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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】エレベータ
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/46 20060101AFI20241210BHJP
   B66B 1/50 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
B66B1/46 A
B66B1/50 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024005048
(22)【出願日】2024-01-17
【審査請求日】2024-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】諸岡 悠児
(72)【発明者】
【氏名】金子 元樹
(72)【発明者】
【氏名】胡 方▲軍▼
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/091342(WO,A1)
【文献】特開2022-106397(JP,A)
【文献】特開2002-003092(JP,A)
【文献】特開平04-223981(JP,A)
【文献】特開2001-002331(JP,A)
【文献】特開平03-018570(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00 - 1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を示すために盤表面に凹凸状に形成される情報部を有する操作盤と、
前記操作盤への操作を処理する処理装置と、を備え、
前記操作盤は、
手が近づけられる非接触の操作がされ、当該操作を検出する操作部と、
押し操作がされる押し釦と、
前記盤表面への接触を検出する接触検出部と、を備え、
前記処理装置は、前記接触検出部が第1設定時間以上だけ前記接触を連続して検出した場合に、前記操作部に対する操作を無効にする無効制御を実行する、エレベータであって、
前記処理装置は、前記無効制御を実行した場合に、前記無効制御の開始時から、前記無効制御の開始時よりも第2設定時間だけ前まで、の期間の、前記操作部に対する操作を遡って無効にする、エレベータ
【請求項2】
情報を示すために盤表面に凹凸状に形成される情報部を有する操作盤と、
前記操作盤への操作を処理する処理装置と、を備え、
前記操作盤は、
手が近づけられる非接触の操作がされ、当該操作を検出する操作部と、
押し操作がされる押し釦と、
前記盤表面への接触を検出する接触検出部と、を備え、
前記処理装置は、前記接触検出部が第1設定時間以上だけ前記接触を連続して検出した場合に、前記操作部に対する操作を無効にする無効制御を実行する、エレベータであって、
かごを備え、
前記操作盤は、前記かごの内部に配置され、
前記処理装置は、前記かごの走行が停止した状態で前記接触検出部が第1設定時間以上だけ前記接触を連続して検出した場合に、前記無効制御を実行し、
前記操作盤は、前記押し釦への押し操作を検出する釦検出部を備え、
前記処理装置は、前記無効制御を実行した場合に、前記釦検出部が前記押し操作を検出するまで、前記かごの走行の停止を維持させる、エレベータ。
【請求項3】
情報を示すために盤表面に凹凸状に形成される情報部を有する操作盤と、
前記操作盤への操作を処理する処理装置と、を備え、
前記操作盤は、
手が近づけられる非接触の操作がされ、当該操作を検出する操作部と、
押し操作がされる押し釦と、
前記盤表面への接触を検出する接触検出部と、を備え、
前記処理装置は、前記接触検出部が第1設定時間以上だけ前記接触を連続して検出した場合に、前記操作部に対する操作を無効にする無効制御を実行する、エレベータであって、
かごを備え、
前記操作盤は、前記かごの内部に配置され、
前記かごは、開位置と閉位置との間で移動可能なかご戸を備え、
前記接触検出部は、前記盤表面の静電容量の変化に基づいて、前記盤表面への接触を検出し、
前記処理装置は、前記かご戸が前記開位置に位置した状態で前記接触検出部が第1設定時間以上だけ前記接触を連続して検出した場合に、前記無効制御を実行する、エレベータ。
【請求項4】
前記第2設定時間は、前記第1設定時間よりも、長い時間である、請求項1に記載のエレベータ。
【請求項5】
前記処理装置は、前記接触検出部が前記接触を検出している場合に、前記操作部に対する操作を無効にする、請求項1~4の何れか1項に記載のエレベータ。
【請求項6】
前記処理装置は、前記無効制御が実行された後に前記接触検出部が第3設定時間以上だけ前記接触を連続して検出しない場合に、前記無効制御を終了する、請求項1~の何れか1項に記載のエレベータ。
【請求項7】
前記操作盤は、前記押し釦への押し操作を検出する釦検出部を備え、
前記処理装置は、前記無効制御が実行された後に前記釦検出部が前記押し操作を検出した場合に、前記無効制御を終了する、請求項1~の何れか1項に記載のエレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、エレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、エレベータは、操作盤と、操作盤への操作を処理する処理装置とを備えている(例えば、特許文献1)。操作盤は、手が近づけられる非接触の操作がされ、当該操作を検出する操作部と、押し操作がされる押し釦と、情報を示すために盤表面に凹凸状に形成される情報部(例えば、点字)とを備えている。
【0003】
ところで、視覚障害者は、情報部を触るために、操作盤の盤表面を触ることになる。これにより、視覚障害者の手や腕が操作盤の盤表面の近くに位置するため、操作部は、視覚障害者の当該操作を非接触の操作として検出する場合がある。したがって、視覚障害者の意図しない操作によって操作部が非接触の操作として検出する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2022-76600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、視覚障害者の意図しない操作によって操作部が非接触の操作として検出することを抑制することができるエレベータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
