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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 23/16 20060101AFI20241210BHJP
   H01H 23/30 20060101ALN20241210BHJP
【FI】
H01H23/16 Z
H01H23/30
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024507597
(86)(22)【出願日】2023-02-14
(86)【国際出願番号】 JP2023004909
(87)【国際公開番号】W WO2023176248
(87)【国際公開日】2023-09-21
【審査請求日】2024-02-29
(31)【優先権主張番号】P 2022040659
(32)【優先日】2022-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】西條 孝行
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-301854(JP,A)
【文献】実開昭51-026371(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 23/16
H01H 23/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
操作者からタッチ操作及び押圧操作を受付ける操作部を有し、前記筐体に対して揺動可能に支持される操作パネルと、
前記筐体に収容される基板と、
前記タッチ操作を検出する静電検出電極と、
前記押圧操作を検出する押圧検出部と、
を備える入力装置であって、
前記操作部は、
前記タッチ操作及び前記押圧操作の両方を受け付ける第1操作部と、
前記押圧操作を受け付けず前記タッチ操作のみを受け付ける第2操作部と
を含み、
前記第1操作部が押圧された時に前記操作パネルの揺動を抑止せず、前記第2操作部が押圧された時に前記操作パネルの揺動を抑止する抑止機構を有する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記抑止機構は、
前記操作パネルから前記筐体に向けて延説された突起部と、前記筐体に設けられ前記突起部と当接する当接部と、を含むか、または、前記筐体から前記操作パネルに向けて延設された突起部と、前記操作パネルに設けられ前記突起部に当接する当接部と、を含み、
前記第1操作部が押圧された時には、前記突起部が前記当接部と当接せず、前記第2操作部が押圧された時には、前記突起部が前記当接部と当接するように設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
2つの前記押圧検出部を備え、
前記操作パネルは、前記第1操作部が押圧された時、前記基板と垂直な方向からの平面視において、前記2つの前記押圧検出部のうち前記第1操作部までの距離がより遠い方の前記押圧検出部を支点として揺動し、前記第1操作部までの距離がより近い方の前記押圧検出部により、前記第1操作部が押圧されたことを検出される
ことを特徴とする請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記基板と垂直な方向からの平面視において、前記2つの前記押圧検出部のうち前記第2操作部までの距離がより遠い方の前記押圧検出部と前記突起部との距離は、前記突起部と前記第2操作部との距離よりも大きく設定されており、
前記操作パネルは、前記第2操作部が押圧された時、前記基板と垂直な方向からの平面視において、前記2つの前記押圧検出部のうち前記第2操作部までの距離がより遠い方の前記押圧検出部を支点として揺動するが、前記突起部により前記揺動を抑止され、前記第2操作部までの距離がより近い方の前記押圧検出部により、前記第2操作部が押圧されたことを検出されない
ことを特徴とする請求項3に記載の入力装置。
【請求項5】
前記抑止機構は、
前記筐体に設けられた、一対で揺動中心となる揺動軸の両端部を支持して前記操作パネルの揺動方向のみを規定し、その他の方向への移動を可能に係止する2つの係止部を含み、
前記基板と垂直な方向からの平面視において、前記揺動軸は、前記第1操作部と前記2つの前記押圧検出部のうち前記第1操作部までの距離がより遠い方の前記押圧検出部とを繋いだ線と交差し、
前記基板と垂直な方向からの平面視において、前記突起部は、前記揺動軸と重なる位置に設けられる
ことを特徴とする請求項3または4に記載の入力装置。
【請求項6】
前記基板と垂直な方向からの平面視において、前記第2操作部は、前記揺動軸と重なる位置に設けられる
ことを特徴とする請求項5に記載の入力装置。
【請求項7】
前記筐体は、前記基板を覆うように設けられ、前記操作パネルを揺動可能に支持している
ことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ケースと、2つの押圧操作部を有し、ケースの側壁部に設けられた支点部によって筐体に対して動作可能に係止されたノブと、2つのスイッチと、を有するシーソースイッチが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-72190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の技術は、押圧操作を受け付けない部分が誤って押圧されたときに、スイッチが誤操作されてしまう虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る入力装置は、筐体と、操作者からタッチ操作及び押圧操作を受付ける操作部を有し、筐体に対して揺動可能に支持される操作パネルと、筐体に収容される基板と、タッチ操作を検出する静電検出電極と、押圧操作を検出する押圧検出部と、を備える入力装置であって、操作部は、タッチ操作及び押圧操作の両方を受け付ける第1操作部と、押圧操作を受け付けずタッチ操作のみを受け付ける第2操作部とを含み、第1操作部が押圧された時に操作パネルが基板側に移動する動作と、第2操作部が押圧された時に操作パネルが基板側に移動する動作と、を異ならせる抑止機構を有する。
【発明の効果】
【0006】
一実施形態に係る入力装置によれば、押圧検出部の誤操作を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る入力装置の外観斜視図
図2】一実施形態に係る入力装置の外観斜視図
図3】一実施形態に係る入力装置の平面図
図4】一実施形態に係る入力装置の側面図
図5】一実施形態に係る入力装置の分解斜視図
図6】一実施形態に係る入力装置が備えるケースの平面図
図7】一実施形態に係る入力装置が備えるケースの外観斜視図
図8】一実施形態に係る入力装置が備える操作パネル、ホルダ、および第1筐体の外観斜視図
図9】一実施形態に係る入力装置が備える操作パネル、ホルダ、および第1筐体の外観斜視図
図10】一実施形態に係る入力装置のI-I断面線による断面斜視図
図11】一実施形態に係る入力装置のII-II断面線による断面斜視図
図12】一実施形態に係る入力装置のIII-III断面線による断面斜視図
図13】一実施形態に係る入力装置のIV-IV断面線による断面斜視図
図14図13の一部(P1部)を拡大した図
図15】一実施形態に係る入力装置のV-V断面線による断面斜視図
図16図15の一部(P2部)を拡大した図
図17】一実施形態に係る入力装置における、揺動軸と、領域Eと、領域Gと、領域Fと、第1押圧スイッチおよび第2押圧スイッチと、突起部との位置関係を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。
【0009】
(入力装置100の構成)
図1および図2は、一実施形態に係る入力装置100の外観斜視図である。図3は、一実施形態に係る入力装置100の平面図である。図3は、一実施形態に係る入力装置100の平面図である。図4は、一実施形態に係る入力装置100の側面図である。図5は、一実施形態に係る入力装置100の分解斜視図である。
【0010】
なお、以降の説明では、便宜上、X軸方向を左右方向とし、Y軸方向を前後方向とし、Z軸方向を上下方向とする。但し、X軸正方向を右方向とし、Y軸正方向を前方向とし、Z軸正方向を上方向とする。これらは、装置内の相対的な位置関係を示すものであり、装置の設置方向や操作方向を限定するものではなく、装置内の相対的な位置関係が同等なものは、設置方向や操作方向が異なっているものも全て、本発明の権利範囲に含まれるものである。
【0011】
図1図5に示す入力装置100は、例えば、自動車等の車両の車室内に搭載され、操作者からのタッチ操作および押圧操作を受付ける装置である。
【0012】
図1図5に示すように、入力装置100は、操作パネル110、ホルダ120、第1筐体130、基板140、第2筐体150、静電検出電極シート180を備える。
【0013】
操作パネル110は、操作者からのタッチ操作および押圧操作を受付ける樹脂製の部材である。本実施形態では、操作パネル110は、中空構造を有する箱状であり、概ね、下面部分が矩形状の開口111となっている直方体形状を有する。操作パネル110は、上方からの平面視において、前後方向(Y軸方向)を長手方向とする矩形状をなす。操作パネル110は、第1筐体130によって揺動可能に支持される。具体的には、操作パネル110は、図3に示す揺動軸AXの軸回りに揺動できるように、第1筐体130によって支持される。
【0014】
操作パネル110の上面112は、平面部112Aと、第1傾斜部112Bと、第2傾斜部112Cとを有して構成されている。平面部112Aは、前後方向(Y軸方向)における中央の部分であり、XY平面に対して平行な部分である。第1傾斜部112Bは、平面部112Aよりも前側(Y軸正側)の部分であり、前下がりに傾斜した傾斜面となっている部分である。第2傾斜部112Cは、平面部112Aよりも後側(Y軸負側)の部分であり、後下がりに傾斜した傾斜面となっている部分である。
【0015】
操作パネル110の上面112には、領域A,B,C,D,E,F,Gが設けられている。領域A,B,D,E,Gは、操作者からのタッチ操作及び押圧操作の両方を受け付ける。領域Fは、操作者からの押圧操作を受付けず、タッチ操作のみを受け付ける。
【0016】
例えば、平面部112Aの後側(Y軸負側)には、領域Aと、領域Bとが、左右方向(X軸方向)に並べて設けられている。また、領域Aには、アルファベットの「A」を象った表示部113-1が設けられ、領域Bには、アルファベットの「B」を象った表示部113-2が設けられている。
【0017】
