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特許7601340複数の周波数セグメントにおける同時伝送
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】複数の周波数セグメントにおける同時伝送
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20241210BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20241210BHJP
   H04W 72/0453 20230101ALI20241210BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20241210BHJP
   H04W 76/15 20180101ALI20241210BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20241210BHJP
【FI】
H04L27/26 114
H04L27/26 113
H04W72/0446
H04W72/0453
H04W56/00
H04W76/15
H04W84/12
【請求項の数】 22
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023113642
(22)【出願日】2023-07-11
(62)【分割の表示】P 2021560025の分割
【原出願日】2020-04-10
(65)【公開番号】P2023139065
(43)【公開日】2023-10-03
【審査請求日】2023-07-25
(31)【優先権主張番号】62/832,757
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520078248
【氏名又は名称】マーベル アジア ピーティーイー、リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ホンユアン
(72)【発明者】
【氏名】チュ、リウェン
(72)【発明者】
【氏名】ロウ、フイ-リン
(72)【発明者】
【氏名】カオ、ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ヤン
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/118124(WO,A1)
【文献】特表2018-527770(JP,A)
【文献】特開2018-007241(JP,A)
【文献】国際公開第2016/072217(WO,A1)
【文献】特開2017-152911(JP,A)
【文献】Yonggang Fang et al.,Functional Requirements for EHT Specification Framework[online],IEEE 802.11-2019/0105r1,インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/19/11-19-0105-01-0eht-functional-requirements.pptx>,2019年01月16日
【文献】Tianyu Wu et al.,Follow up discussions on Throughput Enhancement[online],IEEE 802.11-18/1184r1,インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/18/11-18-1184-01-0eht-eht-discussions-on-throughput-enhancement.pptx>,2018年07月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
IEEE 802.11
IEEE 802.15
IEEE 802.16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の周波数セグメントにおいて同時に伝送するための方法であって、
通信デバイスにおいて、第1の周波数セグメントにおいて伝送するための第1のパケットを生成する段階であって、前記第1のパケットがまたがる第1の全帯域幅を示す第1のフィールドを含むように前記第1のパケットの第1の物理層(PHY)プリアンブルを生成する段階を含む、段階と、
前記通信デバイスにおいて、第2の周波数セグメントにおいて伝送するための第2のパケットを生成する段階であって、前記第2のパケットがまたがる第2の全帯域幅を示す第2のフィールドを含むように前記第2のパケットの第2のPHYプリアンブルを生成する段階を含む、段階と、
前記通信デバイスによって、前記第1の周波数セグメントにおける前記第1のパケットおよび前記第2の周波数セグメントにおける前記第2のパケットを同時に伝送する段階であって、
前記第1のパケットを、第1の時刻に開始する前記第1の周波数セグメントにおいて伝送する段階と、
前記第1の時刻とは異なる第2の時刻に開始する前記第2の周波数セグメントにおいて、前記第2のパケットを伝送する段階と
を含む、段階と
を備える方法。
【請求項2】
前記第1のパケットを生成する段階は、前記第1のパケットが伝送される前記第1の周波数セグメントを示す第3のフィールドをさらに含むように、前記第1のパケットの前記第1のPHYプリアンブルを生成する段階を含み、
前記第2のパケットを生成する段階は、前記第2のパケットが伝送される前記第2の周波数セグメントを示す第4のフィールドをさらに含むように、前記第2のパケットの前記第2のPHYプリアンブルを生成する段階を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の持続時間を持つ前記第1のPHYプリアンブルを生成する段階と、
前記第1の持続時間とは異なる第2の持続時間を持つ前記第2のPHYプリアンブルを生成する段階
をさらに備える請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のパケットを生成する段階は、
第1の持続時間を持つように前記第1のパケットを生成する段階と、
前記第1の持続時間を示す第1のレガシ信号フィールドを含むように前記第1のPHYプリアンブルを生成する段階と
を含み、
前記第2のパケットを生成する段階は、
前記第1の持続時間とは異なる第2の持続時間を持つように前記第2のパケットを生成する段階と、
前記第2の持続時間を示す第2のレガシ信号フィールドを含むように前記第2のPHYプリアンブルを生成する段階と
を含む請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の周波数セグメントにおける前記第1のパケットおよび前記第2の周波数セグメントにおける前記第2のパケットを同時に伝送する段階は、
第1の数の空間ストリームを介して前記第1のパケットを伝送する段階と、
前記第1の数の空間ストリームとは異なる第2の数の空間ストリームを介して前記第2のパケットを伝送する段階と
を含む請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記通信デバイスにおいて、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきかを決定する段階
をさらに備え、
前記第1の時刻に開始する前記第1の周波数セグメントにおいて前記第1のパケットを伝送すること、および前記第2の時刻に開始する前記第2の周波数セグメントにおいて前記第2のパケットを伝送することは、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に非同期にされるべきと決定したことに応答する
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきかを決定する段階は、
前記第1の周波数セグメントと前記第2の周波数セグメントとの間の周波数ギャップの周波数帯域幅に基づいて、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきかを決定する段階
を含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきかを決定する段階は、
前記通信デバイスにおいて、前記周波数ギャップの前記周波数帯域幅を閾値と比較する段階と、
前記周波数ギャップの前記周波数帯域幅が前記閾値未満であるとの決定に応答して、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきと決定する段階と、
前記周波数ギャップの前記周波数帯域幅が前記閾値より大きいとの決定に応答して、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に非同期にされるべきと決定する段階と、
を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきかを決定する段階は、
前記同時伝送を受信する1つまたは複数の他の通信デバイスの能力に基づいて、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきかを決定する段階
を含む請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきかを決定する段階は、
前記1つまたは複数の他の通信デバイスのいずれかが複数の周波数セグメントにおける非同期伝送を処理することができないかを決定する段階と、
前記1つまたは複数の他の通信デバイスのうちの少なくとも1つが複数の周波数セグメントにおける非同期伝送を処理できないとの決定に応答して、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきと決定する段階と、
前記1つまたは複数の他の通信デバイスの全てが複数の周波数セグメントにおける非同期伝送を処理することができるとの決定に応答して、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に非同期にされるべきと決定する段階
を含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきかを決定する段階は、
i)前記第1の周波数セグメントの全周波数帯域幅、
ii)前記第2の周波数セグメントの全周波数帯域幅、および
iii)前記第1の周波数セグメントの前記全周波数帯域幅および前記第2の周波数セグメントの前記全周波数帯域幅の累積周波数帯域幅
のうちの1つまたは複数に基づいて、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきかを決定する段階
を備える請求項6に記載の方法。
【請求項12】
1つまたは複数の集積回路(IC)デバイスと、
複数の無線周波数無線機(複数のRF無線機)であって、少なくとも第1のRF無線機および第2のRF無線機を含み、前記複数のRF無線機が少なくとも部分的に前記1つまたは複数のICデバイス上に実装されている、複数のRF無線機と
を含む無線ネットワークインタフェースデバイス
を備え、
前記1つまたは複数のICデバイスは、
第1の周波数セグメントにおいて伝送するための第1のパケットを生成し、ここで前記第1のパケットを生成することが、前記第1のパケットがまたがる第1の全帯域幅を示す第1のフィールドを含むように前記第1のパケットの第1の物理層(PHY)プリアンブルを生成することを含む;
第2の周波数セグメントにおいて伝送するための第2のパケットを生成し、ここで前記第2のパケットを生成することが、前記第2のパケットがまたがる第2の全帯域幅を示す第2のフィールドを含むように前記第2のパケットの第2のPHYプリアンブルを生成することを含む;及び
前記第1の周波数セグメントにおける前記第1のパケットおよび前記第2の周波数セグメントにおける前記第2のパケットを同時に伝送するように前記第1のRF無線機および前記第2のRF無線機を制御する、ここで前記第1のRF無線機および前記第2のRF無線機を制御することが、
第1の時刻に開始する前記第1の周波数セグメントにおいて前記第1のパケットを伝送するように前記第1のRF無線機を制御することと、
前記第1の時刻とは異なる第2の時刻に開始する前記第2の周波数セグメントにおいて前記第2のパケットを伝送するように前記第2のRF無線機を制御することと、を含む;
ように構成される無線通信デバイス。
【請求項13】
前記1つまたは複数のICデバイスは、
前記第1のパケットが伝送される前記第1の周波数セグメントを示す第3のフィールドをさらに含むように、前記第1のパケットの前記第1のPHYプリアンブルを生成し、
前記第2のパケットが伝送される前記第2の周波数セグメントを示す第4のフィールドをさらに含むように、前記第2のパケットの前記第2のPHYプリアンブルを生成する
ように構成される請求項12に記載の無線通信デバイス。
【請求項14】
前記1つまたは複数のICデバイスは、
第1の持続時間を持つ前記第1のPHYプリアンブルを生成し、
前記第1の持続時間とは異なる第2の持続時間を持つ前記第2のPHYプリアンブルを生成する
ようにさらに構成される請求項12又は13に記載の無線通信デバイス。
【請求項15】
前記1つまたは複数のICデバイスは、
第1の持続時間を持つように前記第1のパケットを生成し、
前記第1の持続時間とは異なる第2の持続時間を持つように前記第2のパケットを生成し、
前記第1の持続時間を示す第1のレガシ信号フィールドを含むように前記第1のPHYプリアンブルを生成し、
