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特許7601121サイドリンク中継におけるフィードバック及びトラフィックの区別
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】サイドリンク中継におけるフィードバック及びトラフィックの区別
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/04 20090101AFI20241210BHJP
   H04W 4/40 20180101ALI20241210BHJP
   H04W 16/26 20090101ALI20241210BHJP
   H04W 72/25 20230101ALI20241210BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20241210BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20241210BHJP
   H04L 1/1607 20230101ALI20241210BHJP
   H04L 1/18 20230101ALI20241210BHJP
【FI】
H04W28/04 110
H04W4/40
H04W16/26
H04W72/25
H04W88/04
H04W92/18
H04L1/1607
H04L1/18
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022578566
(86)(22)【出願日】2021-06-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-12
(86)【国際出願番号】 EP2021066651
(87)【国際公開番号】W WO2021255256
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-02-17
(31)【優先権主張番号】20181206.2
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(72)【発明者】
【氏名】セルヴァネサン サルン
(72)【発明者】
【氏名】ゲクテペ バリス
(72)【発明者】
【氏名】エブラヒム レツァガ ロヤ
(72)【発明者】
【氏名】スリニバサン ニティン
(72)【発明者】
【氏名】フェーレンバッハ トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルス トーマス
(72)【発明者】
【氏名】シーアル トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヘルゲ コルネリウス
【審査官】伊藤 嘉彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0206176(US,A1)
【文献】国際公開第2017/188302(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0163028(US,A1)
【文献】特開2018-056813(JP,A)
【文献】ZTE,Resource scheme of FeD2D Relay,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #90 R1-1712918,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_90/Docs/R1-1712918.zip>,2017年08月11日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
H04L 1/18
H04L 1/1607
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信ネットワークのためのユーザデバイス(UE)であって、
前記UEは中継エンティティとして動作して、前記ワイヤレス通信ネットワークの送信エンティティと1つ以上の受信エンティティとの間の接続性をサポートする機能を提供するようになっており、
前記送信エンティティからデータを受信し、前記受信エンティティに向けて前記データを中継することに応答して、前記UEは前記送信エンティティにフィードバックを送信するようになっており、前記フィードバックは前記受信エンティティが前記データの受信に成功したこと又は成功しなかったことを示
前記受信エンティティにおける前記データの受信の成功又は不成功を示すフィードバックを前記受信エンティティから前記UEが受信した場合、前記UEは、前記フィードバックの受信後の設定済み又は事前設定済みの時間ウインドウ内に、前記受信エンティティから受信した前記フィードバックを前記送信エンティティに送信する、ユーザデバイス(UE)。
【請求項2】
記UEが前記受信エンティティから、前記受信エンティティにおける前記データの受信の成功又は不成功を示すフィードバックを受信しない場合、前記UEは、前記受信エンティティが前記データの受信に成功しなかったことを送信エンティティにシグナリングする、
請求項1に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項3】
前記UEが、前記受信エンティティが前記データの受信に成功しなかったことを示すフィードバックを前記受信エンティティから受信した場合、前記UEは
前記受信エンティティに前記データを再送信し、前記受信エンティティから前記データの受信の成功を示すフィードバックを受信し、前記受信エンティティから受信した成功のフィードバックを前記送信エンティティに送信するまで、又は事前定義済みのイベントのうちの1つ以上が発生するまで、同じ又は異なる送信パラメータを用いて前記データの再送信を継続する、
請求項1または2に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項4】
前記事前定義済みのイベントが、
●前記UEがその間に前記再送信を実施する、設定済み又は事前設定済みタイマーの経過、又は、
●前記UEが実施する設定済み又は事前設定済みの中継再送信の最大数の到達、を含む、
請求項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項5】
●前記送信エンティティはユーザデバイス(UE)又は中継エンティティを含み、前記受信エンティティはユーザデバイス(UE)又は中継エンティティを含む、又は、
●前記送信エンティティはユーザデバイス(UE)又は中継エンティティを含み、前記受信エンティティは無線アクセスネットワーク(RAN)エンティティを含む、又は、
●前記送信エンティティはRANエンティティを含み、前記受信エンティティはユーザデバイス(UE)又は中継エンティティを含む、
請求項1ないしのいずれか1項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項6】
前記受信エンティティから受信する前記フィードバックは、前記受信エンティティが前記データの受信に成功したこと及び/又は成功しなかったことを示すのに加え、
●前記UEと前記受信エンティティとの間のリンク品質、
●前記UEと前記受信エンティティとの間の距離を示す距離測定値又はゾーンID、
●前記受信エンティティが前記データを正常に受信できるように前記送信エンティティを支援する追加データ、
●前記受信エンティティが前記送信エンティティにデータを送信しようとすることを示す表示、
●HARQ/送信プロセスの停止を指示する前記受信エンティティからの信号、
●前記受信エンティティで受信され、前記UEから送信される最良のビーム又は上位m個のビームのビームインデックス、
のうちの1つ以上の追加の情報を含む、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項7】
前記受信エンティティから受信する前記フィードバックは、前記受信エンティティが2つ以上のデータの受信に成功したこと又は成功しなかったことを示す集約されたフィードバックである、
請求項1ないしのいずれか1項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項8】
前記集約されたフィードバックは、
●既定の時間ウインドウ内で、一部又は全部のデータの受信に成功したこと又は成功しなかったことを示す表示、
●事前定義済みの数のデータの受信に成功した又は成功しなかったことを示す表示、
●前データのうち、受信に成功したものはどれか、及び/又は、前データのうち、受信に成功しなかったものはどれか、
●前記受信に成功したデータのうち、遅延バジェットを超過して受信されたものはどれか、
●前記UEと前記受信エンティティとの間のリンク品質が悪化していることを示す表示、
●リンク品質が設定済み又は事前設定済みの閾値に近づいている又はそれ以下であることを示す表示、
●前記UEと前記受信エンティティとの間の前記中継リンク上での可能な新しい最大QoSを示す更新、
のうちの1つ以上を含むことがある、
請求項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項9】
前記UEは、前記受信エンティティから受信した前記フィードバックを、物理層(PHY)で、前記送信エンティティがUE又は中継エンティティの場合はPSFCHを使用して、前記送信エンティティがネットワークエンティティの場合はPUCCH若しくはPUSCHを使用して、送信するようになっており
前記送信エンティティからの前記データの受信に応答して、前記UEは、前記送信エンティティと前記UEとの間の第1のフィードバックリンクを使用して前記送信エンティティに別のフィードバックを送信するようになっており、前記別のフィードバックは、前記UEが前記データの受信に成功したこと又は成功しなかったことを示し、かつ、
前記UEは、前記送信エンティティと前記UEとの間の第2のフィードバックリンクを使用して、前記受信エンティティに関連付けられた前記フィードバックを送信し、前記第1のフィードバックリンク及び前記第2のフィードバックリンクは、既存のPHYチャネルにおける異なるリソースで、前記送信エンティティがUE又は中継エンティティの場合は前記PSFCHを使用して、前記送信エンティティがネットワークエンティティの場合は前記PUCCH若しくは前記PUSCHを使用して、送信するようになっている、
請求項1ないし8のいずれか1項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項10】
前記送信エンティティが別のUE又は中継エンティティである場合、前記UEは、前記受信エンティティから受信した前記フィードバックを、前記PSFCHを使用して送信するようになっており、前記受信エンティティから受信した前記フィードバックを送信するためのリソースは、
●前記受信エンティティから前記UEへのフィードバック送信のための前記PSFCHリソース上のマッピングと、前記UEから前記送信エンティティへのフィードバック送信との間の関係により暗黙的に、又は、
●前記送信エンティティが前記UEに対し、前記受信エンティティに関連付けられたフィードバックの報告に前記PSFCH上のどのリソースを使用するかを示すことにより明示的に、
マッピングされる、
請求項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項11】
前記送信エンティティがネットワークエンティティである場合、前記UEは前記受信エンティティから受信した前記フィードバックを前記PUCCH又は前記PUSCHリソースを使用して送信するようになっており
前記UEは、DCIにおいて、前記受信エンティティから受信した前記フィードバック及び前記別のフィードバックを報告するために使用するリソースを前記ネットワークエンティティから受信するようになっている、
請求項9に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項12】
前記UEは、前記受信エンティティから受信した前記フィードバックを、物理層(PHY)で、前記送信エンティティがUE又は中継エンティティの場合はPSFCHを使用して、前記送信エンティティがネットワークエンティティの場合はPUCCH若しくはPUSCHを使用して、送信するようになっており、
前記送信エンティティと前記UEとの間の接続は、前記UEが前記データの受信に成功したこと又は成功しなかったことを示すための、前記送信エンティティが前記UE若しくは中継エンティティの場合は前記PSFCHを使用し、前記送信エンティティがネットワークエンティティの場合は前記PUCCH若しくはPUSCHを使用する、既存のPHYチャネルにおけるフィードバックリンクを含み、かつ、
前記UEは、前記UEが前記データの受信に成功したこと又は成功しなかったことを示すフィードバックの代わりに、前記受信エンティティから受信した前記フィードバックを前記フィードバックリンクで送信するようになっている、
請求項1ないし11のいずれか1項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項13】
前記受信エンティティから受信した前記フィードバックが前記データの受信が成功しなかったことを示す場合、前記フィードバックは、前記データの受信が成功しなかった原因となった特定の接続に関する情報も含む、
請求項12に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項14】
前記送信エンティティへの前記特定の接続に関する情報は、成功しなかった前記データの受信が、前記送信エンティティと前記UEとの間の接続において発生したのか、及び/又は前記UEと前記受信エンティティとの間の接続において発生したのかを示すインジケータを含む、
請求項13に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項15】
信エンティティと、
1つ以上の受信エンティティと、
前記送信エンティティと前記1つ以上の受信エンティティとの間の接続性をサポートする機能を提供する、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の1つ以上のユーザデバイスと
を含むワイヤレス通信ネットワークであって、
前記送信エンティティは前記ユーザデバイスに接続して、前記送信エンティティと前記ワイヤレス通信ネットワークの1つ以上の受信エンティティとの間の接続性をサポートする機能を提供することが可能であり、
前記受信エンティティに中継するために前記ユーザデバイスへデータを送信することに応答して、前記送信エンティティは、前記ユーザデバイスからフィードバックを受信するようになっており、前記フィードバックは、前記受信エンティティが前記データの受信に成功したこと又は成功しなかったことを示す、ワイヤレス通信ネットワーク
【請求項16】
基地局を含み、
前記送信エンティティは別のUE又は中継エンティティであって、前記中継エンティティ及び前記送信エンティティはモード1で動作して、前記基地局が前記送信エンティティ及び前記中継エンティティによって使用される前記リソースを示す、
請求項15に記載のワイヤレス通信ネットワーク。
【請求項17】
ワイヤレス通信ネットワークのためのユーザデバイス(UE)を操作するための方法であって、
前記UEは中継エンティティとして動作して、前記ワイヤレス通信ネットワークの送信エンティティと1つ以上の受信エンティティとの間の接続性をサポートする機能を提供するようになっていて、前記方法は、
前記送信エンティティからのデータの受信、及び前記データの前記受信エンティティへの中継に応答して、前記送信エンティティにフィードバックを送信するステップであって、前記フィードバックは、前記受信エンティティが前記データの受信に成功したこと又は成功しなかったことを示す、送信するステップを含
前記受信エンティティにおける前記データの受信の成功又は不成功を示すフィードバックを前記受信エンティティから前記UEが受信した場合、前記UEは、前記フィードバックの受信後の設定済み又は事前設定済みの時間ウインドウ内に、前記受信エンティティから受信した前記フィードバックを前記送信エンティティに送信する、方法。
【請求項18】
コンピュータ上で実行され、請求項17に記載の方法を前記コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス通信システム又はネットワークの分野に関し、より具体的には、ワイヤレス通信システム又はネットワークの送信エンティティとリモートユーザデバイス(UE)との間の接続をサポートする機能を提供するために使用される中継デバイス、特にサイドリンク中継デバイスの分野に関する。本発明の第1の態様の実施形態は、サイドリンク中継のためのNRハイブリッド自動再送信要求(HARQ)フィードバック等のフィードバックに関連し、本発明の第2の態様の実施形態は、NRサイドリンク中継等の中継デバイスによるトラフィックの区別に関係する。
【背景技術】
【0002】
図1は、図1(a)に示すように、コアネットワーク102と、1つ以上の無線アクセスネットワークRAN1、RAN2、...RANNとを含む地上ワイヤレスネットワーク100の一例を概略的に示す図である。図1(b)は、1つ以上の基地局gNB1ないしgNB5を含むことができる無線アクセスネットワークRANnの一例を概略的に示す図であり、それぞれのセル1061ないし1065によって概略的に表される基地局の周囲の特定の領域にそれぞれサービスを提供する。基地局は、セル内のユーザにサービスを提供する。1つ以上の基地局は、ライセンスバンド及び/又はアンライセンスバンドでユーザにサービスを提供してもよい。基地局BSという用語は、5GネットワークにおけるgNB、UMTS/LTE/LTE-A/LTE-A ProにおけるeNB、又は他の移動通信規格における単なるBSを意味する。ユーザは、固定型のデバイスであってもよいし、移動型のデバイスであってもよい。また、ワイヤレス通信システムは、基地局又はユーザに接続する移動型又は固定型のIoTデバイスによってアクセスされてもよい。モバイルデバイス又はIoTデバイスは、物理デバイス、ロボット又は自動車などの地上ベースの車両、有人又は無人航空機UAVなどの航空機、後者はドローンとも呼ばれる、建物、及びその中に電子機器、ソフトウェア、センサー、アクチュエーターなどを埋め込んだ他のアイテム又はデバイス、並びにこれらのデバイスが既存のネットワークインフラストラクチャにわたってデータを収集及び交換できるようにするネットワーク接続を含んでもよい。図1(b)は5つのセルの例示的な図を示しているが、RANnは、より多くの又はより少ないこのようなセルを含んでもよく、RANnも1つの基地局のみを含んでもよい。図1(b)は、セル1062にあり、基地局gNB2によってサービスを提供される、ユーザ機器UEとも呼ばれる2つのユーザUE1及びUE2を示している。別のユーザUE3は、基地局gNB4によってサービスが提供されるセル1064に示されている。矢印1081、1082、1083は、ユーザUE1、UE2、UE3から基地局gNB2、gNB4へデータを送信するための、又は基地局gNB2、gNB4からユーザUE1、UE2、UE3へデータを送信するためのアップリンク/ダウンリンク接続を概略的に表している。これは、ライセンスバンドで実現されてもよいし、アンライセンスバンドで実現されてもよい。さらに、図1(b)は、セル1064内に2つのIoTデバイス1101、1102が示されており、これらは、固定型のデバイスであってもよいし、移動型のデバイスであってもよい。IoTデバイス1101は、矢印1121によって概略的に表されるように、基地局gNB4を介してワイヤレス通信システムにアクセスし、データの受信及び送信を行う。IoTデバイス1102は、矢印1122によって概略的に表されるように、ユーザUE3を介してワイヤレス通信システムにアクセスする。それぞれの基地局gNB1ないしgNB5は、それぞれのバックホールリンク1141ないし1145を介して、例えばS1インターフェースを介して、コアネットワーク102に接続されてもよく、図1(b)では「コア」を指す矢印で概略的に表される。コアネットワーク102は、1つ以上の外部ネットワークに接続されてもよい。外部ネットワークは、インターネット、又はイントラネットなどのプライベートネットワーク、又は他のタイプのキャンパスネットワーク、例えばプライベートWiFi又は4G又は5G移動通信システムであってもよい。さらに、それぞれの基地局gNB1ないしgNB5の一部又は全部は、例えばNRにおけるS1若しくはX2インターフェース又はXNインターフェースを介して、それぞれのバックホールリンク1161ないし1165を介して互いに接続されてもよく、図1(b)において「gNB」を指す矢印によって概略的に表される。サイドリンクチャネルは、デバイス間(D2D)通信とも呼ばれ、UE間の直接通信を可能にする。3GPPにおいてサイドリンクインターフェースは、PC5と命名されている。
【0003】
データ送信のために、物理リソースグリッドが使用される場合がある。物理リソースグリッドは、様々な物理チャネル及び物理信号がマッピングされるリソース要素のセットを備えてもよい。例えば、物理チャネルは、ダウンリンクペイロードデータ、アップリンクペイロードデータ、及びサイドリンクペイロードデータとも呼ばれるユーザ固有のデータを搬送する物理ダウンリンク共有チャネル、物理アップリンク共有チャネル、及び物理サイドリンク共有チャネル(PDSCH、PUSCH、PSSCH)、例えばマスタ情報ブロック(MIB)及び1つ以上のシステム情報ブロック(SIB)、サポートされている場合は、1つ以上のサイドリンク情報ブロック(SLIB)を搬送する物理ブロードキャストチャネル(PBCH)、例えばダウンリンク制御情報(DCI)、アップリンク制御情報(UCI)及びサイドリンク制御情報(SCI)を搬送する物理ダウンリンク制御チャネル、物理アップリンク制御チャネル及び物理サイドリンク制御チャネル(PDCCH、PUCCH、PSCCH)、PC5フィードバック応答を搬送する物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH)を含んでもよい。なお、サイドリンクインターフェースは、2つのステージのSCIをサポートしてもよい。これは、SCIの一部を含む第1の制御領域と、任意的に、制御情報の第2の部分を含む第2の制御領域とを指す。
【0004】
アップリンクの場合、物理チャネルは、UEが同期してMIB及びSIBを取得すると、ネットワークにアクセスするためにUEが使用する物理ランダムアクセスチャネル(PRACH又はRACH)をさらに含んでもよい。物理信号は、参照信号又はシンボル(RS)同期信号等を備えてもよい。リソースグリッドは、時間領域において特定の持続時間を有し、周波数領域において所与の帯域幅を有するフレーム又は無線フレームを備えてもよい。フレームは、予め定義された長さ、例えば1msの特定の数のサブフレームを有してもよい。各サブフレームは、サイクリックプレフィックス(CP)長に応じて、12又は14のOFDMシンボルの1つ以上のスロットを含んでもよい。フレームは、例えば、短縮された送信時間間隔(sTTI)を利用する場合、又は数個のOFDMシンボルを備えるミニスロット/非スロットベースのフレーム構造を利用する場合、より少ない数のOFDMシンボルからなることもある。
【0005】
ワイヤレス通信システムは、直交周波数分割多重(OFDM)システム、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)システム、又は、例えばDFT-s-OFDMのような、CPを有する又は有さない任意の他のIFFTベースの信号などの周波数分割多重を使用する任意のシングルトーン又はマルチキャリアシステムであってもよい。多重アクセスのための非直交波形、例えばフィルタバンクマルチキャリア(FBMC)、一般化周波数分割多重(GFDM)又はユニバーサルフィルタマルチキャリア(UFMC)のような他の波形が使用されてもよい。ワイヤレス通信システムは、例えば、LTE-Advanced pro規格、又は5G若しくはNR(New Radio)規格、又はNR-U(New Radioアンライセンス)規格に従って動作してもよい。
【0006】
図1に示すワイヤレスネットワーク又は通信システムは、異なるオーバーレイネットワーク、例えば、基地局gNB1ないしgNB5のようなマクロ基地局を含む各マクロセルを有するマクロセルのネットワークと、フェムト又はピコ基地局などのスモールセル基地局のネットワーク(図1には示されていない)とを有する異種ネットワークであってもよい。上述の地上ワイヤレスネットワークに加えて、衛星のような衛星トランシーバー(spaceborne transceivers)、及び/又は無人航空機システムのような空中トランシーバー(airborne transceivers)を含む非地上ワイヤレス通信ネットワーク(NTN)も存在する。非地上ワイヤレス通信ネットワーク又はシステムは、例えば、LTE-Advanced Pro規格又は5G若しくはNR(new radio)規格に従って、図1を参照して上述した地上システムと同様の方法で動作することができる。
【0007】
モバイル通信ネットワークでは、例えばLTE又は5G/NRネットワークのような図1を参照して上述したようなネットワークでは、例えばPC5/PC3インターフェース又は直接Wifiを使用して、1つ以上のサイドリンク(SL)チャネルによって互いに直接通信するUEが存在してもよい。サイドリンクによって互いに直接通信するUEは、他の車両と直接通信する車両(V2V通信)、ワイヤレス通信ネットワークの他のエンティティと通信する車両(V2X通信)、例えば信号機、交通標識、又は歩行者のような路側ユニット(RSU)、路側エンティティ、を含んでもよい。RSUは、特定のネットワーク構成に応じて、BS又はUEの機能を有してもよい。他のUEは、車両関連のUEでなくてもよく、上述したデバイスのいずれかを含んでもよい。このようなデバイスは、SLチャネルを使用して互いに直接通信(D2D通信)することもできる。
【0008】
サイドリンクによって互いに直接通信する2つのUEを考慮する場合、両方のUEが同じ基地局によってサービスされ、基地局がサイドリンクリソース割り当て構成又は支援をUEに提供できるようにしてもよい。例えば、両方のUEは、図1に示される基地局のうちの1つのような基地局のカバレッジエリア内に存在してもよい。これは、「カバレッジ内」シナリオと呼ばれる。別のシナリオは、「カバレッジ外」シナリオと呼ばれる。「カバレッジ外」は、2つのUEが図1に示されたセルのうちの1つの範囲内にないことを意味するのではなく、むしろ、これらのUEが、
- 例えばRRC接続状態になく、基地局に接続されていない場合があり、UEはいかなるサイドリンクリソース割り当て構成又は支援も基地局から受信しないこと、及び/又は、
- 基地局に接続されているが、1つ以上の理由により、基地局はサイドリンクリソース割り当て構成又は支援をUEに提供しない場合があること、及び/又は、
- NR V2Xサービスをサポートしない基地局、例えばGSM、UMTS、LTE基地局に接続される場合があること、
を意味することに留意されたい。
【0009】
例えばPC5/PC3インターフェースを使用して、サイドリンクによって互いに直接通信する2つのUEを考慮する場合、UEの一方はBSと接続されてもよく、サイドリンクインターフェースを介してBSから他方のUEに情報を中継してもよく、その逆も可能である。中継は、同じ周波数帯で実行されてもよいし(帯域内中継)、又は別の周波数帯が使用されてもよい(帯域外中継)。第1のケースでは、Uu上の通信及びサイドリンク上の通信は、時分割複信(TDD)システムのように異なるタイムスロットを使用して切り離されてもよい。
【0010】
図2(a)は、互いに直接通信する2つのUEが両方とも基地局に接続されているカバレッジ内シナリオの概略図である。基地局gNBは、円150で概略的に表されるカバレッジエリアを有し、基本的に図1に概略的に表されたセルに対応する。互いに直接通信するUEは、基地局gNBのカバレッジエリア150内に第1の車両152及び第2の車両154の両方を含む。両方の車両152、154は、基地局gNBに接続されており、さらに、PC5インターフェースによって互いに直接接続されている。V2Vトラフィックのスケジューリング及び/又は干渉の管理は、基地局とUEとの間の無線インターフェースであるUuインターフェースによって制御シグナリングを介して、gNBによって支援される。言い換えると、gNBはSLリソース割り当て構成又は支援をUEに提供し、gNBはサイドリンクによるV2V通信に使用されるリソースを割り当てる。この構成は、NR V2Xではモード1構成、LTE V2Xではモード3構成とも呼ばれる。
【0011】