また、第1傾斜部112Bの左側(X軸負側)には、領域Dと、領域Eとが、前後方向(Y軸方向)に並べて設けられている。領域Eは、上面112の前側(Y軸正側)に設けられる「第1操作部」の一例である。また、領域Dにはアルファベットの「D」を象った表示部113-3が設けられ、領域Eにはアルファベットの「E」を象った表示部113-4が設けられている。
【0018】
また、第1傾斜部112Bの右側(X軸正側)には、領域Fが設けられている。領域Fは、「第2操作部」の一例である。また、領域Fにはアルファベットの「F」を象った表示部114が設けられている。
【0019】
また、第2傾斜部112Cの中央には、領域Gが設けられている。領域Gは、上面112の後側(Y軸負側)に設けられる「第1操作部」の一例である。また、領域Gにはアルファベットの「G」を象った表示部113-5が設けられている。
【0020】
なお、平面部112Aの中央には、領域Cが設けられている。領域Cにはアルファベットの「C」を象った表示部115が設けられている。尚、領域Cの表示部115は、単にデザイン性を高めるための表示を行うものであり、操作者からの操作を受け付けるものではない。
【0021】
操作パネル110は白色樹脂と黒塗膜層とによって構成されており、表示部A~Gはレーザー加工等の技術を用いて該黒塗膜層の一部を除去することによって形成されている。ホルダ120の表示部A~Gに対応した部位には貫通孔が設けられ、発光素子143-1~143-7が点灯した時、発光素子143-1~143-7からの光は表示部A~Gの背面に照射されるようになっている。
【0022】
ホルダ120は、操作パネル110の内部に配置および固定される樹脂製且つ板状の部材である。ホルダ120の上面120Aは、操作パネル110の上面112に沿って、折り曲げられた形状を有する。ホルダ120は、操作パネル110の内部において、操作パネル110の上面112の裏側に重ねて配置される。ホルダ120は、その上面120Aにおいて、静電検出電極シート180を保持する。静電検出電極シート180は、基板140に接続される接続部(図示省略)を有し、基板140に電気的に接続される。これにより、入力装置100は、静電検出電極シート180によって、操作パネル110の領域A~領域B、領域D~領域Gに対して行われるタッチ操作を検出することができる。
【0023】
ホルダ120は、操作パネル110に固定される。ホルダ120は、第1筐体130によって揺動可能に支持される。そのため、ホルダ120と操作パネルとは第1筐体130に対して揺動可能となっている。ホルダ120は、詳しくは後述する一対の軸受孔122A、一対のガイドリブ171、押圧部121-1、押圧部121-2、突起部161-1を有する。軸受孔122Aは、第1筐体130の係止部133と嵌合する形状であり、ホルダ120と操作パネルとを揺動可能に支持すると共に、揺動する範囲を規定する形状である。ガイドリブ171は、第1筐体130のガイド溝172と嵌合する形状であり、ホルダ120と操作パネルとが揺動する範囲を規定する形状である。押圧部121-1は第1押圧スイッチ141を押圧する形状である。押圧部121-2は、第2押圧スイッチ142を押圧する形状である。
【0024】
第1筐体130は、操作パネル110の内部において、ホルダ120の下側に配置される樹脂製の部材である。第1筐体130は、基板140を覆うように設けられる。第1筐体130は、操作パネル110およびホルダ120を揺動可能に支持する。第1筐体130は、「筐体」の一例である。第1筐体130は、基板140を覆うように設けられることにより、ホルダ120に設けられている突起部161-1,161-2を当該第1筐体130に当接させることができ、すなわち、突起部161-1,161-2が基板140に当接しないようにすることができるため、突起部161-1,161-2による基板140の損傷を抑制することができる。
【0025】
基板140は、樹脂製且つ平板状の部材である。基板140は、上方からの平面視において、前後方向(Y軸方向)を長手方向とする矩形状をなす。基板140は、第1筐体130の下側(Z軸負側)に設けられ、第2筐体150の周壁部152の内側における所定の高さ位置で、XY平面に対して平行な姿勢で配置される。基板140の上面140Aには、第1押圧スイッチ141および第2押圧スイッチ142が実装されている。第1押圧スイッチ141および第2押圧スイッチ142は、操作パネル110に対する操作者からの押圧操作を検出する。第1押圧スイッチ141は、「2つの押圧検出部のうち第1操作部(領域E)までの距離がより遠い押圧検出部」の一例である。第2押圧スイッチ142は、「2つの押圧検出部のうち第1操作部(領域G)までの距離がより遠い押圧検出部」の一例である。第1押圧スイッチ141は、上面140Aにおける左前角部(Y軸正側且つX軸負側の角部)の近傍に設けられている。第1押圧スイッチ141は、上面140Aの後部(Y軸負側の部分)における略中央に設けられている。また、基板140の上面140Aには、発光素子143-1~143-7が実装されている。
【0026】
第2筐体150は、入力装置100の最下部に配置される、樹脂製の部材である。第2筐体150は、平面部151および周壁部152を有する。平面部151は、XY平面に対して平行な平面状の部分である。周壁部152は、平面部151の上面から上方(Z軸正方向)に突出して設けられており、上方(Z軸正方向)からの平面視において矩形状をなす壁状の部分である。また、第2筐体150において、平面部151の上面、且つ、周壁部152の内側には、2つの台座部153が前後方向に並べて設けられている。台座部153は、円柱状を有しており、基板140を下側(Z軸負側)から所定の高さ位置で支持する。第2筐体150は、第1筐体130の下側に結合された状態で、台座部153を貫通する2つの固定ネジ154により、第1筐体130にネジ止め固定される。
