状部よりも前に位置する右支持部前部分と、前記前後方向において前記板状部よりも後に位置する右支持部後部分と、を含む、
請求項1又は2に記載のモジュール。
【請求項4】
前記右支持部が前記右支持部最前部分を有する場合、前記右支持部は、前記右支持部において前記右境界と前記右支持部最前部分との間に位置する第1部分と、前記右支持部において前記右支持部最前部分と前記右支持部の右端との間に位置する第2部分と、を含んでおり、
前記右支持部が前記右支持部最後部分を有する場合、前記右支持部は、前記右支持部において前記右境界と前記右支持部最後部分との間に位置する第1部分と、前記右支持部において前記右支持部最後部分と前記右支持部の右端との間に位置する第2部分と、を含んでおり、
前記左右方向に延びる直線を第1直線と定義し、
前記第1部分は、前記上下方向に見て、第2直線に平行であり、
前記第2部分は、前記上下方向に見て、第3直線に平行であり、
前記第2直線と前記第3直線とでなされる角の角度は、前記第1直線と前記第2直線とでなされる角の角度よりも大きい、
請求項1から3のいずれかに記載のモジュール。
【請求項5】
前記右支持部が前記右支持部最前部分を有する場合、前記右支持部は、前記右支持部において前記右境界と前記右支持部最前部分との間に位置する第1部分と、前記右支持部において前記右支持部最前部分と前記右支持部の右端との間に位置する第2部分と、を含んでおり、
前記右支持部が前記右支持部最後部分を有する場合、前記右支持部は、前記右支持部において前記右境界と前記右支持部最後部分との間に位置する第1部分と、前記右支持部において前記右支持部最後部分と前記右支持部の右端との間に位置する第2部分と、を含んでおり、
前記第1部分は、前記上下方向に見て、第1点を中心とした第1円弧を描き、
前記第2部分は、前記上下方向に見て、第2点を中心とした第2円弧を描き、
前記第2円弧の曲率半径は、前記第1円弧の曲率半径よりも小さい、
請求項1から3のいずれかに記載のモジュール。
【請求項6】
前記金属部材には、前記下辺から上方向に延びる右支持部第2下切り欠きであって、前記上下方向に見て前記右境界と重なる前記右支持部第2下切り欠きが設けられており、
請求項1から5のいずれかに記載のモジュール。
【請求項7】
前記前後方向に見て、前記板状部の上端を前記左右方向に繋いだ線を上辺と定義し、
前記板状部には、前記上辺から下方向に延びる上切り欠きが設けられている、
請求項1から6のいずれかに記載のモジュール。
【請求項8】
前記基板は、前記基板の前記上主面の一部である実装電極及び導電性部材を含み、
前記導電性部材は、前記右支持部に接触する右導電性部材を含み、
前記実装電極は、前記右支持部に右導電性部材により固定されている右実装電極を含む、
請求項1から7のいずれかに記載のモジュール。
【請求項9】
前記右支持部が前記右支持部最前部分を有する場合、前記右支持部の後主面において前記右導電性部材が接触している部分の面積は、前記右支持部の前主面において前記右導電性部材が接触している部分の面積よりも大きく、
前記右支持部が前記右支持部最後部分を有する場合、前記右支持部の前主面において前記右導電性部材が接触している部分の面積は、前記右支持部の後主面において前記右導電性部材が接触している部分の面積よりも大きく、
請求項8に記載のモジュール。
【請求項10】
前記右支持部が前記右支持部最前部分を有する場合、前記右支持部の前主面において前記右導電性部材が接触している部分の面積は、前記右支持部の後主面において前記右導電性部材が接触している部分の面積よりも大きく、
前記右支持部が前記右支持部最後部分を有する場合、前記右支持部の後主面において前記右導電性部材が接触している部分の面積は、前記右支持部の前主面において前記右導電性部材が接触している部分の面積よりも大きく、
請求項8に記載のモジュール。
【請求項11】
前記金属部材は、左支持部を更に含んでおり、
前記板状部と前記左支持部との境界を左境界と定義し、
前記左境界は、前記金属部材の左部に位置しており、
前記左支持部は、前記左支持部において最も前に位置する左支持部最前部分であって、前記板状部よりも前に位置する左支持部最前部分、又は、前記左支持部において最も後に位置する左支持部最後部分であって、前記板状部よりも後に位置する左支持部最後部分を有し、
前記左支持部が前記左支持部最前部分を有する場合、前記左支持部は、前記左境界から前方向に向かって曲がり、
前記左支持部が前記左支持部最前部分を有する場合、前記左支持部は、前記左支持部最前部分から後方向、且つ、左方向に向かって曲がり、
前記左支持部が前記左支持部最後部分を有する場合、前記左支持部は、前記左境界から後方向に向かって曲がり、
前記左支持部が前記左支持部最後部分を有する場合、前記左支持部は、前記左支持部最後部分から前方向、且つ、左方向に向かって曲がり、
前記上下方向に見て、前記左支持部の下端を前記左右方向に繋いだ線を下辺と定義し、
前記左支持部には、前記下辺から上方向に延びる第1下切り欠きであって、前記上下方向に見て前記左支持部最前部分又は前記左支持部最後部分と重なる前記第1下切り欠きが設けられている、
請求項1から請求項10のいずれかに記載のモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品が実装された基板を備えるモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のモジュールに関する発明としては、例えば、特許文献1に記載の高周波モジュールが知られている。この高周波モジュールは、基板、表面実装素子、金属壁、樹脂モールディング部及び金属薄膜を備えている。表面実装素子は、基板の上面に実装されている。金属壁は、基板の上面から上方向に延びている。樹脂モールディング部は、金属壁及び表面実装素子を封止している。金属薄膜は、樹脂モールディング部の上面を覆っている。金属壁は、第1表面実装素子と第2表面実装素子との間に位置するように設けられている。このような特許文献1に記載のモジュールでは、一部の第1表面実装素子と一部の第2表面実装素子との間の電磁干渉が、金属壁により抑制される(遮断される)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の高周波モジュールにおいて、自立性の高い金属壁を備えるモジュールが望まれている。
【0005】
本発明の目的は、自立性の高い金属壁を備えるモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のモジュールは、
上下方向に並ぶ上主面及び下主面を有している基板と、
基板の上主面に設けられている板状部であって、上下方向に見て、前後方向に並ぶ前主面及び後主面を有している板状部を含む金属部材と、
基板の上主面に実装されており、且つ、金属部材より前に配置されている第1電子部品と、
基板の上主面に実装されており、且つ、金属部材より後に配置されている第2電子部品と、
基板の上主面に設けられ、且つ、第1電子部品と第2電子部品と金属部材とを覆う封止樹脂層と、
を備え、
金属部材は、右支持部を含んでおり、
板状部と右支持部との境界を右境界と定義し、
右境界は、金属部材の右部に位置しており、
右支持部は、右支持部において最も前に位置する右支持部最前部分であって、板状部よりも前に位置する右支持部最前部分、又は、右支持部において最も後に位置する右支持部最後部分であって、板状部よりも後に位置する右支持部最後部分を有し、
右支持部が右支持部最前部分を有する場合、右支持部は、右境界から前方向に向かって曲がり、
右支持部が右支持部最前部分を有する場合、右支持部は、右支持部最前部分から後方向、且つ、右方向に向かって曲がり、
右支持部が右支持部最後部分を有する場合、右支持部は、右境界から後方向に向かって曲がり、
右支持部が右支持部最後部分を有する場合、右支持部は、右支持部最後部分から前方向、且つ、右方向に向かって曲がり、
上下方向に見て、右支持部の下端を左右方向に繋いだ線を下辺と定義し、
右支持部には、下辺から上方向に延びる第1下切り欠きであって、上下方向に見て右支持部最前部分又は右支持部最後部分と重なる第1下切り欠きが設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、自立性の高い金属部材を備えるモジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】
図4は、モジュール10のA-Aにおける断面図である。
【
図5】
図5は、モジュール10のB-Bにおける断面図である。
【
図6】
図6は、モジュール10のC-Cにおける断面図である。
【
図8】
図8は、金属部材14、半田Sd1~Sd6及び実装電極122の上面図である。
【
図9】
図9は、金属部材14及び基板12を前後方向から透視したときの図である。
【
図11】
図11は、製造時の金属部材14を前方向から見た図である。
【
図12】
図12は、製造時の金属部材14、半田Sd1~Sd6及び実装電極122の上面図である。
【
図13】
図13は、実施例2の実施形態に係る金属部材14aの上面図である。
【
図14】
図14は、実施例3の実施形態に係る金属部材14bの斜視図である。
【
図15】
図15は、実施例3の実施形態に係る金属部材14bの上面図である。
【
図16】
図16は、実施例4の実施形態に係る金属部材14cの斜視図である。
【
図17】
図17は、実施例4の実施形態に係る金属部材14cの上面図である。
【
図18】
図18は、実施例5の実施形態に係る金属部材14dを前方向に見た図である。
【
図19】
図19は、実装電極122及び半田Sd1~Sd6の実装パターンの変形例1に係る実装電極123及び半田Sd31~Sd33の上面図である。
【
図20】
図20は、実装電極1231と半田Sd31と左支持部140LとのD-Dにおける断面図である。
【
図21】
図21は、実装電極1233と半田Sd33と右支持部140RとのE-Eにおける断面図である。
【
図22】
図22は、半田Sd31の実装パターンの変形例に係る半田Sd31XのD-Dにおける断面図である。
【
図23】
図23は、半田Sd33の実装パターンの変形例に係る半田Sd33XのE-Eにおける断面図である。
【
図24】
図24は、実装電極122及び半田Sd1~Sd6の実装パターンの変形例2に係る実装電極124及び半田Sd41~Sd43の上面図である。
【
図25】
図25は、実装電極1241と半田Sd41と左支持部140LとのD-Dにおける断面図である。
【
図26】
図26は、実装電極1243と半田Sd43と右支持部140RとのE-Eにおける断面図である。
【
図27】
図27は、半田Sd41の実装パターンの変形例に係る半田Sd41Xを示す図である。
【
図28】
図28は、半田Sd43の実装パターンの変形例に係る半田Sd43Xを示す図である。
【
図29】
図29は、実装電極122及び半田Sd1~Sd6の実装パターンの変形例3に係る実装電極125及び半田Sd51,Sd52,Sd3,Sd4,Sd55,Sd56の上面図である。
【
図30】
図30は、製造時における実装電極125と半田Sd51,Sd52,Sd3,Sd4,Sd55,Sd56と金属部材14との上面図である。
【
図31】
図31は、その他の実施形態に係る金属部材14eを前方向に見た図である。
【
図32】
図32は、その他の実施形態に係る金属部材14fを前方向に見た図である。
【
図33】
図33は、その他の実施形態に係る金属部材14gを前方向に見た図である。
【
図34】
図34は、その他の実施形態に係る金属部材14hを前方向に見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
[モジュール10の構造]
以下に、本発明の一実施形態に係るモジュール10の構造について図面を参照しながら説明する。
図1は、モジュール10の斜視図である。
図1では、モジュール10の内部を透視した。
図2は、モジュール10の上面図である。
図2では、モジュール10の内部を透視した。
図3は、金属部材14の上面図である。
図4は、モジュール10のA-Aにおける断面図である。
図5は、モジュール10のB-Bにおける断面図である。
図6は、モジュール10のC-Cにおける断面図である。
図7は、金属部材14の斜視図である。
図8は、金属部材14及び実装電極122の上面図である。
図9は、金属部材14及び基板12を前後方向から透視したときの図である。
【0010】
以下に、モジュール10における方向について説明する。
図1に示すように、モジュール10の基板12は、板形状を有している。そこで、
図1及び
図4に示すように、基板12の上主面SU2及び下主面SD2が並ぶ方向を上下方向と定義する。
図2に示すように、上下方向に見て、金属部材14の前主面SF3及び後主面SB3が並ぶ方向を前後方向と定義する。また、前後方向及び上下方向に直交する方向を左右方向と定義する。上下方向、左右方向及び前後方向は、互いに直交している。ただし、上下方向、左右方向及び前後方向は、モジュール10の実使用時における上下方向、左右方向及び前後方向と一致していなくてもよい。また、各図面において、上方向と下方向とが入れ替わっていてもよいし、左方向と右方向とが入れ替わっていてもよいし、前方向と後方向とが入れ替わっていてもよい。
【0011】
以下に、本明細書における用語の定義について説明する。まず、本明細書における部材の位置関係について定義する。X乃至Zは、モジュール10を構成する部材又は部品である。本明細書において、前後方向に並ぶX及びYとは、以下の状態を示す。前後方向に垂直な方向にX及びYを見て、X及びYの両方が前後方向を示す任意の直線上に配置されている状態である。本明細書において、上下方向に見て前後方向に並ぶX及びYとは、以下の状態を示す。上下方向にX及びYを見て、X及びYの両方が前後方向を示す任意の直線上に配置されている。この場合、上下方向とは異なる左右方向からX及びYを見ると、X及びYのいずれか一方が前後方向を示す任意の直線上に配置されていなくてもよい。なお、XとYとが接触していてもよい。XとYとが離れていてもよい。XとYとの間にZが存在していてもよい。この定義は、前後方向以外の方向にも適用される。
