(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】移動体制御システム、連携管理装置、移動体制御装置、移動体制御方法、および移動体制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20241210BHJP
【FI】
G05D1/43
(21)【出願番号】P 2023117001
(22)【出願日】2023-07-18
【審査請求日】2023-07-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 一弥
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-047668(JP,A)
【文献】特開2022-096756(JP,A)
【文献】特開2008-096362(JP,A)
【文献】特開2010-231698(JP,A)
【文献】特開2022-124531(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0046650(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00 - 1/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律移動体が移動する施設に設けられた1つ以上の設備の現在の運用に関する情報を表す設備運用情報を、前記1つ以上の設備を管理する設備管理装置から取得する情報に基づいて更新しながら管理する管理部と、
前記管理部の管理する前記設備運用情報に基づいて、前記1つ以上の設備について
前記自律移動体から要求を受けた時点における利用可否を表す設備利用可否情報を作成する判断部と、
前記判断部の作成する前記設備利用可否情報に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する経路探索部と、
前記管理部の管理する前記設備運用情報に基づいて、前記1つ以上の設備について前記自律移動体の利用権限が無くなるまでの
現在時刻を起点とした残り時間を用いて、前記1つ以上の設備について
前記自律移動体から要求を受けた時点における利用の推奨度を算出する算出部と、
を備え、
前記経路探索部は、前記算出部の算出する推奨度を用いて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する、
移動体制御システム。
【請求項2】
前記判断部は、前記自律移動体からの要求に応じて前記設備利用可否情報を作成する、
請求項1に記載の移動体制御システム。
【請求項3】
前記判断部は、前記自律移動体の属性または仕様の少なくともいずれかの情報を含む移動体情報を受け付け、受け付けた前記移動体情報を用いて前記設備利用可否情報を作成する、
請求項1または請求項2に記載の移動体制御システム。
【請求項4】
前記1つ以上の設備のうち前記経路探索部の探索する経路上にある設備の種類に応じた動作を前記自律移動体にさせる移動体制御部
を備える、請求項1または請求項2に記載の移動体制御システム。
【請求項5】
自律移動体が移動する施設に設けられた1つ以上の設備の現在の運用に関する情報を表す設備運用情報を、前記1つ以上の設備を管理する設備管理装置から取得する情報に基づいて更新しながら管理する管理部と、
前記管理部の管理する前記設備運用情報に基づいて、前記1つ以上の設備について
前記自律移動体から要求を受けた時点における利用可否を表す設備利用可否情報を作成する判断部と、
前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する移動体制御装置に、前記判断部の作成する前記設備利用可否情報を出力する出力部と、
前記管理部の管理する前記設備運用情報に基づいて、前記1つ以上の設備について前記自律移動体の利用権限が無くなるまでの
現在時刻を起点とした残り時間を用いて、前記1つ以上の設備について
前記自律移動体から要求を受けた時点における利用の推奨度を、前記自律移動体が前記施設を移動する経路の探索に前記移動体制御装置が用いうるように算出する算出部と、
を備える、連携管理装置。
【請求項6】
自律移動体が移動する施設に設けられた1つ以上の設備の現在の運用に関する情報を表す設備運用情報を前記1つ以上の設備を管理する設備管理装置から取得する情報に基づいて更新しながら管理する連携管理装置に、前記1つ以上の設備について
前記自律移動体から要求を受けた時点における利用可否を表す設備利用可否情報を要求する送信部と、
前記送信部からの要求に応じて作成された前記設備利用可否情報を前記連携管理装置から取得する受信部と、
前記受信部の取得する前記設備利用可否情報に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する経路探索部と、
を備え、
前記経路探索部は、前記設備運用情報に基づいて前記1つ以上の設備について前記自律移動体の利用権限が無くなるまでの
現在時刻を起点とした残り時間を用いて前記連携管理装置が算出する、前記1つ以上の設備について
前記自律移動体から要求を受けた時点における利用の推奨度を用いて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する、
移動体制御装置。
【請求項7】
コンピュータが、
自律移動体が移動する施設に設けられた1つ以上の設備の現在の運用に関する情報を表す設備運用情報を、前記1つ以上の設備を管理する設備管理装置から取得する情報に基づいて更新しながら管理することと、
前記設備運用情報に基づいて、前記1つ以上の設備について
前記自律移動体から要求を受けた時点における利用可否を表す設備利用可否情報を作成することと、
前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する移動体制御装置に、作成した前記設備利用可否情報を出力することと、
前記設備運用情報に基づいて、前記1つ以上の設備について前記自律移動体の利用権限が無くなるまでの
現在時刻を起点とした残り時間を用いて、前記1つ以上の設備について
前記自律移動体から要求を受けた時点における利用の推奨度を、前記自律移動体が前記施設を移動する経路の探索に前記移動体制御装置が用いうるように算出することと、
を実行する、移動体制御方法。
【請求項8】
コンピュータに、
自律移動体が移動する施設に設けられた1つ以上の設備の現在の運用に関する情報を表す設備運用情報を、前記1つ以上の設備を管理する設備管理装置から取得する情報に基づいて更新しながら管理することと、
前記設備運用情報に基づいて、前記1つ以上の設備について
前記自律移動体から要求を受けた時点における利用可否を表す設備利用可否情報を作成することと、
前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する移動体制御装置に、作成した前記設備利用可否情報を出力することと、
前記設備運用情報に基づいて、前記1つ以上の設備について前記自律移動体の利用権限が無くなるまでの
現在時刻を起点とした残り時間を用いて、前記1つ以上の設備について
前記自律移動体から要求を受けた時点における利用の推奨度を、前記自律移動体が前記施設を移動する経路の探索に前記移動体制御装置が用いうるように算出することと、
を実行させる、移動体制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体制御システム、連携管理装置、移動体制御装置、移動体制御方法、および移動体制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、移動体制御システムの例を開示する。移動体制御システムにおいて、自律移動体は、施設において予め生成された移動経路上を移動するように制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の移動体制御システムにおいて、自律移動体の移動経路は、ポインティングデバイスを用いた操作者による入力に基づいて予め生成される。このため、施設に設けられた設備を自律移動体が利用するときに、設備の運用の状況などが変動すると、操作者による移動経路の修正作業などが必要となることがある。このとき、自律移動体が施設において効率的に稼働できない可能性がある。
【0005】
