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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】搬送車システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
B65G1/04 551
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023529715
(86)(22)【出願日】2022-05-24
(86)【国際出願番号】 JP2022021242
(87)【国際公開番号】W WO2022270197
(87)【国際公開日】2022-12-29
【審査請求日】2023-12-18
(31)【優先権主張番号】P 2021104694
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
(72)【発明者】
【氏名】和田 栄治
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特許第5339165(JP,B2)
【文献】特開2000-150622(JP,A)
【文献】国際公開第2016/189921(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が載置される棚板を備える棚と、
天井に設けられた軌道を走行し、前記棚板に物品を移載する移載装置を備える複数の搬送車と、
前記移載装置に支持され、前記棚板を検出する検出装置と、
前記検出装置による前記棚板の検出結果を用いて、前記棚における移載位置に関する教示情報を生成する教示情報生成装置と、
前記複数の搬送車における機差を計測するための構造物と、を備え、
前記構造物は、前記軌道又は前記天井に吊り下げられ、前記検出装置により検出可能な指標を備える、搬送車システム。
【請求項2】
前記検出装置は、前記移載装置に取り外し可能に支持される、請求項1に記載の搬送車システム。
【請求項3】
前記棚は、床に設けられる、請求項1又は請求項2に記載の搬送車システム。
【請求項4】
前記構造物の下部の水平方向への揺れを防止する揺れ防止機構を備える、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の搬送車システム。
【請求項5】
前記揺れ防止機構は、
に固定されるブラケットと、
前記ブラケットと前記構造物との間に配置されるローラと、を備え、
前記ブラケットに対する前記構造物の上下方向への移動を許容する、請求項4に記載の搬送車システム。
【請求項6】
前記検出装置は、複数の撮像装置を備え、
前記複数の撮像装置は、互いに異なる位置から前記指標を撮像する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の搬送車システム。
【請求項7】
前記教示情報生成装置は、一の搬送車における前記検出装置による前記棚板の検出結果を、前記一の搬送車における前記機差を用いて補正して前記教示情報を生成する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の搬送車システム。
【請求項8】
前記構造物は、
前記軌道又は前記天井に吊り下げられた支柱と、
前記支柱から水平方向に延びる複数の基準板と、を備え、
前記複数の基準板は、それぞれ、前記棚板の高さに対応する位置に設けられ、
前記指標は、前記複数の基準板のそれぞれに設けられる、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の搬送車システム。
【請求項9】
前記軌道は、
前記搬送車が物品を搬送する経路である搬送経路と、
前記搬送経路から外れて延びる経路である延長経路と、を備え、
前記構造物は、前記延長経路の一部に対応する位置に設けられる、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の搬送車システム。
【請求項10】
前記延長経路の一部を含む領域には、前記搬送車のメンテナンスを行うための特定領域が設けられ、
前記構造物は、前記特定領域に設けられる、請求項9に記載の搬送車システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
搬送車システムにおいては、棚の移載位置に物品を正確に移載するため、棚の移載位置に関する教示情報を生成し、教示情報を搬送車に教示する必要がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の搬送車システムにおいては、教示情報を生成するにあたり、床に設けられた棚を利用して、その棚の棚板の3次元座標を測定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-115062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
搬送車システムにおいては、建屋の天井に設けられた軌道を走行する複数の搬送車を利用することがある。複数の搬送車を利用する搬送車システムにおいては、一の搬送車を利用して棚板の3次元座標の測定を行い、その測定結果に基づいて教示情報を生成し、その教示情報を複数の搬送車において共用することが考えられる。ここで、搬送車の機差は、搬送車ごとに異なる。したがって、複数の搬送車を利用する搬送車システムにおいては、搬送車ごとに機差を測定して定量化する必要がある。
【0005】
ところで、軌道の高さは、季節の温度変化による鉄骨の伸縮、積雪による天井の撓みなどの建屋の状況に応じて変化する。一方、搬送車ごとの機差の測定は、搬送車を搬送車システムに追加するタイミング、搬送車をメンテナンスして搬送車システムに戻すタイミングなど、建屋の状況にかかわらず行われる。つまり、機差を測定するタイミングが搬送車ごとに異なる場合がある。
【0006】
特許文献1に記載の搬送車システムは、床に設けられた棚を利用して搬送車の機差を測定して定量化することになるため、建屋の状況に応じて軌道の高さが変化すると、搬送車と棚との位置関係が搬送車ごとに異なる。そのため、特許文献1に記載の搬送車システムは、搬送車の機差を測定するタイミングが異なる場合、搬送車ごとの機差を同じ条件で測定して定量化できない可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様においては、搬送車システムが提供される。搬送車システムは、物品が載置される棚板を備える棚を備えてよい。搬送車システムは、天井に設けられた軌道を走行し、棚板に物品を移載する移載装置を備える複数の搬送車を備えてよい。搬送車システムは、移載装置に支持され、棚板を検出する検出装置を備えてよい。搬送車システムは、検出装置による棚板の検出結果を用いて、棚における移載位置に関する教示情報を生成する教示情報生成装置を備えてよい。搬送車システムは、複数の搬送車における機差を計測するための構造物を備えてよい。構造物は、軌道又は前記天井に吊り下げられ、検出装置により検出可能な指標を備えてよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の態様によれば、搬送車の機差を測定するタイミングが異なり、建屋の状況に応じて軌道の高さが変化していても、搬送車ごとの機差を同じ条件で測定して定量化することができる。
【0009】
検出装置は、移載装置に取り外し可能に支持されてよい。この態様によれば、検出装置を取り外して搬送車を運行することができる。
【0010】
棚は、床に設けられてよい。この態様によれば、軌道又は天井に棚が吊り下げられる態様と比較して、軌道又は天井にかかる負荷を抑制することができる。
【0011】
搬送車システムは、構造物の下部の水平方向への揺れを防止する揺れ防止機構を備えてよい。この態様によれば、構造物が揺れることに起因して指標の検出に支障が生じることを防止することができる。
【0012】
揺れ防止機構は、床に固定されるブラケットを備えてよい。揺れ防止機構は、ブラケットと構造物との間に配置されるローラを備えてよい。揺れ防止機構は、ブラケットに対する構造物の上下方向への移動を許容してよい。この態様によれば、軌道の高さが変化しても、構造物に対して不要な力が加わることを抑制することができる。
