(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】無線通信のための方法
(51)【国際特許分類】
H04W 28/04 20090101AFI20241210BHJP
H04W 72/232 20230101ALI20241210BHJP
【FI】
H04W28/04 110
H04W72/232
(21)【出願番号】P 2023030422
(22)【出願日】2023-02-28
(62)【分割の表示】P 2021524147の分割
【原出願日】2018-11-08
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】リャン リン
(72)【発明者】
【氏名】ユエン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【審査官】横田 有光
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0022011(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0128055(US,A1)
【文献】特開2008-236426(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4、6
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信のための方法であって、
スケジューリングメッセージを端末デバイスへ送信することと、
前記スケジューリングメッセージに従ってデータを前記端末デバイスへ送信することと、
前記端末デバイスからハイブリッド自動再送要求(HARQ:hybrid automatic repeat request)フィードバックを検出することと、
前記HARQフィードバックが検出されたリソースのリソースIDを決定することと、
前
記HARQフィードバック及び前記リソースIDに基づいて、後続の送信又は再送信を制御することと、
を備え、
前記リソースIDは前記リソースに関連付けられたリソースセットグループの識別子を含み、リソースセットグループは1つ以上のリソースセットを含み、リソースセットは1つ以上のリソースを含む、
方法。
【請求項2】
前
記HARQフィードバック及び前記リソースIDに基づいて、後続の送信又は再送信を制御することは、
前記リソースセットグループの前記識別子がi番目のリソースセットグループを示すことに応答して、前
記HARQフィードバックがHARQフィードバックのi回目の再送信であると判定することと、
前記HARQフィードバックの前記i回目の再送信に関連付けられた以前のデータ送信を決定することと、
前
記HARQフィードバックに基づいて、前記以前のデータ送信の再送信を制御することと、
を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前
記HARQフィードバックに基づいて、前記以前のデータ送信の再送信を制御することは、
前
記HARQフィードバックが肯定応答(ACK:acknowledgement)であることに応答して、前記以前のデータ送信の再送信を阻止することと、
前
記HARQフィードバックが否定応答(NACK:negative acknowledgement)であることに応答して、前記以前のデータ送信の再送信を実行することと、
を含む、
請求項
2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の非限定的かつ例示的な実施形態は、一般的に、無線通信の技術分野に関し、特に、ハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)のための方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
この部分では、開示をより理解できる態様を紹介する。従って、この部分の記載は、この観点から読み取られるべきであり、先行技術に開示された又は開示されないことを自認することとして理解されるべきではない。
【0003】
送信の信頼性を向上させるために、HARQメカニズムは、LTE(Long Term Evolution)と呼ばれる第4世代(4G)無線通信システムや、NR(New Radio)と呼ばれる第5世代(5G)無線通信システムなどの3GPP(Third Generation Partnership Project)によって開発された通信システムにおいて広く使用されている。
【0004】
HARQでは、受信機は、送信機からのデータが正しく検出された場合に肯定応答(ACK)を送信機にフィードバックし、データが正しく検出されていない場合に否定応答(NACK)をフィードバックする。そして、送信機は、受信機からACKが受信されたか又はNACKが受信されたかに応じて、新たな送信又は再送信を実行する。従って、ACK/NACKフィードバック(HARQフィードバックとも呼ばれる)は、データ送信のスケジューリングにとって重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の様々な実施形態は、主に、無線通信のための拡張HARQフィードバックメカニズムを提供することを目的とする。
【0006】
本開示の第1の態様では、方法を提供する。当該方法は、無線通信のための方法であって、HARQフィードバックに関する情報を含むスケジューリングメッセージを端末デバイスへ送信することと、前記スケジューリングメッセージに従ってデータを前記端末デバイスへ送信することと、前記端末デバイスからHARQフィードバックを受信することと、前記受信したHARQフィードバックに基づいて後続の送信又は再送信を制御することと、を備え、前記HARQフィードバックに関する情報は、HARQフィードバック用の処理ID、及び前記端末デバイス又は前記処理IDのために送信されたスケジューリングメッセージの累計数の少なくとも1つを示す。
【0007】
本開示の第2の態様では、他の方法を提供する。当該方法は、スケジューリングメッセージを端末デバイスへ送信することと、前記スケジューリングメッセージに従ってデータを前記端末デバイスへ送信することと、前記端末デバイスからHARQフィードバックを検出することと、HARQフィードバックが検出されたリソースのリソースIDを決定することと、前記受信したHARQフィードバック及び前記リソースIDに基づいて、後続の送信又は再送信を制御することと、を備え、前記リソースIDは前記リソースに関連付けられたリソースセットグループの識別子を含み、リソースセットグループは1つ以上のリソースセットを含み、リソースセットは1つ以上のリソースを含む。
【0008】
本開示の第3の態様では、もう1つの方法を提供する。当該方法は、HARQフィードバックのための、静的HARQコードブックの符号化のタイプを示すコーディング構成を端末デバイスへ送信することと、データを前記端末デバイスへ送信することと、示された符号化のタイプに基づいて、前記端末デバイスから前記データに対するHARQフィードバックを検出することと、前記検出したHARQフィードバックに基づいて、後続の送信又は再送信を制御することと、を備える。
【0009】
本開示の第4の態様では、端末デバイスによって実施される方法を提供する。当該方法は、ネットワークデバイスからHARQフィードバックに関する情報を含むスケジューリングメッセージを受信することと、前記スケジューリングメッセージに従って、前記ネットワークデバイスからデータを検出することと、前記HARQフィードバックに関する情報に基づいて、前記ネットワークデバイスへHARQフィードバックを送信することと、を備え、前記HARQフィードバックに関する情報は、HARQフィードバック用の処理ID、及び前記端末デバイス又は前記処理IDのために送信されたスケジューリングメッセージの累計数の少なくとも1つを示す。
【0010】
本開示の第5の態様では、端末デバイスによって実施される他の方法を提供する。当該方法は、ネットワークデバイスからデータを受信することと、i回目の前記データに対するフィードバックを再送信することを決定することに応答して、前記i番目のリソースセットグループからリソースを選択することと、前記選択したリソースで前記データに対する前記フィードバックを再送信することと、を備え、iは正の整数であり、リソースセットグループは1つ以上のリソースセットを含み、リソースセットは1つ以上のフィードバックリソースを含む。
【0011】
本開示の第6の態様では、端末デバイスによって実施されるもう1つの方法を提供する。当該方法は、ネットワークデバイスからHARQフィードバックのための、静的HARQコードブックの符号化のタイプを示すコーディング構成を受信することと、前記ネットワークデバイスからデータを受信することと、前記コーディング構成に基づいて、前記データに対するHARQフィードバックを生成することと、前記HARQフィードバックを前記ネットワークデバイスへ送信することを備える。
【0012】
本開示の第7の態様では、無線通信のための装置を提供する。当該装置はプロセッサ及びメモリを含む。前記メモリは、前記プロセッサによって実行可能であり、かつ前記プロセッサによって実行されると、前記装置に本開示の第1、第2、第3の態様のいずれかに記載の方法を実行するように動作させる命令を有する。
【0013】
本開示の第8の態様では、無線通信のための他の装置を提供する。当該装置はプロセッサ及びメモリを含む。前記メモリは、前記プロセッサによって実行可能であり、かつ前記プロセッサによって実行されると、前記装置に本開示の第4、第5、第6の態様のいずれかに記載の方法を実行するように動作させる命令を有する。
【0014】