図2(b)は、互いに直接通信するUEが、ワイヤレス通信ネットワークのセル内に物理的に存在し得るが、基地局に接続されていない、又は、互いに直接通信するUEの一部又は全部が基地局に接続されているが、基地局がSLリソース割り当て構成又は支援を提供しない、カバレッジ外シナリオの概略図である。3つの車両156、158、160が、例えばPC5インターフェースを使用して、サイドリンクによって互いに直接通信することが示されている。V2Vトラフィックのスケジューリング及び/又は干渉の管理は、車両間に実装されるアルゴリズムに基づく。この構成は、NR V2Xではモード2構成、LTE V2Xではモード4構成とも呼ばれる。上述したように、カバレッジ外シナリオである図2(b)のシナリオは、それぞれのモード2 UE(NRの場合)又はモード4 UE(LTEの場合)が基地局のカバレッジ150の外にあることを必ずしも意味せず、むしろ、それぞれのモード2 UE(NRの場合)又はモード4 UE(LTEの場合)が基地局によってサービスを提供されず、カバレッジエリアの基地局と接続されていない、又は基地局と接続されているが基地局からSLリソース割り当て構成又は支援を受け取っていないことを意味している。したがって、図2(a)に示すカバレッジエリア150内に、NR モード1又はLTE モード3のUE152、154に加えて、NR モード2又はLTE モード4のUE156、158、160も存在する状況がある。加えて、図2(b)は、ネットワークと通信するために中継器を使用するカバレッジ外UEを概略的に示す。例えば、UE160は、UE1とサイドリンクによって通信してもよく、Uuインターフェースを介してgNBに接続されてもよい。したがって、UE1はgNBとUE160との間で情報を中継してもよい。
【0012】
図2(a)及び図2(b)は車両UEを例示しているが、説明したカバレッジ内及びカバレッジ外のシナリオは非車両UEにも適用されることに留意されたい。言い換えれば、ハンドヘルドデバイス(hand-held device)のようなSLチャネルを使用して別のUEと直接通信する任意のUEは、カバレッジ内及びカバレッジ外になる可能性がある。
【0013】
図1を参照して上述したようなワイヤレス通信システム又はネットワークにおいて、中継デバイス又は中継ノードは、基地局のセルの無線カバレッジの端部で遭遇する可能性のあるデータレートの低下、弱い信号及び高い干渉などの性能問題を解決するために採用される。中継ノードは、受信した信号からデータを抽出し、ノイズ補正を行い、自ら新しい信号を再送信することができる。信号を繰り返すだけでなく、中継ノードは信号の品質も向上させる。4Gの3GPPの仕様では、UE-ネットワーク間(UE-to-Network)中継が規定されている。
【0014】
上記のセクションの情報は、発明の背景の理解を高めるためのものにすぎず、したがって、当業者に既に知られている先行技術を形成しない情報が含まれている可能性があることに留意されたい。
【発明の概要】
【0015】
上記から出発して、ワイヤレス通信システム又はネットワークにおける中継送信の改善又は強化が必要とされている。
【0016】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1(a)】図1は、地上ワイヤレスネットワークの一例を示す概略図であり、図1(a)は、コアネットワークと1つ以上の無線アクセスネットワークとを示す。
図1(b)】図1は、地上ワイヤレスネットワークの一例を示す概略図であり、図1(b)は、無線アクセスネットワークRANの一例を示す概略図である。
図2(a)】図2は、カバレッジ内シナリオとカバレッジ外シナリオを概略的に表したものであり、図2(a)は、互いに直接通信する2台のUEが共に基地局に接続されているカバレッジ内シナリオを概略的に表したものである。
図2(b)】図2は、カバレッジ内シナリオとカバレッジ外シナリオを概略的に表したものであり、図2(b)は、UEが互いに直接通信するカバレッジ外シナリオを概略的に表したものである。
図3(a)】図3は、複数の中継シナリオを概略的に示しており、図3(a)は中継UEがUE-ネットワーク間中継として動作するシナリオを示す。
図3(b)】図3は、複数の中継シナリオを概略的に示しており、図3(b)は中継器がUE-UE間中継であるシナリオを示す。
図3(c)】図3は、複数の中継シナリオを概略的に示しており、図3(c)は送信エンティティ、受信エンティティ及び中継エンティティを含むLTE中継システムの動作を示す。
図4図4は、本発明の実施形態を実装するための、基地局等の送信機、ユーザデバイスUE等の1つ以上の受信機、及び1つ以上の中継UEを含むワイヤレス通信システムの概略図である。
図5図5は、本発明の第1の態様に係る中継UEの一実施形態を示す図である。
図6図6は、本発明の第1の態様に係る送信エンティティの一実施形態を示す図である。
図7図7は、本発明の第1の態様に係る中継ノードとTX UEとの間の追加のフィードバックリンクを使用して、中継ノードを介してRX UEに中継されたTX UEからの伝送に対する全体的なHARQフィードバックを提供する実施形態を示す。
図8図8は、本発明の第1の態様に係る中継ノードとTX UEとの間の既存のフィードバックリンクを再利用して、中継ノードを介してRX UEに中継されたTX UEからの伝送に対する全体的なHARQフィードバックを提供する実施形態を示す。
図9(a)】図9は、本発明の第1の態様に従って提供するRLCフィードバック構成のための実施形態を示し、図9(a)は全体的なRLCアクノレッジを導入する実施形態を説明する。
図9(b)】図9は、本発明の第1の態様に従って提供するRLCフィードバック構成のための実施形態を示し、図9(b)はエンドツーエンドフィードバックを説明する。
図10図10は、本発明の第1の態様の実施形態に係る中継UE及びTX UEを含むワイヤレス通信ネットワークの第1の実施形態を示し、両者はモード1で動作し、TX UEから中継器への伝送のためのリソース及び伝送を中継するためのリソースがgNBによってスケジューリングされる。
図11図11は、本発明の第1の態様の実施形態に係る中継UE及びTX UEを含むワイヤレス通信ネットワークの第2の実施形態を示し、両者はモード1で動作し、TX UEから中継器への伝送のためのリソースがgNBによってスケジューリングされ、中継UEは伝送を中継するために使用されるリソースを用いて事前設定される。
図12図12は、本発明の第1の態様の実施形態に係るモード2で動作する中継UE及びモード1で動作するTX UEを含むワイヤレス通信ネットワークの第1の実施形態を示し、TX UEから中継器への伝送のためのリソースがgNBによってスケジューリングされ、伝送を中継するために使用されるリソースが中継UEによってセンシングされる。
図13図13は、本発明の第1の態様の実施形態に係るモード1で動作する中継UE及びモード2で動作するTX UEを含むワイヤレス通信ネットワークの第1の実施形態を示し、TX UEから中継器への伝送のためのリソースがTX UEによってセンシングされ、伝送を中継するためのリソースはgNBによってスケジューリングされる。
図14図14は、本発明の第1の態様の実施形態に係るモード1で動作する中継UE及びモード2で動作するTX UEを含むワイヤレス通信ネットワークの第2の実施形態を示し、TX UEは、中継UEへの伝送のためのリソースをセンシングするのではなく、中継UEにこのようなリソースの要求を送信する。
図15図15は、本発明の第1の態様の実施形態に係るモード1で動作する中継UE及びgNBであるTXエンティティを含むワイヤレス通信ネットワークの第1の実施形態を示し、gNBと中継UEとの間及び中継UEとRX UEとの間のそれぞれのリンクに対するリソースが、別々の制御メッセージで提供される。
図16図16は、本発明の第1の態様の実施形態に係るモード1で動作する中継UE及びgNBであるTXエンティティを含むワイヤレス通信ネットワークの第2の実施形態を示し、gNBと中継UEとの間及び中継UEとRX UEとの間のそれぞれのリンクに対するリソースが、共通の制御メッセージで提供される。
図17図17は、本発明の第1の態様の実施形態に係るモード2で動作する中継UE及びgNBであるTXエンティティを含むワイヤレス通信ネットワークの実施形態を示す。
図18図18は、本発明の第1の態様の実施形態に係るモード1で動作する中継UE及びgNBであるRXエンティティを含むワイヤレス通信ネットワークの第1の実施形態を示し、gNBと中継UEとの間のリンクに対するリソースはgNBからの制御メッセージによって提供され、TX UEから中継UEへの伝送に対するリソースはTX UEによるセンシングによって得られる。
図19図19は、本発明の第1の態様の実施形態に係るモード1で動作する中継UE及びgNBであるRXエンティティを含むワイヤレス通信ネットワークの第2の実施形態を示し、gNBと中継UEとの間のリンクに対するリソースがgNBからの制御メッセージによって提供され、TX UEから中継UEへの伝送に対するリソースは中継UEを介してTX UEによってgNBから取得される。
図20(a)】図20(a)は、中継のトラフィックと中継UEを対象とするトラフィックとを区別する、本発明の第2の態様に係る中継UEの一実施形態を示す。
図20(b)】図20(b)は、中継のトラフィックと中継UEを対象とするトラフィックとを区別する、本発明の第2の態様に係る送信エンティティの一実施形態を示す。
図21図21は、中継ノードでマッピングされる事前定義済み又は新たな送信先IDを採用する、本発明の第2の態様に係る実施形態を示す。
図22図22は、受信エンティティへの伝送が中継ノードを介して送信されるようになっている場合に、送信エンティティによって使用される特定又は新たな中継IDを使用する、本発明の第2の態様に係る受信エンティティの実施形態を示す。
図23図23は、トラフィックの区別のために、中継UEのL1送信先IDと受信エンティティのL2送信先IDとを含むMACヘッダを採用する、本発明の第2の態様に係る実施形態を示す。
図24図24は、専用中継制御チャネルを実装する本発明の第2の態様に係る実施形態を示す。
図25図25は、本発明の第2の態様の実施形態に係る追加の中継リソースプールを定義するSL-BWP-プール構成情報要素を示す。
図26図26は、送信エンティティと受信エンティティとの間の通信にN個の中継を使用する本発明の実施形態を示す。
図27図27は、送信エンティティと受信エンティティとの間のエンドツーエンド通信のためにN=2の中継層を採用する本発明の実施形態を示す。
図28図28は、本発明のアプローチに従って説明された方法のステップと同様にユニット又はモジュールが実行されるコンピュータシステムの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
同一又は類似の要素に同一の参照符号が付与されている添付図面を参照して、本発明の実施形態をより詳細に説明する。
【0019】
図1を参照して上述したもののようなワイヤレス通信システム又はネットワークにおいて、中継デバイス又は中継ノードは、ワイヤレスネットワークのカバレッジを拡張するため、又は基地局のセルの無線カバレッジエッジで遭遇する可能性があるような、データレートの低下、より弱い信号及びより高い干渉などの性能問題を解決するために採用されてもよい。中継ノードは、受信した信号又は伝送を単純に繰り返して転送することができる。他の例では、中継ノードは、受信した信号又は伝送からデータを抽出し、ノイズ補正を適用し、単独で新しい信号又は新しい伝送を送信することができる。信号を単に繰り返すよりもむしろ、中継ノードは信号品質を向上させることもできる。図3(a)は、中継UEがUE-ネットワーク間の中継器として動作するシナリオを示す。上述の中継デバイス又は中継ノードはユーザ機器(UE)であってもよく、以下では、中継UEと呼ばれる。図3(a)は、送信先202、例えばgNB等のアクセスネットワーク202aのエンティティに、コアネットワーク202aのエンティティに接続することになっているUE200を示す。リモートUEとも呼ばれるUE200と送信先との間のエンドツーエンド通信は、リモートUE200のためにコアネットワークにおける送信先202への接続をサポートする機能を提供する中継UE2040を使用する。リモートUE200と中継UEとはPC5インターフェースを使用して通信することができ、中継UEとアクセスネットワークとはUuインターフェースを使用して通信することができる。
【0020】
NR又は5Gでは、UE-ネットワーク間中継に加えて、UE-UE間(UE-to-UE)中継もサポートされる。このようなシナリオでは、送信先202は別のUEである。図3(b)は、中継器がUE-UE間の中継器204である場合のシナリオを示す。リモートUE200は、他のUE202に接続するようになっており、中継UE204は、リモートUE200のために送信先UE208への接続をサポートするための機能を提供する。リモートUE200と中継UEとはPC5インターフェースを使用して通信することができ、中継UEと他のUE202とはPC5インターフェースを使用して通信することができる。
【0021】
図3(a)及び図3(b)は、中継器がUEであることを示しているが、中継器はネットワーク接続性を有し、リモートUE200がコアネットワーク又は別のUE等の送信先202に接続されることを可能にする任意のエンティティであってもよいことに留意されたい。例えば、中継エンティティは、グループリーダーUE、路側ユニット(RSU)、又は任意の移動デバイス若しくは固定デバイスであってもよい。このような中継エンティティは、リソースのスケジューリングなど、いくつかの基地局機能を有する中継ノードであってもよい。さらに、中継器は、例えば増幅転送(AF)中継、又はデコード転送中継(DF)のように中継機能を提供する古典的な意味での中継ノード、例えば基地局インフラストラクチャデバイスであって、例えばインターネットプロトコル(IP)レベルでデータを転送するレイヤ2(L2)又はレイヤ3(L3)でさえ動作する、中継ノードであってもよい。
【0022】
車両用ユーザデバイス(UE)の上述したシナリオでは、このような複数のユーザデバイスが、単にグループとも呼ばれるユーザデバイスグループを形成し、グループ内又はグループメンバー間の通信が、PC5インターフェース等のユーザデバイス間のサイドリンクインターフェースを介して実行されてもよい。例えば、車両用ユーザデバイスを使用する上述のシナリオは輸送産業の分野で採用することができ、車両用ユーザデバイスを備える複数の車両を、例えば遠隔運転アプリケーションによってグループ化することができる。複数のユーザデバイスが互いにサイドリンク通信を行うためにグループ化され得る他のユースケースは、例えばファクトリーオートメーションや電力配電を含む。ファクトリーオートメーションの場合、工場内の複数の移動型の機械又は固定型の機械はユーザデバイスを備え、例えばロボットの動作制御等の機械の動作を制御するためのサイドリンク通信のためにグループ化されてもよい。電力配電の場合、配電網内のエンティティがそれぞれユーザデバイスを備え、システムの特定の領域内で、互いにサイドリンク通信を介して通信するようにグループ化され、システムを監視し、配電網の故障及び停電に対処することができる。
【0023】
当然ながら、上記のユースケースでは、サイドリンク通信は、グループ内の通信に限定されない。むしろ、サイドリンク通信は、任意のUEのペアのような任意のUE間であってもよい。
4Gの3GPPの仕様では、UE-ネットワーク間中継が規定されている。LTEでは、中継器はデバイス間(D2D)中継のための拡張を伴うスタンドアロンコンセプトとして注目されている。LTEでは、中継ノードは、基地局(BS)と通信するときは、UEのように動作し、UEと通信するときはBSのように動作する。基地局と中継ノード(RN)との間の伝送(いわゆるBS-RN間(BS-to-RN)送信)はダウンリンク(DL)サブフレームで行われ、RN-BS間の伝送はアップリンク(UL)サブフレームで行われる。周波数分割複信(FDD)システムの場合、BS-RN間及びRN-UE間の伝送はDL周波数帯で行われ、RN-BS間及びUE-RN間の伝送はUL周波数帯で行われる。時分割複信(TDD)システムの場合、DL BS-RN間の伝送はDサブフレームで行われ、UL RN-BS間の伝送はUサブフレームで行われ、ここで、Dサブフレーム及びUサブフレームはLTEのサブフレームの構成ごとに定義される。システム又はネットワークによって中継ノードがサポートされる場合、BS-RN間通信に使用される特定のサブフレームが存在する。FDDシステムの場合、RN-BS間通信はBS-RN間通信よりも4サブフレーム遅れて発生し、TDDシステムの場合、RN-BS間通信はBS-RN間通信より事前定義されたオフセットを伴って発生する。BSからRNへの制御情報は、R-PDCCH又は中継PDCCHと呼ばれる別の制御チャネルを使用して送信される。R-PDCCHは、BSからRNへのDCI等の制御情報の伝送に使用され、通常のPDCCHは、RNからUEへの制御情報の伝送に使用される。
【0024】
【0025】
3GPPでは、eNBと受信エンティティとの間の上記の中継動作とは別に、D2D中継ノード又は中継エンティティも規定されているが、UE-ネットワーク間の中継のみが規定されている。基地局は、基地局と受信エンティティと間のUuリンクの品質のための基準信号受信品質(RSRQ)の閾値とともに、中継検出に使用する送信リソースプールの設定を送信する責任がある。この設定は、システム情報ブロック(SIB)18/19を使用して送信され、RSRQが事前定義済みの閾値を下回った場合、基地局との直接リンクを維持するか否か、又は中継ノードを介した接続に切り替えるか否かの決定に、RSRQの閾値が受信エンティティによって使用される。受信エンティティは、中継可能なエンティティを選択するようになっており、受信エンティティが基地局のカバレッジ内にある場合に、この選択を基地局に通知する。その後、基地局は、中継ノードと受信エンティティとの間の中継に基づく通信のためのリソース割り当てをスケジューリング又は決定する、すなわち、基地局は、受信エンティティと中継エンティティとの間の伝送に使用されるリソースを決定する。
【0026】
D2D通信は車両用アプリケーションも含まれ、3GPP規格のリリース14には初期の車両-モノ(V2X)の仕様が含まれている。オリジナルのD2D通信規格を設計のベースとして使用する一方で、V2Xの要求に従ってスケジューリング及びリソースの割り当てが変更された。LTE V2X規格のリリース15(強化されたV2X又はeV2Xとも呼ばれる)及び5G NR V2X規格のリリース16では、制御チャネルとデータチャネルに加えて、専用のフィードバックチャネルを含むリソースプール設計が導入されている。リリース17では、省電力、信頼性向上、遅延低減を重視したサイドリンク強化及びサイドリンク中継に焦点を当て、車両通信だけでなく、公共安全や商用ユースケースなどあらゆる種類のD2D通信に対応し、UE-ネットワーク間及びUE-UE間のカバレッジ拡張を提供する中継を使用することにも焦点を当てている。
【0027】
しかし、上述したように、中継送信におけるフィードバックになると、送信エンティティから中継エンティティ、リモートエンティティから中継エンティティへの伝送に関するフィードバックが存在するだけで、基地局又は送信エンティティが受信エンティティに対してその伝送が成功したか成功しなかったかを認識するような全体的なフィードバックは存在しない。例えば、LTEでは、中継エンティティから基地局へのデータ伝送について、物理ハイブリッドARQインジケータチャネル(PHICH)で基地局と中継エンティティとの間の物理層HARQフィードバックはサポートされていなかった。むしろ、フィードバックは、PUSCHのようなそれぞれのアップリンクデータチャネルで送信されるトランスポートブロック(TB)ごとに上位層に配信される。
【0028】
基地局から中継エンティティを介して受信エンティティに送信する場合、それぞれのエンティティ間でいくつかの種類のフィードバックが行われるが、D2D中継は、送信UEから中継エンティティを介して受信エンティティへの全体的なフィードバックは言うまでもなく、送信UEが受信エンティティでその伝送が成功したか成功しなかったかを認識されないように、いかなる種類のフィードバックもサポートされていない。
【0029】
さらに、従来の中継システムでは、D2Dノードのような中継ノードがUE-ネットワーク間の中継のみをサポートするため、中継ノードが、中継エンティティを対象とするか否か又は受信エンティティを対象とするか否かという観点で制御とデータを区別する必要がない。例えばLTEの中継は、別の制御チャネルを維持することによってこれを実現するが、中継器が導入され、中継器が本質的にUEであるので、中継エンティティとして動作するUEが受信するトラフィックを区別する必要性がある。中継エンティティは、UE自身を対象とする伝送又はパケット並びに送信先UE又は受信エンティティ等の受信エンティティに中継されるようになっている伝送又はパケットを受信することができる。
【0030】
本発明は、上記の問題を解決するものである。本発明の第1の態様の実施形態は、受信エンティティに中継された伝送の最終的な状態を送信エンティティに通知するためのアプローチを提供する。本発明の第2の態様の実施形態は、中継ノードRNにおいて制御メッセージ及びデータメッセージ等の伝送を、中継される伝送である第1の伝送と、中継ノードを対象とした伝送である第2の伝送とに区別するためのアプローチを提供する。したがって、本発明は、上記の問題を解決し、NRサイドリンク中継のようなサイドリンク中継によるフィードバック及び/又はトラフィックの区別に関する改善及び強化を提供する。本発明の実施形態は、移動端末又はIoTデバイスのような基地局及びユーザを含む、図1に示すようなワイヤレス通信システムにおいて実施され得る。図4は、本発明の実施形態を実装するための、基地局又はgNBのような送信機300と、1つ以上のユーザデバイス(UE)302、304と、中継UEのような1つ以上の中継エンティティ306、308、310とを含むワイヤレス通信システムの概略図である。送信機300及び受信機302、304は、それぞれの無線リンクのようなそれぞれのワイヤレス通信リンク又はチャネル310a、310b、312a、312b、314a、314bを使用して、それぞれの中継エンティティ306、308、310を介して通信することができる。送信機300は、互いに結合された、1つ以上のアンテナANTT又は複数のアンテナ素子を有するアンテナアレイと、信号プロセッサ300aと、トランシーバー300bとを含んでもよい。受信機302、304は、互いに結合された、1つ以上のアンテナANTUE又は複数のアンテナを有するアンテナアレイと、信号プロセッサ302a、304aと、トランシーバー302b、304bとを含む。中継エンティティ306、308、310の各々は、互いに結合された、1つ以上のアンテナANT又は複数のアンテナを有するアンテナアレイと、信号プロセッサと、トランシーバーTとを含む。基地局300とUE302とは、基地局300と中継エンティティ310との間で、Uuインターフェース又は別の3GPP又は非3GPPインターフェースを使用する、無線リンクのようなワイヤレス通信リンク314bを使用し、UE302と中継エンティティ310との間で、PC5/サイドリンク(SL)インターフェースを使用する、無線リンクのようなワイヤレス通信リンク314aを使用して中継エンティティ310を介して通信することができる。同様に、基地局300とUE304とは、基地局300と中継エンティティ308との間で、Uuインターフェースを使用する、無線リンクのようなワイヤレス通信リンク312bを使用し、UE304と中継エンティティ308との間で、SLインターフェースを使用する、無線リンクのようなワイヤレス通信リンク312aを使用して、中継エンティティ308を介して通信することができる。UE302、304は、UE302と中継エンティティ306との間で、SLインターフェースを使用する、無線リンクのようなワイヤレス通信リンク310aを使用し、UE304と中継エンティティ310との間で、SLインターフェースを使用する、無線リンクのようなワイヤレス通信リンク310bを使用して、中継エンティティ306を介して互いに通信することができる。図4に示されるような、システム又はネットワーク、1つ以上のUE302、304、1つ以上の中継エンティティ306ないし310及び/又は基地局300のうちの任意の1つは、本明細書に記載される独創的な教示に従って動作することができる。以下の説明では、中継エンティティは中継UEと呼ばれる。
【0031】
第1の態様
本発明の第1の態様は、中継送信システムにおいて、中継ノード又は中継UEを通して送信するときに、基地局又はUE等の実際の送信エンティティに、UE又は基地局等の受信エンティティにおける伝送の状態を認識させる方法が現在存在しないという問題に対処するものである。
【0032】
中継UE
第1の態様によれば、本発明は、ワイヤレス通信ネットワークのためのユーザデバイス(UE)を提供し、
前記UEは中継エンティティとして動作して、前記ワイヤレス通信ネットワークの送信エンティティと1つ以上の受信エンティティとの間の接続性をサポートする機能を提供するようになっており、
前記送信エンティティから伝送を受信し、前記受信エンティティに向けて前記伝送を中継することに応答して、前記UEは前記送信エンティティにフィードバックを送信するようになっており、前記フィードバックは前記受信エンティティが前記伝送の受信に成功したこと及び/又は成功しなかったことを示す。
【0033】
実施形態によれば、
前記UEが、HARQ-ACK又はHARQ-NACK等、前記受信エンティティが前記伝送の受信に成功したこと及び/又は成功しなかったことを示すフィードバックを前記受信エンティティから受信した場合、前記UEは前記受信エンティティから受信された前記フィードバックを前記送信エンティティに送信するようになっており、
前記UEが前記受信エンティティからフィードバックを受信しない場合、前記UEはHARQ-NACK等、前記受信エンティティが前記伝送の受信に成功しなかったことを送信エンティティにシグナリングする。
【0034】
実施形態によれば、前記UEがHARQ-ACK等、前記受信エンティティが前記伝送の受信に成功したことを示すフィードバックを前記受信エンティティから受信した場合、前記UEは、前記フィードバックの前記受信後の設定済み又は事前設定済みの時間ウインドウ内、例えば可能な最速の機会に、前記受信エンティティから受信した前記フィードバックを前記送信エンティティに送信するようになっている。
【0035】
実施形態によれば、前記UEがHARQ-NACK等、前記受信エンティティが前記伝送の受信に成功しなかったことを示すフィードバックを前記受信エンティティから受信した場合、前記UEは、
●前記フィードバックを前記受信した後の設定済み又は事前設定済みの時間ウインドウ内、例えば可能な最速の機会に、前記受信エンティティから受信した前記フィードバックを前記送信エンティティに送信し、前記受信エンティティには前記伝送を再送信しない、又は、
●前記受信エンティティに前記伝送を再送信し、前記受信エンティティから前記伝送の受信の成功を示すフィードバックを受信し、前記受信エンティティから受信した成功のフィードバックを前記送信エンティティに送信するまで、又は事前定義済みのイベントのうちの1つ以上が発生するまで、例えばMCS又はコーディングレート等、同じ又は異なる送信パラメータを用いて前記伝送の再送信を継続する。
【0036】
実施形態によれば、
●前記UEがその間に前記再送信を実施する、設定済み又は事前設定済みタイマーの経過、又は、
●前記UEが実施する設定済み又は事前設定済みの中継再送信の最大数の到達、
のイベントのうちの1つ以上を含む。
【0037】
実施形態によれば、前記1つ以上のイベントに応答して、前記UEは、前記フィードバックの受信に続く設定済み又は事前設定済みの時間ウインドウ内、例えば可能な最速の機会に、HARQ-NACK等、前記受信エンティティが前記伝送の受信に成功しなかったことを示すフィードバックを前記送信エンティティに送信するようになっている。
【0038】
実施形態によれば、前記UEは、前記送信エンティティからの前記伝送を、サイドリンク等のダイレクトインターフェースによって、又は3GPPの若しくは非3GPPのインターフェース等のアクセスネットワークインターフェースによって受信するようになっている。
【0039】
実施形態によれば、
●前記送信エンティティはユーザデバイス(UE)又は中継エンティティを含み、前記受信エンティティはユーザデバイス(UE)又は中継エンティティを含む、又は、
●前記送信エンティティはユーザデバイス(UE)又は中継エンティティを含み、前記受信エンティティは無線アクセスネットワーク(RAN)エンティティ等のネットワークエンティティを含む、又は、
●前記送信エンティティはRANエンティティ等のネットワークエンティティを含み、前記受信エンティティはユーザデバイス(UE)又は中継エンティティを含む。
【0040】
