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特許7601207運転判定システム、運転判定方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】運転判定システム、運転判定方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   B60W 40/08 20120101AFI20241210BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20241210BHJP
【FI】
B60W40/08
B60W50/14
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023508329
(86)(22)【出願日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 JP2021012609
(87)【国際公開番号】W WO2022201446
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】菅原 千里
(72)【発明者】
【氏名】十文字 奈々
(72)【発明者】
【氏名】木村 洋介
(72)【発明者】
【氏名】徳永 昌也
(72)【発明者】
【氏名】高見 徹
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-250445(JP,A)
【文献】特開2010-152453(JP,A)
【文献】特開2000-289485(JP,A)
【文献】特開2020-166390(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
G08G 1/00 - 99/00
B60R 21/00 - 21/13
B60R 21/34 - 21/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のセンサ情報に基づき、前記車両の危険運転を検知する検知手段と、
前記車両の内部又は外部を撮影した画像情報に基づき、前記危険運転が検知されたときの前記車両の走行に関する走行状況を検出する検出手段と、
検出した前記走行状況に応じて、検知した前記危険運転がやむを得ない運転か判定し、さらに、前記車両の内部又は外部を撮影した画像情報に基づき検出された第2の走行状況に基づいて良い運転であるか判定する判定手段と、
前記危険運転に基づいて前記車両の運転に関する評価値を算出し、前記良い運転に基づいて前記評価値に加点する運転評価手段と、を備える運転判定システム。
【請求項2】
前記走行状況は、前記車両が走行している外部環境、前記車両が走行している道路状況、又は前記車両の運転操作に関する運転操作状況である請求項1に記載の運転判定システム。
【請求項3】
前記判定手段は、前記走行状況に応じて、検知した前記危険運転の要因が、前記車両の運転者にあるのか、前記車両の運転者以外にあるのか推定する、請求項1又は2に記載の運転判定システム。
【請求項4】
前記判定手段は、検知した前記危険運転の要因が前記運転者以外にある場合、前記危険運転をやむを得ない運転と判定する請求項3に記載の運転判定システム。
【請求項5】
前記判定手段は、検知した前記危険運転の要因が前記車両の運転者にある場合、前記危険運転を不要な危険運転と判定する請求項1から4のいずれか1つに記載の運転判定システム。
【請求項6】
検知した前記危険運転に関する情報を含む運転情報を生成する運転情報生成手段を、更に備える請求項1から5のいずれか1つに記載の運転判定システム。
【請求項7】
前記運転情報は、前記危険運転の日時、前記危険運転の発生位置、前記危険運転の種別を含む請求項6に記載の運転判定システム。
【請求項8】
車両のセンサ情報に基づき、前記車両の危険運転を検知する検知手段と、
前記車両の内部又は外部の音を収録した音情報に基づき、前記危険運転が検知されたときの前記車両の走行に関する走行状況を検出する検出手段と、
検出した前記走行状況に応じて、検知した前記危険運転がやむを得ない運転か判定し、さらに、前記車両の内部又は外部を撮影した画像情報に基づき検出された第2の走行状況に基づいて良い運転であるか判定する判定手段と、
前記危険運転に基づいて前記車両の運転に関する評価値を算出し、前記良い運転に基づいて前記評価値に加点する運転評価手段と、を備える運転判定システム。
【請求項9】
車両のセンサ情報に基づき、前記車両の危険運転を検知し、
前記車両の内部又は外部を撮影した画像情報に基づき、前記危険運転が検知されたときの前記車両の走行に関する走行状況を検出し、
検出した前記走行状況に応じて、検知した前記危険運転がやむを得ない運転か判定し、さらに、前記車両の内部又は外部を撮影した画像情報に基づき検出された第2の走行状況に基づいて良い運転であるか判定し、
前記危険運転に基づいて前記車両の運転に関する評価値を算出し、前記良い運転に基づいて前記評価値に加点する運転判定方法。
【請求項10】
車両のセンサ情報に基づき、前記車両の危険運転を検知し、
前記車両の内部又は外部を撮影した画像情報に基づき、前記危険運転が検知されたときの前記車両の走行に関する走行状況を検出し、
