(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】指押さえ装置
(51)【国際特許分類】
A45D 29/22 20060101AFI20241210BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20241210BHJP
B41J 3/407 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
A45D29/22
B41J2/01 109
B41J2/01 305
B41J3/407
(21)【出願番号】P 2023212788
(22)【出願日】2023-12-18
(62)【分割の表示】P 2021206573の分割
【原出願日】2021-12-21
【審査請求日】2023-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】庭野 治美
【審査官】村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-091793(JP,A)
【文献】特開2012-135600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 29/22
B41J 2/01
B41J 3/407
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の載置面に指が載置される載置部材と、
前記載置部材の下方から前記載置部材を上方に向けて付勢する付勢部材と、
所定の蓋を閉じた状態のときに前記載置面の上方に位置するように前記蓋に取り付けられ、前記付勢部材に付勢された前記載置部材との間で前記載置面に載置された指を挟みこむ押さえ部材と、
を備え、
前記蓋は、筐体に対して回動可能なように前記筐体の上面の前端部で前記蓋の第1端部が前記筐体に連結されているとともに、前記蓋の第2端部に前記押さえ部材が取り付けられており、
前記押さえ部材は、長枝部と短枝部とのうちの
前記長枝部が前記載置面に載置された指の長さ方向に沿って延伸するように且つ前記指の先端側に対応する端部が自由端として設けられたL字状部材として形成されている、
ことを特徴とする指押さえ装置。
【請求項2】
前記押さえ部材は、前記自由端として設けられた端部が、前記載置面に載置された前記指の爪よりも前記載置面に載置された前記指の付け根側に位置するように、
前記長枝部の長さが設定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の指押さえ装置。
【請求項3】
前記押さえ部材は、
前記短枝部が前記蓋に取り付けられているとともに透明又は半透明の材料で形成されてい
る、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の指押さえ装置。
【請求項4】
前記押さえ部材は、
前記筐体の内部を視認可能にするための窓部材を介して前記第2端部に取り付けられている、
ことを特徴とする
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の指押さえ装置。
【請求項5】
前記載置部材は、前記載置面に前記指の腹側を向けて前記指が載置されるように構成されている、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の指押さえ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指押さえ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、指の爪にデザインの印刷を施す印刷装置(ネイルプリンタ)が知られている。ネイルプリンタでは、印刷したい爪に対応した指を指置台に載置し、爪に対して例えばインクジェット方式を用いて印刷処理を行う。
ネイルプリントを行う場合、印刷対象である爪に対応する指が途中で動いてしまうと高精度の印刷を行うことができない。
この点、例えば特許文献1には、載置プレート(載置手段)に載置された指と、指の上側に設けられた押さえプレート(押さえ手段)と、により指を挟持することによって、印刷が施される爪に対応する指を固定するネイルプリンタが記載されている。
指を適切に固定した状態で爪に印刷を行うことができれば印刷の品質を維持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている構成のように、印刷中の動きを規制するために載置プレート(載置手段)と押さえプレート(押さえ手段)との間に指を挟持する場合、載置手段と押さえ手段との間の距離をあまり広くすることができない。このため、指を装置から取り出そうとした際に爪が周囲の部材に接触してしまい、指の爪に影響を与えてしまうおそれがあった。