実施形態によれば、前記受信エンティティから受信する前記フィードバックは、前記受信エンティティが前記伝送の受信に成功したこと及び/又は成功しなかったことを示すのに加え、
●前記UEと前記受信エンティティとの間のリンク品質、
●前記UEと前記受信エンティティとの間の距離を示す距離測定値又はゾーンID、
●前記受信エンティティが前記伝送を正常に受信できるように前記送信エンティティを支援する追加データ、
●前記受信エンティティが前記送信エンティティにデータを送信しようとすることを示す表示(例えばスケジューリング要求(SR)又はバッファステータスレポート(BSR))、
●前記HARQ/送信プロセスの停止を指示する前記受信エンティティからの信号、
●前記受信UEで受信され、前記UEから送信される最良のビーム又は上位m個のビームのビームインデックス、
のうちの1つ以上等、追加の情報を含む。
【0041】
実施形態によれば、前記受信エンティティから受信する前記フィードバックは、前記受信エンティティが2つ以上の伝送の受信に成功したこと及び/又は成功しなかったことを示す集約されたフィードバックである。
【0042】
実施形態によれば、前記集約されたフィードバックは、
●既定の時間ウインドウ内で、パケット等、一部又は全部の伝送の受信に成功したこと又は成功しなかったことを示す表示、
●パケット等事前定義済みの数の伝送の受信に成功した又は成功しなかったことを示す表示、
●パケット等前記伝送のうち、受信に成功したものはどれか、及び/又は、パケット等前記伝送のうち、受信に成功しなかった又は失敗したものはどれか、
●パケット等前記受信に成功した伝送のうち、遅延バジェットを超過して受信されたものはどれか、
●前記UEと前記受信エンティティとの間のリンク品質が悪化していること、例えば前記リンク品質が設定済み又は事前設定済みの閾値に近づいている又はそれ以下であることを示す表示、
●前記UEと前記リモートUEとの間の前記中継リンク上での可能な新しい最大QoSを示す更新、
のうちの1つ以上を含むことがある。
【0043】
実施形態によれば、前記UEは、前記受信エンティティから受信した前記フィードバックを、物理層(PHY)で、例えば、前記送信エンティティがUE又は中継エンティティの場合はPSFCHを使用して、又は前記送信エンティティがネットワークエンティティの場合はPUCCH若しくはPUSCHを使用して、送信するようになっている。
【0044】
実施形態によれば、
前記送信エンティティからの前記伝送の受信に応答して、前記UEは、前記送信エンティティと前記UEとの間の第1のフィードバックリンクを使用して前記送信エンティティに別のフィードバックを送信するようになっており、前記別のフィードバックは、HARQ-ACK又はHARQ-NACK等、前記UEが前記伝送の受信に成功したこと及び/又は成功しなかったことを示し、かつ、
前記UEは、前記送信エンティティと前記UEとの間の第2のフィードバックリンクを使用して、前記受信エンティティに関連付けられた前記フィードバックを送信し、前記第1のフィードバックリンク及び前記第2のフィードバックリンクは、既存のPHYチャネルにおける異なるリソース、例えば前記送信エンティティがUE又は中継エンティティの場合は前記PSFCHを使用して、又は前記送信エンティティがネットワークエンティティの場合は前記PUCCH若しくは前記PUSCHを使用して、送信するようになっている。
【0045】
実施形態によれば、前記送信エンティティが別のUE又は中継エンティティである場合、前記UEは、前記受信エンティティから受信した前記フィードバックを、前記PSFCHを使用して送信するようになっており、前記受信エンティティから受信した前記フィードバックを送信するためのリソースは、
●前記受信エンティティから前記UEへのフィードバック送信のための前記PSFCHリソース上のマッピングと、前記UEから前記送信エンティティへのフィードバック送信との間の関係により暗黙的に、又は、
●前記送信エンティティが前記UEに対し、前記受信エンティティに関連付けられたフィードバックの報告に前記PSFCH上のどのリソースを使用するかを示すことにより明示的に、
マッピングされる。
【0046】
実施形態によれば、前記送信エンティティがネットワークエンティティである場合、前記UEは前記受信エンティティから受信した前記フィードバックを前記PUCCH又は前記PUSCHリソースを使用して送信するようになっている。
【0047】
実施形態によれば、前記UEは、例えばDCIで、前記受信エンティティから受信した前記フィードバック及び前記別のフィードバックを報告するために使用するリソースを前記ネットワークエンティティから受信するようになっている。
【0048】
実施形態によれば、
前記送信エンティティと前記UEとの間の接続は、前記UEが前記伝送の受信に成功したこと及び/又は成功しなかったことを示すための、例えば、前記送信エンティティが前記UE若しくは中継エンティティの場合は前記PSFCHを使用し、又は前記送信エンティティがネットワークエンティティの場合は前記PUCCH若しくはPUSCHを使用する、既存のPHYチャネルにおけるフィードバックリンクを含み、かつ、
前記UEは、前記UEが前記伝送の受信に成功したこと及び/又は成功しなかったことを示すフィードバックの代わりに、前記受信エンティティから受信した前記フィードバックを前記フィードバックリンクで送信するようになっている。
【0049】
実施形態によれば、前記送信エンティティが別のUE又は中継エンティティである場合、前記UEは前記受信エンティティから受信した前記フィードバックを、前記UEが前記伝送の受信に成功したこと及び/又は成功しなかったことを示す前記フィードバックについて前記送信エンティティがスケジューリングした前記PSFCHリソースを使用して送信するようになっている。
【0050】
実施形態によれば、前記送信エンティティがネットワークエンティティである場合、前記UEは、前記受信エンティティから受信した前記フィードバックを、前記UEが前記伝送の受信に成功したこと及び/又は成功しなかったことを示す前記フィードバックについて前記送信エンティティがスケジューリングした前記PUCCHリソース又は前記PUSCHリソースを使用して送信するようになっている。
【0051】
実施形態によれば、前記受信エンティティから受信した前記フィードバックの伝送が成功しなかったことを示す場合、前記フィードバックは、前記伝送が成功しなかった原因となった特定の接続に関する情報も含む。
【0052】
実施形態によれば、前記送信エンティティへの接続不良の前記表示は、成功しなかった前記伝送が、前記送信エンティティと前記UEとの間の前記接続において発生したのか、及び/又は前記UEと前記受信エンティティとの間の前記接続において発生したのかを示す1ビットインジケータ及び/又は2ビットインジケータを含む。
【0053】
実施形態によれば、前記UEは、前記受信エンティティから受信した前記フィードバックを、媒体アクセス制御(MAC)層で送信するようになっている。
【0054】
実施形態によれば、前記UEは、前記受信エンティティから受信した前記フィードバックを、MAC制御要素(MAC CE)を使用して送信するようになっている。
【0055】
実施形態によれば、前記送信エンティティからの前記伝送の受信に応答して、前記UEは、前記送信エンティティと前記UEとの間の前記PHY層内のフィードバックチャネルを使用して、前記送信エンティティに別のフィードバックを送信するようになっており、前記別のフィードバックは、HARQ-ACK又はHARQ-NACK等、前記UEが前記伝送の受信に成功したこと及び/又は成功しなかったことを示す。
【0056】
実施形態によれば、前記UEは、前記受信エンティティから受信した前記フィードバックを無線リンク制御(RLC)層で送信するようになっている。
【0057】
実施形態によれば、
前記送信エンティティはアクノレッジモード(AM)で動作し、前記受信エンティティから受信した前記フィードバックはRLC ACKであり、
前記UEは、前記受信エンティティから前記RLC ACKを受信し、前記受信エンティティからの前記RLC ACKを前記送信エンティティに転送して、前記UEから前記送信エンティティへのRLC ACKに置き換わるエンドツーエンドフィードバックを提供するようになっている。
【0058】
実施形態によれば、
前記送信エンティティはアクノレッジモード(AM)で動作しており、
前記UEは、前記送信エンティティからの伝送の受信に成功すると、第1のRLC ACKを送信し、前記受信エンティティが前記伝送の受信に成功したとの確認を受信すると、前記受信エンティティから受信した前記フィードバックとして第2のRLC ACKを送信するようになっている。
【0059】
実施形態によれば、前記ユーザデバイスは、移動端末、又は静止端末、又はセルラーIoT-UE、又は車両UE、又はグループリーダー(GL)UE、又はIoT若しくはナローバンドIoT(NB-IoT)デバイス、又はスマートウォッチ若しくはフィットネストラッカー若しくはスマートグラス等のウェアラブルデバイス、又は地上車両、又は空中車両、又はドローン、又は移動基地局、又は路側ユニット(RSU)、又は建物、又は例えばセンサー若しくはアクチュエーター等、前記ワイヤレス通信ネットワークを使用しての通信が可能なネットワーク接続性が設けられた他の任意のアイテム若しくはデバイス、又は例えばセンサー若しくはアクチュエーター等、前記ワイヤレス通信ネットワークのサイドリンクを使用しての通信が可能なネットワーク接続性が設けられている他の任意のアイテム若しくはデバイス、又は任意のサイドリンク可能なネットワークエンティティのうちの1つ以上を含む。
【0060】
送信エンティティ
第1の態様によれば、本発明は、ワイヤレス通信ネットワークのための送信エンティティを提供し、
前記送信エンティティは中継エンティティに接続して、前記送信エンティティと前記ワイヤレス通信ネットワークの1つ以上の受信エンティティとの間の接続性をサポートする機能を提供することが可能であり、かつ、
前記中継エンティティへ伝送を送信して前記受信エンティティに中継することに応答して、前記送信エンティティは、前記中継エンティティからフィードバックを受信するようになっており、前記フィードバックは、HARQ-ACK又はHARQ-NACK等、前記受信エンティティが前記伝送の受信に成功したこと及び/又は成功しなかったことを示す。
【0061】
実施形態によれば、
前記中継エンティティが、HARQ-ACK又はHARQ-NACK等、前記受信エンティティが前記伝送の受信に成功したこと及び/又は成功しなかったことを示すフィードバックを前記受信エンティティから受信した場合、前記送信エンティティは、前記受信エンティティから受信したフィードバックを前記中継エンティティから受信するようになっており、かつ、
前記中継エンティティが前記受信エンティティからフィードバックを受信しない場合、前記送信エンティティは、前記中継エンティティからHARQ-NACK等、前記受信エンティティが前記伝送の受信に成功しなかったことの信号を受信するようになっている。
【0062】
実施形態によれば、前記受信エンティティにおける前記受信エンティティが前記伝送の受信に成功しなかったことを示す前記中継エンティティからの前記フィードバック、又は設定済み若しくは事前設定済みの時間期間内に前記中継エンティティからのフィードバックがなかったことに応答して、例えばMCS又はコーディングレート等、送信パラメータを修正して再送信を開始する、又は別の中継UEを使用して別のルートを試行する。
【0063】
実施形態によれば、前記送信エンティティは、サイドリンク等のダイレクトインターフェースによって、又は3GPPの若しくは非3GPPのインターフェース等のネットワークインターフェースによって前記中継エンティティに送信するようになっている。
【0064】
実施形態によれば、
●前記送信エンティティはユーザデバイス(UE)又は中継エンティティを含み、前記受信エンティティはユーザデバイス(UE)又は中継エンティティを含む、又は、
●前記送信エンティティはユーザデバイス(UE)又は中継エンティティを含み、前記受信エンティティは無線アクセスネットワーク(RAN)エンティティ等のネットワークエンティティを含む、又は、
●前記送信エンティティはRANエンティティ等のネットワークエンティティを含み、前記受信エンティティはユーザデバイス(UE)又は中継エンティティを含む。
【0065】
実施形態によれば、前記送信エンティティは、前記受信エンティティから受信する前記フィードバックを、前記物理(PHY)層、前記媒体アクセス制御(MAC)層、又は前記無線リンク制御(RLC)層のうちの1つにおいて受信するようになっている。
【0066】
実施形態によれば、前記伝送の送信時に開始し、前記受信エンティティから受信された前記フィードバックを前記送信エンティティが前記中継エンティティから受信することが期待される時間期間を示すタイマーを含む。
【0067】
実施形態によれば、時間の経過に応答して、前記送信エンティティは、前記受信エンティティが前記伝送の受信に成功しなかったと仮定し、例えば設定済み又は事前設定済みの再送信スキームに従って前記伝送の再送信をトリガーするようになっている。
【0068】
実施形態によれば、所定のイベントに応答して、前記送信エンティティは中継再選択プロセスをトリガーするようになっている。
【0069】
実施形態によれば、前記所定のイベントは、
●HARQ失敗又はHARQ-NACK等前記受信エンティティが前記伝送の受信に成功しなかったことを示すフィードバックの数、比率又は割合が、設定済み又は事前設定済みの閾値に近づく又はそれを超えることであって、ここで、前記閾値は前記伝送に対する再送信の設定済み又は事前設定済みの最大数未満であってもよい、
●前記中継エンティティと前記受信エンティティとの間の前記中継リンクの前記リンク品質が低下すること、
●ビーム指数の変化、
●通信距離が、前記UEと前記受信エンティティとの間、又は前記UEと前記送信エンティティとの間のいずれかの最小通信距離要件に近づいている、又は超えていること、
●例えばゾーンIDの変更によって示される、位置の変更、
●前記中継エンティティのバッテリーレベルが設定済み又は事前設定済みの閾値に近づいている、又は超えていること、
のうちの1つ以上を含む。
【0070】
実施形態によれば、前記受信エンティティから受信した、前記受信エンティティが前記伝送の受信に成功しなかったことを示す前記フィードバックに応答して、前記送信エンティティは、異なる中継エンティティを介して前記伝送の送信のために、例えばMAC層において、前記伝送を維持するようになっている。
【0071】
実施形態によれば、前記受信エンティティから受信した前記フィードバックがMAC層で受信される場合、前記送信エンティティは、前記送信エンティティと前記中継エンティティとの間のPHYチャネルのフィードバックリンクを使用して、別のフィードバックを前記中継エンティティから受信するようになっており、前記別のフィードバックは、HARQ-ACK又はHARQ-NACK等、前記中継エンティティが前記伝送の受信に成功したこと及び/又は成功しなかったことを示す。
【0072】
実施形態によれば、前記送信エンティティは、マクロセル基地局、又はスモールセル基地局、又は基地局の中央ユニット、又はIABノード、又は基地局の分散ユニット、又は路側ユニット(RSU)、又はUE、又はグループリーダー(GL)、又はリレー若しくはリモート無線ヘッド、又はAMF、又はMME、又はSMF、又はコアネットワークエンティティ、又はモバイルエッジコンピューティング(MEC)エンティティ、又は前記NR若しくは5Gコアコンテキストにおけるネットワークスライス、又はアイテム若しくはデバイスが前記ワイヤレス通信ネットワークを使用して通信することができるようにするための任意の送信/受信ポイント(TRP)であって、前記アイテム若しくはデバイスはネットワーク接続性が設けられている、任意の送信/受信ポイント(TRP)のうちの1つ以上を含む。
【0073】
ネットワーク
第1の態様によれば、本発明は、ワイヤレス通信ネットワークを提供し、
本発明に係る送信エンティティと、
1つ以上のリモートユーザデバイス、受信エンティティと、
前記送信エンティティと前記1つ以上の受信エンティティとの間の接続性をサポートする機能を提供する、本発明に係る1つ以上のユーザデバイス、中継エンティティと、
を含む。
【0074】
実施形態によれば、前記ワイヤレス通信ネットワークは、
基地局を含み、
前記送信エンティティは別のUE又は中継エンティティであって、前記中継エンティティ及び前記送信エンティティはモード1で動作して、前記基地局が前記送信エンティティ及び前記中継エンティティによって使用される前記リソースを示す。
【0075】
実施形態によれば、
(1)前記送信エンティティは、前記中継エンティティへのデータの伝送のためのリソースを要求するバッファステータスレポート(BSR)を前記基地局に送信するようになっており、
(2)前記基地局は、前記中継エンティティへの前記伝送のためのリソースを含むダウンリンク制御情報(DCI)等の制御メッセージを前記送信エンティティに送信するようになっており、
(3)前記送信エンティティは、(2)で受信した前記制御メッセージに示されたリソースを使用して、サイドリンク制御情報(SCI)等のサイドリンク制御メッセージ及び前記データを前記中継エンティティに送信するようになっており、
(4)前記中継エンティティは、前記送信エンティティにHARQフィードバックを送信するようになっており、
(5)前記送信エンティティは、前記中継エンティティからの前記HARQフィードバックを前記基地局に報告するようになっており、
(6)前記中継エンティティは、前記データの受信に成功した場合、前記送信エンティティから受信した前記伝送を中継するためのリソースを要求するスケジューリング要求(SR)を前記基地局に送信するようになっており、
(7)前記基地局は、前記受信エンティティへの前記伝送のためのリソースを含む、ダウンリンク制御情報(DCI)等の制御メッセージを前記中継エンティティに送信するようになっており、
(8)前記中継エンティティは、(7)で受信した前記制御メッセージに示されたリソースを使用して、サイドリンク制御情報(SCI)等のサイドリンク制御メッセージ及び前記データを前記受信エンティティに送信するようになっており、
(9)前記受信エンティティは、前記中継エンティティにHARQフィードバックを送信するようになっており、かつ、
(10)前記中継エンティティは、前記受信エンティティの前記HARQフィードバックを前記送信エンティティに報告するようになっている。
【0076】
実施形態によれば、
(1)前記送信エンティティは、前記中継エンティティへのデータの伝送のためのリソースを要求するバッファステータスレポート(BSR)を前記基地局に送信するようになっており、かつ前記伝送を前記受信エンティティに中継することを前記基地局に指示するようになっており、
(2)前記基地局は、前記中継エンティティへの前記伝送のためのリソースを含むダウンリンク制御情報(DCI)等の制御メッセージを前記送信エンティティに送信するようになっており、
(3)前記送信エンティティは、(2)で受信した前記制御メッセージに示されたリソースを使用して、サイドリンク制御情報(SCI)等のサイドリンク制御メッセージ及び前記データを前記中継エンティティに送信するようになっており、
(4)前記中継エンティティは、前記送信エンティティにHARQフィードバックを送信するようになっており、
(5)前記送信エンティティは、前記中継エンティティからの前記HARQフィードバックを前記基地局に報告するようになっており、
(6)前記中継エンティティは、前記中継エンティティの設定又は事前設定に使用されているリソースを使用して、サイドリンク制御情報(SCI)等のサイドリンク制御メッセージ及び前記データを前記受信エンティティに送信するようになっており、
(7)前記受信エンティティは、前記中継エンティティにHARQフィードバックを送信するようになっており、かつ、
(8)前記中継エンティティは、前記受信エンティティの前記HARQフィードバックを前記送信エンティティに報告するようになっている。
【0077】
実施形態によれば、
前記中継エンティティは、前記受信エンティティへの前記データの前記伝送のための設定済みのグラントを介してリソースを設定又は事前設定され、かつ、
前記基地局が、前記設定済みのグラント内の前記リソースが前記中継エンティティから前記受信エンティティへの前記データの前記伝送には不十分だと判断した場合、前記基地局は、前記中継エンティティへの前記伝送のための追加リソースを示すダウンリンク制御情報(DCI)等の制御メッセージを前記中継エンティティに提供するようになっている。
【0078】
実施形態によれば、前記ワイヤレス通信ネットワークは、
基地局を含み、
前記送信エンティティはモード1で動作して、前記基地局が前記送信エンティティによって使用される前記リソースを示す、別のUE又は中継エンティティであり、かつ、
前記中継エンティティはモード2で動作して、前記基地局が前記中継エンティティにおける前記リソースの割り当てのための支援を提供せず、前記中継エンティティがリソースの選択及び割り当てを自律的に行う。
【0079】
実施形態によれば、
(1)前記送信エンティティは、前記中継エンティティへのデータの伝送のためのリソースを要求するバッファステータスレポート(BSR)を前記基地局に送信するようになっており、
(2)前記基地局は、前記中継エンティティへの前記伝送のためのリソースを含むダウンリンク制御情報(DCI)等の制御メッセージを前記送信エンティティに送信するようになっており、
(3)前記送信エンティティは、(2)で受信された前記制御メッセージに示されたリソースを使用して、サイドリンク制御情報(SCI)等のサイドリンク制御メッセージ及び前記データを前記中継エンティティに送信するようになっており、
(4)前記中継エンティティは、前記送信エンティティにHARQフィードバックを送信するようになっており、
(5)前記送信エンティティは、前記中継エンティティの前記HARQフィードバックを基地局に報告するようになっており、
(6)前記中継エンティティは、センシングによって決定されたリソースを識別及び選択し、識別及び選択された前記リソースを使用して、サイドリンク制御情報(SCI)等のサイドリンク制御メッセージ及び前記データを前記受信エンティティに送信するようになっており、
(7)前記受信エンティティは、前記中継エンティティにHARQフィードバックを送信するようになっており、かつ、
(8)前記中継エンティティは、前記受信エンティティの前記HARQフィードバックを前記送信エンティティに報告するようになっている。
【0080】
実施形態によれば、動作(5)及び動作(6)は、少なくとも一部又は全部が並行して実行される。
【0081】
実施形態によれば、
基地局を含み、
前記送信エンティティはモード2で動作して、前記基地局が前記送信エンティティにおける前記リソースの割り当てのための支援を提供せず、前記送信エンティティがリソースの選択及び割り当てを自律的に実行する、別のUE又は中継エンティティであり、かつ、
前記中継エンティティはモード1で動作して、前記基地局が前記中継エンティティによって使用されるリソースを示す。
【0082】
実施形態によれば、
(1)前記送信エンティティは、センシングによる前記中継エンティティへのデータの伝送のために、センシングによって決定されたリソースを識別及び選択するようになっており、
(2)前記送信エンティティは、識別及び選択された前記リソースを使用して、サイドリンク制御情報(SCI)等のサイドリンク制御メッセージ及び前記データを前記中継エンティティに送信するようになっており、
(3)前記中継エンティティは、前記送信エンティティにHARQフィードバックを送信するようになっており、
(4)前記中継エンティティは、前記送信エンティティから受信した前記伝送を中継するためのリソースを要求するスケジューリング要求(SR)を前記基地局に送信するようになっており、
(5)前記基地局は、前記受信エンティティへの前記伝送のためのリソースを含む、ダウンリンク制御情報(DCI)等の制御メッセージを前記中継エンティティに送信するようになっており、
(6)前記中継エンティティは、(5)で受信した前記制御メッセージに示されたリソースを使用して、サイドリンク制御情報(SCI)等のサイドリンク制御メッセージ及び前記データを前記受信エンティティに送信するようになっており、
(7)前記受信エンティティは、前記中継エンティティにHARQフィードバックを送信するようになっており、かつ、
(8)前記中継エンティティは、前記受信エンティティの前記HARQフィードバックを前記送信エンティティに報告するようになっている。
【0083】
実施形態によれば、
(1)前記送信エンティティは、前記基地局によって割り当てられるリソースを前記中継エンティティに要求するようになっており、
(2)前記中継エンティティは、前記中継エンティティへのデータの伝送のための前記送信エンティティのためのリソース、及び前記送信エンティティから受信した前記伝送を前記受信エンティティに中継するための前記送信エンティティのためのリソースを要求するスケジューリング要求(SR)を前記基地局に送信するようになっており、
(3)前記基地局は、前記送信エンティティによる前記伝送のための前記リソース及び前記受信エンティティに前記伝送を中継するために前記中継エンティティが使用する前記伝送のためのリソースを含む、ダウンリンク制御情報(DCI)等の1つ以上の制御メッセージを前記中継エンティティに送信するようになっており、
(4)前記中継エンティティは、前記送信エンティティによって使用されるリソースを含む支援情報メッセージ(AIM)等のメッセージを前記送信エンティティに送信するようになっており、
(5)前記送信エンティティは、前記メッセージによって、又は前記メッセージとセンシング結果の組み合わせによって受信したリソースを使用して、サイドリンク制御情報(SCI)等のサイドリンク制御メッセージ及び前記データを、前記中継エンティティに送信するようになっており、
(6)前記中継エンティティは、前記送信エンティティにHARQフィードバックを送信するようになっており、
(7)前記中継エンティティは、(3)で受信した前記制御メッセージに示されたリソースを使用して、サイドリンク制御情報(SCI)等のサイドリンク制御メッセージ及び前記データを前記受信エンティティに送信するようになっており、
(8)前記受信エンティティは、前記中継エンティティにHARQフィードバックを送信するようになっており、かつ、
(9)前記中継エンティティは、前記受信エンティティの前記HARQフィードバックを前記送信エンティティに報告するようになっている。
【0084】
実施形態によれば、
前記送信エンティティは前記ワイヤレス通信ネットワークの基地局であり、
前記中継エンティティはモード1で動作して、前記基地局が前記中継エンティティによって使用される前記リソースを示す。
【0085】
実施形態によれば、
(1)前記基地局は、ダウンリンク制御情報(DCI)等の制御メッセージ及び前記データを前記中継エンティティに送信するようになっており、
(2)前記中継エンティティは、例えばPUCCH上で、HARQフィードバックを前記基地局に送信するようになっており、
(3)前記中継エンティティは、前記伝送を前記受信エンティティに中継するためのリソースを要求するスケジューリング要求(SR)を前記基地局に送信するようになっており、
(4)前記基地局は、前記受信エンティティへの前記伝送のためのリソースを含む、ダウンリンク制御情報(DCI)等の制御メッセージを前記中継エンティティに送信するようになっており、
(5)前記中継エンティティは、(4)で受信した前記制御メッセージに示されたリソースを使用して、サイドリンク制御情報(SCI)等のサイドリンク制御メッセージ及び前記データを前記受信エンティティに送信するようになっており、
(6)前記受信エンティティは、前記中継エンティティにHARQフィードバックを送信するようになっており、かつ、
(7)前記中継エンティティは、前記受信エンティティの前記HARQフィードバックを前記基地局に報告するようになっている。
【0086】
実施形態によれば、
(1)前記基地局は、ダウンリンク制御情報(DCI)等の1つ以上の制御メッセージ及び前記データを前記中継エンティティに送信するようになっており、前記1つ以上の制御メッセージは、前記中継エンティティが前記受信エンティティに前記データを送信するために使用するリソースを含み、
(2)前記中継エンティティは、例えばPUCCH上で、HARQフィードバックを前記基地局に送信するようになっており、
(3)前記中継エンティティは、(1)で受信した前記制御メッセージに示されたリソースを使用して、サイドリンク制御情報(SCI)等のサイドリンク制御メッセージ及び前記データを前記受信エンティティに送信するようになっており、
(4)前記受信エンティティは、前記中継エンティティにHARQフィードバックを送信するようになっており、かつ、