検出した前記走行状況に応じて、検知した前記危険運転がやむを得ない運転か判定し、さらに、前記車両の内部又は外部を撮影した画像情報に基づき検出された第2の走行状況に基づいて良い運転であるか判定し、
前記危険運転に基づいて前記車両の運転に関する評価値を算出し、前記良い運転に基づいて前記評価値に加点することをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の運転を判定する運転判定システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
ドライブレコーダーの加速度センサから車両の急な加減速等を判定し、その回数などから運転者の運転を評価する運転評価システムがある。特許文献1には、車両の運転操作状況から道路状況を推定して、危険運転を判定するシステムが開示されている。特許文献2には、規範モデルとドライバーの運転操作との差異を評価値として、一定の評価値以下のドライバーに規範モデルに近づける行動を促すシステムが開示されている。特許文献3には、同地点における他運転者との運転内容を比較して安全運転を評価するシステムが開示されている。このような運転評価は、運転者を管理する管理者に提供され、運転者ごとの勤務評価として採用される場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-074764号公報
【文献】特開2020-129289号公報
【文献】特開2016-062470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、車両が急減速したと判定された中には、例えば、歩行者又は動物の飛び出しから危機回避のために、運転者が車両を急減速した行為が含まれる可能性がある。このような危機回避の運転が危険な運転と評価されると運転者のモチベーションが低下することになる。
【0005】
本開示の目的の1つは、車両のセンサ情報で検知された危険運転の要因を推定できる運転判定システム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の運転判定システムの一態様は、車両のセンサ情報に基づき、前記車両の危険運転を検知する検知部と、前記車両の内部又は外部を撮影した画像情報に基づき、前記危険運転が検知されたときの前記車両の走行に関する走行状況を検出する検出部と、検出した前記走行状況に応じて、検知した前記危険運転がやむを得ない運転か判定する判定部と、を備える。
【0007】
本開示の運転判定方法の一態様は、車両のセンサ情報に基づき、前記車両の危険運転を検知し、前記車両の内部又は外部を撮影した画像情報に基づき、前記危険運転が検知されたときの前記車両の走行に関する走行状況を検出し、検出した前記走行状況に応じて、検知した前記危険運転がやむを得ない運転か判定する。
【0008】
本開示のプログラムの一態様は、車両のセンサ情報に基づき、前記車両の危険運転を検知し、前記車両の内部又は外部を撮影した画像情報に基づき、前記危険運転が検知されたときの前記車両の走行に関する走行状況を検出し、検出した前記走行状況に応じて、検知した前記危険運転がやむを得ない運転か判定することをコンピュータに実行させる。

【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、車両のセンサ情報で検知された危険運転の要因を推定できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る運転判定システムの概要を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る運転判定システムの構成の例を示す図である。
図3】画像情報に基づく走行状況の例を示す図である。
図4】音像情報に基づく走行状況の例を示す図である。
図5】画像情報に基づく走行状況で推定した危険運転の要因と、判定の例を示す図である。
図6】音情報に基づく走行状況で推定した危険運転の要因と、判定の例を示す図である。
図7】画像情報又は音響情報に基づく走行状況と、良い運転の判定の例を示す図である。
図8】運転情報の例を示す図である。
図9】運転者の運転の評価を示す評価情報の例を示す図である。
図10】不要な危険運転を地図情報に重畳表示した場合の表示例を示す図である。
図11】不要な危険運転、やむを得ない運転を識別する表示情報を示す図である。
図12】不要な危険運転とやむを得ない運転を地図情報に重畳表示する例を示す図である。
図13】第1の実施形態に係る運転判定システムの動作の例を示すフローチャートである。
図14】第2の実施形態に係る運転判定システムの構成の例を示すブロック図である。
図15】第2の実施形態に係る運転判定システムの動作の例を示すフローチャートである。
図16】コンピュータのハードウエア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係る運転判定システムについて、図面を用いて説明する。図1は、第1の実施形態に係る運転判定システムの概要を示す図である。図1に示す運転判定システム10は、車両システム20とネットワーク30を介して通信可能に接続される。
【0012】
(車両システム)