【0005】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、指の爪への影響を抑制することが可能な指押さえ装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明に係る指押さえ装置は、所定の載置面に指が載置される載置部材と、前記載置部材の下方から前記載置部材を上方に向けて付勢する付勢部材と、所定の蓋を閉じた状態のときに前記載置面の上方に位置するように前記蓋に取り付けられ、前記付勢部材に付勢された前記載置部材との間で前記載置面に載置された指を挟みこむ押さえ部材と、を備え、前記蓋は、筐体に対して回動可能なように前記筐体の上面の前端部で前記蓋の第1端部が前記筐体に連結されているとともに、前記蓋の第2端部に前記押さえ部材が取り付けられており、前記押さえ部材は、長枝部と短枝部とのうちの前記長枝部が前記載置面に載置された指の長さ方向に沿って延伸するように且つ前記指の先端側に対応する端部が自由端として設けられたL字状部材として形成されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、指の爪への影響を抑制することが可能な指押さえ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る印刷装置の外観構成を示す要部斜視図であり、前カバーを閉じた状態を示している。
【
図2】本実施形態に係る印刷装置の外観構成を示す要部斜視図であり、前カバーを開被した状態を示している。
【
図3】
図1に示す閉状態の印刷装置のIII-III線に沿う断面図である。
【
図4】
図1に示す閉状態の印刷装置のIII-III線に沿う断面斜視図である。
【
図5】
図2に示す開被状態の印刷装置のV-V線に沿う断面斜視図である。
【
図6】指を載置した状態の指置台の側面図と舌片の一変形例の断面との位置関係を示す模式図である。
【
図7】(a)及び(b)は、舌片の一変形例の断面図である。
【
図8】指を載置した状態の指置台の一変形例を示す側面図である。
【
図9】一変形例に係る印刷装置の外観構成を示す要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1から
図5を参照しつつ、本発明に係る印刷装置の一実施形態について説明する。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
また、以下の実施形態では、印刷装置が手の指の爪を印刷対象としてこれに印刷する印刷装置を例に説明するが、本発明における印刷装置の印刷対象は手の指の爪に限るものではなく、例えば足の指の爪等を印刷対象としてもよい。
【0010】
図1及び
図2は、本実施形態における印刷装置の要部外観構成を示す斜視図であり、
図1は前カバーを閉じた状態を示し、
図2は前カバーを開被した状態を示している。
図3は、
図1に示す閉状態の印刷装置のIII-III線に沿う断面図であり、
図4は、
図1における印刷装置のIII-III線に沿う断面斜視図である。また、
図5は、
図2に示す開被状態の印刷装置のV-V線に沿う断面斜視図である。
なお、
図1及び
図2では指置台に指を載置していない状態を示しているが、
図3から
図5では指置台に指を載置した状態を示している。また
図3から
図5では筐体内の一部構成の図示を省略している。
なお、以下の実施形態において、上下、左右及び前後は、
図1に示した向きをいうものとする。また、X方向、Y方向は、
図1に示した方向をいうものとする。
【0011】
図1等に示すように、印刷装置1は、ほぼ箱形に形成された筐体2を有している。
筐体2(筐体本体20)の前面側(印刷装置1の正面側、
図1において前側)の下側部分には、左右方向(印刷装置1の横方向、
図1において左右方向、X方向)のほぼ全面に亘って開口部21が形成されている。また、筐体2(筐体本体20)の前面側の上側部分は前壁部22となっており、前壁部22における筐体2の左右方向のほぼ中央部には、開口部21の上側に連続して切り欠き部23が形成されている。切り欠き部23は、後述する印刷ヘッド41を装置に対して着脱する際の出入口として機能する。
【0012】
また筐体2は、切り欠き部23を覆う前カバー25を有している。
前カバー25は、例えば前壁部22の上端部又は筐体本体20の上面(天板)の前端部に設けられたヒンジ機構26等を介して、筐体本体20に対して回動可能に連結されている。
具体的には、前カバー25は、ヒンジ機構26の回転軸261周りに筐体本体20の前壁部22の前面側を覆う閉状態(
図1,3,4に示す状態)から筐体本体20の前面側が開披された(本実施形態では切り欠き部23を含む前壁部22が露出した)開被状態(
図2,5に示す状態)まで回動可能となっている。
【0013】
前カバー25における筐体2の左右方向のほぼ中央部には、窓部251が設けられている。この窓部251には透明又は半透明の樹脂等で形成された窓部材252が嵌装されている。これによりユーザは、前カバー25を閉じた状態でも窓部材252を介して外部から装置内部の様子を視認できるようになっている。
また本実施形態では、窓部材252に連設して、先端側(自由端側)が装置内側に伸びるほぼL字状に形成された舌片30が設けられている。