本開示の第9の態様では、装置によって実行されると、前記装置に本開示の第1、第2、第3の態様のいずれかに記載の方法を実行させるコンピュータプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。
【0015】
本開示の第10の態様では、装置によって実行されると、前記装置に本開示の第4、第5、第6の態様のいずれかに記載の方法を実行させるコンピュータプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。
【0016】
本開示の実施形態は、HARQパフォーマンスを改善し、リソース効率を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示の様々な実施形態の上記及び他の態様、特徴、及び利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明からより完全に明らかになる。図面において、同じ参照符号は、同じ又は均等な要素を表す。図面は、本開示の実施形態をより理解できるために示され、必ずしも一定の縮尺で描かれているものではない。
【0018】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態が実施され得る例示的な無線通信ネットワークを示す。
【0019】
【
図2】
図2は、本開示の実施形態によるDCIにおける提案された指示に基づいてHARQフィードバックのペイロードサイズを決定する例を示す。
【0020】
【
図3】
図3は、本開示の実施形態による提案されたHARQ-PUCCHの処理IDに基づいて再送しようとするACK/NACKビットを決定する例を示す。
【0021】
【
図4】
図4は、本開示の実施形態によるリソースの3次元(3D)指示の例を示す。
【0022】
【
図5】
図5は、本開示の実施形態によるリソースセットグループの概念に基づいてACK/NACKフィードバックのためのリソースを決定する例を示す。
【0023】
【
図6】
図6は、本開示の実施形態によるHARQフィードバックのためのタイプA及びタイプBの符号化の例を概略的に示す。
【0024】
【
図7】
図7は、本開示の実施形態によるネットワークデバイスによって実施され得る方法のフローチャートを示す。
【
図8】
図8は、本開示の実施形態によるネットワークデバイスによって実施され得る方法のフローチャートを示す。
【
図9】
図9は、本開示の実施形態によるネットワークデバイスによって実施され得る方法のフローチャートを示す。
【0025】
【
図10】
図10は、本開示の実施形態による端末デバイスによって実施され得る方法のフローチャートを示す。
【
図11】
図11は、本開示の実施形態による端末デバイスによって実施され得る方法のフローチャートを示す。
【
図12】
図12は、本開示の実施形態による端末デバイスによって実施され得る方法のフローチャートを示す。
【0026】
【
図13】
図13は、本開示の実施形態による端末デバイス又はネットワークデバイスとして具現化され又はそれに備えられる装置の簡略ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、例示的な実施形態を参照しながら、本開示の原理及び主旨を説明する。これらの実施形態はすべて当業者が本開示をより理解し、さらに実施するために提供されるものにすぎず、本開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。例えば、一実施形態の一部として図示又は説明される特徴を別の実施形態とともに使用して、更に別の実施形態を生み出すことができる。明確のために、実際の実施に関するすべての特徴が本明細書で説明されるわけではない。
【0028】
本明細書における「一実施形態」、「実施形態」、「例示的実施形態」などを言及する場合に、記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得ることを示すが、必ずしも、すべての実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含むわけではない。さらに、このような表現は、必ずしも同じ実施形態を指すものではない。また、明示的に記載されているか否かに関わらず、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態に関して説明される場合、他の実施形態に関するそのような特徴、構造、又は特性に適用することが当業者の知識の範囲内であることを意図している。
【0029】
本明細書では、「第1」及び「第2」などの用語を使用して様々な要素を説明することがあるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、例示的な実施形態の範囲から逸脱しない限り、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書で使用されるとき、「及び/又は」という用語は、挙げられる用語のうちの1つ以上の任意の組み合わせ及びすべての組み合わせを含む。
【0030】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、例示的な実施形態への限定を意図するものではない。本明細書で使用されるとき、単数形である「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「上記(the)」は、文脈からそうでないことが明確に示されていない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用されるとき、「備える」、「有する」、及び/又は「含む」という用語は、述べられた特徴、要素及び/又はコンポーネントなどの存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、要素、コンポーネント、及び/又はそれらの組み合わせの存在又は追加を排除するものではないことを、さらに理解されたい。
【0031】
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0032】
本明細書で使用されるとき、「無線通信ネットワーク」という用語とは、New Radio(NR)、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、LTEアドバンスト(LTE-A:LTE-Advanced)、広帯域符号分割多重アクセス(WCDMA:Wideband Code Division Multiple Access)、高速パケットアクセス(HSPA:High-Speed Packet Access)など任意の適切な無線通信規格に準拠するネットワークを指す。「無線通信ネットワーク」は、「無線通信システム」と呼ばれることもある。さらに、無線通信ネットワーク内のネットワークデバイス間、ネットワークデバイスと端末デバイスとの間、又は端末デバイス間の通信は、任意の適切な通信プロトコルに従って実行されてもよい。ここでの通信プロトコルは、モバイル通信用グローバルシステム(GSM:Global System for Mobile)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunications System)、LTE、NR、無線LAN(WLAN:wireless local area network)規格(IEEE 802.11規格など)、及び/又は現在知られている、又は将来に開発される他の適切な無線通信規格を含むが、これらに限定されない。
【0033】
本明細書で使用されるとき、「ネットワークデバイス」という用語とは、端末デバイスとデータ及び信号を送受信する無線通信ネットワーク内のネットワークノードを指す。ネットワークデバイスは、適用される用語及び技術に応じて、基地局(BS:Base Station)又はアクセスポイント(AP:access point)を指すことがある。APの例には、ノードB(NodeB又はNB)、Evolved NodeB(eNodeB又はeNB)、NR NB(gNBとも呼ばれる)、リモート無線ユニット(RRU:Remote Radio Unit)、無線ヘッド(RH:Radio Head)、リモート無線ヘッド(RRH:Remote Radio Head)、リレー、及びフェムトやピコなどの低電力ノードなどが含まれる。
【0034】
「端末デバイス」という用語とは、無線通信が可能な任意のエンドデバイスを指す。非限定的な例として、端末デバイスは、通信デバイス、ユーザ機器(UE:User Equipment)、加入者局(SS:Subscriber Station)、ポータブル加入者局(Portable Subscriber Station)、移動局(MS:Mobile Station)、又はアクセス端末(AT:Access Terminal)と呼ばれることもある。端末デバイスは、移動電話、セルラー電話、スマートフォン、VoIP(voice over IP)電話、WLL(wireless local loop)電話、タブレット、ウェアラブル端末デバイス、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、ポータブルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、デジタルカメラなどの画像キャプチャ端末デバイス、ゲーム端末デバイス、音楽ストレージ及び再生機器、車載無線端末デバイス、無線エンドポイント、移動局、LEE(laptop-embedded equipment)、LME(laptop-mounted equipment)、USBドングル、スマートデバイス、無線CPE(customer-premises equipment)などを含むが、これらに限定されない。以下の説明では、「端末デバイス」、「通信デバイス」、「端末」、「ユーザ機器」、及び「UE」という用語は、互換的に使用される場合がある。