【0027】
以上のように構成された入力装置100は、操作パネル110の領域A,領域B,領域Gのいずれかが押圧されたときに、ホルダ120および操作パネル110の右後角部(X軸正側且つY軸負側の角部)が基板140側に移動するように、ホルダ120および操作パネル110が揺動軸AXの軸回りに揺動する。これにより、入力装置100は、第1押圧スイッチ141が押圧されて、領域A,領域B,領域Gのいずれかが押圧されたことを検出できる。
【0028】
また、入力装置100は、操作パネル110の領域C,領域Dのいずれかが押圧されたときに、ホルダ120および操作パネル110の左前角部(X軸負側且つY軸正側の角部)が基板140側に移動するように、ホルダ120および操作パネル110が揺動軸AXの軸回りに揺動する。これにより、入力装置100は、第2押圧スイッチ142が押圧されて、領域C,領域Dのいずれかが押圧されたことを検出できる。
【0029】
また、入力装置100は、後述する抑止機構160を有することにより、操作パネル110の領域Fが押圧されたときに、ホルダ120および操作パネル110の揺動が抑止され、第1押圧スイッチ141および第2押圧スイッチ142が押圧されないようになっている。
【0030】
また、入力装置100は、後述する抑止機構160を有することにより、操作パネル110のシンボル表示部115が押圧されたときに、ホルダ120および操作パネル110の揺動が抑止され、第1押圧スイッチ141および第2押圧スイッチ142が押圧されないようになっている。
【0031】
このため、入力装置100は、誤操作がなされたときに、当該誤操作を検出しないようにすることができる。
【0032】
なお、図3に示すように、領域Fは、揺動軸AX上に設けられている。これにより、入力装置100は、領域Fを押圧する誤操作がなされたときに、操作パネル110およびホルダ120が揺動し難くなっており、すなわち、第1押圧スイッチ141および第2押圧スイッチ142が誤って押圧されてしまうことを抑制することができる。
【0033】
(第1筐体130の構成)
図6は、一実施形態に係る入力装置100が備える第1筐体130の平面図である。図7は、一実施形態に係る入力装置100が備える第1筐体130の外観斜視図である。
【0034】
図6および図7に示すように、第1筐体130は、XY平面に対して平行な平面状の平面部131と、平面部131を取り囲むXY平面に対して垂直な壁状の枠部132とを有する。また、第1筐体130は、枠部132の側面における揺動軸AX上に、揺動軸AXの軸方向に向かって突出した、一対の円柱状の係止部133を有する。
【0035】
具体的には、第1筐体130には、枠部132の右前角部(X軸正側且つY軸正側の角部)の側面と、枠部132の左側面(X軸負側の側面)の前後方向(Y軸方向)における中間位置とに、揺動軸AXと直交する一対の支持面132Aが形成されている。そして、第1筐体130には、一対の支持面132Aの各々に、揺動軸AXの軸方向に向かって突出した、一対の円柱状の係止部133が設けられている。一対の係止部133は、円柱形状を有し、第1筐体130の端部に形成される形状であり、揺動軸AXを構成する形状である。
【0036】
一対の係止部133は、ホルダ120に設けられている一対の軸受孔122Aに嵌め込まれることにより、ホルダ120および操作パネル110を揺動軸AXの軸回りに揺動可能に係止する。また、一対の係止部133は、詳しくは後述する面122Acおよび面122Adに当接しながら揺動軸AXを揺動中心として揺動するため、ホルダ120および操作パネル110は揺動軸AXを揺動中心とした方向(揺動方向)に揺動可能に保持される。
【0037】
また、それと同時に、各々の係止部133が面122Acおよび面122Adに当接することによって、ホルダ120および操作パネル110はZ軸方向を中心軸とした回転方向に回転しないように規制される。また、更に、各々の係止部133は、詳しくは後述する面122Aaに当接するまで上方(Z軸正方向)に遷移可能である。そのため、面122Aa以外に遷移を抑止する要素が無い場合、係止部133は面122Abに当接するまで下方(Z軸負方向)に遷移可能となる。
【0038】
また、ホルダ120および操作パネル110は、面122Aaおよび面122Abに上下方向の移動限界位置を規定されながら2つの押圧スイッチ(141,142)に支持され、2つの押圧スイッチからの復元力によって上方に向けて付勢される。別の言い方で説明すると、ホルダ120および操作パネル110は、Z軸方向を中心軸とした回転方向にのみ回転しないように規制されていると同時に、その他の全ての方向に揺動可能となっている。尚、図17に示すように、本実施形態において、領域Fの近傍には突起部161-1が設けられているため、突起部161-1が、領域Fの近傍に設けられた係止部133が下方へ遷移することを抑止する。そのため、領域Fが押圧操作されたとき、ホルダ120および操作パネル110は揺動しない。
【0039】
また、図6および図7に示すように、第1筐体130の平面部131には、上方からの平面視にて円形状を有する、2つの貫通孔134-1,134-2が形成されている。