前記第2の持続時間を示す第2のレガシ信号フィールドを含むように前記第2のPHYプリアンブルを生成する
ようにさらに構成される請求項12又は13に記載の無線通信デバイス。
【請求項16】
前記1つまたは複数のICデバイスは、
第1の数の空間ストリームを介して前記第1のパケットを伝送するように前記第1のRF無線機を制御し、
前記第1の数の空間ストリームとは異なる第2の数の空間ストリームを介して前記第2のパケットを伝送するように前記第2のRF無線機を制御する
ようにさらに構成される請求項12から15のいずれか一項に記載の無線通信デバイス。
【請求項17】
前記1つまたは複数のICデバイスは、
前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきかを決定し、
前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に非同期にされるべきと決定したことに応答して、前記第1の時刻に開始する前記第1の周波数セグメントにおいて前記第1のパケットを伝送し、前記第2の時刻に開始する前記第2の周波数セグメントにおいて前記第2のパケットを伝送する
ようにさらに構成される請求項12から16のいずれか一項に記載の無線通信デバイス。
【請求項18】
前記1つまたは複数のICデバイスは、
前記第1の周波数セグメントと前記第2の周波数セグメントとの間の周波数ギャップの周波数帯域幅に基づいて、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきかを決定する
ようにさらに構成される請求項17に記載の無線通信デバイス。
【請求項19】
前記1つまたは複数のICデバイスは、
前記周波数ギャップの前記周波数帯域幅を閾値と比較し、
前記周波数ギャップの前記周波数帯域幅が前記閾値未満であるとの決定に応答して、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきと決定し、
前記周波数ギャップの前記周波数帯域幅が前記閾値より大きいとの決定に応答して、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に非同期にされるべきと決定する
ようにさらに構成される請求項18に記載の無線通信デバイス。
【請求項20】
前記1つまたは複数のICデバイスは、
前記同時伝送を受信する1つまたは複数の他の通信デバイスの能力に基づいて、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきかを決定する
ようにさらに構成される請求項17に記載の無線通信デバイス。
【請求項21】
前記1つまたは複数のICデバイスは、
前記1つまたは複数の他の通信デバイスのいずれかが複数の周波数セグメントにおける非同期伝送を処理することができないかを決定し、
前記1つまたは複数の他の通信デバイスのうちの少なくとも1つが複数の周波数セグメントにおける非同期伝送を処理できないとの決定に応答して、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきと決定し、
前記1つまたは複数の他の通信デバイスの全てが複数の周波数セグメントにおける非同期伝送を処理することができるとの決定に応答して、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に非同期にされるべきと決定するようにさらに構成される請求項20に記載の無線通信デバイス。
【請求項22】
前記1つまたは複数のICデバイスは、
i)前記第1の周波数セグメントの全周波数帯域幅、
ii)前記第2の周波数セグメントの全周波数帯域幅、および
iii)前記第1の周波数セグメントの前記全周波数帯域幅および前記第2の周波数セグメントの前記全周波数帯域幅の累積周波数帯域幅
のうちの1つまたは複数に基づいて、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきかを決定する
ようにさらに構成される請求項17に記載の無線通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は利益を主張し、2019年4月11日に出願された「超高スループット(EHT)アグリゲートPLCPプロトコルデータユニット(PPDU)」と題された米国仮特許出願第62/832,757号の利益を主張し、ここにその全体が本明細書に参照として組み込まれる。
【0002】
本開示は概して無線通信システム、より具体的には複数の通信チャネル上でのデータ送受信に関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)は、過去20年間で急速に進化し、米国電気電子学会(IEEE)802.11規格ファミリなどのWLAN規格の開発により、シングルユーザのピークデータレートが向上した。データレートを高める1つの方法は、WLANで使用される通信チャネルの周波数帯域幅を増やすことである。例えば、IEEE802.11n規格では、2つの20MHzサブチャネルのアグリゲーションを許可して40MHzのアグリゲート通信チャネルを形成できるのに対し、より最近のIEEE802.11ax規格では、8つまでの20MHzサブチャネルのアグリゲーションを許可して160MHzまでのアグリゲート通信チャネルを形成できる。現在、IEEE802.11be規格または超高スループット(EHT)WLANと呼ばれる、IEEE802.11規格の新しいイテレーションでの作業が開始されている。IEEE802.11be規格は、320MHzまでのアグリゲート通信チャネル(またはおそらくさらに広いアグリゲート通信チャネル)を形成するために、最大16個の20MHzサブチャネル(またはおそらくより多く)のアグリゲーションを許可し得る。追加的に、IEEE802.11be規格は、単一のアグリゲートチャネルを形成するために、異なる周波数セグメント内(例えば、周波数ギャップによって分離されている)で20MHzサブチャネルのアグリゲーションを許可し得る。さらに、IEEE802.11be規格は、単一のアグリゲートチャネルを形成するために、異なる無線周波数(RF)帯域内の20MHzサブチャネルのアグリゲーションを許可し得る。
【0004】
IEEE802.11ax規格の現在のドラフト(本明細書では簡単のために「IEEE802.11ax規格」と呼ぶ)は、通信デバイスが単一の無線周波数(RF)帯域内の2つの80MHzチャネルセグメント内で同時に伝送する「80+80」伝送モードを定義する。2つの80MHzチャネルセグメントは、単一のRF帯域内で周波数分離され得る。2つの80MHzチャネルセグメント内の伝送は同期される。すなわち、伝送は同一の開始時刻に開始し、同一の終了時刻に終了する。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、複数の周波数セグメントにおいて同時に伝送するための方法は、通信デバイスにおいて、第1の周波数セグメントおよび第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきかを決定する段階と、第1の周波数セグメントおよび第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきと通信デバイスが決定したことに応答して、第1の時刻に開始する第1の周波数セグメントにおいて第1のパケットを伝送し、第1の時刻に開始する第2の周波数セグメントにおいて第2のパケットを伝送する、段階と、第1の周波数セグメントおよび第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に非同期にされるべきと通信デバイスが決定したことに応答して、第2の時刻に開始する第1の周波数セグメントにおいて第3のパケットを伝送し、第2の時刻とは異なる第3の時刻に開始する第2の周波数セグメントにおいて第4のパケットを伝送する、段階とを備える。
【0006】
別の実施形態では、通信デバイスは、1つまたは複数の集積回路(IC)デバイスと、複数の無線周波数(RF)無線機であって、少なくとも第1のRF無線機および第2のRF無線機を含み、複数のRF無線機が少なくとも部分的に1つまたは複数のICデバイス上に実装されている、複数のRF無線機とを有する無線ネットワークインタフェースデバイスを備える。1つまたは複数のICデバイスは、第1の周波数セグメントおよび第2の周波数セグメントにおける同時伝送を同期させるべきかを決定し、第1の周波数セグメントおよび第2の周波数セグメントにおける同時伝送が同期されるべきと通信デバイスが決定したことに応答して、第1の時刻に開始する第1の周波数セグメントにおいて第1のパケットを伝送するよう第1のRF無線機を制御し、第1の時刻に開始する第2の周波数セグメントにおいて第2のパケットを伝送するよう第2のRF無線機を制御するように構成される。1つまたは複数のICデバイスは、さらに、第1の周波数セグメントおよび第2の周波数セグメントにおける同時伝送が非同期にされるべきと通信デバイスが決定したことに応答して、第2の時刻に開始する第1の周波数セグメントにおいて第3のパケットを伝送するよう第1のRF無線機を制御し、第2の時刻とは異なる第3の時刻に開始する第2の周波数セグメントにおいて第4のパケットを伝送するよう第2のRF無線機を制御するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】それぞれのRF信号がそれぞれの周波数セグメントで同時に伝送される、例示的な無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)のブロック図である。
【0008】
図2A】一実施形態に係る、異なるチャネルセグメント上での例示的な同期伝送の図である。
【0009】
図2B】一実施形態に係る、異なるチャネルセグメント上での例示的な非同期伝送の図である。
【0010】
図3A】一実施形態に係る、異なるチャネルセグメント上での例示的な同期ダウンリンクマルチユーザ(MU)直交周波数分割多元接続(OFDMA)伝送の図である。
【0011】
図3B】一実施形態に係る、異なるチャネルセグメント上での例示的な非同期MU OFDMA伝送の図である。
【0012】
図4】一実施形態に係る、無線通信ネットワークにおいて複数の周波数セグメントを介して伝送するための例示的な方法の流れ図である。
【0013】
図5】一実施形態に係る、マルチチャネルセグメントオペレーションのために構成された例示的なネットワークインタフェースデバイスの図である。
【0014】
図6A】一実施形態に係る、それぞれの周波数セグメントで伝送される例示的なパケットの図である。
【0015】
図6B】いくつかの実施形態に係る、図6Aの例示的なパケットに含まれる例示的な非レガシプリアンブルの図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次世代無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)プロトコル(例えば、IEEE802.11be規格、超高スループット(EHT)WLAN規格と呼ばれる場合がある)は、異なるチャネルセグメントでの同時伝送が可能になり得る。異なるチャネルセグメントは、単一の無線周波数(RF)帯域または異なるRF帯域にあり得る。 異なるチャネルセグメントは、同じ帯域幅または異なる帯域幅を有し得る。
【0017】
IEEE802.11ax規格では、2つの80MHzチャネルセグメント(「80+80」伝送と呼ばれる)での同期伝送(すなわち、伝送が同一の開始時刻に開始し、同一の終了時刻に終了する)が可能にされており、同期伝送を続けるために、2つの80MHzチャネルセグメントが同時にアイドル状態になることが要求される。両方の80MHzチャネルセグメントがアイドル状態である時間を見つけることは、しかしながら、多くのWiFi配置で困難なことが多く、したがって80+80伝送モードの有用性が限定される。
【0018】
以下に記載されるいくつかの実施形態では、通信デバイスは、いくつかのシナリオでは異なるチャネルセグメントで同期的に伝送する(例えば、伝送が同一の開始時刻に開始する)ように、および、他のシナリオでは異なるチャネルセグメントで非同期的に伝送する(例えば、伝送が同一の開始時刻に開始する必要がない)ように構成される。少なくともいくつかの実施形態では、異なるチャネルセグメントで非同期的に伝送することは、異なるチャネルセグメントが同時にアイドル状態である必要はなく、したがって、少なくともいくつかの実施形態および/または状況では、異なるチャネルセグメントでの伝送が同期的であり(例えば、伝送が同一の開始時刻に開始する)、異なるチャネルセグメントが同時にアイドル状態であることを常に要求する通信システムと比較してより頻繁に異なるチャネルセグメントの同時使用を可能にする。
【0019】
図1は、一実施形態に係る例示的な無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)110のブロック図である。WLAN110は、ネットワークインタフェースデバイス122に結合されたホストプロセッサ118を備えるアクセスポイント(AP)114を含む。ネットワークインタフェースデバイス122は、1つまたは複数のメディアアクセス制御(MAC)プロセッサ126(簡潔のために本明細書では「MACプロセッサ126」と呼ばれる場合がある)および1つまたは複数の物理層(PHY)プロセッサ130(簡潔のために本明細書では「PHYプロセッサ130」と呼ばれる場合がある)を含む。PHYプロセッサ130は、複数のトランシーバ134を含み、トランシーバ134は、複数のアンテナ138に結合されている。3つのトランシーバ134および3つのアンテナ138が図1に示されているが、AP114は、他の実施形態では、他の適切な数(例えば、1、2、4、5など)のトランシーバ134およびアンテナ138を含む。いくつかの実施形態では、AP114は、トランシーバ134よりもより大きい数のアンテナ138を含み、アンテナ切り替え技術が利用される。