【0013】
検出装置は、複数の撮像装置を備える。複数の撮像装置は、互いに異なる位置から指標を撮像してよい。この態様によれば、ステレオ画像法による演算を行うことができる。
【0014】
教示情報生成装置は、一の搬送車における検出装置による棚板の検出結果を、一の搬送車における機差を用いて補正して教示情報を生成してよい。この態様によれば、一の搬送車を含む複数の搬送車において、一の搬送車における機差に影響されない教示情報を利用することができる。
【0015】
構造物は、軌道又は天井に吊り下げられた支柱を備えてよい。構造物は、支柱から水平方向に延びる複数の基準板を備えてよい。複数の基準板は、それぞれ、棚板の高さに対応する位置に設けられてよい。指標は、複数の基準板のそれぞれに設けられてよい。この態様によれば、棚板ごとに個別に対応する教示情報を生成することができる。
【0016】
軌道は、搬送車が物品を搬送する経路である搬送経路を備えてよい。軌道は、搬送経路から外れて延びる経路である延長経路を備えてよい。構造物は、延長経路の一部に対応する位置に設けられてよい。この態様によれば、構造物が設けられることに起因して棚を設ける領域が制限されないようにすることができる。
【0017】
延長経路の一部を含む領域には、搬送車のメンテナンスを行うための特定領域が設けられてよい。構造物は、特定領域に設けられてよい。この態様によれば、搬送車のメンテナンスを行ったときに、メンテナンスが行われた特定領域において指標の再検出を行うことができる。
【0018】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態に係る搬送車システム100の一例を示す図である。
図2】棚120の構成例を示す図である。
図3】搬送車130の構成例を示す図である。
図4】搬送車130の構成例を示す図である。
図5】検出装置170の構成例を示す図である。
図6】検出装置170の構成例を示す図である。
図7】構造物150の構成例を示す図である。
図8】揺れ防止機構180の構成例を示す図である。
図9図8に示す揺れ防止機構180のA-A断面の構成例を示す図である。
図10】搬送制御ユニット134の構成例を示す図である。
図11】撮像制御ユニット173の構成例を示す図である。
図12】教示情報生成装置140の構成例を示す図である。
図13】構造物150に関するレイアウトデータの構成例を示す図である。
図14】機差データの構成例を示す図である。
図15】教示データの構成例を示す図である。
図16】構造物150の基準板152に設けられた指標152A及び指標152Bを撮像する動作例を示す図である。
図17】棚120の棚板124に設けられた指標124A及び指標124Bを撮像する動作例を示す図である。
図18】搬送車130の機差を定量化する演算を行う動作例を示す図である。
図19】棚120における移載位置に関する教示情報を演算する動作例を示す図である。
図20】物品Gを搬送するときに参照される棚板124の3次元座標を演算する動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る搬送車システム100の一例を示す図である。搬送車システム100は、複数台の無人搬送車と、複数台の無人搬送車の管理及び制御を行うための装置とを組み合わせたシステムである。搬送車システム100は、無人搬送車システムとも呼ばれる。搬送車システム100は、軌道110、複数の棚120、複数の搬送車130、教示情報生成装置140、構造物150、及び地上制御装置160を備える。また、搬送車システム100は、図5及び図6に示す検出装置170を備える。また、搬送車システム100は、図8及び図9に示す揺れ防止機構180を備える。
【0022】
軌道110は、搬送車130が走行する誘導路である。軌道110は、図3図7に示すように、吊り金具Hによって天井Cに吊られて設けられる。軌道110は、搬送経路111及び延長経路112を備える。搬送経路111は、搬送車130が物品Gを搬送する経路である。延長経路112は、搬送経路111から外れて延びる経路である。延長経路112には、搬送車130のメンテナンスを行うための特定領域Aが設けられる。
【0023】
図2は、棚120の構成例を示す図である。棚120は、床Fに設けられ、物品Gをのせる装置である。以下の説明においては、棚120における軌道110に臨む面を棚120の正面とする。棚120は、底板121、背板122、側板123、及び複数の棚板124を備える。
【0024】
底板121は、棚120の底面をなす板である。底板121は、床Fに設けられる。背板122は、棚120の背面をなす板である。背板122は、棚120の背面において、底板121に対して垂直に設けられる。側板123は、棚120の側面をなす板である。側板123は、棚120の側面において、底板121に対して垂直に設けられる。棚板124は、物品Gをのせる板である。棚板124は、側板123に対して平らにかけ渡される。複数の棚板124は、それぞれ、2つの指標124A及び124Bを備える。
【0025】
指標124A及び指標124Bは、検出装置170により検出可能なマークである。指標124Aは、構造物150を正面からみて棚板124における中心よりも左側の領域であって、棚120の正面に近い位置に設けられる。指標124Bは、構造物150を正面からみて棚板124における中心よりも右側の領域であって、棚120の正面に近い位置に設けられる。
【0026】
図3及び図4は、搬送車130の構成例を示す図である。搬送車130は、軌道110を自動で走行し、物品Gの搬送を行う機能をもつ車両である。搬送車130は、走行装置131、昇降装置132及び移載装置133を備える。また、搬送車130は、図10に示す搬送制御ユニット134を備える。
【0027】
走行装置131は、搬送車130を走行させる装置である。走行装置131は、軌道110を走行可能に設けられる。
【0028】
昇降装置132は、移載装置133を昇降させる装置である。昇降装置132は、マスト132M及び昇降台132Pを備える。マスト132Mは、走行装置131の下部に設けられ、上下方向に延びる柱状の部材である。昇降台132Pは、マスト132Mに支持され、マスト132Mに対して昇降する部材である。
【0029】
移載装置133は、物品Gを支持する多関節アームにより、棚板124の上と搬送130上との間で移載を行う装置である。ここで、移載とは、物品Gの積卸しをすることである。移載装置133は、昇降台132Pの上部に設けられる。移載装置133は、移載を行わないとき、図3に示すように、多関節アームを折りたたんでいる。そして、移載装置133は、移載を行うとき、図4に示すように、多関節アームを展開する。
【0030】
図10は、搬送制御ユニット134の構成例を示す図である。搬送制御ユニット134は、走行装置131、昇降装置132及び移載装置133の制御を行うため搬送130上に設けられる装置である。搬送制御ユニット134は、制御装置134A、演算装置134B、入出力装置134C、通信装置134D及び記憶装置134Eを備える。
【0031】
制御装置134Aは、主に、演算装置134B、入出力装置134C、通信装置134D及び記憶装置134Eの動作の制御などの機能を担う装置である。例えば、制御装置134Aは、物品Gを搬送するときに参照する棚板124の3次元座標を算出する演算を行うときに、演算装置134Bの動作を制御する。また、例えば、制御装置134は、走行動作に関する制御信号を走行装置131に出力するときに、入出力装置134Cを制御する。また、例えば、制御装置134は、昇降動作に関する制御信号を昇降装置132に出力するときに、入出力装置134Cを制御する。また、例えば、制御装置134は、移載動作に関する制御信号を移載装置133に出力するときに、入出力装置134Cを制御する。また、例えば、制御装置134Aは、撮像動作を命令する命令データを図11に示す撮像制御ユニット173に送信するときに、通信装置134Dを制御する。また、例えば、制御装置134Aは、搬送130の運行及び制御に関するフィードバックデータを地上制御装置160に送信するときに、通信装置134Dを制御する。
【0032】