本開示は、このような課題の解決に係るものである。本開示は、自律移動体がより効率的に稼働できるように自律移動体と施設に設けられた設備との連携を管理する移動体制御システム、連携管理装置、移動体制御装置、移動体制御方法、および移動体制御プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る移動体制御システムは、自律移動体が移動する施設に設けられた1つ以上の設備の現在の運用に関する情報を表す設備運用情報を、前記1つ以上の設備を管理する設備管理装置から取得する情報に基づいて更新しながら管理する管理部と、前記管理部の管理する前記設備運用情報に基づいて、前記1つ以上の設備について前記自律移動体から要求を受けた時点における利用可否を表す設備利用可否情報を作成する判断部と、前記判断部の作成する前記設備利用可否情報に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する経路探索部と、前記管理部の管理する前記設備運用情報に基づいて、前記1つ以上の設備について前記自律移動体の利用権限が無くなるまでの現在時刻を起点とした残り時間を用いて、前記1つ以上の設備について前記自律移動体から要求を受けた時点における利用の推奨度を算出する算出部と、を備え、前記経路探索部は、前記算出部の算出する推奨度を用いて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する。
【0007】
本開示に係る連携管理装置は、自律移動体が移動する施設に設けられた1つ以上の設備の現在の運用に関する情報を表す設備運用情報を、前記1つ以上の設備を管理する設備管理装置から取得する情報に基づいて更新しながら管理する管理部と、前記管理部の管理する前記設備運用情報に基づいて、前記1つ以上の設備について前記自律移動体から要求を受けた時点における利用可否を表す設備利用可否情報を作成する判断部と、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する移動体制御装置に、前記判断部の作成する前記設備利用可否情報を出力する出力部と、前記管理部の管理する前記設備運用情報に基づいて、前記1つ以上の設備について前記自律移動体の利用権限が無くなるまでの現在時刻を起点とした残り時間を用いて、前記1つ以上の設備について前記自律移動体から要求を受けた時点における利用の推奨度を、前記自律移動体が前記施設を移動する経路の探索に前記移動体制御装置が用いうるように算出する算出部と、を備える。
【0008】
本開示に係る移動体制御装置は、自律移動体が移動する施設に設けられた1つ以上の設備の現在の運用に関する情報を表す設備運用情報を前記1つ以上の設備を管理する設備管理装置から取得する情報に基づいて更新しながら管理する連携管理装置に、前記1つ以上の設備について前記自律移動体から要求を受けた時点における利用可否を表す設備利用可否情報を要求する送信部と、前記送信部からの要求に応じて作成された前記設備利用可否情報を前記連携管理装置から取得する受信部と、前記受信部の取得する前記設備利用可否情報に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する経路探索部と、を備え、前記経路探索部は、前記設備運用情報に基づいて前記1つ以上の設備について前記自律移動体の利用権限が無くなるまでの現在時刻を起点とした残り時間を用いて前記連携管理装置が算出する、前記1つ以上の設備について前記自律移動体から要求を受けた時点における利用の推奨度を用いて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する。
【0009】
本開示に係る移動体制御方法は、コンピュータが、自律移動体が移動する施設に設けられた1つ以上の設備の現在の運用に関する情報を表す設備運用情報を、前記1つ以上の設備を管理する設備管理装置から取得する情報に基づいて更新しながら管理することと、前記設備運用情報に基づいて、前記1つ以上の設備について前記自律移動体から要求を受けた時点における利用可否を表す設備利用可否情報を作成することと、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する移動体制御装置に、作成した前記設備利用可否情報を出力することと、前記設備運用情報に基づいて、前記1つ以上の設備について前記自律移動体の利用権限が無くなるまでの現在時刻を起点とした残り時間を用いて、前記1つ以上の設備について前記自律移動体から要求を受けた時点における利用の推奨度を、前記自律移動体が前記施設を移動する経路の探索に前記移動体制御装置が用いうるように算出することと、を実行する方法である。
【0010】
本開示に係る移動体制御プログラムは、コンピュータに、自律移動体が移動する施設に設けられた1つ以上の設備の現在の運用に関する情報を表す設備運用情報を、前記1つ以上の設備を管理する設備管理装置から取得する情報に基づいて更新しながら管理することと、前記設備運用情報に基づいて、前記1つ以上の設備について前記自律移動体から要求を受けた時点における利用可否を表す設備利用可否情報を作成することと、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する移動体制御装置に、作成した前記設備利用可否情報を出力することと、前記設備運用情報に基づいて、前記1つ以上の設備について前記自律移動体の利用権限が無くなるまでの現在時刻を起点とした残り時間を用いて、前記1つ以上の設備について前記自律移動体から要求を受けた時点における利用の推奨度を、前記自律移動体が前記施設を移動する経路の探索に前記移動体制御装置が用いうるように算出することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示に係る移動体制御システム、連携管理装置、移動体制御装置、移動体制御方法、または移動体制御プログラムによれば、自律移動体がより効率的に稼働できるように自律移動体と施設に設けられた設備との連携が管理される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態1に係る移動体制御システムの構成図である。
【
図2A】実施の形態1に係る第1記憶部が記憶する移動体情報の例を示す表である。
【
図2B】実施の形態1に係る第2記憶部が記憶する設備種別情報の例を示す表である。
【
図2C】実施の形態1に係る第2記憶部が記憶する設備運用情報の例を示す表である。
【
図2D】実施の形態1に係る第2記憶部が記憶する設備運用情報の例を示す表である。
【
図2E】実施の形態1に係る第2記憶部が記憶する設備運用情報の例を示す表である。
【
図2F】実施の形態1に係る第2記憶部が記憶する設備権限情報の例を示す表である。
【
図3A】実施の形態1に係る経路探索部による経路探索の例を示す図である。
【
図3B】実施の形態1に係る経路探索部による経路探索の例を示す図である。
【
図4】実施の形態1に係る移動体制御システムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図5A】実施の形態1に係る移動体制御システムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図5B】実施の形態1に係る移動体制御システムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図5C】実施の形態1に係る移動体制御システムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図5D】実施の形態1に係る移動体制御システムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図6】実施の形態1に係る移動体制御システムの主要部のハードウェア構成図である。
【
図7】実施の形態2に係る移動体制御システムの構成図である。
【
図8】実施の形態2に係る算出部による推奨度の算出の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の対象を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。なお、本開示の対象は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態の任意の構成要素の変形、または実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0014】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る移動体制御システム1の構成図である。
【0015】
移動体制御システム1は、施設に適用される。施設は、例えば、屋内施設もしくは屋外施設、またはこれらを複合した施設などである。施設は、例えば、1つまたは複数の建物などからなる。施設は、例えば、建物などの一部であってもよい。施設において、自律移動体2が稼働する。自律移動体2は、施設において自律的に移動する、ロボット、ドローン、またはその他の移動可能な機器である。移動体制御システム1は、自律移動体2の施設における移動などを制御するシステムである。