【0020】
ネットワークインタフェースデバイス122は、以下で説明するように動作するように構成された1つまたは複数の集積回路(IC)を使用して実装される。例えば、MACプロセッサ126は、少なくとも部分的に第1のIC上に実装され得、PHYプロセッサ130は、少なくとも部分的に、第2のIC上に実装され得る。別の例として、MACプロセッサ126の少なくとも一部およびPHYプロセッサ130の少なくとも一部は、単一のIC上に実装され得る。例えば、ネットワークインタフェースデバイス122は、システムオンチップ(SoC)を使用して実装され得、SoCは、MACプロセッサ126の少なくとも一部およびPHYプロセッサ130の少なくとも一部を含む。
【0021】
一実施形態では、ホストプロセッサ118は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、フラッシュメモリなどのようなメモリデバイス(図示せず)に格納された機械可読命令を実行するように構成されたプロセッサを含む。一実施形態では、ホストプロセッサ118は、少なくとも部分的に、第1のIC上に実装され得、ネットワークデバイス122は、少なくとも部分的に、第2のIC上に実装され得る。別の例として、ホストプロセッサ118とネットワークインタフェースデバイス122の少なくとも一部とは、単一のIC上に実装され得る。
【0022】
様々な実施形態では、AP114のMACプロセッサ126および/またはPHYプロセッサ130は、IEEE802.11規格または別の適切な無線通信プロトコルに準拠する通信プロトコルなどのWLAN通信プロトコルに準拠するデータユニットを生成し、IEEE802.11規格または別の適切な無線通信プロトコルに準拠する通信プロトコルなどのWLAN通信プロトコルに準拠する受信したデータユニットを処理するように構成される。例えば、MACプロセッサ126は、WLAN通信プロトコルのMAC層機能を含むMAC層機能を実装するように構成され得、PHYプロセッサ130は、WLAN通信プロトコルのPHY機能を含むPHY機能を実装するように構成され得る。例えば、MACプロセッサ126は、MACサービスデータユニット(MSDU)、MACプロトコルデータユニット(MPDU)、アグリゲートMPDU(A-MPDU)などのようなMAC層データユニットを生成し、MAC層データユニットをPHYプロセッサ130に提供するように構成され得る。MACプロセッサ126とPHYプロセッサ130との間で交換されるMPDUおよびA-MPDUは、物理層収束プロトコル(PLCP)(または単に「PHY」)サービスデータユニット(PSDU)と呼ばれる場合がある。
【0023】
PHYプロセッサ130は、MACプロセッサ126からMAC層データユニット(またはPSDU)を受信し、MAC層データユニット(またはPSDU)をカプセル化して、アンテナ138を介して伝送するためにPLCP(または「PHY」)プロトコルデータユニット(PPDU)などのPHYデータユニットを生成するように構成され得る。同様に、PHYプロセッサ130は、アンテナ138を介して受信されたPHYデータユニットを受信し、PHYデータユニット内にカプセル化されたMAC層データユニットを抽出するように構成され得る。PHYプロセッサ130は、抽出されたMAC層データユニットを、MAC層データユニットを処理するMACプロセッサ126に提供し得る。
【0024】
PHYデータユニットは、本明細書では「パケット」と呼ばれる場合があり、MAC層データユニットは、本明細書では「フレーム」と呼ばれる場合がある。
【0025】
一実施形態では、伝送用の1つまたは複数の無線周波数(RF)信号を生成することに関連して、PHYプロセッサ130は、1つまたは複数のデジタルベースバンド信号を生成するためにPPDUに対応するデータを処理(変調、フィルタリングなどを含み得る)し、デジタルベースバンド信号を1つまたは複数のアナログベースバンド信号に変換するように構成される。さらに、PHYプロセッサ130は、1つまたは複数のアンテナ138を介して伝送するために、1つまたは複数のアナログベースバンド信号を1つまたは複数のRF信号にアップコンバートするように構成される。
【0026】
1つまたは複数のRF信号の受信に関連して、PHYプロセッサ130は、1つまたは複数のRF信号を1つまたは複数のアナログベースバンド信号にダウンコンバートし、1つまたは複数のアナログベースバンド信号を1つまたは複数のデジタルベースバンド信号に変換するように構成される。PHYプロセッサ130はさらに、1つまたは複数のデジタルベースバンド信号を処理(復調、フィルタリングなどを含み得る)して、PPDUを生成するように構成される。
【0027】
PHYプロセッサ130は、増幅器(例えば、低雑音増幅器(LNA)、電力増幅器など)、無線周波数(RF)ダウンコンバータ、RFアップコンバータ、複数のフィルタ、1つまたは複数のアナログ-デジタルコンバータ(ADC)、1つまたは複数のデジタル-アナログコンバータ(DAC)、1つまたは複数の離散フーリエ変換(DFT)計算機(例えば、高速フーリエ変換(FFT)計算機)、1つまたは複数の逆離散フーリエ変換(IDFT)計算機(例えば、逆高速フーリエ変換(IFFT)計算機)、1つまたは複数の変調器、1つまたは複数の復調器などを含む。
【0028】
PHYプロセッサ130は、1つまたは複数のアンテナ138に提供される1つまたは複数のRF信号を生成するように構成される。PHYプロセッサ130はまた、1つまたは複数のアンテナ138から1つまたは複数のRF信号を受信するように構成される。
【0029】
いくつかの実施形態では、MACプロセッサ126は、例えば、1つまたは複数のMAC層データユニット(例えば、MPDU)をPHYプロセッサ130に提供し、任意選択で1つまたは複数の制御信号をPHYプロセッサ130に提供することによって、1つまたは複数のRF信号を生成するようにPHYプロセッサ130を制御するように構成される。一実施形態では、MACプロセッサ126は、RAM、リードROM、フラッシュメモリなどのようなメモリデバイス(図示せず)内に格納された機械可読命令を実行するように構成されたプロセッサを含む。別の実施形態では、MACプロセッサ126は、ハードウェアステートマシンを含む。
【0030】
一実施形態では、MACプロセッサ126は、いつ異なるチャネルセグメントでの伝送が同期的に伝送される(例えば、伝送が同一の開始時刻に開始される)か、および、いつ異なるチャネルセグメントでの伝送が非同期的に伝送され得る(例えば、伝送が同一の開始時刻に開始される必要がない)かを決定するように構成されるマルチチャネルセグメント伝送コントローラ142を含むか、または実装する。いくつかの実施形態では、異なるチャネルセグメントでの伝送が同期的に伝送される場合、マルチチャネルセグメント伝送コントローラ142は、PHYプロセッサ130に、異なるチャネルセグメントでの伝送を同時に開始するよう促す。いくつかの実施形態では、異なるチャネルセグメントでの伝送が非同期的に伝送される場合、マルチチャネルセグメント伝送コントローラ142は、PHYプロセッサ130に、異なるチャネルセグメントでの伝送を異なる時刻に開始するよう促す。
【0031】
一実施形態では、マルチチャネルセグメント伝送コントローラ142は、メモリに格納された機械可読命令を実行するプロセッサによって実装され、機械可読命令は、プロセッサに、以下でより詳細に記載される動作を実行させる。別の実施形態では、マルチチャネルセグメント伝送コントローラ142は、さらにまたは代替的に、以下でより詳細に記載される動作を実行するように構成されたハードウェア回路を備える。いくつかの実施形態では、ハードウェア回路は、以下でより詳細に記載される動作を実行するように構成された1つまたは複数のハードウェアステートマシンを備える。
【0032】
WLAN110は、複数のクライアント局154を含む。3つのクライアント局154が図1に示されているが、様々な実施形態では、WLAN110は他の適切な数(例えば、1、2、4、5、6など)のクライアント局154を含む。クライアント局154-1は、ネットワークインタフェースデバイス162に結合されたホストプロセッサ158を含む。ネットワークインタフェースデバイス162は、1つまたは複数のMACプロセッサ166(簡潔のために本明細書で「MACプロセッサ166」と呼ばれる場合がある)および1つまたは複数のPHYプロセッサ170(簡潔のために本明細書で「PHYプロセッサ170」と呼ばれる場合がある)を含む。PHYプロセッサ170は、複数のトランシーバ174を含み、トランシーバ174は、複数のアンテナ178に結合されている。3つのトランシーバ174および3つのアンテナ178が図1に示されているが、他の実施形態では、クライアント局154-1は、他の適切な数(例えば、1、2、4、5など)のトランシーバ174およびアンテナ178を含む。いくつかの実施形態では、クライアント局154-1は、トランシーバ174よりもより大きい数のアンテナ178を含み、アンテナ切り替え技術が利用される。
【0033】
ネットワークインタフェースデバイス162は、以下で説明されるように動作するように構成された1つまたは複数のICを使用して実装される。例えば、MACプロセッサ166は、少なくとも第1のIC上に実装され得、PHYプロセッサ170は、少なくとも第2のIC上に実装され得る。別の例として、MACプロセッサ166の少なくとも一部およびPHYプロセッサ170の少なくとも一部は、単一のIC上に実装され得る。例えば、ネットワークインタフェースデバイス162は、SoCを使用して実装され得、ここで、SoCは、MACプロセッサ166の少なくとも一部およびPHYプロセッサ170の少なくとも一部を含む。
【0034】
一実施形態では、ホストプロセッサ158は、RAM、ROM、フラッシュメモリなどのようなメモリデバイス(図示せず)に格納された機械可読命令を実行するように構成されたプロセッサを含む。一実施形態では、ホストプロセッサ158は、少なくとも部分的に、第1のIC上に実装され得、ネットワークデバイス162は、少なくとも部分的に、第2のIC上に実装され得る。別の例として、ホストプロセッサ158とネットワークインタフェースデバイス162の少なくとも一部とは、単一のIC上に実装され得る。
【0035】
様々な実施形態では、クライアントデバイス154-1のMACプロセッサ166およびPHYプロセッサ170は、WLAN通信プロトコルまたは別の適切な通信プロトコルに準拠するデータユニットを生成し、WLAN通信プロトコルまたは別の適切な通信プロトコルに準拠する受信したデータユニットを処理するように構成される。例えば、MACプロセッサ166は、WLAN通信プロトコルのMAC層機能を含むMAC層機能を実装するように構成され得、PHYプロセッサ170は、WLAN通信プロトコルのPHY機能を含むPHY機能を実装するように構成され得る。MACプロセッサ166は、MSDU、MPDUなどのようなMAC層データユニットを生成し、MAC層データユニットをPHYプロセッサ170に提供するように構成され得る。PHYプロセッサ170は、MACプロセッサ166からMAC層データユニットを受信し、MAC層データユニットをカプセル化して、アンテナ178を介して伝送するためにPPDUなどのPHYデータユニットを生成するように構成され得る。同様に、PHYプロセッサ170は、アンテナ178を介して受信されたPHYデータユニットを受信し、PHYデータユニット内にカプセル化されたMAC層データユニットを抽出するように構成され得る。PHYプロセッサ170は、抽出されたMAC層データユニットを、MAC層データユニットを処理するMACプロセッサ166に提供し得る。
【0036】
一実施形態では、PHYプロセッサ170は、1つまたは複数のアンテナ178を介して受信した1つまたは複数のRF信号を1つまたは複数のベースバンドアナログ信号にダウンコンバートし、アナログベースバンド信号を1つまたは複数のデジタルベースバンド信号に変換するように構成される。PHYプロセッサ170はさらに、1つまたは複数のデジタルベースバンド信号を処理して1つまたは複数のデジタルベースバンド信号を復調し、PPDUを生成するように構成される。PHYプロセッサ170は、増幅器(例えば、LNA、電力増幅器など)、RFダウンコンバータ、RFアップコンバータ、複数のフィルタ、1つまたは複数のADC、1つまたは複数のDAC、1つまたは複数のDFT計算機(例えば、FFT計算機)、1つまたは複数のIDFT計算機(例えば、IFFT計算機)、1つまたは複数の変調器、1つまたは複数の復調器などを含む。
【0037】
PHYプロセッサ170は、1つまたは複数のアンテナ178に提供される1つまたは複数のRF信号を生成するように構成される。PHYプロセッサ170はまた、1つまたは複数のアンテナ178から1つまたは複数のRF信号を受信するように構成される。
【0038】
