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  • 特許-錫の回収方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】錫の回収方法
(51)【国際特許分類】
   C22B 25/00 20060101AFI20241210BHJP
   C22B 3/08 20060101ALI20241210BHJP
   C22B 3/44 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
C22B25/00 101
C22B3/08
C22B3/44 101A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2024537320
(86)(22)【出願日】2024-02-27
(86)【国際出願番号】 JP2024007031
【審査請求日】2024-06-20
(31)【優先権主張番号】P 2023053128
(32)【優先日】2023-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100142424
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 文広
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】永田 拓朗
(72)【発明者】
【氏名】田中 史人
(72)【発明者】
【氏名】柴田 哲
【審査官】池ノ谷 秀行
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-001000(JP,A)
【文献】特開2006-083457(JP,A)
【文献】特開2013-139595(JP,A)
【文献】特開2020-196913(JP,A)
【文献】特開2022-130015(JP,A)
【文献】特開2009-074128(JP,A)
【文献】特開2010-163340(JP,A)
【文献】特開2019-151863(JP,A)
【文献】特開2020-033626(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22B 25/00ー25/06
C22B 3/08
C22B 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
錫含有物から錫を回収する錫の回収方法であって、
前記錫含有物中の錫を硫酸酸性溶液からなる浸出液へ酸化浸出させ、錫を含む浸出後液を得る酸化浸出工程と、
前記酸化浸出工程で得られた前記浸出後液に、塩化ナトリウムおよび二価の銅イオンを供給する物質を添加し、前記浸出後液に含まれる二価の錫イオンを四価に酸化させる酸化工程と、
前記酸化工程後に、前記浸出後液を中和してpHを1.5~2.5として錫含有沈殿物を得る中和工程と、
を備えていることを特徴とする錫の回収方法。
【請求項2】
前記酸化浸出工程において、二価または三価の鉄イオンを供給する物質を前記浸出液に添加することを特徴とする請求項1に記載の錫の回収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錫含有物から錫を回収する錫の回収方法に関するものである。
本願は、2023年3月29日に、日本に出願された特願2023-053128号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
従来、錫含有物からの錫の回収方法として、例えば特許文献1には、鉛製錬工程で発生したドロスから鉛を分離して得た原料を熔融還元した錫含有物(主に錫と銅を含有)をNaOH溶液中で酸化させながら錫を浸出させ、この錫浸出液から電解採取によって錫を回収する方法が開示されている。
特許文献1に開示されている方法において、錫含有物に鉛が含まれていると、錫と共に鉛が浸出し、この鉛は錫よりも貴な元素であるため、電解採取の際に錫に優先して析出するので、錫と鉛を分離できないといった問題があった。また、浸出にNaOHを使用するため薬剤コストが高いという問題もあった。
【0003】
また、特許文献2、3には、銅製錬ダストを塩酸や硝酸を用いて浸出し、銅および鉛を優先的に溶出させる一方、錫を浸出残渣に濃縮して回収する方法が開示されている。
特許文献2、3に開示されている方法においては、浸出後に錫が固体として存在するため、固液分離により容易に錫を回収できる利点を有している一方、錫とともに浸出されない元素が多いので、得られる錫回収物の錫品位が低いという問題があった。
【0004】
そこで、特許文献4には、硫酸酸性溶液中で錫含有物中の錫を酸化浸出させ、得られた浸出後液を中和することで錫沈殿物を生成し錫を回収する方法が提案されている。