【0012】
本明細書において、XがYの前に配置されるとは、以下の状態を指す。Xの少なくとも一部は、Yが前方向に平行移動するときに通過する領域内に配置されている。よって、Xは、Yが前方向に平行移動するときに通過する領域内に収まっていてもよいし、Yが前方向に平行移動するときに通過する領域から突出していてもよい。この場合、X及びYは、前後方向に並んでいる。この定義は、前後方向以外の方向にも適用される。
【0013】
本明細書において、左右方向に見て、XがYの前に配置されるとは、以下の状態を指す。左右方向に見て、XとYが前後方向に並んでおり、かつ、左右方向に見て、XのYと対向する部分が、Yの前に配置される。この定義において、XとYは、3次元では、前後方向に並んでいなくてもよい。この定義は、前後方向以外の方向も適用される。
【0014】
本明細書において、XがYより前に配置されるとは、以下の状態を指す。Xは、Yの前端を通り前後方向に直交する平面の前に配置される。この場合、X及びYは、前後方向に並んでいてもよく、並んでいなくてもよい。この定義は、前後方向以外の方向にも適用される。
【0015】
本明細書において、特に断りのない場合には、Xの各部について以下のように定義する。Xの前部とは、Xの前半分を意味する。Xの後部とは、Xの後半分を意味する。Xの左部とは、Xの左半分を意味する。Xの右部とは、Xの右半分を意味する。Xの上部とは、Xの上半分を意味する。Xの下部とは、Xの下半分を意味する。Xの前端とは、Xの前方向の端を意味する。Xの後端とは、Xの後方向の端を意味する。Xの左端とは、Xの左方向の端を意味する。Xの右端とは、Xの右方向の端を意味する。Xの上端とは、Xの上方向の端を意味する。Xの下端とは、Xの下方向の端を意味する。Xの前端部とは、Xの前端及びその近傍を意味する。Xの後端部とは、Xの後端及びその近傍を意味する。Xの左端部とは、Xの左端及びその近傍を意味する。Xの右端部とは、Xの右端及びその近傍を意味する。Xの上端部とは、Xの上端及びその近傍を意味する。Xの下端部とは、Xの下端及びその近傍を意味する。
【0016】
本明細書における任意の2個の部材をX及びYと定義した場合、任意の2個の部材の関係は以下のような意味になる。本明細書において、XがYに支持されているとは、XがYに対して移動不可能にYに取り付けられている(すなわち、固定されている)場合、及び、XがYに対して移動可能にYに取り付けられている場合を含む。また、XがYに支持されているとは、XがYに直接に取り付けられている場合、及び、XがZを介してYに取り付けられている場合の両方を含む。
【0017】
本明細書において、「XとYとが電気的に接続される」とは、XとYとの間で電気が導通していることを意味する。従って、XとYとが接触していてもよいし、XとYとが接触していなくてもよい。XとYとが接触していない場合には、XとYとの間に導電性を有するZが配置されている。
【0018】
本明細書において、右方向に向かって曲がるとは、右方向のベクトル成分を含むように曲がることである。従って、右方向に向かって曲がるとは、右方向以外の方向のベクトル成分(例えば、前方向のベクトル成分)を含んでいてもよい。同様にして、左方向に向かって曲がるとは左方向のベクトル成分を含むように曲がることである。前方向に向かって曲がるとは、前方向のベクトル成分を含むように曲がることである。後方向に向かって曲がるとは、後方向のベクトル成分を含むように曲がることである。上方向に向かって曲がるとは、上方向のベクトル成分を含むように曲がることである。下方向に向かって曲がるとは、下方向のベクトル成分を含むように曲がることである。
【0019】
[モジュール10の構造]
モジュール10は、例えば、高周波モジュールである。高周波モジュールは、例えば、携帯型無線通信機器のアナログフロントエンドモジュールである。ただし、モジュール10は、高周波モジュールに限らない。
【0020】
モジュール10は、
図1から
図4に示すように、基板12、金属部材14、電子部品16a~16e、封止樹脂層18及びシールド20を備えている。
【0021】
基板12は、例えば、低温同時焼成セラミック、高温同時焼成セラミック、ガラスエポキシ等を材料とする複数の絶縁体層が積層された構造を有する多層配線基板である。
【0022】
基板12は、板形状を有している。従って、基板12は、
図1及び
図4に示すように、上主面SU2、下主面SD2、左面SL2、右面SR2、前面SF2及び後面SB2を有している。基板12は、上下方向に見て、長方形状を有している。
【0023】
基板12の上主面SU2、下主面SD2及び内部には、導体層により電気回路が設けられている。本実施形態では、基板12は、
図4及び
図5に示すように、グランド導体層G,G1を備えている。グランド導体層G,G1は、基板12の内部に設けられている。グランド導体層G、C1には、グランド電位が接続されている。
【0024】
金属部材14は、基板12の上主面SU2に設けられている。具体的には、金属部材14は、基板12の上主面SU2から上方向に延びている。
【0025】
金属部材14は、1枚の金属板が折り曲げ加工された構造を有している。金属部材14は、例えば、タフピッチ銅により作製されている。なお、タフピッチ銅の代わりに、黄銅、リン青銅、SUS、アルミニウム等が用いられてもよい。金属部材14の厚みは、例えば、50μmである。
【0026】
電子部品16a,16b(第1電子部品)は、
図1、
図2及び
図4に示すように、基板12の上主面SU2に実装されている。電子部品16a,16bの実装方法は、例えば、半田による実装である。電子部品16a,16bは、ICやPA(パワーアンプ)等の半導体素子、チップインダクタ、チップコンデンサ、チップ抵抗等のチップ部品である。電子部品16a,16bは、
図1、
図2及び
図4に示すように、金属部材14より前に配置されている。
【0027】
本実施形態では、電子部品16a,16bは、金属部材14より前に配置されている。従って、電子部品16a,16bは、前後方向に見て、金属部材14と重なっている。電子部品16a,16bの左端は、金属部材14の左端より右に位置している。電子部品16a,16bの右端は、金属部材14の右端より左に位置している。電子部品16a,16bの上端は、金属部材14の上端より下に位置している。
【0028】
図4に示す例では、電子部品16aは、ビアv11と電気的に接続されている。また、電子部品16bは、ビアv12と電気的に接続されている。ビアv1とビアv2とは、信号導体層SC1を介して電気的に接続されている。すなわち、
図4に示す例では、電子部品16aと電子部品16bとが信号導体層SC1を介して電気的に接続されている。
【0029】
電子部品16c,16d,16e(第2電子部品)は、基板12の上主面SU2に実装されている。電子部品16c,16d,16eの実装方法は、例えば、半田による実装である。電子部品16c,16d,16eは、ICやPA(パワーアンプ)等の半導体素子、チップインダクタ、チップコンデンサ、チップ抵抗等のチップ部品である。電子部品16c,16d,16eは、
図1、
図2及び
図4に示すように、金属部材14より後に配置されている。
【0030】
本実施形態では、電子部品16c,16d,16eは、金属部材14より後に配置されている。従って、電子部品16c,16d,16eは、前後方向に見て、金属部材14と重なっている。電子部品16c,16d,16eのそれぞれの左端は、金属部材14の左端より右に位置している。電子部品16c,16d,16eのそれぞれの右端は、金属部材14の右端より左に位置している。電子部品16c,16d,16eのそれぞれの上端は、金属部材14の上端より下に位置する。
【0031】
図4に示す例では、電子部品16cは、ビアv21と電気的に接続されている。また、電子部品16dは、ビアv22と電気的に接続されている。ビアv21とビアv22とは、信号導体層SC2を介して電気的に接続されている。すなわち、
図4に示す例では、電子部品16cと電子部品16dとが信号導体層SC2を介して電気的に接続されている。
【0032】
電子部品16a~16eは、例えばコイルのように磁束を発生させる場合がある。電子部品16a~16eが磁束を発生する場合、金属部材14によるシールドの用途としては、例えば、以下に示す第1ケース及び第2ケースの2つのケースが想定される。
【0033】
第1ケースは、周囲の電子部品への磁束の影響を抑制するために、電子部品から発生する磁束を金属部材14によってシールドするケースである。第1ケースに相当する電子部品は、例えば、SAW(Aurface Acoustic Wave)フィルタ、LNA(Low Noise Amplifier)、スイッチ等である。
【0034】
第1ケースに相当する電子部品の場合、電子部品を金属部材14に近づけて配置することによって、電子部品から発生する磁束をシールドしやすい。例えば、
図1及び
図2に示す電子部品16b,16cのように、電子部品を金属部材14に近づけて配置する。
【0035】
第2ケースは、電子部品の特性が劣化しないように、電子部品が発生する磁束をシールドしないケースである。第2ケースに相当する電子部品は、例えば、チップインダクタである。
【0036】
第2ケースに相当する電子部品の場合、電子部品を金属部材14から遠ざけて配置することによって、金属部材14によってシールドされた磁束が、電子部品の特性を劣化させる可能性が低減する。例えば、
図1及び
図2に示す電子部品16a,16d,16eのように、電子部品を金属部材14から遠ざけて配置する。
【0037】
また、第2ケースに相当する電子部品には、バーティカル型インダクタ及びホリゾン型インダクタが存在する。
【0038】
バーティカル型インダクタは、巻回軸が上下方向に延びるインダクタである。ホリゾン型インダクタは、巻回軸が上下方向に延びるインダクタである。
【0039】
ここで、金属部材14について、詳細に説明する。金属部材14は、
図1、
図2及び
図3に示すように、1枚の板状体を前方向、又は、後方向へ曲げた形状である。このとき、金属部材14は、前方向、又は、後方向へ曲がる部分である曲げ部を有する。
図2及び
図3に示す例では、金属部材14は、金属部材14の右端部において前方向に曲がる曲げ部(以下、第1曲げ部と称す)を有する。また、金属部材14は、金属部材14の左端部において後方向に曲がる曲げ部(以下、第2曲げ部と称す)を有する。このとき、金属部材14は、
図1、
図2及び
図3に示すように、板状部140、右支持部140R及び左支持部140Lを含むことになる。板状部140は、板形状を有している。すなわち、板状部140は、前後方向に見て、長方形状を有している。右支持部140Rは、第1曲げ部と金属部材14の右端との間に位置する部分である。すなわち、右支持部140Rは、板状部140の右端(第1曲げ部)に接続されている。右支持部140Rは、第1曲げ部から前方向に向かって延びる。同様にして、左支持部140Lは、第2曲げ部と金属部材14の左端との間に位置する部分である。すなわち、左支持部140Lは、板状部140の左端(第2曲げ部)に接続されている。左支持部140Lは、第2曲げ部から後方向に向かって延びる。
【0040】
上記に示す構成の場合、第1曲げ部は、板状部140と右支持部140Rとの境界となる。ここで、
図3に示すように、板状部140と右支持部140Rとの境界を右境界CR1と定義する。この場合、右境界CR1は、第1曲げ部を含むことになる。このとき、右境界CR1は、板状部140の右部に位置している。より正確には、右境界CR1は、板状部140の右端に位置している。右支持部140Rは、
図5、
図6及び
図7に示すように、前後方向に見て右境界CR1から右方向に向かって延びる。また、右支持部140Rは、
図3に示すように、右境界CR1から前方向に向かって延びる。同様にして、第2曲げ部は、板状部140と左支持部140Lとの境界となる。ここで、
図3に示すように、板状部140と左支持部140Lとの境界を左境界CL1と定義する。この場合、左境界CL1は、第2曲げ部を含むことになる。このとき、左境界CL1は、板状部140の左部に位置している。より正確には、左境界CL1は、板状部140の左端に位置している。左支持部140Lは、
図5、
図6及び
図7に示すように、前後方向に見て左境界CL1から左方向に向かって延びる。また、左支持部140Lは、
図3に示すように、左境界CL1から後方向に向かって延びる。
【0041】
板状部140は、
図2及び
図4に示すように、前主面SF3及び後主面SB3を有している。
【0042】
図5、
図6及び
図7に示すように、板状部140には、上切り欠き142a,142b及び下切り欠き144a~144cが設けられている。従って、板状部140は、厳密には、前後方向に見て、長方形状とは異なる形状を有している。
【0043】
そこで、
図5及び
図6に示すように、前後方向に見て、金属部材14の上端を左右方向に繋いだ線を上辺LUと定義する。前後方向に見て、金属部材14の下端を左右方向に繋いだ線を下辺LDと定義する。上辺LUは、下辺LDより基板12から上方向に離れた位置に存在する。
【0044】
本明細書において、切り欠きとは、金属部材14の一部が欠損することにより、金属部材14の外縁に形成された窪みである。本明細書の切り欠きは、例えば、長方形状の板の辺から辺に直交する方向に延びるU字形状の欠損部、及び、長方形状の角が除去されることにより形成されるL字形状の欠損部を含む。また、切り欠きは、角張ったU字形状の欠損部でもよい。
【0045】
上切り欠き142a,142bは、
図5及び