【0014】
舌片30は、指Uの移動を規制する位置である「第1位置」と、この「第1位置」よりも後述する載置手段32に対する距離が相対的に大きく指Uの規制が解除される位置である「第2位置」と、に少なくとも移動可能である押さえ手段として機能する。
本実施形態において舌片30は、前カバー25が閉状態となったときに、後述する指置台3に載置された指Uの上面に当接して、上方向から指Uの上面を押さえ、指Uの高さ方向の位置を規制する「第1位置」に配置される。また、前カバー25が開被状態となったときには、舌片30は、指Uの上面から離れ、指Uの規制が解除される「第2位置」に配置される。
【0015】
押さえ手段として機能する舌片30は、爪Tが印刷に適した高さ位置(すなわち、爪Tの表面と印刷ヘッド41の図示しないインク吐出面との距離が近すぎず遠すぎない位置)に配置されるように指Uの高さを規制するものであり、「第1位置」に配置された状態では、指Uの上面に当接することで、指Uが適切な高さ位置よりも浮き上がるのを防いで、適切な高さを保持できるように設定されている。
舌片30は、窓部材252と同じ材料で一つながりに形成されたものであってもよいし、窓部材252の下端に別部材として取り付けられたものでもよい。
また、本実施形態では、
図2等において、舌片30も窓部材252と同様に透明又は半透明の部材である場合を例示しているが、舌片30を窓部材252とは別個の部材として形成する場合、舌片30は、透明又は半透明に限定されず、不透明な樹脂板等であってもよい。
【0016】
なお、舌片30は、指置台3に載置された指Uの上面に当接してその位置(主として高さ方向、Z軸方向の位置)を規定できるものであればよく、幅方向の大きさや厚み等は特に限定されない。ただ、あまり幅が狭いと、指Uの上面に安定して面で接触することが難しくなる。他方であまり幅が広い場合には、「第1位置」から「第2位置」、「第2位置」から「第1位置」への移動の際等に、周囲の構造物と干渉するおそれがある。このため舌片30は、指置台3の幅寸法と同程度であることが好ましい。
【0017】
また、舌片30の先端(自由端)があまり長いと、前カバー25を回動させた際、完全に前カバー25が閉じきる前に、指置台3に載置された指U等に舌片30の先端が突き当たり、舌片30が十分な高さ位置まで下がりきることができない。
このため、本実施形態では、舌片30の長さは、前カバー25を回動させるヒンジ機構26の回転軸261(前カバー25が回動する際の回転軸)の直下(
図3において一点鎖線で示す)よりも指挿入方向の手前側までの長さとし、これよりも装置奥側まで長く設けないように設定されている。これにより、前カバー25を回動させ、前カバー25を閉じきる過程において舌片30の先端が指Uに突き当たることを防止している。
【0018】
筐体2の上面(天板)には、印刷装置1の操作部27が設けられている。操作部27は、例えば印刷装置1の電源をON/OFFする操作ボタン(電源スイッチボタン)である。操作部27が操作されると、操作信号が図示しない制御部に出力され、制御部が操作信号にしたがった制御を行い、印刷装置1の各部を動作させる。例えば操作部27が電源スイッチボタンである場合、ボタン操作に応じて印刷装置1の電源がON/OFFされる。
なお、印刷装置1が外部の各種携帯端末装置等(以下「外部装置」という。)と連携して動作するものである場合には、操作部27に代えて、又は操作部27とともに、外部装置の操作部から入力された操作信号にしたがって印刷装置1の各部が動作するようにしてもよい。
【0019】
なお、印刷装置1の外観構成、筐体2各部の形状や各部の配置等は、図示例に限定されず、適宜設定可能である。例えば、操作部27は、筐体2の上面ではなく側面や背面等に設けられていてもよい。また、筐体2にはその他各種の操作ボタンが操作部27として設けられていてもよいし、各種表示部やインジケータ等が設けられていてもよい。
【0020】
筐体2の内部には、基台11等を備える装置本体10が収容されている。
基台11における装置前面側の左右方向(X方向)のほぼ中央部には、指置台3が配置されている。
【0021】
本実施形態の指置台3は、ケース31とケース31内に配置された載置手段32とを備えている。載置手段32は、指置台3に配置された指Uを下側(すなわち、指Uの腹側)から押し上げ支持するものである。載置手段32は、少なくとも指Uに直接接する部分が各種樹脂等の柔軟性のある材料で形成されることが好ましい。
指置台3(指置台3の載置手段32)の上方は開放されており、また、
図3等に示すように、舌片30も爪Tよりも指Uの挿入方向手前側までしか配置されないため、載置手段32の上に配置された指Uの爪Tが露出する。これにより、載置手段32の上に配置された指Uの爪Tは、撮影部5の図示しないカメラによる撮影や印刷部4による印刷が可能な状態で保持される。
【0022】
本実施形態の載置手段32は、互いに連結されて指Uの挿入方向に沿って配置されるとともにそれぞれ上下動可能な複数の部材(第1部材321、第2部材322、第3部材323)を有して構成される(