いくつかの実施形態では、MACプロセッサ166は、例えば、1つまたは複数のMAC層データユニット(例えば、MPDU)をPHYプロセッサ170に提供し、任意選択で1つまたは複数の制御信号をPHYプロセッサ170に提供することによって、1つまたは複数のRF信号を生成するようにPHYプロセッサ170を制御するように構成される。一実施形態では、MACプロセッサ166は、RAM、ROM、フラッシュメモリなどのようなメモリデバイス(図示せず)内に格納された機械可読命令を実行するように構成されたプロセッサを含む。一実施形態では、MACプロセッサ166は、ハードウェアステートマシンを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、MACプロセッサ166は、AP114のマルチチャネルセグメント伝送コントローラ142と同じまたは類似のマルチチャネルセグメント伝送コントローラ(図示せず)を含む。例えば、いくつかの実施形態では、クライアント局154-1は、いくつかのシナリオでは異なるチャネルセグメントで同期的に伝送する(例えば、伝送が同一の開始時刻に開始する)ように、および、他のシナリオでは異なるチャネルセグメントで非同期的に伝送する(例えば、伝送が同一の開始時刻に開始する必要がない)ように構成される。
【0040】
一実施形態では、クライアント局154-2および154-3のそれぞれは、クライアント局154-1と同じまたは類似の構造を有する。クライアント局154-2および154-3のそれぞれは、同じまたは異なる数のトランシーバ及びアンテナを有する。例えば、一実施形態では、クライアント局154-2および/またはクライアント局154-3はそれぞれ、2つのトランシーバおよび2つのアンテナ(図示せず)のみを有する。
【0041】
一実施形態では、RFスペクトル内の複数の異なる周波数帯域が、WLAN110内の信号伝送のために使用される。一実施形態では、異なる通信デバイス(すなわち、AP114およびクライアント局154)は、異なる周波数帯域で動作するよう構成され得る。一実施形態では、WLAN110内の少なくともいくつかの通信デバイス(例えば、AP114およびクライアント局154)は、複数の異なる周波数帯域上で同時動作するよう構成され得る。例示的な周波数帯域は、RFスペクトルの、約2.4GHz~2.5GHz(「2GHz帯」)の周波数範囲に対応する第1の周波数帯域、および、約5GHz~5.9GHz(「5GHz帯」)の周波数範囲に対応する第2の周波数帯域を含む。一実施形態では、WLAN内の1つまたは複数の通信デバイスはまた、6GHz~7GHzの範囲(「6GHz帯」)内の第3の周波数帯域で動作するよう構成され得る。上記のように、周波数帯域のそれぞれは、より広い帯域幅のチャネルを生成するためにそれぞれの周波数帯域内で組み合わせられ得る複数のコンポーネントチャネルを備える。 第1のチャネルセグメントおよび第2のチャネルセグメントにわたるマルチチャネルセグメントオペレーションに対応する一実施形態では、第1のチャネルセグメントおよび第2のチャネルセグメントは、別個の周波数帯域内にあり得る、または同じ周波数帯域内にあり得る。いくつかの実施形態では、WLAN110内の少なくとも1つの通信デバイス(例えば、少なくともAP114)は、2GHz帯、5GHz帯、および7GHz帯のうちの任意の2つで同時動作するよう構成される。いくつかの実施形態では、WLAN110内の少なくとも1つの通信デバイス(例えば、少なくともAP114)は、2GHz帯、5GHz帯、および7GHz帯のうちの3つ全てで同時動作するよう構成される。
【0042】
図2Aは、一実施形態に係る、異なるチャネルセグメントでの例示的な同期伝送200の図である。一実施形態では、伝送200はネットワークインタフェースデバイス122(図1)によって生成され1つまたは複数のクライアント局154(例えば、クライアント局154-1)に伝送される。別の実施形態では、伝送200はネットワークインタフェースデバイス162(図1)によって生成されAP114に伝送される。
【0043】
一実施形態では、伝送200は、単一の通信デバイスに対して生成され伝送されるシングルユーザ(SU)伝送に対応する。別の実施形態では、伝送200は、複数の通信デバイス(例えば、クライアント局154の複数のもの)のためのデータを含むマルチユーザ(MU)伝送に対応する。例えば、一実施形態では、MU伝送200は、OFDMA伝送である。別の実施形態では、MU伝送200は、MU-MIMO伝送である。
【0044】
伝送200は、第1のチャネルセグメント208内の第1のRF信号204と、第2のチャネルセグメント216内の第2のRF信号212とを備える。
一実施形態では、第1のRF信号204は、第1のPPDUに対応し、第2のRF信号212は、第2のPPDUに対応する。第1の信号は、PHYプリアンブル220およびPHYデータ部分224を備える。第2の信号212は、PHYプリアンブル228、データ部分232、および任意のパディング236から構成される。伝送200は、第1の信号204および第2の信号212の伝送が同一の時刻tで開始するように同期される。いくつかの実施形態では、第1の信号204および第2の信号212も同一の時刻tで終了する。
【0045】
いくつかの実施形態では、PHYプリアンブル220およびPHYプリアンブル228が同一の持続時間を有する、および/または同時に終了する必要はない。他の実施形態では、PHYプリアンブル220およびPHYプリアンブル228が同一の持続時間を有する、および/または同時に終了する必要がある。
【0046】
第2のRF信号212がさもなくば第1のRF信号204よりも短い持続時間を有する一実施形態では、PHYデータ部分232には、信号212の伝送がtで終了するように、パケット拡張フィールド236が付加される。一実施形態では、パケット拡張フィールド236は、受信機によって無視される任意のデータを含む。
【0047】
第2のRF信号212が第1のRF信号204よりも短い持続時間を有する別の実施形態では、PHYデータ部分232内のMACヘッダ(図示せず)内の時間長情報は、信号212の伝送がtで終了することを示すように設定され、これは別の通信デバイスに、他の通信デバイスのネットワーク割り当てベクトル(NAV)タイマを信号212の伝送がtで終了することを示す値に設定させる。
【0048】
第2のRF信号212がさもなくば第1のRF信号204よりも短い持続時間を有する別の実施形態では、信号212の伝送がtで終了するようにパディング情報がPHYデータ部分232内に含められる。
【0049】
PHYプリアンブル220およびPHYプリアンブル228の例示的なフォーマットは、以下でより詳細に記載される。一実施形態では、PHYプリアンブル220の少なくとも一部およびPHYプリアンブル228の少なくとも一部は、異なる情報を含む。別の実施形態では、PHYプリアンブル220の少なくとも一部およびPHYプリアンブル228の少なくとも一部は、同一の構造を有し、および/または同一の情報を含む。いくつかの実施形態では、PHYプリアンブル220の少なくとも一部およびPHYプリアンブル228の少なくとも一部は同一である。
【0050】
第1のチャネルセグメント208が複数のコンポーネントチャネル(例えば、20MHzサブチャネル)を備える一実施形態では、1つのコンポーネントチャネルに対応するフィールドを生成し、第1のチャネルセグメント208に対応する1つまたは複数の他のコンポーネントチャネルにわたってフィールドを複製することによって、PHYプリアンブル220の少なくとも一部(例えば、レガシ部分)が生成される。第2のチャネルセグメント216が複数のコンポーネントチャネル(例えば、20MHzサブチャネル)を備える一実施形態では、1つのコンポーネントチャネルに対応するフィールドを生成し、第2のチャネルセグメント216に対応する1つまたは複数の他のコンポーネントチャネルにわたってフィールドを複製することによって、PHYプリアンブル228の少なくとも一部(例えば、レガシ部分)が生成される。
【0051】
様々な実施形態では、第1のチャネルセグメント208および第2のチャネルセグメント216は、異なるRF帯域にある、または同一のRF帯域に共同配置されている。一実施形態では、RF帯域は、上記のように、2GHz帯、5GHz帯、および6GHz帯に対応する。第1のチャネルセグメント208および第2のチャネルセグメント216はそれぞれ、1つまたは複数のコンポーネントチャネルから構成され得る。一実施形態では、第1のチャネルセグメント208の周波数帯域幅(すなわち、第1の信号204の周波数帯域幅)は、第2のチャネルセグメント216の周波数帯域幅(すなわち、第2の信号212の周波数帯域幅)とは異なる。別の実施形態では、第1のチャネルセグメント208の周波数帯域幅は、第2のチャネルセグメント216の周波数帯域幅と同じである。
【0052】
一実施形態では、第1のチャネルセグメント208および第2のチャネルセグメント216は、周波数分離されている。例えば、周波数ギャップは、第1のチャネルセグメント208と第2のチャネルセグメント216との間に存在する。様々な実施形態では、ギャップは、少なくとも500kHz、少なくとも1MHz、少なくとも5MHz、少なくとも20MHzなどである。
【0053】
いくつかの実施形態では、第1の信号204は、第1の数の空間または時空間ストリーム(下記に、簡潔のために「空間ストリーム」と呼ぶ)を介して伝送され、第2の信号212は、第1の数の空間ストリームとは異なる第2の数の空間ストリームを介して伝送される。そのような一実施形態では、PHYプリアンブル220は、第1の数の空間ストリームに対応する第1の数のLTFを含み、PHYプリアンブル228は、第2の数の空間ストリームに対応する第2の数のLTF(第1の数のLTFとは異なる)を含む。別のそのような実施形態では、PHYプリアンブル220およびPHYプリアンブル228は、第1の信号204が第1の数の空間ストリームを介して伝送され、第2の信号212が第1の数の空間ストリームとは異なる第2の数の空間ストリームを介して伝送される場合でさえ、同一の数のLTFを備える。一実施形態では、同一の数のLTFは、より多数の空間ストリームを持つ第2の信号212および第1の信号204のうちの1つに対応する。他の実施形態では、第1の信号204および第2の信号212は、同一の数の空間ストリームを介して伝送される。
【0054】
一実施形態では、少なくともPHYデータ部分224および少なくともPHYデータ部分232は、異なる符号化スキームおよび/または変調スキームを使用する。一例として、一実施形態では、PHYデータ部分224は、第1のMCSを使用して生成され、PHYデータ部分432は、第2の異なるMCSを使用して生成される。他の実施形態では、PHYデータ部分224およびPHYデータ部分232は、同一のMCSを使用して生成される。
【0055】
一実施形態では、伝送200は単一のPPDUに対応し、単一のPPDUの第1の周波数部分は第1のチャネル208を介して伝送され、単一のPPDUの第2の周波数部分は第2のチャネル216を介して伝送される。別の実施形態では、第1の信号204は第1のPPDUに対応し、第2の信号212は第2のPPDUに対応する。一実施形態では、PHYデータ部分224および232、ならびにPHYプリアンブル220および228のそれぞれは、1つまたは複数のOFDMシンボルから構成される。
【0056】
図2Bは、一実施形態に係る、異なるチャネルセグメント上での例示的な非同期伝送250の図である。一実施形態では、伝送250は、ネットワークインタフェースデバイス122(図1)によって生成され1つまたは複数のクライアント局154(例えば、クライアント局154-1)に伝送される。別の実施形態では、伝送250は、ネットワークインタフェースデバイス162(図1)によって生成されAP114に伝送される。
【0057】
非同期伝送250は、図2Aの同期伝送200と同様であり、同じ番号の要素は簡潔のために詳細に説明しない。図2Aの同期伝送200とは異なり、信号204の伝送および信号212の伝送は、異なる時刻に開始する。さらに、いくつかの実施形態では、信号204の伝送および信号212の伝送は、異なる時刻に終了する。 さらに、いくつかの実施形態では、信号212は、図2Aのパケット拡張フィールド236を含まない。
【0058】
ここで図1および2A~Bを参照し、通信デバイス(例えば、AP114、クライアント局154-1など)は、伝送200(図2A)などの同期伝送を時々(および/またはいくつかのシナリオで)生成および伝送し、いくつかの実施形態では、伝送250(図2B)などの非同期伝送を他の時点で(および/または他のシナリオで)生成および伝送するように構成される。例えば、少なくともいくつかの実施形態では、異なるチャネルセグメントで非同期伝送を伝送することは、異なるチャネルセグメントが同時にアイドル状態である必要はなく、したがって、少なくともいくつかの実施形態および/または状況では、同期伝送が不可能であり得る場合(例えば、同期伝送が異なるチャネルセグメントが同時にアイドル状態である必要がある場合)に異なるチャネルセグメントの同時使用を可能にする。他方、少なくともいくつかの実施形態および/または状況では、異なるチャネルセグメントでの非同期伝送は、異なるチャネルセグメントが周波数において比較的近い場合など、いくつかのシナリオでは不可能であり得る。
【0059】
図3Aは、一実施形態に係る、異なるチャネルセグメントでの例示的な同期ダウンリンクMU OFDMA伝送300の図である。一実施形態では、伝送300は、ネットワークインタフェースデバイス122(図1)によって生成され複数のクライアント局154に伝送される。
【0060】
OFDMA伝送300は、第1のチャネルセグメント308内の第1のRF信号304と、第2のチャネルセグメント316内の第2のRF信号312とを備える。様々な実施形態では、第1のチャネルセグメント308および第2のチャネルセグメント316は、図2Aを参照して上述したように、それぞれ、第1のチャネルセグメント208および第2のチャネルセグメント216と同様である。伝送300は、第1のRF信号304および第2のRF信号312が同一の時刻tで開始するように同期される。 いくつかの実施形態では、第1のRF信号304および第2のRF信号312は、同一の時刻tで終了する。