特許文献4に開示された方法では、錫とともに銅や鉛が含まれた錫含有物から、錫を効率良く回収することができるとともに、塩酸浸出や硝酸浸出よりも錫品位の高い錫回収物を得ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】日本国特許第5188768号公報(B)
【文献】日本国特開2019-151862号公報(A)
【文献】日本国特開2019-151863号公報(A)
【文献】日本国特開2022-130015号公報(A)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献4に開示された方法においては、硫酸酸性溶液中で錫含有物中の錫を酸化浸出させることによって得られる浸出後液には、二価の錫イオンと四価の錫イオンとが共存している。
ここで、二価の錫イオンはpH3.5~4.5で沈殿し、四価の錫イオンはpH1.5~2.5で沈殿することになる。
二価の錫イオンを沈殿物として回収するために、中和工程でpH3.5~4.5まで中和した場合には、浸出後液に含まれる鉄やアルミニウムも沈殿することになり、沈殿物として回収する錫の品位が低下してしまうといった問題があった。また、pHを3.5~4.5まで中和させる必要があり、薬剤コストが増加するといった問題があった。
一方、中和工程でpH1.5~2.5まで中和した場合には、二価の錫イオンを回収することができず、錫の回収率が大幅に低下してしまう。
【0007】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、錫含有物から高品位な錫を効率良く回収することが可能な錫の回収方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の態様1の錫の回収方法は、錫含有物から錫を回収する錫の回収方法であって、前記錫含有物中の錫を硫酸酸性溶液からなる浸出液へ酸化浸出させ、錫を含む浸出後液を得る酸化浸出工程と、前記酸化浸出工程で得られた前記浸出後液に、塩化ナトリウムおよび二価の銅イオンを供給する物質を添加し、前記浸出後液に含まれる二価の錫イオンを四価に酸化させる酸化工程と、前記酸化工程後に、前記浸出後液を中和してpHを1.5~2.5として錫含有沈殿物を得る中和工程と、を備えていることを特徴としている。
【0009】
本発明の態様1の錫の回収方法によれば、中和工程の前に、前記酸化浸出工程で得られた前記浸出後液に、塩化ナトリウムおよび二価の銅イオンを供給する物質を添加し、前記浸出後液に含まれる二価の錫イオンを四価に酸化させる酸化工程を有しているので、中和工程において、pH1.5~2.5まで中和することで、浸出後液中の錫を沈殿物として効率良く回収することができる。また、錫沈殿物に、鉄やアルミニウムが混入することを抑制でき、高品位な錫を回収することができる。
【0010】
本発明の態様2の錫の回収方法は、態様1の錫の回収方法において、前記酸化浸出工程において、二価または三価の鉄イオンを供給する物質を前記浸出液に添加することを特徴としている。
【0011】
酸化浸出工程において、浸出液中の錫濃度が上昇すると、メタ錫酸が析出し、錫の回収率が低下することがある。また、発生したメタ錫酸により、浸出後液をフィルター分離する際に、フィルターの目詰まりが発生しやすくなる。また、原料となる錫含有物に鉄が含まれていると、酸化浸出工程において鉄が優先的に酸化され、錫の浸出が進みにくくなることがある。
【0012】
ここで、本発明の態様2の錫の回収方法においては、前記酸化浸出工程において、二価または三価の鉄イオンを供給する物質を前記浸出液に添加する構成としているので、錫含有物に含まれる鉄の酸化を抑制でき、錫の浸出を効率良く行うことが可能となる。また、前記酸化浸出工程におけるメタ錫酸の析出を抑制でき、錫の回収率を向上できるとともに、フィルターの目詰まりの発生を抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、錫含有物から高品位な錫を効率良く回収することが可能な錫の回収方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る実施形態の錫の回収方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態の一例について説明する。
【0016】
本実施形態である錫の回収方法は、例えば鉛製錬工程や銅製錬工程等において生成する錫含有物から錫を回収するものである。
【0017】
本実施形態である錫の回収方法においては、図1に示すように、錫含有物中の錫を硫酸酸性溶液からなる浸出液へ酸化浸出工程S01と、酸化浸出工程S01で得られた浸出後液に含まれる二価の錫イオンを四価に酸化させる酸化工程S02と、酸化工程S02後の浸出後液を中和して錫含有沈殿物を得る中和工程S03と、を備えている。
【0018】
(酸化浸出工程S01)