【0035】
さらに別の例として、IOT(Internet of Things)シナリオでは、端末デバイスは、監視及び/又は測定を実行し、このような監視及び/又は測定の結果を別の端末デバイス及び/又はネットワーク機器に送信するマシン又は他のデバイスを表すことができる。この場合、端末デバイスは、3GPPの文脈でMTC(machine-type communication)デバイスと呼ばれるM2M(machine-to-machine)デバイスであってもよい。特定の一例として、端末デバイスは、3GPP NB-IoT(narrow band internet of things)規格を実施するUEである。このようなマシン又はデバイスの例には、センサ、電力計などの計測デバイス、産業機械、又は家庭用或いは個人用の機器(例えば、冷蔵庫、テレビ、時計などの個人用ウェアラブルなど)が含まれる。他のシナリオでは、端末デバイスは、動作状態又はその動作に関連する他の機能を監視及び/又はレポートできる車両又は他の機器を表すことができる。
【0036】
本明細書で使用されるとき、ダウンリンク(DL:downlink)送信とは、ネットワークデバイスからUEへの送信を指し、アップリンク(UL:uplink)送信とは、UEからネットワークへの送信を指し、サイドリンク(SL:側link)送信とは、UEの間の送信を指す。
【0037】
図1は、本開示の実施形態が実施され得る例示的な無線通信ネットワーク100を示す。図示のように、通信ネットワーク100は、1つ以上のネットワークデバイス、例えば、eNB又はgNBの形態であるネットワークデバイス101を含み得る。ネットワークデバイス101は、ノードB、BTS(Base Transceiver Station)、及び/又はBSS(Base Station Subsystem)、アクセスポイント(AP:Access Point)などの形態であっても良いと理解されたい。ネットワークデバイス101は、1組の端末デバイス、例えば、まとめて「端末デバイス102」と呼ばれる端末デバイス102-1、102-2、及び102-3に対して無線接続を提供する。便宜上、
図1には3つの端末デバイスのみが示されているが、実際に通信ネットワークには、より多く、又はより少ない端末デバイスが存在しても良いと理解されたい。
【0038】
ネットワークデバイス101と端末デバイス102との送信は、スケジューリングメッセージ、例えば、DL制御情報(DCI:DL control information)を介してスケジュールされ得る。DLスケジューリング用のDCIを検出すると、端末デバイス102は、DCIによって示されるリソースにおいてDLデータ送信(例えば、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared CHannel)送信)を検出しようとする。
【0039】
ネットワークデバイス101は、1つ以上の周波数帯において1つ以上のキャリアを使用して端末デバイス102と通信することができることに留意されたい。1つ以上の周波数帯は、免許周波数帯及び/又は免許不要周波数帯を含み得る。
【0040】
LAA(Licensed Assisted Access)として知られている免許不要帯域の動作の1つのタイプは、3GPPで研究されて採用されている。LAAシステムでは、DLでのスケジューリング情報やULでのHARQフィードバックなどの制御シグナリングが免許帯域で送信され、一方、データ送信が免許不要帯域で実行される。
【0041】
3GPPで研究されている免許不要帯域の動作の他のタイプは、NR-U(NR Unlicensed)と呼ばれ、NR-Uでは、免許帯域からの支援が利用できず、データ及び制御送信の両方が免許不要帯域で実行される。
【0042】
免許不要帯域では、送信前に、ノードは最初にクリアチャネル評価(CCA:Clear Channel Assessment)を有し、即ち、LBT(Listen before talk)は、送信前に実行されなければならない。LBTが故障した場合に、送信はブロックされる。本願の発明者は、LBTの故障がHARQメカニズムに問題を引き起こせる可能性があることを発見した。
【0043】
HARQメカニズムによれば、受信機(例えば、端末デバイス102)は、送信機からのデータが正しく検出された場合にACKを送信機(例えば、ネットワークデバイス101)へフィードバックし、そうでない場合にNACKをフィードバックする。そして、送信機は、受信機によってACKがフィードバックされるか又はNACKがフィードバックされるかに応じて、新な送信又は再送信を実行する。従って、ACK/NACKフィードバック(HARQフィードバックとも呼ばれる)は、データ送信のスケジューリングにとって重要である。
【0044】
HARQメカニズムにおけるエラーは、ACK/NACKフィードバック又は検出の故障を引き起こす可能性があり、その結果、送信機は、データが正しく受信されたかどうかがわからない。
【0045】
経路損失、チャネルフェージング及び/又は干渉に起因して、データ送信又はHARQフィードバック中にエラーが発生し、DL検出漏れ、DL誤警報、UL検出漏れ、UL誤警報を含むHARQメカニズムにいくつかの問題をもたらす可能性があることを発見した。
【0046】
DCIが送信機によって送信されたが、受信機によって検出されない場合、DCI検出漏れが発生する。このような場合に、送信機がACK/NACKフィードバックを期待するが、当該ACK/NACKフィードバックが受信機によって提供されないため、送信機側及び受信機側で不明確の問題が生じる。物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control CHannel)で運ばれるDCIは高い復号精度を有しても、通常の復号エラー率が約1%であるため、DCI検出漏れを完全に回避することはできない。
【0047】
この問題を解決するために、1回のフィードバック(即ち、単一のPDSCH送信に関連するフィードバック)について、不連続送信(DTX)検出は、送信機(例えば、ネットワークデバイス101)側で採用されてもよい。複数回の多重化を伴うHARQフィードバック(即ち、複数のPDSCH送信に対するフィードバック)について、ダウンリンク割り当てインデックス(DAI:Downlink Assignment Index)は、最後の1つ以上の送信機会のDCI検出漏れを除いて、DCI検出漏れによって引き起こされる問題を解決するためにDCIに含まれてもよい。DCIのDAIフィールドに基づいて、UEは検出されていないPDCCHを知るようになる。これにより、検出漏れが発生しても、UEはgNBと同様にフィードバックされるHARQ-ACKビットの長さに関する情報を持つことが保証される。例えば、2ビットのDAIでは、4つの連続したDCIが漏れた場合にのみ、フィードバックのサイズ(即ち、フィードバックビットの数)が不明確である。
【0048】
最後の送信機会のDCI検出漏れによって引き起こされる問題は、各DCI内で異なる物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control CHannel)リソースを示し、かつ送信機側で異なるPUCCHリソース内のACK/NACKの(複数の)ブラインド検出を実行することによって解決されることができる。
【0049】
同様に、PDCCH内のDCIが送信されないが、UEによって検出されると、DL誤警報は発生する。このような場合、UEはスケジュールされていないリソースをフィードバックし、干渉を引き起こす可能性がある。
【0050】
別のHARQフィードバックエラーは、UL検出漏れと呼ばれ、ACK/NACKは、PUCCHで受信機(例えば、UE)によって送信されるが、送信機(例えば、gNB)によって正しく検出されていない。特に、UEからのNACKフィードバックがgNBによって検出されていない可能性があり、そのような場合、gNBは再送信を実行するが、現在の送信機会にのみ影響を与える。gNBによってNACKがACKであると復号されると、上位層のARQが発生するおそれがあり、これに起因して、送信効率が低下する。ACKがNACK又はDTXであると検出されると、不要な再送信が実行され、これに起因して、現在の送信機会に悪影響を与える。
【0051】
一方、ACK/NACKが送信されていないが、gNBによって受信されると、UL誤警報が発生する。しかしながら、これは、DL検出漏れ及びUL誤警報が同時に発生した場合にのみ発生するため、レアケースである。
【0052】
いくつかのシナリオでは、複数のデータ送信(例えば、PDSCH送信)に対するHARQフィードバックは、例えば、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)又は物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)などの単一のULチャネルを介して提供されてもよい。このような場合、複数のACK/NACKビットが同じPUCCH/PUSCHで運ばれる可能性がある。言い換えれば、1つ以上のPDSCHは、HARQフィードバック用の1つのPUCCH/PUSCHに関連付けられ、同じPUCCH/PUSCHに関連付けられたPDSCHはPDSCHセット、又は送信セットと呼ばれる場合がある。PDSCH(又はPDSCHをスケジューリングするDCI)とPUCCH/PUSCHとの関連付けは、事前に決定されてもよく、動的に構成されてもよい。