図1に示す車両システム20は、自動車などの車両に設けられ、車両に設置されたセンサ21からセンサ情報を収集して、運転判定システム10に送信する。車両システム20は、センサ情報に車両を識別する車両識別子を関連づけて送信する。車両システム20は、例えば、ソフトウエアによって機能を実行するコンピュータである。また、車両システム20は収集したセンサ情報を記録媒体に保存し、運転判定システム10が記録媒体又は記録媒体を搭載した機器からセンサ情報を読み出してもよい。なお、車両としては、自動車(自動四輪車)の他、自動二輪車(三輪含む)や自転車等を含んでもよい。
【0013】
センサ情報とは、例えば、車両の状態や挙動を表す情報、及び、車両の運転者による運転操作を表す情報である。センサ情報には、車両の内外を撮影した画像情報、又は、車両の内外の収音した音情報が含まれる。センサ情報は、車両が走行する外部環境に関する情報を含んでもよい。外部環境のセンサ情報は、例えば、車両走行時の温度、湿度、照度などである。外部環境の詳細については後述する。画像情報、音情報には、車両の外における走行状況が含まれる。走行状況については、後述する。さらに、画像情報には、車両内の運転者や同乗者が含まれる。音情報には、車両内の音又は運転者や同乗者の音声が含まれる。上述のセンサ情報は例示であって、これらに限られない。
【0014】
センサ21は、例えば、車両の走行位置、車両の速度を測定する速度センサ、車両の加速度を測定する加速度センサ、車両のハンドル操作を測定するステアリングセンサであってもよい。あるいは、センサ21は、車両の内外を撮像する撮像センサ、車両の内外を収音する音響センサ又はマイクであってもよい。上述のセンサ21は例示であってこれらに限られない。
【0015】
(運転判定システム)
図2は、第1の実施形態に係る運転判定システムの構成の例を示す図である。図2に示す運転判定システム10は、検知部101、検出部102、判定部103、運転情報生成部104は、運転評価部105、出力部106、通信部(図示せず)を備える。
【0016】
検知部101は、車両のセンサ情報に基づき、車両の危険運転を検知する。危険運転とは、例えば、交通に危険を及ぼす可能性がある運転を意味する。危険運転の要素は、例えば、急減速、急加速、急ハンドル、急ブレーキ、急発進、段差の走行、又は、蛇行運転などである。危険運転の要素は例示であり、これらに限られない。
【0017】
検知部101は、車両の前後方向の加速度の大きさから、車両の急減速、急加速、急発進、又は急ブレーキによる危険運転を検知する。あるいは、車両の左右方向の加速度の大きさから、車両の急ハンドルまたは蛇行運転による危険運転を検知する。なお、危険運転の検知は、加速度に限られず、アクセルペダルセンサ、ステアリングセンサからのセンサ情報に基づいて危険運転を検知してもよい。危険運転の検知は例示であり、これらに限られない。
【0018】
検知部101は、車両の危険運転を検知する他に、車両のセンサ情報に基づき、車両の穏やかな運転を検知してもよい。穏やかな運転とは例えば、穏やかな加速、減速、発進、停止、又は、ハンドリングなどを検知してもよい。
【0019】
検出部102は、車両の内部又は外部を撮影した画像情報に基づき、危険運転が検知されたときの車両の走行に関する走行状況を検出する。図3は、画像情報に基づく走行状況の例を示す図である。図3に示す画像情報に基づく走行状況は、外部環境に関する情報、道路状況に関する情報、又は、運転操作状況に関する情報を含む。
【0020】
画像情報に基づく外部環境は、例えば、晴、雨、雪、霧、風、又は、雷等の天候である。例えば、検出部102は、外部環境を検出するための手法として機械学習を用いて、車両の外の撮影データから、車両走行時の降雨、降雪の有無、視界程度等を検出する。あるいは、機械学習を用いずに、検出部102は、撮影データの輝度や色の差異など参照して画像処理を用いて降雨、降雪等を検出してもよい。外部環境、又は外部環境の検出手法は例示であり、これらに限られない。
【0021】
画像情報に基づく道路状況は、路面状況、車線状況、混雑状況、又は、走行障害物を含む。路面状況は、路面段差、路面状態、又は、舗装種別を含む。車線状況は、道路幅員、幅員増減、車線数、車線数増減、走行車線位置、交差点、分岐点、合流点等を含む。混雑状況は車間距離を含む。走行障害物は、駐停車車両、落下物、人や動物等の飛び出し、あおり運転車両、緊急車両などを含む。道路状況は、例示であり、これらに限られない。
【0022】
画像情報に基づく運転操作状況は、アクセル操作、ブレーキ操作、ハンドル操作、スイッチ操作、運転者の視線、居眠り、運転時の姿勢等を含む。検出部102は、例えば、カメラ画像からハンドルの操作角度、スイッチ操作の有無、運転者の居眠りなどを映像解析により検出する。運転操作状況は例示であり、これらに限られない。
【0023】
例えば、検出部102は、車両の急減速により危険運転が検知されたときの車両の走行状況(道路状況)として、画像情報に基づき車両が走行する車線上に落下物があるか検出する。あるいは、検出部102は、車両が急加速した際、走行状況の外部環境として、画像情報から車両の進行方向の信号機の表示や点滅を検出してもよい。
【0024】
なお、検出部102は、車両の内部又は外部を撮影した音情報に基づき、危険運転が検知されたときの車両の走行に関する走行状況を検出してもよい。図4は、音像情報に基づく走行状況の例を示す図である。図4に示す音情報に基づく走行状況は、例えば、外部環境に関する情報、道路状況に関する情報、又は、運転操作状況に関する情報を含む。音情報に基づく外部環境は、例えば、雨、雪、風、雹、又は、雷等の天候である。例えば、検出部102は、外部環境を検出するための手法として機械学習を用いて、車両の外の音響データから、車両走行時の雨、雪、風、雹、雷の有無を検出する。雨音、風音に基づき、降水量、風速の強弱が検出されてもよい。あるいは機械学習以外の手法を用いてもよく、検出部102は、音響データの周波数や音圧の差異などにを参考に降雨、降雪等を検出してもよい。外部環境又は外部環境を検出する手法は例示であり、これらに限られない。