(5)前記中継エンティティは、前記受信エンティティの前記HARQフィードバックを前記基地局に報告するようになっている。
【0087】
実施形態によれば、
前記送信エンティティは前記ワイヤレス通信ネットワークの基地局であり、
前記中継エンティティはモード2で動作して、前記基地局が前記中継エンティティにおける前記リソース割り当てのための支援を提供せず、前記中継エンティティがリソースの選択及び割り当てを自律的に行う。
【0088】
実施形態によれば、
(1)前記基地局は、ダウンリンク制御情報(DCI)等の制御メッセージ及び前記データを前記中継エンティティに送信するようになっており、
(2)前記中継エンティティは、例えばPUCCH上で、HARQフィードバックを前記基地局に送信するようになっており、
(3)前記中継エンティティは、センシングによって決定される、前記受信エンティティへの前記データを送信するために使用するリソースを識別及び選択するようになっており、
(4)前記中継エンティティは、識別及び選択された前記リソースを使用して、サイドリンク制御情報(SCI)等のサイドリンク制御メッセージ及び前記データを前記受信エンティティに送信するようになっており、
(5)前記受信エンティティは、前記中継エンティティにHARQフィードバックを送信するようになっており、かつ、
(6)前記中継エンティティは、前記受信エンティティの前記HARQフィードバックを前記基地局に報告するようになっている。
【0089】
実施形態によれば、
前記受信エンティティは基地局であり、
前記送信エンティティはモード2で動作して、前記基地局が前記送信エンティティにおける前記リソース割り当てのための支援を提供せず、前記送信エンティティがリソースの選択及び割り当てを自律的に実行する、別のUE又は中継エンティティであり、
前記中継エンティティはモード1で動作して、前記中継エンティティが使用する前記リソースを前記ベースが指示する。
【0090】
実施形態によれば、
(1)前記送信エンティティは、前記中継エンティティへのデータの伝送のためにセンシングによって決定されるリソースを識別及び選択するようになっており、
(2)前記送信エンティティは、識別及び選択された前記リソースを使用して、サイドリンク制御情報(SCI)等のサイドリンク制御メッセージ及び前記データを前記中継エンティティに送信するようになっており、
(3)前記中継エンティティは、前記送信エンティティにHARQフィードバックを送信するようになっており、
(4)前記中継ノードは、前記中継エンティティから前記基地局への前記データの前記伝送のためのリソースを要求する、例えばアップリンク制御情報(UCI)を使用するスケジューリング要求(SR)を前記基地局に送信するようになっており、
(5)前記基地局は、前記伝送のためのリソースを含む、ダウンリンク制御情報(DCI)等の制御メッセージを、前記中継エンティティに送信するようになっており、
(6)前記中継エンティティは、(5)で受信した前記制御メッセージに示されたリソースを使用して、前記データを前記基地局に送信するようになっており、
(7)前記基地局は、前記中継エンティティにフィードバックを送信するようになっており、
(8)前記中継エンティティは、前記基地局の前記HARQフィードバックを前記送信エンティティに報告するようになっている。
【0091】
実施形態によれば、
(1)前記送信エンティティは、前記基地局によって割り当てられるリソースを前記中継エンティティに要求するようになっており、
(2)前記中継エンティティは、前記送信エンティティから前記基地局へのデータの前記伝送のために前記送信エンティティ及び前記中継エンティティが使用するリソースを要求する、例えばアップリンク制御情報(UCI)を使用するスケジューリング要求(SR)を前記基地局に送信するようになっており、
(3)前記基地局は、ダウンリンク制御情報(DCI)等の1つ以上の制御メッセージを前記中継エンティティに送信するようになっており、前記1つ以上の制御メッセージは、前記伝送のために前記送信エンティティ及び前記中継エンティティが使用する前記伝送のためのリソースを含み、
(4)前記中継エンティティは、前記送信エンティティが使用する前記リソースを含む、支援情報メッセージ(AIM)等のメッセージを前記送信エンティティに送信するようになっており、
(5)前記送信エンティティは、前記メッセージ、又は前記メッセージとセンシング結果の組み合わせによって、受信されたリソースを使用して、サイドリンク制御情報(SCI)等のサイドリンク制御メッセージ及び前記データを前記中継エンティティに送信するようになっており、
(6)前記中継エンティティは、前記送信エンティティにHARQフィードバックを送信するようになっており、
(7)前記中継エンティティは、(3)で受信した前記制御メッセージに示されたリソースを使用して、前記データを前記基地局に送信するようになっており、
(8)前記基地局は前記中継エンティティにフィードバックを送信するようになっており、かつ、
(9)前記中継エンティティは、前記基地局の前記HARQフィードバックを前記送信エンティティに報告するようになっている。
【0092】
実施形態によれば、前記基地局によって提供される前記フィードバックは、
●例えば、HARQプロセスID及びNDIの組み合わせを使用することによって、再送信が必要であるかどうかを示す、前記中継エンティティへの暗黙的なフィードバック、又は、
●ダウンリンクフィードバックインジケータ(DFI)、
を含む。
【0093】
実施形態によれば、前記基地局は、マクロセル基地局、又はスモールセル基地局、又は基地局の中央ユニット、又はIABノード、又は基地局の分散ユニット、又は路側ユニット(RSU)、リモート無線ヘッド、又はAMF、又はMME、又はSMF、又はコアネットワークエンティティ、又はモバイルエッジコンピューティング(MEC)エンティティ、又は前記NR若しくは5Gコアのコンテキストにおけるネットワークスライス、又はアイテム若しくはデバイスが前記ワイヤレス通信ネットワークを使用して通信することができるようにするための任意の送信/受信ポイント(TRP)であって、前記アイテム若しくはデバイスは前記ワイヤレス通信ネットワークを使用して通信するためのネットワーク接続性が設けられている、送信/受信ポイント(TRP)のうちの1つ以上を含む。
【0094】
方法
第1の態様によれば、本発明は、ワイヤレス通信ネットワークのためのユーザデバイス(UE)を操作するための方法を提供し、
前記UEは中継エンティティとして動作して、前記ワイヤレス通信ネットワークの送信エンティティと1つ以上の受信エンティティとの間の接続性をサポートする機能を提供するようになっていて、前記方法は、
前記送信エンティティからの伝送の受信、及び前記伝送の前記受信エンティティへの中継に応答して、前記送信エンティティにフィードバックを送信するステップであって、前記受信エンティティが前記伝送の受信に成功したこと及び/又は成功しなかったことを示す、送信するステップを含む。
【0095】
第1の態様によれば、本発明は、ワイヤレス通信ネットワークのための送信エンティティを操作するための方法を提供し、前記送信エンティティは中継エンティティに接続されて、前記ワイヤレス通信ネットワークの前記送信エンティティと1つ以上の受信エンティティとの間の接続性をサポートする機能を提供し、前記方法は、
前記受信エンティティに中継するための前記中継エンティティへの伝送の送信に応答して、前記中継エンティティからフィードバックを受信するステップであって、前記フィードバックは、HARQ-ACK又はHARQ-NACK等、前記受信エンティティが前記伝送の受信に成功したこと及び/又は成功しなかったことを示す、受信するステップを含む。
【0096】
コンピュータプログラム製品
本発明の第1の態様の実施形態は、コンピュータ上で実行されると、本発明に係る方法を実行する命令を格納したコンピュータ可読媒体を含む、非一時的なコンピュータプログラム製品を提供する。
【0097】
本発明の第1の態様の実施形態は、受信エンティティに向かって中継された伝送の最終的な状態を送信エンティティに通知するためのアプローチを提供し、別の実施形態は、モード1又はモード2で動作するときの中継UEの機能、及び中継UEがリソース割り当てにおいて送信エンティティをどのようにサポートし得るかを扱う。モード1で動作するとき、基地局は、送信エンティティ及び中継UEのようなエンティティによって使用されるリソースを示し、又はエンティティにおけるリソースのスケジューリングを支援する。言い換えれば、モード1では、基地局はエンティティのリソースをスケジューリングする。基地局は動的グラントによってリソースを提供してもよく、又は、基地局は設定グラントを使用して、エンティティが選択するリソースのグラントを提供してもよい。モード2で動作する場合、基地局は、送信エンティティ及び中継UEのようなエンティティにおけるリソース割り当てのための支援を提供せず、エンティティはリソースの選択及び割り当てを自律的に実行する。したがって、本発明の第1の態様の実施形態は、中継ノードRNとも呼ばれる中継UEを介して、送信エンティティから受信エンティティに向けて送信される伝送又はパケットに対するフィードバックを送受信するためのアプローチを提供する。送信エンティティから中継UEを介して受信エンティティに向かう伝送は、中継チェーン又は経路が送信エンティティ→中継UE A→中継UE B→受信エンティティのようになる、マルチホップ中継システムのような中継UEから別の中継UEへの伝送であることを意味してもよく、又は中継チェーン又は経路が送信エンティティ→中継UE→受信エンティティのようになる、シングルホップ中継システムのような中継UEから受信エンティティに直接送信することを意味してもよい。
【0098】
【0099】
【0100】
実施形態によれば、受信エンティティ404への伝送に関するフィードバックは、以下のように処理されてもよい:
【0101】
中継UE400が受信UE404からACKを受信した場合、フィードバックの受信に続く設定済み又は事前設定済みの時間ウインドウ内で、例えば、可能な最速の機会に又はできるだけ早く、これをTXエンティティ402に報告する。
【0102】
中継UE400が受信UE404からNACKを受信した場合、中継UE400は、フィードバックの受信に続く設定済み又は事前設定済みの時間ウインドウ内で、例えば、可能な最速の機会に又は直ちに、TXエンティティ402にNACKを報告し、例えば、改訂されたMCS又はコーディングレートでのTXエンティティ402からの再送信を待ってもよい。
【0103】
中継UE400が受信UE404からNACKを受信した場合、中継UE400は、そのバッファに伝送を維持しながら、同じ又は異なる送信パラメータ、例えばMCS又はコーディングレートで、すぐにTXエンティティ402に報告せずに、設定済み又は事前設定済みの時間ウインドウの間、リモートUE404に再送信を試み続けてもよい。中継UE400はACKを受信すると、そのフィードバックをTXエンティティ402に報告する。中継UE400がACKを受信しない場合、以下のイベントのいずれかが発生するまで、再送信を試み続けてもよい。
●タイマーが経過するまで、又は、
●事前定義済み又は事前設定済みの中継再送信の最大回数が実行されるまで。
中継UE400がACKを受信する前にこれらのイベントのいずれかが発生した場合、中継UE400は、伝送に失敗したことを宣言するNACKをTXエンティティ402に送信する。このようなイベントにおいて、TXエンティティ402は、異なる送信パラメータ、例えばMCS又はコーディングレートでパケットを再送信するか、又は別の中継UEを使用して別のルートを試みるかのいずれかであってよい。
【0104】
実施形態によれば、送信エンティティ402はユーザデバイス(UE)又は別の中継UEであり、受信エンティティ404はUE又は別の中継UEである。この場合、第1及び第2の接続406、408は、サイドリンク又はPC5接続又はインターフェースのようなダイレクトインターフェースである。
【0105】
他の実施形態によれば、送信エンティティ402はUE又は別の中継UEであり、受信エンティティ404はネットワークエンティティ、例えばgNBのような無線アクセスネットワーク(RAN)エンティティである。この場合、第1の接続406はサイドリンク又はPC5接続のようなダイレクトインターフェースであり、第2の接続408は3GPPインターフェース、非3GPPインターフェース、ダウンリンク(DL)インターフェース、例えばUuインターフェース、又はWiFiインターフェースのようなアクセスネットワークインターフェースである。
【0106】
さらに他の実施形態によれば、送信エンティティ402はネットワークエンティティ、例えばgNBのような無線アクセスネットワーク(RAN)エンティティであり、受信エンティティ404はUE又は別の中継UEである。この場合、第1の接続406は3GPPインターフェース、非3GPPインターフェース、ダウンリンク(DL)インターフェース、例えばUuインターフェース、又はWiFiインターフェースのようなアクセスネットワークインターフェースであり、第2の接続408はサイドリンク又はPC5接続のようなダイレクトインターフェースである。
【0107】
【0108】
【0109】
図7及び図8の実施形態では、フィードバックは、PSFCHを使用する第1のサイドリンク接続406を介して送信されてもよい。他の実施形態によれば、TX UE402は、基地局を含む送信エンティティであってもよい。この場合、送信エンティティ及び中継UEは、Uuインターフェースのようなアクセスネットワークインターフェースによって接続されてもよく、フィードバックは、PUCCH又はPUSCHで第1の接続406を介して送信されてもよい。
【0110】
実施形態によれば、フィードバックは、RX UE404におけるデータの受信に成功したこと及び/又は成功しなかったことを示すことに加えて、追加の情報を含んでもよい。例えば、中継UEと受信エンティティとの間のリンク品質は、例えば、送信エンティティに、現在又は既存の接続406、408を使用して伝送を受信する受信エンティティの能力を認識させるために、シグナリングされてもよい。パケット送信が失敗した場合、すなわち、データが受信エンティティ404で受信に成功しなかった場合、中継UEとRX UEとの間のTX UE402で受信された全体的なフィードバックメッセージに含まれるリンク品質は、TX UEにおいてリンク品質が事前定義済みの閾値を下回り、受信エンティティにおけるデータ又は伝送の受信に成功しなかった原因となったとみなされる場合に、中継再選択処理を開始するためにTX UEによって使用されてもよい。例えば、LTE V2Xでは、TXエンティティとUEとの間のリンク品質が事前定義済みのRSRPの閾値を下回った場合、UEは中継UEへの切り替えを決定することができる。実際の中継の選択には、レイヤ3プロトコルが使用される。
【0111】
また、中継UEと受信エンティティとの距離を示す距離測定値(distance measure)、又はTX UEが中継UEと受信エンティティとの距離を確かめることができるそれらのゾーンID(両方又は受信エンティティのみ)が、例えば、中継UEからの距離に基づいて受信エンティティがHARQフィードバックを提供する能力を送信エンティティに認識させるために、シグナリングされてもよい。
【0112】
受信エンティティが正常に伝送を受信できることを保証するために、送信エンティティを支援する追加データもフィードバックに含まれてもよい。この情報は、TXエンティティが、現在の中継器を介して既存のリンクが正常な伝送を保証するために適切であるかどうか、適切でない場合は何を変更する必要があるかを決定するのに役立つ。例えば、中継UEのバッテリーが低下している場合や、スケジューリングされた停止が迫っている場合がある。これは、TXエンティティが受信エンティティへのリンクを形成するための別の方法を探さなければならないことを意味する。追加情報は、遠距離、低バッテリー又はスケジューリングされた停止などの特定の要因に基づいて、受信エンティティがこれ以上の伝送を受信することができないかもしれないことをTXエンティティに通知してもよい。
【0113】
また、フィードバックは、TX UEのためのいくつかのデータが受信エンティティで利用可能であることを示す表示を含んでもよい。言い換えれば、フィードバックは、受信エンティティがTX UEにデータを送信するつもりであることを示す表示を含んでもよい。例えば、表示は、RX UEがTXエンティティである基地局に伝送のためのリソースを必要とすることを伝えるバッファステータスレポート(BSR)であってもよく、表示は、RX UEからTXエンティティへのデータを送信するために使用されるリソースのスケジューリング要求(SR)を含んでもよい。
【0114】
また、フィードバックは、HARQ/送信プロセスの停止を示す受信エンティティからの信号を含んでもよい。例えば、UEが省電力に移行する必要がある場合、又はより高い優先度のトラフィックのためにリソースを節約する必要がある場合に、何らかの停止信号が含まれてもよい。
【0115】
また、フィードバックは、受信UEで受信され、中継UEが送信した最良ビーム又は上位m個のビームのビームインデックスを含んでもよい。
【0116】
別の実施形態によれば、中継ノードからTXエンティティに転送され、受信エンティティにおける伝送の受信に成功したこと/成功しなかったことに関する表示を含む全体的なフィードバック又は第1のフィードバックは、集約されたフィードバックであってもよく、又は集約されたレポートを含んでもよい。集約されたフィードバック又はレポートは、複数の伝送又はパケット又は再送信に対するフィードバックを含んでもよく、レポートは、例えば、事前定義済みの時間ウインドウ内で、データパケット若しくは再送信等の一部又は全部の伝送が受信エンティティで受信に成功したこと又は成功しなかったこと、又は、データパケット若しくは再送信等の事前定義済みの数の伝送の受信に成功したこと又は成功しなかったことを示してもよい。他の実施形態によれば、集約されたフィードバックは、データ伝送又はパケット又は再送信のうちどれが受信に成功したか、及び/又は、データ伝送又はパケット又は再送信のうちどれが受信に成功しなかった又は失敗したかを示すことができる。また、集約されたフィードバックは、超過した遅延バジェット又はジッタ閾値を超過して受信に成功したデータ伝送又はパケット又は再送信を示してもよい。超過した遅延バジェット又はジッタ閾値に応じて、TXエンティティは、使用されるデータフローの将来の伝送又は再送信についてこれを防ぐアクションを取ってよい。例えば、TXエンティティは無線ベアラを再設定してもよく、TXエンティティは他のサービス/データフローをドロップ(drop)してもよく、又はTXエンティティは異なるセルにハンドオーバーしてもよい。
【0117】
さらに他の実施形態は、例えば、リンク品質が、TX UEに中継再選択プロセスを開始させることができる設定済み又は事前設定済みの閾値に近づいている、又はそれ以下である、中継UEと受信エンティティとの間のリンク品質の悪化の表示を含んでもよい。さらに別の実施形態は、中継UEと受信エンティティとの間の中継リンクによる可能な新たな最大QoSを示す更新を含んでもよい。例えば、これは、これまでに送信された伝送と比較した場合に、より高いQoSを必要とする伝送を送信することが現在可能であることを送信エンティティに認識させる。
【0118】
本発明の第1の態様の実施形態によれば、フィードバックの伝送は、物理層で、媒体アクセス制御(MAC)層で、又は無線リンク制御(RLC)層で行われてもよい。
【0119】
【0120】
【0121】
【0122】
【0123】
【0124】
【0125】
【0126】
【0127】
UE-UE間中継及びUE-ネットワーク間中継のそれぞれについて、PSFCH上又はPUCCH若しくはPUSCH上のリソースは、TX UEが再送信又は中継再選択をトリガーすることに応答して、中継UEがTX UEにHARQ失敗を報告するためにも使用される。例えば、伝送に失敗した場合、TX UEは、MAC層にデータパケットのような伝送を保持してもよく、TX UEが再送信を実行することになっている場合又は異なる中継UEを介してRX UEに接続することになっている場合に、別の処理遅延なしに伝送を実行できる。例えば、送信エンティティは、以下のうちの1つ以上のような所定のイベントに応答して中継再選択プロセスをトリガーしてもよい。
●HARQ失敗又はHARQ-NACK等、受信エンティティが伝送の受信に成功しなかったことを示すフィードバックの数、比率又は割合が、設定済み又は事前設定済みの閾値に近づく又はそれを超えることであって、閾値は伝送に対する再送信の設定済み又は事前設定済みの最大数未満であってよいこと、
●中継UEと受信エンティティとの間の中継リンクのリンク品質の劣化であって、例えば、設定済み又は事前設定済みのリンク品質の閾値を超えること、
●ビーム指数の変化、
●通信距離がUEと受信エンティティとの間、又はUEと送信エンティティとの間のいずれかの最小通信範囲要件に近づいている又は超えていること、
●例えばゾーンIDの変更によって示される、位置の変更、
●中継UEのバッテリーレベルが設定済み又は事前設定済みの閾値に近づいている又は超えていること;例えば、中継UEのバッテリーレベルはTXエンティティに送信され、TXエンティティのレベルが閾値に近づく又は閾値を下回るのを確認すると、中継再選択をトリガーしてもよい。
【0128】
【0129】
上述した実施形態では、伝送に失敗した場合、全体的なHARQフィードバックは、例えば、TXエンティティとRN UEとの間のリンク406が失敗したリンクであるか、及び/又はRN UEとRX UEとの間のリンク408が失敗したリンクであるかを示すフィードバックに追加の1ビットインジケータ又は2ビットインジケータを含むことによって、リンク406又はリンク408のいずれが失敗したかを示すことができる。
【0130】
MAC層におけるフィードバックの送信
上述のように中継UEからTXエンティティへの物理層フィードバックを使用する代わりに、別の実施形態によれば、中継UE400(図5参照)は、MAC制御要素(MAC CE)を使用して、中継器からRX UEへの送信の状態をTXエンティティ402に通知してもよい。
【0131】
MAC層の実施形態によれば、サイドリンクによって又はUuインターフェースによって接続されたTXエンティティのいずれかのTXエンティティのMAC層は、中継UEによる、中継ノードへの送信エンティティの伝送の状態についての物理層でのフィードバックを、中継UEによって送信エンティティに報告されるMAC層フィードバックと区別することができる。したがって、実施形態によれば、MAC層におけるフィードバックであるL2フィードバックが、送信エンティティによって受信され、RX UEにおける全体的なフィードバックを報告する場合に、1つ以上の中継器を介して送信される伝送又はパケットは完全に認められたとみなされるが、送信エンティティで受信される物理層又はL1フィードバックは、TXエンティティから中継ノードへの伝送の状態を示すのみで、前述のようにL2フィードバックによって報告される全体的なフィードバックを示さない。
【0132】
MAC層によって受信されたフィードバックであるL2フィードバックが否定的である又はRX UEにおける伝送の失敗を示す場合、実施形態によれば、TXエンティティが中継UEから受信できる失敗又はNACKの最大数が定義されてもよい。事前定義済み又は最大数の失敗に達した後、TXエンティティと中継UE又は中継UEとRX UE間のリンク状態が悪化している可能性があるので、TX UEは中継再選択手順をトリガーしてもよい。同様に、中継UEがRX UEから受信したPHY層のフィードバックが否定的である又は伝送の失敗を示す場合、実施形態では、中継UEがRX UEから受信することができる失敗又はNACKの最大数が定義されてもよい。事前定義済み又は最大数の失敗に達した後、中継UEとRX UEとの間のリンク状態が悪化した可能性があることを識別したので、中継UEはTX UEに適切なシグナリングを提供することにより、中継再選択手順をトリガーしてもよい。失敗の最大数は、特定のパケットについてTX UEに設定された再送信の最大数よりも少なくてもよく、この再送信の最大数に達するまで待つのではなく、中継UEは、より早く、すなわち中継ノードとRX UEとの間のリンク品質の悪化を示す事前定義済みの失敗の数に達した後に、すでに送信エンティティにおける中継再選択手順をトリガーしていてもよい。
【0133】
RLC層によるフィードバック送信
さらに別の実施形態によれば、全体的なフィードバックはRLC層によって送信されてもよい。RLC層はL2 RLCアクノレッジメントを生成してもよく、それぞれのエンティティがアクノレッジモード(AM)で動作する場合、伝送又はパケット又はPDUの受信を確認してもよい。
【0134】
図9は、RLCフィードバック構成に関する実施形態を示す。図9(a)は、全体的なRLCアクノレッジメントを導入した実施形態を説明し、図9(b)は、エンドツーエンドフィードバックを説明する。
【0135】
【0136】
【0137】
第1の態様の実施形態に係るワイヤレス通信システム又はネットワークの動作
以下では、本願の第1の態様の実施形態における、上述した中継UE及び/又は送信エンティティを含むワイヤレス通信システム又はネットワーク全体の動作を示す実施形態を説明し、ここで中継UE及び/又は送信エンティティはモード1又はモード2で動作することができる。最初に、UE-UE間中継の動作が説明され、続いてUE-ネットワーク間中継の動作が説明される。
【0138】
基地局が中継UEにリソースを提供する後述の実施形態では、DCIは、中継UEによる特定のパケットの伝送を意味する明示的なリソースのような動的グラントを定義するため、又はRRC信号を使用して構成され、中継UEがグラントをアクティブ化するためのDCIを受け取った時点から使用することができるリソースのように、中継UEで設定グラントのタイプ2を定義するために使用されてもよい。基地局から提供された場合に、モード1で動作するとき、中継UEは、設定グラントのタイプ1を常に使用することができる。基地局が送信エンティティのリソースもスケジューリングする場合、DCIは送信エンティティのために動的又は設定グラントを定義してもよい。
【0139】
1.UE-UE間中継
以下では、モード1又はモード2で動作する、サイドリンク通信を介して中継UEに接続されたTX UEを送信エンティティとして含む、ワイヤレス通信システム及びその動作の実施形態が説明される。リモートUE又はRX UEに関する限り、その後に説明するすべての実施形態について、RX UEはモード1であってもモード2であってもよい。
【0140】
(a)TX UE及び中継UEが共にモード1である場合
図10は、共にモード1で動作する、すなわち、TX UE402からRX UE404への伝送のためのリソースが、基地局又はgNBのようなワイヤレス通信ネットワークのRANエンティティ452によってスケジューリングされる中継ノード又は中継UE400及びTX UE402を含むワイヤレス通信ネットワークの一実施形態を示す。TX UE402は、第1のサイドリンク接続406を介して中継UE400に接続され、中継UE400は、第2のサイドリンク接続408を介して、モード1であってもモード2であってもよいRX UEに接続される。TX UE402及び中継UE400はモード1で動作するので、gNBとTX UE402と中継UE404との間のそれぞれのアップリンク/ダウンリンク送信のために、gNB452にそれぞれUu接続454及び456を介して接続される。
【0141】
TX UE402からRX UE404への伝送の全体的なフィードバックを提供するための機能は、以下の通りである。
1.TX UE402は、中継UE400への伝送のためのリソースを要求するステータスレポート(SR)又はバッファステータスレポート(BSR)をアップリンクチャネルでgNB452に送信する。
2.gNB452は、リソースを含むDCIをTX UE402にダウンリンクチャネルで送信し、(2)で受信したDCIに示されるリソースを使用するTX UE402から中継UE400への伝送にTX UE402によって使用される。
3.TX UE402は、第1のサイドリンク接続406によって、中継ノード400にSCI及び伝送データを送信する。
4.中継ノード400は、第1のサイドリンク接続406によって、TX UE402から中継UE400への伝送の状態を示すHARQフィードバック(FB1)をTX UE402aに送信する。
5a.TX UE402は、フィードバックFB1をアップリンクチャネルでgNB452ノードに報告し、gNB452が付与したリソースを使用した伝送の状態をgNB452が認識する。伝送が失敗したと報告された場合、gNB452は、TX UE402に別のBSR又はSRを送信させることなく、再送信のために別のリソースを提供することができる。伝送が成功したと報告された場合、gNB452は、他のTBを送信するために、トグルされた(toggled)新しいデータインジケータ(NDI)を同じHARQ IDを割り当ててもよい。