図6に示すように、上辺LUから下方向に延びている。上切り欠き142a,142bは、前後方向に見て、U字型を有している。すなわち、上切り欠き142a,142bは、上辺、下辺、左辺及び右辺を有する長方形と、長方形の下辺から下方向に突出する半円とが組み合わされた形状を有している。上切り欠き142a,142bの下端は、前後方向に見て、板状部140の上下方向の中央より上に位置している。上切り欠き142aは、上切り欠き142bの左に位置している。上切り欠き142a,142bの上下方向の長さは、例えば、板状部140の上下方向の長さの半分以下である。上切り欠き142a、142bの左右方向の幅は、例えば、150μmである。
【0046】
下切り欠き144a~144cは、
図5及び
図6に示すように、下辺LDから上方向に延びている。下切り欠き144a~144cは、前後方向に見て、上下が反転したU字型を有している。すなわち、下切り欠き144a~144cは、長方形と、長方形の上辺から上方向に突出する半円とが組み合わされた形状を有している。下切り欠き144a~144cの上端は、前後方向に見て、板状部140の上下方向の中央より下に位置している。下切り欠き144a~144cは、左から右へとこの順に一列に並んでいる。下切り欠き144a~144cは、前後方向に見て、左右方向に等間隔に並んでいる。下切り欠き144a~144cの上下方向の長さは、例えば、板状部140の上下方向の長さの半分以下である。下切り欠き144a~144cの左右方向の幅は、例えば、150μmである。
【0047】
ここで、上切り欠き142a,142bと下切り欠き144a~144cとの位置関係について説明する。
図5、
図6及び
図7に示すように、上切り欠き142a,142bは、上下方向に見て、下切り欠き144a~144cから左右方向にずれている。上切り欠き142aは、上下方向に見て、左右方向において下切り欠き144aと下切り欠き144bとの間に位置している。上切り欠き142bは、上下方向に見て、左右方向において下切り欠き144bと下切り欠き144cとの間に位置している。これにより、上切り欠き142a,142bと下切り欠き144a~144cとが近接しすぎることを抑制している。上切り欠き142a,142bと下切り欠き144a~144cとの最短距離は、板状部140の板厚の1.5倍以上となっている。上切り欠き142a,142bと下切り欠き144a~144cとの最短距離は、より好ましくは、板状部140の板厚の2倍以上である。
【0048】
下切り欠き144a~144cが設けられた板状部140は、
図5、
図6及び
図7に示すように、足部146a~146dを含む。足部146a~146dは、板状部140の下部に位置する。足部146aは、
図7に示すように、左境界CL1と下切り欠き144aとの間に位置する部分である。この場合、足部146aは、板状部140の左端部に位置する。足部146dは、
図7に示すように、右境界CR1と下切り欠き144cとの間に位置する部分である。この場合、足部146dは、板状部140の右端部に位置する。足部146b,146cは、板状部140において隣合う2つの下切り欠きの間に位置する部分である。具体的には、足部146bは、下切り欠き144aと下切り欠き144bとの間に位置する。また、足部146cは、下切り欠き144bと下切り欠き144cとの間に位置する。すなわち、本明細書において板状部140の足部とは、隣り合う2つの下切り欠きの間に位置する部分、板状部140の右端部に位置する部分、又は、板状部140の左端部に位置する部分である。
【0049】
足部146aは、
図5、
図6及び
図7に示すように、左右方向において下切り欠き144aの左に位置する。すなわち、足部146aは、板状部140の左端部に位置する。
【0050】
足部146bは、
図5、
図6及び
図7に示すように、左右方向において下切り欠き144aと下切り欠き144bとの間に位置する。
【0051】
足部146cは、
図5、
図6及び
図7に示すように、左右方向において下切り欠き144bと下切り欠き144cとの間に位置する。
【0052】
足部146dは、
図5、
図6及び
図7に示すように、左右方向において下切り欠き144cの右に位置する。すわなち、足部146dは、板状部140の右端部に位置する。
【0053】
ここで、足部146a~146dと下切り欠き144a~144cとの位置関係について説明する。足部146a、下切り欠き144a、足部146b、下切り欠き144b、足部146c、下切り欠き144c、足部146dは、
図5、
図6及び
図7に示すように、前後方向に見て、左から右へとこの順に並んでいる。下切り欠き144a~144cは、同じ形状を有している。そのため、足部146a~146dは、前後方向に見て、左右方向に等間隔に並んでいる。
【0054】
また、足部146a~146dの外縁は、下切り欠き144a~144cの外縁と繋がっている。従って、足部146a~146dの左及び右の少なくとも一方には、下切り欠き144a~144cが位置している。そのため、足部146a~146dは、前後方向に見て、左右方向において下切り欠き144a~144cの間に位置する足部146b,146c(第1足部)を、含んでいる。足部146b,146cの左及び右の両方には、下切り欠き144a~144cが位置している。
【0055】
右支持部140Rには、
図5、
図6及び
図7に示すように下切り欠き144Rが設けられている。
【0056】
下切り欠き144Rは、
図5及び
図6に示すように、下辺LDから上方向に延びている。下切り欠き144Rは、前後方向に見て、上下が反転したU字型を有している。下切り欠き144Rの上端は、前後方向に見て、板状部140の上下方向の中央より下に位置している。
【0057】
下切り欠き144Rが設けられた右支持部140Rは、
図5、
図6及び
図7に示すように、足部146R1,146R2を含む。足部146R1,146R2は、右支持部140Rの下端部に位置する。足部146R1は、右境界CR1と下切り欠き144Rとの間に位置する部分である。この場合、足部146R1は、右支持部140Rにおいて下切り欠き144Rの左に位置する。足部146R2は、右支持部140Rの右端部に位置する部分である。この場合、足部146R2は、右支持部140Rにおいて下切り欠き144Rの右に位置する部分である。すなわち、本明細書において、右支持部140Rの足部とは、右境界CR1と下切り欠きとの間に位置する部分、又は、右支持部140Rの右端部に位置する部分である。なお、右支持部140Rに複数の下切り欠きが設けられている場合、右支持部140Rにおいて隣り合う2つの下切り欠きの間に位置する部分も足部となる。
【0058】
足部146R1は、下切り欠き144Rの左に位置する。すなわち、足部146R1は、右支持部140Rの左端部に位置する。
【0059】
足部146R2は、下切り欠き144Rの右に位置する。すなわち、足部146R2は、右支持部140Rの右端部に位置する。
【0060】
左支持部140Lには、
図1、
図5及び
図6に示すように、下辺LDから上方向に延びる下切り欠き144Lが設けられている。
【0061】
なお、下切り欠き144Lの形状は、下切り欠き144Rと同じであるため、説明を省略する。
【0062】
下切り欠き144Lが設けられた左支持部140Lは、足部146L1,146L2を含む。足部146L1,146L2は、左支持部140Lの下端部に位置する。足部146L2は、左支持部140Lにおいて左境界CL1と下切り欠き144Lとの間に位置する部分である。この場合、足部146L2は、左支持部140Lにおいて下切り欠き144Lの右に位置する。足部146L1は、左支持部140Lの左端部に位置する部分である。この場合、足部146L1は、左支持部140Lにおいて下切り欠き144Lの左に位置する。すなわち、本明細書において左支持部140Lの足部とは、左境界CL1と下切り欠きとの間に位置する部分、又は、左支持部140Lの左端部に位置する部分である。なお、左支持部140Lに複数の下切り欠きが設けられている場合、左支持部140Lにおいて隣り合う2つの下切り欠きの間に位置する部分も足部となる。
【0063】
足部146L1は、下切り欠き144Lの左に位置する。すなわち、足部146L1は、左支持部140Lの左端部に位置する。
【0064】
足部146L2は、下切り欠き144Lの右に位置する。すなわち、足部146L2は、左支持部140Lの右端部に位置する。
【0065】
足部146L1,146L2、146a~146d,146R1,146R2は、基板12の上主面SU2に固定されている。具体的には、足部146L1,146L2、146a~146d,146R1,146R2は、
図8に示すように、基板12の有する実装電極122に固定されている。すなわち、実装電極122は、基板12の上主面SU2の一部である。
【0066】
図8及び
図9に示すように、実装電極122は、上下方向に見て、左右方向に延びる長辺を有する長方形状を有している。
図8に示すように、実装電極122は、実装電極1221~1226を含んでいる。
【0067】
実装電極122と、金属部材14とは半田Sd1~Sd6により固定されている。より詳細には、
図8及び
図9に示すように、足部146L1は、実装電極1221に半田Sd1により固定されている。足部146L2,146aは、実装電極1222に半田Sd2により固定されている。この場合、左支持部140Lは、半田Sd1,Sd2(左導電性部材)により固定されている。足部146bは、実装電極1223に半田Sd3により固定されている。足部146cは、実装電極1224に半田Sd4により固定されている。足部146d,146R1は、実装電極1225に半田Sd5により固定されている。足部146R2は、実装電極1226に半田Sd6により固定されている。この場合、右支持部140Rは、半田Sd5,Sd6(右導電性部材)により固定されている。
【0068】
なお、
図8及び
図9に示すように、左支持部140Lの足部146L1に固定されている実装電極1221及び左支持部140Lの足部146L2に固定されている実装電極1222が、本実施形態における左実装電極である。同様にして、右支持部140Rの足部146R1に固定されている実装電極1225及び右支持部140Rの足部146L2に固定されている実装電極1226が、本実施形態における右実装電極である。
【0069】
金属部材14は、実装電極122を介してグランド導体層G2に電気的に接続されている。より詳細には、金属部材14の下端部は、半田Sd1~Sd6によって、実装電極1221~1226に接続されている。そして、
図9に示すように、実装電極1221~1226のそれぞれは、ビアv1~v6に接続されている。ビアv1~v6は、グランド導体層G2に接続されている。従って、金属部材14は、半田Sd1~Sd6、実装電極1221~1226及びビアv1~v6を介してグランド導体層G2に電気的に接続される。
【0070】
なお、足部146L1,146L2、146a~146d,146R1,146R2と実装電極122は半田Sd1~Sd6を介さず、直接に接触して接続されていてもよいし、足部146L1,146L2、146a~146d,146R1,146R2は、上面SU1と直接に接触して実装されていてもよい。
【0071】
上記の構成の場合、
図9に示すように、基板12内においてビアv1~v6が左右方向に等間隔に並ぶ。隣り合うビアv1~v6の間隔は、例えば、基板12の信号導体層(図示せず)を伝送される信号の波長の1/2、又は、1/4以下である。この場合、ビアv1~v6は、基板12の中を伝搬する信号を遮蔽することができる。具体的には、信号の波長の1/2、又は、1/4の間隔でビアv1~v6を設置した場合、ビアv1~v6は、信号の入射波及び信号の反射波の合成波(すなわち、定常波である)における節となる部分に位置することになる。これにより、基板12において入力信号に対する定常波が、発生しにくくなる。結果、ビアv1~v6によって、基板12の中を伝搬する信号を遮蔽することができる。
【0072】
以下、ビアv1~v6が設けられた金属部材14のシールド性について更に詳細に説明する。例えば、
図4に示すように、信号導体層SC1から、干渉波IW1が発生する可能性がある。このとき、
図4に示すように、信号導体層SC1から発生した干渉波IW1が、後方向へ向かって進む可能性がある。ビアv1~v6が設けられていない金属部材の場合、信号導体層SC1から発生した干渉波が、金属部材の下を通過する可能性がある。一方、ビアv1~v6を設けた金属部材14の場合、信号導体層SC1から発生した干渉波は、ビアv1~v6によってシールドされる。従って、信号導体層SC1から発生した干渉波が、金属部材14の下を通過する可能性が低い。
【0073】
同様にして、
図4に示すように、信号導体層SC2から干渉波IW2が発生する可能性がある。このとき、
図4に示すように金属部材14の下にビアv1~v6が設けられている場合、干渉波IW2は、ビアv1~v6によってシールドされる。従って、干渉波IW2が、金属部材14の下を通過する可能性が低い。
【0074】
封止樹脂層18は、
図1及び
図4に示すように、基板12の上主面SU2に設けられている。封止樹脂層18は、金属部材14及び電子部品16a~16eを覆っている。これにより、封止樹脂層18は、金属部材14及び電子部品16a~16eを保護している。このとき、金属部材14は、封止樹脂層18により固定される。封止樹脂層18の材料は、例えば、エポキシ樹脂である。封止樹脂層18は、直方体形状を有している。従って、封止樹脂層18は、上面SU1、下面SD1、左面SL1、右面SR1、前面SF1及び後面SB1を有している。
【0075】
本実施形態では、金属部材14の上端は、封止樹脂層18の上面SU1において封止樹脂層18から露出している。
【0076】
左支持部140Lの左端は、封止樹脂層18の左面SL1よりも右に位置している。本実施形態では、左支持部140Lの左端は、封止樹脂層18の左面SL1において封止樹脂層18から露出していない。
【0077】
右支持部140Rの右端は、封止樹脂層18の右面SR1よりも左に位置している。本実施形態では、右支持部140Rの右端は、封止樹脂層18の右面SR1において封止樹脂層18から露出していない。