【0025】
音情報に基づく道路状況は、路面状況、車線状況を含む。路面状況は、路面段差、路面状態を含む。車線状況は、トンネル(反響音)、音響信号機(誘導音)、踏切(警報音)である。道路状況は、例示であり、これらに限られない。
【0026】
音情報に基づく運転操作状況は、運転者の声、同乗者の声、走行速度(風切り音、ロードノイズ)、スイッチ操作(ウインカー点滅音、ワイパー動作音)、クラクションなどである。運転操作状況は例示であり、これらに限られない。
【0027】
例えば、検出部102は、車両の急減速により危険運転が検知されたときの車両の走行状況(外部環境)として、歩行者を誘導する音響信号機のメロディが流れていることを検出する。
【0028】
判定部103は、検出した走行状況に応じて、検知した危険運転がやむを得ない運転か判定する。詳しくは、判定部103は、検出された走行状況(外部環境、道路状況、運転操作状況)において、危険運転の要因が、車両の運転者にあるのか、車両の運転者以外にあるのか推定する。
【0029】
図5は、画像情報に基づく走行状況で推定した危険運転の要因と、判定の例を示す図である。例えば、検知された危険運転が急減速で、走行状況(運転操作状況)の情報に運転者の居眠りが含まれていた場合、判定部103は、危険運転の要因が運転者にあると推定する。あるいは、別のケースにおいて、検知された危険運転が急減速で、走行状況(道路状況)の情報に路上に落下物が含まれていた場合、判定部103は、危険運転の要因が運転者以外(このケースでは落下物)にあると推定する。
【0030】
判定部103は、検知した危険運転の要因が運転者以外にある場合、検知した危険運転をやむを得ない運転と判定し、検知した危険運転の要因が車両の運転者にある場合、不要な危険運転と判定する。
【0031】
図6は、音情報に基づく走行状況で推定した危険運転の要因と、判定の例を示す図である。例えば、検知された危険運転が急減速で、走行状況(道路状況)の情報に横断歩道の音響信号機の音が含まれていた場合、判定部103は、危険運転の要因が運転者にあると推定する。あるいは、別のケースにおいて、検知された危険運転が急ハンドルで、走行状況(外部環境)の情報に車両の外部で強風の音が含まれていた場合、判定部103は、危険運転の要因が運転者以外(車両が風で流される)にあると推定する。
【0032】
あるいは、判定部103は、検知した運転に対して、画像情報又は音響情報に基づき検出した走行状況に応じて、検知した運転が良い運転か判定してもよい。良い運転とは、例えば、穏やかな運転、丁寧な運転、法定速度を遵守した運転、周囲の運転者への配慮のある運転、又は、環境への配慮がある運転などである。図7は、画像情報又は音響情報に基づく走行状況と、良い運転の判定の例を示す図である。例えば、検知された運転が穏やかな減速で、走行状況(道路状況)の情報に右折待ちの車両を先に行かせる映像が含まれていた場合、判定部103は、検知した運転が良い運転と判定する。なお、良い運転の定義、良い運転の判定は例示であり、これに限られない。
【0033】
運転情報生成部104は、運転情報を生成する。運転情報は、検知した危険運転に関する情報を含む。図8は、運転情報生成部104によって生成され、メモリ(例えば、後述する図16におけるRAM(Random Access Memory)93または記憶装置95)に格納される運転情報の例を示す図である。図8に示す運転情報は、運転情報識別子、運転者識別子、車両識別子、日時、位置情報、危険運転の種別、危険運転レベル、要因、判定の項目を有する。運転情報識別子は、例えば、運転情報生成部104で危険運転が検知されたときに時系列で順次付与される。運転者識別子と車両識別子の紐付は、例えば、車両システム20、又は、他装置に格納された車両の予約情報から取得してもよい。また、運転情報生成部104は、車両識別子に関連する、検知部101で検知された危険運転に関連する情報(危険運転の発生日時、危険運転の発生位置を示す位置情報、危険運転の種別)を検知部101又は記憶部(図示せず)から取得する。
【0034】
運転情報生成部104は、生成した運転情報の危険運転の種別に対して、危険運転レベルを付与する。例えば、危険運転レベルの大小が、急減速の加速度の大小に応じて設定されてもよい。危険運転レベルの付与の仕方は例示であり、これに限られない。
【0035】
さらに運転情報生成部104は、判定部103による追加の判定結果に応じて、運転情報を更新してもよい。運転情報生成部104は、判定部103が危険運転をやむを得ない運転と判定した場合、運転情報の判定の項目に「やむを得ない運転」を登録し、判定部103が不要な危険運転と判定した場合、「不要な危険運転」を登録する。また、運転情報生成部104は、判定結果に基づき、運転情報の判定要因の項目に判定の要因となった事項を登録してもよい。運転情報生成部104は、生成した運転情報を記憶部(図示せず)に記憶させる。なお、管理者が運転情報の「不要な危険運転」と「やむを得ない運転」のステータスを相互に変えられるように、運転情報生成部104に管理者による運転情報の変更を受付ける管理者設定機能を持たせてもよい。