【0016】
移動体制御システム1が適用される施設において、1つ以上の設備3が設けられる。この例の施設において、複数の設備3が設けられる。設備3は、例えば、エレベーター、ゲート、扉、および照度センサなどを含む。設備3は、例えば、照明機器、空調機器、またはその他の機器を含んでもよい。施設における各々の設備3は、設備管理装置4によって管理される。設備管理装置4は、例えば、各設備3の動作の制御、および各設備3が取得する情報の収集などを行う装置である。設備管理装置4は、例えば1つまたは複数のサーバコンピュータなどによって構成される。設備管理装置4の一部または全部は、施設に設けられていてもよいし、施設外に設けられていてもよい。設備管理装置4の一部または全部の機能は、クラウドサービス上の処理または記憶のリソースなどによって実装されていてもよい。
【0017】
移動体制御システム1は、移動体制御装置5と、連携管理装置6と、を備える。移動体制御装置5は、自律移動体2の施設における移動などの制御に係る情報処理などを行う装置である。移動体制御装置5は、例えば1つまたは複数のサーバコンピュータなどによって構成される。移動体制御装置5の一部または全部の機能は、クラウドサービス上の処理または記憶のリソースなどによって実装されていてもよい。連携管理装置6は、自律移動体2と施設に設けられた設備3との連携の管理に係る情報処理などを行う装置である。連携管理装置6は、例えば1つまたは複数のサーバコンピュータなどによって構成される。連携管理装置6の一部または全部は、施設に設けられていてもよいし、施設外に設けられていてもよい。連携管理装置6の一部または全部の機能は、クラウドサービス上の処理または記憶のリソースなどによって実装されていてもよい。連携管理装置6は、例えば、設備3および自律移動体2が連携しうるように、設備管理装置4と移動体制御装置5との間を取り持つ中継装置の機能を担う。移動体制御装置5および連携管理装置6などの移動体制御システム1を構成する装置は、例えばインターネットまたは電話回線網などの通信ネットワーク7を通じて互いに通信可能に構成される。
【0018】
移動体制御装置5は、第1記憶部8と、第1送信部9と、第1受信部10と、経路探索部11と、移動体制御部12と、を備える。
【0019】
第1記憶部8は、情報を記憶する機能を搭載する部分である。第1記憶部8は、単一のハードウェアによって構成されていてもよいし、複数のハードウェアによって構成されていてもよい。複数のハードウェアによって構成される第1記憶部8は、例えば、ハードウェアごとに異なる種類の情報を記憶していてもよい。第1記憶部8は、例えば、地図情報、経路情報、および移動体情報などを記憶する。地図情報は、例えば、施設において自律移動体2が通行しうる通路などの空間の配置の情報、および施設に設けられる1つ以上の設備3の各々の配置の情報などを含む。経路情報は、例えば、自律移動体2が施設においてこれから移動する移動経路の情報などを含む。施設において移動体制御装置5に制御される自律移動体2が複数ある場合に、第1記憶部8は、自律移動体2ごとに経路情報を記憶してもよい。移動体情報は、個々の自律移動体2についての情報を表す。移動体情報は、例えば、自律移動体2の属性または仕様の少なくともいずれかを含む。
【0020】
第1送信部9は、通信ネットワーク7を通じて移動体制御装置5の外部への情報の送信などの処理を行う機能を搭載する部分である。第1受信部10は、通信ネットワーク7を通じて移動体制御装置5の外部からの情報の受信などの処理を行う機能を搭載する部分である。第1送信部9および第1受信部10は、互いに独立な別個の部分であってもよいし、一体に構成されていてもよい。
【0021】
経路探索部11は、自律移動体2が施設を移動する経路を探索する機能を搭載する部分である。経路探索部11は、例えば、第1記憶部8に記憶された地図情報を用いて自律移動体2の移動経路を探索する。経路探索部11は、例えば、探索した経路を経路情報として第1記憶部8に記憶させる。経路探索部11は、同一の自律移動体2に対して経路の探索を複数回行ってもよい。このとき、経路探索部11は、探索したうちの最新の経路を経路情報として第1記憶部8に更新して記憶させる。経路探索部11が探索する経路は、自律移動体2が移動の際にどの設備3を利用するかの情報を含む。
【0022】
移動体制御部12は、経路探索部11が探索した経路に沿って自律移動体2が移動するように、自律移動体2の移動を制御する機能を搭載する部分である。移動体制御部12は、例えば経路探索部11が探索した経路の情報を経路探索部11から直接取得して、または、第1記憶部8の経路情報から読み出して、経路に沿った移動の指令を自律移動体2に出力する。移動体制御部12による自律移動体2への指令の出力は、第1送信部9を介して行われるものであってもよいし、その他の通信方法によって行われてもよい。
【0023】
連携管理装置6は、第2記憶部13と、第2送信部14と、第2受信部15と、管理部16と、判断部17と、を備える。
【0024】
第2記憶部13は、情報を記憶する機能を搭載する部分である。第2記憶部13は、単一のハードウェアによって構成されていてもよいし、複数のハードウェアによって構成されていてもよい。複数のハードウェアによって構成される第2記憶部13は、例えば、ハードウェアごとに異なる種類の情報を記憶していてもよい。第2記憶部13は、例えば、設備運用情報、設備利用可否情報、設備種別情報、および設備権限情報などを記憶する。設備運用情報は、各々の設備3の現在の運用に関する情報である。設備利用可否情報は、各々の設備3について自律移動体2の利用可否を表す情報である。施設において複数の自律移動体2が稼働している場合に、設備利用可否情報は、自律移動体2ごとの利用可否の情報を表すものであってもよい。設備種別情報は、設備3の種別についての情報を表す。設備3の種別は、例えば、ゲート、扉、エレベーター、または照度センサなどを含む。設備3の種別は、人である施設の利用者または移動体の通行を管理するアクセス管理機器を含んでもよい。アクセス管理機器は、ゲートおよび扉などを含む。設備権限情報は、各々の設備3の利用権限などを表す情報である。設備権限情報は、各々の設備3について、各々の自律移動体2が利用する権限を持っているか否かの情報を含む。各々の設備3の利用権限は、曜日または平日か休日かなどの各日の性質、または時間帯などによって変わるものであってもよい。
【0025】
第2送信部14は、通信ネットワーク7を通じて連携管理装置6の外部への情報の送信などの処理を行う機能を搭載する部分である。第2受信部15は、通信ネットワーク7を通じて連携管理装置6の外部からの情報の受信などの処理を行う機能を搭載する部分である。第2送信部14および第2受信部15は、互いに独立な別個の部分であってもよいし、一体に構成されていてもよい。
【0026】
管理部16は、設備運用情報の管理を行う機能を搭載する部分である。管理部16は、各々の設備3の運用状況を設備管理装置4から取得する。管理部16は、設備管理装置4から取得する情報に基づいて、設備運用情報を更新しながら管理する。この例において、管理部16は、各々の設備3の運用状況をリアルタイムに反映するように設備運用情報を更新しながら管理する。ここで、管理部16による設備運用情報への設備3の運用状況のリアルタイムな反映において、自律移動体2と設備3との連携に実質的な影響がない程度のタイムラグがあってもよい。管理部16は、管理している設備運用情報を例えば第2記憶部13に記憶させる。
【0027】
設備3の運用の情報は、施設において時間が経過するごとに変化しうる設備3の稼働の状況などを含む。設備3の運用の情報は、例えば、設備3の利用状況、および設備3の設定状況の情報を含む。設備3の利用状況は、施設の利用者が設備3をどのように利用しているかなどの情報を表す。設備3の利用状況は、例えば、ゲートまたは扉などのアクセス管理機器における利用者の通行状況、エレベーターにおける利用者の乗車状況などを含む。設備3の利用状況は、施設の利用者が設備3を過去にどのように利用したかなどの履歴の情報を含んでもよい。設備3の利用状況は、施設の利用者が設備3を将来にどのように利用するかなどの予測の情報を含んでもよい。ここで、予測の情報は、例えば、履歴の情報に基づいて推定されてもよい。設備3の設定状況は、施設の管理者などが利用者に設備3をどのように利用させるかなどの設定の情報を表す。設備3の設定状況は、例えば、アクセス管理機器における通行可否、またはエレベーターにおける乗降可否などのセキュリティに関する権限の設定などを含む。設備3の設定状況は、例えば、当該設備3が稼働中か否か、または利用可能な動作モードで稼働しているかどうか、などの情報を含んでもよい。設備3の運用の情報は、設備3の稼働環境を表す環境情報を含んでもよい。設備3の環境情報は、例えば、照度センサにおける照度の計測値などを含む。