【0053】
さらに、HARQフィードバック用のタイミング及びPUCCHリソースは、送信機、例えば、gNBによってDCIを介して示されてもよい。例えば、PUCCHリソースセットごとに8つのPUCCHリソースがあり、最大4つのPUCCHリソースセットは、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)シグナリングによってUEに構成されることができる。ACK/NACK送信に使用されるPUCCHリソースセットは、PUCCHビットのペイロードに基づいて選択されてもよく、PUCCHリソースセット内の使用されるPUCCHリソースは、さらに、DCIによって示されてもよい。
【0054】
5G NRでは、HARQフィードバックはコードブックの2つのモード、即ち、静的コードブック又は動的コードブックのいずれかを使用してもよい。静的コードブックでは、HARQビットを生成するときに、すべての可能なタイミング及び/又はDCI/PDSCHとPUCCH/PUSCHとの関連付けが考慮される。このモードのコードブックは、PUCCH/PUSCHで高いペイロードを起こすが、ペイロードサイズ(即ち、フィードバックするHARQ-ACKビットの数)が事前に定義されて静的であるため、DCIの検出漏れを回避することができる。受信機により漏れられたDCIのHARQフィードバックは、デフォルト値であるNACKに設定される。
【0055】
HARQフィードバック用の動的コードブックでは、ペイロードサイズを低減するために、HARQビットを生成するときに、送信されたPDSCHのみが考慮される。このような場合、UEは、DCIが検出された場合にのみHARQフィードバックを送信し、そして、フィードバックの内容であるACK又はNACKは、検出されたDCIによってスケジュールされたPDSCHが正しく復号化されるかどうかに依存する。従って、DCIが送信機によって送信されたが、受信機によって検出されていない場合(即ち、DCI検出漏れが発生した場合)、ACK/NACKは送信されず、送信機側及び受信機側で不明確な問題を引き起こす可能性がある。
【0056】
上記の問題に加えて、NR-Uモードで、免許不要帯域で動作することは、HARQメカニズムにより多くの問題を招来する恐れがある。例えば、LBT故障は、受信機側からのHARQフィードバック送信をブロックする可能性があり、そのような場合、如何に送信機にHARQフィードバックのDTXを認識させることは未解決の問題である。さらに、リソースが利用可能なときに如何にブロックされたHARQフィードバックを提供することも研究されるべきである。
【0057】
いくつかのシナリオでは、gNBが免許不要帯域におけるチャネルにアクセスすると、gNBのチャネル占有時間(COT:Channel Occupied Time)内でのUE側からのUL送信は、gNBからのDL送信とUEからのUL送信との間のギャップが所定の閾値、例えば、16usより大きくない場合に、再度のLBTを行わずに実行されることができる。従って、LBT故障によってHARQフィードバックがブロックされることを回避するために、UEは、gNBのCOT内でHARQ-ACKをフィードバックすることが有益である。現在のPDSCHのHARQフィードバックに対して、現在のPDSCHに関連付けられるCOT又は次のPDSCHに関連付けられるCOTのいずれかは使用されてもよいことに留意されたい。しかしながら、UE側でのPDSCHの処理遅延を考慮すると、いくつかのシナリオでは16us内でHARQフィードバックを送信することは不可能である場合がある。
【0058】
現在のNRシステムでは、最後の1つ以上の送信機会の検出漏れによって引き起こされる問題は、送信された各DCIで異なるPUCCHリソースを示すことによって解決され得る。しかしながら、複数のPDSCHセットのHARQフィードバックビットを単一のPUCCH/PUSCHチャネルで同時に送信する必要がある場合に、当該ソリューションはうまく効かない。説明の目的で、PDSCHセット1及びPDSCHセット2が単一のPUCCH/PUSCHリソースでフィードバックされ、各PDSCHセットが2つのPDSCHを含むと仮定する。この例では、PDSCHセット1の2番目のPDSCHがミスで検出されず、かつ、他のPDSCHが正しく検出されると、UEは、3つのACKビットをフィードバックする。しかしながら、gNBは4つのACKビットを期待し、たとえgNBがこれらのPDSCHのDCIによって示される複数のPUCCHリソースで盲目的に検出しても、3ビットのみがUEによって送信されることを知ることができない。
【0059】
さらに、ACK/NACKビットを運ぶPUCCHが免許不要帯域でのLBT故障に起因してブロックされた場合には、次のPUCCHの機会に、自動的に又はDCIトリガーに基づいてブロックされたPUCCHを再送信する。しかしながら、ブロックされたPUCCH機会のHARQ-ACKビットの長さが不明確である場合には、次のPUCCHの復号に大きな問題が発生する。
【0060】
本開示は、上記した問題及び他の問題の少なくともいくつかの問題を解決するために、方法、デバイス、及びコンピュータ読み取り可能な媒体を提供した。例えば、いくつかの実施形態は、最後の1つ以上のDCI送信機会の検出漏れに引き起こされた問題を解決できる。その代わりに、又はそれに加えて、いくつかの実施形態は、期待されないDCIの検出漏れによるエラー拡散を回避することができる。
【0061】
いくつかの実施形態において、DCI検出漏れに起因する、ACK/NACKフィードバックのペイロードサイズ及び/又は1つ以上の漏れたPDSCH及び対応するACK/NACKビットの位置が不明確である問題を解決するために、サイクルDAI(Cycled DAI)、HARQ PUCCH処理ID、及び新しいフィードバック識別子の1つ以上がスケジューリングメッセージ(例えば、DCI)に含まれる。
【0062】
説明のために、サイクリックDAIと共に、カウンタDAI又は合計DAIが各DCIに含まれてもよく、DCI内のカウンタDAIは、現在の時刻までにPDSCHセット(即ち、同じPUCCHフィードバック機会に関連付けられたPDSCHの1セット)で送信されたDCIの合計数を示し、DCI内の合計DAIは、キャリアアグリゲーションが採用されたときにPDSCHセットで送信されるDCIの合計数を示す。キャリアアグリゲーションの合計DAIは、最後の1つ以上の送信機会の検出漏れによって引き起こされる問題の解決に寄与する。しかしながら、単一のキャリア展開では、合計DAIが存在しない。サイクリックDAIは、現在の時刻までに特定のUE又は特定のHARQ-PUCCH処理に対して(可能性として複数のPDSCHセットにわたって)送信されたDCIの累積数を示す。カウンタDAI/合計DAI及びサイクリックDAIの組み合わせによれば、特に合計DAIが存在しない単一のキャリア展開では、HARQフィードバックのペイロードサイズの不明確を回避できる。
【0063】
図2は、DCIにおける提案された指示に基づいてHARQフィードバックのペイロードサイズを決定するための例を示す。この例では、PDSCHはスロットn、n+1、n+3、n+4、n+6、及びn+7で送信され、ACK/NACKはスロットn+2、n+5、及びn+8でフィードバックされる。それに加えて、スロットn及びn+1のPDSCHはPDSCHセット1を形成し、スロットn+3及びn+4のPDSCHはPDSCHセット2を形成し、スロットn+6及びn+7のPDSCHはPDSCHセット3を形成する。
図2に示す各スロット内の参照記号(i、j)は、現在のスロットのカウンタDAI i及びサイクリックDAI jを表す。言い換えると、(i、j)とは、現在のPDSCHセットで送信されたi番目のDCIであり、当該UEに送信されたj番目のDCIであることを意味する。
【0064】
上記の例では、仮に、スロットn及びn+1におけるPDSCH用の2つのACK/NACKビットがスロットn+2で正しく送信され、スロットn+4におけるDCIはミスで検出されず、スロットn+5におけるACK/NACKはLBTの故障に起因して送信されていなくても、受信したDCIのDAIに基づいて、UEは、スロットn+8で合計4つのACK/NACKビットを送信することを決定できる。特に、スロットn+3、n+6、及びn+7(即ち、2、4、5)で受信されたDCIのサイクリックDAIに基づいて、UEは、サイクリックDAI=2とサイクリックDAI=4との間の1つのPDSCH送信がミスで検出されず、合計4つのPDSCHが送信されたことがわかる。
【0065】
サイクリックDAIは、送信されたスケジューリングメッセージの累積数がサイクリックDAIによって表されることができる最大数を超える場合、その数が0にリセットされることを意味することに留意されたい。例えば、サイクリックDAIは、2ビットであり、かつ値が0、1、2、又は3であり、合計6つのDCIが送信されると、サイクリックDAIは値1に設定される。いくつかの実施形態では、サイクリックDAIは、UE(C-RNTI(cell Radio Network Temporary Identity)によって識別され得る)ごとに、又はUEのHARQ-PUCCH処理ごとに示されてもよい。いくつかの実施形態において、HARQフィードバックがgNBによって成功に受信されると、サイクリックDAIはリセットされる。
【0066】
NR-Uなどの通信システムの場合、ACK/NACKフィードバックを運ぶPUCCH送信は、LBT故障に起因してブロックされ、又は失敗する可能性がある。いくつかのシナリオでは、LBT故障の確率が、DCI検出漏れの確率よりも高い。従って、PUCCHの再送信は、NR-Uシステムにおいて有益である。PUCCHを再送信できない場合に、gNBは、対応するPDSCHをNACKとして扱い、当該PDSCHを再送信する必要があり、効率が低い。