図3参照)。
具体的には、第1部材321は、指挿入方向(前後方向)において、相対的に手前側に配置され、第2部材322は、指挿入方向において相対的に奥側(本実施形態では最奥)に配置され、第3部材323は、第1部材321と第2部材322との間に配置されている。
【0023】
第1部材321は、部材本体321aと部材本体321aを上方向に付勢する付勢部材321bとを備えている。
部材本体321aの上面は、指挿入方向に沿って、両側から中央部に向けて低くなるほぼV字状の傾斜面となっており、指Uが載置されたときに指Uが左右にガタつくことを防止する。
【0024】
第2部材322は、第3部材323を挟み込むようにして当該第3部材323と一体化されている。第2部材322は、部材本体322aと部材本体322aを上方向に付勢する付勢部材322bとを備えている。
部材本体322aは、第1部材321の部材本体321aと係合しており、第1部材321が押し下げられると、第2部材322の部材本体322a(及び第3部材323の部材本体323a)の位置も下がるようになっている。
【0025】
第3部材323は、部材本体323aと部材本体323aを上方向に付勢する付勢部材323bとを備えている。
部材本体323aは、指挿入方向における手前側から奥側に向かって徐々に高くなるように傾斜しており、最奥部が爪先(又は指先)を支持する爪載置部33となっている。
なお、第1部材321の付勢部材321b、第2部材322の付勢部材322b、第3部材323の付勢部材323bとしては、いずれも例えばコイルばねが適用されるが、これに限定されない。
【0026】
また装置本体10内には、印刷部4(
図2参照)、撮影部5(
図1参照)等が組み付けられている。
印刷部4は、印刷対象物である爪Tに印刷を施すものであり、印刷手段としての印刷ヘッド41と、印刷ヘッド41を適宜移動させる図示しない移動機構等を備えている。
印刷ヘッド41の構成は特に限定されないが、例えばインクを貯留する貯留部(インクカートリッジ)と吐出部(いずれも図示せず)とが一体に形成されたカートリッジ一体型のヘッドである。吐出部からインクを吐出させる具体的な構成はいずれの方式を採用してもよく、特に限定されない。
本実施形態では、印刷ヘッド41の下面(載置手段32に配置された爪Tの表面と対向する面)に、インク(液剤)を吐出させるノズルの吐出口を有する吐出面(インク吐出面、図示せず)が形成されている。印刷ヘッド41は、微滴化したインクを吐出面から印刷対象面(爪の表面)に吹き付けて印刷を行うインクジェット方式のヘッドである。
【0027】
印刷ヘッド41に貯留されているインクは、例えば、シアン(C;CYAN)、マゼンタ(M;MAGENTA)、イエロー(Y;YELLOW)等の各色のインク(以下「色インク」という。
)である。なお、印刷ヘッド41から吐出されるインクはこれに限定されず、他の色のインクを吐出可能であってもよい。また、印刷ヘッド41は、色インクを吐出するものに限定されず、例えばデザインを印刷する前に下地となる液剤(白色等の下地用インク)を吐出させるものであってもよい。印刷装置1は、いずれか1つの印刷ヘッド41を有していてもよいし、複数の印刷ヘッド41を備えていてもよい。
【0028】
印刷ヘッド41は、ホルダ42(
図2等参照)に着脱可能に保持されている。
本実施形態では、印刷ヘッド41はホルダ42に保持された状態で、装置のX方向に亘って延在する図示しないキャリッジに搭載され、基台11上をXY方向に移動可能となっている。
具体的には、印刷ヘッド41を移動させる移動機構(図示せず)は、図示しないX方向移動モータ等を備え印刷ヘッド41をキャリッジ内においてX方向に移動させるX方向移動機構と、図示しないY方向移動モータ等を備え印刷ヘッド41を搭載したキャリッジをY方向に移動させるY方向移動機構と、を含んでいる。
【0029】
撮影部5は、カメラや光源等(いずれも図示せず)を備えており、例えば筐体2の天面内側や、装置本体に立設された図示しない支持部材等に取り付けられている。
図1に示すように、撮影部5は指置台3の上方に配置され、載置手段32に載置された指Uの爪Tを撮影可能となっている。
【0030】
また図示はしないが、印刷装置1には制御部や記憶部等で構成される制御装置が搭載されている。制御部等は、例えば筐体2の上面(天板)の内側(下面側)等に配置された図示しない基板等に搭載されている。
制御部は、例えば図示しないCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより構成されており、記憶部は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示せず)で構成されている。
記憶部には、例えば印刷処理を行うための印刷プログラム等、印刷装置1を動作させるための各種プログラム等が格納されており、制御部がこれらのプログラムを例えばRAMの作業領域に展開して、プログラムが制御部において実行されることによって、印刷装置1の各部が統括制御されるようになっている。制御部と記憶部等を備える制御装置は、制御部と記憶部に記憶されたプログラムとの協働によって各種機能を実現させるコンピュータである。