エレベータは、
情報を示すために盤表面に凹凸状に形成される情報部を有する操作盤と、
前記操作盤への操作を処理する処理装置と、を備え、
前記操作盤は、
手が近づけられる非接触の操作がされ、当該操作を検出する操作部と、
押し操作がされる押し釦と、
前記盤表面への接触を検出する接触検出部と、を備え、
前記処理装置は、前記接触検出部が第1設定時間以上だけ前記接触を連続して検出した場合に、前記操作部に対する操作を無効にする無効制御を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係るエレベータの概要図
図2】同実施形態に係るエレベータかごの内視図
図3】同実施形態に係る第1かご操作盤の正面図
図4図3のIV-IV線の拡大断面図
図5】同実施形態に係るエレベータの制御ブロック図
図6】他の実施形態に係る第2かご操作盤の正面図
図7】さらに他の実施形態に係る乗場操作盤の正面図
図8】さらに他の実施形態に係る第1かご操作盤の要部正面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0009】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0010】
以下、エレベータにおける一実施形態について、図1図5を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、エレベータの構成等の理解を助けるために例示するものであり、エレベータの構成を限定するものではない。
【0011】
図1に示すように、エレベータ1は、人(乗客)が乗るためのかご2と、エレベータ1の各部を制御する処理装置3とを備えている。そして、エレベータ1は、例えば、本実施形態のように、かご2を走行させるかご駆動部4と、かご2を案内するかごレール5とを備えていてもよい。なお、かご駆動部4の駆動方式は、特に限定されない。
【0012】
エレベータ1は、例えば、本実施形態のように、第1端部がかご2に接続されるかごロープ6と、かごロープ6の第2端部に接続される釣合錘7と、釣合錘7を案内する錘レール8とを備えていてもよい。そして、かご駆動部4は、例えば、本実施形態のように、かごロープ6が巻き掛けられる綱車4aと、綱車4aを回転させる駆動源4b(例えば、モータ)と、綱車4aを制動する制動部4cとを備えていてもよい。
【0013】
即ち、かご駆動部4は、巻上機であって、エレベータ1は、ロープ式の駆動方式である、という構成でもよい。なお、斯かる構成に限られず、例えば、かご駆動部4は、油圧装置であり、エレベータ1は、油圧式の駆動方式である、という構成でもよく、また、例えば、かご駆動部4は、リニアモータであって、エレベータ1は、リニアモータ式の駆動方式である、という構成でもよい。
【0014】
また、本実施形態においては、かごロープ6の第1端部がかご2に接続され、かごロープ6の第2端部が釣合錘7に接続されている、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、かごロープ6の両端部がそれぞれ昇降路X1の上部又は下部に固定され、かごロープ6がかご2のシーブ及び釣合錘7のシーブにそれぞれ巻き掛けられることによって、かごロープ6がかご2及び釣合錘7にそれぞれ接続されている、という構成でもよい。
【0015】
また、本実施形態に係るエレベータ1は、かご駆動部4である巻上機を機械室X2の内部に配置する、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、機械室X2が備えられておらず、エレベータ1は、巻上機を昇降路X1の内部に配置する、という構成でもよい。
【0016】
なお、各図において、第1方向D1は、第1横方向D1であり、第2方向D2は、第1横方向D1と直交する横方向である第2横方向D2であり、第3方向D3は、各横方向D1,D2とそれぞれ直交する上下方向D3であり、かご2及び釣合錘7が昇降する昇降方向である。
【0017】
エレベータ1は、例えば、本実施形態のように、乗場X3の出入口を開閉する乗場戸9と、乗場X3に配置される乗場操作盤10とを備えていてもよい。かご2は、例えば、本実施形態のように、人が乗るかご室2aと、かご室2aの出入口を開く開位置と閉じる閉位置との間を移動するかご戸2bと、かご戸2bの開閉動作を行う戸駆動部2cとを備えていてもよい。
【0018】
これにより、戸駆動部2cがかご戸2bを移動させることによって、かご戸2bは、かご室2aの出入口を開閉する。そして、かご戸2bがかご室2aの出入口を開閉することによって、かご2が停止している乗場X3の乗場戸9は、かご戸2bと連動して、乗場X3の出入口を開閉する、という構成でもよい。
【0019】
図1及び図2に示すように、エレベータ1は、かご2のかご室2aの内部に配置される第1かご操作盤(「主かご操作盤」ともいう)11を備えている。また、エレベータ1は、例えば、本実施形態のように、かご2のかご室2aの内部に配置される第2かご操作盤(「副かご操作盤」ともいう)12と、かご2のかご室2aの内部に配置され、第1横方向D1へ延びるかご手摺13とを備えていてもよい。
【0020】
処理装置3は、操作盤9,11,12への操作を処理する。特に限定されないが、例えば、処理装置3は、操作盤9,11,12に入力された情報に基づいて、かご2の走行及びかご戸2bの開閉を制御する、という構成でもよい。
【0021】
図3に示すように、第1かご操作盤11は、押し操作がされる押し釦14と、手が近づけられる非接触の操作がされ、当該操作を検出する操作部15と、情報を示すために盤表面に凹凸状に形成される第1情報部16及び第2情報部17とを備えている。また、第1かご操作盤11は、例えば、本実施形態のように、情報を表示する表示部(例えば、モニタ)25と、情報を発音する発音部(例えば、スピーカ)26とを備えていてもよい。
【0022】