演算装置134Bは、算術演算、論理演算などの計算を行う装置である。例えば、演算装置134Bは、物品Gを搬送するときに参照される棚板124の3次元座標を算出する演算を行う。
【0033】
入出力装置134Cは、走行装置131、昇降装置132及び移載装置133から信号を入力する装置である。また、入出力装置134Cは、走行装置131、昇降装置132及び移載装置133に信号を出力する装置である。例えば、入出力装置134Cは、走行動作に関する制御信号を走行装置131に出力し、その走行動作に関するフィードバック信号を走行装置131から入力する。また、例えば、入出力装置134Cは、昇降動作に関する制御信号を昇降装置132に出力し、その昇降動作に関するフィードバック信号を昇降装置132から入力する。また、例えば、入出力装置134Cは、移載動作に関する制御信号を移載装置133に出力し、その移載動作に関するフィードバック信号を移載装置133から入力する。
【0034】
通信装置134Dは、通信システムにおいてネットワークの末端に接続され、図11に示す撮像制御ユニット173、教示情報生成装置140及び地上制御装置160と通信を行う主体となる装置である。例えば、通信装置134Dは、撮像動作を命令する命令データを教示情報生成装置140に送信し、その撮像動作に関するフィードバックデータを教示情報生成装置140から受信する。また、例えば、通信装置134Dは、搬送130の機差に関する機差データを教示情報生成装置140から受信する。また、例えば、通信装置134Dは、棚120における移載位置に関する教示データを教示情報生成装置140から受信する。また、例えば、通信装置134Dは、搬送130の運行及び制御に関する制御データを地上制御装置160から受信し、その運行及び制御に関するフィードバックデータを地上制御装置160に送信する。
【0035】
記憶装置134Eは、データ及びプログラムを記憶する装置である。例えば、記憶装置134Eは、搬送130の運行及び制御に関する制御データを記憶する。また、例えば、記憶装置134Eは、物品Gを搬送するときに参照される棚板124の3次元座標を算出する演算を行うための制御データを記憶する。また、例えば、記憶装置134Eは、構造物150における基準板152の3次元座標の設計値を含む、構造物150に関するレイアウトデータを記憶する。また、例えば、記憶装置134Eは、棚120における棚板124の3次元座標の設計値を含む、棚120に関するレイアウトデータを記憶する。また、例えば、記憶装置134Eは、搬送130の機差に関する機差データを記憶する。また、例えば、記憶装置134Eは、棚120における移載位置に関する教示データを記憶する。また、例えば、記憶装置134Eは、棚板124の運用座標に関する運用座標データを記憶する。ここで、運用座標とは、物品Gを搬送するときに参照される棚板124の3次元座標である。
【0036】
図5及び図6は、検出装置170の構成例を示す図である。検出装置170は、棚板124を検出する装置である。検出装置170は、移載装置133に対して着脱可能であり、棚120における移載位置に関する教示情報を生成するための動作を行うときに取り付けられて、移載装置133に支持される。この実施の形態における検出装置170は、筐体171、及び4つの撮像装置172A~撮像装置172Dを備える。また、検出装置170は、図11に示す撮像制御ユニット173を備える。
【0037】
筐体171は、棚板124を検出するときに棚120の正面に対向する対向面171Sを備える。筐体171は、棚板124を検出するときに、対向面171Sが棚の正面に対向するように移載装置133に支持される。
【0038】
撮像装置172A~撮像装置172Dは、光に反応する半導体素子を用いてレンズを通して外界からの光を受光し、デジタルデータに変換して記憶媒体に記録する装置である。撮像装置172A~撮像装置172Dは、デジタルカメラとも呼ばれる。撮像装置172A~撮像装置172Dは、筐体171における対向面171Sに設けられる。撮像装置172A及び撮像装置172Bは、対向面171Sを正面から見て、対向面171Sにおける中心よりも左側の領域であって、互いに異なる高さの位置に設けられる。そして、撮像装置172A及び撮像装置172Bは、棚板124を検出するとき、検出装置170から棚120を見て、棚板124における右側の領域に設けられた指標124Bを撮像する。撮像装置172A及び撮像装置172Bは、互いに異なる高さの位置に設けられているため、互いに異なる位置から指標124Bを撮像することになる。一方、撮像装置172C及び撮像装置172Dは、対向面171Sを正面から見て、対向面171Sにおける中心よりも右側の領域であって、互いに異なる高さの位置に設けられる。そして、撮像装置172C及び撮像装置172Dは、棚板124を検出するとき、検出装置170から棚120を見て、棚板124における左側の領域に設けられた指標124Aを撮像する。撮像装置172C及び撮像装置172Dは、互いに異なる高さの位置に設けられているため、互いに異なる位置から指標124Aを撮像することになる。
【0039】
図11は、撮像制御ユニット173の構成例を示す図である。撮像制御ユニット173は、撮像装置172A~撮像装置172Dの制御を行うため筐体171に設けられる装置である。撮像制御ユニット173は、制御装置173A、演算装置173B、入出力装置173C、通信装置173D及び記憶装置173Eを備える。
【0040】
制御装置173Aは、主に、演算装置173B、入出力装置173C、通信装置173D及び記憶装置173Eの動作の制御などの機能を担う装置である。例えば、制御装置173Aは、撮像動作に関する制御信号を撮像装置172A~撮像装置172Dに出力するときに、入出力装置173Cを制御する。また、例えば、制御装置173Aは、撮像動作に関するフィードバックデータを搬送制御ユニット134に送信するときに、通信装置173Dを制御する。また、例えば、制御装置173Aは、撮像装置172A~撮像装置172Dにより撮像された画像データを教示情報生成装置140に送信するときに、通信装置173Dを制御する。
【0041】
演算装置173Bは、算術演算、論理演算などの計算を行う装置である。
【0042】
入出力装置173Cは、撮像装置172A~撮像装置172Dから信号を入力する装置である。また、入出力装置173Cは、撮像装置172A~撮像装置172Dに信号を出力する装置である。例えば、入出力装置173Cは、撮像動作に関する制御信号を撮像装置172A~撮像装置172Dに出力し、その撮像動作により撮像された画像データを撮像装置172A~撮像装置172Dから入力する。
【0043】
通信装置173Dは、通信システムにおいてネットワークの末端に接続され、搬送制御ユニット134及び教示情報生成装置140との通信を行う主体となる装置である。例えば、通信装置173Dは、撮像動作を命令する命令データを搬送制御ユニット134から受信し、その撮像動作に関するフィードバックデータを搬送制御ユニット134に送信する。また、例えば、通信装置173Dは、撮像装置172A~撮像装置172Dにより撮像された画像データを教示情報生成装置140に送信する。
【0044】
記憶装置173Eは、データ及びプログラムを記憶する装置である。例えば、記憶装置173Eは、撮像装置172A~撮像装置172Dにより撮像された画像データを記憶する。
【0045】
図7は、構造物150の構成例を示す図である。構造物150は、搬送車130の機差を計測して定量化するための物体である。構造物150は、延長経路112の一部に対応する位置において、軌道110に吊り下げられて設けられる。図1に示す構造物150は、延長経路112のうちの特定領域Aに設けられている。以下の説明においては、構造物150における軌道110に臨む面を構造物150の正面とする。構造物150は、支柱151、及び複数の基準板152を備える。
【0046】
支柱151は、複数の基準板152を支える柱材である。支柱151は、軌道110に吊り下げられる。基準板152は、支柱151から水平方向に延びる水平材である。複数の基準板152は、それぞれ、棚120における移載位置に対応する位置に設けられる。移載位置に対応する位置は、棚120における複数の棚板124の高さに対応する位置である。複数の基準板152は、それぞれ、2つの指標152A及び152Bを備える。