【0031】
次に、本実施形態における印刷装置の作用について説明する。
印刷装置1は、装置保管時等には
図1に示すように前カバー25が前壁部22を被覆している「閉状態」となっている。
印刷装置1を用いて爪Tに印刷を行う場合には、
図1に示すような閉状態から、前カバー25を回動させて
図2に示すような「開被状態」とする。
前カバー25を「閉状態」から「開被状態」へと動作させる構成は特に限定されず、例えばユーザが手動で回動させてもよいが、ヒンジ機構26が回転動作するためのモータ等を備えている場合には、例えば、操作部27が操作されることで装置の電源がONとなると前カバー25が自動的に上方向(
図2における矢印で示す方向)に回動して「開被状態」となってもよい。さらに、前カバー25を開被する操作ボタンがある場合には当該ボタンを操作するよう表示や音声等によりユーザに促してもよい。
【0032】
前カバー25が「開被状態」となると、ユーザは指置台3の載置手段32に印刷したい爪Tに対応する指Uを配置する。
なお、例えば印刷装置1が図示しない外部装置と連携する場合には、連携する外部装置(例えば携帯端末装置等)の表示部等に、指置台3の載置手段32に指Uを配置するようにユーザに促す指示画面、案内画面等を表示させてもよい。また、印刷装置1や外部装置がスピーカ等を有する場合には、載置手段32に指Uを配置するようにユーザに促すメッセージを音声案内で行ってもよい。
【0033】
例えば、爪Tに下地を塗布し、乾燥させたのちに各種デザインの印刷を行う場合には、ユーザは下地が塗布された爪Tに対応する指Uを指置台3の載置手段32に載置する。
本実施形態の指置台3は上方が開放されているため、ユーザは特に載置手段32を押し下げる必要はなく、載置手段32の上に該当する指Uを載せるだけでよい。
【0034】
載置手段32の上に指Uを載置させると(
図5参照)、再び前カバー25を、ヒンジ機構26の回転軸261周りに回動(
図2に示す矢印とは逆方向に回動)させ、前カバー25を「閉状態」とする(
図3及び
図4参照)。
前カバー25を「閉状態」とするタイミングは、例えばユーザが指Uを載置手段32の上に載置して印刷開始の指示を操作部27等から入力したときである。なお、前カバー25の回動は、手動で行われてもよいし、自動で行われてもよい。
なお、前カバー25の回動を自動で行う場合、例えば撮影部5のカメラ等により取得された画像を画像解析等することで載置手段32の上に指U(指Uの爪T)が載置されたことを認識し、この認識結果を受けて、前カバー25を閉じる方向にヒンジ機構26の回転軸261を回動させる駆動手段(例えば図示しないモータ等)を動作させてもよい。
【0035】
これにより、押さえ手段として機能する舌片30が、指Uの移動(特に上方向への浮き上がり)を規制する位置である「第1位置」に配置される。
なお、載置手段32上に載置された指Uは、第1部材321の付勢部材321b、第2部材322の付勢部材322b、第3部材323の付勢部材323bによって、載置手段32が上方向に付勢されているため、本来印刷に適した位置(すなわち印刷ヘッド41のインク吐出面までの距離が近すぎも遠すぎもしない位置)よりも高い位置に指Uの上面が位置した状態である場合がある。特に指の高さ(厚さ)が極端にあるユーザの場合には、指Uの上面が高くなりすぎる傾向が顕著となる。
【0036】
このような場合でも、押さえ手段として機能する舌片30は、前カバー25を「閉状態」とする際、舌片30が指Uの上面を僅かに押し下げながら(載置手段32を指Uと共に僅かに押し下げながら)移動する。これにより、舌片30が「第1位置」に配置された状態では、爪Tが印刷に適した位置に配置されるような高さ位置に指Uの上面が配置され、この位置で舌片30の下面が指Uの上面に当接した状態を維持して、指Uの高さ位置を規定する。
【0037】
そして、舌片30が「第1位置」に配置される、前カバー25が「閉状態」となった状態で、爪Tに対する印刷処理を行う。
印刷処理としては、まず撮影部5のカメラで爪Tを含む指Uを撮影して爪画像を取得し、爪画像から爪Tの領域を画する爪輪郭を検出する。
爪輪郭が検出されると、制御部等においてユーザが所望したデザインを爪輪郭の範囲内に合わせ込み、適宜必要な補正等を行って印刷用のデータ(印刷データ)を生成する。
さらに印刷データにしたがって印刷部4を動作させ、爪Tにデザインを印刷する。
なお、印刷装置1の備える印刷ヘッド41がデザインを印刷するものでなく白色等の液剤(下地用インク)を用いて下地を印刷するものである場合も爪輪郭の検出から印刷データの生成及び印刷データに基づく印刷動作を行う流れは同様である。爪輪郭の検出から印刷データの生成までの処理は、印刷装置1の制御部が行ってもよいし、連携する外部装置の制御部で行ってもよい。
【0038】
印刷動作が終了すると、再び前カバー25を、ヒンジ機構26の回転軸261周りに回動(
図2に示す矢印方向に回動)させ、前カバー25を「開被状態」とする(
図2及び
図5参照)。