【0061】
第1の信号304は、PHYプリアンブル320およびPHYデータ部分324を備える。第2の信号312は、PHYプリアンブル328およびデータ部分332から構成される。いくつかの実施形態では、PHYプリアンブル320およびPHYプリアンブル328が同一の持続時間を有する、および/または同時に終了する必要はない。他の実施形態では、PHYプリアンブル320およびPHYプリアンブル328が同一の持続時間を有する、および/または同時に終了する必要がある。
【0062】
第2のRF信号312がさもなくば第1のRF信号304よりも短い持続時間を有する一実施形態では、PHYデータ部分332には、信号312の伝送がtで終了するように、パケット拡張フィールド336が付加される。一実施形態では、パケット拡張フィールド336は、受信機によって無視される任意のデータを含む。
【0063】
第2のRF信号312が第1のRF信号304よりも短い持続時間を有する別の実施形態では、PHYデータ部分332内のMACヘッダ(図示せず)内の時間長情報は、信号312の伝送がtで終了することを示すように設定され、これは別の通信デバイスに、他の通信デバイスのNAVタイマを信号212の伝送がtで終了することを示す値に設定させる。
【0064】
第2のRF信号312がさもなくば第1のRF信号304よりも短い持続時間を有する別の実施形態では、信号312の伝送がtで終了するように、パディング情報がPHYデータ部分332内に含められる。
【0065】
一実施形態では、PHYプリアンブル320およびPHYプリアンブル328は、PHYプリアンブル204と同様の様式でフォーマットされる。PHYプリアンブル320およびPHYプリアンブル328の例示的なフォーマットは、以下でより詳細に記載される。一実施形態では、PHYプリアンブル320の少なくとも一部およびPHYプリアンブル328の少なくとも一部は、異なる情報を含む。別の実施形態では、PHYプリアンブル320の少なくとも一部およびPHYプリアンブル328の少なくとも一部は、同一の構造を有し、および/または同一の情報を含む。いくつかの実施形態では、PHYプリアンブル320の少なくとも一部およびPHYプリアンブル328の少なくとも一部は同一である。
【0066】
第1のチャネルセグメント308が複数のコンポーネントチャネル(例えば、20MHzサブチャネル)を備える一実施形態では、1つのコンポーネントチャネルに対応するフィールドを生成し、第1のチャネルセグメント308に対応する1つまたは複数の他のコンポーネントチャネルにわたってフィールドを複製することによって、PHYプリアンブル320の少なくとも一部(例えば、レガシ部分)が生成される。第2のチャネルセグメント316が複数のコンポーネントチャネルを備える一実施形態では、1つのコンポーネントチャネルに対応するフィールドを生成し、第2のチャネルセグメント316に対応する1つまたは複数の他のコンポーネントチャネルにわたってフィールドを複製することによって、PHYプリアンブル328の少なくとも一部(例えば、レガシ部分)が生成される。
【0067】
様々な実施形態では、第1のチャネルセグメント308および第2のチャネルセグメント316は、異なるRF帯域にある、または同一のRF帯域に共同配置されている。一実施形態では、RF帯域は、上記のように、2GHz帯、5GHz帯、および6GHz帯に対応する。第1のチャネルセグメント308および第2のチャネルセグメント316はそれぞれ、1つまたは複数のコンポーネントチャネルから構成され得る。一実施形態では、第1のチャネルセグメント308の周波数帯域幅(すなわち、第1の信号304の周波数帯域幅)は、第2のチャネルセグメント316の周波数帯域幅(すなわち、第2の信号212の周波数帯域幅)とは異なる。別の実施形態では、第1のチャネルセグメント308の周波数帯域幅は、第2のチャネルセグメント316の周波数帯域幅と同じである。
【0068】
一実施形態では、第1の通信チャネル308および第2の通信チャネル316は、周波数分離されている。例えば、周波数ギャップは、第1の通信チャネル308と第2の通信チャネル316との間に存在する。様々な実施形態では、ギャップは、少なくとも500kHz、少なくとも1MHz、少なくとも5MHz、少なくとも20MHzなどである。
【0069】
いくつかの実施形態では、第1の信号304は、第1の数の空間ストリームを介して伝送され、第2の信号312は、第1の数の空間ストリームとは異なる第2の数の空間ストリームを介して伝送される。そのような一実施形態では、PHYプリアンブル320は、第1の数の空間ストリームに対応する第1の数のLTFを含み、PHYプリアンブル328は、第2の数の空間ストリームに対応する(第1の数のLTFとは異なる)第2の数のLTFを含む。別のそのような実施形態では、PHYプリアンブル320およびPHYプリアンブル328は、第1の信号304が第1の数の空間ストリームを介して伝送され、第2の信号312が第1の数の空間ストリームとは異なる第2の数の空間ストリームを介して伝送される場合でさえ、同一の数のLTFを備える。一実施形態では、同一の数のLTFは、より多くの空間ストリームを持つ第2の信号312及び第1の信号304のうちの1つに対応する。他の実施形態では、第1の信号304および第2の信号312は、同一の数の空間ストリームを介して伝送される。
【0070】
一実施形態では、少なくともPHYデータ部分324および少なくともPHYデータ部分332は、異なる符号化スキームおよび/または変調スキームを使用する。
【0071】
一実施形態では、伝送300は単一のPPDUに対応し、単一のPPDUの第1の周波数部分は第1のチャネル308を介して伝送され、単一のPPDUの第2の周波数部分は第2のチャネル316を介して伝送される。別の実施形態では、第1の信号304は第1のPPDUに対応し、第2の信号312は第2のPPDUに対応する。一実施形態では、PHYデータ部分324および332、ならびにPHYプリアンブル320および328のそれぞれは、1つまたは複数のOFDMシンボルから構成される。
【0072】
PHYデータ部分324およびPHYデータ部分332は、それぞれのクライアント局154のためのそれぞれの周波数多重化データを含む。データ部分324内の個々のデータは、対応する割り当てられた周波数リソースユニット(RU)340において対応するクライアント局154に伝送される。データ部分332内の個々のデータは、対応する割り当てられたRU344において対応するクライアント局154に伝送される。様々な実施形態では、RU340/344のいくつかまたは全てに対応する伝送信号は、異なる符号化スキームおよび/または変調スキームを使用する。一例として、RU340-1およびRU344-1に対応する伝送信号は、異なるMCSおよび/または異なる数の空間/時空間ストリームなどを使用して生成される。RU344内のデータの持続時間がPHYデータ部分324の持続時間より短い一実施形態では、両方の通信チャネル内のPHYデータ部分の持続時間が同じであることを保証するように、RU344内のデータにパディングが追加される。
【0073】
少なくともいくつかの実施形態では、クライアント局154の少なくともいくつかは、1つのRF帯域内でのみ動作するように構成される。そのような実施形態では、RUは、クライアント局154が動作するように構成されているRF帯域内でのみ、クライアント局154に割り当てられる。例示的な実施形態として、STA2およびSTA3は、第1のRF帯域内でのみ動作するように構成される。よって、STA2およびSTA3に対応するデータは、一実施形態では第1のRF帯域内にある第1のチャネルセグメント308内のRUで伝送される。同様に、STA4は第2のRF帯域でのみ動作するように構成されている。よって、STA4に対応するデータは、一実施形態では第2のRF帯域内にある第2のチャネルセグメント316内のRUで伝送される。他方、STA1は、第1のRF帯域および第2のRF帯域の両方で動作するように構成される。よって、STA1に対応するデータは、第1のチャネルセグメント308および第2のチャネルセグメント316のいずれかまたは両方に配置されたRUで伝送され得る。
【0074】
図3Bは、一実施形態に係る、異なるチャネルセグメント上での例示的な非同期MU OFDMA伝送350の図である。一実施形態では、伝送350は、ネットワークインタフェースデバイス122(図1)によって生成され1つまたは複数のクライアント局154(例えば、クライアント局154-1)に伝送される。別の実施形態では、伝送350は、ネットワークインタフェースデバイス162(図1)によって生成され伝送される。
【0075】
非同期伝送350は、図2Aの同期伝送300と同様であり、同じ番号の要素は簡潔のために詳細に説明しない。図3Aの同期伝送300とは異なり、信号304の伝送および信号312の伝送は、異なる時刻に開始する。さらに、いくつかの実施形態では、信号304の伝送および信号312の伝送は、異なる時刻に終了する。さらに、いくつかの実施形態では、信号312は、図3Aのパケット拡張フィールド336を含まない。
【0076】
ここで、図1および3A-Bを参照し、通信デバイス(例えば、AP114、クライアント局154-1など)は、伝送300(図3A)などの同期伝送を時々(および/またはいくつかのシナリオで)生成および伝送し、いくつかの実施形態では、伝送350(図3B)などの非同期伝送を他の時点で(および/または他のシナリオで)生成および伝送するように構成される。
【0077】
図4は、一実施形態に係る、無線通信ネットワークにおいて複数の周波数セグメントを介して伝送するための例示的な方法400の流れ図である。いくつかの実施形態では、図1のAP114は方法400を実行するように構成される。他の実施形態では、図1のクライアント局154-1は、追加的または代替的に、方法400を実行するように構成される。方法400は単に説明の目的でAP114の文脈で記載され、他の実施形態では、方法400は、クライアント局154-1または様々な実施形態による別の適切な通信デバイスによって実行される。
【0078】
ブロック404で、通信デバイスは、複数の周波数セグメント内で同時のそれぞれの伝送が同期されるべき(例えば、同時のそれぞれの伝送が同時に開始されるべき)かを決定する(例えば、AP114が決定する、ネットワークインタフェース122が決定する、MACプロセッサ126が決定する、マルチチャネルセグメント伝送コントローラ142が決定するなど)。様々な実施形態では、複数の周波数セグメントは周波数において連続している、または周波数セグメントの1つまたは複数の隣接する対はそれぞれの周波数ギャップによって周波数分離されている。様々な実施形態では、複数の周波数セグメント内のそれぞれの周波数セグメントは、同一の周波数帯域幅にわたる、または複数の周波数セグメント内の周波数セグメントは、異なる周波数帯域幅にわたる。様々な実施形態では、複数の周波数セグメント内の2つまたはそれより多くの周波数セグメントは、同一のRF帯域(例えば、2GHz帯、5GHz帯、6GHz帯域など)、または複数の周波数セグメント内の2つまたはそれより多くの周波数セグメントは異なるRF帯域にある。
【0079】
様々な実施形態では、ブロック404で同時のそれぞれの伝送が同期されるべきかを決定することは、様々なパラメータおよび/または要因に基づく。例えば、一実施形態では、ブロック404で同時のそれぞれの伝送が同期されるべきかを決定することは、複数の周波数セグメントにおける隣接する周波数セグメント間の周波数ギャップの帯域幅に基づく。例示的な実施形態では、例えば、第1の周波数セグメントと第2の周波数セグメントとの間の周波数ギャップが閾値未満である場合、ブロック404で、第1の周波数セグメントおよび第2の周波数セグメントにおける同時伝送が同期されるべき(例えば、同時のそれぞれの伝送が同時に開始されるべき)と通信デバイスが決定する(例えば、AP114が決定する、ネットワークインタフェース122が決定する、MACプロセッサ126が決定するなど)のに対し、第1の周波数セグメントと第2の周波数セグメントとの間の周波数ギャップが閾値より大きい場合、ブロック404で、第1の周波数セグメントおよび第2の周波数セグメントにおける同時伝送が同期化される必要がないと通信デバイスが決定する(例えば、AP114が決定する、ネットワークインタフェース122が決定する、MACプロセッサ126が決定するなど)。例示的な実施形態では、第1の周波数セグメントと第2の周波数セグメントが周波数において比較的近い(例えば、第1の周波数セグメントと第2の周波数セグメントとの間の周波数ギャップが閾値未満である)場合、チャネル間干渉の量(または確率)が比較的高く、したがって同期伝送を要求することが性能(例えば全体スループット)を向上させるのに対し、第1の周波数セグメントと第2の周波数セグメントが周波数において比較的ずっと離れている(例えば、第1の周波数セグメントと第2の周波数セグメントとの間の周波数ギャップが閾値より大きい)場合、チャネル間干渉の量(または確率)が比較的低く、したがって、同期伝送を要求することは不要である。
【0080】
別の例として、別の実施形態では、ブロック404で同時のそれぞれの伝送が同期されるべきかを決定することは、さらにまたは代替的に、同時のそれぞれの伝送を受信することになる1つまたは複数の他の通信デバイスの帯域幅能力に基づく。例示的な実施形態では、例えば、1つまたは複数の他の通信デバイスが非同期伝送を受信することができないとAP114が決定する(例えば、ネットワークインタフェース122が決定する、MACプロセッサ126が決定するなど)ことに応答して、ブロック404で、AP114は、複数の周波数セグメントにおける同時のそれぞれの伝送が同期されるべきと決定する。