【0047】
指標152A及び指標152Bは、検出装置170により検出可能なマークである。指標152Aは、構造物150を正面からみて基準板152における中心よりも左側の領域に設けられる。指標152Bは、構造物150を正面からみて基準板152における中心よりも右側の領域に設けられる。検出装置170の撮像装置172A及び撮像装置172Bは、基準板152における右側の領域に設けられた指標152Bを撮像する。撮像装置172A及び撮像装置172Bは、互いに異なる高さの位置に設けられているため、互いに異なる位置から指標152Bを撮像することになる。一方、検出装置170の撮像装置172C及び撮像装置172Dは、基準板152における左側の領域に設けられた指標152Aを撮像する。撮像装置172C及び撮像装置172Dは、互いに異なる高さの位置に設けられているため、互いに異なる位置から指標152Aを撮像することになる。
【0048】
図8は、揺れ防止機構180の構成例を示す図である。図9は、図8に示す揺れ防止機構180のA-A断面の構成例を示す図である。揺れ防止機構180は、構造物150の下部の水平方向への揺れを防止する機構である。揺れ防止機構180は、ブラケット181、複数のローラ153、及び複数のローラ182を備える。
【0049】
ブラケット181は、構造物150の近傍の位置において床Fに固定される構造物である。ローラ153及びローラ182は、ブラケット181に対する構造物150の上下方向への移動を許容する円筒形の回転物である。ローラ153及びローラ182は、ブラケット181と構造物150との間に配置される。
【0050】
構造物150の支柱151には、ブラケット181に対向する位置に、ローラ153を支持する板部154が設けられる。板部154は、構造物150の正面側及び背面側に板面を有する。板部154には、構造物150の前後方向を軸方向として、ローラ153を軸支する回転軸153Aが設けられる。回転軸153Aの位置は、ローラ153を軸支したときに、ローラ153がブラケット181に当接するように設定される。
【0051】
ここで、軌道110の高さは、季節の温度変化による鉄骨の伸縮、積雪による天井の撓みなどの建屋の状況に応じて変化することがある。構造物150は、軌道110に吊り下げられているため、軌道110の高さが下がるときに下方に移動し、軌道110の高さが下がった位置から元に戻るときに上方に移動する。
【0052】
揺れ防止機構180においては、構造物150が上下方向に移動する力が働いたとき、ローラ153がブラケット181に当接して回転する。したがって、構造物150は、ブラケット181に対する上下方向への移動が許容される。
【0053】
また、揺れ防止機構180においては、ローラ153がブラケット181に当接している。したがって、構造物150の下部は、構造物150の左右方向D1における揺れが規制される。
【0054】
構造物150の支柱151には、ブラケット181に対向する位置に、複数のローラ182に挟まれる板部155が設けられる。板部155は、構造物150の正面側及び背面側に板面を有する。ブラケット181には、構造物150の左右方向を軸方向として、ローラ182を軸支する複数の回転軸182Aが設けられる。回転軸182Aの位置は、ローラ182を軸支したときに、ローラ182が板部155の板面に当接するように設定される。
【0055】
揺れ防止機構180においては、構造物150が上下方向に移動する力が働いたとき、ローラ182が板部155に当接して回転する。したがって、構造物150は、ブラケット181に対する上下方向への移動が許容される。
【0056】
また、揺れ防止機構180においては、板材155が複数のローラ182に挟まれている。したがって、構造物150の下部は、構造物150の前後方向D2における揺れが規制される。
【0057】
図1に戻り、地上制御装置160は、搬送車130の運行の管理及び制御を行うため地上側に設けられる装置である。
【0058】
教示情報生成装置140は、検出装置170による棚120の検出結果を用いて、棚120における移載位置に関する教示情報を生成するため地上側に設けられる装置である。教示情報生成装置140は、複数の搬送車130のうちの一の搬送車130における検出装置170による棚120の検出結果を、その一の搬送車130における機差を用いて補正して教示情報を生成する。
【0059】
図12は、教示情報生成装置140の構成例を示す図である。教示情報生成装置140は、制御装置140A、演算装置140B、入力装置140C、出力装置140D、通信装置140E及び記憶装置140Fを備える。
【0060】
制御装置140Aは、主に、演算装置140B、入力装置140C、出力装置140D、通信装置140E及び記憶装置140Fの動作の制御などの機能を担う装置である。例えば、制御装置140Aは、搬送車130の機差を定量化する演算を行うときに、演算装置140Bの動作を制御する。また、例えば、制御装置140Aは、棚120における移載位置に関する教示情報を算出する演算を行うときに、演算装置140Bの動作を制御する。また、例えば、制御装置140Aは、搬送車130の機差に関する機差データを搬送制御ユニット134に送信するときに、通信装置140Eを制御する。また、例えば、制御装置140Aは、棚120における移載位置に関する教示データを搬送制御ユニット134に送信するときに、通信装置140Eを制御する。
【0061】
演算装置140Bは、算術演算、論理演算などの計算を行う装置である。例えば、演算装置140Bは、指標152A及び指標152Bが撮像された画像データから、その指標152A及び指標152Bが設けられた基準板152の3次元座標を算出する演算を行う。また、例えば、演算装置140Bは、搬送車130の機差を定量化する演算を行う。また、例えば、演算装置140Bは、棚120における移載位置に関する教示情報を算出する演算を行う。
【0062】
入力装置140Cは、教示情報生成装置140にデータ、情報及び指示などを与えるための装置である。
【0063】
出力装置140Dは、制御装置140からデータを受け取って、人間に認識できる形で外部に物理的に提示する装置である。
【0064】
通信装置140Eは、通信システムにおいてネットワークの末端に接続され、搬送制御ユニット134及び撮像制御ユニット134と通信を行う主体となる装置である。例えば、通信装置140Eは、撮像装置172A~撮像装置172Dにより撮像された画像データを撮像制御ユニット173から受信する。また、例えば、通信装置140Eは、搬送車130の機差に関する機差データを搬送制御ユニット173に送信する。また、例えば、通信装置140Eは、棚120における移載位置に関する教示データを搬送制御ユニット134に送信する。
【0065】
記憶装置140Fは、データ及びプログラムを記憶する装置である。例えば、記憶装置140Fは、指標152A及び指標152Bが撮像された画像データから、その指標152A及び指標152Bが設けられた基準板152の3次元座標を算出する演算を行うための制御データを記憶する。例えば、記憶装置140Fは、搬送車130の機差を定量化する演算を行うための制御データを記憶する。また、例えば、記憶装置140Fは、棚120における移載位置に関する教示情報を算出する演算を行うための制御データを記憶する。また、例えば、記憶装置140Fは、指標152A及び指標152Bが撮像された画像データから算出された、その指標152A及び指標152Bが設けられた基準板152の3次元座標に関する座標データを記憶する。また、例えば、記憶装置140Fは、構造物150における基準板152の3次元座標の設計値を含む、構造物150に関するレイアウトデータを記憶する。また、例えば、記憶装置140Fは、撮像装置172A~撮像装置172Dにより撮像された画像データを記憶する。また、例えば、記憶装置140Fは、搬送車130の機差に関する機差データを記憶する。また、例えば、記憶装置140Fは、棚120における移載位置に関する教示データを記憶する。
【0066】
図13は、教示情報生成装置140の記憶装置140F、及び搬送制御ユニット134の記憶装置134Eに記憶される構造物150に関するレイアウトデータの構成例を示す図である。構造物150に関するレイアウトデータは、基準板IDの情報I1と、基準板の3次元座標の設計値の情報I2とを対応付けている。