押し釦14は、例えば、本実施形態のように、かご2の行先階を登録するために押し操作がされる行先階押し釦14と、かご戸2bの開動作をするために押し操作がされる戸開押し釦14と、かご戸2bの閉動作をするために押し操作がされる戸閉押し釦14と、非常時に外部へ通報するために押し操作がされる非常押し釦14とを含んでいてもよい。なお、一般的に、押し釦14は、接触式ボタンと呼ばれる。
【0023】
操作部15は、例えば、本実施形態のように、かご2の行先階を登録するために、手が近づけられる非接触の操作がされる行先階操作部15と、かご戸2bの開動作をするために、手が近づけられる非接触の操作がされる戸開操作部15とを含んでいてもよい。なお、一般的に、操作部15は、非接触式ボタンと呼ばれる。
【0024】
そして、本実施形態においては、操作部15は、押し釦14と一体化された構成、即ち、非接触ボタンは、接触式ボタンと一体化された構成となっている。具体的には、行先階押し釦14と行先階操作部15とが一体化された構成であり、戸開押し釦14と戸開操作部15とが一体化された構成である。
【0025】
このように、本実施形態においては、複数のうち、一部の押し釦14に相当する操作部15が、備えられている。具体的には、行先階押し釦14に相当する行先階操作部15と、戸開押し釦14に相当する戸開操作部15とが、備えられており、戸閉押し釦14及び非常押し釦14に相当する操作部15は、備えられていない。そして、押し釦14が押し操作されることで入力される情報は、操作部15が非接触操作されることで入力される情報と、同じである。
【0026】
なお、斯かる構成に限られず、例えば、全ての押し釦14に相当する操作部15が備えられていてもよい。例えば、操作部15は、かご戸2bの閉動作をするために非接触の操作がされる戸閉操作部15を備えており、戸閉押し釦14と戸閉操作部15とは、一体化された構成である、という構成でもよい。また、例えば、操作部15は、非常時に外部へ通報するために非接触の操作がされる非常操作部15を備えており、非常押し釦14と非常操作部15とは、一体化された構成である、という構成でもよい。
【0027】
図3及び図4に示すように、第1かご操作盤11は、例えば、押し釦14が嵌められる開口を有するプレート18と、押し釦14をプレート18に対して可動に保持させる保持部19と、押し釦14に力を加える加力部20とを備えていてもよい。特に限定されないが、加力部20は、例えば、バネ、ゴム等の弾性材としてもよい。
【0028】
第1情報部16は、例えば、本実施形態のように、押し釦14を操作することによるかご2の動作内容を表示する点字である、という構成でもよい。そして、第1情報部16は、例えば、本実施形態のように、プレート18の表面のうち、押し釦14の近傍に凹凸状に形成されていてもよい。
【0029】
また、第2情報部17は、例えば、本実施形態のように、押し釦14を操作することによるかご2の動作内容を表示する凸数字又は凸マークである、という構成でもよい。そして、第2情報部17は、例えば、本実施形態のように、押し釦14の表面に凹凸状に形成されていてもよい。
【0030】
第1かご操作盤11は、押し釦14への押し操作を検出する釦検出部21を備えている。特に限定されないが、釦検出部21は、例えば、接触センサ、近接センサ等のセンサとしてもよい。また、第1かご操作盤11は、例えば、本実施形態のように、操作に基づいてかご2が動作することを出力する操作出力部22を備えていてもよい。特に限定されないが、操作出力部22は、例えば、LED、ランプ等の光源としてもよい。
【0031】
操作部15は、例えば、本実施形態のように、操作部15に対して手を近づける非接触の操作を検出する操作検出部15aと、手を近づける非接触の操作をすべき位置及び当該操作によるかご2の動作内容を表示する操作表示部15bとを備えていてもよい。特に限定されないが、操作検出部15aは、例えば、光電センサ、感熱センサ等のセンサとしてもよい。また、特に限定されないが、本実施形態においては、第2情報部17は、操作表示部15bを兼ねている。
【0032】
操作部15は、例えば、本実施形態のように、操作表示部15bから第1横方向D1へ第1距離W1以上で且つ第2距離W2以下の領域を検出領域とし、操作表示部15bと検出領域との間を非検出領域としてもよい。これにより、操作部15は、検出領域に存在する手(人体)を、非接触の操作と検出し、非検出領域に存在する手(人体)を、非接触の操作と検出しない。
【0033】
特に限定されないが、第1距離W1は、例えば、5mm~6mmとしてもよく、また、第2距離W2は、例えば、60mm~65mmとしてもよい。なお、操作表示部15bに対して、検出領域よりも第1横方向D1へ離れた領域、即ち、操作表示部15bから第1横方向D1へ第2距離W2よりも離れた領域は、非検出領域である。
【0034】
なお、図4は、行先階押し釦14、行先階操作部15及びその関連部17~22の構成を図示しているが、戸開押し釦14、戸開操作部15及びその関連部17~22の構成は、例えば、本実施形態のように、行先階押し釦14、行先階操作部15及びその関連部17~22の構成と同じであってもよい。また、戸閉押し釦14及びその関連部17~22の構成と、非常押し釦14及びその関連部17~22の構成とは、例えば、本実施形態のように、行先階押し釦14及びその関連部17~22の構成と同じであってもよい。
【0035】
第1かご操作盤11は、盤表面に接触されることを検出する接触検出部23を備えている。接触検出部23は、盤表面の静電容量の変化に基づいて、盤表面に接触されたことを検出する。特に限定されないが、接触検出部23は、例えば、プレート18の静電容量の変化を検出する静電容量センサである、という構成でもよい。
【0036】
例えば、接触検出部23は、自己容量式静電容量センサであって、プレート18の静電容量が増加した場合に、手(人体)がプレート18に接触したことを検出する、という構成でもよい。また、例えば、接触検出部23は、相互容量式静電容量センサであって、プレート18の静電容量が減少した場合に、手(人体)がプレート18に接触したことを検出する、という構成でもよい。
【0037】
例えば、プレート18は、導電体(例えば、金属)で形成されており、導電体は、電極及び誘電体を構成している、という構成でもよい。また、例えば、プレート18は、導電体で形成される電極と、非導電体(例えば、ガラス、樹脂)で形成される誘電体とを備えている、という構成でもよい。
【0038】