【0040】
貫通孔134-1は、上方からの平面視において、ホルダ120に設けられている押圧部121-1、および、基板140に実装されている第1押圧スイッチ141と重なる位置に形成されている。貫通孔134-1は、押圧部121-1が貫通することにより、操作パネル110の領域A,領域B,領域Gのいずれかが押圧されたときに、ホルダ120および操作パネル110の揺動(右後角部が基板140側に移動する揺動)を可能にし、ホルダ120および操作パネル110の揺動によって、第1押圧スイッチ141を押圧部121-1が押圧できるようにする。
【0041】
貫通孔134-2は、上方からの平面視において、ホルダ120に設けられている押圧部121-2、および、基板140に実装されている第2押圧スイッチ142と重なる位置に形成されている。貫通孔134-2は、押圧部121-2が貫通することにより、操作パネル110の領域C,領域Dのいずれかが押圧されたときに、ホルダ120および操作パネル110の揺動(左前角部が基板140側に移動する揺動)を可能にし、ホルダ120および操作パネル110の揺動によって、第2押圧スイッチ142を押圧部121-2が押圧できるようにする。
【0042】
また、図6および図7に示すように、第1筐体130の平面部131には、上方からの平面視にて円形状を有する凹状の、2つの当接部162-1,162-2が形成されている。
【0043】
当接部162-1は、抑止機構160を構成するものであり、上方からの平面視において、平面部131の右前側(X軸正側且つY軸正側の領域)の領域、且つ、ホルダ120に設けられている突起部161-1と重なる位置に形成されている。当接部162-1は、操作パネル110の領域Fが押圧されたときに、突起部161-1が当接することにより、ホルダ120および操作パネル110の揺動を抑止し、第1押圧スイッチ141および第2押圧スイッチ142が押圧されないようにする。
【0044】
当接部162-2は、上方からの平面視において、平面部131の略中央、且つ、ホルダ120に設けられている突起部161-2と重なる位置に形成されている。当接部162-2は、操作パネル110のシンボル表示部115が押圧されたときに、突起部161-2が当接することにより、ホルダ120および操作パネル110の揺動を抑止し、第1押圧スイッチ141および第2押圧スイッチ142が押圧されないようにする。
【0045】
また、図6および図7に示すように、第1筐体130の平面部131には、四角筒状の筒部135-1~135-6と、矩形状の開口部136とが設けられている。
【0046】
筒部135-1は、上方からの平面視において、操作パネル110の領域Aと、基板140に実装された発光素子143-1とに重なる位置に設けられており、発光素子143-1から発せれられた光を、領域Aに導くことにより、領域Aの表示部113-1を発光させる。
【0047】
筒部135-2は、上方からの平面視において、操作パネル110の領域Bと、基板140に実装された発光素子143-2とに重なる位置に設けられており、発光素子143-2から発せれられた光を、領域Bに導くことにより、領域Bの表示部113-2を発光させる。
【0048】
筒部135-3は、上方からの平面視において、操作パネル110の領域Cと、基板140に実装された発光素子143-3とに重なる位置に設けられており、発光素子143-3から発せれられた光を、領域Cに導くことにより、領域Cの表示部113-3を発光させる。
【0049】
筒部135-4は、上方からの平面視において、操作パネル110の領域Dと、基板140に実装された発光素子143-4とに重なる位置に設けられており、発光素子143-4から発せれられた光を、領域Dに導くことにより、領域Dの表示部113-4を発光させる。
【0050】
筒部135-5は、上方からの平面視において、操作パネル110の領域Gと、基板140に実装された発光素子143-5とに重なる位置に設けられており、発光素子143-5から発せれられた光を、領域Gに導くことにより、領域Gの表示部113-5を発光させる。
【0051】
筒部135-6は、上方からの平面視において、操作パネル110の領域Fと、基板140に実装された発光素子143-6とに重なる位置に設けられており、発光素子143-6から発せれられた光を、領域Fに導くことにより、領域Fの表示部114を発光させる。
【0052】
開口部136は、上方からの平面視において、操作パネル110のシンボル表示部115と、ホルダ120の筒部123と、基板140に実装された発光素子143-7とに重なる位置に設けられており、発光素子143-7から発せれられた光を、ホルダ120の筒部123を介してシンボル表示部115に導くことにより、シンボル表示部115を発光させる。
【0053】
なお、操作パネル110が揺動したときの筒部135-1~135-6の上下方向(Z軸方向)の移動可能量は、操作パネル110が揺動したときの押圧部121-1,121-2の上下方向(Z軸方向)の移動可能量以上である。これにより、入力装置100は、操作パネル110が揺動したときの筒部135-1~135-6の上下方向(Z軸方向)への移動は、押圧部121-1,121-2による第1押圧スイッチ141および第2押圧スイッチ142の押圧の妨げとならないようになっている。
【0054】
(ホルダ120の構成)