【0078】
シールド20は、封止樹脂層18の上面SU1を覆っている。本実施形態では、シールド20は、封止樹脂層18の上面SU1、左面SL1、右面SR1、前面SF1及び後面SB1、並びに、基板12の左面SL2、右面SR2、前面SF2及び後面SB2を覆っている。また、シールド20は、金属部材14と電気的に接続されている。具体的には、シールド20は、金属部材14が封止樹脂層18から露出している部分と接触している。従って、
図2、
図5及び
図6に示すように、シールド20と金属部材14の右端とは、接触していない。また、
図2、
図5及び
図6に示すように、シールド20と金属部材14の左端とは、接触していない。
【0079】
更に、シールド20は、基板12の後面SB2から露出しているグランド導体層Gに接続されている。これにより、シールド20は、グランド電位に接続されている。
【0080】
シールド20は、多層構造を有している。具体的には、シールド20は、密着層、導電層及び保護層を含んでいる。密着層、導電層及び保護層は、下層から上層へとこの順に積層されている。密着層は、導電層と封止樹脂層18との密着強度を高める役割を果たす。密着層の材料は、例えば、SUS(Stain Less Steel)である。導電層は、シールド機能を果たす。導電層の材料は、例えば、Cu、Ag、Al等の金属である。保護層は、導電層の腐食を防止する役割を果たす。保護層の材料は、例えば、SUSである。
【0081】
金属部材14においてシールド20と接触している面の表面粗さは、金属部材14の前主面SF3及び後主面SB3の表面粗さよりも粗い。これにより、シールド20が、金属部材14から剥がれる可能性を低減できる。より詳細には、金属部材14においてシールド20と接触している面の表面粗さは粗い。この場合、金属部材14においてシールド20と接触している面と、シールド20との接触面積が増える。従って、金属部材14におけるシールド20と接触している面が平坦である場合と比較して、金属部材14とシールド20との密着性が向上する(例えば、アンカー効果である)。結果、モジュール10においてシールド20が、金属部材14から剥がれる可能性を低減できる。
【0082】
基板12の下主面SD2には、外部端子ETが設けられている。モジュール10は、外部端子ETによって、モジュール10外部の回路と接続される。
【0083】
ところで、本実施形態の金属部材14は、自立性の高い構造を有している。この構造について、以下、より詳細に説明する。
【0084】
右支持部140Rは、
図3及び
図5に示すように、第1部分RFP及び第2部分RSPを含んでいる。
【0085】
第1部分RFPは、
図3及び
図5に示すように、右境界CR1に接続されている。第1部分RFPは、
図3に示すように、上下方向に見て右境界CR1から前方向に向かって延びる部分である。この場合、右支持部140Rは、右境界CR1から前方向に向かって曲がる。言い換えると、右境界CR1近傍において金属部材14は、湾曲している。このとき、第1部分RFPは、前後方向において板状部140よりも前に位置する。
【0086】
第2部分RSPは、
図3及び
図5に示すように、第1部分RFPの右端CR2に接続されている。第2部分RSPは、
図3に示すように、上下方向に見て第1部分RFPの右端CR2から後方向、且つ、右方向に向かって延びる。この場合、右支持部140Rは、第1部分RFPの右端CR2から後方向、且つ、右方向に向かって曲がる。このとき、
図3及び
図5に示すように、第2部分RSPは、第1部分RFPの右端CR2から右支持部140Rの右端まで延びる。
【0087】
上記の構成により、右支持部140Rは、左右方向の中央付近が前方向に突出する形状を有する。この場合、第1部分RFPの右端CR2は、上下方向に見て右支持部140Rにおいて最も前に位置する右支持部最前部分X1となる。このとき、右支持部最前部分X1は、上下方向に見て板状部140よりも前に位置する。
【0088】
上記に示す構成の場合、右支持部140Rは以下の状態となる。
図3に示すように、左右方向に平行な第1直線RS1を定義した場合に、第1直線RS1は、右支持部140Rの少なくとも2箇所(
図3に示す第1箇所RP1及び第2箇所RP2)と重なる。右支持部140Rが、右支持部最前部分X1を有する場合、第1直線RS1は、板状部140よりも前に位置する。
【0089】
また、第1部分RFPと第2部分RSPとでなされる角の角度Rθ2は、板状部140と第1部分RFPとでなされる角の角度Rθ1よりも大きい。具体的には、
図3に示すように、上下方向に見て第1部分RFPに平行な第2直線RS2と第2部分RSPに平行な第3直線RS3を定義する。このとき、第2直線RS2と第3直線RS3とでなされる角の角度Rθ2は、
図3に示すように、第1直線RS1と第2直線RS2とでなされる角の角度Rθ1よりも大きい。
【0090】
また、下切り欠き144Rは、
図6及び
図7に示すように、第1部分RFPと第2部分RSPとが接続されている部分(右支持部140Rにおいて前方向に突出している部分)に設けられる。この場合、右支持部140Rにおいて、下切り欠き144Rは、上下方向に見て右支持部最前部分X1と重なる。
【0091】
以下、左支持部140Lについて説明する。左支持部140Lは、右支持部140Rと回転対称な構造を有する。
【0092】
左支持部140Lは、
図3及び
図5に示すように、第1部分LFP及び第2部分LSPを含んでいる。
【0093】
第1部分LFPは、
図3及び
図5に示すように、板状部140の左境界CL1に接続されている。第1部分LFPは、
図3に示すように上下方向に見て左境界CL1から後方向に向かって延びる部分である。この場合、左支持部140Lは、左境界CL1から後方向に向かって曲がる。言い換えると、左境界CL1近傍において金属部材14は、湾曲している。このとき、第1部分LFPは、前後方向において板状部140よりも後に位置する。
【0094】
第2部分LSPは、
図3及び
図5に示すように、第1部分LFPの左端CL2に接続されている。第2部分LSPは、
図3に示すように、上下方向に見て第1部分LFPの左端CL2から前方向、且つ、左方向に向かって延びる。この場合、左支持部140Lは、第1部分LFPの左端CL2から前方向、且つ、左方向に向かって曲がる。このとき、
図3及び
図5に示すように、第2部分LSPは、第1部分LFPの左端CL2から左支持部140Lの左端まで延びる。
【0095】
これにより、左支持部140Lは、左右方向の中央付近が後方向に突出する形状を有する。この場合、第1部分LFPの左端CL2は、上下方向に見て左支持部140Lにおいて最も後に位置する左支持部最後部分X2となる。このとき、左支持部最後部分X2は、上下方向に見て板状部140よりも後に位置する。
【0096】
上記に示す構成の場合、左支持部140Lは以下の状態となる。
図3に示すように、左右方向に平行な第1直線LS1を定義した場合に、第1直線LS1は、左支持部140Lの少なくとも2箇所(第1箇所LP1及び第2箇所LP2)と重なる。左支持部140Lが、左支持部最後部分X2を有する場合、第1直線LS1は、板状部140よりも後に位置する。
【0097】
また、第1部分LFPと第2部分LSPとでなされる角の角度Lθ2は、板状部140と第1部分LFPとでなされる角の角度Lθ1よりも大きい。具体的には、
図3に示すように上下方向に見て第1部分LFPに平行な第2直線LS2と第2部分LSPに平行な第3直線LS3を定義する。そして、第2直線LS2と第3直線LS3とでなされる角の角度Lθ2は、第1直線LS1と第2直線LS2とでなされる角の角度Lθ1よりも大きい。
【0098】
また、下切り欠き144Lは、
図6及び
図7に示すように、第1部分LFPと第2部分LSPとが接続されている部分(左支持部140Lにおいて後方向に突出している部分)に設けられる。この場合、左支持部140Lにおいて、下切り欠き144Lは、上下方向に見て左支持部最後部分X2と重なる。
【0099】
なお、金属部材14は、左右方向の中央付近が後方向に突出する形状の右支持部140Rの代わりに、左右方向の中央付近が後方向に突出する形状の右支持部140Rを含む構造であってもよい。この場合、右支持部140Rは、右支持部140Rにおいて最も後に位置する右支持部最後部分であって、板状部140よりも後に位置する右支持部最後部分を有する。このとき、右支持部140Rは、右境界CR1から後方向に向かって曲がる。更に、右支持部140Rは、右支持部最後部分から前方向、且つ、右方向に向かって曲がる。
【0100】
なお、金属部材14は、左右方向の中央付近が後方向に突出する形状の左支持部140Lの代わりに、左右方向の中央付近が前方向に突出する形状の左支持部140Lを含む構造であってもよい。この場合、左支持部140Lは、左支持部140Lにおいて最も前に位置する左支持部最前部分であって、板状部140よりも前に位置する左支持部最前部分を有する。このとき、左支持部140Lは、左境界CL1から前方向に向かって曲がる。更に、左支持部140Lは、左支持部最前部分から後方向、且つ、左方向に向かって曲がる。
【0101】
[モジュールの製造方法]
次に、モジュール10の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図10は、金属部材14の製造時の斜視図である。
図11は、製造時の金属部材14を前方向から見た図である。
図12は、製造時の金属部材14及び実装電極122の上面図である。
【0102】
まず、第1の工程において、基板12を用意する。基板12の上主面SU2には、電子部品16a~16eが実装されている。基板12の下主面SD2には、複数の外部端子ETが設けられている。基板12内には、ビアv1~v6,v11,v12,v21,v22及び信号導体層SC1,SC2が設けられている。
【0103】
次の工程において、
図9に示すように、基板12の上主面SU2に上下方向に延びるように設けられ、且つ、電子部品16a,16bと電子部品16c,16d,16eとの間に設けられる金属部材14を基板12に実装する。
【0104】
ここで、モジュール10の製造時における金属部材14について説明する。モジュール10の製造時、金属部材14は、天面部148を更に備えている(
図10及び
図11参照)。天面部148は、
図10及び
図11に示すように、前後方向に見て、上切り欠き142aと上切り欠き142bとの間に位置している。天面部148は、上辺LU(
図11参照)から後方向に延びている。天面部148は、金属部材14の一部が後方向に折り曲げられることにより形成されている。
【0105】
天面部148は、金属部材14の実装に用いられる。具体的には、実装機を用いて天面部148を吸着する。そして、実装機により金属部材14を移動させ、足部146L1,146L2,146a~146d,146R1,146R2を実装電極122上にセットする。
【0106】
この後、足部146L1,146L2,146a~146d,146R1,146R2のそれぞれを実装電極122に半田Sd1~Sd6により固定する。この際、足部146L1,146L2,146a~146d,146R1,146R2のそれぞれに半田が塗布されると共に、実装電極122にも半田が塗布される。
【0107】
このとき、
図12に示すように、上下方向に見て板状部140と重なる実装電極1222~1225及び半田Sd2~Sd5は、板状部140の前後方向の中央付近に位置する。これにより、半田Sd2~Sd5による金属部材14を引っ張る前方向の力と、半田Sd2~Sd5による金属部材14を引っ張る後方向の力とが、均等になりやすい。結果、金属部材14の自立性が向上する。
【0108】
なお、天面部148が、板状部140から後方向に延びていてもよい。
【0109】
次に第2の工程おいて、封止樹脂層18を基板12の上主面SU2に形成する。この際、封止樹脂層18が基板12の上主面SU2の全面を覆うように封止樹脂層18を形成する。具体的には、金型内に基板12をセットする。そして、金型内に溶融した樹脂(溶融樹脂)を射出する。この際、溶融樹脂は、上切り欠き142a,142b及び下切り欠き144a~144c,144L,144Rを通過して、基板12の上主面SU2の全体に広がる。そして、電子部品16a~16e及び金属部材14は、封止樹脂層18内に位置するようになる。すなわち、電子部品16a~16e及び金属部材14は、封止樹脂層18から露出していない。
【0110】
次に第3の工程において、封止樹脂層18の上主面SUを砥石により研削する。砥石は、例えば、封止樹脂層18の上面SU1に対して前方向に向かって移動しながら、封止樹脂層18の上面SU1を研削する。これにより、金属部材14の上端は、封止樹脂層18の上面SU1から露出する。封止樹脂層18の上面SU1の研削の際には、金属部材14の天面部148を研削する。具体的には、封止樹脂層18に対して前方向に向かって砥石を移動させながら、封止樹脂層18を研削する。
【0111】
また、金属部材14の上端は、砥石により削られる。そのため、板状部140の上端の表面粗さは、板状部140の前主面SF3及び後主面SB3の表面粗さよりも大きくなっている。
【0112】
更に、第4の工程において、ダイサーを用いて、基板12及び封止樹脂層18を上下方向に切削することにより、基板12及び封止樹脂層18を分割する。この際、封止樹脂層18の左面SL1、右面SR1、前面SF1及び後面SB1が形成される。そして、左支持部140Lの左端及び右支持部140Rの右端のそれぞれは、封止樹脂層18の左面SL1及び右面SR1から露出する。
【0113】
次に、第5の工程において、シールド20を封止樹脂層18の上面SU1、左面SL1、右面SR1、前面SF1及び後面SB1に形成する。具体的には、3回のスパッタリングを行って、密着層、導電層及び保護層を形成する。前記の通り、金属部材14の上端、左支持部140Lの左端及び右支持部140Rの右端の表面粗さは、金属部材14の前主面SF3及び後主面SB3の表面粗さよりも大きくなっている。そのため、密着層は、金属部材14の上端、左支持部140Lの左端及び右支持部140Rの右端に高い密着強度で密着する。