【0067】
失敗したPUCCHの再送信は、直交リソース、即ち、他の送信と異なるリソースを使用してもよい。その代わりに、又はそれに加えて、いくつかの実施形態において、PUCCH再送信は、ブロックされたACK/NACKビットを新しいACK/NACKビットと組み合わせ、新しいACK/NACKビットのリソースで組み合わせた後のビットを送信することによって実行されてもよい。つまり、ブロックされたACK/NACKビットは、新しいACK/NACKビットとともに、新しいACK/NACKビットのリソースを使用して送信されてもよい。
【0068】
PUCCH再送信は、例えばLBTの結果に基づいて、UEによって自動的に決定されてもよい。しかしながら、このような自動的PUCCH再送信は、いくつかのシナリオにおいてエラー拡散を引き起こす可能性がある。いくつかの実施形態において、以前のPUCCHが検出されたかどうかを示すためにDCIに付加的なフィールドを追加し、これにより、UEがPUCCH再送信を実行するかどうかを決定することを支援することが提案される。
【0069】
本願の発明者は、処理の遅延に起因して、DCIが以前のPUCCHの検出結果を示すことができない可能性があると発見した。そのような場合のHARQフィードバックを改善するために、HARQ-PUCCH処理IDの概念がいくつかの実施形態において提案される。HARQ-PUCCH処理IDは、HARQ PUCCH処理の識別子を示し、DCIに含まれ得る。DCIの当該新しいフィールドは、(潜在的にPUCCH再送信の他の指示も一緒に)UEに次のPUCCH送信機会に同じHARQ-PUCCH処理IDを有するHARQ-ACKビットのみを再送信させることができる。いくつかの実施形態において、HARQ-PUCCH処理の最大数は、DCIが検出されるPDCCHと、そのDCIによって示される対応するPUCCHの完了(成功又は失敗)の示しとの間の新たに示されたPUCCH機会の最大数によって決定される。いくつかの実施形態において、HARQ-PUCCH処理の最大数は1であってもよい。この場合、HARQ-PUCCH処理IDは必要とされない。しかしながら、HARQフィードバックについてある程度の限定が必要であり、例えば、基地局が既存のPUCCH機会でのPUCCH送信の完了(成功又は失敗)を示す前に、UEが新しいPUCCH機会を示すことと期待されない。これは、いくつかの実施形態において、UEによるそのPUCCHの送信時間より、基地局(例えば、gNB)によるPUCCHの完了の示しの方が、カウントするPUCCH-HARQ処理の終了位置と見なされることを意味する。
【0070】
図3は、提案されたHARQ-PUCCH処理IDに基づいて再送信しようとするACK/NACKビットを決定するための例を示す。
【0071】
この例において、HARQ PUCCH ID 0のACK/NACKは、スロットn及びn+1で送信されるが、スロットn+1でのACK/NACK送信は、例えばLBT故障の原因で失敗する。HARQ PUCCH ID 1のACK/NACKは、スロットn+2及びn+3で送信される。スロットn+3のACK/NACKが検出されていない場合、gNBは、HARQ PUCCH処理ID 0をUEに示し、UEにスロットn+1を再送信する必要があると知らせ、さもなければ、UEはスロットn+1又はn+3のPUCCHを再送信する必要があるかどうかを知ることができない。
【0072】
その代わりに、又はそれに加えて、いくつかの実施形態において、HARQフィードバックの再送信性能を示すためにPUCCHリソースセットグループの概念が提出され、これにより、PUCCH及びPDSCHの検出漏れによって引き起こされる問題を解決する。例えば、HARQフィードバック用のPUCCHリソースの3次元(3D)指示が提案されている。
図4に示されるように、3D指示は、リソースセットグループの指示、リソースセットの指示、及びリソースインジケータを含む。リソースセットグループは、1つ以上のリソースセットを含んでもよく、リソースセットは、1つ以上のフィードバックリソース(例えば、PUCCHリソース)を含んでも良い。PUCCHリソースセットグループの指示は、例えば、LBTの結果に基づいて、PUCCHリソースを選択するために提案された新しい次元である。一般的に、HARQフィードバックがn回目に送信/再送信される場合、リソースセットグループnからのPUCCHリソースが選択され、ここで、nは正の整数である。例えば、ACK/NACKビットを運ぶPUCCH送信がLBT故障に起因して2回失敗した場合に、UEがACK/NACKビットを3回目に再送信すると、3番目のPUCCHリソースセットグループからリソースを選択して、3回目の再送信であることを示す。それに対応して、3番目のリソースセットグループでPUCCHを検出すると、gNBは、これが3回目の再送信であることを知り、ACK/NACKフィードバックに関連付けられるPDSCHを決定することができ、即ち、ACK/NACKがフィードバックされるPDSCHを決定することができる。
【0073】
選択されたリソースセットグループ内で、リソースセットはフィードバックされようとするACK/NACKのペイロードに応じて選択されてもよい。それに加えて、選択されたリソースセット内のPUCCHリソースは、対応するPDSCHのDCIに含まれる指示に基づいて、PUCCH送信のために決定されてもよい。
【0074】
いくつかの実施形態において、n回目のPUCCH送信/再送信及びm回目のPUCCH送信/再送信に同じPUCCHリソースインジケータが割り当てられる場合に、n回目及びm回目のPUCCH送信/再送信のACK/NACKビットはともに多重化されてもよい。それに加えて、UEは、組み合わせられたACK/NACBビットの全長に基づいて、組み合わせられた送信用のPUCCHリソースセットを選択してもよい。
【0075】
図5はPUCCHリソースセットグループの概念に基づいてACK/NACKフィードバック用のPUCCHリソースを決定するための例を示し、以下の表1はリソース選択規則の例を示す。
表1
【0076】
この例において、スロットn、n+1におけるPDSCHのDCIが、HARQフィードバックに対して同じPUCCHリソースインジケータを割り当てると仮定する。そして、表1によれば、スロットnにおけるPDSCHのACK/NACKがスロットn+2で送信される場合に、ACK/NACKの最初の送信であるため、グループ1のリソース0が選択される。スロットn+1におけるPDSCHのACK/NACKもスロットn+2で送信される場合に、スロットnにおけるPDSCHのACK/NACKと多重化され、そして、最初の送信であり、かつペイロードサイズは2であるため、グループ1のリソース1が選択される。スロットnにおけるPDSCHのACK/NACKがスロットn+5で送信される場合に、2回目の再送信であるため、グループ2のリソース2が選択される。スロットn+1におけるPDSCHのACK/NACKもスロットn+5で送信される場合に、スロットnにおけるPDSCHのACK/NACKと多重化され、そして、2回目の送信であり、かつ、ペイロードサイズは2であるため、グループ1のリソース3が選択される。スロットn+3、n+4のPDSCHに関連付けられたACK/NACKのリソースも同様に導出される。
【0077】
DCI検出漏れ又はPUCCH再送信による不明確な問題を回避するための代替の方法は、静的HARQコードブックを使用することであり、これは、例えば、PDSCHタイムスロットとフィードバックタイムスロットとの関連付けに基づいて、HARQフィードバック送信のペイロードサイズが事前に決定されることを意味する。関連付け/タイミングは、たとえばRRCシグナリングを介して構成される。
【0078】
静的HARQコードブックに関して、n+kでインデックスされたフィードバックスロットを示すDCIと共にPDSCHをスロットnで受信したUEについて、当該UEがスロットn+k以外のスロットでPDSCH受信用のHARQ-ACK情報を報告する場合に、対応する各HARQ-ACK情報ビットの値をNACKに設定すると3GPPで規格される。このような符号化の方法は、gNB側での検出の複雑さを軽減し、優れた送信性能を提供する。しかしながら、本開示の発明者は、そのような符号化の方法が冗長性を提供せず、例えば、LBT故障に起因してPUCCHがブロックされる可能性がある免許不要帯域でのPUCCH送信に適切ではないことを発見した。
【0079】
従って、いくつかの実施形態において、静的HARQコードブックに対して、タイプA及びタイプBと呼ばれ得る2つのタイプの符号化を構成することを提案する。
【0080】
3GPPで規格されたように、タイプAの符号化では、UEがスロットn+k以外のスロットでPDSCH受信用のHARQ-ACK情報を報告する場合、UEは、対応する各HARQ-ACK情報ビットの値をNACKに設定する。
【0081】
これに対して、タイプBの符号化では、たとえUEがスロットn+k(対応するPDSCHのDCIで示されるフィードバックスロット)以外のスロットでPDSCH受信用のHARQ-ACK情報を報告しても、UEは、対応する各HARQ-ACK情報ビットの値を実際の値、即ち、PDSCHの検出結果に基づいて決定された値に設定する。
【0082】
HARQフィードバックに使用される符号化のタイプ(即ち、タイプA又はタイプB)は、ネットワークデバイス(例えば、gNB)によって構成されてもよい。
【0083】
図6は、HARQフィードバックのためのタイプA及びタイプBの例を概略的に示す。