図8および図9は、一実施形態に係る入力装置100が備える操作パネル110、ホルダ120、および第1筐体130の外観斜視図である。図10は、一実施形態に係る入力装置100のI-I断面線(図3参照)による断面斜視図である。図11は、一実施形態に係る入力装置100のII-II断面線(図3参照)による断面斜視図である。
【0055】
図8に示すように、第1筐体130は、一対の係止部133を有する。一方、ホルダ120は、当該ホルダ120の下面から垂下して設けられた一対の軸受部122を有する。一対の軸受部122の各々は、下端部の近傍に、軸受孔122Aを有する。そして、図9に示すように、ホルダ120に第1筐体130を組付けたとき、一対の係止部133の各々は、一対の軸受孔122Aの各々に嵌め込まれる。
【0056】
ホルダ120は、第1押圧スイッチ141、及び、第2押圧スイッチ142が有する復元力によって上方(Z軸正方向)へ付勢された状態で支持される。図14、及び、図16に示す様に、ホルダ120の軸受孔122Aは、面122Aa~122Adによって構成されており、上下方向に縦長の長方形状を有する。
【0057】
面122Aaと面122Abとは対向している。面122Aaは、ホルダ120が下方向への遷移する際の限界位置を規定する面である。面122Abは、ホルダ120が上方向への遷移する際の限界位置を規定する面である。面122Acと面122Adとは、対向しており、それらの距離は係止部133の寸法と概略同じに設けられている。
【0058】
ホルダ120に第1筐体130を組付けたとき、ホルダ120は第1押圧スイッチ141と第2押圧スイッチ142とによって上方へ付勢されるため、ホルダ120の面122Abと第1筐体130の係止部133とは接する。また、同じ理由によって、面122Aaと係止部133とは距離D3または距離D4離れている。これにより、ホルダ120および操作パネル110は、係止部133が面122Acと面122Adとによって規制されるためZ軸方向を中心として回転することは無いと共に、それ以外の全ての方向に揺動可能に設けられている。
【0059】
言い換えると、ホルダ120および操作パネル110は、一対の係止部133によって揺動軸AXの軸回りに揺動可能に支持されると共に、距離D3および距離D4だけ上下方向に遷移することが可能に支持されている。そのため、ホルダ120および操作パネル110は、第1押圧スイッチ141または第2押圧スイッチ142からの反力を受けて停止するまでの範囲において、揺動軸AXを中心として揺動することができる。尚、本実施形態において、距離D3および距離D4は、2つの押圧スイッチ(141,142)が中立状態から押圧操作されてオンとなるまでの操作ストロークと略同一に設定される。
【0060】
また、ホルダ120および操作パネル110は、係止部133が面122Aaまたは面122Abによって規制されるまでの範囲において、揺動軸AX、及び、上下方向(Z軸方向)と平行な平面と平行な方向に揺動することができる。
【0061】
ホルダ120および操作パネル110が揺動軸AX、及び、上下方向(Z軸方向)と平行な平面と平行な方向に揺動する範囲は、第2押圧スイッチ142が中立状態から押圧されてONとなる際のスイッチストロークよりも小さく設定されるのが好ましい。
【0062】
また、ホルダ120および操作パネル110が揺動軸AX、及び、上下方向(Z軸方向)と平行な平面と平行な方向に揺動する範囲は、ホルダ120および操作パネル110が揺動軸AXを中心として揺動する範囲よりも小さく設定される。
【0063】
また、図8に示すように、ホルダ120には、当該ホルダ120の下面から、いずれも円柱状の突起部161-1,161-2が垂下して設けられている。
【0064】
具体的には、突起部161-1は、抑止機構160を構成するものであり、ホルダ120の右前側(X軸正側且つY軸正側の領域)の領域、且つ、上方からの平面視において第1筐体130の当接部162-1と重なる位置に設けられている。図6、及び、図7に示すように、上方からの平面視において、当接部162-1は、揺動軸AXと重なる位置に設けられていると共に、一対の係止部133の中心より領域Fに近い位置に設けられる。図9および図10に示すように、ホルダ120に第1筐体130を組付けたとき、突起部161-1の下端面は、第1筐体130の当接部162-1の上側に僅かに離間して位置する。これにより、突起部161-1は、操作パネル110の領域Fが押圧されたときに、当接部162-1に当接することにより、ホルダ120および操作パネル110の揺動を抑止し、第2押圧スイッチ142が押圧されないようにする。また、上述した通り、ホルダ120および操作パネル110が揺動軸AX、及び、上下方向(Z軸方向)と平行な平面と平行な方向に揺動する範囲は、その他の方向へ揺動する範囲よりも小さく設定されており、その条件下において上記の抑止の効果が生じる。そのため、操作パネル110の領域Fが押圧された時、ホルダ120および操作パネル110は殆ど遷移しない。また、突起部161-1と当接部162-1とが当接したことによって発生する感触は、明確な抵抗感として操作者の手指にフィードバックされる。なお、領域Eまたは領域Gが押圧されたとき、突起部161-1は、当接部162-1に当接しないため、ホルダ120および操作パネル110の揺動を抑止しないようになっている。そのため、操作者は、領域Fは押圧操作に対応していない操作部であることを操作感触から察することが出来る。
【0065】