この酸化浸出工程S01においては、硫酸を含む硫酸酸性溶液からなる浸出液に錫含有物を接触させることにより、錫含有物に含まれる錫を酸化浸出し、固液分離することにより、錫を含む浸出後液を得る。
錫含有物としては、例えば、電子基板の破砕物(破砕基板)、半田屑等のスクラップ、各種スクラップの選別品、および種々の製錬中間品などを使用することができる。
硫酸酸性溶液に含まれる硫酸濃度は1g/L~100g/Lであってもよく、100g/L~200g/Lであってもよく、200g/L~400g/Lであってもよい。
ここで、得られた浸出後液には、二価の錫イオンと四価の錫イオンとが共存することになる。
【0019】
本実施形態においては、この酸化浸出工程S01において、二価または三価の鉄イオンを供給する物質を浸出液(硫酸酸性溶液)に添加することが好ましい。
浸出液に二価または三価の鉄イオンを供給することにより、錫含有物に含まれる鉄の酸化を抑制することができ、錫の酸化浸出を促進することが可能となる。
また、浸出液中の錫濃度が高くなっても、メタ酸錫の析出を抑制でき、固液分離時におけるフィルターの目詰まりを抑制することが可能となる。
【0020】
ここで、二価または三価の鉄イオンの濃度は、1g/L以上とすることが好ましく、5g/L以上とすることがさらに好ましい。一方、二価または三価の鉄イオンの濃度は、100g/L以下とすることが好ましく、50g/L以下とすることがさらに好ましい。
二価または三価の鉄イオンを供給する物質としては、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等を用いることができる。
【0021】
さらに、硫酸浸出工程S01においては、空気を吹き込みつつ、攪拌することが好ましい。
ここで、吹き込む空気量は、回収するSn量1gに対して総量で10mL以上500mL以下の範囲内とすることが好ましい。
また、攪拌時間は、1時間以上10時間以下の範囲内とすることが好ましい。
【0022】
(酸化工程S02)
次に、上述のようにして得られた浸出後液に、塩化ナトリウムおよび二価の銅イオンを供給する物質を添加し、浸出後液に含まれる二価の錫イオンを四価に酸化させる。
この酸化工程S02においては、塩化ナトリウムおよび二価の銅イオンを共添加することにより、これらの触媒作用によって、二価の錫イオンが四価の錫イオンに効率的に酸化されることになる。
【0023】
ここで、塩化ナトリウムの濃度は、0.1mol/L以上とすることが好ましく、1.0mol/L以上とすることがさらに好ましい。一方、塩化ナトリウムの濃度は、10mol/L以下とすることが好ましく、5mol/L以下とすることがさらに好ましい。
また、二価の銅イオンの濃度は、0.1g/L以上とすることが好ましく、0.5g/L以上とすることがさらに好ましい。一方、二価の銅イオンの濃度は、10g/L以下とすることが好ましく、5g/L以下とすることがさらに好ましい。
二価の銅イオンを供給する物質としては、特に限定されるものではない。例えば、硫酸銅(II)五水和物等を用いることができる。
塩化ナトリウム及び二価の銅イオンを供給する物質は、固体として浸出後液に添加してもよいし、液体として添加してもよい。
酸化工程S02における酸化時間は、1分間~60分間であってもよく、60分間~120分間であってもよく、120分間~180分間であってもよい。
酸化工程S02は0℃~30℃で行ってもよく、30℃~60℃で行ってもよく、60℃~90℃で行ってもよい。
【0024】
(中和工程S03)
次に、浸出後液に塩基性薬剤を添加して中和することにより、錫含有沈殿物を得る。本実施形態においては、pHが1.5~2.5となるまで塩基性薬剤を添加する。これにより、四価の錫イオンが沈殿することになる。一方、浸出後液中の鉄やアルミニウムは、pHが1.5~2.5では沈殿せずに、液中に残存することになる。
そして、中和後に固液分離することにより、錫回収物を得る。
ここで、添加する塩基性薬剤としては、例えば、水酸化ナトリウム水溶液等を用いることができる。
塩基性薬剤としては水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム等を使用することができる。
中和工程S03における中和反応時間は、1分間~60分間であってもよく、60分間~120分間であってもよく、120分間~180分間であってもよい。
中和工程S03は0℃~30℃で行ってもよく、30℃~60℃で行ってもよく、60℃~90℃で行ってもよい。
【0025】
以上のような構成とされた本実施形態である錫の回収方法によれば、中和工程S03の前に、酸化浸出工程S01で得られた浸出後液に、塩化ナトリウムおよび二価の銅イオンを供給する物質を添加し、浸出後液に含まれる二価の錫イオンを四価に酸化させる酸化工程S02を有しているので、中和工程S03において、pH1.5~2.5まで中和することで、浸出後液中の錫を錫含有沈殿物として効率良く回収することができる。また、塩基性薬剤の添加量が少なくすることができ、薬剤コストを削減することができる。