なお前カバー25を「開被状態」とするタイミングは、例えば制御部が爪Tへの印刷が終了したと判断したときである。ヒンジ機構26が回転動作するためのモータ等を備えている場合には、印刷が終了したと判断すると、制御部が自動で前カバー25を開被させる。
なおこの場合にも、例えば撮影部5のカメラ等により取得された画像を画像解析等することで載置手段32の上に指Uの爪Tへの印刷が完了したことを認識し、この認識結果を受けて、前カバー25を開被する方向にヒンジ機構26の回転軸261を回動させるようにモータ等を動作させてもよい。
【0039】
なお前カバー25の開被は自動で行われる場合に限定されない。
例えば印刷装置1が図示しない外部装置と連携する場合には、連携する端末装置等の表示部等に前カバー25を開けるように促す指示画面等を表示させたり、音声によるメッセージを出力する等により、ユーザに手動で前カバー25を開けさせたり、前カバー25を開被する操作ボタンがある場合には当該ボタンを操作するよう促してもよい。
【0040】
また、前カバー25が開被される場合に、事前にその旨が連携する外部装置(例えば端末装置等)の表示部等に表示され、前カバー25が開くまで指Uを動かさないようにユーザに注意を促してもよい。
さらに、印刷処理が行われている間は、前カバー25が開被されないようにロック状態となる構成を備えてもよい。
また、前カバー25が回動しながら開くのに伴って、指Uを前カバー25の動きに合わせて指置台3から取り外すように表示部等に表示させて、指Uを引き抜く際の動作をガイドしてもよい。具体的には、印刷後、指Uを上方向に動かすと前カバー25や舌片30に爪Tが当たってしまう可能性があるため、例えば前カバー25が移動する軌道に沿うように、斜め上方向の手前側に指Uを引くように、図示等によって指示してもよい。
【0041】
このようにして前カバー25が開被すると、これに伴って、押さえ部材として機能する舌片30も指Uの上面を押さえている状態(すなわち「第1位置」に配置された状態)から指Uの規制を解除する状態(すなわち「第2位置」に配置された状態)となり、指U及び爪Tの上方に大きく空間があいた状態となる。
このため、印刷後の爪Tが周囲の部材に当たったり、擦れたりするおそれがなく、高品質の印刷を保ったまま装置から取り出すことができる。
【0042】
以上のように、本実施形態の印刷装置1は、印刷対象である爪Tに印刷を施す印刷手段としての印刷ヘッド41と、爪Tに対応する指Uを載置する載置手段32と、指Uの移動を規制する位置である「第1位置」と、この「第1位置」よりも載置手段32に対する距離が相対的に大きく指Uの規制が解除される位置である「第2位置」と、に少なくとも移動可能である押さえ手段としての舌片30と、を備え、舌片30は、少なくとも印刷ヘッド41による印刷動作が行われている際に「第1位置」に配置される。
これにより、印刷後、前カバー25が開被されて押さえ手段としての舌片30が「第2位置」に配置されると、指U及び爪Tの上方に大きく空間があいた状態となる。このため、印刷後の爪Tが周囲の部材に当たったり、擦れたりするおそれがなく、高品質の印刷を保ったまま装置から取り出すことができる。
【0043】
また本実施形態では、押さえ手段としての舌片30は、「第1位置」に配置されたときに上方向から指Uの上面を押さえるものであり、載置手段32を上方向に付勢する付勢手段(付勢部材321b、付勢部材322b、付勢部材323b)を備えている。
これにより、ユーザが載置手段32に指Uを載せるときには、特にユーザ自身による押し下げ動作等を行わずに単に載せるだけでよく、付勢手段によって指Uが下に沈みすぎることも防止できる。また、ユーザが載置手段32に指Uを載せる時点では、指Uの上を覆う押さえ手段等がない状態であるため、例えばすでに下地が塗られた爪を印刷装置1にセットしてデザインの印刷を行いたい場合等でも、枠状に囲まれた空間内に指を挿入する場合と比較して爪表面を傷つけるおそれがない。そして舌片30が「第1位置」に配置されたときに、上方向から指Uの上面を押さえることで指Uが適切な高さ位置に規制され、印刷動作が行われている間、爪Tが印刷に適した高さ位置に保持された状態が維持される。このため、高品質の印刷を行うことができる。
【0044】
また本実施形態では、装置本体10を収容する筐体2を備え、押さえ手段としての舌片30は、筐体2における回動部材である前カバー25に設けられ、前カバー25が回動することで、「第1位置」と「第2位置」とに移動可能に構成されている。
このように、回動する前カバー25に押さえ手段としての舌片30を設けるだけで、印刷動作が行われる、前カバー25が閉じた状態では指Uの高さが舌片30によって規制され、前カバー25が開被された状態では指Uを自由に出し入れできる状態となる。このため、印刷中は適切な位置に指Uを保持しつつ、印刷前や印刷後に爪Tが周囲の部材等に接触等するのを防ぐことができる。
【0045】