【0036】
運転評価部105は、危険運転に基づいて運転に関する評価値を算出する。例えば、運転評価部105は、評価値の初期値を100とし、検知部101が危険運転を検出する度に評価値から減点する。初期値は100以外でもよい。危険運転による減点の値は、一定値でもよく、危険運転レベルに応じた値でもよい。例えば、危険運転レベルの高低に基づき、減点の高低を設定してもよい。
【0037】
図9は、運転者の運転の評価を示す評価情報の例を示す図である。図9に示す評価情報は、運転者識別子、評価値、危険運転回数、良い運転回数の項目を含む。例えば、評価値は以下の算出式により算出する。
【0038】
評価値=100-危険運転回数*k1+良い運転回数*k2[係数k1=4,k2=2]
この算出式で図9に示すM1の評価値は「58」となり、M2の評価値は「88」となる。算出式とその係数は例示であり、これに限られない。
【0039】
さらに、評価方法の他の例として、運転評価部105は、運転者ごとに危険運転の要素(急加速、急減速など)に分けて評価値を算出し、要素ごとの評価値の平均又は合計に基づき総合点数を算出してもよい。また、運転評価部105は、危険運転による減点とは別にして、良い運転又はやむを得ない運転の加点を別スコアとして加算してもよい(2軸)。さらに、運転評価部105は、初期値(例えば、100)から危険運転によって減点された残りの持ち点スコアと、加点スコアの2つのスコアをまとめて1つのスコアとして算出してもよい。
【0040】
運転者識別子は、例えば、社員番号、会員番号、又は、個人番号であってもよい。評価情報の項目には運転者氏名が含まれてもよい。また、危険運転回数や良い運転回数は無くてもよい。評価情報の項目は例示であり、これらに限られない。
【0041】
運転評価部105は、危険運転に基づく減点だけでなく、良い運転に基づく加点をしてもよい。例えば、運転評価部105は、判定部103が図7に示すような良い運転と判定した回数に応じて評価値に加点してもよい。減点だけではなく加点でも運転が評価されることにより、運転者のモチベーションが向上し、安全運転への貢献に繋げられる。
【0042】
運転評価部105は、1日ごとに評価情報を記憶部(図示せず)に記憶させ、評価値を初期値にリセットする。評価情報の記憶は、1日以外でもよい。評価値のリセットは、評価情報の記憶と別であってもよい。
【0043】
出力部106は、ディスプレイ(図示せず)に表示させるための情報を生成し、ディスプレイに表示させる表示制御を行なう。出力部106は、運転情報又は評価情報に基づいて、不要な危険運転又はやむを得ない運転に関する情報を表示制御する。例えば、出力部106は、運転情報に基づき、危険運転の種別と発生位置を、地図情報に重畳表示する。
【0044】
図10は、不要な危険運転を地図情報に重畳表示した場合の表示例を示す図である。図10の表示例は、運転者を管理する管理者向けの表示画面である。画面表示1010は、地図情報1020、レベル選択1030、表示選択1040を含む。地図情報1020には、車両の危険運転の種別アイコン(急減速のアイコン、急ハンドルのアイコン、急加速のアイコン)と、それぞれの発生位置が地図に重畳表示される。例えば、図10の急減速のアイコンの位置は、図8の位置情報XXX1の運転情報識別子D1の危険運転に対応する。なお、種別アイコンをマウス1050で選択することで、危険運転に関する動画、危険運転レベル、判定要因を表示するための選択リンク1060が表示される。例えば、選択リンク1060の中の「危険運転レベル」をマウス1050でクリックすることで、運転情報に記録された危険運転レベルの値が表示される。
【0045】
レベル選択1030は、危険運転の危険運転レベルを選択するチェックボックスである。レベル選択1030の危険運転レベルにチェックが入ると、出力部106は、図8に示す運転情報を参照し、チェックされた危険運転レベルに対応する危険運転を選択し、出力部106は選択された危険運転レベルの危険運転の情報(種別アイコンと不要な危険運転の内容)を重畳出力する。危険運転レベルは重複した選択が可能であり、全選択により、全ての危険運転レベルの不要な危険運転が出力される。なお、表示する危険運転レベルの閾値とレベルの段階数は任意に設定可能である。
【0046】
表示選択1040は、地図上に不要な危険運転とやむを得ない運転を選択して表示するチェックボックスである。両方を選択することでいずれも表示可能となる。レベル選択1030と表示選択1040を組み合わせて、例えば、危険運転レベルが「8」で「やむを得ない運転」が出力される。なお、表示選択は、危険運転レベル等に限られない。例えば、運転者識別子、車両識別子、日時、地域(位置情報に基づく範囲)など運転情報の他の項目であってもよい。さらに、運転情報を検索するための検索入力欄を設けてもよい。
【0047】
図11は、不要な危険運転、やむを得ない運転の種別アイコンを示す図である。図11に示す危険運転アイコン2010は、急減速、急ハンドル、急加速を示す。また、やむを得ない運転アイコン2020は、急減速、急ハンドル、急加速を示す。なお、例えば、検知された危険運転が、後の判定によりやむを得ない運転となった場合、地図上に重畳される種別アイコンが変更される。
【0048】