図6に示されるように、スロット601~605におけるPDSCHセットに対するHARQフィードバックはRRCシグナリングを介して事前に決定され、又は構成されたタイミング/関連付けに従って、スロット606で送信されてもよいが、スロット603におけるPDSCHのDCIのみは、ACK/NACKがスロット606にフィードバックされることを示す。そして、スロット606において、スロット601~605の5つのACK/NACKビットが送信されるが、スロット603のACK/NACKビットのみが実際の値に設定され、他のビットが、タイプAの符号化に従ってNACKに設定される。同様に、スロット602~605のPDSCHセットに対するHARQフィードバックが、所定のタイミング/関連付けに従ってスロット607で送信されてもよいが、スロット605におけるPDSCHのDCIのみは、ACK/NACKがスロット607にフィードバックされることを示す場合には、スロット607において、スロット602~605の4つのACK/NACKビットが送信されるが、スロット605のACK/NACKビットのみが実際の値に設定され、他のビットがNACKに設定される。タイプAの符号化は、良好な送信性能を有するが、冗長な情報を提供しないため、スロット606におけるPUCCHがミスで検出されないと、スロット603に対するHARQフィードバックの値は、ネットワークデバイスに知らされない。
【0084】
上記問題は、タイプBの符号化によって解決されることができる。タイプBの符号化では、スロット601~605におけるPDSCHセットに対するHARQフィードバックは、スロット606で送信され、また、スロット601~605のすべてのACK/NACKビットは、それらの実際の値に設定される。同様に、スロット602~605における1つのPDSCHセットに対するHARQフィードバックは、スロット607で送信され、また、すべてのACK/NACKビットは、それらの実際の値に設定される。これは、スロット602~605に対するフィードバックがスロット606及びスロット607の両方で送信されることを意味する。そのような場合、たとえスロット606のPUCCHがミスで検出されていなくても、ネットワークデバイスは、スロット607のHARQフィードバックからスロット602~605に対するHARQフィードバックを回復することができる。
【0085】
さらに、静的コードブックに基づくHARQフィードバックの場合、gNBは、DCIにおいて、DCIが送信されるスロットに対するPUCCH送信のタイミング又はオフセットを示すことにより、HARQフィードバックの送信又は再送信をトリガーすることができる。
【0086】
ここで、HARQフィードバックの例示的な方法700のフローチャートを示す
図7を参照する。方法700は、ネットワークデバイス、例えば、
図1に示すネットワークデバイス101によって実施され得る。説明の便宜上、以下、
図1に示すネットワークデバイス101及び通信ネットワーク100を参照して方法700を説明する。しかしながら、本開示の実施形態はそれに限定されない。例えば、この方法は、いくつかのシナリオにおいて、D2D通信に関与する端末デバイスによって実施されてもよい。
【0087】
図7に示されるように、ブロック710において、ネットワークデバイス101は、スケジューリングメッセージを端末デバイス、例えば、
図1における1つの端末デバイス102に送信する。スケジューリングメッセージは、例えば、DCIを含んでもよい。それに加えて、スケジューリングメッセージには、HARQフィードバックに関する情報が含まれる。HARQフィードバックに関する情報は、HARQフィードバック用の処理ID(例えば、HARQ PUCCH処理ID)及び/又は端末デバイス又は処理IDのために送信されたスケジューリングメッセージの累積数を示す。いくつかの実施形態において、スケジューリングメッセージの累積数は、
図2に示されるように、サイクリックDAIの形態であってもよい。
【0088】
HARQフィードバック用の処理ID及び/又はサイクリックDAIは、端末デバイス102が、ACK/NACKフィードバックが要求されるPDSCHを決定することを容易にし、これにより、HARQフィードバックのペイロードサイズに関する不明確な問題を回避する。HARQフィードバックのペイロードサイズを決定するためのいくつかの例は、
図2~3を参照して説明する。
【0089】
いくつかの実施形態において、スケジューリングメッセージ、例えば、DCIは、同じHARQフィードバックタイムスロットに関連付けられた所定の送信セット(例えば、PDSCHセット)で送信されたスケジューリングメッセージの合計数の指示(例えば、
図2に示すカウンタDAIの形態である)、同じHARQフィードバックタイムスロットに関連付けられた所定の送信セット(例えば、PDSCHセット)で送信されようとするスケジューリングメッセージの合計数の指示(例えば、合計DAIの形態である)、及び、新しいHARQフィードバックを提供するための指示のうちの1つ以上をさらに含んでもよい。
【0090】
新しいHARQフィードバックを提供するための指示は、トグルビット(toggle bit)であり得る新しいフィードバックインジケータ(NFI:New Feedback Indicator)の形態であってもよい。つまり、DCIのNFIは、UEからの期待されたHARQ-ACKフィードバックがgNBによって正しく受信されたかどうかを示すことができる。例えば、NFIビットがトグルされていない場合には、NFIビットが最後にトグルされてからHARQ-ACK機会が受信されなかったことを意味する。この場合、UEは、次に報告する機会に正しく受信されなかったHARQ-ACKビットを自動的に含むことができ、即ち、HARQ-ACKビットを再送信することができる。一方、NFIビットがトグルされる場合には、ビットが最後にトグルされてからHARQ-ACK機会がgNBによって受信されたことを意味するため、HARQ-ACKビットを再送信する必要がない。
【0091】
いくつかの実施形態において、HARQフィードバックを容易にするように、サイクルDAI、HARQ PUCCH ID、及びNFIのうちの1つ以上の組み合わせは、ブロック710で端末デバイス102へスケジューリングメッセージで送信されてもよい。それに加えて、当該組み合わせは、HARQフィードバックに関連する他の情報、例えば、カウンタDAI及び/又は合計DAIとともに送信されてもよい。
【0092】
ブロック720で、ネットワークデバイス101は、スケジューリングメッセージに従って、データを端末デバイス102へ送信する。限定ではない一例として、データは、PDSCHを介して送信される。
【0093】
ブロック730で、ネットワークデバイス101は、端末デバイス102からHARQフィードバックを受信し、ブロック740で、ネットワークデバイス101は、受信したHARQフィードバックに基づいて、後続の送信又は再送信を制御する。HARQフィードバックに基づいて送信/再送信を制御する動作は、現在の通信システムの場合と同様に実行されることができる。例えば、データ送信のためにNACKが受信されると、ネットワークデバイス101は、それに応じてデータ送信を再送信することができる。データ送信のためにACKが受信されると、ネットワークデバイス101は、データの再送信を阻止することができる。
【0094】
図8は、HARQフィードバックの別の例示的な方法800のフローチャートを示す。方法800は、ネットワークデバイス、例えば、
図1に示すネットワークデバイス101によって実施され得る。方法800は、個別に、又は方法700と組み合わせて実施されることができる。また、説明の便宜上、以下、
図1に示すネットワークデバイス101及び通信ネットワーク100を参照して方法800を説明する。しかしながら、本開示の実施形態はそれに限定されない。例えば、この方法は、いくつかのシナリオにおいて、D2D通信に関与する端末デバイスによって実施されてもよい。
【0095】
図8に示されるように、ブロック810で、ネットワークデバイス101は、スケジューリングメッセージを端末デバイス102へ送信する。スケジューリングメッセージは、
図7を参照して説明したスケジューリングメッセージと同じであってもよく、異なってもよい。限定ではない一例として、スケジューリングメッセージはDCIの形態であってもよい。
【0096】
ネットワークデバイス101は、ブロック820で、例えば、PDSCHを介してスケジューリングメッセージに従って端末デバイス102へデータを送信するとともに、ブロック830で、端末デバイス102からのHARQフィードバックを検出する。
【0097】
ブロック840で、ネットワークデバイス101は、HARQフィードバックが検出されたリソースのリソースIDを決定する。リソースIDは、リソースに関連付けられたリソースセットグループの識別子を含む。リソースセットグループは、1つ以上のリソースセットを含み、リソースセットは、1つ以上のリソースを含む。つまり、リソースは、
図4に示されるように、3DのIDを介して識別されることができる。
【0098】
ブロック850で、ネットワークデバイス101は、受信したHARQフィードバック及びリソースIDに基づいて、後続の送信又は再送信を制御する。限定ではない一例として、HARQフィードバックがi番目のリソースセットグループで検出された場合に、ネットワークデバイス101は、受信したHARQフィードバックがi回目の再送信であると判定できる。そして、ネットワークデバイス101は、HARQフィードバックのi回目の再送信に関連付けられた以前のデータ送信を決定し、受信したHARQフィードバックに基づいて以前のデータ送信の再送信を制御することができる。受信したHARQフィードバックがACKである場合に、ネットワークデバイス101は、以前のデータ送信の再送信を阻止し、受信したHARQフィードバックがNACKである場合に、ネットワークデバイス101は、以前のデータ送信の再送信を実行する。例えば、