【0028】
判断部17は、設備利用可否情報を作成する機能を搭載する部分である。判断部17は、管理部16の管理する設備運用情報に基づいて、設備利用可否情報の作成を行う。判断部17は、例えば、自律移動体2から要求を受けるときに、当該要求に応じて、設備利用可否情報を作成して当該自律移動体2に返送する。自律移動体2からの設備利用可否情報の要求は、当該自律移動体2または当該自律移動体2を制御する移動体制御装置5などから送信される。判断部17は、要求を受けた自律移動体2が利用しうる時点における利用可否を表すように、設備利用可否情報を作成する。判断部17は、例えば、自律移動体2から要求を受けた時点を、当該自律移動体2が各設備3を利用しうる時点として設備利用可否情報を作成してもよい。
【0029】
続いて、
図2を用いて、移動体制御システム1において用いられる各種データの例を説明する。
図2Aは、実施の形態1に係る第1記憶部8が記憶する移動体情報の例を示す表である。
図2Bは、実施の形態1に係る第2記憶部13が記憶する設備種別情報の例を示す表である。
図2Cから
図2Eは、実施の形態1に係る第2記憶部13が記憶する設備運用情報の例を示す表である。
図2Fは、実施の形態1に係る第2記憶部13が記憶する設備権限情報の例を示す表である。
【0030】
図2Aに示されるように、移動体情報は、移動体制御装置5が制御を行う各々の自律移動体2についての情報を含む。移動体情報は、自律移動体2ごとに付与される固有の識別情報である移動体ID(IDentifier)に対応づけられる。この例において、移動体情報は、自律移動体2の属性の情報として、自律移動体2の用途の情報を含む。自律移動体2の用途の情報は、例えば「警備」または「清掃」などである。この例において、移動体情報は、自律移動体2の仕様の情報として、自律移動体2の幅、高さ、および奥行きなどのサイズの情報、ならびに重量の情報などを含む。移動体情報は、自律移動体2が現在いる現在階床および自律移動体2の目的地がある目的階床の情報を含んでもよい。例えば自律移動体2に目的地が設定されていないときなどに、目的階床に「null」値が格納されていてもよい。移動体情報は、自律移動体2が現在いる位置を表す現在座標および自律移動体2の目的地の位置を表す目的座標の情報を含んでもよい。例えば自律移動体2に目的地が設定されていないときなどに、目的座標に「null」値が格納されていてもよい。
【0031】
図2Bに示されるように、設備種別情報は、施設に設けられうる設備3の種別の情報を含む。設備種別情報は、設備3の種別ごとに付与される固有の識別情報である種別IDに対応づけられる。設備3の種別の情報は、例えば「ゲート」、「扉」、「エレベーター」、または「照度センサ」などである。
【0032】
図2Cは、ゲートまたは扉などのアクセス管理機器である設備3についての設備運用情報の例を示す。設備運用情報は、施設に設けられた各々の設備3の現在の運用に関する情報を含む。設備運用情報は、各設備3ごとに付与される固有の識別情報である設備IDに対応づけられる。設備運用情報は、各々の設備3の種別の情報として、種別IDの情報を含む。移動体制御システム1において、例えば種別IDをキーとして設備種別情報を参照することで、個々の設備3の種別の情報が取得される。この例において、設備運用情報は、各々の設備3の配置の情報として、設置階および設置座標の情報を含む。設備運用情報は、各々の設備3について、自律移動体2による利用を受け付けているか否かを表す利用受付可否の情報を含む。設備3の利用受付可否が「否」の場合に、自律移動体2の属性、仕様、および権限などに依らずに、どの自律移動体2も当該設備3を利用できない。一方、設備3の利用受付可否が「可」の場合に、自律移動体2の属性、仕様、および権限などに応じて、各自律移動体2の利用可否が判断される。利用受付可否は、設備3の利用状況または設定状況などに応じて、例えば設備管理装置4などによって設定される。
【0033】
自律移動体2は、例えば、アクセス管理機器が設けられた場所を通行することによって、当該アクセス管理機器を設備3として利用する。アクセス管理機器である設備3について、設備運用情報は、設備3の仕様の情報として、設備3の幅、高さ、および奥行きなどのサイズの情報などを含む。アクセス管理機器である設備3について、例えば奥行きに関わらず自律移動体2が通行可能な場合などに、設備3の奥行きに「null」値が格納されていてもよい。アクセス管理機器である設備3について、設備運用情報は、要求要否の情報を含む。要求要否は、設備3が設けられた場所を通行する際に通行の要求などを必要とするか否かの情報を表す。要求要否が「要」の場合に、利用者または移動体などは、通行の要求を設備3に行った上で、当該要求が当該設備3などに承認されるときに設備3が設けられた場所の通行が可能になる。要求要否が「不要」の場合に、利用者または移動体などは、設備3への通行の要求を必要とせずに設備3が設けられた場所を通行できる。要求要否は、設備3の利用状況または設定状況などに応じて、例えば設備管理装置4などによって設定される。
【0034】
図2Dは、エレベーターである設備3についての設備運用情報の例を示す。自律移動体2は、例えば、エレベーターに乗車して施設の複数の階床の間を移動することによって、当該エレベーターを設備3として利用する。エレベーターである設備3について、設備運用情報は、設備3の仕様の情報として、例えばエレベーターのかごの幅、高さ、および奥行きなどのサイズの情報、ならびに耐荷重の情報などを含む。サイズの情報は、かごの内部に進入する際に通行するかごドアのサイズの情報を含んでもよい。エレベーターである設備3について、設備運用情報は、要求要否の情報を含む。エレベーターである設備3について、設備運用情報は、エレベーターが設置されている階床である設置階の情報を含む。エレベーターである設備3について、設備運用情報は、停止階の情報を含む。停止階の情報は、例えば、エレベーターのかごに現在登録されている呼びによって停止する予定の階床を表す情報である。停止階は、設備3の利用状況または設定状況などに応じて、例えば設備管理装置4などによって設定される。エレベーターである設備3について、設備運用情報は、例えば、設置階のうち、エレベーターのかごが停止できる階床を表す停止可能階の情報を含んでもよい。
【0035】
図2Eは、照度センサである設備3についての設備運用情報の例を示す。自律移動体2は、例えば、照度センサによる計測値を取得することによって、当該照度センサを設備3として利用する。照度センサである設備3について、設備運用情報は、当該照度センサによる照度の計測値の情報を含む。
【0036】
図2Fに示されるように、設備権限情報は、各々の設備3について、各々の自律移動体2が利用する権限を持っているか否かの情報を含む。設備権限情報は、設備IDおよび移動体IDの組に対応づけられる。この例において、設備権限情報は、平日の利用可能時間と、休日の利用可能時間と、の情報を含む。設備権限情報は、曜日ごとに利用可能時間の情報をもっていてもよい。設備権限情報は、条件付き利用可などの情報を含んでいてもよい。例えば、設備権限情報は、平日の昼間においては要求不要で利用可能、休日の昼間においては要求を必要とする条件付きで利用可能、夜間においては利用不可、などのように設定されていてもよい。設備権限情報は、例えば、アクセス管理機器である設備3について設定される。
【0037】
判断部17は、
図2の各表に示されるデータを用いて、例えば、次のように設備利用可否情報を作成する。ここで、平日の14:00に移動体ID「0002」の自律移動体2を対象として設備利用可否情報を作成する場合を例とする。判断部17は、例えば利用可能な設備3のリストを設備利用可否情報として作成する。判断部17は、利用受付可否が「否」の設備3「s00003」、「s00004」、および「e00002」を当該リストから除外する。判断部17は、設備権限情報を参照することで、現時点で対象の自律移動体2が各設備3を利用可能かを判定する。判断部17は、移動体情報および設備3の仕様などの情報を照合することで、対象の自律移動体2が各設備3を利用可能かを判定する。この例において、判断部17は、設備3「s00001」、「s00002」、「s00005」、「e00001」、「b00001」、および「b00002」を、対象の自律移動体2が利用可能な設備3のリストに加える。判断部17は、作成した設備3のリストを、例えば第2送信部14を通じて移動体制御装置5に出力する。
【0038】