図12は、運転情報の不要な危険運転、やむを得ない運転を地図情報に重畳表示する例を示す図である。図10の表示例に示す表示画面において、表示選択1040の「やむを得ない運転」が選択されることで、出力部106は、図12に示すように、やむを得ない運転の種別アイコン(急減速、急ハンドル、急加速)をそれぞれの発生位置の地図上に重畳表示する。また、やむを得ない運転アイコンにおいて、マウス選択により動画、危険運転レベル、判定要因を表示するための選択リンクが表示される。
【0049】
(動作)
次に、第1の実施形態に係る運転判定システム10の動作について説明する。図13は、第1の実施形態に係る運転判定システムの動作の例を示すフローチャートである。
【0050】
運転判定システム10は、車両システム20が送信した車両のセンサ情報を受信する。
【0051】
検知部101は、車両のセンサ情報に基づき、当該車両の危険運転を検知する(ステップS101)。危険運転の要素は、例えば、急減速、急加速、急ハンドル、急ブレーキ、急発進、段差の走行、又は、蛇行運転などである。
【0052】
検出部102は、車両の内部又は外部を撮影した画像情報に基づき、危険運転が検知されたときの車両の走行に関する走行状況を検出する(ステップS102)。画像情報に基づく走行状況は、外部環境に関する情報、道路状況に関する情報、又は、運転操作状況に関する情報を含む。なお、検出部102は、車両の内部又は外部を撮影した音情報に基づき、危険運転が検知されたときの車両の走行に関する走行状況を検出してもよい。
【0053】
判定部103は、検出した走行状況に応じて、検知した危険運転がやむを得ない運転か判定する。判定部103は、検出された走行状況(外部環境、道路状況、運転操作状況)において、危険運転の要因が、車両の運転者にあるのか、車両の運転者以外にあるのか推定する(ステップS103)。判定部103は、検知した危険運転の要因が車両の運転者にある場合(ステップS104のYes)、不要な危険運転と判定する(ステップS105)。一方、判定部103は、検知した危険運転の要因が運転者以外にある場合(ステップS104のNo)、危険運転をやむを得ない運転と判定する(ステップS106)。
【0054】
また、判定部103は、検知した運転に対して、画像情報又は音響情報に基づき検出した走行状況に応じて、検知した運転が良い運転か判定してもよい。例えば、検知された運転が穏やかな減速で、走行状況(道路状況)の情報に右折待ちの車両を先に行かせる映像が含まれていた場合、判定部103は、検知した運転が良い運転と判定する。
【0055】
運転情報生成部104は、運転情報を生成する(ステップS107)。運転情報は、例えば、運転情報識別子、運転者識別子、車両識別子、日時、位置情報、危険運転の種別、危険運転レベル、要因、判定の項目を有する。運転情報生成部104は、車両識別子に関連する、検知部101で検知された危険運転に関連する情報(危険運転の日時、車両の位置情報、危険運転の種別)を検知部101又は記憶部(図示せず)から取得する。
【0056】
運転情報生成部104は、生成した運転情報の危険運転の種別に対して、危険運転レベルを付与する。
【0057】
さらに運転情報生成部104は、判定部103による追加の判定結果に応じて、運転情報を更新してもよい。運転情報生成部104は、判定部103が危険運転をやむを得ない運転と判定した場合、運転情報の判定の項目に「やむを得ない運転」を登録し、判定部103が不要な危険運転と判定した場合、「不要な危険運転」を登録する。また、運転情報生成部104は、判定結果に基づき、運転情報の判定要因の項目に判定の要因となった事項を登録してもよい。なお、管理者は、運転情報生成部104の管理者設定機能を用いて生成された運転情報の「不要な危険運転」と「やむを得ない運転」のステータスを相互に変えることもできる。
【0058】
運転評価部105は、危険運転に基づいて運転に関する評価値を算出する(ステップS108)。例えば、運転評価部105は、評価値の初期値を100とし、検知部101が危険運転を検出する度に評価値から減点する。初期値は100以外でもよい。危険運転による減点の値は、一定値でもよく、危険運転レベルに応じた値でもよい。例えば、危険運転レベルの高低に基づき、減点の高低を設定してもよい。
【0059】
運転評価部105は、危険運転に基づく減点だけでなく、良い運転に基づく加点をしてもよい。例えば、運転評価部105は、判定部103が良い運転と判定した運転の回数に応じて評価値に加点してもよい。あるいは、運転評価部105は、運転者ごとに不要な危険運転の要素(急加速、急減速など)に分けて評価値を算出し、要素ごとの評価値の平均又は合計に基づき総合点数を算出してもよい。また、運転評価部105は、不要な危険運転による減点とは別にして、良い運転の加点を別スコアとして加算してもよい(2軸)。さらに、運転評価部105は、初期値(例えば、100)から不要な危険運転によって減点された残りの持ち点スコアと加点スコアの2つのスコアをまとめて1つのスコアとして算出してもよい。
【0060】
出力部106は、運転情報又は評価情報に基づいて、危険運転又はやむを得ない運転に関する情報を表示出力する。例えば、出力部106は、運転情報に基づき、危険運転の種別と発生位置を、地図情報に重畳表示する(ステップS109)。例えば、出力部106は、地図情報1020に、車両の危険運転の種別アイコン(急減速、急ハンドル、急加速)と、それぞれの発生位置が地図に重畳表示される。
【0061】