また押さえ手段が、駆動手段としてのモータ等により「第1位置」と「第2位置」との間を自動で移動するように構成されてもよく、この場合には、撮影部5のカメラ等が爪Tや指Uの状態を検出可能な検出部として機能して、検出部の検出結果(例えばカメラにより撮影された画像等)に基づいてモータ等の駆動手段が押さえ手段を自動で移動させてもよい。
この場合には、ユーザが指Uや爪Tを配置した状態等に応じて自ら押さえ手段の位置を変えなくても、自動的に、適切な状態に切り替えることができる。
【0046】
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0047】
例えば、押さえ手段としての舌片30の形状、構成等は図示例に限定されない。
押さえ手段としての舌片30において、少なくとも「第1位置」にあるとき指Uと接触する面には、緩衝部材302が設けられていてもよい。
例えば、
図6では、示すように、舌片30aが窓部材252から連設される舌片本体301と、舌片本体301の下側面(すなわち指Uと当接する側の面)に配置されている緩衝部材302と、を有する場合を図示している。なお、緩衝部材302を舌片本体301の下側面に設ける手法は特に限定されない。例えば、各種接着剤や両面テープ等による貼着、ねじ止め固定等、各種の手法によることができる。
緩衝部材302としては、例えばウレタン樹脂等が適用可能であるが、これに限定されず、各種の樹脂等を用いることができる。
これにより、舌片30aが指Uの上面に当接したときに、指Uに加わる衝撃等を押さえ、ユーザの指Uにかかる負担を軽減することができる。
【0048】
また、押さえ手段としての舌片30bにおいて、少なくとも「第1位置」にあるとき指Uの上に配置される部分は、柔軟性を有する材料で形成された緩衝部303としてもよい。
例えば、
図7(a)では、舌片30bが窓部材252を形成する材料とは異なる、各種樹脂材料等の柔軟性を有する材料で形成された緩衝部303である場合を図示している。
これにより、舌片30bが指Uの上面に当接したときに、指Uに加わる衝撃等を押さえ、ユーザの指Uにかかる負担を軽減することができる。
【0049】
さらに、
図7(b)に示すように、押さえ手段としての舌片30cにおける舌片本体304の自由端側の端部305を丸みのある形状としてもよい。
この場合、端部305の形状は図示例に限定されず、舌片30cが「第1位置」から「第2位置」、「第2位置」から「第1位置」へと移動する際に、指Uの上面に突き当たったり、擦れたりしにくいような形状であればよい。
このような形状とした場合には、ユーザの指Uにかかる負担を軽減することができる。
【0050】
また本実施形態では、押さえ手段としての舌片30が、筐体2の前カバー25に設けられた窓部材252に連設されている場合を例示したが、押さえ手段は、筐体2側に設けられている場合に限定されない。
押さえ手段は、指Uの移動を規制する位置である「第1位置」と、「第1位置」よりも載置手段32に対する距離が相対的に大きくなる「第2位置」とを取り得るように移動可能であればよい。
【0051】
例えば、
図8に示すように、載置手段32を備える指置台3bに、上下動可能に設けられた押さえ手段35を備えてもよい。
この場合、押さえ手段35は、例えば載置手段32に載置された指Uを囲むように設けられた枠状の部材であり、天面内側が指Uの上面に当接してその高さ位置を規制する。
押さえ手段35が指Uの上面に当接する状態が「第1位置」に配置された状態(
図8に実線で示す状態)であり、この「第1位置」から、少なくとも指Uの上面に当接する部分が上昇することで「第2位置」に配置された状態(
図8に一点鎖線で示す状態)となる。
【0052】
このような構成によれば、押さえ手段が「第1位置」と、「第1位置」よりも載置手段32に対する距離が相対的に大きくなる「第2位置」とを取り得る構成を、筐体2の形状を変えることなく、実現することができる。
この場合にも、押さえ手段が「第2位置」に位置した状態では、指U及び爪Tの上方に大きく空間があいた状態となり、印刷後の爪Tが周囲の部材に当たったり、擦れたりするおそれがなく、印刷後の爪Tを高品質の印刷がされた状態のまま装置から取り出すことができる。
【0053】
さらに、図示は省略するが、筐体2側に上下動可能に設けられた押さえ手段を備えてもよい。この場合には、筐体2に、回動可能な前カバー25やヒンジ機構26等を設ける必要がなく、代わりに押さえ手段を上下動させる機構を設ける。
【0054】
なお、載置手段32を備える指置台3bに、上下動可能に設けられた押さえ手段35を設ける場合も、筐体2に、上下動可能に設けられた押さえ手段を設ける場合にも、押さえ手段の上下動は、手動で行われてもよいし、自動で行われてもよい。
押さえ手段を手動で上下動させる場合には、例えば押さえ手段につまみや把手のようなものを設けておき、これを指U等で掴んで、シャッタのように上下にスライド動作させる。なお、具体的な構成や動作の詳細はここに例示したものに限定されない。
【0055】