移動体制御装置5の経路探索部11は、例えば第1受信部10を通じて、連携管理装置6の判断部17から出力される設備利用可否情報を取得する。経路探索部11は、設備利用可否情報を用いて、自律移動体2が施設を移動する経路を探索する。
【0039】
続いて、
図3を用いて、設備利用可否情報に基づく経路探索の例を説明する。
図3Aおよび
図3Bは、実施の形態1に係る経路探索部11による経路探索の例を示す図である。
【0040】
図3Aにおいて、自律移動体2の現在地から目的地までの間に複数の扉が設けられているときの経路探索の例を説明する。この例において、自律移動体2の現在地から目的地までの経路として、扉Aを通行する経路、扉Bを通行する経路、または扉Cを通行する経路が存在する。現在地から扉Aまでの距離は、現在地から扉Bまでの距離および現在地から扉Cまでの距離より長い。現在地から扉Bまでの距離は、現在地から扉Cまでの距離と同程度である。ここで、経路探索部11は、例えば地図情報などに基づいて、現在地から各設備3までの距離を算出する。経路探索部11は、例えば、設備利用可否情報として、扉Aおよび扉Cの設備IDを含む利用可能な設備3のリストを取得している。このとき、経路探索部11は、自律移動体2の現在地から近く、設備利用可否情報に基づいて利用可能な設備3を利用する経路を優先的に選択する。この例において、経路探索部11は、扉Cを利用する経路を自律移動体2の経路として探索する。なお、経路探索部11は、利用候補となる設備3のうち当該設備3を利用した経路に沿った移動経路が短くなる設備3を優先的に選択して自律移動体2の経路を探索してもよい。
【0041】
図3Bにおいて、自律移動体2の現在地から目的地までの間に複数の照度センサが設けられているときの経路探索の例を説明する。この例において、自律移動体2の現在地から目的地までの経路として、照度センサDが設けられた場所を通行する経路、または照度センサEが設けられた場所を通行する経路が存在する。現在地から照度センサDまでの距離は、現在地から照度センサEまでの距離と同程度である。経路探索部11は、例えば、設備利用可否情報として、照度センサDおよび照度センサEの設備IDを含む利用可能な設備3のリストを取得している。この例において、自律移動体2には、必要照度が60lxに設定されている。必要照度は、例えば、自律移動体2の移動または用途別の動作などに必要な照度として予め設定された値である。照度センサDは、照度150lxを計測している。照度センサEは、照度40lxを計測している。このとき、照度センサは、自律移動体2の現在地から近く、必要照度より高い照度値を計測している照度センサが設けられた場所を通行する経路を優先的に選択する。この例において、経路探索部11は、照度センサDが設けられた場所を通行する経路を自律移動体2の経路として探索する。照度センサは、自律移動体2の現在地から近く、より高い照度値を計測している照度センサが設けられた場所を通行する経路を優先的に選択してもよい。
【0042】
その後、移動体制御部12は、経路探索部11が探索した経路に沿って自律移動体2を移動させるように制御する、この際、移動体制御部12は、経路上にある設備3の種類に応じた動作をさせるように、指令を自律移動体2に出力する。移動体制御装置5は、設備3の種類および運用情報に応じて、当該設備3との通信を行う。例えば、移動体制御装置5は、設備3の種別および要求要否によって、当該設備3への制御要求の送信の有無および通信シーケンスを変えて通信する。例えば、移動体制御部12は、要求要否が「要」のゲートまたは扉である設備3を利用するときに、解錠要求、通行開始、および通行完了の順の通信シーケンスを当該設備3と通信することで、自律移動体2に当該設備3を通行させる。例えば、移動体制御部12は、要求要否が「不要」のゲートまたは扉である設備3を利用するときに、解錠要求の通信シーケンスを当該設備3と通信することなく、自律移動体2に当該設備3を通行させる。例えば、移動体制御部12は、要求要否が「要」のエレベーターである設備3を利用するときに、呼び登録、乗車開始、乗車完了、降車開始、および降車完了の順の通信シーケンスを当該設備3と通信することで、自律移動体2に当該設備3を利用させる。
【0043】
続いて、
図4および
図5を用いて、移動体制御システム1の動作の例を説明する。
図4および
図5は、実施の形態1に係る移動体制御システム1の動作の例を示すフローチャートである。
【0044】
図4において、移動体制御システム1の自律移動体2の施設における移動の際の設備3との連携に関する処理の例が示される。
【0045】
ステップS1において、連携管理装置6の管理部16は、設備管理装置4から施設における各々の設備3の運用に関する情報を取得する。管理部16は、例えば、予め設定された定期的または非定期的なタイミングで運用の情報を取得する。管理部16は、収集した情報に基づいて、設備運用情報の更新などの管理を行う。管理部16は、運用の情報が変化したタイミングで設備管理装置4から送信される情報などに基づいて設備運用情報の更新などの管理を行ってもよい。その後、移動体制御システム1の動作は、ステップS2に進む。
【0046】
ステップS2において、移動体制御装置5の移動体制御部12は、第1送信部9を通じて、いずれかの自律移動体2からの要求として連携管理装置6に設備利用可否情報を要求する。移動体制御装置5は、例えば、予め設定された定期的または非定期的なタイミングで要求を送信する。このとき、移動体制御部12は、例えば、各々の自律移動体2の移動体情報、ならびに現在地および目的地の情報をあわせて送信してもよい。現在地および目的地の情報は、例えば施設における座標および階床の情報を含んでいてもよい。その後、移動体制御システム1の動作は、ステップS3に進む。
【0047】
ステップS3において、連携管理装置6の判断部17は、第1受信部10を通じて、設備利用可否情報の要求を受け付ける。判断部17は、受け付けた自律移動体2からの要求に応じて、利用可否情報を作成する。設備利用可否情報の作成において、判断部17は、例えば要求とともに受け付けた移動体情報と設備運用情報との照合を行うことなどによって、各々の自律移動体2についての各設備3の利用可否を判断する。その後、移動体制御システム1の動作は、ステップS4に進む。
【0048】
ステップS4において、連携管理装置6の判断部17は、作成した設備利用可否情報を、第2送信部14を通じて移動体制御装置5に送信する。判断部17は、設備運用情報をあわせて移動体制御装置5に送信してもよい。その後、移動体制御システム1の動作は、ステップS5に進む。
【0049】
ステップS5において、移動体制御装置5の経路探索部11は、第1受信部10を通じて、設備利用可否情報を取得する。その後、移動体制御システム1の動作は、ステップS6に進む。
【0050】
ステップS6において、経路探索部11は、第1記憶部8から地図情報を読み込む。その後、移動体制御システム1の動作は、ステップS7に進む。
【0051】
ステップS7において、経路探索部11は、設備利用可否情報および地図情報に基づいて、自律移動体2の施設における移動の経路を探索する。経路探索の際に、経路探索部11は、連携管理装置6から取得した設備運用情報、移動体情報、その他の情報を用いてもよい。その後、移動体制御システム1の動作は、ステップS8に進む。
【0052】
ステップS8において、移動体制御部12は、経路探索部11が探索した経路に沿って移動するように指令信号を自律移動体2に出力する。移動体制御部12は、経路上にある設備3の種類に応じた動作をさせるように、指令を自律移動体2に出力する。移動体制御装置5は、設備3の種類および運用情報に応じて、当該設備3との通信を行う。その後、移動体制御システム1の動作は、終了する。
【0053】
図5Aにおいて、判断部17における設備利用可否情報の作成に係る処理の例が示される。
図5Aの処理は、
図4のステップS3における処理の例である。
図5Bにおいて、アクセス管理機器である設備3に関する処理の例が示される。
図5Cにおいて、エレベーターである設備3に関する処理の例が示される。
図5Dにおいて、自律移動体2の仕様に関する処理の例が示される。
図5の処理は、例えば、設備利用可否情報を要求した自律移動体2について行われる。
【0054】
図5AのステップS301からステップS320までにおいて、判断部17は、施設に設けられた設備3の総数に相当する回数のループに入って、ステップS302からステップS319までの処理を繰り返す。判断部17は、ループ前の初期化処理として、利用可能な設備3のリストを空リストに設定する。判断部17は、ループ内の各回の処理において、施設に設けられた設備3のうちの未処理のものについて処理を行う。ステップS301において、判断部17は、施設に設けられた設備3のうち、未処理の設備3を1つ選択する。その後、判断部17の動作は、ステップS302に進む。