5b.中継UE400は、TX UE402から受信した中継UE400の伝送を中継するためのリソースを要求するスケジューリング要求(SR)又はBSRをアップリンクチャネルでgNB452に送信する。
6.gNB452は、ダウンリンクチャネルで、中継UEが使用するリソース又はTX UEからRX UE404への伝送をサイドリンク接続408によって中継するためのタイプ2の設定グラントのアクティブ化を含むDCIを中継UE400へ送信する。
7.中継UE400は、(6)で受信したDCIに示されるリソースを使用して、サイドリンク接続408によって、SCI及び伝送のデータをRX UE404に送信する。
8.RX UE404は、RX UEにおける伝送の状態に関するHARQフィードバックを、サイドリンク接続408によって中継UE400に送信する。
9.中継UE400は、上記の実施形態で説明したように、RX UE404から受信したフィードバックを、サイドリンク接続406によってTX UE402に報告する。
【0142】
図11は、TX UE及び中継UEが使用され、共にモード1で動作する、ワイヤレス通信システムの他の実施形態を示す。図10の実施形態では、上述したように、中継UE400は、TX UEからRX UEに受信した伝送を中継するためのリソースをgNB452から要求する。図11を参照して説明した実施形態では、中継UE402は、例えば、設定グラントによって、伝送のためのリソースを既に設定されていると仮定する。
【0143】
TX UE402からRX UE404への伝送についての全体的なフィードバックを提供するための機能は、以下の通りである。
1.TX UE402は、中継UE400への伝送のためのリソースを要求するSR又はBSRをアップリンクチャネルでgNB452に送信する。
この要求は、伝送がRX UE404に中継されるという表示も含み、TX UE402がリソースを要求するBSR又はSRをgNBに送信するときに、要求されたリソースがRN UE400によってRX UE402に中継されるべき伝送のためのものであることも示す。中継UE400はモード1で動作し、中継UE400は、例えば設定グラントによってgNBによる伝送のためのリソースが既に構成されており、リソースが中継される伝送のためのものであるというTX UEからの表示の受信に応答して、中継UE402が伝送をRX UE404に送信することに使用できるリソースをgNB452が既に認識していると推測される。
2.gNB452は、TX UE402から中継UE400への伝送のためにTX UE402が使用するリソースを含むDCIをダウンリンクチャネルでTX UE402に送信する。
3.TX UE402は、(2)で受信したDCIに示されたリソースを使用して、SCI及び伝送のデータを第1のサイドリンク接続406によって中継ノード400に送信する。
4.中継ノード400は、TX UE402から中継UE400への伝送の状態を示すHARQフィードバック(FB1)を第1のサイドリンク接続406によってTX UE402に送信する。
5a.TX UE402は、フィードバックFB1をアップリンクチャネルでgNB452ノードに報告し、gNB452が付与したリソースを使用した伝送の状態をgNB452が認識する。伝送が失敗したと報告された場合、gNB452は、TX UE402に別のBSR又はSRを送信させることなく、再送信のために別のリソースを提供することができる。伝送が成功したと報告された場合、gNB452は、他のTBを送信するためにトグルされた新しいデータインジケータ(NDI)を有する同じHARQ IDを割り振ってもよい。
5b.gNB452は、中継UE400がRX UE404に中継される伝送のためのリソースを必要とすることを認識しており、中継UE400が、設定グラントのように、このようなリソースで既に構成されているので、gNB452は、中継UEが既に提供された設定グラントから十分なリソースを有しているか否かを認識して、オプションとして、中継UE400からRX UEへの信頼性の高い伝送を提供するために設定グラントから十分なリソースがないと判断される場合、gNB452は、TX UEからRX UE404への伝送を中継するために中継UEによって使用される追加のリソースを提供するための別のDCIをダウンリンクチャネルで送信することができる。
6.中継UE400は、中継UEの設定又は事前設定に使用されているリソースを使用して、かつ、(5b)において受信された場合、DCIで示されるような、SCI及び伝送のデータを、サイドリンク接続408によってRX UE404に送信する。
7.RX UE404は、RX UEにおける伝送の状態に関するHARQフィードバックを、サイドリンク接続408によって中継UE400に送信する。
8.中継UE400は、上記の実施形態で説明したように、RX UE404から受信したフィードバックを、サイドリンク接続406によってTX UE402に報告する。
【0144】
(b)モード1で動作するTX UEとモード2で動作する中継UE
図12は、モード2で動作する中継UE400及びモード1で動作するTX UE402とともに、モード1又はモード2で動作するRX UE404を含むワイヤレス通信システムの一実施形態を示す。したがって、図10及び図11以外で、図12において、gNB452とTX UE402との間のUuインターフェース、すなわち接続454は1つだけである。中継UE400はgNB452によるリソース割り当てに関してサポートされていないため、Uuインターフェースは描かれていない。
【0145】
TX UE402からRX UE404への伝送についての全体的なフィードバックを提供するための機能は、以下の通りである。
1.TX UE402は、中継UE400への伝送のためのリソースを要求するバッファステータスレポート(BSR)又はSRをアップリンクチャネルでgNB452に送信する。
2.gNB452は、TX UE402から中継UE400への伝送のためにTX UE402が使用するリソースを含むDCIを、ダウンリンクチャネルでTX UE402に送信する。
3.TX UE402は、(2)で受信されたDCIに示されたリソースを使用して、SCI及び伝送のデータを第1のサイドリンク接続406によって中継ノード400に送信する。
4.中継ノード400は、TX UE402から中継UE400への伝送の状態を示すHARQフィードバック(FB1)を第1のサイドリンク接続406によってTX UE402に送信する。
5.TX UE402は、フィードバックFB1をアップリンクチャネルでgNB452ノードに報告し、gNB452が付与したリソースを使用する伝送の状態をgNB452が認識する。伝送が失敗したと報告された場合、gNB452は、TX UE402に別のBSR又はSRを送信させることなく、再送信のための別のリソースを提供することができる。伝送が成功したと報告された場合、gNB452は、他のTBを送信するためにトグルされた新しいデータインジケータ(NDI)を有する同じHARQ IDを割り振ってもよい。
6.中継UE400は、センシングによってRX UE404への伝送のためのリソースを識別及び選択し、SCI及び伝送のデータを、サイドリンク接続408によってRX UE404に送信するために、これらのリソースを使用する。
7.RX UE404は、RX UEにおける伝送の状態に関するHARQフィードバックを、サイドリンク接続408によって中継UE400に送信する。
8.中継UE400は、上記の実施形態で説明したように、RX UE404から受信したフィードバックを、サイドリンク接続406によってTX UE402に報告する。
【0146】
(c)モード2で動作するTX UEとモード1で動作する中継UE
図13は、モード1で動作する中継UE400及びモード2で動作するTX UE402とともに、モード1又はモード2で動作するRX UE404を含むワイヤレス通信システムの一実施形態を示す。したがって、TX UE402は、リソースのスケジューリングに関して、gNB452によってサポートされない。gNB452は、リソースのスケジューリングに関して中継UE400をサポートし、図13では、Uu接続456のみが図示されている。
【0147】
TX UE402からRX UE404への伝送についての全体的なフィードバックを提供するための機能は、以下の通りである。
1.TX UE402は、センシングにより、中継UE400への伝送のためのリソースを識別及び選択する。
2.TX UE402は、識別及び選択したリソースを使用して、SCI及び伝送のデータを第1のサイドリンク接続406によって中継ノード400に送信する。
3.中継ノード400は、TX UE402から中継UE400への伝送の状態を示すHARQフィードバックFB1を第1のサイドリンク接続406によってTX UE402に送信する。
4.中継UE400は、TX UE402から受信した中継UE400の伝送を中継するためのリソースを要求するスケジューリング要求SR又はBSRをアップリンクチャネルでgNB452に送信する。
5.gNB452は、TX UEからRX UE404への伝送をサイドリンク接続408によって中継するために中継UEが使用するリソースを含むDCIをダウンリンクチャネルで中継UE400に送信する。
6.中継UE400は、(5)で受信したDCIに示されるリソースを使用して、SCI及び伝送のデータを、サイドリンク接続408によってRX UE404に送信する。
7.RX UE404は、RX UEにおける伝送の状態に関するHARQフィードバックを、サイドリンク接続408によって中継UE400に送信する。
8.中継UE400は、上記の実施形態で説明したように、RX UE404から受信したフィードバックを、サイドリンク接続406によってTX UE402に報告する。
【0148】
図14は、TX UE402が、中継UEへの伝送のためのリソースをセンシングするのではなく、中継UEにそのようなリソースの要求を送信することによる、モード2で動作するTX UE及びモード1で動作する中継UEを含むワイヤレス通信システムの別の実施形態を示す。
【0149】
TX UE402からRX UE404への伝送に対する全体的なフィードバックを提供するための機能は、以下の通りである。
1.TX UE402は、gNB452によって割り当てられる又は中継UE400によって支援されるリソースを中継UE400に提供させる要求を、サイドリンク接続406によって中継UE400に送信する。
例えば、TX UEが高信頼性伝送のためのリソースを必要とする場合に、これを採用することができ、リソースがgNBによって割り当てられてもよい。したがって、センシングによって決定されたリソースのみに依存するのではなく、TX UEは、中継UEにリソースを要求する。これは、TX UEがAIM(支援情報メッセージ)を要求するのと同様である。
2.中継UE400は、中継UE400がTX UE402から受信した伝送を中継するためのリソース、及びTX UEが中継UEへの伝送に使用するリソースを要求するスケジューリング要求SR又はBSRをアップリンクチャネルでgNB452に送信する。したがって、中継UE400は、TX UEが中継UEに送信するためのリソースと、中継UEがRX UEに送信するためのリソースとをgNBに要求する。
3.gNB452は、TX UE402から中継UE400へサイドリンク接続406によって伝送を送信するためにTX UEが使用するリソースと、TX UEからRX UE404へサイドリンク接続408によって伝送を中継するために中継UEが使用するリソースを含むDCIをダウンリンクチャネルで中継UE400へ送信する。
DCIは、両方の情報が一緒になった単一のDCIであってもよく、TX UE及び中継UEのリソースを時間的に一緒に又は事前定義済みの短い間隔の後に別々に送信する2つの別々のDCIであってもよい。
4.中継UE400は、中継UEへの伝送のためにTX UE402が使用するリソースを含む支援情報メッセージ(AIM)をサイドリンク接続406によってTX UEに送信する。
5.TX UE402は、AIMで受信したリソースを使用して、又は他の実施形態では、AIMで示されたリソースとセンシングによって得られたリソースとを組み合わせることによって、SCI及び伝送のデータを、第1のサイドリンク接続406によって中継ノード400に送信する。
6.中継ノード400は、(3)で受信したDCIで示されるリソースを使用して、TX UE402から中継UE400への伝送の状態を示すHARQフィードバックFB1を、第1のサイドリンク接続406によってTX UE402に送信する。
7.中継UE400は、SCI及び伝送のデータを、サイドリンク接続408によってRX UE404に送信する。
8.RX UE404は、RX UEにおける伝送の状態に関するHARQフィードバックを、サイドリンク接続408によって中継UE400に送信する。
9.中継UE400は、上記の実施形態で説明したように、RX UE404から受信したフィードバックを、サイドリンク接続406によってTX UE402に報告する。
【0150】
中継UE400がUu接続456によってフィードバックレポートをgNB452に送信することができ、gNB452によって付与されたリソースを使用した伝送の状態をgNBが認識することができる。伝送が失敗したと報告された場合、gNB452は、中継UE 400に別のBSR又はSRを送信させることなく、最初の要求(SR又はBSR)に基づいて、再送信用の別のリソースを提供することができる。伝送が成功したと報告された場合、gNB452は、別のTBを送信するためにトグルされた新たなデータインジケータ(NDI)を有する同じHARQ IDを割り当ててもよい。
【0151】
2.UE-ネットワーク間中継
以下では、UE-ネットワーク間中継に関連する本発明の第1の態様の実施形態を説明する。したがって、以下の実施形態によれば、送信エンティティは、もはや、サイドリンクを介して中継UEに接続されるTX UEではなく、Uuインターフェースによって中継UEに接続されるgNBのようなRANエンティティである。
【0152】
(a)gNBは送信機として動作し、中継UEはモード1で動作する。
図15は、送信エンティティ402として、Uuインターフェース414を介して中継UE400に接続された基地局又はgNBのようなRANエンティティを含むワイヤレス通信システム又はネットワークの実施形態を示し、一方、中継UE400は、サイドリンク接続408によってRX UE400に接続されている。中継UEはモード1で動作し、RX UE 404はモード1又はモード2で動作することができる。
【0153】
gNB402からRX UE404への伝送に対する全体的なフィードバックを提供するための機能は、以下の通りである。
1.gNB402は、DCI等の制御及び伝送のデータを、Uuインターフェース414によって中継UEに送信する。
2.中継ノード400は、gNB402から中継UE400への伝送の状態を示すHARQフィードバックFB1を、Uuインターフェース414によってgNB402に送信する。
3.中継UE400は、中継UE400がTX UE402から受信した伝送を中継するためのリソースを要求するスケジューリング要求SRを、Uuインターフェース414のアップリンクチャネルでgNB402に送信する。
4.gNB452は、サイドリンク接続408によってgNBからRX UE404に伝送を中継するために中継UEが使用するリソースを含むDCIを、Uuインターフェース414のダウンリンクチャネルで中継UE400に送信する。
5.中継UE400は、(4)で受信したDCIに示されるリソースを使用して、SCI及び伝送のデータをサイドリンク接続408によってRX UE404に送信する。
6.RX UE404は、RX UEにおける伝送の状態に関するHARQフィードバックを、サイドリンク接続408によって中継UE400に送信する。
7.中継UE400は、上記の実施形態で説明したように、RX UE404から受信したフィードバックを、Uuインターフェース414によってgNB402に報告する。
【0154】
他の実施形態によれば、gNBから中継UEにDCI(1)及びデータを提供する際に、RX UEへの伝送を中継するためのリソースも含めることができ、それによって、中継UEからgNBへの追加のスケジューリング要求(3)並びに図15に示される追加のDCI(4)を回避することができる。これは、伝送が中継されるが、RX UEに直接送信されるのではないことをgNBが認識するためである。別の最適化は、中継UEが中継UEからgNBへのHARQフィードバック(FB1)(2)を使用してgNBにリソース要求を送信し、それによって、中継UEからgNBへの追加のスケジューリング要求(3)のみを回避することである。図16は、gNBから中継UEへの初期メッセージに、中継に使用するリソースも含むワイヤレス通信システムの一実施形態を示す。
【0155】
gNB402からRX UE404への伝送に対する全体的なフィードバックを提供するための機能は、以下の通りである。
1.gNB402は、DCIのような制御及び伝送のデータを、Uuインターフェース414によって中継UEに送信する。DCIは、中継UE400がRX UE404への伝送を中継するために使用するリソースも含む。
DCIは、両方の情報を一緒になった単一のDCIであってもよく、TX UE及び中継UEのリソースを時間的に一緒に又は事前定義済みの短い間隔の後に別々に送信する2つの別々のDCIであってもよい。
2.中継ノード400は、gNB402から中継UE400への伝送の状態を示すHARQフィードバックFB1を、Uuインターフェース414によってgNB402に送信する。
3.中継UE400は、(1)で受信したDCIに示されるリソースを使用して、SCI及び伝送のデータを、サイドリンク接続408によってRX UE404に送信する。
4.RX UE404は、RX UEにおける伝送の状態に関するHARQフィードバックを、サイドリンク接続408によって中継UE400に送信する。
5.中継UE400は、上記の実施形態で説明したように、RX UE404から受信したフィードバックを、Uuインターフェース414によってgNB402に報告する。
【0156】
(1)では、gNB402は、中継UEがRX UEに伝送又はパケットを中継するようになっていることを認識しているので、中継UEからのスケジューリング要求を期待するのではなく、gNBが中継UEにデータを送信するリソースの送信とは別に、中継UEがRX UEへの伝送に使用するリソースをDCIで積極的に送信する。
【0157】
(b)gNBが送信機として動作し、中継UEがモード2で動作する場合
図17は、送信エンティティがgNBであり、中継UE400がモード2で動作し、RX UEがモード1又はモード2で動作するワイヤレス通信システムの実施形態を示す。
【0158】
gNB402からRX UE404への伝送に対する全体的なフィードバックを提供するための機能は、以下の通りである。
1.gNB402は、DCIのような制御及び伝送のデータを、Uuインターフェース414によって中継UEに送信する。
2.中継ノード400は、gNB402から中継UE400への伝送の状態を示すHARQフィードバックFB1を、Uuインターフェース414によってgNB402に送信する。
3.中継UEは、RX UE404への伝送の中継に使用するリソースをセンシングによって識別及び選択する。
4.中継UE400は、識別及び選択したリソースを使用して、SCI及び伝送のデータをサイドリンク接続408によってRX UE404に送信する。
5.RX UE404は、RX UEにおける伝送の状態に関するHARQフィードバックを、サイドリンク接続408によって中継UE400に送信する。
6.中継UE400は、上記の実施形態で説明したように、RX UE404から受信したフィードバックを、Uuインターフェース414によってgNB402に報告する。
【0159】
(c)TX UEはモード2で動作し、中継UEはモード1で動作し、RXエンティティはgNBである場合
図18は、送信エンティティ402がサイドリンク接続406によって中継UE400に接続されるユーザデバイスであり、受信エンティティがUuインターフェース458を介して中継ノードに接続されるgNB404であるワイヤレス通信システムの一実施形態を示す。
【0160】
gNB404からTX UE402への伝送に対する全体的なフィードバックを提供するための機能は、以下の通りである。
1.TX UE402は、センシングによって中継UE400への伝送のためのリソースを識別及び選択する。
2.TX UE402は、識別及び選択したリソースを使用して、SCI及び伝送のデータを、第1のサイドリンク接続406によって中継ノード400に送信する。
3.中継ノード400は、TX UE402から中継UE400への伝送の状態を示すHARQフィードバックFB1を、第1のサイドリンク接続406によってTX UE402に送信する。
4.中継UE400は、中継UE400がTX UE402から受信した伝送を中継するためのリソースを要求するスケジューリング要求SRを、Uuインターフェース458によってアップリンクチャネルでgNB404に送信する。
5.gNB452は、TX UEからgNB404への伝送をUu接続458によって中継するために中継UEが使用するリソースを含むDCIを、Uuインターフェース458によってダウンリンクチャネルで、中継UE400に送信する。
6.中継UE400は、(5)で受信したDCIに示されるリソースを使用して、伝送のデータをUu接続458によってgNB UE404に送信する。
7.gNB UE404は、gNBにおける伝送の状態に関するフィードバックを、Uu接続458によって中継UE400に送信する。
実施形態では、フィードバックはHARQフィードバックであってもよい。
他の実施形態では、NRアンライセンス(NR-U)で使用されるようなダウンリンクフレームインジケータDFIの概念は、gNBが中継UEにDFIを送信し、DFIが複数の伝送に対するフィードバックを含むことによって再利用される。複数の伝送に対するフィードバックがまとめられたDFIの場合、各伝送にはタイマーが付加されており、タイマーが切れる前に中継ノードがDFIを受信するようにする。中継UEがタイマー内に伝送に対するDFIを受信しない場合、その伝送は失敗したとみなされる。
8.中継UE400は、上記の実施形態で説明したように、gNB404から受信したフィードバックを、サイドリンク接続406によってTX UE402に報告する。
【0161】
図19は、送信エンティティ402がサイドリンク接続406によって中継UE400に接続されるユーザデバイスであり、受信エンティティがUuインターフェース458を介して中継ノードに接続されるgNB404であるワイヤレス通信システムの別の実施形態を示す。中継UEへの伝送のためのリソースをセンシングするのではなく、TX UE402は中継UEにこのようなリソースの要求を送信する。
【0162】
gNB404からTX UE402への伝送に対する全体的なフィードバックを提供するための機能は、以下の通りである。
1.TX UE402は、gNB404によって割り当てられる又は中継UE400によって支援されるリソースを中継UEに提供させる要求を、サイドリンク接続406によって中継UE400に送信する。
例えば、TX UEが高信頼性伝送のためのリソースを必要とする場合に、これを採用することができ、リソースをgNBによって割り当てられてもよい。したがって、センシングによって決定されたリソースのみに依存するのではなく、TX UEは、中継UEにリソースを要求する。これは、TX UEがAIM(支援情報メッセージ)を要求するのと同様である。
2.中継UE400は、中継UE400がTX UE402から受信することになっている伝送を中継するためのリソースと、TX UEが中継UEへの伝送に使用するリソースとを要求するスケジューリング要求SR又はBSRをUuインターフェース458によってアップリンクチャネルでgNB404に送信する。
3.gNB404は、TX UE402から中継UE400への伝送をサイドリンク接続406によって送信するためにTX UEが使用するリソースと、TX UEからgNB404への伝送をUu接続458によって中継するために中継UEが使用するリソースを含むDCIをUu接続458のダウンリンクチャネルで中継UE400に送信する。
DCIは、両方の情報が一緒になった単一のDCIであってもよく、TX UE及び中継UEのリソースを時間的に一緒に又は事前定義済みの短い間隔の後に別々に伝送する2つの別々のDCIであってもよい。
4.中継UE400は、中継UEへの伝送のためにTX UE402が使用するリソースを含む支援情報メッセージ(AIM)を、サイドリンク接続406によってTX UEに送信する。
5.TX UE402は、AIMで受信したリソースを使用して、又は他の実施形態では、AIMで示されたリソースとセンシングによって得られたリソースとを組み合わせることによって、SCI及び伝送のデータを、第1のサイドリンク接続406によって中継ノード400に送信する。
6.中継ノード400は、TX UE402から中継UE400への伝送の状態を示すHARQフィードバックFB1を、第1のサイドリンク接続406によってTX UE402に送信する。
7.中継UE402は、(3)で受信したDCIに示されるリソースを使用して、伝送のデータを、Uu接続458によってgNB404に送信する。
8.gNB404は、RX UEにおける伝送の状態に関するフィードバックを、Uu接続458によって中継UE400に送信する。
実施形態では、フィードバックはHARQフィードバックであってもよい。
他の実施形態では、NR-Uで使用されるようなDFIの概念は、gNBが中継UEにDFIを伝送し、DFIが複数の伝送に対するフィードバックを含むことによって再利用される。複数の伝送に対するフィードバックがまとめられたDFIの場合、各伝送にはタイマーが付加されており、タイマーが切れる前に中継ノードがDFIを受信するようにする。中継UEがタイマー内に伝送に対するDFIを受信しない場合、伝送は失敗したとみなされる。
9.中継UE400は、上記の実施形態で説明したように、RX UE404から受信したフィードバックを、サイドリンク接続406によってTX UE402に報告する。
【0163】
図10ないし図19を参照して説明した実施形態に関して、第1の態様の上述した実施形態では、TX UEに2つのフィードバックFB1及びFB2を送信する代わりに、RX UEからのフィードバックだけが中継UE400からTX UE又はgNBに送信されてもよいので、中継UE400からTX UE又はgNBであってもよいTXエンティティにHARQフィードバックを送信することはオプションであることに留意されたい。中継UE400がRXエンティティからのフィードバックを受信せず、それがない場合であっても、上述した第1の態様の実施形態によれば、中継UE400がTXエンティティにフィードバックを提供することが可能である。これは、中継UEが、設定済み又は事前設定済みの再送信回数、又は設定済み又は事前設定済みの持続時間のいずれかでRXエンティティに再送信を試みたが、成功した確認応答を受信することができなかった場合である。この場合、中継UEはTXエンティティに失敗したフィードバックを報告する。
【0164】
第2の態様
本発明の第2の態様の実施形態は、中継ノード(RN)における、制御メッセージ及びデータメッセージ等の伝送を、第1の伝送とも呼ばれる中継される伝送と、第2の伝送とも呼ばれる中継ノードを対象とした伝送とに区別することに対処するものである。
【0165】
中継UE
第2の態様によれば、本発明は、ワイヤレス通信ネットワークのためのユーザデバイス(UE)を提供し、
前記UEが中継UEとして動作し、前記ワイヤレス通信ネットワークの送信エンティティと1つ以上の受信エンティティとの間の接続性をサポートする機能を提供するようになっており、
前記UEが、送信エンティティから受信した伝送を、受信エンティティに中継される第1の伝送と、前記UEを対象とする第2の伝送とに区別するようになっており、
前記UEが、前記受信した伝送を、
●前記伝送に関連付けられた制御情報、
●前記伝送及び/又は前記関連付けられた制御情報が受信されるリソース、
のうちの1つ以上によって区別する。
【0166】
実施形態によれば、前記伝送に関連付けられた前記制御情報は、
●前記伝送に関連付けられたサイドリンク制御情報(SCI)等のダイレクトインターフェース制御メッセージであって、前記SCIは前記伝送が第1の伝送であるか第2の伝送であるかを示す、ダイレクトインターフェース制御メッセージ、
●前記伝送に関連付けられたダウンリンク制御情報(DCI)等のネットワークインターフェース制御メッセージであって、前記DCIは前記伝送が第1の伝送であるか第2の伝送であるかを示す、ネットワークインターフェース制御メッセージ、
●前記伝送に関連付けられた媒体アクセス制御(MAC)ヘッダであって、MACヘッダは前記伝送が第1の伝送であるか第2の伝送であるかを示す、MACヘッダ、
のうちの1つ以上を含む。
【0167】