図5に示すように、処理装置3は、例えば、本実施形態のように、各データを取得する取得部31と、各データを記憶する記憶部32と、各データを演算する演算部33と、エレベータ1を制御する制御部34とを備えていてもよい。処理装置3は、例えば、一つの装置で構成されていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置で構成されていてもよい。
【0039】
例えば、1つのコンピュータにおけるプロセッサ、即ち、1つのプロセッサが処理を実行することによって、処理装置3の各部33,34が実現されている、という構成でもよい。具体的には、例えば、処理装置3の各部31,32,33,34は、一つの装置に備えられている、という構成でもよい。
【0040】
また、例えば、複数のコンピュータにおけるプロセッサ、即ち、複数のプロセッサが分散して処理を実行することによって、処理装置3の各部33,34が実現されている、という構成でもよい。具体的には、例えば、処理装置3の各部31,32,33,34は、互いに通信可能な複数の装置に分散して備えられている、という構成でもよい。
【0041】
なお、処理装置3は、CPU及びMPU等のプロセッサ(例えば、演算部33、制御部34)、ROM及びRAM等のメモリ(例えば、取得部31、記憶部32)、各種インターフェイス(例えば、取得部31)等を備えるコンピュータである。そして、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが実行し、ソフトウェア及びハードウェアが協働することによって、処理装置3の各部33,34が実現されている。
【0042】
取得部31及び記憶部32が「記憶する」とは、例えば、データの削除指示等の入力によって削除されるまで記憶し続ける場合だけでなく、例えば、演算部33の演算に用いるために一時的に記憶し、演算部33の演算終了後に削除される場合も含む。
【0043】
演算部33は、例えば、本実施形態のように、操作部15の操作検出部15aの検出に基づいて、操作部15に対する操作を判定する操作判定部33aと、接触検出部23の検出に基づいて、操作部15に対する操作の無効を判定する無効判定部33bとを備えていてもよい。
【0044】
操作判定部33aは、例えば、操作部15の操作検出部15aが手を近づける非接触の操作を基準時間だけ連続して検出した場合に、操作部15に対する非接触の操作有りと判定する、という構成でもよい。特に限定されないが、当該基準時間は、例えば、0.5秒~1.5秒としてもよい。
【0045】
本実施形態に係るエレベータ1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係るエレベータ1の制御について説明する。なお、以下の制御は、エレベータ1の制御等の理解を助けるために例示するものであり、エレベータ1の制御を限定するものではない。
【0046】
まず、かご2の動作制御について、説明する。
【0047】
例えば、釦検出部21が押し釦14に対する押し操作を検出することによって、かご2は、動作する。具体的には、釦検出部21が行先階押し釦14に対する操作を検出し、行先階が登録されることによって、かご2は、昇降し、また、釦検出部21が戸開押し釦14又は戸閉押し釦14に対する操作を検出することによって、かご戸2bは、開閉動作する。
【0048】
また、例えば、操作検出部15aが操作部15に対する非接触の操作を検出し、操作判定部33aが操作部15に対する非接触の操作有りと判定することによって、かご2は、動作する。具体的には、操作判定部33aが行先階操作部15に対する非接触の操作有りと判定し、行先階が登録されることによって、かご2は、昇降し、また、操作判定部33aが戸開操作部15に対する非接触の操作有りと判定することによって、かご戸2bは、開動作する。
【0049】
なお、例えば、行先階押し釦14又は行先階操作部15に対する操作によって、行先階が登録されているときに、操作出力部22は、出力してもよい。また、例えば、戸開押し釦14、戸閉押し釦14、又は戸開操作部15に対する操作によって、かご戸2bが開閉動作しているときに、操作出力部22は、出力してもよい。
【0050】
次に、操作部15に対する非接触の操作の無効制御について、説明する。
【0051】
視覚障害者は、例えば、押し釦14の情報を得るために、情報部16,17を触る。したがって、視覚障害者は、情報部16,17を触る前に、第1かご操作盤11の盤表面を触ることになる。そこで、接触検出部23が盤表面への接触を検出している場合に、無効判定部33bは、操作部15に対する操作を無効にする。これにより、視覚障害者の意図しない操作(例えば、情報部16,17を触るための操作)によって操作部15が非接触の操作として検出することを抑制することができる。
【0052】
そして、接触検出部23が第1設定時間以上だけ盤表面への接触を連続して検出した場合に、無効判定部33bは、制御部34に、操作部15に対する操作を無効にする無効制御を実行させる。これにより、視覚障害者の意図しない操作によって操作部15が非接触の操作として検出することを抑制することができる。特に限定されないが、第1設定時間は、例えば、0.5秒~2.0秒としてもよい。
【0053】
なお、かご2の走行が停止しているときに、視覚障害者が第1かご操作盤11を操作することが多い。また、例えば、盤表面と導電体を含む周辺機器(例えば、かご戸2b、かご2の外部で且つ昇降路X1の内部に配置される昇降路機器等)との距離が変化した場合に、盤表面の静電容量が変化することがある。これにより、盤表面と周辺機器との距離関係が定常した状態になることによって、周辺機器との関係で盤表面の静電容量が変化することを抑制することができる。
【0054】
例えば、かご2の走行が停止したときに、盤表面と昇降路機器との距離関係が定常した状態となるため、昇降路機器との関係で盤表面の静電容量が変化することを抑制することができる。また、例えば、かご戸2bの動作が停止したときに、盤表面とかご戸2bとの距離関係が定常した状態となるため、かご戸2bとの関係で盤表面の静電容量が変化することを抑制することができる。
【0055】