また、突起部161-2は、抑止機構160を構成するものであり、ホルダ120の略中央、且つ、上方からの平面視において第1筐体130の当接部162-2と重なる位置に設けられている。図9および図11に示すように、ホルダ120に第1筐体130を組付けたとき、突起部161-2の下端面は、第1筐体130の当接部162-2の上側に僅かに離間して位置する。これにより、突起部161-2は、操作パネル110のシンボル表示部115が押圧されたときに、当接部162-2に当接することにより、ホルダ120および操作パネル110の揺動を抑止し、第1押圧スイッチ141および第2押圧スイッチ142が押圧されないようにする。なお、領域Eが押圧されたとき、突起部161-2は、当接部162-2に当接しないため、ホルダ120および操作パネル110の揺動を抑止しないようになっている。
【0066】
また、図8に示すように、ホルダ120には、当該ホルダ120の下面から、いずれも円柱状の押圧部121-1,121-2が垂下して設けられている。
【0067】
具体的には、押圧部121-1は、ホルダ120の後側(Y軸負側)の領域の左右方向(X軸方向)における略中央、且つ、上方からの平面視において第1筐体130の貫通孔134-1と重なる位置に設けられている。図9に示すように、ホルダ120に第1筐体130を組付けたとき、押圧部121-1の下端面は、貫通孔134-1を貫通した状態の第1押圧スイッチ141の上側に僅かに離間して位置する。これにより、押圧部121-1は、操作パネル110の領域A,領域B,領域Gのいずれかが押圧されたときに、ホルダ120および操作パネル110の揺動によって、第1押圧スイッチ141を押圧できる。
【0068】
また、押圧部121-2は、ホルダ120の左前角部(X軸負側且つY軸正側の角部)の近傍、且つ、上方からの平面視において第1筐体130の貫通孔134-2と重なる位置に設けられている。図9に示すように、ホルダ120に第1筐体130を組付けたとき、押圧部121-2の下端面は、貫通孔134-2を貫通した状態の第2押圧スイッチ142の上側に僅かに離間して位置する。これにより、押圧部121-2は、操作パネル110の領域D,領域Eのいずれかが押圧されたときに、ホルダ120および操作パネル110の揺動によって、第2押圧スイッチ142を押圧できるようにする。
【0069】
(ガイド機構)
図12は、一実施形態に係る入力装置100のIII-III断面線(図4参照)による断面斜視図である。
【0070】
一実施形態に係る入力装置100は、ガイド機構170を備える。ガイド機構170は、ホルダ120の下面から垂下して設けられた一対のガイドリブ171と、垂直に立設された一対のガイド溝172とを有する。ガイド機構170は、図12に示すように、一対のガイドリブ171が、一対のガイド溝172に係合することにより、ホルダ120および操作パネル110の上下方向(X軸方向)への移動がガイドされる。
【0071】
なお、図12に示すように、一対のガイドリブ171を結ぶ線L1は、揺動軸AXと略直交する。これにより、一実施形態に係る入力装置100は、ホルダ120および操作パネル110の揺動軸AXの軸回りの揺動をガイドできるとともに、ホルダ120および操作パネル110の揺動軸AXの軸方向への傾きを係止することができる。
【0072】
(軸受孔122Aの構成)
図13は、一実施形態に係る入力装置100のIV-IV断面線(図3参照)による断面斜視図である。図13に示すように、第1筐体130の係止部133は、ホルダ120の軸受孔122Aに嵌め込まれることにより、ホルダ120および操作パネル110を揺動軸AXの軸回りに揺動可能に係止する。係止部133は、抑止機構160を構成するものである。
【0073】
ここで、図13に示すように、軸受孔122Aは、横幅が係止部133の直径と略寸法であるが、縦幅が係止部133の直径よりも僅かに大きくなっている。このため、軸受孔122Aは、軸受孔122A内で上下方向(Z軸方向)に僅かに移動することができる。これにより、一実施形態に係る入力装置100は、ホルダ120および操作パネル110が、第1筐体130に対して、第1押圧スイッチ141および第2押圧スイッチ142を押圧しない程度に、上下方向(Z軸方向)に僅かに移動できるようになっている。
【0074】
図17は、一実施形態に係る入力装置100における、揺動軸AXと、領域Eと、領域Gと、領域Fと、第1押圧スイッチ141および第2押圧スイッチ142と、突起部161-1との位置関係を示す図である。
【0075】
一実施形態に係る入力装置100は、上方からの平面視において、2つの係止部133を繋いだ揺動軸AXが、領域Eと第1押圧スイッチ141とを繋いだ線と交差する。また、領域Gと第2押圧スイッチ142とを繋いだ線と交差する。言い換えると、上方からの平面視において、揺動軸AXが、第1操作部113と、第1押圧スイッチ141および第2押圧スイッチ142のうち第1操作部113までの距離がより遠い方と、を繋いだ線と交差する。
【0076】
操作パネル110の領域Eが押圧された時、操作パネル110は、上方からの平面視において、2つの押圧スイッチ(141,142)のうち、領域Eまでの距離がより遠い第1押圧スイッチ141の頂点を支点として揺動する。そのとき、第2押圧スイッチ142がホルダ120によって押圧され、押圧検出に係る信号が生成される。
【0077】