図5に示される例において、リソースセットグループ2に属するリソース2においてNACKが検出された場合に、ネットワークデバイス101は、スロットnにおけるPDSCHに対するNACKの2回目の再送信であると判定できる。その結果、ネットワークデバイス101は、スロットnで以前に送信されたPDSCHを再送信する。
【0099】
図9は、HARQフィードバックの別の例示的な方法900のフローチャートを示す。方法900は、ネットワークデバイス、例えば、
図1に示すネットワークデバイス101によって実施され得る。方法900は、個別に、又は方法700及び方法800のうちの1つ以上との組み合わせで実施されることができる。説明の便宜上、また、以下、
図1に示すネットワークデバイス101及び通信ネットワーク100を参照して方法900を説明する。しかしながら、本開示の実施形態はそれに限定されない。例えば、この方法は、いくつかのシナリオにおいて、D2D通信に関与する端末デバイスによって実施されてもよい。
【0100】
図9に示されるように、ブロック910で、ネットワークデバイス101は、HARQフィードバックのためのコーディング構成を端末デバイス102へ送信する。コーディング構成は、静的HARQコードブックのための符号化のタイプを示す。限定ではない一例として、コーディング構成は、RRCシグナリング又はシステム情報を介して送信され得る。
【0101】
ブロック920で、ネットワークデバイス101は、データを端末デバイス102へ送信し、ブロック930で、示されたタイプの符号化に基づいて、端末デバイス102からのデータに対するHARQフィードバックを検出する。
【0102】
いくつかの実施形態において、符号化のタイプは、
図6を参照して上記で説明したように、タイプA及びタイプBの符号化のうちの1つを含み得る。説明の目的で、仮にネットワークデバイス101がデータをスケジューリングメッセージ(例えば、DCI)と共にタイムスロットnで端末デバイス102へ送信し、かつ、スケジューリングメッセージは、HARQフィードバックが端末デバイス102によってタイムスロットn+kで提供されることを示し、ここで、n及びkの両方が負ではない整数(non-negative integers)であり、そして、タイプAがブロック910で示される場合に、データに対するHARQフィードバックがタイムスロットn+kで受信されると、ネットワークデバイス101は、HARQフィードバックを復号化し、一方、データに対するHARQフィードバックがタイムスロットn+k以外のタイムスロットで検出されると、ネットワークデバイス101は、受信したHARQフィードバックビットをNACKとして解釈する。これに対して、符号化タイプBがブロック910で示される場合に、ネットワークデバイス101は、HARQフィードバックがタイムスロットn+kで検出されるか又は別のタイムスロットで検出されるかにかかわらず、HARQフィードバックを復号化する。タイプBの符号化は、HARQフィードバックの冗長性を高める。
【0103】
ブロック940で、ネットワークデバイス101は、検出されたHARQフィードバックに基づいて、後続の送信または再送信を制御する。いくつかの実施形態において、現在のHARQメカニズムで使用される動作と同様のものは、ブロック940で実施され得る。
【0104】
図10は、HARQフィードバックの例示的な方法1000のフローチャートを示す。方法1000は、端末デバイス、例えば、
図1に示す1つの端末デバイス102によって実施されることができる。説明の便宜上、以下、
図1に示す端末デバイス102及び通信ネットワーク100を参照して方法1000を説明する。しかしながら、本開示の実施形態はそれに限定されない。
【0105】
図10に示されるように、ブロック1010で、端末デバイス102は、ネットワークデバイス101からスケジューリングメッセージを受信する。スケジューリングメッセージは、HARQフィードバックに関する情報を含み、HARQフィードバックに関する情報は、HARQフィードバック用の処理ID、および端末デバイス又は処理IDのために送信されたスケジューリングメッセージの累積数のうちの少なくとも1つを示す。
【0106】
いくつかの実施形態において、スケジューリングメッセージは、DCIの形態であってもよい。いくつかの実施形態において、スケジューリングメッセージは、方法700を参照して説明されたものと同じであってもよく、従って、方法700の関連説明もここに適用する。
【0107】
いくつかの実施形態において、HARQフィードバック用の処理IDは、HARQ PUCCH処理IDの形態であってもよく、スケジューリングメッセージの累積数は、サイクルDAIの形態であってもよい。
【0108】
いくつかの実施形態において、スケジューリングメッセージは、さらに、同じHARQフィードバックタイムスロットに関連付けられた所定の送信セット(例えば、PDSCHセット)で送信されたスケジューリングメッセージの合計数の指示(例えば、カウンタDAI)、同じHARQフィードバックタイムスロットに関連付けられた所定の送信セット(例えば、PDSCHセット)で送信されようとするスケジューリングメッセージの合計数の指示(例えば、合計DAI)、及び/又は、新しいHARQフィードバックを提供するための指示(例えば、NFI)のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0109】
ブロック1020で、端末デバイス102は、スケジューリングメッセージ(例えば、DCI)に従ってネットワークデバイス101からのデータを検出し、ブロック1030で、端末デバイス102は、HARQフィードバックに関する情報に基づいて、HARQフィードバックをネットワークデバイス101へ送信する。
【0110】
いくつかの実施形態において、HARQフィードバックに関する情報は、端末デバイス又は処理IDのために(可能性として、複数のPDSCHセットにわたって)送信されたスケジューリングメッセージ(例えば、DCI)の累積数を示すサイクリックDAIを含んでもよい。このような実施形態において、ブロック1030で、端末デバイス102は、サイクリックDAIに基づいてHARQフィードバックのために送信されたビットの合計数を決定し、決定されたビットの合計数を有するHARQフィードバックをネットワークデバイス101へ送信することができる。
【0111】
いくつかの実施形態において、HARQフィードバックに関する情報は、HARQ PUCCH処理IDを含んでもよい。このような場合に、端末デバイス102は、処理IDに関連付けられた1つ以上の以前のダウンリンクデータ送信を決定し、1つ以上の以前のダウンリンクデータ送信に対するHARQフィードバックとともに、検出されたデータに対するHARQフィードバックをネットワークデバイス101へ送信することができる。
【0112】
図11は、HARQフィードバックの別の例示的な方法1100のフローチャートを示す。方法1100は、端末デバイス、例えば、
図1に示される1つの端末デバイス102によって実施され得る。方法1100は、個別に、又は方法1000と組み合わせて実施され得ることに留意されたい。説明の便宜上、以下、
図1に示す端末デバイス102及び通信ネットワーク100を参照して方法1100を説明する。しかしながら、本開示の実施形態はそれに限定されない。
【0113】
図11に示されるように、ブロック1110で、端末デバイス102は、ネットワークデバイス101からデータを受信する。HARQメカニズムでは、端末デバイス102は、受信したデータに対してフィードバックを提供する必要がある。しかしながら、いくつかのシナリオでは、例えば、NR-U通信システムにおいて、免許不要帯域でのLBT故障に起因して、フィードバックがブロックされ、又は失敗する場合がある。従って、場合によって、端末デバイス102は、HARQフィードバックを再送信することを決定することができる。
【0114】
端末デバイス102がデータに対するフィードバックをi回目に再送信することを決定した場合に、ブロック1120で、端末デバイス102は、i番目のリソースセットグループからリソースを選択し、ここで、iは正の整数である。リソースセットグループは、1つ以上のリソースセットを含み、リソースセットは、1つ以上のフィードバックリソースを含む。
【0115】
ブロック1130で、端末デバイス102は、選択されたリソースでデータに対するフィードバックを再送信する。このようにして、端末デバイス102は、ネットワークデバイス側での不明確な問題を回避するために、ネットワークデバイス101へのHARQフィードバックのために実行された再送信の回数を暗黙的に示すことができる。
【0116】
図12は、HARQフィードバックの別の例示的な方法1200のフローチャートを示す。方法1200は、端末デバイス、例えば、
図1に示す1つの端末デバイス102によって実施され得る。方法1200は、個別に、又は方法1000及び1100のうちの1つ以上との組み合わせで実施され得ることに留意されたい。説明の便宜上、また、以下、
図1に示す端末デバイス102及び通信ネットワーク100を参照して方法1200を説明する。しかしながら、本開示の実施形態はそれに限定されない。
【0117】
図12に示されるように、ブロック1210では、端末デバイス102は、ネットワークデバイス101からHARQフィードバックのためのコーディング構成を受信する。コーディング構成は、静的HARQコードブックのための符号化のタイプを示す。いくつかの実施形態において、示されたタイプの符号化は、タイプA又はタイプBの符号化を含む。例えば、コーディング構成は、RRCシグナリング又はシステム情報を介して受信されてもよいが、これに限定されない。