【0067】
基準板IDの情報I1は、複数の基準板152の識別に用いられる符号である。基準板の3次元座標の設計値の情報I2は、基準板IDによって識別される基準板152の3次元座標の設計値を示す情報である。例えば、図13に示す例においては、基準板ID“B001”によって識別される基準板152の3次元座標の設計値が“X11,Y11,Z11”であることを示している。
【0068】
また、搬送制御ユニット134の記憶装置134Eは、棚120に関するレイアウトデータとして、構造物150に関するレイアウトデータと同様の構成のデータを記憶する。
【0069】
図14は、教示情報生成装置140の記憶装置140F、及び搬送制御ユニット134の記憶装置134Eに記憶される機差データの構成例を示す図である。教示情報生成装置140の記憶装置140Fには、複数の搬送車130にそれぞれ対応する複数の機差データが記憶される。図14に示す機差データは、教示情報生成装置140の記憶装置140Fに記憶される複数の搬送車130にそれぞれ対応する複数の機差データのうちの、一の搬送車130に対応する機差データである。搬送制御ユニット134の記憶装置134Eには、自車に対応する機差データが記憶される。機差データは、基準板IDの情報I1と、基準板に対する搬送車の機差の情報I3とを対応付けている。
【0070】
基準板に対する搬送車の機差の情報I3は、基準板IDによって識別される基準板152に対応する高さに昇降台132Pがあるときの搬送車130の機差を、基準板152の3次元座標と同じ座標系における3次元座標として定量化した情報である。例えば、図14に示す例においては、基準板ID“B001”によって識別される基準板152に対応する高さに昇降台132Pがあるときの搬送車130の機差が“X21,Y21,Z21”であることを示している。
【0071】
図15は、教示情報生成装置140の記憶装置140F、及び搬送制御ユニット134の記憶装置134Eに記憶される教示データの構成例を示す図である。教示データは、棚板IDの情報I4と、棚板の3次元座標の教示情報I5とを対応付けている。
【0072】
棚板IDの情報I4は、複数の棚板124の識別に用いられる符号である。棚板の3次元座標の教示情報I5は、棚板IDによって識別される棚板124の3次元座標を教示する情報である。例えば、図15に示す例においては、棚板ID“S001”によって識別される棚板124の3次元座標が“X31,Y31,Z31”であることを示している。
【0073】
図16は、構造物150の基準板152に設けられた指標152A及び指標152Bを撮像する動作例を示す図である。複数の搬送車130は、それぞれ、自車の機差を算出するための情報として基準板152の3次元座標の検出値を取得するために、図16に示す動作を実行する。この動作は、搬送車130の移載装置133に検出装置170が取り付けられた状態で行われる。
【0074】
まず、搬送車130の搬送制御ユニット134は、自車の走行装置131を制御し、構造物150の位置まで搬送車130を移動させる(ステップS101)。ステップS101において、搬送制御ユニット134の制御装置134Aは、記憶装置134Eに記憶された構造物150に関するレイアウトデータを読み出す。制御装置134Aは、構造物150に関するレイアウトデータに基づいて、構造物150の位置まで走行させる制御データを生成し、記憶装置134Eに記憶する。そして、入出力装置134Cは、記憶装置134Eに記憶された制御データを読み出し、その制御データの内容に応じた制御信号を自車の走行装置131に出力する。
【0075】
走行装置131は、搬送制御ユニット134から出力された制御信号に従って、構造物150の位置まで走行すると、その走行動作に関するフィードバック信号を搬送制御ユニット134に出力する。
【0076】
搬送制御ユニット134の演算装置134Bは、入出力装置134Cがフィードバック信号を入力すると、基準板152の数をカウントするための基準板カウンタ“L”に最大値を設定する(ステップS102)。ステップS102において、演算装置134Bは、記憶装置134Eに記憶された構造物150に関するレイアウトデータを読み出す。そして、演算装置134Bは、構造物150に関するレイアウトデータに基づいて、構造物150における基準板152の数と同じ値を最大値として基準板カウンタ“L”に設定する。
【0077】
そして、搬送制御ユニット134は、搬送130の昇降装置132を制御し、“L”番目の基準板152に対応する高さまで移載装置133を移動させる(ステップS103)。ステップS103において、搬送制御ユニット134の制御装置134Aは、記憶装置134Eに記憶された構造物150に関するレイアウトデータを読み出す。制御装置134Aは、構造物150に関するレイアウトデータに基づいて、“L”番目の基準板152に対応する高さまで移載装置133を移動させる制御データを生成し、記憶装置134Eに記憶する。ここで、“L”番目の基準板152に対応する高さは、“L”番目の基準板152の高さに対応する高さにある棚板124に物品Gを移載するときにおける移載装置133の高さである。そして、入出力装置134Cは、記憶装置134Eに記憶された制御データを読み出し、その制御データの内容に応じた制御信号を搬送130の昇降装置132に出力する。
【0078】
昇降装置132は、搬送制御ユニット134から出力された制御信号に従って、“L”番目の基準板152に対応する高さまで昇降すると、その昇降動作に関するフィードバック信号を搬送制御ユニット134に出力する。
【0079】
搬送制御ユニット134の制御装置134Aは、入出力装置134Cがフィードバック信号を入力すると、撮像動作を命令する命令データを生成し、記憶装置134Eに記憶する。そして、通信装置134Dは、記憶装置134Eに記憶された命令データを読み出し、検出装置170の撮像制御ユニット173に送信する。
【0080】
撮像制御ユニット173は、搬送制御ユニット134から命令データを受信すると、撮像装置172A~撮像装置172Dを制御し、“L”番目の基準板152に設けられた指標152A及び指標152Bを撮像させる(ステップS104)。ステップS104において、撮像制御ユニット173の制御装置173Aは、通信装置173Dが命令データを受信すると、撮像動作を制御する制御データを生成し、記憶装置173Eに記憶する。そして、入出力装置173Cは、記憶装置173Eに記憶された制御データを読み出し、その制御データの内容に応じた制御信号を撮像装置172A~撮像装置172Dに出力する。
【0081】
撮像装置172A~撮像装置172Dは、“L”番目の基準板152に設けられた指標152A及び指標152Bを撮像すると、撮像された画像データを撮像制御ユニット173に出力する。
【0082】
撮像制御ユニット173の入出力装置173Cは、画像データを入力すると、その画像データを記憶装置173Eに記憶する。
【0083】
そして、撮像制御ユニット173は、基準板152の指標152A及び指標152Bが撮像された画像データを教示情報生成装置140に送信する(ステップS105)。ステップS105において、撮像制御ユニット173の通信装置173Dは、記憶装置173Eに記憶された画像データを読み出し、その画像データを教示情報生成装置140に送信する。また、通信装置173Dは、撮像動作に関するフィードバックデータを搬送制御ユニット134に送信する。
【0084】
教示情報生成装置140の通信装置140Eは、撮像制御ユニット173から画像データを受信すると、その画像データを記憶装置140Fに記憶する。
【0085】
送制御ユニット134の演算装置134Bは、通信装置134Dがフィードバックデータを受信すると、基準板カウンタ“L”の値を“1”減算する(ステップS106)。
【0086】
そして、搬送制御ユニット134の演算装置134Bは、基準板カウンタ“L”の値が“0”であるかを判定する(ステップS107)。ここで、基準板カウンタ“L”の値が“0”であることは、構造物150における全ての基準板152に設けられた指標152A及び指標152Bが撮像されたことを意味する。
【0087】