【0055】
ステップS302において、判断部17は、設備運用情報に基づいて、選択した設備3の利用受付可否が「可」であるかを判定する。利用受付可否が「可」である場合に、判断部17の動作は、ステップS303に進む。一方、利用受付可否が「否」である場合に、判断部17の動作は、ステップS320に進む。
【0056】
ステップS303において、判断部17は、設備運用情報および設備種別情報に基づいて、選択した設備3の種別が「ゲート」であるかを判定する。種別が「ゲート」でない場合に、判断部17の動作は、ステップS304に進む。一方、種別が「ゲート」である場合に、判断部17の動作は、
図5BのステップS307に進む。
【0057】
ステップS304において、判断部17は、設備運用情報および設備種別情報に基づいて、選択した設備3の種別が「扉」であるかを判定する。種別が「扉」でない場合に、判断部17の動作は、ステップS305に進む。一方、種別が「扉」である場合に、判断部17の動作は、
図5BのステップS307に進む。
【0058】
ステップS305において、判断部17は、設備運用情報および設備種別情報に基づいて、選択した設備3の種別が「エレベーター」であるかを判定する。種別が「エレベーター」でない場合に、判断部17の動作は、ステップS306に進む。一方、種別が「エレベーター」である場合に、判断部17の動作は、
図5CのステップS313に進む。
【0059】
ステップS306において、判断部17は、設備運用情報および設備種別情報に基づいて、選択した設備3の種別が「照度センサ」であるかを判定する。種別が「照度センサ」でない場合に、判断部17は、選択した設備3は自律移動体2が利用できる種別の設備3ではないと判断してもよい。その後、判断部17の動作は、ステップS320に進む。一方、種別が「照度センサ」である場合に、判断部17の動作は、ステップS319に進む。
【0060】
図5BのステップS307において、判断部17は、設備運用情報に基づいて、選択した設備3の要求要否が「要」であるかを判定する。要求要否が「要」である場合に、判断部17の動作は、ステップS308に進む。一方、要求要否が「要」でない場合に、判断部17の動作は、
図5DのステップS315に進む。
【0061】
ステップS308において、判断部17は、現在が平日であるかを判定する。現在が平日である場合に、判断部17の動作は、ステップS309に進む。一方、現在が平日でない場合に、判断部17の動作は、ステップS311に進む。
【0062】
ステップS309において、判断部17は、設備権限情報に基づいて、選択した設備3について、自律移動体2の平日の利用権限が「終日利用可」であるかを判定する。平日の利用権限が「終日利用可」である場合に、判断部17の動作は、
図5DのステップS315に進む。一方、平日の利用権限が「終日利用可」でない場合に、判断部17の動作は、ステップS310に進む。
【0063】
ステップS310において、判断部17は、設備権限情報に基づいて、現在の時刻が選択した設備3を自律移動体2が利用可能な時間内であるかを判定する。なお、選択した設備3について、自律移動体2の平日の利用権限が「終日利用不可」である場合に、判断部17は、現在が利用可能な時間内でないと判定してもよい。現在が利用可能な時間内である場合に、判断部17の動作は、
図5DのステップS315に進む。一方、現在が利用可能な時間内でない場合に、判断部17の動作は、
図5AのステップS320に進む。
【0064】
ステップS311において、判断部17は、設備権限情報に基づいて、選択した設備3について、自律移動体2の休日の利用権限が「終日利用可」であるかを判定する。休日の利用権限が「終日利用可」である場合に、判断部17の動作は、
図5DのステップS315に進む。一方、休日の利用権限が「終日利用可」でない場合に、判断部17の動作は、ステップS312に進む。
【0065】
ステップS312において、判断部17は、設備権限情報に基づいて、現在の時刻が選択した設備3を自律移動体2が利用可能な時間内であるかを判定する。なお、選択した設備3について、自律移動体2の休日の利用権限が「終日利用不可」である場合に、判断部17は、現在が利用可能な時間内でないと判定してもよい。現在が利用可能な時間内である場合に、判断部17の動作は、
図5DのステップS315に進む。一方、現在が利用可能な時間内でない場合に、判断部17の動作は、
図5AのステップS320に進む。
【0066】
図5CのステップS313において、判断部17は、設備運用情報および移動体情報に基づいて、エレベーターである選択された設備3の停止階に自律移動体2の現在階床が含まれているかを判定する。停止階に現在階床が含まれている場合に、判断部17の動作は、ステップS314に進む。一方、停止階に現在階床が含まれていない場合に、判断部17の動作は、
図5AのステップS320に進む。
【0067】
ステップS314において、判断部17は、設備運用情報および移動体情報に基づいて、エレベーターである選択された設備3の停止階に自律移動体2の目的階床が含まれているかを判定する。このとき、判断部17は、自律移動体2の現在階床より先に停止する停止階を除外して判定を行ってもよい。停止階に目的階床が含まれている場合に、判断部17の動作は、
図5DのステップS315に進む。一方、停止階に目的階床が含まれていない場合に、判断部17の動作は、
図5AのステップS320に進む。
【0068】
図5DのステップS315において、判断部17は、設備運用情報および移動体情報に基づいて、移動体の幅が選択された設備3の幅より小さいかを判定する。なお、設備3の幅が「null」値である場合などに、判断部17は、移動体の幅が選択された設備3の幅より小さいと判定してもよい。移動体の幅が選択された設備3の幅より小さい場合に、判断部17の動作は、ステップS316に進む。一方、移動体の幅が選択された設備3の幅より小さくない場合に、判断部17の動作は、
図5AのステップS320に進む。
【0069】
ステップS316において、判断部17は、設備運用情報および移動体情報に基づいて、移動体の高さが選択された設備3の高さより低いかを判定する。なお、設備3の高さが「null」値である場合などに、判断部17は、移動体の高さが選択された設備3の高さより低いと判定してもよい。移動体の高さが選択された設備3の高さより低い場合に、判断部17の動作は、ステップS317に進む。一方、移動体の高さが選択された設備3の高さより低くない場合に、判断部17の動作は、
図5AのステップS320に進む。
【0070】
ステップS317において、判断部17は、設備運用情報および移動体情報に基づいて、移動体の奥行きが選択された設備3の奥行きより小さいかを判定する。なお、設備3の奥行きが「null」値である場合などに、判断部17は、移動体の奥行きが選択された設備3の奥行きより小さいと判定してもよい。移動体の奥行きが選択された設備3の奥行きより小さい場合に、判断部17の動作は、ステップS317に進む。一方、移動体の奥行きが選択された設備3の奥行きより小さくない場合に、判断部17の動作は、
図5AのステップS320に進む。
【0071】
ステップS318において、判断部17は、設備運用情報および移動体情報に基づいて、移動体の重量が選択された設備3の耐荷重より軽いかを判定する。なお、設備3の耐荷重が「null」値である場合などに、判断部17は、移動体の幅が選択された設備3の耐荷重より軽いと判定してもよい。移動体の重量が選択された設備3の耐荷重より軽い場合に、判断部17の動作は、
図5AのステップS319に進む。一方、移動体の重量が選択された設備3の耐荷重より軽くない場合に、判断部17の動作は、
図5AのステップS320に進む。
【0072】
図5AのステップS319において、判断部17は、選択した設備3の設備IDを、利用可能な設備3のリストに追加する。その後、判断部17の動作は、ステップS320に進む。
【0073】
ステップS320において、判断部17は、選択した設備3についての処理を終了する。判断部17は、施設に設けられた他の設備3のうち、未処理の設備3を1つ選択する。その後、判断部17の動作は、ループ内の次の回の処理としてステップS302に進む。未処理の設備3がない場合に、設備利用可否情報の作成に係る判断部17の動作は、終了する。
【0074】
以上に説明したように、実施の形態1に係る移動体制御システム1は、管理部16と、判断部17と、経路探索部11と、を備える。管理部16は、設備管理装置4から取得する情報に基づいて、設備運用情報を更新しながら管理する。設備運用情報は、自律移動体2が移動する施設に設けられた設備3の、現在の運用に関する情報を表す。判断部17は、設備運用情報に基づいて、設備利用可否情報を作成する。設備利用可否情報は、各設備3について自律移動体2が利用しうる時点における利用可否を表す。経路探索部11は、設備利用可否情報に基づいて、自律移動体2が施設を移動する経路を探索する。