【0118】
ブロック1220で、端末デバイス102は、ネットワークデバイス101からデータを受信し、ブロック1230で、端末デバイス102は、コーディング構成に基づいてデータに対するHARQフィードバックを生成する。
【0119】
例えば、ブロック1220で、端末デバイス102は、タイムスロットnでネットワークデバイス101からスケジューリングメッセージ(例えば、DCI)と共にデータを受信することができる。スケジューリングメッセージは、HARQフィードバックがタイムスロットn+kで端末デバイス102によって提供されることを示し、ここで、n及びkは両方とも負ではない整数である。
【0120】
ブロック1210でタイプAの符号化が構成される一実施形態において、端末デバイス102がタイムスロットn+kでデータに対するHARQフィードバックを送信することを決定すると、ブロック1230で、端末デバイス102は、タイムスロットnで受信したデータ送信の検出結果に依存してHARQフィードバックビットを生成する。一方、端末デバイス102がタイムスロットn+k以外のタイムスロットでデータに対するHARQフィードバックを送信することを決定すると、ブロック1230で、端末デバイス102は、データ送信用のNACKビットを生成する。
【0121】
ブロック1210でタイプBの符号化が構成されるいくつかの実施形態において、ブロック1230で、端末デバイス102は、HARQフィードバックがタイムスロットn+kで送信されるか又は別のスロットで送信されるかに関わらず、タイムスロットnで受信されたデータ送信の検出結果に依存してHARQフィードバックビットを生成する。
【0122】
ブロック1240で、端末デバイス102は、生成したHARQフィードバックをネットワークデバイス101へ送信する。
図6を参照して説明したように、タイプBの符号化では、端末デバイス102は、PDSCHのHARQフィードバックを複数回送信することができるため、冗長性を提供し、これにより、ネットワークデバイス101は、一回の送信が失敗したとしても、HARQフィードバックを回復することができる。
【0123】
上記実施形態から、UEは、スロットnで受信したPDSCHに応答し、HARQフィードバックのためにタイプA又はタイプBの符号化を使用するように構成されてもよく、UEがスロットn+k以外のスロットでPDSCH受信のHARQ-ACK情報を報告する場合、UEは、タイプAが設定されると、対応する各HARQ-ACK情報ビットの値をNACKに設定し、タイプBが構成されると、対応する各HARQ-ACK情報ビットの値をHARQ-ACK情報ビットに設定し、kの値はスロットnのPDSCHに関連付けられたDCIで示されてもよい。
【0124】
図13は、端末デバイス(例えば、
図1に示す端末デバイス102)又はネットワークデバイス(例えば、
図1に示すネットワークデバイス101)として具現化され又はそれに備えられる装置1300の簡略化ブロック図を示す。
【0125】
装置1300は、データプロセッサ(DP)などの少なくとも1つのプロセッサ1311と、プロセッサ1311に接続される少なくとも1つのメモリ(MEM)1312とを備える。装置1300は、プロセッサ1311に接続される送信機TX及び受信機RX1313をさらに備えてもよく、送信機TX及び受信機RX1313は他の装置に通信可能に接続するように動作できる。MEM1312は、プログラム及びコンピュータプログラムコード1314を格納する。少なくとも1つのメモリ1312及びコンピュータプログラムコード1314は、少なくとも1つのプロセッサ1311で装置1300を少なくとも本開示の実施形態、例えば、方法700-1200のいずれかに従って実行させるように構成されている。
【0126】
少なくとも1つのプロセッサ1311と少なくとも1つのMEM1312との組み合わせは、本開示の様々な実施形態を実施するのに構成された処理手段を形成することができる。
【0127】
本開示の様々な実施形態は、プロセッサ1311によって実行可能なコンピュータプログラム、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせによって実施されてもよい。
【0128】
MEM1312は、ローカルの技術的環境に適した任意のタイプのものでもよく、非限定的な例として、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイス及びシステム、光学メモリデバイス及びシステム、固定メモリ及びリムーバブルメモリなど、任意の適切なデータ記憶技術を使用して実施されてもよい。
【0129】
プロセッサ1311は、ローカルの技術的環境に適した任意のタイプでもよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0130】
さらに、本開示は上述のようなコンピュータプログラムを含むキャリアも提供できる。キャリアは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及び送信媒体を含む。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えば、光学コンパクトディスク、又はRAM(random access memory)、ROM(read only memory)、フラッシュメモリ、磁気テープ、CD-ROM、DVD、Blue-rayディスクなどのような電子メモリデバイスでもよい。送信媒体は、例えば、電気、光学、無線、音響、又は、搬送波、赤外線信号などの他の形態の伝搬信号を含んでもよい。
【0131】
本明細書で説明された技術は、様々な手段で実施されてもよい。そのため、実施形態で説明された対応する装置の1つ又は複数の機能を実施する装置は、従来技術の手段を備えるだけでなく、対応する装置の1つ又は複数の機能を実施するための手段を備え、別々の機能ごとに別々の手段を備えてもよいし、2つ以上の機能を実施するように設定される手段を備えてもよい。例えば、これらの技術は、ハードウェア(例えば、回路又はプロセッサ)、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせで実施されてもよい。ファームウェア又はソフトウェアの場合、本明細書で説明された機能を実行するモジュール(例えば、手順、機能など)を介して実施されてもよい。
【0132】
本明細書におけるいくつかの例示的な実施形態は、上記のように、方法及び装置のブロック図及びフローチャート図を参照して説明された。ブロック図及びフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図及びフローチャート図におけるブロックの組み合わせは、それぞれ、コンピュータプログラム命令を含む様々な手段によって実施できることが理解される。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は機械を製造するための他のプログラマブルデータ処理装置にロードされ、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置で実行される命令が、フローチャートのブロックで特定された機能を実行するための手段を形成するようにしてもよい。
【0133】
本明細書は多くの具体的な実装の詳細を含むが、これらはいかなる実施又は特許請求の範囲に対して限定するものではなく、むしろ特定の実装形態の特定の実施形態に特有の機能の説明として解釈されるべきである。本明細書において別々の実施形態の文脈で説明された特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施されることもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明された様々な特徴は、別々に又は任意の適切なサブコンビネーションで複数の実施形態で実施されることもできる。さらに、特徴が特定の組み合わせで動作するものとして上記のように説明され、当初はそのように特許請求されていても、請求された組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によって、その組み合わせから除外することができ、請求された組み合わせはサブコンビネーション又はサブコンビネーションのバリエーションに向けられてもよい。
【0134】
技術の進歩につれて、本発明の概念を様々な方法で実施できることは、当業者にとって明らかである。上記の実施形態は、本開示を限定するものではなく説明するために提供され、当業者が容易に理解するように、本開示の意図及び範囲から逸脱することなく修正及び変更することができる。そのような修正及び変更は、本開示の範囲及び添付の特許請求の範囲内に含まれると見なされる。本開示の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0135】
本開示で使用されるいくつかの略語及びそれらに対応する表現を以下にリストする。
3GPP 第3世代パートナーシッププロジェクト
LTE 長期的進化
NR 新しい無線
NR-U NR-unlicensed
LAA LTEライセンス補助アクセス
HARQ ハイブリッド自動再送要求
PUCCH 物理アップリンク制御チャネル
PUSCH 物理アップリンク共有チャネル
PDSCH 物理ダウンリンク共有チャネル
DCI ダウンリンク制御インジケータ
UCI アップリンク制御情報
ACK 肯定応答
NACK 否定応答
CCA 明確なチャネル評価
LBT リッスンビフォアトーク
COT チャネル占有時間
C-RNTI セル無線網臨時識別子