【0114】
以上の工程により、モジュール10が完成する。
【0115】
[効果]
金属部材14によれば、金属部材14の自立性が高まる。より詳細には、金属部材14の右支持部140Rは、右境界CR1から前方向、且つ、右方向に向かって延びる第1部分RFPを含む。これにより、金属部材14が、前方向に押されたときに、第1部分RFPが金属部材14を支持するようになる。そのため、金属部材14が、上辺LUを中心に前方向へ回転しにくくなる。従って、金属部材14が、前方向に向かって倒れる可能性が低くなる。同じ理由により、金属部材14は、第1部分LFPにより、後方向に向かって倒れることが抑制される。結果、本実施形態の右支持部140R又は左支持部140Lによって金属部材14の自立性が向上する。
【0116】
金属部材14によれば、金属部材14の自立性が高まる。より詳細には、右支持部140Rは、第2部分RSPを有している。これにより、金属部材14の自重が増す。この場合、金属部材14に加わる下方向の力が強くなる。従って、金属部材14は、金属部材14に加わる前後方向の力の影響を受けにくくなる。同じ理由により、金属部材14は、第2部分LSPによって金属部材14に加わる前後方向の力の影響を受けにくくなる、によって結果、本実施形態の右支持部140R又は左支持部140Lによって、金属部材14の自立性が向上する。
【0117】
金属部材14によれば、金属部材14の自立性が高まる。より詳細には、右支持部140Rは、第2部分RSPを有している。右支持部140Rが、第2部分RSPを有することによって、金属部材14に接触する半田の面積が大きくなる。これにより、金属部材14を支持する半田の力が大きくなる。従って、金属部材14の自立性が高まる。
【0118】
金属部材14を備えたモジュール10によれば、モジュール10における電子部品のレイアウトの自由度が高まる。より詳細には、金属部材14は、第1部分RFP及び第2部分RSPを有している右支持部140Rを含む。以下、右支持部140Rを含まない金属部材(以下、比較例1と称す)と、金属部材14とを比較して説明する。比較例1の場合、比較例1の自立性を高めるために全ての足部の下端部を前方向、又は、後方向へ折り曲げる必要がある。この場合、比較例の自立性を高めるために、足部を前方向、又は、後方向へ大きく突出させる必要がある。従って、比較例1を備えたモジュールの場合、基板において電子部品を実装可能な面積が狭くなってしまう虞がある。
【0119】
一方、金属部材14では、右支持部140Rが、第1部分RFP及び第2部分RSPを有することによって、自立性を確保している。そのため、金属部材14の足部146L1,146L2,146a~146d,146R1,146R2の下端部を前方向、又は、後方向へ折り曲げなくてよい。これにより、金属部材14が、前方向、又は、後方向へ大きく突出することがない。従って、金属部材14を備えたモジュール10の場合、基板12において電子部品を実装可能な面積が狭くならない。結果、モジュール10における電子部品のレイアウトの自由度が高まる。同じ理由により、金属部材14が、第1部分LFP及び第2部分LSPを有している左支持部140Lを含むことによって、自立性を確保している。これにより、金属部材14の自立性の確保のために、金属部材14の足部146L1,146L2,146a~146d,146R1,146R2を、前方向、又は、後方向へ大きく突出させる必要がない。金属部材14を備えたモジュール10の場合、基板において電子部品を実装可能な面積は狭くならない。結果、モジュール10における電子部品のレイアウトの自由度が高まる。
【0120】
また、右支持部140Rが、右支持部140Rにおいて最も前に位置する右支持部最前部分X1であって、上下方向に見て板状部140よりも前に位置する右支持部最前部分X1を含む場合に、金属部材14の自立性が高まる。そのため、右支持部140Rを前方向に大きく突出させなくても、金属部材14の自立性を確保できる。従って、比較例1と比較して、金属部材14における前方向、又は、後方向への突出量を最小限にすることが可能となる。
【0121】
また、右支持部140Rの面積が増えることによって、半田への金属部材14の押し込み圧力を分散させることができる。言い換えると、右支持部140Rが、前方向に延びる第1部分RFP及び後方向に延びる第2部分RSPを有していることによって、金属部材14の下端の面積が増える。これにより、半田への金属部材14の押し込み圧力を分散させることができる。同様にして左支持部140Lが、後方向に延びる第1部分LFP及び前方向に延びる第2部分LSPを有していることによって、半田への金属部材14の押し込み圧力を分散させることができる。
【0122】
金属部材14によれば、金属部材14の自立性が高まる。より詳細には、右支持部140Rは、第1部分RFP及び後方向に延びる第2部分RSPを有している。また、封止樹脂層18の形成時に、溶融樹脂は、下切り欠き144R,144Lを通過して、基板12の上主面SU2の全体に広がる。このとき、溶融樹脂は、右支持部140Rの形状に沿って流れる。すなわち、前方向から後方向へ流れる溶融樹脂の一部は、第1部分RFPによって、左方向に流れる。そして、前方向から後方向へ流れる溶融樹脂の一部は、第2部分RSPによって、右方向に流れる。従って、溶融樹脂による圧力を2つの方向(右方向及び左方向)へ分散させることが可能である。これにより、右支持部140R及び左支持部140Lの下辺LD近傍において、溶融樹脂による圧力が集中しなくなる。従って、金属部材14が、上辺LUを中心に回転するように倒れることが抑制される。結果、金属部材14の自立性が向上する。
【0123】
金属部材14を備えたモジュール10によれば、モジュール10における電子部品のレイアウトの自由度が高まる。一般的に、電子部品は、基板12の端部と所定の距離を空けて配置する必要がある。一方、右支持部140Rは、基板12の端部に配置可能である。従って、電子部品を配置できない基板12の端部に右支持部140Rを配置することによって、電子部品の配置可能な領域の面積を狭くしないことが可能となる。結果、モジュール10における電子部品のレイアウトの自由度が高まる。言い換えると、金属部材14の自立性を高めるための右支持部140Rを基板12の端部に配置することによって、モジュール10における電子部品のレイアウトの自由度が高まる。同様の理由により、金属部材14の自立性を高めるための左支持部140Lを基板12の端部に配置することによって、モジュール10における電子部品のレイアウトの自由度が高まる。
【0124】
金属部材14を備えたモジュール10によれば、モジュール10における電子部品のレイアウトの自由度が高まる。右支持部140Rは、前方向に延びる第1部分RFP及び後方向に延びる第2部分RSPを有している。この形状により、右支持部140Rは、前方向、又は、後方向にのみ大きく突出しなくても、高い自立性備えることができる。右支持部140Rは、前方向、又は、後方向にのみ大きく突出しないことによって、基板12の上主面SU2において、電子部品の実装可能な領域(面積)が増える。結果、本実施形態の金属部材14は、電子部品のレイアウトの自由度を高めることが可能である。同様の理由により、左支持部140Lが、後方向に延びる第1部分LFP及び前方向に延びる第2部分LSPを有していることによって、モジュール10において電子部品の実装可能な領域(面積)が増える。
【0125】
金属部材14を備えたモジュール10によれば、モジュール10における電子部品のレイアウトの自由度が高まる。より詳細には、右支持部140Rが、上下方向に見て第1部分RFPの右端CR2において角をなす場合、右支持部140Rにおける第2直線RS2と第3直線RS3とでなされる角の角度Rθ2は、右支持部140Rにおける第1直線RS1と第2直線RS2とでなされる角の角度Rθ1よりも大きい。この場合、第1部分RFPの右端CR2よりも前に右支持部140Rの一部が形成されない(第2部分RSPが、第1部分RFPの右端CR2よりも前に位置しない)。以下、右支持部140Rの一部が第1部分RFPの右端CR2よりも前に位置する金属部材(以下、比較例2と称す)と、金属部材14とを比較して説明する。比較例2の場合、第2部分は第1部分よりも前に位置する。言い換えると、比較例2は、第1部分及び第2部分によって前方向に大きく突出する。この場合、前方向へ突出した長さぶん、電子部品を比較例2から遠ざける必要がある。従って、電子部品の配置の自由度に制限が加わる恐れがある。一方、金属部材14の場合、第2部分RSPは第1部分RFPよりも前に位置しない。具体的には、第2部分RSPは、第1部分RFPの右端CR2において後方向へ曲がる。すなわち、金属部材14が、前方向に大きく突出しない。従って、基板12の上主面SU2において、電子部品の実装可能な領域(面積)が増える。結果、本実施形態の金属部材14は、電子部品のレイアウトの自由度を高めることが可能である。
【0126】
また、左支持部140Lが、上下方向に見て第1部分LFPの左端CL2において角をなす場合、左支持部140Lにおける第2直線LS2と第3直線LS3とでなされる角の角度Lθ2は、左支持部140Lにおける第1直線LS1と第2直線LS2とでなされる角の角度Lθ1よりも大きい。この場合、第1部分LFPの左端CL2よりも後に左支持部140Lが形成されない(第2部分LSPが、第1部分LFPの左端CL2よりも後に位置しない)。以下、左支持部140Lの一部が第1部分LFPの左端CL2よりも後に位置する金属部材(以下、比較例3と称す)と、金属部材14とを比較して説明する。比較例3の場合、第2部分は第1部分よりも後に位置する。言い換えると、比較例3は、第1部分及び第2部分によって後方向に大きく突出する。この場合、後方向へ突出した長さぶん、電子部品を比較例3から遠ざける必要がある。従って、電子部品の配置の自由度に制限が加わる虞がある。一方、金属部材14の場合、第2部分LSPは第1部分LFPよりも後に位置しない。具体的には、第2部分LSPは、第1部分LFPの左端CL2において前方向へ曲がる。すなわち、金属部材14が、後方向に大きく突出しない。従って、基板12の上主面SU2において、電子部品の実装可能な領域(面積)が増える。結果、本実施形態の金属部材14は、電子部品のレイアウトの自由度を高めることが可能である。
【0127】
モジュール10によれば、封止樹脂層18の形成時に金属部材14が倒れることを抑制できる。より詳細には、板状部140には、上辺LUから下方向に延びる上切り欠き142a,142bが設けられている。板状部140には、下辺LDから上方向に延びる1以上の下切り欠き144a~144cが設けられている。これにより、封止樹脂層18の形成時に、溶融樹脂は、上切り欠き142a,142b及び下切り欠き144a~144cを通過して、基板12の上主面SU2の全体に広がる。そのため、板状部140の上辺LU近傍及び下辺LD近傍は、溶融樹脂による圧力を受けにくくなる。これにより、板状部140が上辺LUを中心に回転するように倒れたり、板状部140が下辺LDを中心に回転するように倒れたりすることが抑制される。その結果、モジュール10によれば、封止樹脂層18の形成時に金属部材14が倒れることを抑制できる。
【0128】
モジュール10によれば、金属部材14の電位が均一になりやすい。より詳細には、足部146a~146cは、前後方向に見て、左右方向に等間隔に並んでいる。足部146a~146cは、実装電極122を介してグランド電位に接続される。これにより、金属部材14は、前後方向に見て、左右方向に等間隔に並ぶ部分においてグランド電位に接続されるようになる。その結果、モジュール10によれば、金属部材14の電位が均一になりやすい。
【0129】
金属部材14によれば、足部146a~146dのセルフアライメント性が向上する。より詳細には、足部146a~146dは、前後方向に見て、左右方向に等間隔に並んでいる。これにより、金属部材14の実装において半田が溶融した際に、足部146a~146dの下端部に付着した半田が左右対称な構造を取る。この場合、板状部140の左部と板状部140の右部との間に、半田により引っ張られる力の差が生じにくい(板状部140の右部、又は、左部のいずれか一方に引っ張られる力が集中しない)。すなわち、金属部材14の実装において半田が溶融した際に、金属部材14の自立性が担保される。その結果、金属部材14によれば、足部146a~146dのセルフアライメント性が向上する。セルフアライメント性とは、金属部材14の実装において半田が溶融した際に、足部146a~146dが、半田の表面張力により適切な姿勢に保たれることを意味する。
【0130】
モジュール10によれば、封止樹脂層18の形成時に金属部材14が倒れることを抑制できる。より詳細には、モジュール10では、下切り欠き144a~144cは、前後方向に見て、左右方向に等間隔に並んでいる。これにより、板状部140の下辺LD近傍は、溶融樹脂による均等な圧力を受けるようになる。その結果、板状部140の下辺LD近傍の特定の部分に大きな圧力が加わることに起因して、板状部140が倒れることが抑制される。
【0131】
モジュール10によれば、金属部材14の加工が容易である。より詳細には、上切り欠き142a,142bと下切り欠き144a~144cとの最短距離は、板状部140の板厚の1.5倍以上である。これにより、上切り欠き142a,142bと下切り欠き144a~144cとが近づき過ぎない。その結果、金属部材14の打ち抜き加工が容易になる。
【0132】
また、板状部140に上切り欠き142a,142bが設けられているので、金属部材14bの上端の左右方向の長さの合計が短い。そのため、封止樹脂層18の上面SU1を研削する際に、金属部材14を研削する量が少なくなる。その結果、砥石の劣化が抑制される。
【0133】