なお、出力部106は、判定部103が、検知した危険運転の要因が運転者以外にあると推定した場合、検知した危険運転が異なる可能性を管理者に報知してもよい。報知の例は、例えば、「この急減速は危険運転ではない可能性があります」と表示することである。
【0062】
(第1の実施形態の変形例)
運転判定システム10は、車両に搭載されてもよい。例えば、運転判定システム10の構成が車両のドライブレコーダー又は車両の運転支援システム、あるいは、車両システム20、運転者が使用するスマートフォンのアプリに搭載されてもよい。
【0063】
(第1の実施形態の効果)
第1の実施形態によれば、運転判定システム10は、車両のセンサ情報で検知された危険運転の要因を推定できる。その理由は、検出部102が、車両の内部又は外部を撮影した画像情報に基づき、危険運転が検知されたときの車両の走行に関する走行状況を検出するからである。そして推定した結果から判定部103は、検出した走行状況に応じて、検知した危険運転がやむを得ない運転かを判定することができる。
【0064】
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る運転判定システムについて、図面を用いて説明する。第2の実施形態に係る運転判定システムは、第1の実施形態に係る運転判定システム10と同様にネットワーク30を介して車両システム20と通信可能に接続される。
【0065】
図14は、第2の実施形態に係る運転判定システムの構成の例を示すブロック図である。図14に示す運転判定システム11は、検知部101、検出部102、判定部103、通信部(図示せず)を備える。運転判定システムは11、例えば、ソフトウエアによって検知部101、検出部102、判定部103の機能を実行するコンピュータである。
【0066】
第2の実施形態に係る運転判定システム11は、第1の実施形態に係る運転判定システム10の構成から運転情報生成部104は、運転評価部105、出力部106を省略した構成である。このため検知部101、検出部102、判定部103の構成についての詳細な説明は省略する。
【0067】
運転判定システム11は、車両システム20が送信した車両のセンサ情報を受信する。センサ情報には、車両の内外を撮影した画像情報、又は、車両の内外の収音した音情報が含まれる。
【0068】
検知部101は、車両のセンサ情報に基づき、当該車両の危険運転を検知する。危険運転の要素は、例えば、急減速、急加速、急ハンドル、急ブレーキ、急発進、段差の走行、又は、蛇行運転などである。危険運転の要素は例示であり、これらに限られない。
【0069】
検出部102は、車両の内部又は外部を撮影した画像情報に基づき、危険運転が検知されたときの車両の走行に関する走行状況を検出する。画像情報に基づく走行状況は、外部環境に関する情報、道路状況に関する情報、又は、運転操作状況に関する情報を含む。画像情報に基づく外部環境は、例えば、晴、雨、雪、霧、風、又は、雷等の天候である。画像情報に基づく道路状況は、例えば、路面状況、車線状況、混雑状況、又は、走行障害物を含む。画像情報に基づく運転操作状況は、アクセル操作、ブレーキ操作、ハンドル操作、スイッチ操作、運転者の視線、居眠り等を含む。
【0070】
なお、検出部102は、車両の内部又は外部を撮影した音情報に基づき、危険運転が検知されたときの車両の走行に関する走行状況を検出してもよい。音情報に基づく走行状況は、例えば、外部環境に関する情報、道路状況に関する情報、又は、運転操作状況に関する情報を含む。音情報に基づく外部環境は、例えば、雨、雪、風、雹、又は、雷等の天候である。音情報に基づく道路状況は、路面状況、車線状況を含む。路面状況は、路面段差、路面状態を含む。車線状況は、トンネル(反響音)、音響信号機(誘導音)、踏切(警報音)である。道路状況は、例示であり、これらに限られない。
【0071】
音情報に基づく運転操作状況は、運転者の声、同乗者の声、走行速度(風切り音、ロードノイズ)、スイッチ操作(ウインカー点滅音、ワイパー動作音)、クラクションなどである。運転操作状況は例示であり、これらに限られない。
【0072】
判定部103は、検出した走行状況に応じて、検知した危険運転がやむを得ない運転か判定する。詳しくは、判定部103は、検出された走行状況(外部環境、道路状況、運転操作状況)において、危険運転の要因が、車両の運転者にあるのか、車両の運転者以外にあるのか推定する。
【0073】
例えば、検知された危険運転が急減速で、走行状況(運転操作状況)の情報に運転者の居眠りが含まれていた場合、判定部103は、危険運転の要因が運転者にあると推定する。
【0074】
判定部103は、検知した危険運転の要因が運転者以外にある場合、危険運転をやむを得ない運転と判定し、検知した危険運転の要因が車両の運転者にある場合、危険運転と判定する。
【0075】
例えば、検知された危険運転が急減速で、走行状況(道路状況)の情報に横断歩道の音響信号機の音が含まれていた場合、判定部103は、危険運転の要因が運転者にあると推定する。
【0076】
あるいは、判定部103は、検知した運転に対して、画像情報又は音響情報に基づき検出した走行状況に応じて、検知した運転が良い運転か判定してもよい。例えば、検知された運転が穏やかな減速で、走行状況(道路状況)の情報に右折待ちの車両を先に行かせる映像が含まれていた場合、判定部103は、検知した運転が良い運転と判定する。
【0077】