実施形態によれば、前記送信及び/又は前記関連付けられた制御情報が受信される前記リソースは、
●中継サイドリンク制御チャネルであって、前記伝送に関連付けられ、前記中継サイドリンク制御チャネルのリソース上で受信される制御情報は、前記関連付けられた伝送が第1の伝送であることを示す、中継サイドリンク制御チャネル、
●中継帯域幅部(R-BWP)であって、前記R-BWPのリソース上で前記伝送及び/又は前記伝送に関連付けられた制御情報を受信することは、前記伝送が第1の伝送であることを示す、中継帯域幅部(R-BWP)、
●中継サイドリンクリソースプールであって、中継サイドリンクリソースプールのリソース上で前記伝送及び/又は前記伝送に関連付けられた制御情報を受信することは、前記伝送が第1の伝送であることを示す、中継サイドリンクリソースプール、
のうちの1つ以上を含む。
【0168】
実施形態によれば、前記UEは、サイドリンク等のダイレクトインターフェースによって、又は3GPP若しくは非3GPPインターフェース等のアクセスネットワークインターフェースによって、送信エンティティから前記伝送を受信するようになっている。
【0169】
実施形態によれば、
●前記送信エンティティはユーザデバイス(UE)又は中継UEを含み、前記受信エンティティはユーザデバイス(UE)又は中継UEを含む、又は、
●前記送信エンティティはユーザデバイス(UE)又は中継UEを含み、前記受信エンティティは無線アクセスネットワーク(RAN)エンティティ等のネットワークエンティティを含む、又は、
●前記送信エンティティはRANエンティティ等のネットワークエンティティを含み、前記受信エンティティはユーザデバイス(UE)又は中継UEを含む。
【0170】
---SCI---
実施形態によれば、
前記UEは、前記伝送に関連付けられた制御情報を使用して前記受信した伝送を区別するようになっており、前記制御情報は、前記伝送に関連付けられた第1ステージ及び/又は第2ステージのサイドリンク制御情報(SCI)を含み、かつ、
前記伝送に関連付けられたサイドリンク制御情報(SCI)は、
●第1ステージのSCIは、前記伝送が第1の伝送であるか第2の伝送であるかを示す1つ以上の追加パラメータを含んで提供され、前記UEは、前記第1ステージのSCIの受信に応答して、前記1つ以上の追加パラメータを使用して、前記伝送が第1の伝送であるか第2の伝送であるかを決定し、第1の伝送の場合、前記受信エンティティに前記伝送を中継すること、及び/又は、
●第2ステージのSCIは、前記伝送が第1の伝送であるか第2の伝送であるかを示すために変更された1つ以上のパラメータを含んで提供され、前記UEは、前記第2ステージのSCIの受信に応答して、前記1つ以上のパラメータを使用して、前記伝送が第1の伝送であるか第2の伝送であるかを決定し、第1の伝送の場合、前記受信エンティティに前記伝送を中継すること、及び/又は、
●事前定義済みの第2ステージのSCIは、中継されるべき伝送に対応して提供され、前記UEは、事前定義済みの第2ステージのSCIの受信に応答して、前記伝送を前記第1の伝送であると決定し、前記受信エンティティに前記伝送を中継すること、
を含む。
【0171】
実施形態によれば、前記SCIは、
●前記UEの送信先又はレイヤ1(L1)ID等の前記UEのみを示す送信先情報、又は、
●前記受信エンティティの送信先又はL1 ID等の前記受信エンティティのみを示す送信先情報、又は、
●前記UEの送信先又はL1 ID等の前記UEを示す第1の送信先情報、及び前記受信エンティティの送信先又はL1 ID等の前記受信エンティティを示す第2の送信先情報、又は、
●前記UEと前記受信エンティティを示す複合送信先情報、
を含み、
前記UEのみを示す送信先情報を受信することに応答して、前記UEが前記伝送を第2の伝送であると決定するようになっており、
前記受信エンティティのみを示す送信先情報を受信することに応答して、又は前記UEを示す第1の送信先情報及び前記受信エンティティを示す第2の送信先情報を受信することに応答して、又は前記複合送信先情報を受信することに応答して、前記UEは前記伝送を第1の伝送であると決定するようになっている。
【0172】
実施形態によれば、前記SCIは、前記受信エンティティがいつまでに前記伝送を受信かを示す、時間インジケータ等の表示を含む。
【0173】
実施形態によれば、前記タイマーが閾値を超える場合、又は前記UEが前記受信エンティティへの前記伝送のための時間及び前記受信エンティティからの確認応答(ACK)の受信のための時間が閾値を超えると判断した場合、前記UEは、
●前記伝送又はパケットをドロップする、又は、
●前記伝送又はパケットをドロップし、前記送信エンティティに否定応答(NACK)を送信する。
【0174】
実施形態によれば、前記SCIから前記伝送が第1の伝送であると決定したことに応答して、前記UEは、前記伝送を復号すること及び/又は前記伝送を上位層へ転送することを控え、前記受信エンティティへの伝送のために、前記受信エンティティの前記送信先又はL1 IDと共に前記伝送をバッファにロードする。
【0175】
実施形態によれば、前記SCIは、前記送信エンティティUEのレイヤ1(L1)ID等の前記送信エンティティを示す情報を含み、
前記UEが、前記送信エンティティを示す前記情報を使用して、前記送信エンティティが設定済み又は事前設定済みの送信エンティティのリストにあるか否かを判断するようになっており、
前記送信エンティティが前記リストに含まれる場合、前記UEは前記伝送が第1の伝送であると判断するようになっており、
前記送信エンティティが前記リストに含まれない場合、前記UEは前記伝送を第2の伝送と判断するようになっている。
【0176】
実施形態によれば、
前記SCIは、事前定義済みの送信先又はレイヤ1(L1)ID等の事前定義済みの送信先情報を含み、前記事前定義済みの送信先情報は、前記SCIに関連付けられた伝送が中継されることを示し、
前記事前定義済みの送信先情報の受信に応答して、前記UEは、前記事前定義済みの送信先情報を、前記受信エンティティの送信先又はレイヤ1(L1)ID等の前記受信エンティティの実際の前記送信先情報にマッピングし、前記受信エンティティに前記伝送を中継する。
【0177】
実施形態によれば、前記事前定義済みの送信先情報は、
●仮想送信先ID、
●設定済み又は事前設定済みの送信先IDのリスト又はプールからの送信先ID、
のうちの1つ以上である。
【0178】
実施形態によれば、
前記UEは、前記送信エンティティに前記事前定義済みの送信先情報を提供するようになっており、前記受信エンティティに中継される伝送のために前記送信エンティティによって使用され、又は、
前記UEは、前記受信エンティティから前記事前定義済み送信先情報を受信するようになっており、前記受信した定義済み送信先情報を前記送信エンティティに転送して、前記受信エンティティに中継される伝送のために前記送信エンティティによって使用されるようになっている。
【0179】
実施形態によれば、
前記SCIは、受信エンティティの特定の送信先IDにマッピングされた特定のHARQプロセスID又はHARQプロセス番号と、前記UEの送信先又はL1 ID等の前記UEのみを示す送信先情報とを含み、かつ、
前記特定のHARQプロセスID又はHARQプロセス番号に応答して、前記UEは、前記伝送を第1の伝送であると判断するようになっており、前記特定のHARQプロセスIDがマッピングされた前記伝送を前記受信エンティティに中継するようになっている。
【0180】
---MACヘッダ---
実施形態によれば、前記UEが前記伝送に関連付けられた媒体アクセス制御(MAC)ヘッダを使用して前記受信された伝送を区別する場合、前記MACヘッダは、前記伝送が第1の伝送であり、前記UEが前記意図した受信機でないことを前記UEに通知する表示を含む。
【0181】
実施形態によれば、前記ユーザデバイスは、論理中継チャネル(LRCH)等の論理チャネルを含むMAC層を含み、
前記伝送が第1の伝送であり、前記UEを意図していないという表示を含むMACヘッダを受信することに応答して、前記UEは、前記受信エンティティへの伝送のために、前記伝送を前記LRCHのバッファ又はキューに配置するようになっている。
【0182】
実施形態によれば、
前記MACヘッダは、前記受信エンティティの送信先又はレイヤ2(L2)ID等の前記受信エンティティの送信先情報を含み、
前記MACヘッダ内の前記受信エンティティの前記送信先情報に応答して、前記UEは前記伝送が第1の伝送であると決定するようになっている。
【0183】
実施形態によれば、前記SCIは、前記UEの送信先又はL1 ID等の前記UEを示す送信先情報をさらに含む。
【0184】
実施形態によれば、
前記MACヘッダは、事前定義済みの送信先又はレイヤ2(L2)ID等の事前定義済みの送信先情報を含み、前記事前定義済みの送信先情報は、前記MACヘッダに関連付けられた前記伝送が中継されることになっていることを示し、
前記定義済みの送信先情報の受信に応答して、前記UEは、前記定義済みの送信先情報を、前記受信エンティティの送信先又はレイヤ2(L2)ID等の前記受信エンティティの前記実際の送信先情報にマッピングするようになっており、前記受信エンティティに前記伝送を中継することになっている。
【0185】
実施形態によれば、前記事前定義済みの送信先情報は、
●仮想送信先ID、
●設定済み又は事前設定済みの送信先IDのリスト又はプールからの送信先ID、
のうちの1つ以上である。
【0186】
実施形態によれば、
前記UEは、前記送信エンティティに前記事前定義済みの送信先情報を提供するようになっており、前記受信エンティティに中継されるようになっている伝送のために前記送信エンティティによって使用され、又は、
前記UEは、前記受信エンティティから前記定義済み送信先情報を受信し、前記受信された定義済みの送信先情報を前記送信エンティティに転送して、前記受信エンティティに中継される伝送のために前記送信エンティティによって使用されるようになっている。
【0187】
実施形態によれば、前記制御情報は、前記UEによる前記メッセージの送信時にデクリメント又はインクリメントされるパラメータを含み、設定済みの値又は事前設定済みの値に達すると、前記UEは前記メッセージを中継しない。
【0188】
実施形態によれば、障害表示は、
●前記送信エンティティ、及び/又は、
●前記ネットワーク、及び/又は、
●前記パケットを受信した前の中継UE、
のうちの1つ以上に送信される。
【0189】
---専用中継サイドリンク制御チャネル---
実施形態によれば、
前記ワイヤレス通信ネットワークは、中継サイドリンク制御チャネルを含み、かつ、
前記中継サイドリンク制御チャネルにおいて伝送に関連付けられたサイドリンク制御情報(SCI)を受信することに応答して、前記UEは、前記伝送が第1の伝送であると決定するようになっている。
【0190】
実施形態によれば、前記中継サイドリンク制御チャネルは、前記NR V2Xリソースプール等のサイドリンクリソースプール内のサブチャネルである。
【0191】
実施形態によれば、前記中継サイドリンク制御チャネルは、前記PSCCH等のサイドリンク制御チャネルにおいて、
●中継のみを意図した制御メッセージに使用される前記PSCCH内のリソースブロック(RB)の数、
●前記PSCCH内のすべてのRBが指定された時間間隔で中継のみを意図した制御メッセージにゆだねられる周期性、又は、
●前記PSCCH内の周波数をまたぐ選択されたRBの数が、指定された時間間隔で中継のみを意図した制御メッセージにゆだねられる周期性、
のうちの1つ以上を定義することにより、定義される。
【0192】
実施形態によれば、前記中継サイドリンク制御チャネルにおける伝送に関連付けられたサイドリンク制御情報(SCI)を受信することに応答して、UEは、前記伝送の復号及び上位層への前記伝送の転送を控え、前記受信エンティティへの前記伝送のために前記受信エンティティの前記送信先IDとともにバッファに前記伝送をロードする。
【0193】
---専用帯域部---
実施形態によれば、
前記ワイヤレス通信ネットワークは、制御及び/又はデータの中継に関連する送受信のために排他的に使用される中継帯域幅部R-BWPを含み、
前記R-BWPにおいて伝送及び/又は前記伝送に関連付けられた制御情報を受信することに応答して、前記UEは前記伝送が前記第1の伝送であると決定するようになっている。
【0194】
実施形態によれば、前記R-BWPは、中継された伝送に対するフィードバックを送信するために使用される。
【0195】
---専用中継サイドリンクリソースプール---
実施形態によれば、
前記ワイヤレス通信ネットワークは、制御及び/又はデータの中継に関連する送受信のために排他的に使用される中継サイドリンクリソースプール(R-RP)を含み、
前記R-RPにおいて伝送及び/又は前記伝送に関連付けられた制御情報を受信することに応答して、前記UEは前記伝送が前記第1の伝送であると決定するようになっている。
【0196】
実施形態によれば、前記R-RPは中継された伝送に対するフィードバックを送信するために使用される。
【0197】
実施形態によれば、前記中継リソースプール(R-RP)はBWP内で定義され、1つ以上の送受信プール、1つ以上の送信中継リソースプール(TX R-RP)、1つ以上の受信中継リソースプール(RX R-RP)又はTX及びRXの両方が発生する1つ以上のR-RP等の1つ以上のリソースプールを含む。
【0198】
実施形態によれば、前記R-RPは、モード1で動作するUEに設定された第1のR-RP及びモード2で動作するUEに設定された第2のR-RPを含む。
【0199】
実施形態によれば、前記R-RPは、モード1で動作するUE及びモード2で動作するUEのために設定され、前記UEは前記送信エンティティに定期的に輻輳レポートを提供することが期待され、前記送信エンティティが前記R-RP内の前記利用可能なリソースを認識できる。
【0200】
実施形態によれば、前記中継リソースプール(R-RP)は、前記送信エンティティと前記受信エンティティとの間、及び/又は前記中継エンティティと前記受信エンティティとの間のリンクのリンク品質が事前定義されたリンク品質の閾値を下回る場合に、制御及び/又はデータの前記中継に関連する送受信のために採用される。
【0201】
実施形態によれば、前記UEは、例えば、制御チャネル、例えばPDCCH又はPDSCH内の1つ以上のシステム情報ブロック(SIB)又は他の制御シグナリングで、1つ以上のリソースプール構成を受信することになっており、前記1つ以上のリソースプール構成はR-RP構成を含み、前記R-RP構成は、
●基地局が中継をサポートする表示、
●送信エンティティが中継ベースの伝送に切り替えるべきリンク品質の閾値、
●前記R-RPの前記リソース、
を含む。
【0202】
実施形態によれば、前記R-RP構成は、前記物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH)リソース等のフィードバックチャネルリソースの周期性を、時間スロット数の観点でさらに含み、前記周期性がゼロ値に設定される場合、前記R-RPにフィードバックチャネルリソースが定義されない。
【0203】
実施形態によれば、前記UEは、以下のように、前記送信エンティティから受信された伝送に対するフィードバックを前記送信エンティティに送信するために、前記フィードバックチャネルを使用するようになっている。
●前記送信エンティティから前記UEへの前記伝送が失敗した場合、前記UEは前記送信エンティティに再送信を要求するNACKを送信するようになっており、及び/又は、
●前記送信エンティティから前記UEへの前記伝送が成功した場合、前記UEは、
○前記UEが前記受信エンティティから成功したフィードバックを受信した後にのみACKを送信し、前記UEが前記送信エンティティから前記受信エンティティへの前記伝送の全体的なHARQフィードバックを前記送信エンティティに提供することができるようにする、又は、
○前記UEが前記送信エンティティからの前記伝送を受信した後に第1のACKを送信し、前記UEが前記受信エンティティから成功したフィードバックを受信した後に第2のACKを送信して、前記UEが前記送信エンティティから前記受信エンティティへの送信の全体的なHARQフィードバックを前記送信エンティティに提供することができるようにする。
【0204】
実施形態によれば、ブロードキャストとして送信される伝送の場合、又は前記UEに向けられていない伝送の場合、又はフィードバックを無効にしてユニキャスト又はグループキャストとして送信される伝送の場合、前記UEはフィードバック送信を無効化するようになっている。
【0205】
実施形態によれば、前記中継サイドリンク制御チャネル及び/又は前記R-BWP及び/又は前記R-RPは、第2の伝送が送信及び/又は受信されるスペクトル又は周波数範囲と異なるスペクトル又は周波数範囲を含む。
【0206】
実施形態によれば、前記伝送が第1の伝送であると決定することに応答して、前記UEは、
●前記伝送を復号すること及び上位層への前記伝送を転送することを控え、前記受信エンティティへの伝送のために、前記受信エンティティの前記送信先IDとともに前記伝送をバッファにロードする、又は、
●上位層への最適化のために前記伝送を復号し、このパケットを前記通常の送信プールを使用して前記対象のRX UEに送信し、前記受信エンティティへの伝送のために前記受信エンティティの前記送信先IDと共に前記最適化された伝送をバッファにロードするようになっている。
【0207】
実施形態によれば、伝送に関連付けられた制御情報を受信したことに応答して、
前記UEを示す前記送信先IDパラメータが空白のまま、ヌル(null)値に設定され、又はデフォルト値に設定され、前記受信エンティティを示す前記送信先IDパラメータが指定された場合、又は、
前記UEと前記受信エンティティの両方を示す複合送信先情報の場合であって、前記UEを示す前記送信先IDパラメータが空白のまま、ヌル値に設定され、又はデフォルト値に設定され、前記受信エンティティを示す前記送信先IDパラメータを指定された場合、
前記UEは、ブロードキャスト方式で前記伝送を受信し、ユニキャスト方式又はグループキャスト方式又はブロードキャスト方式で前記対象の受信エンティティに前記伝送を送信するようになっている。
【0208】
実施形態によれば、伝送に関連付けられた制御情報を受信することに応答して、
前記UEを示す前記送信先IDパラメータが指定され、かつ、前記受信エンティティを示す前記送信先IDパラメータが指定された場合、又は、
前記UEと前記受信エンティティとの両方を示す複合送信先情報の場合であって、前記UEを示す前記送信先IDパラメータが指定され、前記受信エンティティを示す前記送信先IDパラメータが指定される場合、
前記UEは、グループキャスト方式又はユニキャスト方式で前記伝送を受信するようになっており、ユニキャスト方式又はグループキャスト方式又はブロードキャスト方式で前記対象の受信エンティティに送信するようになっている。
【0209】
実施形態によれば、前記ユーザデバイスは、移動端末、又は静止端末、又はセルラーIoT-UE、又は車両UE、又はリーダー(GL)UE、又はIoT若しくはナローバンドIoT(NB-IoT)デバイス、又はスマートウォッチ若しくはフィットネストラッカー若しくはスマートグラス等のウェアラブルデバイス、又は地上車両、又は空中車両、又はドローン、又は移動基地局、又は路側ユニット(RSU)、又は建物、又は例えばセンサー若しくはアクチュエーター等、前記ワイヤレス通信ネットワークを使用しての通信が可能なネットワーク接続性が設けられた他の任意のアイテム若しくはデバイス、又は例えばセンサー若しくはアクチュエーター等、前記ワイヤレス通信ネットワークのサイドリンクを使用しての通信が可能なネットワーク接続性が設けられている他の任意のアイテム若しくはデバイス、又は任意のサイドリンク可能なネットワークエンティティのうちの1つ以上を含む。
【0210】
送信エンティティ
第2の態様によれば、本発明は、ワイヤレス通信ネットワークのための送信エンティティを提供し、
前記送信エンティティが中継UEに接続可能であり、前記送信エンティティとワイヤレス通信ネットワークの1つ以上の受信エンティティとの間の接続性をサポートする機能を提供し、
前記送信エンティティが、
●前記伝送を特定の制御情報と関連付けること、
●特定のリソース上で前記伝送及び/又は前記関連づけられた制御情報を送信すること、
のうちの1つ以上によって、前記受信エンティティに中継されるべき第1の伝送として中継UEに、伝送を指示するようになっている。
【0211】
実施形態によれば、前記伝送を特定の制御情報と関連付けることは、
●前記中継UEを対象とした第1の伝送であるか第2の伝送であるかを示す、サイドリンク制御情報(SCI)等のダイレクトインターフェース制御メッセージを、前記伝送に関連付けること、
●前記中継UEを対象とした第1の伝送であるか第2の伝送であるかを示す、ダウンリンク制御情報(DCI)等のネットワークインターフェース制御メッセージを、前記伝送に関連付けること、
●前記伝送が第1の伝送であるか第2の伝送であるかを示すMACヘッダであって、媒体アクセス制御(MAC)を、前記伝送に関連付けること、
のうちの1つ以上を含む。
【0212】
実施形態によれば、特定のリソース上で前記伝送及び/又は前記関連付けられた制御情報を送信することは、
●中継サイドリンク制御チャネルで前記伝送に関連付けられたサイドリンク制御情報(SCI)等のダイレクトインターフェース制御メッセージを送信すること、
●前記伝送及び/又は前記伝送に関連する制御情報を送信するために、中継帯域幅部(R-BWP)のリソースを使用すること、
●前記伝送及び/又は前記伝送に関連する制御情報を送信するために、中継サイドリンクリソースプールのリソースを使用すること、
のうちの1つ以上を含む。
【0213】
実施形態によれば、前記送信エンティティは、サイドリンク等のダイレクトインターフェースによって、又は3GPP又は非3GPPインターフェース等のアクセスネットワークインターフェースによって、前記中継UEに送信するようになっている。
【0214】
実施形態によれば、
●前記送信エンティティはユーザデバイス(UE)又は中継UEを含み、前記受信エンティティはユーザデバイス(UE)又は中継UEを含む、又は、
●前記送信エンティティはユーザデバイス(UE)又は中継UEを含み、前記受信エンティティは無線アクセスネットワーク(RAN)エンティティ等のネットワークエンティティを含む、又は、
●前記送信エンティティはRANエンティティ等のネットワークエンティティを含み、前記受信エンティティはユーザデバイス(UE)又は中継UEを含む。
【0215】
---SCI---
実施形態によれば、前記送信エンティティは、
前記伝送が第1の伝送であるか第2の伝送であるかを示す1つ以上の追加パラメータを含む第1ステージのSCI、又は、
前記伝送が第1の伝送であるか第2の伝送であるかを示すために変更された1つ以上のパラメータを含む第2ステージのSCI、又は、
中継される伝送に対応する事前定義済みの第2ステージのSCI、
を提供するようになっている。
【0216】
---MACヘッダ---
実施形態によれば、前記送信エンティティは、前記伝送が第1の伝送であり、前記UEが前記対象とされた受信機ではないことを前記中継UEに通知する表示を含む媒体アクセス制御(MAC)ヘッダを前記伝送に関連付けるようになっている。
【0217】
---専用中継サイドリンク制御チャネル---
実施形態によれば、
前記ワイヤレス通信ネットワークは中継サイドリンク制御チャネルを含み、
前記送信エンティティは、前記中継サイドリンク制御チャネルにおける前記伝送に関連付けられたサイドリンク制御情報(SCI)を送信するようになっている。
【0218】
---専用帯域部---
実施形態によれば、
前記ワイヤレス通信ネットワークは中継帯域幅部(R-BWP)を含み、制御及び/又はデータ及び/又はフィードバックの中継に関連した送受信に排他的に使用されるようになっており、かつ、
前記送信エンティティは、前記R-BWPにおいて、伝送及び/又は制御情報及び/又は前記伝送に関連付けられたフィードバック情報を送信するようになっている。
【0219】
---専用中継サイドリンクリソースプール---
実施形態によれば、
前記ワイヤレス通信ネットワークは、制御及び/又はデータ及び/又はフィードバックの中継に関連した送受信に排他的に使用される中継サイドリンクリソースプール(R-RP)を含み、かつ、
前記送信エンティティは、前記R-RP内の伝送及び/又は制御情報及び/又は前記伝送に関連付けられたフィードバックを送信するようになっている。
【0220】
実施形態によれば、前記送信エンティティは、
●前記送信エンティティ及び前記中継UEとの間のリンク品質、
●通常のサイドリンクリソースプールの輻輳状態、
●前記送信エンティティと前記受信エンティティとの間の距離、
のうちの1つ以上に依存する、前記R-RPを使用するようになっている。
【0221】
実施形態によれば、
●前記伝送がブロードキャストされるようになっており、前記伝送の目的がカバレッジ拡張である場合、前記送信エンティティは、任意の中継UEに前記伝送を送信するようになっており、又は、
●前記伝送がグループキャスト又はユニキャスト送信である場合、前記送信エンティティは、前記対象とされたリモートUEに送信することがさらに期待される前記R-RP上の任意の中継UEに前記伝送を送信するようになっており、又は
●前記伝送がグループキャスト又はユニキャスト送信である場合、前記送信エンティティは、前記対象とされたリモートUEに送信することがさらに期待される前記R-RP上の特定の中継UEに前記伝送を送信するようになっている。
【0222】
実施形態によれば、前記中継UEは、
●送信電力が、設定済み又は事前設定済みの電力閾値(例えば、高電力)以上であること、又は、
●バッテリーの状態が設定済み又は事前設定済みの閾値以上であること、又は、
●特定のサービス、例えば公共保安災害救援通信(PPDR)サービス又は車両安全サービスが提供されること、
のうちの1つ以上の基準をサポートするか否かに基づいて選択される。
【0223】
実施形態によれば、前記送信エンティティは、前記伝送に関連付けられたサイドリンク制御情報(SCI)において、前記中継UEの前記送信先IDパラメータを示すようになっており、ここで、
●前記送信先IDパラメータが空白のままである、ヌル値に設定されている、又はデフォルト値に設定されている場合、特定の中継UEは選択されず、前記伝送を受信する任意の中継UEは、前記SCI内の最終送信先IDパラメータによって定義される前記受信エンティティに前記送信を中継することが期待され、又は、
●前記送信先IDパラメータが指定された場合、前記送信先IDが指定されたIDの前記中継UEのみが、前記SCIの最終送信先IDパラメータで定義された前記受信エンティティに前記伝送を中継することが期待される。
【0224】
実施形態によれば、前記送信エンティティは、マクロセル基地局、又はスモールセル基地局、又は基地局の中央ユニット、又はIABノード、又は基地局の分散ユニット、又は路側ユニット(RSU)、又はUE、又はグループリーダー(GL)、又はリレー若しくはリモート無線ヘッド、又はAMF、又はMME、又はSMF、又はコアネットワークエンティティ、又はモバイルエッジコンピューティング(MEC)エンティティ、又はNR若しくは5Gコアコンテキストにおけるネットワークスライス、又はアイテム若しくはデバイスが前記ワイヤレス通信ネットワークを使用して通信することができるようにするための任意の送信/受信ポイント(TRP)であって、前記アイテム若しくはデバイスはネットワーク接続性が設けられている、任意の送信/受信ポイント(TRP)のうちの1つ以上を含む。
【0225】
ネットワーク
第2の態様によれば、本発明は、ワイヤレス通信ネットワークを提供し、
1つ以上の送信エンティティと、
1つ以上の受信エンティティと、
1つ以上の中継ユーザデバイス(中継UE)であって、前記送信エンティティと前記受信エンティティとの間の接続性をサポートする機能を提供する中継UEと、
を含み、
前記送信エンティティは、本発明による1つ以上の送信エンティティを含み、及び/又は、前記中継UEは、本発明による1つ以上のユーザデバイス(UE)を含む。
【0226】
方法
第2の態様によれば、本発明は、ワイヤレス通信ネットワークのためのユーザデバイス(UE)を動作させる方法を提供し、前記UEは中継UEとして動作するようになっており、前記ワイヤレス通信ネットワークの送信エンティティと1つ以上の受信エンティティとの間の接続性をサポートする機能を提供し、前記方法は、
前記UEによって、前記送信エンティティから受信される前記伝送を、受信エンティティに中継される第1の伝送と、前記UEを対象とする第2の伝送とに区別するステップ、
を含み、
前記受信した伝送は、
●前記伝送に関連付けられた制御情報、
●前記伝送及び/又は前記関連付けられた制御情報が受信されるリソース、
のうちの1つ以上によって区別される。
【0227】