モジュール10では、実装電極122の面積が大きいので、実装電極122上の半田が足部146L1,146L2、146a~146d,146R1,146R2の前後左右に位置するようになる。これにより、半田が足部146L1,146L2、146a~146d,146R1,146R2の側面において上方向に濡れ上がりやすくなる。
【0134】
モジュール10では、フラックスの洗浄性が向上する。より詳細には、金属部材14の実装電極122への実装後に、フラックス洗浄液が入った槽に基板12及び金属部材14を浸漬する。これにより、フラックスを洗浄する。このとき、フラックスの洗浄性を向上させるために、フラックス洗浄液の流動性が高いことが好ましい。そこで、上切り欠き142a,142b及び下切り欠き144L,144R,144a~144cが金属部材14に設けられている。これにより、フラックス洗浄液が、上切り欠き142a,142b及び下切り欠き144L,144R,144a~144cを通過することができる。従って、フラックス洗浄液の流動性が向上する。その結果、モジュール10では、フラックス洗浄性が向上する。更に、天面部148の曲げ箇所に残留しているフラックス洗浄液が、上切り欠き142a,142bを介して天面部148の曲げ個所から流出するようになる。
【0135】
なお、
図2及び
図3に示す右支持部140Rでは、右支持部140Rの右端の前後方向の位置と、板状部140の前後方向の位置とは略同じである。言い換えると、第2部分RSPの右端の前後方向の位置が、板状部140の前後方向における位置と同じになるように、第2部分RSPが、第1部分RFPから延びている。なお、第1部分RFPから延びる第2部分RSPの長さは短くてもよい。具体的には、第2部分RSPは、板状部140よりも前に位置してもよい。この場合、第2部分RSPが短い分、実装電極1226の左右方向の長さを短くできる。従って、金属部材14の配置の自由度を高めることができる。
【0136】
(実施例2の実施形態)
以下、実施例2の実施形態に係る金属部材14aについて図面を参照しながら説明する。
図13は、実施例2の実施形態に係る金属部材14aの上面図である。
【0137】
金属部材14aは、右支持部140Rと異なる形状の右支持部140Raを含む点で、金属部材14と異なる。同様にして、金属部材14aは、左支持部140Lと異なる形状の左支持部140Laを含む点で、金属部材14と異なる。なお、金属部材14において金属部材14と同じ構成を有する箇所は、金属部材14と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0138】
右支持部140Raは、第2部分RSPと異なる形状の第2部分RSPaを含んでいる。より詳細には、第2部分RSPaの右端は、板状部140より後に位置している。これにより、右支持部140Raは、
図13に示すように右支持部前部分FR及び右支持部後部分BRを含んでいる。右支持部前部分FRは、
図13に示すように、板状部140よりも前に位置する。具体的には、上下方向に見て板状部140上を通る線を含む直線SRLを定義した場合に、右支持部前部分FRは、直線SRLよりも前に位置する。この場合、右支持部前部分FRは、
図13に示すように第2部分RSPaの一部及び第1部分RFPを含んでいる。
【0139】
右支持部後部分BRは、
図13に示すように、直線SRLよりも後に位置する。この場合、右支持部後部分BRは、
図13に示すように、第2部分RSPaの一部を含んでいる。
【0140】
右支持部140Raと同様にして、左支持部140Laは、第2部分LSPと異なる形状の第2部分LSPaを含んでいる。より詳細には、第2部分LSPaの左端は、板状部140より前に位置している。これにより、左支持部140Laは、
図13に示すように、左支持部前部分FL及び左支持部後部分BLを含んでいる。左支持部後部分BLは、
図13に示すように、直線SRLよりも後に位置する。この場合、左支持部後部分BLは、
図13に示すように第2部分LSPaの一部及び第1部分LFPを含んでいる。
【0141】
左支持部前部分FLは、
図13に示すように、直線SRLよりも前に位置する。この場合、左支持部前部分FLは、
図13に示すように、第2部分LSPaの一部を含んでいる。
【0142】
なお、金属部材14aは、必ずしも右支持部140Ra及び左支持部140Laの両方を含まなくてもよい。金属部材14aは、右支持部140Ra又は左支持部140Laの少なくとも一方を含んでいればよい。
【0143】
(実施例2の実施形態の効果)
金属部材14aによれば、金属部材14aの自立性が向上する。より詳細には、右支持部140Raは、右支持部前部分FR及び右支持部後部分BRを含む。これにより、金属部材14の上辺が後方向に回転するように倒れることを防止することができる。又は、左支持部140Laは、左支持部前部分FL及び左支持部後部分BLを含む。これにより、金属部材14の上辺が前方向に回転するように倒れることを防止することができる。以上より、金属部材14aの自立性が高くなる。
【0144】
(実施例3の実施形態)
以下に、実施例3の実施形態に係る金属部材14bについて図面を参照しながら説明する。
図14は、実施例3の実施形態に係る金属部材14bの斜視図である。
図15は、実施例3の実施形態に係る金属部材14bの上面図である。
【0145】
金属部材14bは、
図14及び
図15に示すように、右支持部140Rと形状の異なる右支持部140Rbを含んでいる点で金属部材14と異なる。同様にして、金属部材14bは、左支持部140Lと形状の異なる左支持部140Lbを含んでいる点で金属部材14とは異なる。
【0146】
右支持部140Rbの第1部分RFPbの形状は、
図14及び
図15に示すように、右支持部140Rの第1部分RFPの形状と異なる。また、右支持部140Rbの第2部分RSPbの形状は、右支持部140Rの第2部分RSPの形状と異なる。
【0147】
第1部分RFPb及び第2部分RSPbの形状は、
図15に示すように、上下方向に見て円弧形状である。具体的には、第1部分RFPbの一部は、
図15に示すように、右境界CR1において上下方向に見て第1点XR1を中心に円弧を描く。
【0148】
また、第2部分RSPbの一部は、
図15に示すように第1部分RFPbの右端CR2(右支持部最前部分X1)において上下方向に見て第2点XR2を中心に円弧を描く。
【0149】
このとき、第1部分RFPbの右端CR2近傍での右支持部140Rbの曲がり具合は、右境界CR1近傍での右支持部140Rbの曲がり具合よりも大きい。
【0150】
具体的には、第1部分RFPbの一部は、
図15に示すように、上下方向に見て右境界CR1で、第1点XR1を中心とした円弧(右支持部140Rbにおける第1円弧)となる。この場合、
図15に示すように、上下方向に見て第1点XR1を中心とした円弧の曲率半径dR1を定義できる。
【0151】
同様にして、第2部分RSPbの一部は、
図15に示すように、上下方向に見て第1部分RFPbの右端CR2(右支持部最前部分X1)で、第2点XR2を中心とした円弧(右支持部140Rbにおける第2円弧)となる。この場合、
図15に示すように、上下方向に見て第2点XR2を中心とした円弧の曲率半径dR2が定義できる。
【0152】
そして、曲率半径dR2は、曲率半径dR1よりも小さい。
【0153】
右支持部140Rbと同様にして、左支持部140Lbの第1部分LFPb及び第2部分LSPbの形状は、
図15に示すように、上下方向に見て円弧形状である。
【0154】
左支持部140Lbの第1部分L第1部分LFPbの一部は、
図15に示すように、上下方向に見て左境界CL1において第1点XL1を中心に円弧(左支持部140Lbにおける第1円弧)を描く。
【0155】
また、第2部分LSPbの一部は、
図15に示すように、上下方向に見て第1部分LFPbの左端CL2(左支持部最後部分X2)において第2点XL2を中心に円弧(左支持部140Lbにおける第2円弧)を描く。
【0156】
このとき、第1部分LFPbの左端CL2近傍での左支持部140Lbの曲がり具合は、左境界CL1近傍での左支持部140Lbの曲がり具合よりも大きい。
【0157】
具体的には、第1部分LFPbの一部は、左境界CL1で、第1点XL1を中心とした円弧となる。この場合、上下方向に見て第1点XL1を中心とした円弧の曲率半径dL1を定義できる。
【0158】
同様にして、第2部分LSPbの一部は、第1部分LFPbの左端CL2付近で、第2点XL2を中心とした円弧となる。この場合、上下方向に見て第2点XL2を中心とした円弧の曲率半径dL2が定義できる。そして、曲率半径dL2は、曲率半径dL1よりも小さい。
【0159】
(実施例3の実施形態の効果)
金属部材14bによれば、金属部材14bの強度が上がる。より詳細には、右支持部140Rbは、右境界CR1付近及び第1部分RFPbの右端CR2付近において円弧状に曲がる。これにより、上下方向に見て、右境界CR1及び第1部分RFPbの右端CR2に角が形成されない。これにより、右境界CR1及び第1部分RFPbの右端CR2に破断が発生する可能性を低減できる。従って、金属部材14bの強度が上がる。
【0160】
また、左支持部140Lbは、左境界CL1付近及び第1部分LFPbの左端CL2付近において円弧状に曲がる。これにより、上下方向に見て、左境界CL1及び第1部分LFPbの左端CL2に角が形成されない。これにより、左境界CL1及び第1部分LFPbの左端CL2において破断が発生する可能性を低減できる。従って、金属部材14bの強度が上がる。
【0161】
金属部材14bを備えたモジュール10によれば、モジュール10における電子部品のレイアウトの自由度が高まる。より詳細には、第2点XR2を中心に描かれた右支持部140Rbの円弧の曲率半径dR2は、第1点XR1を中心に描かれた右支持部140Rbの円弧の曲率半径dR1よりも小さい。この場合、第1部分RFPbの右端CR2よりも前に右支持部140Rbが形成されない(第2部分RSPbが、第1部分RFPbの右端CR2よりも前に位置しない)。以下、右支持部140Rbの一部が第1部分RFPbの右端CR2よりも前に位置する金属部材(以下、比較例4と称す)と、金属部材14bとを比較して説明する。比較例4の場合、第2部分は第1部分よりも前に位置する。言い換えると、比較例4は、第1部分及び第2部分によって前方向に大きく突出する。この場合、前方向へ突出した長さぶん、モジュールに設けられた電子部品を比較例4から遠ざける必要がある。従って、電子部品の配置に制限が加わる虞がある。一方、金属部材14bの場合、第2部分RSPbは第1部分RFPbよりも前に位置しない。具体的には、第2部分RSPbは、第1部分RFPbの右端CR2において後方向へ曲がる。すなわち、金属部材14が、前方向に大きく突出しない。従って、基板12の上主面SU2において、電子部品の設置可能な領域(面積)が増える。結果、本実施形態の金属部材14bは、電子部品のレイアウトの自由度を高めることが可能である。
【0162】
また、第2点XL2を中心に描かれた左支持部140Lbの円弧の曲率半径dL2は、第1点XL1を中心に描かれた左支持部140Lbの円弧の曲率半径dL1よりも小さい。この場合、第1部分LFPbの左端CL2よりも後に左支持部140Lが形成されない。例えば、曲率半径dL2の大きさが、曲率半径dL1の大きさよりも大きい場合、第2部分LSPbは、第1部分LFPbの左端CL2よりも後に位置する(第2部分LSPが、第1部分LFPの左端CL2よりも後に位置しない)。以下、左支持部140Lの一部が第1部分LFPの左端CL2よりも後に位置する金属部材(以下、比較例5と称す)と、金属部材14bとを比較して説明する。比較例5の場合、第2部分は第1部分よりも後に位置する。言い換えると、比較例5は、第1部分及び第2部分によって後方向に大きく突出する。この場合、後方向へ突出した長さぶん、電子部品を比較例5から遠ざける必要がある。従って、電子部品の配置に制限が加わる虞がある。一方、金属部材14bの場合、第2部分LSPbは第1部分LFPbよりも後に位置しない。具体的には、第2部分LSPbは、第1部分LFPbの左端CL2において前方向へ曲がる。すなわち、金属部材14bが、後方向に大きく突出しない。従って、基板12の上主面SU2において、電子部品を配置可能な領域(面積)が増える。結果、本実施形態の金属部材14は、電子部品のレイアウトの自由度を高めることが可能である。
【0163】
(実施例4の実施形態)
以下に、実施例4の実施形態に係る金属部材14cについて図面を参照しながら説明する。
図16は、実施例4の実施形態に係る金属部材14cの斜視図である。
図17は、実施例4の実施形態に係る金属部材14cの上面図である。なお、金属部材14と同じ構成に関しては、同じ符号を付し説明を省略する。
【0164】
金属部材14cは、
図16及び
図17に示すように、右支持部140Rと異なる形状の右支持部140Rcを含む点で、金属部材14と異なる。
【0165】
具体的には、
図17に示すように、右支持部140Rcの第1部分RFPcは、右境界CR1から後方向に向かって曲がる。また、右支持部140Rcは、上下方向に見て第1部分RFPcの右端CR2において、前方向、且つ、右方向に曲がる。
【0166】
このとき、金属部材14cは、以下の状態となる。右支持部140Rcが、右支持部最後部分X3を有する。右支持部最後部分X3は、
図17に示すように、右支持部140Rcにおいて最も前に位置する。右支持部最後部分X3は、
図17に示すように、板状部140よりも後に位置する。
【0167】
更に、金属部材14cは、以下の状態となる。左支持部140Lが、左支持部最後部分X2を有する。左支持部最後部分X2は、
図17に示すように、左支持部140Lの左端及び左支持部140Lの右端よりも前に位置する。左支持部最後部分X2は、左支持部140Lにおいて最も前に位置する。
【0168】
言い換えると、金属部材14cにおいて、右支持部140Rc及び左支持部140Lの両方において、左右方向の中央付近が後方向に突出する形状を有する。