基準板カウンタ“L”の値が“0”でない場合(ステップS107;NO)、この動作例においては、ステップS103以降の処理が再び実行される。
【0088】
基準板カウンタ“L”の値が“0”である場合(ステップS107;YES)、搬送制御ユニット134は、図16に示す動作例に関する処理を終了する。
【0089】
図17は、棚120の棚板124に設けられた指標124A及び指標124Bを撮像する動作例を示す図である。複数の搬送車130のうちの一の搬送車130は、棚120における移載位置に関する教示データを算出するための情報として棚板124の3次元座標の検出値を取得するために、図17に示す動作を実行する。この動作は、一の搬送車130の移載装置133に検出装置170が取り付けられた状態で行われる。
【0090】
まず、搬送制御ユニット134の演算装置134Bは、棚120における棚板124の列数をカウントするための棚列カウンタ“M”に最大値を設定する(ステップS201)。ステップS201において、演算装置134Bは、記憶装置134Eに記憶された棚120に関するレイアウトデータを読み出す。そして、演算装置134Bは、棚120に関するレイアウトデータに基づいて、棚120における棚板124の列数と同じ値を最大値として棚列カウンタ“M”に設定する。
【0091】
そして、搬送制御ユニット134の演算装置134Bは、“M”列目の棚板124の段数をカウントするための棚段カウンタ“N”に最大値を設定する(ステップS202)。ステップS202において、演算装置134Bは、記憶装置134Eに記憶された棚120に関するレイアウトデータを読み出す。そして、演算装置134Bは、棚120に関するレイアウトデータに基づいて、“M”列目の棚板124の段数と同じ値を最大値として棚段カウンタ“N”に設定する。
【0092】
そして、搬送制御ユニット134は、搬送130の走行装置131を制御し、“M”列目の棚板124に対応する位置まで一の搬送車130を移動させる(ステップS203)。ステップS203において、搬送制御ユニット134の制御装置134Aは、記憶装置134Eに記憶された棚120に関するレイアウトデータを読み出す。制御装置134Aは、棚120に関するレイアウトデータに基づいて、“M”列目の棚板124に対応する位置まで移動させる制御データを生成し、記憶装置134Eに記憶する。そして、入出力装置134Cは、記憶装置134Eに記憶された制御データを読み出し、その制御データの内容に応じた制御信号を搬送130の走行装置131に出力する。
【0093】
走行装置131は、搬送制御ユニット134から出力された制御信号に従って、“M”列目の棚板124に対応する位置まで走行すると、その走行動作に関するフィードバック信号を搬送制御ユニット134に出力する。
【0094】
搬送制御ユニット134は、入出力装置134Cがフィードバック信号を入力すると、搬送130の昇降装置132を制御し、“N”段目の棚板124に対応する高さまで移載装置133を移動させる(ステップS204)。ステップS204において、搬送制御ユニット134の制御装置134Aは、記憶装置134Eに記憶された棚120に関するレイアウトデータを読み出す。そして、制御装置134Aは、棚120に関するレイアウトデータに基づいて、“N”段目の棚板124に対応する高さまで移載装置133を移動させる制御データを生成し、記憶装置134Eに記憶する。ここで、“N”段目の棚板124に対応する高さは、“N”段目の棚板124に物品Gを移載するときの移載装置133の高さである。そして、入出力装置134Cは、記憶装置134Eに記憶された制御データを読み出し、その制御データの内容に応じた制御信号を昇降装置132に出力する。
【0095】
昇降装置132は、搬送制御ユニット134から出力された制御信号に従って、“N”段目の棚板124に対応する高さまで昇降すると、その昇降動作に関するフィードバック信号を搬送制御ユニット134に送信する。
【0096】
搬送制御ユニット134の制御装置134Aは、入出力装置134Cがフィードバック信号を入力すると、撮像動作を命令する命令データを生成し、記憶装置134Eに記憶する。そして、通信装置134Dは、記憶装置134Eに記憶された命令データを読み出し、教示情報生成装置140に送信する。教示情報生成装置140は、搬送制御ユニット134の制御装置134Aから命令データを受信すると、その命令データを、撮像制御ユニット173に送信する。
【0097】
撮像制御ユニット173は、教示情報生成装置140から命令データを受信すると、撮像装置172A~撮像装置172Dを制御し、“M”列“N”段目の棚板124に設けられた指標124A及び指標124Bを撮像させる(ステップS205)。ステップS205において、撮像制御ユニット173の制御装置173Aは、通信装置173Dが命令データを受信すると、撮像動作を制御する制御データを生成し、記憶装置173Eに記憶する。そして、入出力装置173Cは、記憶装置173Eに記憶された制御データを読み出し、その制御データの内容に応じた制御信号を撮像装置172A~撮像装置172Dに出力する。
【0098】
撮像装置172A~撮像装置172Dは、“M”列“N”段目の棚板124に設けられた指標124A及び指標124Bを撮像すると、撮像した画像データを撮像制御ユニット173に出力する。撮像制御ユニット173の入出力装置173Cは、画像データを入力すると、その画像データを記憶装置173Eに記憶する。
【0099】
そして、撮像制御ユニット173は、棚板124の指標124A及び指標124Bが撮像された画像データを教示情報生成装置140に送信する(ステップS206)。ステップS206において、撮像制御ユニット173の通信装置173Dは、記憶装置173Eに記憶された画像データを読み出し、その画像データを教示情報生成装置140に送信する。
【0100】
教示情報生成装置140の通信装置140Eは、撮像制御ユニット173から画像データを受信すると、その画像データを記憶装置140Fに記憶する。また、教示情報生成装置140の通信装置140Eは、撮像動作に関するフィードバックデータを搬送制御ユニット134に送信する。
【0101】
搬送制御ユニット134の演算装置134Bは、通信装置134Dがフィードバックデータを受信すると、棚段カウンタ“N”の値を“1”減算する(ステップS207)。
【0102】
そして、搬送制御ユニット134の演算装置134Bは、棚段カウンタ“N”の値が“0”であるかを判定する(ステップS208)。ここで、棚段カウンタ“N”の値が“0”であることは、“M”列目の全ての棚板124に設けられた指標124A及び指標124Bが撮像されたことを意味する。
【0103】
棚段カウンタ“N”の値が“0”でない場合(ステップS208;NO)、この動作例においては、ステップS204以降の処理が再び実行される
棚段カウンタ“N”の値が“0”である場合(ステップS208;YES)、搬送制御ユニット134の演算装置134Bは、棚列カウンタ“M”の値を“1”減算する(ステップS209)。
【0104】
そして、搬送制御ユニット134の演算装置134Bは、棚列カウンタ“M”の値が“0”であるかを判定する(ステップS210)。ここで、棚列カウンタ“M”の値が“0”であることは、棚120における全ての列の棚板124に設けられた指標124A及び指標124Bが撮像されたことを意味する。
【0105】
棚列カウンタ“M”の値が“0”でない場合(ステップS210;NO)、この動作例においては、ステップS202以降の処理が再び実行される。
【0106】
棚列カウンタ“M”の値が“0”である場合(ステップS210;YES)、搬送制御ユニット134は、図17に示す動作例に関する処理を終了する。
【0107】
図18は、搬送車130の機差を定量化する演算を行う動作例を示す図である。この動作は、教示情報生成装置140により行われる。教示情報生成装置140は、複数の搬送車130の機差をそれぞれ定量化するために、複数の搬送車130のそれぞれについて図18に示す動作を実行する。以下の説明においては、複数の搬送車130のうちの所定の搬送車130の機差を定量化する演算を行う例について説明する。
【0108】