第2の態様によれば、本発明は、ワイヤレス通信ネットワークのための送信エンティティを動作させるための方法を提供し、前記送信エンティティは中継UEに接続され、前記送信エンティティと前記ワイヤレス通信ネットワークの1つ以上の受信エンティティとの間の接続性をサポートする機能を提供し、前記方法は、
前記送信エンティティによって、前記受信エンティティに中継されるべき中継UEへの伝送を第1の伝送として、
●前記伝送を特定の制御情報と関連付けること、
●特定のリソース上で前記伝送及び/又は前記関連付けられた制御情報を送信すること、
のうちの1つ以上によって示すステップ、
を含む。
【0228】
コンピュータプログラム製品
本発明の第2の態様の実施形態は、プログラムがコンピュータによって実行されるとき、コンピュータに本発明に係る1つ以上の方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【0229】
【0230】
【0231】
【0232】
【0233】
【0234】
【0235】
【0236】
実施形態によれば、送信エンティティ402はユーザデバイス(UE)又は別の中継UEであり、受信エンティティ404はUE又は別の中継UEである。この場合、第1及び第2の接続406、408は、サイドリンク又はPC5接続又はインターフェース等のダイレクトインターフェースである。
【0237】
他の実施形態によれば、送信エンティティ402はUE又は別の中継UEであり、受信エンティティ404はネットワークエンティティ、例えば、gNB等の無線アクセスネットワーク(RAN)エンティティである。この場合、第1の接続406はサイドリンク接続等のダイレクトインターフェースであり、第2の接続408は3GPPインターフェース、非3GPPインターフェース、ダウンリンク(DL)インターフェース、例えばUuインターフェース、又はWiFiインターフェース等のアクセスネットワークインターフェースである。
【0238】
さらに他の実施形態によれば、送信エンティティ402はネットワークエンティティ、例えばgNB等の無線アクセスネットワーク(RAN)エンティティであり、受信エンティティ404はUE又は別の中継UEである。この場合、第1の接続406は、3GPPインターフェース、非3GPPインターフェース、ダウンリンク(DL)インターフェース、例えばUuインターフェース、又はWiFiインターフェース等のアクセスネットワークインターフェースであり、第2の接続408はサイドリンク接続等のダイレクトインターフェースである。
【0239】
次に、上述した中継UEで受信したトラフィックを区別するための本発明の第2の態様の実施形態について、より詳細に説明する。
【0240】
SCIに基づく区別
実施形態によれば、中継UE400は、伝送に関連付けられたSCIに基づいて伝送を区別する。伝送が第1の伝送であるか第2の伝送であるかを示すために、第1ステージのSCI等の既存のSCIフォーマットに1つ以上の追加パラメータが追加されてもよく、又は第2ステージのSCI等の既存のSCIフォーマットの1つ以上の追加パラメータが修正されてもよく、SCIの受信に応答して、UEは、1つ以上の追加又は修正パラメータを使用して、伝送が第1の伝送であるか第2の伝送であるかを判断し、第1の伝送の場合、伝送を受信エンティティに中継する。別の実施形態によれば、新規の又は事前定義済みの第2ステージのSCI等の新規の又は事前定義済みのSCIフォーマットが、中継送信に対応して実装されてもよい。中継UE200は、新規又は事前定義されたSCIを受信すると、関連付けられた伝送又はパケットが中継UE400を対象としたものではなく、代わりに、例えば受信エンティティ404に向けて中継されるべきものであることを認識する。
【0241】
実施形態によれば、SCIは、中継UE400のみを示す送信先情報、例えば中継UEの送信先又はレイヤ1(L1)IDを含んでもよい。中継UEの送信先情報のみを含むSCIを受信すると、中継UE400は、関連付けられた伝送を第2の伝送、すなわち、中継UE400を対象とする伝送464であると決定する。他の実施形態によれば、追加パラメータ又は事前定義済みの第2ステージのSCIは、受信エンティティ404の送信先又はL1 ID等の受信エンティティのみを示す送信先情報を含んでもよく、このような情報の受信に応答して、中継UE400は、SCIと関連付けられた伝送が受信エンティティ404に中継される第1の伝送462であることを決定する。さらに他の実施形態によれば、それぞれのL1 ID等の中継UE400の第1の送信先情報及び受信エンティティ404の第2の送信先情報が含まれてもよく、両方のIDの受信に応答して、中継UE400は、関連付けられた伝送が受信エンティティに転送される第1の伝送462であると認識する。例えば、SCIは、1つ以上の中継UEを示す中間送信先IDと、受信エンティティを示す最終送信先IDという、2つ以上の送信先IDフィールドを含んでもよい。別の実施形態によれば、UE及び受信エンティティの両方を示す複合送信先情報が含まれてもよく、複合IDの受信に応答して、中継UE400は、関連付けられた伝送が受信エンティティに転送される第1の伝送462であると認識する。例えば、送信エンティティが中継UE及び対象とする受信エンティティの送信先IDを知っている場合、2つの送信先IDの最下位ビットを使用し、それらを結合し、複合IDを中継のみを意味する新しい又は事前定義されたSCIで送信してもよい。複合送信先ID等の複合IDは、送信エンティティが中継UEの送信先ID及び受信エンティティの送信先IDを使用して、以下のうちの1つによって生成されてもよい。
●中継UE及び受信エンティティの送信先IDを使用して、複合送信先UE IDを生成するために数式が使用される。
●中継UEの送信先ID及び受信エンティティの送信先IDの組み合わせにマッピングされる送信先UE IDを含む設定済み又は事前設定済みのルックアップテーブルが使用される。
●中継UEの送信先ID及び受信エンティティの送信先IDの最下位ビット(LSB)が結合される。
複合送信先IDは、以下のうちの1つ以上を使用して、中継UEの送信先ID及び受信エンティティの送信先IDを推測するために中継UEによって復号されてもよい。
●計算式、
●逆引きルックアップテーブル、
●中継UEの送信先ID及び受信エンティティの送信先IDのLSB。
【0242】
実施形態によれば、SCIは、受信エンティティがいつまでに伝送を受信するかを示す、時間インジケータ等の表示を含む。タイマーが閾値を超える場合、又はUEが受信エンティティへの伝送及び受信エンティティからの確認応答(ACK)の受信のための時間が閾値を超えると判断した場合、UEは、伝送若しくはパケットをドロップするか、又は伝送若しくはパケットをドロップして、送信エンティティに否定応答(NACK)を送信してよい。
【0243】
上述した実施形態の利点は、上位層がパケット又は伝送の区別を認識しないことであると考えられる。例えば、物理(PHY)層が伝送又はパケットを受信し、中継UEが対応する伝送又はデータの対象とする受信機であるか否かを決定するために、中継UEは制御情報を復号するだけでよく、それによって、中継UEが伝送の対象とされた受信機でないと決定した場合に、伝送又はデータパケットを復号して上位層に転送しなくてすむようにする。このような場合、中継UEは、受信エンティティへの伝送のために新たな送信先IDとして、受信された制御情報に示される最終送信先IDとともに、伝送又はデータをバッファにロードしてもよい。上述した実施形態は、増幅中継(amplify-and-forward)ソリューションと同様であり、それによって、所望のカバレッジ拡張を達成することができるが、単純な増幅中継ソリューションについての利点は、中継UEが中継された伝送又はパケットを復号しないため、海賊行為(piracy)の懸念が考慮されることである。他の実施形態によれば、増幅中継アプローチのみを提供するのではなく、中継UE400は、好ましくは、上位層によって伝送又はメッセージコンテンツを処理することなく、伝送を復号及び転送してもよい。
【0244】
受信エンティティの送信先IDのみを含む上述の実施形態、すなわち、中継UEの送信先IDがSCIに含まれない実施形態によれば、別の利点は、中継UEにおいて既知であり、中継UEがサイドリンク接続を介して伝送を転送することができるUEに向けられる任意の伝送又はパケットを、中継UEが取得することであると考えられる。このような実施形態によれば、送信エンティティ402は、SCIに含まれ、中継400がそれに応じて伝送又はメッセージを転送する受信エンティティ404のIDを単に使用してもよい。例えば、これは、別の中継リソースプール又は中継BWP又は中継制御チャネルが提供される場合、又は伝送又は中継されるメッセージが他にマーク又はラベル付けされ、伝送又はメッセージが指定された受信エンティティ404に中継される第1の伝送であることを中継UEに示す場合に使用されてもよい。その後、中継400は、単にプールから伝送又はメッセージを取り出し、受信エンティティに伝送を中継することができる。
【0245】
別の実施形態によれば、SCIは、送信エンティティ402を示す情報、例えば送信エンティティのL1 IDを含んでもよい。このような実施形態によれば、送信エンティティのリストは、例えば、ワイヤレス通信ネットワーク内に特定の数の送信エンティティが存在しており、中継UEはリストを認識しており、制御情報内の送信エンティティを示す情報を使用して、送信エンティティがリストされているか否かを判断してもよい。送信エンティティ402がリストに含まれていると中継UE400が判断した場合、伝送は、受信エンティティに中継される第1の伝送462として中継UEに認識される。一方、送信エンティティ402がリストにない場合、中継UE400は、SCIに関連付けられた伝送を、中継UEを対象とする第2の伝送と考え、中継UE400で処理されてもよい。例えば、設定済みのリストは、例えばコアネットワーク、5GCを介して、又は中継UE400に格納された設定済み又は事前設定済みのリストを介して認証される、信頼できるデバイスのリストを含んでもよい。他の実施形態によれば、リストは、UEの特定のグループ、デバイスタイプ、UEカテゴリ、又は特定のキャストタイプを使用してデータを送信するUEに属するUE等の送信エンティティを示してもよい。
【0246】
本発明の第2の態様のさらに別の実施形態によれば、付加情報は、SCIに関連付けられた伝送が中継されるようになっていることを示す、事前定義済みの送信先又はレイヤ1(L1)ID等の事前定義済みの送信先情報を含んでもよい。事前定義済みの送信先情報は中継UE又は受信エンティティによって提供されてもよく、特定の伝送が中継UEを対象としないが、受信エンティティに転送されるようになっている場合に使用する、このような事前定義済みの送信先情報を送信エンティティが受信してもよい。言い換えれば、中継UEは、中継UEのカバレッジ内にある受信エンティティを認識しており、このような受信エンティティのL1 UE IDのリスト又はプールを送信エンティティに提供する。このUE IDのリストは、明示的な受信エンティティID、並びに実際の受信エンティティIDにマッピングされるUE IDである仮想UE IDを含んでもよい。したがって、送信エンティティはこれらのUE IDの1つをSCIに含め、中継UEは伝送が示された受信エンティティに中継されることを確認する。伝送が向けられる受信エンティティに応じて、送信エンティティはSCIに含まれる特定の又は特定の送信先情報を選択してもよく、中継UEで受信されると、中継UE400は、SCIで受信された送信先情報を、SCIに関連付けられた伝送を受信エンティティに中継するための受信エンティティの実際の送信先情報にマッピングする。言い換えると、このような実施形態によれば、中継器を通じて受信エンティティに到達するために使用される新たな送信先IDが導入される。送信エンティティはこのIDを使用して、上述のように、受信した新しいIDを、伝送又はメッセージを転送するための実際の受信エンティティIDにマッピングする中継器を介して、受信エンティティのアドレスを指定する。実施形態によれば、事前定義済みの送信先情報は、以下のうちの1つ以上である。
●仮想送信先ID、
●設定済み又は事前定義済みの送信先IDのリスト又はプールからの送信先ID。
【0247】
中継UEが仮想送信先IDを受信した場合、中継ノードには、例えば送信先IDが変更された場合に、1つ以上の受信エンティティ送信先IDへの仮想送信先IDのマッピングを格納してもよい。例えば、V2X UEが全てのRSUにデータを送信したい場合がこれに該当する。この場合、RSU用に設定された仮想送信先IDにデータを送信し、中継UEは「実在する」RSU IDにデータを転送する、又は複数のRSUにデータを転送することができる。また、仮想送信先IDに基づいて、中継ノードは、送信するデータのキャストタイプを変更し、特定の仮想送信先IDでユニキャストとして受信したトラフィックをグループキャスト又はブロードキャストメッセージにマッピングすることもできる。
【0248】
中継UEが送信先IDのプールに属する送信先IDを受信した場合、中継UEは、中継UEが管理する受信エンティティに対応する、ネットワークから割り当られた受信エンティティ送信先IDのサブセット又はプールを有することができる。例えば、受信エンティティの送信先IDのn個のLSBは、中継UEによって割り当てられてもよい。さらに、LSBの事前定義された値は、中継IDそのものであってもよい。これは、中継UEのLSBが000に設定され、受信エンティティAのLSBが001に設定され、受信エンティティBのLSBが010に設定されている、送信先IDのサンプルプールに見ることができる。
中継UE :XXXXXXXX 000
受信エンティティAで使用 XXXXXXXX 001
受信エンティティBで使用 :XXXXXXXX 010
【0249】
図21は、中継ノードでマッピングされる事前定義済みの又は新しい送信先IDを採用する実施形態を示す。送信エンティティ402は、第1の接続406を介してSCIを中継UE400に送信し、SCIは、第1の接続406上のSCIに関連付けられた伝送が受信エンティティ404に中継されることになっていることを中継UE400にシグナリングする上述の新しい識別情報又は送信先情報470を含む。中継UE400は、472で示されるように、第1の接続406上のSCIで受信された新しいID470を実際のRX ID474にマッピングするためのマッピング機能を実行することができ、実際のRX ID474を使用して第2の接続408を介して第1の接続406上のSCIに関連付けられた伝送を受信エンティティ404に中継することができる。図21に示されるように、中継UE400は様々な新しいIDについて実際のRX IDへのマッピングを含んでもよい。
【0250】
他の実施形態によれば、上述のようなマッピングを実行するのではなく、直接送信が不可能であるか又は所望されない場合に、受信エンティティ404は、送信エンティティによって使用される特定の又は新しい送信先IDを提供することができ、中継ノードを使用して伝送を中継することができる。図22は、受信エンティティへの伝送を、中継ノードを介して送信することになっている場合に、送信エンティティが使用する特定又は新規の中継IDを使用する受信エンティティの一実施形態を示す。送信エンティティ402から受信エンティティ404への直接送信を考慮する場合、実際の又は実在するRX ID474は、送信エンティティ402と受信エンティティ404との間のダイレクトサイドリンク接続476によるSCIに含まれる。さらに示されるように、実際のRX ID474は中継UE400に転送されず、むしろ、受信エンティティ404は1つ以上の受信エンティティのための新しい又は事前定義済みの中継ID470を含む。中継ID470は、480で示されるように、中継UEに格納されてもよい。送信エンティティ402からの伝送が間接伝送又は中継送信である場合、実際のRX ID474を使用するのではなく、送信エンティティ402は新しい中継ID470を採用し、中継ノード400は、ID470を受信すると、480で格納され、受信エンティティ404を示す中継IDであることを認識する。中継UE400は、ID470に関連付けられた伝送を、第2の接続408によって受信エンティティに転送する。この実施形態の利点は、新しいID470が受信エンティティによって導入され、中継UEが新しいIDを認識し、図21を参照して説明した実施形態のように中継ノードでIDを変更する必要がなく、むしろ中継ノードで受信し、受信エンティティ404に関連付けられることが識別されたIDが、送信エンティティ402からの伝送を転送するために使用されることであると考えられる。
【0251】
さらに別の実施形態によれば、SCIは、HARQプロセス番号とも呼ばれる、特定のHARQプロセスIDを含んでもよい。例えば、送信エンティティ及び中継UEは、特定の受信エンティティに関連付けられた特定の送信先IDにマッピングされるHARQプロセスIDのセットをネゴシエートしてもよい。例えばSCI内のフィールドをHARQプロセスIDに設定し、中継UEのSCI内の送信先IDを送信することによって、交渉済みのHARQプロセスID又はHARQプロセス番号の1つに対する伝送を中継UEが受信した場合、中継UEは、SCIに関連付けられた伝送を中継する第1の伝送であると認識する。中継UEは、HARQプロセスID又はHARQプロセス番号にマッピングされた、受信エンティティの関連付けられた送信先IDに伝送を転送する。
【0252】
MACヘッダに基づくトラフィックの区別
実施形態によれば、中継UEにおいて第1の伝送又は第2の伝送であると区別するための新たな物理層シグナリングを導入するのではなく、伝送又はデータパケットが中継されるようになっていること、すなわち中継UEが対象とされる受信機ではないこと、又は伝送が中継UEを対象としていることを中継UEに通知するMACヘッダにおいて、伝送が第1の伝送又は第2の伝送であると示されてもよい。実施形態によれば、伝送を中継するために中継UEによって使用される専用の論理中継チャネル(LRCH)が提供されてもよい。例えば、伝送が第1の伝送であるという表示を含むMACヘッダを受信したとき、すなわち、伝送が中継UEを対象としていないとき、UEは、受信エンティティへの伝送のために、伝送をLRCHのバッファ又はキューに配置してもよい。このような実施形態によれば、伝送又はパケットは、物理層の観点から、中継UEから受信エンティティへの新たな伝送として扱われる。
【0253】
トラフィックの区別のためにMACヘッダを採用する他の実施形態によれば、送信先又は受信エンティティのレイヤ2(L2)識別が使用されてもよい。MACヘッダが受信エンティティのレイヤ2送信先IDを含む場合、中継UEは、MACヘッダに関連付けられた伝送が所与のアドレス又は送信先に中継されるべきものであることを認識する。別の実施形態によれば、中継UEによって受信されたSCIは、中継UE400のみを示す送信先情報、例えば中継UEの送信先又はレイヤ1(L1)IDを含む。図23は、中継UEのL1送信先IDを含むSCIと、受信エンティティのL2送信先IDを含むMACヘッダとを採用した実施形態を示す。送信エンティティ402は、中継UE400のL1送信先を含むSCIを有するパケットを送信し、送信UEから受信した伝送が中継UEに向けられていることを中継UE400が物理層上で認識する。同時に、MACヘッダ1はL2送信先を含み、中継UE400が受信エンティティ404に転送されることになっている伝送であることを認識する。中継UE400は、RX UEのL1送信先IDを含むSCIを有するとともに、RX UEのL2送信先IDを含むMACヘッダ2を有するパケットをRX UE404に送信する。
【0254】
別の実施形態によれば、送信エンティティ402から受信エンティティへの伝送が中継ノードを介することになる場合、受信エンティティに対して新しい又は事前定義済みのL2 IDが使用されてもよい。このような実施形態では、中継ノード400は、図21を参照して上述したような方法で、L2 IDを受信エンティティの実在するL2 IDにマッピングすることを実行してもよい。
【0255】
別の実施形態によれば、物理層又はMAC層を使用して、中継UEにおいて第1の伝送又は第2の伝送である伝送の区別をシグナリングする場合、制御情報はUEによるメッセージ送信時にデクリメント又はインクリメントされるパラメータを含み、UEは持続時間(デクリメント)又は中継ホップの最大数(インクリメント)等の設定又は事前設定された値に達するとメッセージを中継しない。UEがメッセージを中継しない場合、送信エンティティ及び/又はネットワーク及び/又はパケットを受信した前の中継UEのうちの1つ以上に障害表示が送信されてもよい。
【0256】
専用中継制御チャネルに基づくトラフィックの区別
本発明の第2の態様の実施形態によれば、中継UEが第1の伝送と第2の伝送との間のトラフィックを区別するための別の物理層の解決策は、専用中継制御チャネルと呼ばれる、別の制御チャネルを使用することである。実施形態によれば、送信エンティティ又は受信エンティティがUE又は中継UEである場合、制御チャネルは、中継PSCCH又はR-PSCCH(中継物理サイドリンク制御チャネル)と呼ばれることがある。中継UEでは、R-PSCCHで関連付けられた制御情報が受信又は送信される任意の伝送は、受信エンティティに中継されることになる第1の伝送であると認識される。実施形態によれば、送信エンティティ又は受信エンティティがネットワークエンティティである場合、制御チャネルは、中継物理ダウンリンク制御チャネル(R-PDCCH)と呼ばれることがある。中継制御チャネルR-PSCCH又はR-PDCCH内で、制御情報は、中継制御リソース(R-CORESET)又は中継検索空間(R-SearchSpace)内で送信される。
【0257】
実施形態によれば、専用中継制御チャネルは、NR V2Xリソースプール等のサイドリンクリソースプールの追加チャネルとして実装されてもよい。
【0258】
他の実施形態によれば、送信エンティティ又は受信エンティティがUE又は中継UEである場合、既存のPSCCHは、例えば、PSCCH内のいくつかのリソースブロック(RB)を、中継のみを意図する制御メッセージに使用し、PSCCH内の残りのリソースブロックは通常の伝送に使用するように定義することによって、専用中継制御チャネルを定義するために再使用されてもよい。例えば、PSCCHのリソース内に定義されるCORESET又はR-CORESET内の独立検索空間構成(R-SearchSpace)は、中継のためにのみ使用されるように設定又は事前設定されてもよい。他の実施形態によれば、周波数をまたぐ特定の周期性がPSCCHに定義されてもよく、各周期性において、PSCCH内のすべてのRBは中継制御メッセージのためにのみ使用される。言い換えれば、周期性によって規定される時間間隔において、制御チャネルのすべてのRBは、中継送信に関連付けられた制御メッセージのためにのみ使用される。他のすべての時間又はタイムスロットでは、PSCCHのすべてのRBは、通常の送信のためにのみ使用される。さらに別の実施形態によれば、周期性はPSSCHのすべてのRBに対して適用されず、選択された数のRBのみが周期性によって定義される時間又はタイムスロットの間隔で中継のみに関連付けられた制御メッセージのために提供され、残りのすべてのRBが通常の伝送のために使用されてもよい。
【0259】
したがって、専用中継制御チャネルを使用する実施形態によれば、PSSCH等の定義されたデータチャネル内で送信され、R-PSCCH上で送信される制御データに関連付けられるデータは、受信エンティティに中継される伝送又はデータとして中継UEによって認識される。実施形態によれば、専用制御チャネル上で制御データを取得することに応答して、中継UEは、伝送又はデータパケットの復号を控えてもよい。中継UEは、代わりに伝送又はデータをそのバッファにロードし、それを所望の受信エンティティに送信してもよい。実施形態によれば、専用中継制御チャネルで送信される制御メッセージは、SCIに基づくトラフィックの区別に関して上述の実施形態で説明したようなSCIであってよい。専用中継制御チャネルを使用する利点は、中継UEが伝送又はパケットを復号して、上位層に持ち込むことから解放され、それによってプライバシーを確保し、潜在的なプライバシーの問題を回避することである。
【0260】
図24は、上述のような専用中継制御チャネルを実装するための実施形態を示す。図24(a)は、NR V2Xリソースプール等のサイドリンクリソースプール内の追加サブチャネルとして中継制御チャネルを実装する実施形態を示す。図24(a)は、多数のサイドリンクタイムスロット又はサブフレームf1ないしf4を示す。各フレームは、サイドリンク送信に使用されるサイドリンクリソースプールから選択されたリソース482を含む。各サブフレームは、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)と、PSCCH内の制御情報に関連付けられた実際のデータを送信するための物理サイドリンク共有チャネルPSSCHとを含んでもよい。実施形態によれば、中継制御チャネルは、図24(a)に追加チャネルR-PSCCHで示されるように、追加サブチャネルとしてフレームf1ないしf4の1つ以上において定義されてもよい。
【0261】
図24(b)は、PSCCHが特定の周期性を有するR-PSCCHとして使用される実施形態を示す。図24(b)の実施形態では、周期性が2フレームであると仮定され、1フレーム目及び3フレーム目では、PSCCHの全てのリソースブロックを通常の制御送信に使用し、2フレーム目及び4フレーム目では、PSCCHの全てのリソースブロックを中継に関連する伝送のみに使用する。
【0262】
図24(c)は、PSCCHのリソースブロックの一部のみを、特定の周期性で中継に関連する制御情報のみに使用する実施形態を示す。図24(b)と同様に、2フレームの周期性が仮定され、フレームf1及びf3では、PSCCHの全てのリソースブロックを通常の制御送信に使用し、フレームf2及びf4では、PSCCHのリソースブロックの一部を中継に関連する制御情報のみに使用する。
【0263】
なお、上述した2つの周期性は一例であり、任意の他の周期性が選択されてもよいことに留意されたい。また、図24(b)及び図24(c)の実施形態を組み合わせて、例えば、図24(b)において、フレームf4において、リソースブロックの一部のみを中継に関連する制御情報に使用し、フレームf2では、PSCCHのリソースブロックの全てを中継に関連する制御情報に使用するようにしてもよい。
【0264】
専用帯域幅部によるトラフィックの区別
本発明の第2の態様の実施形態によれば、第1の伝送と第2の伝送との間でトラフィックを区別するための中継UEの別の物理層のソリューションは、制御及び/又はデータの中継に関連する送受信のためにのみ使用される、専用中継帯域幅部(R-BWP)と呼ばれる、別の帯域幅部を使用することである。R-BWPにおける伝送及び/又は伝送に関連付けられた制御情報の受信に応答して、UEは、伝送を第1の伝送であると決定する。実施形態によれば、R-BWPは中継された伝送に対するフィードバックを送信するために使用されてもよい。
【0265】
R-BWPはリソースプール(RP)を含むことができ、RPは、制御及びデータチャネルを含むことができる。従来、すべての設定済みのRPが定義され、すべてのUu及びサイドリンク通信が行われるアクティブBWPが1つだけ存在する。本発明の第2の態様によれば、中継のみを意味する別個のBWPが導入される。
【0266】
専用中継リソースプールによるトラフィックの区別
別の実施形態によれば、制御情報及び/又は関連付けられたデータの中継に関連する伝送及び/又は受信のために排他的に使用される、別個のリソースプールが採用される。したがって、中継UEが専用リソースプールのリソース上で伝送、すなわち制御情報及び/又は関連付けられたデータを受信するときはいつでも、中継UEは、その伝送が受信エンティティに中継される必要がある第1の伝送であることを認識する。実施形態によれば、R-RPも中継された伝送に対するフィードバックを送信するために使用されてもよい。
【0267】
実施形態によれば、中継リソースプール(R-RP)は、例えば、RXプール、モード1送信のTXプール、モード2送信のTXプール、及びハンドオーバシナリオのTX例外プール等のリリース16で定義された他のリソースプールと共に、送信プールとして帯域幅部(BWP)内に定義されてもよい。例えば、追加の中継リソースプール(sl-TxPoolRelays-r17)は、図25の484で示されるように、SL-BWP-pool config情報要素を使用して定義されてもよい。実施形態によれば、R-RPは、モード1で動作するUE用に構成された第1のR-RPと、モード2で動作するUE用に構成された第2のR-RPと、を含む。これにより、送信エンティティとして動作するgNB等のネットワークエンティティが、モード1 R-RPのリソース割り当て態様を制御することができる。他の実施形態によれば、R-RPは、モード1で動作するUE用及びモード2で動作するUE用に構成され、中継UEは、モード1で動作するとき、gNB等のネットワークエンティティに定期的な輻輳レポートを提供することが期待され、gNBがR-RP内の利用可能なリソースを認識することができる。例えば、共通のR-RPを使用することができる場合、gNBは、通常のRPにおけるようなリソース割り当てサポートを中継UEに提供するが、モード2UEによって使用されるリソースを知るために輻輳レポートを必要とする。別の実施形態によれば、R-RPはBWP内で定義され、1つ以上の送信又は受信プール、1つ以上の送信中継リソースプール(TX R-RP)、1つ以上の受信中継リソースプール(RX R-RP)又はTX及びRXの両方に生じる1つ以上のR-RP等の1つ以上のリソースプールが含まれる。