そこで、かご2の走行が停止し且つかご戸2bが開位置に位置した状態で(即ち、盤表面と周辺機器との距離関係が定常した状態で)、接触検出部23が第1設定時間以上だけ盤表面への接触を連続して検出した場合に、無効判定部33bは、制御部34に、操作部15に対する操作を無効にする無効制御を実行させている。これにより、接触検出部23が誤検出することによって無効制御が実行されることを抑制することができる。
【0056】
ところで、無効制御が開始される直前に、視覚障害者の意図しない操作によって操作部15が非接触の操作として検出する可能性は、高い。そこで、無効制御が実行された場合に、無効判定部33bは、無効制御の開始時から第2設定時間前までの操作部15に対する操作を無効にする。
【0057】
これにより、視覚障害者の意図しない操作によって操作部15が非接触の操作として検出することをさらに抑制することができる。特に限定されないが、本実施形態においては、無効制御の開始時から第2設定時間前までの行先階操作部15に対する操作が、遡って無効とされる(例えば、登録された行先階が無効とされる)一方で、無効制御の開始時から第2設定時間前までの戸開操作部15に対する操作は、遡って無効にされない。
【0058】
第2設定時間は、例えば、本実施形態のように、第1設定時間よりも長い時間でもよい。これにより、例えば、第1設定時間の期間及びその直前の期間に、接触検出部23で検出される盤表面への接触が、視覚障害者の意図しない操作である可能性が非常に高いことに対して、第1設定時間の期間及びその直前の期間において、操作部15に対する操作を確実に無効にすることができる。
【0059】
特に限定されないが、第2設定時間は、例えば、第1設定時間に、0.5秒~3.0秒を加えた時間としてもよい。なお、第2設定時間は、例えば、第1設定時間よりも短い時間でもよく、また、例えば、第1設定時間と同じ時間でもよい。
【0060】
また、視覚障害者が第1かご操作盤11を操作する場合には、視覚障害者だけがかご2の内部に乗っていることが多く、それにより、視覚障害者が押し釦14を押すまでに、長い時間が必要となる。そこで、無効制御が実行された場合に、制御部34は、釦検出部21が押し操作を検出するまで、かご戸2bを開位置に維持させる。これにより、視覚障害者が押し釦14を押すまで、かご戸2bが開位置で維持され、かご2の走行の停止は、維持される。
【0061】
したがって、例えば、視覚障害者が押し釦14を押すまで、長い時間が必要となった場合でも、視覚障害者が押し釦14を押すまで、かご2の走行の停止は、維持される。その結果、例えば、かご2が視覚障害者の望まない走行を開始することを抑制することができる。
【0062】
なお、操作部15に対する操作を無効にする構成は、特に限定されない。例えば、操作検出部15aが非接触の操作を検出しつつも(操作検出部15aの検出自体が有効でありつつも)、処理装置3は、操作検出部15aの検出を無効にする、という構成でもよい。また、例えば、操作検出部15aの給電を停止することによって、操作検出部15aの検出自体が無効にされる、という構成でもよい。
【0063】
そして、視覚障害者が第1かご操作盤11の操作を終了した場合には、視覚障害者による第1かご操作盤11の盤表面への接触は、無くなる。そこで、無効制御が実行された後に、接触検出部23が第3設定時間以上だけ第1かご操作盤11の盤表面への接触を連続して検出しない場合に、制御部34は、無効制御を終了する。
【0064】
これにより、第1かご操作盤11の盤表面への接触が無くなった場合に、無効制御が終了されるため、無効制御を適切に終了することができる。特に限定されないが、第3設定時間は、例えば、5秒~10秒としてもよい。
【0065】
また、視覚障害者が押し釦14を押し操作した場合には、視覚障害者による第1かご操作盤11の操作は、終了する。そこで、無効制御が実行された後に、釦検出部21が押し操作を検出した場合に、制御部34は、無効制御を終了する。これにより、押し釦14が押された場合に、無効制御が終了されるため、無効制御を適切に終了することができる。
【0066】
[1]
以上より、エレベータ1は、本実施形態のように、
情報を示すために盤表面に凹凸状に形成される情報部16,17を有する操作盤(本実施形態においては、第1かご操作盤)11と、
前記操作盤11への操作を処理する処理装置3と、を備え、
前記操作盤11は、
手が近づけられる非接触の操作がされ、当該操作を検出する操作部15と、
押し操作がされる押し釦14と、
前記盤表面への接触を検出する接触検出部23と、を備え、
前記処理装置3は、前記接触検出部23が第1設定時間以上だけ前記接触を連続して検出した場合に、前記操作部15に対する操作を無効にする無効制御を実行する、
という構成が好ましい。
【0067】
斯かる構成によれば、接触検出部23が第1設定時間以上だけ盤表面への接触を連続して検出した場合に、無効制御が実行されるため、操作部15に対する操作は、無効にされる。これにより、視覚障害者の意図しない操作によって操作部15が非接触の操作として検出することを抑制することができる。
【0068】
[2]
また、上記[1]のエレベータ1においては、本実施形態のように、
前記処理装置3は、前記接触検出部23が前記接触を検出している場合に、前記操作部15に対する操作を無効にする、
という構成が好ましい。
【0069】
斯かる構成によれば、接触検出部23が盤表面への接触を検出している場合に、操作部15に対する操作は、無効にされる。これにより、視覚障害者の意図しない操作によって操作部15が非接触の操作として検出することをさらに抑制することができる。
【0070】
[3]
また、上記[1]又は[2]のエレベータ1においては、本実施形態のように、
前記処理装置3は、前記無効制御を実行した場合に、前記無効制御の開始時から第2設定時間前までの前記操作部15に対する操作を無効にする、
という構成が好ましい。
【0071】
斯かる構成によれば、無効制御が実行された場合に、操作部15に対する操作は、無効制御の開始時から第2設定時間前まで、無効にされる。これにより、視覚障害者の意図しない操作によって操作部15が非接触の操作として検出することをさらに抑制することができる。
【0072】
[4]
また、上記[1]~[3]の何れか1つのエレベータ1においては、本実施形態のように、
前記処理装置3は、前記無効制御が実行された後に前記接触検出部23が第3設定時間以上だけ前記接触を連続して検出しない場合に、前記無効制御を終了する、