また、操作パネル110の領域Gが押圧された時、操作パネル110は、上方からの平面視において、2つの押圧スイッチ(141,142)のうち、領域Gまでの距離がより遠い第2押圧スイッチ142の頂点を支点として揺動する。そのとき、第1押圧スイッチ141がホルダ120によって押圧され、押圧検出に係る信号が生成される。
【0078】
また、図17に示す例では、揺動軸AXは、領域Dと、領域Dまでの距離が遠い第1押圧スイッチ141とを繋いだ線L2と交差する。
【0079】
また、図17に示すように、一実施形態に係る入力装置100は、上方からの平面視において、突起部161-1は、揺動軸AXと重なる位置に設けられている。
【0080】
これにより、一実施形態に係る入力装置100は、領域Fが押圧されたときの、第1押圧スイッチ141および第2押圧スイッチ142の押圧抑制効果を高めることができる。
【0081】
また、図17に示すように、一実施形態に係る入力装置100は、上方からの平面視において、第1押圧スイッチ141および第2押圧スイッチ142のうち、領域Fまでの距離がより遠い第1押圧スイッチ141と突起部161-1との距離D1は、突起部161-1と領域Fとの距離D2よりも大きい。
【0082】
これにより、一実施形態に係る入力装置100は、領域Fへの押圧による操作パネル110の揺動の抑止効果、および、領域Eへの押圧による操作パネル110の揺動を抑止しない効果を、より高めることができる。
【0083】
言い換えると、領域Fが押圧された時、操作パネル110は、上方(Z軸正方向)からの平面視において、2つの押圧スイッチ(141,142)のうち領域Fまでの距離がより遠い第1押圧スイッチ141の頂点を支点として揺動するが、突起部161-1が操作パネル110の揺動を抑止し、領域Fまでの距離がより近い第2押圧スイッチ142が、領域Fが押圧されたことを検出しない。
【0084】
(効果)
以上説明したように、一実施形態に係る入力装置100は、筐体と、操作者からタッチ操作及び押圧操作を受付ける操作部を有し、筐体に対して揺動可能に支持される操作パネル110と、筐体に収容される基板140と、タッチ操作を検出する静電検出電極と、押圧操作を検出する第1押圧スイッチ141および第2押圧スイッチ142とを備える入力装置100であって、操作部は、タッチ操作及び押圧操作を受け付ける第1操作部(領域E,G)と、タッチ操作のみを受け付ける第2操作部(領域F)とを含み、第1操作部(領域E,G)が押圧された時に操作パネル110が基板140側に移動する動作と、第2操作部(領域F)が押圧された時に操作パネル110が基板140側に移動する動作と、を異ならせる抑止機構160を有する。
【0085】
これにより、一実施形態に係る入力装置100は、第2操作部(領域F)が誤って押圧されてしまった場合、操作パネル110が基板140側に移動する動作が、第1操作部(領域E,G)を押圧操作したときと異なるため、操作者がこの動作の違いにより、第2操作部(領域F)を誤って押圧したことを把握できる。したがって、一実施形態に係る入力装置100によれば、第1押圧スイッチ141および第2押圧スイッチ142の誤操作を抑制することができる。
【0086】
また、一実施形態に係る入力装置100において、抑止機構160は、操作パネル110から筐体に向けて延設された突起部161-1を含み、突起部161-1は、第2操作部(領域F)が押圧された時には筐体の当接部162-1と当接して操作パネル110の揺動を抑止し、第1操作部(領域E,G)が押圧された時には操作パネル110の揺動を抑止しない。
【0087】
これにより、一実施形態に係る入力装置100は、第1操作部(領域E,G)に対する正常な操作がなされたときは、操作パネル110の揺動の妨げとならず、第2操作部(領域F)に対する誤った操作がなされたときは、操作パネル110の揺動を抑止することができる。
【0088】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形または変更が可能である。
【0089】
本国際出願は、2022年3月15日に出願した日本国特許出願第2022-040659号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願の全内容を本国際出願に援用する。
【符号の説明】
【0090】
100 入力装置
110 操作パネル
111 開口
112 上面
112A 平面部
112B 第1傾斜部
112C 第2傾斜部
113-1~113-5,114,115 表示部
120 ホルダ
120A 上面
121-1,121-2 押圧部
122 軸受部
122A 軸受孔
122Aa 面
122Ab 面
122Ac 面
122Ad 面
123 筒部
130 第1筐体
131 平面部
132 枠部
132A 支持面
133 係止部
134-1,134-2 貫通孔
135-1~135-6 筒部
136 開口部
140 基板
140A 上面
141 第1押圧スイッチ
142 第2押圧スイッチ
143-1~143-7 発光素子
150 第2筐体
151 平面部
152 周壁部
153 台座部
160 抑止機構
161-1,161-2 突起部
162-1,162-2 当接部
170 ガイド機構
171 ガイドリブ
172 ガイド溝
180 静電検出電極シート
A,B,C,D,E,F,G 領域
AX 揺動軸
D1,D2 距離
D3,D4 距離
L1,L2 線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17