【0169】
なお、金属部材14cにおいて、右支持部140Rc及び左支持部140Lの両方において、左右方向の中央付近が前方向に突出する形状を有していてもよい。
【0170】
(実施例4の実施形態の効果)
金属部材14cによれば、金属部材14cの自立性が高まる。より詳細には、金属部材14cの場合、2つの支持部(右支持部140Rc及び左支持部140L)は、板状部140よりも前に位置する。これにより、金属部材14cは、上辺LUを中心に後方向へ回転するように倒れる可能性が低減される。従って、金属部材14cの自立性が、高まる。
【0171】
(実施例5の実施形態)
以下に、実施例5の実施形態に係る金属部材14dについて図面を参照しながら説明する。
図18は、実施例5の実施形態に係る金属部材14dを前方向に見た図である。
【0172】
金属部材14dは、下切り欠き144CR,144CL(第2下切欠き)を設けられている点で金属部材14aと異なる。下切り欠き144CRは、
図18に示すように、上下方向に見て右境界CR1と重なる位置に設けられる。同様にして、下切り欠き144CLは、
図18に示すように、上下方向に見て左境界CL1と重なる位置に設けられる。
【0173】
下切り欠き144CR,144CLを前後方向に見た形状は、下切り欠き144R,144Lを前後方向に見た形状に略一致する。
【0174】
(実施例5の実施形態の効果)
金属部材14dによれば、金属部材14dの自立性が向上する。より詳細には、金属部材14dには、上下方向に見て右境界CR1と重なる位置(右支持部140Rの左端)に、下切り欠き144CRが設けられている。また、金属部材14dには、上下方向に見て左境界CL1(左支持部140Lの右端)と重なる位置に、下切り欠き144CLが設けられている。言い換えると、金属部材14において、曲げ加工のされている箇所に下切り欠きが設けられている。これにより、封止樹脂層18の形成時に、溶融樹脂の流動性を損なうことなくモジュール10を製造できる。
【0175】
また、上記の構成の場合、右支持部140Rには、下切り欠き144R及び下切り欠き144CRが設けられる。下切り欠き144Rは、右支持部140Rにおける右支持部最前部分X1(金属部材14において前方向に突出している部分)に設けられる。この場合、封止樹脂層18の形成時に、後方向から前方向へ流れる溶融樹脂は、右支持部最前部分X1の近傍に集まる。このとき、金属部材14における右支持部最前部分X1の近傍には、溶融樹脂によって前方向への圧力が加わりやすい。一方、下切り欠き144CRは、金属部材14において後方向に角となる右境界CR1に設けられる。この場合、封止樹脂層18の形成時に、前方向から後方向へ流れる溶融樹脂は、右境界CR1の近傍に集まる。このとき、金属部材14における右境界CR1の近傍には、溶融樹脂によって後方向への圧力が加わりやすい。上記の場合、右支持部最前部分X1の近傍における前方向の圧力と、右境界CR1近傍における後方向の圧力とが、相殺されやすい。これにより、金属部材14dが、上辺LUを中心に回転するように倒れることが抑制される。結果、金属部材14dの自立性が向上する。
【0176】
(実装電極122及び半田Sd1~Sd6の実装パターンの変形例1)
以下に、実装電極122の実装パターンの変形例1について図面を参照しながら説明する。
図19は、実装電極122の実装パターン及び半田Sd1~Sd6の変形例1に係る実装電極123及び半田Sd31~Sd33の上面図である。
図20は、実装電極1231と半田Sd31と左支持部140LとのD-Dにおける断面図である。なお、
図20に示すように、D-D断面は、下切り欠き144Lの右端と重なる。
図21は、実装電極1233と半田Sd33と右支持部140RとのE-Eにおける断面図である。なお、
図20に示すように、E-E断面は、下切り欠き144Rの右端と重なる。
【0177】
図19に示すように、隣り合う複数の足部を1つの実装電極に固定してもよい。例えば、
図19に示すように、隣り合う足部146L1,146L2をまとめて、実装電極1231に固定する。同様にして、隣り合う足部146a~146dをまとめて、実装電極1232に固定する。同様にして、隣り合う足部146R1,146R2をまとめて、実装電極1233に固定する。これにより、グランド電位をより安定させることができる。
【0178】
図20に示すように、D-D断面において左支持部140Lの下端の全面と半田Sd31とは、接触していない。より詳細には、左支持部140Lの下端の前半分が、半田Sd31に接触している。同じように、
図21に示すように、E-E断面において右支持部140Rの下端の全面と半田Sd33とは、接触していない。より詳細には、右支持部140Rの下端の後半分が、半田Sd33に接触している。
【0179】
なお、左支持部140Lの左右方向の中央付近が前方向に突出する形状の場合、左支持部140Lの下端の後半分が、半田Sd31に接触する。同様にして、右支持部140Rの左右方向の中央付近が後方向に突出する形状の場合、右支持部140Rの下端の前半分が、半田Sd33に接触する。
【0180】
なお、まとめて固定する足部の組は、
図19に示す例に限定されない。例えば、足部146a,146bの組をまとめて、1つの実装電極に固定してもよい。
【0181】
(半田Sd31及び半田Sd33の実装パターンの変形例)
以下に、半田Sd31及び半田Sd33の実装パターンの変形例について図を参照して説明する。
図22は、半田Sd31の実装パターンの変形例に係る半田Sd31XのD-Dにおける断面図である。
図23は、半田Sd33の実装パターンの変形例に係る半田Sd33XのE-Eにおける断面図である。
【0182】
半田Sd31Xの実装パターンは、半田Sd31の実装パターンと異なる。より詳細には、
図22に示すように、左支持部140Lの前主面SFL3に、半田Sd31Xの一部が接触している。すなわち、
図22に示すように、左支持部140Lの左右方向の中央付近が後方向に突出している場合(左支持部140Lが左支持部最後部分X2を有している場合)、左支持部140Lの前主面SFL3において半田Sd31Xが接触している部分PP1の面積は、左支持部140Lの後主面SBL3において半田Sd31Xが接触している部分の面積よりも大きい。なお、
図22に示す例では、半田Sd31Xは、左支持部140Lの後主面SBL3に接触していない。しかし、半田Sd31Xが、左支持部140Lの後主面SBL3に接触していてもよい。但し、この場合も、左支持部140Lの前主面SFL3において半田Sd31Xが接触している部分PP1の面積は、左支持部140Lの後主面SBL3において半田Sd31Xが接触している部分の面積よりも大きい。
【0183】
なお、左支持部140Lの左右方向の中央付近が前方向に突出している場合(左支持部140Lが左支持部最前部分を有している場合)、左支持部140Lの後主面SBL3において半田Sd31Xが接触している部分の面積は、左支持部140Lの前主面SFR3において半田Sd31Xが接触している部分の面積よりも大きい。
【0184】
半田Sd33Xの実装パターンは、半田Sd33の実装パターンと異なる。より詳細には、
図23に示すように、右支持部140Rの後主面SBR3に、半田Sd33Xの一部が接触している。すなわち、右支持部140Rの左右方向の中央付近が前方向に突出している場合(右支持部140Rが右支持部最前部分X1を有している場合)、右支持部140Rの後主面SBR3において半田Sd33Xが接触している部分PP2の面積は、右支持部140Rの前主面SFR3において半田Sd33Xが接触している部分の面積よりも大きい。なお、
図23に示す例では、半田Sd33Xは、右支持部140Rの前主面SFR3に接触していない。しかし、半田Sd33Xが、右支持部140Rの前主面SFR3に接触していてもよい。但し、この場合も、右支持部140Rの後主面SBR3において半田Sd33Xが接触している部分PP2の面積は、右支持部140Rの前主面SFR3において半田Sd33Xが接触している部分の面積よりも大きい。
【0185】
なお、右支持部140Rの左右方向の中央付近が後方向に突出している場合(右支持部140Rが右支持部最後部分を有している場合)、右支持部140Rの前主面SFR3において半田Sd33Xが接触している部分の面積は、右支持部140Rの後主面SBR3において半田Sd33Xが接触している部分の面積よりも大きい。
【0186】
(半田Sd31X及び半田Sd33Xの効果)
半田Sd31Xによれば、金属部材14の自立性が高まる。より詳細には、左支持部140Lが左支持部最後部分X2を有している場合、左支持部140Lの前主面SFL3において半田Sd31Xが接触している部分PP1の面積は、左支持部140Lの後主面SBL3において半田Sd31Xが接触している部分の面積よりも大きい。これにより、
図22に示すように、半田Sd31Xによって、左支持部140Lを前方向に引っ張る力PO1が生じる。この場合、力PO1は、金属部材14の重心の位置する方向に向かって生じる。従って、金属部材14が、上辺LUを中心に後方向へ回転しにくくなる。結果、金属部材14の自立性が高まる。同じ理由により、左支持部140Lが左支持部最前部分を有している場合、左支持部140Lの後主面SBL3において半田Sd31Xが接触している部分の面積を、左支持部140Lの前主面SFL3において半田Sd33Xが接触している部分の面積よりも大きくすることによって、金属部材14の自立性が高まる。
【0187】
半田Sd33Xによれば、金属部材14の自立性が高まる。より詳細には、右支持部140Rが右支持部最前部分X1を有している場合、右支持部140Rの後主面SBR3において半田Sd33Xが接触している部分PP2の面積は、右支持部140Rの前主面SFR3において半田Sd33Xが接触している部分の面積よりも大きい。これにより、
図23に示すように、半田Sd33Xによって、右支持部140Rを後方向に引っ張る力PO2が生じる。この場合、力PO2は、金属部材14の重心の位置する方向に向かって生じる。従って、金属部材14が、上辺LUを中心に前方向へ回転しにくくなる。結果、金属部材14の自立性が高まる。同じ理由により、右支持部140Rが右支持部最後部分を有している場合、右支持部140Rの前主面SFR3において半田Sd33Xが接触している部分の面積を、右支持部140Rの後主面SBR3において半田Sd33Xが接触している部分の面積よりも大きくすることによって、金属部材14の自立性が高まる。
【0188】
また、半田Sd31X及び半田Sd33Xの両方を配置することによって、金属部材14の自立性が向上する。より詳細には、半田Sd31Xによって、左支持部140Lを前方向に引っ張る力PO1が生じる。また、半田Sd33Xによって、右支持部140Rを後方向に引っ張る力PO2が生じる。この場合、金属部材14に加わる前方向の力PO1と、前方向の力PO2とが相殺されやすい。従って、金属部材14の自立性が高まる。
【0189】
(実装電極122及び半田Sd1~Sd6の実装パターンの変形例2)
以下に、実装電極122及び半田Sd1~Sd6の実装パターンの変形例2について図面を参照しながら説明する。
図24は、実装電極122及び半田Sd1~Sd6の実装パターンの変形例2に係る実装電極124及び半田Sd41~Sd43の上面図である。
図25は、実装電極1241と半田Sd41と左支持部140LとのD-Dにおける断面図である。なお、
図25に示すように、D-D断面は、下切り欠き144Lの右端と重なる。
図26は、実装電極1243と半田Sd43と右支持部140RとのE-Eにおける断面図である。なお、
図26に示すように、E-E断面は、下切り欠き144Lの右端と重なる。
【0190】
図24に示すように、実装電極124は、実装電極122の配置と異なる実装電極1241,1242,1245,1246を含んでいる点で、実装電極122と異なる。より詳細には、実装電極1241,1242(左実装電極)は、前後方向において左支持部140Lよりも後に偏って配置される。また、実装電極1245,1246(右実装電極)は、前後方向において右支持部140Rよりも前に偏って配置される。
【0191】
このとき、
図25に示すように、D-D断面において左支持部140Lの下端の全面が、半田Sd41に接触していない。より詳細には、左支持部140Lの下端の後半分が、半田Sd41に接触している。同様にして、
図26に示すように、E-E断面において右支持部140Rの下端の全面が、半田Sd43に接触していない。より詳細には、右支持部140Rの下端の前半分が、半田Sd43に接触している。
【0192】
(半田Sd41及び半田Sd43の実装パターンの変形例)
以下に、半田Sd41及び半田Sd43の実装パターンの変形例について図を参照して説明する。
図27は、半田Sd41の実装パターンの変形例に係る半田Sd41XのD-Dにおける断面図である。
図28は、半田Sd43の実装パターンの変形例に係る半田Sd43XのE-Eにおける断面図である。
【0193】
半田Sd41Xの実装パターンは、半田Sd41の実装パターンと異なる。より詳細には、
図27に示すように、左支持部140Lの後主面SBL3に、半田Sd41Xの一部が接触している。すなわち、本変形例では、左支持部140Lの左右方向の中央付近が後方向に突出している場合(左支持部140Lが左支持部最後部分X2を有している場合)、左支持部140Lの後主面SBL3において半田Sd41Xが接触している部分PP3の面積は、左支持部140Lの前主面SFL3において半田Sd41Xが接触している部分の面積よりも大きい。なお、
図27に示す例では、半田Sd41Xは、左支持部140Lの前主面SFL3に接触していない。しかし、半田Sd41Xが、左支持部140Lの前主面SFL3に接触していてもよい。但し、この場合も、左支持部140Lの後主面SBL3において半田Sd41Xが接触している部分PP3の面積は、左支持部140Lの前主面SFL3において半田Sd41Xが接触している部分の面積よりも大きい。