【0268】
送信エンティティが伝送を実行しようとする場合、又は中継UEを介して受信エンティティに中継される必要があるパケットを送信しようとする場合、送信エンティティはR-RPのリソースを使用して伝送を実行し、例えば、制御及び/又はデータパケットはR-RPで送信されてもよい。中継UEは、R-RPで伝送を受信し、さらに通常のリソースプールを使用してこれを受信エンティティに送信してもよい。マルチホップ中継の場合、中継UEはR-RP上で別の中継UEに送信する。
【0269】
別の実施形態によれば、R-RPの定義は、リンク品質閾値を含んでもよい。リンク品質閾値は、送信エンティティと受信エンティティとの間のリンクの品質を示し、中継は、送信エンティティと受信エンティティとの間のリンク上の品質が閾値を下回った場合にのみ採用され、その後、中継UEによって受信されるときに、送信エンティティは受信エンティティに中継される伝送にR-RPを使用できるようにしてもよい。マルチホップ中継の場合、リンク品質閾値は、中継UEと受信エンティティとの間のリンクの品質を示し、中継UEは、中継UEと受信エンティティとの間のリンク上の品質が閾値を下回った場合にのみR-RPで送信し、その後、別の中継UEが受信したときに、受信エンティティに中継される伝送にR-RPを使用できるようにしてもよい。言い換えると、リンク品質が悪くなると、直接通信から中継ベースの通信に切り替わる。例えば、モード1の場合、通常の送信エンティティがgNBとのダイレクトUuリンクを有する場合であって、リンク品質が事前定義された閾値よりも下回ったとき、送信エンティティは、中継UEを使用することを決定する(UE-ネットワーク間中継システムとも呼ばれる)。送信エンティティはこれを決定すると、R-RP内のリソースを使用して送信し、中継UEはこれを受信し、その後、通常Uuを介してgNBに伝送を転送する。モード2の場合、UEが他のUEとダイレクトPC5リンクを有する場合であって、リンク品質が事前定義された閾値よりも悪化したとき、UEは中継UEを使用することを決定する(UE-UE間中継システムとも呼ばれる)。そのように決定すると、UEはR-RPのリソースで送信し、中継UEはR-RPで受信し、通常のSL通信と同様に通常のRPを使用して他のUEに伝送を転送する。実施形態によれば、送信エンティティと受信エンティティとの間のリンク品質が閾値を下回ると使用することができる追加の中継リソースプールを定義する以外に、サブチャネルの数、ビットマップ表示、及び数理などを定義するリソースプールの残りの特性は、制御、データ及びフィードバックチャネルが維持されることで同じままである。
【0270】
実施形態によれば、リソースプール構成は、システム情報ブロック(SIB)を使用して、又は基地局等のRANエンティティによって送信されるRRC構成を介して提供されてもよく、基地局の近傍のすべてのUEは、少なくとも以下の3つの主要な態様、すなわち、基地局が中継をサポートすること、送信エンティティが中継リソースプールを使用できる、すなわち中継ベースの伝送に切り替えることができる閾値、及びR-RPを構成するリソースを認識することができる。他の実施形態によれば、リソースプール構成は、1つ以上の制御チャネル、例えばPBCH、PDCCH、PDSCH内の制御シグナリングを使用して提供されてもよい。
【0271】
実施形態によれば、送信エンティティは、以下のうちの1つ以上に応じて、受信エンティティとの中継又はダイレクト通信を使用してもよい。
●送信エンティティと受信エンティティとの間のリンク品質、
●通常のサイドリンクリソースプールの輻輳状態、例えば、通常のサイドリンクリソースプールの輻輳状態が特定の閾値以上である場合、送信エンティティはR-RPで送信することを選択してもよい、又は、
●実際の距離として又はゾーンIDを介して測定される、送信エンティティと受信エンティティとの間の距離、例えば、距離が最小通信範囲を超える場合、送信エンティティはR-RPでの送信を選択することができる。
【0272】
実施形態によれば、送信エンティティがR-RP上で送信を行う場合、特に送信先中継UEを選択してもよく、選択しなくてもよい。例えば、パケットがブロードキャストであり、伝送の意図がカバレッジ拡張である場合、R-RP上で伝送を受信するネットワーク内の任意の中継ノード又は中継UEは、伝送を中継してよい。他の実施形態によれば、伝送がグループキャスト又はユニキャスト送信である場合、送信エンティティは、対象とされた受信エンティティに送信することが期待される、R-RP上の任意の中継UEに伝送を送信してよい。この場合、送信エンティティは中継UEを選択する負担がなく、受信エンティティに到達するこの伝送を受信した任意の中継UEが送信エンティティのために中継動作を実行することができる。これは、送信エンティティがR-RPで送信しなければならないという事実を除いて、SLの現在の機能に変更がないことを意味する。他の実施形態によれば、伝送がグループキャスト又はユニキャスト送信である場合、送信エンティティは、対象とされた受信エンティティに送信することが期待されるR-RP上の1つ以上の特定の中継UEに伝送を送信してよい。送信エンティティは、1つ以上の特定の中継UEを、設定済み又は事前設定済みの電力閾値以上の電力で送信する能力、例えば、より広いエリアをカバーするための高電力、又はそのバッテリー状態が設定済み又は事前設定済みの閾値を上回っているか、又は公衆保護及び災害救援(PPDR)サービス又は車両安全サービスなどの特定のサービスをサポートしているか否かのうちの1つ以上に基づいて選択してもよい。
【0273】
まさに説明した実施形態は、送信エンティティが常に特定の中継UEを選択する必要がないため、有利である。送信エンティティが特定の中継UEを選択する必要がある場合、中継UEの位置、中継UEの移動速度、中継UEのサポートされるサービス、中継UEの構成(例えば、サポートされる帯域幅、送信電力、アンテナ構成)、中継UEのセキュリティレベル(例えば、送信エンティティは特定の信頼できるサービス又はサービスフローについて認証されている場合にのみ中継UEを使用する)等の既知の基準に基づいてそれを行うことができる。実施形態によれば、特定の中継UEが選択されるか否かの情報は、SCIにおける送信先IDパラメータによって暗黙的に伝達される。例えば、SCI内の送信先IDパラメータが指定されていない場合、例えば空白のまま、ヌル値に設定されている場合、又はデフォルト値に設定されている場合、これは、送信エンティティが任意の特定の中継UEを選択していないことを中継UEに示す。したがって、伝送を受信した中継UEは、伝送を復号し、SCI内の最終送信先IDで定義される対象とされた受信エンティティに中継することが期待される。一方、SCIにおいて送信先IDが明示的に指定されている場合、IDが指定された中継UEのみがパケットを復号し、SCIの最終送信先IDパラメータで指定された受信エンティティに向けて中継することが期待される。
【0274】
中継リソースプールを使用する上述した実施形態によれば、中継UEは、中継リソースプールで受信するすべての伝送が別のUEに転送又は中継されることを意味することを認識し、伝送がどのUEに転送されるかの詳細は、例えば受信されたSCIに基づくトラフィックの区別に言及して上述した実施形態に記載のSCIを使用して、SCIにおいて提供されてもよい。
【0275】
別の実施形態によれば、R-RPを使用する場合、フィードバックチャネルも定義されてもよい。例えば、R-RP構成は、物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH)リソース等のフィードバックチャネルリソースの周期性を、時間スロット数でさらに含んでもよい。フィードバックチャネルが提供されない場合、周期性はゼロ値に設定されてもよい。フィードバックを有効にしたユニキャスト送信又はグループキャスト送信を意図する送信エンティティは、PSFCHを有効にしたR-RPを使用してもよく、フィードバックを無効にしたユニキャスト送信又はグループキャスト送信、又はブロードキャスト送信を行う送信エンティティは、PSFCHを無効にしたR-RPを使用することができる。PSFCHのリソースは、PSSCHの所与の伝送のために使用されてもよく、この関連付けを維持するために、実施形態によれば、中継UEは、以下のようにPSFCHを使用してもよい。
●送信エンティティから中継UEへの伝送が失敗した場合、中継UEは送信エンティティに再送信を要求するNACKを送信することができる。
●送信エンティティから中継UEへの伝送が成功した場合、
○UEが受信エンティティから成功したフィードバックを受け取った後にのみ、ACKを送信し、中継UEが、例えば、本発明の第1の態様を参照して上述したような方法で、送信エンティティから受信エンティティへの伝送の全体的なHARQフィードバックを送信エンティティに提供することができる。言い換えれば、本発明の第1の態様に従って提供される全体的なフィードバックについて説明した上記の実施形態のいずれもが、専用の中継リソースプールを使用する実施形態においても採用され得る、又は、
○UEが送信エンティティから伝送を受信した後に第1のACKを送信し、UEが受信エンティティから成功したフィードバックを受信した後に第2のACKを送信して、UEが、例えば本発明の第1の態様を参照して上述した方法で、送信エンティティから受信エンティティへの伝送の全体的なHARQフィードバックを送信エンティティに提供することができる。
【0276】
別の実施形態によれば、例えば、伝送がブロードキャスト送信である場合、又はパケットがブロードキャストされる場合、フィードバックオプションは無効化されてもよい。この場合、中継UEは送信エンティティによって選択されず、そうでなければ送信エンティティは同じパケットについて異なる中継UEから複数のフィードバックを受信し得るので、フィードバックオプションは無効化される。複数の中継UEが伝送をブロードキャストすることができるため、送信エンティティは同じ伝送に対して複数のフィードバックを受信する可能性があるが、ブロードキャスト送信の目的がカバレッジ拡張のために、できるだけ多くのUEに到達することであるため、必要ではない。各中継エンティティによるフィードバックの送信は、中継UE及び送信エンティティにおけるフィードバックリソース、例えば周波数リソース又は処理リソースを不必要に占有する可能性がある。
【0277】
専用中継リソースプールを採用する別の実施形態によれば、上記以外の中継UEは、例えば上位層の最適化を行うために、伝送又はパケットを復号してもよい。受信エンティティの送信先IDがMACヘッダに含まれる場合、中継UEはパケットを復号することを選択してもよい。また、例えば、送信エンティティから中継UEへの伝送がブロードキャスト送信であり、中継UEから受信エンティティへの送信がユニキャスト送信又はグループキャスト送信でなければならない場合、送信のキャストタイプを変更することができる。そして、中継UEは、中継リソースプールではなく通常の送信プールで、対象とされる受信エンティティにパケットを送信し、それにより、受信エンティティは、受信エンティティ向けの伝送であり、中継されないと認識することができる。しかし、マルチホップ中継システムの場合、最初の中継は、R-RPを使用して他の中継UEに送信を行い、他の中継UEは伝送をさらに中継することを認識してもよい。
【0278】
専用中継サイドリンク制御チャネルを採用する上述の実施形態において(R-BWP又はR-RP)、専用中継サイドリンク制御チャネル(R-BWP及び/又はR-RP)は、第2の伝送が送受信されるスペクトル又は周波数範囲と異なるスペクトル又は周波数範囲であってよい。中継専用制御チャネルを定義することにより、R-RP又はR-BWPはgNBがスパンするマクロセルに使用されるリソースと中継に使用されるリソースとを切り離し、それによって、両タイプのセル間の干渉を低減することができる。これにより、中継UEは、定義された周波数範囲においてのみ、中継に関連する伝送を検索及び受信することができる。SL制御、R-RP又はR-BWPにおいて、中継関連と非中継関連の制御情報が混在する周波数を全て検索する必要がない。中継UEが電力を節約したい場合、この周波数で受信しないことを決定し、中継UEとしてのスイッチを効果的にオフにすることができる。さらに、一般に中継ノード又は中継UEはリモートUEに近いため、すなわちパスロスが少ないため、中継リンクにはより高い搬送周波数が選択されてもよい。これにより、周波数再利用の可能性が高まり、他のセル、例えばマクロセルにおいてリソースを解放することもできる。
【0279】
本発明の第2の態様の別の実施形態によれば、中継UEは、伝送に関連づけられた制御情報を受信するときに、
UEを示す送信先IDパラメータが空白のままであり、ヌル値に設定され、又はデフォルト値に設定され、かつ受信エンティティを示す送信先IDパラメータが指定される場合、又は、
UE及び受信エンティティの両方を示す複合送信先情報の場合であって、UEを示す送信先IDパラメータが空白のままであり、ヌル値に設定され又はデフォルト値に設定され、かつ受信エンティティを示す送信先IDパラメータを指定する場合、
UEはブロードキャスト方式で伝送を受信し、ユニキャスト方式又はグループキャスト方式で対象とされる受信エンティティに送信する。
【0280】
言い換えると、中継UEが制御情報において、RX UEの送信先IDのみを受信し、中継特定送信先IDを受信しない場合、特定のRX UE ID又は特定のグループIDにより、ブロードキャスト方式で受信するが、ユニキャスト方式又はグループキャスト方式で送信する。
【0281】
本発明の第2の態様のさらに別の実施形態によれば、中継UEは、伝送に関連付けられた制御情報を受信するときに、
UEを示す送信先IDパラメータが指定され、かつ、受信エンティティを示す送信先IDパラメータが指定される場合、又は、
UE及び受信エンティティの両方を示す複合送信先情報の場合であって、UEを示す送信先IDパラメータが指定され、受信エンティティを示す送信先IDパラメータが指定される場合、
UEは、グループキャスト方式又はユニキャスト方式で伝送を受信し、ユニキャスト方式又はグループキャスト方式で対象とされる受信エンティティに伝送を送信する。
【0282】
言い換えると、中継UEは、制御情報において、RX UEの送信先IDだけでなく、中継特定送信先IDを受信すると、(中継送信先IDが特定の中継UE ID又は特定の中継グループIDであることに応じて、)ユニキャスト方式又はグループキャスト方式で受信するが、特定のRX UE ID又は特定のグループIDにより、ユニキャスト方式又はグループキャスト方式で送信する。
【0283】
一般
本発明のアプローチのそれぞれの態様及び実施形態を別々に説明したが、それぞれの態様/実施形態は、他のものから独立して実施されてもよく、一部又は全部の態様/実施形態が組み合わされてもよいことに留意されたい。さらに、この後に説明する実施形態は、これまでに説明したそれぞれの態様/実施形態に使用することができる。
【0284】
マルチホップ中継
上述した実施形態では、送信エンティティと受信エンティティとの間のエンドツーエンド通信は、受信エンティティからのフィードバックを転送する、及び/又は、上述したようにトラフィックを区別する単一の中継器を介している。しかしながら、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、むしろ、別の実施形態によれば、送信エンティティと受信エンティティとの間のエンドツーエンド通信は、中継UEのセット又は中継UEのチェーンとも呼ばれる複数の中継器を介してもよい。
【0285】
図26は、送信エンティティ402と受信エンティティ404との間の通信が、N個の中継400(N≧2)を使用する実施形態を示す。それぞれの中継層は、中継UEのような複数の中継デバイス1ないしmを含む。それぞれの中継層4861ないし486Nは、同じ数の中継UEを含んでもよく、又は中継層4861ないし486Nの一部又は全部が、異なる数の中継UEを含んでもよい。受信エンティティ404は、第1の中継層4861の中継器に接続してもよく、送信エンティティ402は、中継層486Nの中継器に接続してもよい。図27は、送信エンティティ402と受信エンティティ404との間のエンドツーエンド通信のためにN=2の中継層を採用する実施形態を示す。第1の中継層4861は、n個のUE中継400を含んでもよい。送信エンティティ402は、第2の中継層4862に接続可能であってもよく、第2の中継層4862は、m個のUE中継器400を含んでもよい。実施形態によれば、それぞれの中継層4861、4862は、同じ数の中継器(n=m)を有してもよい。他の実施形態によれば、それぞれの中継層4861、4862における中継器の数は異なっていてよく、すなわち、n≠mであってよい。異なる中継層4861、4862におけるそれぞれの中継は、566で概略的に示されるように、互いに接続されてもよい。第1の中継層4861の中継器の一部又は全部は、第2の中継層4862の中継器の一部又は全部と接続してもよい。層のそれぞれの中継器は、受信エンティティ404からのフィードバックを転送し、及び/又は、本発明の第1及び第2の態様を参照して詳細に上述したように、トラフィックを区別する。
【0286】
本発明の実施形態について上記で詳細に説明したが、それぞれの実施形態及び態様は、個別に実施されてもよく、又は2つ以上の実施形態及び態様が組み合わされて実施されてもよい。言い換えると、1つ以上の中継器を介した受信エンティティから送信エンティティへの全体的なフィードバックの提供に関する上述の第1の態様の実施形態のいずれかと、1つ以上の中継器におけるトラフィックの区別に関する上述の第2の態様の実施形態のいずれかが組み合わされてもよい。
【0287】
一般
実施形態によれば、ワイヤレス通信システムは、地上ネットワーク、又は非地上ネットワーク、又は空中機若しくは衛星機若しくはそれらの組み合わせを受信機として使用するネットワーク又はネットワークのセグメントを含んでもよい。
【0288】
本発明の実施形態によれば、ユーザデバイスは以下のうちの1つ以上を含む:電力制限型UE、又は脆弱道路ユーザ(VRU)と呼ばれる歩行者が使用するUEのようなハンドヘルドUE、又は歩行者UE(P-UE)、又は公共安全UE(PS-UE)と呼ばれる公共安全員及び第一応答者が使用するオンボディ又はハンドヘルドUE、又はIoT UE、例えば、センサー、アクチュエーター、又は反復タスクを実行するためにキャンパスネットワークに設けられ、定期的にゲートウェイノードからの入力を必要とする移動端末、又は固定端末を提供するUE、又はセルラーIoT-UE、又は車両UE、又は車両グループリーダー(GL)UE、又はサイドリンク中継、又はIoT若しくはナローバンドIoT(NB-IoT)デバイス、又はスマートウォッチ若しくはフィットネストラッカー若しくはスマートグラス等のウェアラブルデバイス、又は地上ベースの車両、又は空中車両、又はドローン、又は移動基地局、又は路側ユニット(RSU)、又は建物、又は例えばセンサー若しくはアクチュエーター等、ワイヤレス通信ネットワークを使用しての通信が可能なネットワーク接続性が設けられた他の任意のアイテム若しくはデバイス、又は例えばセンサー若しくはアクチュエーター等、ワイヤレス通信ネットワークのサイドリンクを使用しての通信が可能なネットワーク接続性が設けられている他の任意のアイテム若しくはデバイス、又は任意のサイドリンク可能なネットワークエンティティ。
【0289】
本発明の実施形態によれば、ネットワークエンティティは以下のうちの1つ以上を含む:マクロセル基地局、又はスモールセル基地局、又は基地局の中央ユニット、又は基地局の分散ユニット、又は路側ユニット(RSU)、又はリモート無線ヘッド、又はAMF、又はMME、又はSMF、又はコアネットワークエンティティ、又はモバイルエッジコンピューティング(MEC)エンティティ、又はNR若しくは5Gコアコンテキストにおけるネットワークスライス、又はアイテム若しくはデバイスがワイヤレス通信ネットワークを使用して通信することができるようにするための任意の送信/受信ポイント(TRP)であって、アイテム若しくはデバイスはネットワーク接続性が設けられている、任意の送信/受信ポイント(TRP)。
【0290】
記載した概念のいくつかの態様が装置の文脈で説明されてきたが、これらの態様はまた、ブロック又はデバイスが方法ステップ又は方法ステップの特徴に対応する、対応する方法の説明を表すことは明らかである。同様に、方法ステップの文脈で説明される態様は、対応するブロック又はアイテム又は対応する装置の特徴の説明も表す。
【0291】
本発明の様々な要素及び特徴は、アナログ及び/又はデジタル回路を使用するハードウェアにおいて、1つ以上の汎用又は特殊用途プロセッサによる命令の実行を通じてソフトウェアにおいて、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして、実施されてもよい。例えば、本発明の実施形態は、コンピュータシステム又は別の処理システムの環境において実施されてもよい。図28は、コンピュータシステム500の一例を示す。ユニット又はモジュール、並びにこれらのユニットによって実行される方法のステップは、1つ以上のコンピュータシステム500上で実行されてもよい。コンピュータシステム500は、特殊用途又は汎用デジタル信号プロセッサ等の1つ以上のプロセッサ502を含む。プロセッサ502は、バス又はネットワーク等の通信インフラストラクチャ504に接続されている。コンピュータシステム500は、主メモリ506、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、及び二次メモリ508、例えばハードディスクドライブ及び/又はリムーバブルストレージドライブを含む。二次メモリ508は、コンピュータプログラム又は他の命令がコンピュータシステム500にロードされることを可能にし得る。コンピュータシステム500は、コンピュータシステム500と外部装置との間でソフトウェア及びデータを転送することを可能にするために、通信インターフェース510をさらに含んでもよい。通信は、電子的、電磁的、光学的、又は通信インターフェースによって処理することができる他の信号によるものであってよい。通信は、ワイヤ又はケーブル、光ファイバー、電話回線、携帯電話リンク、RFリンク、及び他の通信チャネル512を使用してもよい。
【0292】
「コンピュータプログラム媒体」及び「コンピュータ可読媒体」という用語は、一般に、取り外し可能な記憶ユニット又はハードディスクドライブにインストールされたハードディスクなどの有形の記憶媒体を指すために使用される。これらのコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステム500にソフトウェアを提供するための手段である。コンピュータ制御ロジックとも呼ばれるコンピュータプログラムは、主メモリ506及び/又は二次メモリ508に格納される。また、コンピュータプログラムは、通信インターフェース510を介して受信されてもよい。コンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステム500が本発明を実施することを可能にする。特に、コンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサ502が、本明細書に記載された方法のいずれかなど、本発明のプロセスを実施することを可能にする。したがって、このようなコンピュータプログラムは、コンピュータシステム500のコントローラを表すことができる。本開示がソフトウェアを使用して実施される場合、ソフトウェアは、コンピュータプログラム製品に格納され、取り外し可能な記憶デバイス、通信インターフェース510等のインターフェースを使用してコンピュータシステム500にロードされてもよい。
【0293】
ハードウェア又はソフトウェアにおける実装は、デジタル記憶媒体、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、DVD、Blue-Ray(登録商標)、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM又はFLASHメモリであって、その上に格納された電子的に読み取り可能な制御信号を有し、それぞれの方法が実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと協働する又は協働できるものを使用して行うことができる。したがって、デジタル記憶媒体は、コンピュータ可読であってもよい。
【0294】
本発明によるいくつかの実施形態は、電子的に読み取り可能な制御信号を有するデータキャリアであって、本明細書に記載の方法の1つが実行されるように、プログラム可能なコンピュータシステムと協働することが可能であるデータキャリアを備える。
【0295】
一般に、本発明の実施形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として実施することができ、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときに、方法の1つを実行するために動作可能である。プログラムコードは、例えば、機械読み取り可能なキャリア上に格納されてもよい。
【0296】
他の実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを、機械可読キャリアに格納したコンピュータプログラムを含む。言い換えると、本発明の方法の一実施形態は、したがって、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行される場合に、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0297】
したがって、本発明の方法の別の実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためにその上に記録されたコンピュータプログラムを含むデータキャリア又はデジタル記録媒体、又はコンピュータ読み取り可能な媒体である。本発明の方法の別の実施形態は、本明細書に記載された方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを表すデータストリーム又は信号のシーケンスである。データストリーム又は信号のシーケンスは、例えば、データ通信接続、例えばインターネットを介して転送されるように構成されてもよい。別の実施形態は、本明細書に記載された方法の1つを実行するように構成された、又は適合された、例えばコンピュータ、又はプログラマブルロジックデバイスなどの処理手段を含む。別の実施形態は、本明細書に記載された方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムをその上にインストールしたコンピュータを含む。
【0298】
いくつかの実施形態では、プログラマブルロジックデバイス、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイを使用して、本明細書に記載の方法の機能性の一部又は全部を実行してもよい。いくつかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書に記載される方法の1つを実行するためにマイクロプロセッサと協働してよい。一般に、本方法は、任意のハードウェア装置によって実行されることが好ましい。
【0299】
上述した実施形態は、本発明の原理について単に例示したに過ぎない。本明細書に記載された配置及び詳細の修正及び変形は、当業者には明らかであることが理解される。したがって、差し迫った特許請求の範囲の範囲によってのみ限定され、本明細書における実施形態の説明及び解説によって提示される特定の詳細によって限定されないことが意図される。
図1(a)】
図1(b)】
図2(a)】
図2(b)】
図3(a)】
図3(b)】
図3(c)】
図4
図5
図6
図7
図8
図9(a)】
図9(b)】
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20(a)】
図20(b)】
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28