【0081】
別の例として、ブロック404で同時のそれぞれの伝送が同期されるべきかを決定することは、複数の周波数セグメントにおける複数の周波数セグメントの全周波数帯域幅に基づく。例示的な実施形態では、例えば、全帯域幅が閾値未満である場合、ブロック404で、第1の周波数セグメントおよび第2の周波数セグメントにおける同時伝送が同期されるべき(例えば、同時のそれぞれの伝送が同時に開始されるべき)と通信デバイスが決定する(例えば、AP114が決定する、ネットワークインタフェース122が決定する、MACプロセッサ126が決定するなど)のに対し、全帯域幅が閾値より大きい場合、ブロック404で、第1の周波数セグメントおよび第2の周波数セグメントにおける同時伝送が同期化される必要がないと通信デバイスが決定する(例えば、AP114が決定する、ネットワークインタフェース122が決定する、MACプロセッサ126が決定するなど)。例示的な実施形態では、全帯域幅が比較的狭い(例えば、全帯域幅が閾値未満である)場合、複数の周波数セグメント内の全ての周波数セグメントがアイドル状態である時間を見つける確率は比較的高く、同期伝送の利益が性能(例えば全体スループット)を向上させ得るのに対し、全帯域幅が比較的広い(例えば、全帯域幅が閾値より大きい)場合、複数の周波数セグメント内の全ての周波数セグメントがアイドル状態である時間を見つける確率は比較的低く、同期伝送の利益が、全ての周波数セグメントがアイドル状態である時間を見つけることの失敗の増加による性能劣化に勝らない。
【0082】
ブロック404で、複数の周波数セグメントにおける同時のそれぞれの伝送が同期されるべきと決定されると、フローはブロック408に進む。ブロック408において、AP114は、複数の周波数セグメントを介して同期させて同時に伝送する(例えば、ネットワークインタフェースデバイス122が同時に伝送する、PHYプロセッサ130が同時に伝送するなど)。一実施形態では、ブロック408で同時に伝送することは、第1の時刻に第1の周波数セグメントを介して第1の信号を伝送することと、第1の時刻に第2の周波数セグメントを介して第2の信号を伝送することとを備える。
【0083】
いくつかの実施形態では、ブロック408で同期させて同時に伝送する前に、複数の周波数セグメントが同時にアイドル状態であるときをAP114が決定(例えば、ネットワークインタフェースデバイス122が決定、MACプロセッサ126が決定、など)し、複数の周波数セグメントが同時にアイドル状態であると決定した後、ブロック408で同時の同期伝送を開始する。いくつかの実施形態では、ブロック408で同期させて同時に伝送する前に、複数の周波数セグメントが全て同時にアイドル状態であると決定されるまでAP114が待機(例えば、ネットワークインタフェースデバイス122が待機、MACプロセッサ126が待機、など)し、それからブロック408で同時の同期伝送を開始する。
【0084】
いくつかの実施形態では、ブロック408で同時に伝送することは、図2Aを参照して上述したように信号を伝送することを備える。他の実施形態では、ブロック408で同時に伝送することは、図3Aを参照して上述したように信号を伝送することを備える。他の実施形態では、ブロック408で同時に伝送することは、他の適切なフォーマットを持つ他の適切な信号を伝送することを備える。
【0085】
いくつかの実施形態では、ブロック408で同時に伝送することは、PHYプロセッサ130に、第1の周波数セグメントにおける第1の伝送を第1の時刻に開始し、第2の周波数セグメントにおける第2の伝送を第1の時刻に開始するように促すマルチチャネルセグメント伝送コントローラ142を備える。
【0086】
他方、ブロック404において、複数の周波数セグメントにおける同時のそれぞれの伝送が非同期にされるべきと決定された場合、フローはブロック412に進む。一実施形態では、ブロック412で同時に伝送することは、第3の信号を第2の時刻に第3の周波数セグメントを介して伝送することと、第4の信号を第3の時刻に第4の周波数セグメントを介して伝送することとを備える。いくつかの実施形態では、一実施形態では、第3の周波数セグメントは第1の周波数セグメントであり(ブロック408)、第4の周波数セグメントは第2の周波数セグメントである(ブロック408)。
【0087】
いくつかの実施形態では、ブロック408での同期伝送とは異なり、AP114は、周波数セグメントの1つにおけるブロック412での伝送を開始する前に、複数の周波数セグメントがいつ同時にアイドル状態であるかを決定する必要はなく、または複数の周波数セグメントが同時にアイドル状態である時間を待機する必要もない。一実施形態では、例えば、複数の周波数セグメントのうちの第1の周波数セグメントがアイドル状態であるとAP114が決定する(例えば、ネットワークインタフェースデバイス122が決定する、MACプロセッサ126が決定する、など)とき、複数の周波数セグメントのうちの第2の周波数セグメントもまた同時にアイドル状態ではないとAP114が決定した(例えば、ネットワークインタフェースデバイス122が決定した、MACプロセッサ126が決定した、など)としても、AP114は(ブロック412で)第1の周波数セグメントにおいて伝送を開始することができる。その後にAP114が第2の周波数セグメントもまたアイドル状態になったと決定すると、AP114は、(ブロック412での)第1の周波数セグメントにおける伝送と同時に、(ブロック412で)第2の周波数セグメントにおける伝送を開始することができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、ブロック412で同時に伝送することは、図2Bを参照して上述したように信号を伝送することを備える。他の実施形態では、ブロック412で同時に伝送することは、図3Bを参照して上述したように信号を伝送することを備える。他の実施形態では、ブロック412で同時に伝送することは、他の適切なフォーマットを持つ他の適切な信号を伝送することを備える。
【0089】
いくつかの実施形態では、ブロック412で同時に伝送することは、PHYプロセッサ130に、第3の周波数セグメントにおける第3の伝送を第2の時刻に開始し、第4の周波数セグメントにおける第4の伝送を第3の時刻に開始するように促すマルチチャネルセグメント伝送コントローラ142を備える。
【0090】
いくつかの実施形態では、第1の周波数セグメントは第3の周波数セグメントと同じであり、第2の周波数セグメントは第4の周波数セグメントと同じである。他の実施形態では、第1の周波数セグメントは、第3の周波数セグメントとは異なり、および/または第2の周波数セグメントは、第4の周波数セグメントとは異なる。
【0091】
いくつかの実施形態では、第1のパケットは第3のパケットと同じであり、第2のパケットは第4のパケットと同じである。他の実施形態では、第1のパケットは第3のパケットとは異なり、および/または第2のパケットは第4のパケットとは異なる。
【0092】
図5は、一実施形態に係る、マルチチャネルセグメントオペレーションのために構成された例示的なネットワークインタフェースデバイス500の図である。例えば、一実施形態では、ネットワークインタフェースデバイス500は、複数の周波数セグメントにわたる同期および/または非同期の送受信のために構成される。一実施形態では、ネットワークインタフェースデバイス500は、図1のAP114のネットワークインタフェースデバイス122に対応する。別の実施形態では、ネットワークインタフェースデバイス500は、図1のクライアント局154-1のネットワークインタフェースデバイス162に対応する。
【0093】
ネットワークインタフェースデバイス500は、2つの周波数セグメントにわたって動作するように構成されている。ネットワークインタフェースデバイス500は、PHYプロセッサ516に結合されたMACプロセッサ508を含む。MACプロセッサ508は、フレーム(またはPSDU)をPHYプロセッサ516と交換する。
【0094】
一実施形態では、MACプロセッサ508は、図1のMACプロセッサ126に対応する。別の実施形態では、MACプロセッサ508は、図1のMACプロセッサ166に対応する。一実施形態では、PHYプロセッサ516は、図1のPHYプロセッサ130に対応する。別の実施形態では、PHYプロセッサ516は、図1のPHYプロセッサ170に対応する。
【0095】
PHYプロセッサ516は、単一のベースバンドシグナルプロセッサ520を含む。単一のベースバンドシグナルプロセッサ520は、第1のRF無線機(無線機-1)528および第2のRF無線機(無線機-2)536に結合されている。一実施形態では、RF無線機528およびRF無線機536は、図1のトランシーバ134に対応する。別の実施形態では、RF無線機528およびRF無線機536は、図1のトランシーバ174に対応する。一実施形態では、RF無線機528は、第1のRF帯域で動作するように構成され、RF無線機536は、第2のRF帯域で動作するように構成される。別の実施形態では、RF無線機528およびRF無線機536は両方とも、同一のRF帯域で動作するように構成される。
【0096】
一実施形態では、MACプロセッサ508は、MAC層データユニット(例えば、フレーム)に対応するデータを生成し、フレーム(またはPSDU)をベースバンドシグナルプロセッサ520に提供する。ベースバンドシグナルプロセッサ520は、MACプロセッサ508からフレーム(またはPSDU)を受信し、フレーム(またはPSDU)をそれぞれのパケットにカプセル化し、それぞれのパケットに対応するそれぞれのベースバンド信号を生成するように構成される。ベースバンドシグナルプロセッサ520は、それぞれのベースバンド信号を無線機-1 528および無線機-2 536に提供する。無線機-1 528および無線機-2 536は、それぞれのベースバンド信号をアップコンバートして、それぞれ第1の周波数セグメントおよび第2の周波数セグメントを介して伝送するためのそれぞれのRF信号を生成する。無線機-1 528は、第1の周波数セグメントを介して第1のRF信号を伝送し、無線機-2 536は、第2の周波数セグメントを介して第2のRF信号を伝送する。
【0097】
いくつかの実施形態では、MACプロセッサ508は、フレームが同期的または非同期的のどちらで伝送されるべきかを決定し、フレームをベースバンドシグナルプロセッサ520に提供する場合に、フレームが同期的または非同期的のどちらで伝送されるべきかをベースバンドシグナルプロセッサ520に通知する。いくつかの実施形態では、MACプロセッサ508は、フレームが伝送されるべき周波数セグメントを決定し、フレームをベースバンドシグナルプロセッサ520に提供する場合にフレームが伝送されるべき周波数セグメントをベースバンドシグナルプロセッサ520に通知する。
【0098】
第1のRF信号および第2のRF信号が同期される場合、ベースバンドシグナルプロセッサ520は、第1の周波数セグメントおよび第2の周波数セグメントを介するそれぞれの伝送信号が同期されることを保証するように構成される。例えば、ベースバンドシグナルプロセッサ520は、同時に開始するそれぞれのベースバンド信号を無線機-1 528および無線機-2 536に提供する。
【0099】
無線機-1 528および無線機-2 536はまた、それぞれ、第1の周波数セグメントおよび第2の周波数セグメントを介してそれぞれのRF信号を受信するように構成される。無線機-1 528および無線機-2 536は、それぞれの受信信号に対応するそれぞれのベースバンド信号を生成する。生成されたそれぞれのベースバンド信号は、ベースバンドシグナルプロセッサ520に提供される。ベースバンドシグナルプロセッサ520は、それぞれの受信信号に対応するそれぞれのPSDUを生成し、PSDUをMACプロセッサ508に提供する。MACプロセッサ508は、ベースバンドシグナルプロセッサ520から受信したPSDUを処理する。
【0100】
図6Aは、一実施形態に係る、それぞれの周波数セグメントにおいて伝送される例示的なPPDU604および608の図である。例えば、PPDU604は第1の周波数セグメントで伝送され、PPDU608は第2の周波数セグメントで伝送される。いくつかの実施形態および/またはシナリオでは、第1の周波数セグメントは、周波数ギャップによって第2の周波数セグメントから周波数分離されている。他の実施形態および/またはシナリオでは、第1の周波数セグメントは第2の周波数セグメントに周波数において隣接しており、第1の周波数セグメントは第2の周波数セグメントから周波数分離されていない。
【0101】
いくつかの実施形態では、PHYプロセッサ130(図1)は、PPDU604および608を生成および伝送するように構成される。いくつかの実施形態では、PHYプロセッサ170(図1)は、PPDU604および608を生成および伝送するように構成される。いくつかの実施形態では、ベースバンドプロセッサ520(図5)は、PPDU604および608を生成するように構成され、無線機528、536(図5)は、PPDU604および608を伝送するように構成される。
【0102】