という構成が好ましい。
【0073】
斯かる構成によれば、無効制御が実行された後に、接触検出部23が第3設定時間以上だけ盤表面への接触を連続して検出しない場合に、無効制御は、終了される。これにより、盤表面への接触が無くなった場合に、無効制御が終了されるため、無効制御を適切に終了することができる。
【0074】
[5]
また、上記[1]~[4]の何れか1つのエレベータ1においては、本実施形態のように、
前記操作盤(本実施形態においては、第1かご操作盤)11は、前記押し釦14への押し操作を検出する釦検出部21を備え、
前記処理装置3は、前記無効制御が実行された後に前記釦検出部21が前記押し操作を検出した場合に、前記無効制御を終了する、
という構成が好ましい。
【0075】
斯かる構成によれば、無効制御が実行された後に、釦検出部21が押し操作を検出した場合に、無効制御は、終了される。これにより、押し釦14が押された場合に、無効制御が終了されるため、無効制御を適切に終了することができる。
【0076】
[6]
また、上記[1]~[5]の何れか1つのエレベータ1は、本実施形態のように、
かご2を備え、
前記操作盤(本実施形態においては、第1かご操作盤)11は、前記かご2の内部に配置され、
前記処理装置3は、前記かご2の走行が停止した状態で前記接触検出部23が第1設定時間以上だけ前記接触を連続して検出した場合に、前記無効制御を実行する、
という構成が好ましい。
【0077】
斯かる構成によれば、かご2の走行が停止しているときに、視覚障害者が操作盤(本実施形態においては、第1かご操作盤)11を操作することが多いことに対して、かご2の走行が停止した状態で接触検出部23が第1設定時間以上だけ盤表面への接触を連続して検出した場合に、無効制御は、実行される。これにより、接触検出部23が誤検出することによって無効制御が実行されることを抑制することができる。
【0078】
[7]
また、上記[6]のエレベータ1においては、本実施形態のように、
前記操作盤(本実施形態においては、第1かご操作盤)11は、前記押し釦14への押し操作を検出する釦検出部21を備え、
前記処理装置3は、前記無効制御を実行した場合に、前記釦検出部21が前記押し操作を検出するまで、前記かご2の走行の停止を維持させる、
という構成が好ましい。
【0079】
斯かる構成によれば、視覚障害者が押し釦14を押すまでに時間を要することに対して、無効制御が実行された場合に、釦検出部21が押し釦14への押し操作を検出するまで、かご2の走行の停止は、維持される。これにより、視覚障害者が押し釦14を押すまで、かご2の走行の停止は、維持される。
【0080】
[8]
また、上記[1]~[7]の何れか1つのエレベータ1は、本実施形態のように、
かご2を備え、
前記操作盤(本実施形態においては、第1かご操作盤)11は、前記かご2の内部に配置され、
前記かご2は、開位置と閉位置との間で移動可能なかご戸2bを備え、
前記接触検出部23は、前記盤表面の静電容量の変化に基づいて、前記盤表面への接触を検出し、
前記処理装置3は、前記かご戸2bが前記開位置に位置した状態で前記接触検出部23が第1設定時間以上だけ前記接触を連続して検出した場合に、前記無効制御を実行する、
という構成が好ましい。
【0081】
斯かる構成によれば、接触検出部23は、盤表面の静電容量の変化に基づいて、盤表面への接触を検出する。ところで、かご戸2bが盤表面の静電容量に影響し、かご戸2bの位置によって、盤表面の静電容量が変化する場合がある。そこで、かご戸2bが開位置に位置した状態で接触検出部23が第1設定時間以上だけ盤表面への接触を連続して検出した場合に、無効制御は、実行される。これにより、接触検出部23が誤検出することによって無効制御が実行されることを抑制することができる。
【0082】
なお、エレベータ1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、エレベータ1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0083】
(A)上記実施形態に係るエレベータ1においては、第1かご操作盤11は、情報部16,17、操作部15、押し釦14、及び接触検出部23を備えている、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。
【0084】
(A-1)例えば、第2かご操作盤12は、情報部16,17、操作部15、押し釦14、及び接触検出部23を備えている、という構成でもよい。斯かる構成の一例として、第2かご操作盤12は、図6に示す構成としてもよい。以下に、図6に係る第2かご操作盤12の構成について、説明する。
【0085】
図6に係る第2かご操作盤12は、情報を示すために盤表面に凹凸状に形成される情報部16,17と、手が近づけられる非接触の操作がされ、当該操作を検出する操作部15と、押し操作がされる押し釦14と、押し釦14が嵌められる開口を有するプレート18と、押し釦14への押し操作を検出する釦検出部21と、第2かご操作盤12の盤表面への接触を検出する接触検出部23とを備えている。
【0086】
そして、処理装置3は、接触検出部23が第1設定時間以上だけ第2かご操作盤12の盤表面への接触を連続して検出した場合に、操作部15に対する操作を無効にする無効制御を実行する。また、第2かご操作盤12は、情報を表示する表示部25と、情報を発音する発音部26とを備えている。
【0087】
押し釦14は、かご2の行先階を登録するために押し操作がされる行先階押し釦14と、かご戸2bの開動作をするために押し操作がされる戸開押し釦14と、かご戸2bの閉動作をするために押し操作がされる戸閉押し釦14と、非常時に外部へ通報するために押し操作がされる非常押し釦14とを含んでいる。操作部15は、かご2の行先階を登録するために手が近づけられる非接触の操作がされる行先階操作部15と、かご戸2bの開動作をするために手が近づけられる非接触の操作がされる戸開操作部15とを含んでいる。
【0088】
そして、操作部15は、押し釦14と一体化された構成、即ち、非接触ボタンは、接触式ボタンと一体化された構成となっている。具体的には、行先階押し釦14と行先階操作部15とが一体化された構成であり、戸開押し釦14と戸開操作部15とが一体化された構成である。