【0194】
なお、左支持部140Lの左右方向の中央付近が前方向に突出している場合(左支持部140Lが左支持部最前部分を有している場合)、左支持部140Lの前主面SFL3において半田Sd41Xが接触している部分の面積は、左支持部140Lの後主面SBR3において半田Sd41Xが接触している部分の面積よりも大きい。
【0195】
半田Sd43Xの実装パターンは、半田Sd43の実装パターンと異なる。より詳細には、
図28に示すように、右支持部140Rの前主面SFR3に、半田Sd43Xの一部が接触している。すなわち、本変形例では、右支持部140Rの左右方向の中央付近が前方向に突出している場合(右支持部140Rが右支持部最前部分X1を有している場合)、右支持部140Rの前主面SFR3において半田Sd43Xが接触している部分PP4の面積は、右支持部140Rの後主面SBR3において半田Sd43Xが接触している部分の面積よりも大きい。なお、
図28に示す例では、半田Sd43Xは、右支持部140Rの後主面SBR3に接触していない。しかし、半田Sd43Xが、右支持部140Rの後主面SBR3に接触していてもよい。但し、この場合も、右支持部140Rの前主面SFR3において半田Sd43Xが接触している部分PP4の面積は、右支持部140Rの後主面SBR3において半田Sd43Xが接触している部分の面積よりも大きい。
【0196】
なお、右支持部140Rの左右方向の中央付近が後方向に突出している場合(右支持部140Rが右支持部最後部分を有している場合)、右支持部140Rの後主面SBR3において半田Sd43Xが接触している部分の面積は、右支持部140Rの前主面SFR3において半田Sd43Xが接触している部分の面積よりも大きい。
【0197】
(半田Sd41X及び半田Sd43Xの効果)
半田Sd41Xによれば、金属部材14の自立性が高まる。より詳細には、左支持部140Lが左支持部最後部分X2を有している場合、左支持部140Lの後主面SBL3において半田Sd41Xが接触している部分PP3の面積は、左支持部140Lの前主面SFL3において半田Sd41Xが接触している部分の面積よりも大きい。これにより、
図27に示すように、半田Sd41Xによって、左支持部140Lを後方向に引っ張る力PO3が生じる。これにより、金属部材14が、前方向へ倒れにくくなる。結果、金属部材14の自立性が高まる。同じ理由により、左支持部140Lが左支持部最前部分を有している場合、左支持部140Lの前主面SFL3において半田Sd41Xが接触している部分の面積を、左支持部140Lの後主面SBL3において半田Sd43Xが接触している部分の面積よりも大きくすることによって、金属部材14の自立性が高まる。
【0198】
半田Sd43Xによれば、金属部材14の自立性が高まる。より詳細には、右支持部140Rが右支持部最前部分X1を有している場合、右支持部140Rの前主面SFR3において半田Sd43Xが接触している部分PP4の面積は、右支持部140Rの後主面SBR3において半田Sd43Xが接触している部分の面積よりも大きい。これにより、
図28に示すように、半田Sd43Xによって、右支持部140Rを前方向に引っ張る力PO4が生じる。これにより、金属部材14が、後方向へ倒れにくくなる。結果、金属部材14の自立性が高まる。同じ理由により、右支持部140Rが右支持部最後部分を有している場合、右支持部140Rの後主面SBR3において半田Sd43Xが接触している部分の面積を、右支持部140Rの前主面SFR3において半田Sd43Xが接触している部分の面積よりも大きくすることによって、金属部材14の自立性が高まる。
【0199】
また、半田Sd41X及び半田Sd43Xの両方を配置することによって、金属部材14の自立性が向上する。より詳細には、半田Sd41Xによって、左支持部140Lを後方向に引っ張る力PO3が生じる。また、半田Sd43Xによって、右支持部140Rを前方向に引っ張る力PO4が生じる。この場合、金属部材14に加わる後方向の力PO3と、前方向の力PO4とが相殺されやすい。従って、金属部材14の自立性が高まる。
【0200】
(実装電極122及び半田Sd1~Sd6の実装パターンの変形例3)
以下に、実装電極122及び半田Sd1~Sd6の実装パターンの変形例3について図面を参照しながら説明する。
図29は、実装電極122及び半田Sd1~Sd6の実装パターンの変形例3に係る実装電極125及び半田Sd51,Sd52,Sd3,Sd4,Sd55,Sd56の上面図である。
図30は、製造時における実装電極125と半田Sd51,Sd52,Sd3,Sd4,Sd55,Sd56と金属部材14との上面図である。
【0201】
図29に示すように、実装電極125は、実装電極122の配置と異なる実装電極1251,1252,1255,1256を含んでいる点で、実装電極122と異なる。より詳細には、2つの支持部(右支持部140R及び左支持部140L)に固定されている実装電極1251,1252,1255,1256のそれぞれは、金属部材14よりも後に偏って配置されている。
【0202】
図29に示すように、半田Sd51,Sd52,Sd55,Sd56のそれぞれの配置は、半田Sd1,Sd2,Sd5,Sd6の配置と異なる。より詳細には、半田Sd51,Sd52,Sd55,Sd56のそれぞれは、金属部材14よりも後に偏って配置されている。
【0203】
このとき、右支持部140Rの後主面SBR3において半田Sd55,Sd56が接触している部分の面積は、右支持部140Rの前主面SFR3において半田Sd55,Sd56が接触している部分の面積よりも大きい。また、左支持部140Lの後主面SBL3において半田Sd51,Sd52が接触している部分の面積は、左支持部140Lの前主面SFL3において半田Sd51,Sd52が接触している部分の面積よりも大きい。
【0204】
(変形例3の効果)
実装電極125及び半田Sd51,Sd52,Sd55,Sd56によれば、金属部材14の自立性が向上する。以下、基板12への金属部材14の実装時(天面部148が形成されている場合)を例に説明する。
図30に示すように、天面部148が、上辺LUから後方向に延びる場合、金属部材14には、天面部148によって後方向へ向かう力が働く。右支持部140Rの後主面SBR3において半田Sd55,Sd56が接触している部分の面積が、右支持部140Rの前主面SFR3において半田Sd55,Sd56が接触している部分の面積よりも大きくなるように配置することによって、実装電極1255,1256に塗布される半田に金属部材14を押し込むことが可能となる。これにより、半田の金属部材14への粘着力が増す。結果、金属部材14の自立性が向上する。同じ理由により、左支持部140Lの後主面SBL3において半田Sd51,Sd52が接触している部分の面積を、左支持部140Lの前主面SFL3において半田Sd51,Sd52が接触している部分の面積よりも大きくすることによって、実装電極1251,1252に塗布される半田に金属部材14を押し込むことが可能となる。
【0205】
なお、天面部148が金属部材14の上辺LUから前方向に延びている場合は、右支持部140Rの前主面SFR3において半田Sd55,Sd56が接触している部分の面積を、右支持部140Rの後主面SBR3において半田Sd55,Sd56が接触している部分の面積よりも大きくすることによって、同様の効果が得られる。更に、左支持部140Lの前主面SFL3において半田Sd51,Sd52が接触している部分の面積を、左支持部140Lの後主面SBL3において半田Sd51,Sd52が接触している部分の面積よりも大きくすることによって、同様の効果が得られる。
【0206】
(その他の実施形態)
以下、その他の実施形態に係るモジュールについて、図を参照して説明する。
図31は、その他の実施形態に係る金属部材14eを前方向に見た図である。
図32は、その他の実施形態に係る金属部材14fを前方向に見た図である。
図33は、その他の実施形態に係る金属部材14gを前方向に見た図である。
図34は、その他の実施形態に係る金属部材14hを前方向に見た図である。
【0207】
例えば、
図31に示す金属部材14eのように、板状部140に2個の下切り欠きが設けられていてもよい。この場合、下切り欠き144aと下切り欠き144cとの間には、1つの足部1460が設けられる。
【0208】
例えば、
図32に示す金属部材14fのように、板状部140に1個の下切り欠きが設けられていてもよい。この場合、下切り欠き144bの左には、1個の足部1461が設けられる。また、下切り欠き144bの右には、1個の足部1462が設けられる。
【0209】
例えば、
図33に示す金属部材14gのように、板状部140に下切り欠きが設けられていなくてもよい。この場合、板状部140は、1個の足部1463が設けられる。
【0210】
例えば、
図34に示す金属部材14hのように、板状部140には、上下方向に見て右境界CR1に重なる下切り欠き144CRの一部及び板状部140の左端(右境界CR1)に重なる下切り欠き144CLの一部のみを設けてもよい。この場合、下切り欠き144CRと下切り欠き144CLとの間には1個の足部1464が設けられる。
【0211】
本発明に係るモジュールは、前記実施形態に係るモジュール10に限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。
【0212】
なお、板状部140に設けられる下切り欠きの個数は、3個に限定されない。
【0213】
なお、モジュール10に対して、金属部材14,14a~14hの構造及び実装電極122~実装電極125の構造を任意に組み合わせてもよい。
【0214】
なお、基板12は、上下方向に見て、長方形状以外の形状を有していてもよい。
【0215】
なお、電子部品の数は、5個(電子部品16a~16e)に限らない。
【0216】
なお、板状部140には、1以上の上切り欠きが設けられていればよい。
【0217】
なお、足部は、下切り欠きと左右方向に隣接していなくてもよい。従って、足部と下切り欠きとが、左右方向に離れていてもよい。
【0218】
なお、複数の足部は、板状部140の下辺LDから後方向に延びている。しかしながら、複数の足部は、板状部140の下辺から前方向に延びていてもよい。また、複数の足部の内の一部が板状部140の下辺から後方向に延び、複数の足部の内の残部が板状部140の下辺から前方向に延びてもよい。
【0219】
なお、上切り欠きと下切り欠きとの最短距離は、板状部140の板厚の1.5倍より短くてもよい。
【0220】
なお、板状部140の左端は、封止樹脂層18の左面SL1に位置していなくてもよい。板状部140の右端は、封止樹脂層18の右面SR1に位置していなくてもよい。板状部140の上端は、封止樹脂層18の上面SU1に位置していなくてもよい。また、板状部140の上端が封止樹脂層18の上面SU1に位置することにより、板状部140の上端がシールド20と電気的に接続され、かつ、板状部140の左端が封止樹脂層18の左面SL1に位置せず、板状部140の右端が封止樹脂層18の右面SR1に位置していなくてもよい。
【0221】
なお、モジュール10は、シールド20を備えていなくてもよい。
【0222】
なお、シールド20は、封止樹脂層18の少なくとも上面SU1を覆っていればよい。従って、シールド20は、例えば、封止樹脂層18の左面SL1、右面SR1、前面SF1及び後面SB1の一部又は全部を覆っていなくてもよい。
【0223】
ところで、基板12の外縁は、上下方向に見て、封止樹脂層18の外縁と一致するように重なっていなくてもよい。すなわち、封止樹脂層18の前面SF1は、基板12の前面SF2の前に位置してもよい。封止樹脂層18の後面SB1は、基板12の後面SB2より後に位置してもよい。封止樹脂層18の左面SL1は、基板12の左面SL2より左に位置してもよい。封止樹脂層18の右面SR1は、基板12の右面SR2より右に位置してもよい。
【0224】
電子部品16a~16eは、前後方向に見て、金属部材14から左方向又は右方向に突出していない。しかしながら、電子部品16a~16eの一部が、前後方向に見て、金属部材14から左方向又は右方向に突出してもよい。
【0225】
なお、天面部148の面積は、足部146L1,146L2,146a~146d,146R1,146R2のそれぞれの面積より大きくてもよい。これにより、金属部材14を実装機により吸着することが容易になる。
【0226】
なお、天面部148は、例えば、上下方向に見て、電子部品16a~16eの内の上下方向の高さが最も高い電子部品16eと重ならない。
【0227】
なお、天面部148は、金属部材14の一部が後方向に折り曲げられることにより形成されている。
【0228】
なお、金属部材14,14a~14dは、1以上の足部を含んでいればよい。
【0229】
なお、足部146L1,146L2,146a~146d,146R1,146R2の実装電極122,123,124,125への固定に半田が用いられている。しかしながら、半田の代わりに、例えば、CuやAgなどの金属フィラーを含む樹脂接着剤であってもよい。すなわち、足部146L1,146L2,146a~146d,146R1,146R2の実装電極122,123,124,125への固定には、半田や樹脂接着剤等の導電性部材が用いられていればよい。
【符号の説明】
【0230】
10:モジュール
12:基板
14,14a~14d:金属部材
16a~16e:電子部品
18:封止樹脂層
140:板状部
140R,140Ra,140Rb,140Rc:右支持部
140L,140La,140Lb:左支持部
142a,142b:上切り欠き
144a~144c,144L,144R:下切り欠き
SU2:基板12の上主面
SD2:基盤12の下主面
SF3:金属部材14の前主面
SB3:金属部材14の後主面
LD:下辺
LU:上辺
RS1,LS1:第1直線
CR2:第1部分RFPの右端
CL2:第1部分LFPの左端
X1:右支持部最前部分
X2:左支持部最後部分