PPDU604は、レガシPHYプリアンブル612(レガシプリアンブル612と呼ばれる場合がある)、非レガシPHYプリアンブル(例えば、EHTプリアンブル)616、およびPHYデータ部分620を含む。レガシプリアンブル612は、レガシショートトレーニングフィールド(L-STF)624、レガシロングトレーニングフィールド(L-LTF)628、およびレガシ信号フィールド(L-SIG)632を備える。L-SIG 632は、共にPPDU604の持続時間を示すレートサブフィールド(図示せず)および長さサブフィールド(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、EHTプリアンブル616は、PHYデータ部分620のために使用されるMCSを示す変調符号化スキーム(MCS)サブフィールドなど、PPDU604を適切に処理するために受信デバイスによって使用されるPPDU604に関するPHYパラメータを含む。PPDU604がMU PPDUである場合、EHTプリアンブル616は、周波数リソースユニット(RU)割り当て情報、空間ストリーム割り当て情報などを示す割り当て情報を含む。いくつかの実施形態では、EHTプリアンブル616は、PHYデータ部分620を伝送するために使用される空間ストリームの数に依存して数が変化する、1つまたは複数のロングトレーニングフィールドを含む。
【0103】
PPDU608は、レガシプリアンブル642、非レガシPHYプリアンブル(例えば、EHTプリアンブル)646、およびPHYデータ部分650を含む。レガシプリアンブル642は、L-STF654、L-LTF658、およびL-SIG632を備える。L-SIG 632は、共にPPDU608の持続時間を示すレートサブフィールド(図示せず)および長さサブフィールド(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、EHTプリアンブル646は、PHYデータ部分650のために使用されるMCSを示すMCSサブフィールドなど、PPDU608を適切に処理するために受信デバイスによって使用されるPPDU608に関するPHYパラメータを含む。PPDU608がMU PPDUである場合、EHTプリアンブル646は、周波数RU割り当て情報、空間ストリーム割り当て情報などを示す割り当て情報を含む。いくつかの実施形態では、EHTプリアンブル646は、PHYデータ部分650を伝送するために使用される空間ストリームの数に依存して数が変化する1つまたは複数のロングトレーニングフィールドを含む。
【0104】
PPDU604およびPPDU608の伝送が同期されるいくつかの実施形態では、PPDU608は、PPDU608の持続時間がPPDU604の持続時間と同じになるように、パケット拡張フィールド668を含む。他の実施形態では、PHYデータ部分650は、上述したように、追加的または代替的にパディングを含む。他の実施形態では、受信デバイスがそれらのNAVカウンタを上述したようにPPDU604の持続時間に対応する持続時間を示す値に設定するように、信号拡張がPPDU608に対して追加的または代替的に使用される。PPDU604およびPPDU608の伝送が非同期であるいくつかの実施形態では、PPDU608はパケット拡張フィールド668を含まない。
【0105】
いくつかの実施形態では、EHTプリアンブル616の持続時間は、EHTプリアンブル646の持続時間とは異なる(または同じである必要はない)。他の実施形態では、EHTプリアンブル616の持続時間は、EHTプリアンブル646の持続時間と同じである必要がある(例えば、EHTプリアンブル646の持続時間がEHTプリアンブル616の持続期間と同じになるように、パディングビットがEHTプリアンブル646に追加(必要な場合)される)。
【0106】
PPDU604がPPDU608とは異なる持続時間を有する実施形態では、L-SIG632は、L-SIG662とは異なる情報を含む。例えば、L-SIG632の長さサブフィールドは、L-SIG662の長さサブフィールドとは異なる長さを示す。
【0107】
図6Bは、いくつかの実施形態に係る、非レガシプリアンブル616または非レガシプリアンブル646として使用される例示的な非レガシプリアンブル(例えば、EHTプリアンブル)674の図である。
【0108】
いくつかの実施形態では、PHYプロセッサ130(図1)は、非レガシプリアンブル674を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、PHYプロセッサ170(図1)は、非レガシプリアンブル674を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、ベースバンドプロセッサ520(図5)は、非レガシプリアンブル674を生成するように構成される。
【0109】
非レガシプリアンブル674は、第1の信号フィールド(EHT-SIGA)678、第2の信号フィールド(EHT-SIGB)682、ショートトレーニングフィールド(EHT-STF)686、および1つまたは複数のロングトレーニングフィールド(EHT-LTF)690を含む。一実施形態では、非レガシプリアンブル674に対応するPHYデータ部分がn個の空間ストリーム(ここで、nは適切な正の整数)を介して伝送される場合、非レガシプリアンブル674は、n個を超えないEHT-LTF690を含む。別の実施形態では、非レガシプリアンブル674に対応するPHYデータ部分がn個の空間ストリームを介して伝送される場合、非レガシプリアンブル674は、少なくともn個のEHT-LTF690を含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、EHT-SIGB 682は、MU PPDUに含まれ、シングルユーザ(SU)PPDUには含まれない。
【0111】
様々な実施形態では、EHT-SIGA678および/またはEHT-SIGB682は、非レガシプリアンブル674に対応するPHYデータ部分に使用されるMCS(またはMU PPDUのための複数のMCS)を示す。したがって、異なる周波数セグメントに異なるMCSが使用される場合、異なる周波数セグメントのEHT-SIGA678の内容は異なる。
【0112】
同様に、少なくともいくつかの実施形態では、異なる数の空間ストリームが異なる周波数セグメントに使用される場合、異なる周波数セグメントにおけるEHT-LTF690の数は異なる。
【0113】
ここで図6A図6Bを参照し、L-SIG632およびL-SIG662が異なる情報を含む実施形態では、L-SIG632の複製が、第1の周波数セグメントのそれぞれのサブチャネル(例えば、それぞれ20MHzサブチャネル)で伝送され、L-SIG662の複製が、第2の周波数セグメントのそれぞれのサブチャネル(例えば、それぞれ20MHzサブチャネル)で伝送される。
周波数セグメント内の1つまたは複数のサブチャネルがパンクチャリングされている(例えば、伝送に使用されない)実施形態では、L-SIG632/662の複製はパンクチャリングされたサブチャネルでは伝送されない。
【0114】
非レガシ信号フィールド678が異なる周波数セグメントにおいて異なる情報を含む実施形態では、第1の周波数セグメントの情報を含む非レガシ信号フィールド678の複製が、第1の周波数セグメントのそれぞれのサブチャネル(例えば、それぞれ20MHzサブチャネル)で伝送され、第2の周波数セグメントの情報を含む非レガシ信号フィールド678の複製が、第2の周波数セグメントのそれぞれサブチャネル(例えば、それぞれ20MHzサブチャネル)で伝送される。周波数セグメント内の1つまたは複数のサブチャネルがパンクチャリングされている(例えば、伝送に使用されない)実施形態では、非レガシ信号フィールド678の複製は、パンクチャリングされたサブチャネルでは伝送されない。
【0115】
同様に、非レガシ信号フィールド682が異なる周波数セグメントにおいて異なる情報を含む実施形態では、第1の周波数セグメントの情報を含む非レガシ信号フィールド682の複製が、第1の周波数セグメントのそれぞれのサブチャネル(例えば、それぞれ20MHzサブチャネル)で伝送され、第2の周波数セグメントの情報を含む非レガシ信号フィールド682の複製が、第2の周波数セグメントのそれぞれのサブチャネル(例えば、それぞれ20MHzサブチャネル)で伝送される。周波数セグメント内の1つまたは複数のサブチャネルがパンクチャリングされている(例えば、伝送に使用されない)実施形態では、非レガシ信号フィールド682の複製は、パンクチャリングされたサブチャネルでは伝送されない。
【0116】
(例えばPPDU604がMU PPDUであり、PPDU608がSU PPDUである)いくつかの実施形態では、第1の周波数セグメントの情報を含む非レガシ信号フィールド682の複製が第1の周波数セグメントのそれぞれのサブチャネル(例えば、それぞれ20MHzサブチャネル)で伝送され、非レガシ信号フィールド682は、第2の周波数セグメントでは伝送されない。
【0117】
いくつかの実施形態では、非レガシ信号フィールド678は、PPDU604/608が伝送される周波数セグメントのみの全帯域幅を示す帯域幅サブフィールド694を含む。例えば、PPDU604が160MHzの全帯域幅を有する第1の周波数セグメントで伝送され、PPDU608が40MHzの全帯域幅を有する第2の周波数セグメントで伝送される場合、PPDU604の帯域幅サブフィールド694は160MHzの帯域幅を示すのに対し、PPDU608の帯域幅サブフィールド694は40MHzの帯域幅を示す。
【0118】
いくつかの実施形態では、非レガシ信号フィールド678は、PPDU604/608が伝送される周波数セグメントを示す周波数セグメント識別子(ID)サブフィールド698を含む。例えば、PPDU604が第1の周波数セグメントで伝送され、PPDU608が第2の周波数セグメントで伝送される場合、PPDU604の周波数セグメントIDサブフィールド698は第1の周波数セグメントを示すのに対し、PPDU608の周波数セグメントIDサブフィールド698は第2の周波数セグメントを示す。
【0119】
いくつかの実施形態では、非レガシ信号フィールド678も、i)同時伝送が他の任意の周波数セグメントで発生しているかどうか、ii)同時伝送が発生している他の周波数セグメントの数、iii)他の周波数セグメントのそれぞれの全周波数帯域幅、およびiv)同時伝送が発生している全ての周波数セグメントの累積周波数帯域幅、のうちの1つまたは複数を示す1つまたは複数の他のサブフィールド(図示せず)を含む。
【0120】
いくつかの実施形態では、図6A図6Bを参照して上述したようなフォーマットを有するレガシプリアンブルおよび非レガシプリアンブルは、図2A図2Bおよび図3A図3Bを参照して上述した伝送で使用される。
【0121】
図6A図6Bにはフィールドおよびサブフィールドの特定の順序が示されているが、他の実施形態では、他の適切な順序付けのフィールドおよびサブフィールドが利用される。他の実施形態では、PHYプリアンブルは、図6A図6Bに示されるフィールドおよびサブフィールドに加えて、1つまたは複数の他の適切なフィールド/サブフィールドを含む。同様に、いくつかの実施形態では、図6A図6Bに示されるフィールド/サブフィールドのうちの1つまたは複数は省略される。
【0122】
実施形態1:
複数の周波数セグメントにおいて同時に伝送するための方法であって、
通信デバイスにおいて、第1の周波数セグメントおよび第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきかを決定する段階と、
前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきと前記通信デバイスが決定したことに応答して、
第1の時刻に開始する前記第1の周波数セグメントにおいて第1のパケットを伝送し、
前記第1の時刻に開始する前記第2の周波数セグメントにおいて第2のパケットを伝送する、段階と、
前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に非同期にされるべきと前記通信デバイスが決定したことに応答して、
第2の時刻に開始する前記第1の周波数セグメントにおいて第3のパケットを伝送し、
前記第2の時刻とは異なる第3の時刻に開始する前記第2の周波数セグメントにおいて第4のパケットを伝送する、段階と、
を備える方法。
【0123】
実施形態2
前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきかを決定する段階は、
前記第1の周波数セグメントと前記第2の周波数セグメントとの間の周波数ギャップの周波数帯域幅に基づいて、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきかを決定する段階、
を備える実施形態1に記載の方法。
【0124】
実施形態3
前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきかを決定する段階は、
前記通信デバイスで、前記周波数ギャップの前記周波数帯域幅を閾値と比較する段階と、
前記周波数ギャップの前記周波数帯域幅が前記閾値未満であるとの決定に応答して、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきと決定する段階と、
前記周波数ギャップの前記周波数帯域幅が前記閾値より大きいとの決定に応答して、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に非同期にされるべきと決定する段階と、
を備える実施形態2に記載の方法。
【0125】
実施形態4
前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきかを決定する段階は、
前記同時伝送を受信する1つまたは複数の他の通信デバイスの能力に基づいて、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきかを決定する段階、