まず、教示情報生成装置140の演算装置140Bは、基準板152の数をカウントするための基準板カウンタ“L”に最大値を設定する(ステップS301)。ステップS301において、演算装置140Bは、記憶装置140Fに記憶された構造物150に関するレイアウトデータを読み出す。そして、演算装置140Bは、構造物150に関するレイアウトデータに基づいて、構造物150における基準板152の数と同じ値を最大値として基準板カウンタ“L”に設定する。
【0109】
そして、演算装置140Bは、所定の搬送車130を利用して“L”番目の基準板152の指標152A及び指標152Bが撮像された画像データを記憶装置140Fから読み出す(ステップS302)。
【0110】
そして、演算装置140Bは、“L”番目の基準板152の指標152A及び指標152Bの画像データから、その基準板152の3次元座標の検出値C1を演算する(ステップS303)。ステップS303において、演算装置140Bは、例えば、ステレオ画像法により、基準板152の3次元座標の検出値C1を演算する。
【0111】
そして、演算装置140Bは、“L”番目の基準板152の3次元座標の設計値C2を読み出す(ステップS304)。ステップS304において、演算装置140Bは、記憶装置140Fに記憶された構造物150に関するレイアウトデータを読み出す。そして、演算装置140は、構造物150に関するレイアウトデータから“L”番目の基準板152の3次元座標の設計値C2を特定する。
【0112】
そして、演算装置140Bは、“L”番目の基準板152に対する所定の搬送車130の機差Fを定量化する演算を行う(ステップS305)。ステップS305において、演算装置140Bは、“L”番目の基準板152の検出値C1から、その基準板152の3次元座標の設計値C2を減算した値を、所定の搬送車130の機差Fとする。そして、演算装置140Bは、記憶装置140Fに記憶された所定の搬送車130の機差に関する機差データについて、“L”番目の基準板152に対する機差Fの値を更新する。
【0113】
そして、演算装置140Bは、基準板カウンタ“L”の値を“1”減算する(ステップS306)。
【0114】
そして、演算装置140Bは、基準板カウンタ“L”の値が“0”であるかを判定する(ステップS307)。ここで、基準板カウンタ“L”の値が“0”であることは、構造物150における全ての基準板152に対する所定の搬送車130の機差を定量化したことを意味する。
【0115】
基準板カウンタ“L”の値が“0”でない場合(ステップS307;NO)、この動作例においては、ステップS302以降の処理が再び実行される。
【0116】
基準板カウンタ“L”の値が“0”である場合(ステップS307;YES)、教示情報生成装置140の通信装置140Eは、所定の搬送車130に機差データを送信する(ステップS308)。ステップS308において、通信装置140Eは、記憶装置140Fに記憶された所定の搬送車130の機差に関する機差データを読み出す。そして、通信装置140Eは、所定の搬送車130の機差に関する機差データを、所定の搬送車130の搬送制御ユニット134に送信する。
【0117】
そして、教示情報生成装置140は、図18に示す動作例に関する処理を終了する。
【0118】
図19は、棚120における移載位置に関する教示情報を演算する動作例を示す図である。教示情報生成装置140は、複数の搬送車130においてそれぞれ参照される棚120における移載位置に関する教示情報を演算するために、図19に示す動作を実行する。教示情報生成装置140は、図17に示す動作において複数の搬送車130のうちの一の搬送車130により撮像された指標124A及び指標124Bの画像を用いて、教示情報を演算する。
【0119】
まず、教示情報生成装置140の演算装置140Bは、棚120における棚板124の列数をカウントするための棚列カウンタ“M”に最大値を設定する(ステップS401)。ステップS401において、演算装置140Bは、記憶装置140Fに記憶された棚120に関するレイアウトデータを読み出す。そして、演算装置140Bは、棚120に関するレイアウトデータに基づいて、棚120における棚板124の列数と同じ値を最大値として棚列カウンタ“M”に設定する。
【0120】
そして、演算装置140Bは、“M”列目の棚板124の段数をカウントするための棚段カウンタ“N”に最大値を設定する(ステップS402)。ステップS402において、演算装置140Bは、記憶装置140Fに記憶された棚120に関するレイアウトデータを読み出す。そして、演算装置140Bは、棚120に関するレイアウトデータに基づいて、“M”列目の棚板124の段数と同じ値を最大値として棚段カウンタ“N”に設定する。
【0121】
そして、演算装置140Bは、“M”列“N”段目の棚板124の指標124A及び指標124Bが撮像された画像データを記憶装置140Fから読み出す(ステップS403)。
【0122】
そして、演算装置140Bは、“M”列“N”段目の棚板124の指標124A及び指標124Bの画像データから、その棚板124の3次元座標の検出値C3を演算する(ステップS404)。ステップS404において、演算装置140Bは、例えば、ステレオ画像法により、“M”列“N”段目の棚板124の3次元座標の検出値C3を演算する。
【0123】
そして、演算装置140Bは、“M”列“N”段目の棚板124に対応する高さの基準板152に対する一の搬送車130の機差F1を読み出す(ステップS405)。ここで、一の搬送車130は、棚板124の指標124A及び指標124Bを撮像するために利用された搬送車130である。ステップS405において、演算装置140Bは、記憶装置140Fに記憶された一の搬送車の機差F1に関する機差データを読み出す。そして、演算装置140Bは、一の搬送車の機差F1に関する機差データから、“M”列“N”段目の棚板124に対応する高さの基準板152に対する一の搬送車130の機差F1を特定する。
【0124】
そして、演算装置140Bは、“M”列“N”段目の棚板124の3次元座標の教示値Tを演算する(ステップS406)。演算装置140Bは、“M”列“N”段目の棚板124の3次元座標の検出値C3から、その棚板124に対応する高さの基準板152に対する一の搬送車130の機差F1を減算した値を、教示値Tとする。そして、演算装置140Bは、記憶装置140Fに記憶された教示データについて、“M”列“N”段目の棚板124の3次元座標の教示値Tを更新する。
【0125】
そして、演算装置140Bは、棚段カウンタ“N”の値を“1”減算する(ステップS407)。
【0126】
そして、演算装置140Bは、棚段カウンタ“N”の値が“0”であるかを判定する(ステップS408)。ここで、棚段カウンタ“N”の値が“0”であることは、“M”列目の全ての棚板124の3次元座標の教示値Tを演算したことを意味する。
【0127】
棚段カウンタ“N”の値が“0”でない場合(ステップS408;NO)、この動作例においては、ステップS403以降の処理が再び実行される。
【0128】
棚段カウンタ“N”の値が“0”である場合(ステップS408;YES)、演算装置140Bは、棚列カウンタ“M”の値を“1”減算する(ステップS409)。
【0129】
そして、演算装置140Bは、棚列カウンタ“M”の値が“0”であるかを判定する(ステップS410)。ここで、棚列カウンタ“M”の値が“0”であることは、棚120における全ての列の棚板124の3次元座標の教示値Tを演算したことを意味する。
【0130】
棚列カウンタ“M”の値が“0”でない場合(ステップS410;NO)、この動作例においては、ステップS402以降の処理が再び実行される。
【0131】
棚列カウンタ“M”の値が“0”である場合(ステップS410;YES)、教示情報生成装置140の通信装置140Eは、搬送車130に教示データを送信する(ステップS411)。ステップS411において、通信装置140Eは、記憶装置140Fに記憶された棚120における移載位置に関する教示データを読み出す。そして、通信装置140Eは、棚120における移載位置に関する教示データを、全ての搬送車130の搬送制御ユニット134に送信する。
【0132】
そして、教示情報生成装置140は、図19に示す動作例に関する処理を終了する。
【0133】