【0075】
このような構成により、自律移動体2が連携する設備3の利用可否が、設備3の運用状況に応じてリアルタイムに更新される設備運用情報に基づいて判定される。自律移動体2の移動経路は、このように設備3の現在の運用状況を反映した設備利用可否情報に基づいて探索されるので、施設において自律移動体2がより効率的に稼働できるようになる。
【0076】
また、判断部17は、自律移動体2からの要求に応じて設備利用可否情報を作成する。このような構成により、経路探索部11は、必要な時点で作成された最新の設備利用可否情報に基づいて自律移動体2の経路を探索できるようになる。これにより、設備3の利用状況および設定状況などの運用が変化する場合においても、自律移動体2が施設においてより効率的に稼働できるようになる。
【0077】
また、判断部17は、自律移動体2の属性または仕様の少なくともいずれかの情報を含む移動体情報を受け付ける。判断部17は、受け付けた移動体情報を用いて設備利用可否情報を作成する。このような構成により、判断部17は、個々の自律移動体2に対して設備3の利用可否をより正確に判定できるようになる。これにより、自律移動体2が施設においてより効率的に稼働できるようになる。
【0078】
また、移動体制御システム1は、移動体制御部12を備える。移動体制御部12は、自律移動体2に、経路探索部11が探索した経路上にある設備3の種類に応じた動作をさせる。移動体制御部12は、例えば、要求要否が「要」のアクセス管理機器である設備3について、自律移動体2に、解錠要求の送信後に当該設備3を通行させる。移動体制御部12は、例えば、エレベーターである設備3について、呼びの登録要求の送信後、かごが現在階床に到着した後にエレベーターのかごに乗車させるように自律移動体2を制御する。移動体制御部12は、例えば、かご内において停止するように自律移動体2を制御する。移動体制御部12は、乗車しているかごが目的階床に到着した後にエレベーターのかごから降車させるように自律移動体2を制御する。移動体制御部12は、例えば、照度センサが設けられた場所に配置される照明機器に対して、点灯を要求した後に当該場所を通行するように自律移動体2を制御してもよい。
【0079】
なお、移動体制御システム1において、連携管理装置6の機能の一部または全部は、移動体制御装置5に搭載されていてもよい。移動体制御システム1において、移動体制御装置5の機能の一部または全部は、連携管理装置6に搭載されていてもよい。移動体制御システム1の機能の一部または全部は、設備管理装置4、移動体、またはその他の装置などに搭載されていてもよい。
【0080】
続いて、
図6を用いて、移動体制御システム1のハードウェア構成の例について説明する。
図6は、実施の形態1に係る移動体制御システム1の主要部のハードウェア構成図である。
【0081】
移動体制御システム1の各機能は、処理回路により実現し得る。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。処理回路は、プロセッサ100aおよびメモリ100bと共に、あるいはそれらの代用として、少なくとも1つの専用ハードウェア200を備えてもよい。
【0082】
処理回路がプロセッサ100aとメモリ100bとを備える場合、移動体制御システム1の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。そのプログラムはメモリ100bに格納される。プロセッサ100aは、メモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、移動体制御システム1の各機能を実現する。
【0083】
プロセッサ100aは、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。メモリ100bは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROMなどの、不揮発性または揮発性の半導体メモリなどにより構成される。
【0084】
処理回路が専用ハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。
【0085】
移動体制御システム1の各機能は、それぞれ処理回路で実現することができる。あるいは、移動体制御システム1の各機能は、まとめて処理回路で実現することもできる。移動体制御システム1の各機能について、一部を専用ハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。このように、処理回路は、専用ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで移動体制御システム1の各機能を実現する。
【0086】
実施の形態2.
実施の形態2において、実施の形態1で開示される例と相違する点について特に詳しく説明する。実施の形態2で説明しない特徴については、実施の形態1で開示される例のいずれの特徴が採用されてもよい。
【0087】
図7は、実施の形態2に係る移動体制御システム1の構成図である。
【0088】
移動体制御システム1において、連携管理装置6は、算出部18を備える。算出部18は、各々の設備3について自律移動体2による利用の推奨度を算出する機能を搭載する部分である。算出部18は、例えば、自律移動体2から設備利用可否情報の要求を受けるときに、当該要求に応じて作成される設備利用可否情報に、あわせて算出した推奨度を付与して当該自律移動体2に返送する。算出部18は、要求を受けた自律移動体2が利用しうる時点における推奨度を算出する。算出部18は、例えば、自律移動体2から要求を受けた時点を、当該自律移動体2が各設備3を利用しうる時点として推奨度の算出を行ってもよい。
【0089】
算出部18は、自律移動体2がある設備3を利用すると当該自律移動体2の稼働の効率化がより見込まれる場合などに、より高い推奨度を当該設備3について算出する。算出部18は、例えば、自律移動体2がある設備3を利用すると当該自律移動体2がより早く目的地に到着しうる場合などに、より高い推奨度を当該設備3について算出する。また、算出部18は、例えば、自律移動体2がある設備3を利用すると当該自律移動体2がより確実に目的地に到着しうる場合などに、より高い推奨度を当該設備3について算出する。また、算出部18は、例えば、自律移動体2がある設備3を利用すると当該自律移動体2がより少ない手戻りで目的地に到着しうる場合などに、より高い推奨度を当該設備3について算出する。ここで、自律移動体2についての手戻りは、例えば、利用予定の設備3が利用できなかったことまたは移動の経路が通行できなかったことなどにより、当該自律移動体2について経路探索部11が経路の再探索を行うことなどを含む。
【0090】
経路探索部11は、設備利用可否情報に加えて、算出部18が算出して設備利用可否情報に付与された推奨度を用いて、自律移動体2の移動の経路を探索する。経路探索部11は、例えば、自律移動体2が利用可能な設備3のうち、推奨度のより高い設備3をより優先して利用するように、経路の探索を行う。
【0091】
続いて、
図8を用いて、推奨度の算出の例を説明する。
図8は、実施の形態2に係る算出部18による推奨度の算出の例を示す図である。
【0092】
算出部18は、設備運用情報から、各々の設備3の要求要否を取得する。要求要否が「不要」である設備3について自律移動体2は利用の要求を必要とせずに利用できるので、要求要否が「不要」である設備3を利用する経路は、より早くより確実に目的地に到着しうる経路であり、より少ない手戻りで目的地に到着しうる経路である。このため、算出部18は、要求要否が「不要」である設備3について、要求要否が「要」である設備3より高い得点を割り当てる。算出部18は、例えば、要求要否が「不要」である設備3に3点を、要求要否が「要」である設備3に1点を、それぞれ割り当てる。
【0093】
算出部18は、設備運用情報の利用状況に含まれる利用履歴などから、設備3の利用量を取得する。例えばアクセス管理機器である設備3に対して、算出部18は、現在から予め設定された時間だけ遡る期間の当該設備3の通行量を利用量として取得する。より具体的には、算出部18は、例えば、過去1時間以内の設備3の通行件数を取得する。利用料が少ない設備3を利用する経路は混雑の影響などを受けにくいので、利用量が少ない設備3を利用する経路は、より早くより確実に目的地に到着しうる経路であり、より少ない手戻りで目的地に到着しうる経路である。このため、算出部18は、利用量がより少ない設備3について、より高い得点を割り当てる。算出部18は、例えば、推奨度の点から好ましい順、すなわち、利用量の少ない順に各設備3を複数に分類し、分類ごとに得点を割り当てる。この例において、算出部18は、利用量の少ない順に各設備3を「上位」「中位」および「下位」の3つに分類する。算出部18は、例えば、「上位」に分類された設備3に3点を、「中位」に分類された設備3に2点を、「下位」に分類された設備3に1点を、それぞれ割り当てる。