なお押さえ手段の上下動を自動で行う場合には、例えば撮影部5のカメラ等により取得された画像を画像解析等することで載置手段32の上に指U(指Uの爪T)が載置されたことを認識し、この認識結果を受けて、押さえ手段を下げる方向に駆動手段(例えば図示しないモータ等)を動作させ、例えば撮影部5のカメラ等により取得された画像を画像解析等することで載置手段32の上に指Uの爪Tへの印刷が完了したことを認識すると、この認識結果を受けて、押さえ手段を上げる方向にモータ等を動作させるとしてもよい。
【0056】
さらに、例えば
図9に示すように、印刷装置1aにおいて、装置本体10を収容する筐体2aが筐体本体20aと、筐体本体20aに対して着脱可能な蓋部20bとを有し、押さえ手段としての舌片30が、蓋部20bに設けられていてもよい。
この場合、蓋部20bが筐体本体20aに装着されたとき(すなわち
図9に示す状態のとき)に舌片30が「第1位置」に配置された状態となり、蓋部20bが、例えば筐体本体20aから、図中白抜き矢印で示す方向に取り外されたときに舌片30が「第2位置」に配置された状態となる。
【0057】
これにより、蓋部20bを着脱するだけで、指Uの高さが舌片30によって規制された状態と、指Uを自由に出し入れできる状態とを取り得る。
この場合にも、押さえ手段が「第2位置」に位置した状態では、指U及び爪Tの上方に大きく空間があいた状態となり、印刷後の爪Tが周囲の部材に当たったり、擦れたりするおそれがなく、高品質の印刷を維持したまま装置から取り出すことができる。
【0058】
また、本実施形態では、印刷装置1の印刷ヘッド41として、インクジェット方式の印刷ヘッド41を備える構成としたが、印刷ヘッド41の構成はこれに限定されない。
シリンジ型のヘッドやペン型のヘッド等、インクジェット方式の印刷ヘッド41とは異なる構成のものを備えてもよい。
【0059】
また、本実施形態では、印刷装置1が端末装置等の外部装置と連携して爪に印刷を行う場合を例示したが、印刷装置1はここに示すようなものに限定されず、単体で印刷動作が完結するように構成されたものであってもよい。
例えば、本実施形態では、各種の指示画面を外部装置の表示部に表示させる場合を示したが、例えば、印刷装置1に表示部を備えてもよく、この場合には当該表示部にタッチパネルが一体的に設けられていてもよい。印刷装置1がタッチパネルを備える場合には、タッチパネルが操作部27として機能してもよい。
【0060】
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
印刷対象である爪に対応する指を載置する載置手段と、
前記載置手段に載置された指の移動を規制する位置である第1位置と、前記第1位置よりも前記載置手段に対する距離が相対的に大きく前記指の規制が解除される位置である第2位置と、に少なくとも移動可能である押さえ手段と、を備える、
ことを特徴とする印刷装置。
<請求項2>
爪に印刷を施す印刷手段をさらに備え、
前記押さえ手段は、少なくとも前記印刷手段による印刷動作が行われている際に前記第1位置に配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
<請求項3>
前記載置手段は、前記載置手段を上方に付勢する付勢手段を含み、
前記押さえ手段は、前記第2位置から前記第1位置へと移動するときに上方から指及び前記載置手段を押し下げ、さらに前記付勢手段が前記載置手段を上方に付勢することで、前記指の移動を規制する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷装置。
<請求項4>
装置本体を収容する筐体を備え、
前記押さえ手段は、前記筐体に設けられた回動部が回動することによって、前記第1位置と前記第2位置とに移動可能である、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の印刷装置。
<請求項5>
装置本体を収容し、自装置から着脱可能な蓋部を有する筐体を備え、
前記押さえ手段は、前蓋部に設けられ、蓋部が筐体本体に装着されたときに前記第1位置となり、前記蓋部が前記筐体本体から取り外されたときに前記第2位置となる、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の印刷装置。
<請求項6>
前記押さえ手段は、前記載置手段を備える指置台又は筐体に上下動可能に設けられ、前記第1位置に配置された状態から上昇することで前記第2位置となる、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の印刷装置。
<請求項7>
前記押さえ手段を、前記第1位置と前記第2位置との間で移動させることが可能な駆動手段と、
前記爪及び指の状態を検出可能な検出部と、をさらに備え、
前記検出部の検出結果に基づいて前記駆動手段が前記押さえ手段を移動させる、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の印刷装置
【符号の説明】
【0061】
1 印刷装置
10 装置本体
11 基台
2 筐体
25 前カバー
26 ヒンジ機構
261 回転軸
3 指置台
30 舌片(押さえ手段)
32 載置手段
4 印刷部
41 印刷ヘッド
42 ホルダ
5 撮影部
T 爪
U 指