図20は、物品Gを搬送するときに参照される棚板124の3次元座標を演算する動作例を示す図である。搬送車130の搬送制御ユニット134は、地上制御装置160から物品Gを搬送する搬送命令を受信したときに、図20に示す動作を実行して、搬送命令において指定された棚板124の3次元座標を演算する。
【0134】
搬送制御ユニット134の演算装置134Bは、通信装置134Dが地上制御装置160から搬送命令を受信すると、搬送命令において指定された棚板124の3次元座標の教示値Tを読み出す(ステップS501)。ステップS501において、演算装置134Bは、記憶装置134Eに記憶された棚120における移載位置に関する教示データを読み出す。そして、演算装置134Bは、棚120における移載位置に関する教示データから、搬送命令において指定された棚板124の3次元座標の教示値Tを特定する。
【0135】
そして、演算装置134Bは、搬送命令において指定された棚板124に対応する高さの基準板152に対する搬送130の機差Foを読み出す(ステップS502)。ステップS502において、演算装置134Bは、記憶装置134Eに記憶された搬送130の機差Foに関する機差データを読み出す。そして、演算装置134Bは、搬送130の機差Foに関する機差データから、搬送命令において指定された棚板124に対応する高さの基準板152に対する搬送130の機差Foを特定する。
【0136】
そして、演算装置134Bは、搬送命令において指定された棚板124について、物品Gを搬送するときに参照される運用座標C4を演算し(ステップS503)図20に示す動作例に関する処理を終了する。演算装置134Bは、搬送命令において指定された棚板124の3次元座標の教示値Tと、その棚板124に対応する高さの基準板152に対する搬送130の機差Foとを加算した値を、運用座標C4とする。
【0137】
搬送車130の搬送制御ユニット134は、算出した運用座標C4を用いて、搬送命令に従う搬送制御を実行する。
【0138】
以上、説明したとおり、搬送車システム100は、物品Gが載置される棚板124を備える棚120を備える。また、搬送車システム100は、天井Cに設けられた軌道110を走行し、棚板124に物品Gを移載する移載装置133を備える複数の搬送車13を備える。また、搬送車システム100は、移載装置133に支持され、棚板124を検出する検出装置170を備える。また、搬送車システム100は、検出装置170による棚板124の検出結果を用いて、棚1における移載位置に関する教示情報を生成する教示情報生成装置140を備える。また、搬送車システム100は、複数の搬送車130における機差を計測するための構造物150を備える。そして、構造物150は、軌道110に吊り下げられ、検出装置170により検出可能な指標152A及び指標152Bを備える。この実施の形態によれば、機差を測定するタイミングが搬送車130ごとに異なり、各タイミングにおける建屋の状況に応じて軌道110の高さが変化しても、搬送車130ごとの機差を同じ条件で測定して定量化することができる。
【0139】
また、検出装置170は、移載装置133に取り外し可能に支持される。この実施の形態によれば、検出装置170を取り外して搬送車130を運行することができる。
【0140】
また、棚120は、床Fに設けられる。この実施の形態によれば、軌道110又は天井Cに棚120が吊り下げられる実施の形態と比較して、軌道110又は天井Cにかかる負荷を抑制することができる。
【0141】
また、搬送車システム100は、構造物150の下部の水平方向への揺れを防止する揺れ防止機構180を備える。この実施の形態によれば、構造物150が揺れることに起因して指標152A及び指標152Bの検出に支障が生じることを防止することができる。
【0142】
また、揺れ防止機構180は、床Fに固定されるブラケット181を備える。また、揺れ防止機構180は、ブラケット181と構造物150との間に配置されるローラ182を備える。そして、揺れ防止機構180は、ブラケット181に対する構造物150の上下方向への移動を許容する。この実施の形態によれば、軌道110の高さが変化しても、構造物150に対して不要な力が加わることを抑制することができる。
【0143】
また、検出装置170は、複数の撮像装置172A~撮像装置172Dを備える。そして、複数の撮像装置172A~撮像装置172Dは、互いに異なる位置から指標152A及び指標152Bを撮像する。この実施の形態によれば、ステレオ画像法による演算を行うことができる。
【0144】
また、教示情報生成装置140は、一の搬送車130における検出装置170による棚板124の検出結果を、一の搬送車130における機差を用いて補正して教示情報を生成する。この実施の形態によれば、一の搬送車130を含む複数の搬送車130において、一の搬送車130における機差に影響されない教示情報を利用することができる。
【0145】
また、構造物150は、軌道110に吊り下げられた支柱151を備える。また、構造物150は、支柱151から水平方向に延びる複数の基準板152を備える。そして、複数の基準板152は、それぞれ、棚板124の高さに対応する位置に設けられる。そして、指標152A及び指標152Bは、複数の基準板152のそれぞれに設けられる。この実施の形態によれば、棚板124ごとに個別に対応する教示情報を生成することができる。
【0146】
また、軌道110は、搬送車130が物品Gを搬送する経路である搬送経路111を備える。また、軌道110は、搬送経路111から外れて延びる経路である延長経路112を備える。そして、構造物150は、延長経路112の一部に対応する位置に設けられる。この実施の形態によれば、構造物150が設けられることに起因して棚120を設ける領域が制限されないようにすることができる。
【0147】
また、延長経路112の一部を含む領域には、搬送車130のメンテナンスを行うための特定領域Aが設けられる。そして、構造物150は、特定領域Aに設けられる。この実施の形態によれば、搬送車130のメンテナンスを行ったときに、メンテナンスが行われた特定領域Aにおいて指標152A及び指標152Bの再検出を行うことができる。
【0148】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。法令で許容される限りにおいて、日本特許出願である特願2021-104694、及び上述の実施形態等において引用した全ての分館の開示を援用して本文の記載の一部とする。
【0149】
例えば、上記実施の形態において、構造物150は、軌道110に吊り下げられている。上記実施の形態に代えて、構造物150は、天井Cに吊り下げられていてもよい。その形態においては、構造物150の支柱151が天井Cに吊り下げられていればよい。
【符号の説明】
【0150】
100 搬送車システム、110 軌道、111 搬送経路、112 延長経路、120 棚、121 底板、122、背板、123 側板、124 棚板、124A 指標、124B 指標、130 搬送車、131 走行装置、132 昇降装置、132M マスト、132P 昇降台、133 移載装置、134 搬送制御ユニット、134A 制御装置、134B 演算装置、134C 入出力装置、134D 通信装置、134E 記憶装置、140 教示情報生成装置、140A 制御装置、140B 演算装置、140C 入力装置、140D 出力装置、140E 通信装置、140F 記憶装置、150 構造物、151 支柱、152 基準板、153 ローラ、153A 回転軸、154 板部、155 板部、152A 指標、152B 指標、160 地上制御装置、170 検出装置、171 筐体、171S 対向面、172A 撮像装置、172B 撮像装置、172C 撮像装置、172D 撮像装置、173 撮像制御ユニット、173A 制御装置、173B 演算装置、173C 入出力装置、173D 通信装置、173E 記憶装置、180 揺れ防止機構、181 ブラケット、182 ローラ、182A 回転軸、A 特定領域、C 天井、F 床、G 物品、H 吊り金具、I1 基準板IDの情報、I2 基準板の座標の設計値の情報、I3 基準板に対する搬送車の機差の情報、I4 棚板IDの情報、I5 棚板の座標の教示情報
図1
図2
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