さらに、錫含有沈殿物に、鉄やアルミニウムが混入することを抑制でき、高品位な錫を回収することができる。
【0026】
本実施形態である錫の回収方法において、酸化浸出工程S01で、二価または三価の鉄イオンを供給する物質を浸出液に添加する構成とした場合には、錫含有物に含まれる鉄の酸化を抑制でき、錫の浸出を効率良く行うことが可能となる。また、酸化浸出工程S01におけるメタ錫酸の析出を抑制でき、錫の回収率を向上できるとともに、フィルターの目詰まりの発生を抑制でき、固液分離を良好に行うことができる。
【0027】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【実施例
【0028】
以下に、本発明の有効性を確認するために行った確認実験の結果について説明する。
【0029】
(実施例1)
硫酸酸性溶液に錫含有物を浸漬し、錫を20g/L、鉄を10g/L、アルミニウムを1g/L含有する浸出後液を得た。
【0030】
本発明例1~3および比較例1~3においては、浸出後液100mLに対して、塩化ナトリウムおよび二価の銅イオンを、表1に示す濃度となるように、それぞれ試薬を添加し、空気を吹き込みながら攪拌し、浸出後液に含まれる二価の錫イオンを四価に酸化させる酸化工程を実施した。酸化工程では、ヨウ素による酸化還元滴定を用いて二価の錫が全量四価に酸化していることを確認した。なお、比較例4では、酸化工程を実施しなかった。
【0031】
その後、浸出後液に48vol%NaOH溶液を添加し、表1に示すpHにまで中和した。中和処理後に固液分離し、液と錫回収物を得た。
そして、錫回収物の濃度をICP-AESを用いて求めた。酸化工程、中和工程の処理条件と錫の酸化に要した時間、錫回収物中の錫濃度を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
表1に示すように、酸化工程を行わない比較例4においては、錫回収物のSn濃度は47%だった。これに対して、塩化ナトリウムと二価の銅イオンを共添加して酸化工程を行った本発明例1~3においては、錫回収物のSn濃度は63%に向上した。
また、塩化ナトリウムと二価の銅イオンを共添加しなかった比較例1~3においては、酸化が進まず、480分経過後であっても二価の錫を四価の錫へと酸化させることができなかった。このため、その後の中和工程を実施しなかった。
【0034】
(実施例2)
粒径3mm以下、錫濃度11%の錫含有物250gを硫酸濃度100g/Lの硫酸酸性溶液1Lに含侵した後、二価の鉄および三価の鉄の濃度が表2に示す数値となるように、FeSO・7HOまたはFe(SO・nHOを加え、空気を吹き込みながら攪拌し、酸化浸出工程を行った。
30分おきに酸性溶液を採取してフィルターで固液分離し、得られた酸性溶液中の錫濃度をICP-AESによって測定した。酸性溶液の採取はフィルターが目詰まりにより濾過できなくなるまで行い、そのときの攪拌開始から経過した時間を微細粒子が析出した時間として記録した。
酸化浸出の処理条件と得られた酸性溶液中の錫濃度、錫回収率、およびフィルターが目詰まりにより濾過できなくなるまでの時間を表2に示す。なお、錫の回収率は次式により求めた。
回収率(%)=[酸性溶液中の錫量]/[錫含有物中の錫量]×100
【0035】
【表2】
【0036】
酸化浸出工程において二価または三価の鉄を添加しなかった比較例11においては、フィルターの目詰まり発生時間が150分と短く、錫の回収率が27%と低かった。
これに対して、酸化浸出工程において二価または三価の鉄を添加した本発明例11~14においては、フィルターの目詰まりの発生時間が300分以上と長く、錫の回収率も73%以上と高くなった。特に、二価または三価の鉄の添加量が50g/Lとした本発明例12、14においては。540分経過後でもフィルターの目詰まりは発生しなかった。また、錫の回収率も高くなった。
【0037】
以上の確認実験の結果、本発明によれば、錫含有物から高品位な錫を効率良く回収することが可能な錫の回収方法を提供可能であることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0038】
錫含有物から高品位な錫を効率良く回収することが可能な錫の回収方法を提供することができる。
【要約】
錫含有物から錫を回収する錫の回収方法であって、前記錫含有物中の錫を硫酸酸性溶液からなる浸出液へ酸化浸出させ、錫を含む浸出後液を得る酸化浸出工程(S01)と、酸化浸出工程(S01)で得られた前記浸出後液に、塩化ナトリウムおよび二価の銅イオンを供給する物質を添加し、前記浸出後液に含まれる二価の錫イオンを四価に酸化させる酸化工程(S02)と、酸化工程(S02)後に、前記浸出後液を中和して錫含有沈殿物を得る中和工程(S03)と、を備えていることを特徴とする。
図1