【0089】
(A-2)また、例えば、乗場操作盤10は、情報部16,17、操作部15、押し釦14、及び接触検出部23を備えている、という構成でもよい。斯かる構成の一例として、乗場操作盤10は、図7に示す構成としてもよい。以下に、図7に係る乗場操作盤10の構成について、説明する。
【0090】
図7に係る乗場操作盤10は、情報を示すために盤表面に凹凸状に形成される情報部16,17と、手が近づけられる非接触の操作がされ、当該操作を検出する操作部15と、押し操作がされる押し釦14と、押し釦14が嵌められる開口を有するプレート18と、押し釦14への押し操作を検出する釦検出部21と、乗場操作盤10の盤表面への接触を検出する接触検出部23とを備えている。
【0091】
そして、処理装置3は、接触検出部23が第1設定時間以上だけ乗場操作盤10の盤表面への接触を連続して検出した場合に、操作部15に対する操作を無効にする無効制御を実行する。なお、乗場操作盤10は、例えば、情報を表示する表示部と、情報を発音する発音部とを備えていてもよい。
【0092】
押し釦14は、上方へ移動するかご2を呼び出すために押し操作がされる上呼出押し釦14と、下方へ移動するかご2を呼び出すために押し操作がされる下呼出押し釦14とを含んでいる。操作部15は、上方へ移動するかご2を呼び出すために手が近づけられる非接触の操作がされる上呼出操作部15と、下方へ移動するかご2を呼び出すために手が近づけられる非接触の操作がされる下呼出操作部15とを含んでいる。
【0093】
そして、操作部15は、押し釦14と一体化された構成、即ち、非接触ボタンは、接触式ボタンと一体化された構成となっている。具体的には、上呼出押し釦14と上呼出操作部15とが一体化された構成であり、下呼出押し釦14と下呼出操作部15とが一体化された構成である。
【0094】
(B)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、押し釦14及び操作部15は、一体化された構成、即ち、接触式ボタンと非接触ボタンとが一体化された構成である、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。
【0095】
例えば、図8に示すように、押し釦14と操作部15とは、離れて配置されている、という構成でもよい。即ち、押し釦14と操作部15の操作表示部15bとは、別体であり、分離された構成である、という構成でもよい。なお、図8に係る操作表示部15bは、手を近づける非接触の操作をすべき位置を表示しており、当該操作によるかご2の動作内容は、第2情報部17で表示している。
【0096】
(C)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、操作盤11は、押し釦14の近傍に凹凸状に形成される点字である第1情報部16と、押し釦14の表面に凹凸状に形成される凸数字又は凸マークである第2情報部17とを備えている、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。
【0097】
例えば、操作盤11は、押し釦14の近傍に凹凸状に形成される第1情報部16を備えており、押し釦14の表面に凹凸状に形成される第2情報部17を備えていない、という構成でもよい。また、例えば、操作盤11は、押し釦14の表面に凹凸状に形成される第2情報部17を備えており、押し釦14の近傍に凹凸状に形成される第1情報部16を備えていない、という構成でもよい。
【0098】
また、例えば、押し釦14の近傍に凹凸状に形成される第1情報部16は、凸数字又は凸マークである、という構成でもよい。また、例えば、押し釦14の表面に凹凸状に形成される第2情報部17は、点字である、という構成でもよい。
【0099】
(D)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、処理装置3は、接触検出部23が操作盤11の盤表面への接触を検出している場合に、操作部15に対する操作を無効にする、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。例えば、処理装置3は、接触検出部23が操作盤11の盤表面への接触を検出している場合に、無効制御が実行されるまで、操作部15に対する操作を有効にする(無効にしない)、という構成でもよい。
【0100】
(E)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、処理装置3は、無効制御を実行した場合に、無効制御の開始時から第2設定時間前までの操作部15に対する操作を無効にする、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。例えば、処理装置3は、無効制御を実行した場合に、無効制御の開始時よりも前の操作部15に対する操作を有効にする(無効にしない)、という構成でもよい。
【0101】
(F)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、処理装置3は、無効制御が実行された後に接触検出部23が第3設定時間以上だけ操作盤11の盤表面への接触を連続して検出しない場合に、無効制御を終了し、且つ、無効制御が実行された後に釦検出部21が押し操作を検出した場合に、無効制御を終了する、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。
【0102】
例えば、処理装置3は、無効制御が実行された後に所定時間(例えば、5秒~10秒)経過した場合に、無効制御を終了する、という構成でもよい。また、例えば、処理装置3は、無効制御が実行された後にかご戸2bが閉位置へ位置した場合に、無効制御を終了する、という構成でもよい。また、例えば、処理装置3は、無効制御が実行された後にかご2の走行が開始した場合に、無効制御を終了する、という構成でもよい。
【0103】
そして、例えば、処理装置3は、無効制御が実行された後に接触検出部23が第3設定時間以上だけ操作盤11の盤表面への接触を連続して検出しない場合でも、無効制御を維持する(無効制御を終了しない)、という構成でもよい。また、例えば、処理装置3は、無効制御が実行された後に釦検出部21が押し操作を検出した場合でも、無効制御を維持する(無効制御を終了しない)、という構成でもよい。