を備える実施形態1または2に記載の方法。
【0126】
実施形態5
前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきかを決定する段階は、
前記1つまたは複数の他の通信デバイスのいずれかが複数の周波数セグメントにおける非同期伝送を処理することができないかを決定する段階と、
前記1つまたは複数の他の通信デバイスのうちの少なくとも1つが複数の周波数セグメントにおける非同期伝送を処理できないとの決定に応答して、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に同期されるべきと決定する段階と、
前記1つまたは複数の他の通信デバイスの全てが複数の周波数セグメントにおける非同期伝送を処理することができるとの決定に応答して、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が時間的に非同期にされるべきと決定する段階と、
を備える実施形態4に記載の方法。
【0127】
実施形態6前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が同期されるべきかを決定する段階は、
i)前記第1の周波数セグメントの全周波数帯域幅、
ii)前記第2の周波数セグメントの全周波数帯域幅、および、
iii)前記第1の周波数セグメントの前記全周波数帯域幅および前記第2の周波数セグメントの前記全周波数帯域幅の累積周波数帯域幅、
のうちの1つまたは複数に基づいて、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が同期されるべきかを決定する段階、
を備える実施形態1、2または4に記載の方法。
【0128】
実施形態7
第1の持続時間を持つ第1の物理層(PHY)プリアンブルを有するように前記第1のパケットを生成する段階と、
前記第1の持続時間とは異なる第2の持続時間を持つ第2のPHYプリアンブルを有するように前記第2のパケットを生成する段階と、
をさらに備える実施形態1~6のいずれかに記載の方法。
【0129】
実施形態8
前記第2のPHYプリアンブルとは異なる情報を含むように前記第1のPHYプリアンブルを生成する段階、
をさらに備える実施形態7に記載の方法。
【0130】
実施形態9
前記第2のパケットを生成する段階は、
前記第1のパケットの伝送が終了したときに前記第2のパケットの伝送が終了するように、パケット拡張フィールドを含むように前記第2のパケットを生成する段階、
を備える実施形態1~8のいずれかに記載の方法。
【0131】
実施形態10前記第1のパケットおよび前記第2のパケットが伝送される場合に、
前記通信デバイスで、第1のメディアアクセス制御(MAC)層データユニットを生成し、
前記第1のMAC層データユニットを含むように前記第1のパケットを生成し、
前記通信デバイスで、第2のMAC層データユニットを生成し、
前記第2のMAC層データユニットを含むように前記第2のパケットを生成し、
前記第3のパケットおよび前記第4のパケットが伝送される場合に、
前記通信デバイスで、第3のMAC層データユニットを生成し、
前記第3のMAC層データユニットを含むように前記第3のパケットを生成し、
前記通信デバイスで、第4のMAC層データユニットを生成し、
前記第4のMAC層データユニットを含むように前記第4のパケットを生成する、
実施形態1~9のいずれかに記載の方法。
【0132】
実施形態11
前記第1のパケットおよび前記第2のパケットが伝送される場合に、
第1の数の空間ストリームを介して前記第1のパケットを伝送し、
前記第1の数の空間ストリームとは異なる第2の数の空間ストリームを介して前記第2のパケットを伝送し、
前記第3のパケットおよび前記第4のパケットが伝送される場合に、
第3の数の空間ストリームを介して前記第3のパケットを伝送し、
前記第3の数の空間ストリームとは異なる第4の数の空間ストリームを介して前記第4のパケットを伝送する、
実施形態1~10のいずれかに記載の方法。
【0133】
実施形態12
1つまたは複数の集積回路(IC)デバイスと、
複数の無線周波数(RF)無線機であって、少なくとも第1のRF無線機および第2のRF無線機を含み、前記複数のRF無線機が少なくとも部分的に前記1つまたは複数のICデバイス上に実装されている、複数のRF無線機と、
を有する無線ネットワークインタフェースデバイス、
を備え、
前記1つまたは複数のICデバイスは、実施形態1~11のいずれかに記載の方法を実行するように構成される通信デバイス。
【0134】
実施形態13
通信デバイスは、1つまたは複数の集積回路(IC)デバイスと、複数の無線周波数(RF)無線機であって、少なくとも第1のRF無線機および第2のRF無線機を含み、複数のRF無線機が少なくとも部分的に1つまたは複数のICデバイス上に実装されている、複数のRF無線機とを有する無線ネットワークインタフェースデバイスを備える。1つまたは複数のICデバイスは、第1の周波数セグメントおよび第2の周波数セグメントにおける同時伝送を同期させるべきかを決定し、第1の周波数セグメントおよび第2の周波数セグメントにおける同時伝送が同期されるべきと通信デバイスが決定したことに応答して、第1の時刻に開始する第1の周波数セグメントにおいて第1のパケットを伝送するよう第1のRF無線機を制御し、第1の時刻に開始する第2の周波数セグメントにおいて第2のパケットを伝送するよう第2のRF無線機を制御するように構成される。1つまたは複数のICデバイスは、さらに、第1の周波数セグメントおよび第2の周波数セグメントにおける同時伝送が非同期にされるべきと通信デバイスが決定したことに応答して、第2の時刻に開始する第1の周波数セグメントにおいて第3のパケットを伝送するよう第1のRF無線機を制御し、第2の時刻とは異なる第3の時刻に開始する第2の周波数セグメントにおいて第4のパケットを伝送するよう第2のRF無線機を制御するように構成される。
【0135】
実施形態14
前記1つまたは複数のICデバイスはさらに、
前記第1の周波数セグメントと前記第2の周波数セグメントとの間の周波数ギャップの周波数帯域幅に基づいて、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が同期されるべきかを決定する、
ように構成される実施形態13に記載の通信デバイス。
【0136】
実施形態15
前記1つまたは複数のICデバイスはさらに、
前記周波数ギャップの前記周波数帯域幅を閾値と比較し、
前記周波数ギャップの前記周波数帯域幅が前記閾値未満であるとの決定に応答して、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が同期されるべきと決定し、
前記周波数ギャップの前記周波数帯域幅が前記閾値より大きいとの決定に応答して、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が非同期にされるべきと決定する、
ように構成される実施形態14に記載の通信デバイス。
【0137】
実施形態16
前記1つまたは複数のICデバイスはさらに、
前記同時伝送を受信する1つまたは複数の他の通信デバイスの能力に基づいて、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が同期されるべきかを決定する、
ように構成される実施形態13~15のいずれかに記載の通信デバイス。
【0138】
実施形態17
前記1つまたは複数のICデバイスはさらに、
i)前記第1の周波数セグメントの全周波数帯域幅、
ii)前記第2の周波数セグメントの全周波数帯域幅、および、
iii)前記第1の周波数セグメントの前記全周波数帯域幅および前記第2の周波数セグメントの前記全周波数帯域幅の累積周波数帯域幅、
のうちの1つまたは複数に基づいて、前記第1の周波数セグメントおよび前記第2の周波数セグメントにおける同時伝送が同期されるべきかを決定する、
ように構成される実施形態13~16のいずれかに記載の通信デバイス。
【0139】
実施形態18
前記1つまたは複数のICデバイスはさらに、
第1の持続時間を持つ第1の物理層(PHY)プリアンブルを有するように前記第1のパケットを生成し、
前記第1の持続時間とは異なる第2の持続時間を持つ第2のPHYプリアンブルを有するように前記第2のパケットを生成する、
ように構成される実施形態13~17のいずれかに記載の通信デバイス。
【0140】
実施形態19
前記1つまたは複数のICデバイスはさらに、
前記第2のPHYプリアンブルとは異なる情報を含むように前記第1のPHYプリアンブルを生成する、
ように構成される実施形態18に記載の通信デバイス。
【0141】
実施形態20
前記1つまたは複数のICデバイスはさらに、
前記第1のパケットの伝送が終了したときに前記第2のパケットの伝送が終了するように、パケット拡張フィールドを含む前記第2のパケットを生成する、
ように構成される実施形態13~19のいずれかに記載の通信デバイス。
【0142】
実施形態21
前記1つまたは複数のICデバイスはさらに、
前記第1のパケットおよび前記第2のパケットが伝送される場合に、
第1のメディアアクセス制御(MAC)層データユニットを生成し、
前記第1のMAC層データユニットを含むように前記第1のパケットを生成し、
第2のMAC層データユニットを生成し、
前記第2のMAC層データユニットを含むように前記第2のパケットを生成する、
ように構成される実施形態13~20のいずれかに記載の通信デバイス。
前記1つまたは複数のICデバイスはさらに、
前記第3のパケットおよび前記第4のパケットが伝送される場合に、
第3のMAC層データユニットを生成し、
前記第3のMAC層データユニットを含むように前記第3のパケットを生成し、
第4のMAC層データユニットを生成し、
前記第4のMAC層データユニットを含むように前記第4のパケットを生成する、
ように構成される。
【0143】
実施形態22前記無線ネットワークインタフェースデバイスは、
前記1つまたは複数のICデバイスに実装された単一のメディアアクセス制御(MAC)層プロセッサと、
前記1つまたは複数のICデバイス上に実装されたベースバンドシグナルプロセッサであって、前記ベースバンドシグナルプロセッサは、前記単一のMACプロセッサおよび前記複数のRF無線機に結合されている、ベースバンドシグナルプロセッサと、
を備え、
前記第1のパケットおよび前記第2のパケットが伝送される場合に、
前記単一のMAC層プロセッサは、前記第1のMAC層データユニットおよび前記第2のMAC層データユニットを生成するように構成され、
前記ベースバンドプロセッサは、前記第1のパケットおよび前記第2のパケットを生成するように構成され、
前記第3のパケットおよび前記第4のパケットが伝送される場合に、
前記単一のMAC層プロセッサは、前記第3のMAC層データユニットおよび前記第4のMAC層データユニットを生成するように構成され、
前記ベースバンドプロセッサは、前記第3のパケットおよび前記第4のパケットを生成するように構成される、
実施形態21に記載の通信デバイス。
【0144】
実施形態23
前記1つまたは複数のICデバイスはさらに、
前記第1のパケットおよび前記第2のパケットが伝送される場合に、
第1の数の空間ストリームを介して前記第1のパケットを伝送するよう前記第1のRF無線機を制御し、
前記第1の数の空間ストリームとは異なる第2の数の空間ストリームを介して前記第2のパケットを伝送するよう前記第2のRF無線機を制御し、
前記第3のパケットおよび前記第4のパケットが伝送される場合に、
第3の数の空間ストリームを介して前記第3のパケットを伝送するよう前記第1のRF無線機を制御し、
前記第3の数の空間ストリームとは異なる第4の数の空間ストリームを介して前記第4のパケットを伝送するよう前記第2のRF無線機を制御する、
ように構成される実施形態13~22のいずれかに記載の通信デバイス。
【0145】
上で記載された様々なブロック、操作、および技術のうち少なくともいくつかは、ハードウェア、ファームウェア命令を実行するプロセッサ、ソフトウェア命令を実行するプロセッサ、またはそれらの組み合わせを利用して実装され得る。ソフトウェア命令またはファームウェア命令を実行するプロセッサの利用を実装するとき、ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、RAMまたはROMまたはフラッシュメモリ、プロセッサ、ハードディスクドライブ、光学ディスクドライブ、テープドライブなどにおける、磁気ディスク、光学ディスク、または、他のストレージメディアなどの、任意のコンピュータ可読メモリに格納され得る。ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、1つまたは複数のプロセッサにより実行されるとき、1つまたは複数のプロセッサに様々な動作を実行させる機械可読命令を含み得る。
【0146】
ハードウェアにおいて実装されるとき、ハードウェアは1つまたは複数の個別のコンポーネント、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、などを備え得る。
【0147】
本発明は特定の例を参照して記載されてきたが、それは例示のみを意図するものであり、発明の限定を意図するものではなく、変更、追加、および/または削除が、発明の範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に対して行われ得る。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B