【0094】
算出部18は、設備権限情報などから、設備3の利用権限が無くなるまでの残り時間を算出する。例えば、現在時刻が16時45分で、ある設備3が17時から利用不可になる場合に、算出部18は、当該設備3の利用権限が無くなるまでの残り時間を15分と算出する。利用権限が無くなるまでの残り時間が長い設備3を利用する経路は、当該設備3に到着するまでの間に設備3の利用権限が無くなってしまう可能性が低いので、当該経路は、より確実に目的地に到着しうる経路であり、より少ない手戻りで目的地に到着しうる経路である。このため、算出部18は、利用権限が無くなるまでの残り時間がより長い設備3について、より高い得点を割り当てる。算出部18は、例えば、推奨度の点から好ましい順、すなわち、利用権限が無くなるまでの残り時間が長い順に各設備3を複数に分類し、分類ごとに得点を割り当てる。この例において、算出部18は、利用権限が無くなるまでの残り時間が長い順に各設備3を「上位」「中位」および「下位」の3つに分類する。算出部18は、例えば、「上位」に分類された設備3に3点を、「中位」に分類された設備3に2点を、「下位」に分類された設備3に1点を、それぞれ割り当てる。算出部18は、これらの他の観点から、各設備3に推奨度に関する得点を割り当ててもよい。
【0095】
算出部18は、設備3について割り当てた各項目の得点に基づいて、当該設備3の推奨度を算出する。算出部18は、例えば、各項目の得点の合計値を推奨度として算出する。この例において、算出部18は、設備ID「s00005」の設備3の推奨度を「8」と算出する。当該設備3の推奨度は他の設備3の推奨度より高いため、経路探索部11は、当該設備3の利用をより優先して自律移動体2の経路を探索する。なお、算出部18は、例えば各項目の得点の総乗などの、各項目の得点について単調増加な他の関数を用いて推奨度を算出してもよい。
【0096】
以上に説明したように、実施の形態2に係る移動体制御システム1は、算出部18を備える。算出部18は、設備運用情報に基づいて、各設備3について自律移動体2が利用しうる時点における利用の推奨度を算出する。経路探索部11は、各設備3の推奨度を用いて、自律移動体2が施設を移動する経路を探索する。このような構成により、より利用が推奨される設備3がより優先されるように自律移動体2の移動の経路が探索されるため、施設において自律移動体2はより効率的に稼働できるようになる。
【0097】
以上の説明をまとめると、本開示に係る技術の取りうる構成は、以下に付記として示す各構成などを含む。
(付記1)
自律移動体が移動する施設に設けられた1つ以上の設備の現在の運用に関する情報を表す設備運用情報を、前記1つ以上の設備を管理する設備管理装置から取得する情報に基づいて更新しながら管理する管理部と、
前記管理部の管理する前記設備運用情報に基づいて、前記1つ以上の設備について前記自律移動体が利用しうる時点における利用可否を表す設備利用可否情報を作成する判断部と、
前記判断部の作成する前記設備利用可否情報に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する経路探索部と、
を備える、移動体制御システム。
(付記2)
前記判断部は、前記自律移動体からの要求に応じて前記設備利用可否情報を作成する、
付記1に記載の移動体制御システム。
(付記3)
前記判断部は、前記自律移動体の属性または仕様の少なくともいずれかの情報を含む移動体情報を受け付け、受け付けた前記移動体情報を用いて前記設備利用可否情報を作成する、
付記1または付記2に記載の移動体制御システム。
(付記4)
前記1つ以上の設備のうち前記経路探索部の探索する経路上にある設備の種類に応じた動作を前記自律移動体にさせる移動体制御部
を備える、付記1から付記3のいずれか一項に記載の移動体制御システム。
(付記5)
前記管理部の管理する前記設備運用情報に基づいて、前記1つ以上の設備について前記自律移動体が利用しうる時点における利用の推奨度を算出する算出部
を備え、
前記経路探索部は、前記算出部の算出する推奨度を用いて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する、
付記1から付記4のいずれか一項に記載の移動体制御システム。
(付記6)
自律移動体が移動する施設に設けられた1つ以上の設備の現在の運用に関する情報を表す設備運用情報を、前記1つ以上の設備を管理する設備管理装置から取得する情報に基づいて更新しながら管理する管理部と、
前記管理部の管理する前記設備運用情報に基づいて、前記1つ以上の設備について前記自律移動体が利用しうる時点における利用可否を表す設備利用可否情報を作成する判断部と、
前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する移動体制御装置に、前記判断部の作成する前記設備利用可否情報を出力する出力部と、
を備える、連携管理装置。
(付記7)
自律移動体が移動する施設に設けられた1つ以上の設備の現在の運用に関する情報を表す設備運用情報を前記1つ以上の設備を管理する設備管理装置から取得する情報に基づいて更新しながら管理する連携管理装置に、前記1つ以上の設備について前記自律移動体が利用しうる時点における利用可否を表す設備利用可否情報を要求する送信部と、
前記送信部からの要求に応じて作成された前記設備利用可否情報を前記連携管理装置から取得する受信部と、
前記受信部の取得する前記設備利用可否情報に基づいて、前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する経路探索部と、
を備える、移動体制御装置。
(付記8)
コンピュータが、
自律移動体が移動する施設に設けられた1つ以上の設備の現在の運用に関する情報を表す設備運用情報を、前記1つ以上の設備を管理する設備管理装置から取得する情報に基づいて更新しながら管理することと、
前記設備運用情報に基づいて、前記1つ以上の設備について前記自律移動体が利用しうる時点における利用可否を表す設備利用可否情報を作成することと、
前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する移動体制御装置に、作成した前記設備利用可否情報を出力することと、
を実行する、移動体制御方法。
(付記9)
コンピュータに、
自律移動体が移動する施設に設けられた1つ以上の設備の現在の運用に関する情報を表す設備運用情報を、前記1つ以上の設備を管理する設備管理装置から取得する情報に基づいて更新しながら管理することと、
前記設備運用情報に基づいて、前記1つ以上の設備について前記自律移動体が利用しうる時点における利用可否を表す設備利用可否情報を作成することと、
前記自律移動体が前記施設を移動する経路を探索する移動体制御装置に、作成した前記設備利用可否情報を出力することと、
を実行させる、移動体制御プログラム。
【符号の説明】
【0098】
1 移動体制御システム、 2 自律移動体、 3 設備、 4 設備管理装置、 5 移動体制御装置、 6 連携管理装置、 7 通信ネットワーク、 8 第1記憶部、 9 第1送信部、 10 第1受信部、 11 経路探索部、 12 移動体制御部、 13 第2記憶部、 14 第2送信部、 15 第2受信部、 16 管理部、 17 判断部、 18 算出部、 100a プロセッサ、 100b メモリ、 200 専用ハードウェア
【要約】 (修正有)
【課題】自律移動体がより効率的に稼働できるように自律移動体と施設に設けられた設備との連携を管理する移動体制御システム、連携管理装置、移動体制御装置、移動体制御方法および移動体制御プログラムを提供する。
【解決手段】移動体制御システム1において、管理部16と、判断部17と、を有する連携管理装置6と、経路探索部11を有する移動体制御装置と、を備える。管理部16は、設備管理装置4から取得する情報に基づいて、設備運用情報を更新しながら管理する。設備運用情報は、自律移動体2が移動する施設に設けられた設備3の、現在の運用に関する情報を表す。判断部17は、設備運用情報に基づいて、設備利用可否情報を作成する。設備利用可否情報は、各設備3について自律移動体2が利用しうる時点における利用可否を表す。経路探索部11は、設備利用可否情報に基づいて、自律移動体2が施設を移動する経路を探索する。
【選択図】
図1