【0104】
(G)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、処理装置3は、無効制御を実行した場合に、釦検出部21が押し操作を検出するまで、かご戸2bを開位置に維持させ、かご2の走行の停止を維持させる、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。
【0105】
例えば、処理装置3は、無効制御を実行した場合に、釦検出部21が押し操作を検出するまで、かご戸2bを閉位置に移動させつつも、かご2の走行の停止を維持させる、という構成でもよい。また、例えば、処理装置3は、無効制御を実行した後に、釦検出部21が押し操作を検出しない場合でも、かご2の走行を開始する、という構成でもよい。
【0106】
(H)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、処理装置3は、かご2の走行が停止した状態で接触検出部23が第1設定時間以上だけ操作盤11の盤表面への接触を連続して検出した場合に、無効制御を実行する、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。
【0107】
例えば、処理装置3は、かご2の走行状態に拘わらず、接触検出部23が第1設定時間以上だけ操作盤11の盤表面への接触を連続して検出した場合に、無効制御を実行する、という構成でもよい。即ち、処理装置3は、かご2が走行した状態で接触検出部23が第1設定時間以上だけ操作盤11の盤表面への接触を連続して検出した場合に、無効制御を実行する、という構成でもよい。
【0108】
(I)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、処理装置3は、かご戸2bが開位置に位置した状態で接触検出部23が第1設定時間以上だけ操作盤11の盤表面への接触を連続して検出した場合に、前記無効制御を実行する、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。
【0109】
例えば、処理装置3は、かご戸2bの位置に拘わらず、接触検出部23が第1設定時間以上だけ操作盤11の盤表面への接触を連続して検出した場合に、前記無効制御を実行する、という構成でもよい。即ち、処理装置3は、かご戸2bが閉位置に位置した状態で接触検出部23が第1設定時間以上だけ操作盤11の盤表面への接触を連続して検出した場合に、前記無効制御を実行する、という構成でもよい。
【0110】
(J)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、接触検出部23は、プレート18の静電容量の変化に基づいて、操作盤11の盤表面(プレート18)への接触を検出する、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。
【0111】
例えば、接触検出部23は、押し釦14の静電容量の変化に基づいて、操作盤11の盤表面(押し釦14)への接触を検出する、という構成でもよい。また、例えば、接触検出部23は、プレート18及び押し釦14のそれぞれの静電容量の変化に基づいて、操作盤11の盤表面(プレート18、押し釦14)への接触を検出する、という構成でもよい。
【0112】
(K)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、接触検出部23は、操作盤11の盤表面の静電容量の変化に基づいて、盤表面への接触を検出する、即ち、静電容量センサである、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。
【0113】
接触検出部23は、例えば、抵抗膜方式のタッチセンサ又はタッチパネルであってもよく、また、例えば、赤外線方式のタッチセンサ又はタッチパネルであってもよく、また、例えば、超音波方式のタッチセンサ又はタッチパネルであってもよい。また、例えば、接触検出部23は、カメラであってもよい。また、例えば、接触検出部23は、プレート18の表面に固定された静電容量方式のタッチパネルであってもよい。
【0114】
(L)なお、例えば、特許請求の範囲、明細書及び図面において示した方法、制御及び装置における動作、手順、ステップ、及び段階等の各工程の実行順序は、前の工程の結果物を後の工程で用いるものでない限り、任意の順序で実現できる。例えば、便宜上、「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0115】
1…エレベータ、2…かご、2a…かご室、2b…かご戸、2c…戸駆動部、3…処理装置、4…かご駆動部、4a…綱車、4b…駆動源、4c…制動部、5…かごレール、6…かごロープ、7…釣合錘、8…錘レール、9…乗場戸、10…乗場操作盤、11…第1かご操作盤、12…第2かご操作盤、13…かご手摺、14…押し釦、15…操作部、15a…操作検出部、15b…操作表示部、16…第1情報部、17…第2情報部、18…プレート、19…保持部、20…加力部、21…釦検出部、22…操作出力部、23…接触検出部、25…表示部、26…発音部、31…取得部、32…記憶部、33…演算部、33a…操作判定部、33b…無効判定部、34…制御部、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向、X1…昇降路、X2…機械室、X3…乗場
【要約】
【課題】 視覚障害者の意図しない操作によって操作部が非接触の操作として検出することを抑制することができるエレベータを提供する。
【解決手段】 エレベータは、情報を示すために盤表面に凹凸状に形成される情報部を有する操作盤と、操作盤への操作を処理する処理装置と、を備え、操作盤は、手が近づけられる非接触の操作がされ、当該操作を検出する操作部と、押し操作がされる押し釦と、盤表面への接触を検出する接触検出部と、を備え、処理装置は、接触検出部が第1設定時間以上だけ接触を連続して検出した場合に、操作部に対する操作を無効にする無効制御を実行する。
【選択図】 図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8