図15は、第2の実施形態に係る運転判定システムの動作の例を示すフローチャートである。運転判定システム11は、車両システム20が送信した車両のセンサ情報を受信する。センサ情報には、車両の内外を撮影した画像情報、又は、車両の内外の収音した音情報が含まれる。
【0078】
検知部101は、車両のセンサ情報に基づき、当該車両の危険運転を検知する(ステップS111)。危険運転の要素は、例えば、急減速、急加速、急ハンドル、急ブレーキ、急発進、段差の走行、又は、蛇行運転などである。
【0079】
検出部102は、車両の内部又は外部を撮影した画像情報に基づき、危険運転が検知されたときの車両の走行に関する走行状況を検出する(ステップS112)。画像情報に基づく走行状況は、外部環境に関する情報、道路状況に関する情報、又は、運転操作状況に関する情報を含む。なお、検出部102は、車両の内部又は外部を撮影した音情報に基づき、危険運転が検知されたときの車両の走行に関する走行状況を検出してもよい。
【0080】
判定部103は、検出した走行状況に応じて、検知した危険運転がやむを得ない運転か判定する(ステップS113)。判定部103は、検出された走行状況(外部環境、道路状況、運転操作状況)において、危険運転の要因が、車両の運転者にあるのか、車両の運転者以外にあるのか推定する。判定部103は、検知した危険運転の要因が運転者以外にある場合、危険運転をやむを得ない運転と判定し、検知した危険運転の要因が車両の運転者にある場合、危険運転と判定する。
【0081】
あるいは、判定部103は、検知した運転に対して、画像情報又は音響情報に基づき検出した走行状況に応じて、検知した運転が良い運転か判定してもよい。例えば、検知された運転が穏やかな減速で、走行状況(道路状況)の情報に右折待ちの車両を先に行かせる映像が含まれていた場合、判定部103は、検知した運転が良い運転と判定する。
【0082】
(第2の実施形態の変形例)
第2実施形態の運転判定システム11は、車両システム20に搭載されて、判定結果を送信してもよい。判定結果の送信先は、第1の実施形態の運転判定システム10であってもよく、あるいは、運転判定システム10から検知部101、検出部102、判定部103が除かれ、運転情報生成部104は、運転評価部105を備える他の運転判定システムであってもよい。
【0083】
(第2の実施形態の効果)
第2の実施形態によれば、運転判定システム11は、車両のセンサ情報で検知された危険運転の要因を推定できる。その理由は、検出部102が、車両の内部又は外部を撮影した画像情報に基づき、危険運転が検知されたときの車両の走行に関する走行状況を検出するからである。そして推定した結果から判定部103は、検出した走行状況に応じて、検知した危険運転がやむを得ない運転かを判定することができる。
【0084】
(ハードウエア構成)
図16は、コンピュータのハードウエア構成の例を示す図である。運転判定システム10は、プログラム(ソフトウエアプログラム,コンピュータプログラム)が図16に示すコンピュータ90のCPU91において実行されることにより実現される。運転判定システム10、11の構成の機能は、プログラムを実行することにより実現される。また運転判定システム10、11のいくつかの構成は、外部装置(図示せず)で構成され、ネットワークを介して外部装置から運転判定システム10、11に提供されてもよい。運転判定システム10の構成は、CPU(Central Processing Unit)91がROM(Read Only Memory)92、あるいは、記憶装置95からプログラム94を読み込み、読み込んだプログラム94を、CPU91、RAM(Random Access Memory)93を用いて実行することにより実現されてもよい。上述した実施形態を例に説明した本開示は、コンピュータプログラムを表すコードあるいはそのコンピュータプログラムを表すコードが格納されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体によって構成されると捉えることができる。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えば記憶装置95、不図示の着脱可能な磁気ディスク媒体,光学ディスク媒体やメモリカードなどである。なお、各実施形態の構成は、集積回路による専用のハードウエアであってもよい。運転判定システム10、11はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0085】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された構成、動作、処理を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0086】
本開示は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本開示のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【符号の説明】
【0087】
10、11 運転判定システム
20 車両システム
21 センサ
101 検知部
102 検出部
103 判定部
104 運転情報生成部
105 運転評価部
106 出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16